JP2015516928A - 表面酸化された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを有するガラス成形鋳型の再調整 - Google Patents

表面酸化された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを有するガラス成形鋳型の再調整 Download PDF

Info

Publication number
JP2015516928A
JP2015516928A JP2014543494A JP2014543494A JP2015516928A JP 2015516928 A JP2015516928 A JP 2015516928A JP 2014543494 A JP2014543494 A JP 2014543494A JP 2014543494 A JP2014543494 A JP 2014543494A JP 2015516928 A JP2015516928 A JP 2015516928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
mold
release coating
coating
titanium nitride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014543494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6023818B2 (ja
JP2015516928A5 (ja
Inventor
フォン,ジアンウェイ
ミッチェル,ジャネット
ウクラインシズィク,ルジェルカ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2015516928A publication Critical patent/JP2015516928A/ja
Publication of JP2015516928A5 publication Critical patent/JP2015516928A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6023818B2 publication Critical patent/JP6023818B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K13/00Etching, surface-brightening or pickling compositions
    • C09K13/04Etching, surface-brightening or pickling compositions containing an inorganic acid
    • C09K13/08Etching, surface-brightening or pickling compositions containing an inorganic acid containing a fluorine compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/10Die base materials
    • C03B2215/11Metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/14Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
    • C03B2215/22Non-oxide ceramics

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)

Abstract

窒化チタンアルミガラス離型コーティング(14)を有するガラス成形鋳型(10)を、フッ化物イオンおよびリン酸イオンを含む鉱酸水溶液で再調整することにより、再コーティングすることなく、鋳型に対して回復したガラス離型特性を提供し、延長された鋳型の使用間隔にわたって、高温での、侵食性のイオン交換強化可能な高アルカリアルミノケイ酸塩ガラスからのガラス物品の成型を可能にする。

