JP2009062863A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール混合燃料の特性(PM排出粒子数が小さい等)を活用して、吸気弁温度が低い場合において内燃機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減すること。
【解決手段】この制御装置では、吸気弁の温度が所定温度以上である場合、運転状態に基づいて決定される基本タイミングにて燃料が噴射される。一方、吸気弁の温度が所定温度未満である場合において、アルコール濃度が所定濃度以下のときには燃料噴霧が吸気弁及びピストンに直接接触しないタイミングで燃料が噴射される(B,D領域)。これにより、PM排出粒子数が低減される。一方、アルコール濃度が所定濃度よりも大きいときには燃料噴霧が吸気弁に直接接触するタイミングで燃料が噴射される(C領域)。これにより、アルコール濃度が大きいことでPM排出粒子数が増大しないことに加えて、アルコール濃度大に起因する燃料噴射量の増大によるオイル希釈の程度の増大が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内にて燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式の内燃機関(特に、火花点火式の内燃機関)に適用される内燃機関の制御装置に関する。以下、「内燃機関の燃焼室に供給される混合気の空燃比」を単に「空燃比」と称呼し、「内燃機関」を単に「機関」と称呼することもある。
従来より、筒内噴射式の(火花点火式の)内燃機関が広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。筒内噴射式の内燃機関にて、空燃比が目標空燃比(例えば、理論空燃比)に一致するように決定される量の燃料(純ガソリン)を吸気行程において噴射する場合、吸気ポートに燃料が噴射される従来のポート噴射式の内燃機関の場合に比して、噴霧燃料の気化熱の影響により燃焼室内の(燃焼前の)混合気の温度を下げることができる。この結果、圧縮比を大きくできる等の理由により、燃焼効率を高めることができる。
特開平10−176562号公報
筒内噴射式の内燃機関では、燃料噴射タイミングによっては、噴射により燃焼室内を移動する燃料噴霧がピストンの頂面や吸気弁の背面に直接接触し得る。ピストン頂面に接触した燃料はそのままピストン頂面に付着・残留し易く、また、吸気弁の背面に接触した燃料は同背面で反射されて燃焼室の頂面に付着・残留し易い。このようにピストン頂面や燃焼室頂面に付着・残留した燃料の量が大きいと、PM(パティキュレート・マター、粒子状物質)の排出粒子数が大きくなる傾向がある。ここで、PM排出粒子数とは、例えば、所定パターンで機関を運転した場合におけるPMの総排出粒子数等である。
近年、自動車用の内燃機関に対してPM排出粒子数の低減要求が高まってきている。このような状況下、筒内噴射式の内燃機関でも、PMの排出粒子数を低減する必要性が高まってきている。
発明者による近時の研究によれば、PM排出粒子数は、吸気弁の温度と極めて強い相関があり、吸気弁温度が低いほどPM排出粒子数が大きくなる傾向が極めて強いことが判ってきている。これは、吸気弁温度が低いほど、吸気弁背面で反射して燃焼室頂面に付着・残留する燃料の量が大きくなることに基づくものと考えられる。従って、PM排出粒子数の増大を抑制するためには、吸気弁温度が低い場合においてPM排出粒子数を低減するための何らかの特別な制御(以下、「PM低減制御」と称呼する。)を行う必要がある。
ところで、近年、アルコール成分を含む燃料(例えば、ガソリン+アルコール、或いはアルコールのみからなる、以下、「アルコール混合燃料」と称呼する。)が特に車両用の内燃機関の燃料として使用されてきている。燃料の理論空燃比は、燃料中のアルコール成分の濃度(アルコール濃度)が大きいほどより小さい値になる。従って、燃料噴射量はアルコール濃度に基づいて決定され、アルコール濃度が大きいほど燃料噴射量がより大きい値になる。
係るアルコール混合燃料が使用される場合においてアルコール濃度が大きい場合、純ガソリンが使用された場合に比して、PMの排出粒子数が小さくなる傾向があることが判ってきた。このような傾向に基づけば、吸気弁温度が低い場合であってもアルコール濃度が大きい場合、上述したPM低減制御を特別に行う必要性が低い。加えて、上述したPM低減制御が特別に行われると、内燃機関の通常の運転が維持されなくなり得る。この結果、内燃機関の性能(出力、燃費等)が低下する可能性もある。以上より、吸気弁温度が低い場合であってもアルコール濃度が大きい場合、PM低減制御が行われない方が逆に好ましいと考えられる。
以上、本発明の目的は、アルコール混合燃料を使用可能な筒内噴射式の内燃機関の制御装置において、吸気弁温度が低い場合において機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減できるものを提供することにある。
