JP2015529447A - 細胞培養培地のウイルスろ過 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための方法に関する。本方法は、前記調製物を、少なくとも約24時間、最大約75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介したろ過に供するステップを含む。さらに、本発明は、少なくとも約24時間のろ過におけるウイルスフィルターの使用に関し、ウイルスフィルターは、ウイルス性汚染物質を細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための最大約75nmの有効孔径を有する。いくつかの実施形態において、本発明に従ったろ過は、少なくとも約2000L/m2の容積において動作する。

Description

ウイルス学的安全性は、バイオ医薬品工業における重大な懸念である。リスクを軽減するための努力にもかかわらず、生物製剤の大規模なウイルス汚染に関与する出来事が工業においてますます懸念されている。高度にプロファイルされた事象としては、例えば、Cerezyme(登録商標)およびFabrazyme(登録商標)の製造を停止させた、Genzyme社の2009年のそのCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞培養物のVesivirus2117による汚染の検出およびMerck社の2010年のRotarix(登録商標)ワクチンのブタサーコウイルス1(porcine circovirus1)による汚染が挙げられる。汚染の供給源は、細胞培養段階にあると考えられる。製造会社の経済的損害(ある報告書は、10000Lのバイオリアクター汚染当たり推定1億を超える損失+政府機関からの罰金であるとまとめている)に加えて、このような事象は、患者へのリスクを引き起こし、バイオ医薬製品の利用を妨害する(Liuら、Biotechnol.Prog.2000、16、425−434)。結果として、規制当局による監視が強化され、ウイルス汚染を検出し、防止し、修正するための新しい技術が要求される。
概して、ウイルス性汚染物質は、上流および下流のウイルス汚染に識別することができる。下流の汚染は、閉鎖系を適用することによって制御可能であるが、特に、上流汚染は、広範な試験によっても制御および検出が困難である。ウイルス性汚染物質はさらに、バイオ医薬品生産における動物由来材料の使用が起源でもあり得る。生産細胞系が外来ウイルス性汚染物質を含んでおらず、生産が動物由来材料の使用を伴っていない場合でも、ウイルス性汚染物質は、細胞培養培地を通して進入可能である。例えば、合成培地は、血清添加系において生産された組換え成長因子を添加されることがあり、無タンパク質培地は、それにもかかわらず、ろ過されたタンパク質加水分解物を含有し得る。しかし、大量の培地成分は、非滅菌容器に包装され得るので、ウイルス汚染は、たとえ完全な合成培地(chemically defined medium)においても起こり得る。従来の滅菌グレードフィルターは、ウイルス性汚染物質に対して設計されておらず、安全防護可能でもなく、したがって、他の基準を用いてウイルス学的安全性を確保する必要がある。
製造工程の1以上のチェックポイントにおける偶性ウイルスの検出は標準的な実施である。しかし、検出のみでは、特に、存在するウイルス性汚染物質が疑われていない、未知または新たに出現したウイルス性因子である場合、バイオ医薬製品のウイルス汚染に対する手段として不十分である。このようなウイルス性因子は、配列決定されたウイルスの大規模なコレクションを代表する、適切に設計されたDNAマイクロアレイによっても、検出を逃れることができる。この課題は、細胞培養物を感染させるために必要とされる低レベルのウイルス性汚染物質および現在のところ限定された検出アッセイの感度によりさらに複雑になっている。
高力価のウイルス性汚染物質は、それらの正常範囲を超えた改変された細胞培養パラメーター、例えば、培養密度、タンパク質力価の形態で明らかにはできない。他方では、感染性アッセイは高度に特異的であり、各ウイルスに対して異なる条件を要求する。ウイルス汚染の結果として、下流の装置、流体および生成物は汚染される可能性があり、バッチ構成(batch setup)、廃棄物処理、売上喪失および除染において何百万ドルを負うことになる。ウイルスに対する原料の全体スクリーニングは、試料の不均質性およびバイオ医薬品生産工程に関与する大容積のため困難である。
Liuら、Biotechnol.Prog.(2000)16、425〜434
ウイルスクリアランス技術は、2つの群:不活性化およびろ過のうちの1つに分類することができる。不活性化法は、ウイルス感染性の不可逆な喪失を探求し、一方ろ過方法は、ウイルス性汚染物質を機械的に減少させることを探求する。既存の不活性化法は、紫外線(UV)照射、ガンマ線照射、熱、低pHもしくは高pH、または溶媒/洗浄剤曝露を用いる。UV照射が有効かつ不可逆的にウイルス活性を除外し得る場合、大規模な基盤においては実行困難であり、また調製済み培地には不適切であると思われる。オートクレーブ処理は熱安定性流体に対して可能であるが、感受性培地を変化させると思われる。高温短時間(HTST)熱処理として公知の代替の方法は過酷ではないが、高価な装置、自動化および培地特徴を維持するための検証手順を要求する。低pHもしくは高pHへの曝露は、可能性のあるウイルス性汚染物質の範囲にわたり有効ではなく、培地の品質または容量オスモル濃度に負の影響を与え得る。溶媒/洗浄剤曝露は同様に、広範囲に使用される解決策ではなく、脂質エンベローブを有するウイルスに対してだけ有効である。したがって、理想的な方法は、コストの考慮と原料にウイルスクリアランスをもたらす必要性とのバランスを取るべきであり、成長速度および収量に妥協のない広範囲に使用される解決策を提供すべきである。
ウイルス保持ろ過は、適切なバランスを提示する。ウイルス保持ろ過は、培地成分を化学的に改変せず、熱感受性供給材料/培地への使用に適切である。さらに、ウイルス保持ろ過は、サイズ排除原理において動作するので、広範囲に使用される解決策である。しかし、ウイルス保持膜は高価である(およそ約2000から5000EUR/m)。培地体積のろ過の比流量が低いという特徴が、必要な膜面積のコストのため、その方法を、大規模なバイオリアクター供給に適切な規模に対して経済的に負担となるものにする。例えば、ウイルスろ過を、滅菌グレードの培地ろ過と直列で連結した場合、ウイルスろ過は、バルク培地の汚染を防止するために、就労時間内、すなわちバルク培地の調製後最大2から10時間で行わるべきであることが好ましい。したがって、この重要な時間窓内に留めるために広いろ過面積が必要であり、このことは順にコストを上げる。
驚くべきことに、前記先行技術ウイルスろ過の欠点が、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分であるそれぞれの調製物を、少なくとも約24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介してろ過することにより克服可能であることが見出された。それぞれの調製物の要求される体積が、より長い時間枠、すなわち少なくとも24時間でろ過される場合、ウイルスフィルターの容積(volumetric capacity)は莫大に増加する。驚くべきことに、全ウイルス価の有意な減少が、長期間にわたって達成可能であることもさらに見出された。このことは、細胞培養系における上流のウイルス除去において特に有益である。
したがって本発明の方法は、スループットおよび容積をそれぞれ強化することによってウイルスろ過の経済効率を強化する。本発明に従った方法は、少なくとも2000L/mの容積において動作し、それによって、大容量のウイルスフィルターの使用を最大化にするために役立ち、それに伴う有効コストを低下させ、大規模に実施可能であり、既存の生産工程に容易に統合可能な解決策を提示する。
本発明に従った方法および滅菌製造工程、特に滅菌調製物、例えば細胞培養培地およびバッファーが使用される工程におけるそれぞれのウイルスフィルターの発明的使用の莫大な影響は、下記の例を用いることにより理解可能である。1平方メートルのウイルスフィルター膜のコストが平均約3000EURであり、約10EUR/リットル培地かかる細胞培養培地が使用されると仮定して、その時、1000Lのウイルスろ過済み培地のコストは13EUR/リットル培地であり、これにより、培地調製物の商品のコストは約30%増加する。2000Lがウイルスフィルター膜によりろ過可能である場合、その時、コストは11.50EURに減少する。例えば5000Lを超える容積のさらなる増加は、コストを、0.6EUR/リットル培地未満に低下させ、これにより、ウイルスろ過済み培地を提供するための追加コストを大幅に低くする。結果として、特に、潜在的ウイルス汚染またはウイルス汚染の上流における除染にウイルスフィルターを使用する高いコストは、ウイルスろ過方法の容積を増加させることにより有意に減少する。
本発明は、ウイルスフィルターの高いコストおよび低い容積のこの問題に、それぞれ完全に対処する。ウイルスフィルターの容積は、ウイルスろ過を、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介して少なくとも約24時間実施することにより増加可能である。驚くべきことに、使用する高価なウイルスフィルターの容積をより生かして、フィルターの完全性を維持しながら、容積の2から100倍の増加をもたらすことが可能であることが見出された。容積の2から3倍の増加により、生産工程および関連する生産コストにすでに大きな影響を与えているが、本発明に従った方法により、容積の100倍までの増加またはそれ以上を達成可能である。このことは優れた機会を提示し、細胞培養工程、特に、細胞培養工程、薬学的、診断的および/または化粧品および食品工程の上流におけるウイルス除去のウイルス安全性をさらに改善するために現在使用可能な高価なウイルスフィルターを用いても、ウイルス除去のコストを効率的にする。
本発明は、ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための方法を提供する。本方法は、前記調製物を、少なくとも約24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介したろ過に供するステップを含む。
さらに、本発明は、少なくとも約24時間の、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物からウイルス性汚染物質を除去するためのろ過における最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターの使用に関する。
