JP2015227373A - シクロカーボネート基含有化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)(A)成分である、下記の式[1]で示される基が結合した構造を有する化合物と、(B)成分である、ポリイミド前駆体、及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体とを含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
(式[1b]及び式[1c]中、X1、及びX8は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基を示し、X2、及びX7は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、又は窒素原子を示し、X3は、単結合、芳香環、シクロヘキサン環、又は下記の式[X−1]〜式[X−4]のいずれかの構造を有する3価の有機基、又は下記の式[X−5]の構造を有する4価の有機基を示し、X4、及びX6は、それぞれ独立に単結合、任意の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基で置換されていても良い芳香環、又はシクロヘキサン環を示し、X5は、単結合、任意の水素原子が置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、芳香環、シクロヘキサン環、又は後記する式[X−6]〜式[X−13]のいずれかの構造を有する2価の有機基を示し、aはX2が−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH3)−のときは1であり、X2が窒素原子のときは2であり、b、c、及びdは、それぞれ独立して1〜4の整数である。)
(5)(A)成分が後記する式[1−1]〜式[1−4]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)(B)成分が、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミド酸、及び該ポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(7)ジアミン成分が、下記の式[2]で示されるジアミン化合物である上記(6)に記載の液晶配向処理剤。
(9)Z1が、後記する式[3a]〜式[3j]のいずれかの構造の有機基である上記(8)に記載の液晶配向処理剤。
(10)さらに、後記する式[M6]、式[M17]、式[M35]、式[M40]、式[M61]、又は式[M118]で示される塩基性化合物を含む上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(11)液晶配向処理剤中に含まれる溶媒全体の5〜80質量%の貧溶媒を含有する上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜。
(13)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする、上記(12)に記載の液晶配向膜。
(14)上記(12)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(15)上記(13)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(16)電極と前記液晶配向膜とを備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方で重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造されることを特徴とする、上記(15)に記載の液晶表示素子。
本発明の液晶配向処理剤は、(A)成分として、下記の式[1]で示される基が結合した構造を有する化合物(本発明では、特定化合物ともいう。)を含有する。
本発明の特定化合物のなかでも、下記の式[1a]で示される基が結合した構造を有する化合物であることが好ましい。
X2は、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、又は窒素原子であり、なかでも、合成の容易性の観点から、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、又は窒素原子が好ましい。特に好ましくは、単結合、−COO−、−OCO−、又は窒素原子である。
aは、X2が−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH3)−のときは1であり、X2が窒素原子のときは2である。
X2、X7は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、又は窒素原子であり、なかでも、合成の容易性の観点から、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、又は窒素原子が好ましい。特に好ましくは、−COO−、−OCO−、又は窒素原子である。
式[1b]、及び式[1c]中、X5は、単結合、任意の水素原子が置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、芳香環、シクロヘキサン環、又は下記の式[X−6]〜式[X−13]のいずれかの構造を有する2価の有機基である。
例えば、X2が−O−の場合、式[1]及びX1を含む水酸基含有誘導体と、X3を含むハロゲン誘導体をアルカリ存在下で反応させる方法、又は式[1]及びX1を含むハロゲン誘導体と、X3を含む水酸基含有誘導体をアルカリ存在下で反応させたりする方法が挙げられる。
X2が−CONH−、又はCON(CH3)−の場合、式[1]及びX2を含む酸クロリド体と、X3を含むアミノ基置換体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
X2が−NHCO−の場合、式[1]及びX2を含むアミノ基置換体と、X3を含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
X2が−COO−の場合、式[1]及びX2を含む酸クロリド体と、X3を含む水酸基含有誘導体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
X2が−OCO−の場合、式[1]及びX2を含む水酸基含有誘導体と、X3を含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
本発明の特定化合物と、特定重合体、すなわち、ポリアミド酸やポリイミド中に含まれるカルボン酸基や水酸基と反応を促進させるために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物としては、特に限定されない。具体的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニアなどの無機アミン化合物、ピリジンやトリエチルアミンなどの有機アミン化合物等が挙げられる。なかでも、液晶配向膜の電気特性の点から、有機アミン化合物が好ましい。
これらのアミン化合物は、特定重合体の溶液に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、本発明の特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤における、塩基性化合物の含有量は、特定重合体100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましく、ポリアミド酸やポリイミド中に含まれるカルボン酸基や水酸基と反応を促進させ、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜50質量部であり、特には、1〜30質量部である。
本発明において、特定重合体は、ポリイミド前駆体、及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である。
特定重合体は、下記の式[A]で示されるジアミン成分と下記の式[B]で示されるテトラカルボン酸二無水物成分とを縮重合させることで比較的簡便に得られことから、下記の式[C]で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸、さらには、このポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
Y3は単結合、−(CH2)c−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−、又はOCO−より選ばれる2価の有機基である。なかでも、単結合、−(CH2)c−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−、又はOCO−は、合成しやすいので好ましい。より好ましくは、単結合、−(CH2)c−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−、又はOCO−である。
Y6は、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のアルキル基、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のアルコキシル基、又は炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のフッ素含有アルコキシル基である。
