JP2016008237A - メタクリル樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

メタクリル樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性のすべてを維持するとともに、特に優れた流動性を有し、なおかつ熱安定性にも優れるメタクリル樹脂組成物の提供。
【解決手段】ピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂を含み、以下の条件(I)〜(IV)を満たすメタクリル樹脂組成物。
(I) 該メタクリル樹脂において、メタクリル酸メチル単位の重量割合が、全単量体単位100重量%に対して、98.5重量%よりも大きいこと
(II) 高い方のピーク分子量を示すHPの値が、式:180000≦HP≦220000を満足すること
(III) 低い方のピーク分子量を示すLPの値が、式:24000≦LP≦35000を満足すること
(IV) 微分分子量分布曲線において、HPにおけるピークの高さを示す値をaとし、LPにおけるピークの高さを示す値をbとするとき、a/bで示されるPRの値が、式:1.32≦PR≦1.60を満足すること
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル樹脂組成物およびその成形体に関する。
メタクリル樹脂組成物は、透明性や耐候性に優れるので、例えば、テールランプカバー、ヘッドランプカバー、メーターパネルのカバーなどの特に自動車用の車両用途に用いられる部材(以下、「車両用部材」と呼ぶ)の成形用材料として利用されている。
近年、車両用部材においては、燃費向上のために薄肉の成形体が要望されている。また、車両用部材において、大型化の要望が高まっている。車両用部材を大型化することで、テールランプカバーやヘッドランプカバーであれば、光源部の配置に工夫を行うことができ、デザインの幅が広がり、また大型化したライト部において光源の数を増やして全面的に光らせることにより、前方および後方の視認性をさらに向上させることが可能となる。
また、車両用部材においては、ワックスリムーバーが使用されることがあり、また、車両によっては、ランプカバー部などにも塗装などを行うことがあり、有機溶剤などに曝される機会が多く、このような溶剤に対して、車両用部材においてクレージングやクラックが発生しないこと(このような性能を「耐溶剤性」と呼ぶ)も要望されている。
また、メタクリル樹脂組成物の成形加工時において、その加工時に組成物の流動性が優れていることが求められる。また、車両用部材などの成形体の取り出し時に車両用部材が変形しないように、その耐熱性が高いことも求められる。また、テールランプの組立工程中、成形後の車両用部材を他の樹脂部材と接合させる場合において、それらの熱板融着時に樹脂糸が発生しないこと(このような性能を「耐糸曳き性」と呼ぶ)も求められている。
次に、流動性に関して、特に近年要望されている大型化された薄肉の成形体を成形する場合、樹脂の流動性が足りないために溶融時に樹脂組成物の粘度を下げなければならず、従来の加工時の条件と比較して成形温度を上げて加工しなければならないことがある。しかし、成形温度を上げた場合、メタクリル樹脂のなかでも特にポリメチルメタクリレート(PMMA)は、260℃以上において、樹脂中の高分子の不飽和末端から熱分解が起こることがよく知られており、成形温度が高いとメタクリル樹脂が熱分解してモノマー化し、これらが揮発することによって、「シルバー」と呼ばれる外観不良が発生するという問題がある。なお、このような場合には、分子量を下げるか、あるいは流動性を改善するコモノマーを共重合させて樹脂の流動性を上げることによって、成形加工時の温度を下げることができ、シルバーなどの不良を発生せずに樹脂を成形することができる。さらに、このとき、省電力で成形を行うこともでき、その上、加温および冷却のサイクルを短くすることができ、生産効率を上げることができるといったメリットもある。
しかしながら、このような従来の方法では、耐溶剤性、耐熱性、引張強度などの機械強度、耐糸曳き性、外観などの性能が犠牲になっていた。
このような問題を解決するために、特許文献1、2では、高分子量のメタクリル樹脂と低分子量のメタクリル樹脂とを含有するメタクリル樹脂組成物を使用することが報告されている。
特開2012−12564号公報 特開2006−193647号公報
しかし、従来の技術では、流動性に優れ、なおかつ熱安定性や、耐溶剤性、耐熱性、引張強度などの機械強度、耐糸曳き性などの物性すべてに優れる組成物については、これまで見出されていない。
特許文献1では、流動性、耐糸曳き性および耐熱性については調べられているが、高い引張強度などの機械強度や熱安定性を有しながら流動性が最大となる組成物は見出されていない。
また、特許文献2では、耐溶剤性、耐熱性、流動性については調べられているが、高い熱安定性や耐糸曳き性を有しながら流動性が最大となる組成物は見出されていない。
さらに、上述のとおり、流動性の要求は高く、流動性を高めれば高めるほど成形時におけるメリットは生じるが、その一方で、高温であっても熱分解しにくいメタクリル樹脂組成物が求められている。
そこで、本発明の目的は、優れた耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性のすべてを維持するとともに、特に優れた流動性を有し、なおかつ熱安定性にも優れるメタクリル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、以下の発明を提供するが、以下のものに限定されるものではない。
[1]
ピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂を含むメタクリル樹脂組成物であって、該メタクリル樹脂組成物が、以下の条件(I)、(II)、(III)および(IV):
(I) 該メタクリル樹脂が、それぞれ、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を有し、該メタクリル酸メチル単位の重量割合が、全単量体単位100重量%に対して、98.5重量%よりも大きいこと
(II) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、高い方のピーク分子量をHPとするとき、HPの値が、式:180000≦HP≦220000を満足すること
(III) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、低い方のピーク分子量をLPとするとき、LPの値が、式:24000≦LP≦35000を満足すること
(IV) 微分分子量分布曲線において、HPにおけるピークの高さを示す値をaとし、LPにおけるピークの高さを示す値をbとするとき、a/bで示されるPRの値が、式:1.32≦PR≦1.60を満足すること
を満たすことを特徴とする、メタクリル樹脂組成物。
[2]
連続塊状重合によって製造されることを特徴とする、上記[1]に記載のメタクリル樹脂組成物。
[3]
2つの完全混合槽を用いた連続塊状重合によって製造されることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載のメタクリル樹脂組成物。
[4]
110℃〜160℃の重合温度での重合によって得られるメタクリル樹脂をメタクリル樹脂組成物の総重量に対して50重量%以上の重量割合で含む、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
[5]
射出成形に用いられることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
[6]
車両用途に用いられることを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
[7]
上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物から得られる成形体。
本発明によれば、優れた耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性のすべてを維持するとともに、特に優れた流動性を有し、なおかつ熱安定性にも優れるメタクリル樹脂組成物を提供することができる。
耐糸曳き性の評価試験において用いる試験片(切断前)を示す。 耐糸曳き性の評価試験において用いる試験片(切断後)を示す。 耐糸曳き性の評価試験(試験開始前)を示す模式図である。 耐糸曳き性の評価試験(試験中)を示す模式図である。 本発明のメタクリル樹脂組成物を製造するための装置の一例を示す模式図である。 実施例1で製造したメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂の存在割合(縦軸)および分子量(横軸)を示すグラフである。 実施例1で製造したメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂の微分分子量分布曲線を示すグラフである。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、ピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂を含み、以下の条件(I)、(II)、(III)および(IV)を満たすことを特徴とする。
(I) 該メタクリル樹脂が、それぞれ、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を有し、該メタクリル酸メチル単位の重量割合が、全単量体単位100重量%に対して、98.5重量%よりも大きいこと
(II) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、高い方のピーク分子量をHPとするとき、HPの値が、式:180000≦HP≦220000を満足すること
