JP2007032298A - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 火花点火式内燃機関に関し、内燃機関の運転性能に悪影響を及ぼすことなく、燃焼室内のガス温度を低下させることでノッキングを抑制できるようにする。
【解決手段】 燃焼室10内に潤滑油を直接噴射可能な潤滑油噴射弁40を備える。そして、ノッキングの発生時期に合わせて潤滑油噴射弁10から燃焼室10内に潤滑油を直接噴射し、潤滑油が気化する際の気化潜熱によって燃焼室10内を冷却する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、火花点火式内燃機関におけるノッキング抑制技術に関する。
火花点火式内燃機関において、その高負荷運転時のノッキングを抑制する方法としては、点火時期を遅角させることが一般に知られている。しかし、点火時期の遅角は燃焼を悪化させ、出力の低下と排気エミッションの悪化を招いてしまうため、点火時期の遅角によらないノッキングの抑制技術が求められている。
ノッキングは、エンドガス領域において未燃ガスが既燃ガスに圧縮され、その温度及び圧力が自着火条件に達したときに起きる。したがって、エンドガス領域のガス温度が自着火条件に達しないように燃焼室内を冷却することができれば、ノッキングを抑制することができると考えられる。
燃焼室内を冷却してガス温度を低下させる技術としては、例えば、特許文献1に開示されるように、燃焼室内に水を直接噴射することが知られている。水はそれ自体温度が低く、また、気化する際に周囲のガスから熱(気化潜熱)を奪うので、燃焼室内のガス温度を効果的に低下させることができる。
特開平10−54306号公報 特開2000−220482号公報 特開平8−177497号公報 特開2004−346832号公報
しかしながら、燃焼室内に水を噴射する場合、噴射された全ての水が蒸気となって燃焼室から排出されるとは限らない。一部の水は気化する前にシリンダ壁面に付着し、シリンダ壁面の潤滑油と混じってしまう。水噴射の度に一部の水が潤滑油へ混じっていくと、やがて潤滑油の白濁やエマルジョン化が生じ、内燃機関の潤滑性能が低下してしまう可能性がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の運転性能に悪影響を及ぼすことなく、燃焼室内のガス温度を低下させることでノッキングを抑制できるようにした火花点火式内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
火花点火式内燃機関であって、
燃焼室内に潤滑油を直接噴射可能な潤滑油噴射弁と、
ノッキングの発生時期に合わせて前記潤滑油噴射弁から潤滑油を噴射する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
内燃機関の潤滑油貯留部から潤滑油を吸い上げる潤滑油供給ポンプを備え、
前記潤滑油供給ポンプから前記潤滑油噴射弁に潤滑油が供給されることを特徴としている。
第3の発明は、第2の発明において、
前記潤滑油供給ポンプから前記潤滑油噴射弁に供給される潤滑油を冷却する冷却手段を備えることを特徴としている。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
ノッキングを検出或いは予測する手段を備え、
前記制御手段は、ノッキングが検出或いは予測された場合に、前記潤滑油噴射弁から潤滑油を噴射することを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、
前記制御手段は、潤滑油の噴射後もノッキングが検出或いは予測されるときには、前記潤滑油噴射弁からの潤滑油噴射量を徐々に増量していくことを特徴としている。
第6の発明は、第5の発明において、
前記制御手段は、前記潤滑油噴射弁からの潤滑油の噴射量が規定量に達した場合には、潤滑油噴射量の増量を停止し、潤滑油噴射量の増量停止後もノッキングが検出或いは予測されるときには、点火時期を徐々に遅角していくことを特徴としている。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記潤滑油噴射弁は、潤滑油を前記燃焼室内の内壁面に沿って噴射することを特徴としている。
第1の発明によれば、ノッキングの発生時期に合わせて燃焼室内に潤滑油が噴射されることで、潤滑油の気化潜熱によって燃焼室内を冷却し、ガス温度を低下させてノッキングを抑制することができる。さらに、潤滑油の噴射により燃焼室内のガスに乱れが生じる結果、燃焼速度が上がってノッキングが抑制されるという効果もある。
燃焼室内に水を噴射する場合には、気化しなかった水が潤滑油に混ざることで、潤滑油の白濁、エマルジョン化による潤滑性能の低下を招くおそれがあるが、潤滑油を噴射するのであればそのようなおそれはない。つまり、第1の発明によれば、水を噴射する場合のように内燃機関の潤滑性能に悪影響を及ぼすことなく、ノッキングを抑制することができる。