nは0〜4、好ましくは、0〜2の整数である。なお、本発明において、炭素数3以上の有機基は、直鎖状でも分岐状の構造のいずれでもよい。
また、式[2]中、mは1〜4、好ましくは、1〜2の整数である。
(R5は、−COO−、−OCO−、−COOCH2−、−CH2OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2−、又はO−を示し、R6はフッ素原子、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、又は水酸基である。)
p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン、4−(アミノメチル)アニリン、3−(アミノメチル)アニリン、4−(2−アミノエチル)アニリン、3−(2−アミノエチルアニリン)などの芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン。
具体的には、下記の式[DA1]〜式[DA12]で示されるジアミンを例示することができる。
本発明の特定重合体を得るためには、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物(本発明では、特定テトラカルボン酸二無水物ともいう。)を原料の一部に用いることが好ましい。
Z1の特に好ましい構造は、重合反応性や合成の容易性から、式[3a]、式[3c]、式[3d]、式[3e]、式[3f]、又は式[3g]である。
ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、又は1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸である。
上記の特定テトラカルボン酸二無水物、及びその他テトラカルボン酸二無水物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類、又は2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の液晶配向処理剤は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応によって得られるポリイミド前駆体及びこのポリイミド前駆体を脱水閉環させて得られるポリイミドの内の少なくとも一方を含有する。本発明では、ポリイミド前駆体及びポリイミドを総称して特定重合体と言うことがある。
本発明の特定重合体は、下記の式[B]で示されるジアミン成分と下記の式[C]で示されるテトラカルボン酸二無水物とを原料とすることで比較的簡便に得られるという理由から、下記の式[D]で示される繰り返し単位の構造式からなるポリアミド酸または該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸とジアミン成分とを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸ジハライドとジアミン成分とを重縮合させる方法又はポリアミド酸のカルボキシル基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
また、本発明の特定重合体を得るためには、テトラカルボン酸成分に特定テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。その際、テトラカルボン酸二無水物成分の1モル%以上が特定テトラカルボン酸二無水物であることが好ましく、より好ましくは、5モル%以上、さらに好ましくは、10モル%以上である。また、テトラカルボン酸二無水物成分の100モル%が特定テトラカルボン酸二無水物であってもよい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、又は有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いても良い。また、ジアミン成分、又はテトラカルボン酸成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させても良く、個別に順次反応させても良く、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ特定重合体としても良い。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合成モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1がより好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整できる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、又はトリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、又は無水ピロメリット酸などを挙げることができ、なかでも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒の量、反応温度、反応時間等を調節することにより制御することができる。
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布液であり、特定化合物、特定重合体、及び有機溶媒を含有する塗布液である。
本発明の液晶配向処理剤における、特定化合物の含有量は、特定重合体100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し所望の膜硬化性を発現し、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜100質量部であり、特に好ましくは、1〜50質量部である。
本発明の液晶配向処理剤における、特定重合体は、全てが本発明の特定重合体であってもよく、本発明の特定重合体にそれ以外の他の重合体が混合されていてもよい。その際、特定重合体におけるそれ以外の他の重合体の含有量は、特定重合体全体の0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。それ以外の他の重合体としては、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド前駆体又はポリイミドなどが挙げられる。さらには、ポリイミド前駆体及びポリイミド以外の重合体、具体的には、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン又はポリアミドなどが挙げられる。
エポキシ基、又はイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパン、1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。
この架橋性化合物は、例えば、アミノ基の水素原子がメチロール基、アルコキシメチル基、又はその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体又はグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体、及びベンゾグアナミン誘導体は二量体、又は三量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基、又はアルコキシメチル基を平均3〜6個有するものが好ましい。
より具体的には、下記の式[5−1]〜式[5−48]で示される架橋性化合物である。
本発明の液晶配向処理剤における、架橋性化合物の含有量は、特定重合体全体の100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し目的の効果を発現し、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜100質量部であり、特には、1〜50質量部である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる貧溶媒の具体例としては、次のものが挙げられる。例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する有機溶媒などが挙げられる。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、又はノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される高分子量化合物成分の100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布し、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途などの場合では、配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板なども用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板も使用でき、この場合の電極としては、アルミなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレートなどの加熱手段により50〜300℃、好ましくは80〜250℃で溶媒を蒸発させて塗膜とすることができる。焼成後の塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合がある。塗膜の厚さは、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又又は偏光紫外線照射などで処理する。
