JP2000008063A - 冷凍サイクル装置用作動媒体およびこれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置用作動媒体およびこれを用いた冷凍サイクル装置

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JP2000008063A
JP2000008063A JP10318385A JP31838598A JP2000008063A JP 2000008063 A JP2000008063 A JP 2000008063A JP 10318385 A JP10318385 A JP 10318385A JP 31838598 A JP31838598 A JP 31838598A JP 2000008063 A JP2000008063 A JP 2000008063A
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refrigerant
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refrigeration cycle
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cycle device
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JP10318385A
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English (en)
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Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Keizo Nakajima
啓造 中島
Kiyoshi Sawai
澤井  清
Takayoshi Ueno
貴由 上野
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクル装置へのエタン、プロパン、ブ
タン、イソブタンなどのハロゲン原子を含まない炭化水
素である冷媒の充填量が少なくても、良好な性能を発揮
する作動媒体を提供すること。前記作動媒体を用いるこ
とによって、冷媒漏洩時の安全性に優れる冷凍サイクル
装置を提供すること。 【解決手段】 冷媒および冷凍機油を含む冷媒圧縮式冷
凍サイクル装置用作動媒体であって、前記冷媒がハロゲ
ン原子を含まない炭素数2〜4の炭化水素からなり、前
記冷凍機油が前記冷媒と相互溶解しないカーボネート化
合物を主成分として含む冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用
作動媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮式冷凍サ
イクル装置に用いられる、冷媒と冷凍機油からなる作動
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空調機、電気(冷凍)冷蔵庫、冷蔵また
は冷凍倉庫、ショーケース等の冷媒を圧縮して用いる冷
凍サイクル装置においては、従来からフッ素原子を含有
する炭化水素が冷媒として用いられてきた。特に、フッ
素原子以外に塩素原子を含有する炭化水素類は、不燃性
などの性能に優れる冷媒として長年用いられてきた。こ
れらCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハ
イドロクロロフルオロカーボン)類は、塩素原子を有し
ているため、大気に放出され成層圏に達するとオゾン層
を破壊することが明らかになり、近年その使用が世界的
に禁止または制限されている。
【0003】これらに代わって塩素原子を含まないHF
C(ハイドロフルオロカーボン)が使用されつつある。
しかし、HFCは、オゾン層を破壊する性質は有しない
ものの大気中での寿命が長いために温室効果が大きく、
近年問題になっている地球温暖化を防止する上では必ず
しも優れた冷媒とはいえない。上記ハロゲン原子を含有
する炭化水素類の代わりに、強燃性ではあるがオゾン破
壊係数がゼロでありかつ地球温暖化係数もハロゲン原子
含有炭化水素類に比べれば格段に小さい、ハロゲン原子
を含まない炭化水素が冷媒として用いられている。この
冷媒を用いる冷凍サイクル装置は、冷蔵庫として一部実
用化され、さらに大型の機器開発の可能性が検討されつ
つある。
【0004】一方、冷媒と共に作動媒体成分として用い
られる冷凍機油に関しては、冷媒がオゾン層非破壊性の
R−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン
)などのHFCに変更されるに伴い、従来、冷凍機油
として使用されてきた鉱物油やアルキルベンゼン類化合
物は、冷媒との相溶性がないため使用できなくなった。
ここで、冷媒圧縮式冷凍サイクルでは、冷媒とともに冷
凍機油の一部が圧縮機から吐出されるため、低温になる
部分を有する冷凍サイクルを回巡して圧縮機に戻るとい
う機構の潤滑に必要な油量を確保するためには、冷凍機
油が冷媒と分離して冷凍サイクル(圧縮機を除く)中に
滞留してはならない。このような理由から、冷凍機油は
冷媒に相溶性を有しなければならないと考えられてい
た。そして、HFCを冷媒として使用する冷凍サイクル
装置には、冷凍機油としてグリコールエーテル系油やポ
リオールエステル油が主に使用されている。ごく一部の
機器では、HFC冷媒と相溶しないアルキルベンゼン油
などが使用されている(特開平5−157379号公
報)。また、HFC冷媒用冷凍機油として各種のカーボ
ネート油が提案されている(特開平3−149295
号、特開平3−247695号各公報他多数)。また、
エタン、プロパン、ブタン、イソブタンなどのハロゲン
原子を含まない炭化水素が冷媒として用いられている。
塩素原子を含有する(ハイドロ)フルオロカーボンとと
もに用いられてきた極性が小さい鉱物油やアルキルベン
ゼン油はもちろんのこと、塩素原子を含まないハイドロ
フルオロカーボンとともに用いられる極性が大きいグリ
コールエーテル系油やポリオールエステル油も、ハロゲ
ン原子を含まない炭化水素冷媒との相溶性が高い。従っ
て、冷凍機油の選定に何等問題はないとされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の冷凍機
油を用いた場合には、冷媒との相溶性が良好すぎて冷凍
機油に溶解する冷媒量が過大になる。つまり、大量の冷
媒を充填しなければ、冷凍サイクル装置に充分な能力を
発揮させることができないという問題があった。さら
に、冷媒であるエタン、プロパン、ブタン、イソブタン
などのハロゲン原子を含まない炭化水素は強燃性を有す
るため、万一冷凍サイクル装置から漏洩した場合に問題
がある。すなわち、冷凍サイクル装置に充填される冷媒
量が多いほど万一の場合の漏洩量が多くなるので、安全
性に問題があるといえる。
【0006】また、HFC冷媒と、これと相溶しないア
ルキルベンゼン油を冷凍機油として使用する冷凍サイク
ル装置では、HFC冷媒のほうが冷凍機油より比重が大
きいために、冷媒圧縮機摺動部分への給油機構や冷凍サ
イクルを巡回する冷凍機油成分の油戻し機構、あるいは
運転制御機構に複雑さを要するといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、冷凍サイクル装置へのエタ
ン、プロパン、ブタン、イソブタンなどのハロゲン原子
を含まない炭化水素である冷媒の充填量が少なくても良
好な性能を発揮する作動媒体を提供することである。さ
らに本発明の目的は、前記作動媒体を用いることによっ
て、冷媒漏洩時の安全性に優れる冷凍サイクル装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷媒および冷
凍機油を含む冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体で
あって、前記冷媒がハロゲン原子を含まない炭素数2〜
4の炭化水素からなり、前記冷凍機油が前記冷媒と相互
溶解しないエステル化合物を主成分として含む冷媒圧縮
式冷凍サイクル装置用作動媒体に関する。この場合、前
記エステル化合物中においては、エステル結合を構成す
