JP2015511974A - クリアーコート被覆組成物、その製造方法およびその使用 - Google Patents

クリアーコート被覆組成物、その製造方法およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(A)80〜250mg KOH/gのOH価を有する少なくとも1種のポリエステルであって、(A1)10〜20モル%の、2つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、(A2)5〜15モル%の、3つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、(A3)10〜20モル%の、4つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、(A4)25〜40モル%の、少なくとも1種の脂環式の1,2−ジカルボン酸および/またはこのジカルボン酸の無水物と、(A5)20〜35モル%のイソノナン酸とを含有し、その際、上述のモル割合は、それぞれ化合物(A1)〜(A5)の全モル割合に対するものであり、かつ前記全モル割合は、前記ポリエステル(A)に含まれる化合物の少なくとも70モル%を成すポリエステルと、(B)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも65℃〜100℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、(C)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも30℃〜60℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、(D)レオロジー助剤としての、少なくとも1種の有機尿素化合物と、(E)少なくとも1種の酸触媒とを含有するクリアーコート被覆組成物に関する。更に、本発明は、前記クリアーコート被覆組成物の製造方法、前記クリアーコート被覆組成物の基材上での硬化されたクリアーコートの製造のための使用ならびに基材上に製造された相応のクリアーコートに関する。

Description

本発明は、少なくとも1種のポリエステルと、少なくとも2種の異なる反応性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、レオロジー助剤としての少なくとも1種の尿素化合物と、少なくとも1種の酸触媒とを含有するクリアーコート被覆組成物に関する。更に、本発明は、前記クリアーコート被覆組成物の製造ならびに種々の基材のコーティングのための前記組成物の使用に関する。
従来技術
今日の自動車塗装において、例えば金属またはプラスチックから製造された車体および車体部分などの種々の基材が塗装される。単層塗装の他に、その場合にまたしばしば複層塗装も構成される。金属製基材の複層塗装は、一般に、電着塗料層と、サーフェイサー層と、ベースコート層と、クリアーコート層とからなる。プラスチック基材の場合には、単層塗装または同様に複層塗装のいずれも構成される。最後の事例では、プラスチック塗装で使用可能な通常のサーフェイサー被覆組成物、単層トップコート被覆組成物、ベースコート被覆組成物およびクリアーコート被覆組成物が使用され、その選択および使用は、当業者に公知である。
今日の自動車産業の分野の塗装に課される高い技術的な光学的要求ならびにその都度の個々の上述の塗料層の機能および技術的特性は、当業者に公知である。その際に、クリアーコート塗装は、例えば塗装された表面の光沢および像識別性(DOI、像鮮明性)もしくは外観(「アピアランス」)などのような本質的な光学的特性を与える。この外観は、かなりの範囲で表面の粗さもしくは起伏によって影響される。粗い表面はどちらかといえば一様でない光学的に美しくない外見に導く一方で、特に平坦で一様な表面は良好な外観をもたらす。クリアーコート層を製造するクリアーコート被覆組成物は、つまり、得られた塗装の外観が自動車産業の高い要求に適合するように相応の特性を有さねばならない。前記特性は、特に、クリアーコート被覆組成物の良好なレベリング特性および良好なサーフェイサー能(Fuellvermoegen)である。これによって、例えば基材の凹凸を一様にすることで、できる限り平坦な表面が得られる。従来の複層塗装においては、そのことは、通常の様式で、クリアーコート層の下にある塗料層によって、特にサーフェイサー層によってもたらされる。塗装プロセスの効率を高めるのと同時にコスト削減に努めるために、しかしながら常に、クリアーコート被覆組成物も上述の特性を有することがますます重要になっている。こうして、例えば、塗装プロセスの範囲内で、より高い粗さを有するためよりコスト的に好都合な鋼製基材も使用できることが試みられる。しかし前記のより高い粗さは、今までしばしば、クリアーコート層の下にある塗料層によって十分に隠蔽されていないので、使用されるクリアーコート被覆組成物も、良好な外観を得るためには良好なサーフェイサー能を有さねばならない。それに加えて、プロセス最適化の動きのなかで、しばしば非トップコート層のフラッシュオフ時間および乾燥時間は短縮されるので、ここでは最高のレベリング作用は達成されない。更に、前記塗料層の層厚は、常に更に低減されるか、またはそれどころか個々の塗料層は革新的な塗装法の分野では完全に省かれることが試みられる。またこれらの理由から、凹凸の隠蔽の役目はますますクリアーコート層にも委ねられる。相応して、クリアーコート被覆組成物は、良好なサーフェイサー能を有し、そのため塗装された表面の優れた外観に寄与することが重要である。
EP 0 837 891 B1は、例えば良好なトップコートの状況、特に光沢に優れた透明なコーティング剤を使用した自動車複層塗装の方法を開示している。前記コーティング剤は、その際、特定のバインダー組み合わせを含有し、その際、とりわけ(メタ)アクリレートコポリマー、ポリエステル、ブロック化されたイソシアネートおよびメラミン樹脂が使用される。
しかし自動車産業においては、依然として、塗装された表面の光学的外観に関する改善の必要性がある。
それに加えて、今日では、塗料の更なる要求として、特に溶剤含有のクリアーコート被覆組成物の更なる要求として、塗料産業に特化して前記組成物の不揮発分(nfA)の増加がある。前記不揮発分の僅かな増加と、それに伴う揮発性有機物質、特に溶剤の割合の低下によって、前記系は、より環境に優しいものにすることができる。更に、前記不揮発分の僅かな増加によってさえ、塗装に際してのより少ない材料消費量/より高い能率が達成され、そのため、相応して高い処理量を有する大工業的な塗装設備の範囲では多くの材料が削減され、最終的に明らかにより経済的にかつ改めてより環境に優しく作業される。従って、塗料産業の重要な一つ目標は、前記不揮発分の連続的な増加もしくはVOC放出の低下と同時に、その都度の塗料組成物、例えばクリアーコート被覆組成物の技術的特性の保持を達成することである。
本発明の課題
自動車産業の相応の努力にもかかわらず、クリアーコート被覆組成物での上述の特性は、今日まで満足のいくものが得られていない。従って、本発明の課題は、良好なサーフェイサー能もしくは良好なレベリングを示し、それにより基材上に、特に金属またはプラスチックから製造された車体および車体部分上に自動車塗装の範囲からコーティングを製造するために用いることができるクリアーコート被覆組成物を提供することであった。前記コーティングは、相応して、高い光沢、特に優れた外観を示すべきである。更に、本発明の課題は、クリアーコート被覆組成物の不揮発分を、技術的特性、特に「アピアランス」を同時に保持しながら高めることができ、それにより技術的に匹敵するまたはそれどころかより粗悪な組成物と比較して改善された経済的かつ環境的な特徴を得ることであった。
本発明による解決策
前記課題は、以下の
(A)100〜220mg KOH/gのOH価を有する少なくとも1種のポリエステルであって、
(A1)10〜20モル%の、2つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A2)5〜15モル%の、3つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A3)10〜20モル%の、4つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A4)25〜40モル%の、少なくとも1種の脂環式の1,2−ジカルボン酸および/またはこのジカルボン酸の無水物と、
(A5)20〜35モル%のイソノナン酸と、
を含有し、その際、上述のモル割合は、それぞれ化合物(A1)〜(A5)の全モル割合に対するものであり、かつ前記全モル割合は、前記ポリエステル(A)に含まれる化合物の少なくとも70モル%を成すポリエステルと、
(B)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも65℃〜100℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、
(C)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも30℃〜60℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、
(D)レオロジー助剤としての、少なくとも1種の有機尿素化合物と、
(E)少なくとも1種の酸触媒(E)と、
を含有するクリアーコート被覆組成物によって解決できることが判明した。
前記クリアーコート被覆組成物は、本発明の対象であり、従って本発明によるクリアーコート被覆組成物と呼称する。更なる好ましい実施形態は、以下の発明の詳細な説明から明らかである。本発明によるクリアーコート被覆組成物は、優れたサーフェイサー能もしくは良好なレベリングを示すので、前記被覆組成物は、特に平坦な表面と、それに伴う高い光沢ならびに特に優れた外観を有するコーティングの製造のために適している。更に、前記クリアーコート被覆組成物は、類似のまたはそれどころかより粗悪な技術的特性を有する組成物と比較して、高められた不揮発分を有し、かつそれにより明らかに改善された経済的な特徴を示す。前記クリアーコート被覆組成物は、それ自体を単独でもまたは複層塗装の範囲でも金属基材またはプラスチック基材を覆うクリアーコートの作製に用いることができる。
同様に、本発明の対象は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の製造方法ならびに基材上へのコーティングもしくは硬化されたクリアーコートの製造のための前記被覆組成物の使用である。同様に、本発明の対象は、本発明によるクリアーコート被覆組成物を用いて基材上に製造されたクリアーコート層である。
本発明の詳細な説明
本発明の範囲において、不揮発分(nfA、固体)の測定のために、特に記載がない限り、それぞれ一定の条件が選択された。不揮発分の測定のために、その都度のサンプル2gの量を固体蓋に塗布し、125℃で2時間にわたり加熱し、室温に冷却し、再秤量される(ISO 3251を参照)。本発明によるクリアーコート被覆組成物中に含まれる、例えば相応のポリマー溶液もしくは樹脂の不揮発分を調べることで、それによって、例えば複数の成分の混合物のまたはクリアーコート被覆組成物全体のその都度の成分の質量割合を調整しかつ決めることができる。
