JP2015537074A - 層状物質に基づく機能性インク及びプリントされた層状物質 - Google Patents

層状物質に基づく機能性インク及びプリントされた層状物質 Download PDF

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Abstract

本書で開示されるインクは、層状物質から誘導されたフレ−クの分散液と共にキャリア液体を有する。各フレ−クの厚さは、フレ−ク内の層状物質の層の数に依存する。フレ−クの厚さ分布は、単一層フレ−クの数に対し少なくとも20%;単一、二重及び三重層フレ−クの累積数に対し少なくとも40%;又は10以上の層を有するフレ−クの数に対し40%以下を包含する。層状物質は、1以上の元素物質、例えばグラフェン(典型的には無垢のグラファイトから誘導された),金属(例えばNiTe2,VSe2),半金属(例えばWTa2,TcS2),半導体(例えばWS2,WSe2,MoS2,MoTe2,TaS2,RhTe2,PdTe2),絶縁体(例えばh−BN,HfS2),超伝導体(例えばNbS2,NbSe2,NbTe2,TaSe2)及びトポロジカル絶縁体及びサ−モエレクトニクス(例えばBi2Se3,Bi2Te3)から選択される。好適なインクを製造する方法及び当該インクの使用をも開示される。【選択図】図2

Description

本発明を導く研究は、欧州共同体の第7次研究枠組み計画(FP7/2007−2013)及び/又はERC助成金合意第208948号の下、欧州研究会議(ERC)から資金を受けた。
本発明は、層状物質に基づくインク、このようなインクを製造する方法、このようなインクを使用してプリントする方法、並びに結果として生じる印刷物及びデバイスに関する。
フレキシブルエレクトロニクスは、急速に拡大しつつある研究領域である。用途は、タッチスクリーン,電子ペーパー(e−paper),センサ,無線周波数タグ,光起電力セル,発光ダイオード及び電子テキスタイルを包含する。現在まで主として2つの製造戦略に頼っている。一方の戦略において、電界効果トランジスタ(FET)を担持する基板は、転写プリントもしくはピックアンドプレース方法によりプラスチックに結合される。他方の戦略において、FETは、複数のコーティング、硬化及びリソグラフィーステップにより、ターゲット基板上に直接調製される。テクニック、例えばゴムスタンプ、エンボス、ロールツーロール(roll to roll)プロセス、例えばスクリーン、インクジェット、グラビア及びフレキソ印刷、ウェブもしくはスロットダイ(slot die)コーティングは、このような製造ステップの数を減らす。
ロールツーロール印刷もしくはコーティングプロセスは、フレキシブルプラスチックエレクトロニクスの大面積製造のため有望なテクニックである。ある範囲のコンポーネント、例えばトランジスタ,光起電力デバイス,有機発光ダイオード(OLED),及びディスプレイがプリントできる。ロールツーロールプリントプロセスは万能で、限られた数のプロセスステップを有し、大量生産になじみやすく、かつ制御された量の材料を堆積できる。特にドロップオンデマンド型インクジェット印刷は、テキストとグラフィックとを印刷することから、高速製造のためのツールに進展し、有機導電性及び半導電性インクに基づく薄膜トランジスタ(TFT)をプリントするのに今や十分に確立したテクニックである。但し、これらの移動度μ<0.5cm−1−1は、標準的シリコン技術よりも格段に低い。いくつかの取り組み、例えばポリシリコン、酸化亜鉛ナノ粒子及びカーボンナノチューブ(CNT)の使用は、これらの結果の改善を目的とする。金属ナノ粒子インクは、通常の溶媒内、例えば脱イオン(DI)水,アセトン,イソプロピルアルコール,N−メチルピロリドン(NMP),もしくはテトラヒドロフランでは安定ではないと見なされる[参考文献: Singh et al(2010)及びLuechinger et al(2008)]。従って、これらは、通常は数年で劣化するスタビライザの使用を介して分散されるためには、化学的に変性される必要がある。金属ナノ粒子は、プリントプロセス後に酸化する傾向もある[参考文献: Singh et al(2010)]。μ 50cm−1−1まで、及びON/OFF比 約10を有するインクジェット印刷されたCNT−TFTが、と報告された[参考文献: Ha et al(2010)]。
グラフェンは、sp炭素同素体に関する2次元(2d)構成ブロックである。近弾道輸送及び高移動度は、グラフェンをナノエレクトロニクス、特に高周波数用途のための理想の材料にする。その上さらに、その光学的及び機械的特性は、マイクロメカニカル及びナノメカニカルシステム、薄膜トランジスタ、透明で導電性のコンポジット及び電極、及びフォトニクスにとって理想的である。 A review of グラフェン フォトニクス及びオプトエレクトロニクスについての報告が文献Bonaccorso et al.(2010)に述べられている。
グラフェンが、グラファイトのマイクロメカニカル剥離により単離され得ることは知られている[文献: Novoselov et al (2005)]。このテクニックは、純度、欠陥、移動度、及びオプトエレクトロニクス特性に関して良い結果をもたらす。但し、大規模製造の取り組みは、広範な適用を必要とする。化学蒸着(CVD)[文献: Li et al. (2009)],炭化ケイ素の熱処理によるSi原子の昇華[文献: Berger et al. (2004)],金属基板からの分離及び液相剥離(LPE)[文献: Hernandez et al (2008), Lotya, et al (2009), Valles et al (2008)及びHasan et al (2010)]による大規模製造方法を提供する試みがされた。中でも、本発明者は、印刷可能なインクを製造するにはLPEが最善の候補であると考える。
グラファイトは、化学湿潤分散、次いで超音波処理により(いずれも水性及び非水性溶媒内で)剥離され得る。分散は、水中グラファイトを分散剤(例えば界面活性剤、ポリマー等)と共に軽く音波処理し、次いで沈降に基づく超遠心分離により達成され得る[文献: Hernandez et al. (2008), Hasan et al (2010)及びMarago et al (2010)]。特に胆汁酸塩界面活性剤は、密度勾配超遠心分離と組み合わせた場合、制御された厚さを有するフレークの単離を可能にすることが報告される[Green及びHersam (2009)]。グラファイト−インタカレートされた化合物と膨張性グラファイトとの剥離も、報告された。
LPEは、Hummersの方法の後、酸化グラファイトの音波処理を介して最初に達成された[文献: Hummers及びOffeman (1958)]。酸と酸化剤との存在下グラファイトの酸化は、spネットワークを崩壊させ、エッジに付着したカルボン酸即ちカルボニル基とともに、ヒドロキシル基もしくはエポキシド基を導入する。これらは、酸化グラフェン(GO)シートを水及び複数のその他の溶媒内で容易に分散されやすくする。大型のGOフレークが製造され得るが、これらは本質的に欠陥があり、電気絶縁性である。複数の従事者による試みにも関わらず、還元されたGO(RGO)は、導電性を包含する初期の純粋な(pristine)グラフェン特性を完全には回復しない。従って、グラフェンの電子特性を保持する分散処理されたグラフェンフレークと、絶縁GO分散液とを区別することが重要である。複数のグループが、GO系インクを報告した。文献 Dua et al (2010)は、センサ用途のためのインクジェット印刷されたRGOフィルムを報告し、他方、文献Luechinger et al (2008)は、高温焼結後処理を必要とする標準的金属ナノ粒子に取って代わるため、低温金属コロイドとしてRGO安定化Cuナノ粒子を報告した。インクジェット印刷により高度に還元されたGOフィルムに関して移動度90 cm−1−1までが、ON/OFF比10までと共に達成された[文献: Wang et al (2009)]。
US2010/0000441は、ナノグラフェンプレートレットに基づく伝導性インクを開示する。ナノグラフェンプレートレットは、液体媒体、例えば水,アルコールもしくはアセトン内にグラファイトを分散し、分散剤もしくは界面活性剤を添加し、そして懸濁液を直接超音波処理に付すことにより形成される。インクは、インクジェットプリンタを使用してプリントするのに使用された。単一プリント層に関して、75kΩ/スクウェアという低い抵抗率が測定された。
US2008/0279756は、US2010/0000441と類似の開示をするが、ただし追加的にグラファイト以外の層状物質、例えば遷移金属ジカルコゲン化物を加工することを示唆する。
本発明者は、プリント可能な伝導性インクについての先行技術開示は不十分であることが分かった。例えばUS2010/0000441の場合、単一プリント層に関して抵抗率75kΩ/スクウェアという開示は、個々のナノグラフェンプレートレットは大きな厚さを有すること、例えば高い割合のナノグラフェンプレートレットは100nmより大きい厚さを有するであろうことを意味する。我々は、US2010/0000441は、プリントされたフィルムの光学特性を開示しないことに留意する。プリント層は、プリント層を通る光線透過が要求される用途には好適ではなさそうであるという結果である。また、超遠心分離及び濾過手順を欠くため、我々は厚いフレーク>50nmの高い個体数(a high population)を予期する。
その上さらに、本発明者は、異なるプリントプロセス、例えばインクジェット印刷、スクリーン、スクリーン印刷、グラビア印刷等に好適であるように調製されているインクを提供するため、機能性インク、例えば伝導性インクの特性について注意深い考察が要求されることが、わかった。これらの問題に対して相当な配慮を与え、且つそれらに対応するため相当する手段を取る失敗は、不満足なプリント結果、例えば不完全なプリントもしくはプリント装置へのダメージをもたらす。他の好適な機能性インクは、ここで絶縁インク、サーマルインク、メモリインク、エネルギー貯蔵インク、半導電性インク、その他を包含すると見なされる。
本発明は、上記の問題の少なくとも一つを処理するために考案された。好ましくは、本発明は、上記の問題の少なくとも一つを減らし、改善し、回避しもしくは克服する。
従って第1の好ましい態様において、本発明は、
層状物質から誘導されたフレークの分散液と共にキャリア液体を有するインクであって、
各フレークの厚さは、フレーク内の層状物質の層の数に依存し、かつ
フレークの厚さ分布は、
単一層フレークの数に対し少なくとも20%;
単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し少なくとも40%;又は
10以上の層を有するフレークの数に対し40%以下
を包含する、インクを提供する。
層状物質の層の数を決定するための好適な技法は、下に記載される。
第2の好ましい態様において、本発明は、
インクを製造する方法であって、
超音波処理により液体内の層状物質を剥離して、前記層状物質から第1のフレーク集団を形成するステップであって、ここで各フレークの厚さは、フレーク内の層状物質の層の数に依存するステップと;
前記第1のフレーク集団を超遠心分離して、当該第1の集団から第2のフレーク集団を単離するステップであって、ここで前記第2のフレーク集団は、前記第1のフレーク集団よりもより制限された厚さ分布を有するステップと、
を包含する方法を提供する。
第3の好ましい態様において、本発明は、第2の態様の方法により得られた、もしくは得られるインクを提供する。
第4の好ましい態様において、本発明は、
インク重量に基づき少なくとも90wt%のキャリア液体と;
層状物質から誘導されたフレークの分散液と;
任意には、1以上の界面活性剤と;
任意には、1以上の表面エネルギー調整剤と;
任意には、1以上の粘度調整剤と;
任意には、1以上のドーパント及びナノ材料添加剤と
からなるインクであって、
各フレークの厚さは、フレーク内の層状物質の層の数に依存し、かつ
フレークの厚さ分布は、
単一層フレークの数に対し少なくとも20%;
単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し少なくとも40%;又は
10以上の層を有するフレークの数に対し40%以下
を包含する、インクを提供する。
第5の好ましい態様において、本発明は、第1の態様、第3の代用もしくは第4の態様によるインクから形成され、及びさらにナノ材料を包含するコンポジットインクを提供する。
第6の好ましい態様において、本発明は、異なる層状物質から誘導されたフレーク(フレークは、フレーク厚さ及び/又はフレーク組成に関して異なる)の連続堆積により形成されたコンポジット層状物質を提供する。
第7の好ましい態様において、本発明は、第1、第3、第4もしくは第5の態様のいずれか1に記載のインクを使用してプリントすることにより得られた、もしくは得られるプリント層を提供する。
第8の好ましい態様において、本発明は、第1、第3、第4もしくは第5の態様のいずれか1に記載のインクが表面に塗布され、そして乾燥される、プリント層をプリントする方法を提供する。
第9の好ましい態様において、本発明は、1以上のエレクトロニクス用途、1以上のオプトエレクトロニクス用途、1以上の光学用途、1以上のサーマル用途、1以上のエネルギー用途、及び/又は1以上の無線周波用途における本発明は、第1、第3、第4もしくは第5の態様のいずれか1に記載のインク、又は第6の態様に記載のコンポジット層状物質、又は第7の態様に記載のプリント層の使用を提供する。
第10の好ましい態様において、本発明は、エレクトロニクスデバイス、オプトエレクトロニクスデバイス、光学デバイス、サーマルデバイス、エネルギーデバイス、及び/又は1以上の無線周波デバイスである、第6の態様に記載のコンポジット層状物質少なくとも1、又は第7の態様に記載のプリント層少なくとも1を組み込むデバイスを提供する。
本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9及び/又は第10の態様を、互いに1以上組み合わせてよい。その上さらに、本発明のいずれかの態様は、以下の任意の特徴事項のいずれか1、又は互いに互換性である限り、いずれかの組合せを有してよい。
以上のように、フレークの厚さ分布は、単一層フレークの数に対し(by number)少なくとも20%を包含し得る。より好ましくは、フレークの厚さ分布は、単一層フレークの数に対し少なくとも30%、数に対し少なくとも40%、数に対し少なくとも50%、又は数に対し少なくとも60%を包含する。
以上のように、フレークの厚さ分布は、単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し(by number cumulatively)少なくとも40%を包含し得る。より好ましくは、フレークの厚さ分布は、単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し少なくとも40%、累積数に対し少なくとも50%、累積数に対し少なくとも60%、累積数に対し少なくとも70%、累積数に対し少なくとも80%、又は累積数に対し少なくとも90%を包含する。いくつかの実施形態においては、フレークの厚さ分布は、単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し少なくとも95%を包含し得る。いくつかの実施形態においては、フレークの厚さ分布は、単一、二重及び三重層フレークの累積数に対し少なくとも99%を包含し得る。
その上さらに好ましくは、フレークの厚さ分布は、単一及び二重層フレークの累積数に対し少なくとも30%を包含し得る。より好ましくは、フレークの厚さ分布は、単一及び二重層フレークの累積数に対し少なくとも30%、累積数に対し少なくとも40%、累積数に対し少なくとも50%、累積数に対し少なくとも60%、累積数に対し少なくとも70%、又は累積数に対し少なくとも80%を包含し得る。
以上のように、フレークの厚さ分布は、10以上の層を有するフレークの数に対し40%以下を包含し得る。より好ましくは、フレークの厚さ分布は、5%以下10以上の層を有するフレークの数に対し30%以下、数に対し20%以下、数に対し10%以下、又は数に対し5%以下を包含する。
フレークの厚さ分布は、ランダム選択されたフレーク20個について透過型電子顕微鏡(TEM)分析を使用して決定される。
いくつかの層状物質、例えばグラフェンに関し、そのフレークの構造についてさらなる情報を、追加的に制限視野回折を実施し、強度比I1010/I2110を評価することにより、得ることができる。I1010/I2110>1である場合、フレークは単一層グラフェンであるとされ、このことは、フレークエッジの画像分析により確認される。I1010/I2110<1である場合、二重層フレークと、三重層フレークと、より大きな厚さのフレークとを区別するのに、フレークエッジの画像分析を使用する。二重層(BLG),三重層(TLG)フレーク及びより大きな厚さのフレークを、エッジで折り重なったフレークの位相干渉を熟視することにより、確認することができる。エッジの分析は、層の数について信頼できる情報を与え、且つズームインした高解像度エッジ画像から、多数のフレークを調査するのに使用できる。追加的に、フレークの厚さ分布は、ラマン分光法を使用して、2Dピークの形状、及び2Dピーク強度の比率、及び下により詳細に説明されたGピークに関する面積を熟視することにより、確認され得る。
用語「単一層」は、元素 (elemental)層状物質、例えばグラファイトから形成されたグラフェンである場合、もっぱら単一原子厚さである層を包含すること意図する。但し、層状物質が化合物であるならば、用語「単一層」は、層状物質の構造を貫いて繰り返す層の厚さをも包含する。場合によっては、この厚さは、結晶構造の単位セルの厚さ未満であり得る。なぜなら積層オフセット(stacking offsets)は、単位セル厚さを、繰り返し層の厚さの2倍以上にするかもしれないからである。
好適な層状物質は、元素物質(elemental materials)、例えばグラフェン(典型的には純粋な(pristine)グラファイトから誘導された),金属(例えばNiTe,VSe),半金属(例えばWTa,TcS),半導体(例えばWS,WSe,MoS,MoTe,TaS,RhTe,PdTe),絶縁体(例えばh−BN,HfS),超伝導体(例えばNbS,NbSe,NbTe,TaSe)及びトポロジカル絶縁体又はサーモエレクトニクス(例えばBiSe,BiTe)を包含する。
好ましくは、フレークは、数平均として評価された少なくとも1の横寸法200nmを有する。より好ましくは、フレークは、数平均として評価された少なくとも1の横寸法300nmを有する。さらにより好ましくは、この横寸法限定は、単一層フレーに該当する。厚いフレークに関しては、単一層フレークよりも比較的大きい横寸法を有するのが典型的である。
好ましくは、フレークは、数平均として評価されたフットプリント面積(即ち、平面図で見たとき、フレークの大きい方の面の1つの面積)少なくとも0.1μmを有する。より好ましくは、フレークは、フットプリント面積少なくとも0.5μm、より好ましくは、少なくとも1μmを有する。さらにより好ましくは、このフットプリント面積限定は、単一層フレークに該当する。厚いフレークに関しては、単一層フレークよりも比較的大きいフットプリント面積を有するのが典型的である。
好ましくは、キャリア液体は、層状物質の表面エネルギーとプラスもしくは−15%以下異なる表面エネルギーを有する。我々は、接触角により関連した表面エネルギーを測定する。文献Cunningham et al.(2012)及びColeman et al.(2011)は、グラフェン及び層状物質に関して有効な表面エネルギー範囲を有するグラフを示す。
好ましくは、キャリア液体は、水,アルコール,N−メチルピロリドン,クロロホルム,ベンゼン,トルエン,ジクロロベンゼン,イソプロピルアルコール,エタノール及び/又は他の有機溶媒の1以上から選択される。
インクは、1以上の改質剤(modifiers)を包含し得る。インクの表面エネルギー(γ)を調節するため、好適な改質剤が添加され得る。例えば1以上の界面活性剤を添加してよい。胆汁酸塩界面活性剤は、特に好適であると見なされる。好適な改質剤は、利用される意図されたプリント技法に依存して、インクの粘度(η)を上向きもしくは下向きに調節するため、粘度調整剤を包含し得る。
好ましくは、インクの表面エネルギーは、20℃において30乃至55mN.m−1の範囲内である。
いくつかの実施形態においては。インクの粘度は、20℃において1乃至10mPa.sの範囲内である。これを達成するには、粘度をこれのレベルに減らすための粘度調整剤、例えばエチルアルコールの添加を必要とし得る。他の実施形態において、インクの粘度は、より高くてよい(例えば20℃において、10mPa.sより大、100mPa.sより大)。これを達成するには、粘度をこのレベルに増やすための粘度調整剤、例えばポリビニルアルコール,グリセロール,エチレングリコールの添加を必要とし得る。
インクジェット印刷のため、好ましくは、インクは、Z=1/Oh
(式中、Ohはオーネゾルゲ数であり、かつOh=(We)1/2/Reであり、
Reは、レイノルズ数であり、かつWeはウェーバー数であり、Re=υρa/η及びWe=υρa/γであり,従ってOh=(We)1/2/Re=−η/(γρa)1/2
であり、
υ[m/s]は落下速度であり、η[mPas]はインクの粘度であり、γ[mJm−2]はインクの表面エネルギーであり、ρ[gcm−3]はインクの密度であり、及びa[μm]はインクジェットプリント装置のノズル直径である)
の値1乃至100を有する。より好ましくは、Zは1乃至14の範囲内である。その理由は、可能ならば、インクジェット印刷における1次液滴の形成の際、2次(サテライト)液滴の生成を回避するためである。
インクジェット印刷のため、好ましくは、フレークは、インクジェットプリント装置のノズル直径の1/20以下である横サイズを有する。より好ましくは、フレークは、インクジェットプリント装置のノズル直径の1/50以下である横サイズを有する。これは、プリントの際、ノズルの詰まりを回避するに役立つ。
好ましくは、インクは、少なくとも0.01g/Lのレベルにおけるフレークの濃度を有する。より好ましくは、インクは、少なくとも0.5g/Lのレベルにおけるフレークの濃度を有する。
プリント技法は、インクジェット印刷,スピンコーティング,Langmuir−Blodgett,スプレー塗装,ロッドコーティング,スクリーン印刷,ロールツーロールコーティング,フレキソグラフィー印刷,グラビア印刷及びスロット染料(slot−dye)コーティングから選択される.
インクを製造する方法において、第1の態様に関して認定されたいずれの範囲、又は上記のいずれの好ましい範囲に対応する第2の集団内のフレークの厚さ分布を提供するため、好ましくは超遠心分離を実施する。
超遠心分離プロセスは、沈降に基づく分離(SBS)プロセスである。
あるいは、超遠心分離プロセスは、密度勾配超遠心分離(DGU)プロセスであってよい。DGUプロセスにおいて、密度勾配媒体が提供され、第1のフレーク集団がその密度勾配媒体内に置かれ、遠心分離を受ける。好ましくは、第2のフレーク集団は、その等密度点からもしくは近くから単離される。
2つの技法(SBS及びDGU)間での回転速度の違いは、異なる分離メカニズム、及び使用した遠心分離機のモデルに関連しており、したって調節可能である。
超遠心分離は、好ましくは少なくとも0.5時間,より好ましくは少なくとも5時間お行われる。
第1のフレーク集団から第2のフレーク集団を単離した後、第3のフレーク集団における望ましいフレークをさらに単離するため、前記第2のフレーク集団は、さらなるプロセスを受けてよい。例えば、例えば上に記載の範囲内の要求された横幅及び/又はフットプリント面積のフレークを単離するプロセスに、第2のフレーク集団を付してよい。好適なプロセスは、濾過を有し得る。真空濾過は、例えばインクジェット印刷用インクを製造するため、大型のフレークを除去するのに好適であると分かった。
好ましくは、プリント層は、導電性及び/又は光透過性である。これは、ディプレイ用途を包含する多くの用途にとって特に有用である。
好ましくは、プリント層は、シート抵抗R10kΩ/スクウェア以下を有する。より好ましくは、プリント層は、シート抵抗R1kΩ/スクウェア以下を有する。好適に低いシート抵抗を達成するため、フレークがグラフェンフレークである場合、カーボンナノチューブをインクに添加してよい。例えば、インクは単層(single wall)カーボンナノチューブをさらに有してよい。
好ましくは,プリント層は、例えば波長550nmの光を使用して測定された光透過性80%以上を有する。
好ましくは、プリント層の厚さは、少なくとも5nm,より好ましくは少なくとも10nm,さらにより好ましくは少なくとも20nmである。
好ましくは、例えばトランジスタにおいて具体化された層のキャリア移動度は、少なくとも10cm−1−1である。より好ましくは、層のキャリア移動度は、少なくとも50cm−1−1である。
好ましくは、プリント層は、フレキシブル基板、例えばフレキシブルポリマー基板上に形成される。プリント層の特性は、屈曲により実質的に影響されないことが好ましい。例えば好ましくは、プリント層は、10の折り曲げサイクルにわたり20%以下のRの変化によって、曲率半径5cm以下に折り曲げ可能である。
好ましくは、インクが1以上のドーパント及び/又はナノ材料添加剤を含有する場合、これらは、
高濃度の酸(例えば、塩さ、硝酸、硫酸);
ニトロメタン;
ニトロメタンと高濃度の酸(上記);
貴金属塩、例えば塩化金酸、金塩化カリウム、等;及び
予備合成された又はin−situ合成された金/銀/銅ナノ粒子/ナノワイヤ
から選択される。
本発明のさらなる任意の特徴は、下に記載される。
本発明の実施形態は、添付の図面に関連して実施例により記載される。図面中、
図1は、10%に希釈されたグラフェンインクの吸収のグラフを表す。 図2は、(a,b)分散キャストSLGのHRTEM画像及び電子回折パターン;(c)bにおける破線に沿った回折強度;(d)SLGに関する横サイズの統計;(e)BLGに関する横サイズの統計、及び(f)FLGに関する横サイズの統計を表す。 図3は、 (a)Si/SiO上に蓄積されたグラフェンインクのラマンスペクトル、並びに 10測定に関する(b)Disp(G),(c)FWHM(G),(d)Pos(2D),(e)FWHM(2D),(f)I(D)/I(G),及び(g)I(2D)/I(G)の分布を表す。 図4は、 (a)Disp(G)の関数としてのI(D)/I(G)と; (b)Si/SiO上に蓄積されたフレークについて測定されたFWHM(G)の関数としてのI(D)/I(G)とを表す。 図5は、 (a)EG/グラフェンインク80/20(Z=2.8)と、 (b)EG/グラフェンインク20/80(Z=11.2)と、 (c)純粋なグラフェンインク(Z=24)とにおける液滴形成の顕微鏡スチール写真を表す。 図6は、(a)第1のストライプ上、90nm厚さのストライプ上において測定されたスペクトルと比較した、インク内の個々のフレークの典型的なラマンスペクトル、並びに (b,c)インクと; (d,e)第1のストライプと; (f,g)90nm厚さのストライプとに関するPos(2D)及びFWHM(2D)を表す。 図7は、 (a)インクと;(b)第1のストライプと; (c)90nm厚さのストライプとに関するDisp(G)の分布を表す。 図8は、 (a)プリント反復の関数としての厚さと、 (b,c)厚さの関数としてのシート抵抗R及び伝導率σと、 (d)HMDS被覆された(ドット),O−プラズマ処理された(三角形),及び純粋な(四角形)基板に関して、Rの関数としてのTとを表す。 図9は、HMDS処理された(ドット),O−処理された(三角形),及び純粋な(四角形)基板上のプリントされたストライプに関し、膜厚さの関数としての伝導率σのプロットを対数目盛で表す。線は、伝導率のパーコレーションレジーム(percolation regime)にフィットする。 図10は、 (a)出力と (b)インクジェット印刷されたグラフェンTFTの転移特性とを表す。 図11は、SDC内に分散されたグラフェンに関するグラファイト濃度の関数として、単位長さ(λ=660nm)当たりの吸収を表す。これらのポイントを貫く直線フィットは、660nmにおける吸収係数αを与える。 図12は、沈降に基づく分離(SBS)グラフェン分散に関する吸収スペクトルを表す。 図13は、 a)TEMグリッドのアモルファス炭素上の多数の炭素フレークを示す低解像度相コントラスト画像と、 b)典型的なグラフェンハニカム構造を示す、代表的なフレークのズームインした高解像度相コントラスト画像(挿入部: 白色ドット四角形内の療育のフィルターした画像(フィルタリングの詳細: フーリエマスクフィルタリング、ツインオーバルパターン、25ピクセルでエッジを平滑化した))と、 c)bで示したのと同一シートからの電子回折パターン(このパターンは、グラファイト/グラフェンからに関して期待された典型的な6回対称を示す。内側ピーク(0−110)及び(−1010)は、外部ピーク(1−210)及び(−2110)よりも約1.4倍強力であることを表し、フレークが1の層の厚さであることを意味する。)と、 d)cで示されたパターンに関して、1−210乃至−2110軸の沿って取られた回折強度と、 e)フレーク当たりの層の数の関数として、フレークの目視の数のヒストグラムと、 (f)フレーク表面積の関数として、フレークの目視の数のヒストグラムとを表す。 図14は、 a)SBSにより得られた代表的フレークに関して、514.5nm励起波長で測定されたラマンスペクトル、並びにそれぞれ b)Pos(2D)と、c)FWHM(2D)と、d),e)I(D)/I(G)比及びI(2D)/I(G)比とについてのヒストグラムを表す。 図15は、 a)ラマン光ピンセットの実験装置(高い開口数の対物レンズの裏面開口をいっぱいに満たすように、レーザービームが拡大される。同一のレーザービームを、トラップされたフレークを、トラップされたフレークをトラップし、かつ励起するのに使用する。)と、 b)633nmトラッピング及び励起波長に関して、光学的にトラップされたフレークのラマンスペクトルと、それぞれ c)Pos(2D)、d)FWHM(2D)、e)I(D)/I(G)比、f)I(2D)/I(G)比、についてのヒストグラムと、を表す。 図16はフラクションf1におけるフレーク(上部)と、フラクションf23におけるフレーク(下部)とを表す。 a)代表的フレークの相コントラスト画像。フレークは、おそらくTEMグリッド上に蓄積された後、部分的に折り畳まれた単一層である。我々は、大多数のフレークは、TEMグリッド上で折り畳まれていることを見出した。 b)bにおける矢印で示されたエリアから取られた電子回折パターン。これらの測定は、フレークは、SLGであることを表す。 c)(b)で示されたパターンに関して、1−210乃至−2110軸に沿って取られた回折強度。 d)フラクションf23から抽出されたフレークの相コントラスト画像。 e)(d)における矢印で示されたエリアから取られた電子回折パターン。このパターンは、フレークが多重層であることを表す。 f)(e)に示されたパターンに関して、1−210乃至−2110軸に沿って取られた回折強度。外側ピーク(1−210)及び(−2110)は、内側ピーク(0−110)及び(−1010)よりも強度が強く、フレークが多重層であることを示す、 図17は、 a)約60%SLGを表すフラクションf1に関する、TEM統計と、 b)フラクションf1におけるフレークの平均サイズは、0.2μm乃至約1.1μmであること、 c)約90%のフレークが3乃至5層からなることを表すフラクションf12に関するTEM統計、 d)フラクションf12におけるフレークの平均サイズは、約1.5μmであること、を表す。 図18は、以下のことを表す。 (a)SiO上に蓄積されたフラクションf1,f12及びf22から、及びb)光学的にトラップされたフレークから、ソートされたグラファイトフレークの代表的ラマンスペクトル。抽出されたフラクションの浮遊密度の関数としてc)Pos(G),d)Pos(2D),e)FWHM(D),及びf)FWHM(2D)。抽出されたフラクションの浮遊密度の関数として測定されたGピークに関して、D(g)ピーク及び2D(h)ピークの高さの比率。全プロットにおいて、四角形は、基板上に蓄積されたサンプルについてのマイクロラマン分光法により得られたデータを表し、三角形は、ROT装置で光学的にトラップされた個々のフレークから得られたデータを表す。誤差のバーは、約30測定に亘る標準偏差である。 図19は、平均数9界面活性剤分子(SC,中間曲線)及び16界面活性剤分子(SDC,下の方の曲線)を有する実験データに対する幾何密度モデルのフィットを表す。上の方の曲線は、クラスタ形成しない期待された傾向を報告する。SCに関する実験データは、文献Green及びHersam(2009)から取られる。 図20は、457,514.5及び633nm励起波長におけるSWNT(単層カーボンナノチューブ)のラマンスペクトルを表す。 図21は、 a)PET上のグラフェン分散の巻き線型ロッドコーティングの概略と、 b)クローズアップ断面図とを表す。 図22は、showsmeasuredtransmittanceofPET基板の、及びPET基板上の約200cmの透明伝導体(NGC)の測定された透過率を表す。後者は、官能化SWNTからの強い吸収ピークを示さない。同一プロット内の算出されたTNGCは、可視スペクトルにわたり92乃至96%透過率を表す。 図23は、以下のことを表す。 a)Si基板上のSWNT,グラフェン及びNGCのラマンスペクトル。 b)RBM及び c)G領域の拡大図。励起波長は、514.5nmである。 図24は、異なる曲げ半径を有するPET上のITO及びGBCの抵抗における変化を表す。 a)測定相装置の概略。10折り曲げサイクルの際、折り曲げ方向に沿って、 b)PET上のNGC、及び c)PET上の60Ω/スクウェアITOにおける正規化した抵抗変化。ITOとは異なり、NGCの抵抗は、折り曲げサイクルの際及び後、影響されないままである。b)及びc)はいずれもプロットにおいて同一の記号を使用する。 図25は、PDLCデバイスの電気光学応答を表す。 a)振幅を増大する1kHz ACスクウェア波を印加するときの、PDLC層のヒステリシス応答。印加された電圧は次第に増加及び減少する場合、最大透過率の10,50及び90%を達成するのに要求される、印加された電圧レベルは、記号でマークされる。最大透過率の50%における印加電圧間の違いは、PDLCデバイスのヒステリシスを特徴化するのに通常使用される。 b)デバイスをON/OFFスイッチングするための印加電圧(1kHz ACスクウェア,200V)。 c)b)で示した電圧を印加した場合の、PDLCデバイスの応答。電圧を印加及び除去した直後最大透過率の10%,50%及び90%に達するのに要する時間は、記号でマークされる。 図26は、Agナノ粒子で修飾されたグラフェンフレークの概略図を表す。 図27は、 (a)純粋なグラフェンフレーク, (b)AgNP修飾グラフェンフレーク.のTEM画像を表す。 図28は、GTCFの透過率及び電気特性に対する、AgNP修飾の効果を表す。 図29は、SWNTとグラフェンとのハイブリッド構造のSEM画像を表す。SLG,BLG及びFLGは、SWNTネットワーク内に埋め込まれる。 図30は、剥離窒化ホウ素フレークのTEM画像を表す。