また、潤滑油の代わりに燃料(ガソリン等)を噴射することも考えられるが、気化しなかった燃料は潤滑油と混ざって内燃機関の潤滑油貯留部へ流れてしまう。つまり、無駄に燃料を消費することになり、燃費の悪化を招いてしまう。これに対し、潤滑油を噴射するのであれば、気化しなかった潤滑油はピストンとシリンダ壁との摺動面の潤滑に用いられるので、潤滑油を無駄に消費してしまうことはない。
また、潤滑油は燃料に比較して粘度が高く、燃焼室内に噴射されたときにはより大きい粒径になる。このため、燃料よりも潤滑油のほうが燃焼室内のガスを乱す効果が大きく、より燃焼速度を高めてノッキングを抑制することができる。つまり、第1の発明によれば、燃料を噴射する場合に比較して内燃機関の燃費性能に与える影響は少なく、且つ、ノッキングをより効果的に抑制することができる。
第2の発明によれば、内燃機関の摩擦部分の潤滑に用いた潤滑油をノッキング抑制のために利用することができる。したがって、ノッキング抑制のために専用の潤滑油を別に用意しておく必要がない。
第3の発明によれば、潤滑油供給ポンプによる圧縮時に上昇した潤滑油の温度を冷却手段による冷却によって再び低下させることができる。これにより低温の潤滑油を燃焼室内に噴射することができ、潤滑油の気化潜熱による燃焼室内の冷却効果をより高めることができる。
第4の発明によれば、実際にノッキングが検出された場合、或いは、ノッキングが予測される場合に潤滑油が噴射されるので、潤滑油を効率的に使用してノッキングを抑制することができる。
第5の発明によれば、ノッキングが抑制されるまでは潤滑油噴射量を徐々に増量していくことにより、潤滑油の使用量を抑えながらノッキングを確実に抑制することができる。
第6の発明によれば、潤滑油噴射量が規定量に達した場合には、潤滑油噴射量の増量から点火時期の遅角へとノッキング抑制の方法が切り替えられるので、潤滑油の過大な消費による潤滑油残量の不足や、潤滑油が未燃のまま排出されることによる排気エミッションの悪化を防止しつつ、ノッキングを確実に抑制することができる。
第7の発明によれば、潤滑油を燃焼室内の内壁面に沿って噴射することで、燃焼室中央を冷却することなくエンドガス領域のみを効果的に冷却することができ、ノッキングをより効果的に抑制することができる。
実施の形態1.
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1としての火花点火式内燃機関の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、図示していないが複数の気筒を有している。本実施形態にかかる内燃機関は、その内部にピストン8が配置されたシリンダブロック6と、シリンダブロック6に組み付けられたシリンダヘッド4を備えている。ピストン8の上面からシリンダヘッド4までの空間が各気筒の燃焼室10を形成している。
シリンダブロック6には、ノックセンサ66が取り付けられている。ノックセンサ66は、燃焼室10内からシリンダブロック6に伝わるノッキング振動(ノッキング信号)を検出し、ノッキング振動に応じた信号を出力する。ノックセンサ66としては共振型、非共振型の何れを用いてもよい。
各気筒の燃焼室10には吸気通路20と排気通路30が接続されている。燃焼室10と吸気通路20の接続部にはその連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、燃焼室10と排気通路30との接続部にはその連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。また、燃焼室10の頂部には、燃焼室10内に突出するように点火プラグ16が取り付けられている。
吸気通路20の上流端にはエアクリーナ22が設けられ、空気はエアクリーナ22を介して吸気通路20内に取り込まれる。吸気通路20におけるエアクリーナ22の下流には、吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータ62が配置されている。エアフローメータ62の下流には、電子制御式のスロットル24が配置されている。また、吸気通路20の下流部には、燃料であるガソリンを燃焼室10に供給するためのガソリンインジェクタ26が取り付けられている。ガソリンインジェクタ26は、気筒毎に設けられている。
排気通路30には触媒32が配置されている。燃焼室10から排出された排気ガスは触媒32を通過する際に浄化されてから大気中に排出される。排気通路30における触媒32の上流には、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素センサ68が配置されている。
本実施形態にかかる内燃機関は、燃焼室10内にオイルを直接噴射することができるオイルインジェクタ(潤滑油噴射弁)40を備えている。オイルインジェクタ40は、その噴射口が燃焼室10内を臨むようにシリンダヘッド4に取り付けられている。また、このオイルインジェクタ40は、気筒毎に設けられている。図2は、オイルインジェクタ40によるオイルの噴霧形態を燃焼室10の横断面で見た図である。この図に示すように、オイルインジェクタ40はオイルを燃焼室10の中央に向けてではなく、燃焼室10の内壁面10aに沿って噴射する。