加えて、本発明は、細胞培養のために本発明の任意の方法に従って得ることができる、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物;薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物の使用に関する。
本発明に従ったすべての方法および使用は、少なくとも約2000L/m、好ましくは少なくとも約3000L/m、最も好ましくは少なくとも約5000L/mの容量において動作可能である。加えて、この調製物はろ過に供され、ろ過は、それぞれ少なくとも24時間、または少なくとも約48時間から約7ヶ月まで、または約72時間から約3ヶ月までの間実施される。ろ過は、約2℃から約60℃、または約10から約40℃、好ましくは約15から約37℃の温度において実施される。
本発明のすべての実施形態において、ろ過は、約100mbarから約4000mbar、好ましくは約200mbarから約3500mbar、最も好ましくは約1000mbarから約3000mbarの範囲の圧力において実施される。
本発明のすべての実施形態において、使用されるウイルスフィルターは、あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)を達成する。
驚くべきことに、ろ過工程を少なくとも約24時間動作する場合、ウイルスフィルターの容積が莫大に増加することが見出されている。通常、細胞培養のための調製物、例えばバルク細胞培養培地またはバッファーは、バルク調製物の調製後、細菌またはウイルスの成長による調製物の汚染を回避するために、約2から約10時間以内にバッチ式でろ過される。実施において、使用するウイルスフィルターの最大容量は、それぞれの調製物を約2から約10時間の時間枠内でろ過するろ過工程において殆ど生かされないことが判明している。したがって、過剰なフィルター面積を使用しなければならない。これとは対照的に、本発明の方法を使用することにより、使用する高価なウイルスフィルターの容積をより生かして、フィルターの完全性を維持しながら、容積の2から100倍の増加をもたらすことが可能であることが見出されている。容積の2から3倍の増加により、生産工程および関連する生産コストにすでに大きな影響を与えているが、本発明に従った方法により、容積の100倍までの増加またはそれ以上を達成可能である。このことは優れた機会を提示し、ウイルス除去のコストを、細胞培養工程、特に、細胞培養工程、薬学的、診断的および/または化粧品および食品工程の上流のウイルス除去におけるウイルスの安全性をさらに改善するために現在使用可能な高価なウイルスフィルターを用いても効率的にする。
本発明の特定の好ましい実施形態は、下記のある実施形態の詳細な説明および特許請求の範囲により明らかになると思われる。
本発明のより具体的な説明は、添付の図面に例示される、本発明のある例示的実施形態を参照することによりなされる。これらの図面は本明細書の一部を形成する。しかしながら、添付の図面は本発明の例示的実施形態を例示するものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものとして考えるべきではないことに留意されたい。
図1は、全てが3種の異なるダイズ加水分解物のロット(Kerry HyPep1510 #1、DOMO SE50 MAF UF #1および#2)を添加した細胞培養培地と組み合わされた異なるフィルターを使用する、流量が調節されたウイルスろ過(図1C)を適用して実施されたウイルスろ過動態を示す図である。適用したフィルターおよび実験条件(実施例1から実施例4もまた参照されたい):フィルターA:Sartorius Virosart CPV、180cm、30℃において流量約30L/(m×時間)フィルターB:Millipore Viresolve NFP 3.1cm;30℃において流量約40−60L/(m×時間)。ろ過を、最大9日まで、または最大圧力が2000mbarを超えるまで実施した。図1Aは、容積を、最低約4000L/mから約12000L/mの範囲で、時間に対してプロットされた、ろ過体積/膜表面積として示している。ろ過の終わりの最大圧力は、フィルタータイプに依存して約600mbarから2400mbarの間であった(図1B)。概して、ダイズ加水分解物の間の差は、容積および最大圧力に対してかなり小さい。 図2は、異なるフィルターおよび3種の異なるダイズ加水分解物ロット(Kerry HyPep 1510 #1、DOMO SE50 MAF UF #1および#2)を添加された細胞培養培地を使用する、流量が調節されたウイルスろ過(図2C)を適用して実施されたウイルスろ過動態を示す図である。適用したフィルターおよび実験条件(実施例1から実施例4もまた参照されたい):フィルターA:Sartorius Virosart CPV、180cm;30℃において流量約30L/(m×時間)フィルターD:Asahi BioEX 10cm;周囲温度(約22℃)において流量約20L/(m×時間)。図1に記載の実験とは対照的に、ろ過は、81日までの長期の間、または2000mbarの圧力に到達するまで実施された。図2Aは、容積を、最低16000L/m(フィルターAおよびDOMO SE50 MAF #2に対して)から約35000L/m(フィルターDおよび3種の異なる加水分解物ロットすべてに対して)に及ぶ、時間に対してプロットされた、ろ過された体積/膜表面積として示している。ろ過の終わりの最大圧力は、フィルタータイプに依存して約1200mbarから2000mbarの間であった(図2B)。概して、ダイズ加水分解物の間の差は、容積および最大圧力に対してかなり小さい。 図3は、約22℃において、フィルターA(Sartorius Virosart CPV 180cm)およびダイズ加水分解物DOMO SE50 MAF UF、Lot#2を含有する培地を使用して観察された、フラックスと圧力差との間の関係を示すグラフである(実施例5を参照されたい)。最低圧力差約100mbarは検出可能な最低比流量を達成するために必要であり、最低圧力差はその後、比流量と圧力差との間の明らかな線形比例相関関係で徐々に上昇している。 図4は、フィルターA(Sartorius CPV、180cm)およびダイズ加水分解物Kerry HyPep 1510 #2を含む培地を使用する、圧力調節ろ過と流量調節ろ過との間の差を示す図である(実施例1から実施例4を参照されたい)。ろ過は、19日間実施され、この時間において容積約6000−7000L/mに達した。流量調節ろ過の最終圧力は、圧力調節ろ過の圧力と同等であり(図4Bを参照されたい)、圧力調節ろ過の最終比流量は、流量調節ろ過の流量と同等であった(図4Cを参照されたい)。これは、ウイルスろ過に対する両方の調節戦略は、同等の容積をもたらし得ることを実証している。 図5は、実施例6に記載される、ウイルスろ過培地 対 非ウイルスろ過培地を使用する、10Lのバイオリアクター実験の結果を示す図である。細胞培養培地は、実験開始前にフィルターAによりバッチ式にウイルスろ過された。実験は、3種の異なるダイズ加水分解物(Kerry HyPep 1510、Lot#1;DOMO SE50 MAF UF、Lot#1およびDOMO SE50 MAF UF、Lot#2)を添加された細胞培養培地を各々使用して並行して実施された。データは、4週間の連続細胞培養の最後3週から計算した。それぞれのウイルスろ過培地(Soy1NF、Soy3NFおよびSoy2NF)対それらの非ろ過参照(Soy1、Soy3およびSoy2)の間に、比生産性(図5A)、体積生産性(図5B)および比成長速度(図5C)の差は検出できなかった。 図6は、実施例7に記載される、ウイルスろ過培地 対 非ウイルスろ過培地を使用する、120Lのバイオリアクター実験の結果を示す図である。細胞培養培地は、バイオリアクターの培地供給ラインのインラインで、フィルターE(Sartorius Virosart CPV、2000cm)およびフィルターF(Millipore Viresolve NFP 850cm)を交互に使用して、約58日間連続モードでウイルスろ過された。ウイルスろ過培地の供給の時間間隔および容積を、図6Aに示す。データは、異なるフィルターを使用する間隔に関して計算された。それぞれのウイルスろ過培地対非ろ過参照の間に、比成長速度(図6B)および体積生産性(図6C)に関して差は検出できなかった。 図7は、ダイズ加水分解物DOMO SE50 MAF#5 UFを含有するMMVスパイク培地の、フィルターG(ASAHI Planova 15N)ウイルスフィルターによるろ過の過程において採取された、逐次的なろ液試料中に見出されるMMV感染価(infectivity titer)[TCID50/mL]の変化を示す図である(実施例8を参照されたい)。ウイルスの低レベルの漏出(break−through)が、2から3日以内に観察された。それにもかかわらず、ウイルス除去は有効であったと見なされた。 図8は、ダイズ加水分解物(試行番号1、ダイズ加水分解物DMV SE50 MAF UF#5;試行番号2、ダイズ加水分解物DMV SE50 MAF UF#4)を含有するMMVスパイク培地の、フィルターD(Asahi BioEX)ウイルスフィルターによるろ過の過程において採取された、逐次的なろ液試料中に見出されるMMV感染価[TCID50/mL]の変化を示す図である(実施例9を参照されたい)。ウイルスの漏出は観察されず、ウイルス除去は有効かつ完璧であると見なされた。 図9は、実施例10に記載のMMVスパイク培地のろ過の過程において採取された、逐次的なろ液試料中に見出されるMMV感染価[TCID50/mL]の変化を示す図である。ウイルスの漏出は、試行番号1および番号2(フィルターD)に関しては観察されず、ダイズ加水分解物含有培地からの有効かつ完璧なウイルス除去をもたらした。低レベルのウイルスの漏出が、試行番号3および番号4(フィルターI)ならびに試行番号5および番号6(フィルターG)に観察され、ダイズ加水分解物含有培地からの、有効であるが完璧ではないウイルス除去をもたらした。より有意なウイルスの漏出が、試行番号7(フィルターB)および試行番号8(フィルターH)に関して観察され、有意性の限界におけるウイルス除去係数の低下をもたらした。しかし、すべてのフィルターにより少なくとも1つの実験において、約1logTCID50/mLを超える最小の全力価の減少を達成することができた。