本発明に係る燃料噴射制御装置は、燃焼室内にて燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、アルコール濃度を取得するアルコール濃度センサとを備えた筒内噴射式の(火花点火式)内燃機関に適用される。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記燃焼室内に供給される混合気の空燃比が目標空燃比(例えば、理論空燃比)に一致するように少なくとも前記取得されたアルコール濃度に基づいて決定される量の燃料を吸気行程において前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本タイミングで前記燃料噴射弁から噴射する燃料噴射手段を備えている。上述のように、この燃料噴射量は、アルコール濃度が大きいほど大きくなる。
本発明に係る制御装置の特徴は、吸気弁の温度を取得する吸気弁温度取得手段と、前記吸気弁の温度が所定温度よりも低い場合、所定の機関制御パラメータの調整によりPMの排出粒子数を低減するPM低減制御を行うPM低減制御手段と、前記吸気弁の温度が所定温度よりも低い場合であっても前記アルコール濃度が所定濃度よりも大きい場合、前記PM低減制御の実行を制限又は禁止する制限手段とを備えたことにある。
これによれば、吸気弁温度が低い場合、原則的に「PM低減制御」が実行されてPM排出粒子数が低減される。一方、吸気弁温度が低い場合であってもアルコール濃度が大きい場合(即ち、PM発生粒子数が小さくて「PM低減制御」が行われる必要性が低い場合)、「PM低減制御」の実行が制限又は禁止される。従って、「PM低減制御」の実行に伴う上述した内燃機関の性能(出力、燃費等)の低下が抑制され得る。以上より、本発明によれば、アルコール混合燃料の特性(PM排出粒子数が小さい)を活用して、吸気弁温度が低い場合において機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減できる。
この場合、例えば、前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、前記基本タイミングとは異なる、噴射された燃料が前記燃焼室内を移動中にて前記吸気弁及びピストンに直接接触しないタイミングで吸気行程にて前記燃料噴射手段に燃料を噴射させるように構成され得、前記制限手段は、前記基本タイミングと同じタイミングで、又は前記基本タイミングとは異なる、噴射された燃料が前記燃焼室内を移動中にて前記吸気弁に直接接触するタイミングで吸気行程にて前記燃料噴射手段に燃料を噴射させるように構成され得る。
吸気行程における燃料噴射の上記基本タイミングは、運転状態によって変化し得る。従って、基本タイミングで燃料噴射を行う場合、運転状態によっては、噴射された燃料が燃焼室内を移動中にて吸気弁やピストンに直接接触する場合と、しない場合とが発生し得る。
ここで、上述のように、燃料噴霧のピストン及び吸気弁への直接接触に起因するピストン頂面及び燃焼室頂面への燃料の付着・残留量が大きいほど、PM排出粒子数が大きくなる。換言すれば、PM排出粒子数を低減するためには、燃料噴霧のピストン及び吸気弁への直接接触そのものを回避すればよい。上記PM低減制御手段の構成は係る知見に基づく。この「PM低減制御」により、燃料噴霧のピストン及び吸気弁への直接接触が積極的に回避されて、PM排出粒子数が確実に低減され得る。
他方、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、例えば、燃料噴射タイミングを基本タイミングと同じにしてもよい。これにより、通常の運転が確保されて上述した機関の性能(出力、燃費等)の低下(具体的には、燃料噴射時期の基本タイミングからの変更に起因する性能低下)が抑制される。
しかしながら、このように基本タイミングで燃料が噴射される場合、機関の運転状態によっては、上述のように、燃料噴霧が吸気弁やピストンに直接接触しないタイミングで燃料が噴射される場合もあり得る。ここで、燃料噴霧が吸気弁及びピストンに直接接触しないタイミングで吸気行程にて燃料が噴射されることは、燃料噴霧がシリンダ内壁(における燃料噴射弁とは反対側の部分)に到達して直接接触し得ることを意味する。吸気弁温度が低い場合(従って、シリンダ内壁の温度も低い場合)、このようにシリンダ内壁に接触した燃料がシリンダ内壁にそのまま付着・残留し易い。このようにシリンダ内壁に付着・残留した燃料は、その後の圧縮行程、膨張行程でのピストンの上下運動に伴ってピストンリング等によりシリンダの下方にあるオイルパンに向けて掻き落とされ得る。この結果、この燃料がオイルパン内のオイルに混入し、オイルが燃料によって希釈される(以下、この現象を「オイル希釈」と称呼する。)。
このオイル希釈の程度は、シリンダ内壁に付着・残留する燃料の量が大きいほど大きくなる。従って、吸気弁温度が低い場合(従って、シリンダ内壁の温度も低い場合)であって、且つ、アルコール濃度が大きくて燃料噴射量が大きい場合に、オイル希釈の程度は特に顕著となる。
以上より、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、燃料噴射タイミングを、噴射された燃料が燃焼室内を移動中にて吸気弁に直接接触するタイミングとしてもよい。これにより、燃料噴霧のシリンダ内壁への直接接触が吸気弁の介在により積極的に抑制されて、オイル希釈が抑制され得る。なお、この場合、燃料噴霧の吸気弁への直接接触に起因する燃焼室頂面への燃料の付着・残留量が大きくなるが、アルコール濃度が大きいことからPM排出粒子数が増大することがない。
