JP2021092712A - マゼンタトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高彩度な画像形成と耐光性の両立および低温定着性の向上を可能とするマゼンタトナーの提供。【解決手段】結着樹脂と着色剤と結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、該着色剤は、濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(1)を満たし、該着色剤のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(2)を満たすことを特徴とする。5.5≦W≦10.0 式(1)1.0nm≦D≦7.0nm 式(2)【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及びトナージェット法のような画像形成方法に用いられるマゼンタトナーに関する。
近年、プリンターや複合機では、印刷物の高画質化の要求があり、そのひとつの観点として、印刷物のPCやタブレット端末のモニター上の画像を出力した際の色の再現性(モニター再現性)が求められている。モニター再現性を高めるための一つの手段として、トナーの彩度を高める手段が挙げられる。一方、プリンターや複合機の性能として、省エネルギー化や高速化が求められている。省エネルギー化や高速化のためには、トナーをより低い温度で定着させる特性(低温定着性)が必要である。
特許文献1では、結晶性ポリエステルをトナー中に含有することにより、低温定着性を向上させている。しかしながら、結晶性ポリエステルは一般的に顔料に比較して疎水性が高いため、紙上に定着した際、着色剤と結晶性ポリエステルとの親和性が低いため、画像上で結晶性ポリエステル部位と着色剤が分離し易くなる。そのため彩度が低下してしまう場合があった。
このような課題に対して、特許文献2などでは、着色剤として染料を用いることにより、彩度を向上させている。しかしながら、一般的に染料を用いた場合、画像の耐光性が低下し易いことが分かっている。
特許文献3では、結晶性ポリエステルと親和性の高い顔料分散剤を用いることにより、顔料分散剤を向上させている。このような系では、画像濃度(着色力)の向上は見られるが、高い彩度が得られない場合があった。
特開2018−124460号公報 特開2009−139810号公報 特開2016−157104号公報
本発明は、上記課題すなわち、高彩度な画像形成と耐光性の両立および低温定着性の向上を可能とするトナーの提供を目的とする。
本発明は、結着樹脂と着色剤と結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、該着色剤は、濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(1)を満たし、該着色剤のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(2)を満たすことを特徴とするマゼンタトナーに関する。
5.5≦W≦10.0 式(1)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(2)
本発明によれば、高彩度な画像形成と耐光性の両立および低温定着性能の向上を可能とするトナーを提供することができる。
以下に本発明のトナーについて具体的に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤と結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、該着色剤は、濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が式(1)を満たし、該着色剤のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(2)を満たすことを特徴とする。
5.5≦W≦10.0 式(1)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(2)
上記の特徴により高彩度な画像形成と耐光性を両立し、低温定着性に優れたトナーが提供できる。その理由については、メカニズムは定かではないが、以下のように本発明者らは考えている。
一般的に、トナーの低温定着性の向上を目的とした結晶性ポリエステルは、耐熱保存性と低温定着性向上の両立を図るため、ある程度の結晶性を維持する必要がある。そのため、樹脂自体の組成として炭化水素鎖が長くなり、疎水性が高くなり易い。一方で、電子写真用トナーに用いられる一般的な有機着色剤は、親水性の官能基を有することが多く、前述の結晶性ポリエステルに対して親水性が高いと考えられる。そのため、従来のような着色剤を用いた場合、トナーが画像形成時に溶融する際に、着色剤と結晶性ポリエステルとの馴染みが悪いため、画像上で分離してしまうことが示唆される。その結果、画像中での着色剤の分布が不均一になってしまい、下地(紙)の露出や着色剤凝集による散乱成分の増大などによって彩度が低下してしまう場合がある。また、樹脂に被覆されていない着色剤部が増えるため、耐光性が低下する場合がある。本発明におけるアセトン濡れ性は、水の上に着色剤を浮かべ、アセトンの量を増やしていった際に、着色剤が沈降するアセトン/水の体積分率を測定している。そのため、水−アセトン間の着色剤の濡れ易さを表現していると考えており、値が高いほど着色剤表面の疎水性が高いことが示唆される。本発明の着色剤が式(1)を満たす場合、着色剤の疎水性が増し、前述のような画像上での分離を抑制することができたと考えられる。
また、画像の彩度を向上させるためには、着色剤自体の散乱成分を低下させることが有効であり、散乱成分を低下させるためには、結晶子サイズを小さくすることが有効である。しかしながら、結晶子サイズを小さくしていった場合、結晶性が低下し、耐光性が悪化してしまう場合がある。本発明の着色剤は式(2)を満たすことにより、散乱成分を低下させつつ、着色剤の耐光性を維持することが可能であると考えられる。
上記理由によって、高彩度の着色剤を均一に画像上に配置することができ、本発明の効果を発現するに至ったと考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の着色剤は、式(1)を満たすことを特徴とする。アセトン濡れ性(W)が5.5未満である場合、上記理由によって結晶性ポリエステルとの親和性が悪化し、彩度および耐光性が低下する。Wが10.0より大きい場合、着色剤自体の疎水性が高くなりすぎ、定着プロセス中に着色剤同士の凝集が進み、画像上で凝集しやすくなるため、彩度が低下する。Wのより好ましい範囲は、6.0以上9.0以下である。
