JP2016007588A - 乳化剤および乳化食品 - Google Patents

乳化剤および乳化食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2016007588A
JP2016007588A JP2014130780A JP2014130780A JP2016007588A JP 2016007588 A JP2016007588 A JP 2016007588A JP 2014130780 A JP2014130780 A JP 2014130780A JP 2014130780 A JP2014130780 A JP 2014130780A JP 2016007588 A JP2016007588 A JP 2016007588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
emulsifier
emulsified
sample
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014130780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5834114B1 (ja
Inventor
井 宏 和 平
Hirokazu Hirai
井 宏 和 平
口 徳 寿 濱
Noritoshi Hamaguchi
口 徳 寿 濱
嶋 富 美 影
Fumi Kageshima
嶋 富 美 影
野 あけみ 柿
Akemi Kakino
野 あけみ 柿
口 俊 久 田
Toshihisa Taguchi
口 俊 久 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Maize Products Co Ltd, Nihon Shokuhin Kako Co Ltd filed Critical Japan Maize Products Co Ltd
Priority to JP2014130780A priority Critical patent/JP5834114B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5834114B1 publication Critical patent/JP5834114B1/ja
Publication of JP2016007588A publication Critical patent/JP2016007588A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

【課題】乳化性および乳化安定性に優れた乳化剤および乳化食品の提供。
【解決手段】グルコースを構成糖とする水溶性食物繊維を含んでなる乳化剤およびそれを含有する乳化食品。
【選択図】なし

Description

本発明は乳化剤およびそれを含有してなる乳化食品に関する。本発明はさらに、乳化食品の製造方法にも関する。
アイスクリーム類、ホイップクリーム、カスタードクリーム、マヨネーズ、スプレッド、ドレッシング等に代表される乳化食品は、乳脂肪や植物性油脂をはじめとする油脂成分と水成分、さらに必要に応じて各種調味料を加えて予備乳化した後、高圧ホモジナイザー等を用いて均一に乳化することで製造される食品である。食品毎に求められる性能・品質は異なるが、乳化食品は一般的に口解けの良さ、保形性、冷蔵・冷凍安定性、溶出(分離)耐性等が求められるため、より均質に乳化しかつ乳化安定性が高いものが好まれる。
水中油型乳化食品の1つであるアイスクリーム類は、乳・乳製品を主要原料として凍結させたもので乳固形分を3.0%以上含むものの総称であり、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム(乳固形分15%以上(うち、乳脂肪分8%以上))、アイスミルク(乳固形分10%以上(うち、乳脂肪分3%以上))およびラクトアイス(乳固形分3%以上)の3種類に分類される。このうち、ラクトアイスは特に乳固形分が少なく、風味を出すために植物性油脂等を多量に併用しており、より高い乳化性および乳化安定性が求められていた。
乳化食品の乳化性や乳化安定性を高める為に、様々な種類の乳化剤が広く使用されている。グリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル等の単分子乳化剤は、乳化力は強いが乳化安定性に問題が有り、pHの変化や塩の添加に影響を受けるため利用できる食品に制限が有るといわれている。一方、水溶性食物繊維であるアラビアガムやキサンタンガム等の高分子乳化剤は、価格・品質安定性や粘度の点で課題を有していた。
高分子乳化剤として、水溶性ヘミセルロースを無機塩類や有機酸と共に利用する技術も報告されているが、無機塩類や有機酸が必須であるため、その利用用途が制限され広く乳化食品に添加することはできない(特許文献1、特許文献2)。
また、大豆や大豆処理物から加熱抽出することで得られる水溶性大豆多糖類も乳化剤として利用されている(特許文献3)。しかしながら、当該乳化剤も大豆臭が残存する風味という問題を有しており、満足いくものでなかった(特許文献4)。
特開平07−101884号公報 特開平07−99930号公報 国際公開第2004/078335号公報 特開2006−102602号公報
本発明は乳化性および乳化安定性に優れた乳化剤および乳化食品を提供することを目的とする。本発明はまた、乳化性および乳化安定性に優れた乳化食品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、構成糖としてグルコースのみからなる水溶性食物繊維が良好な乳化性能を有しているとともに乳化安定性にも優れていることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)グルコースを構成糖とする水溶性食物繊維を含んでなる、乳化剤。
(2)水溶性食物繊維がグルコースおよび/またはグルコース重合体を加熱縮合することで得られた糖縮合物である、上記(1)に記載の乳化剤。
