JP2013024094A - エンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置 - Google Patents

エンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化を招くことがなく、また、エンジン性能を高めつつ燃焼室内に噴射される水の消費量を抑えながら、効率良く残留排気ガスの量の低減と温度の低下とを図ることで、ノッキング限界を大きく向上できるエンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置を提供する。
【解決手段】燃焼室内に水を噴射する水噴射弁が設けられたエンジンのノッキング抑制方法であって、前記水噴射弁は、ノッキングが発生したときに水噴射を行うとともに、該水噴射は、前記エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に行うことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの燃焼室内に水噴射弁から水を噴射することによりノッキングを抑制するエンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置に関する。
燃費向上のため高圧縮比にしたエンジンでは、ノッキング発生のために主に低速全開時のエンジントルクが低下する傾向にある。また、過給エンジンにおいても同様にノッキングの発生が問題となっている。
ノッキングの発生は、点火前の混合気の温度に依存するため、高温になるに従いノッキングが発生しやすくなる。混合気の温度が高くなる主な要因としては、排気行程で排出しきれなかった残留排気ガスが高熱量を持つこと及び残留排気ガスの温度が高いことが挙げられる。この残留排気ガスの量の低減と温度の低下とにより、ノッキング限界を大きく向上させることが可能となる。
このような従来のエンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置として、燃料筒内噴射及び吸気管への水噴射が挙げられる。また、水噴射用インジェクタによって燃焼後に燃焼室内に残留する高温のガスを掃気する技術(例えば、特許文献1参照。)、水噴射ノズルによって燃焼室内に水を噴射し燃焼温度を下げる技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特許文献1の図1によれば、水の燃焼室54内への噴射方向が第1及び第2の排気弁73,74近傍になるように内燃機関50Aに水噴射用インジェクタ1Aを備える。
特許文献1の明細書段落番号[0024]には、「排気行程後半で第1及び第2の吸気弁61,62が開いた際には、ピストン53の上昇により縮小された燃焼室54内に吸気が流入し、燃焼室54内の高温ガスの排気が促進される。この際に水噴射用インジェクタ1Aが水を噴射した場合、さらに噴霧F1で燃焼室54内の高温ガスを第1、第2の排気弁73,74側へ押し出すようにして掃気することが可能である」ことが記載されている。
また、特許文献1の明細書段落番号[0034]には、「噴射タイミングに関しては、排気行程後半で第1及び第2の吸気弁71,72と第1及び第2の噴射弁73,74とがオーバーラップして開弁する期間中が、最も掃気効果が高いために好ましいタイミングである」ことが記載されている。
特許文献2の図6、図12によれば、独立燃焼室式内燃機関に、独立燃焼室1内に水を噴射する水噴射ノズル61が設けられている。明細書中には、水噴射ノズル61の水噴射のタイミング、噴射時間等は記載されていない。
特開2007−162665号公報 特開2006−22800号公報
燃料筒内噴射では、燃焼室内の十分な冷却を得るために燃料の噴射量を増やすと、理論空燃比よりも混合気が濃くなり、排気ガス中のHC成分の増加と燃費の悪化を招く。
また、吸気管内水噴射では、吸気管内で水分が蒸発すると、混合気中の酸素濃度が薄くなり、エンジントルクの低下を招く。更に、気化潜熱による冷却効果のみとなるため、筒内水噴射に比べて冷却効果が悪く、必要となる水量が多くなる。
特許文献1の技術では、排気行程の後半で吸気弁71,72が開くと、その開くタイミングによっては噴射された水の蒸発時の膨張によって燃焼室54内に吸気された混合気が第1及び第2の吸気ポート61,62へ逆流することがあり、これによって体積効率が悪化し、エンジン出力が低下するおそれがある。
また、特許文献2の技術では、水噴射ノズル61の水噴射のタイミング、噴射時間によっては、残留排気ガスを効率よく掃気したり、残留排気ガスの温度を効率よく下げることは難しい。