る炭素数が、エステル化合物を構成する全炭素数の10
原子%以上を占めているのが好ましい。また、前記エス
テル化合物が、線状カーボネート化合物、環状カーボネ
ート化合物または環状エステル化合物であるのが好まし
い。また、前記線状カーボネート化合物が、式(1):
【0008】
【化9】
【0009】(式中、R1はメチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基またはt−ブチル基、R2、R3およびR4
は、それぞれ独立して炭素数2〜5の炭化水素基または
炭素数2〜10のエーテル結合を有する炭化水素基、
l、mおよびnは、それぞれ独立して0以上の整数(但
し、l、mおよびnは同時に0ではない。))で表され
るのが好ましい。また、前記環状カーボネート化合物
が、式(2):
【0010】
【化10】
【0011】(式中、Xはメチレンまたは酸素原子、R
5 およびR6はそれぞれ独立して水素原子またはメチル
基、R7はなにも存在しないか、または−CH2O−、−
CH2O(CH2CH2O)p−(CH2CHCH3O)q
しくは−CH2O{COO−(CH2CH2O)pr
{COO−(CH2CHCH3O)qs−(但し、pおよ
びqは同時に0にはならず、それぞれ独立して0〜3の
整数、rおよびsは同時に0にはならずそれぞれ独立し
て0〜2の整数。)、Aは水素原子またはβ価のアルコ
ール残基、αは0〜2の整数、βは1〜4の整数。)で
表されるのが好ましい。また、前記環状カーボネート化
合物が、式(3):
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R8は、エチレン、2−メチルエ
チレン、エチレンオキシエチレンまたは2−メチルエチ
レンオキシ−2−メチルエチレン結合)で表されるのが
好ましい。また、前記環状カーボネート化合物が、式
(4):
【0014】
【化12】
【0015】(式中、R9は、水素原子、メチル基また
はヒドロキシメチル基、R10は酸素原子またはオキシメ
チレン基)で表されるのが好ましい。また、前記環状カ
ーボネート化合物が、式(5):
【0016】
【化13】
【0017】で表されるのが好ましい。また、前記環状
カーボネート化合物が、式(6):
【0018】
【化14】
【0019】(式中、R11は水素原子またはメチル基、
12はメチル基またはエチル基、vは1〜3の整数)で
表されるのが好ましい。また、前記式(2)で表される
環状カーボネート化合物は、(a)式(7):
【0020】
【化15】
【0021】(式中、R5 およびR6はそれぞれ独立し
て水素原子またはメチル基、R7はなにも存在しない
か、または−CH2O−、−CH2O(CH2CH2O)p
−(CH2CHCH3O)qもしくは−CH2O{COO−
(CH2CH2O)pr−{COO−(CH2CHCH
3O)qs−(但し、pおよびqは同時に0にはなら
ず、それぞれ独立して0〜3の整数、rおよびsは同時
に0にはならずそれぞれ独立して0〜2の整数。)、A
は水素原子またはβ価のアルコール残基、αは0〜2の
整数、βは1〜4の整数。)で示される環状エーテル化
合物を0.1モル%以下のテトラアルキルアンモニウム
ハライド触媒の存在下に二酸化炭素と反応させ、(b)
反応生成物を、酸性水溶液で洗浄した後、さらに水で洗
浄して前記触媒を除去し、(c)乾燥後、残留する前記
環状エーテル化合物を留去して得られるものであるのが
好ましい。さらに、本発明の冷媒圧縮式冷凍サイクル装
置用作動媒体においては、70℃で、かつ前記冷媒の蒸
気圧が1.77MPaであるときの前記冷媒の冷凍機油
に対する飽和溶解度が、0.1〜5重量%であるのが好
ましい。前記式(2)で表される環状カーボネート化合
物の25℃における比誘電率が40〜100であるのが
好ましい。さらに、式(2)で示される環状カーボネー
ト化合物が、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネートおよびγ−ブチロラクトンよりなる群から選択さ
れる少なくとも一種であり、さらに式(8):
【0022】
【化16】
【0023】(式中、zは水素原子またはl価のアルコ
ール残基、tおよびuは0〜20の整数(但し、t+u
≧2)、lは1〜4の整数)で表されるポリアルキレン
グリコール化合物を少なくとも一種含むのが好ましい。
本発明の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体におい
ては、冷凍機油のカーボネート化合物含有量が50〜1
00重量%であるのが好ましい。また、冷凍機油の40
℃における動粘度が5×10-6〜4×10-52/sで
あるのが好ましい。さらに、本発明は、前記作動媒体を
用いた冷凍サイクル装置にも関する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の作動媒体および冷
凍サイクル装置について具体的に説明する。まず、本発
明の作動媒体は、冷媒および冷凍機油を含む冷媒圧縮式
冷凍サイクル装置用作動媒体であって、前記冷媒がハロ
ゲン原子を含まない炭素数2〜4の炭化水素からなり、
かつ前記冷凍機油が前記冷媒と相互溶解しないカーボネ
ート化合物を主成分して含む。
【0025】まず、冷媒について説明する。本発明にお
いて用いる炭素数2〜4のハロゲン原子を含まない炭化
水素冷媒は、後述する冷凍機油と相互に溶解しないとい
う点から、無極性のものであればよく、例えばエタン、
プロパン、n−ブタンおよびiso−ブタンなどの飽和
炭化水素、エチレンおよびプロペンなどの不飽和炭化水
素などがあげられる。これらの冷媒はそれぞれ単独で用
いることができるが、本発明の効果を損なわない範囲で
あれば、適宜組み合わせて用いることもできる。なかで
も、ルームエアコンや冷蔵庫用の冷凍サイクルに適する
沸点を有するという点から、プロパン、n−ブタン、i
−ブタンを主成分とする冷媒を用いるのが好ましく、さ
らに、使用冷媒量が比較的多く、冷媒量の低減が求めら
れている冷凍サイクルがルームエアコンであるという点
から、プロパンを用いるのが特に好ましい。なお、これ
らの冷媒としては、市販のものを用いることができる。
【0026】次に、冷凍機油について説明する。本発明
の作動媒体を構成する冷凍機油は、カーボネートを含む
エステル系冷凍機油である。具体的には、線(直鎖)状
もしくは環状のカーボネート化合物または環状エステル
化合物、すなわち炭酸エステル結合を有する液状物
(油)または環中にエステル結合を含む液状物を主成分
として含む冷凍機用潤滑油をいう。本発明の目的は、前
記冷媒と互いに溶解しにくい冷凍機油を用い、冷凍サイ
クル動作中に冷凍サイクル装置の圧縮機に格納された冷
凍機油に溶解し、冷凍サイクルの循環に直接寄与しない
ような冷媒分の重量を低減させることにある。換言すれ
ば、冷凍サイクル装置における冷媒の利用効率を向上さ
せることが目的である。そこで、分極率の大きい炭酸エ
ステル結合やエステル結合を環中に有する環構造に起因
して大きい極性を有することから、前述の無極性の炭化
水素冷媒と相互に溶解しないエステル化合物を冷凍機油
の主成分として用いるのである。このようなカーボネー
ト化合物としては、線状カーボネート化合物と環状カー
ボネート化合物とがあげられる。
【0027】線状カーボネート化合物としては、例えば
式(1):
【0028】
【化17】
【0029】(式中、R1はメチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基またはt−ブチル基、R2、R3およびR4
は、それぞれ独立して炭素数2〜5の炭化水素基または
炭素数2〜10のエーテル結合を有する炭化水素基、
l、mおよびnは、それぞれ独立して0以上の整数(但
し、l、mおよびnは同時に0ではない。))で表され
るものがあげられる。式(1)で表される線状カーボネ
ート化合物のなかでも、ヘテロ原子を有するために極性
がより大きく、炭化水素系冷媒の溶解度を小さくするこ
とができるという点から、例えば式(9)〜式(1
3):
【0030】
【化18】
【0031】で表される、原料のジオールとして(ポ
リ)アルキレングリコールを用いた線状カーボネート化
合物などを用いるのが好ましい。
【0032】このような線状カーボネート化合物は、例
えば以下のような方法により製造することができる。ま
ず、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