液晶セルの作製方法としては、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に、基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。
液晶セルの作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に、基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流又は直流の電圧を印加しながら、熱や紫外線を照射して重合性化合物を重合する。これにより、液晶分子の配向を制御することができる。
本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下において、化合物は、1H−NMR(1H核磁気共鳴分光;Varian社製、Varian NMR System 400NB(400MHz))により同定した。
特定化合物(1)の合成
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,σ(ppm)):7.02(4H,d),6.78(4H,q),5.00−4.91(4H,m),4.59−4.52(4H,m),4.17−4.13(4H,m),3.83−3.64(10H,m).
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,σ(ppm)):8.07(2H,s),5.15−5.14(2H,m),4.62(2H,t),4.59−4.49(4H,m),4.38(2H,q).
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,σ(ppm)):8.17(2H,s),5.18−5.13(2H,m),4.64−4.53(6H,m),4.37(2H,q).
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
TCA:下記の式で示されるテトラカルボン酸二無水物
PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
PBCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
ColDAB−1:下記の式で示されるジアミン化合物
特定化合物(1):実施例1の合成経路で得られた特定化合物
特定化合物(2):実施例2の合成経路で得られた特定化合物
特定化合物(3):下記の式で示される特定化合物
特定化合物(4):下記の式で示される特定化合物
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
(ポリイミド前駆体、及びポリイミドの分子量測定)
合成例におけるポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803、KD−805)(Shodex製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L。)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)(東ソー社製)、及びポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトン(1H)NMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、下記式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
BODA(187.7g,750mmol)、DBA(76.1g,500mmol)、及びPCH7DAB(190.3g,500mmol)をNMP(1360g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(49.0g,250mmol)とNMP(650g)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(500.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(50.7g)、及びピリジン(39.3g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(6200ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、数平均分子量は23,200、重量平均分子量は78,900であった。
BODA(187.7g,750mmol)、DBA(106.5g,700mmol)、及びPBCH5DAB(130.4g,300mmol)をNMP(1300g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(49.0g,250mmol)とNMP(620g)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度が、19.8質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(500.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(107.8g)、及びピリジン(41.8g)を加え、100℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(6400ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は22,100、重量平均分子量は70,400であった。
TCA(24.7g,100mmol)、及びDDM(19.8g,100mmol)をNMP(255.4g)中で混合し、40℃で15時間反応させ、樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)を得た。
TCA(3.30g,14.7mmol)、p−PDA(1.30g,12.0mmol)、及びColDAB−1(1.50g,3.04mmol)をNMP(24.5g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が、19.9質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.91g)を加え、90℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は52,300であった。
TCA(4.50g,20.1mmol)、m−PDA(1.52g,14.1mmol)、及びPCH7DAB(2.30g,6.04mmol)をNMP(33.0g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が、20.1質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.71g)、及びピリジン(2.90g)を加え、90℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(370ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は51%であり、数平均分子量は18,600、重量平均分子量は72,600であった。
下記する実施例3〜16、及び比較例1〜5では、液晶配向処理剤の製造例を記載するが、これらは各液晶配向処理剤の評価のために使用される。本発明の液晶配向処理剤を表44、及び表45に示す。
「液晶配向膜の作製」、「ラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製」、及び「電気特性の評価」は、下記の通りである。また、実施例3〜15、及び比較例1〜4で得られた各液晶配向処理剤を用いて作製した液晶配向膜のラビング処理耐性の評価結果を、表46、及び表47に示す。加えて、実施例3、4、6〜10、及び12、比較例1〜3、及び比較例5で得られた各液晶配向処理剤を用いて作製した液晶配向膜の電気特性の評価結果を、表48、及び表49に示す。
液晶配向処理剤を、3×4cmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で5分間、熱循環型クリーンオーブン中にて220℃で30分間加熱処理をして、膜厚100nmのポリイミド液晶配向膜付きの基板を得た。
上記の「液晶配向膜の作製」で得られた液晶配向膜付きの基板の塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.4mmの条件でラビング処理した。ラビング処理後の基板の中心付近の液晶配向膜表面を、倍率100倍に設定したレーザー顕微鏡で無作為に5箇所観察し、観察視野である約6.5mm四方の範囲に確認されるラビング傷、及びラビング削れカス(付着物)量の平均値から、ラビング処理耐性を評価した。なお、評価基準は次のように定めた。
(評価基準)
A:ラビング傷やラビング削れカス20個以下
B:ラビング傷やラビング削れカスが20〜40個
C:ラビング傷やラビング削れカスが40〜60個
D:ラビング傷やラビング削れカスが60個以上
上記の「液晶配向膜の作製」で得られた液晶配向膜付きの基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして6μmのスペーサーを挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して、空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、MLC−6608(メルク・ジャパン社製)を注入し、注入口を封止して、ネマティック液晶セルを得た。
