JP2000169867A - 冷凍機油組成物および該組成物を用いた潤滑方法 - Google Patents

冷凍機油組成物および該組成物を用いた潤滑方法

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JP2000169867A
JP2000169867A JP10349003A JP34900398A JP2000169867A JP 2000169867 A JP2000169867 A JP 2000169867A JP 10349003 A JP10349003 A JP 10349003A JP 34900398 A JP34900398 A JP 34900398A JP 2000169867 A JP2000169867 A JP 2000169867A
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hydrogen atom
polymethylene
alkyl
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JP10349003A
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English (en)
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Iwahiro Otsuka
厳弘 大塚
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭化水素系冷媒系において高効率で潤滑を行
い、潤滑性等に良好な冷凍機油の提供。 【解決手段】炭素数1〜8の炭化水素、および式R1
[(OR2m −OR3n (R1 は芳香核を有するn
価の基、R2 は置換されていてもよい炭素数2〜6のポ
リメチレン基、R3 は炭素数1〜10のアルキル基また
は水素原子、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が
3〜80となる数。)で表されるポリエーテル類を含有
する冷凍機油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機油組成物およ
び潤滑方法に関し、さらに詳しくは、炭素数1〜8の炭
化水素を主成分とする冷媒を用いた冷凍機油組成物およ
び該組成物を用いた潤滑方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷凍機、例えば圧縮機−凝縮器
−膨張弁−蒸発器からなる圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サ
イクルにおいては、冷媒と潤滑油との混合液体がこの密
閉された系内を循環する構造となっている。このような
圧縮型冷凍機には、冷媒として、従来ジクロロジフルオ
ロメタン(CFC−12)やクロロジフルオロメタン
(HCFC−22)などが多く用いられ、また潤滑油と
してアルキルベンゼン系化合物などの合成油や種々の鉱
油が用いられてきた。しかし、上記CFC−12やHC
FC−22などのクロロフルオロカーボンやハイドロク
ロロフルオロカーボンは、成層圏に存在するオゾン層を
破壊するなどの環境汚染をもたらすおそれがあることか
ら、最近、世界的にその使用に対する規制が厳しくなり
つつある。
【0003】そのため、新しい冷媒としてハイドロフル
オロカーボンへの切替が実施されている。1,1,1,
2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代表
されるハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破壊す
るおそれがないが、大気中での寿命が長いため地球温暖
化への影響が懸念される。
【0004】近年このような問題のない自然系冷媒とし
て各種の炭化水素、特に炭素数1〜8の炭化水素が検討
されつつある。しかしながら、このような炭化水素を圧
縮型冷凍機の冷媒として用いた場合、冷凍機の潤滑油と
して、従来一般的に使用されているアルキルベンゼン系
化合物などの合成油や鉱油などの基油を使用すると、該
基油に冷媒が完全に溶解するため基油の粘度の減少が起
こり、その結果潤滑性能が不足して、耐摩耗性が不充分
となり、またシール性が悪くなるため長期の安定使用が
できなくなるなどの結果となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、炭化水素を主成分とする冷媒を用い
た圧縮式冷凍サイクルにおいて、効率よく潤滑を行うこ
とができ、この結果潤滑性能およびシール性を向上させ
ることができ、かつ冷凍効率を向上させることのできる
冷凍機油組成物および該組成物を用いた潤滑方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定のポリエーテル化合物を潤滑油基油
とすることにより、炭化水素冷媒と適度に相溶すること
を見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発
明の要旨は下記の通りである。