(III) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、低い方のピーク分子量をLPとするとき、LPの値が、式:24000≦LP≦35000を満足すること
(IV) 微分分子量分布曲線において、HPにおけるピークの高さを示す値をaとし、LPにおけるピークの高さを示す値をbとするとき、a/bで示されるPRの値が、式:1.32≦PR≦1.60を満足すること
本発明のメタクリル樹脂組成物は、上記の条件(I)、(II)、(III)および(IV)のすべてを満たすことによって、以下(特に実施例)にて詳細に説明する耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性のすべてを所望のレベルで維持するとともに、特に優れた流動性を有し、なおかつ熱安定性にも優れる。
条件(I)、(II)、(III)および(IV)については、それぞれ、以下のメタクリル樹脂組成物の説明において、さらに詳しく説明する。
(メタクリル樹脂組成物)
本発明のメタクリル樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」と略記する場合もある)は、メタクリル樹脂を含み、かかるメタクリル樹脂組成物中に含まれるメタクリル樹脂には、少なくとも2種の互いにピーク分子量が異なるメタクリル樹脂が含まれる。
従って、本樹脂組成物は、高い方のピーク分子量(以下、「HP」と略記する場合もある)、好ましくは最も高いピーク分子量を有するメタクリル樹脂(以下、「HP樹脂」と略記する場合もある)と、低い方、すなわちHPよりも低いピーク分子量(以下、「LP」と略記する場合もある)、好ましくはHPに次いで高いピーク分子量を有するメタクリル樹脂(以下、「LP樹脂」と略記する場合もある)とを少なくとも含んで成る。
また、本発明において、メタクリル樹脂の「ピーク分子量」とは、以下にて詳細に説明するJIS K 7252−1〜4(プラスチック−サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方−第1部〜第4部)に準じて、従来公知のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等)を利用して決定することができる分子量分布曲線のピーク(極大)分子量を意味する。
本樹脂組成物中に含有されるメタクリル樹脂は、いずれも、単量体単位として、例えば、メタクリル酸メチル単位(すなわち、モノマーとしてメタクリル酸メチルを使用した場合にメタクリル酸メチルから誘導され得る単量体単位)を含む。
メタクリル樹脂は、さらに他の単量体単位を含んでいてもよく、例えば、アクリル酸エステル単位(すなわち、モノマーとしてアクリル酸エステルを使用した場合にアクリル酸エステルから誘導され得る単量体単位)を含んでいてもよい。
アクリル酸エステル単位を誘導することのできるアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロペンタジエン等が挙げられ、そのなかでも特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましく、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
ここで、上記の条件(I)に関して、本樹脂組成物中に含まれる各メタクリル樹脂におけるメタクリル酸メチル単位の重量割合は、例えば、全重量体単位100重量%に対して、98.5重量%よりも大きく、好ましくは99.0〜99.9重量%、より好ましくは99.0〜99.5重量%である。なお、かかる重量割合は、熱分解ガスクロマトグラフィーなどの分析によって求めることができる。
メタクリル酸メチル単位の重量割合が98.5重量%よりも大きいと、優れた透明性、耐熱性、機械強度などの効果を得ることができる。
また、ここで、本樹脂組成物において、メタクリル樹脂に含まれ得る上述のアクリル酸エステル単位の重量割合は、例えば1.5重量%以下(0重量%であってもよい)であり、0.1重量%以上1.5重量%未満であるのが好ましく、0.3〜0.7重量%であるのがさらに好ましい。なお、かかる重量割合は、例えば、熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析によって求めることができる。
アクリル酸エステル単位の重量割合が少ないと、得られる共重合体の解重合が進行しやすく、射出成形時の熱安定性が低下する傾向にあるので好ましくない。アクリル酸エステル単位の重量割合が1.5重量%を超えると、成形加工性は向上するが、得られる車両部材等の成形品の耐熱性が低下するおそれがあるので好ましくない。
ここで、上述の熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析としては、従来公知の分析法を採用することができる。
例えば本発明のメタクリル樹脂組成物を熱分解炉にて所定の温度(400℃以上)にて熱分解し、発生した分解ガスをガスクロマトグラフィーにより分析し、上記メタクリル樹脂について構成する各モノマー成分に対応するピークの面積比を求め、重量比(%)に換算することによって求めることができる。
面積比を重量比(%)に換算する方法としては、例えば、メタクリル樹脂の標準品(市販品として入手可能であり、モノマー成分の種類およびその重量割合が既知であるもの)について、予め上記と同様にして各モノマー成分に対応するピークの面積比を求めることによって、かかる面積比からモノマー成分の重量比(%)を換算することのできるファクターを算出し、また必要に応じて、複数の標準品を用いて検量線を作成し、このようなファクターを算出することによって、かかるファクターを用いて本発明のメタクリル樹脂組成物中に含まれるメタクリル樹脂のモノマー成分の面積比を対応する重量比(%)に換算することが可能である。なお、これらのピークが一部重なる場合には、重複する面積を従来公知の方法により補正して上記の比率を算出することもできる。
上記モノマー成分としては、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸エステル以外にも、メタクリル酸メチルおよび/またはアクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体を含んでいてもよい。かかる他の単量体としては、例えばラジカル重合可能な二重結合を1個有する単官能性モノマー、ラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能性モノマー等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
単官能性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロペンタジエン等のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの酸無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の窒素含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーなどが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート等のグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリル等の不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多塩基酸のアルケニルエステル;トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
上記の単量体成分の重合方法としては、例えば懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の各種の従来公知の重合法を採用することができ、特に塊状重合法を採用するのが好ましい。
なお、懸濁重合を用いると、例えば重合後に樹脂を洗浄したとしても重合安定剤などが樹脂中に含まれることがあり、外観が優れない場合がある。対して、塊状重合は、重合安定剤を使用しないために外観に優れる。また、懸濁重合の場合とは異なり、重合温度が100℃よりも高く、その結果、樹脂のシンジオタクティシティが低下する傾向にある。なお、シンジオタクティシティは樹脂の流動性および耐熱性に影響を及ぼし得ものであり、かかるシンジオタクティシティが低いほど、流動性が増加し、耐熱性が低下する。従って、塊状重合を採用することにより、同じ分子量でも、より高い流動性を達成することが可能となる。更に、塊状重合は、例えば単量体成分と必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤等とを反応容器の中に連続的に供給しながら反応容器内で所定の時間滞留させて得られる部分重合体を、連続的に抜き出すことにより行うことができるので、高い生産性でメタクリル樹脂組成物を得ることができる。
本発明のメタクリル樹脂組成物の製造において、重合温度は、好ましくは110〜160℃であり、より好ましくは130〜140℃である。重合温度が高くても低くても熱安定性は低下する。本発明において製造され得るメタクリル樹脂組成物の熱安定性を向上させる観点から、本発明のメタクリル樹脂組成物において、かかる110℃〜160℃の重合温度での重合により得られるメタクリル樹脂の重量割合は、メタクリル樹脂組成物の総重量に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%〜100重量%である。