Description

本出願は、米国法典第35編第119条の下において、2011年11月23日に出願された米国特許仮出願第61/563192号の優先権の恩典を主張するものであり、なお、本出願は当該仮出願の内容に依拠し、当該仮出願の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
高軟化点のアルカリ金属含有ケイ酸ガラスからの複雑なガラス形状の精密成型は、そのようなガラスの耐火性および化学的侵食性のために複雑である。アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの高軟化点(多くの場合、800℃を超える)によって、正確な成形に必要な粘弾性に達するために必要となる作業温度がより高くなるため、成型は困難である。さらに、そのようなガラスのアルカリ金属成分は、高い作業温度では非常に移動性でありかつ鋳型表面に対して反応性であるため、鋳型表面を急速に劣化させ、結果として、成型されたガラス表面の美観品質を損なう。そのような鋳型が受ける強烈な熱的および機械的サイクルによっても、そのような成型用途のために選択することができる鋳型および鋳型コーティング材料の範囲が制限される。
鋳鉄、ステンレス鋼、銅合金、およびニッケル超合金などの金属は、ガラス成形鋳型を製作するためによく使用されが、そのほとんどが、空気中において600℃を超える温度で表面酸化を受ける。さらに、そのような金属は、典型的なガラス成形温度において溶融ガラス中に存在するアルカリイオンと反応することができ、次第にガラス付着性となる、アルカリ変性鋳型表面を生じる。結果として生じるガラスと鋳型表面との間の粘着は、結果的に、鋳型と成形されるガラス物品との両方の表面品質を低下させる。代替の鋳型製作材料、例えば、SiC、SiN、およびSialon(SI−Al−O−N)セラミックなど、が、これらの問題のいくつかに対処しようとしているが、セラミック鋳型材料は、高価で機械加工が困難であり、高軟化点のアルカリ含有ガラスの成形の際に生じる粘着問題を完全には解決しない。
欠陥のない成型された表面を有する耐火性アルカリアルミノケイ酸塩ガラス物品の成形を促進するための確立されたアプローチの1つは、窒化チタン(TiN)系離型コーティング、すなわち、主に、窒化チタンアルミ(Ti−Al−N)などの耐火性コーティング材料からなる鋳型表面コーティング、の使用である。一般的に、溶融したアルカリアルミノケイ酸塩ガラスに対するそのようなコーティングの増強されたガラス離型特性および低減された界面反応性は、そのようなコーティングのより高い化学安定性および良好な表面耐摩耗性により、いくぶん長い使用期間にわたって、成型されたガラス表面の品質を維持し、成型されたガラス物品に対して寸法公差のより厳密な制御を提供することが見出された。
残念ながら、先進的なガラス離型コーティングを使用しても、数百回のガラス成形サイクルの後での鋳型表面へのガラス付着の問題を完全に解決することはできない。最終的に、鋳型は、成形されるガラスに対して粘着性となり、再び、鋳型表面に対するガラス付着を生じ、これが、成形されたガラス物品における表面欠陥の原因となる。したがって、あらゆる場合において、かなりの費用を要するこれらのコーティングされた鋳型の交換または再塗装が避けられなくなる。
鋳型の交換は、コーティングされていない鋳型の粘着問題に対しての唯一の解決策となり得、その一方で、コーティングされた鋳型の場合には、鋳型の再塗装法を用いることができる。現在まで、コーティングされた鋳型を再塗装するための最も効果的な方法は、例えば機械加工または化学溶解などによる損耗したコーティングの除去と、それに続く新たなコーティング層の適用を伴っていた。しかしながら、消耗したコーティングの交換を必要とする除去および再コーティング工程は、手間がかかり高価である。したがって、強い化学的侵食性のガラスを成形するために使用されるガラス成形鋳型の寿命を延ばすためのより効果的で経済的な方法が必要とされている。
本開示により、ガラス成形鋳型の表面上に配置された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを交換するのではなく再調整するための方法が提供される。当該方法は、熱いアルカリ含有ガラスへの反復接触の後に生じるそのようなコーティングに対するガラス付着の根本原因に対する我々の発見に部分的に由来している。理論に束縛されることを意図するわけではないが、使用の際にこれらのコーティングの表面上層が酸化され、それにより、薄いが高密度である酸化アルミニウム層が形成されることを示す証拠がある。この層は、おそらく、使用の際にコーティング中への酸素の拡散を遅らせているものと思われるが、同時に、NaOおよびSiOに対して強い反応性であることも見出され、成型の際に熱いガラスと相互作用して、Ti−Al−Nコーティング上にナトリウム富化されたケイ酸アルミニウム表面層を形成し、このガラス成分が富化されたコーティング上部の酸化物は、比較的低いリキダス相を有し、結果として、成形の際に鋳型コーティングに対するガラス粘着を生じ得て、コーティングの粘着性が増加することで、結局、成型されたガラス物品における表面の美観の低下とコーティングの欠陥を生じる。