【0007】(1)(A)炭素数1〜8の炭化水素を主
成分とする冷媒、および(B)下記式(1)で表される
ポリエーテル類からなる基油を含有することを特徴とす
る冷凍機油組成物。
【0008】 R1 −[(OR2m −OR3n ・・・(1) (ただし、R1 は芳香核を有するn価の基、R2 は炭素
数2〜6のポリメチレン基、該ポリメチレン基の水素原
子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置換され
た基、または、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上
が下記式(2)で表される基で置換された基、R3 は炭
素数1〜10のアルキル基または水素原子を示す。nは
1〜6の整数であり、mはm×nの平均値が3〜80と
なる数である。
【0009】 −R4 −(OR5p −OR6 ・・・(2) ただし、R4 はメチレン基またはエチレン基、R5 は炭
素数2〜6のポリメチレン基または該ポリメチレン基の
水素原子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置
換された基、R6 は炭素数1〜10のアルキル基または
水素原子を示す。pは0〜80の整数である。)
【0010】(2)上記冷凍機油組成物を用いることを
特徴とする圧縮型冷凍機の潤滑方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
冷媒の主成分である炭化水素の炭素数は1〜8であり、
好ましくは1〜5、更に好ましくは3〜5である。炭素
数が9以上であると沸点が高くなりすぎ冷媒としては好
ましくない。本発明に用いられる炭化水素の例として
は、メタン、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロ
パン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン、n−ペン
タン、イソペンタンなどを挙げることができる。該炭化
水素は1種でもよく、2種以上でもよい。
【0012】また、炭化水素だけで使用してもよく、H
FC−134aなどのハイドロフルオロカーボン、エー
テル、CO2 などの冷媒と混合したものも使用すること
ができる。炭素数1〜8の炭化水素と他の化合物を併用
する場合は、全冷媒中の炭素数1〜8の炭化水素の割合
は50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%
が特に好ましい。100重量%、すなわち冷媒として炭
素数1〜8の炭化水素のみを使用することが好ましい。
【0013】本発明において、(B)基油としては、下
記式(1)で表されるポリエーテル類が使用される。
【0014】 R1 −[(OR2m −OR3n ・・・(1) (ただし、R1 は芳香核を有するn価の基、R2 は炭素
数2〜6のポリメチレン基、該ポリメチレン基の水素原
子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置換され
た基、または、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上
が下記式(2)で表される基で置換された基、R3 は炭
素数1〜10のアルキル基または水素原子を示す。nは
1〜6の整数であり、mはm×nの平均値が3〜80と
なる数である。
【0015】 −R4 −(OR5p −OR6 ・・・(2) ただし、R4 はメチレン基またはエチレン基、R5 は炭
素数2〜6のポリメチレン基または該ポリメチレン基の
水素原子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置
換された基、R6 は炭素数1〜10のアルキル基または
水素原子を示す。pは0〜80の整数である。)
【0016】本発明における式(1)で表されるポリエ
ーテル類のR1 は芳香核を有するn価の基である。nは
1〜6の整数であり、原料の入手の容易さからnは1〜
2の整数が好ましい。
【0017】芳香核を有する1価の基としては、アリー
ル基、アラルキル基などが挙げられる。アリール基と
は、芳香族炭化水素から芳香核に直接結合した水素原子
1個を除いた残基であり、フェニル基、ビフェニリル基
またはナフチル基、またはアルキル基部分を有するこれ
らの基などが挙げられる。アラルキル基とは、アルキル
基の水素原子がアリール基で置換されたものであり、言
い換えればアルキレン基部分の一方の結合手にアリール
基が結合したものである。
【0018】芳香核を有する2〜6価の基としては、ア
リール基またはアラルキル基の水素原子1〜5個を除い
た残基、またはビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールSなどのビスフェノール類の水酸基を除
いた残基などが挙げられる。
【0019】アリール基またはアラルキル基の上記のご
とく1〜5個除かれる水素原子は、芳香核に直接結合し
た水素原子、または芳香核に直接結合したアルキル基部
分またはアルキレン基部分に結合した水素原子のいずれ
かまたは両方である。
【0020】好ましいR1 は、芳香核を有する1価の基