また、上記本発明に係る制御装置において、前記吸気弁の最大リフト量を前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本最大リフト量に調整するリフト量調整手段が備えられている場合、前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、前記リフト量調整手段に前記吸気弁の最大リフト量を(燃料噴霧が吸気弁に直接接触しないように)前記基本最大リフト量よりも小さい値に調整させるように構成され得、前記制限手段は、前記リフト量調整手段に前記吸気弁の最大リフト量を前記基本最大リフト量と同じ値に、又は前記基本最大リフト量よりも大きい値に調整させるように構成され得る。
吸気弁のリフト量が大きいほど燃料噴霧の吸気弁への直接接触が発生し易い。従って、吸気弁の最大リフト量を調整可能な機構を備えた内燃機関の場合、燃料噴霧の吸気弁への直接接触を回避するためには、吸気弁の最大リフト量を小さい値に制限してもよい。上記PM低減制御手段の構成は係る知見に基づく。この「PM低減制御」によっても、燃料噴霧の吸気弁への直接接触が積極的に回避されて、PM排出粒子数が確実に低減され得る。
他方、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、例えば、吸気弁の最大リフト量を基本最大リフト量と同じ値にしてもよい。これにより、通常の運転が確保されて上述した機関の性能(出力、燃費等)の低下(具体的には、吸気弁の最大リフト量の基本最大リフト量からの変更に起因する性能低下)が抑制される。
更には、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、吸気弁の最大リフト量を基本最大リフト量よりも大きい値に調整してもよい。これにより、燃料噴霧が吸気弁に直接接触し易くなる。この結果、燃料噴霧のシリンダ内壁への直接接触が吸気弁の介在により積極的に抑制されて、オイル希釈が抑制され得る。なお、この場合、燃料噴霧の吸気弁への直接接触に起因する燃焼室頂面への燃料の付着・残留量が大きくなるが、アルコール濃度が大きいことからPM排出粒子数が増大することがない。
また、上記本発明に係る制御装置において、点火プラグの点火時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本点火時期に調整する点火時期調整手段が備えられている場合、前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、前記点火時期調整手段に前記点火時期を前記基本点火時期よりも遅い時期に調整させるように構成され得、前記制限手段は、前記点火時期調整手段に前記点火時期を前記基本点火時期と同じ時期に、又は前記基本点火時期よりも早い時期に調整させるように構成され得る。
一般に、点火時期が遅いほどPM排出粒子数が小さくなる傾向がある。これは、点火時期が遅いことにより燃料噴霧の蒸発時間が確保されるとともに圧縮端温度が上昇することで液滴燃料の量が減少するために考えられる。従って、点火時期を調整可能な内燃機関の場合、PM排出粒子数を低減するためには点火時期を基本点火時期よりも遅らせてもよい。上記PM低減制御手段の構成は係る知見に基づく。この「PM低減制御」によっても、PM排出粒子数が確実に低減され得る。
他方、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、例えば、点火時期を基本点火時期と同じ時期にしてもよい。これにより、通常の運転が確保されて上述した機関の性能(出力、燃費等)の低下(具体的には、点火時期の基本点火時期からの変更に起因する性能低下)が抑制される。
更には、制限手段により「PM低減制御」の実行を制限又は禁止する場合(即ち、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合)、点火時期を基本点火時期よりも早めてもよい。アルコール濃度が大きい場合、純ガソリンに比してノッキングが発生し難いから、点火時期を早めることが可能となる。加えて、一般に、点火時期が早いほど燃焼による筒内温度(ピーク温度)が高くなり、吸気弁温度が上昇し易くなる。以上より、上記構成によれば、アルコール混合燃料の特性(ノッキングが発生し難い)を活用して、吸気弁温度が低くてアルコール濃度が大きい場合、吸気弁温度を「PM低減制御」が不要となる温度(即ち、前記所定温度以上)まで早期に高めることができる。
以下、本発明による内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置を筒内噴射式の火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排気ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。内燃機関10は、燃料として、ガソリンのみ(アルコール濃度=0%)、アルコール成分を含むガソリン、及びアルコールのみ(アルコール濃度=100%)を使用可能となっている。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これによりクランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともにインテークカムシャフトの位相角及び吸気弁32の最大リフト量を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を燃焼室25内にて噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)39を備えている。インジェクタ39の燃料噴射圧力は、図示しない燃料供給用ポンプの吐出流量をデューティ制御により変更すること等により変更可能となっている。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、及びスロットル弁アクチュエータ43aを備えている。
