JP2015531415A - 液体二酸化炭素を用いたポリ乳酸フォームの製造 - Google Patents

液体二酸化炭素を用いたポリ乳酸フォームの製造 Download PDF

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Abstract

CO2を含浸させた結晶化可能ポリ乳酸樹脂を製造する方法であって、該ポリ乳酸樹脂を液体CO2に約-57℃〜約2℃の温度で接触させる工程を含んでなる方法を開示する。CO2を含浸させたポリ乳酸樹脂の膨張が低密度のフォームをもたらす。

Description

発明の分野
本発明は、熱安定性の特性が向上したポリ乳酸(PLA)フォーム製品を製造するための方法に関し、該方法は、結晶化可能(crystallisable)PLAの液体CO2含浸を使用することを含む。
発明の背景
ポリ乳酸は、再生可能な資源から製造される熱可塑性ポリエステルであり、それを発泡させることができるので、包装用途をはじめとする多くの用途に利用される非再生可能ポリマーの実用的な代替物である。ポリ乳酸系材料に関して報告された欠点としては、石油化学製品から誘導される代替ポリマーと比較して、熱安定性が低いという特性が挙げられる。
本発明の目的は、改善されたまたは代替のフォーム製品およびそれらの製造方法を提供することである。
したがって、本発明は、熱寸法安定性が増加したPLAフォーム製品を製造するために、結晶化可能PLA樹脂の液体CO2含浸、特に低温での液体CO2含浸の使用に関する。PLA樹脂は、PLAコポリマー、PLAブロックコポリマー、PLAホモポリマー、またはPLAと1種もしくは複数種の他のポリマーとのブレンドを含みうる。
一局面において、本発明は、CO2を含浸させた結晶化可能ポリ乳酸樹脂を製造する方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a) 結晶化可能ポリ乳酸樹脂、好ましくは示差走査熱量測定で測定して約20%未満の結晶化度を有する樹脂、好ましくは非晶質状態で調製された樹脂、を提供する工程、および
(b) 該樹脂を液体CO2に約-57℃〜約2℃の温度で接触させて、該樹脂にCO2を含浸させる工程。
別の局面において、本発明は、ポリ乳酸フォームを製造する方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
(a) 液体CO2を約-57℃〜約2℃の温度で含浸させてあり、かつ約55重量%までのCO2を含む、結晶化可能ポリ乳酸樹脂、好ましくは示差走査熱量測定で測定して約20%未満の結晶化度を有する樹脂、好ましくは非晶質状態で調製された樹脂、を提供する工程、および
(b) 該含浸させた樹脂を膨張させてフォームを製造する工程。
約20重量%未満の結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定され得る。さまざまな態様において、前記樹脂は、示差走査熱量測定で測定して、約19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1重量%未満の結晶化度、または0重量%の結晶化度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約0〜約20、約0〜約15、約0〜約10、または約0〜約5%)。
別の局面において、本発明は、均一な発泡セル構造、約200g/L未満の密度、および70℃で約35%未満の体積収縮のうちの1つまたは複数を含む、膨張させたPLAフォームに関する。
ポリマー中のCO2濃度は、以下の式に従って重量で測定される:
Figure 2015531415
体積収縮を測定するには、サンプルの正確な体積を水置換により測定し、そのサンプルを70℃のオーブンに24時間入れる。この熱処理の後、サンプルの体積を再度測定して、熱処理によって引き起こされた体積収縮ΔVを次のように算出する:
Figure 2015531415
以下の態様は、任意の組み合わせで上記の局面のいずれかに関係しうる。
一態様では、前記フォームは、70℃で約35%未満の体積収縮、例えば、70℃で約30、25、20、15、10もしくは5%未満、または70℃で約0%の収縮を示し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約0〜約35、約0〜約20、または約0〜約10%)。
一態様では、前記フォームは、約10kPaの圧縮力を受けたとき、約70℃の温度までに約5%未満の線収縮を示す。さまざまな態様では、線収縮は約5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1または0.5%未満であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約0.5〜約5%)。さまざまな態様では、温度は約70、72、75、77、80、82、85、87、90、92、95、97、または100℃であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約70〜約100、または約75〜約100℃)。
線収縮を測定するには、円筒形のサンプルを成形ブロックから切り出し、RSA-G2 DMTA装置(TA Instruments社)で試験する。サンプルに一定した10kPaの圧縮応力をかけて、それを室温から毎分2℃で加熱する。線収縮は、試験全体を通してサンプルのたわみ(deflection)として(初期のサンプル高さに対する%で)測定される。
一態様では、前記フォームは約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200g/L未満の密度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約20〜約200、約30〜約200、約20〜約180、約30〜約180、約20〜約160、約30〜約160、約20〜約140、約30〜約140、約20〜約120、約30〜約120、約20〜約100または約30〜約100g/L)。
さまざまな態様では、膨張させた樹脂またはフォームの結晶化度は、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、または15重量%であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約5〜約10、約5〜約15%)。
一態様では、含浸は、樹脂を液体CO2に接触させることにより、好ましくは樹脂を液体CO2中に浸漬することにより、好ましくは樹脂に吸着されたCO2の量が平衡状態になるまで、実施される。樹脂に吸着されるCO2の量は、その樹脂の性質ならびに含浸時間、圧力および温度に依存するであろう。平衡状態にある樹脂に吸着されたCO2の量は、選択された量の樹脂部分、例えば樹脂ビーズ、が所望の圧力または温度で吸着するCO2の最大量を測定することによって、実験的に決定することができる。平衡状態になると、CO2は含浸させた樹脂全体に均一に分散されるようになり、結果的に、より均一な発泡およびより均質なセル構造をもたらす。