本発明の様々な実施形態の中でも、表面酸化された窒化チタンアルミ離型コーティングを備える表面コーティングされたガラス成形鋳型を再調整するための方法が、本開示により提供される。それらの方法により、ガラス成形鋳型の表面上に配置された、表面酸化された窒化チタンアルミ含有ガラス離型コーティングが、フッ化物イオンおよびリン酸イオンを含む鉱酸水溶液と接触する。特定の実施形態において、接触するべき表面酸化された当該離型コーティングは、酸素、アルミニウム、およびアルカリ金属を含むガラス付着性表面酸化層を含む。それらおよび他の実施形態において、当該表面酸化層は、窒素枯渇層、および/またはケイ素およびナトリウムおよびアルミニウムを含む表面酸化層である。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書において開示された方法により処理された、再調整された窒化チタンアルミ系離型コーティングを担持するガラス成形鋳型を含む。新たに被着された窒化チタンアルミ系離型コーティングとアルカリ、ケイ素、および酸素の高い表面濃度を示す消耗したコーティングとの両方から区別されるように、本発明の実施形態により提供される再調整されたコーティングは、表面窒素枯渇を実質的に有さないが、拡散したアルカリ金属、ケイ素、および酸素の測定可能な表面濃度を有する。
さらなる実施形態において、本発明は、イオン交換強化可能な高アルカリアルミノケイ酸塩ガラスからガラス物品を成形する方法を含む。それらの方法は、窒化チタン系ガラス離型コーティングを担持する金属鋳型ベースを有するガラス成形鋳型にガラスを接触させて成形する工程を含み、当該窒化チタン系離型コーティングは、表面窒素枯渇を実質的に有さないが、拡散したアルカリ金属、ケイ素、および酸素の測定可能な表面濃度を有する、再調整されたコーティングである。
開示された本発明の特定の実施形態について、添付の図面を参照しながら以下において詳細に説明する。
Ti−Al−Nコーティングされたガラス成形鋳型の電子顕微鏡写真。 Ti−Al−Nガラス離型コーティングにおける酸素の表面濃度のプロット。 Ti−Al−Nガラス離型コーティングにおける拡散したアルカリ金属の表面濃度のプロット。 Ti−Al−Nガラス離型コーティングにおける拡散したケイ素の表面濃度のプロット。 Ti−Al−Nガラス離型コーティングにおける窒素枯渇を示すプロット。 金属合金ガラス成形鋳型からの材料除去のグラフ。
本発明の方法は、多種多様な成型可能なガラス組成物を成型するために用いられるガラス離型コーティングを再調整するために有用に適用することができるが、それらは、高溶融(「硬質」)アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの成形に使用されるコーティングの回復にとって特に有利である。したがって、本発明の方法では、Ti−Al−N系離型コーティングから、そのようなガラスの成形においてガラス粘着の主な原因である拡散したアルカリ(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類、およびケイ素が効率的に除去される。本開示により、Ti−Al−N系コーティングは、それらのほぼ元の組成が回復され、それによりコーティングの寿命が大幅に延び、その結果、コーティング交換の必要性が減少する。
鋳型および鋳型離型コーティング表面に蓄積したガラス状残留物を溶解させるための前処理は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの成型の過程において取り込まれたアルカリ、ケイ素、および酸素の組合せが蓄積された表面を有するTi−Al−N離型コーティングの再調整に対し、首尾良く成功するとは証明されていない。場合によって、そのような処理は、ガラス成分の濃度を有用な低レベルまで低減するには効果がなく、その一方で、他の場合では、当該処理は、下の金属鋳型材料を損傷した。本発明の選択された実施形態は、窒化チタンアルミで少なくとも支配的に構成された(すなわち、80原子パーセントを超える割合がチタン、アルミニウム、および窒素からなる)高温離型コーティングを担持する金属鋳型ベースを含むガラス成形治工具の回復のために特に良好に適合し、この場合、当該離型コーティングは、主に酸素、アルミニウム、ケイ素、ならびにアルカリ金属および他のアルカリ土類元素を含むガラス付着性表面酸化層を含む。
特定の実施形態において、本発明の方法は、鋳型がニッケル系金属合金で製作された金属鋳型ベースを含むような治工具上の離型コーティングを回復させるために使用される。そのような鋳型の特定の実施形態は、ニッケル−クロム−鉄系の金属合金、例えば、Inconel(商標)など、を含む。それらの合金の多くは、主に(総質量の少なくとも80%)ニッケル、クロム、および鉄と、少量のMo、Nb、Co、Mn、Cuなどの追加の成分とからなり、そのような金属鋳型ベースの特定の実施形態は、Inconel718合金で製作されたものである。
本開示に従って処理されるTi−Al−N離型コーティング中に存在するコーティング成分の特定の組合せは、広い範囲で変わり得、そのような配合の多くは、ガラス成形金型のガラス離型特性を向上させるために、先行技術において採用されている。窒化チタンアルミ単独で構成されたコーティング、またはSi、Nb、Y、およびZrからなる群より選択される少ない割合の成分と合金化されたコーティングは、高温での成形プロセスの間のガラス成形金型と溶融ガラスとの間の界面での反応を最小限に抑えるのに有効で、首尾良く処理することができることが分かっている。良好な耐粘着特性と共に良好な酸化抵抗性を提供する、そのような離型コーティングの特定の実施例は、TiAlN、TiAlSiN、TiAlNbN、TiAlSiNbN、TiAlZrN、TiAlYNおよびそれらの混合物からなる群より選択される合金から実質的になるコーティングを含む。
