JP2015526542A - ジエン系ポリマーラテックスの水素化 - Google Patents

ジエン系ポリマーラテックスの水素化 Download PDF

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Abstract

本発明は、いかなる有機溶媒もなしにルテニウムまたはオスミウム系錯体触媒を使用して、水性媒体中のジエン系ポリマー粒子の懸濁液を意味するラテックス形態で存在するジエン系ポリマー中の炭素-炭素二重結合を、選択的に水素化する新規な方法を提供する。

Description

本発明は、ルテニウム系またはオスミウム系メタセシス触媒を、いかなる有機溶媒もなしで使用して、ラテックス形態(これは水性媒体中のジエン系ポリマー粒子の懸濁液を意味する)で存在するジエン系ポリマー中の炭素-炭素二重結合を選択的に水素化する方法に関する。
ポリマー中の炭素-炭素二重結合は、有機溶液中で種々の触媒の存在下にポリマーを水素により処理して首尾よく水素化することができることが知られている。そのような方法は、水素化される二重結合に選択的であることができて、その結果、例えば、芳香族基またはナフテン基中の二重結合は水素化されず、炭素と窒素または酸素などの他の原子との間の二重もしくは三重結合も影響されない。この技術分野では、例えばコバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、およびイリジウムに基づくそのような水素化に適当な触媒の多くの例を包含する。触媒が適当であるか否かは、必要とされる水素化の程度、水素化反応の速度ならびにポリマー中におけるカルボキシル基およびニトリル基などの他の基の在不在に依存する。
ジエン系ポリマーの水素化は、例えば、US-A-6,410,657、US-A-6,020,439、US-A-5,705,571、US-A-5,057,581、およびUS-A-3,454,644に開示されているように、ポリマーが有機溶媒中に溶解していれば、非常に好結果であった。
しかしながら、多くのジエン系のポリマー、コポリマーまたはターポリマーは、乳化重合法により作製され、それ故、それらが重合反応装置から排出されるとき、一般的に、乳化剤の安定化効果により水性媒体中に懸濁したポリマー粒子として、ラテックス形態で得られる。それ故、前記ラテックス形態にあるジエン系ポリマーを直接水素化することは非常に望ましく、最近10年間にそのような直接水素化に費やされる努力は増加している。
これまで、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体を還元剤として酸素、空気または過酸化水素などの酸化性物質と一緒に使用するC=C結合の水素化に大きな関心が払われてきた。その場合、C=C結合を飽和させる水素供給源は、ジイミドも中間体として形成されるレドックス反応の結果として、その場で発生する。
US-A-4,452,950において、ラテックスの水素化は、ジイミドをその場で生成するヒドラジン水和物/過酸化水素(または酸素)レドックス系を使用して行われる。CuSO4またはFeSO4が触媒として使用される。
US-A-5,039,737およびUS-A-5,442,009は、ジイミド手法を使用してラテックスを水素化する最中にまたはその後に形成される架橋したポリマー鎖を切断するために、水素化されたラテックスをオゾンで処理する、より洗練されたラテックス水素化法を提供している。
US-A-6,552,132には、特定の化合物が、ラテックスの水素化の前、最中または後に添加されれば、それは、ジイミド水素化経路を使用する水素化中に形成された架橋を切断することに役立つことが開示されている。特定の化合物は、第一級または第二級アミン、ヒドロキシルアミン、イミン、アジン、ヒドラゾンおよびオキシムから選択することができる。
US-A-6,635,718には、水性分散液の形態にある不飽和ポリマーのC=C結合を、少なくとも4の酸化状態にある金属原子[例えば、Ti(IV)、V(V)、Mo(VI)およびW(VI)]を含有する金属化合物の触媒としての存在下において、ヒドラジンおよび酸化性化合物を使用することにより水素化する方法が記載されている。
Applied Catalysis A-General Vol. 276、no. 1-2、2004、123-128およびJournal of Applied Polymer Science Vol. 96、no. 4、2005、1122-1125に、ニトリルブタジエンゴムラテックスのジイミド水素化経路による水素化に関する詳細な研究が提示され、それは、水素化の効率および水素化率の検討を網羅している。ラテックス粒子の内部の相およびポリマー相内で副反応があり、それが、ラテックス形態にあるポリマーの架橋を開始させる基を発生させることが見出された。ラジカルスカベンジャーの使用は、ゲル形成の程度を抑制する助けになることに何の証拠も示さなかった。
架橋を減少させるために開発された方法はあるけれども、上記のジイミド経路はそれでも、高い水素化変換率が達成される場合には特に、ゲル形成の問題に遭遇する。それ故、生じる水素化されたゴム塊は、その巨視的3次元の架橋構造の故に、加工処理が困難であるかまたはさらに使用することに適さない。
US-A-5,272,202には、パラジウム化合物である水素化触媒の存在下で、不飽和のニトリル基含有ポリマーの炭素-炭素二重結合を水素により選択的水素化する方法が記載されている。この方法においては、ニトリル基含有不飽和ポリマーの水性エマルションを水素化し、それに加えてポリマーを溶解または膨潤させることができる有機溶媒を、水性エマルション対有機溶媒1:1から1:0.05の範囲内の体積比で使用する。水性エマルションは、乳化状態を保ちながら気体のまたは溶解した水素と接触させられる。
US-A-6,403,727には、ポリマー中のエチレン性不飽和二重結合を選択的に水素化する方法が開示されている。前記方法は、ポリマーと水素とを、ロジウムおよび/またはルテニウムの塩および錯体化合物から選択される少なくとも1種の水素化触媒の存在下で、20体積%までの有機溶媒を含むポリマーの水性懸濁液中で反応させることを含む。適当なロジウム含有触媒は、式RhXmL3L4(L5)nのロジウムホスフィン錯体であり、ここで、Xは、ハロゲン化物、カルボン酸のアニオン、アセチルアセトネート、アリール-もしくはアルキルスルホネート、水素化物またはジフェニルトリアジンアニオンであり、L3、L4およびL5は、独立に、CO、オレフィン、シクロオレフィン、ジベンゾホスホール、ベンゾニトリル、PR3またはR2P-A-PR2であり、mは、1または2であり、およびnは0、1または2であるが、ただし、L3、L4またはL5の少なくとも1つは、式PR3またはPR2-A-PR2の上記のリン含有リガンドの1つであり、Rは、アルキル、アルキルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アリールまたはアリールオキシである。US-A-6,566,457では、グラフトポリマーを調製するために、ラテックス形態にあるポリマーをルテニウムおよび/またはロジウムを含有する触媒の存在下で水素化する同じ主な技法が使用される。
JP2001-288212には、ジエン系ポリマーラテックスを水素化するさらなる方法が記載されている。2-クロロ-1,3-ブタジエン(コ)ポリマーのラテックスが、(コ)ポリマーを溶解または膨潤する有機溶媒中の触媒の溶液または分散液と混合されて、次に水素と接触させられる。使用される触媒は、式MeCla(P(C6H5)3)bを有するいわゆるウィルキンソン触媒であり、式中、Meは、遷移金属であり、Clは塩素であり、bは整数でありかつ1以上、およびa+bは、6以下の整数である。実施例において、-42℃のTgおよび150,000の数平均分子量Mnを有するポリ(2-クロロ-1,3-ブタジエン)ゴムのラテックスを、RhCl(PPh3)3およびPh3Pを含有するトルエン溶液に加えて、100℃および5.0MPaで2時間水素化し、Tg= -54℃およびMn=120,000の水素化されたポリマーが得られた。
Journal of Applied Polymer Science、Vol. 65、no. 4、1997、667-675には、ニトリル-ブタジエンゴム(「NBR」)エマルション中のC=C結合の選択的水素化のための2通りの方法が記載されており、それらの方法は、幾つかのRuCl2(PPh3)3錯体触媒の存在下で実施される。方法の1つは均一系で実施され、該方法では、NBRポリマーおよび触媒を溶解することができてエマルションと相溶性である有機溶媒が使用される。不均一な系において別の方法は実施され、その場合は、触媒を溶解することができてかつポリマー粒子を膨潤させることができるが、水性エマルション相と混和できない有機溶媒が使用される。両方の方法ともポリマーを溶解または膨潤させる一定量の有機溶媒を添加してC=C二重結合の定量的水素化を実現することができる。
US-A-6,696,518により、ルテニウムおよび/またはロジウムならびに遷移金属と配位結合化合物を形成し得る少なくとも1種の非イオン性リン化合物を含む少なくとも1種の水素化触媒の存在下における水素によるポリマー中の非芳香族C=CおよびC≡C結合の選択的水素化のための方法が教示され、その方法においては、水素化触媒が溶媒を添加せずにポリマーの水性分散液中に組み込まれる。Ruおよび/もしくはRu錯体またはRuおよび/もしくはRu塩が、触媒として使用される。好ましい非イオン性リン化合物の例は、PR3またはR2P(O)xZ(O)yPR2である[Rは、例えばC1〜10アルキル、C4〜12シクロアルキル、C1〜10アルコキシ、アリール(オキシ)およびFを表し;Zは二価炭化水素残基であり;x、y=0、1である]。この特別な場合として、アクリル酸-ブタジエン-スチレンコポリマーラテックスが、ルテニウム(III)トリス-2,4-ペンタンジオネートも含有するモノマーの混合物のラジカル重合により調製され、それは、Ru塩が、重合前に触媒前駆体としてモノマー水性溶液中に分散されたことを意味する。水性ポリマー分散液が得られた後、Bu3Pがラテックスに添加された。この系は周囲温度で16時間撹拌され、続いて厳しい条件で30時間150℃および280バールで水素化された。触媒は、それにより、その場で合成され、それ故、有機溶媒が触媒を輸送するために使用されることはなかった。水素化は、その場で合成された触媒が油溶性であるにも拘わらず、有機媒体中でなく水性分散液中で実施される。しかしながら、US-A-6,696,518の作業手順、即ち重合が起こる前に触媒前駆体をモノマー混合物に添加することは、触媒前駆体は重合に対して負の効果を有し得ることおよび触媒前駆体の一部は重合中に失活する可能性があることを含む、若干の問題を伴う。