含浸のための温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)以下、好ましくは後述される濃度などの所与のCO2濃度での樹脂のTg以下となるように選択され、かつこのようなTg以下の温度に維持される。一態様では、含浸は、約-57、-55、-50、-45、-40、-35、-30、-25、-20、-15、-10、-5、-1、0、1、または2℃で行われ、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約2〜約-57、約1〜約-57、約0〜約-57、約-1〜約-57、約-30〜約-57または約-35〜約-57℃)。
一態様では、含浸は、少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230もしくは240分間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24時間実施され、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜240、10〜240、10〜200、10〜150、10〜100、20〜240、20〜200、20〜150、もしくは20〜100分、または約1〜24、2〜23、3〜22、4〜21、5〜20、6〜18、7〜17、8〜16、9〜15もしくは10〜14時間)。
一態様では、含浸後の樹脂のCO2濃度は、約55重量%まで、さもなければ飽和レベルまで、例えば、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50または55重量%であり、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜約50、約10〜約50、約20〜約50、または約30〜約45%)。
一態様では、本方法はさらに、含浸させた樹脂を、結晶化度の有意な増加を防止するための条件下で保持する工程を含む。
一態様では、本方法はさらに、含浸CO2のレベルを膨張工程前に約5〜35重量%に、例えば5、10、15、20、25、30または35重量%に、低下させながら、含浸させた樹脂が膨張するのを防止する温度および圧力で該樹脂を保持する工程を含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約10〜約30、約15〜約30、または約15〜約25%)。
一態様では、保持(コンディショニング)工程の温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)以下、好ましくは後述される濃度などの所与のCO2濃度での樹脂のTg以下となるように選択され、かつこのようなTg以下の温度に維持される。一態様では、含浸させた樹脂は、約-57、-55、-50、-45、-40、-35、-30、-25、-20、-15、-10、-5、-1、0、1、2、3または4℃に保持され、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約4〜約-57℃)。
さまざまな態様では、含浸工程、保持工程、または含浸工程と保持工程は、樹脂のガラス転移温度以下の温度、好ましくは前述および後述される濃度などの所与のCO2濃度での樹脂のTg以下の温度で行われる。
一態様では、含浸させた樹脂は、該樹脂が膨張するのを防止する圧力で保持される。
一態様では、含浸させた樹脂は、CO2濃度が約5、10、15、20、25、30または35重量%に低下するまで保持され、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約5〜約30%または約10〜約25%)。
一態様では、含浸させた樹脂の膨張直前のCO2濃度は、約35重量%までである。
一態様では、膨張工程は予備膨張、予備膨張とその後の成形、または予備膨張なしの成形を含む。
一態様では、膨張工程は、含浸させたポリ乳酸樹脂を約15℃〜約150℃の温度で加熱することを含む。
一態様では、予備膨張は、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135または140℃の温度を含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約15〜約140℃)。予備膨張は、樹脂または樹脂を含む金型を、熱水、蒸気、熱風もしくは熱油などの高温流体と接触させるか、または樹脂をマイクロ波などの電磁放射線にさらすことを含む。
一態様では、樹脂の予備膨張は、樹脂を予備膨張温度に少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230または240秒間加熱することによって行われ、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜240、1〜120、5〜240、5〜120、10〜240、10〜120、20〜240、または20〜120秒)。
一態様では、成形工程は、含浸または予備膨張させた樹脂を金型内に入れ、該金型を約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145または150℃で加熱することを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約50〜約150℃)。
一態様では、金型は約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または180秒間加熱され、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜約180秒)。
一態様では、成形工程は、金型に真空を約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230もしくは240秒間、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10分間適用することを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜240、1〜120、5〜240、5〜120、10〜240、10〜120、20〜240、もしくは20〜120秒、または約1秒〜約10分)。
さまざまな態様において、前記樹脂は、少なくとも約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99または100重量%のPLAを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約40〜約100、約50〜約100、または約60〜約100%)。
一態様では、樹脂は、PLAコポリマー、PLAブロックコポリマー、PLAホモポリマー、またはPLAと1種以上の他のポリマーとのブレンドを含む。
一態様では、PLAコポリマーは、少なくとも約88重量%のL-もしくはD-乳酸を含むか、あるいはポリ(L-乳酸)とポリ(D-乳酸)ホモポリマーのブレンド、または各ブロックがL-乳酸もしくはD-乳酸の88%を超える異性体純度を有するPLAブロックコポリマーのブレンドである。
一態様では、PLAコポリマーは、約88、89、90、91、21、92、94、95、96、97、98、99、99.5または99.9重量%の異性体純度を有し、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約88〜約99.9、約90〜約99.9、または約92〜約99.9%)。
