JP2016016211A - ダンパーおよび便座ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ダンパー内部に封入された粘性流体の漏れを防止することができるダンパー、および、かかるダンパーを備える便座ユニットを提供する。【解決手段】ダンパー1は、便座本体部および便座のうち一方に装着され、オイルが充填されるオイル充填部14を含むハウジングHと、便座本体部および便座のうち他方に前シャフト21が装着されるとともに後シャフト23が回転自在にオイル充填部14に挿入され、回転したときにオイルによる減衰力が作用するシャフト20と、オイル充填部14内に臨み、オイル充填部14内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することでオイル充填部14の容積を増加させる受圧弁60と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、便座、便蓋等の蓋の急激な閉鎖や開放によっても破損しにくいダンパー、および、かかるダンパーが便座および便蓋の少なくとも一つの開閉に用いられる便座ユニットに関する。
洋式便器上に取り付けられる便座ユニットでは、便座または便蓋(以下、「便座等」略す)と、これらを回転自在に支持する便座本体部との間にダンパーが設けられる。かかるダンパーにより、便座等の急激な閉鎖が防止される(参考文献1参照)。
近年、便座ユニットの小型化に伴い、ダンパー自身の小型化が必要となってきている。そこで、小型化が容易なオイルダンパーが、便座等の開閉に用いられ得る。
オイルダンパーは、オイルが封入されたハウジングと、ハウジング内で回転自在に支持され、回転する際にオイルによる減衰力が作用するシャフトと、を含む。便座等および便座本体部のうち、一方にハウジングが装着され、他方にシャフトが装着される。
上記オイルダンパーが用いられる場合、便蓋等が急激に開閉されることにより、オイルダンパーにシャフトを急激に回動させる力が加えられると、ハウジング内での急激なシャフトの回動にオイルの動きが追従できず、その結果、ハウジング内の圧力が高まり、たとえば、シャフトと、シャフトが通されるハウジングの開口部との間からオイルが漏れ出してしまう虞がある。
かかる課題に鑑み、本発明は、ダンパー内部に封入された粘性流体の漏れを防止できるダンパー、および、かかるダンパーを備える便座ユニットを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、固定部材と、当該固定部材に対して回動する回動部材との間に設けられるダンパーに関する。本態様に係るダンパーは、前記固定部材および前記回動部材のうち一方に装着され、粘性流体が充填される流体充填部を含むハウジングと、前記固定部材および前記回動部材のうち他方に一端側が装着されるとともに他端側が回転自在に前記流体充填部に挿入され、回転したときに前記粘性流体による減衰力が作用する回転軸部と、前記流体充填部内に臨み、前記流体充填部内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することで前記流体充填部の容積を増加させる受圧部と、を備える。
上記の構成によれば、蓋等の回動部材が急激に閉鎖され、これにより、流体充填部内に過大な圧力が生じても、受圧部の移動により圧力を緩和できる。よって、ダンパー内部からの粘性流体の漏れを防止することができる。
本態様に係るダンパーにおいて、前記受圧部は、前記流体充填部に対して前記回転軸部のスラスト方向に配置され、当該スラスト方向に移動する構成とされ得る。
上記の構成によれば、ダンパーが、回転軸部のラジアル方向に大きくなることを防止できる。
上記の構成とされた場合、さらに、前記ハウジングは、前記回転軸部が通される開口部を有する前面部を含み得る。この場合、前記受圧部は、前記ハウジング内において前記回転軸部の後方に配置され、前記ハウジング内における前記前面部と前記受圧部と間の空間が前記流体充填部となる。そして、前記受圧部と前記ハウジングの内壁面との間がシール部によりシールされる。
このような構成とされれば、流体充填部内の粘性流体が受圧部とハウジングの内壁面との間から漏れるのを防止することができる。
上記の構成とされた場合、さらに、前記受圧部と前記ハウジングのうち一方に、スラスト方向に延びる溝部を設け、他方に溝部に挿入される突部を設ける構成が採られ得る。