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51(実際には、各排気ポート34に連通した各々のエキゾーストマニホールド51が集合した集合部)に接続されたエキゾーストパイプ(排気管)52、エキゾーストパイプ52に配設(介装)された上流側の三元触媒53(以下、「第1触媒53」と称呼する。)、及びこの第1触媒53の下流のエキゾーストパイプ52に配設(介装)された下流側の三元触媒54(以下、「第2触媒54」と称呼する。)を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51、及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、スロットルポジションセンサ62、カムポジションセンサ63、クランクポジションセンサ64、水温センサ65、第1触媒53の上流の排気通路(本例では、上記各々のエキゾーストマニホールド51が集合した集合部)に配設された空燃比センサ66(以下、「上流側空燃比センサ66」と称呼する。)、第1触媒53の下流であって第2触媒54の上流の排気通路に配設された空燃比センサ67(以下、「下流側空燃比センサ67」と称呼する。)、アクセル開度センサ68、及びアルコール濃度センサ69を備えている。
熱線式エアフローメータ61は、吸気管41内を流れる吸入空気の単位時間あたりの質量流量を検出し、質量流量(吸入空気流量)Gaを表す信号を出力するようになっている。スロットルポジションセンサ62は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ63は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ64は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともにクランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、運転速度NEを表す。水温センサ65は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
上流側空燃比センサ66、及び下流側空燃比センサ67はそれぞれ、限界電流式の酸素濃度センサ、及び起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサであり、排ガスの空燃比に応じた出力を発生するようになっている。アクセル開度センサ68は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量を検出し、アクセルペダル81の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
アルコール濃度センサ69は、図示しない燃料タンク内に貯留されている燃料に含まれるアルコール成分(エタノール等)の濃度(即ち、上記アルコール濃度、本例では、質量濃度)を検出し、アルコール濃度R(0≦R≦100(%))を表す信号を出力するようになっている。
本例では、図2に示すように設定される係数K(1≦K)が導入される。この係数Kは、アルコール濃度Rが0%のときに「1」に設定され、アルコール濃度Rの0%からの増大に応じて「1」から増大するように設定される。アルコール濃度R=0%のときの理論空燃比stoichをstoich0(例えば、14.6等)とすると、アルコール濃度R≧0%のときの理論空燃比stoichは「stoich0・(1/K)」と表すことができる。従って、理論空燃比stoichは、アルコール濃度R(従って、係数K)が大きいほどより小さい値になる。即ち、アルコール濃度Rが大きいほど、空燃比を理論空燃比stoichとするために必要な燃料噴射量がより大きい値になる。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、及びROM72、RAM73、バックアップRAM74、並びにADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜69と接続され、CPU71にセンサ61〜69からの信号を供給するとともに、CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、及びスロットル弁アクチュエータ43aに駆動信号を送出するようになっている。
(燃料噴射時期とPM排出粒子数との関係)
上記のように構成された第1実施形態に係る制御装置(以下、「本装置」と云う。)では、通常、吸気行程においてインジェクタ39から燃料が燃焼室25内にて直接噴射される。図3は、この場合における、吸気行程における燃料噴射時期と、PM排出粒子数との関係を示している。図3に示すように、PM排出粒子数は、吸気行程における燃料噴射時期によって変わる。以下、このことを図4〜図7を参照しながら説明する。