一態様では、PLAコポリマーブレンドは、約88、89、90、91、21、92、94、95、96、97、98、99、99.5または99.9重量%の異性体純度を有するブレンドを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約88〜約99.9、約90〜約99.9、または約92〜約99.9%)。
一態様では、PLAコポリマーは、約0〜約12重量%のD-異性体含量および約88〜約100重量%のL-異性体含量を有する。
一態様では、PLAコポリマーは、約0〜約12重量%のL-異性体含量および約88〜約100重量%のD-異性体含量を有する。
一態様では、PLAコポリマーブレンドは、約0〜約12重量%の全D-異性体含量を有するコポリマーと、約0〜約12重量%の全L-異性体含量を有するコポリマーとのブレンドを含む。
一態様では、PLA樹脂は、純粋なPDLA(または高純度PDLA)とPLLA(または高純度PLLA)のステレオコンプレックス(stereocomplex)ブレンドを含む。こうしたブレンドは、約1、3、5、10、20、30、40または50重量%のPLLA(またはPDLA)を含むことができ、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜約50、約10〜約50、または約20〜約50%)。
種々の態様では、PLA樹脂は、乳酸以外のコモノマーと重合させた乳酸、1種以上の結晶化可能もしくは非晶質の非PLAポリマーとブレンドされたPLAポリマー、または架橋PLAもしくは官能化PLAなどの修飾PLAを含む。
一態様では、前記樹脂は、他のコモノマーと重合させたPLA、他のポリマーとのPLAブレンド、および架橋PLAまたは官能化PLAを含めた修飾PLAを含む。
種々の態様では、上記のポリマーのいずれか2種以上のブレンドが企図される。PLAとのブレンドに用いることが知られている他のポリマーも使用することができる。
一態様では、前記コポリマーは、乳酸と、ポリマー好ましくは生分解性ポリマーを形成することが可能なコモノマーとの、例えば、エステル、メタクリレート、メチルメタクリレート、グリコール酸、εカプロラクトン、ヒドロキシアルカノエート、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、ヒドロキシヘキサノエート、またはヒドロキシオクタノエートとの、コポリマーである。一態様では、前記コポリマーは、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)またはポリ(乳酸-コ-カプロラクトン)である。一態様では、前記コポリマーは、少なくとも40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または99重量%のPLAを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約40〜約99、約50〜約99、約60〜約99、約70〜約99、約80〜約99、または約90〜約99%)。
一態様では、ブロックコポリマーは、1種以上のポリマー、好ましくは生分解性ポリマー、例えば以下のポリマー、の1つまたは複数のブロックを含む:エステル(ポリエステル)、メタクリレート(ポリメタクリレート)、メチルメタクリレート(ポリ(メチルメタクリレート)、PMMA)、グリコール酸(ポリグリコール酸、PGA)、εカプロラクトン(ポリカプロラクトン、PCL)、ヒドロキシアルカノエート(ポリ-ヒドロキシアルカノエート、PHA)、ヒドロキシブチレート(ポリ-ヒドロキシブチレート、PHB)、ヒドロキシバレレート(ポリ-ヒドロキシバレレート、PHV)、ヒドロキシヘキサノエート(ポリ-ヒドロキシヘキサノエート、PHH)、またはヒドロキシオクタノエート(ポリ-ヒドロキシオクタノエート、PHO)。一態様では、ブロックコポリマーは、少なくとも40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または99重量%のPLAを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約40〜約99、約50〜約99、約60〜約99、約70〜約99、約80〜約99、または約90〜約99%)。
一態様では、前記ブレンドは、乳酸と、ポリマー、好ましくは生分解性ポリマー、例えば、ポリマーのエステル(ポリエステル)、メタクリレート(ポリメタクリレート)、メチルメタクリレート(ポリ(メチルメタクリレート)、PMMA)、グリコール酸(ポリグリコール酸、PGA)、εカプロラクトン(ポリカプロラクトン、PCL)、ヒドロキシアルカノエート(ポリ-ヒドロキシアルカノエート、PHA)、ヒドロキシブチレート(ポリ-ヒドロキシブチレート、PHB)、ヒドロキシバレレート(ポリ-ヒドロキシバレレート、PHV)、ヒドロキシヘキサノエート(ポリ-ヒドロキシヘキサノエート、PHH)、またはヒドロキシオクタノエート(ポリ-ヒドロキシオクタノエート、PHO)との、ブレンドである。一態様では、前記ブレンドは、少なくとも40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または99重量%のPLAを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約40〜約99、約50〜約99、約60〜約99、約70〜約99、約80〜約99、または約90〜約99%)。一態様では、前記ブレンドは、約50〜約70重量%のPLAを含む。一態様では、前記ブレンドは、ポリ(メチルメタクリレート)と約50〜約70重量%のPLAを含む。
一態様では、前記樹脂は、粒子、ビーズ、ロッド、バー、シート、フィルム、成形形状(例えば、クラムシェル、ポット、箱、ボウル、カップ、プレートまたはトレイなど)または押出形状の形態である。したがって、一態様では、含浸させた樹脂は、粒子、ビーズ、ロッド、バー、シート、フィルム、成形形状(例えば、クラムシェル、ポット、箱、ボウル、カップ、プレートまたはトレイなど)または押出形状の形態である。
一態様では、前記樹脂は、1種または複数種の充填剤、添加剤、核形成剤、可塑剤もしくは共発泡剤、またはこれらの2種以上の任意の組み合わせをさらに含む。
一態様では、前記樹脂は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50重量%の1種または複数種の充填剤、添加剤、核形成剤、可塑剤もしくは共発泡剤、またはこれらの2種以上の任意の組み合わせを含み、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜約10、約1〜約20、約1〜約30、約1〜約40、または約1〜約50%)。一態様では、前記樹脂は約1〜約10重量%または約1〜約5重量%の樹皮(bark)を含む。
一態様では、前記フォームは、ポリ乳酸を含み、そうでなければ上述したような樹脂を含む。
一態様では、前記フォームは、少なくとも約88重量%のLもしくはD乳酸、またはポリ-L-乳酸およびポリ-D-乳酸ホモポリマーのブレンド、または各ブロックがL-乳酸もしくはD-乳酸の88%を超える異性体純度を有するPLAブロックコポリマーのブレンドを含む。
