JP2011168683A - メタクリル樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

メタクリル樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工性と二次加工性などの物性特性が優れているメタクリル樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度4rad/sの条件で測定した粘度が4900Pa・s以上であって、樹脂温度240℃、角速度100rad/sの条件での粘度が1450Pa・s以下であることを特徴とするメタクリル樹脂組成物である。さらに、メタクリル酸メチル単量体単位80〜99wt%及び少なくとも1種のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位1〜20wt%を含むメタクリル樹脂であって、該メタクリル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が80000〜230000であり、GPC溶出曲線から得られるピーク重量平均分子量(Mp)の1/5以下の重量平均分子量成分が該メタクリル樹脂成分に対し7〜30%含まれている。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形加工性が向上したメタクリル樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
メタクリル樹脂は、透明樹脂として他のプラスチック透明樹脂より高い光透過率、耐候性、剛性を有することに特徴があり、車両用部品、照明器具、建築用材料、看板、銘板、絵画、表示装置の窓等広い用途で用いられている。特に車の後部ランプの透明部材には、メタクリル樹脂成形品が用いられることが多い。
しかしながら、昨今、車両用途では燃費向上に伴う軽量化の為の薄肉化や斬新なデザインを実現するための大型化など、材料の流動性向上の要求が高まっている。従来、材料の流動性を向上させると強度や耐熱性、二次加工性などを犠牲にしていた。
車両用ランプの透明部材においても薄肉化が検討されており、材料の流動性向上の要求が望まれている。流動性を向上させる方法として分子量を下げる方法などがあるが、ハウジング部材との熱板溶着時に樹脂が糸を曳き、外観不良となる問題があった。
射出成形時の流動性と得られた成形品の物性を両立させる手法として特許文献1が挙げられる。特許文献1では射出成形時の流動性と耐溶剤性を改良する樹脂について開示があるが、熱板溶着時の糸曳き性に関する十分な検討がされておらず、射出成形時の流動性と熱板溶着時の糸曳き性を同時に満足するものではなかった。
WO2007−060891号パンフレット
本発明は、成形加工性と二次加工性などの物性特性が優れているメタクリル樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で測定した樹脂の粘度が一定数値範囲内であれば成形加工性と二次加工性の双方が解決できる事を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明および実施態様は以下に記載するものである。
[1] レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度4rad/sの条件で測定した粘度が4900Pa・s以上であって、樹脂温度240℃、角速度100rad/sの条件での粘度が1450Pa・s以下であることを特徴とするメタクリル樹脂組成物。
[2] メタクリル酸メチル単量体単位80〜99wt%及び少なくとも1種のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位1〜20wt%を含むメタクリル樹脂であって、該メタクリル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が80000〜230000であり、GPC溶出曲線から得られるピーク重量平均分子量(Mp)の1/5以下の重量平均分子量成分が該メタクリル樹脂成分に対し7〜30%含まれていることを特徴とする上記[1]に記載のメタクリル樹脂。
[3] 上記[1]又は[2]に記載のメタクリル樹脂組成物を用いて得られた成形体を熱板溶着した成形体。
[4] メタクリル樹脂組成物の製造方法であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が5000〜50000である低分子量重合体(1)を該メタクリル樹脂組成物全体に対して10〜35質量%製造した後、低分子量重合体(1)の存在下でメタクリル酸エステルを含む原料混合物を添加して重量平均分子量が90000〜350000である高分子量重合体(2)を該メタクリル樹脂組成物全体に対して90〜65質量%製造して得ることを特徴とする、メタクリル樹脂組成物の製造方法であり、低分子量重合体(1)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピークに達するまでの時間をTlとし、高分子量重合体(2)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピーク温度に達するまでの時間をThとした時に、下記式(1)が成り立つことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のアクリル系樹脂の製造方法。
Th/Tl≧1 ・・・(1)
本発明のメタクリル樹脂組成物は、射出成形時の流動性と熱板溶着時の糸曳き性が共に優れている。
本発明におけるメタクリル樹脂のGPCエリアに関する説明図である。 グラフの縦軸はRI(示差屈折)検出強度(mV)、グラフの横軸は下部は溶出時間(min.)、上部はGPCエリア面積全体に対する、累積エリア面積(%)を示す。 累積エリア面積の一例を示した図である。 GPC溶出曲線測定グラフ上での、累積エリア面積0〜2%と、累積エリア面積98〜100%の位置を示す概略図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者らの研究により、メタクリル樹脂組成物成形体の熱板溶着時の糸曳き発生率はレオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度4rad/sの条件での粘度と相関があることを見出した。その具体的な理由は次のとおりである。