この詳細説明において、多様な具体的条件、出発物質、加工装置、分析装置等が具体的に述べられる。但し、当業者によって、異なる具体的条件、出発物質、加工装置、分析装置等が使用でき、さらに本開示により提供された一般的教示に基づき、実質的に同じ結果が達成される、と理解される。
グラフェンのインクジェット印刷
以下の考察は、主としてグラフェンのインクジェット印刷に関わる。以上のように、本発明を、インクの使用形態としてのインクジェット印刷に、もしくはインクが必ずグラフェンを含有する状況に限定することを意図していない。但し、以下の考察、及び本明細書開示の残りの部分に基づき、同一もしくは異なる印刷モードにおいて使用するための他の層状物質をどうのように適応するかは、当業者にとって明らかである。
下に記載の剥離した層状物質(ELM)は、高い比表面積を有し得る。あるものは、例えばトポロジカル絶縁体又は熱電材料であり、それ自体がプリント可能なバッテリ、エネルギー貯蔵、高速トランジスタ及びヘテロ構造の製造を可能にする。
本発明の好ましい実施形態の用途は、フレキシブルプリントエレクトロニクス,ディスプレイ,タッチスクリーン,無線周波数タグ,電子テキスタイル,及び分子/化学センシングを包含する。パターン化電子デバイスもしくはコンポーネント、例えばトランジスタ、抵抗器、絶縁体、インターコネクト、電極及び様々なデバイス用途のための導電性パターン、並びにアクティブ/パッシブ電気、光学、熱電、エネルギー及び磁気デバイスが形成され得る。
異なるELM系プリント可能なインクが、(印刷前にインクの混合をすることにより、あるいはより好ましくは、異なるインクを連続的に印刷することにより)混合され得、結果として得られる物質の全体的特性を変更し、かつ形成される新規なヘテロ構造を可能にする。このことは、新世代のプリント可能なデバイスのロールツーロール大量生産を可能にする。
インク要件
インクジェット印刷を実行可能なインクのキー特性は、液滴を生成するその能力である。インク粘度,η[mPas],表面張力,γ[mJm−2],密度,ρ[gcm−3],及びノズル直径,a[μm]は、得られる液滴の広がりに影響する。これらは、無次元性能指数(FOM),例えばレイノルズ数(Re),ウェーバー数(We),及びオーネゾルゲ数(Oh): Re=υρa/η;We=υρa/γ,Oh=(We)1/2/Re=−η/(γρa)1/2(式中、υ[m/s]は、落下速度である)へと調節され得る。印刷の際、1次液滴(drop)は2次(サテライト)液滴の後であってもよい。ドロップオンデマンド印刷において、これは避ける必要がある。
文献Fromm,(1984)は、サテライト液滴なしに、液滴形成を特徴づけるFOMとしてZ=1/Ohを使用すること、Z>2が単一液滴吐出を得るのに必要とされることを示唆した。2003年、文献Derby及びReis(2003)は、市販のドロップオンデマンドシステムを概観し、1<Z<10の範囲内で有効であったと述べている。最近では、文献Jang et al(2009)は、特性、例えば単一液滴形成,一の正確さ,及び最大許容吐出頻度を考慮することにより、実験的にZを4乃至14に限定した。但し、複数グループが、Z>14かつ2<Z<4に関してさえ、安定なインクジェット印刷(即ちサテライト液滴なし)を報告した。例えば文献Shin et al(2011)は、エチレングリコール(EG)−水インクに関しZ=35.5で安定な印刷、グリセロール−水インに関しZ=68.5であるその他、プリスチレンナノ粒子インクに関しZ21乃至91であるその他、一方で、グリセロール−水及びフォトレジストインクに関しZは2.7及び1という低さであるその他を実証した。η,γ,及びρを変更することにより、本発明者は、
具体的に選択された印刷方法(その一例は、ドロップオンデマンド印刷である)を最適化するため、従来考えられてきた最適範囲(1<Z<14)にわたり且つその外側にZをチューニングすることを提案する。
インクが分散した分子もしくはナノ粒子を含有する場合、詰まりを予防するため、後者はノズル直径よりも小さくあるべきである。文献Van Osch et al(2008)は、十分条件として、これらは、いずれの印刷不安定性(例えば、液滴軌道の逸脱を起こし得る粒子のクラスター化、又は採取素敵にはノズルをブロックする凝集体)を排除するため、ノズル直径の少なくとも1/50であるべきと示唆する。本発明では、我々は、約50μmのノズル直径を使用した。従って、我々は、フレークサイズ1μm未満を目指す(この安全な選択は、より大きなフレーク、ノズルサイズの1/20でさえもプリント可能であることを排除しない)。
基板上に吐出された液滴の挙動は、流体力学で説明され得る。液滴が平面に着地するとき、部分的な濡れが、液体と基板との間の有限角度(接触角θとして知られる)をもたらす。液滴サイズ限定は、
s[μm]=a[(We+12)/(3(1−cosθ)+(4We/Re1/2))]1/2
により与えられる。いずれか異常な吐出条件(例えば、周囲環境からの摂動(perturbations)、及び液滴軌道の逸脱)を除き、基板からの距離は、均質な印刷と高解像度との両方を保証するため、最適化されなければならない。その上さらに、ノズルに非常に近接した基板は、初期の液滴吐出圧のため、1次液滴の衝撃の際、2次液滴の飛散を惹起する。従って、最終プリント特徴の均一性に影響する。プリントされたナノ粒子インクの最終アセンブリは、基板表面エネルギー(SE)並びにインク粘度及び表面張力に依存する。
分散粒子を含有するインクの液滴が表面上で蒸発するとき、その液滴は、周囲長さに沿って濃厚なリング状の蓄積を残す。これは所謂「コーヒーリング効果」、即ち、(溶媒と基板との間の表面張力相互作用から生じる)溶媒の動きを介してインク粘度と溶質輸送との相互作用による、溶媒乾燥の際の液滴のゆがみである。これは、インクジェット印刷液滴の均一性に影響する最も重要な現象の一つである。これを予防するため、これらが、基板上に均一かつ連続的な膜を形成した後、直ちに液滴ジオメトリを「フリーズ」する必要がある。
我々は、いずれも粗さRz<15nmで、(我々のインクの電気特性を精査するため)Si/SiO及びホウケイ酸塩(Pyrex(登録商標)7740−研磨プライムグレード)ガラス基板(透明及び導電性パターンを印刷する我々のインクの可能性を検査するため)上に印刷する。我々の狙いは、均質なフレークと均一なモルフォロジーで(即ち、基板に匹敵する粗さで)基板上にインクジェット印刷された液滴を得ることである。我々は、接触角を変更すること、及び基板湿潤性を最適化することによりこれを得る。
コーヒーリング効果を減らすため、我々は、水より高い沸点(Tc[℃])及び気化熱(V[kJ/mol])両方を有する溶媒と、付着を促進する基板とを必要とする。従って、我々は2つの主要な理由により、グラファイトの剥離のための溶媒としてNMPを使用する。第1に、NMPは、水の沸点及び気化熱(約100℃及び約40kJ/mol)より高い、沸点(約202℃)及び気化熱(54.5kJ/mol)を有する。第2に、NMPは、グラファイトの高収率、界面活性剤なしの剥離に理想的である。よって我々は、基板付着を最適化するため、いくつかの表面処理をテストする。プリント後、NMPを170℃で5分間の熱アニーリングにより除去する。
グラフェン系プリント可能インク
我々は、以下のようにしてグラフェン系プリント可能インクを調製する。グラファイトフレーク(NGS Naturgraphit)をNMP内で9時間超音波処理する。超音波処理後10分間沈殿させるため、未剥離フレークを残した。デカントした分散液を次いで、Sorvall WX−100超遠心分離機内でTH−641スウィンギングバケットローターを使用して10000rpm(約15000g)で1時間超遠心分離処理し、ノズルを目詰まりさせるに違いないフレーク>1μmを除去するため濾過する。これらのステップのための好適な条件についてのより詳細は、下に記載される。
得られるインクを、光吸収分光法(OAS),高解像度透過型電子顕微鏡(HRTEM),電子回折,及びラマン分光法により特徴化する。
OAS測定に、1nm解像度を有するPerkin−Elmer Lambda950分光計を使用する。OASは、関係式A=αcl
(式中、Aは吸収であり、
l[m]は光路長であり、
c[g/L]は分散グラファイト物質の濃度であり、
α[Lg−1−1]は吸収係数である)
に従い、ランベルト・ベールの法則を介してグラフェンの濃度を推定するのに使用できる。図1は、高濃度においてあり得る散乱損失を回避するため10%に希釈したグラフェンインクのOASスペクトルをプロットする。図1中のスペクトルは、ディラック電子の線形分散により期待されるように、ほとんど特色がない。UV領域におけるピークが、状態のグラフェン密度におけるファンホーブ特異性(van Hove singularity)である。文献Hernandez et al(2008)及びHasan et al(2010)に関する限り、660nmにおけるα 約1390Lg−1−1から、我々はc 約0.11(プラスもしくはマイナス0.02)g/Lと推定する。
インク液滴を、相コントラストモードで操作する加速電圧200kVでTecnai T20高解像度電子顕微鏡を使用する分析のため穴の開いたカーボンTEMグリッド上に分配する。
フレークの厚さ分布は、ランダムに選択された20フレークの透過型電子顕微鏡(TEM)分析を使用して決定される。
図2aは、インク由来の単一層グラフェン(SLG)フレークのHRTEM画像である一方で、図2bは、図2aと同一のフレークの直角入射電子回折である。ピークを、対応するミラー・ブラベー(hkil)指数で標識化する。Bernal(AB)スタックを有する層が少ない(few−layer)グラフェン(FLG)フレークに関して、強度比I1100/I2110は<1であり、他方SLGに関してI1010/I2110>1である。我々は、SLGをFLGから識別するのにこれを使用する。図2cは、図2bに表される(1−210),(0−110),(−1010),及び(−2110)軸を貫き、破線部分に沿って測定された回折強度をプロットする。内側ピーク(0−110)及び(−1010)は、外側ピーク(1−210)及び(−2110)より1.5倍以上強力であり、フレークがSLGであることを意味する。エッジの分析は、層の数について信頼できる情報をももたらし、ズームインされた高解像度エッジ画像から、多数のフレークを調査するのに使用できる。もしSLGが折り畳まれるか、複数のSLGが互いに積み重なるならば、選択領域の回折を、グラフェンの場合において議論の余地がある場合を識別するのに使用する。従ってこの方法は、層状物質から誘導されたフレークの厚さ分布(層の数に換算)を確立するのに好ましいルートである。
これらの組み合わせた分析は、我々のインクは、横サイズ約300乃至1000nmを有するSLG,2重層(BLG),及びFLGから大抵なることを示す。我々は、約35%のSLGは300nmより大きいこと(図2d);約40%のBLGは、350nmより大きいこと(図2e);約55%のFLGは、450nmより大きいこと(図2f)を見出す。特に我々は、約0.11g/Lのcで33%のSLGを有する。NMP内のグラフェンのLPEに関する従来の文献は、約0.18g/Lのcに関して約28%までのSLG[文献Hasan et al(2010)]及び約1.8g/Lのcに関して約21%[文献Khan et al(2010)]と報告した。従って、我々のインクは、従来の文献に比べて高いSLG収率を有するが、文献Khan et al(2010)よりも低いcを有する。長時間(460時間まで)超音波処理により、この高いcが達成された。但し、文献Khan et al(2010)は、欠陥形成とサイズ減少という結果を報告した。我々の低出力超音波処理(<25W)とその後の超遠心分離との組合せは、欠陥のないSLGの高収率を得るのに理想的である。
安定な分散は、混合についてギブズの自由エネルギーΔGmix
(ΔGmix=ΔHmix−KΔSmixであり、式中、
Kは温度であり、
ΔHmixは混合のエンタルピーであり、
ΔSmixは、混合プロセスにおけるエントロピー変化である)
がゼロもしくは負であることを要求する。グラフェン及びナノチューブに関して、ΔSmixは小さい。従って、溶媒内のグラフェンの分散及び安定化のために、ΔHmixは非常に小さい必要がある。これは、表面エネルギーがグラフェンの表面エネルギーと非常に近似した溶媒を選択することにより達成できる。NMPの表面エネルギーは、この要件を満足し、グラファイトの効率的な剥離を可能にする。グラファイト.胆汁酸塩界面活性剤の使用により、グラファイトは水中でも効率的に剥離され得る。ある従事者は、約0.3g/Lのcに関して約20%のSLGと報告した一方で、他の従事者は、約0.012g/Lのcに関して約60%のSLGと報告する。密度勾配超遠心分離により、収率を約80%まで増やすことができる。これについてのより詳細は、下に記載される。水−界面活性剤分散液内のLPEグラフェンのフレークサイズは、NMPについて今まで報告されてきたもの(約1μm)より平均して小さい。室温におけるMNPの粘度(1.7mPas)は、水(約1mPas)よりも高い。高粘度媒体(例えばNMP)内に分散された大きなフレークは、高い摩擦力及び沈降係数を経験し、超遠心分離の際のフレークの沈降をより困難にする。これは、水と比較してNMP内のSLG収率を減らす。
図3aは、Si/SiO上に分泌され、かつNMPを除去するため170℃でアニールされたインクの典型的ラマンスペクトルをプロットする。G及び2Dピークの他に、図3aは顕著なD及びD’強度及び約2950cm−1における組み合わせモードD+D’を表す。Gピークは、ブリュアンゾーン中心におけるE2gフォノンに対応する。Dピークは、spリングの呼吸モードによるものであり、及び二重共鳴(DR)によるその活性化のため欠陥を必要とする。2Dピークは、Dピークの第2位である。これはSLGにおける単一バンドである一方で、バンド構造の発展を反映して、GLBにおいて4つに分割される。たとえDピークが存在しなくても、2Dピークは常にみられる。なぜならば、同一運動量で2個のフォノンを活性化するのに欠陥を必要としないからである(一方が他方から後方散乱される)。DRは谷間内で(intravalley)でも生じ得る(即ち、KもしくはK’周辺の同一円錐に属する2点を接続する)。これはD’ピークを与える。2D’はD’ピークの第2位である。我々は、D及びD’ピークを、フレーク内の大量の無秩序(disorder)の存在にではなく、μm未満のフレークのエッジに割り当てる。これは、Gピーク分散のプロットDisp(G)によりさらにサポートされる(図3b)。無秩序炭素において、励起波長がIRからUVへと減少するにつれて、Gピーク位置Pos(G)は増加するのであって、従ってDisp(G)は無秩序により増加する。Gピークの半値全幅FWHM(G)は、無秩序により常に増加する。従って、D及びGピークの強度比I(D)/I(G)と、FWHM(G)及びDisp(G)とを組み合わせることは、エッジにおける無秩序局在化とサンプルのバルク内の無秩序とを識別することを可能にする。公差の場合、高い比率I(D)/I(G)は、高いFWHM(G)及びDisp(G)に相当することになる。
図4a及びbは、Disp(G),I(D)/I(G),及びFWHM(G)は相関しないこと、Dピークへの主要な貢献はサンプルエッジからくるという明らかな徴候を表す。また、Disp(G)は、無秩序炭素に関して期待された1cm−1/nmより大きい値と比べて、全サンプルに関してゼロに近い(我々のフレーク内の大きな構造的無秩序の欠落についての別の徴候)。FWHM(2D)分布(図3e)と同様、2Dピーク位置Pos(2D)の分布(図3d)は、約2692及び2705cm−1において2つの最大値を有する。これは、SLG,BLG,及びFLGの分布であるサンプルと、但しSLGの顕著なフラクションと一致する。最小Pos(2D)及びFWHM(2D)を有するフレークに関して、2D及びG積分面積の比率A(2D)/A(G)は、最大3.5であり、少なくとも1013cm−2のドーピングを意味する。
我々は、粘度計測定から約1.9mPa.sのη及び表面張力計測定から約40mJm−2のγを誘導する。我々は、マイクロピペット(2nL精度)で室温及び圧力における1mgのインクの体積[約0.952mm]を測定することにより、約1.05gcm−3のρを推定する。これらのパラメータ及び我々のノズル直径約50μmが与えられたとして、我々は、グラフェンインクに関して約24の((γρa)1/2/η)に近似するZを、原則としてプリントのため従来想定された最適範囲の外側に得る。従って、Zを好適な範囲内に持ってくるため、我々は、インクとEGとを混合することにより、η,ρ,及びγを調節する(η 約20.5mPas,γ 約46mJm−2,ρ 約1.09gcm−3)。我々は、2つの混合物: EG/グラフェンインク20/80(約80%グラフェンインク;約20%EG)及びEG/グラフェンインク80/20(約20%グラフェンインク;約80%EG)を考慮する。我々は、EG/グラフェンインク20/80に関してη約4.2mPas,γ約42mJm−2,ρ約1.05gcm−3、並びにEG/グラフェンインク80/20に関してη約18mPas,γ約46mJm−2,ρ約1.08gcm−3を測定する。これは、約11.2及び約2.8のZ(いずれも慣用の範囲内)を与える。
我々は、一定の窒素フロー下、S020049カートリッジを備えたEpson Stylus 1500インクジェットプリンタを使用する。高速撮影カメラ(105s−1取得速度を有するSony XCD−X700)は、液滴形成の動力学をキャプチャする。図5a及びbに示されているのは、EG/グラフェンインク80/20及びEG/グラフェンインク20/80に関する液滴吐出シーケンスである。これらは、両方の場合における、1<Z<14内のインクに関して期待された通り、サテライト液滴なしの個々の液滴吐出を表す。図5cは、純粋なグラフェンインクに関する液滴吐出シーケンスである。特に、Zが約24であっても、我々はいずれのサテライト液滴を検出しない。従って、Zが従来想定されていた安定なインクジェット印刷範囲の外側であるが、図5cは、純粋なグラフェンインクからのドロップオンデマンドが達成され得ることを表す。これは、1<Z<14は、ドロップオンデマンド印刷にとって、十分条件であるが、厳密に必要な条件ではないことを表す。従って、我々は、引き続くセクションにおける純粋なグラフェンインクに着目する。
我々は、LPEは、層状物質(例えば遷移金属ジカルコゲン化物,遷移金属酸化物,及び他の2次元化合物、例えばBN,MoS,BiTe,及びBiSe)のある範囲の液体分散を達成するのに、実行可能な技法であることに留意する。従って、この取り組みは、層状物質に基づくある範囲のプリント可能なインクを提供する。次いでこれらは、混合され、又は新規な特性を有するハイブリッドヘテロ構造を形成するようにプリントされ得る。このような構造についてのさらなる詳細は、下に記載される。
インクジェット印刷された特徴
我々のプリンタのノズルは、基板の上方約1mmである。プリントされたナノ粒子インクの最終レイアウトは、基板SE、並びにインクの粘度及び表面張力に依存する。表面処理の影響を調査するため、純粋なSi/SiO,ヘキサメチルジシラザン(HMDS)−被覆したSi/SiO,及びO−プラズマ処理したSi/SiO上にプリントする。1000rpmで40秒間スピンコートし、次いで80℃で2分間アニールすることにより、HMDSは蓄積される。Oプラズマは、200W及び4x10−1Torrにおいて2分間生成される。我々は、インクジェット印刷された液滴を視覚化するため、暗視野結像を有する光学顕微鏡写真を使用する。これらは、HMDSが液滴を、他の基板(純粋なSiO及びプラズマ処理したSiOに関して、それぞれ約100μm及び約150μm)よりも小さい約90μmの直径に抑制することを明らかにしている。上に考察したように、我々は、低沸点溶媒(例えば水,クロロホルム)と比べて、コーヒーリング効果を減らすための溶媒としてNMPを使用する。但し、純粋なSiO上にプリントする場合、我々は依然としてコーヒーリングを観察する一方で、HMDS処理したSiO上にはフレーク均一性があり、コーヒーリングはない。従って、HMDSはコーヒーリングを予防すると思われる。これを理解するため、表面処理の前及び後、我々は基板のSEを測定し、且つプリントされたストライプのモルフォロジーを調査した。
基板の表面張力及びSEを推定するため、我々は接触角度分析を利用する。ヤングの関係式
γSV−γSL−γLVcosθ=0
(式中、γSV[mJm−2]は固体−気体表面張力であり,
γSLは固体−液体表面張力であり,
γLVは液体−気体表面張力である)
によれば、θは、液体の表面張力及び基板の臨界表面張力に依存する。我々は、複雑なレイアウトを製造するためインクジェット印刷の実行可能性(viability)を示した。
処理されたSi/SiO及びHMDS処理されたSi/SiOについてθの測定は、それぞれ約6°及び約65°を与え、O処理された基板のSEは、HMDS処理の後、変性されることを意味する。DI水に関する文献Shafrin及びZinisman(1967)において、γLVは約73mJm−2として測定された一方で、O処理された[文献Thomas et al(1996)]Si/SiO基板及びHMDS処理された[文献GlendinningandHelbert(1991)]Si/SiO基板に関して、γSV 約116.5mJm−2及び約40mJm−2と報告された。従って、O処理されたSi/SiO及びHMDS処理されたSi/SiOに関して、γSLは約43.9mJm−2及び約9.1mJm−2である。より高いγSLはより高いSEを意味する。事実、我々のγSLは、O処理されたSi/SiO及びHMDS処理されたSi/SiOに関してSE約73.9及び約39.1mJm−2に相当する。小さいθは、O処理されたSiOに関して、基板上に急速な液滴拡散をもたらす。HMDSはγSLを(従って基板SEを)下げるので、高いθを提供し、従って湿潤性を減らす。
インクジェットがストライプをプリントする場合、液滴間(即ち、中心から中心までの)距離は重要なパラメータである。距離が大きい場合、個々の液滴が蓄積される。液滴間距離が減少すると、これらは線へと溶け込む。従って、連続線を得るため、我々は、液滴直径よりも小さい液滴間距離を必要とする。他方、ある従事者は、非常に小さい液滴間距離は基板上に粒子凝集を、従って不均一なストライプ(即ち、不規則なエッジ)をもたらすと報告した。我々は、連続線を有するのに好適な粒子間距離を選択し、同時に不均一性及び不規則なエッジを回避する。
我々は、純粋なSi/SiO,O−プラズマ処理されたSi/SiO及びHMDS処理されたSi/SiO上にプリントされたストライプの光学的画像を研究しい、またそれぞれの原子間力顕微鏡(AFM)トポグラフィをプロットした。純粋なSi/SiOに関して、ストライプは、約100乃至110μm幅であり、フレークの凝集とともに、平均厚さ約70nm及び不規則なフレーク分布を有する。AFMは、約30乃至40nmのRzで、ボイドの存在及び不規則なフレーク分布を確認する。O−プラズマ処理されたSi/SiOに関して、ストライプは広く(約130乃至140μm)、エッジにおける凝集体及び平均厚さ約55nmを有する。HMDS処理されたSi/SiOに関して、ストライプはより均一且つ規則的なフレーク分布を有し、約85乃至90μm幅の幅及び約90nmの平均厚さを有する。SE減少のため、幅はO−プラズマ処理されたSi/SiOからHMDS処理されたSi/SiOへと狭くなる。θが高いとRzは低い。なぜならば高θを有する不十分な液滴湿潤性は、ストライプ幅を減じ、より小さいエリア上にフレークを制限するからである。HMDS処理された基板上にプリントされたストライプの均一性は、SE変化についての上の考察を確証する。事実、HMDSの分子構造内のシラン基の存在は、基板への金属粒子付着のプロモータとして振る舞う。同様に、HMDSは、基板へのグラフェン付着をプロモートし得、従って規則的なネットワークの形成に好都合である。
図6aは、インク内のフレークの典型的なラマンスペクトルと、30回の印刷繰り返し後、第1のストライプ及び90nm厚さのストライプについての測定とを比較する。図6b,c,d,e,f,g及び図7は、Pos(2D),FWHM(2D),及びDisp(G)分布を比較する。データは、第1のストライプは、期待通りインクに対して非常に類似した特性を有することを表す。但し、90の繰り返し後のスペクトルは、多層サンプルについてより典型的なPos(2D)及びFWHM(2D)分布を表し、SLGについての直接シグネチャを失った。但し、90nmストライプに関しても、2Dピーク形状は、グラファイトのそれと顕著に異なるままであることに留意されたい。グラフェン分散から誘導された厚い膜に関して、同様なフレーク凝集が先に観察された。全ての場合において、Disp(G)は、同様且つ非常に低いままであり、またフレーク内の大量の欠陥の欠如を表している。
透明な、かつ導電性パターン
今度は、我々は、透明かつ導電性パターンをプリントする我々のインクの実行可能性を調査する。我々は、透明基板上に置いた場合の、シート抵抗Rs[Ω/スクウェア]及び透過率T[%]を特徴化する。従って、我々は、約99%Si上のSiOと同様Rz<15nmを有する、但し約99%のTを有する、純粋なホウケイ酸塩ガラス,O−処理されたホウケイ酸塩ガラス及びHMDS処理されたホウケイ酸塩ガラスを使用する(Pyrex(登録商標)7740−研磨プライムグレード)。
図8aは、我々のストライプに関して、厚さ(t[nm])がプリント繰り返しの関数として、表面処理により定義された傾斜で直線状に増加することを表す。図8bは、tの関数として4探針測定したRをプロットする(測定方法に関して下を参照)。大きいtに関して、HMDS処理されたガラス,純粋なガラス,及びO処理されたガラスに対し、Rはそれぞれ約34,約500,及び約105kΩ/スクウェアである。t<20nmに関して、全ての基板に対してRは増加する。薄膜に関して、R=(σt)−1である(式中、σ[S/m]は伝導率である)。従って、図11b及びσ=(Rt)−1から、我々は図8cのデータを得る。t>20nmに関してσは定数であり、HMDS処理されたガラス,純粋なガラス,及びO処理されたガラスの場合、それぞれ約10,約30,及び約10−1S/mの平均σを有する。従って、HMDS処理されたガラス上のストライプは、他の2つの基板と比較して、より規則的なフレークネットワークと組み合わせた、高いσを有する。t<20nmであるとき、全ての基板に関してσは減少する。他の者たちにより、SiO上のCNT膜(真空濾過により製造された)、SiO上のインクジェット印刷されたCNTパターン、SiO上のグラフェン膜、及びポリエチレンテレフタラート、並びにSiO上の真空濾過により製造されたAgナノワイヤ膜に関して、同様の傾向が報告された。小さいtに関してσの減少は、パーコレーションによるものであるとして説明された。
パーコレーション理論は、等式A1:

(式中、X[μg/mm]は単位面積あたりの伝導性粒子の濃度であり、
[μg/mm]はパーコレーション閾値に相当するフレークの臨界濃度であり、及び
βはパーコレーションべき乗指数である)
として基準化するため(scale)、伝導性粒子のネットワークに関してσを予測する。等式A1は、Xではなく、tに換算して等式A2:

(式中、tは臨界厚さであり、及び
εはパーコレーションべき乗指数である)
として、書き換えできる。図8cは、tの関数としてσに関する2つのレジーム(regimes)、即ちt<20nmに関する浸透性(percolative)線形挙動、及びt>20nmに関する定数σbulkを表す。我々のフィルムが、パーコレーション領域に入る臨界厚さ(tmin)未満でバルク材料のように振る舞うのを止めることを考慮すると、このようなレジームは説明され得る。
べき乗指数εは、図9のパーコレーション領域(t<20nm)内のσとtとについてのlog10プロットの線形フィットにより推定され得る。我々は、HMDS処理され且つ純粋なガラス上のストライプに関し、約4のεを得た一方で、O処理されたガラスに関しεは約3である。様々なジオメトリを有するネットワークについて他に報告されたように、これらの値はパーコレーションを示す。εは、粒子サイズにより増加し、Xにより減少すると期待される。全ての場合において同一のインクが使用されるのであるから、類似の粒子サイズと仮定すると、約4のεは、約3のεよりも大きいXを示していると我々は推論する。これは、O処理されたガラスと比べて、HMDS処理され且つ純粋なガラス上においてより均一なネットワークの形成を意味する。
我々は、バルク伝導率レジームを達成するのに必要な最小濃度をも決定する。相するためには、我々はX>>Xと仮定する。なぜならばバルクレジームは、相互接続されたフレークのタイトなネットワークを必要とするからである。我々のcが約0.11g/Lで、プリントされた液滴ごとの体積が約10nLで、3つの基板上の乾燥液滴サイズが約90,100,及び130μmであるならば、我々は、HMDS処理されたガラス、純粋なガラス及びプラズマ処理されたガラス上にプリントされたストライプに関して、それぞれXは約4x10−2,約10−2,及び約0.7x10−2μg/mmであると推定する。従って、等式A1から、HMDS処理されたガラス上にプリントされたストライプに関するσ(σ 約10S/m)は、純粋なガラス(σ 約40S/m)及びプラズマ処理されたガラスにおけるものよりも大きい(σ 約0.1S/m)。
図8dは、Rの関数としてのTを表す。破線は、σbulk伝導率を有するグラフェンインクストライプに関して期待された関係
T=(1+(Z)/(2Rσbulk))−2
のプロットである。ここで、Z=377Ωは自由空間インピーダンスであり、Gが約6x10−5Ω−1であるというのは、グラフェンの汎用光学コンダクタンスである。実線は、パーコレートなレジーム(percolative regime)におけるストライプに関して期待された関係
T=(1+(Z)/(2Rσbulk))−2
のプロットである。ここで、Πはメリットについてのパーコレートな性能指数(figure of merit) Π=2[(σbulk/G)/(Zminε(1/ε+1)である。我々の実験のTは、T>75%について破線から逸脱する。我々は、これをパーコレートなレジームに、バルクのような挙動から逸脱するσDCとともに割り当てる。この場合また、HMDS処理されたガラス上でのプリントは、所与のRについて最高のTを与える。
インクジェットプリントされたデバイス
ここで我々は、非最適化デバイスについての予備的な作業を報告する。当業者ならば、優れた性能を有するデバイスを製造するために、過度な努力なしに本開示から作業できると予測される。
有機半導体ポリマー上にインクジェットプリントされたTFTは、広く研究されてきた。現在の技術水準のデバイスは、オン/オフ比10と共に0.01乃至約0.5cm−1−1の範囲のμを有する。種々のカーボンナノ材料を使用する複数のインクジェットプリントされたTFTが報告された。例えば、μ0.01cm−1−1まで、及びオン/オフ比<10を有するフラーレン系TFTが報告された。CNT系インクからプリントされたTFTは、複数のグループにより示された。今まで報告された最も高いμは、オン/オフ比10と組み合わせた、ただし10−6Torrにおいて測定された、約50cm−1−1である。GO還元後、オン/オフ比10(室内条件で測定された)約90cm−1−1までのμを有するGO系インクからインクジェットプリントされたTFTが、開示された。
我々は、Si/SiO上にインクジェット印刷グラフェンインクによりグラフェンTFTをプリントした。クロム−金供給源及びドレインパッドから接触が形成される。頂上に、ポリ[5,5’−ビス(3−ドデシル−2−チエニル)−2,2’−ビチオフェン](PQT−12)がプリントされる。
出力特性(図10aに示される)は、Vgs=−2,−5,及び−20Vにおいて測定され、伝達特性(図10bに示される)は、異なるドレイン電圧(Vds=−2,−4,及び−8V)において(室内条件で)測定された。μは、μ=(L/WCds)/(dI/dVgs)による伝達特性の傾斜に由来する。式中、L[μm]及びW[μm]はそれぞれチャネル長さ及びチャネル幅であり、Cはゲート誘電体キャパシタンス(約10nF/cm)である。全プリントTFTのジオメトリは、L約500μm,W約80μm,及び厚さ約25nmである。
我々は、プリントされたグラフェン系TFTのための製造プロセスを最適化するため、処理パラメータ(例えば液滴間(interdrop)距離、TFTチャネル厚さ、表面処理、及びアニール温度)が、μ及びオン/オフ比に対してどのように影響するかについて調査した。170℃でアニールしたHMDS処理された基板上にプリントされた25nm厚さのグラフェンTFTにおける液滴間距離を変化させる場合、μは、液滴間(中心から中心までの)距離約40μmに関して最大値を有する。これは、液滴間距離が平均液滴直径に大凡等しいとき、最適化されたデバイスが得られるという直観的な考えと一致する。(170℃でアニールされ、40μm液滴間距離を有するHMDS処理された基板上にプリントされたグラフェンTFTに関して)チャネル厚さを変化させる場合、μは、約25nmチャネル厚さに関して95cm−1−1まで急速に増加し、次いで40nmより大の厚さに関して減少するまで、大凡一定に留まる。我々は、厚さ>20nmに関してパーコレーションに到達することを図8に示したように、この挙動が期待される。他方、チャネルが厚すぎると、フィールド効果変調が効果的でなくなる。ポストアニール処理は、160℃より上のプラトーで移動度及びオン/オフ比を改善する。ただし、我々は、起こり得るサンプルダメージを避けるため、ポストアニール温度を過大に増大させることを望まない。そこで我々は、(O−プラズマ処理された,HMDS処理された,及び純粋なSi/SiO)基板の表面処理が、40μm液滴間距離でプリントされ、170℃でアニールされた25nmグラフェンTFTに関してμ及びオン/オフ比にどのように影響するかについて考察した。我々は、HMDS処理された基板に関してオン/オフ比約10でμ約95cm−1−1、及び他の2つの基板に関するものより劣った性能を得る。非最適化基板のコーヒーリング効果を考慮すれば、これもまた、予期されたことである。
我々は、この特定の実験において、インクジェットプリントグラフェンTFTに対する最適処理パラメータは、HMDSで処理された基板上の液滴間距離約40μm、チャネル厚さ約25nm、及びアニール温度約170℃に対応すると結論する。この場合、μは約95cm−1−1であり、且つオン/オフ比はVds=−2Vにおいて約10であり、インクジェットプリントされたRGO TFTに関して報告されたものに匹敵する。我々のデバイスにおけるμは、(約10の同一のオン/オフ比に関して)プリントされたフラーレン系TFTよりほぼ4倍高く、且つ(約10の同一のオン/オフ比に関して)インクジェットプリントされたCNTよりも2桁以上高い。しかしながら、我々のTFTにおけるオン/オフ比は、同様にμにおける(但し10−6Torrで測定された)CNTに関する技術水準よりも低い。我々は、インクジェットプリントされたエレクトロニクスは、室内条件において高いμを必要とすることを明記する。現在まで、室内条件下で測定されたCNTをインクジェットプリントしたデバイスは、(約10の同一のオン/オフ比において)約1cm−1−1以下のμを有し、これは我々のインクジェットプリントされたTFTよりも2桁小さい。
有機半導体インクは、単離されたポリマー鎖間の電荷の可変領域ホッピングにより制限された低いμに煩わされる。結晶性有機半導体薄膜における全体の電荷伝導は、鎖内及び鎖間電荷輸送により決定される。前者は、鎖間ホッピングよりもかなり速い。多くのグループが、例えば電子受容体による有機半導体インクの化学修飾、又はAuナノ粒子の付加により、鎖間ホッピングを改善しようと試みた。半導体インク内へのCNT埋め込みは、かつて室内条件で約0.07cm−1−1のμを得ることを可能にした。
我々は、(Auナノ粒子及びCNTと同様に)鎖間ホッピングエンハンサとしてグラフェンの可能性(viability)を調査するため、我々のグラフェンインクと、インクジェット印刷で最も普通の有機ポリマーの1つポリ(3,3’’’−ジドデシルクアテルチオフェン(PQT−12)、とを組み合わせる。PQT−12は、他の有機半導体インクに関して、その高い環境的安定性により(室内条件において300日まで)広く使用される。
我々はグラフェン/PQT−12TFTを製造した。図10aは、Vgs=−2,−5,及び−20Vにおけるその出力特性をプロットする。各Vgsに関して、Vdsは2Vのステップで0乃至−60Vから掃引される。Vds=−8Vにおいて、我々は、μ約0.1cm−1−1及びオン/オフ比約4×10を得る。グラフェン/PQT−12TFTのμは、オン/オフ比約10におけるインクジェットプリントされたCNT/PQT−12TFTのμの約10倍である。有機半導体ポリマーと比べて、我々のμは、インクジェットプリントされたPQT−12のμの10倍であり、純粋なポリ(2,5−ビス(3−テトラデシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェンからなるインクジェットプリントされたTFTに関して報告された最高値の2倍である。従って、グラフェンと有機半導体インクとの組み合わせ構成のプリントエレクトロニクスにとって有望である。
要約すると、液相剥離グラフェンは、プリント可能なインクを作成するのに理想的且つ低コストな材料である。我々のグラフェンインクは、約95cm−1−1までのμを有するTFTをプリントするのに使用された。また、μ約0.1cm−1−1及びオン/オフ比約4×10を有するデバイスを製造するため、PQT−12と組み合わせた。これは、可撓性で透明なエレクトロニクスのためのその可能性を実証する。我々のインク調製技術は、液相剥離をも受ける広範囲の層状物質(例えば遷移金属ジカルコゲニド,遷移金属酸化物,及び他の2次元化合物、例えばBN,MoS,BiTe,及びBiSe)に対して一般化され得る。次いで、新規な特性を有するハイブリッドヘテロ構造を形成するため、これらを混合もしくはプリントしてよい。
遠心力場(centrifugal fields)におけるグラフェンの大規模剥離及びソート
グラフェンフレークについて要求された厚さ分布を提供するため、グラフェンのLPE及び遠心分離のプロセスに関して、より詳細をここに記載する。当業者には明らかなように、他の層状物質について要求される厚さ分布を提供するように、これらの技術は、適合され得る。
調製用超遠心分離に基づく異なる戦略の後、グラフェン分散系を浄化可能である。この分離技術は、均一なもしくは密度勾配媒体(DGM)における生体物質の分離のために従来使用されていた。
沈降に基づく分離(SBS)は、種々の粒子をその沈降速度に基づきフラクション内に分離する。沈降速度は、粒子に働く遠心力に応じて、分散系内の粒子が、それらが分散されている液体外へどのように沈殿するかを決定する。
密度勾配超遠心分離(DGU)において、予め形成されたDGM内で粒子が超遠心分離される。そのプロセスの際、粒子は超遠心分離セルを動かし続け、粒子が対応する等密度点(即ち、粒子の浮遊密度が、周囲のDGMのそれと等しい点)に達するまで、遠心力によって引きずられる。浮遊密度は、対応する等密度における媒体の密度として定義され
(g/cmで測定された)、分散系、界面活性剤のタイプ、に依存し、多様な勾配媒体において、もしくは環境のpHによって異なっていてもよい。このようなプロセスは、もっぱら粒子の浮遊密度に依存し、且つ等密度分離としても知られる。粒子がそのめいめいの等密度点を達成する前に、超遠心分離が停止されるならば、ゾーン分離(ZS)が達成される。後者は、粒子それ自体の沈降速度に依存する。バンドルから個々のナノチューブを分離するための炭素系材料の分野において、SBSが2002年に導入された[文献O’Connelletal(2001)]。他方、ZSは、長さによりナノチューブの分離を可能にするが、等密度分離は、直径、金属であるか半導体であるか、及びキラリティによりナノチューブをソートするのに使用される。グラフェン及びグラファイトフレークに関して、近年、水及びデオキシコール酸ナトリウム(SDC)中での低パワー音波処理、次いでSBSにより、約60%までSLGが達成された。胆汁酸塩界面活性剤はまた、DGUと組み合わせたとき、制御された厚さを有するフレークの単離を可能にする。
ジヒドロキシデオキシコール酸ナトリウム(SDC)水溶液中のグラファイトの低パワー音波処理、次いで遠心力場における分離により、剥離グラフェンの高収率がまた得られる。SBS及び等密度分離の両方を、単一層及び少数層グラフェンにおける高度に濃縮された分散系を得るのに使用できる。TEMは、SBSにより得られたフレーク(>99%)は4層未満を有し、約65%は、平均サイズ約6×10−4μmの単一層であることを示す。他方、層の数によりフレークをソートすることの他、等密度分離は、SBSに関してより大きなフレークを得られるようにする。これはまた、マイクロラマンを介して実証される。実際に我々は、約1μmのオーダーで(in the order of)平均サイズを有する最上級のフラクションにおいて約60%SLGを達成した。我々はまた、SDCが、層の数によりグラファイトフレークをソートするのに好適な界面活性剤であることを示す。我々は、この分離が、界面活性剤分子の被覆及びクラスター化(凝集特性)により強く影響されることを示す。
遠心力場における分離の基本原理−沈降に基づく分離
グラフェン界面活性剤複合体(GSC)が溶媒内に分散され、遠心力場を受けるとき、3つの力がそれに働く。遠心力 F=mtotωrは、GSC(mtot)の質量、角速度(ω)の2乗、及び回転軸からの距離(r)の積に等しい。浮力F=−mωrは、GSCにより押しのけられた流体の重量に等しい(アルキメデスの原理)。遠心力下、GSCは、セルの底部/端部の方へ動く傾向がある。しかしながら、超遠心分離の際、GSCは、溶液中を動き、従ってGSCは、摩擦力F=−fvをも受ける。式中fは摩擦係数である。一般に、一定の密度の媒体内で既知の体積及び密度の粒子は、正味の力が媒体中での動きに逆らう力に等しくなるまで、遠心力場下で加速される。fは、粒子の形状及びサイズに依存し、粒子ジオメトリが球状から離れていくにつれ、増加する。大ききもしくは細長い粒子は、同一質量のコンパクトな球状粒子より、より多くの摩擦抵抗を経験する。
及びFは両方とも沈降とは反対方向に働く。遠心力場における沈降速度は、スベドベリの等式:

により記載される。式中、sは通常スベドベリ(S)単位で報告される沈降係数であり、ここで1Sは10−13secに対応する。vは沈降速度であり、

は、部分比容積(溶質の各グラムが溶液内を占めるmLの体積)であり、
ρは、溶媒の密度である(g/mL)。Sは、粒子の特性に依存し、粒子の浮力効果分子量に比例する一方で、fに対して反比例する。一般に、異なる重量、形状もしくはサイズを有する分子は、所与の遠心力場内で異なる速度で移動する。従ってこれらは、異なるS値を有する。
超遠心分離時間の関数として、GSCはキュベットの底部に積もり始める。キュベット底部においてGSCの濃度が増加すると、拡散プロセスはさらなる沈降に対向する。沈降と拡散とがバランスされるとき、平衡に達し、キュベットに沿ったフレークの濃度は、もはや時間とともに変化しない。等式1によると、平衡においてGSCの沈降は、もっぱら摩擦係数及び分子量に依存する。従ってGSCのSBSは、それらの分子量及び形状に基づき分離を確実にする。
遠心力場における分離の基本原理−等密度分離
等密度分離は、遠心力下の超遠心分離セル内で空間分離を得るために、オブジェクト間の微妙な密度変化を利用する。文献Arnold et al (2005)は、SWNTの直径ソートのため、炭素系ナノ材料の分野内で最初にこの分離技術を適用した。この場合、半径R、シェル厚さtを有しかつ液体充填のフラクションFを含む1ナノチューブの有効密度ρは、等式2:

から算出できる。式中、ρはグラフェンの密度であり、ρは液体の密度である。等式2は、ナノチューブの密度は本質的にその半径に比例し、第1の近似において半径それ自体に反比例する。よって原則として、純粋なナノチューブ密度と直径との間の関係は、密度勾配におけるこれらの直径によるSWNTの差別のために十分である。しかしながら少なくとも直径範囲0.7乃至2において、かつ等式2にから算出されたSWNTの密度は、水の密度よりも高い。これは、ナノチューブが高G力で水中遠心分離されるとき、これらはセル底部でペレット化しなければならないことを意味する。しかしながらSWNT周囲の界面活性剤シェルは、個々のナノ中部及び小さいバンドルを高く維持する追加の浮力を提供する一方で、大きなバンドルが沈殿し(sediment out)、密度勾配におけるこれらの直径によりSWNTの分離を可能にする。さらに、補助界面活性剤混合物の使用は、金属と半導体との分離、及び単一キラリティ濃縮を可能にした。ナノチューブとは反対に、原則として裸のナノチューブの分離が可能であるとき、グラファイトフレークの場合、我々は、等密度分離の際超遠心分離セル内部でこれらの空間分離を有するため、SLG,BLG,等の間密度差を誘発しなければならない。実際、グラファイトフレークの密度は、層の数から独立しており、及びSLG,BLG,等は等密度分離を使用して分離され得ない。次いでフレークを被覆する界面活性剤により密度差が提供される。グラファイトフレークの疎水性表面と水との間の反発作用を安定化すること以外に、その界面活性剤は、フレーク厚さによる浮遊密度のバリエーションを提供する。界面活性剤の均一な層を考慮すると、GSCの浮遊密度は、グラフェン層の数と共に増加する。
実験―沈降に基づく分離
2mgのグラファイトパウダーを0.3%w/vSDC(Sigma Aldrich)と共に10mL脱イオン水に添加する。使用したグラファイトパウダー(Sigma Aldrich: プロダクト番号332461)は、数mmのオーダーの平均サイズを有するグラファイトフレークからなる。SDCは、疎水性側と親水性側とを有する両親媒性分子であって、その表目に物理的に吸着させることにより水溶液内にグラファイトを分散させる。SDC分子はステロイド、有機化合物、例えばコレステロール(4個の環、シクロペンテノフェナントレン核に配置された17炭素原子からなり、異なる側を有する平らな楕円体のような形状である)である。β−面は、そのメチル基のため疎水性である一方、−OH気が配置されたα―面は親水性である。脂肪族短鎖がステロイド核の1末端から突き出ており、親水性基で終わっている。従って、SDC分子は、1個の疎水性側(β),1個の親水性側(α)及び1個の短い親水性テイルを有する。このような分子構造のため、SDCは、胆汁酸塩のうち最高の疎水性指数(HI)(即ち、疎水性側と親水性側との間の表面積比)を示す。高HIは、より強い疎水性、即ち疎水性グラファイト表面(その構造は炭素原子からなる)上に平らな分子を吸着させる重要な要件を意味する。
得られた分散系は、120分間低出力バスソニケータ(Decon,100W)内で超音波処理する。超音波処理の際、キャビテ―ションと関連した流体力学せん断力は剥離を誘発する。キャビテ―ションは、圧力変動の結果として、液体内の小さい泡もしくはボイドの形成、成長及び崩壊である。得られるフレークは次いでSDC分子に囲まれ、再凝集を防ぐ。
得られた分散系は、グラフェンシートとより厚いグラファイトフレークとを含有する。
遠心力場におけるSBSは、従ってそのより厚いグラファイト材料を除去することを必要とする。分散系を、スインギングバケットロータMLS−50(Beckman−Coulter Optima Max−E)内で15℃、5kRPM(約2100g)で30分間超遠心分離処理する。
実験−等密度分離
等密度分離のため、分散系を以下のようにして調製する: 30mgグラファイトパウダ−を、2%w/vSDCと共に10mL脱イオン(DI)水に添加する。グラフェンをソ−トする予備ステップは、上述のような水−界面活性剤溶液内のグラファイトパウダ−の超音波処理、その後の1000RPMで10分間の短いプレ超音波処理である(Sorvall WX ultra100 ultracentrifuge)。次いで上澄み液を抽出し、等密度分離に使用する。
DGM選択は重要である。塩(例えば塩化セシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム等)、スクロ−ス及びOptiprep(ρ=1.32gcm−3を有する、水中60%w/vイオジキサノ−ル溶液)、トリヨ−ド安息香酸の非イオン性等張誘導体が、等密度分離において通常使用される。DGMの低粘度のため、塩により生成された密度勾配は、スクロ−ス及びOptiprepで生成されたこれらに関して安定ではない。さらに、塩は、疎水性溶質上に強い凝集を誘発し、それは分離プロセスそれ自体に影響し得る。
さらに、DGMとして使用されるスクロ−スの百分率は、分離に対して顕著なインパクトを有し得る。スクロ−スは、高濃度において指数的に増大する高粘度を有し、等密度分離のためよりもZSのためDGU内で主として使用される。サイズ、及びシ−ト直径内の比較的小さい差を有するほぼ単分散化学的に還元されたグラフェン酸化物シ−トを得る界面化学によりGOシ−トを分離するため、ZS内でDGMとしてスクロ−スを使用することは知られている。
他方、塩及び密度同調性に関して、スクロ−スについてOptiprepは、その高い粘度により等密度分離に対してよりふさわしい。さらに、Optiprepは勾配密度の関数としてほぼ一定の粘度を有する。
Optiprepを希釈することにより、密度プロファイルは異なるやり方で、即ち線形、非線形もしくはステップで形成可能である。異なる密度の層を積み重ねることにより形成されたステップ勾配が、大きな密度差を有する分子の分離に最も効果的である。非線形勾配において、DGM密度はセルに沿って非線形的に変化する。原則として非線形勾配は最も感受性である。なぜならばいろいろな深さ密度プロファイルが、セル長さにそって異なる密度の粒子をトラップ可能な密度バリエ−ションによって生成可能であるからである。しかしながら、しばしば最終分離における線形勾配に勝る利点はない。なぜならば粒子は、平行に達するのに長時間を要するからである。しかしながら、勾配の初期の形状は実質的に維持されない。なぜならば拡散がそれを急こう配でなくする傾向にあるからである。
密度勾配は、底部から上部までOptiprepの濃度を減らすような、異なる層を積み重ねることにより、キュベット(Seton, ultra clear open−top, 14×89mm,容量13.2ml)内で直接形成される。我々は、停止層として余分の2%w/v界面活性剤と共に1.5mlのOptiprepを、次いで2%w/v界面活性剤と共に2.5mlのOptiprep50%(グラフェン分散系1:1 v/vで希釈,ρ 1.16g/cm)を挿入する。これの最上部に、我々は1.5ml グラフェン分散系(2%w/v界面活性剤とともに100%Optiprepを添加することにより1.12g/cmに調節された密度)を載せる。次いでキュベットを2以上の層、即ち2.5ml Optiprep25%(グラフェン分散系1:4v/vで希釈,ρ約1.08g/cm)及び約4mlグラフェン分散系で充填する。これは、ステップ勾配を作成する。次いで線形勾配が格差により生成される。キュベットをキャップし、2時間水平に倒し、次いで別の2時間垂直に立てる。
TH−641スウィンギングバケットロ−タ−内、30kRPM,15℃で12時間、グラフェン分離を超遠心分離により実施する(Sorvall WX−100超遠心分離機)。
平均加速度及び最大加速度は、それぞれ約198,000g及び約275,000gである。プロセスの際、GSCはキュベットに沿って移動し、これらがその等密度点に達するまで、遠心力によって引きずられる。
良好な分離は、キュベットに沿ったグレイバンドの外観により示される。
等密度分離の後、SWNTの抽出のため、文献Arnold et al(2006)及びCrochet et al(2007)において開発された分割手順に従い、ソ−トされたフレ−クが抽出された。我々は、シリンジポンプを利用する上方置換分割を使用する。Fluorinert FC−40(ρ 約1.85g/cm;Sigma−Aldrich)を、逆にした収集ニ−ドル内へ勾配を押し上げる底部におけるニ−ドルで挿入する。スライドキャリパ−を使用して、分散系の最上部と上部濃縮バンドとの間の距離を注意深く測定し、及び対応する体積が算出される。次いでこれを抽出し、キュベットの底部におけるFluorinertの同一体積を注入することにより廃棄する。一度興味対象のバンドが最上部にあれば、分離したグラフェンフレ−クを含有する分散系の同一体積を抽出するため、約150μLのFluorinertを注入する。
特徴化
光吸収分光法(OAS),TEM,マイクロラマン,及びラマン光学ピンセット分光法により、グラフェン分散系を特徴化する。分散系内のグラファイト材料の濃度cを評価するため、我々はOASを使用する。同じ技術は、上に考察されたランベルト・ベ−ルの法則により分散系内のシングルウォ−ルナノチュ−ブ(SWNT)及びグラフェンのcを推定するため、他の者たちにも使用されてきた。
吸収係数αを決定するため、分散系の既知の体積を、真空濾過技術を介して既知の質量の膜フィルタ(メンブレンフィルタMce Mf−Millipore 25μm直径,0.1μmポアサイズ)上で濾過し、次いで80℃で一晩乾燥した。次いで得られるコンパクトフィルムの質量を、マイクロバランス(Sartorius SE2−F, 0.1μg解像度)を使用して決定した。乾燥したフィルムの熱重量分析(TGA)分析から、我々はフィルムの約56%がグラファイトであり、残りは、残留界面活性剤及びメンブレン由来の繊維に起因することを見出した。完全な界面活性剤除去を妨げるかなり厚いフィルムであるならば、残留物の存在は驚くべきことではない。フィルム内のグラファイト質量についての知識は、初期ストック分散系の最終濃度を決定することを可能にする。次いで0.5mLの初期分散系を、0.5mL純水で希釈し、図11に示すように、単位長さ当たりの吸光度(A/l)とグラファイトの濃度(超遠心分離後、Cg;uc)との測定を可能にした。各希釈分散系に関して660nmで測定された吸収値の線形フィットは、α約1390Lg−1−1を与える。
Perkin−Elmer Lambda 950 UV−Vis−NIR分光計を、1.3nm解像度で分散系の吸光度を測定するのに使用する。溶媒及び界面活性剤だけを含有する参照溶液を、バックグラウンド補正のために使用する。OASの後、TEM,マイクロラマン及びラマンピンセット測定のため、分散系をSDC−水溶液で1:10に希釈する。
前者に関して、分散系を穴の開いた炭素TEM格子(400メッシュ)上にドロップキャストし、DI水でリンスする。80kVで操作された2個のCEOS Cs収差補正装置でフィットしたJEOL JEM2200MCOFEGTEM/STEMで画像を取る。上に説明したように電子回折パタ−ンを分析することにより、1フレ−ク内のグラフェン層の数を同定できる。AB積層を有する全てのグラファイト対物レンズは、I1010/I2110比<1を表す一方で、単一層はI1010/I2110比>1を表す。SLGと多層とを同定及び区別するため、我々は再度この基準を使用する。SLGの存在を確実に証明できる非常にまれな技術の一つであるにも関わらず、電子回折は時間がかかることに留意されたい。それは、電子ビ−ムの完璧な直角入射を達成するため、(X方向及びY方向の両方に対して)注意深いサンプル傾き系列を必要とする。直接解釈できない回折スポット強度において軸ずれ(off−axis)偏差が生じる。あるいは、TEMからは100%の確実性で厚さを決定できないにもかかわらず、エッジの性質は、上に概略を述べた回折分析よりもかなり迅速に推定を与えることができ、かつ多数のフレ−クについて信頼できる統計分析を得るのに使用され得る。層の数は、しばしばエッジのズ−ムインされた高解像度画像からカウントできる。真っ直ぐなエッジが観察されるならば、それはわずかに折り曲げられた(folded)SLGもしくはFLGフレ−クである。しばしば、せん断された原子間結合から生成される真正のSLGエッジは、それらのよりランダムな軌道により認識され得る。1つのFLGがそれ自体折り曲がるのであれば、スクロ−ルがエッジに沿って観察される。多くの場合、SLG,折り畳まれたSLG,BLG及びFLGは、HRTEMもしくは回折と組み合わせたHRTEMにより、容易に区別され得る。SLGがそれ自体折曲がるのであれば、通常は電子回折パタ−ンがランダムな積み替え(restacking)を表す。次いで、選択された回折領域は、議論のある場合を識別するための最終証明として使用され得る。
マイクロラマン測定の場合、希釈された分散系を、ドロップキャストにより、室温で、Si/SiO基板上に堆積させる(典型的酸化物厚さ300nmで)。次いで過剰の界面活性剤とDGMとを除去するため、堆積されたサンプルをDI水でリンスする。100×対物レンズ及び約1mWパワ−を使用して、蒸発液滴の境界領域上にレ−ザ−スポットをフォ−カスすることにより514nm励起において、Renishaw 1000分光計でラマンスペクトルを収集する。
結果及び考察−沈降に基づく分離I
図12は、SBSにより調製された分散系のOASをプロットする。266nmにおけるUV吸収ピ−クは、ブリュアンゾ−ンのMポイントにおける非占有π*状態からの中間帯電子遷移に起因する。高波長テイルを有するUVピ−クの非対称は、励起子効果に起因する。実験的に誘導された660nmにおける吸収係数1390Lg−1−1を使用して、我々はグラファイト材料の濃度は約8mg/Lと推定する。
図13のTEM分析により示されるように、グラフェン分散系は、大抵10乃至40nmフレ−クを含有する。図13aは、TEM格子上に堆積された大量の炭素フレ−クを有する低解像度コントラスト画像を描く。図13bは、典型的グラフェンハニカム構造を表すフレ−クの1つ(図13a)についてズ−ムインされた高解像度位相コントラスト画像である。図13cは、図13bにおける同一フレ−クの直角入射電子回折パタ−ンを表す。このパタ−ンは、グラファイト/グラフェンフレ−クについて予期された典型的6回対称性を特徴とする。これは、ミラ−・ブラベ−指数(hkil)でピ−クをラベルすることを可能にする。強度比I1010/I2110は>1である。
図13dは、図13cに報告された(1−210),(0−110),(−1010),(−2110)軸を貫通する線区間にそって測定された回折強度を表す。内側ピ−ク,(0−110)及び(−1010)は、外側ピ−ク,(1−210)及び(−2110)より約1.4倍強く、フレ−クが単一層であることを意味する。信頼できる統計を得るため、我々は100個のフレ−クを測定した。我々は、4層未満を有するFLGフレ−クの巨大集団を得る。統計的分析(図13e参照)は、フレ−クの約65%はSLGであることを表す。これは、グラフェン/溶媒分散系についての以前の観察よりもかなり高い。
対物レンズの大凡の幾何形状(即ち多角形、四角形、円形)を考慮し、且つ従来の幾何学規則を欠く場合に適用することにより、フレ−クの表面積が推定され得る。図13fにおけるフレ−ク表面積統計分析は、平均フレ−クサイズは約6x10−4μmであること、ただし殆ど全てのフレ−クは円形もしくは楕円形状を有することを意味する。
図14aは、514.5nm励起におけるSi/SiO上に堆積された
マイクロラマンスペクトルの統計的分析は、2Dピ−クは、平均して2697cm−1のpos(2D)(図14b参照)及び64cm−1のFWHM(2D)(図14b参照)を有することを表す。pos(2D)はアップシフトされ、FWHM(2D)は、マイクロメカニカル劈開により生成したグラフェンフレ−クのそれに関して大であるにもかかわらず、2Dピ−クはロ−レンツ線形を依然として表す。これは、フレ−クは大抵単一層であること、又はFLGの場合これらは電子的に殆ど分離しており、且つ第1近似に対して、単一層の収集のように振る舞うことを意味する。I(D)/I(G)は返金して1.3である(図14d参照)。Dピ−クの非常に大きな強度は、大量の構造的欠陥の存在によるものではなく、それでなければそれはもっと広くなり、及びG,D’は単一バンドに併合する。我々は、むしろそれを我々のμm未満の(sub−micrometer)フレ−クのエッジに割り当てる。図14dは、I(2D)/I(G)が0.5乃至1.5に及び、平均値約0.9を有することを表す。G及び2Dピ−クは、異なるド−ピング依存性を有し、2D/G高さ比は、ド−ピングレベルにより顕著に変化する。2Dモ−ドの依存性は、Gモ−ドのそれよりもかなり強く、(I(2D)/I(G))は、ゼロド−ピングに関して最大であり、ド−ピングレベルを増加させると減少する。従って、グラフェンフレ−ク頂上の界面活性剤残留物により誘導された可能なケミカルド−ピングにより、2Dピ−クの形状は、SLGを同定するのに最も効果的な方法である。
ROT装置で溶液内の個々のフレ−クをトラップするとき、同様の結果が得られる。図15bは、633nmでROT内にトラップされたフレ−クのラマンスペクトルを表す。個々のトラップされたフレ−クから得られたスペクトルの統計的分析から明らかなように、2Dピ−クは、514.5nm励起に関してダウンシフトされた2639cm−1において平均位置を有する(図15c参照)。なぜならば我々は633nmの光でトラップ及び励起するからである。2Dピ−ク平均FWHM(see図15d)は、59cm−1であり、マイクロラマン分光法で測定されたものを一貫して下回る。事実、ROTは本質的に厳密な個々のフレ−クであり、他方ドロップキャストサンプルのマイクロラマン分析において、レ−ザ−スポット内で複数の異なるフレ−クからラマンシグナルを収集することはありそうなことである。最後に図15e及び15fは、Dピ−クとGピ−クとの間、及び2Dピ−クとGピ−クとの間の強度比を表す。I(D)/I(G)比は、平均値2を有し、且つ1.5乃至2.7に及ぶ。これらの値は、マイクロラマンで得られたものに関して、平均してわずかに高い。しかしながら、我々は、pos(D)の分散的な性質及びI(D)/I(G)比をフォトンエネルギ−と共に考慮しなければならない。図15fに示された統計的分析は、I(2D)/I(G)比平均値は0.8であり、0.4乃至1に及ぶことを表す。
結果及び考察−剥離メカニズム
音波処理により得られたグラフェンフレ−クのアスペクト比を予測するため、我々は、ナノチュ−ブの機械的切断を調査するため、Ahir et al(2008)により同様に取り組み、開発されたものを使用する。グラファイトフレ−クは、半径rを有する積み重なった、円形のグラフェン層N個からなる多層円筒体とみなされる。円筒の高さは従ってh=Ntである(tは層間距離である)。音波処理の際、バブル爆縮(implosion)は、内側径方向液体フロ−を与え、これはフレ−ク上に粘性力を誘導する。このような力は、剥離のために十分に高くなければならないが、但し大きなグラフェンフレ−クを生成するためには、面内破砕を回避するよう十分に低い必要がある。液体により生成された粘性応力σηは、フレ−ク厚さの2乗(square)に及び層の数に比例する。従って、2層の場合、σηは、3層の場合のほぼ半分の値であり、従って剥離はより困難になる。所与のサイズrのSLGを得るための条件は、BLGを剥離するのに必要とされる粘性応力に対応する。しかしながら、この条件は、面内破砕を回避するためのグラフェン層の固有破砕を考慮する条件と釣り合うべきである。
剥離強度σ、即ちグラフェンフレ−クを剥離するのに必要とされる応力(GPa)を推定するため、我々はHamakerモデル(Hamaker(1937)を利用する。このモデルは、Hamaker定数H(原子間のロンドン分散エネルギ−のペアによる合計(pair−wise summation)の理論から得られるパラメ−タ)を使用することにより2つの平衡表面の間のファンデルワ−ルス力を推定した。一般に、ファンデルワ−ルス相互作用は、2つの永久双極子間の力(ケ−ソン(Keesom)力)、1の永久双極子と1の対応する誘導双極との間の力(デバイ力)、及び2つの瞬時に誘導された双極子間の力(ロンドン分散力)を包含する。炭素原子は非極性物質であり、従ってロンドン分散力とファンデルワ−ルス力とは同等である。2つの平行なグラフェン層の間の力は、異なる相対向きにわたり平均化され、等式B1として推定される。

