JP2006348799A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機関出力向上とノッキング抑制との両立を好適に図ることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 吸気通路と筒内燃焼室との双方に燃料噴射可能な内燃機関の制御装置において、機関運転状態が所定のノック域(β≠0)に入ったとき、吸気通路噴射と、吸気行程筒内噴射と、圧縮行程筒内噴射との噴射比率α、(1−α)×(1−β)、(1−α)×βをそれぞれ設定する共に、ノック域に入る前に比べ、吸気通路噴射の噴射比率を減少し、圧縮行程筒内噴射の噴射比率を増加する。ノック域に入ったときに圧縮行程筒内噴射の燃料噴射量を増加することができ、圧縮行程筒内噴射による燃料の気化潜熱を利用して筒内ガスを冷却すると共に、点火前に燃焼室内のガスを積極的に乱して点火後の燃焼速度を高め、ノッキングを抑制することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は内燃機関の制御装置に係り、特に、吸気通路と筒内燃焼室との双方に燃料噴射可能な内燃機関の制御装置に関する。
エンジンの出力トルクを増大する要請は常に存在しており、このためターボチャージャ、スーパーチャージャといった過給機や、必要に応じてインタークーラをも搭載し、過給圧の増大及び吸気温の低下による吸気の充填効率の向上を図り、供給可能な燃料量を増大することが既に知られている。しかし、ガソリンエンジンの場合、これと背反してノッキングの問題が常に存在し、このノッキングをいかに抑え込むかが重要なテーマとなる。ノッキングは、点火プラグを起点として伝播する火炎が末端部分に到達する前に、末端部分の未燃ガスが自己着火することによって起きる。
ここで、直噴式ガソリンエンジンの場合だと、筒内燃焼室に噴射される燃料の気化潜熱を利用して筒内混合気の温度を直接下げられ、これを以て吸気の充填効率を向上することができる。従って高出力化に有利であり、また耐ノック性も比較的良好である。
また、特許文献1には、噴射燃料を高圧化して圧縮行程に燃料を燃焼室内に直接噴射することにより、噴射される燃料の噴霧の表面が荒れる(燃料噴霧に乱れが発生する)ことを利用して、燃料噴霧に沿って拡がる火炎の伝播速度を実質的に高め、ノッキングの発生を抑制することが開示されている。即ち、燃料噴霧が適度に乱れた状態にあるタイミングで点火を行うことにより、燃料の点火後の火炎の伝播速度を実質的に高められ、ノッキングの原因である末端ガスの自着火が起きる前に、火炎を燃焼室全体に行き渡らせることが容易となる。この結果、例えばエンジンの圧縮比を高めたり、点火時期を早めたりしても、ノッキングが起き難くなる。もって、ノッキングの発生を抑制しつつ発生トルクを高めることができる。
特開2005−30293号公報
ところで、上記のような燃焼室内の乱れを発生させるために吸気行程における筒内噴射に加えて圧縮行程における筒内噴射をも行うようにすると、ノッキングは改善されるものの、場合によってはスモークも発生し得ることが試験によって判明した。この理由は、燃焼室内の乱れを発生させるためには燃料噴射期間がある程度必要であり、この燃料噴射期間があまりに長期だと燃料の蒸発時間が不足してスモークになるからと考えられる。また、一定以上の圧縮行程筒内噴射量を確保するために吸気行程筒内噴射量を減少し過ぎてしまうと、吸気行程筒内噴射による燃料の気化潜熱を利用した吸入空気の冷却効果が低減し、よって筒内ガス温度の上昇を招き、圧縮行程筒内噴射によるノッキング抑制効果が減少されてしまう可能性がある。
このように、筒内噴射を行う場合、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とのそれぞれの燃料噴射比率を最適化することが望まれる。一方、筒内噴射に加えて吸気通路に燃料を噴射することも考えられ、こうすると吸気通路噴射によって吸気を筒内燃焼室に導入される前に燃料の気化潜熱を利用して冷却することができ、高出力化とノッキング抑制とに一層有利となる。従って、このような吸気通路噴射も加えて各燃料噴射の噴射比率を最適に設定することが有効である。
そこで、以上の事情に鑑みて本発明は創案されたものであり、その目的は、機関出力向上とノッキング抑制との両立を好適に図ることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一形態は、吸気通路に燃料を噴射する第1噴射弁と、筒内燃焼室に燃料を噴射する第2噴射弁とを備えた内燃機関の制御装置において、機関運転状態に応じて、吸気通路噴射と、吸気行程における筒内噴射と、圧縮行程における筒内噴射との噴射比率をそれぞれ制御する噴射比率制御手段であって、機関運転状態が所定のノック域に入ったとき、当該ノック域に入る前に比べ、前記吸気通路噴射の噴射比率を減少し、前記圧縮行程筒内噴射の噴射比率を増加する噴射比率制御手段を備えたことを特徴とする。