アセトン濡れ性(W)の制御方法としては、着色剤構造を変更する他、有機溶媒で処理する方法、プラズマ照射による処理方法、ロジン酸により処理する方法、着色剤誘導体により処理する方法などがある。この中でも、処理剤の脱離がないことによるトナー製造安定性やトナーの保存性、帯電性への影響が少ないことの観点から、有機溶媒で処理する方法が好ましい。なお、アセトン濡れ性Wの測定方法は後述する。
本発明の着色剤は、式(2)を満たすことを特徴とする。結晶子サイズ(D)が1.0nm未満である場合、結晶性が低下し、耐光性が悪化する。またDが7.0nmより大きい場合、散乱成分が増大し、彩度が低下する。Dのより好ましい範囲は、2.0nm以上5.5nm以下である。
結晶子サイズの制御方法としては、顔料の構造を変更する他、複数種の顔料骨格を用いて固溶体を形成する方法、顔料化工程での温度条件などを変更することによって制御することができる。なお、結晶子サイズDの測定方法は後述する。
本発明に用いることができるマゼンタ着色剤は、式(1)および式(2)の範囲内であれば、どのような着色剤を用いても構わない。使用できるマゼンタ系着色剤としては、モノアゾ系顔料、キナクリドン系顔料、縮合アゾ系顔料、キサンテン系マゼンタ顔料、ペリレン系マゼンタ顔料、イソインドリン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾメチン系顔料、アンスラキノン系顔料が挙げられる。中でも、本発明に用いられるマゼンタ顔料は、モノアゾ系マゼンタ顔料が好ましく、下記化学式(III)で示されるようなナフトールアゾ系の顔料がより好ましい。
Figure 2021092712
(式中、R1は、メチル基、または炭素数3以上8以下のアルキル基の何れかを示す。R2は、水素、または炭素数1以上4以下のアルキル基の何れかを示す。R3は、炭素数1以上4以下のアルキル基または炭素数1以上4以下のアルコキシ基の何れかを示す。R4は、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、ニトロ基の何れかを示す。)
上記アゾ系マゼンタ顔料の製造方法として、公知の方法を用いることができ、例えば、以下のようなアゾカップリングの方法によって製造することができる。
先ず、メタノール等の溶剤、又は水中で、化学式(IV)で示される化合物Dを塩酸、又は硫酸等の無機酸の存在下、亜硝酸ナトリウム、又はニトロシル硫酸等のジアゾ化剤と反応させて、対応するジアゾニウム化合物を製造する。更に、このジアゾニウム化合物と化学式(V)で示される化合物Eとカップリングさせて、化合物Cを製造することができる。
本工程は無溶剤で行うことも可能であるが、反応の急激な進行を防ぐため溶剤の存在下で行うことが好ましい。溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸プロピル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、及びクロロホルム等の含ハロゲン炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,及びN−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、アセトニトリル、及びプロピオニトリル等のニトリル類、ギ酸、酢酸、及びプロピオン酸等の酸類、水等が挙げられる。又、上記溶剤は2種以上を混合して用いることができる。アゾカップリング反応は、−5℃〜30℃の温度範囲で行われる。
合成した化合物Cは水洗後、アセトン濡れ性(W)を制御することを目的として、溶媒での処理を行うことができる。所望のアセトン濡れ性(W)に応じて、下記のような溶媒を選択することができる。例えば、アセトンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、エタノール、メタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサンやヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒を用いることができる。溶媒処理の温度は30〜60℃が好ましい。
Figure 2021092712
(式中、R5は、メチル基、または炭素数3以上8以下のアルキル基の何れかを示す。R6は、水素、または炭素数1以上4以下のアルキル基の何れかを示す。R7は、炭素数1以上4以下のアルキル基または炭素数1以上4以下のアルコキシ基の何れかを示す。)
Figure 2021092712
(式中、R8は、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、ニトロ基の何れかを示す。)
本発明の着色剤は、化学式(I)で示される化合物Aと化学式(II)で示される化合物とBを含有し、化合物Aと化合物Bの質量比を(MA/MB)としたとき、(MA/MB)が式(4)の範囲を満たすことが好ましい。
Figure 2021092712
(95/5)≦(MA/MB)≦(5/95) 式(4)
上記化合物AおよびBを式(4)の質量比率で含有することにより、顔料のアセトン濡れ性(W)と結晶子サイズ(D)の制御がより容易となる。また、上記化合物AおよびBの構造を有することにより、マゼンタ色を出力するのに適した色相角を得られ易くなるとともに、高彩度な画像形成がし易くなる。(95/5)≦(MA/MB)である場合、結晶子サイズを大きくすることができ、耐光性が向上し易い。(MA/MB)<(50/50)である場合、結晶子サイズを小さくすることができ、彩度が向上し易い。(95/5)>(MA/MB)である場合、上記範囲に比べて結晶子サイズの制御がし難い傾向がある。化合物AおよびBのより好ましい比率としては(80/20)≦(MA/MB)≦(60/40)、もしくは(40/60)≦(MA/MB)≦(20/80)である。
トナー粒子中における本発明の着色剤は、2.0質量%以上11.0質量%以下であることが好ましい。この範囲内で用いることにより、好適な色相角を得られるとともに彩度が向上し易い。より好ましくは、3.5質量%以上9.0質量%以下である。
本発明の着色剤は、以下の方法でトナーから顔料を単離し、測定することができる。
THF(テトラヒドロフラン)500gが入った1Lビーカー中にトナー50gを投入し、マグネチックスターラーを用いて任意の回転数で24時間撹拌し分散液を得た。前記分散液を不溶分が沈降するまで静置し、着色剤分散体を含んだTHF可溶分(上澄み)をデカンテーションによって回収した。回収した上澄み液を遠心分離に掛け、沈降した着色剤を回収した。回収した着色剤を蒸留水で3回水洗し、乾燥後、乳鉢で凝集した粗大粒子を砕いた。