すなわち、糸曳きが発生する温度は、成形体が溶着する時の樹脂温度における溶融粘度が関係していると考えた。一般的な成形ラインにおける熱板の設定温度は250℃であるが、実際のラインでは熱板の表面温度は数℃低下しており、樹脂を熱板に押し付けた場合、熱板付近の樹脂温度は更に数℃低くなると考えられる。したがって、250℃で樹脂粘度が適当な樹脂であっても本発明の効果が得られない場合がある。そこで、本発明者らは樹脂の粘度を測定する温度を240℃と設定した。さらに、成形時の糸曳きの度合いを正確に評価するには、実際の樹脂の表面温度を反映した温度での糸曳き状態を見る必要があるが、その適正温度が245℃であることを見出した。
そこで、本発明におけるメタクリル樹脂組成物は、レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度4rad/sの条件での粘度が4900Pa・s以上を示すメタクリル系樹脂組成物にすることで、後述の245℃での熱板溶着時の糸曳き性を20%以下に抑えることが出来ることを見出した。好ましくは5000Pa・s以上であり、更に好ましくは5100Pa・s以上、である。また、射出成形時の流動性を確保する為、20000Pa・s以下が好ましい。より好ましくは18000Pa・s以下で、更に好ましくは15000Pa・s以下である。
本発明におけるメタクリル樹脂組成物の射出成形時の流動性は、レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度100rad/sの条件で測定した時の粘度と相関がある。本発明におけるメタクリル樹脂組成物の成形流動性は、レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度100rad/sの条件での粘度が1450Pa・s以下とする。この条件を満たすメタクリル系樹脂組成物とすることで、スパイラル長さで評価し、26cm以上の流動性を達成することができる。好ましくは1400Pa・s以下であり、更に好ましくは1370Pa・s以下である。また、機械強度を好ましい状態に保つ為、粘度を500Pa・s以上が好ましい。より好ましくは600Pa・s以上で更に好ましくは700Pa・s以上である。
なお、本発明で測定される粘度は、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製 製品名:ARES−G2)で測定される。測定冶具は直径25mm、角度1度のコーンを使用した。受け台は直径25mmの平らな円盤状である。
測定にあたっては、サンプルとなるメタクリル樹脂組成物をあらかじめプレス成形で直径25mm、厚み1.2〜1.5mmの樹脂製円盤に成型しておく。レオメーターの測定部を250℃に加熱後、樹脂製円盤を受け台とコーンの間にセットし、コーンの頂点から受け台までの距離が0.05mmになるまでコーンを押した。その後、はみ出た樹脂を取り除いた後に測定開始。角速度100rad/s及び4rad/sで冶具にかかるトルクから粘度を計測した。
上記の粘度をこの範囲に調整する為には、低分子量重合体(1)と高分子量重合体(2)の組成(比率や分子量、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体重量%)の差で調整すればよい。例えば、低分子量重合体(1)と高分子量重合体(2)の分子量の差を大きくすることにより、角速度100rad/sでの粘度は大きくなり、4rad/sでの粘度が小さくなる傾向にある。
メタクリル樹脂組成物は、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体からなる事が好ましい。メタクリル系樹脂組成物中に含まれるメタクリル酸メチルの含有量はメタクリル樹脂に対して80〜99wt%が好ましい。樹脂の熱分解性の点から99wt%以下が好ましい。この範囲であれば、成形時にシルバーと呼ばれる樹脂が分解して生じたモノマーが発泡してできる気泡の発生が抑えられる。また、耐熱性の点から80wt%以上が好ましい。より好ましくは85〜98.8wt%であり、さらに好ましくは90〜98.7wt%である。最も好ましくは95〜98.5wt%である。このように好ましい範囲とすることにより、成形品を環境試験下においた際にも、ゆがみを抑制できる。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体は、流動性と耐熱性に影響を与える。メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体として、以下が挙げられる。
アルキル基の炭素数が2〜18のメタクリル酸アルキル、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキル;アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ベンゼン環に置換基を有するスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;
無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド等;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート等の2個のアルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール誘導体をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等の多官能モノマー等が挙げられ、これらは、単独或いは2種類以上を併用して用いることが出来る。
これらの中でも、耐光性、耐熱性、流動性の観点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好ましく用いられる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルが特に好ましく、さらにはアクリル酸メチルが入手しやすく最も好ましい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体単位の含有量は、メタクリル樹脂に対して1〜20wt%が好ましい。樹脂の熱分解性の点から1wt%以上が好ましく、耐熱性の点から20wt%以下が好ましい。より好ましくは1.2〜15wt%であり、さらに好ましくは1.3〜10wt%である。最も好ましくは1.5〜5wt%である。
メタクリル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が80000〜230000であると好ましい。機械強度の観点から80000以上が好ましく、流動性の点から230000以下が好ましい。この場合、成形加工が容易となる。より好ましくは、85000〜210000であり、さらに好ましくは90000〜200000である。最も好ましくは95000〜190000である。