一態様では、前記フォームは、上述したように、1種または複数種の充填剤、添加剤、核形成剤、可塑剤もしくは共発泡剤、またはこれらの2種以上の任意の組み合わせを含む。
また、本明細書に開示された数の範囲(例えば、1〜10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)と、さらにその範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5および3.1〜4.7)への言及を含むものであり、したがって、本明細書に明示的に開示されたすべての範囲のすべての下位範囲は、本明細書に明示的に開示されているものとする。これらは具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙された最低値と最高値の間の数値のあらゆる可能な組み合わせが、同様の方法で本出願に明示的に記載されていると見なされるべきである。
本明細書において、特許明細書、他の外部文書、または他の情報源についての言及がなされている場合、それは一般的に、本発明の特徴を述べるための状況を提供する目的のためである。特に断らない限り、そのような外部文書への言及は、いかなる司法管轄区域においても、そのような文書またはそのような情報源が従来技術であること、または当分野における技術常識の一部を形成すること、を承認するものとして解釈されるべきでない。
本発明はまた、本願明細書において言及されたもしくは示された部品、要素および特徴で個々に構成されるか、または集合的に、該部品、要素および特徴の2つ以上のありとあらゆる組み合わせで構成されるように、広義に言うことができ、かつ本発明が関係する技術分野で公知の均等物を有する特定の完全体(integers)が本明細書中で言及される場合、そのような公知の均等物は、個々に記載されていたかのように本明細書に組み込まれていると見なされる。
図1は、PLAのガラス転移温度TgとCO2濃度との関係を示すグラフである(1.4%D PLA)。 図2は、含浸温度の関数としての発泡時の最小密度および対応するCO2濃度を示すグラフである(1.4%D PLA)。 図3は、含浸温度の関数としての発泡時の最小密度および対応するCO2濃度を示すグラフである(4.3%D PLA)。 図4は、含浸温度の関数としての発泡時の最小密度および対応するCO2濃度を示すグラフである(7.7%D PLA)。 図5は、60g/LステレオコンプレックスPLAフォームのDSCトレース(10℃/分)を示すグラフである。 図6は、40g/LでD-含量に対してプロットされた体積収縮を示すグラフである。 図7は、種々の発泡温度についての、フォーム結晶化度(A)およびフォーム密度(B)の関数としての発泡1.4%D PLAビーズの体積収縮を示すグラフである。 図8は、成形されたPLA 4060DおよびPLA 3001Dフォームについての10kPa圧縮下での線収縮(加熱速度は毎分2℃である)を示すグラフである。 図9は、70:30および50:50の半結晶性PLA:PMMAブレンドについての、含浸温度に対する密度の関係を示すグラフである。
詳細な説明
本発明者は、結晶化可能グレードのポリ乳酸(PLA)ならびにコポリマーおよびブレンドを含む結晶化可能PLA樹脂が含浸されて、低密度へと発泡され得ることを見出した。結晶化可能グレードのPLA(ステレオコンプレックスPLAを含む)およびPLA樹脂は、PLAフォームと実際に他のPLAフォーム構造について以前に見られたよりも良好な熱安定性につながる。
本発明は、ステレオコンプレックスPLAおよび他のPLA樹脂を含めて、結晶化可能PLAを発泡させる方法に関し、この方法は、PLA樹脂に液体CO2を約2℃、1℃または0℃以下の温度で、より好ましくは約-57℃〜約2℃の温度で、CO2を確実に液相のままとするのに対応する圧力で接触させることによって、PLA樹脂などの固体ポリマーにCO2を含浸させる工程、液体CO2から該樹脂を取り出す工程、および含浸CO2のレベルを発泡に適したレベルにまで低減させつつ、含浸させた樹脂が結晶化または発泡するのを防止する温度および圧力で該樹脂を保持する工程を含んでなる。
PLAへの液体CO2の含浸は、早期の結晶化を最小限に抑える温度で実施される。例えば、結晶化可能PLAへの含浸は、高い膨張性のために約-57℃〜約2℃、より好ましくは約-57℃〜約-30℃の温度で行うことができる。
この方法は、非晶質状態で調製された結晶化可能PLAに使用することができる。
この方法はまた、他のコモノマーと重合させたPLA、他のポリマーとのPLAブレンド、および架橋PLAまたは官能化PLAを含めた修飾PLAにも適用することができる。最適な含浸温度範囲は、材料の初期Tg、CO2取込み量およびTg-CO2関係に従い、これらのPLA系ポリマー用に調整され得る。すなわち、含浸のための温度は、各ポリマーによって異なるが、含浸および/またはコンディショニングの温度は、新たに(CO2または別の可塑剤で)可塑化されたポリマーのTg以下となるようにする。
この方法は、粒子、ビーズ、ロッド、バー、シート、フィルム、成形形状(例えば、クラムシェル、ポット、箱、ボウル、カップ、プレートまたはトレイなど)または押出形状を含めた、さまざまな物理的形状のPLAに使用することができる。
上述したように、液体CO2の含浸は、ポリマーの早期結晶化を最小限に抑える条件下で行われる。
含浸後、ポリマーは、そのポリマーの結晶化を防止する条件下で保持される。それはPLAのガラス転移温度Tg以下の温度であり、該Tgは、図1のグラフにより定義されるようにCO2の濃度によって影響される。
含浸を介してPLAにより吸収されたCO2の割合は、ポリマー-CO2混合物の約1〜約55重量%であるか、そうでなければ飽和レベルまでである。液体CO2中での滞留時間は、意図した用途のためにPLAサンプルが所望の量のCO2で含浸されるのを確実にするように選択される。滞留時間は、サンプルの形状、サイズおよび温度に依存するが、圧力には依存しない(ただし、用いる圧力はCO2を液相に保持するものとする)。例えば、2mmのPLAロッド(Ingeo(商標)グレード 3001D)では、-50℃で含浸させる場合、2時間を超える含浸時間が必要である。
含浸後、PLAは、PLA中のCO2のレベルを発泡に適したレベルにまで低減させるよう保持される。発泡に適したPLA中のCO2のレベルは、さまざまであり得るが、典型的には、約5〜約30重量%、好ましくは約10〜約25重量%である。
1. 定義
本明細書および特許請求の範囲で使用する用語「含む」(comprising)は、「少なくとも一部は〜からなる(consisting at least in part of)」ことを意味する。「含む」を伴う本明細書および特許請求の範囲内の記述を解釈する場合、各記述中でこの用語により前置きされた特徴のほかに、他の特徴も存在することができる。「含む」(comprise)および「含まれる」(comprised)などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
