JP2016000889A - 直線状隙間の覆いシート材及びそれを用いた塗膜防水工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物上に存在する直線状隙間に対し、外見的にも機能的にも優れた形で簡便に処理できる塗膜防水工法と、該工法に用いる材料を提供し、防水塗膜の改修方法を提供することにある。
【解決手段】建築物上に存在する直線状隙間3の覆いシート材10であって、下から順に、複数の板状部材11又は線状部材が並列してなる部材列と、該板状部材等が貼り付けられたテープ状基材12とを少なくとも有し、該複数の板状部材等は、その長辺又はその軸が、該テープ状基材12の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士等が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材上に並列して貼り付けられているものである覆いシート材10、及び、該覆いシート材をロール状に巻いてなる覆いシート材ロール、該覆いシート材10を目地に被せ、その上に塗膜防水材を塗布する防水塗膜の改修方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物上に存在する直線状隙間の覆いシート材に関し、また、該覆いシート材をロール状に巻いてなる覆いシート材ロール、該覆いシート材を、直線状隙間を覆うように被せてその上から塗膜防水材を塗布する塗膜防水工法、及び、既存の直線状隙間材を除去した後に該覆いシート材を直線状隙間に被せ、その上に塗膜防水材を塗布する防水塗膜の改修方法に関するものである。
建築物の屋上等に敷設される例えば押えコンクリートは、夏場は約60℃、冬場は約−20℃という激しい温度変化にさらされることがある。そのため、押えコンクリートには、温度変化に起因する膨張・収縮を吸収するための直線状隙間(目地)が設けられている。
コンクリートの線膨張率は、約1.2×10−5[K−1]であることから、この温度差で長さ1mに対して、約1mm程度伸縮することになる。すなわち、押えコンクリートの膨張と収縮によって、例えば2mピッチに設けられた直線状隙間(目地)の幅は、夏場と冬場で約2mmの膨張と収縮を繰り返すことになる。
屋上等の押さえコンクリートに防水加工を施す際、上記直線状隙間(目地)は、防水性能を低下させる原因となるため、該直線状隙間(目地)には、押さえコンクリートの膨張に対してクッションの役割を果たす目地材を充填する等の処理を施す必要がある。
また、特許文献1では、通気性成形体からなる目地底を有する目地にポリウレタン系シーリング材等を充填して硬化させる処理方法が提案されている。このようなシーリング材を用いた目地の充填方法は、一般的に広く用いられている方法であるが、夏場の目地部の収縮によって、硬化したシーリング材が凸状に盛り上がり、冬場の直線状隙間部の膨張によって、硬化したシーリング材が凹状にへこむという問題や、シーリング材と通気緩衝シートの接着性が悪いという問題がある。
シーリング材に代えて、軽量モルタルを充填させる方法も一般に知られている方法であるが、この方法も、夏場の押さえコンクリートの膨張により、目地が圧縮され、座屈やひび割れが発生するという問題がある。
これらを解決するため、特許文献2には、長尺(例えば、実施例では、幅90mm、長さ900mm、厚さ0.3mm)のアルミニウム等の金属製の板を長手方向の中心線付近で折り曲げた山形の目地カバーを目地部分に被せる工法が提案されており、膨張・収縮を吸収するとされている。
特許文献2の工法では、目地に充填された目地材を除去し、該目地カバーの凹面側を目地部側に向け、シーリング材を目地部施工面に塗布することにより、該目地カバーを押さえコンクリートに仮接着し、その上に通気緩衝シートを貼付し、該通気緩衝シート上にウレタン防水材を塗布することで塗膜防水層を形成している。
しかしながら、前記した種々の従来技術では、温度変化に起因する目地幅の変化に対して充分には対応できなかった。
そのため、前記したような温度変化による部材の膨張・収縮に起因する問題が生じず、外見的にも機能的にも優れた「目地に対する処理方法」の開発が望まれていた。
また、特許文献2等に記載の工法は、通気緩衝シート工法(通気性を有する緩衝シートを下地に貼り付け、その上に塗膜防水材を施工する工法)である。
このため、密着工法(下地面に直接塗膜防水材を塗布する工法)と通気緩衝シート工法の両方に使用できる直線状隙間(目地等)の処理方法の開発が望まれていた。
また、建築物上には、上記目地以外にも種々の直線状隙間が存在する。該直線状隙間には、例えば、板状断熱板接合部等が挙げられる。建築物の屋上等に並列して存在する瓦棒の間に、補修時等に補修部材を設置した時の該瓦棒と該補修部材との隙間のように、補修時に追加した補修部材と既存の部材との間に生じた隙間も挙げられる。
特に、該補修部材が例えば発泡ポリスチレンや発泡ポリウレタンの場合には、それらの線膨張率はコンクリートの線膨張率より大きいため、温度変化に起因する該隙間の幅の変化幅は前記したものより大きくなる。
そのため、建築物上に既に存在している隙間や補修に伴い生じた種々の隙間を含めて、直線状隙間一般に関して、温度変化に起因する直線状隙間の幅の変化に問題なく充分に適応し、外見的にも機能的にも優れた処理方法の開発が望まれていた。
特開2007−100378号公報 特開2009−215732号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、建築物上に存在する目地、板状断熱板接合部等の直線状隙間;補修時等に補修部材を充填させた時の既存部材と該補修部材との間の直線状隙間;等に対し、外見的にも機能的にも優れた形で簡便に処理できる塗膜防水工法及び該工法に用いる材料を提供することにある。
また、作業能率が向上した、防水塗膜の改修方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、複数の略長方形、略楕円形若しくは略菱形の板状部材又は複数の略線状の線状部材を、特定の配置でテープ状基材に貼り付けた覆いシート材を用いて、建築物上の直線状隙間部分を覆うことによって、温度変化による建築部材の膨張・収縮に起因する該隙間の遮蔽性の低下を防止でき、防水機能、密着機能等の物理的機能や、平坦性、隙間交差部での無段差等の外見的機能に優れたものができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、建築物上に存在する直線状隙間の覆いシート材であって、
下から順に、複数の略長方形、略楕円形若しくは略菱形の板状部材又は複数の略線状の線状部材が並列してなる部材列、及び、該板状部材又は該線状部材が貼り付けられたテープ状基材、を少なくとも有し、
該複数の板状部材又は該複数の線状部材は、その長辺又はその軸が、該テープ状基材の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士又は該線状部材同士が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材上に並列して貼り付けられているものであることを特徴とする覆いシート材を提供するものである。
また、本発明は、上記の覆いシート材をロール状に巻いてなることを特徴とする覆いシート材ロールを提供するものである。
