JP2015527294A - 還元剤を使用した無水ハロゲン化水素の調製 - Google Patents

還元剤を使用した無水ハロゲン化水素の調製 Download PDF

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Abstract

六フッ化硫黄、三フッ化窒素、六フッ化タングステン、六フッ化ウランなどの無機ハロゲン化物物質を使用し、適切な温度で還元剤を使用して還元することによって、無機ハロゲン化物を完全に還元して、非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物、および好ましくは無水ハロゲン化水素流体を得る方法。還元剤は、分子水素、無機水素化物、および無機金属元素であってよく、分子水素が好ましいが、場合によっては無機水素化物、ならびにカルシウムおよびマグネシウムなど無機金属元素が使用される。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2012年9月7日に出願された米国仮特許出願第61/698,536号明細書、および2013年2月15日に出願された米国特許出願第13/769,184号明細書の利益を主張し、これらはあらゆる目的で本明細書に完全に記載されるかのように参照により本明細書に援用される。
本発明は、温度および圧力下、熱還元反応器中で還元剤を使用することによって、無機ハロゲン化物を完全に還元して、非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物を得る方法、好ましくは無水ハロゲン化水素も得る方法に関する。
ハロゲン化水素は、種々のプロセスで使用できる主要なハロゲン源となるので、化学工業において非常に有用な物質である。フッ化水素は特に重要なハロゲン化水素である。これは周囲温度において無色の液体であり、フッ素の主要な工業原料となり、したがって多くの重要な有機および無機フッ化物の前駆体となる。
無水フッ化水素は、多孔質物質中を比較的迅速に拡散する性質で知られている。このため、無水フッ化水素は、典型的にはフッ素化物質、いわゆる有機および無機フッ化物の製造に使用される。これらの材料は、基本的には、冷媒、医薬剤、フォームの発泡剤、消火剤、溶剤、およびプラスチック産業におけるフッ素化モノマーを製造するための原材料である。
塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、およびアスタチン化水素などの他のハロゲン化水素も、程度は異なるが同様の有益な性質を有し、したがってそれらを使用できるさまざまな用途が存在する。
ハロゲン化無機物質から無水ハロゲン化水素を製造するために、当技術分野において多数の方法が開発されている。たとえば、フッ素化無機物質からの無水フッ化水素。しかし、これらの方法は、多くの場合非常に複雑であり、十分に効率的ではなく、実施は非常に非用がかり困難となりうる。
フッ素化物質に関する代表的な方法の1つが、Hageらの国際公開第99/36352号パンフレット(参照により本明細書に援用される)に開示されている。この刊行物には、六フッ化ウランから無水フッ化水素(AHF)を回収する方法が開示されている。特にHageらは、六フッ化ウランをフッ化水素/水共沸混合物と反応させて酸化ウランを生成する多重反応システムを開示している。最終的にHageらは変換収率を得ているが、このシステムでは無水フッ化水素は生成されない。その代わりに、Hageらは、水を除去するための分離プロセスの後でのみ無水フッ化水素を得ている。この追加の分離ステップは、非常に非用がかかる場合があり、プロセスがあまり効率的ではなくなる。
フッ素化物質を伴う別の代表的な方法の1つは、六フッ化ウランを反応させて無水フッ化水素を得る方法であり、Yu.N.Tumanovら“Mechanism of Reduction of Uranium Hexafluoride by Hydrogen”(参照により本明細書に援用される)に開示されている。この論文において、Tumanovらは、六フッ化ウランを水素と反応させて四フッ化ウランおよび無水フッ化水素を生成することを開示している。これは無水フッ化水素のより直接的な生成であるが、Tumanovは十分に効率的な機構を示していない。その代わり、Tumanovは六フッ化ウランを四フッ化ウランに還元しているのみである。
六フッ化ウランの解離平衡に関する分子酸素による六フッ化ウランの部分的還元の機構は、アレニウスの式と類似している。このプロセスは典型的には1800Kの温度で到達し、その反応の速度定数は1000〜4000Kの範囲内である。
あらゆる実際的な目的で、たとえばTumanovらの図2に示されるようなデータは、アレニウスの式によって十分正確に表される。
反応UF6→UF5+Fの速度定数の対数対温度の逆数は、Stanley M.WalasによるReaction Kinetics for Chemical Engineers,McGraw−Hill Book Company,Inc.,1959(Fundamentals,5.The rate equation,6.Variables other than mass or concentration,7.Effect of temperature and 8.Energy of activation.)における図1〜2のlogkT対1/Tのプロット(ここでkT=1/secである)でも表され、この文献は参照により本明細書に援用される。
したがって、Tumanovは、部分的還元のみである水素による六フッ化ウランの還元の周知の機構を示しており、6個のフッ素原子から2個のみのフッ素原子を除去することによる六フッ化ウランの全体的な還元の1ステップのみを示している。
したがって、無機ハロゲン化物を完全に還元して非ハロゲン無機物質および好ましくは無水ハロゲン化水素を得ることができる改善された方法が必要とされている。この要求は、あらゆる無機ハロゲン化物の場合等しく存在するが、無機フッ化物物質の場合に特に重要である。
したがって、本発明は、1種類以上の無機ハロゲン化物を完全に還元して、1種類以上の無機ハロゲン化物から1種類以上の非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物を得る方法、好ましくは無水ハロゲン化水素も得る方法である。
代表的な実施形態は、熱還元反応器を使用して、その中で水素を、無機ハロゲン化物のすべてのハロゲン化物部分と反応させて、無水ハロゲン化水素および1種類以上の非ハロゲン無機物質を生成する、無水ハロゲン化水素および非ハロゲン無機物質の新規合成方法を提供する。
代表的な実施形態は、分子水素、無機水素化物、および無機金属元素の1種類以上を含む還元剤を使用して無機ハロゲン化物を完全に還元する方法も提供する。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明で説明され、一部はその説明から明らかとなり、あるいは本発明の実施によって習得することができる。本発明の目的および他の利点は、本明細書に記載の説明および特許請求の範囲、ならびに添付の図面において特に示される構造によって実現され達成される。これらおよびその他の利点を実現するため、および本発明の目的により、具体化され、広く説明されるように、無水ハロゲン化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質の合成方法であって、1種類以上の無機ハロゲン化物を少なくとも1種類の還元剤と完全に反応させて、無水ハロゲン化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質を生成するステップを含む方法。少なくとも1種類の還元剤としては、分子水素、無機水素化物、無機金属元素、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。無機水素化物としては、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じ無機物質を挙げることができる。無機ハロゲン化物としては、無機フッ化物、無機塩化物、無機臭化物、無機ヨウ化物、無機アスタチン化物、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。代表的な無機ハロゲン化物としては、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、六フッ化タングステン、および六フッ化ウランが挙げられる。還元剤が分子水素を含む場合、反応ゾーン温度TRZは、以下にさらに詳細に説明されるように式を用いて求めることができる。