また、2つの反応槽を用いる連続重合において本発明のメタクリル樹脂組成物の製造を行う場合、第1の反応槽にて得たシロップの温度が徐冷されることなく第2の反応槽に持ち越されると、第2の反応槽にて重合時に重合発熱が生じることから、第2の反応槽のシロップの温度が第1の反応槽のシロップの温度よりも高くなることがある。この場合、第2の反応槽の温度はダイマーなどの副生成物の生産を抑制するために、190℃以下であることが望ましい。
上述のメタクリル樹脂の製造法、特に塊状重合においては、例えば、重合開始剤と連鎖移動剤とが使用され得る。重合開始剤として、例えばラジカル開始剤を用いることができる。
ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸などのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、カプリリルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−エチルヘキサノエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソノナエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−イソノナエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
重合開始剤の種類は、生成するメタクリル樹脂や使用する原料モノマーの種類に応じて選定され得る。例えば、本発明では特に限定されないが、ラジカル開始剤としては、その重合温度での半減期が1分以内であるものが好ましい。
重合開始剤の使用量は、目標の重合率や反応条件などに応じて調整すればよい。
本発明において使用することのできる連鎖移動剤は、単官能および多官能のいずれの連鎖移動剤であってもよい。連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、n−プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン;フェニルメルカプタン、チオクレゾールなどの芳香族メルカプタン;エチレンチオグリコールなどの炭素数18以下のメルカプタン類;エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類;水酸基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したもの、1,4−ジヒドロナフタレン、1,4,5,8−テトラヒドロナフタレン、β−テルピネン、テルピノーレン、1,4−シクロヘキサジエン、硫化水素などが挙げられる。これらの連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
連鎖移動剤の種類および使用量は、生成するメタクリル樹脂や使用する原料モノマーの種類に応じて選定され得る。例えば、本発明では特に限定されないが、連鎖移動剤として、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。
上記原料モノマー、および重合開始剤、連鎖移動剤などに加えて、任意の適切な他の成分、例えば離型剤、ブタジエンおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム状重合体、熱安定剤、紫外線吸収剤などを用いてもよい。なお、ここで、離型剤とは、得られるメタクリル樹脂組成物の成形性を向上させるために用いられるものである。熱安定剤は、生成するメタクリル樹脂の熱分解を抑制するために用いられるものである。紫外線吸収剤は、生成するメタクリル樹脂の紫外線による劣化を抑制するために用いられるものである。
離型剤としては、特に制限されないが、例えば、高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。なお、離型剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
高級脂肪酸エステルとしては、具体的には、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸プロピル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチルなどの飽和脂肪酸アルキルエステル;オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸プロピル、リノール酸ブチル、リノール酸オクチルなどの不飽和脂肪酸アルキルエステル;ラウリン酸モノグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、ラウリン酸トリグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、パルミチン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、ベヘン酸ジグリセリド、ベヘン酸トリグリセリドなどの飽和脂肪酸グリセリド;オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、オレイン酸トリグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノール酸トリグリセリドなどの不飽和脂肪酸グリセリドが挙げられる。これらのなかでも、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリドなどが好ましい。
高級脂肪族アルコールとしては、具体的には、例えば、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールなどの飽和脂肪族アルコール;オレイルアルコール、リノリルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。これらのなかでも、ステアリルアルコールが好ましい。
高級脂肪酸としては、具体的には、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸などの飽和脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、具体的には、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミド;オレイン酸アミド、リノール酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド;エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−オレイルステアロアミドなどのアミド類が挙げられる。これらのなかでも、ステアリン酸アミドやエチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
高級脂肪酸金属塩としては、例えば、上述した高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などが挙げられる。
離型剤の使用量は、得られるメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂100重量部に対して、0.01〜1.0重量部となるように調整することが好ましく、0.01〜0.50重量部となるように調整することがより好ましい。
熱安定剤としては、特に制限されないが、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系熱安定剤や有機ジスルフィド化合物などが挙げられる。これらのなかでも、有機ジスルフィド化合物が好ましい。なお、熱安定剤は、単独で使用してよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、オクタデシル 3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼンなどが挙げられる。これらのなかでも、オクタデシル 3−(3,5−di−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
リン系熱安定剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。これらのなかでも、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが好ましい。
有機ジスルフィド化合物としては、例えば、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−sec−ブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジ−tert−アミルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジ−tert−オクチルジスルフィド、ジ−n−ドデシルジスルフィド、ジ−tert−ドデシルジスルフィドなどが挙げられる。これらのなかでも、ジ−tert−アルキルジスルフィドが好ましく、さらに好ましくはジ−tert−ドデシルジスルフィドである。
熱安定剤の使用量は、得られるメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂の重量に対して、1〜2000重量ppmであることが好ましい。本発明のメタクリル樹脂組成物から成形体を得るために、メタクリル樹脂組成物(より詳細には、脱揮後のメタクリル樹脂組成物)を成形する際、成形効率を高める目的でその成形温度を高めに設定することがある。そのような場合において、熱安定剤を配合すると、より効果的である。
紫外線吸収剤の種類としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのなかでも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
マロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、通常、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類が用いられ、例えば、2−(パラメトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル等が挙げられる。
オキサルアニリド系紫外線吸収剤としては、通常、2−アルコキシ−2’−アルキルオキサルアニリド類が用いられ、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキサルアニリド等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、得られるメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂の重量に対して、5〜1000重量ppmであることが好ましい。
次に、上記の条件(II)〜(IV)に関して、本樹脂組成物中に含まれるメタクリル樹脂の分子量およびその測定方法について詳しく説明する。
本樹脂組成物中に含まれるメタクリル樹脂の分子量分布は、JIS K 7252−1〜4(プラスチック−サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方−第1部〜第4部)に準じて、従来公知のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等)を利用して決定することができる。
より具体的には、まず、市販されているメタクリル樹脂の単分散の分子量標準物質(数平均分子量、質量平均分子量などの分子量が既知であり、分子量分布の狭い標準物質)を用いて、予め校正曲線(溶出時間(t)と、分子量(M)の対数(logM)との相関を示す)を作成しておく。
次に、測定対象となるメタクリル樹脂を含む試料(すなわちメタクリル樹脂組成物)を適切な溶媒に溶解して希薄溶液を調製する。この溶液を移動相(溶離液)に注入して、SECカラムに導入する。なお、このSECカラムには、均一の大きさの細孔又は種々の大きさの細孔を有する非吸着性の微粒子が充填されている。試料は、かかるSECカラムを通過するにつれて分子量(流体力学的体積)の相違によって相互に分離され得る。このSECにおいて、分子量の大きなメタクリル樹脂は細孔の中に浸透できないのでより早く溶出する。一方、分子量の小さなメタクリル樹脂は細孔の中に浸透することができるのでその溶出が遅くなる。そして、溶出液中のメタクリル樹脂の濃度を連続的に濃度検出器で検出してSECクロマトグラムを得る。
ここで、予め単分散の分子量標準物質を用いて作成した校正曲線によって、SECクロマトグラムにおける任意の溶出時間(t)に対応するメタクリル樹脂の分子量(M)を求める。
なお、メタクリル樹脂の平均分子量および分子量分布は、各溶出時間に対応するメタクリル樹脂の分子量および濃度のデータから計算によって求めることができる。
さらに、上記で得たデータに基づいて、メタクリル樹脂の分子量(M)に対して、dW/d(logM)をプロットすることによって、「微分分子量分布曲線」を作成する(例えば、図7参照)。
より具体的には、かかる微分分子量分布曲線は、各溶出時間(t)におけるメタクリル樹脂の分子量(M)およびそのシグナル強度(H)から、メタクリル樹脂の分子量(M)に対して、以下の式に従って計算したdW/d(logM)をプロットすることによって作成することができる。
Figure 2016008237
式中、Iは、データ収集間隔(分)を示す。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、上述の通り、ピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂を含むことを特徴とするものである。かかるピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂は、例えば、上述の通りに作成した微分分子量分布曲線において確認することができる(例えば、図7を参照のこと)。
本発明では、上述の通り、メタクリル樹脂のうち、高い方(好ましくは最も高い)ピーク分子量を「HP」とし、低い方(好ましくはHPに次いで高い)ピーク分子量を「LP」とする。
また、本発明では、微分分子量分布曲線において、HPにおけるピークの高さを示す値(dW/d(logM)の値)を「a」とし(例えば、図7参照)、LPにおけるピークの高さを示す値(dW/d(logM)の値)を「b」とし(例えば、図7参照)、ここで「a/b」で示される「PR」の値を算出する。
上記の条件(II)〜(IV)で規定する通り、本発明では、これら「HP」、「LP」および「PR」の各値を所定の範囲内に設定することにより、上述の効果を得ることができる。
より具体的には、条件(II)で規定する通り、「HP」の値は、180000〜220000であり、180000〜200000であることが好ましい。HPの値が、220000よりも高いと、流動性に優れない場合がある。HPの値が、180000よりも低いと、引張強度、耐溶剤性、耐糸曳き性に優れない場合がある。
条件(III)で規定する通り、「LP」の値は、24000〜35000であり、25000〜28000であることが好ましい。LPの値が、35000よりも高いと、流動性に優れない場合がある。LPの値が、24000よりも低いと、耐熱性、引張強度に優れない場合がある。
条件(IV)で規定する通り、「PR」の値は、1.32〜1.60であり、1.35〜1.40であることが好ましい。PRの値が、1.60よりも高いと、流動性に優れない場合がある。PRの値が、1.32よりも低いと、引張強度に優れない場合がある。
なお、PRの値はメタクリル樹脂組成物中に含まれる他の低分子量体の割合にも関係しているものと考えられる。従って、かかる低分子量体の割合を大きくすることによって、PRの値を高くすることもできる。
驚くべきことに、本発明では、上記の条件(I)〜(IV)の全てを満たすことによって、優れた耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性をすべて維持するとともに、特に優れた流動性を有し、なおかつ熱安定性にも優れるメタクリル樹脂組成物を提供することができる。なお、「流動性」、「熱安定性」、「耐溶剤性」、「耐熱性」、「機械強度」および「耐糸曳き性」の評価基準については、以下の実施例にて詳しく説明する。
このように、本樹脂組成物は、上述の通り、HP値を有する高分子量のメタクリル樹脂(以下、「HP樹脂」)と、LP値を有するそれよりも低分子量のメタクリル樹脂(以下、「LP樹脂」)とを少なくとも含んで成ることを特徴とする(例えば、図7参照)。
本発明において、HP樹脂およびLP樹脂をそれぞれ単独で重合させて調製し、次いで、かかる2つの樹脂を押出機中で混練してもよい。
また、多段重合を用いて、例えば、一方の樹脂を含む組成物(シロップ)の存在下で他方の樹脂を形成し得るモノマー成分を重合させた後にかかるシロップを押出機中にて混練してもよい。
上述のHP樹脂およびLP樹脂をそれぞれ単独で重合させて調製し、その後にこれらを押出機で混練する方法では、混合不足などにより、部分的に分子量のばらつきが生じることがあるため、多段重合法でメタクリル樹脂組成物を製造することが望ましい。
かかる多段重合は、例えば、図5に例示として示すように、2つの反応槽(好ましくは完全混合型の反応槽(以下、「完全混合槽」と呼ぶ場合もある))を用いて実施され、各反応槽において好ましくは連続塊状重合が実施され得る。例えば、第1の反応槽10にて高分子量のHP樹脂が調製され、第2の反応槽20にてかかるHP樹脂の存在下でそれよりも低分子量のLP樹脂を調製することができる。
多段重合によって、メタクリル樹脂として上述のHP樹脂およびLP樹脂を少なくとも含むメタクリル樹脂組成物を製造することによって、上記の条件(I)〜(IV)のすべてを満たす透明性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
ここで、上述の多段重合を利用してメタクリル樹脂組成物を製造する場合、HPの値は、例えば、第1の反応槽10内の連鎖移動剤濃度によって調整することができる。例えば、第1の反応槽において連鎖移動剤濃度を低くすることによって、HPの値を高くすることができる。ただし、本発明において、HPの値は、上述の条件(II)を満足するものでなければならない。
より具体的には、第1の反応槽10において反応槽内の温度が110〜160℃、好ましくは110〜150℃、より好ましくは120〜140℃である場合、連鎖移動剤濃度は、第1の反応槽に供給する原料モノマーの総重量に対して、0.08〜0.10重量%であることが好ましい。この温度範囲内の第1の反応槽において、連鎖移動剤濃度が上記の範囲内であると、HP値は、上述の条件(II)を満足することができる。ただし、HP値の調整は、かかる調整方法に限定されるものではない。
なお、第1の反応槽10において反応槽内の温度が110℃よりも低い場合、重合時に連鎖移動が起こり難くなり、HPの値は高くなる傾向にある。
また、第1の反応槽10において反応槽内の温度が160℃を超える場合、重合時に連鎖移動が起こり易くなり、HPの値は低くなる傾向にある。
なお、第1の反応槽10において反応槽内の温度が上記の範囲外である場合、連鎖移動剤濃度を上記とは別の範囲に調整することで、HPの値について、上記の条件(II)を満足させることができる。
対して、LPの値は、例えば、第2の反応槽20内の連鎖移動剤濃度によって調整することができる。例えば、第2の反応槽において連鎖移動剤濃度を低くすることによって、LPの値を高くすることができる。ただし、本発明において、LPの値は、上述の条件(III)を満足するものでなければならない。