ポリマーに関連する用語「結晶化可能」(crystallisable)とは、ポリマーが結晶化し、さらに融解することが可能であることを意味する。用語「半結晶性」(semi-crystalline)は同様の意味を有する。ポリ(D,L)乳酸コポリマーの場合、これらのモノマーの一方の濃度が他方に対して低いほど、PLAの潜在的結晶化度は高くなるであろう。さらに、100%のL-乳酸からなるPLA(PLLA)、つまり高純度のPLLAを、100%のD-乳酸からなるPLA(PDLA)、つまり高純度のPDLAとブレンドする場合、結晶化の際に高度に規則的なステレオコンプレックスが形成され得る。発泡後の温度安定性は、50:50ブレンドを使用する場合に最大になるが、PLLA中のPDLAの3〜10%の低濃度(またはその逆)でさえも、まだ実質的な改善が認められる。
PLAとの関連での用語「結晶化可能」とは、約88重量%以上の異性体純度を有するPLAコポリマー、および1種または複数種のそのようなコポリマーのブレンドであって、該ブレンドの異性体純度が依然として約88%以上であるもの、例えば、約0〜約12重量%のD-異性体含量と約88〜約100重量%のL-異性体含量を有するコポリマー、約0〜約12重量%のL-異性体含量と約88〜約100重量%のD-異性体含量を有するコポリマー、約0〜約12重量%の全D-異性体含量を有する前記コポリマーのブレンド、および約0〜約12重量%の全L-異性体含量を有する前記コポリマーのブレンドを指す。さらに、PLAとの関連での用語「結晶化可能」はまた、純粋なPDLA(つまり高純度PDLA)およびPLLA(つまり高純度PLLA)のステレオコンプレックスブレンドを指す。
2. ポリ乳酸および他の樹脂
ポリ乳酸(PLA)は、乳酸モノマー単位からなるポリマーである。PLAは、テンサイ、サトウキビ、トウモロコシデンプンまたは乳製品などのバイオマスの細菌発酵により得られる乳酸の重合によって工業的に製造される。乳酸は、2つの立体異性体、L-乳酸およびD-乳酸として存在する。PLAは、ある割合のL-乳酸モノマーとある割合のD-乳酸モノマーから構成される。PLAにおけるL-乳酸モノマーとD-乳酸モノマーとの比がその特性を決定する。PLAが一方の乳酸モノマー(LまたはDのいずれか)を約12%より多く含有する場合、それはもはや結晶化することができず、したがって、完全に非晶質である。モノマーの一方の濃度が他方に対して低いほど、PLAの潜在的結晶化度は高くなるであろう。
結晶化可能PLAコポリマー、結晶化可能PLAブロックコポリマーもしくは結晶化可能PLAホモポリマー、またはこれらの任意の2種以上のブレンド、またはこれらの任意の1種または複数種と1種または複数種の他のポリマーとのブレンドは、それぞれ上述したように、本明細書での使用が考慮される。
PLAは、乳酸以外のコモノマーと重合させたり、他のポリマーとブレンドしたりすることができ、また、架橋結合または官能化などのさまざまな方法で修飾することが可能である。
結晶化可能樹脂をフォームへと膨張させるために、液体CO2による含浸の前に、ポリマーの結晶化度を最小限に抑えるような方法でそれを調製するべきである。結晶化度の最小化は、樹脂を融解して、該樹脂を融解状態から急速に冷却することによって、または溶解/沈殿法を使用することによって、達成することができる。このような方法は当技術分野で公知である。
また、液体CO2含浸と、その後のコンディショニング段階は、膨張/発泡工程の前にポリマーの結晶化度の増加を最小限に抑えるように実施されるべきである。
3. 含浸方法
PLAなどの膨張性(発泡性)ポリマーに含浸させるためにCO2を使用する方法は多数報告されており、そこではCO2がポリマーフォームを製造するための発泡剤としての役割を果たしている。例えばCO2を含浸させたPLAを用いる、報告された発泡・成形プロセスは概して、樹脂ビーズなどのPLA樹脂に気体もしくは超臨界CO2を含浸させ、含浸させた樹脂を予備膨張させ、休ませ、任意で予備膨張樹脂を処理してから、該樹脂に追加のCO2または別の発泡剤を再含浸させ、該樹脂を金型内でさらに膨張/融着させることを含む。本発明は、PLAに含浸させるために液体CO2を使用する。
所与の温度(T)での液体CO2含浸の間、CO2は、PLAを可塑化し、そのガラス転移温度Tgを低下させることが知られている。TgがTより大幅に低下される場合、PLAは結晶化することができる。この結晶化は一般的に、発泡に有害である。Tgの低下はCO2吸収の関数であり、CO2吸収自体は含浸温度の関数である。
前記プロセスは、先に定義したどの結晶化可能PLAにも適用することができるが、それは、高い結晶化能力を有するPLA、例えば、95%、97%もしくは99%より高い純度を有するPLAホモポリマー(LもしくはD)、またはステレオコンプレックスブレンド、PLAコポリマーもしくはブロックコポリマー、または同等以上の結晶化能力を有するPLA系樹脂に優先的に適用される。
一態様では、前記プロセスを、例えば約20%未満の結晶化度の、非晶質状態で調製された結晶化可能PLA樹脂に適用する。約20%未満の結晶化度を含む非晶質状態は、示差走査熱量測定(DSC)によって決定することができる。適切なDSC法は、5〜10mgの材料を、20℃から、融解吸熱の終点より少なくとも20℃高い温度まで、毎分5℃の加熱速度で加熱することを含む。結晶化度は、融解吸熱面積から結晶化発熱面積を差し引くことによって計算される。PLAのホモ結晶(homocrystal)およびPLAステレオコンプレックス結晶の融解エンタルピーは、それぞれ、93J/gおよび142J/gであると推定される。
液体CO2含浸は、-57〜2℃の間、優先的には-57〜-30℃の間で行われる。CO2がその液体状態にあることを確実にするため、圧力が加えられる。例えば、含浸を-50、-40、-30、-20、-10または0℃で実施する場合には、圧力をそれぞれ少なくとも6.8、10.1、14.3、19.7、26.5または34.9バールとする。
ポリマー樹脂、例えばビーズ、押出または成形形態の樹脂は、圧力容器内に配置される。該容器を約-57℃〜約2℃の必要な温度にまで冷却する。必要な圧力(例えば、約5〜100バール)になるまで液体CO2を該容器に導入する。所望の程度の含浸に適した時間の経過後、CO2圧力を解放して、該容器を温度制御からはずす。含浸は、少なくとも約10、30、60、90、120分間、または約3、6、7、12時間以上、CO2の含浸が完了するまで継続する。CO2含浸が完了するのは、ポリマー樹脂のCO2含量が、ポリマー-CO2混合物の約0〜約55重量%になるとき、さもなければ飽和レベルまでに達するときである。
含浸させた樹脂は、約-57〜約4℃の温度で冷蔵条件下に保存されるか、または直接処理される。保存された樹脂のCO2含量は、時間の経過とともに減少していき、任意で、約5〜約30重量%、例えば約10〜約25重量%のCO2濃度に低減させてもよい。
含浸させた樹脂は、保存後であろうと含浸後直接であろうと、その後予備膨張、または予備膨張と成形、または予備膨張なしの成形に供される。
予備膨張工程は、含浸させた樹脂または該樹脂を含む金型を、適当な時間、例えば約1〜約120秒間、適当な温度、例えば約15〜約140℃に、適切な加熱機構を用いて、例えば、熱水、蒸気、熱風もしくは熱油などの高温流体を用いて、またはマイクロ波などの電磁放射線に樹脂をさらすことによって、加熱することを含む。