本発明の範囲においては、ヒドロキシル価もしくはOH価は、アセチル化に際してその都度の成分1グラムによって結合された酢酸のモル量に相当するミリグラムでの水酸化カリウムの量を示している。ヒドロキシル価は、本発明の範囲においては、特に記載がない限り、DIN 53240-2(ヒドロキシル価の測定−パート2:触媒を用いた方法)に従って滴定により実験的に測定される。
本発明の範囲において、酸価は、その都度の成分の1gの中和のために必要なミリグラムでの水酸化カリウムの量を示す。酸価は、本発明の範囲においては、特に記載がない限り、DIN EN ISO 2114に従って滴定により実験的に測定される。
質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、本発明の範囲においては、40℃で高圧液体クロマトグラフィーポンプおよび屈折率検出器を用いたゲル透過クロマトグラフィーによって測定される。溶出剤として、テトラヒドロフランが、1mL/分の溶出速度で使用された。較正は、ポリスチレン標準によって実施する。
ガラス転移温度Tgは、本発明の範囲においてはDIN 51005「熱的分析(TA)−概念」およびDIN 53765「熱的分析−動的示差熱量分析(DDK)」に準拠して実験的に測定される。その際、10mgのサンプルをサンプル小皿に量り取り、DSC装置に導入する。それは、出発温度にまで冷却され、それに引き続いて一番目と二番目の測定過程は、50ml/分の不活性ガス(N2)ですすぎながら10K/分の加熱速度で実施され、その際、前記測定過程の間に再び出発温度に冷却する。前記測定は、通常は、予想されるガラス転移温度よりも約50℃低い温度から該ガラス転移温度よりも約50℃高い温度までの温度範囲で行われる。ガラス転移温度とは、本発明の範囲においては、DIN 53765のポイント8.1に準じた二番目の測定過程における、比熱容量の変化の半分(0.5Δ cp)に達したその温度を指す。その温度は、DDKグラフ(熱流の温度に対するプロット)から決定され、それは、ガラス転移の前後の外挿された基線の間の中線と測定曲線との交点の温度である。
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の架橋開始温度は、本発明の範囲においては、動的機械的分析(DMA)によって実験的に決定される。この方法は、例えばDIN EN ISO 6721-1に記載されており、その際、該方法は、この規格において、プラスチックの動的機械的特性の測定の範囲に説明されている。DMAでは、サンプルへと振動力を加えることによって、振動数と温度に依存して該サンプルの粘弾性特性(つまり測定される貯蔵弾性率E’によって表現される剛性および測定される損失弾性率E’’によって表現される1振動当たりの散逸仕事量)が把握される。材料がより剛性となるほど、貯蔵弾性率の寄与は大きくなる。すなわち該材料は、その弾性変形に反して抵抗がより大きくなる。架橋性ポリマー鎖、例えばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の組成の場合には、個々のポリマー鎖の架橋が互いに始まり、それにより個々のポリマー鎖の混合物から複雑な網目構造あるいは被膜が形成されるときに前記剛性は高まる。本発明の範囲では、DMAを用いて、連続的な温度増加で一定の振幅と振動数のサイン型振動を前記サンプルへと加えることによって貯蔵弾性率が測定される。貯蔵弾性率が高まり始める温度は、本発明の範囲では、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の架橋開始温度と呼ぶ。前記測定は、Rheometric Scientific社製のDMTA IV型の装置を用いて実施した。その場合、その都度の測定されるべきメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(固体50%、n−ブタノールで調整)1gを、該測定装置に張られたガラス繊維ネットへと与え、1分当たり2℃の連続的な温度上昇でのサイン型のサンプル負荷(線形測定領域において一定の振動数、一定の振幅)で前記貯蔵弾性率E’が測定される。前記測定は、通常は、予想される架橋開始温度よりも約80〜100℃低い温度から架橋開始温度よりも約80〜100℃高い温度までの温度範囲で行われる。前記架橋開始温度は、その際、貯蔵弾性率/温度グラフから図的に決定され、それは、架橋開始前の貯蔵弾性率の外挿された基線と、架橋開始後の貯蔵弾性率の準線形増加領域からもたらされる外挿された直線との交点の温度である。このようにして、架橋開始温度は、問題なく±1℃で正確に測定できる。
ポリエステル(A)
本発明によるクリアーコート被覆組成物の第一の本発明に必須の成分は、少なくとも一種の以下に記載されるポリエステル(A)である。
ポリエステルとは、一般には、多価有機ポリオールと、多価有機カルボン酸を使用して製造されるポリマーの有機化合物を指す。前記ポリオールとポリカルボン酸は、この場合に、エステル化によって、つまりは縮合反応によって互いに結合される。相応して、該ポリエステルは、一般に、重縮合樹脂のグループに属する。出発成分の種類、官能性および使用される割合および比率に応じて、この際に、例えば直鎖状または分枝鎖状の生成物が得られる。直鎖状の生成物は、主として二官能性の出発成分(ジオール、ジカルボン酸)を使用した場合に生成するが、一方で、より多官能性のアルコール(2より大きいOH官能価、つまり1分子当たりのOH基の数)を使用することによって分岐が得られる。もちろん、その製造に際して、一官能性の成分、例えばモノカルボン酸の部分的な使用も可能である。ポリエステルの製造のために、公知のように、相応の有機カルボン酸の代わりにまたはそれに加えて、該カルボン酸の無水物、特にジカルボン酸の無水物を使用することもできる。同様に、ヒドロキシカルボン酸または該ヒドロキシカルボン酸から分子内エステル化によって誘導されたラクトンの使用による製造も可能である。
ごく一般的に、ポリエステルの製造に際して、ポリカルボン酸およびポリオールが、例えば脂肪族ポリカルボン酸および脂肪族ポリオールが使用されうる。
脂肪族化合物は、公知の非環式または環式の、飽和もしくは不飽和の炭化水素化合物である。脂肪族化合物という概念には、つまり非環式と環式の脂肪族化合物が含まれ、相応の上位概念として本発明の範囲にも該当する。本発明の範囲においては、環式でない脂肪族化合物は、非環式脂肪族化合物と呼ばれ、環式の脂肪族化合物は、脂環式化合物と呼ばれる。該非環式脂肪族化合物は、直鎖状または分枝鎖状であってよい。直鎖状とは、公知のように、その都度の化合物が炭素鎖に関して分岐を有さず、炭素原子は鎖中で直鎖状の並びでのみ配置されていることを意味する。分枝鎖状もしくは非線形とは、それにより本発明においては、その都度の該当する化合物が炭素鎖中に分岐を有すること、つまりその都度の化合物の少なくとも1つの炭素原子が第三級炭素原子であることを意味する。脂環式化合物とは、公知のように、分子中に存在する炭素原子の少なくとも一部が、1つ以上の環を形成するように結合されている化合物を指す。もちろん、前記1つ以上の環の他に、更なる非環式の直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族基が存在してよい。
脂肪族ポリカルボン酸とは、以下に、そのカルボン酸基の他に、脂肪族基を有するポリカルボン酸、つまりカルボン酸基と脂肪族基からなるポリカルボン酸を指す。この命名形式は、本発明の範囲で挙げられる全ての他の化合物クラスについても、例えば既に挙げたポリオールについても言える。
同様に芳香族ポリカルボン酸および芳香族ポリオールまたはその化合物クラスを指す官能基の他に(直鎖状、分枝鎖状および/または環状の)脂肪族基も芳香族基も有するポリカルボン酸とポリオールも使用できる。同様に、直鎖状の、分枝鎖状のおよび/または環状の脂肪族のおよび/または芳香族のヒドロキシカルボン酸ならびにラクトン、つまりその化合物クラスを指す官能基の他に直鎖状の、分枝鎖状のおよび/または環状の脂肪族のおよび/または芳香族の基を有するヒドロキシカルボン酸とラクトンを使用することも可能である。
好適なジオールは、例えばグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコールおよび別のジオール、例えば1,4−ジメチロールシクロヘキサンまたは2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールである。好ましくは、上述のジオールは、唯一含まれるジオールである。
好適なより高官能価のアルコール(2より高いOH官能価)は、例えばトリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリトリトールである。好ましくは、上述のより高官能価のアルコールは、唯一含まれるより高官能価アルコールである。
ポリエステルの酸成分は、一般に、分子中に2〜44個の、好ましくは4〜36個の炭素原子を有するジカルボン酸またはその無水物を含む。好適な酸は、例えばo−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、テトラクロロフタル酸および/または二量体脂肪酸である。これらの酸の代わりに、それらの無水物も、これが存在する限り使用できる。また3またはそれより多くのカルボキシル基を有するより高官能価のカルボン酸(もしくは相応の無水物)、例えばトリメリト酸無水物を使用することもできる。しばしば、部分的にモノカルボン酸、例えば不飽和脂肪酸などのモノカルボン酸も使用される。好ましくは、上述のジカルボン酸およびより高官能価のカルボン酸は、唯一含まれるジカルボン酸およびより高官能価のその無水物を含むカルボン酸である。
使用可能なヒドロキシカルボン酸は、例えばヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシデカン酸および/または12−ヒドロキシステアリン酸である。使用可能なラクトンは、例えば自体公知のβ−、γ−、δ−およびε−ラクトン、特にε−カプロラクトンである。
上記のモノマー化合物の他に、例えば既にポリマーの出発物質を使用することもできる。例えばジオールとしては自体公知のポリエステルジオールであって、ラクトンと二価アルコールとの反応によって得られるポリエステルジオールを使用できる。
ポリエステルの製造は、プロセス技術的固有の特徴を有さず、一般に自体慣用でかつ公知の重合法、特に重縮合法を介して、例えば塊状でまたは溶液で、好ましくは50〜300℃の温度で行われる。その際、場合によりこのために典型的な触媒、例えば酸(例えば濃硫酸)、ジブチルスズラウレートまたは他の、例えば商品名Fascatとして入手可能なスズベースの触媒などの触媒(例えばFascat 4100)が使用される。縮合反応から生成する水は、典型的には水分離器によって除去される。例示的な製造方法は、以下に示される実施例に記載されている。