式中、Hは原子間のロンドン分散エネルギ−のペアによる合計の理論から得られるパラメ−タであり、Aはグラフェン層の表面積である。2つの平行な表面の間の力から、我々は等式B2を得る。

等式B2を使用すると、異なる層からなるグラファイトフレ−クの平均統計的分布が推定され得る。
音波処理によるグラファイト剥離は、層の数とともに増加する横サイズを有するフレ−クを平均して生成する。従って、SBSの剥離は、それらの質量以外の、層の数に基づく分離を得ることを可能にする。しかしながら、分離プロセスは、グラフェン層のより多数を有するフレ−クのための効率の減少を有するSLGのためにより効果的である。
結果及び考察−等密度分離
高い質量を有するSLGもしくはFLGでさえ、SBS内のペレットとして超遠心分離キュベットの底部上に堆積する傾向にある。このようなフレ−クを失わないため、且つ高いSLG百分率を維持するため、大きなフレ−クをも選択するソ−ト機構が必要である。従って我々は、等密度分離がSBSの欠点を克服できることを実証する。なぜならば、上に説明したように、等密度分離は質量ではなく密度によってフレ−クを分離するからである。
TEM分析は、層の数によりフレ−クを効果的にソ−トするエビデンスを提供する。HRTEM顕微鏡検査は、数百ナノメ−トルの寸法を有するグラフェンシ−トを明らかにする。図16aは、エッジ分析により評価された、折り畳まれたSLGのHRTEM顕微鏡写真である。グラフェンのより決定的な同定が、電子回折パタ−ンを分析することによりされ得る。図16bは、矢印で示されたエリア内で測定された直角入射電子回折パタ−ンを表し、フレ−クが折り畳まれたSLGであることを確認する。
図16cは、(1−210),(0−110),(−1010),(−2110)を貫通する線区間に沿った回折した強度を表す。内側ピ−ク(0−110)及び(−1010)は、外側ピ−ク(1−210)及び(−2110)より5倍以上強力であり、フレ−クがSLGであることを意味する。他方、高い浮遊密度で抽出されたフレ−ク(フラクション12)は、フラクション1における抽出されたフレ−クに関してより多数の層からなる。図16dは、多層フレ−クの高解像度位相コントラスト画像を表す。フレ−クが多層であるという事実は、図16d内の矢印によって示されたエリア内で測定された回折パタ−ン(図16e)によっても実証される。この場合、外側ピ−ク(1−210)及び(−2110)は、内側ピ−ク(0−110)及び(−1010)よりもより強力であり、フレ−クが多層であることを意味する(図16f参照)。より高い浮遊密度においてさえ、我々はフラクション1及び12に関してより多数の層を有するフレ−クを見出す。
図17は、各フラクション当たり50のフレ−クについてのTEM分析から算出された統計(層の数及びソ−トされたグラフェンフレ−クのエリア)を表す。DGUの後、フラクションf1内のフレ−クの約60%ofフレ−クはSLGである(図17a参照)。図17bに報告されたフレ−ク表面積の統計的分析は、フラクション1内の平均サイズは、0.2μm乃至約1.1μmに及ぶことを表す。これらのグラフェンフレ−クは、文献Green and Hersam(2009)により報告されたものに関して、少なくとも2桁大きい表面積を表す。フラクション12内のフレ−クは、フラクション1のフレ−クと比較してより多数の層からなり、但しSLGでもBLGでもない。図17cは、3乃至5層のフレ−クの分布を表す。特に平均表面積は、フラクション1のそれより約2倍大きい。フラクション12において、フレ−クは平均面積1.5μmを有し、ただしいくつかの(12%)フレ−クは2μmより大きい。
図18a及び図18bは、μラマン分析から得られたフラクション1,12及び22で抽出されたフレ−クのラマンスペクトルを報告する。これらのスペクトルは、D,G,D’及び2Dピ−クの形状及び強度の両方における系統的な変化を表す。これらの変動を定量化するため、図18c乃至図18hにおいて我々は、フラクションごとに約30の異なるマイクロラマン測定からの統計を表し、これらのデ−タの平均及び標準偏差情報を抽出する。図18c,dは、抽出されたフラクションの浮遊密度の関数としてPos(G)及びPos(2D)を表す。我々は、フラクション1からフラクション22まで、Pos(G)のなんか及びPos(2D)の硬化に言及する。図18e及び図18fは、マイクロラマン分光法で測定されたように、高い浮遊密度において抽出された分散系に関してFWHM(D)及びFWHM(2D)両方が増加することを表す。FWHM(D)は、フラクション1の28cm−1からフラクション22の33cm−1までもっぱら増加する(17%)。対照的に、FWHM(2D)は、同じフラクションに関してもっと高いインクリメントを有する(60%)。事実、フラクション1は平均してFWHM(2D)50cm−1を有する一方で、フラクション22のFWHM(2D)は、マイクロラマン分析で測定したとき、ほとんど80cm−1である。図18g,図18hに示した強度比I(D)/I(G)及びI(2D)/I(G)は、浮遊密度と共に単調に減少する。G及び2Dピ−クは、異なるド−ピング依存性を有し、但しこの場合全てのフラクションは、同一の界面活性剤及びDGMを有する同一の分散系から抽出される(これは、出発物質は、同一の可能性がある意図的でないド−ピングプロセスを受けたことを意味する)。従って、異なる浮遊密度で抽出されたフラクションによるI(2D)/I(G)の変動は、ド−ピングに依存すべきではなく、図16及び図16に示されたTEMデ−タと一致して、層の数によるグラファイトフレ−ク分離の有効性についての別の徴候である。
結果及び考察−等密度分離−分離メカニズム
以下の関係式B3によりGSCの浮遊密度ρがモデル化できる。