このような構成とされれば、受圧部をスラスト方向にまっすぐに移動させることができるので、シール部が、ハウジングの内周面との間で不均一に圧縮されるのを防止できる。よって、シール部によるシール性が悪くなることで粘性流体の漏れが発生するのを防止できる。
本態様に係るダンパーにおいて、前記受圧部に対し前記流体充填部に向う方向に弾性力を付与する弾性体と、外部からの操作に応じて前記弾性力を調整する調整部と、をさらに備える構成が採られ得る。
上記の構成によれば、ダンパーが、減衰力が不適正な状態に製造されても、調整部の操作により流体充填部の内圧を調整して減衰力を適正な状態に戻すことができる。よって、ダンパーの不良率を低減することができる。
本発明の第2の態様に係る便座ユニットは、便座本体部と、前記便座本体部に対して回動する便座と、前記便座本体部に対して回動する、前記便座を覆うための便蓋と、前記便座および前記便蓋の少なくとも一方の蓋と前記便座本体部との間に設けられるダンパーと、を備える。ここで、前記ダンパーは、前記一方の蓋と前記便座本体部のうち一方に装着され、粘性流体が充填される流体充填部と、前記一方の蓋と前記便座本体部のうち他方に一端側が装着されるとともに他端側が回転自在に前記流体充填部に挿入され、回転したときに前記粘性流体による減衰力が作用する回転軸部と、前記流体充填部内に臨み、前記流体充填部内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することで前記流体充填部の容積を増加させる受圧部と、を含む。
上記の構成によれば、第1の態様に係るダンパーと同様、ダンパー内部からの粘性流体の漏れを防止することができる。
以上のとおり、本発明によれば、ダンパー内部に封入された粘性流体の漏れを防止できるダンパー、および、かかるダンパーを備える便座ユニットを提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1ないし図3は、オイルダンパー1の構成を示す図である。図1(a)は、オイルダンパー1の分解斜視図、図1(b)は、オイルダンパー1の斜視図、図1(c)は、調整ネジ90の背面図である。図2は、オイルダンパー1の側面断面図であり、図3は、図2のA−A´断面図である。
図1(a)および(b)に示す如く、オイルダンパー1は、ハウジング本体10と、シャフト20と、前蓋30と、ワッシャー40と、シャフト用Oリング50と、受圧弁60と、受圧弁用Oリング70と、緩圧バネ80と、調整ネジ90とを備えている。
ハウジング本体10は、樹脂材料により、ほぼ円筒状に形成されており、前面および後面が開放されている。ハウジング本体10の内周面には、前端部に段差部11が形成され、段差部11より後方の内径が段差部11より前方の内径よりも大きくされている。ハウジング本体10の内周面には、段差部11の後方に、一対の仕切リブ12が形成されている。さらに、ハウジング本体10の内周面には、後端部に雌ねじ部13が形成されている。雌ねじ部13の前後の寸法は、調整ネジ90の前後の寸法とほぼ等しくされている。
シャフト20は、金属材料で形成され、ほぼ円柱形状の前シャフト21と、前シャフト21に続く環状の鍔部22と、鍔部22に続くほぼ円柱形状の後シャフト23とを含む。前シャフト21の左右両側には、周面の一部を削り取ることにより、平坦面24が形成されている。さらに、前シャフト21の後端部には、周面にシャフト用Oリング50が収容される環状の溝部25が形成されている。
後シャフト23には、一対の羽根部26が形成されている。羽根部26は、後シャフト23と一体形成された内側部材26aと弾性材料で形成された外側部材26bとの2つの部材で構成されている(図3参照)。羽根部26には、オイルを通すための通し孔27が形成されている。後シャフト23および羽根部26の前後の寸法は、仕切リブ12の前後の寸法とほぼ等しくされている。さらに、後シャフト23の後端部には、後シャフト23より外径が小さな支持用シャフト28が形成されている。
前蓋30は、樹脂材料で形成され、ハウジング本体10の外径と等しい外径を有する前部31と、ハウジング本体10の前端部の内径と等しい外径を有する後部32とで構成されている。前蓋30の中央部には、前シャフト21が通される開口部33が形成されている。
ワッシャー40は、摩擦抵抗の少ない樹脂材料で形成されており、その内径は前シャフト21の外径とほぼ等しく、その外径は鍔部22の外径とほぼ等しい。シャフト用Oリング50は、弾性部材で形成されている。