本発明によるクリアーコート被覆組成物に含まれる少なくとも1種のポリエステル(A)は、上述の化合物、特にモノマー化合物を含んでよいが、以下に挙げられる特徴を必ず有さねばならない特定のポリエステルである。前記ポリエステル(A)は、また上記の条件下でも製造できる。本発明の範囲において、ポリマー、例えばポリエステル(A)が規定の化合物を含むことが示される場合に、それは、その都度のポリマー、例えばポリエステル(A)の製造に際して、前記の規定の化合物が出発化合物として使用されることを表す。出発化合物の種類に応じて、その都度のポリマーへの反応は、種々のメカニズムにより行われる。ここで例えば、アルコールとカルボン酸の縮合反応に際して、公知のようにエステル結合の形成それぞれについて、1分子の水が分離される。この分子の水は、当然、製造されたポリエステル中にはもはや存在しない。それにもかかわらず、前記ポリエステルは、もちろん前記水を除き、2種の化合物を、つまりアルコールとカルボン酸を含有する。従って見通しによれば、その都度のポリマーは前記化合物を含有することが挙げられる。「前記ポリマーは化合物Vを含有する」という表現の意味は、つまり「前記ポリマーの製造に際して化合物Vを使用した」という表現の意味と同等に扱われる。
前記ポリエステル(A)は、本発明によれば、
(A1)10〜20モル%の、2つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A2)5〜15モル%の、3つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A3)10〜20モル%の、4つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
(A4)25〜40モル%の、少なくとも1種の脂環式の1,2−ジカルボン酸および/またはこのジカルボン酸の無水物と、
(A5)20〜35モル%のイソノナン酸と、
を含有し、その際、上述のモル割合は、それぞれ化合物(A1)〜(A5)の全モル割合に対するものであり、かつ前記全モル割合は、前記ポリエステル(A)に含まれる化合物(つまり出発化合物)の少なくとも70モル%、好ましくは少なくとも85モル%を成す。殊に好ましくは、前記ポリエステル(A)は、化合物(A1)〜(A5)からなる。
少なくとも1種のポリエステル(A)は、従ってあらゆる場合において、モノカルボン酸のイソノナン酸を含有する。前記ポリエステルは、従って、イソノナン酸変性ポリエステルとも呼ばれる。
少なくとも1種のポリエステル(A)の割合は、それぞれ本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは12〜45質量%、特に15〜40質量%、特に好ましくは18〜30質量%である。
少なくとも1種のポリエステル(A)は、OH官能性であり、100〜220mg KOH/gの、好ましくは120〜200mg KOH/gの、殊に好ましくは140〜180mg KOH/gのOH価を有する。
少なくとも1種のポリエステル(A)は、カルボキシ官能基を含んでよい。その酸価は、好ましくは30mg KOH/g未満、特に10〜15mg KOH/gである。
少なくとも1種のポリエステル(A)は、好ましくは2900〜4100g/モルの、特に好ましくは3250〜3800g/モルの質量平均分子量Mwおよび1000〜1500g/モル、特に好ましくは1100〜1300g/モルの数平均分子量Mnを有する。
好ましくは化合物(A1)として2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが、化合物(A2)としてトリメチロールプロパンが、化合物(A3)としてペンタエリトリトールが、そして化合物(A4)としてヘキサヒドロフタル酸無水物がポリエステル(A)中に含まれる。このポリエステル(A)は、驚くべきことに、本発明によるクリアーコート被覆組成物の特に顕著な応用技術的特性をもたらし、特に該クリアーコート被覆組成物で製造されたコーティングの高い光沢および非常に一様な外観をもたらす。
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および(C)
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、更に、以下に定義される少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)と、それとは異なる以下に定義される少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)を含有する。
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂とは、メラミン(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)と1モル当たり最高6モルのホルムアルデヒドとからなる生成物が呼称される。しかしメラミン樹脂の場合には、例えば炭素鎖を有するアルデヒド、特に2〜8個の炭素原子を有するアルデヒドを使用できる。好ましいアルデヒドは、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒドまたはブチルアルデヒドであり、一般に殊に好ましくはホルムアルデヒドであり、従ってメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
メラミンのアミノ基とホルムアルデヒドとの反応によって、メチロール基を有する反応生成物が得られ、その際、1アミノ基当たりに全体で2つのホルムアルデヒド分子が付加されてよく、あるいは1N−H単位当たりに1つのホルムアルデヒドが付加されてよい。例えばこのメチロールアミンから、次いで縮合反応によって複数のメラミン核を有し、該核が、その際例えば相応のエーテル橋かけを介して結合されている種々の付加物が形成されうる。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、従って単核または多核である分子から構成されており、つまりは前記分子は、1つのトリアジン環(「単核」)あるいは複数のトリアジン核(「多核」)を含んでもよい。
もちろん、これらの付加物は、種々のメチロール化度を有してよく、従ってなおも遊離の反応性のN−H単位を含んでもよい(イミノ基含有のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂)。高い含量の遊離のイミノ基を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(いわゆる高イミノ−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)は、比較的反応性であり、かつそれ自体と(自己縮合)、またはしかし例えば規定のOH官能性ポリマー、例えばポリエステル(A)と、相応して一定に選択された反応条件(例えば一定の反応温度または一定量の規定の触媒量を使用して)で、高いメチロール化度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の場合よりも本質的に素早く反応(架橋)する。相応して、所定の時間範囲で規定の架橋度を達成するために、僅かな温度および/または触媒量しか必要とされない。同じように、架橋および/または自己架橋を使用する場合に一定の条件であってもより低い温度しか必要ない。メラミン樹脂のメチロール化度は、メラミンの潜在的なメチロール化部位のどれほど多くが平均してメチロール化されているかを説明している。つまり、メラミン(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン)の第一級アミノ基の全体で6つの水素原子のどれほど多くがメチロール基によって置き換えられているかを説明している。完全にメチロール化された単核のメラミン樹脂は、従って1トリアジン環当たりに6個のメチロール基を有する(ヘキサメトキシメチルメラミン)。メチロール化度は、従って常に6以下の値をとらねばならない。
しばしば、メラミン樹脂の反応性は、例えば架橋親和性を調節すると同時に樹脂の可溶性を変更するために、メチロール基の種々のアルコールによる完全なもしくは部分的なエーテル化によって変性もしくは減少される。前記エーテル化のためには、一価または多価のアルコールが適している。好ましくは該エーテル化のためには一価アルコールが使用される。例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノールまたはヘキサノールも該エーテル化のために使用できる。一般にメタノール、n−ブタノールおよびイソブタノールが好ましい。また種々のアルコールの混合物、例えばメタノールおよびn−ブタノールからなる混合物も使用できる。その際、メラミン樹脂のエーテル化度は、アルコールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂のメチロール基の割合を説明している。単核の完全にメチロール化されたおよび完全にアルコールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂のための例は、ヘキサメトキシブチルメラミンまたはヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)である。
公知のように、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の分子量は、同様に反応性に影響を及ぼすことがある、特に自己縮合についての反応性および/または例えばOH官能性ポリマーとの架橋反応性に影響を及ぼすことがある。ここで、より高分子量の(例えば多核のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂)は、一般に、低分子量の(例えば単核のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂)よりも高い反応性を有する。
記載されるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、公知のように種々の供給元から得ることができる。これらのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、場合により相応の有機溶剤、例えばn−ブタノール中に溶解された樹脂は、その際、被覆組成物、例えば塗料において直接使用することができる。公知の製品タイプは、例えばCytec(例えば製品シリーズCymel(登録商標))からまたはBASF(例えば製品シリーズLuwipal(登録商標))から得られる。その場合に、例えば種々のメチロール化度、エーテル化度または縮合度を有する(単核または多核の)製品が得られる。
本発明によるクリアーコート被覆組成物においては、ブタノール、好ましくはn−ブタノールでエーテル化されているメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を使用できる。つまり、存在するメチロール基の少なくとも一部は、ブタノール、好ましくはn−ブタノールでエーテル化されている(ブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂)。同時に、高い反応性を示すメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を使用せねばならない。上記のように、高い反応性は、例えばメチロール化されていないN−H単位の高い含量(高イミノ−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)によって達成できる。また既に上述した分子量の増大は、反応性の向上に寄与しうる。