ここでは、λ(N;R)=tN/r,
=12u(炭素の原子単位質量),
=t=0:356nm,
=38:2nm−2は、単位面積当たりの炭素原子の数であり、
ρ=M=7:612×10−8g/nmは、グラフェンの単位面積当たりの密度であり、
=414:55uは、SDCの分子単位質量であり、
=0:52nm−2は、単位面積当たりの界面活性剤分子の数であり、
は、界面活性剤分子の凝集数である。
フレ−ク表面頂上の界面活性剤分子の凝集特性は、界面活性剤分子タイプ及び濃度に依存する。
等密度分離は、所与の表面と体積との比のフレ−クを選択的に分離することを可能にする。従って、S=V(N;r)=constを有するフレ−クが、同一の浮遊密度を有すると期待される。我々は、異なる界面活性剤もしくは異なるcに関して、異なる層数からなるGSCの浮遊密度の変動を算出するのに、等式B3を使用する。
図19は、c=15を使用して、我々が2%w/vSDC内で分散系から得られたデ−タを再生成することを表す。我々はまた、線形密度勾配内での等密度分離が、界面活性剤として2%w/vSCで行われた文献Green and Hersam(2009)からのデ−タをプロットする。
我々のモデルは、グラファイト上へのSC分子の吸着のため、V=0:64nm及びns=0:38nm−2について文献Sasaki et al(1995)により決定された値を使用する文献Green and Hersam(2009)のデ−タに良くフィットする。図19は、グラファイトフレ−クの最上部に吸着された界面活性剤分子の凝集が、それらの浮遊密度を決定することを証明する。
図19は、SDCが約15分子のクラスタ−を形成するとき、密度媒体は、グラフェンの7層までを有するGSCをサポ−トできる一方で、文献Green and Hersam(2009)におけるようなSCは、4層以上を有するグラフェン界面活性剤アセンブリをサポ−トしないことを意味する。c=1を有するSDC分散系を考慮すると、図19における対応するプロット(上方曲線)は、SLGのみが密度勾配(1.32g/cm−3)によりサポ−トされ得る一方で、多層GSCは緻密すぎ、超遠視分離キュベットの底部までペレット化していることを意味することになる。
グラフェン−SDC複合体は、低い浮遊密度と、SCに関して層の数により異なるグラファイトフレ−クを分離するための高い能力とを有する。これは、2つの胆汁酸塩の異なる凝集特性によるものである。事実、SDC及びSCは、もっぱら−OH基の数において異なる。このことは、2つの界面活性剤分子の異なる凝集特性により、SWNTを効率的にソ−トするための重要なパラメ−タであることが他者により実証された。
多くのキラリティが浮遊密度の小さな違いを表すナノチュ−ブと反対に、GSCの場合において、SLG,BLG及びTLG間の浮遊密度差は大きい。従ってナノチュ−ブにおける、側壁周囲の大きな界面活性剤クラスタ−の形成は、分離の有効性にとって欠点である一方で、グラファイトフレ−クの場合において、これは利点である。事実、大きな界面活性剤凝集体は、GSCの浮遊密度を減らす傾向にあり、従ってSCで行われた同一のプロセスに関して、層の数が多いフレ−クの分離を可能にする。
この違いは、2つの胆汁酸塩のミセル化挙動によるものである。SCは、SDC(流体力学半径,R=1:5−6:0nm)に比べてはるかに小さいミセル(流体力学半径,R=1:0−1:5nm)を形成する。さらに、ジヒドロキシ(SDC)及びトリヒドロキシ(SC)胆汁酸塩は、異なる形状のミセルを形成する。ジヒドロキシ胆汁酸塩が細長い構造を有するのに対し、トリヒドロキシ胆汁酸塩は高度に水和した球形のミセルを形成する。これは、−OH基の合計数及び、炭化水素−水接触面積を変更するステロイドバックボ−ン上のそれらの位置に起因する。胆汁酸塩ミセルは、2段階で形成される:まず1次ミセルが現れる。引き続き、塩分子の親水性表面どうしの相互作用が、2次ミセルと呼ばれるより大きな凝集体を形成する。SDCバックボ−ンのα7位における−OH基の不足は、疎水性面積を増やし、2次ミセルの形成を開始する。
反対に、SCにおける第3の−OH基の存在は、2次ミセルの形成を減らす。SCにおいて、親水性部分上のα7位における−OH基は、ジヒドロキシ化学種と比べて、炭化水素−水接触面積を30乃至40%だけ減らす。2次ミセル形成のための推進力は、水分子と1量体もしくは2量体の表面との間の疎水性相互作用であるから、SCの親水性部分上のα7位における−OH基は、炭化水素−水接触面積を減らす。従って、SDCは、SCに関してより大きなミセルを形成する。このことは、等密度分離後のGSCの浮遊密度の全体的減少をもたらし、他の界面活性剤と比べて、より多くのグラフェン層でフレ−クの分離を可能にする。
このセクションの結論として、我々は、水溶液内のグラファイトの低出力音波処理により生成されるグラフェン分散系を調製する、スケ−ラブルで効率的なプロセスを実証した。音波処理により得られたグラフェンフレ−クの最大アスペクト比(厚さ以上の半径)が、剥離のための条件とグラフェンフレ−クの破砕のための条件との間でバランスをとることに関連すること実証するため、破壊力学モデルが開発された。我々は、調製用超遠心分離における分離後、SLGの高い百分率を達成した。我々は、SBSにより分離したグラフェンシ−トの約65%がSLGであること、但し残りの約35%はBLG及びTLGからなることを見出した。フレ−クの平均サイズは、約6×10−4μmである。我々はまた、等密度分離が、層の数によりグラフェンを分離することに加え、SBSにより生成したフレ−クに関しての大きさのオ−ダ−であるマイクロメ−タ−サイズのフレ−クを生成することを示す。分離に使用された界面活性剤のタイプと濃度をチュ−ニングすると、ソ−トされたグラフェンフレ−クの相の数についての制御を改善することが可能である。ナノチュ−ブについては、従って界面活性剤クラスタ形成は、グラフェン分離のための重要なファクタである。
グラフェン系ハイブリッド導体を使用して製造されたスマ−トウィンドウ
以下において我々は、ポリエチレンテレフタラ−ト(PET)上グラフェン及びカ−ボンナノチュ−ブの巻線ロッドコ−ティングにより実現した透明導電体を使用するポリマ−分散型液晶(PDLC)フレキシブルスマ−トウィンドウを説明する。オン状態において、PDLCデバイスは、約120cm面積にわたり約60%透過率を示す。オフ状態において、デバイスは、>230コントラスト比で、<0.25%透過する。我々の単純でアップスケ−ラブルな透明導電性フィルムコ−ティング戦略は、ロ−ルツ−ロ−ル処理への直接統合、フレキシブルエレクトロニクスへの統合への道筋を作ること、及び特にフレキシブルスマ−トウィンドウ及び再構成可能なディスプレイボ−ドに非常にとって有望である。
用語「スマ−トウィンドウ」(SW)は、典型的なガラス板もしくはプレキシガラス窓においては見られない1もしくは複数の機能を有する窓に似たデバイスを広く定義する。標準ウィンドウであることに加え、これらの機能は、例えば波長依存性/非依存性、光透過/反射、直接的/間接的省エネルギ−機能(例えば暖房時に日光をブロックし、及び従って住居もしくはオフィスにおいて空調関係のエネルギ−消費を下げる)において制御可能な変化を提供でき、且つエネルギ−生成能力をも有してよい(例えば集積太陽電池モジュ−ル)。しかしながら一般には、SWは、「切り替え可能な光変調器」の狭いカテゴリ−を表す。タイプに依存して、SWは、その透明性を維持しながら、デバイスを貫通する光強度もしくはスペクトル組成を変更でき、又は透明な状態から乳白色の半透明、即ち「艶消しの(frosted)」状態に完全に切替できる。これらのSWは、非電気的に及び電気的に切り替え可能なデバイスとしてさらに分類できる。前者は、サ−モクロミック(加熱の際光透過性をアクティベ−ト、即ち変更する)、フォトクロミック(UV照射の際アクティベ−トする)及びガスクロミック(ガス曝露の際アクティベ−トする(例えばWO上の高希釈水素))ウィンドウを包含する。特にサ−モクロミックSWは、それら固有の省エネルギ−能力のため、魅力的である。「太陽バルブ」と称される新規なプロトタイプSWも、その省エネルギ−機能のため、最近提案された。太陽バルブは、エアギャップにより分離された2つの平行なレトロリフレクタの間に透明な液体を充填することにより、回帰反射(retroreflective)モ−ド(即ち、最小の散乱で光源に対し光を反射し返す。反射された波面は、入射波面に対し平行であり、但し逆方向である)と透明モ−ドとを切り替える。しかしながらこのようなデバイスの広い受け入れは、それらの制御メカニズムによって妨げられる。この観点から、電気的に切り替え可能なSW(ESSW)は容易に使用される。現在使用可能なESSW技術は、エレクトロクロミック(EC)懸濁粒子(SPD),ポリマ−分散型液晶(PDLC)デバイス及びマイクロブラインドを包含する。遷移金属酸化物、例えばWO(これらはバンドギャップが大きい半導体であり、従って視覚的に透明である)を使用するECデバイスにおいて、電子もしくはプロトンの注入は、可視スペクトル内で強い吸収バンドを誘発し、変色をもたらす。ECデバイスの主要な欠点は、これらの比較的遅い応答(数分までになり得る)である。SPDは、透明導電性電極(TCE)のペア間を結合した(bound)有機液体もしくはゲル内に懸濁されたロッド状粒子を現在使用する。粒子は、適用された電界においてその方向を変更し、光透過率の制御を可能にする。理論において、SPDは、ESSWの魅力的な特徴である、透過率の緩やかな制御を可能にする。マイクロブラインドは、大規模ソフトリソグラフィ、又は固定され(anchored)圧延された(rolled)微細な金属箔の大きいアレイの製造のためのパタ−ニングに依存する。これらの箔は、巻かれた状態から広げられ、そして下にあるTCEを使用して電界が印加されるとき、光をブロックする。機械的に脆いブラインドのこのような大規模製造は、この技術を魅力のないものにする。PDLCは、ポリマ−内に埋め込まれ、2つのTCEの間に挟まれた液晶(LC)液滴を利用する。電極内の適用された電界は、LC分子の全体的な配列方向を制御し、デバイス中の光変調を可能にする。PDLCは、PDLCを貫通する光透過の緩やかな制御のために通常は使用されないにもかかわらず、その比較的早い切り替え速度(典型的には数十ms)ゆえに、多くの用途にとって強く好ましい。操作メカニズムに関わらず、全てのESSWは、デバイスを光学的に透明に保ちながら、活性層中に電界を適用するための(又は電流を注入する)透明導電性電極を特徴とする。典型的ESSWのためのTCE要件は、高透過率(>80%)及び中程度乃至低いシ−ト抵抗R、典型的には約1kΩ/スクウェア以下の範囲内である。
前提技術において異なるにもかかわらず、光変調において類似のパフォ−マンスを提供する、上に考察されたESSWは、高速な(<10ms)切り替え速度を必要としない種々の応用形態を徐々に発見し始めた。例えば,ECウィンドウは、高級車において、かつごく最近では商用航空機において使用されている。SPD及びPDLCデバイスは、住居及びビジネスセッティング、ショ−ケ−スディスプレイ及び建築物の窓において、並びに自動車産業においてプライバシ−目的のために使用される。ガラス及びポリマ−基板上の商用及びプロトタイプESSW並びにその派生品(例えばPDLC系ディスプレイ、調製可能な焦点マイクロレンズアレイ)の殆どにおいて、酸化インジウムスズ(ITO)及びある程度フッ素がド−プされた酸化スズ(FTO)及びアルミニウムがド−プされた酸化亜鉛(AZO)がTCEとして使用される。しかしながら大面積用途にとって、ESSWの加工及びコストは、部分的には必要とされる大面積TCEに関連した加工及びコストの問題により、それらの広範囲の商業化にとって顕著な制約のままである。加えて、ITO(並びに他の金属酸化物及び窒化物TCE)は、引張りもしくは圧縮歪みにおいて機械的故障に煩わされ、柔軟性が予想されるとき、ESSW及び他の関連デバイスの潜在的用途を制限する。
インジウム不足が嵩じること及びITOの処理上の制約のため、インジウムの使用は好ましくない。これは、十分にフレキシブルな(3次元で同時に折り曲げ可能な、即ち形状適合性の(conformable))デバイスの開発を妨げた。従って、十分にフレキシブルなデバイスによりふさわしい代替TCEの必要性がある。
好適な代替物として、ある範囲の金属酸化物及びナノ構造の物質、例えば金属ナノワイヤ(NW)、カ−ボンナノチュ−ブ、還元グラフェン酸化物、グラフェンもしくは金属メッシュ−グラフェンハイブリッドをも考慮可能である。しかしながら、他の金属酸化物及び窒化物は、もっぱらインジウム不足の問題に対処するのであって、フレキシブルなデバイスに通常は好適ではない。金属NW(例えば銀NW)は、異なる溶液処理可能な方法(例えば真空濾過、ロッドコ−ティング、転写印刷及びスプレ−堆積)を使用してポリマ−基板上のTCEとして説明された。しかしながら、これらは、安定性及び粘着力問題に煩わされる。ド−プされたグラフェン及び炭素CNTは両方とも、フレキシブルな基板上のITOに匹敵する透過率及びシ−ト抵抗組み合わせを提供する。従ってCNT、グラフェン及びグラフェン酸化物は、多様な体積技術を使用するフレキシブルなTCEとして徹底的に調査されている。官能化CNT及びグラフェンは両方とも、特徴のない吸収スペクトルと、従ってITOの淡黄色及び多くの導電性ポリマ−においてしばしば見られた青味を帯びた色に匹敵する無彩色(neutral color)とを有する。フレキシブルな基板上でのグラフェンの成長及び引き続く転送と比べて、溶液処理可能な堆積は、かなりより経済的であり、フレキシブルかつプリント可能なエレクトロニクスのためにロ−ルツ−ロ−ル(R2R)処理に容易に統合可能である。これは特にナノ材料コ−ティングもしくはプリントに当てはまる。しかしながら、溶液処理したグラフェンTCEは、フレ−クサイズと堆積したフィルム厚さとに強く依存する十分でないパ−コレ−ションに煩わされる。他方、TCEとしてSWNTネットワ−クのパフォ−マンスは、SWNTネットワ−ク上のまき散らされたグラフェンにより還元され得る半導体タイプと金属タイプとの間のチュ−ブ間接合抵抗により制限される。溶液処理可能なハイブリッドSWNT−グラフェン導電性フィルムは従って、ESSWを包含するフレキシブルTCEを必要とする電子デバイスのR2R製造可能性にとって魅力的なオプションである。
本書では我々は、ポリエチレンテレフタラ−ト(PET)基板;NGC−PET上にSWNT−グラフェン系TCEを備えたPDLC−ESSWを説明する。我々は、巻線ロッドコ−ティング戦略を使用してNGC−PETを製造するのに、PET上で官能化SWNT及びグラフェンコ−ティング(NGC)の水性分散液を使用する。NGC−PETはRs約1kΩ/スクウェア及び550nmにおける透過率(T),TNGC−PET 約81%を有する。未コ−トのPETは、TPET約86%を有し、TNGC>94%を表す。NGC−PETは、TNGC−PETにおける標準偏差<2%で、顕著な光学均一性を表す。125μmPET上の60Ω/スクウェアITO層における約25000%の増加(Sheldahl,Accentia 430300 ITO Coated Films)と対照的に、NGC−PETは、フラットな状態から10サイクルで曲げ半径約3.5mmを経験するとき、抵抗において約15%の変化を示す。次いで、2つのNGC−PETの間に、YM55ネマチックLCとNorland紫外線硬化性Optical Adhesive 65(NOA65)からなるPDLC層をラミネ−トすることにより、120cmSWを製造する。操作の際のフレキシビリティ(約3.5cm曲げ半径)に加え、PDLCは優れた透過率(約60%)及び高いコントラスト比(>230)を表す。
スマ−トウィンドウ−結果と考察
US−A−4,435,047には、ESSW−PDLCスマ−トウィンドウが開示された。これらは、ポリマ−内で分散もしくは相分離した準球状液晶(LC)液滴からなる。外部電界が存在しないと、PDLS液滴内でLCダイレクタ分散(単軸LC分子のための長い分子軸の平均的方向)は、LCとポリマ−マトリックスとの間に屈折率ミスマッチを引き起こし、乳白色もしくは「艶消し」外観を有する強い前方散乱及び非常に低い光透過率をもたらす。TCEを使用するPDLCフィルム中への電界の適用は、電界に対して平行なLCダイレクタ分布を整列させ、それを透明にする。
フレキシブルな基板のためのR2R加工プロセスは、広く使用された連続的な産業プロセスである。典型的なR2Rプロセスには、蒸発、プラズマエッチング、スクリ−ン印刷及びインクジェット印刷、レ−ザ−書き込み等が挙げられる。R2Rは、スル−プット、高レベルの自動化及び高収率に関して慣用のバッチプロセスよりも顕著な長所を有する。事実、R2R処理は電子デバイス及び太陽電池の印刷において並びにPET上への堆積のため広く使用される。多くのR2Rプロセスにおいて(例えばインクジェット印刷において)、溶液処理可能であることが必要とされる。これは、低温では必ずしも蒸発され得ないポリマ−溶液もしくはナノ材料に特に当てはまる。フレキシブルな基板上に分散粒子もしくはポリマ−を有する液体をコ−ティングするとき、多種多様なコ−ティング方法が使用されてよく、特にそこではパタ−ン化が必要とされない。例えば、好適なコ−ティング方法は、ソリッドな巻線ロッド(「マイヤ−バ−」又はアプリケ−タロッドとしても知られる)、フラットブレ−ド(「ドクタ−ブレ−ド」としても知られる)及び(インクリザ−バとコ−ティングブレ−ドからなる)スロットコ−タ−の使用を包含する。各場合における具体的なセットアップは、基板、コ−ティング液(例えばどのようにコ−ティング液を基板上に転写するのか、及びどのように過剰なコ−ティングを除去するのか)、コ−ティング速度及び処理温度に関して変動し得る。パタ−ンのないコ−ティングオプションの中でも、マイヤ−バ−は、低粘度流体(約1乃至50cP)のための最も経済的且つ最もシンプルなコ−ティングオプションの一つを提供する。従ってマイヤ−バ−は、本書で我々が使用するSWNT及びグラフェン水性分散液にとって理想的である。
SWNT及びグラフェンの水性分散液を、音波処理により調製する。0.08wt%の官能化SWNT(P3,Carbon Solutions,Inc.,500nm乃至1.5μmの長さ,側壁及びエンドキャップ内に3乃至6%カルボン酸基,5乃至8%触媒金属含量)をチップソニケ−タ−(Branson 450A,20kHzにおいて40W出力,氷浴内)により2時間、0.5wt%のTriton X−100,非イオン界面活性剤と共に10mL脱イオン(DI)水内で超音波分散させる。音波処理後、SWNT分散系を、40krpm(約270,000g)で20分間遠心分離し、最上部70%をデカントする。イソプロピルアルコ−ル(IPA)をこれらの界面活性剤でアシストされた水性分散液に添加するとき、これらのカルボン酸基官能化は、再凝集を回避するのに役立つので、P3 SWNTをここでは使用する。これは、水性SWNT分散系の表面張力をさらに減らし、PET基板上にまばらなナノチュ−ブネットワ−クの均一な堆積を達成すのに役立つ。
単一層及び二重層で富化したグラフェンの界面活性剤でアシストされた水性分散液を、上記の音波処理で調製する。
両方とも15倍に希釈したSWNT及びグラフェン水性分散液について、吸収スペクトルを測定した。グラフェンについてのスペクトルは、上述の通りである。水背及び非水性媒体中の非官能化SWNT分散系と異なり、SWNTについての吸収スペクトルは、共有結合官能化及びその結果として生じるπネットワ−クの崩壊による、ファン・ホ−ブ特異点由来の弱い吸収特性をもっぱら表す。ランベルト・ベ−ルの法則 A=αlcを、分散系内のSWNT及びグラフェン両方の濃度を推論するのに使用してよい。式中、Aは波長λにおける材料の光吸収であり、αはλにおける吸収係数であり、lは吸収測定の間の分散系を貫通する光路長であり、cは分散系内の材料の濃度である。文献Hasan et al(2007)に記載されているものと同様な方法を使用していずれも実験的に得られたグラフェン71に関する吸収係数α660約1390Lg−1−1,及びP3 SWNTに関するα660約1911Lg−1−1を使用すると、我々は、グラフェン及びSWNTに関してそれぞれ濃度0.2gL−1及び0.4gL−1を得た。
上述したTEM統計により確認されるように、分散系は、約65%SLG及びBLG及びFLG(<8)フレ−クを含有する。TEM分析は、典型的単一層及び二重層グラフェンフレ−クの典型的横方向寸法が約300乃至600nmであることを表した。
グラフェン分散系のラマン測定は、FWHM(G)約18cm−1,FWHM(2D)約47cm−1及び2Dピ−クPos(2D)の位置約2693cm−1を確認した。これらはSLGのスペクトルと一致する。
ラマン分光法は、我々がこの作業で使用するSWNTを調べるのにも使用できる。図20は、Si/SiO上に分配され、DI水とエチルアルコ−ルとで優しく洗浄され、DI水及び界面活性剤を除去するため70℃でアニ−ルされた我々のSWNT分散系の典型的なラマンスペクトル(457,514.5及び633nmレ−ザ−波長及び100×対物レンズにおいて得られた)を表す。低周波数領域において、放射呼吸モ−ド(Radial Breathing Modes, RBM)が観察される(図20参照)。これらの位置Pos(RBM)は、Pos(RBM)=(C1/d)+C2により、ナノチュ−ブ直径(d)に反比例する。この関係に関して多種多様なC1及びC2が提案された。本書では我々は、文献由来のC1=214.4cm−1nm及びC2=18.7cm−1を使用する。これらは、いずれの追加の憶測なしに逆RBM周波数の関数として共鳴エネルギ−をプロットすることにより誘導された。図20におけるRBM領域は、457nm、約176cm−1におけるピ−クを表す一方で、約157.5cm−1,約170cm−1,約181cm−1及び約156.5cm−1,約172cm−1,約200cm−1における3つのピ−クが514.5nm及び633nmにおいて観察される。これらは、推定直径範囲約1.2乃至1.55nmを与える。RBM以外に、1000乃至1600cm−1領域内のSWNTの典型的ラマンスペクトルは、Dバンド及びG及びGバンドからなる。半導体SWNTにおいて、G及びGは、それぞれグラフェンのE2gフォノンの分裂から誘導された縦(LO)モ−ド及び接線(TO)モ−ドに起因する。G及びGピ−クの位置,Pos(G)及びPos(G),は直径に従属し、相互間の距離は、直径が減ると増加する。金属SWNTにおいて、G及びGバンドの割り当ては、正反対であり、Gピ−クのFWHM,FWHM(G),は、より大きく、Pos(G)は半導電性カウンタ−パ−トに対してダウンシフトしていた。Gピ−ク領域において、スペクトルは、典型的G及びGピ−クを表す。Pos(G)は、457nmにおけるFWHM(G+)約10cm−1とともに、約1599cm−1である一方で、それぞれFWHM(G)約12cm−1及び約19cm−1と共に514.5及び633nmにおけるPos(G)約1592cm−1にダウンシフトする。457,514.5及び633nmに関してそれぞれPos(G)約1576.5cm−1(FWHM(G)約13cm−1),約1570cm−1(FWHM(G)約13cm−1)及び約1564.5cm−1(FWHM(G)約37cm−1)が観察される。RBMポジション及び633nmに関するGピ−クの典型的な金属形状及び514.5nmにおける半導電性形状から両方ともみられるように、SWNT分散系は、また金属及び半導電性ナノチュ−ブの混合物からなる。約1362cm−1,約1348cm−1及び約1325cm−1におけるDピ−クが、それぞれ457,514.5及び633nmに関して検出される。我々のサンプルに関するI(D)/I(G)比は、本書で使用された官能化SWNTと一致する。
図21は、我々の巻線ロッドコ−ティングアプロ−チの概略を表す。塗布した液体の厚さは、ワイヤコイルどうしの間の溝の断面積に依存し、これは、今度はワイヤ直径に依存する。実際に、いずれかの液体を塗布するため、ワイヤ直径と意図される湿潤フィルム厚さとの間の比率10:1を選択する。我々のコ−ティング試験において、我々は、直径10μmを有するバ−を使用する。乾燥プロセスの際、PET上に塗布された液体の最湿潤を避けるため、我々は、その表面張力を減らすためSWNT分散系と共に50/50v/v%IPAを添加する。IPA添加後、我々はPET上に水性ナノチュ−ブ分散系を塗布する。室温におけるそれぞれコ−ティング及び乾燥後に、過剰な界面活性剤を除去するため、60℃における水中、50/50v/v%エチルアルコ−ル(EtOH)内でサンプルを洗浄する。この手順を繰り返したのち、グラフェンのSDCでアシストされた水性分散液をSWNT層上に数回塗布し、次いで洗浄する。これが、コ−ティングの>90%光透過性をもたらし、ESSWのために必要とされるTCEの透過性>80%を保証する。我々は、SWNTベ−ス層がグラフェン分散系コ−ティングの再湿潤を防ぎ、且つグラフェンフレ−クの堆積を促進することを見出す。従って我々のコ−ティングの一般的構造は、最上部にまばらに分配されたグラフェンフレ−クを有するSWNT層からなる。各グラフェン層は可視スペクトルにわたり光の2.3%を吸収する。1フレ−ク当たり約2乃至3グラフェン層を有することを考慮し、これらはSWNTベ−ス層の15乃至20%をカバ−し、SWNTの金属と半伝導性タイプとの間の接合抵抗を改善する。文献King et al(2010)は、真空濾過したSWNTネットワ−ク上にグラフェンフレ−クを添加することによる、Rの20%減少を報告した。我々は、ベ−スSWNT層上にグラフェンを塗布するとき、<1% T減少と共に、平均Rの約10%減少、約1.1kΩから約1kΩまでを達成した。タッピングモ−ドAFMにより測定されたNGCの平均2乗表面粗さ(R)は約4nmであり、それぞれCorningガラス上及びPET基板上の様々な堆積条件で、スパッタにより堆積したITOに関する1乃至3nm及び1乃至5nmに匹敵する。
約120cmと測定される加工されたTCEは、光学的に均一である。コ−ティングの均一性は、大規模適用にとって重要である。均一性を確認するため、我々は、約5mm空間解像度で、120cmNGC−PETにわたり、T測定を実施する。我々は、約0.65mmビ−ム直径を有する543nm,0.5mW,非偏光レ−ザ−を使用する。我々は、TCEのT測定にために普通に使用されるこの波長に焦点を当てる。なぜなら約550nmにおいて人間の目は最も感受性であるからである。図22は、平均透過率TNGC−PET 約81%で等高線プロットにおける空間透過率プロファイルを表す。全NGC−PETにわたる標準偏差は<2%であり、NGCの光学均一性を確認する。大規模適用が予想されるとき、これは重要なTCEのためにパフォ−マンスパラメ−タであることを特記する。
可視性スペクトル範囲全体をカバ−するサンプル全体について、TPET及びTNGC−PETを測定した。官能化ナノチュ−ブの超薄のまばらなネットワ−クのため、TNGC−PETにおいてナノチュ−ブからの強い吸収ピ−クは観察されない。透過率スペクトルにおける振動は、PET基板の両側における帯電防止コ−ティングによるものと関得られる。フィルム界面における反射を無視して、我々は、TNGC=TNGC−PET/TPETからTNGCを大まかに推定できる。これは、可視性スペクトルにわたりTNGC約92乃至96%を与える。550nmにおけるNGC−PETに関して全Tは、TNGC−PET@550nm81%である。TPET@550nm約85.5%は、TNGC@550nm約95%を与える。デバイス構造を考慮すると、2つのNGC−PETの間に挟まれた我々のPDLC層の最大オン状態T(Tmax)は、(C1)に近づけることができる。
max=T NGC−PET×TPDLC=T PET×T NGC×TPDLC (C1)
式中、TPDLCは、PDLC層それ自体の最大達成可能な透過率であり、液体内部におけるLCダイレクタ分散は、適用された電界にそって均一に整列される。一般に、TCEの高いTは、PDLC系スマ−トウィンドウにとって特に重要である。なぜなら、2つのTCEが、わずかT×Tの最大透過性を与える単独デバイスに必要とされるからである。さらに、特定のデバイス波長λに関してTPET及びTPDLCが一定であるとみなすならば、我々は
max∝T NGC
を得る。例えば20μmの薄さのPDLCフィルムに関してTPET=86%及びTPDLC=90%について、TNGC=95%は、同一波長におけるTNGC=80%と共に、わずかTmax 約43%とを比較して、Tmax約60%を可能にする。このことは、PDLCデバイスに関してTNGCの決定的な重要性を強調する。
光学的均一性と同様、伝導率の均一性もまた、大規模デバイス用途にとって決定的に重要である。これは、空間R測定により調査され得る。我々は、この4点プロ−ブ技術を使用してこの調査を行う。単一ポイントにおけるR測定のため、この方法は、直線内に配置された4つのプロ−ブを使用する。外側プロ−ブを貫通して、電流(I)を通し、2つの内側プロ−ブの間に電圧低下(V)を誘発する。プロ−ブの間隔が、測定されるサンプルの横寸法と比べて等しく且つ小さい場合、内側プロ−ブ間の電位差は、