燃料噴射時期がA領域にある場合、PM排出粒子数が大きくなる。これは、以下の理由に基づく。即ち、この場合、図4に示すように、下降していくピストン22が上死点TDCの直後の比較的高い位置に未だある状態でインジェクタ39から燃料が噴射される。これにより、燃料噴霧はピストン22の頂面に直接接触し易く、また、ピストン頂面に接触した燃料はそのままピストン頂面に付着・残留し易い。このピストン頂面への燃料の付着・残留に起因して、PM排出粒子数が大きい。A領域において燃料噴射時期が遅いほどPM排出粒子数が減少しているのは、燃料噴射時期が遅いほど、燃料噴射時期に対応するピストン22の位置が低くなって燃料噴霧がピストン頂面に直接接触する量が減少していくことに基づくものと考えられる。
燃料噴射時期がB領域にある場合、PM排出粒子数が小さくなる。これは、以下の理由に基づく。即ち、この場合、図5に示すように、ピストン22が既に十分に低い位置に下がった状態でインジェクタ39から燃料が噴射される。これにより、燃料噴霧はピストン22の頂面に直接接触し得ない。加えて、リフト量が増大していく(図中において下降していく)吸気弁32のリフト量は小さく燃料噴霧は吸気弁32にも直接接触し得ない。以上より、燃料噴霧のピストン22及び吸気弁32への直接接触に起因するピストン頂面及び燃焼室頂面への燃料の付着・残留が発生しないから、PM排出粒子数が小さい。
燃料噴射時期がC領域にある場合、PM排出粒子数が再び大きくなる。これは、以下の理由に基づく。即ち、この場合、図6に示すように、吸気弁32が十分に下がった状態(即ち、リフト量が大きい状態)でインジェクタ39から燃料が噴射される。これにより、燃料噴霧は吸気弁32の背面に直接接触し易く、また、吸気弁32の背面に接触した燃料は図中矢印に示すように反射して燃焼室25の頂面付近に付着・残留し易い。この燃焼室頂面への燃料の付着・残留に起因して、PM排出粒子数が大きい。C領域におけるPM排出粒子数の変化は、吸気弁32のリフト量の変化に対応している。即ち、上述したように吸気弁のリフト量が大きいほど燃料噴霧の吸気弁への直接接触が発生し易い。従って、例えば、C領域においてPM排出粒子数がピークとなる場合は、吸気弁32のリフト量が最大リフト量となる場合(吸気弁32が最も下がった場合)に対応している。
燃料噴射時期がD領域にある場合、PM排出粒子数が再び小さくなる。これは、以下の理由に基づく。即ち、この場合、図7に示すように、吸気弁32が再び上がった状態(リフト量が小さい状態)でインジェクタ39から燃料が噴射される。これにより、燃料噴霧は吸気弁32の背面に直接接触し得ない。また、燃料噴霧はピストン22の頂面にも直接接触し得ない。以上より、燃料噴霧のピストン22及び吸気弁32への直接接触に起因するピストン頂面及び燃焼室頂面への燃料の付着・残留が発生しないから、PM排出粒子数が小さい。
以上のように、PM排出粒子数は、吸気行程における燃料噴射時期によって変わる。加えて、このPM排出粒子数は、吸気弁32の温度と極めて強い相関があり、吸気弁32の温度が低いほどPM排出粒子数が大きくなる傾向があることが判っている。また、アルコール濃度Rが大きいほどPM排出粒子数が小さくなる傾向があることも判っている。
PM排出粒子数が大きい場合においてPM排出粒子数を低減するためには、B領域、及びD領域(図5、及び図7を参照)のように、燃料噴射タイミングを、燃料噴霧が吸気弁32及びピストン22に直接接触しないタイミングに調整すればよい。
(オイル希釈)
次に、発明の開示の欄で述べた「オイル希釈」について述べる。上述したように、吸気行程にて噴射された燃料の燃料噴霧がシリンダ21の内壁に付着・残留することに起因して、オイル希釈が発生し得る。このオイル希釈は、吸気弁32の温度が低い場合(従って、シリンダ21の内壁の温度も低い場合)であって、且つ、アルコール濃度Rが大きくて燃料噴射量が大きい場合に、特に顕著となる。オイル希釈が顕著であると、図示しないブローバイガス還元装置により吸気系に戻される燃料蒸気の量が大きくなり、これは空燃比制御に対する大きな外乱となる。従って、オイル希釈を抑制する必要がある。
上述した図5、図7に示すように、燃料噴霧が吸気弁32及びピストン22に直接接触しないタイミングで吸気行程にて燃料が噴射されると、燃料噴霧がシリンダ21の内壁に到達してそのまま付着・残留し易い。従って、オイル希釈が発生し易い。換言すれば、PM排出粒子数の抑制とオイル希釈の抑制とはトレードオフの関係にある。即ち、オイル希釈を抑制するためには、例えば、C領域(図4を参照)のように、燃料噴射タイミングを、燃料噴霧が吸気弁32に直接接触するタイミングに調整すればよい。これにより、燃料噴霧のシリンダ21の内壁への直接接触が吸気弁32の介在により積極的に抑制されて、オイル希釈が抑制され得る。
(実際の作動)
本装置のCPU71は、以上のことを総合的に考慮して、図8にフローチャートにより示したルーチンを実行する。なお、第1実施形態では、吸気弁32の最大リフト量は基本最大リフト量に調整され、点火時期は基本点火時期に調整される。基本最大リフト量、及び基本点火時期はそれぞれ、エンジン回転速度NE、吸入空気流量Ga、冷却水温THW等に基づいて決定される。
即ち、先ず、ステップ805にて、吸気弁32の温度が所定温度以上であるか否かが判定される。吸気弁32の温度は、例えば、冷却水温THW、燃料噴射量Fiの積算値、上流側空燃比センサ66、及び下流側空燃比センサ67の出力等を利用して周知の手法の一つに基づいて推定できる。或いは、吸気弁32の温度を検出できる温度センサにより吸気弁32の温度を直接検出してもよい。