また、本発明は、上記の覆いシート材を、建築物上に存在する直線状隙間を覆うように被せ、その上から塗膜防水材を塗布することを特徴とする塗膜防水工法を提供するものである。
また、本発明は、上記直線状隙間が目地であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、上記の覆いシート材を該目地に被せ、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法を提供するものである。
また、本発明は、上記直線状隙間が目地であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、上記の覆いシート材を該目地に被せ、その上に通気緩衝シートを設け、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点と課題を解決し、建築物上(特に建築物の屋上等)に、新設時から存在する、押えコンクリート、ALC板、PC板、金属板、スレート板等の既存部材;新設時や改修時に、「板状断熱版、ALC板、PC板、金属板、スレート板等の建築物上の既存の凸部若しくは凹部」の間に設置・補充した補修部材;等の温度変化によって、「それらが形成する隙間」の幅(間隔)の変化による問題点に好適に対応して該問題点を解消できる。言い換えれば、本発明によれば、温度変化があっても、物理的・機械的・機能的に問題のない覆いシート材を提供できる。
具体的には、温度変化によって生じる該隙間の遮蔽性の低下(例えば、防水機能、密着機能等の低下)、覆いシート材自体の温度変形による種々の弊害等を抑制できる。
また、上記部材の温度変化によって生じる、直線状隙間の間隔の変化や既存部材や補修部材の移動・変形;覆いシート材自体の移動・変形;等に起因する上記した機能的問題以外にも、屋上等の平坦性(歩き易さ、歩行感、美感に影響)、該隙間の交差部等での無段差性等、美的・外見的にも優れた覆いシート材を提供できる。
また、本発明の覆いシート材は、施工現場において容易に希望する長さに切断できるので、本発明の覆いシート材の使用場所は、特に屋上等の足場が不安定な場所が多いこともあり、かかる現場での作業性が格段に向上する。
また、ロール状にできるので、長尺状に比較して極端にコンパクトになり、持ち運びが容易になるので、現場での作業性が格段に向上する。
また、本発明の覆いシート材を用いれば、温度変化による建築部材の変形による直線状隙間の間隔の変化による弊害(覆いシート材の変形、密着性不良等)が抑えられるのみならず、温度変化による覆いシート材自体の変形・歪みによる、凹凸の発生、剥離、密着不良等も抑えられるので、防水塗膜の改修の際に特に効果を発揮する。すなわち、補修後の防水性が向上し、また外見も良好なものとなる。
更に、本発明の覆いシート材が上記効果を発揮すること(理由等)について、本発明の覆いシート材を構成する要素(パーツ、手段)毎と、各要素の有する機能毎に、以下に説明する。
(1)押えコンクリート等の部材に直接密着する最下粘着層や、少なくとも覆いシート材の両脇において部材に直接密着する接着剤層が、温度変化に起因する押えコンクリート等の部材の伸縮に伴う横方向(隙間の幅方向、覆いシート材の幅方向)の動きを吸収し、コンクリート下地になじむため、熱変形による密着性、防水性、外見等の低下を抑制できる。
(2)全て金属等で形成された長尺物のような「剛直で温度変化によって直接その全長が変動するもの」を使用せず、板状部材、線状部材と言った金属部分を小さなユニットにすることにより、縦方向(直線状隙間の直線方向、覆いシート材の長手方向)の伸びを抑えることができる。
すなわち、最下粘着層や接着剤層が、温度変化に起因する縦方向の動きを吸収し、熱変形による密着性、防水性、外見等の低下を抑制できる。
(3)板状部材又は線状部材同士が間隔を開けて並列して貼り付けられているので、かかる間(柔らかい部分)において、覆いシート材を容易に切断することが可能となり、作業性が良好となる。
また、切断する部分は強度が低いので、切断に伴う変形の問題が生じない。
(4)板状部材又は線状部材を切断する必要がないため、板状部材又は線状部材自体を硬い材質にでき強度を上げることができるので、覆いシート材全体としての強度が向上し、施工完了後の直線状隙間の上部の歩行感が良いものとなる。
(5)上記構造であるため、覆いシート材を任意の場所で任意の長さに切断でき、直線状隙間の長さや配置がどのようになっていても、施工現場において柔軟に対応できる。
従来の「現場では切断できない長尺のシート材」を用いるときには、直線状隙間の交差部分等、凹凸、段差、当接不良等が生じ易かった部分では施工が難しかったが、本発明の覆いシート材を用いれば、任意の長さに切断可能であるため、このような場所にも好適に適用できる。
(6)従来の「全て金属製であり剛直な長尺のシート材」で発生していた「直線状隙間の長手方向に存在する段差、凹凸、うねり等による密着ムラ」が発生せず、直線状隙間周辺部に、長手方向に全面均一に密着させることができる。
(7)板状部材又は線状部材が、間隔を開けてテープ状基材上に並列して貼り付けられているので、該テープ状基材の材質を柔らかくしておけば、覆いシート材をロール状に巻いて、「覆いシート材ロール」の形態にできる。
そのため、コンパクトで扱い易く、保管に場所を取らず、運搬も容易になる。
(8)本発明の覆いシート材は、上記のように、防水機能に優れ、作業性も良く、施工現場において柔軟な対応が可能であるため、防水塗膜の改修の際に特に効果を発揮し易い。
すなわち、本発明の覆いシート材は、上記効果を発揮するので、その上から塗膜防水材を塗布してなる塗膜防水層も上記効果を反映し、防水性が向上し外見も良好なものとなる。
(9)塗膜防水工法において、押えコンクリート等の間に存在する目地周りの性能に上記効果を特に発揮する。すなわち、「建築物上に存在する直線状隙間」が目地のときに、特に上記効果を発揮する。
例えば、本発明の覆いシート材を目地の上に被せれば、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、新たな目地材を埋め込まなくてもよくなる。
(10)本発明の覆いシート材を塗膜防水工法に用いれば、通気緩衝シート工法(通気性を有する緩衝シートを下地に貼り付け、その上に塗膜防水材を施工する工法)にも、密着工法(下地面に直接塗膜防水材を施工する工法)にも適用できる。
本発明の覆いシート材を適用する「建築物上に存在する直線状隙間」の一例と、本発明の覆いシート材を適用した後の状態を示す平面図である。 (a)覆いシート材適用前の部材の平面図 (b)覆いシート材を部材に適用した後の平面図 本発明の覆いシート材の、最下粘着層のない形態を示す長手方向での概略縦断面図である。 (a)板状部材が1つずつ接着剤によってテープ状基材上に貼り付けられた形態 (b)板状部材が接着剤層を介して貼り付けられた形態 本発明の覆いシート材の、最下粘着層のある形態を示す長手方向での概略縦断面図である。 (a)最下粘着層を、熱融着、溶液塗布等で付与した形態 (b)最下粘着層を、両面粘着テープで付与した形態 本発明の覆いシート材の、離型フィルムが付与された形態を示す長手方向での概略縦断面図である。 (a)最下粘着層を、熱融着、溶液塗布等で付与した形態 (b)最下粘着層を、両面粘着テープで付与した形態 本発明の覆いシート材を、直線状隙間を覆うように被せて両脇の部材に密着適用した状態を示す幅方向での概略縦断面図(図1(b)のA−A’矢視断面図)である。 本発明の覆いシート材を部材に密着適用したときの端部の形態の一例を示す幅方向での概略縦断面図である。 (a)接着剤層を有するテープ状基材、最下粘着層、板状部材の順に脇に張り出している形態(の順に長い形態) (b)接着剤層を有するテープ状基材と最下粘着層が同程度で脇に張り出している(テープ状基材と最下粘着層の幅が等しい)形態 テープ状基材に貼り付けられた板状部材の形態を示す本発明の覆いシート材の図3(a)の形態を下から見た概略底面図である。 (a)板状部材が長方形 (b)板状部材が略長方形 (c)板状部材が楕円形 (d)板状部材が菱形