n−プロピルカーボネート、ジiso−プロピルカーボ
ネート、ジn−ブチルカーボネート、ジsec−ブチル
カーボネートまたはジt−ブチルカーボネートなどのジ
カーボネートと、後述するポリオールとを、塩基触媒の
存在下に加熱しながら反応させる。このとき、生成する
アルコールを蒸留によって反応系外に除去して、95%
以上の反応収率で反応させる。
【0033】ポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合グ
リコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなど
を用いることができる。塩基触媒としては、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの
アルカリ金属アルコラートなどがあげられる。これらの
なかでも、反応液への溶解性が充分に確保できる点、反
応後の残渣をカチオン交換にて除去する場合に、除去さ
れない対イオンが水素と結合してアルコールに転換する
ので容易に留去できるという点から、アルカリ金属アル
コラートを用いるのが好ましい。
【0034】このようにして得られる線状カーボネート
化合物は、必要に応じて、活性白土、活性炭などの吸着
剤を用いて、常法により処理して、微量の不純物を除去
してもよい。特に、かかる処理によれば、微量のイオン
性化合物や極性化合物を除去できるので、得られた線状
カーボネート化合物を安定に保持することができる。ま
た、炭酸エステル結合部分以外の部分にエーテル結合、
エステル結合、アミド結合または尿素結合などのヘテロ
原子を含有する結合部分を有する場合には、より極性が
高くなり、前記冷媒と相互に溶解し難くなる。また、後
述するように、エポキシ化合物やオキセタン化合物など
の環状エーテル化合物と二酸化炭素を反応させることに
よってもカーボネート化合物を得ることができる。
【0035】次に、環状カーボネート化合物または環状
エステル化合物について説明する。本発明において用い
る環状カーボネート化合物または環状エステル化合物
は、式(2):
【0036】
【化19】
【0037】(式中、Xはメチレンまたは酸素原子、R
5 およびR6はそれぞれ独立して水素原子またはメチル
基、R7はなにも存在しないか、または−CH2O−、−
CH2O(CH2CH2O)p−(CH2CHCH3O)q
しくは−CH2O{COO−(CH2CH2O)pr
{COO−(CH2CHCH3O)qs−(但し、pおよ
びqは同時に0にはならず、それぞれ独立して0〜3の
整数、rおよびsは同時に0にはならずそれぞれ独立し
て0〜2の整数。)、Aは水素原子またはβ価のアルコ
ール残基、αは0〜2の整数、βは1〜4の整数。)で
表される。なかでも、構造が単純で、化学的安定性が比
較的高い点、および電池電解質溶液や高分子の溶剤など
として用いられる汎用溶剤であるため、安価に高品位の
ものを入手することができるという点から、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネートまたはγ−ブチロ
ラクトンを用いるのが好ましい。
【0038】ここで、式(2)で表される環状カーボネ
ート化合物または環状エステル化合物として、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびγ−ブチ
ロラクトンよりなる群から選択される少なくとも一種を
用いる場合、式(8):
【0039】
【化20】
【0040】(式中、zは水素原子またはl価のアルコ
ール残基、tおよびuは0〜20の整数(但し、t+u
≧2)、lは1〜4の整数)で表されるポリアルキレン
グリコール化合物を少なくとも一種含むのが好ましい。
【0041】プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネートおよびγ−ブチロラクトンは粘度が比較的低いこ
とから、潤滑性が充分でない、圧縮部でのシール性が充
分でないという問題がある。そこで、前記式(8)で表
されるポリアルキレングリコール化合物を添加し、炭化
水素冷媒を溶解しにくいという環状カーボネート化合物
または環状エステル化合物の性質を大きく阻害すること
なく、冷凍機油としての粘度増加を図ることができる。
これにより、運転条件が異なる種々の冷凍サイクル装置
に容易に対応させることが可能となる。また、式(8)
で示す末端がヒドロキシル基または1,3−ジオキソラ
ン−2−オン構造であるポリアルキレングリコール化合
物は、その末端極性基の特異性のために、炭化水素冷媒
リッチの液層へ移行することがなく、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネートおよびγ−ブチロラクト
ンよりなる群から選択される少なくとも一種から構成さ
れる冷凍機油の増粘を図ることができる。
【0042】前記ポリアルキレングリコール化合物の使
用量としては、ポリアルキレングリコール化合物の含有
率が高くなると、冷凍機油の一部または全部が炭化水素
系冷媒と相互溶解しやすいという点から、低溶解度でま
たは相互溶解性を有しない範囲で適度な粘度を確保でき
るという範囲であればよく、好ましくは、冷凍機油に対
して1〜50重量%であるのがよい。また、式(2)で
表される環状カーボネート化合物としては、カーボネー
ト結合を有する環以外の部分にも極性基を有するという
点、または炭素数当たりのカーボネート結合構成炭素数
が大きいために、極性がより大きく炭化水素冷媒の溶解
度が小さいという点から、例えば式(3):
【0043】
【化21】
【0044】、式(4):
【0045】
【化22】
【0046】、式(5):
【0047】
【化23】
【0048】、式(6):
【0049】
【化24】
【0050】で表されるものを用いるのが好ましい。
【0051】さらに、式(2)で表される環状カーボネ
ート化合物または環状エステル化合物のなかでも、25
℃における比誘電率が40〜100であるものが好まし
い。25℃における比誘電率が40以上である場合に
は、炭素数2〜4のハロゲン原子を含まない炭化水素冷
媒の冷凍機油への溶解度が小さくなり、液相において炭
化水素冷媒と冷凍機油が相互溶解をしない(液相が炭化
水素冷媒リッチ層と冷凍機油リッチ層の2層、またはこ
これらの中間層を含めた3層分離をする)ため、冷凍サ
イクルにおいて圧縮機外へ流れる冷凍機油の量が少なく
なり、冷凍機油の使用量(充填量)をも低減させること
ができる。さらに、体積抵抗率が過度に小さくならず、
冷凍サイクル装置としての漏れ電流が過大にならないと
いう点から、25℃における比誘電率が40〜80であ
るのが特に好ましい。25℃における比誘電率が40〜
80の環状カーボネート化合物としては、例えばプロピ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、式(3)においてR8がエチレンである1,
2−ビス[(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル)メトキシ]エタン、式(3)においてR8が1,
2−プロピレンである1,2−ビス[(2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]プロパ
ン、式(6)においてR11が水素原子、R12 がメチル
基である4−[(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)
メチル]−1,3−ジオキソラン−2−オンなどがあげ
られる。
【0052】前述した環状カーボネート化合物は、分子
中に5員環ないし7員環の環状カーボネート(または環
状エステル)部分を有する。そして、環より伸びたカル
ボニル酸素上に負の電荷が分布し、カルボニル炭素上に
正の電荷が分布する。さらに、他の環の炭素上に微弱な
正の電荷が分布している。よって、これら環状カーボネ
ート部分での双極子モーメントは非常に大きくなる。そ
の結果、これら環状カーボネート部分のみからなる化合
物、またはこれらを(ポリ)エーテル、(ポリ)カーボ
ネート結合などの極性結合を用いて連結した環状カーボ
ネート化合物は、極性の高い化合物となり、無極性の炭
化水素冷媒を溶解し難いという性質を有する。
【0053】このような環状カーボネート化合物は、例
えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンのジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
アジピン酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロ
パンのトリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ルなどを、触媒共存下で、二酸化炭素と反応させること
により容易に合成できる。特に、式(3)、式(4)お
よび式(5)で表される環状カーボネート化合物は、例
えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペ
ンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを原料環
状エーテルとして用いて合成することができる。
【0054】ここに用いる触媒としては、ジエチル亜鉛
/γ−アルミナ、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、
塩化亜鉛/テトラブチルアンモニウムブロマイドなどの
有機亜鉛系触媒や無機系触媒、トリエチルアルミニウム
/ルイス塩基系、ジエチルアルミニウムジエチルアミ
ド、α,β,γ,δ−テトラフェニルポルフィナトアル
ミニウムメトキシドなどのアルミニウム化合物系触媒な
どがある。これらの触媒は、例えばジアルキル亜鉛、ジ
アルキルマグネシウムと、水、一級アミン、2価のフェ
ノール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸などの2価の活性水素化合物とを、1:1のモル比
で反応させて得ることができる。また、上記のようにし
て環状カーボネート化合物を合成した場合、環状カーボ
ネート化合物は、減圧蒸留や両性イオン交換樹脂による
処理によって触媒残渣と分離すればよい。特に合成にお
いては、副生物の抑制や冷凍機油として残留した場合に
有害な触媒成分の不使用、少量化の観点から、グリシジ
ルエーテル原料に対して0.01〜1重量%のテトラア
ルキルアンモニウムハライドを触媒として、高圧の二酸
化炭素雰囲気下において100〜180℃で反応させる
ことが好ましい。
【0055】さらには、以下の方法により環状カーボネ
ート化合物を製造するのが好ましい。すなわち、(a)
式(7):
【0056】
【化25】
【0057】(式中、R5 およびR6はそれぞれ独立し
て水素原子またはメチル基、R7はなにも存在しない
か、または−CH2O−、−CH2O(CH2CH2O)p
−(CH2CHCH3O)qもしくは−CH2O{COO−
(CH2CH2O)pr−{COO−(CH2CHCH
3O)qs−(但し、pおよびqは同時に0にはなら
ず、それぞれ独立して0〜3の整数、rおよびsは同時
に0にはならずそれぞれ独立して0〜2の整数。)、A
は水素原子またはβ価のアルコール残基、αは0〜2の
整数、βは1〜4の整数。)で示される環状エーテル化
合物を0.1モル%以下のテトラアルキルアンモニウム
ハライド触媒の存在下に二酸化炭素と反応させ、(b)
反応生成物を、酸性水溶液で洗浄した後、さらに水で洗
浄して前記触媒を除去し、(c)乾燥後、残留する前記
環状エーテル化合物を留去して製造するのが好ましい。
【0058】これは、テトラアルキルアンモニウムハラ
イド触媒を利用すると、亜鉛やアルミニウム系の触媒を
利用する場合に比べて反応速度において劣るものの、重
合物の副生が少ない点で好ましいからである。テトラア
ルキルアンモニウムハライド触媒としては、特に限定す
るものではないが、例えばテトラメチルアンモニウムク
ロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプ
ロピルアンモニウムクロリド、テトラn−ブチルアンモ
ニウムクロリド、テトラペンチルアンモニウムクロリ
ド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、テトラメチ
ルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブ
ロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラ
n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアン
モニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミ
ド、テトラメチルアンモニウムイオダイド、テトラエチ
ルアンモニウムイオダイド、テトラプロピルアンモニウ
ムイオダイド、テトラn−ブチルアンモニウムイオダイ
ド、テトラペンチルアンモニウムイオダイド、テトラヘ
キシルアンモニウムイオダイドなどがあげられる。アル
キル基がエチル基やメチル基の場合には、水溶性が高い
ために反応後の水洗において比較的容易に水相へ移すこ
とができる点で、好ましい。エポキシ化合物原料への溶
解度が充分でない場合は、炭素数の多いアルキル基を有
するテトラアルキルアンモニウムハライドを用いればよ
い。
【0059】なお、通常、水−油不均一反応系などの相
間移動触媒として用いられるテトラアルキルアンモニウ
ムハライド触媒は、界面活性剤的作用を有するため、塩
を除去する通常の水洗では水層と環状カーボネートを含
有する油層の分離自体が困難になる。また、テトラアル
キルアンモニウムハライド触媒を残存させたまま環状エ
ーテル化合物の留去などのために加熱を行うと、生成物
である環状カーボネート化合物が分解してしまうという
問題がある。しかし、前記方法においては、塩酸水溶液
などの酸性水溶液による洗浄を行うことにより、界面活
性剤的作用を抑制すると共に、触媒を酸性水溶液側へ取
り込んで除去することができる。さらに、その後の水洗
によって油層へ混入した酸性成分を低減することができ
る。このようにして触媒を除去することによって、残存
する前記環状エーテル化合物の留去に必要な加熱を行っ
ても、生成物である環状カーボネート化合物の分解を抑
制でき、純度の高い環状カーボネート化合物を得ること
ができるのである。特に、環状カーボネート化合物の原
料であるエポキシ化合物などは、その骨格によって程度
の差はあれ、生体への悪影響が疑われる化合物である。
従って、このような製造方法を採用することは、エポキ
シ化合物の、冷凍機油への残留および環状カーボネート
の分解による生成を防止するために特に好ましいといえ
る。
【0060】本発明において用いる冷凍機油は、前述し
たカーボネート化合物を主成分として含む。この場合、
冷凍機油は、本発明の効果を損なわない範囲で前記カー
ボネート化合物の1種または2種以上を含んでもよい。
また、本発明において用いる冷凍機油は、前記カーボネ
ート化合物生成時における重合物などの副生成物を含ん
でもよく、その他の任意成分として、公知の潤滑油添加
剤、たとえば桜井俊男編「石油製品添加剤」(幸書房、
昭和49年発行)などに記載されている清浄分散剤、酸
化防止剤、耐荷重添加剤、油性剤、流動点降下剤、酸水
分捕捉剤、消泡剤などの潤滑油添加剤を、本発明の目的
を損なわない範囲で、添加することができる。
【0061】前記冷凍機油中の前記カーボネート化合物
の含有量としては、冷凍機油全体として炭化水素冷媒と
互いに溶解しない範囲を保つとともに、炭化水素冷媒の
溶解度を小さく保つという点から、50〜99.9重量
%であればよいが、炭化水素冷媒の溶解度を充分低く保
つという点から、75〜99.9重量%であるのが好ま
しい。
【0062】また、冷凍機油の40℃における動粘度が
5×10-6〜4×10-52/sであるのが好ましい。
本発明の作動媒体における冷凍機油には、 冷媒である
炭化水素が溶解しにくいため、冷媒の溶解による粘度低
下が小さく、このような動粘度であることがこの作動媒
体を用いる冷凍圧縮機の効率上好ましいからである。な
お、動粘度は、式(8)で表されるポリアルキレングリ
コール化合物の添加などにより調整することができる。
【0063】本発明の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作
動媒体は、前述の冷媒と冷凍機油とを、常法により混合
して製造することができる。
【0064】このとき、70℃で、かつ炭素数2から4
のハロゲン原子を含まない炭化水素冷媒の蒸気圧が1.