本発明の目的は、排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化を招くことがなく、また、エンジン性能を高めつつ燃焼室内に噴射される水の消費量を抑えながら、効率良く残留排気ガスの量の低減と温度の低下とを図ることで、ノッキング限界を大きく向上できるエンジンのノッキング抑制方法及び同ノッキング抑制装置を提供することにある。
本発明は、かかる目的を達成するため、燃焼室内に水を噴射する水噴射弁が設けられたエンジンのノッキング抑制方法であって、前記水噴射弁は、ノッキングが発生したときに水噴射を行うとともに、該水噴射は、前記エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に行うことを特徴とする。
本発明によれば、水の気化潜熱で燃焼室内の残留排気ガスを冷却し、更に水が気化する際の水蒸気の膨張で燃焼室内から残留排気ガスを素早く掃気し、燃焼室内の温度を下げてノッキングを抑制する。
排気弁が開いている期間中で、水の噴射タイミングが早すぎると、例えば、排気ガスの排出量が多い時期に水噴射することになり、冷却や掃気のために水の噴射量を多くしなければならないから、水の消費量が多くなる。この結果、水の補給から次の補給までの間隔が短くなる。
水の噴射タイミングが遅すぎると、例えば、吸気弁が開いた後に水噴射することになり、水蒸気の膨張時に燃焼室内のガスが排出しきれなくなって吸気された混合気が逆流することがある。この結果、体積効率が下がってエンジン出力が低下する。
以上より、水噴射をエンジンの排気弁開弁中の後期に且つ吸気弁開弁前までに所定期間行うことで、噴射される水の消費量を抑え、且つエンジン出力を向上させることが可能になる。更に、燃料による燃焼室内の冷却ではないため排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化がない上、水を燃焼室内に直接噴射させることで燃焼室内の冷却と水蒸気の膨張による掃気が効率良く行える。
さらに、本発明によれば、前記水噴射は、ノッキングが発生したときに行われるので、水の消費量を少なくでき、水の補給間隔をより長くすることが可能になる。
また、本発明において好ましくは、前記水噴射弁の噴射量は、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて増加させるとよい。
このように、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて水噴射量を増加させるので、エンジンの高回転時や高負荷時に、水の噴射量を増加して排ガス温度を低減し、排気系を冷却することが可能になる。この結果、燃料による排気系の冷却が不要になって、燃料消費量を低減することができる。
またさらに、本発明において好ましくは、前記水噴射弁の噴射開始時期は、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて早めるとよい。
このように、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて水噴射の噴射開始時期を早めることで、結果的に水噴射総量を増やすことができ、すなわち、噴射期間を長く設定できるようになるため、高回転時や高負荷時に排気系を水噴射により冷却することが可能になる。これによって、燃料による排気系の冷却が不要になって、燃料消費量を低減することができる。
また本発明は、燃焼室内に水を噴射する水噴射弁が設けられたエンジンのノッキング抑制装置において、前記水噴射弁は、前記燃焼室の吸気弁側に取り付けられるとともに、前記燃焼室内の排気弁側に向けて水を噴射するように設けられ、該水噴射弁による水噴射の噴射開始時期および噴射量を制御する制御装置を備え、該制御装置は、前記エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に噴射するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、制御装置によって水噴射弁での水噴射をエンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に噴射するように制御することにより、噴射される水の消費量を抑え、且つエンジン出力を向上させることが可能になる。
更に、燃料による燃焼室内の冷却ではないため排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化がない上、水を燃焼室内に直接噴射させることで燃焼室内の冷却と水蒸気の膨張による掃気が効率良く行える。
また、水噴射弁は、燃焼室の吸気弁側に燃焼室内の排気弁側に向けて水を噴射するように設けられるため、水噴射によって燃焼室内の残留排気ガスを吸気弁側から排気弁側へスムーズに移動させ、燃焼室から排出することが可能である。