また、重量平均分子量が500以下のメタクリル樹脂成分は、成形時にシルバーと呼ばれる発泡様の外観不良を生じさせやすいため、できる限り少ないほうが好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される。
あらかじめ、単分散の、重量平均分子量が既知で試薬として入手可能な標準メタクリル樹脂と、高分子量成分を先に溶出する分析ゲルカラムを用い、溶出時間と重量平均分子量から検量線を作成しておく。得られた検量線から各試料の分子量を求めることが出来る。
ピーク重量平均分子量(Mp)とは、GPC溶出曲線においてピークを示す、重量平均分子量を指す。GPC溶出曲線においてピークが複数存在する場合は、存在量が最も多い重量平均分子量が示すピークを指す。
メタクリル樹脂に存在するMpの1/5以下の重量平均分子量成分は、樹脂の機械強度、成形品のゆがみに関係し、またこの成分が存在することにより、可塑化効果を有する。この成分の存在量が、該メタクリル樹脂成分に対し7〜30%の範囲にあると、樹脂が可塑化されることにより成形性が向上する。また、成形時の射出圧力を抑えられるので、残留ひずみが少なくなり、成形後の成形品のゆがみ抑制の効果が得られるので好ましい。より好ましくは、8〜25%であり、更に好ましくは8〜20%である。
なお、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体は、得られるメタクリル樹脂の高分子量成分中の組成比率が低分子量成分中の組成比率に比べて大きいことが好ましい。耐熱性や環境試験下でのクラックや成形品のゆがみの低発生率、機械強度を維持しながら流動性をより向上させることができるからである。メタクリル系樹脂組成物の高分子量成分および低分子量成分は、GPC溶出曲線におけるエリア面積によって決めることができる。
ここでGPC溶出曲線におけるエリア面積とは図1に示す斜線部分を指す。具体的な定め方は次のように行う。
まず、GPC測定で得られた溶出時間とRI(示差屈折検出器)による検出強度から得られるGPC溶出曲線に対し、測定機器により自動で引かれるベースラインとGPC溶出曲線が交わる点Aと点Bを定める。点Aは、溶出時間初期のGPC溶出曲線とベースラインとが交わる点である。点Bは、原則として重量平均分子量が500以上でベースラインとGPC溶出曲線が交わる位置とする。もし重量平均分子量が500以上の範囲で交わらなかった場合は重量平均分子量が500の溶出時間のRI検出強度の値を点Bとする。点A、B間のGPC溶出曲線と線分ABで囲まれた斜線部分がGPC溶出曲線におけるエリアである。この面積が、GPC溶出曲線におけるエリア面積である。
エリア面積を決定するためには高分子量成分から先に溶出されるカラムを用いるため、溶出時間初期に高分子量成分が観測され、溶出時間終期に低分子量成分が観測される。
GPC溶出曲線におけるエリア面積の累積エリア面積(%)は、図1に示す点Aを累積エリア面積(%)の基準である0%とし、溶出時間の終期に向かい、各溶出時間に対応する検出強度が累積して、GPC溶出曲線におけるエリア面積が形成されるという見方をする。累積エリア面積の具体例を図2に示す。
この図2において、ある溶出時間におけるベースライン上の点を点X,GPC溶出曲線上の点を点Yとする。曲線AYと、線分AX、線分XYで囲まれる面積の、GPC溶出曲線におけるエリア面積に対する割合を、ある溶出時間での累積エリア面積(%)の値とする。
累積エリア面積0〜2%にある重量平均分子量成分を有するメタクリル樹脂中のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成比率をMh(wt%)とする。
一方、累積エリア面積98〜100%、すなわち低分子量を有するメタクリル樹脂中のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成率をMl(wt%)とする。
累積エリア面積0〜2%、98〜100%の測定グラフ上での位置の概略図を図3に示す。
MhやMlの値はGPCから得られた溶出時間をもとにカラムのサイズに応じ数回もしくは数十回連続分取して、求めることが可能である。分取したサンプルの組成を既知の熱分解ガスクロ法により分析すればよい。
このMh(wt%)とMl(wt%)には下記の式[1]の関係が成り立つことが好ましい。
(Mh−0.8)≧Ml≧0・・・・・・・・・・・・・[1]
これは、低分子量成分より高分子量成分のほうが、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成が0.8wt%以上多いことを示す。低分子量成分には他のビニル単量体が必ずしも共重合していなくても良いことを示す。Mh(wt%)とMl(wt%)の差は流動性向上の効果のために0.8wt%以上が好ましい。より好ましくは1.0wt%であり、更に好ましくは、次の式[2]が成り立つことである。
(Mh−2)≧Ml≧0・・・・・・・・・・・・・[2]
すなわち、高分子量成分中のメタクリル樹脂のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成を、低分子量成分の平均組成より2wt%以上多くすることで、耐熱性や環境試験におけるクラックや成形品のゆがみの低発生率、機械強度を保持したまま、劇的な流動性向上効果が得られるために好ましい。しかしながら耐熱性が要求される用途においては、トータルのメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成が2wt%以下となる場合がある。その場合、式[3]が成り立つようにすることが好ましい。
耐熱性と流動性、機械的強度のバランスがよいメタクリル樹脂が得られるためである。
1.2≧(Mh−0.8)≧Ml≧0・・・・・・・・・・・・・[3]
すなわち、Mh(wt%)を2wt%以下とし、なおかつMh(wt%)とMl(wt%)との差を0.8wt%以上に保つことが好ましい。この範囲とすることにより、耐熱性や環境試験におけるクラックや成形品のゆがみの低発生率、機械強度を保持したまま、流動性向上効果が得られるためである。
なお、本発明のメタクリル樹脂組成物は耐熱性に優れ、JIS−K7206に規定されたB50法でのビカット軟化温度が95℃以上を達成することができる。より好ましくは100℃以上であり、さらに好ましくは、103℃以上である。最も好ましくは106℃以上であある。この範囲に調整するためには、メタクリル樹脂組成物全体に対してメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位を20wt%以下に調整すればよい。