であり、特にはアリール基であり、アルキル基部分を有
するフェニル基またはナフチル基がさらに好ましい。
【0021】アルキル基部分を有するフェニル基または
ナフチル基のアルキル基部分は直鎖状、分岐鎖状、環状
のいずれでもよい。アルキル基部分を有するフェニル基
またはナフチル基としては、以下のものが好ましい。
【0022】メチルフェニル基、エチルフェニル基、プ
ロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニ
ル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル
基、ドデシルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチ
ルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニ
ル基、ジペンチルフェニル基、ジヘキシルフェニル基、
ジヘプチルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニ
ルフェニル基、ジデシルフェニル基、ジドデシルフェニ
ル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチル
ナフチル基、ジエチルナフチル基など。
【0023】アラルキル基のアルキレン基部分は直鎖
状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。アラルキル基と
しては、以下のものが好ましい。ベンジル基、フェニル
エチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フ
ェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプ
チル基、フェニルオクチル基、フェニルノニル基、フェ
ニルデシル基、フェニルドデシル基、メチルベンジル
基、ナフチルメチル基など。
【0024】これらアリール基、アラルキル基の炭素数
は、炭化水素との相溶性の観点から14以下が好まし
く、それより大きいと炭化水素冷媒との相溶性の低下は
充分ではなく、期待した効果が得られなくなる。好まし
いアリール基の炭素数は6〜12であり、好ましいアラ
ルキル基の炭素数は7〜12である。
【0025】式(1)中のR2 は炭素数2〜6のポリメ
チレン基、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上が炭
素数1〜20のアルキル基で置換された基、または、該
ポリメチレン基の水素原子の1個以上が下記式(2)で
表される基で置換された基である。
【0026】 −R4 −(OR5p −OR6 ・・・(2) ただし、R4 はメチレン基またはエチレン基、R5 は炭
素数2〜6のポリメチレン基または該ポリメチレン基の
水素原子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置
換された基、R6 は炭素数1〜10のアルキル基または
水素原子を示す。pは0〜80の整数である。
【0027】R2 はエチレン基、エチレン基の水素原子
の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置換された
基、エチレン基の水素原子の1個以上が式(2)で表さ
れる基で置換された基、トリメチレン基、テトラメチレ
ン基、または、ペンタメチレン基が好ましい。R2 はエ
チレン基の水素原子の1個以上が炭素数1〜20のアル
キル基で置換された基(以下、R21とする)、エチレン
基の水素原子の1個以上が式(2)で表される基で置換
された基(以下R22とする)、または、エチレン基が特
に好ましい。
【0028】R21における置換基としては、炭素数1〜
4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基
すなわち、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
【0029】R21としては、メチル基を有するエチレン
基、またはエチル基を有するエチレン基が好ましい。さ
らに具体的にはメチルエチレン基(プロピレン基)、エ
チルエチレン基;1,1−ジメチルエチレン基;1,2
−ジメチルエチレン基;n−プロピルエチレン基;イソ
プロピルエチレン基;1−エチル−1−メチルエチレン
基などが挙げられる。
【0030】式(2)中、R4 はメチレン基またはエチ
レン基であり、メチレン基が好ましい。
【0031】R5 はエチレン基、エチレン基の水素原子
の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置換された
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、または、ペン
タメチレン基が好ましい。R5 は上記R21と同様の基、
または、エチレン基が特に好ましい。
【0032】R5 として具体的にはメチルエチレン基
(プロピレン基)、エチルエチレン基;1,1−ジメチ
ルエチレン基;1,2−ジメチルエチレン基;n−プロ
ピルエチレン基;イソプロピルエチレン基;1−エチル