成型されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラス物品を成形するためにそのような離型コーティングの使用を伴うコーティング劣化のモードは、現在、以下の通りであることが理解される。高い成形温度において、酸化物の自己抑制層を形成するTiAlNコーティング上部は、上部のAlとその下のTiOとで構成される。高アルカリガラスによる熱的成形の際、ガラス成分、例えば、Na、Si、Ca、Mgなど、は、コーティング上部の酸化物中に拡散し、とりわけSiおよびNaは、コーティング酸化物中にかなり蓄積して、比較的低いリキダス相を有する、ナトリウム富化されたアルミナケイ酸塩が生じる。それは、次第に、成形されるべき溶融アルミノケイ酸塩ガラスに対して「粘着性」となる。
本発明の実施形態に従って処理されるような離型コーティングされたガラス成形金型が、図1に示されている。図1は、鋳型表面におよそ1.7μmの厚さのTiーAl−N離型コーティング14を備える、「Inconel」718ニッケル合金鋳型ベース12からなるガラス成形金型10の断面の電子顕微鏡写真を含む。図1に示されたコーティング済みの鋳型は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスからのガラス物品の成形の過程において200回の熱的ガラス成形サイクルを受けている鋳型である。この使用の結果、離型コーティング14には、離型コーティング14の表面上におよそ0.159μmの厚さの表面酸化層14aが生じており、この層は、溶融したアルカリアルミノケイ酸塩ガラスに対して著しい付着性を示す。アルミノケイ酸塩ガラスの中でも、図1に示されるようなコーティング劣化の原因となり得るのは、イオン交換強化可能な高アルカリアルミノケイ酸塩ガラスであり、例えば、少なくとも10質量%のナトリウムを含むナトリウムアルミノケイ酸塩ガラスが挙げられる。本発明の方法の特に有用な実施形態は、そのようなガラスの成型に用いられる、劣化したチタンアルミニウム鋳型コーティングを効果的に再調整することができる処理である。
Ti−Al−N系鋳型コーティングの表面上に構築された表面酸化、表面窒素枯渇、ならびにアルカリおよびケイ素は、成形されるガラスがかなりの濃度のナトリウムを含有する硬質アルカリアルミノケイ酸塩ガラスである場合には、比較的少ない回数の成型サイクルの後でも深刻化し得る。図2〜5は、そのようなガラスと接触させる60回の成型サイクルの前後での、Ti−Al−N系のガラス離型コーティングにおける曝露された(酸化された)表面近傍の浅いコーティング深さに存在する選択された化学種の表面濃度プロファイルを反映するグラフを含む。図2〜5において追跡される種は、それぞれ、酸素、ケイ素、ナトリウム、および窒素である。これらの種のそれぞれの相対濃度は、コーティング深さの関数として信号の相対強度をプロットした曲線によって反映される。当該強度は、標準SIMS(二次イオン質量分析)分析により発生される場合の1秒間あたりのカウント数で示されている。
図2〜5をさらに詳細に参照すると、分析された各種に対して各図において提示される一連のSIMS曲線は、コーティングを溶融ガラスに晒す前の種濃度を反映する曲線20、60回のガラス成型サイクルに晒した後の表面酸化されたコーティングにおける濃度を反映する曲線22、ならびに5つの異なる処理方法のうちの1つによって当該表面酸化されたコーティングを処理した後の種濃度をそれぞれ反映する曲線1、2、3、4、および5を含んでいる。これらの方法は、図の曲線に対応する数字により以下の通りである。
方法1:60℃の超音波浴においてKOHベースの洗浄剤(pH13)に15分間曝露させる。
方法2:120℃のKOHに15分間、次いで室温の5%HClに40分間浸漬する。
方法3:10mlのHCl、150mlのHPO、および10mlのHFによる混合物に70℃で15分間浸漬する。
方法4:10mlのHCl、10mlのHF、および180mlの脱イオン水による混合物に室温で30分間浸漬する。
方法5:CHにおいて15分間ドライエッチングする。
図2の酸素濃度の曲線20および22の比較から、溶融ガラスに対する比較的短い60サイクルの曝露でも、離型コーティング表面にかなりの酸素拡散が生じていることが明らかである。図5の曲線20と22の比較からも明らかなように、この酸素富化は、コーティングの表面領域からの窒素の枯渇を伴う。この限られた成型間隔において生じる窒素の枯渇は、既に、コーティングのおよそ40nmの深さまで広がっている。
図3および4は、酸化されたTi−Al−N系コーティング中へのケイ素およびアルカリの移動の程度を反映している。図4の曲線22は、成型サイクルに晒されたコーティングにおけるナトリウム濃度が、70nm以内のコーティング深さにおいて、曲線20による適用されたままのコーティングにおいて見られる濃度よりおよそ2桁高く、ナトリウムは主に、図2に示された酸化層において濃縮されていることを示している。酸化されたコーティング表面におけるケイ素の濃度における同様の増加が、図3の曲線20および22によって示されている。
