JP2015229681A - 硬化性組成物及び半導体装置 - Google Patents

硬化性組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高伸長・高強度で、ガスバリア性が高く、さらに光透過性に優れた柔軟な硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物の提供。
【解決手段】(A)(a)一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と、(c)一般式(2)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物との付加反応生成物、(B)1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物、(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、を含む硬化性組成物。
Figure 2015229681

Figure 2015229681

【選択図】なし

Description

本発明は、光学デバイスもしくは光学部品用材料、電子デバイスもしくは電子部品用絶縁材料またはコーティング材料として有用な、硬化性組成物および半導体素子が上記組成物の硬化物により被覆されている半導体装置に関する。
硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、付加反応性炭素−炭素二重結合を含有するオルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含み、ヒドロシリル化反応によって硬化して硬化物を与える。このようにして得られる硬化物は、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れ、また、透明であるため、LEDの封止材などの各種光学用途に用いられている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
しかしながら、該組成物からなる光学素子用封止材は、オルガノポリシロキサンの特性としてガスバリア性が低いために、外部からの腐食性ガスの浸入により銀電極が変色してしまう欠点がある。その結果、例えばLEDの輝度が低下してしまう等の問題がある。
そこで、多環式炭化水素骨格含有成分を含む硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた光学素子用封止材が提案されている。このような組成物から得られる封止材は高いガスバリア性を有するため、外部からの腐食性ガスの侵入を防ぎ、銀電極の変色を抑えることが可能である(特許文献4)。しかしながら、このような組成物から得られる封止材は高硬度であり、温度サイクル試験等でクラックが発生しやすいといった欠点があるため、柔軟なゴム弾性を有しかつガスバリア性が高い材料の開発が望まれていた。
特開2004−186168号公報 特開2004−143361号公報 特開2008−069210号公報 特開2012−046604号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、高伸長・高強度で、ガスバリア性が高く、さらに光透過性に優れた柔軟な硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
(A)(a)下記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
Figure 2015229681
(式中、Rは独立に、非置換又はハロゲン原子、シアノ基、もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と、
(c)下記一般式(2)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物との付加反応生成物、
Figure 2015229681
(式中、Rは付加反応性炭素−炭素二重結合以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、nは1≦n<4を満たす正数である。)
(B)1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
を含む硬化性組成物を提供する。
このような硬化性組成物であれば、高伸長・高強度で、ガスバリア性が高く、さらに光透過性に優れた柔軟な硬化性組成物となる。
前記(A)成分が、前記化合物(a)と前記多環式炭化水素(b)とを該多環式炭化水素(b)が両末端に配置されるように付加反応させたものに、さらに前記化合物(c)を付加反応させたものであることが好ましい。
このような(A)成分であれば、より耐候性・耐熱性が高い硬化性組成物となる。
前記多環式炭化水素(b)が、ビニルノルボルネンであることが好ましい。
このような(b)成分であれば、より高硬度であり、耐熱変色性、光透過性に優れた柔軟な硬化性組成物となる。
前記多環式炭化水素(b)が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及び6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンのいずれか、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
このような(b)成分であれば、さらに高硬度であり、耐熱変色性、光透過性に優れた柔軟な硬化性組成物となる。
前記(B)成分の1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物が、下記平均組成式(3)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
SiO(4−a)/2 (3)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の3個以上が付加反応性炭素−炭素二重結合であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
このような(B)成分を含有していれば、より適度な硬さや強度を有する硬化性組成物となる。
前記(B)成分の1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物が、イソシアヌル環を有する化合物であることが好ましい。
このような(B)成分を含有していれば、より適度な硬さや強度を有する硬化性組成物となる。
またこのとき、前記硬化性組成物の硬化物の可視光(589nm)における屈折率(25℃)が1.45以上であることが好ましい。
またこのとき、前記硬化性組成物の硬化物の波長400nmにおける光透過率(25℃)が80%以上であることが好ましい。
またこのとき、前記硬化性組成物の硬化物のJIS−K6249に準じて測定した切断時伸びが100以上で、かつ、引っ張り強度が3以上であることが好ましい。
またこのとき、前記硬化性組成物の硬化物の1mm厚の酸素ガス透過率が、23℃において500cc/m・day以下であることが好ましい。
前記硬化性組成物の硬化物がこのような特性を有していれば、光学素子用封止材としてより好適なものとなる。
さらに本発明では、上記の硬化性組成物の硬化物により光半導体素子が被覆されたものである半導体装置を提供する。
このような硬化物により被覆された半導体装置であれば、信頼性が優れる半導体装置とすることができる。