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明は、建築物上に存在する直線状隙間の覆いシート材であって、
下から順に、複数の略長方形、略楕円形若しくは略菱形の板状部材又は複数の略線状の線状部材が並列してなる部材列、及び、該板状部材又は該線状部材が貼り付けられたテープ状基材、を少なくとも有し、
該複数の板状部材又は該複数の線状部材は、その長辺又はその軸が、該テープ状基材の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士又は該線状部材同士が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材上に並列して貼り付けられているものであることを特徴とする覆いシート材である。
<覆いシート材の使用態様>
「建築物上に存在する直線状隙間」とは、例えば、「屋上、ベランダ、屋根、外壁、内壁、床等の建築物」に存在する直線状隙間のことを言い、建築物に存在する既存の部材間の隙間のことも言うし、「新設時や改修時に設置・補充した補修部材」と既存部材との隙間のことも言い、補修部材同士間の隙間のことも言う。
また、ここで、「直線状隙間」とは、本発明の覆いシート材の前記効果を奏す程度に直線的な隙間であればよく、完全な直線でなくても略直線状であれば含まれる。
上記「既存部材」としては、特に限定はないが、例えば、建築物上(特に建築物の屋上等)に新設時から存在する、押えコンクリート、ALC板、PC板、金属板、スレート板等が挙げられる。
また、新設時や改修時に用いる上記「補修部材」としては、特に限定はないが、例えば、「板状断熱版、ALC板、PC板、金属板、スレート板等の建築物上の既存の凸部若しくは凹部」の間に設置・補充したもの等が挙げられる。
図1に、本発明の覆いシート材10の使用態様を示す。図1(a)は、部材とその間に存在する目地3’を上から見た概略平面図である。該目地3’は図1の中央部で交差している。なお、本発明の適用範囲は、建築物上に存在する部材であれば、押えコンクリート2’には限定されず、直線状隙間3であれば、目地3’には限定されない。
図1(a)に示すように、押えコンクリート2’の間には、通常、直線状隙間3(目地3’)が設けられており、本発明の覆いシート材10は、直線状隙間3(目地3’)に適用する。
1つの押えコンクリート2’の大きさは、50cm〜4mであり、通常は2m〜3mであり、目地3’の長さは、通常は押えコンクリート2’の設置された建築物の横の長さ(屋上等の長さ)であり、目地3’の幅は、4mm〜30mmであり、通常は15mm〜25mmである。
本発明の覆いシート材10は、上記のようなサイズの目地3’等の直線状隙間3に好適に適用可能である。
図1(b)は、本発明の覆いシート材10を、目地3’を覆うように被せて、該目地3’の周辺部に密着させた後の状態を上から見た平面図である。直線状隙間周辺部4で、覆いシート材10は押えコンクリート2’に密着している。
図1(b)では、縦に走る目地3’に覆うように被せた覆いシート材10は、途中で途切れていないが、横に走る目地3’に被せた覆いシート材10は、左右2つに分かれており、縦に被せた覆いシート材10の側面に横から突き当って当接している。特許文献2の目地カバーでは施工後に山型になるが、本発明の覆いシート材10を用いると、この当接部分が平坦に施工できる。また、本発明の覆いシート材10は、任意の位置で切断できるので、当接させることが可能であり、塗膜付与性(無段差性)、防水性、外観、歩行感等に優れる。
該交差部分において、覆いシート材10を重ねて使用することもできる。例えば、横方向の覆いシート材10の上に縦方向の覆いシート材10を被せることもできるが、覆いシート材10は重なっていない方が、施工後に凹凸ができず、その上から塗膜防水工法を施したときには、防水塗膜の上から目立ち難いため好ましい。
また、部材の熱膨張や熱収縮が起きて、直線状隙間3の幅が変化しても、最下粘着層21や接着剤層13が(特に最下粘着層21が)その変化を吸収する。また、本発明の覆いシート材10は、温度が変化しても、最下粘着層21や接着剤層13が(特に最下粘着層21が)、覆いシート材10の長手方向の長さ変化を吸収する。
そのため、夏冬等の温度変化があっても、図1のような直線状隙間3(目地3’)の交差部分においても、伸びて本発明の覆いシート材10が上に向かって膨らんだり、逆に縮んで縦と横の覆いシート材10の当接箇所が広がったりすることがない。
一般に、例えば、コンクリートの線膨張率は、約1.2×10−5[K−1]であることから、押えコンクリート2’の膨張と収縮によって、例えば2mピッチに設けられた押えコンクリート2’間の直線状隙間3(目地3’)の幅は、夏場(輻射によって表面は約60℃になる)と冬場(約−20℃になる)とで、2mm程度の膨張と収縮を繰り返すことになる。
本発明の覆いシート材10を用いれば、かかる温度変化があっても、それが密着された部材の伸び縮み(膨張と収縮)を、最下粘着層21や接着剤層13が(特に最下粘着層21が)吸収して、直線状隙間3を問題なく遮蔽を維持できる。
また、上記既存部材2や補修部材2には、コンクリートより線膨張率が大きいものがあるが、その場合でも、本発明の覆いシート材10を用いれば、温度変化に対応して、直線状隙間3を問題なく遮蔽を維持できる。
<覆いシート材>
本発明の覆いシート材10は、下から順に、すなわち適用対象となる建築物の面に近い側から、
複数の略長方形、略楕円形若しくは略菱形の板状部材11又は複数の略線状の線状部材が並列してなる部材列
、及び、
該板状部材11又は該線状部材が貼り付けられたテープ状基材12、
を少なくとも有する。
本発明の覆いシート材10の横幅は、直線状隙間を覆うように被せることができ、直線状隙間の両脇の直線状隙間周辺部に充分に密着できれば特に限定はないが、40mm〜200mmが好ましく、60mm〜150mmがより好ましく、80mm〜120mmが特に好ましい。
横幅が上記下限以上であれば、直線状隙間を覆うように被せて、良好に目地等の直線状隙間の両脇に密着でき、一方、横幅が上記上限以下であれば、覆いシート材が大きくなりすぎて無駄になることがなく、コスト的に有利である。
<<板状部材又は線状部材>>
板状部材は、略長方形、略楕円形若しくは略菱形である。図7に、本発明の覆いシート材の一例である図3(a)の形態を下から見た概略底面図を示す。図7(a)〜(d)では、それぞれ2個の板状部材が代表して記載されているが、該板状部材は、テープ状基材に並列して貼り付けられて部材列を構成している。
図1(b)及び図7(a)は板状部材が長方形の場合であり、図7(b)は板状部材が略長方形の場合であり、図7(c)は板状部材が楕円形の場合であり、図7(d)は板状部材が菱形の場合である。