図2〜5のそれぞれに示されている曲線1〜5は、酸素、ケイ素、およびアルカリによって汚染された、窒素の枯渇したTi−Al−N系離型コーティングをそれらの図の曲線22によって示されるレベルに再調整することを目的とする、上記において列挙された対応する処理方法の有効性を示している。上記の方法1および2の実践において用いられるようなKOH洗浄液の使用は、そのようコーティングからの酸化/汚染された表面層の除去にとって最も効果が少なく、その一方で、方法5によって規定されるようなCHドライエッチング液の使用では、結果として、不均一な酸化層の除去を生じる。汚染された鋳型コーティングにおける末端部分は、方法5によるドライエッチングによって効果的に再調整することができるが、その一方で、同じコーティングの中央領域では、目に見える表面酸化の減少は観察されない。
方法4は、表面酸素レベルを低下させて表面窒素枯渇を戻すためには、比較的効果がない。対照的に、フッ化物イオンおよびリン酸イオンの両方を含む酸溶液の使用を伴う方法3では、酸素、ケイ素、およびアルカリのレベルに関して、適用されたままの離型コーティングに最も近い再調整されたコーティング表面が得られ、同時に、再調整されたコーティング表面における窒素枯渇にも効果的に対処している。HPO、HCl、およびHFの組合せを含む酸溶液による表面酸化された離型コーティング表面の処理を伴う、開示された方法の特定の実施形態は、予想外に、本明細書において説明されるようなTi−Al−N系離型コーティングでの表面汚染の除去およびガラス離型特性の回復の両方に効果的であることが見出された。
これらの3つの酸を含む酸溶液で処理された離型コーティングは、新たに被着された窒化チタンアルミ系離型コーティングと、アルカリ、ケイ素、および酸素の汚染の高い表面濃度を示す消耗した(表面酸化された)コーティングとの両方から、明確に区別可能である。したがって、これらの実施形態により提供される再調整されたコーティングは、拡散したアルカリ金属、ケイ素、および酸素の検出可能な表面下濃度を有している。これは、新たに適用されたばかりの窒化物離型コーティングには存在せず、それにもかかわらず、当該コーティングは、これらの濃度の存在にもかかわらず優れたガラス離型特性を示す。同時に、図1〜5の曲線22によって特徴付けられるような、消耗したまたは表面酸化された窒化物離型コーティングとは異なって、上記において開示された実施形態により提供される再調整された離型コーティングは、図5の曲線3によって示されるように、表面および表面下の窒素枯渇を実質的に有さない。本説明の目的の場合、再調整された窒化物離型コーティングは、図5の曲線3によって典型的に表されるように、コーティングのSIMS分析は、当該分析の測定精度内において、コーティング表面とその表面から200nm内のコーティング表面下の領域との間で、窒素濃度において系統的な相違が無いことを証明している場合、窒素枯渇を実質的に有さない。
任意選択の塩化物イオンとのさらなる組合せにおいてフッ化物イオンおよびリン酸イオンを含む酸性の再調整溶液のさらなる利点は、金属鋳型ベース材料を腐食する傾向が低減されることにある。鋳型ベース材料の損失を最小限に抑えることは、再調整の際に鋳型形状が変化するのを避けるために重要である。著しい材料損失は、結果として、成型されたガラス製品において形状精度が必要とされる場合に、許容できない鋳型構成の変化を生じ得る。図6は、塩化物−フッ化物−リン酸再調整溶液と、KOH洗浄液ならびに酸性HClおよびHCl−HFエッチング液の両方とを、これらの溶液への溶解によって生じた「Inconel」718合金鋳型ベース材料に対する損傷について比較している。フッ化物−塩化物−リン酸溶液は、離型コーティングの再調整の際の鋳型ベース材料の損失を避けることにおいて、他の候補の再調整溶液より非常に優れていることが見出された。
いくつかの用途の場合、鋳型ベース材料の損失を最小限に抑えるだけでなく、処理コストを低減するためにも、表面酸化された窒化物ガラス離型コーティングからの材料除去の速度を最大化することが重要である。以下の表1は、酸化された窒化物離型コーティングからの表面酸化物材料の除去について、様々な酸性フッ化物−塩化物−リン酸処理溶液の効率を比較するものである。当該比較は、溶液に晒したコーティングの処理済み部分と未処理部分との間のステップ高さに関する。
Figure 2015516928
上記の表1に示されるようなデータの分析は、リン酸イオン濃度と、より少ない程度のフッ化物イオン濃度が、アルカリ含有およびケイ素含有の酸化された離型コーティング表面からの表面除去の速度に影響を及ぼす重要な変数であることを示している。そのような分析に基づいて、約2〜15MのHPO、0.5〜5MのHF、および0.2〜0.8MのHClの濃度の、HPO、HF、HCl、および水から実質的になる処理溶液を用いる再調整方法は、急速な再調整が必要な場合に特定の利点を提供する。約50〜100℃の範囲の処理温度での、またはある実施形態では70〜80℃での、かかる溶液への曝露は、特に有効であり得る。
本発明によって提供される方法、コーティング、および成型方法の特定の実施形態を参照しながら上記において本発明を説明してきたが、そのような実施形態は、例示目的のみにおいて提供されるもので、それらの様々な変更および他の実施形態は、添付の請求項の範囲内の本発明の実践のために有利に採用することができることは、理解されるであろう。