メタクリル樹脂の組成物の製造方法には特に制限は無いが、具体的には、以下の方法が挙げられる。
1.あらかじめ重合体(A)を製造しておき、重合体(A)と異なる分子量を持つ重合体(B)の原料組成混合物に重合体(A)を混合し、その混合液を重合させて製造する方法。
2.重合体(A)を製造した後、重合体(A)とは異なる分子量を持つ重合体(B)の原料組成混合物を追添、重合することによって製造する方法。
3.あらかじめ重合体(A)及び重合体(A)と異なる分子量を持つ重合体(B)を個別に製造しておき、ブレンドする方法。
これらの方法は2種類の分子量成分が異なる成分を用いて製造する方法に関してであるが、方法1及び2に関しては、更に分子量組成の異なる重合体(C)、重合体(D)等を同様の手順で製造しても良い。また、方法3に関しても、分子量組成の異なる重合体(C)、重合体(D)等を更にブレンドし、押出し機やポリマーミキサー、スタティックミキサーなどで溶融混練しても良い。
好ましくは、重合体(A)を製造し、その重合体(A)が重合体(B)の原料組成混合物中に存在している状態で重合体(B)を製造する方法である。重合体(A)と重合体(B)のそれぞれの組成を制御しやすく、重合時の重合発熱による温度上昇が押さえられ、系内の粘度も安定に得られるためである。この場合、重合体(B)の原料組成混合物は(A)を添加した時点で一部重合が開始されている状態であっても良い。
重合体(A)と重合体(B)の分子量はどちらかが高分子量であり、どちらかが低分子量であってもよい。重合体(A)と重合体(B)の組成は異なっていることが好ましい。
例えばメタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル単量体の含有量が、メタクリル樹脂に対して1〜20wt%であれば、重合体(A)と重合体(B)でその含有量が異なっていることが好ましい。
ここで、重合体(A)として低分子量である重合体(1)を製造し、重合体(B)として高分子量である重合体(2)を製造する方法を説明する。
まず、メタクリル酸メチル単量体0〜100wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0〜100wt%、好ましくは、メタクリル酸メチル単量体80〜100wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0〜20wt%からなる重合体(1)が得られるよう1段目の原料を仕込む。更に好ましい重合体(1)の比率は、メタクリル酸メチル単量体90〜100wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0〜10wt%、最も好ましくは、メタクリル酸メチル単量体95〜100wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0〜5wt%である。
また、重合体(1)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平分均子量が5000〜50000となるように製造するのが好ましい。重量平均分子量が5000以上にすると得られた樹脂組成物の成形品の耐溶剤性を維持できる為好ましい。重量平均分子量が50000以下であるとより得られた樹脂組成物の流動性がより増大する為、好ましい。より好ましくは10000〜45000であり、さらに好ましくは、13000〜40000である。最適な範囲は、15000〜35000である。
なお、重合体(1)の比率は10〜35wt%にするように原料を配合することが好ましい。得られた樹脂組成物の流動性向上の効果を高めるためには10wt%以上が好ましく、樹脂組成物の機械強度の点から35wt%以下が好ましい。より好ましくは15〜33wt%であり、さらに好ましくは20〜30wt%である。
重合体(1)を製造した後、重合体(2)を製造する。このとき、重合体(1)の存在下で重合体(2)を製造する方法が好ましい。さらに重合体(1)の重合時間よりも重合体(2)の時間を長くすると良い。
メタクリル酸メチル単量体69〜99.5wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0.5〜31wt%となるように原料を仕込むと好ましい。より好ましくはメタクリル酸メチル単量体80〜99.5wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0.5〜20wt%からなる重合体(2)が得られるよう2段目の原料を仕込む。更に好ましい重合体(2)の比率は、メタクリル酸メチル単量体85〜99.5wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0.5〜15wt%、最も好ましくは、メタクリル酸メチル単量体90〜99.5wt%及びメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の少なくとも1種で構成される単量体0.5〜10wt%である。
また、重合体(2)の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平分均子量が90000〜350000となるように製造するのが好ましい。得られた樹脂組成物の機械強度が向上することから90000以上が好ましい。流動性が向上する点から350000以下が好ましい。より好ましく95000〜310000であり、さらに好ましくは、100000〜270000である。最も好ましくは105000〜250000である。
重合体(2)は、 重合体(2)の比率は90〜65wt%が好ましい。得られた樹脂組成物の流動性向上の効果を得るためには90wt%以下が好ましい。また、樹脂組成物の機械強度の点から65wt%以上が好ましい。より好ましくは85〜67wt%であり、さらに好ましくは80〜70wt%である。
さらに、本発明における重合体(1)のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の組成比率Mal(wt%)と重合体(2)のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の組成比率Mah(wt%)には式[4]の関係が成り立つように製造することが好ましい。
(Mah−0.8)≧Mal≧0・・・・・・・・・・・・・・[4]
組成比率MalとMahは、それぞれの仕込みで用いた組成比率とほぼ同等の値を示し、重合体(1)及び重合体(2)それぞれを熱分解ガスクロマトグラフィー法により測定し、決定することが可能である。
Mah(wt%)とMal(wt%)との差は、流動性の点から0.8wt%以上が好ましい。
高分子量である重合体(1)にメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体が組成比率として多く含まれているほうが耐熱性や機械強度を維持しながら流動性の向上が図れるため好ましい。
式[5]の関係が成り立つと、耐熱性と環境試験におけるクラックや成形品のゆがみの低発生率や機械強度を維持しながら流動性が劇的に向上するのでより好ましい。
(Mah−2)≧Mal≧0・・・・・・・・・・・・・・[5]
しかしながら耐熱性が要求される用途においては、メタクリル樹脂全体中のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位の平均組成の量が2wt%以下となる場合がある。
その場合においては、式[6]が成り立つようにすることで、耐熱性と流動性、機械的強度のバランスがよいメタクリル樹脂が得られる。
1.2≧(Mah−0.8)≧Mal≧0・・・・・・・・・・・・・[6]
すなわち、Mah(wt%)を2wt%以下とし、なおかつMal(wt%)との差を0.8wt%以上に保つことが耐熱性、環境試験におけるクラックや成形品のゆがみの低発生率、機械強度を保持しつつ、流動性を向上させる上で好ましい。
流動特性が良くなることから、重合体(2)より重合体(1)のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体の比率を少なくするほうが好ましく、使用しなくても良い。
これらの方法の中でも生産性及び物性安定性の観点から好適な製法例を下記に示す。
すなわち、重合体(1)の重合時間、すなわち1段目の重合で単量体を添加後に重合発熱により発熱ピーク温度に達するまでの時間(Tl)と、重合体(2)の重合時間、すなわち2段目以降で単量体を添加後に重合発熱により発熱ピーク温度に達するまでに時間(Th)の関係は、下記関係式[7]が成り立つ必要がある。
Th/Tl≧1 ・・・[7]
生産性の点からTh/Tl≧1が好ましい。また、Thが長すぎると重合体(2)が目的の分子量に到達しない可能性が高まり、分子量低下による物性低下が懸念される為、5≧Th/Tlが好ましい。より好ましくは4≧Th/Tl≧1であり、更に好ましくは3≧Th/Tl≧1である。
式[7]を満足する条件にすることで、重合が安定し、効果的に本発明のメタクリル樹脂組成物を得ることが出来る。1段目および2段目以降の発熱ピーク温度に達するまでの時間を式[7]のように調整するためには、重合体(1)と重合体(2)の製造に使用する重合開始剤の量を適宜調整すればよい。
重合温度は、重合方法に応じて適宜最適の重合温度を選択して製造すればよいが、50℃〜180℃が好ましい。
<懸濁重合による製造例>
以下、一例として、懸濁重合法における製造方法について詳細に説明する。
本発明における重合温度は、生産性、凝集体の生成量を少なくするために、60℃以上100℃以下であることが好ましい。より好ましくは65℃以上95℃以下であり、更に好ましくは70℃以上90℃以下、特に好ましくは75℃以上85℃以下である。
重合体(1)及び重合体(2)の重合温度は、同じであっても異なっていてもよい。懸濁重合法において上記の式(1)の関係が成り立つ場合、凝集体の生成量を少くすることができるうえ、得られるポリマー微粒子の粒径間の重量平均分子量の差異が小さくなり、均一なポリマーが得られるという点からも、生産安定性が向上する傾向にある。
凝集体の生成をより少量に抑えるためより好ましいのは、上記式[7]について、5≧Th/Tl≧1が成り立つことであり、更に好ましくは4≧Th/Tl≧1、特に好ましくは3≧Th/Tl≧1である。
重合体(1)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピーク温度単量体を添加後に重合発熱により発熱ピーク温度に達するまでの時間(Tl)は、本発明の効を発揮できる範囲であれば良いが、20分以上240分以下が好ましい。より好ましくは、30分以上210分以下、更に好ましくは40分以上180分以下、最も好ましくは50分以上150分以下である。
重合体(2)の原料混合物は、重合体(1)の重合による発熱ピークが観測された後、直ちに添加しても良く、一定時間保持した後に添加してもよい。重合体(1)の原料混合物の重合度をより上げる必要がある場合には、重合体(1)による発熱ピークが観測された後、一定時間保持してから、重合体(2)の原料混合物を投入することが好ましい。
保持する時間は特に規定はされないが、0分以上180分以下が好ましく、より好ましくは10分以上150分以下、更に好ましくは20分以上120分以下、最も好ましくは30分以上90分以下である。
保持する際の温度は重合度を上げることができることから、重合体(1)の重合温度と同じか、重合体(1)の重合温度より高い温度であることが好ましい。より高い温度とする場合は重合温度より5℃以上昇温することが好ましい。より好ましくは7℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、昇温する場合は、得られる重合体の凝集を防ぐ観点から100℃以下であることが好ましい。具体的には、80℃以上100℃以下が好ましく、より好ましくは85℃以上99℃以下であり、更に好ましくは87℃以上99℃以下、最も好ましくは90℃以上99℃以下である。
重合体(2)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピーク温度が観測されるまでの温度(Th)は、本発明の効果を発揮できる範囲であれば良いが、30分以上240分以下が好ましい。より好ましくは40分以上210分以下、更に好ましくは50分以上180分以下、最も好ましくは60分以上150分以下である。
重合体(2)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピーク温度が観測された後は、得られるアクリル系樹脂中の残存モノマー量を抑えることができることから、重合体(2)の重合温度よりも5℃以上昇温することが好ましい。より好ましくは7℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、昇温する場合は、得られる重合体の凝集を防ぐ観点から100℃以下であることが好ましい。具体的には85℃以上100℃以下、より好ましくは87℃以上99℃以下、更に好ましくは90℃以上99℃以下である。
