JP2015227373A - シクロカーボネート基含有化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶配向処理剤などの添加剤として使用される新規なシクロカーボネート基含有化合物を提供する。
【解決手段】下記の式[1c]で示されるシクロカーボネート基含有化合物。
【化1】
Figure 2015227373

(X、(X、Xは炭素数1〜3のアルキレン基;X、Xは、−O−等、X、Xは、単結合等。aは1又は2;c、dは1〜4)
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向膜を作製する際に用いる液晶配向処理剤などに添加される新規な、シクロカーボネート基含有化合物に関する。
液晶表示素子は、薄型・軽量を実現する表示デバイスとして、現在広く使用されている。通常、この液晶表示素子には、液晶の配向状態を決定づける為に液晶配向膜が使用されている。また、一部の垂直配向型の液晶表示素子などを除き、その液晶配向膜のほとんどは、電極基板上に形成された重合体被膜の表面を、なんらかの配向処理を施すことで作製されている。
重合体被膜の配向処理方法として、現在最も普及している方法は、その被膜表面を、レーヨンなどを素材とする布によって圧力をかけて擦る、いわゆるラビング処理を施す方法である。このようなラビング処理に伴う膜の削れカスに対しては、ポリアミド酸、又はポリイミドの少なくとも1種の重合体と共に、特定の熱架橋性化合物を含有する液晶配向処理剤を使用する方法(例えば、特許文献1参照)や、同様にエポキシ基含有化合物を含有する液晶配向処理剤を使用する方法(例えば、特許文献2参照)など、硬化剤を用いることによってラビング耐性を向上させる方法が提案されている。
日本特開平9−185065号公報 日本特開平9−146100号公報
液晶表示素子の製造プロセス時間の短縮を目的に、ラビング処理は、短時間で、かつ強いラビング条件で行われている。そのため、従来に比べて、ラビング処理に伴う膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が、多く発生する場合があり、これらの異常は、液晶表示素子の特性を低下させ、さらには、歩留まりの低下を引き起こす原因のひとつとされている
また、近年の液晶表示素子の高性能化に伴い、大画面で高精細の液晶テレビや、車載用途、例えば、カーナビゲーションシステムやメーターパネルなどの用途に液晶表示素子が用いられている。こうした用途では、高輝度を得るために、発熱量の大きいバックライトを使用する場合がある。このため、液晶配向膜には、さらに別の観点からの高い信頼性、すなわち、バックライトからの光に対する高い安定性が要求されるようになっている。特に、液晶表示素子の電気特性の1つである電圧保持率が、バックライトからの光照射によって、低下してしまうと、液晶表示素子の表示不良の1つである焼き付き不良(線焼き付き)が発生しやすくなってしまい、信頼性の高い液晶表示素子を得ることができない。したがって、液晶配向膜においては、初期特性が良好なことに加え、例えば、光照射に長時間曝された後であっても、電圧保持率が低下しにくいことが求められている。
本発明は、上記特性を兼ね備えた液晶配向膜を提供することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、液晶表示素子の製造プロセス中のラビング処理に伴う膜の削れカスやラビング処理に伴う傷が発生しにくく、光の照射に曝されても、電圧保持率の低下が抑制された液晶配向膜、該液晶配向膜を提供することのできる液晶配向処理剤、及びこの液晶配向処理剤を構成する特定構造の化合物を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定構造を有する化合物を含む液晶配向処理剤が、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)(A)成分である、下記の式[1]で示される基が結合した構造を有する化合物と、(B)成分である、ポリイミド前駆体、及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体とを含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
Figure 2015227373
(2)(A)成分が、下記の式[1a]で示される基が結合した構造を有する化合物である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015227373
(式[1a]中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基を示し、Xは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は窒素原子を示し、aはXが−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH)−のときは1であり、Xが窒素原子のときは2である。)
(3)(A)成分が、下記の式[1b]、又は式[1c]で示される化合物である上記(1)又は上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015227373

(式[1b]及び式[1c]中、X、及びXは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基を示し、X、及びXは、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は窒素原子を示し、Xは、単結合、芳香環、シクロヘキサン環、又は下記の式[X−1]〜式[X−4]のいずれかの構造を有する3価の有機基、又は下記の式[X−5]の構造を有する4価の有機基を示し、X、及びXは、それぞれ独立に単結合、任意の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基で置換されていても良い芳香環、又はシクロヘキサン環を示し、Xは、単結合、任意の水素原子が置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、芳香環、シクロヘキサン環、又は後記する式[X−6]〜式[X−13]のいずれかの構造を有する2価の有機基を示し、aはXが−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH)−のときは1であり、Xが窒素原子のときは2であり、b、c、及びdは、それぞれ独立して1〜4の整数である。)
(4)式[1b]におけるX、及び式[1c]におけるX、及びXが、それぞれ独立にベンゼン環、又はピリジン環である上記(3)に記載の液晶配向処理剤。
(5)(A)成分が後記する式[1−1]〜式[1−4]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)(B)成分が、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミド酸、及び該ポリアミド酸を脱水閉環させて得られるポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(7)ジアミン成分が、下記の式[2]で示されるジアミン化合物である上記(6)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015227373
(式[2]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−より選ばれる2価の有機基であり、Yは単結合、又は(CH−(bは1〜10の整数である)より選ばれる2価の有機基であり、Yは単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−より選ばれる2価の有機基であり、Yは、ベンゼン環、シクロへキシル環及び複素環よりなる群から選ばれる環状基であって、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基及びフッ素原子よりなる群から選ばれる基で置換されていてもよい2価の有機基、又は、ステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基より選ばれる2価の有機基であり、Yは、ベンゼン環、シクロへキシル環及び複素環よりなる群から選ばれる環状基であって、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基及びフッ素原子よりなる群から選ばれる基で置換されていてもよい2価の有機基であり、nは0〜4の整数であり、Yは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基、又は炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基であり、mは1〜4の整数である。)
(8)テトラカルボン酸二無水物が、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物を用いた重合体である上記(6)又は上記(7)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015227373
(式[3]中、Zは炭素数4〜13の4価の有機基であり、かつ、炭素数4〜10の非芳香族環状炭化水素基を含有する。)
(9)Zが、後記する式[3a]〜式[3j]のいずれかの構造の有機基である上記(8)に記載の液晶配向処理剤。
(10)さらに、後記する式[M6]、式[M17]、式[M35]、式[M40]、式[M61]、又は式[M118]で示される塩基性化合物を含む上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(11)液晶配向処理剤中に含まれる溶媒全体の5〜80質量%の貧溶媒を含有する上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜。
(13)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする、上記(12)に記載の液晶配向膜。
(14)上記(12)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(15)上記(13)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(16)電極と前記液晶配向膜とを備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方で重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造されることを特徴とする、上記(15)に記載の液晶表示素子。
本発明の液晶配向処理剤によれば、ラビング処理による膜削れが少なく、かつ長時間バックライトに曝された後であっても、電圧保持率の低下が小さい液晶配向膜が得られる。また、かかる液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
<特定化合物>
本発明の液晶配向処理剤は、(A)成分として、下記の式[1]で示される基が結合した構造を有する化合物(本発明では、特定化合物ともいう。)を含有する。
Figure 2015227373
式[1]で示される基は、カルボン酸基や水酸基などと熱の存在下で反応することが知られている。そのため、液晶配向処理剤が、式[1]で示される基を含有する場合、特に、2個以上有する化合物を含有する場合、液晶配向処理剤中に含有されるポリアミド酸やポリイミドの有するカルボン酸基や水酸基と反応することで、ポリマー間で架橋した膜となる。その結果、本発明の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜は、ポリマー間の架橋により、物理的な安定性が向上し、更には、熱や光に対する耐性も高いものとなる。
したがって、本発明の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜は、特定化合物を含まない液晶配向膜と比較して、ラビング処理による膜削れが少なく、かつ長時間バックライトに曝された後であっても、電圧保持率の低下が小さいものとなる。
本発明の特定化合物のなかでも、下記の式[1a]で示される基が結合した構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015227373
式[1a]中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基である。なかでも、炭素数1、又は2のアルキレン基が、架橋密度及び合成の容易性の観点から好ましい。
は、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は窒素原子であり、なかでも、合成の容易性の観点から、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、又は窒素原子が好ましい。特に好ましくは、単結合、−COO−、−OCO−、又は窒素原子である。
aは、Xが−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH)−のときは1であり、Xが窒素原子のときは2である。
さらに、特定化合物は、具体的には、下記の式[1b]、及び式[1c]で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
Figure 2015227373
式[1b]、及び式[1c]中、X、Xは、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基である。なかでも、炭素数1又は2のアルキレン基が、架橋密度及び合成の容易性の観点から好ましい。
、Xは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は窒素原子であり、なかでも、合成の容易性の観点から、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、又は窒素原子が好ましい。特に好ましくは、−COO−、−OCO−、又は窒素原子である。
式[1b]、及び式[1c]中、Xは、単結合、芳香環、シクロヘキサン環、下記の式[X−1]〜式[X−4]のいずれかの構造を有する3価の有機基、又は下記の式[X−5]の構造を持つ4価の有機基である。芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、アクリジン環、オキサゾール環等が挙げられる。より好ましい芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、キノキサリン環、アクリジン環等が挙げられる。さらに好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、又はカルバゾール環であり、最も好ましくはベンゼン環、又はピリジン環である。
式[1b]、及び式[1c]中、X、Xは、それぞれ独立に単結合、任意の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基で置換されていても良い芳香環、又はシクロヘキサン環である。芳香環の具体例は、上述したものが挙げられる。
式[1b]、及び式[1c]中、Xは、単結合、任意の水素原子が置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、芳香環、シクロヘキサン環、又は下記の式[X−6]〜式[X−13]のいずれかの構造を有する2価の有機基である。
式[1b]、及び式[1c]中、aは、Xが−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH)−のときは1であり、Xが窒素原子のときは2である。b、c、及びdは、それぞれ独立して1〜4の整数である。
Figure 2015227373
Figure 2015227373

式[X−10]〜式[X−13]中、eは1〜10の整数である。
より具体的な特定化合物としては、下記の式[1−1]〜式[1−38]の化合物を挙げることができる。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
(式[1−24]中、nは1〜5の整数であり、式[1−25]中、nは1〜5の整数であり、式[1−36]中、nは1〜100の整数であり、式[1−37]中、nは1〜10の整数である。)
更に、下記の式[1−39]〜式[1−41]に示される少なくとも1種の構造を有するポリシロキサンを挙げることもできる。
Figure 2015227373
(R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、式[1]で示される構造の基、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、脂肪族環、又は芳香族環である。R、Rの少なくとも1つ、及びR、Rの少なくとも1つは式[1]で示される構造である。)
より具体的には、下記の式[1−42]、又は式[1−43]の化合物が挙げられる。
Figure 2015227373
(式[1−42]中、Rは、それぞれ独立して、式[1]で示される構造の基、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、脂肪族環、又は芳香族環であり、少なくとも1つは式[1]で示される構造であり、式[1−43]中、nは1〜10の整数である。)
本発明の特定化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては、以下の方法が挙げられる。
Figure 2015227373
(式[1b−1]、及び式[1c−1]中、X、X、X、X、X、X、X、X、a、b、c、及びdは、式[1b]、及び式[1c]と同意義である。)
具体的には、式[1b−1]、及び式[1c−1]で示されるエポキシ基を有する化合物を臭化リチウムなどの存在下、二酸化炭素雰囲気下で反応させることで、式[1b]、及び式[1c]で示される化合物を得ることができる。
Figure 2015227373
また、式[1b]において、Xを介して、式[1]及びXとXを結合させる方法が挙げられる。
例えば、Xが−O−の場合、式[1]及びXを含む水酸基含有誘導体と、Xを含むハロゲン誘導体をアルカリ存在下で反応させる方法、又は式[1]及びXを含むハロゲン誘導体と、Xを含む水酸基含有誘導体をアルカリ存在下で反応させたりする方法が挙げられる。
が−NH−の場合、式[1]及びXを含むハロゲン誘導体と、Xを含むアミノ基と環誘導体とをアルカリ存在下で反応させたりする方法が挙げられる。
が−CONH−、又はCON(CH)−の場合、式[1]及びXを含む酸クロリド体と、Xを含むアミノ基置換体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
が−NHCO−の場合、式[1]及びXを含むアミノ基置換体と、Xを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
が−COO−の場合、式[1]及びXを含む酸クロリド体と、Xを含む水酸基含有誘導体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
が−OCO−の場合、式[1]及びXを含む水酸基含有誘導体と、Xを含む酸クロリド体とをアルカリ存在下で反応させる方法が挙げられる。
<塩基性化合物>
本発明の特定化合物と、特定重合体、すなわち、ポリアミド酸やポリイミド中に含まれるカルボン酸基や水酸基と反応を促進させるために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物としては、特に限定されない。具体的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニアなどの無機アミン化合物、ピリジンやトリエチルアミンなどの有機アミン化合物等が挙げられる。なかでも、液晶配向膜の電気特性の点から、有機アミン化合物が好ましい。
有機アミン化合物の例としては、より具体的に、下記の式[M1]〜式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を挙げることができる。
これらのアミン化合物は、特定重合体の溶液に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、本発明の特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
より好ましい有機アミン化合物としては、M6、M7、M16、M17、M20、M35、M36、M40、M49、M50、M60〜M62、M69、M70、M76、M118〜M121、M135、又はM140が挙げられる。さらに好ましいのは、M6、M16、M17、M35、M36、M40、M49、M50、M60、M61、M118、M120、M121、又はM140である。最も好ましいのは、M6、M17、M35、M40、M61、又はM118である。
本発明の液晶配向処理剤に含有される塩基性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向処理剤における、塩基性化合物の含有量は、特定重合体100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましく、ポリアミド酸やポリイミド中に含まれるカルボン酸基や水酸基と反応を促進させ、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜50質量部であり、特には、1〜30質量部である。
<特定重合体>
本発明において、特定重合体は、ポリイミド前駆体、及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である。
特定重合体は、下記の式[A]で示されるジアミン成分と下記の式[B]で示されるテトラカルボン酸二無水物成分とを縮重合させることで比較的簡便に得られことから、下記の式[C]で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸、さらには、このポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
Figure 2015227373
式[B]中、Rは2価の有機基であり、Rは4価の有機基を示す。
Figure 2015227373
式[C]中、R、Rは、式[A]、及び式[B]で定義したものと同意義であり、R、Rは、それぞれ1種類でもあっても、異なった複数種を組み合わせたものでも良く、nは正の整数を示す。
ジアミン成分には、下記の式[2]で示されるジアミン化合物(本発明では、特定側鎖型ジアミン化合物ともいう。)を用いることが好ましい。
Figure 2015227373
式[2]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−より選ばれる2価の有機基である。なかでも、単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、又はCOO−は、側鎖構造を合成しやすいので好ましい。より好ましくは、単結合、−(CH−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−、又はCOO−である。
式[2]中、Yは単結合、又は(CH−(bは1〜15の整数である)より選ばれる2価の有機基である。なかでも、単結合、又は(CH−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
は単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−より選ばれる2価の有機基である。なかでも、単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−は、合成しやすいので好ましい。より好ましくは、単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−、又はOCO−である。
式[2]中、Yは、ベンゼン環、シクロへキシル環及び複素環よりなる群から選ばれる環状基であって、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基及びフッ素原子よりなる群から選ばれる基で置換されていてもよい2価の有機基、又はステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基より選ばれる2価の有機基である。なかでも、ベンゼン環、シクロへキシル環又はステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基が好ましい。
式[2]中、Yは、ベンゼン環、シクロへキシル環及び複素環よりなる群から選ばれる環状基であって、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基及びフッ素原子よりなる群から選ばれる基で置換されていてもよい2価の有機基である。なかでも、ベンゼン環、又はシクロへキシル環が好ましい。
は、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のアルキル基、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のアルコキシル基、又は炭素数1〜18、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜9のフッ素含有アルコキシル基である。
nは0〜4、好ましくは、0〜2の整数である。なお、本発明において、炭素数3以上の有機基は、直鎖状でも分岐状の構造のいずれでもよい。
また、式[2]中、mは1〜4、好ましくは、1〜2の整数である。
式[2]におけるY、Y、Y、Y、Y、Y、及びnの好ましい組み合わせは、表1〜表42に示す通りである。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
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Figure 2015227373
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Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
本発明の特定側鎖型ジアミン化合物の好ましい具体例は、下記の式[2−1]〜式[2−31]で示される構造を有するものである。
Figure 2015227373
(Rは、−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−、又はCHOCO−を示し、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基、又はフッ素含有アルコキシ基である。)
Figure 2015227373
(Rは、−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、又はCH−を示し、Rは炭素数1〜22の、アルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基、又はフッ素含有アルコキシ基である。)
Figure 2015227373

(Rは、−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−、又はO−を示し、Rはフッ素原子、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、又は水酸基である。)
Figure 2015227373
(Rは、炭素数3〜12のアルキル基であり、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。)
Figure 2015227373
(Rは、炭素数3〜12のアルキル基であり、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。)
Figure 2015227373
(Aは、酸素原子、又はCOO−*(ただし、「*」を付した結合手が(CH)a)と結合する)であり、Aは、酸素原子、又はCOO−*(ただし、「*」を付した結合手がAと結合する)であり、Aは、1,4−シクロへキシレン基、又は1,4−フェニレン基であり、Aは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20のアルキル基である。また、aは0、又は1の整数であり、aは2〜10の整数であり、aは0、又は1の整数である。)
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
本発明では、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定側鎖型ジアミン化合物以外のその他のジアミン化合物を、ジアミン成分として用いることができる。その具体例を以下に挙げる。
p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン、4−(アミノメチル)アニリン、3−(アミノメチル)アニリン、4−(2−アミノエチル)アニリン、3−(2−アミノエチルアニリン)などの芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン。
また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ジアミン側鎖にアルキル基やフッ素含有アルキル基を有するジアミン化合物を用いることができる。
具体的には、下記の式[DA1]〜式[DA12]で示されるジアミンを例示することができる。
Figure 2015227373
(Aは炭素数1〜22の、アルキル基若しくはフッ素含有アルキル基である。)
Figure 2015227373
(Aは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−、又はNH−を示し、Aは炭素数1〜22の、アルキル基又はフッ素含有アルキル基を示す。)
Figure 2015227373
(式[DA12]中、pは1〜10の整数である。)
さらに、下記の式[DA13]〜式[DA20]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 2015227373
(式[DA17]中、mは0〜3の整数であり、式[DA20]中、nは1〜5の整数である。)
さらに、下記の式[DA21]〜式[DA25]で示される、分子内にカルボキシル基を有するジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 2015227373
式[DA21]中、mは1〜4の整数であり、式[DA22]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又はN(CH)CO−であり、m及びmはそれぞれ独立して0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示し、式[DA23]中、m、及びmはそれぞれ独立して1〜5の整数であり、式[DA24]中、Aは炭素数1〜5の直鎖、又は分岐アルキル基であり、mは1〜5の整数であり、式[DA25]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF)−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、又はN(CH)CO−であり、mは1〜4の整数である。
上記の特定側鎖型ジアミン化合物、及びその他ジアミン化合物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類、又は2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体を得るためには、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物(本発明では、特定テトラカルボン酸二無水物ともいう。)を原料の一部に用いることが好ましい。
Figure 2015227373
式[3]中、Zは炭素数4〜13の4価の有機基であり、かつ、炭素数4〜10、好ましくは炭素数4〜6の非芳香族環状炭化水素基を含有する。Zは、具体的には、下記の式[3a]〜式[3j]のいずれかの構造の有機基である。
Figure 2015227373
式[3a]中、それぞれ独立して、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子、又はベンゼン環から選ばれる基であり、式[3g]中、Z、及びZは、それぞれ独立して、水素原子、又はメチル基である。
の特に好ましい構造は、重合反応性や合成の容易性から、式[3a]、式[3c]、式[3d]、式[3e]、式[3f]、又は式[3g]である。
本発明においては、特定テトラカルボン酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。その具体例を以下に挙げる。
ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、又は1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸である。
上記の特定テトラカルボン酸二無水物、及びその他テトラカルボン酸二無水物は、液晶配向膜とした際の液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類、又は2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の液晶配向処理剤は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応によって得られるポリイミド前駆体及びこのポリイミド前駆体を脱水閉環させて得られるポリイミドの内の少なくとも一方を含有する。本発明では、ポリイミド前駆体及びポリイミドを総称して特定重合体と言うことがある。
ポリイミド前駆体は、下記の式[A]で示される構造である。
Figure 2015227373
(式[A]中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、A及びAは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、それぞれ同じであっても異なってもよく、nは正の整数を示す)。
本発明の特定重合体は、下記の式[B]で示されるジアミン成分と下記の式[C]で示されるテトラカルボン酸二無水物とを原料とすることで比較的簡便に得られるという理由から、下記の式[D]で示される繰り返し単位の構造式からなるポリアミド酸または該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
Figure 2015227373
(式[B]及び式[C]中、R及びRは式[A]で定義したものと同意義である)。
Figure 2015227373
本発明において、特定重合体を合成する方法は特に限定されない。通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種又は複数種のジアミン化合物からなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る。具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸とジアミン成分とを脱水重縮合反応させてポリアミド酸を得る方法又はテトラカルボン酸ジハライドとジアミン成分とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸とジアミン成分とを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸ジハライドとジアミン成分とを重縮合させる方法又はポリアミド酸のカルボキシル基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
本発明の特定重合体を用いて得られる液晶配向膜は、上記ジアミン成分における特定側鎖型ジアミン化合物の含有割合が多くなるほど、液晶のプレチルト角を高くすることができる。この特性を高める目的では、ジアミン成分の5〜80モル%が特定側鎖型ジアミン化合物であることが好ましい。なかでも、液晶配向処理剤の塗布性や液晶配向膜としての電気特性の観点から、ジアミン成分の5〜60モル%が特定側鎖型ジアミン化合物であることが好ましい。
また、本発明の特定重合体を得るためには、テトラカルボン酸成分に特定テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。その際、テトラカルボン酸二無水物成分の1モル%以上が特定テトラカルボン酸二無水物であることが好ましく、より好ましくは、5モル%以上、さらに好ましくは、10モル%以上である。また、テトラカルボン酸二無水物成分の100モル%が特定テトラカルボン酸二無水物であってもよい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、有機溶媒中で行う。その際に用いる有機溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、又は有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いても良い。また、ジアミン成分、又はテトラカルボン酸成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させても良く、個別に順次反応させても良く、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ特定重合体としても良い。
その際の重合温度は−20〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5〜100℃の範囲である。また、反応はジアミン成分とテトラカルボン酸成分の広い範囲の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の特定重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。好ましくは、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分の濃度は、反応液全体の1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い次いで、有機溶媒を追加できる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合成モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1がより好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは、前記のポリイミド前駆体を脱水閉環させて得られるポリイミドであり、液晶配向膜を得るための重合体として有用である。
本発明のポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整できる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、又はトリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、又は無水ピロメリット酸などを挙げることができ、なかでも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒の量、反応温度、反応時間等を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体、又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させれば良い。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、又は水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した特定重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、又は炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の液晶配向処理剤に含有される特定重合体の分子量は、そこから得られる塗膜の強度、塗膜形成時の作業性、塗膜の均一性等を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布液であり、特定化合物、特定重合体、及び有機溶媒を含有する塗布液である。
本発明の液晶配向処理剤における、特定化合物の含有量は、特定重合体100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し所望の膜硬化性を発現し、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜100質量部であり、特に好ましくは、1〜50質量部である。
本発明の液晶配向処理剤における、特定重合体は、全てが本発明の特定重合体であってもよく、本発明の特定重合体にそれ以外の他の重合体が混合されていてもよい。その際、特定重合体におけるそれ以外の他の重合体の含有量は、特定重合体全体の0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。それ以外の他の重合体としては、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリイミド前駆体又はポリイミドなどが挙げられる。さらには、ポリイミド前駆体及びポリイミド以外の重合体、具体的には、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン又はポリアミドなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤に有機溶媒を含有させる場合は、塗布により均一な薄膜を形成するという観点から、有機溶媒の含有量が、液晶配向処理剤全体の70〜99質量%であることが好ましい。有機溶媒の含有量は、目的とする液晶配向膜の膜厚によって適宜変更することができる。その際の有機溶媒としては、上述した特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。より具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
本発明の液晶配向処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、又はシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基及びアルコキシル基からなら群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、重合性不飽和結合を有する架橋性化合物等を含有することもできる。
エポキシ基、又はイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパン、1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物としては、下記の式[4]で示すオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 2015227373
具体的には、下記の式[4−1]〜式[4−11]で示される架橋性化合物である。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
ヒドロキシル基、及びアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基、又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、又はエチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
この架橋性化合物は、例えば、アミノ基の水素原子がメチロール基、アルコキシメチル基、又はその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体又はグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体、及びベンゾグアナミン誘導体は二量体、又は三量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基、又はアルコキシメチル基を平均3〜6個有するものが好ましい。
このようなメラミン誘導体、又はベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)、サイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)等が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリル等、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシル基、又はアルコキシル基を有するベンゼン、又はフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼン、又は2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
より具体的には、下記の式[5−1]〜式[5−48]で示される架橋性化合物である。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、又はグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、又はヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、又はN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物が挙げられる。
さらに、下記の式[6]で示される化合物を、架橋性化合物として用いることもできる。
Figure 2015227373
(Aは、シクロヘキシル環、ビシクロヘキシル環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、又はフェナントレン環から選ばれる基であり、Aは、下記の式[6a]、又は式[6b]から選ばれる基であり、nは1〜4の整数である。)
Figure 2015227373
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。また、本発明の液晶配向処理剤に含有される架橋性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向処理剤における、架橋性化合物の含有量は、特定重合体全体の100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し目的の効果を発現し、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは0.1〜100質量部であり、特には、1〜50質量部である。
液晶配向膜中の電荷移動を促進し、該液晶配向膜を用いた液晶セルの電荷抜けを促進させる化合物として、窒素含有複素環アミン化合物を添加することができる。かかる窒素含有複素環アミン化合物は、前記塩基性化合物として例示した上記の式[M1]〜式[M156]で示される化合物が使用できる。このアミン化合物は、特定重合体の溶液に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の溶液で添加することが好ましい。この溶媒としては、上述した樹脂成分を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる有機溶媒(貧溶媒ともいわれる)や化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などを含有することができる。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる貧溶媒の具体例としては、次のものが挙げられる。例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する有機溶媒などが挙げられる。
これらの貧溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような貧溶媒を用いる場合は、液晶配向処理剤に含まれる有機溶媒全体の5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、又はノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される高分子量化合物成分の100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物、エポキシ基含有化合物等が挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合は、液晶配向処理剤に含有される特定重合体全体の100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性の向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布し、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途などの場合では、配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板なども用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板も使用でき、この場合の電極としては、アルミなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコータ、スリットコータ、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレートなどの加熱手段により50〜300℃、好ましくは80〜250℃で溶媒を蒸発させて塗膜とすることができる。焼成後の塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合がある。塗膜の厚さは、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により、本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製して液晶表示素子としたものである。
液晶セルの作製方法としては、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に、基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。
更に、本発明の液晶配向処理剤は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、電極間に電圧を印加しつつ、活性エネルギー線の照射及び加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子にも好ましく用いられる。ここで、活性エネルギー線としては、紫外線が好適である。
上記の液晶表示素子は、PSA(Polymer Sustained Alignment)方式により、液晶分子のプレチルト角を制御するものである。PSA方式では、液晶材料中に少量の光重合性化合物、例えば光重合性モノマーを混入しておき、液晶セルを組み立てた後、液晶層に所定の電圧を印加した状態で光重合性化合物に紫外線などを照射し、生成した重合体によって液晶分子のプレチルト角を制御する。重合体が生成するときの液晶分子の配向状態が、電圧を取り去った後においても記憶されるので、液晶層に形成される電界などを制御することにより、液晶分子のプレチルト角を調整することができる。また、PSA方式では、ラビング処理を必要としないので、ラビング処理によってプレチルト角を制御することが難しい垂直配向型の液晶層の形成に適している。
すなわち、本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、液晶セルを作製し、紫外線の照射及び加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合することで、液晶分子の配向を制御するものとすることができる。
液晶セルの作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に、基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶には、熱や紫外線照射により重合する重合性化合物が混合される。重合性化合物としては、アクリレート基やメタクリレート基等の重合性不飽和基を分子内に1個以上有する化合物が挙げられる。その際、重合性化合物は、液晶成分の100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。重合性化合物が0.01質量部未満であると、重合性化合物が重合せずに液晶の配向制御できなくなり、10質量部よりも多くなると、未反応の重合性化合物が多くなって液晶表示素子の焼き付き特性が低下する。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流又は直流の電圧を印加しながら、熱や紫外線を照射して重合性化合物を重合する。これにより、液晶分子の配向を制御することができる。
本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらに限定して解釈されるものではない。
以下において、化合物は、H−NMR(H核磁気共鳴分光;Varian社製、Varian NMR System 400NB(400MHz))により同定した。
<実施例1>
特定化合物(1)の合成
Figure 2015227373
1L(リットル)反応容器に化合物(a)(147.12g,348.2mmol)、臭化リチウム(6.05g,69.64mmol)、及びN−メチル−2−ピロリドン(440g)を入れ、窒素置換した後、23℃にて撹拌した。次に、容器内を二酸化炭素で置換し、二酸化炭素雰囲気下で、100℃に加熱した。反応終了後、蒸留水(3.5L)に反応液を注ぎ、析出した固体をろ過し、水洗した後、メタノール(1400g)で分散洗浄し、ろ過、及び乾燥を行い、特定化合物(1)を得た(収量:205.1g,収率:87%)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,σ(ppm)):7.02(4H,d),6.78(4H,q),5.00−4.91(4H,m),4.59−4.52(4H,m),4.17−4.13(4H,m),3.83−3.64(10H,m).
<実施例2>
特定化合物(2)の合成
Figure 2015227373
500mL反応容器に化合物(b)(50.00g,229mmol)、ピリジン(0.500g,0.632mmol)、化合物(c)(63.02, 504mmol)、及びアセトノトリル(300g)を加え、窒素雰囲気下、加熱還流で反応を行った。反応終了後、20℃まで冷却した後、ろ過し、アセトニトリル(100g)で洗浄を行い、粗物を得た。次に、粗物に2−プロパノール(300g)、及び蒸留水(100g)を加え、加熱還流した。その後、20℃に冷却し、固体をろ過し、2−プロパノール(100g)で洗浄し、その後、乾燥して化合物(d)を得た(収量:37.8g,収率:37%)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,σ(ppm)):8.07(2H,s),5.15−5.14(2H,m),4.62(2H,t),4.59−4.49(4H,m),4.38(2H,q).
500mL反応容器に化合物(d)(20.00g,44.0mmol)、及び塩化チオニル(120.0g,1.01mol)を加え、加熱還流を行った。30分後、20℃まで冷却した後、塩化チオニル(120.0g,1.01mol)を追加し、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、過剰の塩化チオニルを減圧留去し、ヘキサン(200g)で洗浄し、粗物を得た。次に、粗物にジクロロメタン(200g)を加え、20℃にて撹拌を行い、さらに化合物(c)(12.1g, 96.8mmol)、ピリジン(13.93g,176mmol)、及びジクロロメタン(100g)溶液を徐々に滴下して加えた。1時間撹拌後、さらに化合物(c)(12.1g, 96.8mmol)、及びピリジン(13.93g,176mmol)を加えた。反応終了後、溶媒を留去し、蒸留水(144g)で洗浄し、粗物を得た。この粗物にテトラヒドロフラン(144g)を加え、23℃にて分散洗浄し、ろ過し、テトラヒドロフラン(130g)、蒸留水(170g)、及びメタノール(150g)でそれぞれ洗浄後、乾燥し、特定化合物(2)を得た(収量:17.72g,収率:62%)。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,σ(ppm)):8.17(2H,s),5.18−5.13(2H,m),4.64−4.53(6H,m),4.37(2H,q).
「本発明のポリイミド前駆体、及びポリイミドの合成」
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
TCA:下記の式で示されるテトラカルボン酸二無水物
Figure 2015227373
(ジアミン化合物)
PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
PBCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
ColDAB−1:下記の式で示されるジアミン化合物
Figure 2015227373
p−PDA:p−フェニレンジアミン
m−PDA:m−フェニレンジアミン
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
DDM:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
Figure 2015227373
(特定化合物)
特定化合物(1):実施例1の合成経路で得られた特定化合物
特定化合物(2):実施例2の合成経路で得られた特定化合物
特定化合物(3):下記の式で示される特定化合物
特定化合物(4):下記の式で示される特定化合物
Figure 2015227373
(架橋性化合物)
架橋性化合物(1):YH−434L(東都化成社製)(エポキシ系架橋性化合物)
Figure 2015227373
(アミン化合物)
3−AMP:3−ピコリルアミン
3−API:3−(1−アミノプロピル)イミダゾール
TEA:トリエチルアミン
Hist:ヒスタミン
Figure 2015227373
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
(ポリイミド前駆体、及びポリイミドの分子量測定)
合成例におけるポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803、KD−805)(Shodex製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L。)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)(東ソー社製)、及びポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
(イミド化率の測定)
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトン(H)NMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、下記式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
<合成例1>
BODA(187.7g,750mmol)、DBA(76.1g,500mmol)、及びPCH7DAB(190.3g,500mmol)をNMP(1360g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(49.0g,250mmol)とNMP(650g)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(500.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(50.7g)、及びピリジン(39.3g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(6200ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、数平均分子量は23,200、重量平均分子量は78,900であった。
<合成例2>
BODA(187.7g,750mmol)、DBA(106.5g,700mmol)、及びPBCH5DAB(130.4g,300mmol)をNMP(1300g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(49.0g,250mmol)とNMP(620g)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度が、19.8質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(500.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(107.8g)、及びピリジン(41.8g)を加え、100℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(6400ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は22,100、重量平均分子量は70,400であった。
<合成例3>
TCA(24.7g,100mmol)、及びDDM(19.8g,100mmol)をNMP(255.4g)中で混合し、40℃で15時間反応させ、樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)を得た。
<合成例4>
TCA(3.30g,14.7mmol)、p−PDA(1.30g,12.0mmol)、及びColDAB−1(1.50g,3.04mmol)をNMP(24.5g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が、19.9質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.50g)、及びピリジン(1.91g)を加え、90℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(330ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は52,300であった。
<合成例5>
TCA(4.50g,20.1mmol)、m−PDA(1.52g,14.1mmol)、及びPCH7DAB(2.30g,6.04mmol)をNMP(33.0g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が、20.1質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加えて、樹脂固形分濃度が6質量%となるように希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.71g)、及びピリジン(2.90g)を加え、90℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(370ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥し、ポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は51%であり、数平均分子量は18,600、重量平均分子量は72,600であった。
本発明のポリアミド酸及びポリイミドを表43に示す。
Figure 2015227373
*1:ポリアミド酸。
「本発明の液晶配向処理剤の製造」
下記する実施例3〜16、及び比較例1〜5では、液晶配向処理剤の製造例を記載するが、これらは各液晶配向処理剤の評価のために使用される。本発明の液晶配向処理剤を表44、及び表45に示す。
「液晶配向膜の作製」、「ラビング処理耐性の評価」、「液晶セルの作製」、及び「電気特性の評価」は、下記の通りである。また、実施例3〜15、及び比較例1〜4で得られた各液晶配向処理剤を用いて作製した液晶配向膜のラビング処理耐性の評価結果を、表46、及び表47に示す。加えて、実施例3、4、6〜10、及び12、比較例1〜3、及び比較例5で得られた各液晶配向処理剤を用いて作製した液晶配向膜の電気特性の評価結果を、表48、及び表49に示す。
「液晶配向膜の作製」
液晶配向処理剤を、3×4cmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で5分間、熱循環型クリーンオーブン中にて220℃で30分間加熱処理をして、膜厚100nmのポリイミド液晶配向膜付きの基板を得た。
「ラビング処理耐性の評価」
上記の「液晶配向膜の作製」で得られた液晶配向膜付きの基板の塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.4mmの条件でラビング処理した。ラビング処理後の基板の中心付近の液晶配向膜表面を、倍率100倍に設定したレーザー顕微鏡で無作為に5箇所観察し、観察視野である約6.5mm四方の範囲に確認されるラビング傷、及びラビング削れカス(付着物)量の平均値から、ラビング処理耐性を評価した。なお、評価基準は次のように定めた。
(評価基準)
A:ラビング傷やラビング削れカス20個以下
B:ラビング傷やラビング削れカスが20〜40個
C:ラビング傷やラビング削れカスが40〜60個
D:ラビング傷やラビング削れカスが60個以上
「液晶セルの作製」
上記の「液晶配向膜の作製」で得られた液晶配向膜付きの基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして6μmのスペーサーを挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して、空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、MLC−6608(メルク・ジャパン社製)を注入し、注入口を封止して、ネマティック液晶セルを得た。
この液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に配向しており、配向欠陥は見られなかった。
「電気特性の評価」
上記の「液晶セルの作製」で得られた液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μm印加し、16.67ms後、及び50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(Voltage Holding Ratio)として計算した。なお、測定は、VHR−1電圧保持率測定装置(東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:16.67ms又は50msの設定で行った。
電圧保持率の測定が終了した液晶セルに、365nm換算で50J/cmの紫外線を照射した後、同様条件にて、VHRの測定を行った。なお、紫外線照射は、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製(SEN LIGHT CORPORATION))を用いて行った。
<実施例3>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(1)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(1)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(1)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<実施例4>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(2)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例5>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−AMPのNMP溶液(10.0g)(3−AMPが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(3)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例6>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(5.00g)に、NMP(24.4g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、TEAのNMP溶液(10.0g)(TEAが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(5.60g)、及びBCS(33.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(5.00g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(4)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<実施例7>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(4)のNMP溶液(5.00g)(特定化合物(4)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(5)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例8>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(4)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(4)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(6)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例9>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(63.3g)、及びBCS(75.0g)を、50℃にて15時間攪拌した。この溶液に、特定化合物(2)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(2)が20.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(7)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例10>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(2)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(2)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(8)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例11>
合成例2で得られたポリイミド粉末(B)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(9)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例12>
合成例4で得られたポリイミド粉末(D)(2.10g)に、NMP(10.3g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(2.10g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(4.5g)、及びBCS(14.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(2.10g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(10)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<実施例13>
合成例5で得られたポリイミド粉末(E)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、特定化合物(3)のNMP溶液(10.0g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(11)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例14>
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(6.70g)、3−APIのNMP溶液(2.30g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(12)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<実施例15>
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(4.40g)、3−AMPのNMP溶液(4.60g)(3−AMPが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(13)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<実施例16>
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(15.0g)に、NMP(4.40g)、Hist.のNMP溶液(4.60g)(Histが5.0質量%のNMP溶液)、BCS(11.3g)、及び特定化合物(3)のNMP溶液(2.30g)(特定化合物(3)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(14)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<比較例1>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(5.30g)に、NMP(25.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、NMP(12.9g)、及びBCS(44.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(15)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<比較例2>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(16)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<比較例3>
合成例1で得られたポリイミド粉末(A)(10.0g)に、NMP(48.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、3−APIのNMP溶液(10.0g)(3−APIが5.0質量%のNMP溶液)、NMP(14.5g)、及びBCS(75.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌した。更に、この溶液に、架橋性化合物(1)のNMP溶液(10.0g)(架橋性化合物(1)が10.0質量%のNMP溶液)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(17)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価、及び電気特性の評価を行った。
<比較例4>
合成例4で得られたポリイミド粉末(D)(5.30g)に、NMP(25.8g)を加え、70℃にて30時間攪拌して溶解させた。この溶液に、NMP(12.9g)、及びBCS(44.0g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(18)を用いて、上述した条件にて、ラビング処理耐性の評価を行った。
<比較例5>
合成例3で得られた樹脂固形分濃度が、14.8質量%のポリアミド酸溶液(C)(10.0g)に、NMP(10.0g)、及びBCS(13.3g)を加え、25℃にて2時間攪拌して、液晶配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(19)を用いて、上述した条件にて、電気特性の評価を行った。
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
Figure 2015227373
上記の結果からわかるように、本発明の実施例の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、比較例の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜に比べて、ラビング処理によるラビング削れカスが少なく、さらに、紫外線に長時間曝された後であっても、電圧保持率の低下が小さかった。
また、架橋性化合物(1)を用いた比較例3では、ラビング処理によるラビング削れカスは少ないが、紫外線に長時間曝された後の電圧保持率の低下が大きかった。
本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビ等に好適に使用でき、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、特に垂直配向型の液晶表示素子に有用である。
更に、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、液晶の配向方向を制御する際に、紫外線を照射する液晶表示素子、すなわち、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有し、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に対しても有用である。

Claims (3)

  1. 下記の式[1c]で示されるシクロカーボネート基含有化合物。
    Figure 2015227373
    (X、(X1、は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、X、Xは、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、又は窒素原子を示し、X、Xは、それぞれ独立に単結合、任意の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基で置換されていても良い芳香環、又はシクロヘキサン環を示し、Xは、単結合、任意の水素原子が置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子、芳香環、シクロヘキサン環、又は下記の式[X−6]〜式[X−13]のいずれかの構造を有する2価の有機基を示す。aは、Xが−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、又はCON(CH)−のときは1であり、Xが窒素原子のときは2であり、c、dは、それぞれ独立して1〜4の整数である。)
    Figure 2015227373
    Figure 2015227373
    (式[X−10]〜式[X−13]中、eは1〜10の整数である。)
  2. [1c]におけるX及びXが、それぞれ独立にベンゼン環、又はピリジン環である請求項1に記載のシクロカーボネート基含有化合物。
  3. 下記の式[1−1]〜式[1−4]、及び式[1−38]で示される化合物からなる群から選ばれる請求項1又は2に記載のシクロカーボネート基含有化合物。
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