図10は、実施例11に記載のように実施されたウイルスろ過の動態を示す図である。圧力は、動作条件の最悪の場合をシミュレートする意図的な圧力および流れの中断を除いて、0.8から1.2barの間(平均1.1bar)に維持された。初期流量約38L/(m2×時間)が達成され、実験の終わりまでに徐々に低下したが、最低流量4L/(m2×時間)が維持できた。圧力の中断を含む全期間は30日であった。およそ6500L/m2がフィルターを通過した。 図11は、実施例11に記載のMMVスパイク培地のろ過の過程において採取された、逐次的なろ液試料中に見出されるMMV感染価[log10(TCID50/mL)]の変化を示す図である。ウイルスの漏出は、アッセイされた20の画分のいずれにおいても観察されなかった。ウイルス負荷は、画分体積に依存して、<0.9[log10(TCID50)]から<2.8[log10(TCID50)]の範囲であった。ろ液全体のウイルス負荷は、<3.0[log10(TCID50)]であり、これをスパイクされた材料の初期ウイルス負荷(すなわち、8.5[log10(TCID50)])から引いた場合、>5.5log10の全ウイルス減少係数をもたらした。これは、有効かつ完璧とみなされた。
本発明は、ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための方法を提供する。本方法は、前記調製物を、少なくとも約24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介したろ過に供するステップを含む。
さらに、本発明は、少なくとも約24時間の、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物からのウイルス性汚染物質の除去のためのろ過における最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターの使用に関する。
加えて、本発明は、細胞培養のために本発明の任意の方法に従って得ることができる、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物;薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物の使用に関する。
本発明のすべての実施形態において、調製物はウイルスろ過に供され、このウイルスろ過またはウイルスフィルターの使用は、少なくとも約24時間、約48時間、約72時間、約4日、約5日、約6日、約7日、約1週、約2週、約3週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月または約7ヶ月の間実施される。さらに一実施形態において、調製物はウイルスろ過に供されるか、またはウイルスろ過は、約1週から約3週、約2週から約3週、約1週から約4週、約2週から約4週、約1週から約7ヶ月、約1ヶ月から約5ヶ月、約2ヶ月から約5ヶ月、約2ヶ月から約4ヶ月、約2ヶ月から約3ヶ月または少なくとも約24時間から約7ヶ月まで、または約48時間から約5ヶ月まで、または約72時間から約3ヶ月までの間実施される。さらに一実施形態において、調製物はウイルスろ過に供されるか、またはウイルスろ過は、約48時間より長くから約7ヶ月まで、好ましくは約1週から約5ヶ月または約3週から約3ヶ月または約2ヶ月から約3ヶ月の間実施される。
本発明に従った方法は、少なくとも約2000L/mまたは少なくとも約3000L/mまたは少なくとも約4000L/mまたは少なくとも約5000L/m、少なくとも約7500L/m、少なくとも約10000L/mまたは少なくとも約20000L/mの容積において動作可能である。この点において、「容積」は、ろ液の流れが低下する、または背圧がフィルター膜の詰まりのため望ましくない動作条件に上昇する前に、ウイルスフィルター膜の指定された面積を介してろ過可能な溶液の体積を指す。
全ての実施形態を含む本発明が、単独で、またはウイルス汚染の最小化、例えばスクリーニング、ソーシング(sourcing)、検出、ウイルス不活性化、吸着保持などの当該分野において公知の他のアプローチと併せて採用可能であることが企図される。本方法は、生産工程早期において、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物を介した望ましくないウイルス性因子の進入を標的とし、ウイルス減少機序を提供する。本発明の利点としては、大規模基盤における実行の容易さ、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である所与の体積の調製物を処理するために必要とされるフィルター膜面積の減少、結果として続くそれらによるコストの削減が挙げられる。特に、本発明に従った調製物のウイルスろ過は、連続製造工程、例えば、潅流などの連続細胞培養工程またはバイオリアクター系などのケモスタットに容易に統合される。
本明細書において使用する場合の「温度」という用語は、本発明に従ってろ過される調製物、例えば細胞培養培地またはバッファーの、ウイルスフィルターを通過するときの温度に関係する。本発明に従った一実施形態において、温度は、約2℃から約60℃の範囲である。一実施形態において、温度範囲の下限は、約2℃、約4℃、約8℃、約10℃、約15℃、約20℃、約22℃、約25℃、約30℃、約37℃または約40℃である。本発明に従った温度範囲の上限は、約10℃、約20℃、約22℃、約25℃、約30℃、約37℃、約40℃、約50℃または約60℃である。一実施形態において、温度は約4℃から約45℃の温度範囲内、または約10℃から約40℃または約20℃から約40℃または約30℃から約37℃の範囲の温度である。さらに、一実施形態において、温度は、約20℃から約30℃の範囲である周囲温度である。当然のことながら、調製物が、さらにいかなる加熱も冷却もされずにろ過に供される実施形態もまた好ましい。したがって、さらなる実施形態において、ろ過が実施されるそれぞれの場所の温度に左右されて、約10℃から約30℃の温度が使用される。別の実施形態において、例えば、ろ過前に液体調製物を予備加熱することによって、約30℃から約37℃の温度が使用される。調製物のこのろ過からもたらされるろ液は、バイオリアクターに連続供給可能である。
本発明の一実施形態において、ろ過は、約100mbarから約4000mbarまたは約200mbarから約3500mbarの範囲の圧力において実施される。一実施形態において、ウイルスろ過は、下限が約100mbar、約200mbar、約500mbar、約1000mbar、約1200mbar、約1500mbar、約2000mbar、約2500mbarまたは約2800mbarである圧力範囲において実施される。上限は、約1200mbar、約1500mbar、約2000mbar、約2500mbar、約2800mbarまたは約3000mbarである。一実施形態において、ろ過は、約1000から約4000mbar、約1500から約3500mbar、1700mbarから約3300mbarまたは約1000mbarから約2000mbarの範囲の圧力で実施される。
温度および圧力の調整は、本発明のさらなる実施形態において、比流量および容積を制御するために利用可能である。ウイルスフィルターの使用の容積および期間のさらなる改善は、他の工程パラメーター、例えばろ過圧力および温度などを制御することによって得ることができる。例えば、いくつかの実施形態において、調製物を、約10℃から約40℃の温度、約1000mbarから約2000mbarの圧力においてろ過に供することが好ましいことが分かっている。
予備ろ過実験により、比流量に対するろ過されるべき調製物の温度の影響が実証された。ろ過温度を、保存温度約4℃を有する本発明に従った調製物から約18℃から約37℃の温度に上昇させた場合、流量の約50から約100%の増加が観察された。しかし、これらすべての実施形態は、少なくとも約24時間のろ過の使用が、使用する高価なウイルスフィルターの容量をより生かして、フィルターの完全性を維持しながら、容積の2から100倍の増加をもたらすことが可能であることの範囲内である。
好ましい一実施形態において、ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための方法は、前記調製物を、少なくとも約10日から約2ヶ月までの間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介して、圧力約1000mbarから2000mbarおよび温度10℃から40℃において、少なくとも2000L/mの容積を有するろ過に供するステップを含む。当然のことながら、他のすべてのパラメーターをこの実施形態に組み合わせることができる。加えて、さらに好ましい実施形態として、前記方法は連続ろ過様式で実施され、調製物は細胞培養培地、例えばダイズ加水分解物を含む細胞培養培地または動物由来成分を含む細胞培養培地であることが好ましく、ろ液はバイオリアクター、特にケモスタットリアクターに連続して供給される。別の実施形態において、この実施形態はさらに、並列または直列に配置された少なくとも2つのウイルスフィルターを使用して実施することができる。
本明細書に記載のウイルスろ過方法を、細胞培養培地または細胞培養培地の1つの成分である任意の調製物、すなわち、動物細胞および好ましくは哺乳動物細胞のin vitro細胞培養における成長に適切な培地およびバッファーからウイルス汚染を減少させるために使用可能であることが企図される。通常、培養培地はバッファー、塩、エネルギー源、アミノ酸、ビタミンおよび微量必須元素を含有する。
「調製物」という用語は、本発明の意味において細胞培養培地の一部の可能性があり、培養において適切な細胞の成長を支援可能な任意の成分もまた含む。前記調製物は、例えばバッファーまたは少なくとも1つのアミノ酸もしくはタンパク質の溶液、少なくとも1つのビタミンの溶液;少なくとも1つの有機または無機の塩の溶液;または少なくとも1つの炭水化物または糖の供給源を含む溶液を含む。
本発明の文脈において、「Log減少値」(LRV)は、細菌またはウイルスなどの粒子の保持における膜の効率の尺度であり、供給流中の前記粒子数対ウイルスフィルター膜透過物中の粒子数の比の対数(底10)として定義される。LRV値は、所与のタイプの粒子に特異的である。本発明に従った一実施形態において、ウイルスフィルターは、あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも2Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも3Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも5Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも6Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも7Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも8Log10減少値を達成し、好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)を達成する。当然のことながら、ろ過されるべき調製物のウイルス性汚染物質または潜在的ウイルス性汚染物質のLog10減少値(LRV)はいずれも、生産工程の安全性を改善するために有益であることは、当業者には明らかである。したがって、特にこのパラメーターは、本発明の方法に使用される他のすべてのパラメーターと組み合わせることができる。