−1−メチルエチレン基、エチレン基などが挙げられ
る。
【0033】R6 は炭素数1〜10のアルキル基または
水素原子であり、炭素数1〜4のアルキル基が好まし
い。
【0034】pは0〜80の整数であり、0〜50であ
ることが好ましく、0〜10であることが特に好まし
い。0であることが最も好ましい。
【0035】R22としては、(メトキシメチル)エチレ
ン基、(エトキシメチル)エチレン基、(プロポキシメ
チル)エチレン基、(ブトキシメチル)エチレン基、1
−メトキシメチル−2−メチルエチレン基、1,2−ビ
ス(メトキシメチル)エチレン基;(メトキシエチル)
エチレン基;(エトキシエチル)エチレン基;1,1−
ビス(エトキシエチル)エチレン基;2−メトキシ−
1,3−プロピレン基などが挙げられる。
【0036】1分子中の(OR2 )は、オキシエチレン
基、(OR21)および(OR22)からなる組み合せから
なることが好ましい。
【0037】オキシエチレン基はエチレンオキシドを開
環して形成されることが好ましい。
【0038】(OR21)はアルキレンオキシドを開環し
て形成されることが好ましい。アルキレンオキシドとし
てはプロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、
2,3−ブチレンオキシドまたはイソブチレンオキシド
などが挙げられる。
【0039】(OR22)としては、メチルグリシジルエ
ーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジ
ルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキル
グリシジルエーテルを開環して形成されるものが挙げら
れる。また、エピハロヒドリンとH(OR5p −OR
6 で表されるポリエーテルモノオールとの反応物を開環
して形成されるものが挙げられる。
【0040】(OR2 )は、これらから選ばれる1種で
あってもよく、これらから選ばれる2種以上でもよい。
2種以上の場合、それらの結合はブロック状でもランダ
ム状でもよい。(OR2 )は、オキシプロピレン基を必
須とすることが、粘度特性の観点から好ましい。
【0041】式(1)のR3 は炭素数1〜10のアルキ
ル基または水素原子である。炭素数1〜10のアルキル
基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。アルキ
ル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げら
れる。炭化水素との相溶性の観点から、R3 は炭素数1
〜4のアルキル基または水素原子が好ましい。
【0042】式(1)中のnは1〜6の整数であり、n
が2以上の場合は、1分子中の複数の[(OR2m
OR3 ]は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0043】nは1〜6で、m×nが3〜80となる数
である。m×nの値が80を超えると動粘度の観点から
本発明の目的は充分に達せられない。好ましいm×nの
値は3〜40であり、より好ましいm×nの値は3〜1
5である。
【0044】本発明に用いられる式(1)で表されるポ
リエーテル類は種々の方法で合成できる。
【0045】R3 が水素原子である式(1)で表される
ポリエーテル類は 式R1 (OH)n (式中のR1 は芳
香核を有するn価の基、nは1〜6の整数。)で表され
る化合物にアルキレンオキシドおよび/またはアルキル
グリシジルエーテルを付加して得られる。R3 が炭素数
1〜10のアルキル基である式(1)のポリエーテル類
は、式R1 (OH)n (式中のR1 は芳香核を有するn
価の基、nは1〜6の整数。)で表される化合物にアル
キレンオキシドおよび/またはアルキルグリシジルエー
テルを付加して得られるポリエーテル類をアルカリでア
ルコラート化した後、アルキルモノハライドと反応させ
てエーテル化させことにより得られる。上記アルキルモ
ノハライドとしては、炭素数1〜10のアルキル基の塩
化物、臭化物またはヨウ化物などが挙げられる。
【0046】上記式R1 (OH)n で表される化合物に
対するアルキレンオキシドとアルキルグリシジルエーテ
ルの付加を同時に行うことにより、(OR21)と(OR
22)の結合がランダム状のものが得られ、アルキレンオ
キシドとアルキルグリシジルエーテルの付加を別々に行
うことにより(OR21)と(OR22)の結合がブロック
状のものが得られる。
【0047】本発明におけるポリエーテル類の40℃で
の動粘度は1〜10000mm2 /sが好ましく、5〜
1000mm2 /sがさらに好ましい。5〜500mm
2 /sが特に好ましく、5〜150mm2 /sが最も好
ましい。また、炭化水素との低温での二層分離温度が0
℃以下、さらには−10℃以下であることが好ましい。
【0048】本発明で使用するポリエーテル類は、酸価
1mgKOH/g以下であることが好ましい。水分は5
00ppm以下のものが好ましく、特に200ppm以
下のものが好ましい。熱安定性に影響する不純物、混入
物、水分を除くために、蒸留、濾過、吸着剤、脱水剤で
処理したものが好ましい。