以上記載のごとく本発明によれば、水噴射は、エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に行われるので、エンジン出力を高めつつ水の消費量を抑えながら且つ排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化を招くことなく、水の気化潜熱で燃焼室内の残留排気ガスを冷却し、更に水が気化する際の水蒸気の膨張で燃焼室内から残留排気ガスを素早く掃気して、効率良く燃焼室内の温度を下げることができ、ノッキングを抑制することができる。
また、ノッキングが検出されているときにのみ水噴射が行われるので、水の消費量を更に少なくすることができ、水の補給間隔を長くすることができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
更に、水の噴射量を、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて増加させるので、エンジンの高回転時や高負荷時に、水の噴射量を増加させて排気系を冷却することができ、燃料による排気系の冷却が不要になって、燃料消費量を低減することができる。
また更に、水噴射弁の噴射開始時期は、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて早めることによって、結果的に水の噴射量を増やすことができるようになり、すなわち、噴射期間を長く設定できるようになるため、高回転時や高負荷時に燃料による排気系の冷却が不要になって、燃料消費量を低減することができる。
また本発明によれば、水噴射弁は、エンジンの排気弁開弁中の後期で、且つ吸気弁開弁前の所定期間において水を噴射するように制御装置により制御されるので、エンジン出力を高めつつ水の消費量を抑えながら且つ排気ガス中の未燃成分の増加や燃費の悪化を招くことなく、水の気化潜熱で燃焼室内の残留排気ガスを冷却し、更に水が気化する際の水蒸気の膨張で燃焼室内から残留排気ガスを素早く掃気して、効率良く燃焼室内の温度を下げることができ、ノッキングを抑制することができる。
更に、水噴射弁を燃焼室の吸気弁側に取り付けて燃焼室内の排気弁側に向けて水を噴射するように設けたので、水噴射によって燃焼室内の残留排気ガスを吸気弁側から排気弁側へスムーズに移動させ、燃焼室から排出することができる。
本発明の第1実施形態を示す説明図である。 第1実施形態の吸気弁、排気弁、水噴射弁の関係を示す平面図である。 吸排気弁の弁リフト量とクランク角との関係、及び水噴射の所定期間ΔT、噴射開始時期tを示すグラフである。 第1実施形態の水噴射形態を示す説明図である。 図4の水噴射形態の平面図である。 第2実施形態の水噴射形態を示す説明図である。 ノッキング抑制制御に用いるマップであり、図7(a)はエンジンの負荷および回転数に応じた水噴射量(所定期間ΔT)のマップ、図7(b)はエンジンの負荷および回転数に応じた噴射開始時期tのマップである。 ノッキング抑制方法を示すフローチャートである。 第3実施形態の水噴射形態を示す説明図である。 図9の第3実施形態による水噴射の作用を示す説明図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(第1実施形態)
図1に示すように、エンジン10は、図示せぬクランクケースに回転自在に支持されたクランクシャフト11と、このクランクシャフト11のクラけンクピンに一端が回転自在に連結されたコネクティングロッド12と、このコネクティングロッド12の他端にピストンピン13を介して揺動自在に連結されるとともにシリンダブロック15に設けられたシリンダ16に移動自在に挿入されたピストン17と、シリンダブロック15に取付けられたシリンダヘッド18と、このシリンダヘッド18に設けられた吸気弁21、排気弁22、カムシャフト(不図示)等からなる動弁機構25と、シリンダブロック15、ピストン17及びシリンダヘッド18で囲まれて形成された燃焼室26と、この燃焼室26に空気を供給する吸気装置(不図示)と、燃焼室26に燃料を供給するために吸気装置に設けられた燃料供給装置(不図示)と、燃焼室26から排出された排気ガスを外部へ排出する排気装置(不図示)と、燃焼室26に先端の点火部が臨むようにシリンダヘッド18に取付けられた点火プラグ31と、ノッキングを検出するためにシリンダブロック15に取付けられたノックセンサ32と、燃焼室26内にノッキング抑制用の水を噴射する水噴射装置35とを備えるガソリンエンジンである。なお、図中の符号17aは燃焼室26に臨むピストン17の頂面、37はシリンダヘッド18に形成された吸気ポート、38はシリンダヘッド18に形成された排気ポートである。
シリンダブロック15はクランクケースの上部に取付けられている。