と定義されてよい。但し、
ここで、我々は、直線内に1mm離して配置された100μmチタンチップを有するJandel4点プロ−ブヘッドとともにKeithley 2100マルチメ−タ−を使用する。R測定に使用されるサンプルは、約120cmNGC−PETと同じである。測定精度は、ガラス対照上の12.93Ω/スクウェアITOに対して検証する(Jandel Engineering Ltd.,NISTトレ−サブルなサンプルに対して検査した)。我々は、サンプルに対して約5mm間隔を置いて空間測定を実施する。Rの問う構成プロット(図示せず)は、Rは、サンプル面積にわたり標準偏差<5%とともに、約1kΩ/スクウェアであることを表す。空間吸収測定と組み合わせたこれは、透明導電性コ−ティングの均一性をさらに確認する。
NGCをも、514.5nm励起におけるラマン分光法で特徴化する。図23(a),(b),及び(c)は、Si/SiO上のNGCの典型的なラマンスペクトルを、同じ基板上のSWNT及びグラフェンの典型的スペクトルと比較する。図23(a)におけるSWNTスペクトルは、典型的なRBM,G,G,2D及び2D’ピ−クを表す。同図中、グラフェンスペクトルは、D,G,2D,D+D’及び2D’ピ−クを表す。NGCのスペクトルは、RBMピ−ク(図23(b)参照)及びG,Gピ−ク(図23(c))並びにシャ−プで強い2D,D(図23(a))及びD’(図23(c))ピ−クを表すSWNT及びグラフェンの特徴を組み合わせる。
次いで我々は、機械的屈曲下のNGC−PETのパフォ−マンスを調査する。我々は、異なる曲げ半径を有するNGC−PETの曲げ軸線に沿った抵抗変化を調査する。比較のため、我々は、NGC−PET(125μmPET上のNGC)の18cm×1.8cmストリップ及びストリップの両端に電極を有する同一厚さのPET上の60Ω/スクウェアITOを使用する。図24(a)は、セットアップの概略を表す。この実験の際のTCEの曲げ半径は、既知の直径を有する一連の円筒により定義される。抵抗測定のため、我々は、電極とその下にあるNGCとの間の接触抵抗を差し引く。2つの接触の間の抵抗を測定する間、我々は、平坦な基板から開始し、曲げ半径3.3mmまで徐々に折り曲げ、次いで基板を平坦にし、そして手順を繰り返す。図24(b)に見られるように、ITOにおける曲げ軸線に沿った抵抗変化は、10サイクルにわたり>250倍高く、曲げサイクルを経た後は、初期の値に回復することはなく、ITO層内のクラックの形成を強調する。事実、平坦な状態に戻ったとき、曲げ軸線に沿ったPETサンプルのITOの最終抵抗は、初期値よりも約200倍高い。他方、NGC−PETに関する抵抗は、折り曲げ際<20%変化し、基板を平らにするとき、初期値の約10%まで回復する。フレキシブルなデバイス用途のための我々のNGC−PETのポテンシャルを強調する。
我々の加工したNGC−PET寸法は、もっぱら巻線マイヤ−バ−のサイズにより限定される。従って、このプロセスは、大きな面積用途のため、及び多様なポリマ−基板のために容易にスケ−ルアップされ得る。事実、PETの代わりに、他の半結晶性もしくはアモルファスのフレキシブルなポリマ−基板、例えばポリエチレンナフタラ−ト(PEN),ポリエ−テルスルホン(PES)を使用してよい。これは、NGC−PETの温度加工性を改善し得る(例えば、DuPont Teijin Q65APEN基板に関して180乃至220℃まで)。我々は、面積約120cmのスマ−トウィンドウのために2つのNGC−PETを使用する。クロム−金接触線は、加熱乗算による各NGC−PETの一方の側において最初に製造される。LCポリマ−ブレンドのため、NOA65中約43.5/56.5v/v%YM55LCが、50℃における磁気撹拌により混合され、NOA65中LC微小液滴(光学顕微鏡下、直径約1μm)の均一な分散系を得る。液滴サイズは、混合プロセス、混合温度、LCポリマ−相分離及びLC及びポリマ−のv/v%に依存する。非常に大きい/小さい液滴(>19μm)は、光を効率的に散乱しない。他方、LC配向のための駆動電圧要件は、液滴直径に反比例する。PDLCデバイスのための最適液滴サイズは、5λである。ラムダは、意図された動作波長である。従って、可視スペクトルのため、最適液滴サイズは、約2乃至3μmである。デバイスにわたり塗布されたPDLCの均一な厚さを維持するため、20μm直径ポリマ−ビ−ズスペ−サ(Sekisui Chemical)をも、混合物に添加する。次に、50℃におけるロ−ルコ−タ−ラミネ−タを使用して、2つのNGC−PETの間に均質な混合物を積層する。ホストポリマ−,NOA65,は、10乃至15分間のUV照射(約350−380nm)により最終的に硬化され、PDLC系透明ウィンドウを生成する。
電界が存在しないと(オフ状態)、PDLC液体内部のLCダイレクタ分散は、バイポ−ラ構成を有し、LC分子は、液滴壁に対して接線方向に固定される。所定のサイズ及び形状のため、PDLCデバイス内のLC液滴の光散乱能は、LC(平均屈折率<n>=(n+2n)/3 ここで、n及びnは、それぞれLCの通常の屈折率及び異常な屈折率である)とポリマ−の屈折率(n)との間のインデックスミスマッチとともに増加する。
電界が適用されると(オン状態)、LCダイレクタ分散は、適用された電界方向に沿って配向し、この方向に沿ったLCnの屈折率を生成する。高いTPDLCのため(即ち、適用電界により)、光散乱を最小化するためn〜nが必要とされる。同様に、オフ状態の際の低いTPDLCのため、nとnとの間のミスマッチは、散乱を最大化するため、できるだけ高くあるべきである。従って、好ましいLCは、高い複屈折(Δn=n−n)を有するだけでなく、オン状態における高透過率のためのポリマ−のnにマッチするn及びオフ状態における低透過率のためのnとミスマッチするnをも有する。実際に、相互溶解性もしくはポリマ−及びLCにより、nよりわずかに低く、nを選択してよい。本書で我々が使用するYM55ネマチックLCは、n約1.526を有する。これは、656nm及び20乃至25℃におけるNOA65のn〜1.524に良く調和し、最適Tmaxを確実にする。
PDLC系スマ−トウィンドウは、ある一定の波長,Tmax@λ,コントラスト比,駆動電圧要件及びデバイス応答時間(即ち、立ち上がり時間及び立ち下り時間)を特徴とする。コントラスト比は、PDLCデバイスのTmax@λと最少透過率(Tmin@λ)との間の比率として定義される。TCEの特定のペアのため、小さい液滴サイズ及び厚いPDLCフィルムは、増加したオフ状態散乱により通常Tminを減らす。しかしながら増加したフィルム厚さは、Tmaxを減らし、そして最大透過率を得るため駆動電圧要件を直線的に増やす。これらのパラメ−タは、印加電圧を掃引することにより決定される。図25(a)は、増大する振幅の1kHzAC矩形波を適用すると、Tは徐々に増加し、Tmax約57.2%で飽和することを表す。本書で使用される125μmPET基板は、TNGC−PET@670nm約83%と比べてTPET@670nm約86%を有し、TNGC@670nm約96%を示す。TPDLC@670nmは約90%であり、Tmax@670nm約62%を示すこと(約60%に近似)を考慮して、我々は実験的に測定する。コントラスト比,C.R.=Tmax@670nm/Tmin@670nmは、約230である。我々は、T=50%におけるヒステリシスH50=13.5vをも観察する(図25(a)参照)。ヒステリシスは、PDLCデバイスについて典型的であり、かつ印加電圧における変化率、LC液滴の粘度、及び適用電界下のLC液滴とは違うように配向する電極−PDLCインタ−フェ−スにおけるLC分子の薄層によるものである。
90%Tmaxを獲得するのに必要とされる時間として定義される立ち上がり時間(τon)は、印加電圧、フィルム厚さ、LC及びポリマ−の電気抵抗率(ρ)、回転粘度及び誘電異方性(Δε=e||−e^,ただしe||及びe^は、LCダイレクタに対して平行及び直角なLCの誘電性誘電率である)に依存する。印加電圧がない場合の減衰時間τoffは、LC粘度及び弾性、液滴形状及びサイズに依存する。Tmaxから10%Tに到達するのにPDLCデバイスに必要糖される時間として定義される。
図25(c)は、200V印加したTPDLCにおける変化、図25(b)に示された1kHzAC矩形波を表す。最大及び最小透過率は、図25(a)に示される電気光学応答に調和する。τon及びτoffは、それぞれ182及び27msである。細長い液滴における増加した表面効果は、顕著にτoffを減らすので、τonと比べて小さいτoffは、高いアスペクト比の液滴形状を示す。
動作中のPDLCデバイスの目視検査は、高いT及び可視スペクトルにわたる均一性を確認した。我々はまた、約3.5mm曲げ半径で繰り返し屈曲下のデバイス動作を検査した。デバイスは、繰り返し屈曲の際及び後も動作中のままであり、フレキシブルな用途のための我々の潜在的なNGC−PETを強調する。
このセクションを要約すると、我々は、ロッドコ−ティングにより、PET上のグラフェン−SWNT透明導体を使用するPDLC系電気的に切り替え可能フレキシブルなスマ−トウィンドウを製造した。透明導電性コ−ティングは、可視スペクトルにわたり92乃至96%透過率を、約1kΩ/スクウェアシ−ト抵抗と共に示す。但し、面積約120cmに関する透過率及びシ−ト抵抗において、標準偏差<2%及び<5%である。透明導電体は、約3mm曲げ半径まで折り曲げたとき、抵抗において<20%変化を表し、10曲げサイクル後に平らな状態に戻ったとき、その初期値の10%以内に回復する。これらの導電体を使用して製造したPDLCスマ−トウィンドウデバイスは、オン状態で約60%T、及びオフ状態で約0.25%Tを表し、コントラスト比約230を示す。我々の取り組みは、フレキシブルなESSW及び関連デバイス、例えばスマ−トでフレキシブルな
広告板及びディスプレイのためのSWNT−グラフェン系TCEを使用することの技術的実行可能性を確認する。これは、単一の統合R2RプロセスにおけるPDLC及びLC系デバイスの経済的な製造を経済的に実行可能にする。
追加の技術的詳細及び測定方法
インク製造−グラフェンインク
ここで、好適なグラフェンインクの一例の製造の具体的詳細を述べる。
天然グラファイトフレ−ク(典型的な横寸法4乃至5mm以下)を、空気中オ−ブン内30分間150℃でアニ−ルして、水分を除去する。アニ−ルしたグラファイトフレ−クを、一定の換気の下、N−メチルピロリドン内9時間140℃で超遠心分離処理する(Bathソニケ−タ,20W,20kHz)。他の溶媒、例えばクロロホルム,ベンゼン,トルエン,ジクロロベンゼン,ジメチルホルムアミド等をも使用してよい。制御された窒素環境(制御された雰囲気のグロ−ブボックス)内での超音波処理後、15分間分散系を沈殿させる(重力沈降)。最上部フラクション(沈殿について視覚的なエビデンスのない分散系のアリコ−ト)を、マイクロピペット(1000μL)で抽出し、14mL(14x89mm)超遠心管に移した。
調製された状態の分散系を、遠心力場における沈降系分離により浄化する。分散系を、14℃において60分間約15,000gで超遠心分離処理する(加速及び減速速度5g/s)。グラフェン分散系はまた、上で説明したように速度ゾ−ン分離(rate zonal separation, RZS)により密度勾配超遠心分離(DGU)プロセスにおいて浄化され得る。この技術は、ナノ粒子の沈降速度の違いを利用し、異なる横サイズを有するフレ−クを分離すことを可能にする(サイズが大きいほど、沈降速度が大きい)。密度勾配媒体は構成されるが、異なる比率におけるNMP及びトリクロロベンゼンに限定されない。RZSを、約35,000g、15分間14℃で実施する(加速及び減速速度5g/s)。
沈降系分離の場合、超遠心分離した分散系を、マイクロピペット(1000μL)で抽出し、15mL滅菌バイアルに移した。RZSの場合、上に考察したように上方変位分割により抽出される。高密度媒体(即ちFluorinert)を、(シリンジポンプにより)超遠心分離管の底部に挿入し、(グラフェンフレ−クを含有する)フラクションを、環の最上部において針から採取する。
超遠心分離後の分散系を、真空濾過(1μmポアサイズフィルタ−)により濾過して、大きなフレ−ク(>1μm)を除去する。オンデマンドレオロジ−特性を有するグラフェンインク生成するため、粘度と表面張力とを調節するため、分散系は、エチレングリコ−ルもしくはグリセロ−ルと(ただしこれらに限定されない)混合され得る。好適例物理特性は以下の通りである。
例11:粘度1.9mPas,密度1.05g/cm,表面エネルギ−40mJ/m例12:粘度4.2mPas,密度1.05g/cm,表面エネルギ−42mJ/m例13:粘度18mPas,密度1.05g/cm,表面エネルギ−46mJ/m
得られたグラフェン−インクを、上に考察された光学吸収分光法、透過型電子顕微鏡及びラマン分光法により特徴化する。
Si/SiO上への印刷のため、タ−ゲット基板をアセトンに浸し、5分間超遠心分離処理し、次いでさらにイソプロピルアルコ−ル(IPA)中で2分間超遠心分離処理する。超遠心分離後、窒素流出(100sccm)は、残留IPAから基板を浄化する。ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の層を、タ−ゲット基板上に、1000rpm、40秒間21℃でスピンコ−トする。タ−ゲット基板をホットプレ−ト上、5分間80℃でアニ−ルする。
タ−ゲット基板として帯電防止コ−ティング(PMX715,hifi industrial film)を備えた熱処理されたポリエチレンテレフタラ−トの場合、アセトン及びイソプロピルアルコ−ルによりそれぞれ2分間60℃で洗浄する。他のポリマ−(例えば、熱処理及びコ−ティングなしのポリエチレンテレフタラ−ト)の場合、基板をイソプロピルアルコ−ルにより1分間室温で洗浄し、次いでN流出下で乾燥する。
グラフェン−インクの印刷可能性を、以下のインクジェット印刷によりテストする。ノズルは、タ−ゲット基板の上約1mmに位置する。グラフェン−インクを、シリンジポンプを介して印刷カラム内に充填する。印刷は10kHzで動作する。圧電物質の動作電圧は75Vである。印刷ノズルは、0.3m/sで動く。プリントされた液滴/パタ−ンを80℃で5分間乾燥する。
プリントされた液滴/パタ−ンを、上に考察された光学顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査電子顕微鏡により特徴化する。プリントされたデバイスを、上に考察されたラマン分光法及び電気的計測により特徴化する。
本発明者は、剥離段階の際及びソ−ト(超遠心分離)段階の際の温度が、優れた結果を得るために非常に重要であると考える。例えば、NMPを包含する多くの好適な溶媒の粘度は、非常に温度依存性である。同じコメントが溶媒の密度に対しても該当する。20℃におけるNMPの粘度は1.7cp[0.0017Pa・s]である一方、50℃で1.0cpに低下する。これは、超音波処理に対して非常に大きな効果を有する。なぜならば、低粘度は、超音波についてより良い電波を可能にするからである。その上さらに、粘度及び密度は、沈降係数を調製する遠心力場における分離に対して強い影響を有する(一般に、超遠心分離の際、グラフェンフレ−ク及びナノ粒子が媒体中を移動する速度)。従って例えば20℃で、グラフェンフレ−クは、50℃におけるものより1.7倍大きい沈降係数を有する。同一厚さのフレ−クを考慮すると、20℃において我々は、50℃において実施した同一手順よりも1.7倍大きいフレ−クを分離可能である。
上に詳細に考察したように、均一な媒体もしくはDGM内での超遠心分離に基づき異なる戦略に従い、望ましくない厚いフレ−クを除去できる。第1のものを分画超遠心分離(SBS)と称し、第2のものをDGUと称する。SBSは、粒子に働く遠心力に応じた、粒子の沈降速度に基づき様々な粒子を分離する。DGUプロセスにおいて、グラフェンフレ−クを予備成形DGM内で超遠心分離処理する。プロセスの際、フレ−クは、対応する等密度点(即ち、フレ−クの浮遊密度が、周囲のDGMの浮遊密度と等しい点)に達するまで、キュベットに沿って移動する。浮遊密度は、対応する等密度点における媒体の密度として定義される。等密度分離は、直径、金属的性質と半導体性質との対比、及びキラリティにより、ナノチュ−ブをソ−トするのに成功裡に使用されてきた。しかしながら、異なる直径のナノチュ−ブと異なり、グラファイトフレ−クは、層の数と関わりなく、同一の密度を有する。従って、密度の違いを誘導するには別のアプロ−チが必要である。これは、層の数とともに浮遊密度の増加をもたらす界面活性剤被覆を利用する。別のアプロ−チは、速度ゾ−ン分離である。等密度分離の場合のように、この技術は、ナノ粒子密度の違いではなく、多様なサイズ及び質量によるナノ粒子の沈降速度の違いを利用する。このアプロ−チは、異なる横サイズを有するフレ−クを分離するのに利用された[サイズが大きいほど、沈降速度が大きい]。
インク製造−六方晶系窒化ホウ素インク:
本発明は、グラフェン系インクの製造に対して特有の適用可能性を有するが、グラフェンの使用に必ずしも限定されない。従って、六方晶系窒化ホウ素に基づくインク製造の一例をここに記載する。
六方晶系窒化ホウ素(h−BN)フレ−ク(約100um横寸法)を、空気中オ−ブン内70℃で30分間アニ−ルして、水分を除去する。アニ−ルしたh−BNフレ−クを、通風室内のエチルアルコ−ルと脱イオン水の混合物(40乃至60vol/vol%)内、5時間14℃で超音波処理する(Bathソニケ−タ,20W,20kHz)。エチルアルコ−ルを、他の普通のアルコ−ル、例えばメチルアルコ−ル及びイソプロピルアルコ−ル(ただしこれらに限定されない)で置換してよい。室温の制御された窒素環境内での超音波処理後、18時間分散系を沈殿させる(重力沈降)。最上部フラクション(沈殿について視覚的なエビデンスのない分散系のアリコ−ト)を、マイクロピペット(1000μL)で抽出し、14mL(14×89mm)超遠心管に移した。
調製された状態の分散系を、次いで14℃において60分間約3,000gで超遠心分離処理する(加速及び減速速度2g/s)。超遠心分離した分散系の最上部60%を、次いでマイクロピペット(1000μL)で抽出し、滅菌バイアルに移した。
h−BN分散系を、光学吸収分光法、透過型電子顕微鏡及びラマン分光法により特徴化する。図30は、剥離窒化ホウ素フレ−クのTEM画像を表す。
タ−ゲット基板(標準実験室グレ−ドガラス/石英基板,Si/SiO)を、室温度アセトンに5分間、イソプロピルアルコ−ルに2分間浸す。タ−ゲット基板として帯電防止コ−ティング(PMX715,hifi industrial film)を備えた熱処理されたポリエチレンテレフタラ−トの場合、アセトン及びイソプロピルアルコ−ルによりそれぞれ2分間60℃で洗浄する。他のポリマ−(例えば、熱処理及びコ−ティングなしのポリエチレンテレフタラ−ト)の場合、基板をイソプロピルアルコ−ルにより1分間室温で洗浄し、次いでN流出下で乾燥する。
マイクロピペット(200μL Fisher)により2mL h−BNインクを、タ−ゲットポリマ−基板(例えばポリエチレンテレフタラ−ト)上に均一に分配する。巻線マイヤ−バ−(50μmワイヤ直径)を、基板全体の上で転がすことによりタ−ゲットポリマ−基板を被覆するのに使用する。コ−ティング速度は5cm/secである。水−アルコ−ル溶媒は、室温で速やかに蒸発する。h−BNインクは、キャリア溶媒混合物が蒸発すると、タ−ゲット基板全体に均一に分布する。
プリントされたコ−ティング/パタ−ンを、光学顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査電子顕微鏡及び電気的計測により特徴化する。
プリントされたデバイスを、ラマン分光法及び電気的計測により特徴化する。
好適な分散技術及び好適な溶媒/キャリア