板状部材11は、図1(b)及び図7に示したように、その平面形状が略長方形、略楕円形若しくは略菱形であれば特に限定はなく、後述する「板状部材同士の間隔」が適当にとれ、該間隔部分で本発明の覆いシート材10が切断できるようになっていれば完全な長方形、楕円、菱形でなくてもよい。板状部材11の平面形状は、略長方形の場合は、例えば、長辺の中央部が若干凹んだ鼓型でも、図7(b)に示したように長辺の中央部が若干膨らんだ樽型でもよい。
板状部材11の平面形状が略長方形の場合は、板状部材11自体は板状の略直方体である。限定はされないが、この略直方体の頂点にRが付いていることや、この略直方体の稜に面取りがしてあることは、柔らかい最下粘着層を破って露出してくることを抑制し、テープ状基材を傷つけないために好ましい。
また、同様に、略楕円形や略菱形の場合も、Rが付いていることや、面取りがしてあることは、上記と同様の点から好ましい。
また、線状部材の断面の形状は、正円、楕円、正方形、長方形の何れでもよい。
板状部材11の厚さ(線状部材においては太さ)は、特に限定はないが、0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが特に好ましい。
薄すぎたり細すぎたりすると、強度が低下したり、施工後の歩行感が悪くなったりする場合がある。逆に、厚すぎたり太すぎたりすると、材料のコストアップにつながり無駄であったり、施工後に直線状隙間3の両脇に凸部ができ、その膨らみや段差が目立つ場合がある。
板状部材11の略長方形の短辺11b、略楕円形の短軸11d若しくは略菱形の短対角線11fの長さは、特に限定はないが、2mm以上30mm以下であることが好ましく、3mm以上20mm以下であることがより好ましく、5mm以上15mm以下であることが特に好ましい。
短辺の長さが短すぎると、強度的に弱くなったり、施工後の歩行感が悪くなったりする場合がある。逆に、長すぎると、それ以上の強度を必要としなかったり、ロール状にし難くなったり、作業性が悪くなったり、切断を希望する場所に板状材料があるために任意の場所での切断ができなかったり、コストアップになり無駄になる場合がある。
板状部材11の略長方形の長辺11a、略楕円形の長軸11c若しくは略菱形の長対角線11eの長さや、線状部材の長さは、特に限定はないが、10mm以上300mm以下であることが好ましく、40mm以上150mm以下であることがより好ましく、60mm以上100mm以下であることが特に好ましい。
長辺や線状部材の長さが短すぎると、コンクリート等が伸縮した際に板状部材11や線状部材が受ける歪みが大きくなったり、最下粘着層21の幅が十分に確保できずに直線状隙間3を完全に覆えなくなったりする場合がある。逆に、長すぎると、材料のコストアップになり無駄であったり、覆いシート材の幅が大きくなりすぎて作業性が悪くなったりする場合がある。
なお、略長方形の長辺11aと短辺11b、略楕円形の長軸11cと短軸11d、略菱形の長対角線11eと短対角線11fの定義は後述する。
板状部材11又は線状部材の材質は、特に限定はないが、施工完了後の歩行感を良いものとするという観点から、ある程度の曲げ強度を持つ材質であることが好ましく、また、多くの板状部材11又は線状部材が必要となるので、コスト的に有利な材質であることが好ましい。
具体的には、例えば、鉄、ステンレス、ブリキ、トタン、ガルバニウム、アルミニウム等の金属(合金、めっき被膜付金属等を含む);プラスチック;等が好ましいものとして挙げられる。中でも、鉄、ステンレス、ブリキ、トタン、ガルバニウム、アルミニウム等が、曲げ強度、硬度、軟化温度、耐久性、価格等の点からより好ましく、鉄、ブリキ、トタン、ガルバニウム等が上記点から特に好ましい。また、線状部材としてはピアノ線も好ましい。
以下、板状部材11と線状部材とを、「板状部材等」と言うことがある。
<<テープ状基材の形状・物性、板状部材等の間隔>>
上記板状部材11又は上記線状部材は、板状部材の略長方形の長辺11a、略楕円形の長軸11c若しくは略菱形の長対角線11e又は線状部材の軸が、該テープ状基材の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士又は該線状部材同士が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材12上に並列して貼り付けられている。
すなわち、図7に示したように、上記板状部材11が略長方形の場合はその長辺11aが、上記板状部材11が略楕円形の場合はその長軸11cが、上記板状部材11が略菱形の場合はその長対角線11eが、そして、線状部材の場合はその軸が、該テープ状基材の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士又は該線状部材同士が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材12上に並列して貼り付けられている。
(略)楕円の内部に、その2焦点を通る直線を引くとき、該直線が(略)楕円と交わる2点間の線分を「長軸11c」と言う。また、該長軸の垂直二等分線を(略)楕円の内部に引くとき、この線分を「短軸11d」と言う。
また、(略)菱形の2つの対角線のうち、長い方の対角線を「長対角線11e」と言い、短い方の対角線を「短対角線11f」と言う。
板状部材同士又は線状部材同士の間に設けられた前記「間隔」は、施工現場等において、処理すべき直線状隙間の長さに合わせて、覆いシート材10を任意の長さに切断するために設けられる。間隔を設けることにより、あらゆる長さの直線状隙間に対応できるため、施工現場に予め切断した剛直な長尺品(全長金属でできた長尺品)を持ち込まなくてもよくなり、施工現場での作業性が良くなる。
また、切断部分が金属ではないため、覆いシート材10を柔らかい部位で容易に切断することができるので、切断部分での変形も避けられる。
また、柔らかい材質のみでできた隙間があるために、覆いシート材10をロール状に巻くことが容易になり、持ち運び、保管、現場作業等において優れた効果を発揮する。
本発明の覆いシート材10においては、板状部材11や線状部材がない部分は、はさみで切れる程度以下の切断強度を有する。テープ状基材12と最下粘着層21が重ねて同時にはさみで切れる程度以下の切断強度を有するものであることが好ましく、テープ状基材12は、該テープ状基材12だけがはさみで切れる程度以下の切断強度を有するものであることが特に好ましい。
実際に現場において用いる切断器具は、はさみに限定されず、任意の切断器具を用いて切断すればよいが、材質の切断強度としては、上記のように、はさみで切れる程度以下の切断強度を有する(ことが好ましい)。
なお、実際にも、施工現場ではさみを用いて切断することが、容易に任意の長さに切断できるという本発明の効果を奏し易いために好ましい。
例えば、特許文献2の直線状隙間カバーは、全長金属であり、一般に長尺であるため、施工現場での作業性が悪く、またロール状にすることもできず、前記効果を奏し得ない。
上記間隔については、特に限定はないが、板状部材同士又は線状部材同士の最短間隔15が、0.1mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上20mm以下であることがより好ましく、2mm以上15mm以下であることが特に好ましく、4mm以上13mm以下であることが更に好ましい。