Claims (10)

  1. 表面コーティングされたガラス成形鋳型を再調整する方法であって、該鋳型上に配置された表面酸化された窒化チタンアルミ含有ガラス離型コーティングを、フッ化物イオンおよびリン酸イオンを含む鉱酸水溶液に接触させる工程を含む、方法。
  2. 前記ガラス成形鋳型が金属鋳型ベースを含み、前記窒化チタンアルミ含有ガラス離型コーティングが、少なくとも支配的にTiAlNで構成される高温離型コーティングである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガラス離型コーティングが、TiAlN単独で構成されるか、またはSi、Nb、Y、およびZrのうちの1つ以上と合金化されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ガラス離型コーティングが、酸素、アルミニウム、ケイ素、およびアルカリ金属を含むガラス付着性表面酸化層を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記鉱酸水溶液が、HF、HCl、およびHPOの酸混合物を含み、該酸混合物の濃度が、2〜15MのHPO、0.2〜5MのHF、および0.2〜0.8MのHClの範囲内に入る、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1の方法により提供される再調整された窒化チタンアルミ系離型コーティングを担持する金属鋳型ベースを含むガラス成形鋳型。
  7. 前記再調整された窒化チタンアルミ系離型コーティングが、アルカリ金属、ケイ素、アルミニウム、および酸素を含む表面層であって実質的に窒素枯渇を有さない表面層を有する、請求項6に記載のガラス成形鋳型。
  8. イオン交換強化可能な高アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの装填物からガラス物品を成形する方法であって、該装填物を、窒化チタンアルミ系ガラス離型コーティングを担持する金属鋳型ベースを有するガラス形成鋳型に接触させる工程を含み、該窒化チタン系離型コーティングが、請求項1の方法により提供される再調整されたコーティングである、方法。
  9. 前記再調整された窒化チタンアルミ系離型コーティングが、アルカリ金属、ケイ素、アルミニウム、および酸素を含むが実質的に窒素枯渇を有さない表面層を有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記イオン交換強化可能な高アルカリアルミノケイ酸塩ガラスが、少なくとも10質量%のナトリウムを含むナトリウムアルミノケイ酸塩ガラスである、請求項8に記載の方法。
JP2014543494A 2011-11-23 2012-11-14 表面酸化された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを有するガラス成形鋳型の再調整 Expired - Fee Related JP6023818B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161563192P 2011-11-23 2011-11-23
US61/563,192 2011-11-23
PCT/US2012/064914 WO2013078038A1 (en) 2011-11-23 2012-11-14 Reconditioning glass - forming molds having a surface oxidized titanium -aluminum -nitride glass release coating