本明細書において使用する場合、「フラックス」は「比流量」または「流量」と交換可能に使用され、膜を特徴付けるために使用される尺度であり、ろ液の流れの速度を指す(ウイルスろ過膜を透過する溶液の体積または重量/フィルター面積および時間、例えばL/(m×時間)で表される。本発明の文脈において、「特定の(specific)」は定義された時間内を意味するが、「流量」が使用される場合にだけは、このパラメーターの単位からも、「比流量」が意味されることは明らかである。単位「リットル」で示される量「体積」の略称として、「l」または「L」は交換可能に使用される。本発明の方法における比流量はある範囲内で変動してもよく、または所与のウイルスフィルターを使用するろ過工程の期間を通して実質的に固定されたままであってもよい。本発明の一実施形態において、比流量は、少なくとも24時間から約7ヶ月までの間で、約5L/(m×時間)から約500L/(m×時間)の範囲であってよい。フラックスの下限は、約5L/(m×時間)または約10L/(m×時間)であってよい。上限は、約25L/(m×時間)、約75L/(m×時間)、約100L/(m×時間)、約200L/(m×時間)、約250L/(m×時間)、約300L/(m×時間)または約500L/(m×時間)であってよい。フラックスはさらに、約5L/(m×時間)から約100L/(m×時間)、約10L/(m×時間)から約100L/(m×時間)または約10L/(m×時間)から約25L/(m×時間)の範囲であってよい。
「バッチろ過」は、さもなければ「バッチ式ろ過」またはバッチ様式で実施されるろ過としても公知であるが、本明細書において、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物の特定の全量または全体積が、ウイルスフィルターの容量に依存して、1つのバッチにおいてウイルスフィルターを介してろ過され、ろ液が、このろ液が使用または消費される工程に向かう、または供給される前にろ過工程が終了する工程を指す。
「連続ろ過」または「オンラインろ過」または「インラインろ過」という用語は、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物の特定の全量または全体積が、ウイルスフィルターの容量に依存して、連続してウイルスフィルターを介してろ過され、ろ液が、このろ液が使用または消費される工程にすでに向かっている、または供給されても未だろ過工程が続いているろ過工程を指す。
本発明のすべての実施形態は、バッチろ過または連続ろ過を使用して実施することができる。本発明の有益な効果は、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物を、少なくとも24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介して、ウイルス性汚染物質を前記調製物から除去するためにろ過に供することによって既に達成されている。
本発明に従った好ましい実施形態において、調製物が、少なくとも約24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介したろ過に供される、ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である前記調製物から除去するための方法は、連続ろ過として実施される。動作のこの様式は、生産された調製物のろ液が、このろ液が使用または消費される工程に直接および連続して供給可能であるという利点を有する。さらなる好ましい実施形態において、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分であるウイルスろ過された調製物は、バイオリアクター、より好ましくは連続供給細胞培養工程、例えば、ケモスタット工程、潅流工程またはフェドバッチ工程に使用される大規模バイオリアクターに、直接および連続して供給することができる。この実施形態は、一実施形態において圧力約1000mbarから2000mbarおよび温度10℃から40℃を使用して実施され、容積は少なくとも2000L/mまたは少なくとも5000L/mである。加えて、調製物のウイルスろ過が、少なくとも約24時間または約48時間から最大約7ヶ月までの間実施されることがさらに好ましく、少なくとも約1週から最大約5ヶ月の間がより好ましく、少なくとも約1から約3週または約3週から約3ヶ月の間が最も好ましく、少なくとも約2から約3ヶ月がさらに最も好ましい。当然のことながら、すべての他のパラメーターがこの実施形態と組み合わせることができる。加えて、ろ過されるべき調製物が細胞培養培地であり、ろ過様式が連続様式ろ過であることが好ましい。
当然のことながら、本発明に従った方法のいずれかに従って得ることができる、ウイルスろ過された調製物が、細胞培養;薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物に関連する他の生産工程に向かわせる、または供給されてもよいことは当業者には公知である。それらの実施形態においてもまた、調製物の連続ろ過が好ましい。
したがって、本発明はまた、細胞培養に関する本発明に従った方法のいずれかに従って得ることができる、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物;薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物の使用にも関する。
いくつかの実施形態において、ウイルスろ過される細胞培養培地は滅菌のものであり、またはさもなければ予備処理されている。いくつかの実施形態において、細胞培養培地は動物性タンパク質または血清または他の動物由来成分を含むか、または動物性タンパク質非含有もしくは血清非含有もしくは動物由来成分非含有であるか、または前述の特徴のいずれかの組み合わせを保有する。他の実施形態において、細胞培養培地は、様々な濃度および種の植物または微生物由来の加水分解物、特にダイズ加水分解物を含む。好ましい実施形態において、細胞培養培地は、変動濃度の少なくとも1つのダイズ加水分解物(hydolysate)を含む、動物性タンパク質非含有培地である。しかし、特に、細胞培養工程、薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物に使用する場合、それらの調製物のウイルス学的安全性をさらに改善するために、本発明に従った方法が、動物性タンパク質または血清または他の動物由来成分を含む調製物のウイルスろ過に特に適切であることは強調しておかねばならない。
「細胞培養培地」は、本発明の目的に関して、細胞、好ましくは動物細胞、より好ましくは哺乳動物細胞のin vitro細胞培養における成長に適切な培地として定義される。細胞培養において適切な細胞の成長を支援することができる任意の培地が使用可能である。本発明に従った細胞培養培地は、任意の基礎培地、例えば、当業者に一般に公知であるDMEM、Ham’s F12、Medium199、McCoyまたはRPMIに基づいてよい。基礎培地は、アミノ酸、ビタミン、有機および無機の塩および炭水化物の供給源を含む多数の原料を含んでよく、各原料は、当業者に一般に公知である、細胞の培養を支援する量で存在する。培地は、補助物質、例えば、重炭酸ナトリウムなどの緩衝物質、酸化防止剤、機械的ストレスに対抗する安定剤またはプロテアーゼ阻害剤を含んでよい。必要に応じて、非イオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの混合物(例えば、Pluronic F68.RTM.、SERVA)を、消泡剤として加えることもできる。
本明細書において使用する場合、「動物性タンパク質含有培地」は、ヒト供給源または動物供給源に由来している任意のタンパク質を含む細胞培養培地である。
本明細書において使用する場合、「タンパク質非含有培地」は、ヒト供給源または動物供給源に由来している任意のタンパク質が含まれない細胞培養培地である。
本発明に従った「動物性タンパク質非含有細胞培養培地」という用語は、高等多細胞非植物真核生物由来のタンパク質および/またはタンパク質成分を含有しない培地を指す。回避される典型的なタンパク質は、血清および血清由来物質中に見出されるタンパク質、例えば、アルブミン、トランスフェリン、インスリンおよび他の成長因子である。動物性タンパク質非含有細胞培養培地は、任意の精製された動物由来生成物および組換え動物由来生成物ならびにそれらのタンパク質消化物および抽出物またはそれらの脂質抽出物もしくは精製成分もまた含まない。動物性タンパク質およびタンパク質成分は、非動物性タンパク質、植物、例えばダイズ、ならびに下等真核生物、例えば酵母から得ることができる小型ペプチドおよびオリゴペプチド(通常10〜30アミノ酸長)とは識別されるべきであり、これらは、本発明に従った、動物性タンパク質非含有細胞培養培地に含まれてもよい。
「加水分解物」という用語は、動物由来もしくは植物由来の供給材料または酵母もしくは細菌由来の抽出物の任意の消化物を含む。本発明に従った細胞培養培地において、高度に精製されたダイズ加水分解物、精製されたダイズ加水分解物または粗ダイズ加水分解物であり得る「ダイズ加水分解物」が含まれ得る。
培地に適用される「血清含有」という用語は、血清を含有する任意の細胞培養培地を含む。
培地に適用される「血清非含有」という用語は、血清を含有しない任意の細胞培養培地を含む。「血清非含有」は、培地が、好ましくは0.1%未満の血清およびより好ましくは0.01%未満の血清を有することと理解される。「血清」という用語は、フィブリンクロットおよび血液細胞の除去後に得られる血液の流体部分を指す。
いくつかの実施形態において、ろ過工程から得られるろ液またはろ液の流れは、大規模細胞培養およびバイオリアクターにそれぞれ供給される。「大規模」細胞培養は、本明細書において使用する場合、少なくとも約100L、少なくとも約200L、少なくとも約300L、少なくとも約400L、少なくとも約500L、少なくとも約1000L、少なくとも約1500L、少なくとも約2000L、少なくとも約2500L、少なくとも約3000L、少なくとも4000L、少なくとも約5000L、少なくとも約7500L、少なくとも約10000Lまたは少なくとも約20000Lの規模の細胞培養を指す。好ましい実施形態において、本発明に従った任意の方法で得られるろ液の流れは、好ましくは連続ろ過による、ケモスタット工程、潅流工程またはフェドバッチ工程に使用されるバイオリアクターに供給される。
本明細書において企図される細胞培養は、培養される細胞の種類および性質ならびに培養される細胞の成長相、例えば接着性細胞または非接着性細胞;成長細胞または成長停止細胞とは関係なく任意の細胞培養であってよい。
本発明に従って使用される「滅菌」という用語は、微生物および/またはウイルス汚染のない、または本質的にない物質を指す。この点で、「汚染物質」は、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物中の所望の成分とは異なる材料を意味する。「滅菌ろ過」の文脈において、滅菌ろ過という用語は、調製物が、滅菌フィルターを介してろ過され、細菌性および/またはマイコプラズマ性汚染物質を除去する機能的説明である。
「ウイルスろ過」という用語は、本明細書において「ナノろ過」という用語と交換可能に使用され、ろ過工程のために、規定された有効孔径を有するウイルスフィルターが使用されることを意味する。概して、それらのフィルターは、ウイルスを除去するための専用のものである。
本発明のすべての方法に従ったろ過による除去のために標的化されたウイルス性汚染物質は、当該分野において今のところ公知であるか、または将来発見される任意のウイルスであってよい。この定義は、ろ過により除去される潜在的ウイルス性汚染物質もまた含み、複数のウイルスが、本発明の方法により除去されることもさらに含む。例えば、ウイルス性汚染物質または潜在的ウイルス性汚染物質は、Orthomyxoviridae、Arenaviridae、Paramyxoviridae、Rhabdoviridae、Coronaviridae、Flaviviridae、Picornaviridae、Togaviridae、Arteriviridae、RetParvoviridae、Bunyaviridae、Caliciviridae、Retroviridae、Reoviridae、Circoviridae、Adenoviridae、Poxviridae、Herpesviridae、Iridoviridae またはReoviridaeのウイルス科のメンバーであり得る。より詳細には、ウイルス性汚染物質は、イヌパルボウイルス(canine parvoviridae)(CPV)、マウス微小ウイルス(minute virus of mice)(MVM)、カシェ渓谷ウイルス(Cache Valley virus)、ブンヤムウェラウイルス(Bunyamwera virus)、ノースウェイ脳炎ウイルス(Northway encephalitis virus)、インフルエンザA/Bウイルス(Influenza A/B virus)、フニンウイルス(Junin virus)、パラインフルエンザウイルス1/2/3(Parainfluenza virus 1/2/3)、シミアンウイルス5(Simian virus 5)、流行性耳下腺炎ウイルス(Mumps virus)、ウシRSウイルス(Bovine respiratory syncytial virus)、センダイウイルス(Sendai virus)、ニューキャッスル病ウイルス(Newcastle disease virus)、マウス肺炎ウイルス(Pneumonia virus of mice)、水疱性口内炎ウイルス(vesicular stomatitis virus)、狂犬病ウイルス(Rabies virus)、ウシコロナウイルス(Bovine coronavirus)、マウス肝炎ウイルス(Murine hepatitis virus)、黄熱病ウイルス(Yellow fever virus)、西ナイルウイルス(West Nile virus)、デング熱ウイルス(Dengue virus)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(Tick borne encephalitis virus)、セントルイス脳炎ウイルス(St. Louis encephalitis virus)、ベシウイルス2117(Vesivirus 2117)、脳心筋炎ウイルス(Encephalomyocarditis virus)、コクサッキーウイルスB−3(Coxsackie virus B−3)、タイレルマウス脳脊髄炎ウイルス(Theiler’s mouse encephalitis virus)、口蹄疫ウイルス(Foot and mouth disease virus)、ウシエンテロウイルス(Bovine enterovirus)、ブタエンテロウイルス(Porcine enterovirus)、セムリキ森林ウイルス(Semliki Forest virus)、シンドビスウイルス(Sindbis virus)、風疹ウイルス(Rubella virus)、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus)、東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern equine encephalitis virus)、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(Porcine reproductive and respiratory syndrome virus)、泡沫状ウイルス(Foamy virus)、レオウイルス1/2/3(Reovirus 1/2/3)、トリレオウイルス(Avian reovirus)、ロタウイルス(Rotavirus)、ブタサーコウイルス1(Porcine circovirus 1)、アデノウイルス(Adenovirus)、仮性狂犬病ウイルス(Pseudorabies virus)、マウスガンマヘルペスウイルス68(Murine gammaherpes 68)、単純ヘルペスウイルス1(Herpes simplex virus 1)、カエルウイルス3(Frog virus 3)、マウス微小ウイルス(cutter)(minute virus of mice−cutter)(MVMc)、ブルータングウイルス(bluetongue virus)(BTV)、流行性出血熱ウイルス(Epizootic haemorrhagic disease virus)(EHDV)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(bovine viral diarrhea virus)(BVDV)、ブタパルボウイルス(porcine parvovirus )(PPV)、脳心筋炎ウイルス(encephalomyocarditis virus)(EMCV)、レオウイルス3(Reovirus 3)およびマウス白血病ウイルス(murine leukemia virus)(MuLV)、A型肝炎(Hepatitis A)、ポリオ(polio)またはパルボウイルスB19(Parvoviridae B19)からなる群のいずれかであってもよい。
「ウイルスフィルター」という用語は、本明細書において「ウイルス保持フィルター」、「ウイルス性フィルター」および「ナノフィルター」と交換可能に使用され、その特徴が全体としてフィルターをウイルスの保持に適切にし、この機能を果たすための有効孔径を有するフィルターを一般的に指す。これらの特徴は、例としては、膜特性、例えば形態、細孔の形状、細孔密度および均一性、有効孔径、膜の厚さなどが挙げられる。本発明において有用なウイルスフィルター膜は、サイズ排除および電荷により動作し、吸着保持との組み合わせ可能な膜を包含する。サイズ排除および吸着保持の機序は、必ずしも互いに排他的ではなく、フィルターは、1つまたは複数の機序を十分に採用することができる。
本発明において定義され、本発明の一実施形態において使用されるウイルスフィルターは、最大75nmの有効孔径の膜を有することによって特徴づけられる。本発明に従った一実施形態において、有効孔径の下限は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約50nmまたは約60nmである。本発明に従った前記実施形態において、有効孔径の上限は、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約35nm、約50nm、約60nmまたは約75nmである。本発明のいくつかの実施形態においてウイルスフィルターは、約5から約75nmまたは約10から約75nmまたは約15から約75nmまたは約20から約75nmまたは約15から約50nmまたは約15から約35nmの有効孔径を有する。
有効孔径は、本明細書において使用する場合、膜の特徴であり、有効性のレベルは、このようなサイズの粒子の対数減少係数により表されることを考慮して、膜により有効に保持可能な粒子のサイズを指す。
本発明の方法において使用されるウイルスフィルターは、少なくとも約2000L/m、もしくは少なくとも約3000L/m、もしくは少なくとも約4000L/m、もしくは少なくとも約5000L/m、もしくは少なくとも約7500L/m、もしくは少なくとも約10000L/m、もしくは少なくとも約20000L/mの容積に耐えるために十分な構造を有するか、または約24時間を超えて約7ヶ月まで、または好ましくは少なくとも約48時間、約72時間、約4日、約5日、約6日、約7日、約1週、約2週、約3週、約4週、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月もしくは約7ヶ月の間の期間動作可能である任意のフィルターであってよい。
当然のことながら、複数のフィルターが本発明に従った方法に使用される場合、異なるタイプのウイルスフィルターもまた、好ましくは並列または直列で、ろ過工程において使用され得、そして組み合わされ得る。
例示的ウイルスフィルターは、単一または多層の膜を含み、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、セルロース、変性セルロース、例えば銅アンモニア再生セルロース中空繊維またポリエーテルスルホンなどの材料で構築される。ウイルスフィルターの膜は、中性、負または正の電荷を有してもよい。膜は、イオン性膜であってもよく、すなわち膜は、陽イオンまたは陰イオンの基を含有してもよいが、pH条件に依存して、中性膜が好ましいこともある。ウイルスフィルター膜は、疎水性および親水性の膜から選択することができる。好ましい実施形態において、本発明に従った方法に使用されるウイルスフィルターの膜は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)またはポリエーテルスルホンから作製される。
ウイルス除去の能力が実証されている例示的フィルターの製造業者は、排除することなく、Asahi/Planova、PALL、Millipore、Sartorius、GambroおよびAmersham/AG Technologyが挙げられる。本発明における使用に適切なフィルターとしては、限定するものではないが、AsahiのPlanova 15Nフィルター(Asahi Kasei Corporation、Planova Division)、Planova 20Nフィルター(Asahi Kasei Corporation、Planova Division)、Planova 35Nフィルター(Asahi Kasei Corporation、Planova Division)およびBioEXフィルター(Asahi Kasei Corporation、Planova Division)が挙げられる。
当然のことながら、本発明の方法の1つに使用されるフィルターは、使用前にオートクレーブ処理可能および/またはオートクレーブ処理済みおよび/または、さもなければ滅菌されていることが望ましい。しかし、使用されるウイルスフィルターの無菌性を確実にするための他のすべての可能性が、本発明の実施に適切である。さらにフィルターは、使用前および/または使用後に完全性試験が可能であることが望ましい。好ましい実施形態において、本発明に従った方法において、フッ化ポリビニリデン(PVDF)またはポリエーテルスルホンの膜を有する、オートクレーブ処理され、完全性試験されたウイルスフィルターが使用される。
「ろ液」は「透過物」という用語と交換可能に使用され、フィルターまたは膜を横切る溶液およびフィルターまたは膜を横切った溶液を指す。
「保持液(retentate)」は、本明細書において使用する場合、保持されて、フィルターまたは膜を横切らない溶液の成分およびフィルターまたは膜を横切らなかった溶液の成分を指す。
本発明において有用なウイルスろ過装置は、供給材料をフィルターセクションの前後に分割する、少なくとも1つのウイルスろ過膜構成要素を含む。ろ過装置は通常、圧力および流れを調節する手段、例えばポンプおよびバルブならびに流量計および圧力計および密度計を含む。装置はまた、いくつかのろ過膜構成要素を異なる組み合わせで、並列または直列またはその両方で配置されて含むことができる。
ろ過フラックスは圧力に従って変動する。概して、正常な作動範囲において、圧力が高くなるほど、フラックスが高くなる。フラックスは温度によっても変動する。作動温度の上昇によりフラックスも増加する。しかし、高温および高圧により、膜破壊の傾向も高くなる。無機膜に関しては、ポリマー膜よりも高温および高圧ならびに高pH範囲を使用することができる。
当業者には、本発明に従ったウイルスフィルターの代わりに、約5000ダルトン未満または約1000ダルトン未満の分子量カットオフを有するフィルターが、ウイルスを除去するためにも使用可能であることが、疑いなく明白である。この文脈において「分子量カットオフ」(MWCO)は、溶質の平均分子量を指定するフィルターの膜特徴であるが、粒子またはウイルスはこのフィルターの膜を透過しない。
本発明のウイルスろ過工程のpH値は、ろ過されている調製物、好ましくは細胞培養培地またはバッファーの安定性および機能性を保存するために必要な任意の範囲に設定可能である。例えば、pH値は、約1から約10、好ましくは約2から約8、または約3から約7、好ましくは約6.8から約8または最も好ましくは約7.0から約7.45(生理学的pH値)に設定することができる。
本発明に従った方法は、細菌性汚染物質を除去する滅菌グレードのフィルターの下流の系に統合でき、それによって、「出発調製物」、すなわち本発明に従った任意の方法に使用される調製物であり得る、調製物の無菌供給材料の流れを生み出すこともまた企図される。
一実施形態において、本発明の方法は、直列で配置された2つ以上のフィルターを使用して実施可能である。これは、ウイルスクリアランス能力の増大およびウイルスフィルターの潜在的な故障または漏出に対する予防手段の利点を有する。代替の実施形態において、ろ過は、並列で配置された2つ以上のウイルスフィルターを使用して実施され、それによって、ウイルスフィルターの交換を、連続工程を中断させることなく可能にし、例えば詰まりによる想定外の培地の保留を予防できる。
さらに他の実施形態において、ろ過は、Y字接合部を含む配管系において並列で配置された少なくとも2つのフィルターを使用して実施され、ここで各フィルターは、Y字接合部の分枝および調製物供給源と流体連結している。いくつかの実施形態において、Y字接合部はコネクタを含む。他の実施形態において、ろ過は、複数のフィルターを直列および並列の両方の配置で含有する構成を使用して実施される。本発明に関連して特に有用なものは、ろ過工程を中止することなく、メンテナンスの理由でフィルターの1つを交換する可能性を有するために、少なくとも第2のフィルターが、他の並列なフィルターまたは直列で配置されたフィルターと並列に連結された配列である。
いくつかの実施形態において、フィルターは、使用前に完全性試験に供される。完全性試験は、空気‐水拡散(air−water diffusion)ベースの試験の形態をとることができ、空気をフィルターに向かわせ、次いでフィルターを滅菌水に沈め、フィルターの漏れを示す気泡に関して調べる。
一実施形態において、ウイルスフィルターまたはウイルスフィルター膜は、ウイルスろ過手順の前に、例えば洗浄剤、特に酸性洗浄剤、アルカリ性洗浄剤および/またはエタノールによる洗浄により、予備処理されてもよい。
本発明の一実施形態において、タンジェンシャルフローろ過もまた本発明に従った方法において実施できる。本発明の文脈において、「タンジェンシャルフローろ過」は、「クロスフローろ過」という用語と、本明細書において交換可能に使用される。タンジェンシャルフロー様式において、フィルターの上流側の液体流路は、フィルター表面とおよそ平行、または接線方向、または交差して誘導される。透過物の通過は、供給材料に対する保持液の流れを制限することによって容易にされ、系への背圧をもたらし、フィルター膜を介した透過物の移動を可能にする。膜表面を横切って掃引する一定の流動(current)は、ろ過されている生成物中の汚染物質による詰まりを最小化する効果を有する。あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも2Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも3Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも5Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも6Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも7Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも8Log10減少値を達成し、または好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10の減少値(LRV)を達成する任意のウイルスフィルターが適切である。すべてのlog減少係数が、最大75nmの有効孔径のウイルスフィルターのいずれに対しても適用可能である。本発明に従った一実施形態において、ウイルスフィルターの有効孔径の下限は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約50nmまたは約60nmである。本発明に従った前記実施形態において、ウイルスフィルターの有効孔径の上限は、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約35nm、約50nm、約60nmまたは約75nmである。本発明のいくつかの実施形態において、ウイルスフィルターは、約5から約75nmまたは約10から約75nmまたは約15から約75nmまたは約20から約75nmまたは約15から約50nmまたは約15から約35nmの有効孔径を有する。
本発明のいくつかの実施形態において、正常フロー(normal flow)ろ過が使用される。本明細書において「正常フローろ過」は、「デッドエンド」、「シングルパス」および「直接フローろ過」と交換可能に使用され、液体の流路が通常フィルター表面に垂直に誘導され、フィルターモジュールの構築に依存して流体の流れがフィルター膜に接線方向に誘導されてもよいが、クロスフローろ過とは対照的に、保持液の再循環は適用されず、これがフィルター前後の比流量が同一であることを意味するウイルスフィルターろ過工程を指す。あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも2Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも3Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも5Log10減少値(LRV)、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも6Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも7Log10減少値、またはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも8Log10減少値を達成し、または好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10の減少値(LRV)を達成する任意のウイルスフィルターが適切である。すべてのlog減少係数が、最大75nmの有効孔径のウイルスフィルターのいずれに対しても適用可能である。本発明に従った一実施形態において、ウイルスフィルターの有効孔径の下限は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約50nmまたは約60nmである。本発明に従った前記実施形態において、ウイルスフィルターの有効孔径の上限は、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約35nm、約50nm、約60nmまたは約75nmである。本発明のいくつかの実施形態において、ウイルスフィルターは、約5から約75nmまたは約10から約75nmまたは約15から約75nmまたは約20から約75nmまたは約15から約50nmまたは約15から約35nmの有効孔径を有する。