より具体的には、第2の反応槽20において反応槽内の温度が170〜190℃、好ましくは175〜185℃である場合、連鎖移動剤濃度は、第2の反応槽に供給する原料モノマーの総重量に対して、0.40〜0.60重量%であることが好ましい。この温度範囲内の第2の反応槽において、連鎖移動剤濃度が上記の範囲内であると、LPの値は、上述の条件(III)を満足することができる。ただし、LP値の調整は、かかる調整方法に限定されるものではない。
なお、第2の反応槽20において反応槽内の温度が170℃よりも低い場合、重合時に連鎖移動が起こり難くなり、LPの値は高くなる傾向にある。
また、第2の反応槽20において反応槽内の温度が190℃を超える場合、重合時に連鎖移動が起こり易くなり、LPの値は低くなる傾向にある。
なお、第2の反応槽20において反応槽内の温度が上記の範囲外である場合、連鎖移動剤濃度を上記とは別の範囲に調整することで、LPの値について、上記の条件(III)を満足させることができる。
多段重合の場合、PRの値は、例えば、第1の反応槽10および第2の反応槽20での重合率によって調整され得る。ただし、本発明において、PRの値は、上述の条件(IV)を満足するものでなければならない。また、PR値の調整は、かかる重合率の調整に限定されるものではない。
例えば、第1の反応槽での重合率を上げるか、あるいは第2の反応槽での重合率を下げることによって、PRの値は高くすることができる。
各反応槽での重合率は、例えば、上述の重合開始剤の濃度によって調整され得る。
ここで、本発明において、LP値が条件(III)に規定する目標の範囲から外れる場合、第2の反応槽の連鎖移動剤濃度を変えて、LP樹脂の分子量を調整することができるが、LP樹脂とHP樹脂の両ピークのテールが重なる場合、PR値は、多少変化し得る。そのため、まず、LPの値を目標の範囲内に調整した後、その重合率を調整することによって、PR値を調整するのが望ましい。
このようにして、本発明のメタクリル樹脂組成物では、多段重合を用いることによって、上述の条件(I)〜(IV)の全てを満足させることができる。ただし、本発明では、上述の条件(I)〜(IV)の達成は、多段重合での調整に限定されるものではない。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、上述の条件(I)〜(IV)の全てを満足することによって、耐溶剤性、耐熱性、機械強度および耐糸曳き性に優れ、さらに流動性および熱安定性にも優れることから、様々な成形品、例えば、テールランプカバー、ヘッドランプカバー、バイザーおよびメーターパネルのカバー等の車両用部材、レンズ、ディスプレイ保護板、光学フィルムおよび導光板等の光学部材、化粧品容器用の部材などに好ましく用いられ、中でも車両用部材の成形用材料として特に好ましく用いられ得る。特に、本発明のメタクリル樹脂組成物は、射出成形法における原料樹脂組成物として好ましく用いられ得る。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に示すが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
まず、「流動性」、「熱安定性」、「耐溶剤性」、「耐熱性」、「機械強度」および「耐糸曳き性」の評価方法についてそれぞれ詳しく説明する。
<「流動性」の評価方法>
射出成形機(FANUC(株)製の「150D型」)を用いて、以下の実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物を円形スパイラル金型内にそれぞれ金型の中央部から射出して射出成形品を成形し、このとき金型内におけるメタクリル樹脂組成物の到達距離(mm)を測定した(以下、「スパイラル流動長」(mm)と呼ぶ場合もある)。なお、到達距離は、金型から射出成形品に転写された目盛りを読み取ることで判断した。ここで、到達距離が長いほど、メタクリル樹脂組成物が流動性に優れていることを示す。射出条件および用いた円形金型は、以下の通りである。
成形温度:260℃
金型温度:60℃
射出速度:80mm/秒
射出圧力:150MPa
円形スパイラル金型:厚さ2mm、幅10mmの円形スパイラル金型を用いた。
<「熱安定性」の評価方法>
熱重量測定・示差熱分析(TG−DTA)装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、「TG/DTA6300」)を用いて、窒素流量200mL/分、昇温速度2℃/分で、40℃から510℃までにわたって、以下の実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物を昇温しながら、その重量変化を測定し、重量の減少が、メタクリル樹脂組成物の最初の重量の5%に達する温度(以下、「5%重量分解温度」(℃)と呼ぶ場合もある)を調べた。ここで、この5%重量分解温度が大きいほど、熱安定性が良好であることを示す。
<「耐溶剤性」の評価方法>
まず、射出成形機((株)名機製作所製の「140T型」)を用いて、以下の実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物を射出成形し、長さ250mm×幅25.4mm×厚さ3mmの平板を得た。なお、射出条件は、以下の通りであった。
成形温度:250℃
金型温度:60℃
次いで、得られた平板を80℃の真空乾燥機で5時間乾燥させた後、デシケータ中に入れ、試験片(長さ250mm×幅25.4mm×厚さ3mm)を得た。
得られた試験片を用いて、耐溶剤性試験を行った。該試験は、23℃/40%RHの恒温恒湿室内で行った。試験方法には、カンチレバー法を採用し、下記(a)〜(d)の手順で行った。
(a)試験片の一端部を固定台に挟んで支え、固定位置から146mmの位置(支点)において、試験片の下側から試験片を支え、試験片を水平に保つ。
(b)試験片の他端部に荷重をかけて、試験片に所定の表面応力を発生させる。
(c)試験片の上面に、エタノール(和光純薬工業(株)製の「試薬1級エタノール」)を塗布する。なお、エタノールが揮発してなくならないように、定期的にエタノールを塗布する。
(d)エタノールの塗布を開始してから試験片にクレーズが発生するまでの時間(秒)を計測する。この方法を用いて、表面応力18.6MPaでのクレーズ発生時間(秒)を測定し、試験片の耐溶剤性を評価した。ここで、クレーズ発生時間が長いほど、耐溶剤性に優れていることを示す。
なお、所定の表面応力に対する荷重は、下記の式(i)より算出した。
表面応力(MPa)=[(6×A×B)/(C×D)]×10−6 ・・・(i)
A:荷重(N)
B:支点から荷重をかけている位置までの長さ(m)
C:試験片の幅(m)
D:試験片の厚さ(m)
<「耐熱性」の評価方法>
JIS K7206(B50法)に準拠して、ヒートデストーションテスター((株)安田精機製作所製の「148−6連型」)を用いて、以下の実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物を用いて射出成形により作製した試験片において、そのビカット軟化温度(℃)を測定した。ここで、ビカット軟化温度が高いほど、耐熱性に優れていることを示す。
<「機械強度」(引張強度)の評価方法>
JIS K7162に準拠して、射出成形により試験片を作製し、5mm/分の速度で引張試験を行って試験片の引張破壊応力(MPa)を求めた。ここで、引張破壊応力が高いほど、引張強度に優れていることを示す。
<「耐糸曳き性」の評価方法)>
(耐糸曳き性の評価試験をするための試験片の作製法)
評価試験の対象となる以下の実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物を、射出成形機(東芝社製の「IS130II型」)により、成形温度240℃、金型温度60℃で、縦210mm×横120mm×厚さ3mmの平板(101)を作製した(図1参照)。
次いで、この平板(101)を、パネルソーにより、図2に示すように縦20mm×横40mm×厚さ3mmに切断して試験片(102)を計22枚作製した。
なお、図1は切断する前の平板(101)をその上側から見た模式図であり、図2は切断した後の各試験片(102)をその上側から見た模式図である。
(耐糸曳き性の評価試験法)
以下にて説明する実施例および比較例のメタクリル樹脂組成物の耐糸曳き性の評価試験法について、図3および図4を参照して詳しく説明する。なお、図3は、評価試験開始前の状態の一例を表す模式図であり、図4は、この評価試験において、メタクリル樹脂組成物の試験片(102)が糸を曳いている状態の一例を表す模式図である。
図3に示すように、ホットプレート(103)上に、縦15cm×横15cm×厚さ3mmのSUS34製のプレートを敷き、これを熱板(104)とした。一方、高さ調整が可能なハイトゲージ(105)にアルミ製の棒(106)を挟み込ませ、さらにこのアルミ棒(106)に、上述した作製法により得た縦20mm×横40mm×厚さ3mmのメタクリル樹脂組成物の試験片(102)をクリップで留めて固定した。
次に、所定温度に加熱した熱板(104)に、試験片(102)のその作製の際にパネルソーにより切断されていない面(20mm×3mm)を20秒間押し当てることにより、試験片(102)の接触部を熱板(104)上で溶融させた後、図4に示すように試験片(102)を持ち上げて糸(107)が曳いた長さをハイトゲージ(105)の目盛りで読み取った。
上記の操作を10回繰り返し、所定の温度における試験片の糸曳きの長さの平均値を求めた。熱板の温度は最初230℃から、10℃ずつ上げて測定を続ける。そして、この糸曳きの長さの平均値がはじめて10mm以上になった温度を「糸曳き開始温度」(℃)とした。ここで、この糸曳き開始温度が高いほど、耐糸曳き性に優れていることを示す。
次に、熱分解ガスクロマトグラフィーによるメタクリル樹脂組成物の評価方法について詳しく説明する。
<メタクリル樹脂組成物の評価方法>