この本発明の一形態によれば、機関運転状態が所定のノック域に入ったとき、当該ノック域に入る前に比べ、吸気通路噴射の噴射比率が減少され、圧縮行程筒内噴射の噴射比率が増加される。これにより、ノック域に入ったときに圧縮行程筒内噴射の燃料噴射量を増加することができ、圧縮行程筒内噴射による噴射燃料の気化潜熱を利用して筒内ガスを冷却すると共に、点火前に燃焼室内のガスを積極的に乱して点火後の火炎の伝播速度(燃焼速度)を高め、ノッキングを抑制することができる。また、吸気行程筒内噴射の噴射量を積極的に減少する訳ではないので、吸気行程筒内噴射による筒内ガス冷却効果を維持し、筒内ガス温度の上昇を抑制することができる。さらに、吸気通路噴射と、吸気行程における筒内噴射と、圧縮行程における筒内噴射との三段階で燃料噴射を行うので、増加後の圧縮行程筒内噴射の噴射量は過剰に多い量とならず、よってスモークの発生も好適に抑制可能となる。
ここで、内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、内燃機関のノッキングを検出するノック検出手段と、前記機関運転状態が前記ノック域に入った状態で前記ノック検出手段によりノッキングが検出されたとき、前記吸気通路噴射の噴射量を所定量減少し、その減少分、前記圧縮行程筒内噴射の噴射量を増加するように、前記吸気通路噴射の噴射量と前記圧縮行程筒内噴射の噴射量とを変更する噴射量変更手段とをさらに備えるのが好ましい。
これによれば、ノック域でノッキングが検出されても、直ちに点火遅角を実行せず、代わりに吸気通路噴射の噴射量が所定量減少され、その減少分、圧縮行程筒内噴射の噴射量が増加される。これにより、圧縮行程筒内噴射による筒内ガスの冷却効果と乱れ効果とを増大させてノッキングを抑制することができる。これによりノッキングが解消すれば、点火遅角を行う必要がなくなり、機関出力の減少を免れられる。
また、前記噴射量変更手段による噴射量の変更によっても前記ノック検出手段によりノッキングが検出されるとき、前記噴射量変更手段による噴射量の変更に併せて前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されるのが好ましい。
これによれば、前記噴射量変更手段による噴射量の変更によってもノッキングが解消しない場合に始めて点火時期の遅角が実行されるので、点火時期の遅角を開始する時期を可能な限り遅らせることができ、点火遅角に伴う機関出力の減少を可能な限り回避することができる。
この場合、前記各々の燃料噴射の噴射時期を制御する噴射時期制御手段をさらに備え、前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されるとき、その遅角量に応じて前記噴射時期制御手段により前記圧縮行程筒内噴射の噴射時期が遅角されるのが好ましい。
これによれば、点火時期の遅角量に応じて圧縮行程筒内噴射の噴射終了時期を遅れ側に移動し、圧縮行程筒内噴射の噴流による筒内ガス乱れ効果を高め、さらなる遅角化を防止できる。
また、前記噴射量変更手段による噴射量の変更によって前記吸気通路噴射の噴射量が前記第1噴射弁の最小噴射量以下となる場合、前記噴射量変更手段による噴射量の変更が中止され、前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されるのが好ましい。
これによれば、吸気通路噴射の噴射量が第1噴射弁の最小噴射量以下となる場合に噴射量変更手段による噴射量の変更が中止されるので、その最小噴射量以下での吸気通路噴射が中止され、燃料噴射量のバラツキ増大や燃料の壁面付着等の問題を回避できる。また、点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されるので、ノッキングを抑制することができる。
本発明によれば、機関出力向上とノッキング抑制との両立を好適に図ることができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明の好適一実施形態を添付図面に基づき詳述する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の制御装置を概略的に示す。図示されるエンジン1は、1気筒のみ代表的に示されているものの、多気筒エンジンであり、気筒数に特に制限は無い。これら気筒毎に、吸気通路9に燃料を噴射する第1噴射弁33と、筒内燃焼室28に燃料を噴射する第2噴射弁2とが設けられている。さらにこのエンジン1は火花点火式であり、より具体的にはガソリンエンジンであるが、代替燃料としてのアルコール又はこれとガソリンとの混合燃料、CNG等の気体燃料、その他の燃料を用いるものであってもよい。