次に、本発明の結晶性ポリエステルついて詳細に説明する。
本発明における「結晶性」は明確な融点を有することを意味する。結晶性ポリエステルの融点は、示差走査熱量分析(DSC)を用いて測定することができる。本発明の結晶性ポリエステルは、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、50℃以上100℃以下が好ましい。
本発明の結晶性ポリエスエルはfedorsの式より求められる溶解度パラメータ(SP値)をSP1としたとき、SP1が下記式(3)を満たすことが好ましい。
9.45≦SP1≦10.40 式(3)
結晶性ポリエステルが式(3)を満たす場合、式(3)のSP値範囲は、アセトンのSP値=10.0(「Enoycl.Polym.Sci.Technol.、42、76(1965)」記載)と近いため、アセトンとの親和性が良いと考えられる。そのため、アセトン濡れ性を制御した本発明の顔料とも親和性が良くなることが考えられ、前述の理由によって彩度や耐光性が向上し易くなる。上記範囲外である場合、本発明の着色剤との親和性を高くし難い場合がある。より好ましいSP値の範囲は、9.60≦SP1≦10.0である。SP1は結晶性ポリエステルの組成を変更することにより、制御することができる。
本発明の結晶性ポリエステルは質量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることが好ましい。10000以上である場合、トナーの耐熱保存性が向上し易い。50000以下である場合、低温定着性が向上し易い。また、画像上での着色剤との分離を抑制し易くなり、彩度が向上し易い。より好ましい範囲は、17000以上35000以下である。結晶性ポリエステルの質量平均分子量(Mw)は製造時における、モノマー比率を変更することや、反応時間、反応温度を制御することにより変更することができる。
本発明のトナー粒子中における結晶性ポリエステルの含有量は5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。5.0質量%以上である場合、低温定着性向上の効果が発現し易い。40.0質量%以下である場合、画像上での着色剤との分離を抑制し易くなり、彩度が向上し易い。
本発明の結晶性ポリエステルはジオールとジカルボン酸を縮重合することにより、製造することが可能である。
ジカルボン酸としては、例えばアルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など)、アルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ダイマー酸など)、芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらは、酸無水物及び(例えば炭素数1以上8以下の)アルキルエステルの形で用いてもよい。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA及びスピログリコールなど)、アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA・エチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.5モル付加物など)などが挙げられる。
本発明のトナー中における結晶性ポリエステルは、本発明の着色剤に対して、0.8倍量から10.0倍量が好ましく、1.5倍量から6.0倍量がより好ましい。
本発明における結着樹脂とは、トナーの総質量に対して、最も多い比率を占める樹脂を表す。本発明の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など公知の樹脂を用いることができる。この中でもビニル系樹脂とポリエステル樹脂が製造容易性の観点から好ましく、高温高湿下での保存や使用の観点からスチレン系ビニル樹脂がさらに好ましい。
ビニル系樹脂の製造に使用できるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及びp−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;が挙げられる。
これらは単独あるいは二種以上組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂に使用できる縮重合単量体としては多価カルボン酸と多価アルコールが使用できる。
多価カルボン酸としてはシュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
本発明の結晶性ポリエステルのfedorsの式より求められるSP値をSP1、結着樹脂のSP値をSP2としたとき|SP1−SP2|が下記式(5)の範囲を満たすことが好ましい。
|SP1−SP2|≦0.60 式(5)
式(5)を満たす場合、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの親和性が高く、画像上での着色剤との分離をさらに抑制できるため、彩度や耐光性が向上し易い。また、結着樹脂に対する可塑能力が高くなるため、低温定着性が向上し易い。
本発明のトナー粒子は、離型剤を含有しても良い。離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物、脂肪酸エステルを主成分とするワックス、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1.50質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーは従来公知の方法によって製造することができる。例えば、結着樹脂を得るための重合性単量体、着色剤、結晶性ポリエステル及び必要に応じて離型剤等を含む重合性単量体組成物を水系媒体に懸濁・造粒し、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合する懸濁重合法;結着樹脂、着色剤、結晶性ポリエステル及び必要に応じて離型剤等の各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、着色剤分散液と、結晶性ポリエステルを乳化、分散した結晶性ポリエステル分散液と必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂を構成する重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤分散液、結晶性ポリエステルを乳化、分散した結晶性ポリエステル分散液と、必要に応じて離型剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;有機溶媒中に結着樹脂、着色剤、結晶性ポリエステル及び必要に応じて離型剤等を含む有機溶媒分散液を水系媒体に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