77MPaであるときの前記冷媒の冷凍機油に対する飽
和溶解度が0.1〜5重量%であるのが好ましい。この
場合には、冷凍サイクル装置への冷媒の必要充填量につ
いて削減効果がより大きいからである。さらには、0.
1〜3重量%であるのが特に好ましい。
【0065】以上のような冷媒圧縮式冷凍サイクル装置
用作動媒体においては、液相の炭素数2〜4のハロゲン
原子を含まない炭化水素冷媒の比重が小さいので、冷媒
圧縮機内で相分離した冷媒は冷凍機油の上層に存在す
る。よって冷媒圧縮機の摺動部分への給油は、圧縮機内
部底面付近から吸い上げた液成分を送液することにより
行うことができ、かつ冷媒溶解量が小さいので冷凍機油
成分が高い液組成を供給することができ、摺動部分を信
頼性高く駆動できる。さらに、上記のようなカーボネー
ト化合物を用いた冷凍機油と、炭素数2〜4のハロゲン
原子を含まない炭化水素冷媒を含む作動媒体を用いる冷
媒圧縮式冷凍サイクル装置では、前記冷媒が大量に溶解
する鉱物油やアルキルベンゼン油を冷凍機油として含有
する作動媒体を用いる冷凍サイクル装置に比べて、同一
冷凍能力を発揮させるために必要な冷媒量が少なくて済
む。すなわち、本発明は前記冷媒圧縮式冷凍サイクル装
置用作動媒体を用いる冷凍サイクル装置にも関する。こ
こで用いることのできる冷凍サイクル装置としては、例
えば空調機、電気(冷凍)冷蔵庫、冷蔵または冷凍倉
庫、ショーケースなどの、冷媒を圧縮して用いる冷凍サ
イクル装置があげられる。
【0066】次に、本発明が適用される冷凍サイクル装
置の一例について図を用いて説明する。図1は冷凍サイ
クル装置の一種である空調装置の構成図である。冷媒圧
縮機1、熱交換器2a、キャピラリーチューブあるいは
膨張弁等の冷媒流量制御部3、およびこれらを連結する
配管4により室外ユニット5が構成されている。室外ユ
ニット5と、空調がなされる部位に設置される熱交換器
2bを有する室内ユニット6とは、接続管7、バルブ8
a、8bおよびフレアナット9a、9bで連結されてい
る。四方弁10は、熱交換器2a、2bの凝縮または蒸
発という機能を交換することができる。さらに、アキュ
ムレータ11を装備していてもよい。冷房運転時には、
冷媒圧縮機1によって圧縮された冷媒が熱交換器2aに
おいて放熱し、液化状態となり、冷媒流量制御部3を通
過することにより低温の気液混合冷媒となる。そして、
室内ユニット5内の熱交換器2bにおいて吸熱気化し、
再度冷媒圧縮機に吸い込まれるというサイクルをとる。
四方弁10の回転により流路が切り替わると、熱交換器
2bで凝縮され、熱交換器2aで蒸発し、暖房運転とな
る。本発明の冷凍サイクル装置は、必ずしも図1のよう
に冷房運転と暖房運転ができる冷凍サイクルに限定され
ず、四方弁による熱交換器の機能交換ができない冷房ま
たは暖房専用の冷凍サイクルであってもよい。このよう
に本発明が適用される冷凍サイクル装置は、特に構成上
特殊である必要はないが、冷媒の漏洩検出装置などを設
けてあってもよい。
【0067】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらのみに制限されるもので
はない。 《製造例1》蒸留塔を備えた容量1リットルのフラスコ
に、エチレングリコール59g(0.9モル)、ジエチ
ルカーボネート591g(5.0モル)および28重量
%のナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.5g
(0.003モル)を投入し、これを常圧下に110〜
150℃で8時間加熱し、生成するエタノールを留出し
た。さらに減圧下200℃まで昇温して残留ジエチルカ
ーボネートを留去した。得られた反応混合物にテトラヒ
ドロフラン500gを投入して希釈した後、イオン交換
樹脂(オルガノ(株)製のアンバーリスト15)を充填
したカラムに通して残留触媒を中和除去後、テトラヒド
ロフランを蒸留除去し、前記式(9)で表される線状カ
ーボネート化合物1を得た。
【0068】《製造例2》蒸留塔を備えた容量1リット
ルのフラスコに、エチレングリコール25g(0.4モ
ル)、ジエチレングリコール53g(0.5モル)、ジ
メチルカーボネート450g(5.0モル)および28
重量%のナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.5
g(0.003モル)を投入し、これを常圧下に110
〜150℃で8時間加熱し、生成するメタノールを留出
した。さらに減圧下180℃まで昇温して残留ジメチル
カーボネートを留去した。得られた反応混合物にテトラ
ヒドロフラン500gを投入して希釈した後、製造例1
と同じイオン交換樹脂を充填したカラムに通して残留触
媒を中和除去後、テトラヒドロフランを蒸留除去し、前
記式(10)で表される線状カーボネート化合物2を得
た。
【0069】《製造例3》蒸留塔を備えた容量2リット
ルのフラスコに、プロピレングリコール22.8g
(0.3モル)、トリエチレングリコール75g(0.
5モル)、ネオペンチルグリコール10.4g(0.1
モル)、ジt−ブチルカーボネート1091g(5.0
モル)および28重量%のナトリウムメトキシドのメタ
ノール溶液0.5g(0.003モル)を投入し、これ
を常圧下に110〜150℃で8時間加熱し、生成する
t−ブタノールを留出した。さらに減圧下230℃まで
昇温して残留ジt−ブチルカーボネートを留去した。得
られた反応混合物にテトラヒドロフラン500gを投入
して希釈した後、製造例1と同じイオン交換樹脂を充填
したカラムに通して残留触媒を中和除去後、テトラヒド
ロフランを蒸留除去し、前記式(11)で表される線状
カーボネート化合物3を得た。
【0070】《製造例4》蒸留塔を備えた容量1リット
ルのフラスコに、エチレングリコール55.9g(0.