オイルインジェクタ40が噴射するオイルは、ピストンとシリンダとの摺動面等、内燃機関の摩擦部分を潤滑する潤滑油(エンジンオイル)である。オイルの種類に限定はなく、一般に用いられている化学合成油や鉱物油でよい。本実施形態では、オイルパン(潤滑油貯留部)42に貯留されているオイルがオイルインジェクタ40へ供給される。
オイルインジェクタ40は、オイル供給ライン50によってオイルパン42に接続されている。オイル供給ライン50には、オイルポンプ(潤滑油供給ポンプ)44が配置されている。オイルパン42内のオイルは、オイルポンプ44によって吸い上げられ、燃焼室10内の燃焼ガス圧よりも高い所定圧まで圧縮されてからオイルインジェクタ40へ供給される。オイルポンプ44は、内燃機関本体2によって駆動される機械式ポンプでもよく、モータによって駆動される電動式ポンプでもよい。
オイル供給ライン50におけるオイルポンプ44の下流には、熱交換器46が配置されている。熱交換器46には、ラジエータ56で冷却された冷却水が導入されている。オイルポンプ44により圧縮されて温度が上昇したオイルは、熱交換器46を通過する際に、冷却水との熱交換によって冷却される。熱交換器46の設置位置はオイルポンプ44の下流であれば限定はない。各気筒のオイルインジェクタ40にオイルを分配するデリバリバイプと熱交換器46とを一体化してもよい。
オイル供給ライン50における熱交換器46の下流には、リリーフ弁48が配置されている。リリーフ弁48は、オイル供給ライン50内のオイル圧が所定のリリーフ圧に達したときに開弁する。リリーフ弁48には、その開弁時にオイル供給ライン50から放出されるオイルをオイルパン42に戻すためのリターンライン52が接続されている。
また、本実施形態の内燃機関は、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の出力側には前述の点火プラグ16、スロットル24、ガソリンインジェクタ26、オイルインジェクタ40等の種々の機器が接続されている。ECU60の入力側には、前述のノックセンサ66、エアフローメータ62及び酸素センサ68の他、クランクシャフト18の回転角度に応じた信号を出力するクランク角センサ64等の種々のセンサ類が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムにしたがって各機器を制御している。
ECU60が実行する内燃機関の制御の1つに、ノッキングを抑制するためのノッキング抑制制御がある。ECU60は、ノックセンサ66が出力する信号に基づいてノッキングの発生を検出し、ノッキング抑制制御を実行する。本実施形態においてECU60により実行されるノッキング抑制制御の内容は、図3を用いて説明することができる。図3は、ECU60により実行されるノッキング抑制制御のルーチンを示すフローチャートである。ノッキングは点火時期に関係するので、本ルーチンにおいては、ノッキング抑制制御は点火時期制御と併せて実行される。
図3に示すルーチンの最初のステップ100では、現時点におけるエンジン回転数とスロットル開度が取得される。エンジン回転数はクランク角センサ64の信号から取得することができ、スロットル開度はECU60から電子制御スロットル24へ供給される指令値から取得することができる。次のステップ102では、取得したエンジン回転数とスロットル開度に応じた適正点火時期、つまり、出力が最大となる点火時期(MBT)が求められ、適正点火時期で内燃機関の運転が行われる。
ステップ104では、ノックセンサ66が出力する信号に基づいてノッキングが発生しているか否か判定される。ノッキングが発生していない場合には、本ルーチンは終了する。ノッキングが発生している場合には、ノッキング抑制制御として、ステップ106乃至110の処理が実行される。
ステップ106では、ノッキングの発生時期(TDC後のノッキングが最も発生しやすい時期)に合わせて、オイルインジェクタ40から燃焼室10内にオイルが直接噴射される。オイルインジェクタ40から噴射されたオイルは、燃焼室10内の燃焼熱によって気化し、燃料であるガソリンと同様に燃焼する。なお、点火時期は不変であり、ステップ102で設定された適正点火時期での運転が継続される。
オイルは熱交換器46によって冷却されているためそれ自体温度が低く、また、気化する際に周囲のガスから熱を奪う。したがって、燃焼室10内にオイルを直接噴射することで、燃焼室10内を効果的に冷却することができ、ガス温度を低下させてノッキングを抑制することができる。しかも、オイルは燃焼室10の内壁面10aに沿って噴射されるので、燃焼室10の中央を冷却して燃焼を悪化させることなく、エンドガス領域のみを効果的に冷却することができる。さらに、噴射されたオイルの粒によって燃焼室10内のガスに乱れが生じる結果、燃焼速度が上がってノッキングが抑制されるという効果もある。