(3)条件Aで測定したメジアン径が7μm以下である乳化粒子を調製することができる、上記(1)または(2)に記載の乳化剤(条件A:水40質量部に水溶性食物繊維20質量部を溶解しさらに植物性油40質量部を添加した後、ホモジナイザーで20000rpm 3分間ホモジナイズして乳化物を調製した直後に、乳化粒子のメジアン径をレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置を使用して測定する)。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化剤を含有することを特徴とする、乳化食品。
(5)乳化食品が水中油型乳化食品である、上記(4)に記載の乳化食品。
(6)水中油型乳化食品がラクトアイスであることを特徴とする、上記(4)または(5)に記載の乳化食品。
(7)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化剤の存在下で原料を均質化処理することを含んでなる、乳化食品の製造方法。
本発明の乳化剤は良好な乳化性能と乳化安定性を有しており、この特性は水中油型乳化食品でより発揮される。従って、本発明の乳化剤を用いることにより口溶けや保形性に優れた乳化食品、特に水中油型乳化食品を得ることができる。
発明の具体的な説明
本発明の乳化剤は、構成糖としてグルコースからなる水溶性食物繊維を構成成分とするものである。本発明において「水溶性食物繊維」とは、食物繊維のうち水溶性のものを意味する。また、「食物繊維」とは、ヒトの消化酵素によって加水分解されない難消化性の多糖類等を意味する。
グルコースを構成糖とする水溶性食物繊維は、例えば、グルコースおよび/またはグルコース重合体を加熱縮合することで調製することができる。加熱縮合反応の原料は、グルコース以外の構成糖を含まないものであれば特に制限は無く、グルコースや、マルトース、イソマルトース、水飴、粉飴等の様々なグルコース重合体を用いることができる。製造する水溶性食物繊維の乳化剤としての性能(特に粘性)の観点から、例えば、DEが30〜100、好ましくは50〜100、より好ましくは70〜100、特に好ましくは80〜100であるグルコースおよび/またはグルコース重合体を加熱縮合反応の原料として用いることができる。ここで、「DE(Dextrose Equivalent)」とは、澱粉分解物の分解度合いの指標であり、試料中の還元糖をブドウ糖として固形分に対する百分率で示した値を意味する。
前記加熱縮合反応は、縮合反応が進行する条件であればよく、当業者であれば加熱条件を適宜決定することができるが、製造効率の観点から、例えば、100℃〜300℃で1〜180分間、より好ましくは、150℃〜250℃で1〜180分間加熱処理することで加熱縮合反応を実施できる。
本発明において「加熱縮合」は、無触媒条件下で行ってもよいが、縮合反応の反応効率の点から触媒存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては糖縮合反応を触媒するものであれば特に制限はないが、無機酸(塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酢酸等)、鉱物性物質(珪藻土、活性白土、酸性白土、ベントナイト、カオリナイト、タルク等)および活性炭(水蒸気炭、塩化亜鉛炭、スルホン化活性炭、酸化活性炭)を用いることができる。得られる水溶性食物繊維の着色や安全性、更には味・臭いの観点から、縮合反応の触媒として活性炭を用いることが好ましい。また、触媒は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の乳化剤の構成成分である水溶性食物繊維の好適な一例としては、難消化性グルカンが挙げられる。「難消化性グルカン」とは、難消化性のグルカン(グルコースポリマー)を意味し、具体的には、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合産物、すなわち、DE70〜100の澱粉分解物を加熱処理により縮合反応させて得られた糖縮合物である。
本発明では、上記手法で得られた水溶性食物繊維をそのまま乳化剤として用いてもよいが、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ(アミログルコシダーゼ)、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、α−グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−フルクトシダーゼ、セロビアーゼ、ゲンチオビアーゼなどの糖質分解酵素で酵素処理して得られる酵素分解物、膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、カーボン−セライトカラムクロマトグラフィー、強酸性陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、溶媒沈殿などの分画処理によって特定重合度の糖質を除去した分画処理物、更には還元処理(水素添加反応)によって糖の還元末端のグルコシル基のアルデヒド基を水酸基に還元した還元処理物も水溶性食物繊維であることから、これらを本発明の乳化剤とすることができる。
本発明の乳化剤の構成成分である水溶性食物繊維は、その性能や作業性を考慮すると、固形分10%、30℃の条件下において粘度が10mPa以下のものが好ましく、より好ましくは5mPa以下のもの、特に好ましくは3.5mPa以下のものを用いることができる。粘度の低い水溶性食物繊維を乳化剤として用いることで、乳化食品等を製造するときの背圧を十分に低下させることができるので、均質化工程や加熱工程等、製造過程における各種処理を効率的に行うことができる。水溶性食物繊維の粘度は、その分子量に依存するため、水溶性食物繊維の分子量を調整することで粘度を調整できる。糖縮合反応により水溶性食物繊維を製造する場合、原料糖質の分子量を調整することで粘度を調整することができる。すなわち、分子量のより小さな原料糖質を加熱縮合することによって粘度の低い水溶性食物繊維を製造することができる。
本発明によれば本発明の乳化剤を含有する乳化食品が提供される。すなわち、本発明の乳化剤は食品に添加される乳化剤として用いることができる。本発明の乳化剤は他の水溶性食物繊維と比べ、得られる乳化粒子のメジアン径が顕著に小さく、強い乳化力を有しており、さらに乳化安定性も高いため、乳化食品に乳化剤として添加することで良好な物性を有した食品を得ることができる。