エンジン1は過給式であり、吸気を過給する過給機として例えばターボチャージャ3が設けられている。ターボチャージャ3は、排気系に設けられたタービン4と吸気系に設けられたコンプレッサ5とを有し、排気エネルギを利用してタービン4を駆動すると共にこれと同軸連結されたコンプレッサ5を駆動して吸気を過給するようになっている。タービン4にはこれをバイパスするウェストゲート6と、ウェストゲート6を開閉するウェストゲートバルブ7とが設けられている。なお、過給機としてスーパーチャージャを採用することも可能である。
エアクリーナ8から吸入された空気は、吸気通路9を介して各気筒の燃焼室に分配供給される。吸気通路9は、上流側から順に配置された吸気管10、吸気マニホールド11及び吸気ポート12により主に区画形成され、吸気管10には、前記コンプレッサ5と、コンプレッサ5の下流側に位置されるインタークーラ13と、インタークーラ13の下流側に位置される電子制御式スロットル弁14とが設けられる。インタークーラ13はこれを通過する吸気を冷却する。本実施形態のインタークーラ13は空冷式であるが、水冷式などであってもよい。なお、本実施形態のエンジン1は車両に搭載されるものであり、吸気はインタークーラ13を介して外気(特に走行風)との間で熱交換を行い冷却される。吸気マニホールド11は、上流側に位置された集合部としてのサージタンク15と、サージタンク15及び各気筒の吸気ポート12を気筒毎に接続する複数の枝管16とからなる。吸気ポート12はエンジン1のシリンダヘッド17に気筒毎に形成される。
排気通路18も同様に、エンジン1のシリンダヘッド17に気筒毎に形成された排気ポート19と、これら排気ポート19に接続される排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に接続された排気管21とにより主に区画形成され、排気管21には前記タービン4が設けられている。
吸気ポート12の出口が吸気弁22により開閉され、排気ポート19の入口が排気弁23により開閉される。吸気弁22と排気弁23とは図示しないカムシャフトにより開閉される。なお、これら吸気弁22と排気弁23との開閉タイミングやリフトを可変にする機構が設けられてもよい。
エンジン1のシリンダ26内にはピストン27が往復動可能に配設され、ピストン27の上方には筒内燃焼室28が区画形成される。筒内燃焼室28に臨んで点火プラグ29がシリンダヘッド17に取り付けられ、ピストン27はコンロッド30を介してクランクシャフト31に連結される。
第1噴射弁33は、各気筒の枝管16に1本ずつ、即ち気筒毎に設けられ、本実施形態では吸気ポート12内に燃料を噴射するように配置されている。第1噴射弁33は、電子制御ユニット(以下ECUと称す)100からの駆動信号により開弁して燃料を噴射し、ECU100からの駆動信号が停止すると閉弁して燃料噴射を停止する。
第2噴射弁2は、吸気行程及び圧縮行程のいずれか一方又は両方で燃料噴射を行う。圧縮行程噴射の場合、上昇してくるピストン27の頂部の凹部32に向けて燃料を噴射し、凹部32内面に沿って巻き上がるタンブル状の流れを生成する過程で燃料と空気とを混合させ、点火プラグ29付近に比較的リッチな混合気層を形成する。このリッチな混合気層の周りにはリーンな混合気層或いは空気層が形成され、これにより筒内燃焼室28内の混合気が成層化され、成層燃焼が実現される。第2噴射弁11も同様に、ECU100からの駆動信号により開弁して燃料を噴射し、ECU100からの駆動信号が停止すると閉弁して燃料噴射を停止する。筒内燃焼室28内の混合気は、ECU100からの点火信号に基づき、点火プラグ29により点火され、燃焼する。筒内燃焼室28内の排気は排気通路18を通じて排出される。
このように第1噴射弁33と第2噴射弁2とが設けられてエンジン1は所謂デュアル噴射式として構成される。以下便宜上、第1噴射弁33による吸気通路噴射を「ポート噴射」と称し、第2噴射弁2による吸気行程筒内噴射を「吸気直噴」と称し、第2噴射弁2による圧縮行程筒内噴射を「圧縮直噴」と称す。
図示省略するが、第2噴射弁2及び第1噴射弁33には、燃料タンク内の燃料が図示しない燃料供給装置を介して供給される。第2噴射弁2には高圧の燃料が高圧ポンプによって供給され、噴射圧は第2噴射弁2による筒内噴射の方が第1噴射弁33によるポート噴射より高圧である。
ECU100は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサ類からの入力信号を受け、これに基づいて所定の処理を行い、第1噴射弁33、第2噴射弁2、点火プラグ29、スロットル弁14の駆動モータ34、及びウェストゲートバルブ7の駆動アクチュエータ35等を制御する。