以下にて説明する実施例および比較例で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを熱分解ガスクロマトグラフィーにより以下の条件で分析し、例えば、単量体成分として使用したメタクリル酸メチルおよびアクリル酸エステルに対応するピーク面積をそれぞれ測定することによって、各メタクリル樹脂組成物を評価した。
(熱分解条件)
試料調製:メタクリル樹脂組成物を精秤(目安2〜3mg)し、樋状に形成した金属セルの中央部に入れ、金属セルを畳んでその両端を軽くペンチで押さえて封入した。
熱分解装置:CURIE POINT PYROLYZER JHP−22(日本分析工業(株)製)
金属セル:Pyrofoil F590(日本分析工業(株)製)
恒温槽の設定温度:200℃
保温パイプの設定温度:250℃
熱分解温度:590℃
熱分解時間:5秒
(ガスクロマトグラフィー分析条件)
ガスクロマトグラフィー分析装置:GC−14B((株)島津製作所製)
検出方法:FID
カラム:7G 3.2m×3.1mmφ((株)島津製作所製)
充填剤:FAL−M((株)島津製作所製、パックドカラム)
キャリアガス:Air/N/H=50/100/50(kPa)、80ml/min
カラムの昇温条件:100℃で15分間保持→10℃/minで150℃まで昇温→150℃で14分間保持
INJ温度:200℃
DET温度:200℃
上記の熱分解条件で各メタクリル樹脂組成物を熱分解させ、発生した分解生成物を上記のガスクロマトグラフィー分析条件下で測定を行ったときに検出されるメタクリル酸メチルに対応するピーク面積(a1)及びアクリル酸エステルに対応するピーク面積(b1)を測定した。そして、これらのピーク面積から、ピーク面積比A(=b1/a1)を求めた。
一方、メタクリル酸メチル単位に対するアクリル酸エステル単位の重量比がW0(既知)(アクリル酸エステル単位の重量/メタクリル酸メチル単位の重量)であるメタクリル樹脂の標準品を上記の熱分解条件下で熱分解させ、発生した分解生成物を上記のガスクロマトグラフィー分析条件下で測定を行ったときに検出されるメタクリル酸メチルに対応するピーク面積(a0)及びアクリル酸エステルに対応するピーク面積(b0)を測定し、これらピーク面積から、ピーク面積比A0(=b0/a0)を求めた。
そして、このピーク面積比A0と上記の重量比W0とから、ファクターf(=W0/A0)を求めた。
次に、上記のピーク面積比Aに上記のファクターfを乗じることにより、測定対象の上記メタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂におけるメタクリル酸メチル単位に対するアクリル酸エステル単位の重量比W(アクリル酸エステル単位の重量/メタクリル酸メチル単位の重量)を求め、この重量比Wから、メタクリル酸メチル単位及びアクリル酸エステル単位の合計に対するメタクリル酸メチル単位の比率(重量%)およびアクリル酸エステル単位の比率(重量%)をそれぞれ算出した。以下の実施例および比較例では、特に、メタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂におけるメタクリル酸メチル単位の比率(重量%)およびアクリル酸メチル単位の比率(重量%)を求めた。
(実施例および比較例におけるGPCの測定条件)
測定装置 東ソー製 HLC−8220
カラム TSKgel super HM-H 2本 および SuperH 2500 1本を直列に接続
検出器 RI検出器
溶液調整 THFを溶媒とし、サンプルの0.05%溶液を用いる
カラム温度 40℃
注入量 20μL
流速 0.6ml/min
(実施例1)
本実施例においては、概略的には、図5を参照しながら、上述の例示の実施形態に従って、連続重合を2段で実施して、メタクリル樹脂組成物をペレットの形態で製造した。より詳細には、以下の通りである。
本実施例においてメタクリル樹脂組成物を製造するために、図5に示す装置を用いた。第1の反応槽10として容量13Lの完全混合型反応槽を用い、第2の反応槽20として容量8Lの完全混合型反応槽を用いた。
第1の反応槽10において、メタクリル酸メチル99.2948質量部、アクリル酸メチル0.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.098質量部、離型剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0072質量部を混合してシロップ1を得た。
また、第1の反応槽10内でのシロップ1の滞留時間は61.6分となるように流量を調整した。
このとき、シロップ1の重合率は44%であった。(なお、このシロップ1の重合率は、第1の反応槽10における重合の他に、第2の反応槽20や脱揮押出機33における重合も含めた値であり、脱揮押出機33から得られるペレットの単位時間当たりのペレットの生成量を上記単量体(合計)の単位時間当たりの供給量で除算した値である。また、この後、第2の反応槽20において、重合禁止剤溶液(上記の単量体(合計)99.99995質量部に対して、0.000050質量部の2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノールを溶かした溶液)とシロップ1とを1:9.7の質量割合で混合した。)
第1の反応槽10内での温度(T1)は140℃であり、第1の反応槽10の外壁面を取り囲むジャケット13の温度を140℃とし、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行った。
次に、第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備する。なお、この原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル94.05質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]5.35質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.10質量部を混合したものであった。
第2の反応槽20において、原料モノマー溶液2とシロップ1とが1:9.7の質量割合で混合するように流量を調整した。なお、かかる混合物の第2の反応槽20における滞留時間は36.6分であった。
第2の反応槽20内での温度(T2)は175℃であり、第2の反応槽20の外壁面を取り囲むジャケット23の温度を175℃とし、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行い、シロップ2を得た。
シロップ2の重合率は56%であった。なお、シロップ2の重合率は、単位時間当たりのペレットの生成量を単位時間当たりの単量体(合計)の供給量で除算して得た。
なお、この連続重合は、第1の反応槽10および第2の反応槽20が反応混合物(混合液)で満たされて実質的に気相が存在しない状態(満液状態)で実施した。
第2の反応槽20内の反応混合物を第2の反応槽20の頂部に位置する抜き出し口21bから、メタクリル樹脂組成物として連続的に抜き出した。これにより得られたメタクリル樹脂組成物を抜き出しライン25に通し、予熱器31にて200℃に加熱して、ベント付き脱揮押出機33にて、250℃で未反応の原料モノマー等の揮発性成分を除去し、脱揮後のメタクリル樹脂組成物を溶融状態で押出して、水冷後、裁断してペレットとして排出ライン35から排出させた。これにより、メタクリル樹脂組成物をペレットの形態で製造した(以下、「実施例1のメタクリル樹脂組成物」と呼ぶ)。
また、参照のため、第2の反応槽にて、原料モノマー溶液2に代えて、重合禁止剤溶液(単量体99.99995重量部に対して0.000050質量部の2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノールを溶かした溶液)を供給した以外は、上記の製造方法と同様にして、上記で得られたメタクリル樹脂組成物に含有される高分子量体成分に相当するメタクリル樹脂(以下、「高分子量メタクリル樹脂」と呼ぶ)をペレットの形態で別途に製造した。
得られた各ペレットを上記の各種評価に使用した。
(実施例2)
本実施例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第1の反応槽にて、メタクリル酸メチル99.2948質量部、アクリル酸メチル0.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.093質量部、離型剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0088質量部を混合してシロップ1を得た。第1の反応槽10内でのシロップ1の滞留時間は46.0分であった。第1の反応槽10内の温度(T1)は135℃であり、第1の反応槽10の外壁面を取り囲むジャケット13の温度は135℃であり、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行った。
次に、第2の反応槽に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本実施例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル94.05質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]6.04質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.05質量部を混合したものであった。
第2の反応槽20にて、原料モノマー溶液2とシロップ1とを1:11.1の割合で混合するよう流量を調整した。かかる混合物の第2の反応槽20における滞留時間は27.7分であった。