受圧弁60は、ほぼ円柱形状を有し、樹脂材料で形成されている。受圧弁60の前面には、支持用シャフト28を受ける支持凹部61が形成されている。また、受圧弁60の周面には、受圧弁用Oリング70が収容される環状の第1溝部62が形成されている。さらに、受圧弁60の後面には、支持凹部61より外周側に緩圧バネ80が収容される環状の第2溝部63が形成されている(図2参照)。緩圧バネ80は、圧縮バネである。
調整ネジ90は、ほぼ円柱形状を有し、樹脂材料で形成されている。調整ネジ90の周面には、雄ネジ部91が形成されている。また、調整ネジ90の前面には、緩圧バネ80が収容される環状の溝部92が形成されている。さらに、図1(c)に示すように、調整ネジ90の後面には、円形状の窪み部93が形成されており、窪み部93の中央部に、調整ネジ90を回すための工具が差し込まれる差込穴94が形成されている。差込穴94の形状は、用いられる工具に対応しており、たとえば、マイナスドライバーが用いられる場合には、図1(c)のように、「−」の形状とされる。
オイルダンパー1が組み立てられる際には、第1溝部62に受圧弁用Oリング70が装着された受圧弁60と、緩圧バネ80と、調整ネジ90とが、後方からハウジング本体10内に組み込まれる。このとき、調整ネジ90は、工具を用いて、後方から見て右回りに回されることにより、ハウジング本体10内を前進する。調整ネジ90は、その後面がハウジング本体10の後面と面一になる位置まで前進すると、これ以上は前進できなくなる。初期状態では、調整ネジ90は、後面同士が面一となる位置に配置される。
鍔部22の前面にワッシャー40が装着され、溝部25にシャフト用Oリング50が装着されたシャフト20が、前方からハウジング本体10内に組み込まれる。このとき、シャフト20は、鍔部22が段差部11に係止される位置までハウジング本体10内に挿入される。その後、前蓋30が、ハウジング本体10の前面に装着される。前蓋30は、振動溶着または超音波溶着により、ハウジング本体10に固定される。こうして、オイルダンパー1が完成する。
調整ネジ90は、ハウジング本体10の後面を塞ぐ後蓋としても機能し、ハウジング本体10、前蓋30および調整ネジ90により、シャフト20および受圧弁60が収容されるハウジングHが構成される。
図2に示すように、ハウジングH内において、受圧弁60は、シャフト20の後方に配置される。支持用シャフト28が受圧弁60の支持凹部61に挿入され、鍔部22がハウジング本体10の内周面に当接し、後シャフト23が仕切リブ12の先端面に当接することにより、シャフト20がハウジングH内において回転自在に支持される。このように、受圧弁60は、シャフト20の軸受としても機能する。
ハウジングHの前面、即ち前蓋30と、受圧部60との間に形成される空間が、オイル充填部14となる。このオイル充填部14に、粘性流体であるオイルが充填されている。受圧弁60は、オイル充填部14に対して、シャフト20のスラスト方向(図2の軸線P方向)に設けられることとなり、調整ネジ90も、オイル充填部14に対して、シャフト20のスラスト方向(図2の軸線P方向)に設けられることとなる。
図3に示すように、オイル充填部14は、2つの仕切リブ12と後シャフト23とにより2つの充填室15に区画される。各充填室15に、各羽根部26が配置される。
図3の実線矢印のように、ハウジングHに対してシャフト20が回転すると、充填室15では、羽根部26の進行方向側の前方空間S1に充填されたオイルが、羽根部26に押され、破線矢印のように、通し孔27を通って進行方向とは反対側の後方空間S2に移動する。このオイルの動きによって、シャフト20に減衰力が作用し、シャフト20が大きなトルクを受けてもシャフト20はゆっくりと回動する。本実施の形態のオイルダンパー1では、シャフト20の可動範囲は、2つの仕切リブ12の間であり、ほぼ180度となる。
図2に戻り、オイル充填部14の前方側では、前シャフト21と前蓋30の開口部33との間がシャフト用Oリング50によりシールされる。さらに、オイル充填部14の後方側では、受圧弁60とハウジング本体10の内周面との間が受圧弁用Oリング70によりシールされる。これにより、オイル充填部14からのオイル漏れが防止される。
緩圧バネ80は、自然長の状態ではなく、所定の弾性力が受圧部60に加わるよう圧縮された状態で、前側が受圧部60の第2溝部63に収容され、後側が調整ネジ90の溝部92に収容されている。受圧部60と調整ネジ90との間には、受圧部60が後方に移動できる空間が形成されている。
本実施の形態のオイルダンパー1は、たとえば、便座ユニットの便座および便蓋の少なくとも一つの開閉に用いられる。
図4は、オイルダンパー1が用いられる便座ユニット100の外観構成を示す斜視図である。
便座ユニット100は、図示しない洋式便器の上に取り付けられる。便座ユニット100は、便座本体部110と、便座120と、便蓋130とを備えている。
便座120は、後部に形成された取付軸部121が、便座本体部110の左右の軸受部111、112に回転自在に支持されている。取付軸部121の左端部と左軸受部111とがオイルダンパー1により連結されており、取付軸部121の右端部と右軸受部112とが支軸122により連結されている。便座120用のオイルダンパー1は、ハウジングHが取付軸部121に装着され、前シャフト21が左軸受部111に装着されている。
便蓋130は、便座120を上方から覆う。便蓋130は、便座本体部110の左右の軸受部113、114に回転自在に支持されている。便蓋130の左取付軸部131と左軸受部113とがオイルダンパー1により連結されており、便蓋130の右取付軸部132と右軸受部114とが支軸133により連結されている。便蓋130用のオイルダンパー1は、ハウジングHが左軸受部113に装着され、前シャフト21が左取付軸部131に装着されている。
オイルダンパー1は、便座120および便蓋130の右側に設けられても良く、左右両側に設けられても良い。また、オイルダンパー1が便座120および便蓋130のうち、一方のみの開閉に用いられても良い。
便座本体部110には、左側に操作部115が設けられている。便座本体部110には、便座120の後部下側に延びる洗浄用ノズル(図示せず)が備えられている。また、便座120の内部には、便座120を温めるヒータ(図示せず)を備えられている。操作部115は、洗浄ノズルでおしり等を洗浄する際、あるいは、便座120を温めるヒータのオンオフや温度調整を行う際に、ユーザに操作される。
便座ユニット100では、便座120および便蓋130の開閉機構にオイルダンパー1が設けられているので、便座120および便蓋130が、その自重により急激に閉鎖することを防止できる。
ところで、ユーザが便座120や便蓋130を慌てて開閉することにより、便座120や便蓋130が急激に開閉される場合が、便座ユニット100の日常の使用状態において起こり得る。この場合、ハウジングHに対してシャフト20が急激に回動することになる。
シャフト20が急激に回動した場合には、この急激な回動に、図3に示す前方空間S1から後方空間S2へのオイルの移動が追従できず、前方空間S1の内圧が急激に上昇する虞がある。この場合、過大な圧力がオイル充填部14の前方や後方に作用し得る。本実施の形態のオイルダンパー1と違って、受圧弁60による安全構造を採らないダンパーでは、過大な圧力の作用により、ハウジングHの前方において、シャフト用Oリング50によるシールが破られ、前シャフト21と開口部33との間からオイルが漏れる虞がある。
一方、本実施の形態のオイルダンパー1は、受圧弁60による圧力逃がし機能を備えている。
図5(a)および(b)は、圧力逃がし機能について説明するための図である。
図5(a)のように、シャフト20が急激に回動すると、上述のように、オイル充填部14において、部分的に過大な圧力が生じ得る。この過大な圧力は、受圧弁60にも作用する。緩圧バネ80によって受圧弁60に付与されている弾性力は、このような過大な圧力よりも小さく設定されている、このため、過大な圧力を受けると、受圧弁60は、図5(b)に示すように、緩圧バネ80の弾性力に抗して後方へ移動する。受圧弁60が後方へ移動すると、その分だけ、オイル充填部14の容積Lが増大する。これにより、オイル充填部14に生じた過大な圧力が緩和される。よって、前シャフト21と開口部33との間に過大な圧力が加わることが防止されるので、この部分からのオイル漏れの発生が防止される。
本実施の形態のオイルダンパー1は、さらに、調整ネジ90によってオイル充填部14の減衰力を調整する減衰力調整機能を備えている。
図6(a)ないし(c)は、減衰力調整機能について説明するための図である。
上述した通り、前蓋30は、振動溶着または超音波溶着によってハウジング本体10に固定される。図2では、前蓋30と、鍔部22に装着されたワッシャー40との間に隙間がないように、オイルダンパー1が描かれている。しかしながら、溶着の際には、ハウジング本体10、即ちオイル充填部14にある程度のオイルによる内圧が掛けられる。このため、溶けた樹脂は外に出ようとし、その溶けた樹脂がハウジング本体10と前蓋30との間に溜まってしまう。この溜まった樹脂の分だけ前蓋30が前方に離れるため、図2と異なり、実際には、図6(a)に示すように、前蓋30とワッシャー40との間には、ある程度の隙間が生じる。隙間が生じた分だけオイル充填部14の容積は大きくなるので、メーカ側では、大きくなる容積を見越してオイルによるオイル充填部14の適正な内圧が設定される。
しかしながら、溶着の工程において、ハウジング本体10と前蓋30との間に溜まる樹脂の量をコントロールすることは困難であるため、溜まる樹脂の量、即ち、前蓋30とワッシャー40との隙間は、製造されるオイルダンパー1毎に、比較的大きくばらつき得る。たとえば、図6(b)に示すように、溜まる樹脂の量が少なく、前蓋30とワッシャー40との隙間が、想定したよりも、全周に対して部分的に小さくなる場合が起こり得る。この場合、オイル充填部14の容積が、想定した容積より小さくなるので、オイル充填部14の内圧が適正な内圧より大きくなることが起こり得る。内圧が大きくなったのは、容積が小さくなった結果、オイル充填部14内にオイルが密に充填されることになったためで、こうなると、オイルが流動しにくくなるため、オイルダンパー1の減衰力が適正な値よりも高くなってしまう虞がある。この状態のままオイルダンパー1が便座等の開閉に使用された場合、便座等の閉鎖が不要に遅くなったり、便座等が開放しにくくなったりしてしまう。
そこで、オイルダンパー1の製造後、内圧が高くなり過ぎたため減衰力が不適正となったオイルダンパー1の再生作業が、メーカ側の作業者により行われる。図6(c)に示すように、作業者は、調整ネジ90の差込穴94に工具を差し込み、調整ネジ90を、後方から見て左回りに回し、後方に移動させる。調整ネジ90が後方に移動した分だけ、緩圧バネ80が伸びる。緩圧バネ80が伸びると、緩圧バネ80の弾性力が小さくなる。受圧弁60に加わった圧力よりも緩圧バネ80の弾性力が小さくなると、加わった圧力が弾性力と釣り合うまで受圧弁60が後方に移動し、その結果、オイル充填部14の容積が大きくなって、内圧が減少する。これにより、オイルダンパー1の減衰力が適正な値に低減される。
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
オイルダンパー1に、オイル充填部14内に臨み、オイル充填部14内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することでオイル充填部14の容積を増加させる受圧弁60が備えられる。これにより、便座120等が急激に閉鎖され、これにより、オイル充填部14内に過大な圧力が生じても、受圧弁60の移動により圧力を緩和できるので、オイルダンパー1内部からのオイル漏れを防止することができる。
また、受圧弁60が、オイル充填部14に対してシャフト20のスラスト方向(軸線P方向)に配置され、当該スラスト方向に移動する。これにより、オイルダンパー1が、シャフト20のラジアル方向に大きくなることを防止できる。図4に示すように、ハウジングHが便座120の取付軸部121に装着されるように、オイルダンパー1が便座ユニット100に備えられる場合、取付軸部121の寸法は、左右方向には比較的大きい。このため、受圧弁60を内蔵することでオイルダンパー1がスラスト方向に大きくなっても、オイルダンパー1を取付軸部121に容易に配置することができる。一方、オイルダンパー1は、ラジアル方向にはほぼ大きくならないので、取付軸部121が径方向に不要に大きくなることがない。よって、取付軸部121が大きくなって便座120全体のバランスが悪くなり美観が損なわれてしまう、ということを防止できる。
さらに、受圧弁60とハウジング本体10の内周面との間が受圧弁用Oリング70によってシールされる。これにより、オイル充填部14のオイルが受圧弁60とハウジング本体10の内周面との間から漏れるのを防止することができる。
さらに、オイルダンパー1に、外部からの操作に応じて緩圧バネ80の弾性力を調整する調整ネジ90が備えられる。これにより、オイルダンパー1が、減衰力が不適正な状態に製造されても、調整ネジ90の操作によりオイル充填部14の内圧を調整して減衰力を適正な状態に戻すことができる。よって、オイルダンパー1の不良率を低減することができる。
<変更例>
図7(a)ないし(c)は、本変更例に係る、オイルダンパー1の構成を示す図である。図7(a)は、オイルダンパー1の側面断面図、図7(b)は、受圧弁60の斜視図、図7(c)は、ガイド溝16が形成された部位のハウジング本体10の正面断面図である。
図7(a)ないし(c)は、本変更例に係る、オイルダンパー1の構成を示す図である。図7(a)は、オイルダンパー1の側面断面図、図7(b)は、受圧弁60の斜視図、図7(c)は、ガイド溝16が形成された部位のハウジング本体10の正面断面図である。
シャフト20が急激に回動した場合、オイル充填部14内では、過大な圧力が部分的に生じる。このため、受圧弁60には、過大な圧力が均一に加わらない。受圧弁60の周面とハウジング本体10の内周面と間には、製造の精度上、僅かな隙間があるため、圧力が均一に加わらないと、受圧弁60が、スラスト方向にまっすぐ移動しないことが起こり得る。こうなると、受圧弁用Oリング70が、ハウジング本体10の内周面に片寄って圧縮されることが生じ、受圧弁用Oリング70によるシール性が悪くなって、オイル充填部14からのオイル漏れが生じる虞がある。
そこで、本変更例では、受圧弁60の周面に、スラスト方向に延びるガイドリブ64が形成され、ハウジング本体10に、スラスト方向に延び、ガイドリブ64が嵌め込まれるガイド溝16が形成されている。たとえば、ガイドリブ64とガイド溝16は、180度の間隔で2カ所に形成される。ガイドリブ64とガイド溝16は、何カ所に設けられても良く、たとえば、90度間隔で4カ所に設けられても良い。ガイドリブ64は、ガイド溝16にほぼ隙間なく嵌合する。即ち、ガイドリブ64とガイド溝16との間には隙間が設けられたとしても、受圧弁60の周面とハウジング本体10の内周面と間の隙間より小さくされる。受圧弁60が移動可能な量だけ、ガイド溝16の長さがガイドリブ64よりも長くされる。
本変更例の構成によれば、ガイドリブ64とガイド溝16とにより、受圧弁60をスラスト方向にまっすぐに移動させることができる。これにより、受圧弁用Oリング70が、ハウジング本体10の内周面との間で不均一に圧縮されるのを防止できるので、受圧弁用Oリング70によるシール性が悪くなることでオイル漏れが発生するのを防止できる。
<その他の変更例>
以上、本発明の実施の形態および変更例について説明したが、本発明は上記実施の形態および変更例に何ら制限されるものではない。
以上、本発明の実施の形態および変更例について説明したが、本発明は上記実施の形態および変更例に何ら制限されるものではない。
たとえば、上記実施の形態では、便座120用のオイルダンパー1は、ハウジングHが便座120側に装着され、シャフト20が便座本体部110側に装着される。しかしながら、便座120用のオイルダンパー1は、ハウジングHが便座本体部110側に装着され、シャフト20が便座120側に装着されても良い。同様に、便蓋130用のオイルダンパー1は、ハウジングHが便蓋130側に装着され、シャフト20が便座本体部110側に装着されても良い。
また、上記実施の形態では、オイルダンパー1が、便座ユニット100に用いられたが、これに限らず、回動により開閉される蓋を有する如何なる装置に用いられても良い。たとえば、オイルダンパー1が、複写機の複写面を覆う蓋の開閉のため、複写機に用いられても良い。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … オイルダンパー(ダンパー)
10 … ハウジング本体
14 … オイル充填部(流体充填部)
16 … ガイド溝(溝部)
20 … シャフト(回転軸部)
30 … 前蓋(前面部)
33 … 開口部
60 … 受圧弁(受圧部)
64 … ガイドリブ(突部)
70 … 受圧弁用Oリング(シール部)
80 … 緩圧バネ(弾性体)
90 … 調整ネジ(調整部)
100 … 便座ユニット
110 … 便座本体部(固定部材)
120 … 便座(回動部材)
130 … 便蓋(回動部材)
H … ハウジング
10 … ハウジング本体
14 … オイル充填部(流体充填部)
16 … ガイド溝(溝部)
20 … シャフト(回転軸部)
30 … 前蓋(前面部)
33 … 開口部