液体媒体内に浮遊した粒子の懸濁液もしくはスラリ−を得るため、層状物質は液体媒体(例えば、水,アルコ−ル,N−メチルピロリドン,クロロホルム,ベンゼン,トルエン,ジクロロベンゼン,イソプロピルアルコ−ル,エタノ−ル及び/又は他の有機溶媒)内で剥離される。剥離した層状物質(ELM)が超音波処理により生成され得る。他の分散技術、例えば撹拌、せん断混合、ミリング、研削等を使用してよい。分散剤もしくは界面活性剤を、液体媒体内に粒子の均一分散を助けるのに使用してよい。一例として、100mgのELMフレ−クを、ソニケ−タ内の約10mL溶媒と共に溶媒試験管内に置く。音波処理は、典型的には>4時間から数百時間まで、<100Cで、典型的には温度範囲10乃至50℃で行う。
ELMは、典型的には全ての溶媒において安定ではない。ELM表面エネルギ−と溶媒のそれとが調和するとこに安定性が見出される。表面エネルギ−の調和についてのさらなる詳細は、文献Coleman et al(2011)及びCunningham et al(2012)にある。その他の場合において、ELM分散系は、共有結合もしくは非共有結合官能化により安定化されるべきである。一例として、水の場合、100mgELMフレ−クから誘導されたELMの剥離及び安定化を助けるため、約100乃至200mg分散剤(典型的には、胆汁酸塩界面活性剤)を10mL溶媒(水)において使用する。
得られる分散系は、未剥離のフレ−ク及びELMの混合物を含有する。未剥離のフレ−クは、遠心分離(約5,000乃至10,000g)及び濾過により沈殿し、約1マイクロメ−トル横寸法のフレ−クを有するELM分散系を得る。典型的な単一層及び2重層集団は、50乃至80%であり、ELM濃度0.01乃至0.5g.L−1を有する。あるいは、より強い遠心分離を、大きなフレ−クを沈殿させるのに使用してよい。当該フレ−クは、次いで、約1乃至10μm横寸法の純粋なELMを含有する分散系を得るため、再分散され得る(図30参照)。これらの分散系は、濃度>0.5g.L−1を有してよい。
プリント技法
前記考察は、特にインクジェット印刷に焦点を当てる。しかしながら、本発明は必ずしもインクジェット印刷に限定されない。
本発明の開示に従い、ある範囲のインクが製造され得る。当該インクは、様々なプリント技法、例えばスピンコ−ティング,Langmuir−Blodgett,スプレ−塗装,ロッドコ−ティング,スクリ−ン印刷,ロ−ルツ−ロ−ルコ−ティング,フレキソグラフィ−印刷,グラビア印刷及びスロット染料コ−ティングに実行可能(viable)である。各技法は、実行可能であるために異なる特性のインクを典型的には必要とする。
インクジェット印刷に関して、液滴乾燥を促進するため、異なる雰囲気(例えば、空気、窒素、アルゴン、混合ガス等)を有する環境及び制御された温度(例えば25乃至50℃)でインクジェット印刷を実施してよい。
インクジェット印刷前に、基板を、スピンコ−ト、ドロップキャストもしくは浸漬及び継続的加熱(60乃至80℃)により堆積した自己組織化単分子膜(例えば粘着促進剤、例えばヘキサメチルジシラザン,オクタデシルトリクロロシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン等)により処理してよい。基板の代替的もしくは追加の処理は、堆積したELMの接着を改善するためのプラズマ処理(例えば空気中コロナ放電)であり得る。
プリント基板を次いで、溶媒の蒸発のため(80乃至170℃)加熱領域中を通過させる。温度は、基板及び溶媒に依存する。
ウェブコ−ティングのため、層厚さ(乾燥前)は約10乃至50μmである。インクは、典型的には少なくとも0.1g/Lフレ−クを含有する。グラビアコ−ティングのため、層厚さ(乾燥前)は、約10乃至50μmである。インクは、典型的には少なくとも0.5g/Lフレ−クを含有する。グラビア印刷の速度は、非常に高く、例えば少なくとも1m/secであり得る。
インクが水−界面活性剤分散系を包含する場合、乾燥したプリント層は典型的には80℃におけるエタノ−ル/水(例えば約50/50v/v%)内、次いで希釈臭化水素酸(例えば約5/95v/v%)内で洗浄される。
プリント層厚さを構築するため、プリントプロセスを繰り返してよい。好適な厚さは、約100nmまで又は数百nmまでである。
インクジェット、フレキソ、グラビアもしくはスクリ−ン印刷を使用する堆積の際、パタ−ン化を実現できる。堆積後パタ−ン化もまた可能であり、例えばレ−ザ−書き込み(パルス幅、波長、ピ−ク強度、及びエネルギ−要件は、ELMに従って変わる)、酸素プラズマ/反応性イオンエッチングと組み合わせた従来の光学リソグラフィ−/シャドウマスク(約3乃至10分、実験パラメ−タ並びに堆積ELMコ−ティング厚さに依存する)により大きな制御を可能にする。我々は、グラフェンコ−ティングは、光学リソグラフィ/反応性イオンエッチングを使用して好適にパタ−ン化され、幅100μmのパタ−ンのエッチングされた線を示すことを実験により確認した。
ELMのパタ−ンは、フレキシブルなプラスチック基板上にインクジェットプリントされ得る。例えば、約30nm厚さのプリントされたパタ−ンは、ELMの均一なネットワ−ク及び透明度約80%を表す。
インクの流体特性のバリエ−ション
インクジェット印刷用インクの重要な特性は、液滴を生成できるその能力である。印刷の際、1次液滴の後に、2次(サテライト)液滴が続いてよい。これは、ドロップオンデマンド印刷において回避される必要がある。インク粘度,η,表面張力,γ,密度,ρ,及びノズル直径,aは、得られる液滴の広がりに影響する。
η,γ,及びρを変更することにより、ELMインクをドロップオンデマンドインクジェット印刷用に最適化できる。ELM分散系のγ(意図された印刷温度、例えば20℃)は、アルコ−ル、例えばエチルアルコ−ル(例えば50/50v/v%)の添加により(約30乃至55mN.m−1に)低減され得る。これは、ポリマ−基板上の均一なインクジェット印刷にとって理想的である。ELMインクの粘度は、ドロップオンデマンドインクジェット印刷にとって極めて重要であり、典型的には1乃至10mPa.sの範囲内である。しかしながら粘度は、添加剤、例えばポリビニルアルコ−ル,グリセロ−ル,エチレングリコ−ルによりさらに増大し得る(100mPas以上)。
好適な層状物質
グラファイトは、剥離可能で、且つ本発明によるインクを調合するのに使用されるある範囲の層状物質の一つである。他の層状結晶は、非常に異なる特性を提供し得る。好適な材料は、金属(例えばNiTe,VSe),半金属(例えばWTa,TcS),半導体(例えばWS,WSe,MoS,MoTe,TaS,RhTe,PdTe)から絶縁体(例えばh−BN,HfS),超伝導体(例えばNbS,NbSe,NbTe,TaSe)及びトポロジカル絶縁体及びサ−モエレクトロニクス(例えばBiSe,BiTe)にまで及ぶ。
複合材料−全般
本発明の好ましい特徴を使用すると、個々の材料層を積層することに基づくコンポジットを構築することができる。このようなコンポジット材料を、例えば好適なシ−ケンスで個々の材料層のプリントもしくは他の堆積技法により組み立てることができる。本発明は、層状2次元結晶の使用に照らしてこのようなアプロ−チに特にふさわしい。好適なコンポジット材料は、層どうしの間にヘテロ接合を形成するため、異なる原子面を積み重ねることにより、又は均一な原子面の積み重ね順序を変えることにより形成され得る。これは、新規なカスタマイズした材料の作成のためのリッチなツ−ルセットを提供する。
マルチスタックされたプリントコンポジットを得るため、異なるELMインクが順番にインクジェット印刷され得る。また、ポリマ−コンポジットを作成するため、導電性/半導電性ポリマ−がELMストリップ上に順番にインクジェット印刷され得る。
ELMインクと導電性/半導電性ポリマ−とのブレンド(例えばポリ(3,3’’’−ジドデシルクォ−タ−チオフェン,PQT−12;ポリ(2,5−ビス(3−テトラデシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン,P3HT;ポリ(ジオクチル−ビチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸塩,PDOT/PSS;等)は、プリント可能ELM−ポリマ−コンポジットとしてインクジェット印刷し得る。
用途に応じて、水及び溶媒ル−トの両方からインクジェットプリントされたELMパタ−ンは、ある特性(例えばシ−ト抵抗)を増強するため、次に修正され得る。例えばグラフェンの場合、金属ナノ粒子(例えば銀),金属ナノ粒子前駆体(例えば、金なの粒子前駆体としてテトラクロロ金酸カリウム,1wt%),酸(例えば希釈硝酸、例えば10v/v%)を適用可能である。この後に、さらに洗浄と乾燥が続く。プリントエレクトロニクスで通常使用される他のステップ、例えばUV硬化,積層等を、具体的用途のために追加してもよい。
コンポジット材料−グラフェン−Agヘテロ構造の例
多層構造もしくはヘテロ構造は、例えばグラフェンと金属ナノ粒子を組み合わせて作成され得る。この場合、我々は、グラフェン−Agナノ粒子プリントされたヘテロ構造は、シ−ト抵抗において純粋なグラフェンインクよりも性能が優れており、低いR 50Ω/スクウェア及び透過率約70%を達成することを示す。
グラフェンフレ−クは、図26に記載されるように金属NPで修飾される。AgNP/グラフェンヘテロ構造が好ましい。なぜならば銀は、いずれの金属のうち最高電気伝導率(6.3×10S/m)を有するからである。
TEMによると、グラフェンフレ−クのサイズは、約200nmである。TEM画像はまた、NPはもっぱらグラフェンシ−ト上に付属したこと、各々個別シ−トは実際にNPで修飾されていたことを示す(図27a及び図27b)。TEM調査のため、均一な溶液を形成するため、サンプルを音波処理した。しかしながら、AgNPの殆どは、依然として材料間で強い結合を示すグラフェン表面に付属していたことが観察された。高解像度TEM画像は、AgNPの平均サイズ20±2nmを表す。
透明導電体は、ロッドコ−ティングを使用するこれらヘテロ構造で製造された。ロッドコ−ティングプロセスを、(約10層を維持するため)PET基板上で5乃至25回繰り返す。比較のため、純粋なグラフェンを使用して堆積したフィルムも実施した。PET基板上に塗布されたTCフィルムの目視検査は、塗布された基板は非常に均一であり透明であることを示した。典型的には、2乃至3回のコ−ティング後、フィルムは、シ−ト抵抗約50−100kΩ/□及びコ−ティング透過率>95%(基板を包含する85%)を表す。PET基板の透過は、550nmにおいて約87%である。
図28は、GTCFの透明性及び電気特性に対するAgNP修飾の効果を表す。図28は、透明性及びシ−ト抵抗について、これら多様なGTCFのパフォ−マンスを実証する。HNOをド−プしたグラフェンにより、シ−ト抵抗は1250Ω/□に減少し、透過率に変化はない(550nmにおいて約90%)。AgNP修飾グラフェンで製造されたGTCFは、透過率>90%(基板を包含する80%)の場合、低いシ−ト抵抗 250Ω/□、及び透過率>80%(基板を包含する67%)の場合、52Ω/□を有する。
コンポジット材料−グラフェン/カ−ボンナノチュ−ブヘテロ構造の例
ナノチュ−ブとグラフェンとのハイブリッドヘテロ構造は、例えばポリエチレンテレフタラ−ト(PET)基板上にTCEを形成するため、SWNT−インクとグラフェン−インクと交互にプリントすることにより作成され得る。SWNT/グラフェンプリントされたヘテロ構造は、透過率92%まで及びシ−ト抵抗約500Ω/□を達成できる。
SWNT及びグラフェンインクは、音波処理により調製される。約0.08wt%の官能化SWNT(P3,Carbon Solutions,Inc.,長さ500nm乃至1.5μm,側壁及びエンドキャップ中3乃至6%カルボン酸基,5乃至8%触媒金属含有量)を超音波処理により脱バンドル化し、チップソニケ−タ−(Branson 450A,20kHzにおいて40W出力,氷浴内)により2時間、0.5wt%のTriton X−100,非イオン直鎖界面活性剤と共に10mL脱イオン(DI)水内で個別化させる。音波処理後、SWNT分散系を、40krpm(約270,000g)で20分間遠心分離し、最上部70%をデカントする。イソプロピルアルコ−ル(IPA)をこれらの界面活性剤でアシストされた水性分散液に添加するとき、これらのカルボン酸基官能化は、再凝集を回避するのに役立つので、P3 SWNTをここでは使用する。これは、水性SWNT分散系の表面張力をさらに減らし、PET基板上にまばらなナノチュ−ブネットワ−クの均一な堆積を達成すのに役立つ。
単一層及び二重層で富化したグラフェンインクを、上記の音波処理で調製する。
図29は、SWNTとグラフェンとのハイブリッド構造のSEM画像を表す。SLG,BLG及びFLGは、SWNTネットワ−ク内に埋め込まれている。
SWNT及びグラフェンインクは、基板上に数回塗布される。図29は、塗布されたSWNT/グラフェンハイブリッドフィルム(SGHF)を表す。コ−ティングの均一性は、大規模用途にとって重要である。均一性を確認するため、我々は、約5mm空間解像度で120cmNGC−PETにわたりT測定を行った。我々は、約0.65mmビ−ム直径を有する543nm,0.5mW,非偏光レ−ザ−を使用する。我々は、TCEのT測定にために普通に使用されるこの波長に焦点を当てる。なぜなら約550nmにおいて人間の目は最も感受性であるからである。等高線プロットにおける空間透過率プロファイル(図示せず)は、平均透過率SGHF PET約81%を有するフィルムの面積にわたり均一な透過率を意味する。SGHF−PET全体にわたる標準偏差は<2%であり、約1kΩ/スクウェアシ−ト抵抗と共に、SGHFの光学均一性を確認する。大規模適用が予想されるとき、これはTCEのために重要なパフォ−マンスパラメ−タであることを特記する。
ラマン分光法
超遠心分離分散系を希釈し、300nmの熱成長させたSiOを有するSiウエハ上にドロップキャストする。これらのサンプルを次いでラマン測定のために使用し、Renishaw1000により、457,514.5,及び633nm及び100×対物レンズ、放射電力約1mWで採取される。Gピ−ク分散は、Disp(G)=ΔPos(G)/Δλとして定義される。式中、λはレ−ザ−励起波長である。Disp(G)は、レ−ザ−励起波長の関数としてPos(G)プロットの線形フィットから生成する。
接触角及び表面張力測定
KSVのCAM200ステ−ジを使用する。基板上に1μLの超純粋DI水を分配し、インク界面が固体表面に会う角度を測定することにより、接触角を測定する。表面張力をDuNouy−Padday技法[文献Padday(1971)]により測定する。これは、直径数ミリメ−トルのロッドを使用し、分散系に浸漬し、次いで引き上げることからなる。ロッドは、薄い金属フックを介して、最大引張力を測定するスケ−ルもしくはバランスに付属する。プロ−ブが最初に溶液内へ1mm浸漬され、次いでゆっくり引き上げられるとき、これが記録される。
光透過率
ホウケイ酸塩ガラス(Pyrex(登録商標)7740,磨かれた最良グレ−ド)上にジェットプリントされ、次いで170℃で1時間アニ−ルされたサンプルについて、100μmステップで514.5nmレ−ザ−ビ−ムを走査することにより、透過率が測定される。透過ビ−ムを、光ダイオ−ドで測定する。100×長距離対物レンズを備えた光学顕微鏡は、サンプル上でスポットサイズ2μmまでレ−ザ−焦点を合わせる(サンプル上の放射電力約8mW)。送信電力強度は、0.1μW解像度を有するOphir Nova II電力計により測定する。
電気的測定
Agilent 4156C半導体パラメ−タアナライザを備えたCascade AttoGuardプロ−ブステ−ションを使用して、電気的測定を行う。電流内で一時的な不安定が生じないように、積分時間は、500μsに設定し、遅延時間は、50msに設定する。
我々は、透明且つ導電性インクジェットプリントされた相互接続及び基本的な電子部品(抵抗器、キャパシタ)をプリントするため、我々のインクの実行可能性を実証した。
表1は、上述のグラフェンインクのインクジェット印刷により形成した透明導電性パタ−ンに関する結果を要約する。
表2は、グラフェンインクを使用するプリントされた抵抗器に関する結果を要約する。
この範囲は、厚さ200/500nm(また1mm未満)と共に600S/mまでの伝導率にさらに拡張され得る。
我々は、プリント可能なトランジスタのためグラフェンインクの実行可能性を実証した。これは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)の製造において重要である。
表3は、異なるチャネル厚さによる結果を要約する。
グラフェン−インク/ポリマ−ブレンドは、ポリマ−マトリックスとグラフェン−インクとの混合物であり、移動度10cm−1−1及びON/OFF比10乃至10まで、プリントされたトランジスタのオン/オフ比を改善するのに使用され得る。
我々は、表4に示すように、塗布可能な透明伝導体のためグラフェン−インクの実行可能性を実証した。
インクジェットプリントされたグラフェンデバイスは、シ−ト抵抗10Ω/スクウェア及び透明性80%を有し得る。上に考察したような好適な印刷技法は、優れた透明性を有し連続的な導電層を有する大面積デバイスの製造を可能にする。
表5に記載されるような層を形成するため、MoSインクをプリントした。これは、MoSインクが、高いオン/オフ比を有するプリント可能なトランジスタが、スタンバイ状態において従来のSiトランジスタよりも100,000倍まで少ない電力消費であることを可能にすることを表す。
h−BNは、絶縁特性を有し、キャパシタンス10nF以上を有する均一な絶縁層の形成を可能にする。
BiTeインクは、熱電挙動を有する。これは、比熱伝導率2000Ohm−1cm−1及びゼ−ベック係数S>−200uV/Kを有するインクジェットプリントされた熱伝導体/バリアを可能にする。
単一ナノ材料インクに関して優れた特性を有する新規なプリント可能インクを得るため、ELM系インクは、組み合わせ可能である。例えば、グラフェン/トランジスタのオン/オフ比を改善するため、グラフェンを、MoSもしくはh−BNと組み合わせ可能である。
グラフェン−インクは、ポリマ−の伝導性もしくは半伝導性挙動を改善するため(即ち、低いシ−ト抵抗100Ω/スクウェア又は移動度100cm−1−1まで)、導電体(例えばPEDOT:PSS)もしくは半導体(例えばPQT−12,P3HT)とブレンド可能である。
グラフェン/BiTe混合インクは、超高速熱電導電体バリアを可能にする特定濃度及び組成で設計され得る。
プリントされたバリア及びエネルギ−貯蔵デバイスにおける電極の製造に、グラフェン/MoSもしくはWS混合インクを利用してよい。グラフェン電極は、表面積3000m−1まで達成できる。
グラフェン系透明且つ導電性ペ−スト及び接着剤を製造するため、グラフェン−インクは、導電性ポリマ−バインダとブレンド可能である。これらは、低い伝導率5Ω/スクウェア及び光学透明性90%までを達成できる。
上で考察したような完全に混合可能且つ伸縮可能な(streachable)透明電極、抵抗器及び薄膜トランジスタを製造するため、グラフェンインクをポリマ−マトリックス上にプリント、またはポリマ−マトリックスと混合できる。抵抗率/移動度における変化5%未満及び光学透明性90%までとともに、適用された変形(strain)は25%までであり得る。
本発明は、上述の例示的実施形態と併せて記載されたが、多くの同等の変形及びバリエ−ションが、この開示から当業者には明らかである。従って、上に述べた本発明の例示的実施形態は、説明目的とみなされ、限定目的ではない。本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、記載された実施形態に対する様々な変更がなされてよい。
上で参照された全文献は、参照により本書に含まれる。
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Claims (33)