前記センサ類として、吸気温センサ40、エアフローメータ41、水温センサ42、クランク角センサ43、スロットル開度センサ44、アクセル開度センサ45及びノックセンサ24が含まれる。吸気温センサ40は、これが設置される位置の吸気温を検出するためのものである。エアフローメータ41は、吸入空気の流量を検出するためのものであり、本実施形態ではコンプレッサ5とインタークーラ13との間に設置される。水温センサ42はエンジン1の冷却水温を検出するためのものである。なおこの冷却水温はエンジン温度の代表値であり、これは油温等に置き換えることもできる。クランク角センサ43はクランクシャフト31の角度ないし位相を検出するためのものであり、電磁ピックアップ等から構成される非接触式センサで、クランクシャフト31に設けられた歯付きロータの歯の通過毎にパルスを出力する。スロットル開度センサ44はスロットル弁14の開度(スロットル開度)を検出するためのものである。アクセル開度センサ45は、アクセルペダルの開度(アクセル開度)ないし踏み込み量を検出するためのものである。ノックセンサ24は、エンジンのシリンダ26に配設された振動検出センサであり、全気筒に対し共用である。ノックセンサ24は、エンジンの振動レベルに比例した出力電圧を発生し、ECU100はこの出力電圧を所定のしきい値と比較してノッキングの有無を判断する。
ECU100は、エアフローメータ41により検出される吸入空気流量に基づいて各気筒の筒内燃焼室28に吸入される空気量を算出すると共に、エンジン1の負荷を算出する。またECU100は、クランク角センサ43の出力パルスに基づいてエンジン1のクランク角を検出すると共に、回転速度を算出する。ECU100は、通常、スロットル開度センサ44の出力値がアクセル開度センサ45の出力値に応じた値となるように駆動モータ34を制御し、スロットル開度をアクセル開度に連動させる。
次に、本実施形態における内燃機関の制御について説明する。
ECU100は、機関運転状態に基づいて、ある1気筒に対し1噴射サイクル中に噴射される燃料の噴射量と噴射時期(噴射開始時期)とを所定のマップを参照して算出すると共に、点火時期を所定のマップを参照して算出する。これらマップはECU100のROMに記憶されている。このマップにより求められる燃料噴射量等が基本値である。またここでいう機関運転状態とは本実施形態では回転速度と負荷であり、前述したように、回転速度はクランク角センサ43の出力信号に基づいてECU100により算出され、負荷はエアフローメータ41の出力信号に基づいてECU100により算出される。
また本実施形態では、ある1気筒で1噴射サイクル中に噴射される全燃料噴射量が第1噴射弁33と第2噴射弁2とにより噴き分けられる。この噴き分け制御はECU100によって実行される。即ち、図2に示すように、噴射すべき全燃料噴射量をQとした場合、ポート噴射の噴射量(ポート噴射量)Q1はα×Q、吸気直噴の噴射量(吸気直噴量)Q2は(1−α)×(1−β)×Q、圧縮直噴の噴射量(圧縮直噴量)Q3は(1−α)×β×Qとして設定される。これから分かるように、αは全燃料噴射量Qに対するポート噴射量の割合であり、0〜1の値を持つ。またβは全筒内噴射量(1−α)×Qに対する圧縮直噴量の割合をいい、0〜1の値を持つ。そして、ポート噴射、吸気直噴及び圧縮直噴の噴射比率(全燃料噴射量Qに対する各噴射量の比)はそれぞれK1=α、K2=(1−α)×(1−β)、K3=(1−α)×βで表される。これら各噴射比率K1〜K3は機関運転状態に応じて後述する所定のマップに従ってECU100により制御される。そして各噴射比率K1〜K3に従って各燃料噴射量が設定・噴射されることにより噴き分け制御が実行されることになる。なお、周知のように、燃料噴射量Qは回転速度及び負荷が高まるほど増大される。
図3に、本実施形態の噴射比率制御マップが示される。(a)図は、筒内噴射のみに着目した場合の、回転速度NE及び負荷Lに対する圧縮直噴割合βの関係を示している。ハッチングが施された高負荷側の領域が所定のノック域であり、実機試験等を通じてノッキングが起こりやすいと判明した領域をノック域として設定している。ノック域以外の領域では、β=0であり、圧縮直噴は行われない。ノック域では、高負荷側になるほどβの値は大きくなり(β1<β2<β3)、圧縮直噴割合βが増加されていく。なお、例えばβ1は0.1(10%)程度の値に設定され、β2は0.2(20%)程度の値に設定され、β3は0.3(30%)程度の値に設定される。これらβ1〜β3は第2噴射弁2の噴射量が最小噴射量以上となるように設定される。第2噴射弁2の噴射量が最小噴射量を下回ると、燃料噴霧が十分に微粒化せず、また筒内ガスに乱れを作り得るような十分な噴流を作れないからである。