ひとたび含浸または予備膨張させた樹脂が金型に加えられたら、該樹脂を膨張させるために、またはさらに膨張および融着させるために、例えば約50〜約150℃で約5〜180秒間などの蒸気加熱と、例えば約1秒から約10分間などの任意の真空との組み合わせが適用される。蒸気および任意での真空は、含浸させた樹脂を融着させ、かつ金型の形状に満たして、フォームブロックを作るために適用される。金型内で樹脂を膨張および融着させるための当技術分野で公知の他の方法を使用してもよく、例えば、真空の適用の有無にかかわりなく、マイクロ波、油、または水による加熱を使用しうる。冷却は、例えば金型の水冷却を用いて、金型から取り出す前に適用されてもよい。平均ブロック密度は、ブロックの重量と寸法から容易に計算することができる。ブロック密度は、好ましくは、成形の48時間後に測定され、その時間までにCO2レベルは安定している。
4. 充填剤および添加剤
樹脂は、50重量%までの他の充填剤、添加剤、核形成剤(例えばタルク)、可塑剤または共発泡剤とブレンドすることができる。
一態様では、充填剤は不活性および/または生分解性である。適当な充填剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、砂、粘土、ゼオライト、樹皮(松樹皮を含む)、おがくず、木粉、バイオマス、ポリマー、生分解性ポリマー、植物由来の粉もしくは繊維、無機充填剤、ホウ砂、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、天然繊維、顔料、またはこれらの2種以上の任意の混合物。好ましい充填剤としては、以下が挙げられる:タルク、炭酸カルシウム、粘土、ゼオライト、樹皮(松樹皮を含む)、おがくず、木粉、バイオマス、ポリマー、生分解性ポリマー、植物由来の粉もしくは繊維、またはこれらの2種以上の任意の混合物。一態様では、PLAは、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50重量%の1種または複数種の充填剤または添加剤とブレンドされ、有用な範囲はこれらの値のいずれかの間で選択することができる(例えば、約1〜約50%)。
以下、本発明のさまざまな局面を、次の実施例を参照することにより非限定的な方法で説明する。
一般的プロトコル
特に明記しない限り、以下の一般的プロトコルに従った。典型的にはビーズ、ロッド、射出成形品または溶媒キャストシートとしての、結晶化可能PLAは、低レベルの結晶化度となるように製造した。いくつかの実験では、充填剤または他の添加剤(例えばタルク)を含めた。PLA物品を、必要な圧力および温度範囲に耐えられる圧力容器に入れた。この容器を必要な温度(-55〜0℃)に冷却した。液体CO2を該容器に導入して必要な圧力(例えば、約25〜35バール)にした。圧力が必要とされる範囲内にとどまることを確実にするために、含浸の間中ずっと圧力をモニタリングした。一定の期間(-50℃で、これは、最良の結果を出すために直径1.5mmのビーズでは少なくとも60分、2mmの押出ロッドでは120分、1mm厚の成形バーでは90分であり、任意でさらに長く、例えば一晩)の後に、CO2の圧力を解放し、該容器を温度制御からはずした。CO2の取込み%を重量で計算するために含浸の前後にPLAを計量した。
いくつかのケースでは、CO2含浸PLAを直接膨張させた。あるいは、含浸させたPLAを冷蔵条件で、例えば-18℃の標準冷凍庫内で保存し、その後予備膨張、予備膨張と成形、または予備膨張なしの成形に供した。3番目の選択肢は、すべてのCO2が失われてしまうまで含浸PLAを保存することであった。
予備膨張工程は、熱水、蒸気または熱風を用いて適当な温度(15〜120℃)に含浸ビーズを(例えば、約5秒間)加熱することを含む。
ひとたび含浸または予備膨張させたビーズを金型に加えたら、蒸気加熱(例えば、約50〜150℃、約5〜180秒間)と任意の真空(例えば、約1秒〜10分間)の組み合わせを適用して、ビーズをさらに膨張させかつ融着させた。蒸気および任意で真空を短時間(例えば、2〜10分)適用して含浸ビーズを融着させかつ金型の形状に満たして、フォームブロックを作る。金型から取り出す前に、例えば金型の水冷却を用いて、冷却を適用してもよい。平均ブロック密度は、ブロックの重量と寸法から容易に計算することができる。好ましくは、ブロック密度は、成形の48時間後に測定され、その時間までにCO2レベルは安定している。
実施例1:1.4%D PLAロッド、-50〜-20℃含浸、種々のCO2濃度での発泡
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)を押し出し、続いて、ごくわずかな結晶化を確実にしながら、水浴を用いて融解状態から室温へと冷却した。次に、押し出したストランド(直径2mm)を長さ15mmのロッドに切断した。ロッドサンプルに、-50、-40、-35、-30および-20℃で、CO2によるPLAの完全飽和を可能にする期間、液体CO2を含浸させた。含浸後、サンプルを-18℃の冷凍庫に入れて、CO2濃度を低下させた。サンプルを定期的に取り出し、それらのCO2濃度を重量で測定し、80℃の水中で20秒間発泡させた。発泡サンプルの密度を測定した。各含浸温度ごとに、密度が最小になる最適なCO2濃度が存在した(図2に示される)。-35℃以下での含浸のみが、図2に示すように低密度(約40g/L)をもたらした。-35℃を超える含浸は、高密度(約300g/L)をもたらした。
実施例2:4.3%D PLAロッド、-50〜-20℃含浸、種々のCO2濃度での発泡
結晶化可能な4.3%D PLA(Ingeo(商標)グレード4042D)を実施例1のように調製して発泡させた。同様の発泡挙動が観察された(図3)。
実施例3:7.7%D PLAロッド、-50〜-20℃含浸、種々のCO2濃度での発泡
結晶化可能な7.7%D PLA(40%のIngeo(商標)グレード4042Dと60%のIngeo(商標)グレード8032Dのブレンド)を押し出し、その後、使用した発泡温度が80℃に代えて75℃であったことを除いて、実施例1に記載したように発泡させた。最小密度は、図4に見られるように、使用した含浸温度範囲にわたって線形傾向を示した。
実施例4:ステレオコンプレックスPLAロッド、-50℃含浸、80℃での発泡
ステレオコンプレックスPLAは、PLLAホモポリマーとPDLAホモポリマーを1:1の比で押出ブレンドすることによって製造した。押し出したロッドに液体CO2を-50℃で4時間含浸させ、次に-18℃で2〜2.5時間保存し、最後に80℃の水中で20秒間発泡させた。発泡ロッドは50〜70g/Lの密度を有していた。DSCは、発泡サンプルが約45%のホモ結晶および25%のステレオコンプレックス結晶を含むことを示した(図5)。純粋な結晶の融解エンタルピーは、ホモ結晶とステレオコンプレックス結晶について、それぞれ93J/gおよび142J/gであると推定される。
実施例5:ポリ(D-ラクチド)
ポリ(D-乳酸)(<1%のL-異性体、メルトフローインデックス=190℃で22g/分)を190℃で融解して押し出し、CEASTメルトフローテスターを用いて急冷(quench)した。このストランド(直径0.3〜0.4mm)に液体CO2を-50℃で1時間含浸させた。CO2濃度が14〜17重量%に低下するまで、含浸させた材料を-18℃で保存した。次に、該サンプルを熱水(80℃)中で10秒間発泡させた。発泡サンプルの密度は、34〜36g/Lの間で測定された。
実施例6:1.4%D PLAビーズの融着