本発明の別の一態様において、無水フッ化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質の合成方法であって、1種類以上の無機フッ化物を1種類以上の還元剤と反応させて無水フッ化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質を生成するステップを含む方法。還元剤としては、分子水素、無機水素化物、無機金属元素、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。たとえば、還元剤としては分子水素および元素カルシウムを挙げることができる。還元剤が分子水素を含む場合、熱還元反応の反応ゾーン温度TRZは、以下にさらに詳細に説明されるように式を用いて求めることができる。
本発明のさらに別の一態様において、無機ハロゲン化物の還元方法であって、1種類以上の無機ハロゲン化物を1種類以上の還元剤と反応させて、少なくとも1種類の完全に完全された非ハロゲン無機物質を得るステップを含み、1種類以上の還元剤が、無機水素化物、無機金属元素、またはそれらの組み合わせから選択される方法。還元剤が無機水素化物を含む場合、無機水素化物は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じ非水素無機物質を含有することができる。還元剤は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度よりも電気陰性度が低い無機物質を含むことができる。
以上の概要と以下の詳細な説明との両方は、例示的および説明的なものであり、特許請求される本発明のさらなる説明の提供を意図するものであることを理解されたい。
本発明のさらなる理解を得るために含まれ、本明細書に組み込まれその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、本明細書の説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たす。
本発明を実施するために使用できる代表的な装置の図である。
これより添付の図面に例示される本発明の代表的な実施形態についてより詳細に言及する。
本出願の目的では、用語「ハロゲン」は、周期表の7A族の元素、すなわちフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンを意味するために使用される。用語「ハロゲン化物」は、別の元素に結合したときのこれらのハロゲンのアニオンまたは還元型、すなわちフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびアスタチン化物を意味するために使用される。
以下の詳細な説明は説明の目的で多くの特定の詳細を含んでいるが、以下の詳細に関する多くの例、変形形態、および変更形態が本発明の範囲および意図の範囲内となると当業者が認識するものと理解している。したがって、本明細書に記載の本発明の代表的な実施形態には、請求される本発明が、一般性を全く失うことなく、かつそれらに限定を課すことなく記載される。
無機フッ化物の還元は典型的にはより困難となる傾向があるので、単に説明的な目的で、本明細書全体にわたって無機フッ化物が例示される。しかし、必ずしも明示的に示されない場合でも、同じ教示を別の無機ハロゲン化物に等しく適用可能であることを理解すべきである。
また、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンの5つの元素は、本発明の範囲内となるハロゲン族に属すると認識されるが、以下で議論される熱還元反応の好ましい実施形態は、周囲温度よりも低い融点を有するハロゲンが関与する。これは、それらの元素が水素と形成する結合は、囲温度より高い融点を有するハロゲンによって形成される結合よりも安定であるためである。前述の認識の5つのハロゲンの中で、最初の3つの元素、すなわちフッ素、塩素、および臭素は、周囲温度より低い融点を有する。最後の2つのヨウ素およびアスタチンは、周囲温度より高い融点を有する。以下は、元素AtおよびHと平衡状態にあるアスタチン化水素の平衡式の一例であり、2HAt←→At+Hである。別の一例は水素ヨウ素の場合である:2HI←→I+H
また、本出願の目的では、用語「非ハロゲン無機物質」は、本明細書に記載の方法によって脱ハロゲンされた無機ハロゲン化物の非ハロゲン種または化合物を意味するために使用される。これは元素種または化合物を含むことができる。したがって、たとえば、無機ハロゲン化物がLiFである場合、その非ハロゲン無機物質はLiとなる。また、合成された「非ハロゲン無機物質」の水素化物に言及する場合、それは、水素と、無機ハロゲン化物中に見られる非ハロゲン種または化合物との結合によって形成された水素化物を示す。同様の方法で、無機水素化物還元剤を議論する場合の用語「非水素無機物質」は、水素分子以外の元素または化合物のいずれかを含む、無機水素化物の非水素種または化合物を示すために使用される。
本発明の技術は、非ハロゲン無機物質と1〜6個のハロゲン原子とを含有することができる無機ハロゲン化物分子に関する。前述したように、本発明の範囲内の無機ハロゲン化物としては、無機フッ化物、無機塩化物、無機臭化物、無機ヨウ化物、および無機アスタチン化物を挙げることができる。同様に、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンを挙げることができる。Tumanovなどの従来技術と比較すると、本発明の方法は、無機フッ化物などの無機ハロゲン化物の全還元を行うために予測された温度において行うことができる。
したがって、本明細書に記載の本発明によると、以下に記載の方法は、そのすべての並べ替えにおいて、少なくとも1種類の無機ハロゲン化物が全還元される(または「完全に還元される」)ものと理解されたい。以下により詳細に説明するように、これによって、無機ハロゲン化物から非ハロゲン無機物質を合成することができる。あるいは、これも以下にさらに詳細に説明するように、反応によって、無機水素化物を無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質とともに合成することができる。複数の無機ハロゲン化物が同時に処理される場合、本明細書に記載の方法によってすべての無機ハロゲン化物を完全に還元することができる。以下にさらに説明するように、これによって、無機ハロゲン化物から複数の非ハロゲン無機物質を合成することができる。また以下にさらに説明されるように、これによって、1種類以上の無機水素化物、または無機水素化物と非ハロゲン無機物質との混合物を合成することもできる。あるいは、非ハロゲン無機物質または無機水素化物の少なくとも1つを合成するために、少なくとも1つの無機ハロゲン化物が全還元される。好ましい実施形態においては、反応方法によって、1種類以上の無水ハロゲン化水素も合成される。
無機ハロゲン化物は、式MX(式中、「y」は1〜6であってよい)で表すことができる。代表的な一実施形態においては、無機フッ化物などの無機ハロゲン化物を、分子水素、無機水素化物、および/または無機金属元素などの熱還元剤と反応させる。
熱還元剤による無機ハロゲン化物分子の脱ハロゲンは、以下により詳細に説明する熱還元反応器の反応ゾーン中で行うことができる。反応の代表的な実施形態は以下の式で表すことができ:
[1]1つのフッ化物の置換 MX+1/2→HX+M
[2]複数のフッ化物の置換 MX+y/2→yHX+M
式中、Mは非ハロゲン無機物質を表し、Xはハロゲン化物を表し、Hは分子水素を表す。上記の置換の式は単純な例であり、限定するものとして見るべきではない。上記のように、Mは非ハロゲン無機物質であってよい。この説明の目的では、用語「物質」は、1種類の元素種および複数元素の化合物を含むものと理解すべきである。
本発明者は、すべての無機ハロゲン化物を還元できる方法を発見した。好ましい実施形態においては、反応器の熱還元反応ゾーン中での無機ハロゲン化物と、還元剤、好ましくは水素との間の熱還元反応による無機ハロゲン化物の還元によって、非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物および無水ハロゲン化水素が得られる。
無機ハロゲン化物を分解して、非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物および無水ハロゲン化水素にするためには、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質が還元性水素によって置換される反応温度(反応ゾーン温度)において十分な水素を有することが必要である。
反応ゾーンの温度は、以下により詳細に議論するように、熱反応中に反応する元素の電気陰性度と、無機ハロゲン化物分子の非ハロゲン無機物質の融点および沸点を知ることによって、予測することができる。
代表的な一実施形態において、本発明は、非ハロゲン無機物質の電気陰性度、融点、および沸点を、水素およびハロゲンの電気陰性度と関連付ける。置換反応の機構によって、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質を水素で置換することができ、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質はハロゲン化物から遊離し、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と置換する水素は、無水ハロゲン化水素を形成する。