本発明において、トナーの画質向上のために、外添剤がトナー粒子に外部添加されていてもよい。外添剤としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、または酸化アルミニウム微粉体のような無機微粉体が好適に用いられる。これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物の疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、本発明のトナーは必要に応じて、上記以外の外添剤をトナー粒子に混合してもよい。無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<顔料の結晶子サイズ(D)の測定方法>
顔料の結晶子サイズは、X線回折(XRD)を用いて、以下のような方法で測定した。
顔料は、下記装置および測定条件で測定を行った。
測定装置:RINT−TTR II(リガク社製)
管球:Cu
開始角度:3°
終了角度:60°
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:4.00°/min
電圧:50kV
電流:300mA
平行ビーム光学系
発散スリット:開放
発散縦スリット:10mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
上記測定条件により得られたスペクトルは以下のようにして波形処理を行い、計算スペクトルを算出した。
得られたスペクトルに対し、マニュアルでバックグラウンド処理を行った。その後、分割型疑Voigt関数でフィッティングを行い、元のスペクトルとのピーク形状との乖離があれば、手動で計算スペクトルの調整を行った。
上記操作にて得られた計算スペクトルのブラッグ角が3°から60°(3°<2θ<60°)の範囲内におけるピークの中で、最大積分強度を有するピークにおける結晶子サイズを結晶子サイズ(D)とした。
<着色剤のアセトン濡れ性(W)の測定方法>
着色剤のアセトン濡れ性Wは粉体濡れ性試験機を用いて以下のような方法で測定を行った。
測定装置:WET101P(株式会社レスカ製)
顔料50mgを量り取り、蒸留水70.0mlを入れた200mlトールビーカーの上に静かに浮かべた。スターラーで上記液を撹拌しながら、アセトンを0.5ml/minの速度で水相に供給し、半導体レーザーによって透過率を測定した。測定において得られた透過率が50%となった時の水−アセトン混合溶媒中におけるアセトンの体積分率をWとした。
<結晶性ポリエステルの重量平均分子量の測定方法>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
まず、室温で、結晶性ポリエステルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020mL
サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<結晶性ポリエステルの融点の測定方法>
結晶性ポリエステルの融点は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、サンプル2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲0℃以上150℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程での温度0℃以上150℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
<トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)は、精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いて測定する。測定は下記条件で行う。
実効測定チャンネル数:2万5千チャンネル
コントロールモーター総個数:50000個
アパチャー:100μm
カレント:1600μA
ゲイン;2
Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値で測定する。測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前述の専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<SP値の算出方法>
SP1およびSP2は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
各重合性単量体について、分子構造中の原子又は原子団に対して、「polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm3/mol)を求め、(ΣΔei/ΣΔvi)をSP値(cal/cm3)とする。
重合体を構成する重合性単量体に由来するモノマーユニットの蒸発エネルギー(Δei)及びモル体積(Δvi)をモノマーユニット毎に求め、各モノマーユニットのモル比(j)との積をそれぞれ算出し、各モノマーユニットの蒸発エネルギーの総和をモル体積の総和で割ることによって求め、下記式(6)より算出する。
SP値={(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}0.5 式(6)
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<マゼンタ顔料1の製造例>
ジアゾ化合物含有溶液の調製:
Figure 2021092712
アミン化合物(D1)90gを蒸留水1000mLに分散させ、溶液を20℃にて撹拌させた。これを5℃にした後、12Nの塩酸(キシダ化学(株)製)を140mL滴下し、塩酸塩を得た。これに亜硝酸ナトリウム水溶液(日産化学(株)製)を90g加え、10℃で20分撹拌し、ジアゾ化合物含有溶液を得た。
カップリング反応水溶液の調製:
Figure 2021092712
別途、カップリング化合物(E1)97g、カップリング化合物(E2)47gを蒸留水1000mLに分散させ、95℃に加熱した後、33%の水酸化ナトリウム水溶液 165gを加えて、95℃で2分間撹拌した。その後、70℃に保持し、カップリング反応水溶液を得た。