【0049】本発明の冷凍機油組成物においては、基油
として前記ポリエーテル類を1種用いても2種以上を組
み合わせてもよい。本発明においては上記(A)冷媒と
(B)基油の使用量は、(A)/(B)の重量比で99
/1〜10/90の範囲にあることが好ましい。
【0050】(A)の量が上記範囲よりも少ない場合は
冷凍能力の低下がみられる場合があり、また上記範囲よ
り多い場合は潤滑性能が低下する場合があり好ましくな
い。このような観点から、上記(A)/(B)の重量比
は、95/5〜30/70の範囲にあるのが更に好まし
い。
【0051】本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ
公知の各種の添加剤、トリクレジルホスフェート(TC
P)などのリン酸エステルやトリスノニルフェニルホス
ファイトなどの亜リン酸エステルなどの極圧剤;フェノ
ール系、アミン系の酸化防止剤;フェニルグリシジルエ
ーテル、シクロヘキセンオキシド、エポキシ化大豆油な
どの安定剤;ベンゾトリアゾールやその誘導体などの銅
不活性化剤;シリコーン油やフッ化シリコーン油などの
消泡剤などを適宜配合することができる。更に、耐荷重
添加剤、塩素捕捉剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、油
性剤、防錆剤、腐食防止剤、流動点降下剤などを所望に
応じて添加することができる。これらの添加剤は、通常
本発明の組成物中に、0.5〜10重量%の量で含有さ
れる。
【0052】本発明の冷凍機油組成物は、種々の冷凍機
に使用可能である。特に、圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サ
イクルに適用でき、圧縮機−凝縮器−膨張弁−蒸発器か
らなる通常の圧縮式冷凍サイクルに好ましく適用でき
る。すなわち、本発明は、また上記の冷凍機油組成物を
用いることを特徴とする圧縮型冷凍機の潤滑方法であ
る。
【0053】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。「部」は「重量部」を示す。例1〜4において各種
ポリエーテル類を合成し、以下に示す方法でn−ペンタ
ン溶解度を測定した(実施例)。また例5において日本
サン石油製ナフテン系鉱油スニソ4GS(以下、S油と
いう)についても同様にn−ペンタン溶解度を測定した
(比較例)。結果を表1に示す。
【0054】<n−ペンタン溶解度(20℃)>試料油
100gをガラスビーカーに採取し、撹拌しながらn−
ペンタンを添加していき、曇りが生じる点を終点とし
た。曇りが生じるまでに加えたn−ペンタン量(g)を
溶解度とした。
【0055】(例1)m−クレゾール108部、およ
び、水酸化カリウム2.5部を反応器に仕込み、80℃
で30分撹拌混合した後、120℃に昇温し、減圧下で
3時間脱水した。脱水後、110℃に温度を保ちながら
にプロピレンオキシド(以下、POという)116部と
エチレンオキシド(以下、EO)264部を同時に5時
間かけてフィードした。POとEOのフィード終了後2
時間熟成し、内圧が一定になることを確認後、減圧下1
20℃で1時間脱気した。
【0056】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら反応器中のカリウム量と等当量の無機酸を加え中和
し、吸着剤として合成珪酸マグネシウムを2部加えた。
120℃に昇温し、30分撹拌した後、3時間減圧脱水
し、続けて加圧ろ過を行い、水酸基価(以下、OHVと
いう)115.4、40℃の動粘度68mm2 /sのポ
リオキシアルキレンモノオール(以下、ポリエーテル−
1という)478部を得た。
【0057】式(1)において、R1 =3−メチルフェ
ニル基、R2 =プロピレン基/エチレン基(プロピレン
基とエチレン基のモル比=2.0/6.0)、R3 =水
素原子、m=8.0、n=1であるポリエーテルであっ
た。
【0058】(例2)例1で得られたポリエーテル−1
の243部と水酸化カリウム33.7部を反応器に仕込
み、80℃で30分撹拌混合した後、120℃に昇温
し、減圧下で3時間脱水した。脱水後、窒素置換を3回
行い、反応器内の酸素を充分に除いた後、70℃に温度
を保ちながら反応器に、塩化メチル26.5部を5時間
かけてフィードした。塩化メチルのフィード終了後熟成
し、内圧が一定であるのを確認した後、減圧下120℃
で1時間脱気した。
【0059】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら200部の水を反応器に加え、撹拌したのち、水層部
を除き、残りの油層にリン酸2.1部を加え中和し、吸
着剤として合成珪酸マグネシウムを4.2部加えた。1
20℃で、30分撹拌した後、3時間減圧脱水し、続け
て加圧ろ過を行い、40℃動粘度29mm2 /sのポリ
エーテル(以下、ポリエ−テル−2という)を得た。
【0060】式(1)において、R1 =3−メチルフェ
ニル基、R2 =プロピレン基/エチレン基(プロピレン
基とエチレン基のモル比=2.0/6.0)、R3 =メ
チル基、m=8.0、n=1であるポリエーテルであっ
た。
【0061】(例3)p−t−ブチルフェノール150