燃料供給装置は、例えば、シリンダヘッド18又はシリンダヘッド18に取付けられた吸気マニホールド(不図示)に設けられる燃料噴射弁を備える。
燃焼室26の形状は、例えばペントルーフ形であり、上部中央部に点火プラグ31が配置されている。
水噴射装置35は、吸気弁21側のシリンダヘッド18に、燃焼室26に臨むように取付けられた水噴射弁41と、この水噴射弁41に供給される水を貯める水タンク42と、この水タンク42内の水を水噴射弁41に圧送する水ポンプ43と、水噴射弁41に設けられた弁本体を開閉させて水噴射のタイミング及び噴射量を制御するECU(Electronic Control Unit)44とからなる。
水噴射弁41は、ソレノイド弁であり、コイルに通電することで弁本体が開弁し、水が噴霧される。
水タンク42には、例えば、水が少なくなって最低貯留量に達すると運転者に補給を促すインジケータ又はブザーが付設されている。
水ポンプ43は、エンジン始動と同時に作動して水噴射弁41に水を圧送し、一定の水圧を作用させる。この状態で水噴射弁41の弁本体が開弁すれば、水噴射弁41から水が霧状に噴射される。
水噴射弁41に、より一定の水圧を作用させるために水ポンプ43と水噴射弁41との間にプレッシャレギュレータを設けてもよい。
ECU44は、エンジン負荷信号、エンジン回転数信号及びノックセンサ32の出力信号を取り込むことで、ノックセンサ32でノッキングが検出された場合に限り、水噴射弁41に通電を行い、エンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて水噴射弁41での水噴射タイミング及び水噴射量を制御する。
図2の平面図に示すように、燃焼室26には、吸気弁21(「IN」と記載されている部分)及び排気弁22(「EX」と記載されている部分)がそれぞれ2弁ずつ配置され、中央部に点火プラグ31が配置され、一対の吸気弁21,21及び一対の排気弁22,22の間を通る直線A上で且つ吸気弁21,21側のシリンダヘッド18に、排気弁22,22側に向けて水噴射するように水噴射弁41が設けられている。
図3に示すように、4サイクルエンジンおいて、排気弁は、膨張行程から排気行程に移行する下死点(BDC)より前に開弁(EO:Exhaust valve Open)し、排気行程から吸気行程に移行する排気上死点(TDC)より後に閉弁(EC:Exhaust valve Close)する。
また、吸気弁は、排気上死点(TDC)より前に開弁(IO:Intake valve Open)し、吸気行程から圧縮行程に移行する下死点(BDC)より後に閉弁(IC:Intake valve Close)する。
このように、排気弁と吸気弁とは、排気上死点近傍で共に開弁するバルブオーバーラップ状態となる。
水噴射弁41での水噴射は、吸気弁21の開弁(IO)よりクランク角t前に開始する。このtを噴射開始時期という。そして噴射は、排気行程後期であって排気弁が開いている間で、且つ吸気弁21が開く前の所定期間ΔTの間に行われる。この所定期間ΔTの終了時期は、図3においては、吸気弁21が開き始めるのと同時の場合を示しているが、吸気弁21が開き始める前に終了してもよい。
水噴射の噴射開始時期tを早くすると、それだけ燃焼室内の容積が大きくなり、排気ガスの量が多いため、残留排気ガスを掃気するための水噴射量も多く必要になるので、水の消費量が多くなる。この結果、水タンクへの水補給量が多くなるため、水タンクを満タンに補給しても、次の補給までの間隔は短くなる。
従って、水噴射の所定期間ΔTにおける水噴射の開始時期を排気弁の弁リフト量が最大となる時期より遅くし、さらに排気行程後期にすることで、燃焼室内の容積が小さくなり、排気ガスの量が少なくなるため、残留排気ガスを掃気するための水噴射量が少なくなり、水の消費量が少なくて済む。この結果、水タンクへの水の補給間隔が長くなり、メンテナンス性を向上させることができる。
また、所定期間ΔTの終了時期が吸気弁の開弁後になる、即ち吸気弁開弁後に水噴射が行われると、燃焼室内に噴射された水の蒸発により水蒸気が膨張することで、燃焼室内に存在するガスを排出できなくなり、吸気ポートから燃焼室内内へ吸気された混合気が再び吸気ポートへ押し戻される(逆流する)ことがある。
以上より、水噴射は、排気行程後期の排気弁が開いている間で且つ吸気弁が開く前に行うのが良い。これにより、水の消費量を抑えることができるとともに、混合気の逆流も発生しないから燃焼室内へ流入する混合気の体積効率を向上させることができる上に、容量が小さくなった燃焼室内への水噴射によって気化潜熱を効率良く利用して残留排気ガスの温度をより低い温度まで低下させることができ、更に、容量の小さくなった燃焼室内での水蒸気の膨張によって燃焼室内の残留排気ガスをより効率良く掃気することができる。