該間隔が短すぎると、はさみ、カッター等の切断工具が、該隙間に入らず覆いシート材10が切断できなくなったり、切断工具が接触することで板状部材11に傷がついたりする場合がある。また、覆いシート材10をロール状に巻くことが困難になったり、材料のコストアップになったりする場合がある。
逆に、該間隔が長すぎると、間隔部分は切断可能程度に柔らかいので、強度的に十分でなくなり、その結果、防水性能の低下、施工後の歩行感の悪化等につながり、また、直線状隙間が目立つ場合がある。
テープ状基材12の厚さに関しては、上記効果を損ねない厚さであれば特に限定はないが、テープ状基材12が織布の場合は、目付が、4本/インチ以上25本/インチ以下が好ましく、6本/インチ以上18本/インチ以下がより好ましく、8本/インチ以上16本/インチ以下が特に好ましい。
また、テープ状基材12が不織布の場合は、15g/m以上120g/m以下が好ましく、20g/m以上80g/m以下がより好ましく、40g/m以上70g/m以下が特に好ましい。
また、テープ状基材12が樹脂フィルムの場合は、8μm以上120μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、12μm以上30μm以下が特に好ましい。
テープ状基材12の厚さが上記下限以上であると、引き裂き強度等の機械的強度が十分となり、施工時にテープ状基材12の破断や皺の発生が解消され、テープ状基材12(すなわち覆いシート材10)の直進性も良好となる。
一方、テープ状基材12の厚さが上記上限以下であると、覆いシート材10全体の厚さが抑えられ、該覆いシート材10の厚さによる段差が少なくなり、塗膜防水材の塗布が容易となり、また最終的に防水塗膜に段差ができ難い。
テープ状基材12の材質、最表面(最上面)、すなわち、板状部材11の貼り付けられていない側の面の物性等については後述する。
複数の板状部材等は、それ同士が互いに接触することなく間隔を開けて、テープ状基材12上に並列して貼り付けられている。板状部材11の場合は隣り合う長辺同士が、線状部材の場合は隣り合う軸同士が互いに平行になるように、テープ状基材12の長手方向に対して垂直に貼り付けられていることが好ましい。
また、所々に、該間隔がなく接触している板状部材等の対があることは、排除はされないが(あってもよいが)、任意の場所で切断が可能なように、該接触している個所はない方が好ましい。
<<接着剤層、接着剤>>
上記板状部材11又は線状部材は、図2(a)に示したように、1つずつ接着剤14によって上記テープ状基材12に貼り付けられていてもよいし、図2(b)に示したように、上記テープ状基材12の下に予め設けられた接着剤層13を介して貼り付けられていてもよい。ここで、「テープ状基材12の下の接着剤層13」とは、実際に使用するときに、テープ状基材12の下になる方の面に接着剤層13があることを言う。
図2のように、最下粘着層21を有さない場合には、かかる接着剤層13が、覆いシート材10の両脇部分で、部材(の直線状隙間周辺部4)に密着して、覆いシート材10が固定される(図示せず)。
従って、最下粘着層21を有さない場合には、テープ状基材12の下面に、該テープ状基材12を、部材列及び/又は上記建築物の表面に粘着させるための接着剤層13を有し(図2(b))、該テープ状基材12の横幅が、上記板状部材11の長辺の長さ又は上記線状部材の長さ以上であることが好ましい。そうであると、覆いシート材10の両脇部分(すなわち、板状部材11や線状部材から張り出した部分)で、部材(の直線状隙間周辺部4)に密着させて覆いシート材10を部材に固定できる。
接着剤層13の厚さは、板状部材等をテープ状基材12に接着できれば特に限定はないが、20μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上300μm以下が特に好ましい。
接着剤層13の厚さが上記下限以上であると、板状部材等をテープ状基材12に問題なく接着できる。また、最下粘着層21がない場合や、最下粘着層21の幅より「接着剤層13を有するテープ状基材12」の幅の方が大きい場合には、接着剤層13が直線状隙間周辺部4に密着する必要があるため、接着剤層13の厚さが上記下限以上であると、後記する「最下粘着層の厚さの下限以上のこと」と同様のことが言える。
<<最下粘着層>>
本発明の覆いシート材10は、図3に示したように、更に、上記「板状部材11又は線状部材が並列してなる部材列」の下に、途中に他の層の介在があってもよく(途中の他の層の介在を排除せず)、最下粘着層21を有するものであることが、建築物上の対象物に対して密着性が良くなり、防水性が更に良くなるために好ましい。最下粘着層21があれば、覆いシート材10の下面全面が、直線状隙間3を覆うように部材に密着するので、温度変化や経時に対して、密着性や耐久性がより良好となる。すなわち、温度変化や経時に対して、剥離や凹凸の発生が抑制されるので、防水性が更に向上し、外観を損ねたり歩行に支障を来たしたりすることがない。
本発明の「下」とは、本発明の覆いシート材10の使用態様での下のことであり、処理対象物(押えコンクリート、直線状隙間等)の側(方向)を言う。従って、テープ状基材12に貼り付けられた部材列上に最下粘着層21を付与することを、「部材列の下に最下粘着層21を付与する」と言う。
かかる最下粘着層21は、部材列の下に、途中に他の層の介在があってもよく、どのように付与されたものでもよいが、例えば、最下粘着層21の熱融着;最下粘着層材料の溶液塗布;最下粘着層21を有する両面粘着テープ24の付与;等により設けられたものであることが好ましい。
図3(a)は、最下粘着層21の熱融着、又は、最下粘着層材料の溶液塗布によって、最下粘着層21が付与された態様を示し、図3(b)は、最下粘着層21を有する両面粘着テープ24を付与することによって、最下粘着層21が付与された態様を示す。
このうち、「最下粘着層の熱融着」の方法は、特に限定はないが、具体的には、例えば、最下粘着層21をカレンダーロールから排出させ、冷却ロールを通過させる前に、板状部材11等が貼り付けられたテープ状基材12に付与する方法が好ましい。
また、「最下粘着層材料の溶液塗布」の方法は、最下粘着層の材料を有機溶剤に溶解した溶液を、板状部材11等が貼り付けられたテープ状基材12に塗布し、その後、溶剤を蒸発させて付与する方法が好ましい。
また、「最下粘着層21を有する両面粘着テープ24の付与」は、下から順に、最下粘着層21、支持層22、板状部材側接着層23を有する両面粘着テープ24を、板状部材側接着層23側を、板状部材11等が貼り付けられたテープ状基材12に接着させることによって、最も下に、最下粘着層21が来るようにする方法が好ましい。
前記「途中に他の層の介在があってもよく」の「他の層」とは、例えば、最下粘着層21を両面粘着テープ24で付与する場合には、支持層22を挟んで最下粘着層21とは反対側の「板状部材側接着層23」と、「支持層22」とを指す。
最下粘着層21の厚さは、既存部材又は補修部材2(以下、単に「部材2」と略記する場合がある)の熱収縮や熱膨張を吸収し、直線状隙間の幅の変化に追従できれば特に限定はないが、50μm以上1000μm以下が好ましく、100μm以上700μm以下がより好ましく、200μm以上500μm以下が特に好ましい。