第2の反応槽20内の温度(T2)は175℃であり、第2の反応槽20の外壁面を取り囲むジャケット23の温度は175℃であり、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行い、シロップ2を得た。シロップ2の重合率は49%であった。シロップ2の重合率は、単位時間当たりのペレットの生成量を単位時間当たりの単量体(合計)の供給量で除算して得た。なお、この連続重合は、第1の反応槽10および第2の反応槽20が反応混合物(混合液)で満たされて実質的に気相が存在しない状態(満液状態)で実施した。
(実施例3)
本実施例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本実施例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル89.91質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]9.47質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.12質量部を混合したものであった。得られたシロップ2の重合率は58%であった。
(実施例4)
本実施例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第1の反応槽10にて、メタクリル酸メチル98.5992質量部、アクリル酸メチル1.2000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.093質量部、離形剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0078質量部を混合してシロップ1を得た。
得られたシロップ1の重合率は45%であった。
第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本実施例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル93.37質量部、アクリル酸メチル1.20質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]5.35質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.08質量部を混合したものであった。
得られたシロップ2の重合率は56%であった。
(実施例5)
本実施例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物をペレットの形態で製造した。
第1の反応槽にて、メタクリル酸メチル99.3686質量部、アクリル酸メチル0.5300質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.0930質量部、重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0084質量部を混合してシロップ1を得た。第1の反応槽10内でのシロップ1の滞留時間は62分であった。第1の反応槽10内の温度(T1)は127℃であり、第1の反応槽10の外壁面を取り囲むジャケット13の温度は127℃であり、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行った。
次に、第2の反応槽に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本実施例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル89.03質量部、アクリル酸メチル0.53質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]10.29質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.15部を混合したものであった。
第2の反応槽20にて、原料モノマー溶液2とシロップ1とを1:23.5の割合で混合するよう流量を調整した。かかる混合物の第2の反応槽20における滞留時間は38分であった。
第2の反応槽20内の温度(T2)は186℃であり、第2の反応槽20の外壁面を取り囲むジャケット23の温度は186℃であり、実質的に熱の出入りのない断熱状態で連続重合を行い、シロップ2を得た。シロップ2の重合率は49%であった。
(比較例1)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第1の反応槽10において、メタクリル酸メチル99.2769質量部、アクリル酸メチル0.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.1150質量部、離型剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0081質量部を混合してシロップ1を得た。シロップ1の重合率は45%であった。また、シロップ2の重合率は58%であった。
(比較例2)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第1の反応槽10において、メタクリル酸メチル99.2665質量部、アクリル酸メチル0.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.1250質量部、離型剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0085質量部を混合してシロップ1を得た。シロップ1の重合率は46%であった。また、シロップ2の重合率は59%であった。
(比較例3)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第2の反応槽に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本比較例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル96.31質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]3.10質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.09質量部を混合したものであった。また、シロップ2の重合率は57%であった。
(比較例4)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本比較例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル89.94質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]9.47質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.09質量部を混合したものであった。また、シロップ2の重合率は56%であった。
(比較例5)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本比較例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル89.99質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]5.35質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.04質量部を混合したものであった。また、得られたシロップ2の重合率は52%であった。
(比較例6)
本比較例においては、以下の点を除いて、実施例1と同様にしてメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂をそれぞれペレットの形態で製造した。
第1の反応槽10にて、メタクリル酸メチル99.2898質量部、アクリル酸メチル0.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.103質量部、離型剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート]0.0072質量部を混合してシロップ1を得た。シロップ1の重合率は、44%であった。
第2の反応槽20に供給する原料モノマー溶液2を準備した。本比較例において、原料モノマー溶液2は、メタクリル酸メチル89.91質量部、アクリル酸メチル0.50質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]6.42質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.04質量部を混合したものであった。また、得られたシロップ2の重合率は52%であった。
(比較例7)
本比較例においては、実施例1にて使用した図5の装置において、第1の反応槽10の抜き出し口11bを、予熱器31に直接接続した装置を用いた。本装置は重合反応が第1の反応槽10のみで行われる。
第1の反応槽10にて、メタクリル酸メチル97.2311質量部、アクリル酸メチル2.5000質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.16質量部、離形剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.0089質量部を混合してシロップを得た。
また、第1の反応槽10内でのシロップの滞留時間は61.6分となるように流量を調製した。
第1の反応槽10内での温度(T1)は175℃であり、第1の反応槽10の外壁面を取り囲むジャケット13の温度を175℃とし、実質的に熱の出入りのない断熱重合を行った。