アゾカップリング反応によるマゼンタ顔料の製造:
ジアゾ化合物含有溶液に、19gの酢酸ナトリウムを加えて、pHを4.5にして、10℃に冷却した。その後、カップリング反応水溶液を1時間かけて滴下し、反応液が10℃以上に上がらないように冷却しながら反応させた。その際に、pHが4.9に維持されるように、12Nの塩酸(キシダ化学(株)製)を随時添加した。その後、20℃で4時間反応させた。その後、固形分をろ過、水洗した後、化合物Aと化合物Bを70:30で含有する未処理のマゼンタ顔料1のウェットケーキを得た。
溶媒加熱処理によるマゼンタ顔料表面特性調整:
マゼンタ顔料1のウェットケーキ 200部をアセトンで3回洗った後、アセトン 1000部に懸濁させた。液温を50℃に昇温した後、温度を保ったまま24時間撹拌した。室温に降温した後、ろ別し、100部の蒸留水によって洗浄した後乾燥し、マゼンタ顔料1を得た。得られたマゼンタ顔料1の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料2〜8、10の製造例>
アミド化合物(E1)、アミド化合物(E2)の添加量、溶媒加熱処理によるマゼンタ顔料表面特性調整に用いる溶媒を表1に記載の通りに変更する以外は、マゼンタ顔料1と同様の方法により、マゼンタ顔料2〜8、10を得た。得られたマゼンタ顔料2〜8、10の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料9の製造例>
・蒸留水 1000部
・マゼンタ顔料1 100部
上記材料を撹拌・混合し、マゼンタ顔料1を水中に懸濁させた。その後、テトラヒドロアビエチン酸5.0部、アビエチン酸1.7部および33%濃度の水酸化ナトリウム水溶液30部を添加した。液温を98℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。65℃に降温した後、12Nの塩酸(キシダ化学(株)製)を添加して樹脂を不溶化させた。その後組成物をろ別し、蒸留水によって洗浄した後乾燥し、マゼンタ顔料9を得た。得られたマゼンタ顔料9の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料11の製造例>
上記マゼンタ顔料9の製造例でテトラヒドロアビエチン酸を15.0部、アビエチン酸を5.0部に変更した以外は同様にしてマゼンタ顔料11を得た。得られたマゼンタ顔料11の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料12>
マゼンタ顔料としてC.I.PigmentRed122を用いた。用いたC.I.PigmentRed122の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料13>
マゼンタ顔料としてC.I.PigmentRed269を用いた。用いたC.I.PigmentRed269の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料14>
マゼンタ顔料として、C.I.PigmentRed150を用いた。用いたC.I.PigmentRed150の物性を表1に示す。
<マゼンタ顔料15の製造例>
・アセトン 1000部
・C.I.PigmentRed269 100部
上記材料を撹拌・混合し、C.I.PigmentRed269をアセトンに懸濁させた。液温を50℃に昇温した後、温度を保ったまま24時間撹拌した。室温に降温した後、ろ別し、100部の蒸留水によって洗浄した後乾燥し、マゼンタ顔料15を得た。得られたマゼンタ顔料15の物性を表1に示す。
Figure 2021092712
<結晶性ポリエステル1の製造例>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部及び、1,6−ヘキサンジオール64.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合した。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させて結晶性ポリエステル1を得た。得られた結晶性ポリエステル1の物性を表2に示す。
<結晶性ポリエステル2〜11の製造例>
上記結晶性ポリエステル1の製造例で、重合体単量体の種類および量を表2のように変更したこと以外は同様にして結晶性ポリエステル2〜11を得た。得られた結晶性ポリエステル2〜11の物性を表2に示す。
Figure 2021092712
<ポリエステル樹脂P1の合成>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物50部、テレフタル酸24.0部、イソフタル酸23.0部、トリメリット酸3.0部を混合した混合物100部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合しポリエステル樹脂P1を得た。得られたポリエステル樹脂P1のMwは12000であった。
<ポリエステル樹脂P2の合成>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物100部、テレフタル酸21.7部、セバシン酸23.5部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合しポリエステル樹脂P2を得た。得られたポリエステル樹脂P2のMwは27000、溶解度パラメータ(SP1)は10.24であった。
<スチレンアクリル樹脂1の製造>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込んだ。スチレン75部とアクリル酸n−ブチル25部と重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの75%トルエン溶液10.0部を混合し、上記反応容器に撹拌しながら滴下した。65℃で加熱撹拌し、所望の分子量に達したところで反応液を冷却して反応を停止させた。反応液をメタノール中で固液分離して精製した後、減圧下40℃で乾燥しスチレンアクリル樹脂1を得た。得られたスチレンアクリル樹脂1のMwは35000、溶解度パラメータ(SP1)は9.80であった。
<トナー粒子1の製造例>
・スチレン 100.0部
・マゼンタ顔料1 16.7部
上記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(180部)を用いて250rpm、20℃で30分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
・マスターバッチ分散液1 44.0部
・スチレン単量体 38.5部
・n−ブチルアクリレート単量体 25.0部