本発明の乳化剤の構成成分である水溶性食物繊維は、下記測定条件Aで測定した際のメジアン径が7μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下の乳化粒子を調製することができる。本発明において乳化粒子のメジアン径の測定は下記条件Aに従って行うことができる。
条件A:水40質量部に水溶性食物繊維20質量部を溶解しさらに植物性油40質量部を添加した後、ホモジナイザー(日音医理科器機製作所製 ヒスコトロンNS-50S)で20000rpm 3分間ホモジナイズして乳化物を調製した直後に、乳化粒子のメジアン径をレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(バッチ式セル使用)を使用して、使用した油および水の屈折率の条件下で測定する。対照は水を使用する。
本発明の乳化剤を用いて乳化を行うと、乳化粒子径を小さく安定的に長く保つことにより乳化粒子の経時変化が少なく、比重差による油の浮上または水の沈降を抑えられる。また、アイスクリームやホイップクリームの気泡の安定性には、良好な乳化安定性だけでなく、気泡を安定に取り込む性質や気泡の安定性も必要とされるが、本発明の乳化剤は特にアイスクリームやホイップクリームにおいて気泡を安定化させることができる。以下の理論に拘束される訳ではないが、本発明の乳化剤は、乳化粒子径を小さく、安定的に長く保つことにより、アイスクリームやホイップクリームの気泡の安定性に寄与しているものと考えられる。
本発明の乳化剤の構成成分である水溶性食物繊維は食物繊維画分を含有していることから、乳化食品のような添加対象製品の乳化性を向上させるだけでなく、食物繊維を付与しその価値を向上させることができる。水溶性食物繊維は、その水溶性食物繊維含量が50%以上のものを用いることができ、好ましくは水溶性食物繊維含量が70%以上のもの、より好ましくは水溶性食物繊維含量が80%以上のものを用いることができる。ここで、水溶性食物繊維含量(%)は高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定されたものとする。
本発明の乳化剤は水溶性食物繊維を含有していれば良く、単独で用いても、本発明の効果を妨げない範囲で別の成分を含んでいてもよい。別の成分としては、例えば、その他乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カゼインナトリウム、レシチン、アラビアガム、キサンタンガム、水溶性大豆多糖類等)、増粘剤、タンパク質、糖質、油脂、甘味料、調味料、着色料、香料、保存料等が挙げられる。乳化剤中の当該水溶性食物繊維の含量は特に制限は無いが、本発明の効果や他の成分の存在を考慮すると、固形分当り40〜100質量%とすることができる。水溶性食物繊維の形態も特に制限は無く、水溶液状でも粉状であってもよい。
本発明の乳化剤は乳化食品に添加することで乳化食品の乳化性を改善し、滑らかさ、口溶け、保形性、冷蔵・冷凍耐性等が優れた乳化食品を製造することができる。乳化食品は、水中油型乳化食品と油中水型乳化食品に大分されるが、本発明の効果の観点から本発明の乳化剤は好ましくは水中油型乳化食品に用いることができる。本発明の乳化剤を用いることができる水中油型乳化食品としては、アイスクリーム類、ホイップクリーム、カスタードクリーム、マヨネーズ、コーヒークリーム、コーヒー飲料、フラワーペースト等が挙げられ、乳化粒子径と口当たりの観点からアイスクリーム類が好ましく、植物油脂の割合が高く乳化性改善効果を発揮しやすい点からアイスクリーム類のなかでもラクトアイスが特に好ましい。更に、ラクトアイスは乳固形分が少ないためコク・濃厚感が不足しがちであるが、後述の実施例から明らかなように本発明の乳化剤を添加することにより乳化性・乳化安定性を改善するだけでなく、乳化食品にコク・濃厚感を付与することができるため、本発明の乳化剤はラクトアイスに有利に用いることができる。
また、本発明の乳化剤を用いることができる油中水型乳化食品としては、バター、マーガリン、スプレッド、チョコレート等を挙げる事ができる。また本発明によれば、油性香料成分と本発明の乳化剤を混合して乳化香料を得ることや、さらにこれを粉末化することで粉末香料を得ることもできる。この観点から、本発明の乳化食品は、直接喫食する食品だけでなく、乳化香料や粉末香料のような乳化した食品原料や食品添加物も含むものである。
本発明の乳化食品は本発明の乳化剤の存在下で他の食品原料を均質化処理することにより製造することができる。均質化処理は各種ホモジナイザーを用いて実施することができる。均質化処理の条件は乳化食品の種類に応じて適宜決定することができ、例えばアイスクリームはTKホモミクサーを使用して5000rpm 5分予備撹拌後、高圧ホモジナイザー(150Bar)を使用してホモジナイズすることができる。
乳化食品に対する本発明の乳化剤の添加量に特に制限は無いが、乳化剤が食品の固形分当たり0.1〜99.9質量%含まれるように配合することができ、好ましくは0.1〜50質量%含まれるように配合することができる。特に、ラクトアイスに乳化剤を配合する場合は、乳化剤がラクトアイスの固形分当り1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%含まれるように配合することができる。
本発明によれば本発明の乳化剤の存在下で原料を均質化処理することを含んでなる、乳化食品の製造方法が提供される。本発明の製造方法は本発明の乳化剤および本発明の乳化食品に関する記載に従って実施することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、本明細書において「固形分」当たりの割合や「固形分」の含有割合に言及した場合には、固形成分の質量に基づいて定められた割合を意味するものとする。また、実施例中の割合(%)は特に断りがない限り質量%を表し、実施例中の部は特に断りが無い限り質量部を表す。
製造例1:水溶性食物繊維(試料1)の調製
固形分当り100kgの水あめ(DE87、日本食品化工社製)に2%(固形分当たり)の活性炭(水蒸気炭;フタムラ化学社製)を添加混合後、二軸加熱反応機に投入し、200±30℃で加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。得られたサンプルを固形分当たり30%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質(糖質画分)を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、濃縮・乾燥することで水溶性食物繊維(試料1)を調製した。