60 … 受圧弁(受圧部)
64 … ガイドリブ(突部)
70 … 受圧弁用Oリング(シール部)
80 … 緩圧バネ(弾性体)
90 … 調整ネジ(調整部)
100 … 便座ユニット
110 … 便座本体部(固定部材)
120 … 便座(回動部材)
130 … 便蓋(回動部材)
H … ハウジング
Claims (6)
- 固定部材と、当該固定部材に対して回動する回動部材との間に設けられるダンパーにおいて、
前記固定部材および前記回動部材のうち一方に装着され、粘性流体が充填される流体充填部を含むハウジングと、
前記固定部材および前記回動部材のうち他方に一端側が装着されるとともに他端側が回転自在に前記流体充填部に挿入され、回転したときに前記粘性流体による減衰力が作用する回転軸部と、
前記流体充填部内に臨み、前記流体充填部内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することで前記流体充填部の容積を増加させる受圧部と、を備える、
ことを特徴とするダンパー。 - 請求項1に記載のダンパーにおいて、
前記受圧部は、前記流体充填部に対して前記回転軸部のスラスト方向に配置され、当該スラスト方向に移動する、
ことを特徴とするダンパー。 - 請求項2に記載のダンパーにおいて、
前記ハウジングは、前記回転軸部が通される開口部を有する前面部を含み、
前記受圧部は、前記ハウジング内において前記回転軸部の後方に配置され、
前記ハウジング内における前記前面部と前記受圧部と間の空間が前記流体充填部となり、
前記受圧部と前記ハウジングの内壁面との間がシール部によりシールされる、
ことを特徴とするダンパー。 - 請求項3に記載のダンパーにおいて、
前記受圧部と前記ハウジングのうち一方に、スラスト方向に延びる溝部を設け、他方に溝部に挿入される突部を設ける、
ことを特徴とするダンパー。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載のダンパーにおいて、
前記受圧部に対し前記流体充填部に向う方向に弾性力を付与する弾性体と、
外部からの操作に応じて前記弾性力を調整する調整部と、をさらに備える、
ことを特徴とするダンパー。 - 便座本体部と、
前記便座本体部に対して回動する便座と、
前記便座本体部に対して回動する、前記便座を覆うための便蓋と、
前記便座および前記便蓋の少なくとも一方の蓋と前記便座本体部との間に設けられるダンパーと、を備え、
前記ダンパーは、
前記一方の蓋と前記便座本体部のうち一方に装着され、粘性流体が充填される流体充填部と、
前記一方の蓋と前記便座本体部のうち他方に一端側が装着されるとともに他端側が回転自在に前記流体充填部に挿入され、回転したときに前記粘性流体による減衰力が作用する回転軸部と、
前記流体充填部内に臨み、前記流体充填部内の圧力が増加したときに、当該圧力を受けて移動することで前記流体充填部の容積を増加させる受圧部と、を含む、
ことを特徴とする便座ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014142058A JP2016016211A (ja) | 2014-07-10 | 2014-07-10 | ダンパーおよび便座ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014142058A JP2016016211A (ja) | 2014-07-10 | 2014-07-10 | ダンパーおよび便座ユニット |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016016211A true JP2016016211A (ja) | 2016-02-01 |
Family
ID=55231929
Family Applications (1)
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016016211A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2014
- 2014-07-10 JP JP2014142058A patent/JP2016016211A/ja active Pending
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