ステップ805にて「Yes」と判定される場合、ステップ810にて、基本タイミングで燃料を1回噴射する指示がなされる。基本タイミングは、例えば、エンジン回転速度NE、吸入空気流量Ga、冷却水温THW等に基づいて決定される。これにより、機関の通常の運転が維持される。なお、燃料噴射量Fiは、アクセル操作量Accp、エンジン回転速度NE、吸入空気流量Ga、アルコール濃度R等に基づいて決定される。具体的には、エンジン回転速度NE、吸入空気流量Ga等から吸気行程にて燃焼室25内に吸入される空気量(筒内吸入空気量Mc)が推定され、このMcを理論空燃比stoich(=stoich0・(1/K))で除することで燃料噴射量Fiが計算される。これにより、燃料噴射量Fiは、アルコール濃度R(従って、係数K)が大きいほど大きくなる。
一方、ステップ805にて「No」と判定される場合、ステップ815にて、アルコール濃度Rが所定濃度以下(即ち、係数Kが所定値以下)であるか否かが判定され、「Yes」と判定される場合、ステップ820にて、基本タイミングに代えて、図3に示したB領域及びD領域にてそれぞれ1回ずつ燃料噴射(分割噴射、マルチ噴射)する指示がなされる。この場合、例えば、B領域、及びD領域にて上記燃料噴射量Fiの半分の量の燃料がそれぞれ噴射される。この分割噴射が、「PM低減制御」に対応する。即ち、ステップ820が前記PM低減制御手段に対応する。
このように、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが小さい場合、PM排出粒子数を低減する「PM低減制御」が行われる。これは、この場合、アルコール濃度Rが小さいことで、PM排出粒子数が大きい一方で燃料噴射量Fiが比較的小さいからオイル希釈の程度が小さいことに基づく。換言すれば、オイル希釈の抑制よりもPM排出粒子数の抑制が優先される。
他方、ステップ815にて「No」と判定される場合、ステップ825にて、基本タイミングに代えて、図3に示したC領域にて燃料噴射量Fiの燃料を1回噴射する指示がなされる。このように、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが大きい場合、オイル希釈を抑制する制御が行われる。これは、この場合、アルコール濃度Rが大きいことで、PM排出粒子数が小さい一方で燃料噴射量Fiが比較的大きいからオイル希釈の程度が大きいことに基づく。換言すれば、PM排出粒子数の抑制よりもオイル希釈の抑制が優先される。このステップ825が前記制限手段に対応する。
以上、説明したように、第1実施形態に係る制御装置によれば、吸気弁32の温度が所定温度以上である場合、運転状態に基づいてテーブル検索で決定される基本タイミングにて燃料が噴射される。一方、吸気弁32の温度が所定温度未満である場合において、アルコール濃度Rが所定濃度以下のときには燃料噴霧が吸気弁32及びピストン22に直接接触しないタイミングで燃料が噴射され(図3のB,D領域を参照)、アルコール濃度Rが所定濃度よりも大きいときには燃料噴霧が吸気弁32に直接接触するタイミングで燃料が噴射される(図3のC領域を参照)。これにより、アルコール混合燃料の特性(PM排出粒子数が小さい)を活用して、吸気弁温度が低い場合において機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減できる。
本発明は上記第1実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1実施形態においては、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが小さい場合、B領域及びD領域にてそれぞれ1回ずつ燃料噴射(分割噴射、マルチ噴射)する指示がなされているが、B領域又はD領域にて燃料を1回噴射する指示がなされてもよい。
また、上記第1実施形態においては、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが大きい場合、C領域にて燃料を1回噴射する指示がなされているが、基本タイミングで燃料を1回噴射する指示がなされてもよい。この場合、機関の通常の運転が維持されて、機関の性能低下(噴射時期の基本タイミングからの変更に起因する性能低下)が抑制される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第2実施形態では、吸気弁32の温度が所定温度未満の場合において、吸気弁32の最大リフト量が調整される点においてのみ、燃料噴射時期が調整される上記第1実施形態と異なる。以下、係る相違点についてのみ説明する。なお、第2実施形態では、燃料噴射時期は上記基本タイミングに調整され、点火時期は上記基本点火時期に調整される。
第2実施形態のCPU71は、図9にフローチャートにより示したルーチンを実行する。なお、図9において図8に示したステップと同じステップについては図8のものと同じステップ番号を付すことでそれらの説明に代える(後述する図10も同様)。
即ち、ステップ805で「Yes」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度以上である場合)、ステップ905にて、吸気弁32の最大リフト量が上述した基本最大リフト量に設定される。これにより、機関の通常の運転が維持される。