なお、試料1の食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、81.6%であった。
製造例2:水溶性食物繊維(試料2)の調製
製造例1で得られた試料1から2糖以下の画分を疑似移動床法の樹脂分画装置により除去することで、水溶性食物繊維(試料2)を調製した。
なお、試料2の食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、91.5%であった。
製造例3:水溶性食物繊維(試料3)の調製
製造例1で得られた試料1をα−アミラーゼおよびα−グルコシダーゼで消化性画分を分解した後、2糖以下の画分を疑似移動床法の樹脂分画装置により除去することで、水溶性食物繊維(試料3)を調製した。
なお、試料3の食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、99.7%であった。
製造例4:水溶性食物繊維(試料4)の調製
固形分当り1kgの水あめ(DE76、日本食品化工社製)に、2%(固形分当たり)の活性炭(水蒸気炭;フタムラ化学社製)をステンレス容器内で添加混合後、熱風乾燥機に投入し、200±30℃で加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。得られたサンプルを固形分当たり30%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質(糖質画分)を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、濃縮・乾燥することで水溶性食物繊維(試料4)を調製した。
なお、試料4の食物繊維含量を、平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定したところ、79.0%であった。
構成糖としてグルコース以外を含有するその他の水溶性食物繊維として、試料5:水溶性大豆多糖類(ソヤファイブ、不二製油社社製)、試料6:水溶性ヘミセルロース(アラビノキシラン、日本食品化工社製)および試料7:ポリデキストロース(ライテス2、デュポン社製)を準備した。また、構成糖としてグルコースのみからなる非水溶性食物繊維(消化性糖質)として、試料8:デキストリン(パインデックス#4、松谷化学工業社製)を準備した。
試験例1:乳化粒子のメジアン径および粘度の測定
水40部に試料20部を溶解しさらに植物性油(コーン油)40部を添加した後、ホモジナイザー(日音医理科器機製作所製 ヒスコトロンNS-50S)20000rpm 3分間ホモジナイズして乳化物を調整した直後に、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製LA-950)を使用してバッチ式セル使用、使用した油および水の屈折率の条件下(コーン油の屈折率1.470、水の屈折率1.333)で測定することで、試料中の乳化粒子のメジアン径を測定した。対照は水を使用した。
また、試料を水に溶解して固形分10%の溶液とし、30℃における粘度を、B型粘度計(東機産業製 TVB−10、ローターNo2、60rpm、15秒間)を用いて測定した。
上記手法で測定した各試料の乳化粒子のメジアン径および粘度を表1に纏めた。
Figure 2016007588
試験例2:乳化性および乳化安定性の確認
以下の手法により、試料1〜8の乳化性および乳化安定性を評価した。即ち、水40部に試料20部を溶解し植物性油(コーン油)40部を添加した後、ホモジナイザー(日音医理科器機製作所製 ヒスコトロンNS-50S)で20000rpm 3分間ホモジナイズして乳化物を調整した。得られた乳化物100mlを100ml容メスシリンダーに分注し、7日間静置した。静置1日後および7日後の油の分離量を測定した。その結果を、表2に示した。
Figure 2016007588
試料1〜4は、1日後の油分離量が顕著に少なく、7日後の油分離量も少なかったことから、優れた乳化力および乳化安定性を有していることがわかった。特に、試料1〜3は7日後の油分離量が特に少なく、より高い乳化安定性を有していた。構成糖としてグルコース以外を含む水溶性食物繊維(試料5〜7)は、乳化力および乳化安定性共に試料1〜4と比べ大きく劣っていた。構成糖としてグルコースのみからなる消化性糖質(試料8)は、1日後の油分離量は比較的少なかったが、7日後の油分離量が多く、乳化安定性に問題が有った。
実施例1:ラクトアイス
試料1〜8を用いてラクトアイスを製造した。すなわち、各種試料10.8部を水あめ類8.5部、高甘味度甘味料0.025部、脱脂粉乳5.0部、乳蛋白3.2部、グリセリン脂肪酸エステル0.2部、増粘多糖類0.3とともに水に撹拌分散し、加熱した。60℃で無塩バター3.5部、精製ヤシ油4.0部を加え溶解した後、80℃で10分間保持した。次にTKホモミクサー(プライムミクス(株)製)で5000RPM 5分撹拌し予備乳化した。さらに高圧ホモジナイズ(150Bar)して均質化した。10℃以下で冷却しながら一晩エージングした。エージング後、香料0.1部を加え、フリージング(バッチ式、エフ・エム・アイ社製 HYPER−TRON・ミニ使用)し、カップ充填後冷凍してラクトアイスを得た。
ラクトアイスの口当たりの滑らかさ、コク(濃厚感)、後味のキレについて8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「滑らかさを感じる」「コク(濃厚感)を感じる」「キレが良い」
3点:「滑らかさをやや感じる」「コク(濃厚感)をやや感じる」「キレがやや良い」
2点:「滑らかさを僅かに感じる」「コク(濃厚感)を僅かに感じる」「キレが僅かに悪い」
1点:「滑らかさを感じない」「コク(濃厚感)を感じない」「キレが悪い」
また、ラクトアイスのトータルの美味しさを1〜4点の4段階で総合評価した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「食感、味質に関し、総合的に美味しい」
3点:「食感、味質に関し、総合的にやや美味しい」
2点:「食感、味質に関し、総合的にやや美味しさに欠ける」
1点:「食感、味質に関し、総合的に美味しさに欠ける」