・炭化水素系ワックス 8.4部
(HNP−9日本精鑞社製)
・ポリエステル樹脂P1 3.6部
・結晶性ポリエステル1 22.0部
上記材料を混合して65℃に加温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、3500rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
続いて、還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水600部と0.1mol/LのNa3PO4水溶液116部と1.0mol/LのHCl水溶液1.0部を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社)を用いて10,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl2水溶液17.4部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
上記水系媒体中に上記トナー組成物溶解液を投入し、重合開始剤としてパーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製))7.0部を加え、温度60℃にて高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、撹拌速度10,000rpmで20分間撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して100rpmで撹拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、更に2時間反応を行った。
次に、イオン交換水を100.0部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。容器内の温度が100℃の蒸留を5時間行った。蒸留終了後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させた。さらに、濾別、洗浄、乾燥をして、重量平均粒子径(D4)が6.2μmのトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1の物性を表4に示す。
<トナー粒子2〜22、26〜28、比較用トナー粒子1〜8の製造例>
上記トナー粒子1の製造例で各種トナー材料の種類および量を表3−1および表3−2のように変更した以外同様にしてトナー粒子2〜22、26〜28、比較用トナー粒子1〜8を得た。トナー粒子2〜22、26〜28、比較用トナー粒子1〜8の物性を表4に示す。
Figure 2021092712
Figure 2021092712
表中、MB:マスターバッヂ
BA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
Figure 2021092712
<マゼンタトナー1の製造例>
トナー粒子1の100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を1.5部(数平均一次粒子径:10nm)添加し、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で300秒間混合工程を行いマゼンタトナー1を得た。
<マゼンタトナー2〜22、26〜28、比較用トナー1〜8の製造例>
マゼンタトナー1の製造例において、トナー粒子1をトナー粒子2〜22、26〜28、比較用トナー粒子1〜8に変更する以外は同様にして、マゼンタトナー2〜22、26〜28、比較用トナー1〜8を得た。
<マゼンタトナー23の製造例>
温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)に、下記材料を投入し混練を行った。
・ポリエステル樹脂P2 100.0部
・炭化水素系ワックス 7.0部
(HNP−9日本精鑞社製)
・結晶性ポリエステル1 20.0部
・マゼンタ顔料1 6.5部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイント・ターボ工業株式会社製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用いて分級を行い、トナー粒子23を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行い、トナー粒子23を得た。得られたトナー粒子23の重量平均粒径(D4)は7.0μmであった。
得られたトナー粒子23を、トナー粒子1と同様にヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を添加してマゼンタトナー23を得た。得られたマゼンタトナー23の|SP1−SP2|は0.44であった。
<マゼンタトナー24の製造例>
着色剤粒子分散液1の製造:
・メチルエチルケトン 240.0部
・マゼンタ顔料1 60.0部
上記材料をアトライタに導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(180部)を用いて250rpm、20℃で60分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液24を調製した。
イオン交換水:250.0部に、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR)5部を混合溶解した。そこへマスターバッチ分散液24を滴下しながらホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により、乳化分散を行い、全量加えた後さらに10分間分散した。この分散液を常温減圧下で、固形分量25%になるまで溶媒留去してから、超音波バスにより30分間分散し、中心径200nm、固形分量25%の着色剤粒子分散液1を得た。
結着樹脂粒子分散液1の製造:
・メチルエチルケトン 200.0部
・ポリエステル樹脂P2 280.2部
上記材料を、撹拌機を備えたリアクターに投入し、70℃で60分溶解、混合した後、95℃に加熱したイオン交換水1200部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部、1N NaOH水溶液を3.0部溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス)で5分間乳化した。この分散液を60℃減圧下で、固形分量20%になるまで溶媒留去してから、超音波バスにより30分間分散し、室温(25℃)の水にてフラスコを冷却した。これにより樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が20質量%の結着樹脂粒子分散液1を得た。