9モル)、ジメチルカーボネート450g(5.0モ
ル)および28重量%のナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液0.5g(0.003モル)を投入し、これを
常圧下に110〜150℃で8時間加熱し、生成するメ
タノールを留出した。さらに減圧下230℃まで昇温し
て残留ジエチルカーボネートを留去した。得られた反応
混合物にテトラヒドロフラン500gを投入して希釈し
た後、製造例1と同じイオン交換樹脂を充填したカラム
に通して残留触媒を中和除去後、テトラヒドロフランを
蒸留除去し、前記式(12)で表される線状カーボネー
ト化合物4を得た。
【0071】《製造例5》内部に攪拌子をいれた300
mlのオートクレーブに、ジオキサン18g、エチレン
オキシド4.4g(0.1モル)、プロピレンオキシド
5.9g(0.1モル)、ジエチル亜鉛1Mヘキサン溶
液9mlを投入後、二酸化炭素を1Paで充填し1日間
放置した。得られた反応混合物にテトラヒドロフラン1
00gを投入して希釈した後、製造例1と同じイオン交
換樹脂を充填したカラムに通して残留触媒を中和除去
後、テトラヒドロフランおよびジオキサンを蒸留除去
し、前記式(13)で表される線状カーボネート化合物
5を得た。
【0072】《実施例1〜5》上記のようにして得られ
た線状カーボネート化合物1〜5を0.4gまたは1.
6gとプロパン冷媒1.6gを混合して本発明の冷凍サ
イクル装置用作動媒体1〜5を得た。ついで、これらの
作動媒体をガラス管に封入して、充分に振とう攪拌し、
10秒経過後に作動媒体の相の状態を確認した。結果を
表1に示す。また、表1には炭酸エステル結合を構成す
る炭素の比率(原子%)も示す。炭酸エステル結合構成
炭素の比率は、13C−NMRより概算した。
【0073】
【表1】
【0074】さらに、以上の実施例で製造した作動媒体
の性能評価として下記の試験を行った。一体型エアコン
に、鉱物油(日本サン石油(株)製、スニソ4GS)ま
たは上記の方法で得られた線状カーボネート化合物1〜
5を各々200gを別々に冷凍機油として用い、比較検
討した。まず、鉱物油を冷凍機油とし、冷媒R290
(プロパン)350gとともに封入したエアコンの能力
を測定して標準とした。次に線状カーボネート化合物1
〜5のいずれかを冷凍機油とし、冷媒R290(プロパ
ン)350gとともに封入したエアコンから、その能力
を測定しながら、冷媒をエアコンの冷凍サイクルから少
しずつ抜く作業を繰り返した。その結果、線状カーボネ
ート化合物1〜5のいずれかを冷凍機油とした場合に
は、およそ冷媒R290(プロパン)220gで同程度
の能力を達成できることがわかった。
【0075】《製造例6》蒸留塔を備えた容量1リット
ルのフラスコに、エチレングリコール20g(0.3モ
ル)、グリセリン55g(0.6モル)、ジエチルカー
ボネート591g(5.0モル)、およびナトリウムメ
トキシドの28重量%メタノール溶液0.5g(0.0
03モル)を投入し、これを常圧下において110〜1
50℃で8時間加熱し、生成するエタノールを留出し
た。さらに、減圧下200℃まで昇温して残留ジエチル
カーボネートを留去した。得られた反応混合物にテトラ
ヒドロフラン500gを投入して希釈した後、製造例1
と同じイオン交換樹脂を充填したカラムに通して残留触
媒を中和除去した。ついで、テトラヒドロフランを蒸留
除去し、式(14):
【0076】
【化26】
【0077】で示される環状カーボネート化合物1を約
62重量%含む組成物を得た。なお、他の成分は、アル
コール残基を有する末端がエチル基である線状カーボネ
ート化合物や分岐カーボネート化合物であると考えられ
る。
【0078】《製造例7》蒸留塔を備えた容量1リット
ルのフラスコに、エチレングリコール12g(0.2モ
ル)、ジエチレングリコール41g(0.4モル)、
1,2,4−ブタントリオール53g(0.5モル)、
ジメチルカーボネート450g(5.0モル)、および
ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液0.
5g(0.003モル)を投入し、これを常圧下におい
て110〜150℃で8時間加熱し、生成するメタノー
ルを留出した。さらに、減圧下180℃まで昇温して残
留ジメチルカーボネートを留去した。得られた反応混合
物にテトラヒドロフラン500gを投入して希釈した
後、製造例1と同じイオン交換樹脂を充填したカラムに
通して残留触媒を中和除去した。ついで、テトラヒドロ
フランを蒸留除去し、式(15):
【0079】
【化27】
【0080】で示される環状カーボネート化合物2を約
54重量%含む組成物を得た。なお、他の成分は、アル
コール残基を有する末端がメチル基である線状カーボネ
ート化合物や分岐カーボネート化合物であると考えられ
る。
【0081】《製造例8》蒸留塔を備えた容量2リット
ルのフラスコに、プロピレングリコール22.8g
(0.3モル)、トリエチレングリコール45g(0.
3モル)、グリセリン9.2g(0.1モル)、ジt−
ブチルカーボネート1091g(5.0モル)、および
ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液0.
5g(0.003モル)を投入し、これを常圧下におい
て110〜150℃で8時間加熱し、生成するt−ブタ
ノールを留出した。さらに、減圧下230℃まで昇温し
て残留ジt−ブチルカーボネートを留去した。得られた
反応混合物にテトラヒドロフラン500gを投入して希
釈した後、製造例1と同じイオン交換樹脂を充填したカ
ラムに通して残留触媒を中和除去した。ついで、テトラ
ヒドロフランを蒸留除去し、式(16):
【0082】
【化28】
【0083】で共重合比が示される線状カーボネート化
合物6を得た。
【0084】《製造例9》内部に撹拌子を入れた300
mlのオートクレーブに、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル17.4g(0.1モル)、およびテトラ
ブチルアンモニウムブロミド1.03g(0.0032
モル)を投入した後、二酸化炭素を4M・Paで充填
し、150℃のオイルバスに浸して10時間放置した。
得られた反応混合物を減圧蒸留し、式(17):
【0085】
【化29】
【0086】で示される環状カーボネート化合物3(ジ
カーボネート)を得た。
【0087】《製造例10》内部に撹拌子を入れた30
0mlのオートクレーブに、トリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル26.2g(0.1モル)、塩化亜
鉛2.5g(0.018モル)、およびテトラブチルア
ンモニウムブロミド10.3g(0.032モル)を投
入した後、二酸化炭素を4Paで充填し1日間放置し
た。得られた反応混合物にメタノール100gを投入し
て希釈した後、両性イオン交換樹脂(ダウ・ケミカル
(株)製のリターディオン)を充填したカラムに通して
残留触媒を除去した。ついで、メタノールを蒸留除去
し、式(18):
【0088】
【化30】
【0089】で示される環状カーボネート化合物4(ジ
カーボネート)を95重量%含む組成物を得た。なお、
他の成分は、一方のエポキシ基がカーボネート化されて
いない化合物であった。
【0090】《製造例11》内部に撹拌子を入れた30
0mlのオートクレーブに、トリメチロールプロパンの
トリグリシジルエーテル30.2g(0.1モル)、お
よびテトラブチルアンモニウムブロミド1.55g
(0.0054モル)を投入した後、二酸化炭素を5P
aで充填し、170℃のオイルバスに浸して3時間放置
した。得られた反応混合物にメタノール100gを投入
して希釈した後、製造例10と同じ両性イオン交換樹脂
を充填したカラムに通して残留触媒を除去した。つい
で、メタノールを蒸留除去し、式(19):
【0091】
【化31】
【0092】で示される環状カーボネート化合物5(ト
リカーボネート)を86重量%含む組成物を得た。な
お、その他の成分は、原料の不純物であるジグリシジル
エーテルがカーボネート化した化合物などであった。
【0093】《製造例12》内部に撹拌子を入れた30
0mlのオートクレーブに、ペンタエリスリトールテト
ラグリシジルエーテル36.4g(0.1モル)、およ
びテトラエチルアンモニウムブロミド0.21g(0.
0006モル)を投入した後、二酸化炭素を5Paで充
填し、170℃のオイルバスに浸して3時間放置した。
得られた反応混合物にメタノール100gを投入して希
釈した後、製造例10と同じ両性イオン交換樹脂を充填
したカラムに通して残留触媒を除去した。ついで、メタ
ノールを蒸留除去し、式(20):
【0094】
【化32】
【0095】で示される環状カーボネート化合物6(テ
トラカーボネート)を60重量%含む組成物を得た。な
お、他の成分は、原料の不純物であるジグリシジルエー
テルやトリグリシジルエーテルのカーボネート化合物、
これら不純物と原料の部分カーボネート化物であると判
断された。
【0096】《製造例13》内部に撹拌子を入れた30
0mlのオートクレーブに、2−メトキシ−1−メチル
エチルグリシジルエーテル100g(0.531モ
ル)、およびテトラメチルアンモニウムイオダイド0.
021g(0.0001モル)を投入した後、二酸化炭
素を5Paで充填し、120℃のオイルバスに浸して1
5時間放置して反応させた。得られた反応混合物にクロ
ロホルム100gを加えた後、水洗して残留触媒を除去
した。ついで、硫酸マグネシウムで乾燥してクロロホル
ムを留去した後、さらに減圧下に加熱して残留原料を留
去し、式(21):
【0097】
【化33】
【0098】で示される環状カーボネート化合物7を得
た。
【0099】《実施例6〜13》上記のようにして得ら
れた線状カーボネート化合物6および環状カーボネート
化合物1〜7を主成分とする組成物を冷凍機油とし、こ
の冷凍機油を0.4gまたは1.6gとプロパン冷媒
1.6gとを混合して、本発明の冷凍サイクル装置用作
動媒体6〜13をえ、ガラス管に封入した。充分に振と
う撹拌の後、1秒経過後に作動媒体の相の状態を確認し
た。また、炭酸エステル結合構成炭素の比率は、13C−
NMRより概算した。結果を表2に示す。また、25℃
での誘電率を、測定温度条件を除いて、JIS C−2
101「電気絶縁油試験方法」の比誘電率試験に準じて
測定した。また、70℃かつプロパン冷媒の蒸気圧が
1.77MPaであるときのプロパン冷媒の前記冷凍機
油に対する飽和溶解度を、攪拌器を備えたオートクレー
ブに冷凍機油とプロパン冷媒を仕込み、70℃にオート
クレーブの雰囲気を保った状態で、オートクレーブの下
部より液体を採取し、その組成を分析するという方法に
より測定した。結果を併せて表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】《製造例14》式(22):
【0102】
【化34】
【0103】で示されるプロピレンカーボネート95重
量部と、式(23):
【0104】
【化35】
【0105】で示される両末端がヒドロキシル基である
重量平均分子量1000のポリエチレングリコール5重
量部を混合し、さらに酸化防止剤として2,5−ジ−t
−ブチル−4−クレゾール0.5重量部を添加して、本
発明の冷凍機油14とした。40℃において動粘度を測
定したところ、25×10-62/sであった。
【0106】《製造例15》式(24):
【0107】
【化36】
【0108】で示されるブチレンカーボネート80重量
部と、式(25):
【0109】
【化37】
【0110】で示される両末端がヒドロキシル基である
重量平均分子量600のエチレンオキシド−プロピレン
オキシド共重合体20重量部を混合して、本発明の冷凍
機油15とした。40℃において動粘度を測定したとこ
ろ、37×10-62/sであった。
【0111】《製造例16》式(26):
【0112】
【化38】
【0113】で示されるエチレンオキシド部分の平均重
合度が約9であるポリエチレンクリコールジグリシジル
エーテルを原料にして、製造例13と同様にして得られ
たジカーボネート50重量部と式(27):
【0114】
【化39】
【0115】で示されるγ−ブチロラクトン50重量部
を混合して、本発明の冷凍機油16とした。
【0116】《実施例14〜16》上記のようにして得
られた冷凍機油14〜16を0.4gまたは1.6gと
プロパン冷媒1.6gを混合して、本発明の冷凍サイク
ル装置用作動媒体14〜16をえ、ガラス管に封入し
た。充分に振とう撹拌の後、1秒経過後に媒体の相の状
態を確認した。炭酸エステル結合構成炭素の比率は、13
C−NMRより概算した。結果を表3に示す。また、2
5℃での誘電率、70℃かつプロパン冷媒の蒸気圧が
1.77MPaであるときのプロパン冷媒の冷凍機油に
対する飽和溶解度を併せて示す。
【0117】
【表3】
【0118】《実施例17》内部に撹拌子を入れた30
0mlのオートクレーブに、各々プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル18.8g(0.1モル)、およ
びテトラエチルアンモニウムブロミド4.2g(0.0
2モル)を投入した後、二酸化炭素を4MPaで充填
し、120℃のオイルバスに浸して10時間放置した。
得られた反応混合物をそのまま減圧蒸留し、残留してい
るプロピレングリコールジグリシジルエーテルの留去を
試みた。しかし、褐色に変色しはじめたので終了し、ガ
スクロマトグラフィーにて分析したが、式(28):
【0119】
【化40】
【0120】で示されるジカーボネート以外にテトラエ
チルアンモニウムブロミドと6重量%程度のプロピレン
グリコールジグリシジルエーテルの存在を確認した。こ
の反応物を試料1とした。一方、内部に撹拌子を入れた
300mlのオートクレーブに、各々プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル18.8g(0.1モル)、
およびテトラエチルアンモニウムブロミド0.42g
(0.002モル)を投入した後、二酸化炭素を4MP
aで充填し、120℃のオイルバスに浸して10時間放
置した。得られた反応混合物をクロロホルムに希釈し、
これを1N塩酸水溶液にて3回洗浄し、さらに純水で3
回洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ロータリーエバ
ポレータを用いてクロロホルムを留去の後、減圧蒸留に
よって残留しているプロピレングリコールジグリシジル
エーテルの留去を5時間行い終了した。ガスクロマトグ
ラフィーにて分析したが、式(28)で示されるジカー
ボネート以外に1重量%未満のプロピレングリコールジ
グリシジルエーテルの存在を確認したが、テトラエチル
アンモニウムブロミドは確認できなかった。この反応物
を試料2とした。このようにして得られた試料1または
2の2gをガラスチューブに封止して150℃にて2週
間のエージングを行った。試料1は黒色に変色し固化し
ていたが、試料2はやや黄色がかっているのみで大きな
変化はなかった。このように本発明の方法によって、熱
安定性が高い環状カーボネート化合物を得ることができ
た。
【0121】《実施例18》一体型エアコンに、冷凍機
油として鉱物油または製造例14で得られた冷凍機油を
用いて比較検討した。まず、鉱物油200gを冷凍機油
とし、冷媒R290(プロパン)350gとともに封入
したエアコンの能力を測定して標準とした。次に、冷凍
機油14を冷媒R290(プロパン)350gとともに
封入したエアコンから、その能力を測定しながら冷媒を
エアコンの冷凍サイクルから少しずつ抜く作業を繰り返
した。その結果、カーボネート化合物を含有する本発明
の冷凍機油14を用いた場合には、およそ冷媒R290
(プロパン)140gで同程度の能力を達成できること
がわかった。
【0122】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、冷凍サイ
クル装置へのエタン、プロパン、ブタン、イソブタンな
どのハロゲン原子を含まない炭化水素である冷媒の充填
量が少なくても良好な性能を発揮する作動媒体を得るこ
とができる。また、この作動媒体を用いることによっ
て、冷媒漏洩時の安全性に優れた冷凍サイクル装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における冷凍サイクル装置の
構成を示す略図である。
【符号の説明】
1 冷媒圧縮機 2 熱交換器 3 膨脹弁 4 配管 5 室外機 6 室内機 7 接続配管 8 バルブ付ポート 9 フレア連結部 10 四方弁 11 アキュムレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤井 清 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上野 貴由 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB32A BB37A BB44A BC09A EA02A EA12A LA20 PA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒および冷凍機油を含む冷媒圧縮式冷
    凍サイクル装置用作動媒体であって、前記冷媒がハロゲ
    ン原子を含まない炭素数2〜4の炭化水素からなり、前
    記冷凍機油が前記冷媒と相互溶解しないエステル化合物
    を主成分として含む冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記エステル化合物中の、エステル結合
    を構成する炭素数が、エステル化合物を構成する全炭素
    数の10原子%以上を占める請求項1記載の冷媒圧縮式
    冷凍サイクル装置用作動媒体。
  3. 【請求項3】 前記エステル化合物が、線状カーボネー
    ト化合物、環状カーボネート化合物または環状エステル
    化合物である請求項1記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装
    置用作動媒体。
  4. 【請求項4】 前記線状カーボネート化合物が、式
    (1): 【化1】 (式中、R1はメチル基、エチル基、n−プロピル基、
    iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基
    またはt−ブチル基、R2、R3およびR4は、それぞれ
    独立して炭素数2〜5の炭化水素基または炭素数2〜1
    0のエーテル結合を有する炭化水素基、l、mおよびn
    は、それぞれ独立して0以上の整数(但し、l、mおよ
    びnは同時に0ではない。))で表される請求項3記載
    の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  5. 【請求項5】 前記環状カーボネート化合物または環状
    エステル化合物が、式(2): 【化2】 (式中、Xはメチレンまたは酸素原子、R5 およびR6
    はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R7はな
    にも存在しないか、または−CH2O−、−CH2O(C
    2CH2O)p−(CH2CHCH3O)qもしくは−CH
    2O{COO−(CH2CH2O)pr−{COO−(C
    2CHCH3O)qs−(但し、pおよびqは同時に0
    にはならず、それぞれ独立して0〜3の整数、rおよび
    sは同時に0にはならずそれぞれ独立して0〜2の整
    数。)、Aは水素原子またはβ価のアルコール残基、α
    は0〜2の整数、βは1〜4の整数。)で表される請求
    項3記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  6. 【請求項6】 前記環状カーボネート化合物が、式
    (3): 【化3】 (式中、R8は、エチレン、2−メチルエチレン、エチ
    レンオキシエチレンまたは2−メチルエチレンオキシ−
    2−メチルエチレン結合)で表される請求項5記載の冷
    媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  7. 【請求項7】 前記環状カーボネート化合物が、式
    (4): 【化4】 (式中、R9は、水素原子、メチル基またはヒドロキシ
    メチル基、R10は酸素原子またはオキシメチレン基)で
    表される請求項5記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用
    作動媒体。
  8. 【請求項8】 前記環状カーボネート化合物が、式
    (5): 【化5】 で表される請求項5記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置
    用作動媒体。
  9. 【請求項9】 前記カーボネート化合物が、式(6): 【化6】 (式中、R11は水素原子またはメチル基、R12はメチル
    基またはエチル基、vは1〜3の整数)で表される請求
    項5記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  10. 【請求項10】 式(2)で表される環状カーボネート
    化合物が、(a)式(7): 【化7】 (式中、R5 およびR6はそれぞれ独立して水素原子ま
    たはメチル基、R7はなにも存在しないか、または−C
    2O−、−CH2O(CH2CH2O)p−(CH2CHC
    3O)qもしくは−CH2O{COO−(CH2CH
    2O)pr−{COO−(CH2CHCH3O)qs
    (但し、pおよびqは同時に0にはならず、それぞれ独
    立して0〜3の整数、rおよびsは同時に0にはならず
    それぞれ独立して0〜2の整数。)、Aは水素原子また
    はβ価のアルコール残基、αは0〜2の整数、βは1〜
    4の整数。)で示される環状エーテル化合物を当該エー
    テル化合物の官能基に対して0.1モル%以下のテトラ
    アルキルアンモニウムハライド触媒の存在下に二酸化炭
    素と反応させ、(b)反応生成物を、酸性水溶液で洗浄
    した後、さらに水で洗浄して前記触媒を除去し、(c)
    乾燥後、残留する前記環状エーテル化合物を留去して得
    られるものである請求項5記載の冷媒圧縮式冷凍サイク
    ル装置用作動媒体。
  11. 【請求項11】 70℃で、かつ前記冷媒の蒸気圧が
    1.77MPaであるときの前記冷媒の冷凍機油に対す
    る飽和溶解度が0.1〜5重量%である請求項5記載の
    冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  12. 【請求項12】 式(2)で表される環状カーボネート
    化合物の25℃における比誘電率が40〜100である
    請求項5記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒
    体。
  13. 【請求項13】 式(2)で示される環状カーボネート
    化合物が、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネ
    ートおよびγ−ブチロラクトンよりなる群から選択され
    る少なくとも一種であり、さらに式(8): 【化8】 (式中、zは水素原子またはl価のアルコール残基、t
    およびuは0〜20の整数(但し、t+u≧2)、lは
    1〜4の整数)で表されるポリアルキレングリコール化
    合物を少なくとも一種含む請求項5記載の冷媒圧縮式冷
    凍サイクル装置用作動媒体。
  14. 【請求項14】 冷凍機油のカーボネート化合物含有量
    が50〜100重量%である請求項1〜13のいずれか
    に記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒体。
  15. 【請求項15】 冷凍機油の40℃における動粘度が5
    ×10-6〜4×10-52/sである請求項1〜14の
    いずれかに記載の冷媒圧縮式冷凍サイクル装置用作動媒
    体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の作
    動媒体を用いた冷凍サイクル装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006759A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Sanyo Chem Ind Ltd 環状カーボネートのアルキレンオキサイド付加物
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JP2015227373A (ja) * 2010-06-10 2015-12-17 日産化学工業株式会社 シクロカーボネート基含有化合物

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