本発明の硬化性組成物は、高伸長・高強度で、柔軟であることから耐クラック性が高く、ガスバリア性が高いことから外部からの腐食性ガスに対しての銀電極の保護性が高く、光透過性すなわち透明性に優れる硬化物を与えることができるため、発光ダイオード素子の保護、封止もしくは接着、波長変更もしくは調整またはレンズ等の用途に好適に使用できる。また、レンズ材料、光学デバイスもしくは光学部品用封止材、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、電子デバイスもしくは電子部品用絶縁材料、更にはコーティング材料としても有用である。
上述のように、LEDの封止材などの各種光学用途に用いるため、柔軟なゴム弾性を有しかつガスバリア性が高い材料の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、多環式炭化水素骨格含有成分を含む化合物をシロキサン変性した硬化性組成物を光デバイス材料に使用することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(A)(a)下記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
Figure 2015229681
(式中、Rは独立に、非置換又はハロゲン原子、シアノ基、もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と、
(c)下記一般式(2)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物との付加反応生成物、
Figure 2015229681
(式中、Rは付加反応性炭素−炭素二重結合以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、nは1≦n<4を満たす正数である。)
(B)1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
を含む硬化性組成物である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明において「付加反応性」とは、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」ということがある)と周知のヒドロシリル化反応により付加反応し得る性質を意味する。
また、本発明において「Me」はメチル基を示すものとする。
[(A)成分]
本発明の硬化性組成物の(A)成分は、
(a)下記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
Figure 2015229681
(式中、Rは独立に、非置換又はハロゲン原子、シアノ基、もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と、
(c)下記一般式(2)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物との付加反応生成物である。
Figure 2015229681
(式中、Rは付加反応性炭素−炭素二重結合以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、nは1≦n<4を満たす正数である。)
<(a)成分>
この(A)成分の反応原料である(a)成分は、下記一般式(1)で表されるSiHを1分子中に2個有する化合物である。
Figure 2015229681
(式中、Rは独立に、非置換又はハロゲン原子、シアノ基、もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
上記一般式(1)中のRとしては、付加反応性炭素−炭素二重結合以外の1価炭化水素基であるものが好ましく、特に、その全てがメチル基であるものが好ましい。
この上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、
構造式:HMeSi−p−C−SiMeHで表される1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
構造式:HMeSi−m−C−SiMeHで表される1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等のシルフェニレン化合物が挙げられる。
なお、(a)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<(b)成分>
(A)成分の別の反応原料である(b)成分は、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素である。
なお、(b)成分は、(i)多環式炭化水素の骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が形成されているもの、(ii)多環式炭化水素の骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が、付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているもの、または、(iii)多環式炭化水素の骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が形成されており、かつ、多環式炭化水素の骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているもの、のいずれであっても差し支えない。
(b)成分としてはビニルノルボルネンが好ましく、具体的には、下記構造式(x)で表される5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、下記構造式(y)で表される6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンのいずれか、又はこれらの組み合わせであることが好ましい(以下、これら3者を区別する必要がない場合は、「ビニルノルボルネン」と総称することがある)。
Figure 2015229681
Figure 2015229681
なお、ビニルノルボルネンのビニル基の置換位置は、シス配置(エキソ形)またはトランス配置(エンド形)のいずれであってもよく、また、配置の相違によって、この(b)成分の反応性等に特段の差異がないことから、前記両配置の異性体の組み合わせであってもよい。
<(c)成分>
(A)成分の別の反応原料である(c)成分は、下記平均組成式(2)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物である。
Figure 2015229681
(式中、R2は付加反応性炭素−炭素二重結合以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、nは1≦n<4を満たす正数である。)
上記一般式(2)中のRとしては、付加反応性炭素−炭素二重結合以外の1価炭化水素基であるものが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキル基および炭素原子数6〜10のアリール基が挙げられ、特に好ましくはメチル基またはフェニル基である。
この上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、
構造式:HMeSiOSiMeHで表される1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
構造式:HMeSiOSi(C5)2OSiMeHで表される1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン等の化合物が挙げられる。