最下粘着層21の厚さが上記下限以上であると、押えコンクリート2’等の部材2への粘着力が向上し、柔らかい粘着層の厚みによって、部材2の動きに追従でき、部材2の熱収縮・熱膨張に伴う直線状隙間の幅の変化に追従できる。また、縦方向(覆いシート材の長手方向)の部材2の熱収縮・熱膨張に伴う膨れや剥離を防止できる。
一方、最下粘着層21の厚さが上記上限以下であると、覆いシート材10全体の厚さが抑えられ、覆いシート材10の厚さによる段差が少なくなり、塗膜防水材の塗布が容易で、また最終的に防水塗膜に段差ができ難い。
本発明において、押えコンクリート2’等の部材2に直接密着する最下粘着層21や、覆いシート材10の両脇において部材に直接密着する接着剤層13が、温度変化に起因する部材の伸縮に伴う横方向(隙間の幅方向、覆いシート材10の幅方向)の動きや、縦方向(直線状隙間の直線方向、覆いシート材10の長手方向)の動きを吸収し、下地である部材2になじむため、熱変形による、剥離、防水性能の悪化、段差発生、外見の低下等を抑制できる。
<<離型フィルム>>
本発明の覆いシート材10は、図4(a)、(b)に示したように、更に、上記最下粘着層21の下に離型フィルム31を有するものであることが、取扱いの容易さ、ロール状にし易さ等の点から好ましい。該離型フィルム31は、施工の際には剥離して最下粘着層21を部材2に密着させる。該離型フィルム31は、公知のものが使用される。
テープ状基材12の上面、すなわち板状部材11等が貼り付けられていない側の面は、本発明の覆いシート材10が施工された際に最終的に最上面になるため、その上に塗膜防水材が良好に塗布されるようになっていたり、その上に通気緩衝シートが良好に設けられるようになっていたりしなくてはならない。
従って、テープ状基材12の上面は、塗膜防水材の塗布性等が要求されるため、最下粘着層21に対して離型性を有するようには通常はできないので、本発明の覆いシート材10をロール状に巻くためには、最下粘着層21の下に離型フィルム31があることが好ましい。
ただし、通気緩衝シートを設ける場合用等には、最上面となるテープ状基材12の上面を離型処理し、最下面に離型フィルム31を付与しない形態も好ましい。
図3(b)のように、最下粘着層21の付与に両面粘着テープ24を用いる場合には、離型フィルム31は、該両面粘着テープ24の巻取りに用いられていた離型フィルム31をそのまま使用して、図4(b)のような形態にすることもできる。
<<テープ状基材の上面・材質>>
本発明の覆いシート材10は、塗膜防水工法や防水塗膜の改修に使用されることが好ましいので、前記テープ状基材12の上面(板状部材11の貼り付けられていない側の面)、すなわち覆いシート材10の最表面は、上記覆いシート材10の上から塗布される塗膜防水材との密着性が良好なものであることが好ましい。
また、上記テープ状基材12の上面に、塗膜防水材との密着性が良好になるような処理を施したもの、若しくは、密着性が良好な層を設けたものであることが好ましい。
本発明の覆いシート材10においては、テープ状基材12は、特に限定はないが、織布、不織布若しくは樹脂フィルム又はそれらの積層基材で形成されていることが好ましい。
<<各構成要素の横幅>>
本発明の覆いシート材10においては、上記最下粘着層21の横幅及び/又は上記テープ状基材12の横幅が、上記板状部材11の長辺の長さ又は上記線状部材の長さ(以下、単に、「板状部材11等の長さ」と略記する)以上であることが好ましい。
上記最下粘着層21の横幅が板状部材11等の長さ以上であると、図5、図6(a)、図6(b)に示したように、板状部材11等の下面全面に最下粘着層21が存在するので、板状部材11等が、建築物上に存在する押えコンクリート2’等の部材2に全面密着して強度、耐久性等が向上する。
また、上記テープ状基材12の横幅が、板状部材11等の長さ以上であると、同様に図5、図6(a)、図6(b)に示したように、板状部材11の全体を、建築物上に存在する押えコンクリート2’等の部材2に上から押しつけて、強度、耐久性等を向上させ、板状部材11の露出、剥離、錆付等を防止できる。
なお、前記した通り、本発明の覆いシート材10が最下粘着層21を有さない場合には、テープ状基材12の下面に、該テープ状基材12を、「部材列及び/又は上記建築物の表面」に粘着させるための接着剤層13を有した上で(図2(b))、該テープ状基材12の横幅が、板状部材11等の長さ以上にすることによって、覆いシート材10の両脇部分で、板状部材11等を部材2に密着させられる。
本発明の覆いシート材10においては、上記テープ状基材12の下面に、該テープ状基材12を上記部材列及び/又は上記建築物の表面に粘着させるための接着剤層13を有し、上記テープ状基材12の横幅が、上記最下粘着層21の横幅以上であることが好ましい。
図6(a)は、接着剤層13を有するテープ状基材12、最下粘着層21、板状部材11の順に脇に張り出している形態(の順に長い形態)を示す。
図6(b)は、接着剤層13を有するテープ状基材12と最下粘着層21が同程度で脇に張り出している(テープ状基材12と最下粘着層21の幅が等しい)形態を示す。
ここで、該接着剤層は、「板状部材11等をテープ状基材12に接着させるために、上記テープ状基材12の下に予め設けられた接着剤層」と同一であっても(接着剤層を兼ねても)よい。
図6(b)のように、テープ状基材12の横幅と最下粘着層21の横幅が等しい形態においては、板状部材11等が1つずつ接着剤によって該テープ状基材12上に貼り付けられていて接着剤層13がなくても、テープ状基材12の全面に最下粘着層21があるため、覆いシート材10の全面を部材2に密着させられる。そのため、接着剤層13がない形態、すなわち、図6(b)から接着剤層13を除いた形態(図示せず)も、層構成が単純化できる点から好ましい。
図6(a)に示したように、横幅の短い順に、すなわち、脇への張り出しの小さい順に、板状部材11等<最下粘着層21<テープ状基材12、であると、脇での高い段差が付き難く、塗膜防水材の塗布が容易で、また、最終的に防水塗膜に段差ができ難い点から特に好ましい。
図6(b)に示したように、横幅の短い順に、板状部材11等<最下粘着層21≒テープ状基材12、であると、脇で、最下粘着層21とテープ状基材12との合計段差が付く場合があるが、層構成が簡便になる。
最下粘着層又はテープ状基材の板状部材からの張り出し長さ、すなわち([最下粘着層又はテープ状基材の横幅]−[板状部材の横幅])の片側半分の長さは、5mm〜100mmが好ましく、7mm〜50mmがより好ましく、10mm〜30mmが特に好ましい。
また、テープ状基材12の下に接着剤層13があることを条件に、テープ状基材の最下粘着層からの張り出し長さ、すなわち、([接着剤層の横幅]−[最下粘着層の横幅])の片側半分の長さは、0mm〜50mmが好ましく、3mm〜30mmがより好ましく、5mm〜15mmが特に好ましい。
上記長さの下限が上記以上であると、部材2への粘着性が良好となる。一方、上記長さの上限が上記以下であると、無駄に覆いシート材の横幅が大きくならず、コストもかからない。
<<最下粘着層、上記接着剤層の材質>>
本発明の覆いシート材10においては、上記最下粘着層21及び/又は上記接着剤層13の材質は、特に限定はないが、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、改質アスファルト系粘着剤等であることが好ましい。