昇温した後の保持時間は、本願の効果が発揮できる範囲であれば特に規定はされないが、一定時間該温度を保持することが好ましい。具体的には、10分以上180分以下であり、好ましくは15分以上150分以下、更に好ましくは20分以上120分以下、最も好ましくは30分以上90分以下である。
メタクリル樹脂組成物を製造するための重合開始剤としては、フリーラジカル重合を用いる場合は、下記の一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる。
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキサイド系; アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ系;等が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種類以上を併用しても良い。また、これらのラジカル開始剤と適当な還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として実施しても良い。これらの開始剤は、単量体混合物に対して、0.001〜1wt%の範囲で用いるのが一般的である。
メタクリル樹脂組成物をラジカル重合法で製造する場合には、重合体(A)及び重合体(B)の分子量を調整するために、一般的に用いられている連鎖移動剤を使用できる。
連鎖移動剤としては、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)などのメルカプタン類が好ましく用いられる。重合体(A)と重合体(B)に用いられる連鎖移動剤は同じでも良いし異なっていても良い。
重合体(A)と重合体(B)の連鎖移動剤の量は望む分子量に依存して決定することができるが、一般に単量体混合物に対して、0.001〜1wt%の範囲で用いられる。
メタクリル樹脂組成物には、必要に応じて下記の添加剤を使用しても良い。
染料、顔料、ヒンダードフェノール系やリン酸塩等の熱安定剤;
ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系などの紫外線吸収剤;フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系などの可塑剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリド系などの離型剤;高級脂肪酸エステル、ポリオレフィン系などの滑剤;
ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩などの帯電防止剤;リン系、リン/塩素系、リン/臭素系などの難燃剤;
補強剤として多段重合で得られるアクリル系ゴム;
メタクリル酸メチル/スチレン重合体ビーズ、有機シロキサンビーズなどの有機系、有機無機系光拡散剤;硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクなどの無機系光拡散剤;等が挙げられる。
本発明におけるメタクリル樹脂は、単独で用いても良いし、組成の異なる本発明のメタクリル樹脂組成物を複数種組み合わせたり、既存のメタクリル樹脂又は他の樹脂と混合して用いても良い。他の樹脂と混合する場合には、ブレンドして、加熱溶融混合しても良いし、加熱溶融混合して押出したペレットを複数種ブレンドしてから加熱溶融混合しても良い。先に挙げた添化剤をこのときにブレンドして混合しても良い。
以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
<原料>
用いた原料は下記のものである。
・メタクリル酸メチル:旭化成ケミカルズ製(重合禁止剤として中外貿易製2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール(2,4−di−methyl−6−tert−butylphenol)を2.5ppm添加されているもの)
・アクリル酸メチル:三菱化学製(重合禁止剤として川口化学工業製4−メトキシフェノール(4−methoxyphenol)が14ppm添加されているもの)
・n−オクチルメルカプタン(n−octylmercaptan):アルケマ製
・2エチルヘキシルチオグリコレート(2−ethylhexyl thioglycolate):アルケマ製 ラウロイルパーオキサイド(lauroyl peroxide):日本油脂製
・第3リン酸カルシウム(calcium phosphate):日本化学工業製、懸濁剤として使用 炭酸カルシウム(calcium calbonate):白石工業製、懸濁剤として使用
・ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate):和光純薬製、懸濁助剤として使用[測定法]
<樹脂の組成、分子量の測定>
1.メタクリル樹脂組成物の組成分析
メタクリル樹脂組成物の組成分析は、熱分解ガスクロマトグラフィー及び質量分析方法で行った。
熱分解装置:FRONTIER LAB製Py−2020D
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、液相厚0.25μm)
カラム温度プログラム:40℃で5min保持後、50℃/minの速度で320℃まで昇温し、320℃を4.4分保持
熱分解炉温度:550℃
カラム注入口温度:320℃
ガスクロマトグラフィー:Agilent製GC6890
キャリアー:純窒素、流速1.0ml/min
注入法:スプリット法(スプリット比1/200)
検出器:日本電子製質量分析装置Automass Sun
検出方法:電子衝撃イオン化法(イオン源温度:240℃、インターフェース温度:320℃)
サンプル:メタクリル樹脂0.1gのクロロホルム10cc溶液を10μl
サンプルを熱分解装置用白金試料カップに採取し、150℃で2時間真空乾燥後、試料カップを熱分解炉に入れ、上記条件でサンプルの組成分析を行った。メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルのトータルイオンクロマトグラフィー(TIC)上のピーク面積と以下の標準サンプルの検量線を元にメタクリル樹脂の組成比を求めた。
検量線用標準サンプルの作成:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルの割合が(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)=(100%/0%)、(98%/2%)、(94%/6%)、(90%/10%)(80%/20%)の合計5種の溶液各50gにラウロイルパーオキサイド0.25%、n−オクチルメルカプタン0.25%を添加した。