なお、(c)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、一般式(2)中のnは1≦n<4を満たす正数である。nが1より小さい場合、硬化物に柔軟性を付与し難く、耐クラック性に劣るものとなる。逆に、nが4以上の場合、硬化物が脆いものとなりやすく、伸びや強度に劣るものとなる。
<(A)成分の調製>
(A)成分は、(a)成分と(b)成分と(c)成分とを付加反応させたものであり、(a)成分と(b)成分とを(b)成分が両末端に配置されるように付加反応させたものに、さらに(c)成分を付加反応させたものであることが好ましい。例えばSiHを1分子中に2個有する(a)成分の1モルに対して、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する(b)成分の1モルを越え10モル以下、好ましくは1モルを越え5モル以下の過剰量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより、SiHを有しない付加反応生成物を得ることができる。さらにこの付加反応生成物1モルに対して、SiHを1分子中に2個有する(c)成分の1モルを越え10モル以下、好ましくは1モルを越え5モル以下の過剰量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより、SiHを1分子中に2個有する付加反応生成物として得ることができる。
ヒドロシリル化反応触媒としては、従来から公知のものを使用することができる。
例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、付加反応条件、溶媒の使用等については、特に限定されず通常の通りとすればよい。
前記の通り、(A)成分の調製に際し、(a)成分と(b)成分の付加反応生成物に対して過剰モル量の(c)成分を用いることにより、(A)成分は、(c)成分の構造に由来するSiHを1分子中に2個有するものとすることができる。
(a)成分と(b)成分の付加反応生成物の好適な具体例を下記一般式に示すが、これに限定されるものではない。
Figure 2015229681
(式中、pは0≦p≦10を満たす正数であることが好ましい。)
(A)成分の好適な具体例を下記一般式に示すが、これに限定されるものではない。
Figure 2015229681
(式中、pは前記と同様であり、qは0≦q≦3を満たす正数であることが好ましい。)
なお、(A)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
[(B)成分]
(B)成分は、1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物であり、下記平均組成式(3)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
SiO(4−a)/2
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の3個以上が付加反応性炭素−炭素二重結合であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
(B)成分中のRとしての、付加反応性炭素−炭素二重結合以外のケイ素原子に結合する非置換または置換の1価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基および炭素原子数6〜10のアリール基が挙げられ、特に好ましくはメチル基またはフェニル基である。
なお、平均組成式(3)において、aは1≦a≦3を満たす正数である。また、本成分の分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
この(B)成分が直鎖状および環状の場合の回転粘度計により測定した粘度は、作業性の面から25℃において、100〜20,000mPa・sが好ましく、特に500〜10,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。このような粘度であれば、粘度が低すぎて流動しやすくなることに起因する成形バリなどが発生するおそれがなく、粘度が高すぎることに起因する必要成分混合時に混入した空気の泡が抜け難くなるおそれがない。なお、分岐状の場合は液体または固体となり、液体の場合は25℃における粘度が1,000〜5,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。固体状のものを使用する場合は、これを可溶な直鎖状のオルガのポリシロキサンと併用し、25℃における粘度が100〜20,000mPa・sとなるようにすることが好ましい。
なお、(B)成分の1分子中に3個の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物は、イソシアヌル環を有した化合物であってもよい。
このような化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。さらにその他の例としては、トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
(B)成分は、前記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン、前記イソシアヌル環を有した化合物および前記トリビニルシクロヘキサン等をそれぞれ単独で用いてもよく、またこれらを併用して使用することもできる。
[(A)及び(B)成分の配合量]
また、上記(A)及び(B)成分の配合量は、これら各成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合の合計1モル当り、同じく各成分中のSiH基の合計の量が、0.8〜1.5モルとなる量とするのがよい。このような配合量とすることで、十分な硬度を有する硬化物を得ることができる。
[(C)成分]
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化反応触媒は、上記「(A)成分の調製」で記載したものと同じである。
本発明組成物への(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、白金族金属原子として、通常、1〜500ppm、特に2〜100ppm程度となる量を配合することが好ましい。このような配合量とすることで、硬化反応に要する時間が適度のものとなり、硬化物が着色する等の問題を生じることがない。
[その他の成分]
本発明の組成物には、前記(A)〜(C)成分以外にも、目的に応じて、その他の成分を配合してもよい。
なお、これらのその他の成分は1種単独で用いても2種以上を併用しても使用することができる。
・(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物
本発明の組成物には、(B)成分以外にも、封止材料の基材との接着性を向上させる目的で、(A)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。
(B)成分以外のこのような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり1個以上の脂肪族不飽和基を有する(B)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。具体例としては、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、上記オルガノポリシロキサン以外の脂肪族不飽和基含有有機化合物を配合することが可能である。