従って、前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)は、ブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。両者の樹脂(B)および(C)の反応性は、一般に低い反応性として知られている、高いメチロール化度およびエーテル化度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、例えばHMMMよりもかなり高い。前記樹脂(B)および(C)は、しかしその反応性をもとに区別される。その際、前記樹脂(B)は、樹脂(C)よりも反応性が高い。驚くべきことに、2種の異なる反応性のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂をまさに使用することによって、本発明による課題は解決され、特に最終的に得られる塗料層の優れた外観が得られることが判明した。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の反応性は、本発明の範囲では、架橋開始温度をもとに確認され、その際、より低い架橋開始温度は、当然より高い反応性を意味する。前記架橋開始温度は、本発明の範囲では、更に上記の当業者に当該技術分野で自体公知の動的機械的分析(DMA)の測定法をもとに測定される。その際、メラミン樹脂(B)および(C)の架橋開始温度は、本発明によれば、標準に対して、つまり単核の完全にメチロール化されたおよび完全にエーテル化されたHMMMに対して定められている。
少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)の架橋開始温度は、HMMMの架橋開始温度よりも65℃〜100℃低く、好ましくは70℃〜90℃低い。
少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)の架橋開始温度は、HMMMの架橋開始温度よりも30℃〜60℃低く、好ましくは40℃〜55℃低い。
参照として用いられるHMMMは、例えば同様に市販製品として得ることができる。特にそれは、Luwipal(登録商標)066(BASF)であってよい。
上記のように、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の反応性は、特にメチロール化度もしくは遊離のイミノ基の割合によって定められる。樹脂(B)および(C)は、従って、一般に高イミノ−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と呼ばれる。市販されている典型的なメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)は、Luwipal(登録商標)014(BASF)である。市販されている典型的なメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)は、Luwipal(登録商標)018(BASF)である。
前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)の割合は、それぞれ本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは2〜10質量%、特に3〜8質量%、特に好ましくは4〜6質量%である。
前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)の割合は、それぞれ本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは5〜20質量%、特に7.5〜17.5質量%、特に好ましくは10〜15質量%である。
樹脂(C)の割合は、好ましくは樹脂(B)の割合よりも大きい。
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、前記メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および(C)の他になおも更なるメラミン樹脂を含有してよい。
特に好ましくは本発明の範囲で使用できる更なるメラミン樹脂は、樹脂(B)および(C)とは異なるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の他に、ホルムアルデヒド不含のアルコキシカルボニルアミノトリアジン、特にトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(TACT)である。前記メラミン樹脂は、場合によりエーテル化されたメチロール基の代わりにカルバメート官能性であるメラミン付加物である。ここで、例えば好ましいトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジンの場合には、メラミンの全ての第一級アミノ基は、カルバメート単位で官能化されている。
好ましくは、本発明によるクリアーコート被覆組成物は、つまり少なくとも1つのトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(TACT)を含有する。特に好ましいトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジンは、以下の式(I):
Figure 2015511974
[式中、Rは、Cn2n+1であり、nは、1〜10であり、特にメチルまたはブチルである]の構造を有する。
少なくとも1種のトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン、特に式(I)の少なくとも1種のTACTが存在する場合に、それは、それぞれ本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは0.5〜10質量%の割合を、特に0.8〜7.5質量%の割合を、特に好ましくは1〜5質量%の割合を有する。
前記メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および(C)ならびに場合により存在するトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(TACT)の量は、上記割合範囲のなかで、好ましくは、かかる組み合わせの場合に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および(C)の、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンに対する質量比が、2:1〜15:1の範囲、特に4:1〜12:1の範囲、殊に好ましくは6:1〜10:1の範囲にあるように選択されるべきである。
レオロジー助剤としての有機尿素化合物(D)
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、少なくとも1種の有機尿素化合物(D)をレオロジー助剤として含有する。
前記尿素化合物は、好ましくは1種以上のポリイソシアネート、特に1種のポリイソシアネートと、1種以上のアミン、特に1種以上のモノアミン、特に好ましくは1種のモノアミンとの付加生成物である。
ポリイソシアネートとしては、原則的に、1分子当たりに少なくとも2つのイソシアネート基を含む全ての有機化合物を使用できる。また例えばポリオールとポリアミンからのイソシアネート基含有反応生成物およびポリイソシアネートを使用することもできる。好ましくは、ジイソシアネート、殊に好ましくは脂肪族ジイソシアネート、特にヘキサメチレンジイソシアネートが使用される。使用可能なポリイソシアネートのための例としては、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−(2,4−ω−ジイソシアナト−エチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル(2,4−ω−ジイソシアナト−メチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル(2,4−ω−ジイソシアナト−メチル)ベンゼン、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。殊にヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートが好ましい。
アミンとしては、好ましくは、第一級モノアミン、特に芳香脂肪族または脂肪族の第一級モノアミンが使用される。使用可能なアミンのための例としては、ベンジルアミン、エチルアミン、メトキシプロピルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、イソノナニルアミン、イソトリデシルアミン、n−デシルアミン、ステアリルアミンまたはエチレンジアミンも挙げられる。殊にベンジルアミンが好ましい。
有機尿素化合物(D)は、好ましくは、少なくとも1種の典型的な更に以下に記載されるような有機溶剤ならびに少なくとも1種のポリエステル、例えばポリエステル(A)および/または(メタ)アクリレート(コ)ポリマー、好ましくは以下に記載されるような(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)と混合したペーストの形で、本発明によるクリアーコート被覆組成物中で使用される。ここで、前記尿素化合物の製造は、例えばポリエステル及び/又は(メタ)アクリレート(コ)ポリマーの存在下で直接的に行うことができる。その際、例えば、脂肪族の第一級モノアミンは、(メタ)アクリレート(コ)ポリマーおよび/またはポリエステルを有機溶剤もしくは有機溶剤からなる混合物中に溶かした溶液へと加えて、次いでポリイソシアネートを添加して行われる。該当する有機溶剤は、更に以下に記載されており、かつ特に、前記溶剤が、反応に際して存在する成分と、つまり少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマーおよび/またはポリエステルと支障のある相互作用を示さないように選択される。更に以下に記載される、クリアーコート被覆組成物中の尿素化合物の好ましい割合は、しかしながらペーストの場合にも、尿素化合物に対するものであり、尿素化合物と(メタ)アクリレート(コ)ポリマーおよび/またはポリエステルからなる混合物に対するものではない。尿素化合物の実施の量は、従って、例えば簡単に使用されるポリイソシアネートおよびアミンの量によって計算することができる。
こうして得られるペースト、つまり尿素基含有のレオロジー助剤および(メタ)アクリレート(コ)ポリマーおよび/またはポリエステル、好ましくは(メタ)アクリレート(コ)ポリマーからなる有機溶剤を有する混合物は、次いで直接的に、本発明によるクリアーコート被覆組成物中で使用することができる。