上記材質であると、部材2に直接密着する最下粘着層21や、両脇で部材に直接密着する接着剤層13が、温度変化に起因する部材の伸縮に伴う横方向(隙間の幅方向、覆いシート材10の幅方向)の動きを吸収し、コンクリート下地になじむため、熱変形による防水性能や外見の低下を抑制できる。
また、上記材質であると、最下粘着層21や接着剤層13が、温度変化に起因する縦方向(直線状隙間3の直線方向、覆いシート材10の長手方向)の動きを吸収し、熱変形による防水性能や外見の低下を抑制できる。
<覆いシート材ロール>
本発明の他の態様は、前記の覆いシート材10をロール状に巻いてなることを特徴とする覆いシート材ロールである。本発明の覆いシート材10は、長尺ではあるが長尺の金属板と違い、ロール状に巻くことが可能であるため、コンパクトになり、保管に場所を取らず、運搬も容易になる。また、施工現場での作業性が向上する。ロール状に巻くときは、覆いシート材10のどちらの面が内側になるように巻いてもよい。
また、ロール状に巻いたときに、テープ状基材12の上面(覆いシート材10の最上面)が、最下粘着層21に貼り付いて離れなくなる場合には、図4に示したように、該最下粘着層21の下に離型フィルム31を設けることが好ましい。テープ状基材12の上面(覆いシート材10の最上面)は、その上から塗布する塗膜防水材との密着性が良好であることが好ましいので、そのようなテープ状基材12の上面は、巻いたときに通常は最下粘着層21に貼り付くので、該最下粘着層21の下に離型フィルム31を有することが好ましい。
<塗膜防水工法、防水塗膜の改修方法>
本発明の他の態様は、前記の覆いシート材10を、建築物上に存在する直線状隙間3を覆うように被せ、その上から塗膜防水材を塗布することを特徴とする塗膜防水工法である。
本発明の覆いシート材10は、新築等において、新たに押えコンクリート2’等の部材2を敷設する際に、目地3’等の「部材間にある直線状隙間」にも付与できるし、既存の建物の補修時において、「該部材間にある既存の直線状隙間」にも付与できる。
本発明の他の態様は、上記直線状隙間3が目地3’であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、本発明の上記の覆いシート材10を該目地3’に被せ、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法でもある。
屋上防水を改修する際、既存の押えコンクリート2’に既存目地材が充填されている場合、該目地材を除去した後に、本発明の覆いシート材10を、目地3’を覆うように被せ、その上から塗膜防水材を塗布することが好ましい。既存目地材を除去する際には、全ての既存目地材を除去してもよいし、一部の既存目地材のみを除去してもよい。
また、本発明の覆いシート材10を設置する前に、該目地3’の中に、新たな目地材を充填させてもさせなくてもよいが、本発明の覆いシート材10を用いれば、新たな目地材の充填を省くこともできる。図5には、直線状隙間3に充填された目地材は記載されていない。
また、本発明の覆いシート材10は、上記した通り、既存部材間の直線状隙間3に付与できるのみならず、新設時や改修時に追加した補修部材と既存部材との間に生じる直線状隙間3にも、更には、既存部材同士や補修部材同士の間に生じる直線状隙間3にも付与できる。
特に、既存部材又は補修部材が、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の場合には、その線膨張率がコンクリートの線膨張率より大きいため、温度変化に起因する該隙間の幅の変化幅は前記したものより大きくなり、本発明の前記効果を発揮し易い。
本発明の上記の覆いシート材10を、直線状隙間3を覆うように被せ、その上から塗膜防水材を塗布することによって防水塗膜を形成する際の該塗膜防水材の種類には特に限定はなく公知の塗膜防水材が使用できるが、ウレタン防水材、ポリマーセメント防水材、FRP(繊維強化プラスチック)防水材、シート防水材、冷工法アスファルト防水材等が好ましく使用できる。
また、本発明の覆いシート材10の上に塗膜防水材を塗布する方法についても特に限定はなく公知の方法が用いられる。
本発明の他の態様は、上記直線状隙間3が目地3’であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、本発明の前記の覆いシート材10を該目地3’に被せ、その上に通気緩衝シートを設け、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法である。
通気緩衝シートは、特に限定はなく公知のものが使用できるが、自着タイプ、穴あき不織布タイプ等が好ましい。また、通気緩衝シートの施工も公知のものが使用できる。
防水塗膜の改修において、本発明の覆いシート材は、例えば、特許文献2に記載のように長尺の板を山型に折り曲げて使用する目地カバーに比較して平坦に施工できる。
また、本発明の覆いシート材は、切断可能な個所と、硬い材質の板状部材又は線状部材との組み合わせで構成されているため、切断時の変形も起こらず、切断作業も容易であり、任意の長さに切断可能であるため、施工現場におけるあらゆる態様に対応し易く、従来技術では良好に施工できなかった直線状隙間3の交差部分にも適用し易い。
また、段差も少なくできるので、塗膜防水材の塗布が良好・容易であり、防水機能を発揮させ易く、施工完了後の直線状隙間3上部の歩行感も良好である。
また、シート材ロールにすることによって、従来技術の欠点である、保存や運搬等の取り扱いの問題を解決できる。
<覆いシート材と防水塗膜との構成物>
本発明の他の態様は、前記した本発明の塗膜防水工法、又は、前記した本発明の防水塗膜の改修方法で形成したものであることを特徴とする「覆いシート材と防水塗膜との構成物」である。かかる「覆いシート材と防水塗膜との構成物」は、温度変化に対応でき、防水機能に優れているのみならず、外観・歩行感にも優れている。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
<覆いシート材(ロール)の作製>
板状部材として、短辺12mm×長辺70mm×厚さ0.3mmのアルミニウム合金板を、長さ約5m、幅100mm、厚さ0.1mmの「カーボンブラックを含有する不織布であって上からヒートシールしたテープ状基材」に、接着剤を用いて、4mmの間隔を開けて並べて貼り付けた。
次いで、最下粘着層として、幅100mm、厚さ1mmのブチルゴム系粘着剤をその上から貼り付けて、図3(a)に概略断面を示したような覆いシート材を作製した。
更に、その上から、100mm幅の離型フィルムを貼り付け、それをロール状に巻き取って覆いシート材ロールとした。
<現場での施工>
作製した覆いシート材を使用し、屋上の押えコンクリートのウレタン防水塗膜の改修工事を施した。屋上には、1辺が2mの押えコンクリートが、目地幅10mmで格子状に存在していた。
既存のウレタン防水塗膜を斫り、目地には目地材が充填されていたので、その目地材を全て除去した。
既存の目地材を除去した後、前記で作製した覆いシート材ロールを解いて、覆いシート材を押えコンクリートの目地の上から、該目地を覆うように被せ、目地の両脇の直線状隙間周辺部(目地周辺部)に密着させた。
テープ状基材と最下粘着層の幅が何れも100mmと等しかったので、図5に示した概略断面の態様、及び、図6(b)から接着剤層を除いた断面の態様であった。
目地の全体に隙間なく覆いシート材を被せた。目地の交差部分は、図1(b)のように、覆いシート材を密着させた。