(b)図は、負荷Lに対するポート噴射割合α(=ポート噴射の噴射比率K1)の関係を示しており、特に(a)図における回転速度NE=NE1(一定)のときの関係を示している。示されるように、負荷L<L1のときはα=1であり、ポート噴射のみによって燃料噴射がなされるが、L1≦L<L2になると負荷Lの増大につれてポート噴射の噴射比率K1=αが徐々に減少するようになる。このとき圧縮直噴割合β=0であり、従って筒内噴射は吸気直噴のみで行われる。
L2≦L<L3になるとポート噴射の噴射比率αは負荷Lによらず一定値α1となる。このときも圧縮直噴割合βは依然として0であり、従って筒内噴射は吸気直噴のみで行われる。なお吸気直噴の噴射比率K2は(1−α1)である。
L3≦L<L4になると、機関運転状態がノック域に入り、圧縮直噴割合βが所定値β2となり、筒内噴射が吸気直噴と圧縮直噴との両方で行われるようになる。このとき、機関運転状態がノック域に入る前に比べ、ポート噴射の噴射比率αが減少され、圧縮直噴の噴射比率が増大される。
図示例においては、ポート噴射の噴射比率αが、ノック域に入る直前のときの値α1から所定量Δα減少されて(α1−Δα)となっている。そして残りの筒内噴射分(1−α)=(1−(α1−Δα))に対して、吸気直噴と圧縮直噴とが振り分けられる。吸気直噴の噴射比率K2=(1−α)×(1−β)=(1−(α1−Δα))×(1−β2)、圧縮直噴の噴射比率K3=(1−α)×β=(1−(α1−Δα))×β2である。ノック域に入る前はK3=0であり、ノック域に入ると同時にK3は0から増加される。図示されるように、負荷Lの増大につれてポート噴射の噴射比率αが徐々に減少され、即ち減少量Δαが増大され、これに応じて吸気直噴及び圧縮直噴の噴射比率K2,K3が徐々に増大されていく。
L4≦Lになると、圧縮直噴割合βがβ2より大きい値β3に変更され、またポート噴射の噴射比率αがより小さい値に変更される(即ち減少量Δαが増大される)。これらの変更はステップ的に行われる。ポート噴射の噴射比率K1=α=α1−Δα、吸気直噴の噴射比率K2=(1−α)×(1−β)=(1−(α1−Δα))×(1−β3)、圧縮直噴の噴射比率K3=(1−α)×β=(1−(α1−Δα))×β3となる。これより圧縮直噴の噴射比率K3がさらに増加されることが理解される。前記同様に、負荷Lの増大につれてポート噴射の噴射比率αが徐々に減少され、これに応じて吸気直噴及び圧縮直噴の噴射比率K2,K3が徐々に増大されていく。
ECU100は、その基本制御において、機関運転状態(回転速度及び負荷)に基づき、1噴射サイクル中に1気筒から噴射される燃料噴射量の総量である基本噴射量を所定のマップから算出すると共に、各噴射の噴射比率を図3に示したような噴射比率マップから算出し、次いで、基本噴射量に各噴射比率を乗じて各噴射の燃料噴射量を算出し、これら燃料噴射量を噴射期間に換算し、各噴射の噴射時期の到来と同時に、各噴射期間だけ対応する噴射弁33,2を通電する。このとき、特に圧縮直噴の噴射時期は、圧縮直噴の終了時期から点火時期までのインターバルが一定になるように、マップで定められている。このインターバルは、圧縮直噴の燃料噴霧が十分に気化可能なできるだけ短い期間に設定されている。圧縮直噴の時期をできるだけ遅らせ、燃料噴霧が適度に乱れた状態で点火を行うことにより、燃料の点火後の火炎の伝播速度を実質的に高め、ノッキングを抑制するためである。また、圧縮直噴の燃料噴霧を十分に気化させてから点火・燃焼させることによりスモークの発生を防止できるからである。
なお、図3の例では、機関運転状態が非ノック域からノック域に入ったとき、圧縮直噴の噴射比率がゼロから増加されたが、ゼロでない値から増加させるようにしてもよい。
このように、機関運転状態がノック域に入ったとき、ポート噴射の噴射比率を減少して圧縮直噴の噴射比率を増加する前記方法の利点について述べる。
図4は、噴射形態別に見たクランク角と筒内ガス温度との関係を示すグラフである。破線は(A)吸気直噴のみで燃料噴射を行った場合、一点鎖線は(B)吸気直噴と圧縮直噴とで燃料噴射を行った場合、実線は(C)ポート噴射と吸気直噴と圧縮直噴とで燃料噴射を行った場合で特に前記の如くポート噴射量を減少し圧縮直噴量を増加させた場合をそれぞれ示す。
見られるように、(B)の場合は(A)の場合に比べ、圧縮直噴を行う前の期間aで筒内ガス温度が高くなる。この理由は、圧縮直噴を行う分、吸気直噴量が少なくなり、筒内ガスの冷却効果が劣るからである。そして(B)の場合、圧縮直噴の噴射期間b中に筒内ガスが冷却されており、点火時期直前のタイミングcでは筒内ガス温度が(A)の場合と同等となる。