ポリイソシアネートおよびアミンの付加生成物としての、例えば(メタ)アクリレート(コ)ポリマーまたはポリエステルとの混合物としての尿素化合物は、例えば商品名Setalux(登録商標)およびSetal(登録商標)(Nuplex Resins社)として得られ、本発明によるクリアーコート被覆組成物において簡単に使用することができる。
殊に好ましくは、前記有機尿素化合物(D)は、少なくとも1種の有機溶剤および少なくとも1種の以下に記載されるような(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)と混合したペーストとして使用される。
レオロジー助剤としての少なくとも1種の有機尿素化合物(D)の割合は、それぞれクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜4質量%、特に0.2〜3質量%、特に好ましくは0.3〜2質量%、殊に好ましくは0.4〜1質量%である。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、好ましくは以下に記載されるような少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)を含有する。上記のように、例えば好ましく使用できる少なくとも1種の尿素化合物(D)のペーストは、好ましくは少なくとも1種のかかる(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)を含有する。しかし前記(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)は、もちろん、尿素化合物(D)と事前に混合してペーストとしなくても、クリアーコート被覆組成物中で使用することもでき、あるいはこの中に含まれていてよい。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマーとは、公知のように、種々のアクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーから構成されるポリマーの有機化合物を表す。(メタ)アクリレートという名称は、本発明の範囲では、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表すか、あるいはアクリレートおよび/またはメタクリレートを含むかもしくはそれらから構成されている化合物を表す。かかるアクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーのための例としては、種々のアルキル(メタ)アクリレートおよびシクロアルキル(メタ)アクリレート、例えば当業者に公知の化合物であるエチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルアクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルアクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレートまたはラウリルメタクリレート、シクロアルキルアクリレートならびにシクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。
前記(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)は、OH官能性であり、かつ60〜200mg KOH/gの、好ましくは70〜180mg KOH/gの、殊に好ましくは90〜170mg KOH/gのOH価を有する。相応して、前記ポリマー骨格中に、OH基を有し、かつ(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)のOH官能性を構成するかかるアクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーの所定の割合が組み込まれている。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の製造のためのヒドロキシル基含有モノマー構成単位としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレートならびに特に4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび/または4−ヒドロキシブチルメタクリレートが使用される。(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)のための更なるモノマー構成単位としては、ビニル芳香族炭化水素、例えばビニルトルエン、α−メチルスチレンもしくは特にスチレン、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアミドもしくはニトリル、ビニルエステルもしくはビニルエーテルを使用でき、同様に副次的な量で特にアクリル酸および/またはメタクリル酸を使用できる。
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)は、−40℃〜70℃の、好ましくは−35℃〜50℃の、殊に好ましくは−35℃〜35℃のガラス転移温度Tgを有する。当業者に当該技術分野で知られているように、(メタ)アクリレート(コ)ポリマーのガラス転移温度は、例えば含まれるモノマーの種類およびそのポリマー中の割合によって決定される。当業者によって多大な労力なくして相応の選択がなされうる。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の分子量は、当業者によく知られた範囲にあり、最終的には制限は課されない。好ましくは、質量平均分子量Mwは、7000〜15000g/モル、特に8000〜13000g/モルであり、かつ数平均分子量Mnは、2000〜4000g/モル、特に2500〜3500g/モルである。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の酸価は、好ましくは0〜50mg KOH/g、特に0〜30mg KOH/gである。
(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)としては、通常の市販の(メタ)アクリレート(コ)ポリマーも、自体製造された(メタ)アクリレート(コ)ポリマーも使用できる。市販の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)としては、例えば製品シリーズ「Macrynal」のポリアクリレート(Cytec Surface Specialities)または市販製品Setalux 1756 VV-65(Nuplex Resins)を挙げることができる。
前記(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の製造は、プロセス技術上の特徴を有さず、例えばプラスチック分野で通常のかつ公知の、塊状、溶液、エマルジョン、ミニエマルジョンもしくはミクロエマルジョンにおける常圧もしくは超過圧のもとでの撹拌槽、オートクレーブ、管形反応器、ループ型反応器もしくはテイラー反応器中での好ましくは50〜200℃の温度での連続的なもしくは断続的なラジカル開始型の共重合の方法を用いて行われる。
好適な共重合法の例は、特許出願DE 197 09 465 A1、DE 197 09 476 A1、DE 28 48 906 A1、DE 195 24 182 A1、DE 198 28 742 A1、DE 196 28 143 A1、DE 196 28 142 A1、EP 0 554 783 A1、WO 95/27742 A1、WO 82/02387 A1またはWO 98/02466 A1に記載される。
好適なラジカル開始剤の例は、ジアルキルペルオキシド、例えばジ−t−ブチルペルオキシドもしくはジクミルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシドもしくはt−ブチルヒドロペルオキシド、ペルエステル、例えばt−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノエートもしくはt−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ペルオキソジカーボネート、カリウムの、ナトリウムのもしくはアンモニウムのペルオキソ二硫酸塩、アゾ開始剤、例えばアゾジニトリル、例えばアゾビスイソブチロニトリル、C−C開裂性開始剤、例えばベンゾピナコールシリルエーテルまたは非酸化性開始剤と過酸化水素との組み合わせである。また上記の開始剤の組み合わせも使用できる。
好適な開始剤の更なる例は、ドイツ特許出願DE 196 28 142 A1の第3頁第49行〜第4頁第6行に記載されている。更に、チオカルボニルチオ化合物またはメルカプタン、例えばドデシルメルカプタンが連鎖移動剤または分子量調節剤として使用できる。
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の割合は、それぞれ本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量に対して、好ましくは5〜20質量%、特に6〜15質量%、特に好ましくは7.5〜12.5質量%である。
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、特に好ましい一実施形態においては、少なくとも2種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)を含有し、その際、前記両方のアクリレートの少なくとも一方は、−35℃〜35℃のTg、90〜170mg KOH/gのOH価、0〜30mg KOH/gの酸価、2000〜4000g/モルの数平均分子量Mnおよび7000〜15000g/モルの質量平均分子量を有する。
酸触媒(E)
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、更に少なくとも1種の酸触媒(E)を含有する。公知のように、かかる触媒は、例えば、使用される樹脂が硬化に際して相応の重縮合反応によって架橋する被覆組成物で使用される。例示される樹脂は、その際、特にヒドロキシ官能性樹脂、例えばポリエステルおよび/または(メタ)アクリレート(コ)ポリマーならびにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。該触媒の使用とその公知の作用メカニズム(酸触媒反応)によって、架橋反応が触媒され、それにより焼き付け温度は低下し、焼き付け時間は短縮され、または完全な硬化がそもそもはじめて可能になる。
前記酸触媒(E)は、好ましくは有機酸、特にスルホン酸、カルボン酸、リン酸および/または酸性リン酸エステルである。殊にスルホン酸が好ましい。