この液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に配向しており、配向欠陥は見られなかった。
上記の「液晶セルの作製」で得られた液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μm印加し、16.67ms後、及び50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(Voltage Holding Ratio)として計算した。なお、測定は、VHR−1電圧保持率測定装置(東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:16.67ms又は50msの設定で行った。
電圧保持率の測定が終了した液晶セルに、365nm換算で50J/cm2の紫外線を照射した後、同様条件にて、VHRの測定を行った。なお、紫外線照射は、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製(SEN LIGHT CORPORATION))を用いて行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(1)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(1)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(1)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(2)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−AMPのNMP溶液(10.0g)(3−AMPが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(3)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(5.00g)に、NMP(24.4g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、TEAのNMP溶液(10.0g)(TEAが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(5.60g)、及びBCS(33.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(5.00g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(4)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(4)のNMP溶液(5.00g)(特定化合物(4)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(5)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(4)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(4)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(6)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(63.3g)、及びBCS(75.0g)を、50℃にて15時間攪拌した。この溶液に、特定化合物(2)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(2)が20.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(7)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(2)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(2)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(8)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例2で得られたポリイミド粉末(B)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(9)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例4で得られたポリイミド粉末(D)(2.10g)に、NMP(10.3g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(2.10g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(4.5g)、及びBCS(14.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(2.10g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(10)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例5で得られたポリイミド粉末(E)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(11)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(6.70g)、3−APIのNMP溶液(2.30g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(12)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(4.40g)、3−AMPのNMP溶液(4.60g)(3−AMPが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(13)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(4.40g)、Hist.のNMP溶液(4.60g)(Histが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(14)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(5.30g)に、NMP(25.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、NMP(12.9g)、及びBCS(44.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(15)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(16)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、架橋性化合物(1)のNMP溶液(10.0g)(架橋性化合物(1)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(17)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
合成例4で得られたポリイミド粉末(D)(5.30g)に、NMP(25.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、NMP(12.9g)、及びBCS(44.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(18)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(10.0g)に、NMP(10.0g)、及びBCS(13.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(19)を用いて、上述した条件にて、電気特性の評価を行った。
また、架橋性化合物(1)を用いた比較例3では、ラビング処理によるラビング削れカスは少ないが、紫外線に長時間曝された後の電圧保持率の低下が大きかった。
更に、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、液晶の配向方向を制御する際に、紫外線を照射する液晶表示素子、すなわち、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有し、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に対しても有用である。
Claims (3)
- 下記の式[1c]で示されるシクロカーボネート基含有化合物。
- 式[1c]におけるX4及びX6が、それぞれ独立にベンゼン環、又はピリジン環である請求項1に記載のシクロカーボネート基含有化合物。
- 下記の式[1−1]〜式[1−4]、及び式[1−38]で示される化合物からなる群から選ばれる請求項1又は2に記載のシクロカーボネート基含有化合物。
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