反応ゾーン温度は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の融点と沸点との間の範囲内となることができる。
分子水素の分圧は、好ましくは無機ハロゲン化物の分圧よりも高くなる。
置換反応で得られる無水ハロゲン化水素は、無水ハロゲン化水素の沸点より高い温度で存在することができる。したがって、形成された無水ハロゲン化水素は過熱ガスとして反応ゾーンから流出することができる。
図1は、本発明の実施に使用できる装置100の代表的な一実施形態を示している。以下に水素を伴う反応と合わせてこの装置について説明する。しかし、本明細書において議論されるように、還元剤としての分子水素の使用が唯一の好ましい実施形態である。前述したように、別の還元剤を使用することができる。また、前述したように、同じ方法を無機フッ化物、無機塩化物、無機臭化物、無機ヨウ化物、および無機アスタチン化物などの別の無機ハロゲン化物に使用することができる。したがってこの装置の説明は、単に例示的なものであり、限定するものとして見るべきではない。
この代表的な実施形態は、熱交換器10、熱交換器20、熱還元反応器30、無水ハロゲン化水素および未反応の水素を無機物質から分離するためのフラッシュセパレーター40、無水ハロゲン化水素を未反応の水素から分離するためのセパレーター50、未反応の水素および処理プラントのストリーム71、72、73、74、75、76、77、78、79、80を再循環させるためのバスターコンプレッサー(buster compressor)60を含む。
熱交換器10は、無機ハロゲン化物入口ストリーム71を予熱するための加熱手段を含むことができ、予熱された無機ハロゲン化物は出口ストリーム72として排出されて熱還元反応器30の入口まで移動する。
熱交換器20は、ストリーム79の水素を熱コンディショニングするための加熱手段も有することができ、水素ストリーム80として排出されて熱還元反応器30の入口まで移動する。無機ハロゲン化物ストリーム72と水素ストリーム80とは熱還元反応器30中で接触することができる。
熱還元反応器30は、ハロ水素化反応が起こるときに無機ハロゲン化物と分子水素との混合物が移動することができる容器である。この反応は、熱還元反応器30の他方の末端に到達するときまでに完了することができる。熱還元反応器30の設定温度を維持するために、熱還元反応器30には冷却手段81および加熱手段82を取り付けることができる。この設定温度は、反応が発熱反応または吸熱反応であるかとは無関係に、熱還元反応器30中で維持することができる。
代表的な一実施形態においては、熱還元反応器30の形状は、垂直方向で真っ直ぐまたはコイル状であってよいが、他の形状または位置を使用することもできる。熱還元反応器30の入口は、一方の末端、好ましくは上部のストリーム72および80であってよく、熱還元反応器30の反対側の末端には出口ストリーム73が存在することができる。
熱還元反応器の長さは、すべてのハロゲンを完全に還元して無水ハロゲン化水素に変換するのに十分な長さであってよい。熱還元反応器30の構成材料は、反応物および反応生成物に適合する金属であってよい。
フラッシュセパレーター40は、熱還元反応器30から反応生成物を移動させる入口ストリーム73と、フラッシュセパレーター40の底部の無機物質分画を取り出すための出口ストリーム76と、無水ハロゲン化水素および未反応の水素を含有する分画をセパレーター50まで移動させるストリーム74とを有する垂直容器であってよい。
セパレーター50は、ストリーム74のための1つの側面接続部と、無水ハロゲン化水素を取り出すためのストリーム75のための底部接続部と、未反応水素ストリーム83を移動させるための上部の接続部とを有する垂直容器であってよい。セパレーター50は、無水ハロゲン化水素の再循環を防止するための冷却手段をさらに含むことができる。
バスターコンプレッサー(buster compressor)60は、未反応水素ストリーム77をストリーム79に接続することによって、未反応水素ストリームを熱交換器20に戻して再循環させるために使用することができる。
ストリーム79に接続されるストリーム78は、熱還元反応器30に供給されたすべての無機ハロゲン化物を還元するために必要な分子水素を供給することができる。
代表的な一実施形態においては、本発明の方法は、超高純度無水フッ化水素の熱還元合成のための六フッ化硫黄などの硫黄の無機フッ化物の処理に使用することができ、超高純度無水フッ化水素は元素硫黄から分離して得られる。
本明細書の目的では、用語「超高純度」または「UHP」は、Matheson、Air Products、Union Carbide、Air Gasなどのすべての特殊ガス会社で規格化されて当技術分野において一般に容認されている意味を反映するために使用される。ガスの場合の用語「超高純度」または「UHP」の規格化された定義は、99.999%の純度を意味し、全体的な不純物は10ppm以下である。
別の代表的な一実施形態は、三フッ化窒素の製造に使用される原材料であるアンモニアに富む無水フッ化アンモニウムの熱還元合成のための三フッ化窒素などの窒素の無機フッ化物の処理方法を提供する。あるいは、好ましい一実施形態においては、この反応は、還元剤として分子水素を使用して1段階で超高純度無水フッ化水素を得ることができる。
さらなる代表的な一実施形態においては、本発明の方法は、超高純度無水フッ化水素および元素タングステンの熱還元合成のための六フッ化タングステンなどのタングステンの無機フッ化物の処理に使用することができる。
別の一実施形態においては、本発明の方法は、無水フッ化水素および元素ウランの熱還元合成における気体六フッ化ウランなどのウランの無機フッ化物の還元に使用することができる。この方法では、還元剤としては、カルシウムなどの無機金属元素を挙げることができる。
前述したように、無機フッ化物以外の無機ハロゲン化物を処理することもできる。たとえば、本発明の方法は、無水塩化水素および元素モリブデンの熱還元反応器合成における塩化モリブデンなどの無機塩化物の還元に使用することができる。
同様に、本発明の方法は、無機ヨウ化物の還元に使用することができる。たとえば、無水ヨウ化水素および元素タングステンを合成するためのヨウ化タングステン。
別の代表的な一実施形態においては、本発明の方法は、無機臭化物の還元に使用することができる。たとえば、例えば元素チタンおよび無水臭化水素を得るための臭化チタン。別の代表的な実施形態では、無機アスタチン化物が還元される。この一例は、元素モリブデン、および好ましくは無水アスタチン化水素を得るためのアスタチン化モリブデンの還元であってよい。無水アスタチン化水素はアスタチンおよび水素と平衡状態にあってよい。この平衡式は:4HAt←→2At+2Hとなる。
これらは単なる代表的な実施形態であって、限定として見るべきではない。無機ハロゲン化物中に見られる無機金属および無機ハロゲン化物中に見られるハロゲン種とは無関係に、あらゆる無機ハロゲン化物を本発明により処理することができる。また、以下により詳細に説明するように、好ましい結果は、無水ハロゲン化水素も生成される場合に得られるが、本発明がそのように限定されるものではない。無機ハロゲン化物からの非ハロゲン無機物質に加えて、結果として得られる生成物は、無水ハロゲン化水素に加えてまたはその代わりとして他の無機ハロゲン化物を含むことができる。
また、本発明の方法は、異なる化学種の複数の無機ハロゲン化物を同時に還元するために使用することができる。代表的な一実施形態においては、本発明の方法は、無機塩化物と同時に無機フッ化物を還元するために使用することができる。その場合の無機フッ化物の非ハロゲン無機物質は、無機塩化物の非ハロゲン無機物質と同じ場合も異なる場合もある。代表的な別の一実施形態においては、本発明の方法は、無機臭化物と同時に無機フッ化物を還元するために使用することができる。あるいは、本発明の方法は、無機臭化物および無機塩化物の組み合わせを還元するために使用することができる。上記組み合わせは単なる例であって、限定として見るべきではない。他の組み合わせを使用することもできる。また、前述したように、それぞれの無機ハロゲン化物中に見られる非ハロゲン無機物質は、異なる無機ハロゲン化物の間で同じまたは異なっていてもよい。このような還元方法の結果は、無機ハロゲン化物中に含まれる化学種に依存する。本発明によると、複数の無機ハロゲン化物の処理によって、それぞれの無機ハロゲン化物の少なくとも非ハロゲン無機物質を合成することができる。好ましい実施形態においては、複数の無機ハロゲン化物の合成によって、それぞれの無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質とともに、異なる無機ハロゲン化物由来のそれぞれのハロゲン化物に対応する無水ハロゲン化水素が得られる。