次のステップ108では、ノックセンサ66が出力する信号に基づいて、オイル噴射後のノッキングの有無について判定される。オイル噴射後も依然としてノッキングが発生している場合には、次のステップ110において、オイルインジェクタ40から噴射するオイル量の設定が増量側に補正される。次回のステップ106の処理では、増量されたオイルがオイルインジェクタ40から燃焼室10内へ直接噴射される。オイル噴射量が増量されることで、燃焼室10の冷却効果が高まってノッキングの抑制効果も向上する。オイル噴射量の増量はステップ108の判定においてノッキングが発生しなくなるまで続けられ、ノッキングが発生しなくなった時点で本ルーチンは終了する。
以上のように、図3に示すルーチンを実行することで、オイルの気化潜熱による冷却効果によって燃焼室10内のガス温度を低下させることができ、ノッキングを抑制することができる。また、ノッキングが抑制されるまではオイル噴射量は徐々に増量されていくので、オイルの使用量を抑えながらノッキングを確実に抑制することができる。
また、従来技術のように燃焼室10内に水を噴射する場合には、気化しなかった水がオイルに混ざることで、オイルの白濁、エマルジョン化による潤滑性能の低下を招くおそれがあるが、本実施形態のようにオイルを噴射するのであれば、そのようなおそれはない。
なお、オイルの代わりにガソリンを燃焼室10内に直接噴射した場合でも、その気化潜熱によって燃焼室10内のガス温度を低下させることができる。しかし、その場合、一部のガソリンは気化する前にシリンダ壁面に付着し、シリンダ壁面のオイルと混ざってオイルパン42へ流れてしまう。つまり、無駄にガソリンを消費することになり、燃費の悪化を招いてしまう。これに対し、オイルを噴射するのであれば、気化しなかったオイルはそのままピストンとシリンダとの摺動面の潤滑に用いられてオイルパン42に回収されるので、オイルを無駄に消費してしまうことはない。
また、オイルはガソリンに比較して粘度が高く、燃焼室10内に噴射されたときにはより大きい粒径になる。このため、ガソリンよりもオイルのほうが燃焼室10内のガスを乱す効果が大きく、より燃焼速度を高めてノッキングを抑制することができる。
つまり、本実施形態の内燃機関によれば、水を噴射する場合のように内燃機関の潤滑性能に悪影響を及ぼすことがない。また、ガソリンを噴射する場合と比較しても、内燃機関の燃費性能に与える影響が少なく、且つ、ノッキングをより効果的に抑制することができるという利点がある。
実施の形態2.
次に、図4を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2としての火花点火式内燃機関は、実施の形態1において、ECU60に、図3に示すルーチンに代えて図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。図4に示すルーチンにおいて、図3に示すルーチンと同一内容の処理については同一のステップ番号を付している。また、既に説明した内容の処理については重複する説明は省略するものとする。
図4に示すルーチンの特徴は、オイルインジェクタ40からのオイルの噴射量に制限を設けたことに特徴がある。つまり、ノッキングが発生している間はオイル噴射量を徐々に増量するが、オイル噴射量が規定量に達した場合には、以降の増量は禁止してオイル噴射量を規定量に制限することとしている。また、オイル噴射量の増量停止後もノッキングが続く場合には、ノッキング抑制制御として点火時期の遅角を行うようにしている。
図4に示すルーチンについて具体的に説明すると、ステップ108において、オイル噴射後も依然としてノッキングが発生していると判定された場合、ステップ110の処理によるオイル噴射量の増量側への補正に先立ち、ステップ112の処理が実施される。ステップ112では、現在のオイル噴射量が規定量に達しているか否か判定される。オイル噴射量は流量計で直接測定してもよく、インジェクタ駆動時間や圧力から算出してもよい。オイル噴射量の規定量は、オイルパン42内のオイルの消費速度や、オイルの噴射による排気エミッションへの影響を考慮して決定するのが好ましい。
ステップ112の判定の結果、未だオイル噴射量が規定量に達していなければ、オイルインジェクタ40から噴射するオイル量の設定は増量側に補正される(ステップ110)。次回のステップ106の処理では、増量されたオイルがオイルインジェクタ40から燃焼室10内へ直接噴射される。オイル噴射量の増量は、ステップ108の判定においてノッキングが発生しなくなるまで、或いは、ステップ112の判定においてオイル噴射量が規定量に達するまで続けられる。
ステップ112の判定の結果、オイル噴射量が規定量に達した場合、以降のオイル噴射量の増量は禁止されてオイル噴射量は規定量に制限される。そして、次の処理としてステップ114が選択される。ステップ114では、点火時期が所定角度だけ遅角側に補正される。つまり、オイル噴射量が規定量に達した後は、点火時期の遅角によってノッキングの抑制が図られる。
次のステップ116では、ノックセンサ66が出力する信号に基づいて、点火時期遅角後のノッキングの有無について判定される。点火時期遅角後も依然としてノッキングが発生している場合には、再びステップ114の処理が実施され、点火時期がさらに所定角度だけ遅角側に補正される。点火時期の遅角はステップ116の判定においてノッキングが発生しなくなるまで続けられ、ノッキングが発生しなくなった時点で本ルーチンは終了する。
以上のように、本実施形態の内燃機関によれば、オイル噴射量が規定量に達した場合には、オイル噴射量の増量から点火時期の遅角へとノッキング抑制の方法が切り替えられるので、オイルパン42内のオイル残量の不足や、オイルが未燃のまま排出されることによる排気エミッションの悪化を防止しつつ、ノッキングを確実に抑制することができる。また、オイル噴射によって燃焼室10内のガス温度を低下させることができる分、点火時期の遅角量は僅かで済むので、点火時期の遅角に伴う出力の低下や排気エミッションの悪化は抑えられる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変形して実施することもできる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上記実施の形態では、ノックセンサ66が出力する信号に基づいてノッキングを検出しているが、筒内圧の変化等からノッキングの発生を事前に予測することもできる。ノッキングが予測されたら、オイルインジェクタ40から燃焼室10内へオイルを直接噴射することで、ノッキングの発生を事前に防止することができる。
また、内燃機関が特定の運転状態、例えば高負荷運転状態になったら、ノッキングの有無に関係なく、オイルインジェクタ40から燃焼室10内へオイルを直接噴射するようにしてもよい。これによっても、ノッキングの発生を事前に防止することができる。
また、上記実施の形態では、内燃機関の摩擦部分の潤滑に用いたオイルをノッキング抑制のために利用しているが、ノッキング抑制のための専用のオイルを別に用意しておいてもよい。
本発明の実施の形態1としての火花点火式内燃機関の概略構成を示す図である。 図1に示すオイルインジェクタによるオイルの噴霧形態を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるノッキング抑制制御のルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるノッキング抑制制御のルーチンについて示すフローチャートである。
符号の説明
4 シリンダヘッド
6 シリンダブロック
8 ピストン
10 燃焼室
16 点火プラグ
20 吸気通路
26 ガソリンインジェクタ
30 排気通路
40 オイルインジェクタ
42 オイルパン
44 オイルポンプ
46 熱交換器
48 リリーフ弁
50 オイル供給ライン
52 リターンライン
56 ラジエータ
60 ECU
64 クランク角センサ
66 ノックセンサ

Claims (7)

  1. 燃焼室内に潤滑油を直接噴射可能な潤滑油噴射弁と、
    ノッキングの発生時期に合わせて前記潤滑油噴射弁から潤滑油を噴射する制御手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関。
  2. 内燃機関の潤滑油貯留部から潤滑油を吸い上げる潤滑油供給ポンプを備え、
    前記潤滑油供給ポンプから前記潤滑油噴射弁に潤滑油が供給されることを特徴とする請求項1記載の火花点火式内燃機関。
  3. 前記潤滑油供給ポンプから前記潤滑油噴射弁に供給される潤滑油を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項2記載の火花点火式内燃機関。
  4. ノッキングを検出或いは予測する手段を備え、
    前記制御手段は、ノッキングが検出或いは予測された場合に、前記潤滑油噴射弁から潤滑油を噴射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関。
  5. 前記制御手段は、潤滑油の噴射後もノッキングが検出或いは予測されるときには、前記潤滑油噴射弁からの潤滑油噴射量を徐々に増量していくことを特徴とする請求項4記載の火花点火式内燃機関。
  6. 前記制御手段は、前記潤滑油噴射弁からの潤滑油の噴射量が規定量に達した場合には、潤滑油噴射量の増量を停止し、潤滑油噴射量の増量停止後もノッキングが検出或いは予測されるときには、点火時期を徐々に遅角していくことを特徴とする請求項5記載の火花点火式内燃機関。
  7. 前記潤滑油噴射弁は、潤滑油を前記燃焼室内の内壁面に沿って噴射することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関。
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JP2011214447A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Mazda Motor Corp 火花点火式エンジンの制御方法および制御装置
JP2012500351A (ja) * 2008-08-15 2012-01-05 シオン−スプレイズ リミテッド 燃料噴射方法

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