上述の酸触媒は、好ましくはブロック化された形で使用される。それによって、公知のように、例えば前記触媒を含有する組成物の貯蔵安定性は改善される。好適なブロック化剤は、例えばアミン、例えば好ましくは第三級のアルキル化されたもしくは複素環式のアミンである。
好適なスルホン酸は、例えばドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNSA)、パラトルエンスルホン酸(pTSA)ならびにブロック化されたスルホン酸触媒、例えばブロック化されたDDBSA、ブロック化されたDNNSAまたはブロック化されたp−TSAである。
その際、スルホン酸触媒のブロック化は、例えば同様にアミン、例えば好ましくは第三級のアルキル化されたもしくは複素環式のアミン、例えば2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジイソプロパノールアミン、ジメチルオキサゾリジンまたはトリメチルアミンによって行われる。また共役ブロック化されたスルホン酸触媒の使用も可能である。この場合に、前記ブロック化のために、共有結合するブロック化剤、例えばエポキシ化合物もしくはエポキシ−イソシアネート化合物が使用される。かかるブロック化されたスルホン酸触媒は、特許公報である米国特許第5.102.961号に詳細に記載される。
好ましくは、アミンブロック化されたスルホン酸触媒が使用される。かかる触媒は、例えば商品名CYCAT(登録商標)(Cytec社)またはNacure(登録商標)(King Industries社)として得られ、本発明によるクリアーコート被覆組成物において直接的に使用できる。
前記1種以上の酸触媒(E)、特にスルホン酸触媒は、通常の公知の量で使用される。好ましくは、それぞれクリアーコート被覆組成物の全量に対して、0.01〜3質量%、特に0.05〜2質量%、殊に好ましくは0.1〜1質量%が使用される。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の更なる考えられる成分
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、更に少なくとも1種の有機溶剤を含有してよい。好ましくは、前記組成物は、かかる溶剤を含有する。つまり前記組成物は溶剤含有である。
有機溶剤としては、特に、クリアーコート被覆組成物において、化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(DD)、(E)および(F)ならびにその他の場合により存在する成分に対して化学的に不活性であり、かつ本発明によるクリアーコート被覆組成物から製造されたクリアーコート塗装の硬化に際しても(A)、(B)、(C)、(D)、(DD)、(E)および(F)ならびにその他の場合により存在する成分と反応しない溶剤が適している。当業者は、好適な溶剤を、その公知の溶解能およびその反応性をもとに容易に選択することができる。
かかる溶剤の例は、脂肪族および/または芳香族の炭化水素、例えばブチルグリコール、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、Solvesso 100またはHydrosol(登録商標)(ARAL社)、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルアミルケトン、エステル、例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、ブチルグリコールアセテート、ペンチルアセテートまたはエチルエトキシプロピオネート、エーテル、アルコール、例えばブタノールおよびブチルジグリコールまたは上述の溶剤からなる混合物である。
前記少なくとも1種の有機溶剤の割合は広く変動しうる、そして例えば、クリアーコート被覆組成物の全量に対して20〜65質量%の範囲であってよい。好ましくは、前記割合は、25〜60質量%、特に30〜55質量%である。しかし、本発明によるクリアーコート被覆組成物の利点は、該組成物が、同様のもしくはそれどころかより粗悪な技術的特性(例えば光沢または「アピアランス」)を示す公知の溶剤含有のクリアーコート被覆組成物に対して、より少ない含量の有機溶剤を含有しうることである。このように、前記技術的特性が同時に得られるかあるいは改善される場合に、前記不揮発分の増大も行われうる。それによって、最終的に材料が削減でき、それにより明らかにより経済的かつまた環境により優しく作業することができる。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の固体もしくは不揮発分は、好ましくは35〜80%、特に40〜75%、特に好ましくは45質量%〜70%である。
記載される成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E)は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量の、好ましくは30質量%超、特に35質量%超を構成する。有機溶剤が含まれている場合には、それが好ましいが、その際に、記載される成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および前記溶剤は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量の、特に70質量%超、好ましくは75質量%超を構成する。付加的になおも成分(DD)が存在する、本発明によれば好ましい変法の場合には、前記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(DD)、(E)および前記溶剤は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の全量の、特に85質量%超、好ましくは90質量%超を構成する。
それは、つまり、本発明によるクリアーコート被覆組成物は、少なくとも1種の更なる成分を、例えば慣用のかつ更に以下に記載される塗料添加剤を、10質量%未満の、特に5質量%未満の通常の量で含有しうることを意味する。
更なる成分としては、例えば前記ポリエステル(A)、(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)ならびに前記メラミン樹脂(B)および(C)とは異なる更なる有機ポリマー化合物が含まれていてよい。上述の場合により存在する成分は、例えば統計的に、交互に、および/またはブロック状に構成された、直鎖状、分枝鎖状および/または櫛状に構成された、少なくとも1種のモノマー化合物の(コ)ポリマーであってよい。最終的には、更に前記のポリエステル(A)、(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)ならびにメラミン樹脂(B)および(C)を除き、当業者にこの関連で知られている全ての典型的な有機化合物が該当する。
特に更なる統計的に、交互に、およびブロック状に構成された、直鎖状、分枝鎖状、および/または櫛状に構成された、エチレン性不飽和モノマーの(コ)ポリマーが含まれていてよい。上述の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)の他に、例えば前記(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)とは異なる更なる(メタ)アクリレート(コ)ポリマーも前記クリアーコート被覆組成物中に含まれていてよい。
更なる好適な、エチレン性不飽和モノマーの(コ)ポリマーの例は、既に詳細に記載した(メタ)アクリレート(コ)ポリマーの他に、また部分的に鹸化されたポリビニルエステルである。
更なる重付加樹脂および/または重縮合樹脂が含まれていてもよい。好適な重付加樹脂および/または重縮合樹脂の例は、前記ポリエステル(A)とは異なるポリエステル、アルキド、ポリウレタン、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂−アミン−付加物、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタンおよびポリエステル−ポリエーテル−ポリウレタンである。例えばまた、前記メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)および(C)ならびにTACTとは異なるアミノ樹脂も、例えば自体公知の尿素樹脂およびチオ尿素樹脂またはベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂およびアセトグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂も含まれていてよい。
同様に、本発明によるクリアーコート被覆組成物において、例えばブロック化された有機ポリイソシアネートが含まれていてよい。原則的に、その際に、1分子当たりに少なくとも2つのイソシアネート基を含む全ての有機化合物、例えば更に上述されるポリイソシアネートを使用できる。典型的なブロック化剤は、この関連では、例えばフェノール、アルコール、オキシム、ピラゾール、アミンおよびCH酸性化合物、例えばマロン酸ジエチルエステル、特にカプロラクタム、ブタンオキシム、アセトンオキシム、マロン酸ジエチルエステル、ジメチルピラゾールまたはフェノールである。ブロック化反応は、典型的には、遊離NCO基と上述のブロック化剤とを、例えば触媒、例えばジブチルスズジラウレートまたはスズ(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)の存在下で反応させることによって実施される。前記ブロック化剤および相応の転化反応は、当業者に公知である。
更なる成分として、少なくとも1種の通常の自体公知の塗料添加剤が本発明によるクリアーコート被覆組成物中に含まれていてもよい。かかる塗料添加剤は当業者に公知であり、かつ具体的な事例に応じて選択できる。
特に好適な塗料添加剤は、
− 特定のUV吸収剤、
− 特定の光保護剤、例えばHALS化合物、ベンゾトリアゾールまたはオキサルアニリド、
− 非隠蔽性の透明な充填剤、例えばSiO2ナノ粒子、硫酸バリウムおよび酸化亜鉛、
− ラジカル捕捉剤、
− スリップ添加剤(Slipadditive)、
− 重合抑制剤、
− 抑泡剤、
− 技術水準から一般に知られている反応性希釈剤、
− 湿潤剤、例えばシロキサン、フッ素含有化合物、カルボン酸半エステル、
− 定着剤、例えばトリシクロデカンジメタノール、
− 上記のレオロジー助剤(D)とは異なる他のレオロジー助剤、例えば特にポリアミド(例えば商品名Disparlonとして入手できる)または熱分解法シリカ(例えば商品名Aerosilとして入手できる)、もしくはそれらをバインダーとしての相応の樹脂中で擦ったもの、
− 被膜形成性助剤、例えばセルロース誘導体、および/または
− 難燃剤
である。