脂肪族不飽和基含有化合物の具体例としては、ブタジエン、多官能性アルコールから誘導されたジアクリレートなどのモノマー;ポリエチレン、ポリプロピレン又はスチレンと他のエチレン性不飽和化合物(例えば、アクリロニトリル又はブタジエン)とのコポリマーなどのポリオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸のエステル等の官能性置換有機化合物から誘導されたオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
なお、(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物は、室温で液体であっても固体であってもよい。
(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物の含有量は、(A)および(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。0.1質量部以上であれば、接着性の向上に対する効果が得られ、10質量部以下であれば硬化物の耐熱性の低下といった問題が発生するおそれがない。
・付加反応制御剤
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。
その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましいが、通常、(A)および(B)成分の合計100質量部に対して0.0001〜5質量部程度である。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
上述した成分以外に、例えば、硬化物の着色、白濁、酸化劣化等の発生を抑えるために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の従来公知の酸化防止剤を本発明組成物に配合することができる。また、光劣化に対する抵抗性を付与するために、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤を本発明組成物に配合することもできる。更に、本発明組成物から得られる硬化物の強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を本発明組成物に配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を本発明組成物に配合してもよい。
このような硬化性組成物であれば、高伸長・高強度で、ガスバリア性が高く、耐クラック性に優れる硬化性組成物となる。
[硬化物]
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させることができる。
具体的には、通常、80〜200℃、好ましくは100〜160℃で加熱することにより、該組成物を硬化させることができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止用等の信頼性が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態は特に制限されず、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂硬化物のいずれであってもよい。
なお、上記で得られた硬化性組成物は、硬化物とした際に、以下の諸特性を有するものであることが好ましい。可視光(589nm)における屈折率(25℃)は1.45以上のもの。波長400nmにおける光透過率(25℃)は80%以上のもの。JIS−K6249に準じて測定した切断時伸びは100以上で、かつ、引っ張り強度は3以上のもの。1mm厚の酸素ガス透過率は、23℃において500cc/m・day以下のもの。
このような硬化物は、外部からの腐食性ガスの侵入を抑制し、かつ、高い耐熱変色性を有するものとなり、光学素子用封止材としてより好適に用いることができる硬化物となる。
[光学素子用封止材・光学素子]
本発明組成物の硬化物は、上記のようにガスバリア性と耐熱変色性に優れ、通常の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物と同様に耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れる。本発明の組成物からなる封止材によって封止される光学素子としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学素子は、該光学素子に本発明の組成物からなる封止材を塗布し、塗布された封止材を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記したとおりに硬化させることによって封止することができる。このような硬化物により被覆された半導体装置であれば、信頼性が優れる半導体装置とすることができる。
以下、調製例、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、下記の例で、粘度は回転粘度計を用いて23℃で測定した値である。付加反応性炭素−炭素二重結合の含有割合はJIS K0070に記載のヨウ素価測定法に準じた方法で測定した。ケイ素原子に結合した水素原子の数は、試料に水酸化ナトリウム水溶液を滴下した際に発生した水素ガスの量から算出した。
また、下記の例において、オルガノポリシロキサンの平均組成を示す記号は以下の通りの単位を示す。
:(CHHSiO1/2
D:(CHSiO2/2
Vi:(CH=CH)(CH)SiO2/2
Vi:(CH(CH=CH)SiO1/2
2Φ:(CSiO2/2
[調製例1] (a)成分と(b)成分の付加反応生成物の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた5Lの4つ口フラスコに、ビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの略等モル量の異性体混合物)1785g(14.88モル)、および、トルエン455gを加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末3.6gを添加し、攪拌しながら1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン1698g(8.75モル)を180分間かけて滴下した。滴下終了後、更に110℃で加熱攪拌を24時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過して除去し、トルエンおよび過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物(粘度:12.8Pa・s)3362gを得た。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC、およびヨウ素価測定法による付加反応性炭素−炭素二重結合の含有割合(0.36モル/100g)により分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表わされる化合物であることが判明した。
Figure 2015229681
[調製例2] (A−1)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lの4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン258g(1.92モル)、調製例1の付加反応生成物60g(0.12モル)、トルエン200gを加え、オイルバスを用いて90〜95℃に加熱した。これにCAT−PL−50T(信越化学製)を0.2g加え、更にトルエン100gで希釈した調製例1の付加反応生成物240g(0.47モル)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で2時間撹拌した。撹拌終了後室温に戻し、活性炭を2.2g加え1時間撹拌した。撹拌後ろ過、濃縮し、無色透明なオイル状の反応生成物(A−1)成分383g(収率93%)を得た(粘度:1.9Pa・s)。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC、および水素ガス発生量(55.6mL/g)より分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表わされる化合物であることが判明した(r=0)。