J. Molecular Catalysis Vol. 123、no. 1、1997、15-20に、ポリブタジエン(PBD)、ならびにエマルション中に存在する、スチレン-ブタジエン反復単位(SBR)を有するかまたはニトリル-ブタジエン反復単位(NBR)を有するポリマーの水素化について報告されている。そのような水素化は、例えば[RhCl(HEXNa)2]2(HEXNa=Ph2P-(CH2)5-CO2Na)およびRhCl(TPPMS)3(TPPMS=モノスルホン化されたトリフェニルホスフィン)などの水溶性ロジウム錯体により触媒される。該方法は、しかしながら、若干の有機溶媒の存在下で実施される。使用される条件下で触媒は、反応中に有機相中に抽出される。このことは、両親媒性HEXNaリガンドにより与えられた錯体の相間移動性に帰せられる。
Rubber Chemistry and Technology Vol. 68、no. 2、1995、281-286には、ウィルキンソン触媒の水溶性アナログ、即ち、RhCl(TPPMS)3(ここで、TPPMSはモノスルホン化トリフェニルホスフィンを表す)を、いかなる有機溶媒もなしでニトリルゴムラテックスの水素化のために使用することが記載されている。水素化は、緩和な条件で(1気圧の水素圧、75℃)ラテックスの凝集なしに起こり、60パーセントまでの水素化を達成することができる。水素化はラテックスのゲル含有率の増大を伴ったことが認められている。
JP2003-126698には、VIII族の金属またはそれらの化合物および親水性有機ホスフィンリガンドを含有する水溶性触媒を使用して、有機溶媒不在で、不飽和ポリマーラテックスを水素化する方法が開示されている。実施例で開示された方法では、0.133mmol(Rhとして)のクロロ(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムダイマーを0.372mmolのP(C6H4SO3Na)3と共に撹拌して錯体触媒の水性溶液を発生させた。1部のそのような触媒溶液を5部のブタジエンゴムラテックスと有機溶媒なしで水素化のために混合した。しかしながら、最高の水素化率は約56%に過ぎず、それより大きい生産量のためのスケールアップには不満足である。
Journal of Molecular Catalysis, A: Chemical、Vol 231、no. 1-2、2005、93-101に、水溶性Rh/TPPTS錯体を使用することにより、ポリブタジエン-1,4-ブロック-ポリ(エチレンオキシド)(PB-b-PEO)の水性相水素化を行うことが報告されている。水素化は、PB-b-PEOが水溶性部分をそのポリマー鎖内に有するという理由だけで成功し得る。そのような水素化系においては、両親媒性のPB-b-PEOを、添加されたカチオン性界面活性剤の塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAC)およびn-ヘキサンと混合することにより、混合ミセルが形成される。水素化変換率は、その場でRhCl3・3H2OとTPPTSとから80ないし100℃および20バールのH2で発生させたRh/TPPTS錯体(水性相中で[Rh]=10ppm以下)により触媒された1時間後に、100%まで進行することができる。それらの回収再使用実験は、アニオン性触媒系Rh/P(C6H4-m-SO3-)3の触媒活性が、引き続く実験でも高く保たれたことを示した。この水素化系の上首尾は、PB-b-PEOが両親媒性の出発材料であるという事実に主として基づく。それ故、水溶性触媒は、両親媒性ポリマー材料を有する系のために役立つ。
まとめると、ヒドラジンまたはヒドラジンの誘導体を酸素、空気または過酸化水素などの酸化性物質と一緒に還元剤として使用すること、ある量の有機溶媒と共に油溶性触媒を直接使用すること、および水溶性リガンドを含有する触媒を使用することを含む、数通りの技術的経路が、ラテックスの形態にあるポリマー中のC=C二重結合を水素化するために試みられた。ヒドラジンが関連する経路は、高い水素化変換率が必要でゲル形成が後の加工処理作業のために望ましくない場合に特に、重大なゲル形成問題に遭遇した。油溶性触媒の使用に関連する全ての先行技術の参考文献において、適度の水素化速度を達成するために、ある量の有機溶媒が依然必要とされている。水溶性触媒を使用する経路も、架橋問題の克服において大きい困難に遭遇した。
US2006/0211827A1には、ニトリル-ブタジエンゴムラテックスを有機溶媒なしで選択的に水素化する方法が開示され、それには、RhCl(PPh3)3が触媒として使用され、PPh3が助触媒として使用される。触媒は、純粋材料としてまたは少量の有機溶媒中で添加される。この方法は、高い水素化率を達成することができてゲル形成を示さない。しかしながら、この方法では、触媒の合成のために、長い反応時間および遷移金属の高い装荷が必要になる。Zhenli Weiらは、Macromol. Rapid Commun. Vol 26、2005、1768-1772において、NBRラテックス水素化における触媒の活性は、それが不均一な水性ミセル系にあったので非常に低かった(TOF<28h-1)ことを報告した。
EP2075263A1では、RhCl(PPh3)3を、水溶性ロジウム塩からその場で合成された触媒としてPPh3と一緒に使用する、NBRラテックスの水素化のための方法が開示された。この研究の動機は、ジエン系ポリマーラテックスの直接水素化のために改善された技法を開発することであった。RhCl(PPh3)3は、予め作製された固体触媒を使用せずにその場で合成することができたが、NBRラテックスにおける低い触媒合成効率は、その水素化の活性に大きく影響した。
最近10年間に、ルテニウムカルベン錯体が、例えば、T. M. Trnka, R. H. Grubbs、Acc. Chem. Res. 2001、34、18による、オレフィンのメタセシスにおいて、広範囲の用途を見出した。同時に、これらの触媒は、水素化反応のためにも効果的な触媒であることが示された。Grubbs-タイプのルテニウムカルベン錯体RuCl2(=CHR)(PR'3)2のみを触媒として使用するタンデムメタセシス-水素化法が開発された。例えば、McLainらは、Proc. Am. Chem. Soc; Div. Polym. Mater. Sci. Eng. 1997、76、246において、RuCl2(=CHCH=CPh2)(PCy3)2を使用するエステルで官能化されたシクロオクテンのROMPに続いて、水素化を適用してROMP反応を135℃で完結させることによる、エチレン/メチルアクリレートコポリマーの合成を報告した。Dixneufらは、Green Chemistry、2009、11、152において、エステルおよびアクリロニトリルのタンデムメタセシス水素化およびアルデヒドの交差メタセシス水素化によりニトリル酸誘導体およびアルコールを合成した。
合成ゴムメタセシスの幾つかの科学的研究が文献で報告されているが、そのような報告は、主としてメタセシス分解を包含していた。例えば、Dimitry F. Kutepovらは、J. Mol. Catal. 1982、15、207において、シス-ポリイソプレンの低分子量オリゴマーへのメタセシスシクロ分解を開示し、直鎖状シス-オリゴマーを生じるシス-ポリイソプレンの直鎖状オレフィンとのコメタセシスを、触媒としてW[OCH(CH2Cl)2]2Cl4-AlEt2Cl-アニソールを使用して実施した。
W. B. Wagenerらは、Macromolecules 2000、33、1494において、十分に精製されたルテニウム触媒、Cl2(Cy3P)2RuCHPhが、室温で、高分子量の固体1,4-ポリブタジエンの完全なメタセシス解重合を起こさせたことを報告した。
J-F. Pilardらは、Macromol. Chem. Phys.、2005、206、1057において、第1および第2世代のGrubbs触媒を使用してシス-1,4-ポリイソプレンの分解を検討し、室温で有機溶媒およびラテックス相の両方において、端部が官能化されたアセトキシオリゴマーを得たことを報告した。十分に精製されたアセトキシテレケリックポリイソプレン構造が、およそ2.5の多分散性指標の10,000から30,000のMnの範囲で選択的様式で得られた。
WO2002/100941A1に、水素化されたニトリルゴムを有機溶媒中で調製する方法が開示されている。反応の一実施形態において、ニトリルゴムは、第1工程でメタセシス分解にかけられる。そのようなメタセシスは、有機溶液中で例えばGrubbs II触媒などの、少なくとも1種のカルベンリガンドを含有するルテニウムまたはオスミウム系錯体触媒を使用して行われ、初めのニトリルゴムの分子量の減少を達成する。しかしながら、次に第2工程において、分解されたニトリルゴムを単離せずに、反応混合物は水素で処理される。水素の存在下で、Grubb's II触媒は二水素化物錯体(PR3)2RuCl2H2に変換され、該錯体はそれ自体オレフィンの水素化触媒として作用して高い水素化率を提供する。したがって、ワンポット反応で低分子の水素化されたニトリルゴムが得られ得る。しかしながら、この方法は、ニトリルゴムの有機溶液中で起こった。ニトリルゴムの調製は大抵水系乳化重合で実施されるので、そのようなタイプの反応では、重合後それをメタセシスおよび水素化にかける前にニトリルゴムを単離することが必要となり、それが方法全体としての工業的魅力を減少させる。
WO2005/080456Aに、同時に起こるニトリルゴムのメタセシス分解を伴うニトリルゴムの水素化による水素化されたニトリルゴムの調製が記載されている。そのような方法は、例えばGrubbs II触媒などの少なくとも1種のカルベンリガンドを含有するルテニウムまたはオスミウム系錯体触媒の存在下で、やはり有機溶媒中で実施される。この方法は、それ故、重合反応後にニトリルゴムを単離する必要に関して、WO2002/100941A1の方法と同じ欠点を有する。それに加えて、触媒の2つの異なる活性、即ちメタセシス活性および水素化活性を制御して、その結果、再現性ある分子量および水素化率で水素化されたニトリルゴムを得ることが困難になり得る。
US-A-6,410,657 US-A-6,020,439 US-A-5,705,571 US-A-5,057,581 US-A-3,454,644 US-A-4,452,950 US-A-5,039,737 US-A-5,442,009 US-A-6,552,132 US-A-6,635,718 US-A-5,272,202 US-A-6,403,727 US-A-6,566,457 JP2001-288212 US-A-6,696,518 JP2003-126698 US2006/0211827A1 EP2075263A1 WO2002/100941A1 WO2005/080456A WO-A-03/011455 DE-A4213967 DE-A4213968 EP-A567811 EP567812 EP567819 EP-A584458 EP-A327006 DE-A3834734 EP-A379892 DE-A4419518 DE-A4435422 DE-A4435423
Applied Catalysis A-General Vol. 276、no. 1-2、2004、123-128 Journal of Applied Polymer Science Vol. 96、no. 4、2005、1122-1125 Journal of Applied Polymer Science、Vol. 65、no. 4、1997、667-675 J. Molecular Catalysis Vol. 123、no. 1、1997、15-20 Rubber Chemistry and Technology Vol. 68、no. 2、1995、281-286 Journal of Molecular Catalysis, A: Chemical、Vol 231、no. 1-2、2005、93-101 Zhenli Weiら、Macromol. Rapid Commun. Vol 26、2005、1768-1772 T. M. Trnka, R. H. Grubbs、Acc. Chem. Res. 2001、34、18 McLainら、Proc. Am. Chem. Soc.; Div. Polym. Mater. Sci. Eng. 1997、76、246 Dixneufら、Green Chemistry、2009、11、152 Dimitry F. Kutepovら、J. Mol. Catal. 1982、15、207 W. B. Wagenerら、Macromolecules 2000、33、1494 J-F. Pilardら、Macromol. Chem. Phys.、2005、206、1057 Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、5th Edition、Volume A 21、pp 373-393 Houben Weyl、Methoden der organischen Chemie、Volumen XIV/1、Makromolekulare Stoffe、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1961、pp 192-208 Houben-Weyl、loc. Cit.、pp. 192-208
本発明の目的は、ラテックス形態で、即ち水性媒体中にジエン系ポリマー粒子の懸濁液として存在するジエン系ポリマー中の炭素-炭素二重結合を、有機溶媒を必要とせずに、高い触媒活性を示しそれ故水性懸濁液中に存在する水素化されたジエン系ポリマーを高い水素化率で非常に短い反応時間内に生じさせる触媒を用いて、選択的に水素化する方法を提供することであった。
本発明は、水性媒体中に懸濁液で存在するジエン系ポリマーを、一般式(A)
Figure 2015526542
(式中、
Mはオスミウムまたはルテニウムであり、
X1およびX2は、同一であるかまたは異なるアニオン性リガンドであり、
Lは、リガンド、好ましくは無電荷の電子供与体であり、
Yは、酸素(O)、イオウ(S)、N-R1基またはP-R1基であり、ここで、R1は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニル基であり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよく、
R2、R3、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、各々水素または有機もしくは無機の基であり、ならびに
R6は、水素またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアリール基である)
の触媒の存在下で水素化する工程を含み、一般式(A)のそのような触媒が、固体形態でジエン系ポリマーの水性懸濁液に添加されることを特徴とする、ジエン系ポリマー中の炭素-炭素二重結合を選択的に水素化する方法を提供する。
本発明の方法により、ジエン系ポリマー中の炭素-炭素二重結合の選択的水素化が可能になるが、芳香族基またはナフテン基中の二重結合は水素化されず、また、炭素と窒素または酸素などの他の原子との間の二重もしくは三重結合も影響されない。水素化は、短い反応時間内でかつ望まれていない架橋が原因で先行技術の方法で観察されたゲルの形成もなく、高い水素化率で行うことができる。有利でしかも非常に重要なことに、一般式(A)の触媒は、有機溶液中で使用された場合にポリマーの分子量低下を生じるそれらのメタセシス活性のために主として知られているのであるが、並行するメタセシス反応は観察されない。本発明の方法のさらなる利点は、一般式(A)の触媒が、固体として反応混合物に添加され得るという事実にあり、これは、有機溶媒が全く本発明による水素化中に使用される必要がなくまたは存在する必要がないことを意味する。それに加えて、さらなる助触媒も必要なく、好ましくは本発明の方法は、いかなる助触媒も存在せずに行われる。
本発明による方法において使用することができる触媒:
本発明による方法は、一般式(A)
Figure 2015526542
(式中、
Mはオスミウムまたはルテニウムであり、
X1およびX2は、同一であるかまたは異なるアニオン性リガンドであり、
Lは、リガンド、好ましくは無電荷の電子供与体であり、
Yは、酸素(O)、イオウ(S)、N-R1基またはP-R1基であり、ここで、R1は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニル基であり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよく、
R2、R3、R4およびR5は、同一であるかまたは異なり、各々水素または有機もしくは無機の基であり、ならびに
R6は、水素またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアリール基である)
を有する少なくとも1種の触媒の存在下で実施される。
そのような一般式(A)の触媒は、典型的には水不溶性である。本出願の関係において、「水不溶性」は、0.001質量部以下は100質量部の水中に24+/-2℃で完全に溶解することができることを意味し、それに対して、触媒は、0.5質量部を超えて100質量部の水に24+/-2℃で完全に溶解することができれば、「水溶性」と考えられる。
X1およびX2:
一般式(A)の触媒において、X1およびX2は、同一であるかまたは異なり、アニオン性リガンドを表す。
一般式(A)の触媒の一実施形態において、X1は、水素、ハロゲン、擬ハロゲン、直鎖もしくは分岐C1〜C30-アルキル、C6〜C24-アリール、C1〜C20-アルコキシ、C6〜C24-アリールオキシ、C3〜C20-アルキルジケトネート、C6〜C24-アリールジケトネート、C1〜C20-カルボキシレート、C1〜C20-アルキルスルホネート、C6〜C24-アリールスルホネート、C1〜C20-アルキルチオール、C6〜C24-アリールチオール、C1〜C20-アルキルスルホニルまたはC1〜C20-アルキルスルフィニルを表す。
X1の意味としてリストに挙げた上記の部分は、1つまたは複数のさらなる置換基により、例えばハロゲン、好ましくはフッ素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-アルコキシまたはC6〜C24-アリールにより置換されていてもよく、ここで、これらの基もまた、ハロゲン、好ましくはフッ素、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシおよびフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい。
好ましい実施形態において、X1は、ハロゲン、特にフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、ベンゾエート、C1〜C5-カルボキシレート、C1〜C5-アルキル、フェノキシ、C1〜C5-アルコキシ、C1〜C5-アルキルチオール、C6〜C14-アリールチオール、C6〜C14-アリールまたはC1〜C5-アルキルスルホネートである。
特に好ましい実施形態において、X1は、塩素、CF3COO、CH3COO、CFH2COO、(CH3)3CO、(CF3)2(CH3)CO、(CF3)(CH3)2CO、フェノキシ、メトキシ、エトキシ、トシレート(p-CH3-C6H4-SO3)、メシレート(CH3SO3)またはトリフルオロメタンスルホネート(CF3SO3)を表す。
L:
一般式(A)において、記号Lはリガンドを表し、好ましくは無電荷の電子供与体である。
リガンドLは、例えば、ホスフィン、スルホン化されたホスフィン、ホスフェート、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、チオエーテルまたはN-ヘテロシクロカルベンのリガンドであることができる。
- 用語「ホスフィナイト」は、例えば、フェニルジフェニルホスフィナイト、シクロヘキシルジシクロヘキシルホスフィナイト、イソプロピルジイソプロピルホスフィナイトおよびメチルジフェニルホスフィナイトを含む。
- 用語「ホスファイト」は、例えば、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ-tert-ブチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイトおよびメチルジフェニルホスファイトを含む。
- 用語「スチビン」は、例えば、トリフェニルスチビン、トリシクロヘキシルスチビンおよびトリメチルスチビンを含む。
- 用語「スルホネート」は、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、トシレートおよびメシレートを含む。
- 用語「スルホキシド」は、例えば、(CH3)2S(=O)および(C6H5)2S=Oを含む。
- 用語「チオエーテル」は、例えば、CH3SCH3、C6H5SCH3、CH3OCH2CH2SCH3およびテトラヒドロチオフェンを含む。
- 本出願の目的のために、用語「ピリジン系リガンド」は、例えば、WO-A-03/011455で言及された全てのピリジン系リガンドまたはそれらの誘導体に対する総称として使用される。用語「ピリジン系リガンド」は、したがって、ピリジンそれ自体、ピコリン(α-、β-およびγ-ピコリンなど)、ルチジン(2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-および3,5-ルチジンなど)、コリジン(即ち2,4,6-トリメチルピリジン)、トリフルオロメチルピリジン、フェニルピリジン、4-(ジメチルアミノ)-ピリジン、クロロピリジン、ブロモピリジン、ニトロピリジン、キノリン、ピリミジン、ピロール、イミダゾールおよびフェニルイミダゾールを含む。
Lがホスフィンを一般式(A)における電子供与性リガンドとして表す場合、そのようなホスフィンは、好ましくは一般式(IIf)
Figure 2015526542
(式中、
R12、R13およびR14は、同一であるかまたは異なり、さらにより好ましくは同一であり、C1〜C20アルキル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、またはネオフェニル、C3〜C8-シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル、C1〜C20アルコキシ、置換されたもしくは非置換のC6〜C20アリール、好ましくはフェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、トリル、2,6-ジメチルフェニル、またはトリフルオロメチル、C6〜C20アリールオキシ、環中に少なくとも1種のヘテロ原子を有するC2〜C20ヘテロアリール、環中に少なくとも1種のヘテロ原子を有するC2〜C20ヘテロシクリルまたはハロゲン、好ましくはフルオロを表すことができ;
Lが、一般式(IIf)のホスフィンを、一般式(A)または(B)における電子供与性リガンドとして表す場合、そのようなホスフィンは、好ましくは、PPh3、P(p-Tol)3、P(o-Tol)3、PPh(CH3)2、P(CF3)3、P(p-FC6H4)3、P(p-CF3C6H4)3、P(C6H4-SO3Na)3、P(CH2C6H4-SO3Na)3、P(イソプロピル)3、P(CHCH3(CH2CH3))3、P(シクロペンチル)3、P(シクロヘキシル)3、P(ネオペンチル)3またはP(ネオフェニル)3を表し、その場合Phはフェニルを意味し、Tolはトリルを意味する)を有する。
N-ヘテロシクロカルベンリガンドは、環中に存在するヘテロ原子として少なくとも1個の窒素を有する環状カルベンタイプのリガンドを表す。環は、環原子上に異なる置換パターンを示すことができる。好ましくはこの置換パターンは、ある程度の立体障害を提供する。
本発明の関係で、N-ヘテロシクロカルベンリガンド(この後「NHC-リガンド」と称する)は、好ましくはイミダゾリンまたはイミダゾリジン部分に基づく。
NHC-リガンドは、典型的には、一般式(IIa)から(IIe)
Figure 2015526542
(式中、
R8、R9、R10およびR11は同一であるかまたは異なり、水素、直鎖もしくは分岐C1〜C30-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C2〜C20-アルケニル、C2〜C20-アルキニル、C6〜C24-アリール、C7〜C25-アルカリール、C2〜C20ヘテロアリール、C2〜C20ヘテロシクリル、C1〜C20-アルコキシ、C2〜C20-アルケニルオキシ、C2〜C20-アルキニルオキシ、C6〜C20-アリールオキシ、C2〜C20-アルコキシカルボニル、C1〜C20-アルキルチオ、C6〜C20-アリールチオ、-Si(R)3、-O-Si(R)3、-O-C(=O)R、C(=O)R、-C(=O)N(R)2、-NR-C(=O)-N(R)2、-SO2N(R)2、-S(=O)R、-S(=O)2R、-O-S(=O)2R、ハロゲン、ニトロまたはシアノを表し;ここで、R8、R9、R10およびR11の意味に関して、上のものが現れる全ての場合、R基は同一であるかまたは異なり、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールを表す)に対応する構造を有する。
これらの式(IIa)から(IIe)において、ルテニウム金属中心に結合している炭素原子は、形式的にはカルベン炭素である。
適当ならば、R8、R9、R10、およびR11の1つまたは複数が、1つまたは複数の置換基、好ましくは直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C1〜C10-アルコキシ、C6〜C24-アリール、C2〜C20ヘテロアリール、C2〜C20ヘテロシクロ、ならびにヒドロキシ、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメートおよびハロゲンからなる群から選択される官能基により互いに独立に置換されていてよく、ここで、上記の置換基は、化学的に可能な程度に、好ましくは、ハロゲン、特に塩素または臭素、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシおよびフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されていてよい。
単に明瞭のために、本特許出願における一般式(IIa)および(IIb)に描かれたNHC-リガンドの構造は、そのようなNHC-リガンドについての文献にもしばしば見出される構造(IIa-(i))および(IIb-(i))とそれぞれ同等であり、NHC-リガンドのカルベンの特性を際立たせることを付け加えることができる。このことは、さらなる構造(IIc)から(IIe)ならびに下に描かれた関連する好ましい構造(IIIa)-(IIIu)に同様に適用される。
Figure 2015526542
一般式(A)の触媒における好ましいNHC-リガンドにおいて、
R8およびR9は同一であるかまたは異なり、水素、C6〜C24-アリール、より好ましくはフェニル、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキル、より好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、i-ブチルまたはtert-ブチルを表し、あるいはそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはアリール構造を形成する。
R8およびR9の好ましいおよびより好ましい意味は、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキルまたはC1〜C10-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキル、C6〜C24-アリール、ならびにヒドロキシ、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメートおよびハロゲンからなる群から選択される官能基からなる群から選択される1つまたは複数のさらなる置換基により置換されていてよく、ここで、全てのこれらの置換基は、好ましくは、ハロゲン、特に塩素または臭素、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシおよびフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されていてよい。
一般式(A)の触媒におけるさらに好ましいNHC-リガンドにおいて、
R10およびR11は同一であるかまたは異なり、好ましくは、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキル、より好ましくはi-プロピルまたはネオペンチル、C3〜C10-シクロアルキル、より好ましくはアダマンチル、置換されたもしくは非置換のC6〜C24-アリール、より好ましくはフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、または2,4,6-トリメチルフェニル、C1〜C10-アルキルスルホネート、またはC6〜C10-アリールスルホネートを表す。
R10およびR11のこれらの好ましい意味は、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキルまたはC1〜C10-アルコキシ、C3〜C8-シクロアルキル、C6〜C24-アリール、ならびにヒドロキシ、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カルバメートおよびハロゲンからなる群から選択される官能基からなる群から選択される1つまたは複数のさらなる置換基により置換されていてよく、ここで、全てのこれらの置換基は、好ましくは、ハロゲン、特に塩素または臭素、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシおよびフェニルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されていてよい。
一般式(A)の触媒におけるさらに好ましいNHC-リガンドにおいて、
R8およびR9は同一であるかまたは異なり、水素、C6〜C24-アリール、より好ましくはフェニル、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキル、より好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、およびi-ブチルを表し、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルもしくはアリール構造を形成し、ならびに
R10およびR11は同一であるかまたは異なり、好ましくは、直鎖もしくは分岐C1〜C10-アルキル、より好ましくはi-プロピルまたはネオペンチル、C3〜C10-シクロアルキル、より好ましくはアダマンチル、置換されたもしくは非置換のC6〜C24-アリール、より好ましくはフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、または2,4,6-トリメチルフェニル、C1〜C10-アルキルスルホネート、またはC6〜C10-アリールスルホネートを表す。
特に好ましいNHC-リガンドは、以下の構造(IIIa)から(IIIu)を有し、ここで、「Ph」は、各場合にフェニルを意味し、「Bu」は各場合にブチル、即ちn-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチルまたはtert-ブチルのいずれかを意味し、「Mes」は各場合に2,4,6-トリメチルフェニルを表し、「Dipp」は、全ての場合に2,6-ジイソプロピルフェニルを意味し、および「Dimp」は、各場合に2,6-ジメチルフェニルを意味する。
Figure 2015526542
NHC-リガンドが、環中に「N」(窒素)だけでなく、「O」(酸素)も含有する場合、R8、R9、R10および/またはR11の置換パターンは、ある程度の立体障害を提供することが好ましい。
一般式(A)において、置換基R1は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニル基であり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよい。
置換基R1は、通常C1〜C30-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C2〜C20-アルケニル、C2〜C20-アルキニル、C6〜C24-アリール、C1〜C20-アルコキシ、C2〜C20-アルケニルオキシ、C2〜C20-アルキニルオキシ、C6〜C24-アリールオキシ、C2〜C20-アルコキシカルボニル、C1〜C20-アルキルアミノ、C1〜C20-アルキルチオ、C6〜C24-アリールチオ、C1〜C20-アルキルスルホニルまたはC1〜C20-アルキルスルフィニル基であり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよい。
R1は、好ましくはC3〜C20-シクロアルキル基、C6〜C24-アリール基または直鎖もしくは分岐C1〜C30-アルキル基であり、後者は、適当ならば、1つもしくは複数の二重もしくは三重結合または1つもしくは複数のヘテロ原子、好ましくは酸素または窒素により割り込まれ得る。R1は、特に好ましくは直鎖または分岐C1〜C12-アルキル基である。
C3〜C20-シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを包含する。
C1〜C12-アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-デシルまたはn-ドデシルであることができる。特に、R1はメチルまたはイソプロピルである。
C6〜C24-アリール基は、6から24個の骨格炭素原子を有する芳香族基である。6から10個の骨格炭素原子を有する好ましい単環式、二環式もしくは三環式炭素環式芳香族基として、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナントレニルまたはアントラセニルを例として挙げることができる。
一般式(A)において、R2、R3、R4およびR5基は同一であるかまたは異なり、各々水素または有機もしくは無機の基であることができる。
適当な実施形態において、R2、R3、R4、R5は同一であるかまたは異なり、各々、水素、ハロゲン、ニトロ、CF3、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニルであり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよい。
R2、R3、R4、R5は、通常同一であるかまたは異なり、各々、水素、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、ニトロ、CF3、C1〜C30-アルキル、C3〜C20-シクロアルキル、C2〜C20-アルケニル、C2〜C20-アルキニル、C6〜C24-アリール、C1〜C20-アルコキシ、C2〜C20-アルケニルオキシ、C2〜C20-アルキニルオキシ、C6〜C24-アリールオキシ、C2〜C20-アルコキシカルボニル、C1〜C20-アルキルアミノ、C1〜C20-アルキルチオ、C6〜C24-アリールチオ、C1〜C20-アルキルスルホニルまたはC1〜C20-アルキルスルフィニルであり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のC1〜C30-アルキル、C1〜C20-アルコキシ、ハロゲン、C6〜C24-アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよい。
特に有用な実施形態において、R2、R3、R4、R5は同一であるかまたは異なり、各々ニトロ、直鎖もしくは分岐C1〜C30-アルキル、C5〜C20-シクロアルキル、直鎖もしくは分岐C1〜C20-アルコキシまたはC6〜C24-アリール基、好ましくはフェニルまたはナフチルである。C1〜C30-アルキル基およびC1〜C20-アルコキシ基は、場合により、1つもしくは複数の二重もしくは三重結合または1つもしくは複数のヘテロ原子、好ましくは酸素または窒素により割り込まれていてよい。
さらに、R2、R3、R4またはR5基の2つ以上が、脂肪族または芳香族構造を通して架橋されていてもよい。例えば、R3とR4とは、それらが結合している式(B)のフェニル環中の炭素原子と一緒になって融合したフェニル環を形成することができ、その結果、全体として、ナフチル構造が生じる。
一般式(A)において、R6基は、水素またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアリール基である。R6は、好ましくは、水素、C1〜C30-アルキル基、C2〜C20-アルケニル基、C2〜C20-アルキニル基またはC6〜C24-アリール基である。R6は、特に好ましくは水素である。
構造(IV)を有する触媒が特に好ましく(いわゆるHoveyda-Grubbs触媒)、ここでMesはメシチルである。
Figure 2015526542
水素化することができるジエン系ポリマー:
本発明の水素化方法に適当な基質は、原理的に「ラテックス」とも呼ばれるジエン系ポリマーの全ての水性懸濁液である。そのようなジエン系ポリマーは、炭素-炭素二重結合を含有する。これらのラテックスは、水性モノマーエマルション(一次懸濁液)のフリーラジカル重合により調製された懸濁液と、ポリマーがどのような方法または経路によって調製されたにしろ、次に水性懸濁液形態に変換されたもの(二次懸濁液)の両方を含む。用語「水性懸濁液」は、原理的に、マイクロカプセルの懸濁液も含む。
本発明の方法に供することができる炭素-炭素二重結合を有するポリマーは、少なくとも1種の共役ジエンモノマーに基づく反復単位を含む。
共役ジエンは、どのような性質のものであってもよい。一実施形態において、(C4〜C6)共役ジエンが使用される。1,3-ブタジエン、イソプレン、1-メチルブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、ピペリレン、クロロプレン、またはそれらの混合物が好ましい。1,3-ブタジエンおよびイソプレンまたはそれらの混合物は特に好ましい。1,3-ブタジエンがとりわけ好ましい。
さらなる実施形態において、モノマー(a)としての少なくとも1種の共役ジエンだけでなく、それに加えて少なくとも1種のさらなる共重合可能なモノマー(b)の反復単位を含む炭素-炭素二重結合を有するポリマーは、本発明の方法に供することができる。
適当なモノマー(b)の例は、エチレンまたはプロピレンなどのオレフィンである。
適当なモノマー(b)のさらなる例は、スチレン、α-メチルスチレン、o-クロロスチレンまたはビニルトルエンなどのビニル芳香族モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニルおよびステアリン酸ビニルなどの脂肪族または分岐C1〜C18モノカルボン酸のビニルエステルである。
本発明で使用することができる好ましいポリマーは、1,3-ブタジエンとスチレンまたはα-メチルスチレンのコポリマーである。前記コポリマーは、ランダムまたはブロックタイプの構造を有することができる。
さらに適当なコポリマーは、少なくとも1種の共役ジエンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸などのエチレン性不飽和モノもしくはジカルボン酸と一般的に、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノールなどのC1〜C12アルカノール、またはシクロペンタノールもしくはシクロヘキサノールなどのC5〜C10シクロアルカノールとのエステル(これらのうちでアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル、例えばメチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、および2-エチルヘキシルアクリレートが好ましい)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(b)とから誘導された反復単位を有する。
適当なさらなる共重合可能なモノマー(b)は、α,β-不飽和ニトリルである。任意の知られたα,β-不飽和ニトリル、好ましくは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルまたはそれらの混合物などの(C3〜C5)α,β-不飽和ニトリルを使用することが可能である。アクリロニトリルは特に好ましい。
本発明で使用することができる適当なコポリマーは、いわゆるニトリルゴム(「NBR」とも略称される)であり、これは、少なくとも1種の共役ジエン、好ましくは1,3-ブタジエン、少なくとも1種のα,β-不飽和ニトリル、好ましくはアクリロニトリル、場合により1つまたは複数のさらなる共重合可能なモノマーの反復単位を有するコポリマーである。
特に好ましいニトリルゴムは、したがって、アクリロニトリルと1,3-ブタジエンから誘導された反復単位を有するコポリマーである。
共役ジエンおよびα,β-不飽和ニトリルに加えて、ニトリルゴムは、1種または複数のさらなる当技術分野において知られた共重合可能なモノマー、例えば、α,β-不飽和(好ましくはモノ不飽和)モノカルボン酸、それらのエステルおよびアミド、α,β-不飽和(好ましくはモノ不飽和)ジカルボン酸、それらのモノまたはジエステル、ならびに前記α,β-不飽和ジカルボン酸のそれぞれの無水物またはアミドの反復単位を含むことができる。
α,β-不飽和モノカルボン酸としてのアクリル酸およびメタクリル酸は、そのようなニトリルゴムの好ましいターモノマーである。
α,β-不飽和モノカルボン酸のエステル、特にアルキルエステル、アルコキシアルキルエステル、アリールエステル、シクロアルキルエステル、シアノアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、およびフルオロアルキルエステルも使用することができる。
アルキルエステルとして、α,β-不飽和モノカルボン酸のC1〜C18アルキルエステルが好ましく使用され、より好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C18アルキルエステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレートおよび2-エチルヘキシル-メタクリレートなどが使用される。
アルコキシアルキルエステルとして、α,β-不飽和モノカルボン酸のC2〜C18アルコキシアルキルエステルが好ましく使用され、より好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートおよびメトキシエチル(メタ)アクリレートなどが使用される。
アリールエステル、好ましくはC6〜C14-アリール-、より好ましくはC6〜C10-アリールエステル、最も好ましくはアクリレートおよびメタクリレートの上記のアリールエステルも使用することが可能である。
別の実施形態において、シクロアルキルエステル、好ましくはC5〜C12-シクロアルキル-、より好ましくはC6〜C12-シクロアルキル、最も好ましくは上記のシクロアルキルアクリレートおよびメタクリレートが使用される。
シアノアルキルエステルを使用することも可能であり、特に、シアノアルキル基中のC原子の数が2から12の範囲内であるシアノアルキルアクリレートまたはシアノアルキルメタクリレート、好ましくはα-シアノエチルアクリレート、β-シアノエチルアクリレートまたはシアノブチルメタクリレートが使用される。
別の実施形態において、ヒドロキシアルキルエステルが使用され、特に、ヒドロキシアルキル基中のC-原子の数が1から12の範囲内であるヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート、好ましくは2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートまたは3-ヒドロキシプロピルアクリレートが使用される。
フルオロベンジルエステル、特にフルオロベンジルアクリレートまたはフルオロベンジルメタクリレート、好ましくはトリフルオロエチルアクリレートおよびテトラフルオロプロピルメタクリレートを使用することも可能である。ジメチルアミノメチルアクリレートおよびジエチルアミノエチルアクリレートなどの置換アミノ基を含有するアクリレートおよびメタクリレートも使用することができる。
α,β-不飽和カルボン酸の種々の他のエステル、例えばポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシメチル)アクリルアミドまたはウレタン(メタ)アクリレートなどのエステルも使用することができる。
α,β-不飽和カルボン酸の全ての上記エステルの混合物も使用することが可能である。
さらに、α,β-不飽和ジカルボン酸、好ましくはマレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸を使用することができる。
別の実施形態において、α,β-不飽和ジカルボン酸の無水物、好ましくはマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物およびメサコン酸無水物が使用される。
さらなる実施形態において、α,β-不飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルを使用することができる。適当なアルキルエステルは、例えば、C1〜C10-アルキル、好ましくはエチル-、n-プロピル-、iso-プロピル、n-ブチル-、tert-ブチル、n-ペンチル-またはn-ヘキシルモノまたはジエステルである。適当なアルコキシアルキルエステルは、例えば、C2〜C12アルコキシアルキル-、好ましくはC3〜C8-アルコキシアルキルモノまたはジエステルである。適当なヒドロキシアルキルエステルは、例えば、C1〜C12ヒドロキシアルキル-、好ましくはC2〜C8-ヒドロキシアルキルモノまたはジエステルである。適当なシクロアルキルエステルは、例えば、C5〜C12-シクロアルキル-、好ましくはC6〜C12-シクロアルキルモノまたはジエステルである。適当なアルキルシクロアルキルエステルは、例えば、C6〜C12-アルキルシクロアルキル-、好ましくはC7〜C10-アルキルシクロアルキルモノまたはジエステルである。適当なアリールエステルは、例えば、C6〜C14-アリール、好ましくはC6〜C10-アリールモノまたはジエステルである。
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルモノマーの明白な例としては、
- マレイン酸モノアルキルエステル、好ましくはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、およびマレイン酸モノn-ブチル;
- マレイン酸モノシクロアルキルエステル、好ましくはマレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘプチル;
- マレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、好ましくはマレイン酸モノメチルシクロペンチル、およびマレイン酸モノエチルシクロヘキシル;
- マレイン酸モノアリールエステル、好ましくはマレイン酸モノフェニル;
- マレイン酸モノベンジルエステル、好ましくはマレイン酸モノベンジル;
- フマル酸モノアルキルエステル、好ましくはフマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、およびフマル酸モノn-ブチル;
- フマル酸モノシクロアルキルエステル、好ましくはフマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびフマル酸モノシクロヘプチル;
- フマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル、好ましくはフマル酸モノメチルシクロペンチル、およびフマル酸モノエチルシクロヘキシル;
- フマル酸モノアリールエステル、好ましくはフマル酸モノフェニル;
- フマル酸モノベンジルエステル、好ましくはフマル酸モノベンジル;
- シトラコン酸モノアルキルエステル、好ましくはシトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、およびシトラコン酸モノn-ブチル;
- シトラコン酸モノシクロアルキルエステル、好ましくはシトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、およびシトラコン酸モノシクロヘプチル;
- シトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、好ましくはシトラコン酸モノメチルシクロペンチル、およびシトラコン酸モノエチルシクロヘキシル;
- シトラコン酸モノアリールエステル、好ましくはシトラコン酸モノフェニル;
- シトラコン酸モノベンジルエステル、好ましくはシトラコン酸モノベンジル;
- イタコン酸モノアルキルエステル、好ましくはイタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、およびイタコン酸モノn-ブチル;
- イタコン酸モノシクロアルキルエステル、好ましくはイタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、およびイタコン酸モノシクロヘプチル;
- イタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル、好ましくはイタコン酸モノメチルシクロペンチル、およびイタコン酸モノエチルシクロヘキシル;
- イタコン酸モノアリールエステル、好ましくはイタコン酸モノフェニル;
- イタコン酸モノベンジルエステル、好ましくはイタコン酸モノベンジル
が挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルモノマーとして、上で明示的に挙げたモノエステルモノマーに基づく類似のジエステルを使用することができるが、その場合酸素原子を通してC=O基に連結する2つの有機基は、同一であってもまたは異なっていてもよい。
さらなるターモノマーとして、スチロール、α-メチルスチロールおよびビニルピリジンなどのビニル芳香族モノマー、ならびに4-シアノシクロヘキセンおよび4-ビニルシクロヘキセンなどの非共役ジエン、ならびに1-または2-ブチンなどのアルキンを使用することができる。
本発明の方法に供することができるコポリマーおよびターポリマーの組成:
本発明の方法に供することができるポリマーが、1種または複数の共役ジエンの反復単位だけでなく、1種または複数のさらなる共重合可能なモノマーの反復単位も含む場合、共役ジエンと他の共重合可能なモノマーとの比率は広範囲で変化することができる。
本発明の方法で使用されるNBRポリマーの場合、共役ジエンの比率または合計は、総ポリマーに対して通常40から90質量%の範囲内、好ましくは50から85質量%の範囲内である。α,β-不飽和ニトリルの比率または合計は、総ポリマーに対して通常10から60質量%、好ましくは15から50質量%である。モノマーの比率は、各場合に合計して100質量%までである。追加のターモノマーは、場合により存在してよい。使用される場合、それらは、総ポリマーに対して、典型的には、0を超えて40質量%まで、好ましくは0.1から40質量%、特に好ましくは1から30質量%の量で存在する。この場合、共役ジエンおよび/またはα,β-不飽和ニトリルの対応する比率は、追加のターモノマーの比率により置き換えられ、各場合に全てのモノマーの比率が合計して100質量%までである。
上記のモノマーの重合によるニトリルゴムの調製は、当業者に十分に知られており、ポリマーの文献に広く記載されている。
本発明に従って使用されるニトリルゴムは、25から70の範囲内、好ましくは30から50の範囲内のムーニー粘度(100℃でML 1+4)を有する。これは200,000〜500,000の範囲内、好ましくは200,000〜400,000の範囲内の重量平均分子量Mwに対応する。例えば、約34のムーニー粘度を有するニトリルゴムは、クロロベンゼン中35℃で決定される約1.1dL/gの固有粘度を有する。使用されるニトリルゴムは、2.0から6.0の範囲内、好ましくは2.0〜4.0の範囲内の多分散性PDI=Mw/Mn(Mwは、質量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である)も有する。ムーニー粘度の決定は、ASTM標準D1646に従って実施する。
1種または複数の共役ジエンおよび場合により例えばスチレンまたはα-メチルスチレンなどの1種または複数の他の共重合可能なモノマーの反復単位を含有するポリマーが本発明で使用される場合、共役ジエンの比率は、通常15から100質量%までであり、共重合可能なターモノマーの比率または合計は、0から85質量%までである。他の共重合可能なモノマーとしてスチレンまたはα-メチルスチレンが使用される場合、スチレンおよび/またはメチルスチレンの比率は、好ましくは15から60質量%までであり、一方100質量%までの残余は共役ジエンに相当する。
炭素-炭素二重結合を含有する本発明に有用なラテックス形態にあるポリマーは、乳化重合、溶液重合または塊状重合などの当業者に知られた任意の方法により調製することができる。好ましくは、本発明に有用な炭素-炭素二重結合含有ポリマーは、水系乳化重合法で調製され、それは、この方法が直接ラテックス形態のポリマーを生じるからである。
好ましくは、本発明によれば、水性エマルション中のポリマーの固体含有率は、水性エマルションの総質量に対して、1から75質量%、より好ましくは5から30質量%の範囲内にある。
本発明に従う方法に供されるそのようなポリマーの調製は、当業者に知られており、原理的に、アニオン重合、フリーラジカル重合またはチーグラーナッタ重合により、溶液中で、塊状で、懸濁液中でまたはエマルション中で実施することができる。反応のタイプに依存して、共役ジエンは、1,4-重合および/または1,2-重合される。本発明の水素化方法のためには、上記モノマー(a)および(b)のフリーラジカル水系乳化重合により調製されたポリマーを使用することが好ましい。これらの技法は、当業者に十分周知されており、文献、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、5th Edition、Volume A 21、pp 373-393に詳細に記載されている。一般的にそのようなポリマーは、フリーラジカル開始剤ならびに、所望であれば、乳化剤および保護コロイドなどの界面活性物質の存在下で調製される(例えば、Houben Weyl、Methoden der organischen Chemie、Volumen XIV/1、Makromolekulare Stoffe、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1961、pp 192-208を参照されたい)。
適当なフリーラジカル重合開始剤として、tert-ブチルヒドロペルオキシド、ベンゾイルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物、過酸化水素、ペルオキソ一硫酸および/またはペルオキソ二硫酸の塩、特にペルオキソ二硫酸アンモニウムおよび/またはペルオキソ二硫酸アルカリ金属(過硫酸塩)などの無機過酸化物、およびアゾ化合物が挙げられ、過硫酸塩が特に好ましい。少なくとも1種の有機還元剤と少なくとも1種の過酸化物および/またはヒドロペルオキシド、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシドとヒドロキシメタンスルホン酸のナトリウム塩、または過酸化水素とアスコルビン酸からなる組合せ系も(電解質を含まないレドックス開始剤系として)好ましく、ならびに重合媒体中に可溶でかつその金属成分が複数の原子価状態で存在することができる少量の金属化合物、例えばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/過酸化水素を含む系を追加的に含む組合せ系も好ましく、アスコルビン酸をヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムにより、ならびに過酸化水素をtert-ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属および/またはペルオキソ二硫酸アンモニウムにより置き換えることもしばしば可能である。水溶性鉄(II)塩の代わりに、水溶性Fe/V塩の組合せを使用することも可能である。
これらの重合開始剤は、重合されるべきモノマーに対して0.01から5まで、好ましくは0.1から2.0質量%までの量などの通例の量で使用される。
モノマー混合物は、所望であれば、メルカプタンなどの通例の調節剤(その例はtert-ドデシルメルカプタンである)の存在下で重合することができる。そのとき、これらの調節剤は、混合物の全量に対して0.01から5質量%までの量で使用される。
使用することができる乳化剤に特別の制限はない。エトキシル化されたモノ、ジ-およびトリアルキルフェノール(エチレンオキシド重合度: 3から50; アルキル: C4からC9)またはエトキシル化された脂肪アルコール(エチレンオキシド重合度: 3から50; アルキル: C4からC9)などの中性乳化剤および/または、脂肪酸(アルキル: C12からC24)の、アルキル硫酸塩(アルキル: C8からC22)の、硫酸モノエステルの、エトキシル化されたアルカノール(エチレンオキシド重合度: 4から30、アルキル: C8からC22)のおよびエトキシル化されたアルキルフェノール(エチレンオキシド重合度: 3から50、アルキル: C4からC20)の、アルキルスルホン酸(アルキル: C8からC22)のならびにアルキルアリールスルホン酸(アルキル: C4からC18)のアルカリ金属およびアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤が好ましい。さらなる適当なアニオン性乳化剤は、ビス(フェニルスルホン酸)エーテルのモノ-またはジ-C4〜24アルキル誘導体のアルカリ金属またはアンモニウム塩である。
アルキルアリールスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、スルホン化されたC12〜C18パラフィン)、硫酸アルキル(例えばナトリウムラウリルスルホネート)ならびにエトキシル化されたアルカノール(例えば、2から3個のエチレンオキシド単位を有するラウリルアルコールのスルホキシル化されたエトキシレート)の硫酸モノエステルのアルカリ金属および/またはアンモニウム塩、とりわけナトリウム塩が特に好ましい。さらなる適当な乳化剤は、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸(C12〜C23-アルキル基)のナトリウムまたはカリウム塩である。追加の適当な乳化剤は、Houben-Weyl、loc. Cit.、pp. 192-208に示されている。しかしながら、共安定化の目的のために、乳化剤の代わりにまたは乳化剤との混合物で、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたは短い疎水性ブロックを有する両親媒性のブロックポリマーなどの従来の保護コロイドを使用することも可能である。一般的に使用される乳化剤の量は、重合されることになるモノマーに対して、5質量%を超えないであろう。
フリーラジカル重合反応は、全バッチ初期装填(バッチ)技法により実施することができるが、好ましくは、特に工業的規模では、給送技法により操業される。この後者の技法において重合されることになるモノマーの主要な量(一般的に50から100質量%まで)は、すでに重合容器中にあるモノマーの重合の進行に従って重合容器に加えられる。この関係で、フリーラジカル開始剤系は、全部重合容器への初期装填に含まれていてよく、またはそうではなくて重合反応に、フリーラジカル水系乳化重合の進行中にそれが消費される速度で連続的にもしくは段階的に添加されてもいずれでもよい。各個々の場合に、これは、知られているように、開始剤系の化学的性質および重合温度の両方に依存するであろう。開始剤系は、好ましくは、重合区域にそれが消費される速度で供給される。
重合反応は、ポリマー(シードラテックス)として水性ポリマー懸濁液の存在下で実施することもできる。そのような技法は、当業者に基本的に知られており、例えば、参照により本明細書に全て組み込まれるDE-A4213967、DE-A4213968、EP-A567811、EP567812またはEP567819に記載されている。所望の特性に応じて、シードを初期装填に含めるかまたは重合の進行中にそれを連続的にもしくは段階的に添加することが原理的に可能である。重合は、好ましくは、初期装填にシードを添加して実施される。シードポリマーの量は、好ましくは、モノマーa)ないしd)に対して、0.05から5質量%、好ましくは0.1から2質量%、特に0.2から1質量%の範囲内である。好ましくは、使用されるシードラテックスのポリマー粒子は、10から100nm、好ましくは20から60nmの範囲内、特に約30nmの重量平均直径を有する。ポリスチレンシードの使用が好ましい。
重合反応は、好ましくは、大気圧より上で実施される。重合時間は、広い範囲内で変化させることができ、一般的に1から15時間、好ましくは3から10時間である。重合温度も広範囲で可変であり、使用される開始剤に依存して、約0から110℃である。
このようにして調製されたポリマー懸濁液は、一般的に75質量%までの固体含有率を有する。本発明の水素化方法で使用するために、これらの固体含有率を有する懸濁液を使用することが可能である。しかしながら、場合によっては、予め懸濁液を適当な固体含有率に希釈することが勧められる。使用される懸濁液の固体含有率は、好ましくは、懸濁液の全質量に対して5から30質量%の範囲内である。
一般的に界面活性物質は、ポリマー懸濁液中に未だ存在しており、例えば、乳化重合における通例の重合助剤として使用されるさらなる物質は、本発明の水素化方法を妨げる効果を有さない。しかしながら、ポリマー懸濁液を、水素化前に化学的または物理的脱臭にかけることが勧められる。残留モノマーをスチームでストリッピングすることによる物理的脱臭は、例えば、EP-A584458から知られている。その役割についてEP-A327006では、従来の蒸留方法の使用を勧めている。化学的脱臭は、好ましくは、主要な重合に続く後重合により行われる。そのような方法は、例えば、DE-A3834734、EP-A379892、EP-A327006、DE-A4419518、DE-A4435422およびDE-A4435423に記載されている。
好ましくは、本発明によれば、水性懸濁液中のジエン系ポリマーの含有率は、ラテックスの総質量に対して1から75質量%、より好ましくは5から30質量%の範囲内にある。
本発明による方法:
本発明における水素化は、出発ジエン系ポリマー中に存在する残留二重結合(RDB)の好ましくは少なくとも50%、好ましくは70〜100%、より好ましくは80〜100%、さらにより好ましくは90〜100%、最も好ましくは95〜100%が水素化されることにより理解される。
本発明の方法において、水性媒体中に存在するジエン系ポリマーの質量に対して、0.01から5.0質量%、好ましくは0.02%から2.0質量%の一般式(A)の触媒が典型的には使用される。
水素化は、60℃から200℃、好ましくは80℃から180℃、最も好ましくは100℃から160℃の範囲内の温度で、および0.5MPaから35MPa、より好ましくは3.0MPaから10MPaの範囲内の水素圧で典型的には実施される。
好ましくは、ジエン系ポリマーの水素化時間は、10分から24時間、好ましくは15分から20時間、より好ましくは30分から4時間、さらにより好ましくは1時間から8時間、最も好ましくは1時間から3時間である。
典型的には、一般式(A)の触媒は、固体形態で、水素化されることになるジエン系ポリマーを含有する水性懸濁液中に投じられ、それ故、水素化はいかなる有機溶媒も存在せずに行われることができる。
下に示した実験条件付きの以下の実施例は、本発明の範囲を例示するが、それを限定することは意図しない。水素化反応に使用される材料を表1に挙げる。
Figure 2015526542
実施例1-8:ポリマーラテックスの直接水素化
(実施例1)
水素化反応は、300mLのParr 316ステンレス鋼の反応装置中で実施した。最初に表1で明細を示した25mlのNBRラテックスおよび75mlの水を反応装置に装填した。固体のHG2触媒(0.00487g)を、反応装置の頭部に備え付けた触媒添加デバイスに入れた。反応装置を組み立てた後、NBRラテックスを、室温で20分間、約200psi(1.38MPa)の窒素ガスをバブリングすることにより脱ガスして、次に系を100℃に加熱した。次に、1000psi(6.89MPa)の水素ガスでNBRラテックス中に触媒を添加した。水素圧および反応温度を、反応期間を通じて一定に保った。水素化されたNBRラテックスを、反応装置中に浸したチューブを通して、反応中に間隔をおいてサンプリングした。水素化の結果を表2に示す。4時間後に、水素化率は98%に達する。目に見えるゲルは生じず、生じた水素化されたNBR(「HNBR」)ポリマーを試験すると、メチルエチルケトンに容易に溶解した。HNBRの分子量は249,000であり、PDIは3.1である。分子量変化は水素化のみが原因である。
(比較例la)(Grubbs II触媒)
HG2触媒の代わりにGrubbs II触媒(G2、0.0066g)を使用したことを除いて、同じ反応装置および同じNBRラテックスを比較例laで使用した。水素化率は4時間後15%に達した。水素化期間をさらに10時間に延長すると水素化率は22%という結果になった。水素化率のさらなる増大は達成できなかった。
(実施例2)
0.00244gのみのHG2触媒を添加したことを除いて、実施例1で記載した同じ手順を使用した。19時間後に、90%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは生じなかった。
(実施例3)
反応温度を120℃に上げたことを除いて、実施例1で記載した同じ手順を使用した。1.6時間後に、98%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
(実施例4)
より高い触媒の装荷(0.00975g)を使用したことを除いて、実施例3で記載した同じ手順を使用した。0.5時間後に、98%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
(実施例5)
より少量のHG2触媒(0.00125g)を使用したことを除いて、実施例3で記載した同じ手順を使用した。10時間後に、74%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
(実施例6)
より低い水素圧(500psi; 3.45MPa)を使用したことを除いて、実施例1で記載した同じ手順を使用した。10時間後に、99%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
(実施例7)
実施例3で記載した同じ手順を使用した。しかしながら、より高い水素圧(1500psi; 10.34MPa)を120℃で使用した。9時間後に、99%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
(実施例8)
100mlのNBRラテックスおよび0.01253gのHG2触媒を使用した。NBRラテックスを希釈するための増量水は全く加えなかった。全ての他の反応パラメーターは実施例1に記載したのと同じであった。3時間後に、99%の水素化率が達成され、目に見えるゲルは全く生じなかった。
Figure 2015526542

Claims (8)

  1. 水性懸濁液中に存在するジエン系ポリマーを、一般式(A)
    Figure 2015526542
    (式中、
    Mはオスミウムまたはルテニウムであり、
    X1およびX2は同一であるかまたは異なるアニオン性リガンドであり、
    Lは、リガンド、好ましくは無電荷の電子供与体であり、
    Yは、酸素(O)、イオウ(S)、N-R1基またはP-R1基であり、ここで、R1は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニル基であり、それらは各場合、場合により1つもしくは複数のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール基により置換されていてよく、
    R2、R3、R4およびR5は同一であるかまたは異なり、各々水素または有機もしくは無機基であり、ならびに
    R6は、水素またはアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはアリール基である)
    の触媒の存在下で、水素化する工程を含む、水素化されたジエン系ポリマーを調製する方法であって、一般式(A)の触媒が、ジエン系ポリマーの水性懸濁液に固体形態で添加されることを特徴とする方法。
  2. 前記ジエン系ポリマーが、好ましくは、1,3-ブタジエン、イソプレン、1-メチルブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、ピペリレン、クロロプレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の(C4〜C6)共役ジエンの反復単位を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジエン系ポリマーが、少なくとも1種のさらなる共重合可能なモノマー(b)の反復単位を追加的に含有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ジエン系ポリマーが、1,3-ブタジエンとアクリロニトリルのコポリマーである、請求項3に記載の方法。
  5. 構造(IV)の触媒が使用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
    Figure 2015526542
  6. 前記水素化が、60℃から200℃、好ましくは80℃から180℃、最も好ましくは100℃から160℃の範囲内の温度で、および0.5MPaから35MPa、より好ましくは3.0MPaから10MPaの範囲内の水素圧で実施される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記一般式(A)の触媒が、水性懸濁液中に存在するジエン系ポリマーの質量に対して0.01から5.0質量%、好ましくは0.02%から2.0質量%の範囲内の量で使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. いかなる有機溶媒も存在せずに行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
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