このとき、覆いシート材の切断には、はさみを用い、必要な長さとなるように、覆いシート材を「板状部材の貼り付けられていない部分」で切断した。
覆いシート材を隙間なく目地に被せることができ、覆いシート材は目地全体に良好に密着した。目地の交差部分においても、密着性は良好であった。
次いで、屋上全体に、塗膜防水材として市販のウレタン防水材を平均厚さ3.0mmになるように塗布し、防水塗膜の改修工事を完了した。
塗膜防水材の塗布は、段差が殆どないため容易であった。
施工完了後、目地周辺の凹凸はほとんど目立たず、屋上全体の外観は良いものであった。また、目地上部を歩行しても、歩行感に問題はなかった。
更に、時間が経過しても、ウレタン防水塗膜の防水性能が低下することもなかった。施工後の外観に変化が生じることもなかった。
本発明の覆いシート材は、押えコンクリートの目地等の直線状隙間を、外見的にも機能的にも問題のない形で簡便に処理することができ、作業能率の向上も図れるため、屋上等の新規塗膜防水工事や防水塗膜の改修工事に広く利用されるものである。
2 既存部材又は補修部材
2’ 押えコンクリート
3 直線状隙間
3’ 目地
4 直線状隙間周辺部
10 覆いシート材
11 板状部材
11a 長辺
11b 短辺
11c 長軸
11d 短軸
11e 長対角線
11f 短対角線
12 テープ状基材
13 接着剤層
14 接着剤
15 最短間隔
21 最下粘着層
22 支持層
23 板状部材側接着層
24 両面粘着テープ
31 離型フィルム

Claims (20)

  1. 建築物上に存在する直線状隙間の覆いシート材であって、
    下から順に、複数の略長方形、略楕円形若しくは略菱形の板状部材又は複数の略線状の線状部材が並列してなる部材列、及び、該板状部材又は該線状部材が貼り付けられたテープ状基材、を少なくとも有し、
    該複数の板状部材又は該複数の線状部材は、板状部材の略長方形の長辺、略楕円形の長軸若しくは略菱形の長対角線又は線状部材の軸が、該テープ状基材の長手方向に対して略垂直に、かつ、該板状部材同士又は該線状部材同士が互いに接触することなく間隔を開けて、該テープ状基材上に並列して貼り付けられているものであることを特徴とする覆いシート材。
  2. 更に、上記部材列の下に、途中に他の層の介在があってもよく、最下粘着層を有するものである請求項1に記載の覆いシート材。
  3. 上記最下粘着層が、上記部材列の下に、最下粘着層の熱融着、最下粘着層材料の溶液塗布、又は、最下粘着層を有する両面粘着テープの付与、により設けられたものである請求項1又は請求項2に記載の覆いシート材。
  4. 更に、上記最下粘着層の下に離型フィルム又は離型紙を有するものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  5. 上記板状部材又は線状部材が、1つずつ接着剤によって上記テープ状基材上に貼り付けられている、又は、上記テープ状基材の下に予め設けられた接着剤層を介して貼り付けられている請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  6. 上記テープ状基材が、はさみで切れる程度以下の切断強度を有するものである請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  7. 上記テープ状基材の上面が、最終的に上記覆いシート材の上から塗布する塗膜防水材との密着性が良好なものである、又は、上記テープ状基材の上に、塗膜防水材との密着性が良好になるような処理を施した若しくは密着性が良好な層を設けたものである請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  8. 上記テープ状基材が、織布、不織布若しくは樹脂フィルム又はそれらの積層基材である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  9. 上記最下粘着層の横幅及び/又は上記テープ状基材の横幅が、上記板状部材の略長方形の長辺、略楕円形の長軸若しくは略菱形の長対角線又は線状部材の長さ以上である請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  10. 上記テープ状基材の下面に、該テープ状基材を上記部材列及び/又は上記建築物の表面に粘着させるための接着剤層を有し、上記テープ状基材の横幅が、上記最下粘着層の横幅以上である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  11. 上記板状部材同士又は上記線状部材同士の最短間隔が、0.1mm以上30mm以下である請求項1ないし請求項10の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  12. 上記板状部材の略長方形の長辺、略楕円形の長軸若しくは略菱形の長対角線又は上記線状部材の長さが10mm以上300mm以下である請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  13. 上記板状部材の略長方形の短辺、略楕円形の短軸若しくは略菱形の短対角線の長さが2mm以上30mm以下である請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  14. 上記板状部材の厚さ又は上記線状部材の径が0.1mm以上5mm以下である請求項1ないし請求項13の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  15. 上記板状部材又は上記線状部材の材質が、鉄、ステンレス、ブリキ、トタン、ガルバニウム、アルミニウム又はプラスチックである請求項1ないし請求項14の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  16. 上記最下粘着層及び/又は上記接着剤層の材質が、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤又は改質アスファルト系粘着剤である請求項1ないし請求項15の何れかの請求項に記載の覆いシート材。
  17. 請求項1ないし請求項16の何れかの請求項に記載の覆いシート材をロール状に巻いてなることを特徴とする覆いシート材ロール。
  18. 請求項1ないし請求項16の何れかの請求項に記載の覆いシート材を、建築物上に存在する直線状隙間を覆うように被せ、その上から塗膜防水材を塗布することを特徴とする塗膜防水工法。
  19. 上記直線状隙間が目地であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、請求項1ないし請求項16の何れかの請求項に記載の覆いシート材を該目地に被せ、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法。
  20. 上記直線状隙間が目地であり、既存の押さえコンクリートの既存目地材を除去した後に、請求項1ないし請求項16の何れかの請求項に記載の覆いシート材を該目地に被せ、その上に通気緩衝シートを設け、その上に塗膜防水材を塗布することを特徴とする防水塗膜の改修方法。
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