Figure 2015229681
[調製例3] (A−2)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lの4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン120.9g(0.9モル)、調製例1の付加反応生成物68g(0.13モル)、トルエン200gを加え、オイルバスを用いて90〜95℃に加熱した。これにCAT−PL−50T(信越化学製)を0.6g加え、更にトルエン80gで希釈した調製例1の付加反応生成物274.6g(0.54モル)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で2時間撹拌した。撹拌終了後室温に戻し、活性炭を2.3g加え1時間撹拌した。撹拌後ろ過、濃縮し、無色透明なオイル状の反応生成物(A−2)成分413.9g(収率89.3%)を得た(粘度:58.8Pa・s)。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC、および水素ガス発生量(41.0mL/g)により分析した結果、この反応生成物は調製例2中に示した構造式においてr=0.48で表わされる化合物であることが判明した。
[調製例4] (A−3)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lの4つ口フラスコに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン119.5g(0.89モル)、調製例1の付加反応生成物72.1g(0.14モル)、トルエン200gを加え、オイルバスを用いて90〜95℃に加熱した。これにCAT−PL−50T(信越化学製)を0.2g加え、更にトルエン80gで希釈した調製例1の付加反応生成物274.6g(0.57モル)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で2時間撹拌した。撹拌終了後室温に戻し、活性炭を2.4g加え1時間撹拌した。撹拌後ろ過、濃縮し、無色透明なオイル状の反応生成物(A−3)成分426.1g(収率88.8%)を得た(粘度:514Pa・s)。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC、および水素ガス発生量(29.6mL/g)により分析した結果、この反応生成物は調製例2中に示した構造式においてr=1.1で表わされる化合物であることが判明した。
[調製例5] (A−4)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lの4つ口フラスコに、平均組成式:M のオルガノポリシロキサン300g(0.84モル)、調製例1の付加反応生成物28g(0.055モル)、トルエン140gを加え、オイルバスを用いて90〜95℃に加熱した。これにCAT−PL−50T(信越化学製)を0.2g加え、更にトルエン60gで希釈した調製例1の付加反応生成物114.1g(0.22モル)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で2時間撹拌した。撹拌終了後室温に戻し、活性炭を2.2g加え1時間撹拌した。撹拌後ろ過、濃縮し、無色透明なオイル状の反応生成物(A−4)成分277.4g(収率81.1%)を得た(粘度:0.55Pa・s)。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC、および水素ガス発生量(30.4mL/g)により分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表わされる化合物であることが判明した。
Figure 2015229681
[実施例1]
調製例2にて調製した(A−1)成分100部に対して、平均組成式:DVi のオルガノポリシロキサンを21.4部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.12部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
[実施例2]
調製例3にて調製した(A−2)成分100部に対して、平均組成式:DVi のオルガノポリシロキサンを14.4部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.11部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
[実施例3]
調製例4にて調製した(A−3)成分100部に対して、平均組成式:DVi のオルガノポリシロキサンを10.4部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.11部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
[実施例4]
調製例4にて調製した(A−3)成分100部に対して、トリアリルイソシアヌレートを9.9部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.11部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表1に示す。
[比較例1]
調製例5にて調製した(A−4)成分100部に対して、平均組成式:DVi のオルガノポリシロキサンを11.7部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.11部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表2に示す。
[比較例2]
平均組成式:M 100のオルガノポリシロキサン100部に対して、平均組成式:DVi のオルガノポリシロキサンを2.7部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.10部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱して硬化させ、得られたエラストマーの物性を測定した。各測定結果を表2に示す。
[比較例3]
調製例2にて調製した(A−1)成分100部に対して、平均組成式:MVi 2Φ 19のオルガノポリシロキサンを450部、反応制御剤として1−エチニルシクロヘキサノールを0.53部添加した物に、白金触媒を白金原子として10ppm添加した後に、均一に混合して組成物を得た。この組成物を150℃で2時間加熱したところ、硬化物が得られず高粘度のオイル状物質となった。
<評価方法>
各実施例および比較例で得られた組成物について、下記の手法に従って硬化物を作成し、性能評価を実施した。硬化条件として、150℃で2時間加熱硬化を行なった。
(1)透過率
2枚のガラス板間に2mm厚のスペーサーを装着し、15mm×40mm×2mmの空間に組成物を収め、上記の加熱硬化を行い、2mm厚の硬化物を得た。得られた硬化物の光透過率を分光光度計を用いて、測定波長400nm(紫外線領域)について25℃で測定を行った。測定結果を表1、2に示す。
(2)硬度、切断時伸び、引っ張り強度
JIS−K6249に準じて測定した測定結果を表1、2に示す。
(3)ガスバリア性の評価
外径100mmΦ、厚み1mmの硬化物を作成し、イリノイインスツルメンツ社製酸素ガス透過率測定装置(8001型)を用い、23℃にて測定を実施した。測定結果を表1、2に示す。
(4)屈折率
屈折率はATAGO製デジタル屈折計RX−5000を用いて589nmの屈折率を25℃で測定した。測定結果を表1、2に示す。
Figure 2015229681
Figure 2015229681
表1に示されるように、実施例1〜5の硬化物は、いずれも高い屈折率を有し、光透過性、ガスバリア性に優れ、かつ、高い切断時伸びと引っ張り強度を有した硬化物であるため、光学材料用部材、電子材料用絶縁材またはコーティング用等として有用である。
一方、表2に示されるように、(c)成分の代わりに一般式(2)中に示した構造式においてn=4である化合物を反応に用いた比較例1の硬化物、及び(A)成分の代わりにSiH基を1分子中に2個有する直鎖状のオルガノポリシロキサンを反応に用いた比較例2の硬化物においては、ガスバリア性や引っ張り強度に劣る硬化物であったため、上記のような用途としては不適当であると考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
この上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、
構造式:HMeSiOSiMeHで表される1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
構造式:HMeSiOSi(C OSiMeHで表される1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン等の化合物が挙げられる。
[(B)成分]
(B)成分は、1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物であり、下記平均組成式(3)で表されるオルガノポリシロキサンが好ましい。
SiO(4−a)/2 (3)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の3個以上が付加反応性炭素−炭素二重結合であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
この(B)成分が直鎖状および環状の場合の回転粘度計により測定した粘度は、作業性の面から25℃において、100〜20,000mPa・sが好ましく、特に500〜10,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。このような粘度であれば、粘度が低すぎて流動しやすくなることに起因する成形バリなどが発生するおそれがなく、粘度が高すぎることに起因する必要成分混合時に混入した空気の泡が抜け難くなるおそれがない。なお、分岐状の場合は液体または固体となり、液体の場合は25℃における粘度が1,000〜5,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。固体状のものを使用する場合は、これを可溶な直鎖状のオルガポリシロキサンと併用し、25℃における粘度が100〜20,000mPa・sとなるようにすることが好ましい。

Claims (11)

  1. (A)(a)下記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
    Figure 2015229681
    (式中、Rは独立に、非置換又はハロゲン原子、シアノ基、もしくはグリシドキシ基で置換された炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
    (b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と、
    (c)下記一般式(2)で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物との付加反応生成物、
    Figure 2015229681
    (式中、Rは付加反応性炭素−炭素二重結合以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、nは1≦n<4を満たす正数である。)
    (B)1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物、
    (C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
    を含むものであることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記(A)成分が、前記化合物(a)と前記多環式炭化水素(b)とを該多環式炭化水素(b)が両末端に配置されるように付加反応させたものに、さらに前記化合物(c)を付加反応させたものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記多環式炭化水素(b)が、ビニルノルボルネンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記多環式炭化水素(b)が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及び6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンのいずれか、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(B)成分の1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物が、下記平均組成式(3)で表されるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    SiO(4−a)/2 (3)
    (式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の3個以上が付加反応性炭素−炭素二重結合であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
  6. 前記(B)成分の1分子中に3個以上の付加反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物が、イソシアヌル環を有する化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記硬化性組成物の硬化物の可視光(589nm)における屈折率(25℃)が1.45以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記硬化性組成物の硬化物の波長400nmにおける光透過率(25℃)が80%以上であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記硬化性組成物の硬化物のJIS−K6249に準じて測定した切断時伸びが100以上で、かつ、引っ張り強度が3以上であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記硬化性組成物の硬化物の1mm厚の酸素ガス透過率が、23℃において500cc/m・day以下であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物により光半導体素子が被覆されたものであることを特徴とする半導体装置。
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