これに対し、これら(A),(B)の場合と(C)の場合とを比較すると、(C)の場合、点火時期直前のタイミングcで筒内ガス温度が下がっている。これは、ポート噴射によって筒内燃焼室28に入る前に吸入ガスが既に冷却されるためであり、このことと吸気直噴によるガス冷却効果とが相俟って、圧縮直噴前の期間aで(A)の場合と同等の筒内ガス温度が得られる。この筒内ガス中にさらに圧縮直噴を行うことで、筒内ガスはさらに冷却され、結果的に点火時期直前のタイミングcでは筒内ガス温度が最も低下する。このように筒内ガス温度が低下されるので、ノッキングの抑制には好適である。また、筒内ガス温度の低下は吸気の充填効率の向上をも意味するから、吸気量ひいては燃料量を増大することができ、機関出力をも向上できる。
そして、ノック域に入ったときポート噴射の噴射比率を減少し圧縮直噴の噴射比率を増加する前記方法によれば、ノック域に入ったときに圧縮直噴量を増加し、即ち圧縮直噴の噴射期間を増大し、圧縮直噴による燃料の気化潜熱を利用して筒内ガスを冷却すると共に、点火前に燃焼室内のガスを積極的に乱して点火後の火炎の伝播速度(燃焼速度)を高め、ノッキングを抑制することができる。即ち、ノッキング抑制には圧縮直噴期間をできるだけ長くし、できるだけ遅くまで圧縮直噴を行うのが有効である。そこでこの圧縮直噴の増加分をポート噴射に受け持たせ、ポート噴射量を減少するのである。しかしながら、図4に基づいて説明したように、ポート噴射をなくすのは筒内ガス温度を下げる上で得策ではなく、吸気直噴についても同様である。従ってノック域ではこれら三つの噴射形態を採用しつつも、ノッキング抑制に最も有利な圧縮直噴量を増加し、ノッキング抑制にあまり寄与しないポート噴射量を減少するようにしている。これによりノッキング抑制と機関出力向上とが好適に両立可能となる。なお、吸気直噴量を減少することは得策ではない。図4に関連して既に述べたように、吸気直噴量を減少するとこれによる筒内ガス冷却効果が減少し筒内ガス温度が上昇してしまうからである。つまり、点火直前の筒内ガス温度を下げるためには、できるだけ点火時期に近い遅いタイミングでより多くの燃料を噴射し、気化潜熱による筒内ガス冷却効果を最大限確保すると共に、シリンダやピストン等からの受熱の影響を最小限にするのが得策である。ポート噴射、吸気直噴及び圧縮直噴といったように三段階で燃料噴射を行うので、増加後の圧縮直噴量は過剰に多い量とならず、よってスモークの発生も好適に抑制可能である。
ところで、上述の如き基本制御を実施した場合でもノック域でノッキングが発生するような場合には、図5に示すような制御が行われる。図示されるルーチンはECU100によって各噴射サイクル毎に繰り返し実行される。なお、以下の説明において各ステップをSで表す。
ECU100はまず機関運転状態を示すデータ(回転速度、負荷等)を取得すると共に、取得した回転速度及び負荷と図3に示された噴射比率マップとを用いてポート噴射及び圧縮直噴の各噴射割合α、βを算出する(S101)。次いでECU100は、ノックセンサ24の出力信号に基づきノッキングが検出されたか否かを判断する(S102)。ノッキングを検出した場合、機関運転状態がノック域にあるか否かを判断する(S103)。具体的には圧縮直噴の噴射割合βがゼロでないか否かを判断する。機関運転状態がノック域にある場合、即ち圧縮直噴の噴射割合βがゼロでない場合、カウンタ値Cを所定値C0(例えば5)と比較する(S104)。このカウンタ値CとはECU100のカウンタによって積算される値であり、後述するS112を通過すると1だけインクリメントされ、後述するS113,S116,S125を通過すると初期値0にリセットされる。
ここで、S102でノッキングを検出しない場合、及びS103で機関運転状態がノック域にない場合は、カウンタ値Cを0にリセットして本ルーチンを終える(S113)。即ち、以下のノッキング抑制制御はノック域でノッキングが発生した場合にのみ実行される。
S104でカウンタ値Cが所定値C0以下であるとき、ECU100は、S105〜S111において第1のノッキング抑制制御を実行する。まずECU100は、取得した回転速度及び負荷と所定のマップとを用いて基本噴射量Qを算出し、この基本噴射量Qと、S101で既に算出した噴射割合α、βとに基づいて、ポート噴射量Q1、吸気直噴量Q2及び圧縮直噴量Q3をそれぞれ算出する。また同時にECU100はこれらポート噴射量Q1、吸気直噴量Q2及び圧縮直噴量Q3の噴射時期T1,T2,T3を所定のマップを参照して算出する(S105)。
次にECU100は、ポート噴射量Q1から所定量Aを減じて減量後ポート噴射量Q1‘(=Q1−A)を算出する(S106)。そして、この減量後ポート噴射量Q1‘が所定の最小ポート噴射量Q1minより多いか否かを判断する(S107)。最小ポート噴射量Q1minは第1噴射弁33の最小噴射量に等しい値とされる。
減量後ポート噴射量Q1‘が最小ポート噴射量Q1minより大きい場合、ECU100は、その所定量Aを圧縮直噴量Q3に加算して増量後圧縮直噴量Q3’(=Q3+A)を算出する(S108)。即ち、ポート噴射量の減少分Aを圧縮直噴量に上乗せする。
この後ECU100は、減量後ポート噴射量Q1‘、吸気直噴量Q2及び増量後圧縮直噴量Q3’を噴射期間ΔT1‘、ΔT2、ΔT3’に換算する(S109)。そして所定量Aに相当する噴射期間ΔTAを算出し(S110)、増量後圧縮直噴量Q3’の噴射時期T3‘を算出する(S111)。この噴射時期T3‘はT3‘=T3−ΔTAで求められる。つまり、圧縮直噴において燃料噴射量の増量分Aだけ噴射開始時期を早め、噴射終了時期を同一にする。これにより、前述したような、予めマップで定められている噴射終了時期と点火時期との間の最適インターバルが保たれ、圧縮直噴による筒内ガスの乱れ効果と、燃料蒸発時間の確保によるスモーク防止効果とを引き続き確保できる。最後にECU100はカウンタ値を1だけインクリメントして(S112)本ルーチンを終了する。
この第1のノッキング抑制制御によれば、ノッキングが発生しても直ちに点火遅角を実行せず、圧縮直噴量の増量により筒内ガスの冷却効果と乱れ効果とを増大させてノッキングを抑制するようにしている。従ってこれによりノッキングが解消すれば、点火遅角を行う必要がなくなり、機関出力の減少を免れられる。また、点火遅角と同時に燃料噴射量の総量を増量させ、排気ガス温度の上昇を抑制するような制御が組み合わされている場合には、点火遅角を実行しないことによって燃料噴射量の増量も回避でき、燃費低減に有利である。
ところで、S107において、減量後ポート噴射量Q1‘が最小ポート噴射量Q1min以下の場合、第1のノッキング抑制制御が中止され、ECU100は、単にS105で得られたポート噴射量Q1、吸気直噴量Q2及び圧縮直噴量Q3を噴射期間ΔT1、ΔT2、ΔT3に換算する(S114)。そして所定の点火時期マップから得られる基本点火時期Tigに対し遅角補正を行う(S115)。即ち、遅角量は予め定められたBであり、遅角後の点火時期Tig’はTig’=Tig+Bとして設定される。次いでECU100はカウンタ値をリセットして(S116)本ルーチンを終了する。
このように、減量後ポート噴射量Q1‘が最小ポート噴射量Q1min以下となる場合には圧縮直噴量の増量(及びポート噴射量の減量)を行わずに、基本制御における点火遅角制御を実行する。これは、減量後ポート噴射量Q1‘が最小ポート噴射量Q1min以下となる場合までポート噴射を実行してしまうと、燃料噴射量のバラツキが大きくなったり、燃料が十分に微粒化せず燃料のポート壁面付着が顕著になるなどの問題があることから、総合的に見て点火遅角を行った方が有利だからである。
一方、S105〜S111の第1のノッキング抑制制御は、カウンタ値Cが所定値C0を超えるまで繰り返し実行される。即ちこの第1のノッキング抑制制御はノッキングの検出時から所定時間実行される。そして第1のノッキング抑制制御を所定時間実行しても、ノッキングが解消しない場合には、S117〜S124の第2のノッキング抑制制御が実行され、ここで点火時期の遅角が実行される。
第2のノッキング抑制制御において、S117〜S122の各処理は第1のノッキング抑制制御のS105〜S110の各処理と同じである。S122の次のS123において、ECU100は、所定の点火時期マップから得られる基本点火時期Tigに対し遅角補正を行う。即ち、遅角量は予め定められたDであり、遅角後の点火時期Tig“はTig”=Tig+Dとして設定される。
次に、ECU100は、増量後圧縮直噴量Q3’の噴射時期T3‘を算出する(S124)。ここでは噴射時期T3‘はT3‘=T3−ΔTA+Dで求められる。つまりここでは、点火時期の遅角量Dだけ噴射開始時期を遅角し、噴射終了時期と点火時期との間の最適インターバルを同一に保つ。これにより、圧縮直噴の噴射終了時期を遅れ側に移動し、圧縮直噴の噴流による筒内ガス乱れ効果を高め、さらなる遅角化を防止できる。また最小限の燃料蒸発時間を確保できスモークも防止できる。最後にECU100はカウンタ値をリセットして(S125)本ルーチンを終了する。
図6には、上述したような、圧縮直噴の噴射期間、噴射開始時期及び噴射終了時期と、点火時期との推移が示される。まず基本制御で噴射期間ΔT3、噴射開始時期T3であったものが、第1のノッキング抑制制御実行時には噴射期間が所定量ΔTA増加されてΔT3‘となり、その増加分ΔTAだけ噴射開始時期が早められて噴射開始時期はT3からT3’となる。これにより噴射終了時期は同一に保たれ、第1のノッキング抑制制御では点火時期も同一であることから、噴射終了時期から点火時期までのインターバルも一定に保持される。第2のノッキング抑制制御が実行されると、点火時期が所定量Dだけ遅角され、これに応じて噴射開始時期もDだけ遅角されてT3‘+Dとなる。この結果、噴射終了時期から点火時期までのインターバルはやはり一定に保持される。