当業者には明らかなように、本発明のすべての実施形態は、目的に関して技術的に有用な任意の利用可能な系、例えば、可変速度また固定速度のぜん動ポンプ、遠心ポンプなどの支援により実行可能である。任意の種類の加圧容器または他の容器を使用して、ろ過工程の間一定圧力または可変圧力によるウイルスフィルターを介した流れを生み出すことができる。
当業者は、フィルターのタイプおよび様式(デッドエンドろ過またはタンジェンシャルフローろ過)の選択は、組成物、タンパク質含有量、分子量分布、不純物/微粒子負荷または加工される供給材料の任意の他の生化学的または物理的特性、工程の要件および制限(許容圧力、工程時間、ろ過される体積)または潜在的ウイルス性汚染物質の特徴、例えばウイルスサイズなどの要因に依存するものであることを理解しているであろう。工程内の完全性試験の利用可能性およびウイルスクリアランス研究のロジスティクスもまた、考慮しなければならない。デッドエンドろ過は一般的に、合理的な工程フラックスを得るために高純度の供給材料流を採用しなければならず、一方いくつかの実施形態において、タンジェンシャルフローろ過は、微粒子負荷が高い供給材料流に順応可能である。いくつかの好ましい実施形態において、正常フローろ過は、最大75nmの有効孔径を有する少なくとも1つのウイルスフィルターを使用する連続ろ過様式と組み合わせることが好ましい。当然のことながら、この実施形態もまた、本発明すべての他のパラメーターと組み合わせることができる。
当然のことながら、この発明は記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、当然のことながら、変動可能であることは理解されるべきである。本明細書に記載の専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためであって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるので 、限定を意図するものではないこともまた、理解されるべきである。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限の間の、文脈が明らかに他のことを示さない限り、下限の単位の10分の1までの挟まれる各値および任意の他の規定された値またはその規定された範囲に挟まれた値は本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、このより小さい範囲に独立して含まれてよく、この規定された範囲において具体的に排除された任意の限界を前提として、さらに本発明に包含される。規定された範囲内の規定された範囲が一方または両方の限界を含む場合、それらの含まれた限界のどちらかまたは両方を排除した範囲もまた本発明に含まれる。
他のことが定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または等価の任意の方法および材料もまた、本発明の実践または試験に使用できるが、代表的な例示的方法および材料をこれから記載する。
本明細書に引用されたすべての刊行物および特許は、各個別の刊行物または特許があたかも参照により組み込まれたことを具体的かつ個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれ、引用された刊行物に関連して方法および/または材料を開示および記載するために参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日に先立つその開示のためであり、本発明が、先行発明に関してこのような刊行物に先行する権利を与える承認として解釈するべきではない。さらに、提供された刊行物の日付は、単独に確認されることが必要であり得る実際の刊行日とは異なる場合がある。
本明細書において使用する場合、および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示していない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意選択の要素を排除して起草できることも留意されたい。したがって、この言及は、請求項の要素の列挙または「否定的な」限定の使用に関連した「単に」、「だけ」などの排他的用語の使用に関する先行詞として機能することが意図される。
本開示を読む当業者には明らかなように、本明細書に記載および例示の各個別の実施形態は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特長から容易に分離またはこれらと組み合わせることができる、別々の構成要素および特長を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順番で、または論理的に可能な任意の他の順番で実施することができる。
本発明を例示するために実施例を以下に提供する。これらの実施例は、本発明を任意の特定の用途または動作理論に限定する意味のものではない。
実施例1:異なるウイルスフィルターおよび細胞培養培地による規模を縮小したウイルスろ過
異なる製造業者によるウイルスろ過膜(表2を参照されたい)を、異なるフィルターサイズおよび異なるロットおよび供給業者による4g/L濃度のダイズ加水分解物を含有する細胞培養培地において、それらのろ過動態に関して評価した(表3を参照されたい)。細胞培養培地の組成および調製を、実施例2に記載する。ろ過実験を、加圧容器で圧力を調節することによって(図3、図4、図5ならびに図7、図8および図9におけるスパイク実験)、または流量を、例えばぜん動ポンプにより調節することによって(図1、図2、図3および図6)のいずれかで実施した。実験の温度および圧力調節に使用した他の装置は、表4に記載する。
実施例2:細胞培養培地の調製
細胞培養培地の組成の概要を下記の表5に提供し、異なるダイズ加水分解物の組成は上記の表3に記載した。細胞培養培地の異なるバッチを、滅菌グレードのフィルター、例えばPall Fluorodyne(登録商標)II DJL Membrane Filter Cartridge 0.1μにより、実施例に記載の異なるウイルスろ過の前に滅菌ろ過した。ここに記載の培地調製を、図1から図11に記載および示したすべての実験に使用した。
実施例3:フィルターの調製:
ウイルスフィルターを、ウイルスフィルター製造業者の製品マニュアルに従って調製した。フィルターが無菌で送達および組み立てられない限り、フィルターを>121℃において20分間オートクレーブ処理した。
実施例4:完全性試験
使用後、適切なサイズのフィルター(表2のフィルターA、C、EおよびF)を、それぞれの製造業者の推奨に従って洗浄した。フォワードフロー試験(Forward Flow Test)をPalltronic Flowstar XC(Pall、US)により製造業者の仕様書に従って実施した。本明細書に記載のろ過実験後に実施されたすべての完全性試験は、指定限界に適合した。
実施例5:圧力差とフラックスとの間の比例関係
圧力差と体積流量との関係を調査するために、細胞培養培地を、オートクレーブ処理されたウイルスフィルターを使用して周囲温度においてろ過に供した。培地を圧力容器に満たし、ウイルスフィルターを圧力容器に連結し、その後これを異なるレベルで加圧した。比流量および圧力差を、てんびんおよび圧力トランスデューサ―により測定し、時間をわたって記録した(図3)。
実施例6:10Lの規模を縮小した発酵系モデル
ウイルスろ過を行った細胞培養培地および行わなかった細胞培養培地の比較を、組換えタンパク質を発現するCHO細胞発酵系を使用して実施した(図6)。成長速度および収量に関する性能を調査した。実施例2に記載の細胞培養培地を調製した。実験の一部は、滅菌ろ過だけされた培地で実施し、一方、他の部分は、さらにSartorius Virosart CPV 180cmを使用してウイルスろ過を行った同じ培地で実施した。ろ過は2〜8℃において実施した。発酵実験を、Rushtonタイプの撹拌型10Lベンチトップバイオリアクターにおいて、インラインで調節されたpH、pO2および温度により実施した。発酵のパラメーターの設定値および範囲は下記の通りであった:
pH:7.05(6.8−7.3)
T:37.0℃(35−39℃)
DO:20%(空気飽和)(10−60%) 。
細胞をバッチ様式で増殖させ、次いでさらなるウイルスろ過を行った、または行わなかった培地を使用してケモスタット培養した。ケモスタット様式によるデータ(成長速度および生産性)を、4週の連続細胞培養から生成した。
細胞数をCASY測定により決定した。ケモスタット培養において、比成長速度(μ)は、以下:
μ=D+In(Xt1/Xt0)/(t−t
により計算した。式中、Dは、培地供給速度/日および作業体積[1/d]の比として計算された希釈率である。成長速度は、CASY均質化細胞数から計算した。
生化学的分析のために、均質な懸濁物を、400×gでHeraeus Multifuge1 S−Rにおいて10分間遠心分離し、1.0mLのアリコートをエッペンドルフ管に調製し、≦−20℃において保存した。無細胞上清を、発現された組換えタンパク質の活性に関して発色アッセイにより標準操作手順に従って分析した。
この実験における体積生産性Pは、下記の式により計算した:
P[U/(L×d)]=活性[mU/mL]*希釈率[d−1
細胞特異的生産性qPは、下記の式により計算した:
qP[mU/(10E06細胞×d)]=P[U/(L×d]/細胞数[10E06細胞/mL] 。
実施例7:120Lの規模を縮小した発酵系モデル
120Lの作業体積の培地を、組み換えタンパク質を発現するCHO細胞発酵系に添加する前に、その培地に実施された連続ウイルスろ過技術を、その成長速度および収量に対する影響に関して調査した(図6A、図6Bおよび図6C)。この研究により、同じ細胞培養培地の3種の変形を使用する生産工程が比較された:a)標準培地;b)Virosart CPVウイルスフィルターを使用してろ過された標準培地;およびc)Millipore Viresolve NFPウイルスフィルターを使用してろ過された標準培地。
連続生産工程の間、2種の異なるウイルスフィルター(Virosart CPV Midicap サイズ2000cmおよびMillipore Viresolve NFP サイズ850cm)を、異なる時間間隔で交互に使用した。Sartorius CPVフィルターを培養日K00−K14、K23−K30およびK39−K63に使用し、Millipore NFPフィルターを培養日K14−K23およびK30−K39に使用した。
発酵のパラメーターの設定値および範囲は下記の通りである:
pH:7.05(6.8−7.3)
T:37.0℃(35−39℃)
DO:20%(空気飽和)(10−60%) 。
サンプリングおよび分析
細胞数を、CASY(登録商標)細胞数および分析器システムにより決定した。生化学的分析のために、均質な懸濁物を、400×gでHeraeus Multifuge1 S−R(Thermo Scientific、USA)において10分間遠心分離した。無細胞上清を、発現された組換えタンパク質の活性に関して発色アッセイにより分析した。