これにより得られたメタクリル樹脂組成物を抜き出しライン25に通し、予熱器31にて200℃に加熱して、ベント付き脱揮押出機33にて、250℃で未反応の原料モノマー等の揮発性成分を除去し、脱揮後のメタクリル樹脂組成物を溶融状態で押出して、水冷後、裁断してペレットとして、排出ライン35から排出させた。これにより、メタクリル樹脂をペレットの形態で製造し、得られたペレットについて各種評価を行った。
なお、本比較例において、上記シロップの重合率は、56%であった。
(比較例8)
本比較例においては、以下の点を除いて、比較例7と同様にしてメタクリル樹脂組成物を得た。
第1の反応槽10にて、メタクリル酸メチル96.9101質量部、アクリル酸メチル2.8900質量部、連鎖移動剤[n−オクチルメルカプタン]0.085質量部、離形剤[ステアリルアルコール]0.1000質量部および重合開始剤[1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン]0.0149質量部を混合してシロップを得た。
また、第1の反応槽10内でのシロップの滞留時間は43分となるように流量を調製した。
これにより得られたメタクリル樹脂組成物を抜き出しライン25に通し、予熱器31にて200℃に加熱して、ベント付き脱揮押出機33にて、270℃で未反応の原料モノマー等の揮発性成分を除去し、脱揮後のメタクリル樹脂組成物を溶融状態で押出して、水冷後、裁断してペレットとして、排出ライン35から排出させた。これにより、メタクリル樹脂をペレットの形態で製造し、得られたペレットについて各種評価を行った。
なお、本比較例において、上記シロップの重合率は、56%であった。
各実施例および各比較例における連鎖移動剤濃度[OM](%)、シロップの重合率(%)、高分子量メタクリル樹脂の重量平均分子量[Mwh]、低分子量メタクリル樹脂の割合[FLM](%)、メタクリル樹脂の重量平均分子量[Mw]および低分子量メタクリル樹脂の重量平均分子量[Mwl]をそれぞれ以下の表1に示す。
Figure 2016008237
[OM1]:第1の反応槽10に供給される連鎖移動剤の濃度
[OM2]:第2の反応槽20に供給される連鎖移動剤の濃度
Mwh:高分子量メタクリル樹脂(第2の反応槽20に原料モノマー溶液2の代わりに重合禁止剤溶液を供給して、第2の反応槽20にて重合が抑えられることによって得られる高分子量メタクリル樹脂(ペレット))の重量平均分子量
FLM:ピーク分子量がHPのメタクリル樹脂(HP樹脂)とピーク分子量がLPのメタクリル樹脂(LP樹脂)との総計に対する、LP樹脂の存在割合(%)
(FLMは、まず、対象のメタクリル樹脂組成物および高分子量メタクリル樹脂のそれぞれのGPC測定を行い、その溶出時間と強度の情報を得る。微小溶出時間における各樹脂の強度を全溶出時間にわたって足し合わせて、その足し合わせて得た値で各樹脂の強度を除算することで規格化を行い、溶出時間における各樹脂の存在割合を算出する。次いで、溶出時間を分子量の情報に換算し、横軸が分子量、縦軸が存在割合のグラフを作成する(例えば、図6を参照のこと)。作成したグラフにおけるメタクリル樹脂組成物の高分子量体側の存在割合のピーク値をcとし、高分子量メタクリル樹脂の存在割合のピーク値をdとして、式:FLM=(d−c)/d×100に従って、FLMの値を算出した。)
Mw:メタクリル樹脂組成物中に含まれるメタクリル樹脂の重量平均分子量
Mwl:低分子量メタクリル樹脂の重量平均分子量(なお、Mwlは、式:Mw=(FLM/100)×Mwl+(1−FLM/100)×Mwhから計算により得られた値を100の位を四捨五入して得られた値である)
各実施例および比較例で得られたメタクリル樹脂組成物(ペレット)について測定したHP、LPおよびPRの値ならびに上述の評価方法による評価の結果を以下の表2にまとめて記載する。
Figure 2016008237
実施例1〜5では、いずれにおいても、HP、LPおよびPRの値ならびにメタクリル樹脂中のメタクリル酸メチルの割合が本発明において規定する範囲内にあるので、すなわち条件(I)〜(IV)をすべて満たすので、スパイラル流動長、クレーズ発生時間、引張破壊応力、ビカット軟化温度、糸曳き開始温度のすべての物性が優れている。また、実施例1〜5において、5%重量分解温度は、いずれも良好であった。
比較例1および2では、HPの値が規定範囲よりも低いので、実施例1〜5と比べて、クレーズ発生時間が短くなり、引張破壊応力も低く、糸曳き開始温度も低い。
比較例3では、LPの値が規定範囲よりも高い。その結果、実施例1〜5と比較して、スパイラル流動長の値が低い。また、比較例3では、PRの値も規定範囲よりも低いが、低分子量体の割合を示すFLMの値が実施例1と類似しているため(表1参照)、かかる結果は、LPが規定範囲を外れた結果によるものであると推測される。
比較例4では、LPの値が規定範囲よりも低い。その結果、実施例1〜5と比較して、引張破壊応力およびビカット軟化温度が低い。また、比較例4では、PRの値が規定範囲よりも高いが、低分子量体の割合を示すFLMの値が実施例1と類似しているため(表1参照)、かかる結果は、LPの値が規定範囲を外れた結果によるものであると推測される。
比較例5では、PRの値が規定範囲よりも高いため、スパイラル流動長の値が低い。
比較例6では、HPの値が規定範囲よりも低く、なおかつPRの値が規定範囲よりも高い。HPの値が低いことによる効果と、PRの値が規定範囲よりも高い効果が互いの効果を相殺し、流動性は目標範囲を満たしていた。しかし、HPの値が低いことによって、実施例1〜5と比べて、クレーズ発生時間は著しく低下し、引張破壊応力の値も実施例1〜5よりも低いものであった。
このように、比較例1〜6では、本発明において規定する条件(I)〜(IV)のすべてを満たさないので、本発明の実施例1〜5のように優れた流動性および熱安定性とともに、耐溶剤性、耐熱性、機械強度、耐糸曳き性などの物性をすべて良好なレベルで維持することはできなかった。
また、比較例7および8では、物性バランスが優れない。これは、比較例7および8では、メタクリル樹脂組成物が1種のメタクリル樹脂のみを含むものであることに起因するからであると考えられる。
本発明のメタクリル樹脂組成物は、射出成形における原料樹脂組成物として利用することができ、特に車両用途(例えば、自動車、バイク、電車、汽車などの車両用途)の成形体の製造に使用することができる。例えば、テールランプカバー、ヘッドランプカバー、メーターパネルのカバー、バイザー等の車両用部材の成形材料として利用することができる。また、レンズ、ディスプレイ保護板、光学フィルムおよび導光板等の光学部材、化粧品容器用の部材などの成形用材料としても利用することができる。
1 原料モノマータンク(原料モノマーおよび場合により連鎖移動剤の供給源)
3 重合開始剤タンク
(重合開始剤ならびに場合により原料モノマーおよび連鎖移動剤の供給源)
5 ポンプ
7 ポンプ
9 原料供給ライン
10 第1の反応槽
11a 供給口
11b 抜き出し口
11c 別の供給口
13 ジャケット(温度調節手段)
14 攪拌機
15 接続ライン
17 重合開始剤タンク
(新たな原料モノマー、重合開始剤および連鎖移動剤の供給源)
19 ポンプ
20 第2の反応槽
21a 供給口
21b 抜き出し口
21c 別の供給口
23 ジャケット(温度調節手段)
24 攪拌機
25 抜き出しライン
31 予熱器
33 脱揮押出機
35 取り出しライン
37 回収タンク
T 温度センサ(温度検知手段)
101 平板
102 試験片
103 ホットプレート
104 熱板
105 ゲージ
106 アルミ製の棒
107 糸

Claims (7)

  1. ピーク分子量が互いに異なる2種のメタクリル樹脂を含むメタクリル樹脂組成物であって、該メタクリル樹脂組成物が、以下の条件(I)、(II)、(III)および(IV):
    (I) 該メタクリル樹脂が、それぞれ、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を有し、該メタクリル酸メチル単位の重量割合が、全単量体単位100重量%に対して、98.5重量%よりも大きいこと
    (II) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、高い方のピーク分子量をHPとするとき、HPの値が、式:180000≦HP≦220000を満足すること
    (III) 該メタクリル樹脂のピーク分子量のうち、低い方のピーク分子量をLPとするとき、LPの値が、式:24000≦LP≦35000を満足すること
    (IV) 微分分子量分布曲線において、HPにおけるピークの高さを示す値をaとし、LPにおけるピークの高さを示す値をbとするとき、a/bで示されるPRの値が、式:1.32≦PR≦1.60を満足すること
    を満たすことを特徴とする、メタクリル樹脂組成物。
  2. 連続塊状重合によって製造されることを特徴とする、請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物。
  3. 2つの完全混合槽を用いた連続塊状重合によって製造されることを特徴とする、請求項1または2に記載のメタクリル樹脂組成物。
  4. 110℃〜160℃の重合温度での重合によって得られるメタクリル樹脂をメタクリル樹脂組成物の総重量に対して50重量%以上の重量割合で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
  5. 射出成形に用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
  6. 車両用途に用いられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のメタクリル樹脂組成物から得られる成形体。
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