一方、ステップ805にて「No」と判定されてステップ815にて「Yes」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度未満であって且つアルコール濃度Rが所定濃度以下である場合)、ステップ910にて、吸気弁32の最大リフト量が、基本最大リフト量に代えて、基本最大リフト量よりも小さい値に設定される。
これにより、燃料噴霧の吸気弁32への直接接触が回避され得るから、PM排出粒子数が低減され得る。この吸気弁32の最大リフト量を小さくする処理が、「PM低減制御」に対応する。即ち、ステップ910が前記PM低減制御手段に対応する。
このように、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが小さい場合(即ち、PM排出粒子数が大きい一方でオイル希釈の程度が小さい場合)、上記第1実施形態と同様、オイル希釈の抑制よりもPM排出粒子数の抑制が優先されて、「PM低減制御」が行われる。
他方、ステップ815にて「No」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度未満であって且つアルコール濃度Rが所定濃度よりも大きい場合)、ステップ915にて、吸気弁32の最大リフト量が、基本最大リフト量と同じ値に設定される。これにより、機関の通常の運転が維持されて、機関の性能低下(吸気弁32の最大リフト量の基本最大リフト量からの変更に起因する性能低下)が抑制される。また、このアルコール濃度Rが大きいから、PM排出粒子数の増大が抑制される。このステップ915が前記制限手段に対応する。
以上、説明したように、第2実施形態に係る制御装置によっても、上記第1実施形態と同様、アルコール混合燃料の特性(PM排出粒子数が小さい)を活用して、吸気弁温度が低い場合において機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減できる。
本発明は上記第2実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第2実施形態においては、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが大きい場合、吸気弁32の最大リフト量が基本最大リフト量と同じ値に設定されているが、吸気弁32の最大リフト量が基本最大リフト量よりも大きい値に設定されてもよい。
これにより、燃料噴霧が吸気弁32に直接接触し易くなるから、燃料噴霧のシリンダ21の内壁への直接接触が吸気弁32の介在により積極的に抑制されて、オイル希釈が積極的に抑制され得る。なお、この場合、燃料噴霧の吸気弁32への直接接触に起因する燃焼室25の頂面への燃料の付着・残留量が大きくなるが、アルコール濃度が大きいことからPM排出粒子数の増大は抑制され得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第3実施形態では、吸気弁32の温度が所定温度未満の場合において、点火プラグ37の点火時期が調整される点においてのみ、燃料噴射時期が調整される上記第1実施形態と異なる。以下、係る相違点についてのみ説明する。なお、第3実施形態では、燃料噴射時期は上記基本タイミングに調整され、吸気弁32の最大リフト量は上記基本最大リフト量に調整される。
第3実施形態のCPU71は、図10にフローチャートにより示したルーチンを実行する。即ち、ステッ805で「Yes」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度以上である場合)、ステップ1005にて、点火時期が上述した基本点火時期に設定される。これにより、機関の通常の運転が維持される。
一方、ステップ805にて「No」と判定されてステップ815にて「Yes」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度未満であって且つアルコール濃度Rが所定濃度以下である場合)、ステップ1010にて、点火時期が、基本点火時期に代えて、基本点火時期よりも遅角した時期に設定される。
これにより、筒内温度(ピーク温度)が低くなること等に起因して、PM排出粒子数が低減され得る。この点火時期を遅角させる処理が、「PM低減制御」に対応する。即ち、ステップ1010が前記PM低減制御手段に対応する。
このように、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが小さい場合(即ち、PM排出粒子数が大きい一方でオイル希釈の程度が小さい場合)、上記第1実施形態と同様、オイル希釈の抑制よりもPM排出粒子数の抑制が優先されて、「PM低減制御」が行われる。
他方、ステップ815にて「No」と判定される場合(吸気弁32の温度が所定温度未満であって且つアルコール濃度Rが所定濃度よりも大きい場合)、ステップ1015にて、点火時期が、基本点火時期に代えて、基本点火時期よりも進角した時期に設定される。この場合、アルコール濃度Rが大きいから点火時期を進角してもノッキングが発生し難い。
加えて、点火時期の進角により筒内温度(ピーク温度)が高くなることで、吸気弁32の温度が上昇し易くなる。即ち、アルコール混合燃料の特性(ノッキングが発生し難い)を活用して、吸気弁32の温度を「PM低減制御」が不要となる温度(即ち、前記所定温度以上)まで早期に高めることができる。また、このアルコール濃度Rが大きいから、PM排出粒子数の増大が抑制される。このステップ1015が前記制限手段に対応する。
