JP2016014699A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、
着色剤、ならびに、
ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマー
を含有するトナー粒子の製造方法であって、
該結着樹脂、該着色剤および該ブロックポリマーを含有する乳化粒子を水系媒体中で凝集および合一させることによって樹脂粒子分散液を製造する工程と、
該樹脂粒子分散液を製造する工程の後に、該樹脂粒子分散液の温度を、該樹脂粒子のガラス転移点TgA−15(℃)以上であって該樹脂粒子に含まれるブロックポリマー由来の吸熱ピークのオンセット温度TmA(℃)以下の温度範囲内、かつ、温度変動幅が20℃以下となるように、0.35℃/分以下の温度変動速度を60分以上維持する工程と、
を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法
である。
ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、
着色剤、ならびに、
ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマー
を含有するトナー粒子の製造方法であって、
該結着樹脂、該着色剤および該ブロックポリマーを含有する乳化粒子を水系媒体中で凝集および合一させることによって樹脂粒子分散液を製造する工程と、
該樹脂粒子分散液を製造する工程の後に、該樹脂粒子分散液の温度を、該樹脂粒子のガラス転移点TgA−15(℃)以上であって該樹脂粒子に含まれるブロックポリマーの結晶化に伴う発熱が終了する温度TcA(℃)以下の温度範囲内、かつ、温度変動幅が20℃以下となるように、0.35℃/分以下の温度変動速度を60分以上維持する工程と、
を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法
である。
該樹脂粒子のガラス転移点TgA−15(℃)以上であって該樹脂粒子におけるブロックポリマー由来の吸熱ピークのオンセット温度TmA(℃)以下の間の温度範囲内、かつ、
温度変動幅が20℃以下
となるように、0.35℃/分以下の温度変動速度を60分以上維持することによって達成される。温度変動幅は、好ましくは12℃以下であり、より好ましくは3℃以下である。
HOOC−(CH2)m−COOH 式(1)
[式中、mは、6以上14以下の整数を示す。]
HO−(CH2)n−OH 式(2)
[式中、nは、6以上16以下の整数を示す。]
式中のmおよびnが上記範囲にあることで、バインダーとブロックポリマーの相溶性が高くなりすぎず、アニール処理時の結晶成長速度がより早くなる。これにより、耐熱性を維持しながら、より優れた低温定着性を得ることができる。上記mのより好ましい範囲としては7以上10以下である。上記nのより好ましい範囲としては6以上12以下である。mおよびnは14≦m+n≦22の関係を満たすことが好ましい。m+nが22以下であればより良好な定着性が得られる。また、m+nが14以上であればより良好な耐熱保存性および現像性が得られ、アニール処理時にトナー凝集が生じにくくなる。
HOOC−(CH2)m−COOH 式(1)
[式中、mは、6以上14以下の整数を示す。]
HO−(CH2)n−OH 式(2)
[式中、nは、6以上16以下の整数を示す。]
ビニルポリマー部位はスチレンを主成分とするが、副成分として、スチレン以外のビニルモノマーを使用することもできる。副成分として使用できるビニルモノマーは、特に限定されるものではないが、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン、ビニルナフタリン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、または、アクリルアミドなどを挙げることができる。
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物、
炭素数6以上18以下のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物、
フマル酸、マレイン酸およびシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類またはその無水物。
トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類。
下記一般式(3)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマー成分とし、
これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
鉄、コバルト、ニッケルなどの金属が挙げられる。またはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの金属との合金およびその混合物が挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物、
カルナバワックス、サゾールワックス、エステルワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス、
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの、
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類、
ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、
植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
TgA、TmA、TcA、Tmp、TgBは示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
ブロックポリマーを、測定温度100℃から0℃の間で、降温速度1℃/分の設定で測定を行った際の発熱ピークにおける、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、
低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線と、
の交点の温度とする。
ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μ秒
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値からポリエステル部位とビニルポリマー部位の質量比(C/A比)を算出した。
本発明におけるSP値は、Fedorsの式(1)を用いて求めた。ここでのΔei、およびΔviの値は著「コーティングの基礎科学」54〜57頁、1986年(槇書店)の表3〜9による原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参照にした。
δi=[Ev/V]^(1/2)=[Δei/Δvi]^(1/2) 式(1)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
例えば、ヘキサンジオールは、原子団(−OH)×2+(−CH2)×6から構成され、計算SP値は下記式で求められる。
δi=[Δei/Δvi]^(1/2)=[{(5220)×2+(1180)×6}/{(13)×2+(16.1)×6}]^(1/2)
SP値(δi)は11.95となる。
ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6mL/分
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
体積基準のメジアン径(D50)の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下のとおりである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「110A000I」(相対屈折率1.10)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)サンプルの分散液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%以上95%以下となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、体積基準のメジアン径(D50)を算出する。
トナーの重量平均粒子径(D4)および個数平均粒子径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)および個数平均粒子径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒子径(D1)である。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部および、1,12−ドデカンジオール106.5部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合させる。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所定の分子量となるまで反応させて結晶性ポリエステル1を得た。結晶性ポリエステル1の重量平均分子量(Mw)は19000、融点(Tm)は84℃であった。
撹拌機、温度計、および、窒素導入管を備えた反応容器に結晶性ポリエステル1を100.0部、脱水クロロホルム440.0部を添加して完全に溶解させた。その後、トリエチルアミン5.0部を加え、氷冷させながら、2−ブロモイソブチリルブロミド15.0部を徐々に加えた。その後、室温(25℃)で一昼夜撹拌した。
表1に示すような原料に変更すること以外は結晶性ポリエステル1の製造方法と同様にして結晶性ポリエステル2〜5を得た。結晶性ポリエステルの重量平均分子量MwおよびSP値も合わせて表1に示す。
表2に示すような原料に変更すること以外はブロックポリマー1の製造方法と同様にしてブロックポリマー2〜11を得た。
結晶性ポリエステル1 50.0部を酢酸エチル200.0部に添加し、70℃に加熱して溶解させる。その後、温度を60℃に設定し、10質量%アンモニア水5.0部、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)3.0部、イオン交換水200.0部を加える。温度を40℃に設定し、乳化機(IKA製、ウルトラタラックス T−50)を用いて8000rpmにて10分攪拌する。その後、エバポレーターにて25℃、7kPaの条件にて突沸しないように酢酸エチルを揮発させて除去し、イオン交換水の量を適宜調整することで結晶性ポリエステル分散液1(固形分20質量%)を得る。用いる結晶性ポリエステルをブロックポリマー1〜11変更する以外同様にして、ブロックポリマー分散液1〜11を得る。
冷却管、攪拌機、および、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 22.6部
無水トリメリット酸 1.8部
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
75.6部
チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート) 0.2部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しつつ生成する水を除去しながら8時間反応させ、その後、10.0mmHgに減圧し1時間反応させ、結着樹脂1を合成した。
結着樹脂1 50.0部を酢酸エチル200.0部に溶解させ、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)3.0部をイオン交換水200.0部とともに加える。40℃に加熱して、乳化機(IKA製、ウルトラタラックス T−50)を用いて8000rpmにて10分攪拌し、その後、酢酸エチルを揮発させて除去し、イオン交換水の量を適宜調整することで結着樹脂分散液(固形分20質量%)を得る。
C.I.Pigment Blue15:3 50.0部
カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5.0部
イオン交換水 200.0部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカーにて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、固形分量が20質量%の着色剤分散液を得る。
パラフィンワックスHNP10(融点:75℃、日本精蝋社製) 30.0部
カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5.0部
イオン交換水 270.0部
以上を混合し95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散
後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、固形分量が15質量%のワックス分散液を得る。
結着樹脂分散液 100.0部
ブロックポリマー分散液1 30.0部
着色剤分散液 6.0部
離型剤分散液 10.0部
10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液 0.5部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に混合し、IKA社製ウルトラタラックスT50にて混合し、分散させた後、攪拌しながら45℃にて60分間保持する(凝集工程)。0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱する。昇温までの間、適宜水酸化ナトリウム水溶液を追加し、pHが5.5よりも低くならないようにする。その後、96℃にて5時間保持し(融合工程)、融合工程を終了することで樹脂粒子分散液1を得た。
ブロックポリマー分散液1の代わりにブロックポリマー分散液2〜11または結晶性ポリエステル分散液1を用いること以外は樹脂粒子分散液1および樹脂粒子1の製造方法と同様にして樹脂粒子分散液2〜12および樹脂粒子分散液2〜12を得た。
樹脂粒子分散液1〜11を用いて、表5に示す条件でアニール処理を行った後、攪拌を続けながら温度を20℃まで冷却した。その後、樹脂粒子1の製造と同様に洗浄・乾燥を行ってトナー粒子1〜17を得た。
樹脂粒子1の製造と全く同様に融合工程を行った後、降温を50℃で止め、そのまま300分温度を保持することによって、アニール工程とした。アニール工程中の温度変動幅は2℃、最大の温度変動速度は0.1℃/分であった。アニール工程終了後、攪拌を続けながら温度を20℃まで冷却した。その後、実施例1の製造と同様に洗浄・乾燥を行ってトナー粒子18を得た。
樹脂粒子分散液1、8、12を用いて、表5に示す条件でアニール処理を行った後、攪拌を続けながら温度を20℃まで冷却した。その後、樹脂粒子1の製造と同様に洗浄・乾燥を行ってトナー粒子19〜24を得た。