滑らかさ、コク(濃厚感)、後味のキレおよび総合評価の平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
○:平均点2.0以上〜3.0未満
◎:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表3に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を配合したラクトアイスは、口当たりの滑らかさが非常に良好であった。これは、ラクトアイス中の油脂分が小さな粒子で均一に乳化しているためと考えられる。特に、試料1、試料2および試料3は、滑らかさに加えて味質の濃厚感(コク)が特に良好で、後味のキレも評価が高かった。試料5と試料6は濃厚感がやや感じられたものの、滑らかさが不足し、後味のキレが悪かった。試料7は何れの項目においても、評価が低かった。試料8は、滑らかさはやや感じられたものの、濃厚感や味のキレに乏しい食味であった。
実施例2:コーヒークリーム
試料1〜8を用いてコーヒークリームを製造した。水35部にショ糖脂肪酸エステル0.06部、脱脂粉乳5.0部、各試料20.0部を添加し、80℃ 10分間加熱溶解した。なたね油40.0部を加え、再度80℃達温にて加熱溶解した。ホモジナイザー(日音医理科器機製作所製 ヒスコトロンNS−50S)を使用して、20.000rpm 3分間撹拌し、予備乳化した後、高圧ホモジナイザー(150Bar)で均質化した。製造したコーヒークリームの評価を行った。
冷蔵7日後のコーヒークリームの乳化状態、ホットコーヒー(85℃)に加えたときのオイルオフ状態、味の濃厚感について8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「乳化状態が良好」「オイルオフが殆ど無い」「味に濃厚感がある」
3点:「乳化状態がやや良好」「オイルオフが若干認められる」「味にやや濃厚感がある」
2点:「乳化状態がやや不良」「オイルオフがやや認められる」「味があっさりしている」
1点:「乳化状態が不良」「オイルオフが認められる」「味がややあっさりしている」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表4に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を使用したコーヒークリームは、乳化状態が良好で、オイルオフが殆ど認められなかった。また、コク(濃厚感)が感じられた味質であった。試料1と試料2は、乳化状態が特に良好で、味質に濃厚感があった。試料5と試料6は、乳化状態が悪くオイルオフが多く認められた。試料7試料8は、味の濃厚感が無く、水っぽい味質となった。
実施例3:コーヒー飲料
試料1を用いてコーヒー飲料を製造した。下記配合表に従い混合後、TKホモミクサー(プライムミクス(株)製)で6,000rpm、1分間乳化した。缶内圧が陽圧となるよう飲料用缶に充填し、123℃、20分間加熱殺菌して、コーヒー飲料を得た。
Figure 2016007588
コーヒー飲料のコク(濃厚感)、後味のキレ、異味感について8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「コク(濃厚感)を感じる」「キレが良い」「異味感が無い」
3点:「コク(濃厚感)をやや感じる」「キレがやや良い」「異味感が僅かにある」
2点:「コク(濃厚感)を僅かに感じる」「キレが僅かに悪い」「異味感がある」
1点:「コク(濃厚感)を感じない」「キレが悪い」「異味感が強い」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表6に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1を含む試験区1、2はコク(濃厚感)を付与しつつ、異味感がなく高評価であり、また、開封時の泡立ちや乳成分の分離浮上が無かった。
実施例4:乳飲料
試料1を用いてホットミルクココア飲料(乳飲料)を製造した。表7に記載された水以外の混合物に、熱水を少しずつ加えて攪拌して練り上げるようにし、ダマが無くなった時点で残りの水を加えた。その後、60〜80℃に加熱し高圧ホモジナイザーで均質化した。缶内圧が陽圧となるよう飲料用密封缶に充填し、123℃、20分間加熱殺菌して、ホットミルクココア飲料を得た。55℃で2週間保存した後、官能評価を実施した。
Figure 2016007588
対照区1は、僅かに粘度が低く、沈殿が生じた。また、油脂分の浮上によるミルクリングの発生も見られた。これに対し試験区1および2のミルクココア飲料は、いずれも沈殿や油脂分の分離がなく、また、外観、風味共に良好なホットミルクココア飲料であった。対照区1のホットミルクココア飲料は、風味評価でざらつきが認められたが、試験区1および試験区2はざらつきが無かった。
実施例5:マヨネーズ
試料1〜8を用いてマヨネーズを製造した。冷水19.38部に全卵12.0を加えてフードカッターにかけ、混合した。粉混合品(食塩2部、上白糖1.82部、増粘多糖類0.5部、グルタミン酸Na0.3部)を添加し、均一化した。α化澱粉4.2部を加えて混合後、各種試料16.6部を混合した。1分30秒撹拌しながらサラダ油24.0部を少量ずつ加え、乳化させマヨネーズを得た。
マヨネーズ風調味料の舌触りの滑らかさ、口溶け、濃厚感について8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「舌触りが滑らか」「口溶けが良好」「味に濃厚感感じる」
3点:「舌触りがやや滑らか」「口溶けがやや良好」「味に濃厚感やや感じる」
2点:「舌触りが僅かに滑らか」「口溶けがやや悪い」「味がややあっさりしている」
1点:「舌触りの滑らかさが不足」「口溶けが悪い」「味があっさりしている」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表8に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料5〜8と比べて、試料1、試料2、試料3、試料4を使用したマヨネーズは、舌触りの滑らかさ、口溶け良好で、コク(濃厚感)が感じられた味質であった。試料5と試料6は、舌触りの滑らかさ、口溶けが悪く、試料7試料8は、味の濃厚感が不足していた。
実施例6:ゴマドレッシング