この各混合溶液を100ccのガラスアンプル瓶にいれて、空気を窒素に置換して封じた。
そのガラスアンプル瓶を80℃の水槽に3時間、その後150℃のオーブンに2時間入れた。
室温まで冷却後、ガラスを砕いて中のメタクリル樹脂を取り出し、組成分析を行った。
検量線用標準サンプルの測定によって得られた(アクリル酸メチルの面積値)/(メタクリル酸メチルの面積値+アクリル酸メチルの面積値)及びアクリル酸メチルの仕込み比率とのグラフを検量線として用いた。
2.メタクリル樹脂組成物の重量平均分子量の測定
測定装置:日本分析工業製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(LC−908)
カラム:JAIGEL−4H 1本及びJAIGEL−2H 2本、直列接続
本カラムでは、高分子量が早く溶出し、低分子量は溶出する時間が遅い。
検出器:RI(示差屈折)検出器
検出感度:2.4μV/sec
サンプル:0.450gのメタクリル樹脂のクロロホルム15ml溶液
注入量:3ml
展開溶媒:クロロホルム、流速3.3ml/min
上記の条件で、メタクリル樹脂組成物の溶出時間に対する、RI検出強度を測定した。
GPC溶出曲線におけるエリア面積と、検量線を基にメタクリル樹脂の平均分子量を求めた。
検量線用標準サンプルとして、単分散の重量平均分子量が既知で分子量が異なる以下の10種のメタクリル樹脂(EasiCal PM−1 Polymer Laboratories製)を用いた。
重量平均分子量
標準試料1 1,900,000
標準試料2 790,000
標準試料3 281,700
標準試料4 144,000
標準試料5 59,800
標準試料6 28,900
標準試料7 13,300
標準試料8 5,720
標準試料9 1,936
標準試料10 1,020
重合体(1)と重合体(2)が混合している場合には、あらかじめ重合体(1)単独のGPC溶出曲線を測定し重量平均分子量を求めておき、重合体(1)が存在している比率(本願では仕込み比率を用いた)を重合体(1)のGPC溶出曲線に乗じ、その溶出時間における検出強度を重合体(1)と重合体(2)が混合しているGPC溶出曲線から引くことで、重合体(2)単独のGPC溶出曲線が得られる。これから重合体(2)の重量平均分子量を求めた。
また、GPC溶出曲線でのピーク重量平均分子量(Mp)をGPC溶出曲線と検量線から求める。
Mpの1/5以下の重量平均分子量成分の含有量は次のように求める。
まず、メタクリル樹脂組成物のGPC溶出曲線におけるエリア面積を求める。
GPC溶出曲線におけるエリア面積とは図1に示す斜線部分を指す。具体的な定め方は次のように行う。まず、GPC測定で得られた溶出時間とRI(示差屈折検出器)による検出強度から得られるGPC溶出曲線に対し、測定機器で得られる自動で引かれるベースラインを引いてGPC溶出曲線と交わる点Aと点Bを定める。点Aは、溶出時間初期のGPC溶出曲線とベースラインとが交わる点である。点Bは、原則として重量平均分子量が500以上でベースラインと溶出曲線が交わる位置とする。もし交わらなかった場合は重量平均分子量が500の溶出時間のRI検出強度の値を点Bとする。点A、B間のGPC溶出曲線とベースラインで囲まれた斜線部分がGPC溶出曲線におけるエリアである。この面積が、GPC溶出曲線におけるエリア面積である。エリア面積を決定するためには高分子量成分が先に溶出されるカラムを用いるため、溶出時間初期(点A側)に高分子量成分が観測され、溶出時間終期(点B側)に低分子量成分が観測される。
GPC溶出曲線におけるエリア面積を、Mpの1/5の重量平均分子量に対応する溶出時間で分割し、Mpの1/5以下の重量平均分子量成分に対応するGPC溶出曲線におけるエリア面積を求める。その面積と、GPC溶出曲線におけるエリア面積の比から、Mpの1/5以下の重量平均分子量の比率を求めた。
3.メタクリル樹脂の高分子量成分及び低分子量成分におけるメタクリル酸メチルに共重合可能なビニル共重合体の組成比率の測定
本測定では累積エリア面積0〜2%である分子量成分と、98〜100%である分子量成分の組成分析を行う。GPC溶出曲線におけるエリア面積の累積エリア面積(%)は、図1に示す点Aを累積エリア面積(%)の基準である0%とし、溶出時間の終期に向かい、各溶出時間に対応する検出強度が累積して、GPC溶出曲線におけるエリア面積が形成されるという見方をする。
累積エリア面積の具体例を図2に示す。図2において、ある溶出時間におけるベースライン上の点を点X,GPC溶出曲線上の点を点Yとする。曲線AYと、線分AX、線分XYで囲まれる面積の、GPC溶出曲線におけるエリア面積に対する割合を、ある溶出時間での累積エリア面積(%)の値とする。
累積エリア面積0〜2%である分子量成分と、98〜100%である分子量成分を、対応する溶出時間を基にカラムから分取して、その組成分析を行った。測定と、各成分の分取は、2.と同様の装置、条件で行った。
分取を2回行い、分取したサンプルのうち10μlを1.で用いた熱分解ガスクロ分析及び質量分析方法の熱分解装置用白金試料カップに採取し、100℃の真空乾燥機に40分乾燥した。1.と同様の条件で分取した累積エリア面積に対応するメタクリル樹脂組成物の組成を求めた。
<実用物性の測定>
1.レオメーターでの粘度測定
樹脂の粘度はレオメーター:ARES−G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)で測定される。測定冶具はコーンを使用した。コーンの形状は直径25mm、角度1度のコーンを使用した。受け台は直径25mmの平らな円盤状である。
測定にあたっては、粘度測定サンプルとなるメタクリル樹脂組成物をあらかじめプレス成形で直径25mm厚み1.2〜1.5mmの樹脂製円盤に成形しておいた。あらかじめ、レオメーターの測定部であるコーンと受け台を250℃に加熱後、樹脂製円盤を受け台とコーンの間にセットし、コーンの頂点から受け台までの距離が0.05mmになるまでコーンを押した。はみ出た樹脂を取り除いた後に測定開始。角速度100rad/s及び4rad/sで冶具にかかるトルクから粘度を計測した。
2.糸曳き性の測定
実施例、比較例で得られた樹脂を幅20mm、長さ75mm、肉厚2mmに成形したものを20枚用意し、試験片とした。