実施例1〜18および比較例1〜6で得られた各トナー粒子について、トナー粒子100.0部に対して一次粒子の個数平均粒径が40nmのシリカ微粒子1.0部を加え、FMミキサー(日本コークス工業製)を用いて混合しトナーを得た。
(評価基準)
A:トナーの重量平均粒径が6.5μm以下である(製造安定性に優れる)
B:トナーの重量平均粒径が6.5μmより大きく、7.0μm以下である(製造安定性に優れる)
C:トナーの重量平均粒径が7.0μmより大きく、7.5μm以下である(製造安定性に問題はない)
D:トナーの重量平均粒径が7.5μmより大きく、8.0μm以下である(製造安定性にやや劣り、使用上問題がある)
E:トナーの重量平均粒径が8.0μmより大きい(製造安定性に劣り、使用上問題がある)
また、得られた各トナーについて、以下の方法に従って性能評価を行った。
各トナー5gを50ccポリカップに取り、温度50℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず(耐熱性に特に優れる。)
B:軽微な凝集塊が発生、軽い振とうでほぐれる(耐熱性に優れる。)
C:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すとほぐれる(耐熱性に問題はない。)
D:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない(耐熱性にやや劣る。)
E:完全に凝集(耐熱性に劣る。)
市販のカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、代わりに評価するトナー(300g)を充填した。受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m2)を用いた。そして、常温常湿下(23℃、60%RH)、ベタ画像を出力した。そして、該ベタ画像について反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製、SPIフィルターを使用)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対的な反射濃度を測定した。評価基準を以下に示す。
A:反射濃度が1.40以上である(現像性に特に優れる。)
B:反射濃度が1.30以上1.40未満である(現像性に優れる。)
C:反射濃度が1.25以上1.30未満である(現像性に問題はない。)
D:反射濃度が1.20以上1.25未満である(現像性にやや劣る。)
E:反射濃度が1.20未満である(現像性に劣る。)
さらに、各トナーを温度45℃/湿度10%RHの環境に30日間放置したものを用い、上記した反射濃度の測定を行い、現像性に対する経時変化特性を評価した。評価基準を以下に示す。
A:反射濃度が1.40以上である(経時変化特性に特に優れる。)
B:反射濃度が1.30以上1.40未満である(経時変化特性に優れる。)
C:反射濃度が1.25以上1.30未満である(経時変化特性に問題はない。)
D:反射濃度が1.20以上1.25未満である(経時変化特性にやや劣る。)
E:反射濃度が1.20未満である(経時変化特性に劣る。)
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
A:低温側定着開始点が110℃以下(低温定着性が特に優れている。)
B:低温側定着開始点が115℃または120℃(低温定着性に優れている。)
C:低温側定着開始点が125℃または130℃(低温定着性に問題はない。)
D:低温側定着開始点が135℃または140℃(低温定着性にやや劣る。)
E:低温側定着開始点が145℃以上(低温定着性に劣る。)
結果を表7に示した。
Claims (10)
- ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、
着色剤、ならびに、
ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマー
を含有するトナー粒子の製造方法であって、
該結着樹脂、該着色剤および該ブロックポリマーを含有する乳化粒子を水系媒体中で凝集および合一させることによって樹脂粒子分散液を製造する工程と、
該樹脂粒子分散液を製造する工程の後に、該樹脂粒子分散液の温度を、該樹脂粒子のガラス転移点TgA−15(℃)以上であって該樹脂粒子に含まれるブロックポリマー由来の吸熱ピークのオンセット温度TmA(℃)以下の温度範囲内、かつ、温度変動幅が20℃以下となるように、0.35℃/分以下の温度変動速度を60分以上維持する工程と、
を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、
着色剤、ならびに、
ポリエステル部位およびビニルポリマー部位を有するブロックポリマー
を含有するトナー粒子の製造方法であって、
該結着樹脂、該着色剤および該ブロックポリマーを含有する乳化粒子を水系媒体中で凝集および合一させることによって樹脂粒子分散液を製造する工程と、
該樹脂粒子分散液を製造する工程の後に、該樹脂粒子分散液の温度を、該樹脂粒子のガラス転移点TgA−15(℃)以上であって該樹脂粒子に含まれるブロックポリマーの結晶化に伴う発熱が終了する温度TcA(℃)以下の温度範囲内、かつ、温度変動幅が20℃以下となるように、0.35℃/分以下の温度変動速度を60分以上維持する工程と、
を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - 前記温度変動速度が、0.20℃/分以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記温度変動幅が、12℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記温度変動速度を60分以上維持する請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記ブロックポリマーのポリエステル部位が、下記式(1)で示されるジカルボン酸と、下記式(2)で示されるジオールと、から構成される部位である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
HOOC−(CH2)m−COOH 式(1)
[式中、mは6以上14以下の整数を示す。]
HO−(CH2)n−OH 式(2)
[式中、nは6以上16以下の整数を示す。] - 前記式(1)中のmおよび前記式(2)中のnが、14≦m+n≦22の関係を満たす請求項6に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記ブロックポリマーのビニルポリマー部位のガラス転移点TgB(℃)が、前記ブロックポリマー由来の吸熱ピークのオンセット温度TmA(℃)以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記ブロックポリマーにおけるポリエステル部位(E)とビニルポリマー部位(V)との比率(E:V)が、40:60〜70:30である請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記ブロックポリマーの吸熱ピークのピーク温度Tmp(℃)が、55℃以上100℃以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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