部、および、水酸化カリウム2.5部を反応器に投入
し、80℃で30分撹拌混合した後、120℃に昇温
し、減圧下で3時間脱水した。脱水後、110℃に温度
を保ちながら反応器にPO178部を2時間かけてフィ
ードした。引き続き、メチルグリシジルエーテル308
部を2時間かけてフィードした。フィード終了後3時間
反応を続けた後、減圧下120℃で2時間脱気した。
【0062】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら反応器中のカリウム量と等当量の無機酸を加え中和
し、吸着剤として合成珪酸マグネシウムを2部加えた。
120℃に昇温し、30分撹拌した後、3時間減圧脱水
し、続けて加圧ろ過を行い、水酸基価88.5mgKO
H/g、40℃の動粘度108mm2 /sのポリオキシ
アルキレンモノオール(以下、ポリエーテル−3とい
う)623部を得た。
【0063】式(1)において、R1 =4−t−ブチル
フェニル基、R2 =プロピレン基/メトキシメチルエチ
レン基(プロピレン基と(メトキシメチル)エチレン基
のモル比=3.0/3.5)、R3 =水素原子、m=
6.5、n=1であるポリエーテルであった。
【0064】(例4)例3で得られたポリエ−テル−3
の285部と水酸化カリウム37.1部を反応器に投入
し、80℃で30分撹拌混合した後、120℃に昇温
し、減圧下で3時間脱水した。脱水後、窒素置換を行
い、反応器内の酸素を充分に除いた後、70℃に温度を
保ちながら塩化メチル29.6部を5時間かけてフィー
ドした。塩化メチルフィード終了後熟成し、内圧が一定
であるのを確認した後、減圧下120℃で1時間脱気し
た。
【0065】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら175部の水を反応器に加え、80℃で撹拌したの
ち、水層部を除き、残りの油層にリン酸11.5部を加
え中和し、吸着剤として合成珪酸マグネシウムを6.5
部加えた。120℃で、30分撹拌した後、3時間減圧
脱水し、続けて加圧ろ過を行い、40℃動粘度63mm
2 /sのポリエーテル(ポリエーテル−4)を得た。
【0066】式(1)において、R1 =4−t−ブチル
フェニル基、R2 =プロピレン基/メトキシメチルエチ
レン基(プロピレン基と(メトキシメチル)エチレン基
のモル比=3.0/3.5)、R3 =メチル基、m=
6.5、n=1であるポリエーテルであった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、炭素数1〜8の炭化水
素を主成分とする冷媒を用いた圧縮式冷凍サイクルにお
いて、粘度低下を押さえ適性粘度に保つことにより、そ
の結果潤滑性能およびシール性を向上させることがで
き、かつ冷凍効率を向上させることのできる冷凍機油組
成物および該組成物を用いた潤滑方法を提供することが
できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素数1〜8の炭化水素を主成分と
    する冷媒、および(B)下記式(1)で表されるポリエ
    ーテル類からなる基油を含有することを特徴とする冷凍
    機油組成物。 R1 −[(OR2m −OR3n ・・・(1) (ただし、R1 は芳香核を有するn価の基、R2 は炭素
    数2〜6のポリメチレン基、該ポリメチレン基の水素原
    子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置換され
    た基、または、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上
    が下記式(2)で表される基で置換された基、R3 は炭
    素数1〜10のアルキル基または水素原子を示す。nは
    1〜6の整数であり、mはm×nの平均値が3〜80と
    なる数である。 −R4 −(OR5p −OR6 ・・・(2) ただし、R4 はメチレン基またはエチレン基、R5 は炭
    素数2〜6のポリメチレン基または該ポリメチレン基の
    水素原子の1個以上が炭素数1〜20のアルキル基で置
    換された基、R6 は炭素数1〜10のアルキル基または
    水素原子を示す。pは0〜80の整数である。)
  2. 【請求項2】式(1)におけるR1 がアリール基の水素
    原子1〜5個を除いた残基、アラルキル基の水素原子1
    〜5個を除いた残基、アリール基またはアラルキル基で
    ある請求項1に記載の冷凍機油組成物。
  3. 【請求項3】式(1)におけるR3 が炭素数1〜4のア
    ルキル基または水素原子である請求項1または2に記載
    の冷凍機油組成物。
  4. 【請求項4】ポリエーテル類の40℃での動粘度が5〜
    1000mm2 /sである請求項1、2または3に記載
    の冷凍機油組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれか1項に記載の冷凍機
    油組成物を用いることを特徴とする圧縮型冷凍機の潤滑
    方法。
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