熱板溶着機(タカギセイコー社製)を用いて熱板を表面温度245℃まで加熱した。熱板にはアルミニウム板の表面をテフロン(登録商標)加工した金属板を使用した。試験片の20mm×2mmの面を1mm/sの速度で熱板に押し当て、接触した位置から0.7±0.2mmまで押し込んで20秒間接触後、20±10mm/sの速度で試験片を離したとき、5mm以上の樹脂糸が発生した試験片の数から長糸発生率を算出し、糸曳き性とした。
3.スパイラル長さの測定
断面積一定の、スパイラル状のキャビティを樹脂が流れた距離によって、相対的流動性を判定する試験である。
射出成形機:東芝機械製IS−100EN
測定用金型:金型の表面に、深さ2mm、幅10mmの溝を、中心部からアルキメデススパイラル状に掘り込んだ金型
射出条件:
樹脂温度:250℃
金型温度:55℃、
射出圧力:98MPa、
射出時間:10sec
冷却時間:10秒
金型表面の中心部に樹脂を上記条件で射出した。
40ショット成形後に、スパイラル長さ測定用成形品10個をサンプリングし、2mmのスパイラル部分の長さの平均値をスパイラル長さとした。
4.ビカット軟化温度の測定
メタクリル樹脂組成物の耐熱性は、JIS−K7206に規定されたB50法で測定したビカット軟化温度で評価した。
<製造方法>
以下に樹脂の製造方法を示す。 配合量は表1に、単量体の仕込み組成と重合体の比率、各重合体の重量平均分子量の測定結果、を表2に示す。
Figure 2011168683
Figure 2011168683
[実施例1〜5、比較例1・2]
60LのSUS製反応器に重合体(1)の原料を、表1に示す配合量を投入し攪拌混合し、反応器の反応温度を80℃で懸濁重合し、重合ピーク確認後、60分間、80℃を維持して重合体(1)を得た。この重合体(1)をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。 その後、前記重合体(1)を含む重合系に重合体(2)の原料を、表1に示す配合量反応器に投入し、引き続き80℃で懸濁重合し、重合ピーク確認後、92℃に約1℃/minの速度で昇温した後、60分熟成し、重合反応を実質終了した。次に50℃以下まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20wt%硫酸を投入し、洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル樹脂ビーズを得た。このメタクリル樹脂ビーズの重合平均分子量をGPCで測定し、重合体(1)のGPC溶出曲線を元に、重合体(1)が含まれている比率をかけて、メタクリル樹脂ビーズのGPC溶出曲線から、重合体(1)のGPC部分を除去し、重合体(2)の重量平均分子量を求めた。
[比較例3〜5]
60LのSUS製反応器に重合体(1)の原料を、表1に示す配合量を投入し攪拌混合し、反応器の反応温度を80℃で懸濁重合し、重合ピーク確認後、92℃に約1℃/minの速度で昇温した後、60分熟成し、重合反応を実質終了した。次に50℃以下まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20wt%硫酸を投入し、洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル樹脂ビーズ:重合体(1)を得た。この重合体(1)をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
<評価結果>
表3に実用特性評価結果を記す。
Figure 2011168683
[実施例1〜5]
車両用ランプなどの成形条件として特にニーズの高い樹脂の要求特性は、糸曳き性20%以下、スパイラル長さ26cm以上、更に好ましい条件としてビカット軟化温度106℃以上であり、この物性を目標特性として評価したが、実施例1〜5は糸曳き性、スパイラル長さ共に優れていた。
更に実施例1・3・4はビカット軟化温度も優れていた。実施例2と実施例5を比較すると糸曳き性、耐熱性は同等であるが、スパイラル長さは実施例2の方が優れていた。
[比較例1〜5]
比較例1・3はスパイラル長さが良好であるが、糸曳き性が悪かった。比較例2・4・5は糸曳き性が良好であるが、スパイラル長さが短かった。
本発明のメタクリル樹脂組成物は射出成形などにより成形品を得るのに適しており、車両用ランプなどの熱板溶着加工を実施する分野で特に好適に利用できる。
1.GPC溶出曲線(各溶出時間におけるRI検出強度を結んだ曲線である)
2.ベースライン

Claims (4)

  1. レオメーターを用いて樹脂温度240℃、角速度4rad/sの条件で測定した粘度が4900Pa・s以上であって、樹脂温度240℃、角速度100rad/sの条件での粘度が1450Pa・s以下であることを特徴とするメタクリル樹脂組成物。
  2. メタクリル酸メチル単量体単位80〜99wt%及び少なくとも1種のメタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位1〜20wt%を含むメタクリル樹脂であって、該メタクリル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が80000〜230000であり、GPC溶出曲線から得られるピーク重量平均分子量(Mp)の1/5以下の重量平均分子量成分が該メタクリル樹脂成分に対し7〜30%含まれていることを特徴とする請求項1のメタクリル樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のメタクリル樹脂組成物を用いて得られた成形体を熱板溶着により溶着させた成形体。
  4. メタクリル樹脂組成物の製造方法であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が5000〜50000である低分子量重合体(1)を該メタクリル樹脂組成物全体に対して10〜35質量%製造した後、低分子量重合体(1)の存在下でメタクリル酸エステルを含む原料混合物を添加して重量平均分子量が90000〜350000である高分子量重合体(2)を該メタクリル樹脂組成物全体に対して90〜65質量%製造して得ることを特徴とする、メタクリル樹脂組成物の製造方法であり、低分子量重合体(1)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピークに達するまでの時間をTlとし、高分子量重合体(2)の原料混合物を添加してから重合発熱による発熱ピーク温度に達するまでの時間をThとした時に、下記式[7]が成り立つことを特徴とする請求項1または2のアクリル系樹脂組成物の製造方法。
    Th/Tl≧1 ・・・[7]
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