試料1〜8を用いてゴマドレッシングを製造した。水27.9部に、各種試料10.0部、白ゴマペースト10.0部、薄口醤油6.5部、モモ果汁2.0部、食塩1.8部、酵母エキス1.0部、シイタケエキスパウダー0.5部、蛋白加水分解物1.0部、粉からし0.30部、ステビア0.1部、キサンタンガム0.10部、サラダ油8.0をTKホモミクサー(プライムミクス(株)製)で8000rpm 80℃で10分間加熱溶解、加熱乳化する。最後にすりゴマ6.0部、穀物酢25.0部を添加し、DCスターラー600rpm 5分間 撹拌し、急速冷却し、ゴマドレッシングを得た。
ゴマドレッシングの乳化状態、流動性(絡み)、ゴマ風味について8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「乳化状態が良好」「野菜への絡みが良好」「ゴマの風味が強い」
3点:「乳化状態がやや良好」「野菜への絡みがやや良好」「ゴマの風味がやや強い」
2点:「乳化状態がやや悪い」「野菜への絡みがやや悪い」「ゴマの風味が僅かに感じる」
1点:「乳化状態が悪い」「野菜への絡みが悪い」「ゴマの風味があまり感じない」
でパネラー8名が評価し、評価点の平均点を算出した。平均点に応じて3段階の評価を設けた。
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表9に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を使用したゴマドレッシングは、乳化状態が良好で、野菜への絡みが調度良かった。また、ゴマ風味が強く感じられた。試料5と試料6は、乳化状態が悪く、野菜への絡みが悪かった。また、試料7試料8は、ゴマの風味が弱かった。
実施例7:フラワーペースト
試料1〜8を用いてフラワーペーストを製造した。寸胴鍋に水を量りとり、予め混合した脱脂粉乳4.0部、全脂粉乳2.5部、乳性蛋白1.5部を加えてホイッパーで撹拌溶解した。さらに予め混合した砂糖13.84部、食塩0.03部、酸味料0.11部、増粘多糖類0.04部を入れ、ホイッパーで撹拌溶解した後、混合しておいた各種試料8.0部、水あめ17.40部、加糖卵黄1.10部と卵白3.60部を加えた。以上の工程を30℃程度で実施した。火を少し強めて50℃達温にて原料の溶解を完了し火を止め、これを原液とした。原液に澱粉5.50部、菜種油4.50部を入れTKホモミクサー(プライムミクス(株)製)にて5000rpm 5分間撹拌した。
鍋にホモジナイズした液を移し、歩留まり90%まで煮上げた。バニラエッセンスを加え撹拌し、フラワーペーストを得た。製造したフラワーペーストの滑らかさ、口溶け、味の濃厚感について8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「口当たりが滑らか」「口溶けが良い」「味に濃厚感がある」
3点:「口当たりがやや滑らか」「やや口溶けが良い」「味にやや濃厚感がある」
2点: 「口当たりの滑らかさがあまり無い」「口溶けがやや悪い」「味に濃厚感がやや不足している」
1点:「口当たりの滑らかさが無い」「口溶けが悪い」「味に濃厚感が無い」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表10に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を使用したフラワーペーストは、口当たりの滑らかさがあり、口溶けが良好であった。また、コク(濃厚感)が感じられた味質であった。試料1と試料2は、乳化状態が特に良好で、味質に濃厚感があった。試料5と試料6は、滑らかさが無く、口溶けも悪かった。試料7、試料8は、味の濃厚感が無く、物足りない味質となった。
実施例8:ファットスプレッド
試料1〜8を用いてファットスプレッドを製造した。マーガリン25部を量り取り、ケンウッドミキサーにて一定の比重(0.80)になるまでエアレーションした。得られたクリームに、予め混合した水飴46.5部、加糖練乳3.5部、水3.86部、各種試料21.14部の混合水溶液を少しずつ加えて1分間撹拌し、最終比重0.84〜0.86のファットスプレットを得た。
ファットスプレッドの保形性、口溶け感、コクについて8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「保形性良い」「口溶け良い」「味質に濃厚感を感じる」
3点:「保形性やや良い」「口溶けやや良い」「味質に濃厚感をやや感じる」
2点:「保形性僅かに良い」「口溶け僅かに良い」「味質に濃厚感を僅かに感じる」
1点:「保形性悪い」「口溶け悪い」「味質に濃厚感を感じない」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表11に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を使用したホイップクリームは、保形性、口溶けが良好であった。また、味質に濃厚感が感じられた。試料5と試料6は、保形性がやや劣り、口溶けも悪かった。試料7と試料8は、味の濃厚感が無く、やや水っぽい味質となった。
実施例9:ミックス粉
試料1〜8を用いてフライ食品用ミックス粉を製造した。架橋澱粉33.0部、ハイアミローススターチ加工品8.0部、ブドウ糖8.0部、粉末卵白2.0部、大豆タンパク4.0部、各種試料5.0部を予め粉体混合した。水150.0部に増粘多糖類0.7部を分散させ、更に粉体混合したミックス粉を加え撹拌した。植物油脂40部を加え、TKホモミクサー(プライムミクス(株)製)にて5000rpm 5分間撹拌して乳化させた。コロッケの具にこの乳化バッターをバッター率30%となるように付着させ、パン粉付けを行った。175℃でフライし、急速凍結した。−18℃で2週間冷凍保存し、電子レンジで加熱後、官能評価に供した。
コロッケの衣の硬さ、サクサク感、ドライ感、硬さ、歯切れについて8名の訓練されたパネラーにより官能評価を実施した。官能評価は1〜4点の4段階で行い、評価点の平均点を算出した。評価基準は以下の通りであった。
4点:「サクサク感があり」「油感少なくドライ感を感じる」「硬くない」「歯切れが良い」
3点:「サクサク感がややあり」「油感少なくドライ感をやや感じる」「やや硬くない」「歯切れがやや良い」
2点:「サクサク感あまり無い」「油感やや多く、ドライ感があまり感じられないる」「やや硬い」、「歯切れがやや悪い」
1点:「サクサク感が無い」「油感多く、ドライ感を感じない」「硬い」「歯切れが悪い」
平均点に応じて3段階の評価を設けた。
×:平均点1.0以上〜2.0未満
△:平均点2.0以上〜3.0未満
○:平均点3.0以上〜4.0以下
評価結果は表12に示される通りであった。
Figure 2016007588
試料1、試料2、試料3および試料4を乳化バッターに使用したコロッケは、硬さが適度で歯切れの良い食感を呈していた。試料5、試料6、試料7および試料8は、硬く、歯切れの悪い食感であった。なお、試料1〜4の水溶性食物繊維を、油脂を含まない通常のバッターに添加して同様にコロッケを得たところ、乳化バッターと同様にサクサク感、ドライ感、硬さおよび歯切れの優れた好ましいコロッケを得る事ができた。すなわち、本実施例によれば、本発明の乳化剤は油脂を含まない通常のバッターだけでなく、油脂を含む乳化バッターでも使用可能であることが示された。

Claims (7)

  1. グルコースを構成糖とする水溶性食物繊維を含んでなる、乳化剤。
  2. 水溶性食物繊維がグルコースおよび/またはグルコース重合体を加熱縮合することで得られた糖縮合物である、請求項1に記載の乳化剤。
  3. 条件Aで測定したメジアン径が7μm以下である乳化粒子を調製することができる、請求項1または2に記載の乳化剤(条件A:水40質量部に水溶性食物繊維20質量部を溶解しさらに植物性油40質量部を添加した後、ホモジナイザーで20000rpm 3分間ホモジナイズして乳化物を調製した直後に、乳化粒子のメジアン径をレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置を使用して測定する)。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化剤を含有することを特徴とする、乳化食品。
  5. 乳化食品が水中油型乳化食品である、請求項4に記載の乳化食品。
  6. 水中油型乳化食品がラクトアイスであることを特徴とする、請求項4または5に記載の乳化食品。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化剤の存在下で原料を均質化処理することを含んでなる、乳化食品の製造方法。
JP2014130780A 2014-06-25 2014-06-25 乳化剤および乳化食品 Active JP5834114B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014130780A JP5834114B1 (ja) 2014-06-25 2014-06-25 乳化剤および乳化食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014130780A JP5834114B1 (ja) 2014-06-25 2014-06-25 乳化剤および乳化食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5834114B1 JP5834114B1 (ja) 2015-12-16
JP2016007588A true JP2016007588A (ja) 2016-01-18

Family

ID=54874369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014130780A Active JP5834114B1 (ja) 2014-06-25 2014-06-25 乳化剤および乳化食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5834114B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113100447B (zh) * 2021-04-26 2023-08-29 南昌大学 一种微米级乳化性柑橘果皮膳食纤维制备方法及其应用

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188402A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 Hayashibara Biochem Lab Inc β−グルカンとその製造方法及び用途
JPH01233300A (ja) * 1988-03-15 1989-09-19 Wako Pure Chem Ind Ltd 機能性蛋白質
JP2002306094A (ja) * 2001-04-18 2002-10-22 Asahi Denka Kogyo Kk 加工食品用品質改良剤組成物
JP2004187674A (ja) * 2002-11-26 2004-07-08 Ezaki Glico Co Ltd 新規アミロマルターゼ
JP2005082517A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Asahi Denka Kogyo Kk βグルカン・タンパク質複合組成物
JP2006238879A (ja) * 2005-02-07 2006-09-14 Ezaki Glico Co Ltd α−1,4−グルカンを物性及び食感の改良剤、及びこれを含有する飲食物
JP2007528729A (ja) * 2004-03-12 2007-10-18 ネステク ソシエテ アノニム 菓子用の食用脂ベースのシェルを製造するための方法及び装置並びにそれにより製造された菓子
JP2008531253A (ja) * 2005-02-23 2008-08-14 インペリアル・ケミカル・インダストリーズ・ピーエルシー 乳化剤およびエマルション
JP2009005690A (ja) * 2007-05-29 2009-01-15 Daiso Co Ltd 植物ステノン及び/又は植物ステロール含有乳化分散液、及びその製造方法
JP2012055885A (ja) * 2009-07-02 2012-03-22 Konica Minolta Holdings Inc 特定分散剤を含有する外水相を利用する二段階乳化法によるリポソームの製造方法、ならびに当該リポソームの製造方法を用いるリポソーム分散液またはその乾燥粉末の製造方法およびそれにより製造されるリポソーム分散液またはその乾燥粉末
JP2012213357A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd 経口消臭組成物
JP2013526267A (ja) * 2010-05-11 2013-06-24 トリストラム プロプライエタリー リミテッド 流動性液体組成物

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188402A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 Hayashibara Biochem Lab Inc β−グルカンとその製造方法及び用途
JPH01233300A (ja) * 1988-03-15 1989-09-19 Wako Pure Chem Ind Ltd 機能性蛋白質
JP2002306094A (ja) * 2001-04-18 2002-10-22 Asahi Denka Kogyo Kk 加工食品用品質改良剤組成物
JP2004187674A (ja) * 2002-11-26 2004-07-08 Ezaki Glico Co Ltd 新規アミロマルターゼ
JP2005082517A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Asahi Denka Kogyo Kk βグルカン・タンパク質複合組成物
JP2007528729A (ja) * 2004-03-12 2007-10-18 ネステク ソシエテ アノニム 菓子用の食用脂ベースのシェルを製造するための方法及び装置並びにそれにより製造された菓子
JP2006238879A (ja) * 2005-02-07 2006-09-14 Ezaki Glico Co Ltd α−1,4−グルカンを物性及び食感の改良剤、及びこれを含有する飲食物
JP2008531253A (ja) * 2005-02-23 2008-08-14 インペリアル・ケミカル・インダストリーズ・ピーエルシー 乳化剤およびエマルション
JP2009005690A (ja) * 2007-05-29 2009-01-15 Daiso Co Ltd 植物ステノン及び/又は植物ステロール含有乳化分散液、及びその製造方法
JP2012055885A (ja) * 2009-07-02 2012-03-22 Konica Minolta Holdings Inc 特定分散剤を含有する外水相を利用する二段階乳化法によるリポソームの製造方法、ならびに当該リポソームの製造方法を用いるリポソーム分散液またはその乾燥粉末の製造方法およびそれにより製造されるリポソーム分散液またはその乾燥粉末
JP2013526267A (ja) * 2010-05-11 2013-06-24 トリストラム プロプライエタリー リミテッド 流動性液体組成物
JP2012213357A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd 経口消臭組成物

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
応用糖質科学, vol. 1, no. 4, JPN6014040177, 2011, pages 322 - 326, ISSN: 0002903254 *
応用糖質科学, vol. 2, no. 3, JPN6014040172, 2012, pages 32 - 1, ISSN: 0002903252 *
応用糖質科学, vol. 2, no. 3, JPN6014040174, 2012, pages 33 - 1, ISSN: 0002903253 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5834114B1 (ja) 2015-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210092987A1 (en) Oil-in-water pickering emulsion
JP2012525123A (ja) 濃縮された、クリーム状から固体状の、水中油型エマルジョンの乾燥組成物、その製造方法、及び官能的側面及び栄養生理学の点で改良された食品を製造するためのその使用
JP5004750B2 (ja) 食感改良剤及びその製造方法
JP5321028B2 (ja) 食品用物性改良剤
JP5000463B2 (ja) 油脂含有乳化組成物及びその製造方法、並びに油脂含有乳化組成物を含有する食品
CN100515217C (zh) 可塑性水包油型乳化组合物及其制备方法
CN102802445B (zh) 含有膳食纤维的低脂可搅打乳液
JPWO2012093709A1 (ja) 気泡入り加工食品及びその製造方法、並びに気泡入り加工食品を用いた食品。
JP2011244735A (ja) プリン練り込み用水中油型乳化油脂組成物
JP5834114B1 (ja) 乳化剤および乳化食品
EP2252165B9 (en) Use of alternan as fat or oil replacer in foodstuffs
JP6894317B2 (ja) 油脂組成物
JP6154691B2 (ja) スポンジケーキ用懸濁液
JP4375917B2 (ja) 水中油型乳化脂の製造方法
JP6198468B2 (ja) 水中油型乳化調味料
JP6198469B2 (ja) 水中油型乳化調味料
JP2015208297A (ja) 脂肪代替用組成物およびそれを含有する食品
JP7329408B2 (ja) 植物ベースのクリーム代替物の製造法
JP2014033643A (ja) 酸性ホイップドクリーム
JP2012135254A (ja) ケーキ呈味用水中油型乳化物及びケーキ
KR20210051096A (ko) 당류 저감된 유화 식품 조성물
JP6576626B2 (ja) 水中油型乳化ソース
JP4440842B2 (ja) 酸性水中油型乳化組成物の製造法
JP2009201470A (ja) 焼菓子用離型性改良剤、焼菓子生地、焼菓子、及び、焼菓子の離型性改良方法
JP2024047396A (ja) 起泡性水中油型乳化油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5834114

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250