以上に述べたエンジン10のノッキング抑制方法を次に説明する。
図4において、排気行程では、燃焼室26の排気ガスは燃焼室26内の正圧によって排気ポート38側へ排出されるが、燃焼室26の末端部の狭い空間では排気ガスは排出されにくく、残留排気ガス50として残る。この残留排気ガス50は高温であるため、次のタイミングで燃焼室26内に吸入された混合気を加熱し、異常燃焼、即ちノッキングを助長することになる。従って、上記の残留排気ガス50の冷却、掃気がノッキング抑制に繋がる。
図4に示すように、排気行程後期で排気弁22が開弁状態にあり、吸気弁21が閉弁状態にあるときに、水噴射弁41から燃焼室26内に水を噴射すると、水噴射弁41から噴射された水の噴霧は、矢印B,Bで示すように、ほぼピストン17の頂面17aに沿って排気弁22側に流れるとともに燃焼室26内の温度で蒸発して膨張する。
この結果、燃焼室26内及び燃焼室26の壁面は、燃焼室26の末端部に溜まっている残留排気ガス50を含めて水の気化潜熱で冷却され、更に、残留排気ガス50は、水蒸気の膨張によって、矢印C,Cで示すように、燃焼室26から排気ポート38へ掃気され、排気装置から外部へ排出される。
図5は水噴射弁41からの水噴射の噴射状態を平面的に示している。
即ち、水噴射は、水噴射弁41の噴射口41aから一対の排気弁22,22と重なるように扇状に広がるように行われる。
燃焼室26の末端部に溜まっている残留排気ガス50は、水噴射の勢い及び水の膨張によって矢印D,Dで示すように排気弁22側へ移動し、排気ポートへ排出される。
上記水噴射の形態により、温度の高い排気弁22,22及びその周辺の冷却と、排気弁22,22側の燃焼室末端部に溜まりやすい残留排気ガス50の掃気とを効果的に行うことができる。
図7(a)はエンジンの負荷および回転数に応じた水噴射弁の水噴射量(所定期間ΔTの長さ)のマップ、図7(b)はエンジンの負荷および回転数に応じた水噴射弁の射開始時期tのマップを示しており、水噴射によるノッキング抑制をECU44(図1参照)で制御する場合に用いられる。
図7(a)において、エンジン回転数が上昇するにつれて、水噴射量は多くなり(所定期間ΔTを長くすること)、また、エンジン負荷が大きくなるにつれても、水噴射量は多くなる。
従来、エンジン負荷やエンジン回転数が増加するにつれて燃焼室温度が次第に高くなるため、これに応じて燃料供給量を増やすことで冷却していたが、本実施形態では、この燃料による冷却を、エンジン負荷、エンジン回転数に応じて水噴射量を増やすことによって水による冷却に変更した。
この結果、冷却のために使用されていた燃料が不要になり、燃料消費量を低減することができる。
図7(b)においても、エンジン負荷およびエンジン回転数の増加に応じて、射開始時期tを早めることで、所定期間ΔTを長く設定することが可能になり、結果的に水噴射量総量を増やすことができ、水による燃焼室温度低減を図ることができ、図7(a)の場合と同様に燃料消費量を低減することができる。
なお、射開始時期tを早めることなく、実質的に水噴射量を吸気弁21が開弁する前に増加できるようにすれば、例えば、水噴射の噴射圧力を圧力制御機構を介して増圧制御することによって、前述した噴射開始時期tを早くすると、それだけ燃焼室内の容積が大きくなり、排気ガスの量が多いため、残留排気ガスを掃気するための水噴射量も多く必要になる点を解消でき、高回転または高負荷運転において、水の消費量を節約しつつ、周囲の冷却と残留排気ガスの掃気をより一層効率良く行うことができる。
図8に示すECU44(図1参照)によるノッキング抑制制御のフローチャートと図4とに基づいて再度水噴射の制御を説明する。なお、以下説明中のS1,S2,・・・はフローチャートのステップ番号を表している。
ステップS1では、ノックセンサ32の出力を検出する。
ステップS2では、ノックセンサ32の出力に基づいてエンジン10でノッキングが発生しているかどうか判断する。
ノックセンサ32からノック信号が検出されず、ノッキングが発生していない(NO)場合は、再度ステップS1に進む。
ノックセンサ32からノック信号が検出され、ノッキングが発生している(YES)場合は、ステップS3に進む。
ステップS3では、ECU44は、記憶手段(不図示)から図7(a),(b)で示した水噴射量(所定期間ΔT)、噴射開始時期tのマップデータを読込み、これらのデータに基づいて、ステップS4で水噴射弁41へ噴射信号を送り、水噴射弁41から水噴射を行わせる。
ここで、水噴射してもノッキングが収まらない場合には、ECU44は、点火プラグ31に出力する点火時期を遅らせ、ノッキングを抑制する。
