JP2016020295A - 近赤外線吸収ガラス板 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化が容易であり、安定して生産することが可能な近赤外線吸収ガラスを提供する。
【解決手段】CuOを含有する近赤外線吸収ガラス板であって、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たし、かつ溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法により作製されてなることを特徴とする近赤外線吸収ガラス板。
【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外線吸収フィルタに用いられる近赤外線吸収ガラス板に関するものである。
デジタルカメラやスマートフォン内のカメラ部分には、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補性金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子の視感度補正のため、赤外線吸収ガラス板が用いられている。赤外線吸収ガラス板としては、例えばCuOを含有するリン酸塩系ガラスからなるものが知られている(例えば引用文献1参照)。赤外線吸収ガラス板は、CuOを所定量含有することにより、吸収波長700〜1000nm付近の近赤外域の光をシャープにカットすることが可能となる。
一般に、近赤外線吸収ガラス板は、ガラス原料を溶融し、清澄、均質化を経た後に鋳込み成形され、徐冷後に切断及び研磨により所定形状に加工することにより得られる。
特開2011−121792号
近年、カメラの薄型化や軽量化を目的として、近赤外線吸収ガラス板の薄板化(例えば0.15mm程度)が求められている。しかしながら、近赤外線吸収ガラス板を薄板化しようとすると、割れや欠け等が発生しやすく、歩留りが低下する傾向があった。
以上に鑑み、本発明は薄型化が容易であり、安定して生産することが可能な近赤外線吸収ガラス板を提供することを目的とする。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、CuOを含有するとともに、モル%基準で、P 18%以上、P/ZnO≦0.8、(NaO−3Al)/SO≧0.9の関係を満たし、かつ溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法により作製されてなることを特徴とする。
本発明者が鋭意検討した結果、本発明の近赤外線吸収ガラス板において、構成成分が上記関係を満たす場合に、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法を安定して行うことができ、薄型化が容易であることを見出した。以下にその詳細なメカニズムについて説明する。
はガラス骨格を形成するための必須成分であり、本発明の近赤外線吸収ガラス板は上記所定量以上のPを含有している。また、PはZnOとペアで安定に存在し得る。よって、ガラスの安定化にはPとZnOの比率を適宜調整することが重要である。しかしながら、Pの含有量がZnOに対して過剰になると、Pネットワークが発達しすぎて、かえってガラスが不安定になることから、ZnOに対するPの含有量を上記所定比率以下とすることにより、ガラスの安定化を図っている。
ところで、ガラス中において、Al3+は6配位を取り得る。Al3+の周りには3つの共有結合性の酸素原子以外に、3つの非架橋性酸素原子が存在する。当該非架橋性酸素は、NaイオンがPの酸素原子に作用することにより、P−O結合が切断されて生成されたものであると考えられる。よって、上記3つの非架橋性酸素の生成のために、Alの3倍のNaOが消費される。
一方で、SOはNaOとペアで安定に存在し得る。そのため、上記3つの非架橋性酸素の生成のために消費された後に残ったNaOの含有量(NaO−3Al)が、SOに対して上記所定比率以上であれば、SOはNaOとともに安定に存在し得る。
以上のように、本発明の近赤外線吸収ガラス板において、P、ZnO、NaO、Al及びSOの各成分の含有量及び比率を、上記の通り規制することにより、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法を安定して行うことができ、薄型化が容易となる。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、モル%で、SO 3%以上、NaO 5%以上、ZnO 25%以上、及びAl 0.1%以上を含有することが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、モル%で、CuO 0.5〜15%を含有することが好ましい。このようにすることで、所望の近赤外線吸収特性が得られやすくなる。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、粘度が104.0dPa・sとなる温度で1時間保持しても結晶が析出しないことが好ましい。一般に、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法による成形は104.0dPa・s付近の粘度で行われるため、当該粘度において失透しないことが要求される。そのため、粘度が104.0dPa・sとなる温度で1時間保持しても結晶が析出しないガラスであれば、上記成形方法に適していると言える。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、厚みが0.01〜3mmであることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板の製造方法は、CuOを含有し、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たすガラスが得られるよう原料バッチを調製する工程、原料バッチを加熱して溶融ガラスを得る工程、及び、溶融ガラスを直接成形する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の近赤外線吸収ガラス板の製造方法は、CuOを含有し、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たすガラスが得られるよう原料バッチを調製する工程、原料バッチを加熱して溶融ガラスを得る工程、溶融ガラスを冷却固化して母材ガラスを得る工程、及び、母材ガラスを加熱しながら延伸成形する工程、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、薄型化が容易であり、安定して生産することが可能な近赤外線吸収ガラスを提供することが可能となる。
実施例におけるNo.1の試料の光透過率曲線を示すグラフである。
以下に、本発明の近赤外線吸収ガラスを構成する各成分の含有量範囲とその限定理由について説明する。以下の各成分の含有量の説明において、「%」は特に断りのない限り「モル%」を示す。
はガラス骨格を形成するための必須成分である。Pの含有量は18%以上であり、22%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。Pの含有量が少なすぎると、ガラスが不安定になり成形が困難になる傾向がある。なお、Pの含有量が多すぎると、ガラス構造が化学的に弱くなり、耐候性が低下しやすくなる。よって、Pの含有量は50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、30%以下であることが特に好ましい。
SOは耐候性を向上させるとともに、ガラス中のCu元素を酸化して、近赤外線吸収特性を有するCu2+に変化させる効果を有する。SOの含有量は3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。SOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。なお、SOの含有量が多すぎると、ガラスが不安定になる傾向がある。よって、SOの含有量は20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
NaOはガラスの安定化に特に有効な成分である。NaOの含有量は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。NaOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。なお、NaOの含有量が多すぎると、NaO起因の結晶が析出し、かえってガラスが不安定になる傾向がある。また、耐候性が低下しやすくなる。そのため、NaOの含有量は20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
ZnOはガラスを安定化する効果が顕著な成分である。また、耐候性を向上させる効果もある。ZnO含有量は25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。ZnO含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。なお、ZnO含有量が多すぎると、かえってガラスが不安定になる傾向がある。そのため、ZnOの含有量は50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。
Alはガラスを安定化する成分である。また、耐候性を向上させる効果もある。Alの含有量は0.1%以上であることが好ましく、0.5%以上であることがより好ましく、1%以上であることがさらに好ましい。Alの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくい。一方、Alの含有量が多すぎると、かえってガラスが不安定になり、成形時に失透しやすくなる。よって、Alの含有量は10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、3%であることが特に好ましい。
CuOは近赤外線を吸収する成分である。CuOの含有量は0.5〜15%であることが好ましく、1〜10%であることがより好ましく、3〜9%であることがさらに好ましい。CuOの含有量が少なすぎると、所望の近赤外線吸収特性が得られにくくなる。一方、CuOの含有量が多すぎると、紫外〜可視域の光透過率が低下する傾向にある。また、ガラス化しにくくなる。
なお、近赤外線吸収ガラス板の近赤外線吸収量は、CuO含有量とガラス板の厚みに依存する。ガラス板を薄型化しつつ所望の近赤外線吸収特性を達成するためには、CuOの含有量を多くすることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板において、P/ZnOは0.8以下であり、0.7以下であることが好ましい。P/ZnOが大きすぎると、Pネットワークが発達しすぎて、ガラスが不安定になりやすい。その結果、成形が困難になる傾向がある。なお、P/ZnOが小さすぎると、Pに対するZnOの含有量が過剰になってガラスが不安定になる傾向がある。よって、P/ZnOは0.5以上であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板において、(NaO−3Al)/SOは0.9以上であり、1以上であることが好ましい。(NaO−3Al)/SOが小さすぎると、ガラスが不安定になりやすい。その結果、成形が困難になる傾向がある。なお、(NaO−3Al)/SOが大きすぎると、NaO起因の結晶が析出して、かえってガラスが不安定になる傾向がある。
本発明の近赤外線吸収ガラス板には、上記成分以外にも、下記の成分を含有させることができる。
MgO、CaO、SrO及びBaOはガラスを安定にする成分である。その含有量は、それぞれ0〜10%であることが好ましく、0〜5%であることがより好ましく、0.1〜2%であることがさらに好ましい。ただし、これらの成分の含有量が多すぎると、かえってガラスが不安定になる傾向がある。
なお、MgO、CaO、SrO及びBaOとZnO(RO)の含有量は合計で25〜50%であることが好ましく、30〜45%であることがより好ましく、35〜40%であることがさらに好ましい。ROの含有量が少なすぎると、ガラスが不安定になる傾向がある。一方、ROの含有量が多すぎると、R−NaPOやR−PO等の結晶が析出しやすくなり、かえってガラスが不安定になる傾向がある。
LiOはガラスの溶融温度を低下させ溶融性を高める成分である。LiOの含有量は0〜5%であることが好ましく、0.1〜3%であることがより好ましい。LiOの含有量が多すぎると、成形時にLiO起因の結晶が析出しやすくなり、かえってガラスが不安定になる傾向がある。
Oは、溶融性を高める成分である。KOの含有量は0〜10%であることが好ましく、0.1〜7%であることがより好ましい。KOの含有量が多すぎると、KO起因の結晶が成形中に析出しやすくなり、ガラスが不安定になる傾向がある。
なお、R’O(R’はLi、Na及びKから選択される少なくとも1種)の含有量は5〜20%であることが好ましく、8〜18%であることがより好ましく、10〜15%であることがさらに好ましい。R’Oの含有量が少なすぎると、ガラスが不安定になる傾向がある。一方、R’Oの含有量が多すぎると、成形中にR’系の結晶が析出しやすくなり、かえってガラスが不安定になる傾向がある。
CeO及びSbは溶融温度を低下させることにより、Cu2+イオンの還元を抑制し、近赤外線吸収特性を向上させる効果がある。CeO及びSbの含有量は合計で0〜0.5%であることが好ましく、0.1〜0.3%であることがより好ましい。これらの成分の含有量が多すぎると、ガラスが不安定になる傾向がある。
Nbは耐候性を向上させる成分である。Nbの含有量は0〜3%であることが好ましく、0〜2%であることがより好ましい。Nbの含有量が多すぎると、溶融性が低下して溶融温度が高くなる傾向がある。その結果、Cu2+イオンが還元されやすく、所望の分光特性が得られにくくなる。
及びLaはガラスを安定化する成分である。Y及びLaの含有量はそれぞれ0〜3%であることが好ましく、0〜2%であることがより好ましい。YまたはLaの含有量が多すぎると、成形時に失透しやすくなる。また、屈折率が高くなって表面反射が大きくなり、可視域の光透過率が低下する傾向がある。
Taは化学的耐久性を高める成分である。Taの含有量は0〜3%であることが好ましく、0〜2%であることがより好ましい。Taの含有量が多すぎると、成形時に失透しやすくなる。また、屈折率が高くなって表面反射が大きくなり、可視域の光透過率が低下する傾向がある。
本発明においてBはガラスを不安定にする成分であるため、その含有量は3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
なお、Cl成分は人体に対する影響を考慮し、含有しないことが好ましい。また、AgOはCu元素の価数に影響を及ぼし得るため、含有しないことが好ましい。
また、原料中にU成分やTh成分が不純物として多く含まれていると、ガラス板からα線が放出される。そのため、視感度補正フィルタや色調整フィルタの用途においては、α線によりCCDやCMOSの信号に不具合をきたすおそれがある。従って、本発明の近赤外線吸収ガラス板におけるU及びThの含有量は、それぞれ1ppm以下であることが好ましく、100ppb以下であることがより好ましく、20ppb以下であることがさらに好ましい。また、本発明の近赤外線吸収ガラス板から放出されるα線量は1.0c/cm・h以下であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、可視域での高い透過率を維持しつつ、近赤外域の光をシャープにカットすることができる。具体的には、波長500〜1200nmの範囲で透過率50%を示す波長(λ50)が615nmになる厚さにおいて、波長500nmにおける透過率が80%以上(さらには82%以上)、かつ、波長1100nmの透過率が25%以下(さらには15%以下)であることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法により作製されてなることを特徴とする。具体的には、本発明の近赤外線吸収ガラス板は、溶融ガラスを直接成形する方法であるダウンドロー法、ロールアウト法、ダイレクトプレス法またはフロート法により作製されることが好ましい。また、母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法であるリドロー法により作製されることが好ましい。上記のようにガラス組成を調整すれば、上記のような成形時に失透が発生しやすい成形方法を採用した場合にも、失透の発生を抑制しながら所望の特性を有する近赤外線吸収ガラス板を得ることができる。ダウンドロー法としては、オーバーフローダウンドロー法、スリットダウンドロー法等が挙げられる。オーバーフローダウンドロー法は、成形体の上部から溢れ出た溶融ガラスを、成形体の両側面に沿って流下させ、成形体の下部で融合させて下方に延伸成形することにより板状のガラスを得る方法である。スロットダウンドロー法は、成形体の底部に設けられた略矩形の隙間から溶融ガラスを流し出しながら、下方に延伸成形することにより板状のガラスを得る方法である。
特に、本発明の近赤外線吸収ガラス板がオーバーフローダウンドロー法またはリドロー法で形成されてなるものであると、表面が火造り面となり表面品位が良好となるため好ましい。この場合は、表面が未研磨の状態で、製品として使用することも可能である。また、オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の薄板化や大型化が容易となる。なお、スロットダウンドロー法も、容易にガラス板の薄型化を図ることが可能な方法である。よって、表面品位があまり要求されず、ガラス板の薄型化を優先する場合は、スロットダウンドロー法を採用してもよい。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、粘度が104.0dPa・sとなる温度で1時間保持しても結晶が析出しないことが好ましい。このようにすることにより、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法を適用した際に失透しにくくなる。
本発明の近赤外線吸収ガラス板の厚みは0.01〜3mmであることが好ましく、0.05〜2mmであることがより好ましく、0.1〜1.5mmであることがさらに好ましい。近赤外線吸収ガラス板の厚みが小さすぎると、破損しやすくなる。一方、近赤外線吸収ガラス板の厚みが大きすぎると、光学デバイスの薄型化や軽量化が困難になる傾向がある。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は以下のようにして製造することができる。
まず、所望の組成となるように原料バッチを調整する。具体的には、CuOを含有し、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たすガラスが得られるよう原料バッチを調製する。
次に、原料バッチを加熱して溶融ガラスを得る。溶融温度は600〜1000℃程度であることが好ましい。溶融温度が低すぎると、均質なガラスが得られにくい。一方、溶融温度が高すぎると、Cu2+イオンが還元されやすく、所望の分光特性が得られにくくなる。
さらに、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法により本発明の近赤外線吸収ガラス板を得る。成形後のガラス板に対し、適宜切断加工を施したり、表面に赤外域波長吸収膜を形成してもよい。
以下、本発明の近赤外線吸収ガラス板を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1及び2は、本発明の実施例(No.1〜9)及び比較例(No.10〜14)示す。
(1)試料の作製
各試料は、以下のようにして作製した。まず、各表に記載の組成となるように調合した原料バッチを白金ルツボに投入し、700〜900℃で均質になるように溶融した。原料としては、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸亜鉛、正リン酸塩、硫酸亜鉛七水和物、硫酸亜鉛無水和物、硫酸ソーダ、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等を用いた。次に、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、冷却固化した後、アニールを行って試料を作製した。
No.1の試料の光透過率曲線を図1に示す。なお、光透過率は、粒度0.5μmのダイヤモンド粉末で両面を鏡面研磨した厚み0.2mm試料について、株式会社島津製作所製UV3100PCを用いて測定した。
(2)耐失透性評価
得られた試料について、104.0dPa・sにおける耐失透性を以下の方法により評価した。
試料を破砕し、白金製坩堝に投入した。続いて、白金製坩堝を加熱して試料を融液状態とし、白金球引き上げ法によって複数の温度におけるガラスの粘度を求めた。その後、得られた複数の計測値から粘度曲線を作成し、その内挿によって粘度が104.0dPa・sとなる温度を算出した。
100cc相当の白金製坩堝に、破砕された試料を投入し、600〜900℃で30分間加熱し、上記で算出した粘度104.0dPa・sとなる温度まで5〜10時間かけて降温し、さらにその温度で1時間保持した。光学顕微鏡を用いて、ガラス内部、及びガラスと坩堝との界面における失透の有無を確認した。失透が確認されなかったものは「○」、失透が確認されたものは「×」として評価した。
(3)結果の考察
実施例であるNo.1〜9の試料は、いずれも粘度104.0dPa・sとなる温度で1時間保持しても失透が確認されず、溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法に適していることがわかる。これに対し、比較例であるNo.10〜12の試料は、粘度104.0dPa・sとなる温度で1時間保持した場合に失透が発生したため、上記の成形方法が適用困難であると考えられる。なお、比較例であるNo.13及び14の試料はガラス化しなかった。
本発明の近赤外線吸収ガラス板は、デジタルカメラのレンズ、CCDカバーガラス、CCDやCMOSに使用される熱線吸収ガラス板、さらにはIR/UV吸収ガラス板、視感度補正フィルタ、色調整フィルタ等の光学フィルタ等に使用することが可能である。

Claims (7)

  1. CuOを含有する近赤外線吸収ガラス板であって、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たし、かつ溶融ガラスを直接成形する方法または母材ガラスを加熱しながら延伸成形する方法により作製されてなることを特徴とする近赤外線吸収ガラス板。
  2. モル%で、SO 3%以上、NaO 5%以上、ZnO 25%以上、及びAl 0.1%以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収ガラス板。
  3. モル%で、CuO 0.5〜15%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線吸収ガラス板。
  4. 粘度が104.0dPa・sとなる温度で1時間保持しても結晶が析出しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の近赤外線吸収ガラス板。
  5. 厚みが0.01〜3mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の近赤外線吸収ガラス板。
  6. CuOを含有し、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たすガラスが得られるよう原料バッチを調製する工程、
    前記原料バッチを加熱して溶融ガラスを得る工程、及び、
    前記溶融ガラスを直接成形する工程、
    を含むことを特徴とする近赤外線吸収ガラス板の製造方法。
  7. CuOを含有し、モル%基準で、P 18%以上、(NaO−3Al)/SO≧0.9、P/ZnO≦0.8の関係を満たすガラスが得られるよう原料バッチを調製する工程、
    前記原料バッチを加熱して溶融ガラスを得る工程、
    前記溶融ガラスを冷却固化して母材ガラスを得る工程、及び、
    前記母材ガラスを加熱しながら延伸成形する工程、
    を含むことを特徴とする近赤外線吸収ガラス板の製造方法。
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