ところで、ノック域で行われる上述の制御は、エンジンが暖機後の温間状態にあり外気温も十分高いことを前提とするが、エンジンの冷間時又は冬期等で外気温が低いときには、機関運転状態がノック域にあっても圧縮直噴割合βがゼロとされ、圧縮直噴は強制的に中止される。これは、かかる場合には燃料が気化するのに時間を要し、圧縮直噴終了から点火までのインターバルを延長しないとスモークの発生原因になるからである。また、元々吸気温が低く、ノック抑制効果があり、中止しても問題ないからである。例えば、吸気温センサ40により検出される吸気温が所定値を下回る場合、又は水温センサ42により検出されるエンジン冷却水温(油温でもよい)が所定値を下回る場合、圧縮直噴割合βがゼロとされる。
或いは、圧縮直噴を中止しないでその代わりに圧縮直噴終了から点火までのインターバルを吸気温に応じて延長するようにしてもよい。この場合、吸気温が低くなるほどインターバルが長くなるように、圧縮直噴の噴射時期が設定される。
以上の説明で分かる通り、本実施形態では、ECU100が噴射比率制御手段、噴射量変更手段、点火時期制御手段及び噴射時期制御手段を構成し、ノックセンサ24及びECU100がノック検出手段を構成する。
以上、本発明の一実施形態を説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、他にも様々な実施形態を採り得る。例えば、本発明は吸気温度が上昇しやすい前記実施形態のような過給式エンジンに特に有効であるが、本発明は自然吸気式エンジンにも適用可能である。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置を示す概略システム図である。 各噴射の噴射量、噴射割合及び噴射比率を示す図である。 噴射比率マップである。 噴射形態別に見たクランク角と筒内ガス温度との関係を示すグラフである。 ノッキング検出時のノッキング抑制制御のルーチンを示すフローチャートである。 ノッキング抑制制御による圧縮直噴の噴射期間、噴射開始時期及び噴射終了時期と、点火時期との推移を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 第2噴射弁
9 吸気通路
24 ノックセンサ
28 筒内燃焼室
33 第1噴射弁
100 電子制御ユニット(ECU)
K1 吸気通路噴射の噴射比率
K2 吸気行程筒内噴射の噴射比率
K3 圧縮行程筒内噴射の噴射比率
α 吸気通路噴射の噴射割合
β 圧縮行程筒内噴射の噴射割合
Q1min 最小ポート噴射量
B,D 点火時期遅角量

Claims (5)

  1. 吸気通路に燃料を噴射する第1噴射弁と、筒内燃焼室に燃料を噴射する第2噴射弁とを備えた内燃機関の制御装置において、
    機関運転状態に応じて、吸気通路噴射と、吸気行程における筒内噴射と、圧縮行程における筒内噴射との噴射比率をそれぞれ制御する噴射比率制御手段であって、機関運転状態が所定のノック域に入ったとき、当該ノック域に入る前に比べ、前記吸気通路噴射の噴射比率を減少し、前記圧縮行程筒内噴射の噴射比率を増加する噴射比率制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    内燃機関のノッキングを検出するノック検出手段と、
    前記機関運転状態が前記ノック域に入った状態で前記ノック検出手段によりノッキングが検出されたとき、前記吸気通路噴射の噴射量を所定量減少し、その減少分、前記圧縮行程筒内噴射の噴射量を増加するように、前記吸気通路噴射の噴射量と前記圧縮行程筒内噴射の噴射量とを変更する噴射量変更手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記噴射量変更手段による噴射量の変更によっても前記ノック検出手段によりノッキングが検出されるとき、前記噴射量変更手段による噴射量の変更に併せて前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記各々の燃料噴射の噴射時期を制御する噴射時期制御手段をさらに備え、
    前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されるとき、その遅角量に応じて前記噴射時期制御手段により前記圧縮行程筒内噴射の噴射時期が遅角されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記噴射量変更手段による噴射量の変更によって前記吸気通路噴射の噴射量が前記第1噴射弁の最小噴射量以下となる場合、前記噴射量変更手段による噴射量の変更が中止され、前記点火時期制御手段による点火時期の遅角が実行されることを特徴とする請求項2又は3記載の内燃機関の制御装置。
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