本発明によるクリアーコート被覆組成物は、例えば熱硬化することができる。このために、前記組成物は、例えば前記少なくとも1種のポリエステル(A)、少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)および少なくとも1種のメラミン樹脂(B)を含有する。本発明の範囲においては、「熱硬化性」もしくは「熱硬化」という概念は、反応性官能基の化学反応によって起こる塗料層の架橋(被覆被膜の形成)であって、前記化学反応のエネルギー活性化が熱エネルギーによって可能であるものを意味する。当業者に知られているように、この硬化に際して、様々な場合において、前記硬化反応を促進もしくは可能にするために、所定の触媒の追加の使用が望ましいあるいは必要である。その際、互いに相補的な異なる官能基が互いに反応でき(相補的官能基)、および/または被膜形成は、自己反応性基の反応、つまりその種の基と互いに反応する官能基の反応に基づくものである。好適な相補的な反応性官能基および自己反応性の官能基の例は、例えばドイツ特許出願DE 199 30 665 A1の第7頁第28行目から第9頁第24行目から公知である。
公知のように、通常の硬化条件下で、例えば以下に記載される硬化条件下で、かかる架橋は、それによりいずれにせよ、本発明によるクリアーコート被覆組成物に対して生じ、特にヒドロキシ官能性ポリエステル(A)ならびにメラミン樹脂(B)および(C)の架橋によって生ずる。
その場合に、自体公知の1成分(1K)系および多成分系、特に2成分(2K)系が可能である。
1成分(1K)系においては、架橋されるべき成分は並存する、つまり1成分中に存在する。そのための必要条件は、例えば、架橋されるべき成分が、より高い温度でおよび/または触媒の使用によってはじめて架橋することである。
2成分(2K)系において、架橋されるべき成分は2つの成分中に存在する。それらの成分は適用直前にはじめて一緒にされる。この形態は、架橋されるべき成分が既に室温で、つまり10〜30℃、特に25℃の温度で互いに反応する場合に選択される。
当業者に知られるように、本発明によるクリアーコート被覆組成物中に存在する化合物、特に少なくとも1種のポリエステル(A)およびメラミン樹脂(B)および(C)は、一般に室温ですでに架橋しない。本発明によるクリアーコート被覆組成物は、従って好ましくは1成分(1K)系である。しかし前記組成物は、もちろん2成分(2K)系として存在してもよい。それは、例えば、本発明によるクリアーコート被覆組成物が上記のブロック化されていないポリイソシアネートを含有する場合である。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の他に、本発明によるクリアーコート被覆組成物の製造方法は、本発明の更なる対象である。もちろん、その場合に、使用されるべきもしくは使用可能な本発明によるクリアーコート被覆組成物の成分に関する上記の好ましい全ての実施形態は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の製造方法に関しても当てはまる。
該製造は方法上の特徴を有さず、上記の成分を通常のかつ公知の混合法および装置、例えば撹拌槽、撹拌ビーズミル、押出機、混練機、Ultraturrax、インラインディゾルバ、スタティックミキサー、歯車型分散機(Zahnkranzdispergator)、放圧ノズル(Druckentspannungsduese)および/またはマイクロフルイダイザを用いて、場合により粒子線を排除しながら混合および均質化することによって行われる。しかしその際に、上記の有機尿素化合物(D)は、好ましくはペーストの形態で、少なくとも1種の典型的な有機溶剤ならびに少なくとも1種のポリエステル、例えばポリエステル(A)および/または(メタ)アクリレート(コ)ポリマー、特に(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)と混合したペーストの形で使用されることを顧慮すべきである。つまり、前記ペーストは、まず個別に製造して、次いで更なる成分と混合される。
本発明の更なる対象は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の使用である。本発明によるクリアーコート被覆組成物は、特に自動車塗装において、種々の基材上のクリアーコートの製造に使用するために適しており、相応して使用される。従って、本発明によるクリアーコート被覆組成物から基材上に製造されたクリアーコート層も本発明の対象である。もちろん、使用されるべきもしくは使用可能な本発明によるクリアーコート被覆組成物の成分に関する上記の好ましい全ての実施形態は、本発明によるクリアーコート被覆組成物の使用ならびに該組成物から製造されたクリアーコート層に関しても当てはまる。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の基材への適用は、あらゆる通常の適用法、例えばスプレー塗布、ブレード塗布、塗り付け、キャスティング、浸漬、含浸、滴下またはローラ塗布などによって行うことができる。その際、被覆されるべき基材は、それ自体が静止して、適用装置または設備が動いてよい。しかし、被覆されるべき基材、特にコイルが動かされて、適用設備がその基材に対して静止しているか、または好適に動かされることもできる。
好ましくは、スプレー適用法、例えば圧縮空気吹き付け(圧縮空気式適用設備)、エアレス吹き付け、高速回転、静電的吹き付け塗布(ESTA)が、場合によりホットエア高温スプレーなどの高温スプレー適用と組み合わせて使用される。
好ましくは、硬化した乾燥状態の層厚は、10〜150マイクロメートル、特に20〜80マイクロメートル、殊に好ましくは25〜70マイクロメートルである。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の適用後でかつ硬化する前に、例えば1分〜60分の、特に2分〜10分の所定の休止時間もしくは蒸散時間(Abdunstzeit)を行ってよい。前記休止時間は、例えば塗料層のレベリングのためと、脱ガスのため、または溶剤などの揮発性成分の蒸発のために用いられる。前記休止時間は、室温で、すなわち10〜30℃で行うことができ、または高められた温度の使用によって、かつ/または低減された空気湿分によって促進および/または短縮できるが、その際には、塗料層に損傷または変更が生じない、例えば事前の完全架橋が生じないものとする。
基材上の本発明によるクリアーコート被覆組成物の適用と場合による蒸散時間の後に硬化が行われ、それによりクリアーコートが形成される。
本発明によるクリアーコート被覆組成物の熱硬化は、方法上の特徴を有さず、通常かつ公知の方法、例えば循環空気炉での加熱またはIRランプでの照射によって行われる。この場合に、前記熱硬化は段階的に行うこともできる。他の硬化法は、近赤外(NIR線)での硬化である。前記硬化は、一般に、10〜200℃、特に好ましくは50〜190℃、特に80〜180℃で、例えば1分〜10時間の時間、特に好ましくは2分〜2時間、特に5分〜60分の時間の間に実施される。好ましく使用される1成分のクリアーコート被覆系の場合に、前記硬化は、好ましくは80〜180℃で5分〜60分の時間の間に行われる。
前記基材は、直接的に被覆(一層塗装)されるか、またはしかしクリアーコート層が既に存在する事前に適用され、場合により乾燥されもしくは硬化された塗料層上に形成されて、こうして複層塗装が得られる。金属基材またはプラスチック基材上の複層塗装が好ましい。金属基材上の好ましい複層塗装は、主として、基材からの示される順序で見て、コンバージョン被覆(例えばリン酸塩処理)、電着塗料層、サーフェイサー層、ベースコート層および本発明によるクリアーコート層からなる。この場合に使用できる塗料であって、その組成、選択されるべき層厚ならびに適用法および硬化法が当業者に公知である塗料は、これらからその専門知識に基づき容易に選択することができる。プラスチック基材の場合に、プラスチック塗装で使用できる通常のサーフェイサー被覆組成物、単層トップコート被覆組成物、ベースコート被覆組成物であって、その選択および使用が当業者に公知のものが使用され、次いで本発明によるクリアーコート被覆組成物で成層され、そうして本発明によるクリアーコート層が得られる。複層塗装の個々の層は、それぞれ個々に硬化させることができるか、またはしかし複層塗装の製造を、自体公知のウェット・オン・ウェット法により行い、すなわち個々の層を適用し、短時間だけフラッシュオフし、および/または前乾燥させるが、完全に架橋をさせず、次いで一緒に硬化させる。もちろん組み合わせも可能である。ここで、例えば電着塗料とサーフェイサーのそれぞれ別個の硬化を行ってよく、その一方で、それに引き続き塗布されたベースコート被覆組成物および/またはクリアーコート被覆組成物を一緒に硬化させる。
前記基材は、好ましくは金属基材またはプラスチック基材であって、例えば自動車構造における車体部品および/または取り付け部品の製造のために使用されるものが好ましい。特に好ましくは金属基材である。
本発明を以下に実施例をもとに詳細に説明する。
実施例
製造例1.ポリエステル(A)の合成
撹拌機、還流冷却器および水分離器を備えた3.5Lの反応器において、678.1gのイソノナン酸および364.8gのペンタエリトリトールを一緒にする。前記水分離器にキシレン(共沸剤)を加え、該反応混合物を160℃に加熱する。120分後に、前記水分離器を空にして、該反応混合物を100℃に冷却する。冷却した後に、充填体塔を取り付ける。次いで、287.4gのトリメチロールプロパン、826.4gのヘキサヒドロフタル酸無水物および343.4gの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを添加し、そして該反応混合物をゆっくりと最大220℃にまで加熱する。この場合に、塔頂温度は85℃を超えてはならない。反応推移の監視のために、凝縮物(水分離器中の水)の容積をともに記録し、時々、反応混合物(生成物溶融物)のサンプルを酸価の測定のために取り出す。予め計算された完全な転化に相当する凝縮物の量に達した後に、キシレン分を蒸留により除去する。前記反応混合物を220℃で、酸価が11.5〜13.5mg KOH/gに達するまで撹拌する。前記混合物を145℃にまで冷却し、それをソルベントナフサで63±2%の固体にまで溶かす。
得られたポリエステルは、63±2%の固体含有率と、450〜650mPa・s(DIN EN ISO 2884-1により測定;ブルックフィールド03/10000 1/s)の粘度を有する。得られたヒドロキシル価は、164mg KOH/gであり、質量平均分子量Mwは、3349g/モルであり、かつ数平均分子量Mnは、1193g/モルである。
製造例2.レオロジー助剤(D)を含有するペーストの合成
a)
加熱ジャケット、温度計、撹拌機を有し、冷却器が被せられた5LのJuvo反応容器に、875.7gの芳香族溶剤を入れる。撹拌しながら保護ガス(200cm3/分の窒素)下に、前記芳香族溶剤を超過圧(最大3.5バール)のもと160℃まで加熱する。測定ポンプを用いて、37.5gのジ−t−ブチルペルオキシドおよび138.6gの芳香族溶剤からなる混合物を一様に4.75時間にわたり滴加した。添加開始0.25時間後に、測定ポンプを用いて、848.4gのスチレン、600.0gのn−ブチルアクリレート、418.2gのヒドロキシエチルメタクリレートおよび38.4gのメタクリル酸を4時間にわたり一様に添加した。添加が完了した後に、その温度を更に2時間にわたり保持し、次いで生成物を60℃に冷却し、そして5μmのGAFバッグを通して濾過した。得られた樹脂は、24℃のTg、15mg KOH/gの酸価(DIN 53402による)、65%±1の固体含有率およびDIN ISO 2884-1(ソルベントナフサ中55% PK(10)、23℃)による試験法による8.5dPa・sの粘度を有していた。得られたヒドロキシル価は、95mg KOH/gであり、質量平均分子量Mwは、8600g/モルであり、かつ数平均分子量Mnは、3300g/モルである。