本発明の方法は、分子水素、無機水素化物、無機金属元素、またはそれらの組み合わせなどの1種類以上の還元剤を含むことができる。代表的な一実施形態においては、還元剤は分子水素(「H」)であってよい。別の代表的な一実施形態においては、還元剤は無機水素化物であってよい。代表的な無機水素化物はHSまたはLiHであってよい。別の無機水素化物を使用することもできる。また、複数の無機水素化物をともに還元剤として使用することができる。さらに別の代表的な一実施形態においては、還元剤はマグネシウムまたはカルシウムなどの無機金属元素であってよい。または、複数の無機金属元素を同時に還元剤として使用することができる。さらに別の代表的な一実施形態においては、本発明の方法は2種類以上の還元剤を含むことができる。たとえば、本発明の方法は分子水素と少なくとも1種類の無機水素化物とを含むことができる。あるいは、本発明の方法は分子水素と少なくとも1種類の無機金属元素とを還元剤として含むことができる。また、本発明の方法は少なくとも1種類の無機水素化物と少なくとも1種類の無機金属元素とを還元剤として含むことができる。最後に、本発明の方法は、分子水素と、少なくとも1種類の無機水素化物と、少なくとも1種類の無機金属元素とを還元剤として含むことができる。上記のいずれの組み合わせも許容することができる。また、上記のいずれの組み合わせも、本明細書において議論され開示される圧力、および以下に詳細に議論される反応温度のいずれかを使用することができる。
種々の還元剤の選択は、それらの電気陰性度、処理される無機ハロゲン化物中に見られるハロゲンに対するそれらの親和性、および/またはあらかじめ決定された条件下でのそれらの反応安定性に基づいて行うことができる。たとえば、以下にさらに示されるように、六フッ化ウランの完全分解の実現においては、還元剤としてカルシウムと分子水素との併用が有用である。電気陰性度を考慮する場合、還元剤の無機元素の電気陰性度、たとえば無機水素化物中の非水素無機物質の電気陰性度、および無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度を考慮することができる。無機ハロゲン化物中に見られるハロゲンに対する還元剤の親和性は、特に、反応中の他の化学種の電気陰性度値に対する還元剤の電気陰性度値に基づいて決定することができる。しかし、無機ハロゲン化物中に見られるハロゲンに対する還元剤の親和性は、当業者に周知の別の性質および条件にも依存しうることを認識すべきである。また、前述したように、還元剤の選択は、所与の反応条件下でのその還元剤の安定剤にも基づいて行うことができる。したがって、本開示全体で例示されるような種々の還元剤の選択は、単なる例であり非限定的であるとして見るべきである。
分子水素は、本発明の例示的実施形態で使用することができる特に有効で好都合な還元剤である。水素の有効性は、電気陰性度に加えてその反応性によるものである。分子水素は唯一の還元剤として有効に使用できることが多い。これは、無水ハロゲン化水素および非ハロゲン無機物質以外の生成物が形成されないように反応を調整できることを意味する。また、反応ゾーン中に形成されたハロゲン化水素を運び出すために、大流量の分子水素ガスを使用することができる。ハロゲン化水素を反応ゾーンから運び出した後、次にハロゲン化水素を液体形態に容易に凝縮させることができる。最後に、分子水素を還元剤として使用する場合、脱ハロゲン反応を温度TRZにおいて行うことができ、温度TRZは、以下により詳細に説明するように、容易に決定することができ、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の融点以上、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の沸点未満に維持することができる。
種々の元素の電気陰性度値は当業者には周知である。ライナス・ポーリング理論、およびポーリングの電気陰性度スケール「PES」と呼ばれる電気陰性度スケールを使用することで、無水フッ化水素および非ハロゲン無機物質および/またはそれらの水素化物を生成する無機フッ化物および還元剤の反応に介在するよりも分子エネルギーに関する情報を得ることができる。
ライナス・ポーリングは、分子ABの結合エネルギーE[AB]が、等核種AAおよびBBの結合エネルギーE[AA]+E[BB]の平均よりも常に大きいことに気づいた。「理想的な」共有結合において、ライナス・ポーリングは、E[AB]が結合エネルギーE[AA]+E[BB]の平均に等しくなり、「過剰の」結合エネルギーが異核種AB中の部分的に帯電した原子間の静電引力によって生じると理論づけた。実際、ライナス・ポーリングは、過剰の結合エネルギーは、結合へのイオン性寄与によって生じると述べている。
ライナス・ポーリングは、このイオン性寄与を式:
E[AB]={E[AA]×E[BB]}0.5+96.48{ZA−ZB}2
によって首尾良く処理した。
式中、E[AB]はkJ/モル[1電子ボルト、1eV、=96.48kJ/モル]の単位で表され、ZA−ZBは、2つの元素間の「電気陰性度」の差を表し、それらの個々の電気陰性度は記号ZAおよびZBで表される。
この式を用いて、ポーリングは、電気陰性度の差が最大となるのがCsとFとの間であることを発見した。
各元素は、PESで0.7〜3.98の範囲の特性電気陰性度を有すると規定される。このスケールにおいて、フッ素などの電気陰性度の大きい元素は大きい電気陰性度値、たとえば3.98を有し、リチウムなどの電気陰性度の小さい元素は非常に小さい値、たとえば0.98を有する。フッ素は電気陰性度が最大の元素であり、したがって通常は他の物質と反応して、異なるフッ化物濃度の種々のフッ化物を形成する。
電気陰性度値は、周期表の右上の元素でより大きくなる傾向にある。電気陰性度の差が大きい(PESで2.0以上)原子間の結合は通常はイオン結合であると見なされ、一方、2.0〜0.4の間の値は極性共有結合であると見なされる。0.4未満の値は非極性共有結合と見なされる。
本発明において、PESは、熱還元合成による反応物質および反応生成物の選択に使用することができる。特に、還元剤の選択は、還元剤の無機元素の電気陰性度値、および無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度値に基づいて行うことができる。還元剤が無機金属元素である実施形態においては、還元剤の電気陰性度は、好ましくは無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度よりも低い。還元剤が無機水素化物である実施形態においては、無機水素化物中に存在する非水素無機物質の電気陰性度は、好ましくは無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度以下である。したがって、無機水素化物を還元剤として使用する場合、無機水素化物の非水素無機物質は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じであってよい。
代表的な一実施形態においては、還元剤が無機金属元素であり、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度値が、好ましくは、還元剤として使用される無機金属元素の電気陰性度値よりも大きい場合、反応は分子間メタセシスであってよい。この反応では無機ハロゲン化物が還元されて、無機ハロゲン化物から非ハロゲン無機物質が得られるが、この反応では、ハロゲンと還元剤として使用される無機金属元素との組み合わせで構成される新しい無機ハロゲン化物も得られる場合がある。この反応の一例は、UF+2Ca→U+2CaFである。この場合、無機金属元素カルシウムはPES値が1.0の還元剤であり、無機フッ化物の非ハロゲン無機物質はPES値が1.38のウランである。
還元剤が無機水素化物である場合の類似の分子間メタセシスでは、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と、無機水素化物の非水素無機物質との電気陰性度の間に類似の関係が含まれる。代表的な反応の1つは、SiF+4LiH→SiH+4LiFである。この反応では、新しい付加物が形成されるが、フッ化ケイ素は完全に還元される。この反応において、LiのPES値=0.98、およびSiのPES値=1.90であり、すなわち無機フッ化物の非ハロゲン無機物質であるSiの電気陰性度値は、還元剤の非水素無機物質、この場合はLiの電気陰性度よりも大きい。
さらに別の代表的な一実施形態において、還元剤が無機水素化物を含む場合、無機水素化物の非水素無機物質は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じであってよい。このような場合、反応によって、依然として無機ハロゲン化物を完全に還元して、無水ハロゲン化水素および非ハロゲン無機物質を生成することができる。無機水素化物還元剤が、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じ無機物質を含む還元反応の非限定的で代表的な実施形態は:SiFおよびSiHあるいはUFおよびUHであり、それらの反応機構を以下に示す:
SiF+SiH→2Si+4HF
UF+2UH→3U+6HF
SiCl+SiH→2Si+4HCl
SiBr+SiH→2Si+4HBr
SiI+SiH→2Si+4HI
AsCl+AsH→2As+3HCl
AsBr+AsH→2As+3HBr
ZrBr+ZrH→2Zr+2HBr
ZrI+ZrH→2Zr+2HI
TiCl+2Mg→Ti+2MgCl
TiBr+2Mg→Ti+2MgBr
本発明において、熱還元合成に使用される原材料は以下の表1から選択される無機フッ化物であってよいことが確認されている。表1は、それぞれの元素の原子番号、原子量、PES値、融点、および沸点をまとめている。
Figure 2015527294
Figure 2015527294
Figure 2015527294
Figure 2015527294
還元剤としては、分子水素、表1からも選択される無機水素化物および/または無機金属元素を挙げることができる。
本発明は、炭化水素などの炭素含有物質および酸化物などの酸素含有物質には関連しないことに留意すべきである。
本発明において例示される無機ハロゲン化物および無機水素化物は、それぞれのハロゲンと反応するすべての金属を含むことができる。しかし、反応が行われる条件は、選択された化学種によって変化しうることに留意すべきである。たとえば、多くの場合、金属は、その表面積を増加させるために粉末化する必要がある。すべて電気陰性度値が1.0未満であるLi、Na、K、Rb、およびCsなどのアルカリ金属は、ハロゲン、特にフッ素と激しく反応し、一方、すべて電気陰性度値が1.0以上であるBe、Mg、およびCaなどのアルカリ土類金属は、室温で反応し、過度の熱は放出しない。すべて電気陰性度値が2.0を超えるRu、Ro、Pt、Pd、およびAuなどの貴金属は、最も容易に反応せず、高温において純ハロゲンガスが必要となる。たとえば、これらの貴金属は、300℃〜450℃の範囲内の温度において純フッ素ガスを必要とする。特殊な条件下でハロゲンガスと反応する別の元素は、Kr、Xe、Ar、およびRnなどの希ガスである(HeおよびNeはハロゲンと反応しない)。
本発明のために選択できる代表的な無機フッ化物の限定的な一覧としては:LiF、NaF、KF、BeF、MgF、CaF、SrF.BaF、CoF、AgF、BF、AlF、PF、MnF、AsF、SbF、NF、CoF、SiF、GeF、GaF、TiF、TeF、UF、SF、MoF、WF、VF、AsF、SbF、PF、MoF、WF、WF、MoF、ReF、RoF、PdF、PtF、AuF、TeF、SeF、SF、CaF、ならびにNaAlF、NaSiF、およびHSiFが挙げられる。この一覧は最も一般的な無機フッ化物の一部を単に示しており、この一覧は単なる例であることに留意すべきである。別の無機フッ化物の使用が本発明から排除されるものではない。
本発明のために使用できるフッ化物以外の代表的な無機ハロゲン化物の同様の非排他的な一覧を以下の表に示す。前述したように、これらの一覧は、フッ化物以外の最も一般的な無機ハロゲン化物の一部を単に示しており、単なる例である。別の無機ハロゲン化物の使用が本発明から排除されるものではない。
Figure 2015527294
本発明の目的のために選択することができる代表的な無機水素化物としては:LiH、NaH、KH、RbH、CsH、BeH、MgH、CaF、SrH、BaH、SeH、SH、TeH、B2H、AlH、PH、NH、AsH、GaH、UH、SiH、GeH、SnH、PbHが挙げられる。この一覧も最も一般的な無機水素化物の一部の単なる例である。別の無機水素化物の使用が本発明によって排除されるものではない。
代表的な一実施形態においては、反応物としての無機ハロゲン化物と1種類以上の前述の還元剤とを使用して本発明の方法を行うために熱還元反応器を使用することができる。反応器中の圧力は1気圧〜30気圧の範囲内であってよい。代表的な一実施形態においては、反応器は1気圧の圧力である。別の代表的な一実施形態においては、反応器は1〜5気圧の圧力に維持される。さらに別の一実施形態においては、反応器は6〜10気圧の圧力に維持される。別の代表的な一実施形態においては、反応器は11〜15気圧の圧力に維持される。別の代表的な一実施形態においては、反応器は16〜20気圧の圧力に維持される。さらに別の代表的な一実施形態においては、反応器は21〜25気圧の圧力に維持される。別の代表的な一実施形態においては、反応器は26〜30気圧の圧力に維持される。別の代表的な実施形態においては、反応器は、1気圧〜30気圧の間の任意の圧力、たとえば、1気圧、2気圧、3気圧、4気圧、5気圧、6気圧、7気圧、8気圧、9気圧、10気圧、11気圧、12気圧、13気圧、14気圧、15気圧、16気圧、17気圧、18気圧、19気圧、20気圧、21気圧、22気圧、23気圧、24気圧、25気圧、26気圧、27気圧、28気圧、29気圧、または30気圧などに維持することができる。上記圧力はいずれも、本明細書に記載のあらゆる反応、および以下の説明により決定されるあらゆるそれぞれの反応温度に好適となりうる。言い換えると、以下に記載の温度範囲は、システム圧力とは無関係となりうる。他の記載がなければ、本明細書に提供されるすべての具体例およびデータは、1気圧の圧力におけるものである。これらの値および情報は単なる例である。
無機ハロゲン化物、無機水素化物、および無機元素の大部分は、周囲温度および大気圧において固体である。分子水素、ならびにヘリウム、ネオン、アルゴン、および窒素などの不活性物質は、周囲温度および大気圧において気体である。ハロゲン化水素は、周囲温度および大気圧において液体または気体である。
本発明の熱還元反応は、多相反応を含む場合があり、その場合、反応ゾーンの温度および圧力において固相分画、液相分画、および気相分画が存在しうる。多相反応において、気相の分率または濃度および分圧は、互いに依存しうる。気体成分の濃度は、気相中の気体成分の分圧の関数となりうる。気体成分の濃度が増加すると、その気体成分の分圧が増加する。
実際的な目的では、圧力増加の体積変化に対する影響はわずかであるか、まったくないかであるので、固体および液体は非圧縮性と見なすことができる。したがって、圧力変化によって生じる体積変化は存在しない。他方、気体は圧縮性である。したがって、濃度変化によって圧力変化が生じることがあり、温度変化によって圧力変化が生じることがある。
反応器中の温度は280K〜3800Kの範囲内に維持することができる。反応器の温度は、以下により詳細に示される説明により決定される任意の反応温度に維持することもできる。
還元剤が分子水素を含まず、その代わりに無機金属元素および/または無機水素化物を含む実施形態においては、反応温度は、好ましくは、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の融点以上、および無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の沸点未満に維持される。
本発明者は、還元剤が分子水素を単独で含む、あるいは無機金属元素および/または無機水素化物とともに含む場合、反応温度が、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の溶融温度および沸騰温度、ならびに無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度、および水素の電気陰性度と関連しうることを発見した。これらのパラメータは前出の表1に例示されている。
代表的な一実施形態においては、還元剤が分子水素を含む場合の適切な反応温度を決定するための、前述の表1のパラメータと相関する式:
RZ=[E+E][T+T]/[ψ+E
であり、式中、TRZは、無機フッ化物の還元のための反応ゾーンの温度であり、Tは、無機フッ化物の非ハロゲン無機物質の融点であり、Tは、無機フッ化物の非ハロゲン無機物質の沸点であり、Eは、無機フッ化物の非ハロゲン無機物質のPESを表し、Eは、水素のPESであり、Eは、ハロゲンのPESであり、ψは、以下に説明する無機ハロゲン化物中に含まれるハロゲンに関する一定値である。式中のすべての温度はケルビンの単位である。
上記式中のψの値は、以下の式:
Σ=ψ+E
(式中、6.10≦Σ≦6.25であり、EはハロゲンのPESである)
による無機ハロゲン化物中に見られるハロゲンのPESのみに依存する。参照を容易にするため、各ハロゲンのψ値の範囲を以下の表2に示す。
Figure 2015527294
これらの値を使用すると、次に操作範囲は以下の式:
1.15[E+E][T+T]/[ψ+E]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[ψ+E
で定義することができ、条件T≦TRZ<Tも維持される。
上記式中の係数1.15および0.85は、15%のばらつきを示している。言い換えると、反応温度TRZは以下の式:
RZ=[E+E][T+T]/[ψ+E
によって求められる温度値の15%の範囲内となりうる。
単に説明的な例としてΣの平均値6.18をとると、ψは6.18からハロゲンのPESを引いたものに等しい。したがって、前出の表2に示されるように、Σが6.18の場合、各ハロゲンのψは、フッ素−2.20、塩素−3.02、臭素−3.22、ヨウ素−3.52、およびアスタチン−3.98となる。これらの値を説明的な例として使用すると、無機ハロゲン化物が無機フッ化物である場合、反応温度TRZは以下の式を用いてあらかじめ決定することができる。
1.15[E+E][T+T]/[2.20E+E]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[2.20E+E
(式中、Eはフッ素のPESである)。
同様に、別の無機ハロゲンのそれぞれの場合で、反応温度TRZは以下の式の1つを用いてあらかじめ決定することができる。
無機塩化物:
1.15[E+E][T+T]/[3.02E+ECl]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[3.02E+ECl
無機臭化物:
1.15[E+E][T+T]/[3.22E+EBr]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[3.22E+EBr
無機ヨウ化物:
1.15[E+E][T+T]/[3.52E+E]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[3.52E+E
無機アスタチン化物:
1.15[E+E][T+T]/[3.98E+EAt]≧TRZ≧0.85[E+E][T+T]/[3.98E+EAt
(式中、ECl、EBr、E、およびEAtは、それぞれ塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンのPESである)。
分子水素を使用して還元される無機ハロゲン化物の本発明による熱還元反応の好ましい温度の決定のさらなる例(ここで、ψ値はΣ=6.18から導出される)を以下に示す。これらの例は単に説明的で非限定的なものである。前述したようにψは表2に記載の範囲内の値を有し、したがって還元反応はあらかじめ決定された範囲内で行うことができる。
たとえば、分子水素を還元剤として使用するフッ化ニッケルの熱分解のために開発した式による熱還元反応の好ましい温度の決定は、以下のパラメータを用いて行うことができた。
フッ化ニッケル=NiF
ニッケル[Ni] 無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質
ニッケルの原子番号=28
ニッケルの原子量=58.69
Ni=1.19
ニッケルのTm=1452℃+273=1725K
ニッケルのTb=2900℃+273=3173K
=2.20
=3.98
ψ=2.20
これらのパラメータを以下の式:
RZ=[ENi+E][Tm+Tb]/[2.20ENi+E
で使用すると、
RZ=[1.91+2.20][1725+3173]/[2.20(1.91)+3.98]=2460.4K
となり、これは2187.4℃に相当する。したがって、上記説明によると、ψ=2.20で、TRZは、2187.4℃の15%以内(すなわち1859.29℃〜2515.51℃の範囲内)となる必要がある。ニッケルの融点温度および沸点温度(すなわち、1452℃および2900℃)を使用してT≦TRZ<Tの要求も満たす必要があることも留意されたい。
しかし、以上は単にこの反応の代表的な実施形態である。前出の表2に示されるようにψは2.12〜2.27の間の範囲の値を有するので、この反応の適切な反応温度TRZは、より厳密に規定すると2147.81℃〜2234.19℃(±15%)の範囲内となりうる。したがって、反応温度TRZは、1825.64℃の低い値または2569.32℃の高い値であってよく、ニッケル融点温度および沸点温度を使用してT≦TRZ<Tの要求も満たすことができる。
同様に、分子水素を還元剤として使用する無機フッ化物としての六フッ化硫黄の熱分解のために開発した式による熱還元反応の好ましい温度を決定するための例示的な方法では以下のパラメータを使用することができる。
六フッ化硫黄=SF6
硫黄[S] 無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質
硫黄の原子番号=16
硫黄の原子量=32.06
硫黄のTm=120℃+273=393K
硫黄のTb=444.6℃+273=717.6K
=2.58
=2.20
=3.98
ψ=2.20
以下の式:
RZ=[E+E][Tm+Tb]/[2.20E+E
を使用すると、
RZ=[2.58+2.20][393+717.6]/[2.20(2.58)+3.98]
RZ=549.8°K
これは276.8℃±15%に相当する。この温度は、硫黄の融点温度および沸点温度を使用してT≦TRZ<Tの要求も満たす。今回もψが2.12〜2.27の間の値の範囲を有する場合、266.68℃および288.79℃の範囲(端点を含む)の15%以内の反応温度も、この厳密なより厳密な範囲も硫黄の融点温度および沸点温度を使用してT≦TRZ<Tの要求を満たすので、適切となり本発明の範囲内となる。これは、反応ゾーンが気体−液体となることを示している。
さらなる例として、以下は、別の無機ハロゲン化物、および種々のハロゲンの平均ψ値を使用したTRZ計算値のさらなる例である。
モリブデン[Mo]の無機ハロゲン化物:
Mo=2.16
=2893K
=3973K
ハロゲン化モリブデンの群は:フッ化モリブデン(MoF)、たとえばMoF、MoF、およびMoF;塩化モリブデン(ΜoCl)、たとえばMoCl、MoCl、MoCl;臭化モリブデン(MoBr)、たとえばMoBr、MoBr、およびMoBr;ヨウ化モリブデン(ΜoI)、たとえばMoI、MoI、およびMoI;ならびにアスタチン化モリブデン(MoAt)、たとえばMoAt、MoAt、およびMoAtを含むことができる。
前出の式を適用すると:
RZ=[EMo+E][T+T]/[ψMo+E
RZ=4.36(6866)/[ψMo+E]=29935.8/[ψMo+E
種々の物質の場合で、以下のTRZ値(単位ケルビン)を計算することができる。これらの温度は、それぞれの値から273を引くことで摂氏温度に容易に変換することができる。
MoFx→TRZ=29935.8/8.732=3428.3K
MoClx→TRZ=29935.8/9.683=3091.6K
MoBrx→TRZ=29935.8/9.915=3019.2K
MoIx→TRZ=29935.8/10.263=2916.9K
MoAtx→TRZ=29935.8/10.797=2772.6K
タングステン[W]の無機ハロゲン化物:
=2.36
=3643K
=6173K
ハロゲン化タングステンの群は:フッ化タングステン(WF)、たとえばWF、WF、およびWF;塩化タングステン(WCl)、たとえばWCl、WCl、WCl;臭化タングステン(WBr)、たとえばWBr、WBr、およびWBr;ヨウ化タングステン(WI)、たとえばWI、WI、およびWI;ならびにアスタチン化タングステン(WAt)、たとえばWAt、WAt、およびWAtを含むことができる。
前出の式を適用すると:
RZ=[E+E][T+T]/[ψ+E
RZ=4.56(9816)[ψ+E]=44760.96/[ψ+E
種々の物質の場合で、以下のTRZ値(単位ケルビン)を計算することができる。これらの温度は、それぞれの値から273を引くことで摂氏温度に容易に変換することができる。
WFx→TRZ=44760.96/9.172=4880.17K
WClx→TRZ=44760.96/10.287=4351.2K
WBrx→TRZ=44760.96/10.559=4239.12K
WIx→TRZ=44760.96/10.967=4081.42K
WAtx→TRZ=44760.96/11.593=3861.0K
テルル[Te]の無機ハロゲン化物:
Te=2.10
=725K
=1623K
ハロゲン化テルルの群は:フッ化テルル(TeF)、たとえばTeF、TeF、およびTeF;塩化テルル(TeCl)、たとえばTeCl、TeCl、TeCl;臭化テルル(TeBr)、たとえばTeBr、TeBr、およびTeBr;ヨウ化テルル(TeI)、たとえばTeI、TeI、およびTeI;ならびにアスタチン化テルル(TeAt)、たとえばTeAt、TeAt、およびTeAtを含むことができる。
前出の式を適用すると:
RZ=[ETe+E][T+T]/[ψTe+E
種々の物質の場合で、以下のTRZ値(単位ケルビン)を計算することができる。これらの温度は、それぞれの値から273を引くことで摂氏温度に容易に変換することができる。
TeFx→TRZ=4.3(2348)/8.6=1174K
TeClx→TRZ=10096.4/9.502=1062.5K
TeBrx→TRZ=10096.4/9.722=1038.5K
TeIx→TRZ=10096.4/10.052=1004.4K
TeAtx→TRZ=4.30[2348]/l0.558=956.3K
チタン[Ti]の無機ハロゲン化物:
Ti=1.54
=2073K
=3273K
ハロゲン化チタンの群は:フッ化チタン(TiF)、たとえばTiF、TiF、およびTiF;塩化チタン(TiCl)、たとえばTiCl、TiCl、TiCl;臭化チタン(TiBr)、たとえばTiBr、TiBr、およびTiBr;ヨウ化チタン(TiI)、たとえばTiI;ならびにアスタチン化チタン(TiAt)を含むことができる。
前出の式を適用すると:
RZ=[ETi+E][T+T]/[ψTi+E
RZ=[1.54+2.2][2073+3273]/[ψTi+E
種々の物質の場合で、以下のTRZ値(単位ケルビン)を計算することができる。これらの温度は、それぞれの値から273を引くことで摂氏温度に容易に変換することができる。
TiFx→TRZ=[3.74][5346]/[2.20(1.54)+3.98]=2568.5K
TiClx→TRZ=18924.8/7.81=2423.2K
TiBrx→TRZ=18924.8/7.919=2390K
TiIx→TRZ=18924.8/8.081=2342K
TiAtx→TRZ=18924.8/8.329=2272.1K
以上の例に加えて、2種類以上のハロゲン化物種を含有する無機ハロゲン化物を還元する場合は、反応温度TRZは、より大きな電気陰性度値(PES)を有する存在するハロゲン化物種に基づいて計算することができる。無機ハロゲン化物のハロゲン化物元素の最大電気陰性度値の選択は、混合物の溶融流中の固体の存在を防止するのに役立つ。
また、分子水素を少なくとも1種類の還元剤として使用する複数の無機ハロゲン化物の還元の場合、反応温度TRZは、最大電気陰性度値(PES)を有するハロゲンを含有する無機ハロゲン化物に関する情報に基づいて計算することができる。したがって、TRZの式中に使用される融点温度および沸点温度は、最大電気陰性度を有するハロゲンを含有する無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の温度となる。また、TRZの式中に使用される電気陰性度およびψの値は、最大電気陰性度を有するハロゲンの値となる。
同様に、分子水素を還元剤として使用せずに複数の無機ハロゲン化物を還元する場合(すなわち1種類以上の無機金属元素および/または無機水素化物、またはそれらの組み合わせのみを使用する場合)、反応温度は、最大電気陰性度を有するハロゲンを有する無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の融点以上、最大電気陰性度を有するハロゲンを有する無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の沸点未満に維持される。
他の制御変数としては、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の質量または濃度、分圧、ならびに全圧を挙げることができる。
温度および濃度は、反応速度の制御における重要な2つの変数である。特に、還元剤の濃度および反応ゾーンの温度は、反応速度の調整のため、場合によっては、反応を逆方向にさらに進めるために使用することができる。
反応速度は、温度上昇とともに増加させることができる。これは分子運動論から容易に説明される。系の温度が上昇すると、分子の平均速度が増加し、単位時間当たりの分子間の衝突が増加する。さらに、温度が上昇すると、より多くの分子が、衝突したときに反応を引き起こすのに必要な最小エネルギーを得る。言い換えると、より高い温度では、より多くの分子が、原子または基を互いに維持する結合を破壊するエネルギーを獲得し、したがって他の分子の結合が可能となる。多くの反応では、温度が上昇すると、温度変化によって「活性化した」分子(すなわち、必要な活性化エネルギーを有する分子)の数が増加するので、反応速度が増加すると思われる。
一定温度では、混合物中の特定の反応の速度は、反応する物質の濃度の影響も受けることがある。反応する物質の濃度の増加に伴う反応速度の増加も、分子運動論から容易に説明される。反応する物質のすべてまたはいずれかの濃度が増加すると、単位体積当たりにより多くの数の分子が存在するため、分子間の衝突の確率が増加する。単位体積当たりのより多い衝突によって、反応速度が増加する。
分圧を制御することもできる。代表的な一実施形態においては、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の分圧は1気圧未満であってよい。また、分子水素の分圧は、反応温度において、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の分圧の1〜9倍の範囲内であってよい。したがって、たとえば、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の分圧が0.5気圧である場合、全圧は約5気圧であってよい。全圧は、系中のすべての気体成分のすべての分圧の合計の関数となる。
RZにおける分圧は、その化学種の沸点温度に基づいて求めることができる。たとえば、前述のように計算した反応温度TRZにおけるニッケル元素の分圧を求めるためには、以下の分析に依拠することができる:Niの沸点=2900℃の場合、2900℃におけるニッケルの蒸気圧は1気圧または760torrである。この情報に基づくと、TRZ<Tbの場合、P RZ<P ともなる。したがって、TRZがニッケルの沸点未満の場合、TRZにおけるNiの分圧も1気圧または760torr未満となる。これは、TRZにおいて少なくとも1種類の成分が気体であり、少なくとも1種類の成分が液体であり、系は、HF[760torrにおける沸点20℃]を凝縮させることによって約1気圧[760torr]の全圧に維持できることを意味する。
分子水素は気体であり、ハロゲン化水素は蒸気または過熱された蒸気の場合があり、無機ハロゲン化物から得られる遊離の非ハロゲン無機物質は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の融点より高いTRZにおいて液体である。反応ゾーン中の系は気相、蒸気相、液相、および固相からなることができる。反応性を制御下に維持し、反応ゾーン中の乱流を維持するために、水素ガスは窒素、ヘリウム、またはアルゴンなどの不活性ガスとブレンドすることができる。無機ハロゲン化物の遊離の非ハロゲン無機物質とハロゲン化水素との間の逆反応を防止するために、反応ゾーンからの無水ハロゲン化水素の分離または除去が必要となる場合がある。無水ハロゲン化水素は、凝縮させて液体として容器中に収集して、無機ハロゲン化物のあらゆる非ハロゲン無機物質と接触しないようにすることができる。
気相中の成分の質量または濃度は、その分圧に比例する。
この方法で得られる反応生成物は、1種類以上の無水ハロゲン化水素および1種類以上の非ハロゲン無機物質を含むことができる。この方法が水および酸素を含まないことに留意されたい。反応中に生成されるあらゆる無水ハロゲン化水素は、無機ハロゲン化物の還元から直接回収することができる。
分子水素を還元剤として使用する場合に還元反応をより十分に制御するために、1種類以上の不活性ガス中にさらに混合することができる。代表的な一実施形態においては、還元性分子水素ガスは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素の1種類以上と混合することができる。不活性ガス中に還元剤を混合することによって、気体混合物中の水素濃度をより容易に減少または増加させることができる。混入される追加の気体種がプロセス中に依然として不活性を維持するのであれば、同じ技法を別の気体還元剤とともに使用することもできる。
熱還元反応器中の温度は、温度制御装置を用いて設定することができる。代表的な一実施形態においては、冷却手段および加熱手段を使用して、熱還元反応器中の温度を設定することができる。
別の一態様においては、実施形態は、同じ群のさらに1種類の無機ハロゲン化物を還元するための熱還元反応器を提供する。たとえば、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質としての窒素は無機フッ化物の群を形成する。フッ化窒素の群は、三フッ化窒素[NF]、四フッ化二窒素[N]、および二フッ化二窒素[N]などの分子からなる。別の例は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質として、無機フッ化物の群を形成する硫黄である。フッ化硫黄の群は、六フッ化硫黄[SF]、四フッ化硫黄[SF]、および二フッ化硫黄[SF]などの分子からなる。本発明の熱還元方法は、同じ群の1つまたはすべてのフッ化物分子に使用することができる。これは、他のハロゲン化物の場合も同様に行うことができる。たとえば、三塩化窒素、四塩化二窒素、および二塩化二窒素が例として挙げられる。同様の群は、無機臭化物、無機ヨウ化物、および無機アスタチン化物の場合にも存在しうる。
代表的な実施形態:
以下の議論では、本発明が対象とする一連の代表的な反応機構を提供する。これらは単に例であり、本発明がこれらの代表的な実施形態に限定されると見るべきではないことに留意すべきである。
以下の無機フッ化物は、非ハロゲン無機物質および無水ハロゲン化水素(これらの場合は無水フッ化水素)の生成のために以下にさらに議論する代表的な無機ハロゲン化物として提供される:六フッ化硫黄、三フッ化窒素、六フッ化タングステン、および六フッ化ウラン。
以下の還元剤は、前述の本発明を行うために使用できるさらなる代表的な物質となる:分子水素、無機水素化物、および無機金属元素。
使用できるさらなるフッ化硫黄の群は、四フッ化硫黄、六フッ化硫黄、フッ化スルフリルなどを含む。同様に、さらなるフッ化窒素の群は、三フッ化窒素、テトラフルオロヒドラジン、二フッ化二窒素などであってよい。
無機フッ化物の各群は、ある範囲の温度および圧力下で熱還元反応器中で分子水素を用いて処理することができ;このような範囲は、その群の非ハロゲン無機物質の関数となる。
熱還元反応器は、過剰の分子水素ガスを用いて運転することができる。水素濃度は、無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の関数となる。
六フッ化硫黄の場合、還元剤の1つは分子水素または硫化水素であってよい。
SF+3H→6HF+S
SF+3HS→6HF+4S
三フッ化窒素の場合、使用できる還元剤の1つは分子水素およびアンモニア[NH]である。
2NF+3H→N+6HF
NF+NH→3HF+N
アンモニアとフッ化水素とが接触すると、フッ化アンモニウムが生成する。三フッ化窒素と水素との反応によって超高純度の無水フッ化水素が生成する。
2NF+3H→N+6HF
六フッ化タングステンの場合、還元剤は分子水素であってよく、その気相反応は:
WF+3H→W+6HF
である。
六フッ化ウランの場合、還元剤は、分子水素、およびウランの電気陰性度値1.38よりも小さい電気陰性度値を有するあらゆる無機金属元素、たとえばカルシウムであってよい。その反応機構は以下の通りである。
UF[気体]+H[気体]→UF[s]+2HF(気体Uの危険性が防止される)
UF[s]+Ca[s]→U+2CaF[s](元素Uの生成)
塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびアスタチン化物などの無機ハロゲン化物の場合のさらなる代表的な実施形態も以下に提供される。
CoAt+Ca→Co+CaAt
MoAt+6Na→Mo+6NaAt
PdCl+6Li→Pd+6LiCl
WBr+4K→W+4KBr
本発明の意図および範囲から逸脱することなく、本発明の種々の修正および変形を行えることは当業者には明らかであろう。したがって、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内となるのであれば、本発明が、本発明の修正形態および変形形態を含むことが意図される。

Claims (20)

  1. 無水ハロゲン化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質の合成方法であって:1種類以上の無機ハロゲン化物を少なくとも1種類の還元剤と完全に反応させて、無水ハロゲン化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質を生成するステップを含む、方法。
  2. 前記少なくとも1種類の還元剤が、分子水素、無機水素化物、および無機金属元素の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1種類の還元剤が、前記無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じである非水素無機物質を有する無機水素化物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1種類の還元剤が分子水素および無機金属元素を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が無機フッ化物を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が、無機塩化物、無機臭化物および無機ヨウ化物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1種類の還元剤が分子水素を含み、反応ゾーン温度が以下の式:
    RZ=[E+E][T+T]/[ψ+E
    (式中、TRZは、前記反応ゾーンの温度であり;
    は、前記無機ハロゲン化物の前記非ハロゲン無機物質のケルビンの単位での融点であり;
    は、前記無機ハロゲン化物の前記非ハロゲン無機物質のケルビンの単位での沸点であり;
    は、前記無機ハロゲン化物の前記非ハロゲン無機物質のPESであり;
    は、水素のPESであり;
    は、前記無機ハロゲン化物中のハロゲンのPESであり;
    ψは、以下の式:
    Σ=ψ+E
    (式中、6.10≦Σ≦6.25である)
    によって決定される範囲から選択される値である)
    を使用して求められる温度の15%以内である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が六フッ化硫黄を含み、前記少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質が元素硫黄を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が三フッ化窒素を含み、前記少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質が窒素を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が六フッ化タングステンを含み、前記少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質が元素タングステンを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記1種類以上の無機ハロゲン化物が六フッ化ウランを含みであり、前記少なくとも非ハロゲン無機物質が元素ウランを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 無水フッ化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質の合成方法であって:1種類以上の無機フッ化物を1種類以上の還元剤と反応させて、無水フッ化水素および少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質を生成するステップを含む、方法。
  13. 前記1種類以上の還元剤が、分子水素、無機水素化物、および無機金属元素の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記1種類以上の還元剤が分子水素および元素カルシウムを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記反応が熱還元反応であり、前記少なくとも1種類の還元剤が分子水素を含み、反応ゾーン温度が以下の式:
    RZ=[E+E][T+T]/[ψ+E
    (式中、TRZは、前記反応ゾーンの温度であり;
    は、前記無機フッ化物の前記非ハロゲン無機物質のケルビンの単位での融点であり;
    は、前記無機フッ化物の前記非ハロゲン無機物質のケルビンの単位での沸点であり;
    は、前記無機フッ化物の前記非ハロゲン無機物質のPESであり;
    は、水素のPESであり;
    は、フッ素のPESであり;
    ψは、以下の式:
    Σ=ψ+E
    (式中、6.10≦Σ≦6.25である)
    によって決定される範囲から選択される値である)
    を使用して求められる温度の15%以内である、請求項12に記載の方法。
  16. ψが2.20であり、前記熱還元反応が熱還元反応器中で行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記1種類以上の無機フッ化物が六フッ化ウランを含み、前記1種類以上の還元剤が分子水素および元素カルシウムを含み、前記少なくとも1種類の非ハロゲン無機物質が元素ウランである、請求項12に記載の方法。
  18. 無機ハロゲン化物の還元方法であって、1種類以上の無機ハロゲン化物を1種類以上の還元剤と反応させて、前記無機ハロゲン化物の少なくとも1種類の完全に還元された非ハロゲン無機物質を得るステップを含み、前記1種類以上の還元剤が、無機水素化物、無機金属元素、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
  19. 前記1種類以上の還元剤が、前記無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質と同じである非水素無機物質を含む無機水素化物を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記1種類以上の還元剤が、前記無機ハロゲン化物の非ハロゲン無機物質の電気陰性度より小さい電気陰性度を有する非水素無機物質を含む、請求項19に記載の方法。
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