以上、説明したように、第3実施形態に係る制御装置によっても、アルコール混合燃料の特性(PM排出粒子数が小さい)を活用して、吸気弁温度が低い場合において機関の性能低下を抑制しつつPM排出粒子数を低減できる。
本発明は上記第3実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第3実施形態においては、吸気弁32の温度が低く且つアルコール濃度Rが大きい場合、点火時期が基本点火時期よりも進角した時期に設定されているが、点火時期が基本点火時期と同じ時期に設定されてもよい。これにより、機関の通常の運転が維持されて、機関の性能低下(点火時期の基本点火時期からの変更に起因する性能低下)が抑制される。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置を適用した筒内噴射式の内燃機関の概略図である。 アルコール濃度と係数Kとの関係を示したグラフである。 吸気行程における燃料噴射時期と、PM排出粒子数との関係を示している。 燃料噴射時期が図3に示したA領域にある場合における、燃料噴霧と、吸気弁及びピストンの位置との関係を示した図である。 燃料噴射時期が図3に示したB領域にある場合における、燃料噴霧と、吸気弁及びピストンの位置との関係を示した図である。 燃料噴射時期が図3に示したC領域にある場合における、燃料噴霧と、吸気弁及びピストンの位置との関係を示した図である。 燃料噴射時期が図3に示したD領域にある場合における、燃料噴霧と、吸気弁及びピストンの位置との関係を示した図である。 図1に示したCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…内燃機関、21…シリンダ、22…ピストン、25…燃焼室、32…吸気弁、39…インジェクタ、69…アルコール濃度センサ、70…電気制御装置、71…CPU

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室内にて燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    燃料に含まれるアルコール成分の濃度であるアルコール濃度を取得するアルコール濃度センサと、
    を備えた筒内噴射式の内燃機関に適用され、
    前記燃焼室内に供給される混合気の空燃比が目標空燃比に一致するように少なくとも前記取得されたアルコール濃度に基づいて決定される量の燃料を吸気行程において前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本タイミングで前記燃料噴射弁から噴射する燃料噴射手段を備えた内燃機関の制御装置であって、
    吸気弁の温度を取得する吸気弁温度取得手段と、
    前記吸気弁の温度が所定温度よりも低い場合、所定の機関制御パラメータの調整によりPMの排出粒子数を低減するPM低減制御を行うPM低減制御手段と、
    前記吸気弁の温度が所定温度よりも低い場合であっても前記アルコール濃度が所定濃度よりも大きい場合、前記PM低減制御の実行を制限又は禁止する制限手段と、
    を備えた内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、
    前記基本タイミングとは異なる、噴射された燃料が前記燃焼室内を移動中にて前記吸気弁及びピストンに直接接触しないタイミングで吸気行程にて前記燃料噴射手段に燃料を噴射させるように構成されていて、
    前記制限手段は、
    前記基本タイミングと同じタイミングで、又は、前記基本タイミングとは異なる、噴射された燃料が前記燃焼室内を移動中にて前記吸気弁に直接接触するタイミングで吸気行程にて前記燃料噴射手段に燃料を噴射させるように構成された内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気弁の最大リフト量を前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本最大リフト量に調整するリフト量調整手段を備え、
    前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、
    前記リフト量調整手段に前記吸気弁の最大リフト量を前記基本最大リフト量よりも小さい値に調整させるように構成され、
    前記制限手段は、
    前記リフト量調整手段に前記吸気弁の最大リフト量を前記基本最大リフト量と同じ値に、又は前記基本最大リフト量よりも大きい値に調整させるように構成された内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    点火プラグの点火時期を前記内燃機関の運転状態に基づいて決定される基本点火時期に調整する点火時期調整手段を備え、
    前記PM低減制御手段は、前記PM低減制御として、
    前記点火時期調整手段に前記点火時期を前記基本点火時期よりも遅い時期に調整させるように構成され、
    前記制限手段は、
    前記点火時期調整手段に前記点火時期を前記基本点火時期と同じ時期に、又は前記基本点火時期よりも早い時期に調整させるように構成された内燃機関の制御装置。
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