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)を押し出し、続いて水浴中で融解状態から冷却し、ペレット化した(直径2mmのビーズ)。そのビーズに液体CO2を-50℃で2時間20分含浸させ、これによりCO2での飽和を確実にした。該ビーズを-18℃の冷凍庫内で90分間保存し、この時点でCO2濃度は19重量%に達した。次いで、それらを65℃の熱水中で20秒間予備発泡させ、その後冷水中で急冷した。予備発泡させたビーズを円筒形の金型(直径36mm、長さ50mm)に入れて、蒸気(約90℃)で20秒間融着させた。成形品は、良好な融着性を示し、約42g/Lの最終密度を有していた。
実施例7:1.4%D PLAビーズの融着
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)ビーズを、実施例6に記載したように調製し、含浸させ、保存した。予備発泡を60℃の水中で35秒間行ってから、冷水中で急冷した。融着は90℃の蒸気を用いて20または60秒間行った。成形品は、良好な融着性および約46g/Lの密度を示した。
実施例8:1.4%D PLAビーズの融着
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)ビーズを、実施例6に記載したように調製し、含浸させ、保存した。予備発泡を70℃の水中で7秒間行ってから、冷水中で急冷した。融着は90℃の蒸気を用いて20または60秒間行った。成形品は、良好な融着性および約47g/Lの密度を示した。
実施例9:4.3%D PLAビーズの融着
結晶化可能な4.3%D PLA(Ingeo(商標)グレード4042D)ビーズを、実施例6に記載したように調製し、含浸させ、保存した。予備発泡を70℃の水中で10秒間行ってから、冷水中で急冷した。融着は90℃の蒸気を用いて10、20または60秒間行った。成形品は、良好な融着性および約42〜46g/Lの密度を示した。
実施例10:寸法安定性 - ロッドを用いた各種グレード間の比較
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)、4.3%D PLA(Ingeo(商標)グレード4042D)、7.7%D PLA(40%のIngeo(商標)グレード4042Dと60%のIngeo(商標)グレード8032Dのブレンド)、および11.8%D PLA(Ingeo(商標)グレード4060D)を、実施例1に記載したようにロッドに押し出した。最初の3グレードでは、液体CO2を-50℃で2時間含浸させ、その後-18℃で60分間保存してから、80℃の水中で約40g/Lの密度へと発泡させた。11.8%D PLAは、0℃で50分間含浸させ、-18℃で90分間保存してから、75℃の水中で40g/Lの密度へと発泡させた。発泡サンプルを空気流下に室温で乾燥させ、次いで少なくとも48時間平衡化した。その後、サンプルの正確な体積を測定し、そのサンプルを70℃のオーブン内に24時間置いた。この熱処理の後、サンプルの体積を再測定し、熱処理により誘導された体積収縮ΔVを次のように計算した:
Figure 2015531415
より低いD-含量は、より低い収縮につながった。特に、収縮は1.4%D PLAの場合に著しく低減された(図6)。
実施例11:さまざまな発泡条件での1.4%D PLAの寸法安定性
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)ビーズを、実施例6に記載したように押し出し、液体CO2を-50℃で含浸させた。含浸後、それらを-18℃で90分間保存し、その後60、70または80℃の水中で1秒から90秒までの範囲の時間発泡させた。発泡ビーズの結晶化度をDSCにより測定した。結晶化度は、発泡時の膨張と共に増加するようであった。70℃での寸法安定性を実施例10と同様に評価した。図7は、結晶化度と収縮との関連を示す。収縮は、結晶化度の閾値より上で事実上消失した。
実施例12:非晶質状態(非アニール)および結晶状態(アニール)で製造された1.4%D PLAロッドの含浸および発泡の比較
PLA 3001Dロッド(直径2mm)を103℃で2時間アニールした。このサンプルを、非アニールサンプルと共に、液体CO2中-50℃で4時間含浸させた。アニールサンプルを11〜13%のCO2濃度で水浴(80℃)中にて「発泡」させた。それらは膨張しなかった。非アニールサンプルを11および20%のCO2濃度で発泡させたところ、それらはそれぞれ67および38g/Lの密度へと膨張した。
実施例13:1.4%D PLA成形品および特性
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)を押し出し、続いて水浴中で融解状態から冷却し、ペレット化した(直径2mmのビーズ)。そのビーズに液体CO2を-50℃で2時間20分含浸させ、これによりCO2での飽和を確実にした。CO2濃度が19〜21重量%に達するまで、該ビーズを-18℃の冷凍庫内で保存した。次いで、それらを65℃の熱水中で20〜27秒間予備発泡させ、その後冷水中で急冷した。予備発泡させたビーズを5.5×5.5×10cmの金型に入れて、蒸気で20〜40秒間融着させた。蒸気は95〜110℃に設定した加圧ボイラーによって供給された。成形ブロックは、良好な融着性を示し、33〜42g/Lの最終密度を有していた。比較のために、非結晶化可能な12%D PLA(Ingeo(商標)グレード4060D)を同じように押し出し、液体CO2を10℃で1時間含浸させた。CO2濃度が14重量%に達するまで、該ビーズを-18℃で保存した。次いで、それらを70℃の熱水中で14秒間予備発泡させ、その後冷水中で急冷した。それらを、90℃に設定したボイラーを用いて、前述のセットアップで40秒間融着させた。これらのサンプルは約40g/Lの密度を有していた。典型的な特性を表1に記載する。円筒形のサンプルを成形ブロックから切り出し、RSA-G2 DMTA装置(TA Instruments社)で試験した。サンプルに一定した10kPaの圧縮応力をかけて、それを室温から毎分2℃で加熱した。線収縮は、試験全体を通してサンプルのたわみとして(初期のサンプル高さに対する%で)測定された。図8に、得られた線収縮-温度の典型的な例を示す。
(表1) 40g/Lの成形PLAフォームの特性
Figure 2015531415
実施例14:PMMA-PLAブレンド
結晶化可能な1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)を、押し出しを介して、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA、Chi Mei Corporation、Acryrex CM207)とブレンドした。70:30および50:50(PLA:PMMA比)の2つのブレンドを作り、2mmのビーズにペレット化した。そのビーズに液体CO2を-30、-20および-10℃で飽和するまで含浸させた。含浸後、サンプルを-18℃で保存し、90℃の水中で20秒間各種CO2濃度にて発泡させた。各含浸温度で得られた最小密度を図9に示す。さらに、50:50ブレンドのビーズに-20℃で含浸させ、それらのCO2濃度が18〜20%に達するまで-18℃で保存した。次いで、それらを80℃の水中で10秒間予備発泡させ、実施例13に記載したように成形した。成形サンプルは、27〜40g/Lの密度を有し、優れた融着性および機械的特性を示した。