b)
1Lの反応器に、423.5gのステップa)による樹脂溶液を満たし、それを29.4gのブチルアセテートで希釈した。次いで、11.2gのベンジルアミンを加え、該混合物を30分にわたり撹拌した。この時間後に、高い剪断力をかけながら、8.8gのヘキサメチレンジイソシアネートおよび17.1gのブチルアセテートの混合物を、反応温度が40℃を超過しないように加えた。こうして得られた混合物は、>800mPas(10s-1)(Z3)(DIN ISO 2884-1)の粘度および59.0%の固体含有率を有していた。
クリアーコート被覆組成物の製造
第1表に従って、本発明による組成物および比較組成物を、それらの成分の混合および得られた混合物の均質化によって製造した(第1表中の表記は質量部)。以下に記載されるように基材上に適用する直前に、出来上がった配合物を、ソルベントナフサ160/180(20%)、ソルベントナフサ180/210(35%)、キシレン(25%)、ブチルアセテート(8.5%)、ブタノール(11.5%)からなる混合物を用いて同じ噴霧粘度(20℃で26秒のDIN 4流出時間)に調整した。前記噴霧粘度で、本発明によるクリアーコート被覆組成物は、46.9%の固体含量(nfA)を有していた。比較組成物のnfAは、噴霧粘度では43.1%にすぎなかった。
第1表:クリアーコート被覆組成物の組成
Figure 2015511974
備考:
参照樹脂HMMM(Luwipal(登録商標)066、BASF)は、219℃の測定された架橋開始温度を有する。
1(BASF社のLuwipal 018 BX、nfA ブタノール中72%、架橋開始温度169℃)
2(BASF社のLuwipal 014、nfA ブタノール中52%、架橋開始温度141℃)
3 TACT架橋剤(nfA ブタノール中50%)
4 CYCAT 4045(エチレングリコール中35%の活性触媒、Cytec社製)
5 Nacure 5076(イソプロパノール中70%の活性触媒、King Industries社製)
複層被覆の製造および特性
KTL(CathoGuard 320)で被覆された鋼板(Gardobond 26S 60 0C)上に複層被覆を形成した。全ての塗料はESTA塗布によって塗った。まず、商慣習のグレー/無煙炭色の水性サーフェイサーを適用し、25℃で5分にわたりフラッシュオフし、80℃で10分にわたり、次いで160℃で20分にわたり焼き付けた(乾燥層厚30マイクロメートル)。次いで、商慣習の黒色の水性ベースコートを適用し、25℃で5分間フラッシュオフし、そして80℃で10分間乾燥させた(乾燥層厚12マイクロメートル)。最後に、第1表によるクリアーコート被覆組成物の適用を行った。前記クリアーコート被覆組成物を同様に25℃で5分間にわたりフラッシュオフし、引き続き140℃で20分間焼き付けた(乾燥層厚40マイクロメートル)。
こうして製造された複層塗装を、レベリングもしくは外観(「アピアランス」)に関して調査した。それらの分析は、ウェーブスキャン測定(長波/短波)により行った。測定装置としては、Byk-Gardner社製のWavescan IIを使用した。公知のように、LW/SW(長波/短波)の低い値は良好なレベリングおよびそれにより生ずる良好かつ高価な外観(良好な像識別性(DOI)、高い表面平滑性)と相関している。結果を第2表に示す。
第2表:測定結果
Figure 2015511974
備考:前記板を、水平の状態で1回、垂直の状態で1回被覆し、こうすることによって自動車車体の種々の領域についての適用条件を調整しなおした。
前記結果は、本発明によるクリアーコート被覆組成物を用いて製造された複層塗装のレベリングおよびそれによりもたらされる外観は、比較系よりも実質的により良好であることを示している。更に、本発明によるクリアーコート被覆組成物は、よりかなり高い固体を有するか、もしくはより低い有機溶剤の含量を有し、それにより明らかに改善された環境的な特性を有する。

Claims (15)

  1. 以下の
    (A)100〜220mg KOH/gのOH価を有する少なくとも1種のポリエステルであって、
    (A1)10〜20モル%の、2つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
    (A2)5〜15モル%の、3つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
    (A3)10〜20モル%の、4つのヒドロキシ基を有する少なくとも1種の非環式の脂肪族の分岐したポリオールと、
    (A4)25〜40モル%の、少なくとも1種の脂環式の1,2−ジカルボン酸および/またはこのジカルボン酸の無水物と、
    (A5)20〜35モル%のイソノナン酸と、
    を含有し、その際、上述のモル割合は、それぞれ化合物(A1)〜(A5)の全モル割合に対するものであり、かつ前記全モル割合は、前記ポリエステル(A)に含まれる化合物の少なくとも70モル%を成すポリエステルと、
    (B)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも65℃〜100℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、
    (C)少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であって、ヘキサメトキシメチルメラミンの架橋開始温度よりも30℃〜60℃低い架橋開始温度を有するメラミン−ホルムアルデヒド樹脂と、
    (D)レオロジー助剤としての、少なくとも1種の有機尿素化合物と、
    (E)少なくとも1種の酸触媒と、
    を含有するクリアーコート被覆組成物。
  2. 請求項1に記載のクリアーコート被覆組成物であって、それぞれ該クリアーコート被覆組成物の全量に対して、
    前記少なくとも1種のポリエステル(A)は、12〜45質量%の量で含まれており、
    前記少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(B)は、2〜10質量%の量で含まれており、
    前記少なくとも1種のブタノールでエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(C)は、5〜20質量%の量で含まれており、
    レオロジー助剤としての前記少なくとも1種の有機尿素化合物(D)は、0.1〜7質量%の量で含まれており、かつ
    前記少なくとも1種の酸触媒は、0.01〜3質量%の量で含まれている、
    ことを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  3. 請求項1に記載のクリアーコート被覆組成物であって、更に、−40℃〜70℃のガラス転移温度および60〜200mg KOH/gのOH価を有する少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)が含まれていることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  4. 請求項2に記載のクリアーコート被覆組成物であって、更に、−40℃〜70℃のガラス転移温度および60〜200mg KOH/gのOH価を有する少なくとも1種の(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)が、該クリアーコート被覆組成物の全量に対して5〜20質量%の量で含まれていることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  5. 請求項1または3に記載のクリアーコート被覆組成物であって、更に、少なくとも1種の有機溶剤が含まれていることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  6. 請求項2または4に記載のクリアーコート被覆組成物であって、更に、少なくとも1種の有機溶剤が、該クリアーコート被覆組成物の全量に対して10〜60質量%の量で含まれていることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載のクリアーコート被覆組成物であって、更に、少なくとも1種のトリス(アルコキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジンが、好ましくは、該クリアーコート被覆組成物の全量に対して0.5〜10質量%の量で含まれていることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のクリアーコート被覆組成物であって、レオロジー助剤としての前記少なくとも1種の有機尿素化合物が、ポリイソシアネートと、芳香脂肪族もしくは脂肪族の第一級モノアミンとの付加生成物であることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載のクリアーコート被覆組成物であって、前記酸触媒は、遊離スルホン酸およびアミンブロック化されたスルホン酸の群から選択されるスルホン酸触媒であることを特徴とするクリアーコート被覆組成物。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のクリアーコート被覆組成物の、含まれる成分の混合による製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記尿素化合物がペーストの形態で添加され、前記ペーストは、前記尿素化合物と、ポリエステルおよび/または(メタ)アクリレート(コ)ポリマーおよび少なくとも1種の有機溶剤との混合物を含有することを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記ペーストが、(メタ)アクリレート(コ)ポリマー(DD)を含有することを特徴とする方法。
  13. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のクリアーコート被覆組成物を基材上に適用し、引き続き80〜180℃の温度で熱硬化させることによって基材上に硬化されたクリアーコートを製造する方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、前記クリアーコート被覆組成物を、既に存在する事前に適用された、場合により硬化された塗料層上に製造し、更に基材は事前に被覆された基材であり、それにより複層塗装が得られることを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の方法により製造された複層被覆。
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