  1. 層状物質から誘導されたフレ−クの分散液と共にキャリア液体を有するインクであって、
    各フレ−クの厚さは、フレ−ク内の層状物質の層の数に依存し、かつ
    フレ−クの厚さ分布は、
    単一層フレ−クの数に対し少なくとも20%;
    単一、二重及び三重層フレ−クの累積数に対し少なくとも40%;又は
    10以上の層を有するフレ−クの数に対し40%以下
    を包含する、インク。
  2. フレ−クの厚さ分布は、単一層フレ−クの数に対し少なくとも60%を包含する、請求項1に記載のインク。
  3. フレ−クの厚さ分布は、単一、二重及び三重層フレ−クの累積数に対し少なくとも90%を包含する、請求項1又は2に記載のインク。
  4. フレ−クの厚さ分布は、単一及び二重層フレ−クの累積数に対し少なくとも80%を包含する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインク。
  5. フレ−クの厚さ分布は、10以上の層を有するフレ−クの数に対し5%以下を包含する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインク。
  6. 層状物質は、1以上の元素物質、例えばグラフェン(典型的には無垢のグラファイトから誘導された),金属(例えばNiTe,VSe),半金属(例えばWTa,TcS),半導体(例えばWS,WSe,MoS,MoTe,TaS,RhTe,PdTe),絶縁体(例えばh−BN,HfS),超伝導体(例えばNbS,NbSe,NbTe,TaSe)及びトポロジカル絶縁体及びサ−モエレクトニクス(例えばBiSe,BiTe)から選択される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク。
  7. フレ−クは、数平均として評価された少なくとも1の横寸法200nmを有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク。
  8. フレ−クは、数平均として評価されたフットプリント面積少なくとも0.1μmを有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク。
  9. キャリア液体は、水,アルコ−ル,N−メチルピロリドン,クロロホルム,ベンゼン,トルエン,ジクロロベンゼン,イソプロピルアルコ−ル,エタノ−ル及び/又は他の有機溶媒の1以上から選択される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク。
  10. インクの表面エネルギ−(γ)及び/又はインクの粘度(η)を調節するための1以上の改質剤をさらに包含する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク。
  11. インクの表面エネルギ−は、20℃において30乃至55mN.m−1の範囲内である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインク。
  12. インクの粘度は、20℃において1乃至100mPa.sの範囲内である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のインク。
  13. インクは、Z=1/Oh
    (式中、Ohはオ−ネゾルゲ数であり、かつOh=(We)1/2/Reであり、
    Reは、レイノルズ数であり、かつWeはウェ−バ−数であり、Re=υρa/η及びWe=υρa/γであり,従ってOh=(We)1/2/Re=−η/(γρa)1/2
    であり、
    υ[m/s]は落下速度であり、η[mPas]はインクの粘度であり、γ[mJm−2]はインクの表面エネルギ−であり、ρ[gcm−3]はインクの密度であり、a[μm]はインクジェットプリント装置のノズル直径である)
    の値1乃至100を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のインク。
  14. Zは1乃至14の範囲内である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のインク。
  15. インクは、少なくとも0.01g/Lのレベルにおけるフレ−クの濃度を有する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のインク。
  16. インクを製造する方法であって、
    超音波処理により液体内の層状物質を剥離して、前記層状物質から第1のフレ−ク集団を形成するステップであって、ここで各フレ−クの厚さは、フレ−ク内の層状物質の層の数に依存するステップと;
    前記第1のフレ−ク集団を超遠心分離して、当該第1の集団から第2のフレ−ク集団を単離するステップであって、ここで前記第2のフレ−ク集団は、前記第1のフレ−ク集団よりもより制限された厚さ分布を有するステップと、
    を包含する方法。
  17. 超遠心分離プロセスは、沈降に基づく分離(SBS)プロセスである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の集団は、少なくとも1000gに相当する回転速度で超遠心分離を受ける請求項17に記載の方法。
  19. 超遠心分離プロセスは、密度勾配超遠心分離(DGU)プロセスである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記第1の集団は、DGUについて少なくとも100,000gに相当する回転速度で超遠心分離を受ける、請求項19に記載の方法。
  21. 第1のフレ−ク集団から第2のフレ−ク集団を単離した後、第3のフレ−ク集団をさらに単離するため、前記第2のフレ−ク集団は、さらなるプロセスを受ける、請求項16乃至20のいずれか一項に記載の方法。
  22. インク重量に基づき少なくとも90wt%のキャリア液体と;
    層状物質から誘導されたフレ−クの分散液と;
    任意には、1以上の界面活性剤と;
    任意には、1以上の表面エネルギ−調整剤と;
    任意には、1以上の粘度調整剤と;
    任意には、1以上のド−パント及びナノ材料添加剤と
    からなるインクであって、
    各フレ−クの厚さは、フレ−ク内の層状物質の層の数に依存し、かつ
    フレ−クの厚さ分布は、
    単一層フレ−クの数に対し少なくとも20%;
    単一、二重及び三重層フレ−クの累積数に対し少なくとも40%;又は
    10以上の層を有するフレ−クの数に対し40%以下
    を包含する、インク。
  23. 請求項1乃至15及び22のいずれか一項に記載のインクを使用してプリントすることにより得られた、もしくは得られるプリント層。
  24. プリント層は、導電性及び/又は光透過性である、請求項23に記載のプリント層。
  25. プリント層は、シ−ト抵抗R10kΩ/スクウェア以下を有する、請求項23又は請求項24のいずれかに記載のプリント層。
  26. プリント層は、光透過性80%以上を有する、請求項23乃至25のいずれか一項に記載のプリント層。
  27. 当該層のキャリア移動度は、少なくとも10cm−1−1である、請求項23乃至26のいずれか一項に記載のプリント層。
  28. プリント層は、フレキシブル基板上に形成される、請求項23乃至27のいずれか一項に記載のプリント層。
  29. 請求項1乃至15及び22のいずれか一項に記載のインクが表面に塗布され、そして乾燥される、プリント層をプリントする方法。
  30. プリント技法は、インクジェット印刷,スピンコ−ティング,Langmuir−Blodgett,スプレ−塗装,ロッドコ−ティング,スクリ−ン印刷,ロ−ルツ−ロ−ルコ−ティング,フレキソグラフィ−印刷,グラビア印刷及びスロット染料コ−ティングから選択される、請求項29に記載の方法。
  31. プリント技法はインクジェット印刷であり、フレ−クは、インクジェットプリント装置のノズル直径の1/20以下である横サイズを有する、請求項30に記載の方法。
  32. 1以上のエレクトロニクス用途、1以上のオプトエレクトロニクス用途、1以上の光学用途、1以上のサ−マル用途、1以上のエネルギ−用途、及び/又は1以上の無線周波用途における請求項1乃至15及び22のいずれか一項に記載のインク、又は請求項23乃至28のいずれか一項に記載のプリント層の使用。
  33. エレクトロニクスデバイス、オプトエレクトロニクスデバイス、光学デバイス、サ−マルデバイス、エネルギ−デバイス、及び/又は1以上の無線周波デバイスである、請求項23乃至28のいずれか一項に記載のプリント層少なくとも1を組み込むデバイス。
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