JP2016008432A - 地中連続壁の止水用流路形成方法、及び止水方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この地中連続壁の構築方法は、先行するエレメントの内部に端面に仕切り板を取り付けた鉄筋籠を配置し、この仕切り板の周囲を凍結し、エレメント内のコンクリートの打設を行い、その後に凍結を溶解して空間を形成し、この空間をガイドとして後行エレメントの掘削を行う。
この連壁工法は、パネルにより地中連続壁を構築するに際し、先行パネルと後行パネルとの間の土砂を、冷結管内に冷却材を流すことにより凍結して止水し、地中連続壁の崩壊を防止する。
この連壁の下端の止水工法は、連壁を形成するための掘削孔内に冷却管を上方から挿入し、底版のフランジ部と連壁の下端との境界部分周囲を凍結させて、その境界部分周囲を止水する。
すなわち、図3に示すように、大深度の掘削孔Hの孔底には、掘削時のスライムSが溜まりやすいことから、矢印Aで示したように、止水上の弱点となりやすい問題がある。
また、特許文献3のように、底版のフランジ部と連壁の下端との境界部分周囲を凍結させて、その境界部分周囲を止水する工法では、大深度のRC連壁の根入れ下端からの漏水の問題は解消し得ない。
そして、本発明は、大深度であっても連壁構築後の打継部及び根入れ下端からの漏水の問題を解消することも課題としている。
地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁に止水用流路を形成する方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成することを特徴とする。
請求項1に記載の地中連続壁の止水用流路形成方法であって、
前記掘削溝に設置される鉄筋籠とともに、前記底面の発泡成形柱状部材及び打継面の発泡成形柱状部材を設置することを特徴とする。
地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成した後、
前記打継面流路に上端から凍結液を供給して、前記地中連続壁の打継部及び底部を凍結させて止水することを特徴とする。
地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成した後、
前記打継面流路に上端から薬液を供給して、前記地中連続壁の打継部及び底部に薬液を注入して周囲を薬液により固結させて止水することを特徴とする。
従って、大深度であっても連壁構築後の打継部及び根入れ下端からの漏水の問題を解消することができる。
地中連続壁の造成時において、止水用流路を外周及び底に形成し、コンクリートの硬化後、その流路を用いて外周及び底の止水対策を行う。
図1及び図2は本発明の地中連続壁の止水用流路形成方法、及び止水方法を適用した一実施形態の構成を示すもので、1は地中連続壁、2は先行エレメント、3は後行エレメント、4は発泡成形柱状部材、5は打継面流路、6は底面流路である。
以上において、エレメント2・3あたり一方の打継面流路5の上端に、図示しない凍結液を供給して排出する凍結液供給排出装置を接続する。
この凍結液の供給により、打継面流路5の周囲が凍結されるとともに、底面流路6の周囲の地盤が凍結される。すなわち、先行エレメント2と後行エレメント3の仕切鉄板の間に流入した土砂及び水が凍結状態になるとともに、両エレメント2・3の底盤及び水が凍結状態になる。
従って、RC連壁1の打継部及び底部が凍結状態となって良好な止水状態が得られる。
従って、大深度のRC連壁1の構築後において、所定期間、先行エレメント2と後行エレメント3の打継部及び根入れ下端からの漏水の問題を凍結により解消することができる。
なお、先行エレメント2の打継面流路5の上端と隣り合う後行エレメント3の打継面流路5の上端とを配管で接続して、RC連壁1の一方側から凍結液を供給して他方側に排出するように構成してもよい。
前述した実施形態において、底面の発泡成形柱状部材4を掘削溝底面に接触させた状態にしておく。
また、図示しない仕切鉄板に形成する縦方向のスリット状の隙間から打継面の発泡成形柱状部材4の外側を露出させた状態にして、鉄筋籠の側面に打継面の発泡成形柱状部材4を付けた状態で、掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端近傍に打継面の発泡成形柱状部材4を略垂直に順次設置しておく。
この薬液の供給により、仕切鉄板のスリット状の隙間から打継面流路5の外側に薬液が注入されて周囲が薬液により固結されるとともに、コンクリート底面のスリット状の隙間から底面流路6の下面側に薬液が注入されて周囲の地盤が薬液により固結される。
従って、RC連壁1の打継部及び底部が薬液注入による固結状態となって良好な止水状態が得られる。
従って、大深度のRC連壁1の構築後において、先行エレメント2と後行エレメント3の打継部及び根入れ下端からの漏水の問題を薬液注入による固結により解消することができる。
実施形態では、両側の打継面流路5及び底面流路6による略U字形としたが、一方のみの打継面流路5と底面流路6による略L字形としてもよい。
以上の実施形態においては、大深度の止水対策としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、大深度でなくても適用可能である。
また、実施形態の他、具体的な細部構造や手法等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 先行エレメント
3 後行エレメント
4 発泡成形柱状部材
5 打継面流路
6 底面流路
Claims (4)
- 地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁に止水用流路を形成する方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成することを特徴とする地中連続壁の止水用流路形成方法。 - 前記掘削溝に設置される鉄筋籠とともに、前記底面の発泡成形柱状部材及び打継面の発泡成形柱状部材を設置することを特徴とする請求項1に記載の地中連続壁の止水用流路形成方法。
- 地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成した後、
前記打継面流路に上端から凍結液を供給して、前記地中連続壁の打継部及び底部を凍結させて止水することを特徴とする地中連続壁の止水方法。 - 地盤を掘削した掘削溝に鉄筋籠を設置してからコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水方法であって、
柱状に発泡成形された発泡成形柱状部材を、前記掘削溝の底面に沿って略水平に設置し、
前記掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで前記発泡成形柱状部材を略垂直に設置して、その打継面の発泡成形柱状部材の下端を前記底面の発泡成形柱状部材の端部に接続してから、
前記掘削溝にコンクリートを打設して、そのコンクリートの硬化後、
前記打継面の発泡成形柱状部材の上端から溶剤を注入し、その溶剤により前記打継面の発泡成形柱状部材から前記底面の発泡成形柱状部材まで溶かして、打継面に沿った略垂直な打継面流路から連続して底面に沿った略水平な底面流路までの止水用流路を形成した後、
前記打継面流路に上端から薬液を供給して、前記地中連続壁の打継部及び底部に薬液を注入して周囲を薬液により固結させて止水することを特徴とする地中連続壁の止水方法。
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