ケモスタット培養において、比成長速度(μ)は、以下:
μ=D+In(Xt1/Xt0)/(t−t
により計算した。式中、Dは、培地供給速度/日および作業体積[1/d]の比として計算された希釈率である。成長速度は、CASY均質化細胞数から計算した。
この実験における体積生産性Pは、下記の式により計算した:
P[U/(L*d)]=活性[mU/mL]*希釈率[d−1]
細胞特異的生産性qPは、下記の式により計算した:
qP[mU/(10E06細胞×d)]=P[U/(L*d]/細胞数[10E06細胞/mL] 。
実施例8:ASAHI Planova 15Nウイルスフィルターによるウイルスろ過
ダイズ加水分解物含有培地(DOMO SE50 MAF#5)にMMVをスパイクし、加圧された窒素ガス供給に連結されたタンク内に配置した。MMVスパイク材料をデッドエンド様式で1100mbar(設定値)の定圧でインラインに構成された、10cm2のASAHI Planova15Nウイルスフィルターを通過させた。下記のパラメーターの最小値および最大値を測定し、連続的に記録した:供給圧力;供給材料、ろ液および周囲の温度ならびにろ液重量(その変化を、ろ液流量の計算に使用した)。試料を、毎日7日目まで採取し、MMVウイルス価を分析した(図7)。
実施例9:ASAHI Planova BioEXウイルスフィルターによるウイルスろ過
ダイズ加水分解物含有培地(試行番号1、ダイズ加水分解物DMV SE50 MAF UF#5);試行番号2、ダイズ加水分解物SDMV SE50 MAF UF#4)にMMVをスパイクし、加圧された窒素ガス供給に連結されたタンク内に配置した。MMVスパイク材料をデッドエンド様式で2000mbar(設定値)の定圧でインラインに構成された、10cm2のASAHI Planova BioEXウイルスフィルターを通過させた。下記のパラメーターの最小値および最大値を測定し、連続的に記録した:供給圧力;供給材料、ろ液および周囲の温度ならびにろ液重量(その変化を、ろ液流量の計算に使用した)。試料を、毎日5日間採取し、MMVウイルス価を分析した(図8)。
実施例10:ウイルスろ過の概要
異なるダイズ加水分解物を含有する細胞培養培地にMMVをスパイクし、加圧された窒素ガス供給に連結されたタンク内に配置した。異なるウイルスフィルターを、表6に列挙される異なるダイズ加水分解物と組み合わせて使用した。
ろ過を、デッドエンド様式で、試行実験番号5および6を除くすべての試行に関して2bar(設定値)の定圧において構成し、試行実験番号5および6は1.1barの定圧(設定値)において実施した。下記のパラメーターの最小値および最大値を測定し、連続的に記録した:供給圧力;供給材料、ろ液および周囲の温度ならびにろ液重量(その変化を、ろ液流量の計算に使用した)。試料を、実験の試行時間の間に採取し、MMVウイルス価を分析した。全体のlog減少を、ろ液中の全ウイルス感染負荷(total virus infectivity load)と、ろ過前の全ウイルス感染負荷との差から計算した(図9)。
実施例11:MMVウイルススパイクでの長期ろ過
実施例2に記載の細胞培養培地にMMVを5.0[log10(TCID50/mL)]の力価までスパイクし、30日の長期ろ過に20nmの孔径のウイルスフィルター(Sartorius Visrosart CPV 5cm)によって供した。ろ過を、実施例9および実施例10と同様の構成で実施したが、1.1barの定圧(指定範囲:0.8barから1.2bar)を用い、ウイルスフィルターのチャレンジのための通常の圧力(regular pressure)および流れの中断を有した。実験の過程の流量を記録し、4L/(m2×時間)より上に維持した(図10)。
ろ液の20の試料を採取し(最大5回/週)、MMVウイルス価およびウイルス負荷を決定した。ウイルスの漏出は、アッセイした20の画分のいずれにおいても観察されなかった。ウイルス負荷は、画分の体積に依存して<0.9[log10(TCID50)]から<2.8[log10(TCID50)]の範囲であった。ろ液の全ウイルス負荷は、<3.0[log10(TCID50)]であり、スパイク材料の初期ウイルス負荷(すなわち8.5[log10(TCID50)])から引いた場合、全ウイルス減少係数>5.5log10をもたらした。これは、有効かつ完璧であるとみなされる(図11)。
前述の発明を、明確な理解の目的で、図解および実施例により少し詳細に説明したが、当業者には、本発明の教示を考慮して、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、特定の変更および変形が本発明に実施可能であることは容易に明らかである。

Claims (24)

  1. ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための方法であって、
    a)前記調製物を、少なくとも約24時間、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターを介したろ過に供するステップ、
    を含む、方法。
  2. 前記ろ過が、少なくとも約2000L/m、好ましくは少なくとも約3000L/m、最も好ましくは少なくとも約5000L/mの容積において動作する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記調製物が、少なくとも約48時間から約7ヶ月まで、好ましくは約72時間から約3ヶ月までの間ろ過に供される、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  4. b)ろ液を、細胞培養物または細胞培養培地の成分でもある他の成分に供給するステップ、
    をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ろ過が連続ろ過である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. ろ過が、約2℃から約60℃、好ましくは約10℃から約40℃、最も好ましくは約15℃から約37℃の温度において実施される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ウイルスフィルターが、あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)、好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)および最も好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも6Log10減少値(LRV)を達成する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. ろ過が、直列、並列またはそれらの両方の混合で配置された2つ以上のフィルターを使用して実施される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. ろ過が、Y字接合部を含む管の系において並列に配置された2つのフィルターを使用して実施され、そして各フィルターが、前記Y字接合部の分枝および調製物供給源と流体連結している、請求項8に記載の方法。
  10. ろ過が、約100mbarから約4000mbar、好ましくは約100mbarから約3500mbar、最も好ましくは約1000mbarから約3000mbarの範囲の圧力において実施される、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記ウイルスフィルターがオートクレーブ処理可能である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記細胞培養培地がダイズ加水分解物を含む、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. ウイルス性汚染物質を、細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物から除去するための、少なくとも24時間のろ過における、最大75nmの有効孔径を有するウイルスフィルターの使用。
  14. 前記ろ過が、少なくとも2000L/m、好ましくは少なくとも3000L/m、最も好ましくは少なくとも5000L/mの容積において動作する、請求項13に記載の使用。
  15. ろ過が、少なくとも約48時間から約7ヶ月まで、好ましくは約72時間から約3ヶ月までの間実施される、請求項13から14のいずれかに記載の使用。
  16. 前記ろ過が連続ろ過である、請求項13から15のいずれかに記載の使用。
  17. ろ過が、約2℃から約60℃、好ましくは約10℃から約40℃、最も好ましくは約15℃から約37℃の範囲の温度において実施される、請求項13から16のいずれかに記載の使用。
  18. 前記ウイルスフィルターが、あるウイルス性汚染物質に対して少なくとも1Log10減少値(LRV)、好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも4Log10減少値(LRV)および最も好ましくはあるウイルス性汚染物質に対して少なくとも6Log10減少値(LRV)を達成する、請求項13から17のいずれかに記載の使用。
  19. ろ過が、直列、平行またはそれらの両方の混合で配置された2つ以上のフィルターを使用して実施される、請求項13から18のいずれかに記載の使用。
  20. ろ過が、Y字接合部を含む管の系において並列に配置された2つのフィルターを使用して実施され、そして各フィルターが、前記Y字接合部の分枝および調製物供給源と流体連結している、請求項19に記載の使用。
  21. ろ過が、約100mbarから約4000mbar、好ましくは約100mbarから約3500mbar、最も好ましくは約1000mbarから約3000mbarの範囲の圧力において実施される、請求項13から20のいずれかに記載の使用。
  22. 前記ウイルスフィルターがオートクレーブ処理可能である、請求項13から21のいずれかに記載の使用。
  23. 前記細胞培養培地がダイズ加水分解物を含む、請求項13から22のいずれかに記載の使用。
  24. 細胞培養のために請求項1から12のいずれかに従って得ることができる細胞培養培地または細胞培養培地の少なくとも1つの成分である調製物;薬学的、診断的および/または化粧品調製物および食品調製物の使用。
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