離型剤粒子分散液1の製造:
・アニオン性界面活性剤 1.4部
(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR)
・イオン交換水 350.0部
・炭化水素系ワックス 70.0部
(HNP−9日本精鑞社製)
上記成分を混合し、120℃に加熱して、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処 理し、体積平均粒径170nmの20質量%の離型剤粒子分散液1を得た。
被覆樹脂粒子分散液1の製造:
・メチルエチルケトン 100.0部
・ポリエステル樹脂P1 70.6部
上記材料を、撹拌機を備えたリアクターに投入し、70℃で60分溶解、混合した後、95℃に加熱したイオン交換水350部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4部、1N NaOH水溶液を3.0部溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス)で5分間乳化した。この分散液を60℃減圧下で、固形分量20%になるまで溶媒留去してから、超音波バスにより30分間分散し、室温(25℃)の水にてフラスコを冷却した。これにより樹脂粒子のメジアン径が240nm、固形分量が20質量%の被覆樹脂粒子分散液1を得た。
結晶性ポリエステル分散液1の製造:
結晶性ポリエステル1 300部と、メチルエチルケトン(溶剤)160部と、イソプロピルアルコール(溶剤)100部と、を入れ70℃に維持しながら、100rpmで撹拌混合しつつ樹脂を溶解させた。
その後、10質量%アンモニア水溶液15部を滴下し、10分間混合した後、70℃のイオン交換水900部を毎分5部の速度で滴下して転相させて、乳化液を得た。得られた乳化液を60℃減圧下で、固形分量20%になるまで溶媒留去してから、超音波バスにより30分間分散し、室温(25℃)の水にてフラスコを冷却し、結晶性ポリエステル分散液1を得た。
トナー粒子24の製造:
・樹脂粒子分散液1 1850.0部
・着色剤粒子分散液1 100.0部
・アニオン性界面活性剤 25.0部
(Dowfax2A1 20%水溶液)
・離型剤粒子分散液1 112.0部
・結晶性ポリエステル分散液1 380.0部
・被覆樹脂粒子分散液1 100.0部
まず、pHメーター、撹拌羽、温度計を具備した重合釜に、上記原料のうち、樹脂粒子分散液1、アニオン性界面活性剤、及びイオン交換水250部を入れ、130rpmで15分間撹拌しながら、界面活性剤を樹脂粒子分散液1になじませた。これに着色剤粒子分散液1、離型剤分散液1および結晶性ポリエステル分散液1を加え混合した後、この原料混合物に0.3モル/Lの硝酸水溶液を加えて、pHを4.8に調整した。ついで、ウルトラタラックスにより3000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液20.0部を滴下した。この凝集剤滴下の途中で、原料混合物の粘度が増大するので、粘度上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないようにした。凝集剤の滴下が終了したら、さらに回転数5000rpmに上げて5分間撹拌し、凝集剤と原料混合物を充分混合した。
ついで、上記原料混合物をマントルヒーターにて25℃に加温しながら500rpmで撹拌した。一次粒径が形成するのを確認した後、凝集粒子を成長させるために0.1℃/分で43℃まで昇温した。凝集粒子の成長を随時確認し、その凝集速度によって凝集温度や撹拌の回転数を変えた。
上記凝集工程で凝集粒子が5.2μmに成長したところで、被覆樹脂粒子分散液1を加え、撹拌しながら20分間保持した。その後、被覆した凝集粒子の成長を停止させるために、1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料混合物のpHを7.6に制御した。ついで、凝集粒子を融合させるために、pHを7.6に調整しながら昇温速度1℃/minで85℃まで昇温した。85℃に達してからは、融合を進めるためにpHを7.6もしくはそれ未満に調整し、光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、粒径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度10℃/分で急冷した。
ついで、得られた粒子を洗浄する目的で、15μmメッシュで一度篩分した。その後、固形分に対しておよそ10倍量のイオン交換水(30℃)を加え、20分撹拌した後、一旦濾過を行った。さらにろ紙上に残った固形分をスラリーに分散して、30℃のイオン交換水で4回繰り返し洗浄を行い、乾燥させ、トナー粒子24を得た。得られたトナー粒子24の重量平均粒径(D4)は5.8μmであった。
得られたトナー粒子24を、トナー粒子1と同様にヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を添加して、マゼンタトナー24を得た。得られたマゼンタトナー24の|SP1−SP2|は0.44であった。
<マゼンタトナー25の製造例>
・メチルエチルケトン 144.0部
・マゼンタ顔料1 36.0部
上記材料をアトライタに導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(100部)を用いて150rpm、25℃で30分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液25を調製した。
・マスターバッチ分散液25 88.0部
・メチルエチルケトン 59.0部
・スチレンアクリル樹脂1 262.0部
・炭化水素系ワックス 22.0部
(HNP−9日本精鑞社製)
・ポリエステル樹脂P1 9.5部
・結晶性ポリエステル1 53.0部
上記材料を混合して75℃に加温し、T.K.ホモミクサーを用いて、5000rpmにて30分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
一方、T.K.ホモミクサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水1000.0部に0.1モル/L−Na3PO4水溶液480.0部を投入後、T.K.ホモミクサーを10,000rpmに調整して60℃に加温した。その後、1.0モル/L−CaCl2水溶液71.9部と10%塩酸3.9部とを徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
次に、トナー組成物溶解液を上記水系媒体へ投入した。これを、温度75℃、T.K.ホモミクサーにて13,000rpmで30分間撹拌しトナー組成物溶解液を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度85℃に昇温し、常圧下で5時間蒸留を行った。次いで減圧下で残存溶媒をさらに留去したのち、水系媒体を冷却してトナー粒子の分散液を得た。
トナー粒子の分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、トナー粒子25を得た。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は6.6μmであった。
得られたトナー粒子25を、トナー粒子1と同様にヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を添加して、マゼンタトナー25を得た。得られたマゼンタトナー25における|SP1−SP2|は0.0であった。
〔実施例1〜28、比較例1〜8〕
上記トナー1〜28、比較用トナー1〜8をそれぞれ用いて、下記の如く評価を行った。
<画質の評価方法>
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、マゼンタカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、メディア(GF−C081、坪量81.4g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.40mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを230mm/sに設定し、上記未定着画像を100℃から180℃まで5℃ずつ変えて定着し、未定着画像の定着を行った。得られた定着画像は、反射濃度計SpectroLino(旧Gretag Macbeth社製)にて、L*a*b*表色系における色度を測定した。得られた結果の彩度(C*)および色相角(h)の値を読み取った。測定を行った各定着温度における画像の中で、最も彩度(C*)の高い画像を以下のような基準でランク付けし、Cランク以上を本発明において許容できる基準とした。色相角(h)は、300°≦h≦355°の範囲外である場合、C*の値にかかわらず、Dランクとした。結果を表5に示す。
[評価基準]
A:C*が75.0以上、300°≦h≦355°
B:C*が72.0以上、300°≦h≦355°
C:C*が69.0以上、300°≦h≦355°
D:C*が65.0以下
<耐光性の評価方法>
耐光性の試験ではスーパー蛍光灯フェードメーター FL(スガ試験機社製)を用いて、以下の条件で行った。
強度:75000(lux)
照射時間:1000時間
評価は、上記画質の評価方法と同様にして得られた最も高彩度な画像を用いた。耐光性試験前のC*の値を「C*init」とし、耐光性試験後のC*の値を「C*1000」とした時、(C*1000)/(C*init)で示される彩度残存率を以下のような評価基準で判断した。評価は、Cランク以上であれば良好な耐光性があると判断した。結果を表5に示す。
[評価基準]
A:彩度残存率が90%以上
B:彩度残存率が85%以上90%未満
C:彩度残存率が75%以上85%未満
D:彩度残存率が75%未満
<低温定着性の評価方法>
上記画質の評価方法で、トナー画像の載り量を0.90mg/cm2に変更した以外は、同様にして、画像の定着を行った。定着画像の低温オフセットを目視で判断し、オフセットが発生しない最低の定着温度を最低定着温度とした。最低定着温度を下記評価基準により判断した。評価は、Cランク以上であれば良好な低温定着性があると判断した。結果を表5に示す。
[評価基準]
A:低温定着開始温度が120℃以下
B:低低温定着開始温度が125℃又は130℃
C:低温定着開始温度が135℃又は140℃
D:低温定着開始温度が145℃以上
<耐熱保存性(耐ブロッキング性)>
各トナー5gを50ccポリカップに取り、温度50℃/湿度10%RH、でそれぞれ24時間放置した。放置したトナーの凝集塊の有無を調べて評価した。本発明においてCランク以上が許容できる基準である。結果を表5に示す。
[評価基準]
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
Figure 2021092712

Claims (6)

  1. 結着樹脂と着色剤と結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、該着色剤は、濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(1)を満たし、該着色剤のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズ(D)が下記式(2)を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
    5.5≦W≦10.0 式(1)
    1.0nm≦D≦7.0nm 式(2)
  2. 前記結晶性ポリエステルのfedorsの式より求められる溶解度パラメータ(SP値)をSP1としたとき、SP1は下記式(3)を満たす請求項1に記載のマゼンタトナー。
    9.45≦SP1≦10.40 式(3)
  3. 該着色剤が、化学式(I)で示される化合物Aと化学式(II)で示される化合物Bを含有し、化合物Aと化合物Bの質量比を(MA/MB)としたとき、(MA/MB)は式(4)の範囲を満たす請求項1または2に記載のマゼンタトナー。
    Figure 2021092712
    (95/5)≦(MA/MB)≦(5/95) 式(4)
  4. 前記結晶性ポリエステルの質量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
  5. 前記結晶性ポリエステルのfedorsの式より求められる溶解度パラメータ(SP値)をSP1、結着樹脂のSP値をSP2としたとき|SP1−SP2|が下記式(5)の範囲を満たす請求項1〜4のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
    |SP1−SP2|≦0.60 式(5)
  6. 前記結晶性ポリエステルのトナー中における含有量が5.0質量%以上40.0質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
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