実施例15:タルクを含むPLA
結晶化可能PLA(Ingeo(商標)グレード3051D、約4〜5%のD)を、タルクと共に(5重量%)またはタルクなしで、2mmのビーズに押し出した。そのビーズに液体CO2を-50〜-40℃で少なくとも2.5時間含浸させた。次に、含浸させたビーズを-18℃で保存した。それらのCO2濃度が約18%に達したとき、それらを65℃の水浴中で15秒間予備発泡させ、その後110℃に設定したボイラーを用いて、先に実施例13に記載したセットアップで成形した。蒸気を20秒間適用した。タルクを含まないサンプルは、優れた融着性を示し、40g/Lの密度を有していた。タルクを含むサンプルは、良好な融着性および43g/Lの密度を有していた。
実施例16:樹皮を含むPLA
結晶化可能PLA(Ingeo(商標)グレード3051D、約4〜5%のD)を1、5または20%の樹皮と共に押し出し、その後1mm厚の物品に射出成形した。これらからストリップサンプルを切り出し、液体CO2を-50〜-40℃で2.5時間含浸させた。次に、含浸させたサンプルを-18℃で保存した。それらのCO2濃度が約22%に達したとき、それらを80℃で20秒間予備発泡させた。そのサンプルを室温で乾燥させた。1および5%の樹皮を含むサンプルは、低密度(<40g/L)へと発泡した。
実施例17:樹皮を含むPLA - 成形形状
結晶化可能PLA(Ingeo(商標)グレード3051D、約4〜5%のD)を5%の樹皮と共に押し出し、その後1mm厚の壁を有するポットに射出成形した。2L Parr圧力容器内で、そのサンプルに液体CO2を-20〜-10℃、40バールで2時間20分含浸させた。次に、含浸させたサンプルを-18℃で保存した。それらのCO2濃度が約16重量%に達したとき、それらを80℃で20秒間予備発泡させた。その後、サンプルを室温で乾燥させた。サンプルの密度は55〜68g/Lで測定された。
実施例18:空気による膨張
結晶化可能1.4%D PLA(Ingeo(商標)グレード3001D)を押し出して、2mmのビーズにペレット化した。そのビーズに液体CO2を-50〜-40℃で3時間含浸させた。含浸後、サンプルを、それらのCO2濃度が17〜20%に達するまで、-18℃で保存した。その後、ビーズを、80℃に設定した改良型キッチンポップコーンメーカー内で熱気により約1分間発泡させた。発泡ビーズの嵩密度は25〜30g/Lで測定された。
産業上の利用可能性
本発明の製品および方法は、包装業界および発泡ポリマーフォームを用いる他の分野において利用される。
上記の説明が例示する目的でのみ提供され、本発明はこれらに限定されないことを、当業者は理解するであろう。

Claims (22)

  1. (a) 結晶化可能なポリ乳酸樹脂を提供する工程、および
    (b) 該樹脂を液体CO2に約-57℃〜約2℃の温度で接触させて、該樹脂にCO2を含浸させる工程、
    を含んでなる、CO2を含浸させた結晶化可能ポリ乳酸樹脂を製造する方法。
  2. 含浸後の樹脂のCO2濃度が約55重量%までである、請求項1記載の方法。
  3. (a) 液体CO2を約-57℃〜約2℃の温度で含浸させた結晶化可能ポリ乳酸樹脂を提供する工程、および
    (b) 該含浸させた樹脂を膨張させてフォームを製造する工程、
    を含んでなる、ポリ乳酸フォームを製造する方法。
  4. 前記フォームが約5〜約200g/Lの密度を有する、請求項3記載の方法。
  5. 前記フォームが70℃で約35%未満の体積収縮を示す、請求項3または4記載の方法。
  6. 前記含浸させた樹脂を、前記膨張の前に結晶化度の有意な増加を防止する条件下で保持する工程をさらに含んでなる、請求項3、4または5記載の方法。
  7. 前記膨張の前に含浸CO2のレベルを約5〜35重量%に低下させながら、前記含浸させた樹脂が膨張するのを防止する温度および圧力で該樹脂を保持する工程をさらに含んでなる、請求項3〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 含浸させた樹脂の膨張直前のCO2濃度が約35重量%までである、請求項3〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記膨張が予備膨張、予備膨張とその後の成形、または予備膨張なしの成形を含む、請求項3〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記膨張が、含浸させたポリ乳酸樹脂を約15℃〜約140℃の温度で加熱することを含む、請求項3〜8のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記PLAが、少なくとも約88重量%のL-もしくはD-乳酸を含むか、あるいはポリ(L-乳酸)とポリ(D-乳酸)ホモポリマーのブレンド、または各ブロックがL-乳酸もしくはD-乳酸の88%を超える異性体純度を有するPLAブロックコポリマーのブレンドである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記樹脂がPLAコポリマー、PLAブロックコポリマー、PLAホモポリマー、またはPLAと1種以上の他のポリマーとのブレンドを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記含浸させた樹脂が、粒子、ビーズ、ロッド、バー、シート、フィルム、成形形状または押出形状の形態にある、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 前記樹脂が、1種または複数種の充填剤、添加剤、核形成剤、可塑剤もしくは共発泡剤、またはこれらの2種以上の任意の組み合わせをさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 前記含浸、保持、または含浸および保持が、前記樹脂のガラス転移温度以下の温度で行われる、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 約200g/L未満の密度および70℃で約35%未満の体積収縮を含む、膨張させたポリ乳酸フォーム。
  17. 少なくとも約88重量%のL-もしくはD-乳酸、またはポリ-L-乳酸とポリ-D-乳酸ホモポリマーのブレンド、または各ブロックがL-乳酸もしくはD-乳酸の88%を超える異性体純度を有するPLAブロックコポリマーのブレンドを含む、請求項16記載のフォーム。
  18. 1種または複数種の充填剤、添加剤、核形成剤、可塑剤もしくは共発泡剤、またはこれらの2種以上の任意の組み合わせをさらに含む、請求項16または17記載のフォーム。
  19. 前記フォームが、約10kPaの圧縮力を受けたとき、約70℃の温度までに約5%未満の線収縮を示す、請求項3〜18のいずれか一項記載の方法またはフォーム。
  20. 前記樹脂が約20重量%未満の結晶化度を有する、請求項1〜15および19のいずれか一項記載の方法。
  21. 前記樹脂が約15重量%未満の結晶化度を有する、請求項1〜15および19のいずれか一項記載の方法。
  22. 膨張させた樹脂またはフォームの結晶化度が少なくとも約5重量%である、請求項3〜21のいずれか一項記載の方法またはフォーム。
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