また、例えば、エンジン10に、エンジン回転数・負荷に応じて吸排気弁のバルブタイミングを変化させて効率の良い吸排気を行う可変バルブ機構を設けた場合には、この可変バルブ機構に同期させて、ECU44は、本実施形態の水噴射条件(水噴射を、排気弁22の開弁中の後期に且つ吸気弁21の開弁前までに所定期間ΔT行う)を保ちながら水噴射タイミングを変更する制御を行う。
すなわち、可変バルブ機構による吸排気弁のバルブタイミングの変化に同期して、吸気弁21の開弁前の噴射開始時期tまたは所定期間ΔTを保持するようにして水噴射を行う。
(第2実施形態)
水噴射形態の第2実施形態について図6を参照して説明する。
図6に示すように、水噴射弁41の水噴射形態は、一対の吸気弁21,21及び一対の排気弁22,22の間を進む直線状であってもよい。これにより、燃焼室26の排気弁22,22側の末端部に溜まっている残留排気ガス50に向けて勢いの強い噴霧を当てることにより、矢印で示すように、残留排気ガス50を拡散させて残留排気ガス50の掃気をより効果的に行うことができる。
その他は、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3実施形態)
水噴射形態の第3実施形態について図9、10を参照して説明する。
図9に示すように、水噴射弁41を、直線Aから離れた位置で燃焼室26の末端部を通るとともに直線Aに平行な直線F上のシリンダヘッド18に、燃焼室26の末端部に向くように配置してもよい。なお、符号18cは水噴射弁41の噴射口41aから燃焼室26に通じるようにシリンダヘッド18に開けた連通穴、18dは水噴射弁41を取付けるためにシリンダヘッド18に開けた取付穴である。
図10では図9に示した実施形態の作用を示している。
即ち、水噴射弁41から水を、矢印G,Gのように噴射すると、霧状の水は、矢印Hのように、燃焼室26の排気弁22側の末端部に沿って流れるため、末端部に集まった残留排気ガス50を、矢印J,Jで示すように排気弁22から排気ポート側へ掃気しやすくなる。また、図10に示すように噴霧の水は、矢印Hのようにピストン17周縁部を旋回するように流れるため、ピストン17の頂面の周縁部とシリンダヘッド18との間の隙間に溜り易い残留排気ガス50の掃気作用が効果的に得られる。
なお、第1実施形態〜第3実施形態では、図1に示したように、エンジン10として、シリンダヘッドの吸気ポートや吸気マニホールド等の吸気装置に燃料供給装置を備えたものとしたが、これに限らず、燃焼室内に直接に燃料を噴射する筒内直噴式エンジン(ディーゼルエンジンを含む)としてもよい。
また、図1に示したように、水ポンプ43はECU44によって制御されていないが、これに限らず、ECU44によって水ポンプ43の作動を制御してもよい。すなわち、水噴射の圧力制御を行うようにしてもよい。
さらに、図3に示したように、水噴射弁での水噴射を、排気行程後期の排気弁が開いている間で且つ吸気弁が開く前に行うようにしたが、この吸気弁の開弁(IO)は排気上死点(TDC)より前であっても、後であってもよい。
本発明は、エンジンのノッキング抑制方法および抑制装置に用いて好適である。
10 エンジン
21 吸気弁
22 排気弁
26 燃焼室
32 ノックセンサ
41 水噴射弁
50 残留排気ガス
噴射開始時期
ΔT 所定期間

Claims (4)

  1. 燃焼室内に水を噴射する水噴射弁が設けられたエンジンのノッキング抑制方法であって、
    前記水噴射弁は、ノッキングが発生したときに水噴射を行うとともに、該水噴射は、前記エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に行うことを特徴とするエンジンのノッキング抑制方法。
  2. 前記水噴射弁の噴射量は、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて増加されることを特徴とする請求項1記載のエンジンのノッキング抑制方法。
  3. 前記水噴射弁の噴射開始時期は、エンジン回転数及びエンジン負荷の増加に応じて早めることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンのノッキング抑制方法。
  4. 燃焼室内に水を噴射する水噴射弁が設けられたエンジンのノッキング抑制装置において、
    前記水噴射弁は、前記燃焼室の吸気弁側に取り付けられるとともに、前記燃焼室内の排気弁側に向けて水を噴射するように設けられ、該水噴射弁による水噴射の噴射開始時期および噴射量を制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記エンジンの排気弁開弁中の後期で且つ吸気弁開弁前の所定期間に噴射するように制御することを特徴とするエンジンのノッキング抑制装置。
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