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015516928A true JP2015516928A (ja) 2015-06-18
JP2015516928A5 JP2015516928A5 (ja) 2015-12-03
JP6023818B2 JP6023818B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=47279060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014543494A Expired - Fee Related JP6023818B2 (ja) 2011-11-23 2012-11-14 表面酸化された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを有するガラス成形鋳型の再調整

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20130125590A1 (ja)
JP (1) JP6023818B2 (ja)
KR (1) KR20140143738A (ja)
CN (1) CN105102383A (ja)
TW (1) TWI549917B (ja)
WO (1) WO2013078038A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140224958A1 (en) * 2013-02-11 2014-08-14 Corning Incorporated Coatings for glass-shaping molds and glass-shaping molds comprising the same
KR102385315B1 (ko) 2014-03-13 2022-04-11 코닝 인코포레이티드 유리 제품 및 이의 형성 방법
TW201739704A (zh) * 2016-01-20 2017-11-16 康寧公司 塑形玻璃基材料之具高溫用途之塗層之模具
KR102558050B1 (ko) * 2016-08-05 2023-07-21 엘지전자 주식회사 3차원 형상 글래스 제조방법
CN114605058B (zh) * 2022-03-28 2024-01-26 维达力实业(深圳)有限公司 热转印模具和防眩光玻璃的制备装置
CN114702235B (zh) * 2022-03-28 2024-01-26 维达力实业(深圳)有限公司 防眩光玻璃及其制备方法和显示装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073693A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Fujinon Corp 光学素子成形用金型及びその製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3015589A (en) * 1959-07-16 1962-01-02 Diamond Alkali Co Chemical method
US3859222A (en) * 1971-07-19 1975-01-07 North American Rockwell Silicon nitride-silicon oxide etchant
JP2898142B2 (ja) * 1992-06-30 1999-05-31 キヤノン株式会社 成形用型の再生方法
US6436859B1 (en) * 1999-03-25 2002-08-20 Central Glass Company, Limited Glass composition and ion exchange strengthened glass article produced from same
JP2001335340A (ja) * 2000-05-23 2001-12-04 Toyo Glass Co Ltd ガラス成型用金型
EP1295690A1 (en) * 2001-05-21 2003-03-26 SACMI COOPERATIVA MECCANICI IMOLA Soc. Coop. a r.l. A process for the functional regeneration of the porosity of moulds used for moulding ceramic objects
JP4525677B2 (ja) * 2004-03-31 2010-08-18 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子成形用金型の製造方法
CN101215099B (zh) * 2008-01-16 2011-02-02 京东方科技集团股份有限公司 平板玻璃基板减薄蚀刻液
TWI507573B (zh) * 2010-04-15 2015-11-11 Corning Inc 剝除氮化物塗膜之方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073693A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Fujinon Corp 光学素子成形用金型及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20140143738A (ko) 2014-12-17
JP6023818B2 (ja) 2016-11-09
WO2013078038A1 (en) 2013-05-30
CN105102383A (zh) 2015-11-25
US20130125590A1 (en) 2013-05-23
TW201331144A (zh) 2013-08-01
TWI549917B (zh) 2016-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6023818B2 (ja) 表面酸化された窒化チタンアルミガラス離型コーティングを有するガラス成形鋳型の再調整
JP4874512B2 (ja) 基材からアルミノケイ酸塩物質を除去する方法及びそれに用いる組成物
JP5997133B2 (ja) 窒化物被覆を剥離する方法
KR930001230B1 (ko) 표면 처리방법 및 표면 처리제
JP2597931B2 (ja) 高速度工具鋼のチタンコーティング被膜の除去剤
EP1589128A1 (en) Corrosion-resistant member and method for producing same
JPS6220157B2 (ja)
CN117568767A (zh) 一种刀具涂层及其制备方法和应用
JP3608707B2 (ja) 真空チャンバ部材及びその製造方法
JP5167491B2 (ja) 耐食性と耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材および高エネルギー照射処理する溶射皮膜のひび割れ防止方法
TWI509108B (zh) 反應器表面的選擇性蝕刻
JP3320965B2 (ja) 硬質膜の剥離方法および該方法によって得られる再被覆部材
JPH0760521A (ja) ダイヤモンド被覆ドリル及びその製造方法
JP2006089821A (ja) 半導体加工装置用部材の耐食処理方法およびその処理部材
KR100655116B1 (ko) 우수한 표면조도를 가지는 절삭공구용 코팅 모재 및 그형성방법
JP2004253793A (ja) 耐蝕性部材及びその製造方法
US11377745B2 (en) Stripping of coatings Al-containing coatings
JP5536533B2 (ja) 炭素薄膜付銅材の製造方法
JP2012036488A (ja) Ti系被膜除去剤
JPH04202075A (ja) ダイヤモンド被覆硬質材料の製造方法
JP5406324B2 (ja) 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材
JPS588301B2 (ja) 耐食、耐摩耗性を有する非粘着性塗膜の形成方法
JP5406317B2 (ja) 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材
JPH04104982A (ja) 表面被覆窒化硅素系セラミックスの製造方法
JP2010137285A (ja) 鋳造基体からの金属物質の除去方法及び組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151014

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6023818

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees