JPH0953086A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

Info

Publication number
JPH0953086A
JPH0953086A JP7206130A JP20613095A JPH0953086A JP H0953086 A JPH0953086 A JP H0953086A JP 7206130 A JP7206130 A JP 7206130A JP 20613095 A JP20613095 A JP 20613095A JP H0953086 A JPH0953086 A JP H0953086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hfc
fluorine
oil
refrigerant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7206130A
Other languages
English (en)
Inventor
Genichirou Shioya
源市郎 塩冶
Iwahiro Otsuka
厳弘 大塚
Hiroki Fukuda
博樹 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP7206130A priority Critical patent/JPH0953086A/ja
Publication of JPH0953086A publication Critical patent/JPH0953086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】幅広い温度範囲でHFC系冷媒と良好な相溶性
を示し、かつ体積抵抗率、潤滑特性、低吸湿性、耐久性
などに優れる冷凍機油を提供する。 【解決手段】式R1 −[(OR2m −OR3n (式
中のR1 は芳香核を有するn価の基、R2 はアルキレン
基、R3 はフッ素含有のアルキル基。nは1〜6の整
数、mはm×nの平均値が4〜80となる数。)で表さ
れる化合物からなる冷凍機用潤滑油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置、電機冷
蔵庫等の圧縮型冷凍機等に用いる冷凍機用潤滑油に関す
る。詳しくは、1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(以下、HFC−134aという)、ジフルオロメタン
(以下、HFC−32という)、ペンタフルオロエタン
(以下、HFC−125という)などのヒドロフルオロ
カーボン系冷媒(以下、HFC系冷媒という)との相溶
性に優れた含フッ素ポリオキシアルキレングリコール類
からなる冷凍機用潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主にジクロロジフルオロメタン
(以下、CFC−12という)がカーエアコン用や冷蔵
庫用の冷凍機の冷媒として、またクロロジフルオロメタ
ン(以下、HCFC−22という)がルームエアコン用
の冷凍機の冷媒として使用されている。しかし、オゾン
層保護の立場から、CFC−12やHCFC−22等の
塩素含有冷媒に代替しうる冷媒として、HFC−134
a、HFC−32、HFC−125等のHFC系冷媒が
有望視されている。
【0003】HFC系冷媒はCFC−12に比べて極性
が高く、冷凍機油として従来より一般に使用されている
ナフテン系鉱油やアルキルベンゼン等の潤滑油とほとん
ど相溶性を示さないため、冷凍機の使用温度範囲におい
て二層分離を起こす。二層分離を起こすと、オイル戻り
が悪くなり、熱交換器の内壁に潤滑油が付着して熱交換
率が悪くなり、また潤滑不良や起動時の発泡の発生等、
数々の重大欠陥の原因となる。そのため、従来の冷凍機
油はこれらの新しい冷媒雰囲気下での冷凍機油として使
用できない。
【0004】HFC−134aなどのHFC系冷媒とと
もに使用できる冷凍機油として特公平4−78674、
特開平1−259095、特開平2−102296、特
開平3−109492などに示されるポリエーテル系
油、特表平3−502472、特表平3−50560
2、特開平3−88892、特開平3−217494、
特開平5−25484、特開平5−179268などに
示されるポリエステル系油、および特開平3−2174
95、特開平4−18490、特開平4−63893、
特開平5−32588、特開平5−32992、特開平
5−186784、特開平6−87791などに示され
るカーボネート系油が提案されている。
【0005】従来提案されているこれらの冷凍機油は、
ナフテン系鉱油やアルキルベンゼンに比べ極性が高いの
で、HFC−134aなどのHFC系冷媒との相溶性は
たしかに良好である。しかし、従来の作動流体であるC
FC−12/鉱物油系に比べると、冷媒、冷凍機油とも
極性が高くなり、水を含みやすい。
【0006】そのため、これらの冷凍機油は、HFC−
134a等のHFC系冷媒の共存下での熱安定性が悪か
ったり、圧縮機モータのコイル被覆材料であるポリエチ
レンテレフタレートフィルムなどを加水分解させたりす
る欠点がある。特に、ポリエステル系油ではそれ自身が
加水分解し、カルボン酸を生成するため、このカルボン
酸が金属を腐食し、金属摩耗を引き起こす問題がある。
また、カーボネート系油では加水分解により非凝縮性の
二酸化炭素が生じるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、吸湿性
が低く、体積抵抗率が大きいポリエーテル系油が、特開
平4−15295、特開平4−39394、特開平4−
130188、特開平6−330062に提案されてい
る。しかし、このポリエーテル系油は、HFC系冷媒と
の相溶性、低い吸湿性、高い体積抵抗率の全てを充分に
満足しない。
【0008】一方、含フッ素ポリオキシアルキレングリ
コール類は、特開平2−132176、特開平2−13
2179に示されている。これらは、フッ素含有のアル
キル基を分子中に含有させることでHFC−134aな
どのHFC系冷媒に対しての溶解性が大幅に改善されて
いるが、体積抵抗率が低く、目的とする高い体積抵抗率
を発現させるためには、さらに非フッ素部分の炭化水素
基およびオキシアルキレン基の検討が必要であった。
【0009】本発明は、幅広い温度範囲でHFC系冷媒
と良好な相溶性を示し、かつ体積抵抗率、潤滑特性、低
吸湿性、耐久性などに優れる冷凍機油およびこれとHF
C系冷媒とを含む冷凍機用組成物の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加水分解
の懸念のない、ポリオキシアルキレングリコールに着目
し、ポリオキシアルキレングリコール油の上記欠点を克
服すべく鋭意検討し、特定構造のポリオキシアルキレン
グリコール誘導体が、HFC系冷媒との相溶性に優れ、
高い体積抵抗率を有することを見いだし、本発明の完成
に至った。
【0011】すなわち、本発明は一般式(I)R1
[(OR2m −OR3n (式中のR1 は芳香核を有
するn価の基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R
3 は炭素数1〜10のフッ素含有のアルキル基を示す。
また、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が4〜8
0となる数である。)で表される含フッ素ポリオキシア
ルキレングリコール類からなる冷凍機用潤滑油である。
【0012】本発明における一般式(I)R1 −[(O
2m −OR3n で表されるポリオキシアルキレン
グリコール類のR1 は芳香核を有するn価、すなわち1
〜6価の基である。芳香核を有する1価の基としては、
アリール基、アラルキル基などが挙げられる。アリール
基とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた残基
であり、フェニル基、ビフェニル基またはナフチル基、
またはアルキル鎖部分を有するこれらの基などが挙げら
れる。アラルキル基とは、アルキル基にアリール基が置
換したものであり、言い換えればアルキレン鎖部分の一
方の結合手にアリール基が結合したものである。
【0013】芳香核を有する2〜6価の基としては、ア
リール基またはアラルキル基の水素原子1〜5個を除い
た残基、またはビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールSなどのビスフェノール類の水酸基を除
いた残基などが挙げられる。アリール基またはアラルキ
ル基の上記のごとく除かれる水素原子は、芳香核に結合
した水素原子、または芳香核側鎖のアルキル鎖部分また
はアルキレン鎖部分に結合した水素原子のいずれかまた
は両方である。
【0014】好ましいR1 は、芳香核を有する1価の基
であり、特にはアリール基であり、アルキル鎖部分を有
するフェニル基またはナフチル基がさらに好ましい。
【0015】アルキル鎖部分を有するフェニル基または
ナフチル基のアルキル鎖部分は直鎖状、分岐鎖状、環状
のいずれでもよい。アルキル鎖部分を有するフェニル基
またはナフチル基としては、以下のものが好ましい。
【0016】メチルフェニル基、エチルフェニル基、プ
ロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニ
ル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル
基、ドデシルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチ
ルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニ
ル基、ジペンチルフェニル基、ジヘキシルフェニル基、
ジヘプチルフェニル基、ジオクチルフェニル基、ジノニ
ルフェニル基、ジデシルフェニル基、ジドデシルフェニ
ル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチル
ナフチル基、ジエチルナフチル基など。
【0017】アラルキル基のアルキレン鎖部分は直鎖
状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。アラルキル基と
しては、以下のものが好ましい。
【0018】ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル
プロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、
フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオ
クチル基、フェニルノニル基、フェニルデシル基、フェ
ニルドデシル基、メチルベンジル基、ナフチルメチル基
など。
【0019】これらアリール基、アラルキル基の炭素数
は、HFC系冷媒との相溶性の観点から20以下が好ま
しく、それより大きいと、得られた含フッ素ポリオキシ
アルキレングリコール誘導体のフッ素含有量がいかに高
くても、HFC−134aなどのHFC系冷媒との相溶
性は低下し、相分離を生じるようになる。好ましいアリ
ール基およびアラルキル基の炭素数は、それぞれ6〜1
8および7〜18である。
【0020】一般式(I)中のR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基
としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オ
キシブチレン基が挙げられる。1分子中のオキシアルキ
レン基はオキシエチレン基、オキシプロピレン基および
オキシブチレン基から選ばれる1種であってもよく、こ
れらから選ばれる2種以上のオキシアルキレン基が含ま
れていてもよい。
【0021】R2 としては、オキシプロピレン基を必須
とするものが、粘度特性や体積抵抗率の観点から好まし
い。含フッ素ポリオキシアルキレングリコール類の場
合、体積抵抗率を向上させるには、オキシエチレン基、
オキシプロピレン基よりもオキシブチレン基の含有率が
高い方が効果的である。しかし、HFC系冷媒との相溶
性は逆に低下するため、R2 中に占めるオキシブチレン
基の含有率は75重量%以下のものが好適である。
【0022】オキシブチレン基としては、1,2−ブチ
レンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレ
ンオキシドなどのブチレンオキシドを開環重合して形成
されるオキシブチレン基がある。1分子中のオキシブチ
レン基は上記同一のブチレンオキシドのみから得られる
ものでもよく、上記2種以上のブチレンオキシドから得
られるオキシアルキレン基でもよい。
【0023】一般式(I)のR3 は炭素数1〜10のフ
ッ素含有のアルキル基である。炭素数1〜10のフッ素
含有のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれで
もよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
などが挙げられる。
【0024】フッ素含有のアルキル基としては、上記ア
ルキル基の水素の一部をフッ素で置換したポリ(または
モノ)フルオロアルキル基または上記アルキル基の水素
の全部をフッ素で置換したペルフルオロアルキル基があ
る。これらのフッ素含有のアルキル基中に塩素や臭素な
どの他のハロゲン原子を有していてもよい。ポリ(また
はモノ)フルオロアルキル基の場合、その末端はCF3
−、CHF2 −、CH2 F−のいずれでもよい。好まし
いフッ素含有のアルキル基は炭素数1〜4のポリ(また
はモノ)フルオロアルキル基またはペルフルオロアルキ
ル基である。
【0025】一般式(I)中のnは1〜6の整数であ
り、nが2以上の場合は、1分子中の複数のR2 は同一
であってもよく、異なっていてもよい。同様に1分子中
の複数のR3 は同一であってもよく、異なっていてもよ
い。mはm×nの平均値が4〜80となる数であり、m
×nの平均値が前記範囲を超えると動粘度の観点から本
発明の目的は充分に達せられない。
【0026】本発明の組成物に用いられる一般式(I)
で表される含フッ素ポリオキシアルキレングリコール類
は種々の方法で合成できる。例えば、以下の方法が挙げ
られる。
【0027】(1)一般式(II)R1 (OH)n (式中
のR1 は芳香核を有するn価の基、nは1〜6の整
数。)で表される化合物にアルキレンオキシドを付加し
て得られるポリオキシアルキレングリコールとフッ素含
有の不飽和脂肪族炭化水素とを反応させて得る方法。
【0028】(2)一般式 (III)R3 OH(式中のR3
は炭素数1〜10のフッ素含有のアルキル基。)で表さ
れる化合物にアルキレンオキシドを付加して得られる含
フッ素ポリオキシアルキレングリコールの水酸基末端を
アルコラート化した後、一般式(IV)R1n (式中の
1 は芳香核を有するn価の基、Xは塩素、臭素または
ヨウ素。)で表される化合物とエーテル化反応を行うこ
とで得る方法。
【0029】上述の(1)の方法に用いるフッ素含有の
不飽和脂肪族炭化水素としては、以下のものが好まし
い。
【0030】テトラフルオロエチレン(以下、TFEと
いう)、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフル
オロエチレン、トリフルオロエチレン、1−クロロ−
2,2−ジフルオロエチレン、1,1−ジクロロ−2,
2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−
ジクロロ−2−フルオロエチレン、フッ化ビニル、ペル
フルオロプロペン、クロロペンタフルオロプロペン、ジ
クロロテトラフルオロプロペン、3,3,3−トリフル
オロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ
プロペン、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオ
ロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン、1−ヒドロ−ペルフルオロブテン
−1、2−ヒドロ−ペルフルオロブテン−2、ペルフル
オロイソブテン、クロロヘプタフルオロブテン、ジクロ
ロヘキサフルオロブテン、トリクロロペンタフルオロブ
テン、ペルフルオロブタジエン、ペルフルオロヘキセ
ン、ペルフルオロオクテンなど。
【0031】本発明における含フッ素ポリオキシアルキ
レングリコール類の100℃での動粘度は0.01〜1
00cStが好ましく、0.5〜30cStがさらに好
ましい。また、40℃での動粘度は1〜10,000c
Stが好ましく、1〜1,000cStがさらに好まし
い。また、ヒドロフルオロカーボン系冷媒との低温での
二層分離温度が0℃以下、さらには−10℃以下である
ことが好ましい。
【0032】本発明の冷凍機用潤滑油には、ヒドロフル
オロカーボン系冷媒との相溶性を損なわない範囲で、鉱
物油、ポリα−オレフィン油、アルキルベンゼン油、ポ
リオールエステル油、ポリエーテル油、ペルフルオロポ
リエーテル油、フッ素化シリコーン油、リン酸エステル
油などを混合してもよい。混合割合は、本発明の冷凍機
用潤滑油100重量部に対して、好ましくは1〜300
重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。
【0033】本発明は、さらにヒドロフルオロカーボン
系冷媒と本発明の冷凍機用潤滑油を含む冷凍機用組成物
を提供する。本発明の冷凍機用組成物における、潤滑油
および冷媒の割合は特に限定されない。
【0034】本発明の冷凍機用組成物中の水や酸をトラ
ップするために、エポキシ基を有する化合物やオルトエ
ステル、アセタール、カルボジイミドなどの添加が有効
である。また、潤滑性を向上させるためにトリアリール
ホスフェート、トリアリールホスファイト、トリアルキ
ルホスフェート、トリアルキルホスファイト、アルキル
ジチオリン酸亜鉛、アリールジチオリン酸亜鉛、モリブ
テンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメー
トなどの摩耗防止剤、酒石酸エステル、グリセリンエー
テル、グリセリンエステルなどの添加が有効である。ま
た、熱安定性を向上させるためにラジカルトラップ能を
有するフェノール系化合物や芳香族アミン系化合物を添
加してもよい。
【0035】本発明の冷凍機用組成物には、種々のヒド
ロフルオロカーボン系冷媒を1種単独でまたは混合して
使用できる。本発明に用いられるヒドロフルオロカーボ
ン系冷媒としては、HFC−32、HFC−125、H
FC−134a、1,1,1−トリフルオロエタン(以
下、HFC−143aという)、1,1−ジフルオロエ
タンおよび1,1,2,2−テトラフルオロエタンなど
から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられ
る。混合物としては、特にHFC−32、HFC−12
5およびHFC−134aの混合物、HFC−125、
HFC−134aおよびHFC−143aの混合物、H
FC−125およびHFC−143aの混合物またはH
FC−32およびHFC−125の混合物が好ましい。
【0036】
【実施例】実施例および比較例における冷凍機油の性能
評価は、以下の試験方法による。「部」は「重量部」を
示す。
【0037】「動粘度」はJIS−K2283に準じて
測定した。「相溶性」はガラス管に試料油と冷媒[HF
C−32/HFC−125/HFC−134a=23/
25/52(重量比)]を、試料油が全体の10体積%
となる割合で合計2mlになるように採取し、混合し、
密封する。このガラス管を恒温槽に入れ、−30〜+3
0℃における試料油と冷媒の相溶度を測定した。「体積
抵抗率」はJIS−C2101(電気絶縁油試験)に準
じて測定した。
【0038】「合成例1」ノニルフェノール440部、
水酸化カリウム3.2部を反応器に投入し、80℃で3
0分撹拌混合した後、120℃に昇温し、減圧下で3時
間脱水を行った。脱水後、110℃に温度を保ちながら
反応器にプロピレンオキシド(以下、POという)64
0部を5時間かけてフィードした。POのフィードに伴
い反応器の内圧が最高5気圧程度まで上昇するが、反応
の進行に伴い内圧は低下した。POフィード終了後2時
間熟成を行い、内圧が一定になるのを確認した後、減圧
下120℃で1時間脱気した。
【0039】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら反応器中のカリウム量と等量の無機酸を加え中和し、
吸着剤として合成マグネシウムを2部加えた。120℃
に昇温し、30分撹拌した後、3時間減圧脱水を行い、
続けて加圧ろ過を行い、水酸基価(以下、OHVとい
う)108、40℃動粘度75.5cStの原料ポリオ
キシアルキレングリコール1040部を得た。
【0040】このうち520部の原料ポリオキシアルキ
レングリコールと水酸化カリウム12.3部を反応器に
投入し、80℃で30分撹拌混合した後、120℃に昇
温し、減圧下で3時間脱水を行った。脱水後、窒素置換
を3回行い、反応器内の酸素を充分に除いた後、80℃
に温度を保ちながら、反応器にTFE110部を6時間
かけてフィードした。TFEのフィードに伴い反応器の
内圧が上昇するが、反応の進行に伴い内圧は低下した。
TFEフィード終了後3時間熟成を行い、内圧が一定で
あるのを確認した後、減圧下120℃で1時間脱気し
た。
【0041】反応器を常圧に戻した後、撹拌を続けなが
ら反応器中のカリウム量と等量の無機酸を加え中和し、
吸着剤として合成マグネシウムを2.5部加えた。12
0℃で、30分撹拌した後、3時間減圧脱水を行い、続
けて加圧ろ過を行い、40℃動粘度49.5cStの含
フッ素ポリオキシアルキレングリコールを得た。得られ
た含フッ素ポリオキシアルキレングリコールのOHVは
1.41であった。
【0042】「合成例2〜7」種々の含フッ素ポリオキ
シアルキレングリコールを合成例1の操作に準じて合成
した。得られた化合物の構造を表1に示す。
【0043】「合成例8」合成例1で用いた原料ポリオ
キシアルキレングリコール520部、水酸化ナトリウム
80部を反応器に投入し、80℃で30分撹拌混合した
後、130℃に昇温し、反応器に、塩化メチル70部
(過剰率1.4)を1時間かけてフィードした。塩化メ
チルのフィードに伴い反応器の内圧が上昇するが、反応
の進行に伴い内圧は低下した。塩化メチルフィード終了
後3時間熟成を行い、内圧が一定であるのを確認した
後、減圧下130℃で1時間脱気した。
【0044】反応器を常圧に戻した後、水260部を加
えよく撹拌し、撹拌を続けながら反応器中のカリウム量
と等量の無機塩を加え中和した後、60℃で静置し、下
層の水相を除いた後、吸着剤として合成マグネシウムを
2部加えた。120℃で、30分撹拌した後、3時間減
圧脱水を行い、続けて加圧ろ過を行い、40℃動粘度1
8.5cStの末端メチルエーテル化ポリオキシアルキ
レングリコールを得た。
【0045】「合成例9〜12」種々の末端アルキルエ
ーテル化ポリオキシアルキレングリコールを合成例8の
操作に準じて合成した。得られた化合物の構造を表1に
示す。
【0046】「合成例13〜19」一般式(I)中のR
1 が脂肪族炭化水素基であるかまたはR3 がHである種
々の含フッ素ポリオキシアルキレングリコールを合成例
1の操作に準じて合成した。得られた化合物の構造を表
1に示す。
【0047】「例1〜7(実施例)、例8〜21(比較
例)」合成例1〜19で得られた各ポリオキシアルキレ
ングリコール(それぞれ例1〜19に対応する。)、日
本サン石油製ナフテン系鉱油スニソ4GS(以下、スニ
ソ油と略す。例20に対応する。)およびイソオクタン
酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル(以下、
エステル油と略す。例21に対応する。)の各試料につ
いて動粘度、体積抵抗値を測定した結果を表2に示す。
【0048】また、これら各試料と、HFC−32/H
FC−125/HFC−134a=23/25/52
(重量%)3種混合冷媒との−30〜+30℃の温度範
囲での相溶性を調べた。各試料/3種混合冷媒の混合比
は重量比で10/90、30/70および50/50の
ものを用いた。その結果も表2に示す。
【0049】「例22〜28(実施例)、例29〜30
(比較例)」水が存在したときの熱安定性を調べるため
に合成例1〜7で得られた含フッ素ポリオキシアルキレ
ングリコール、比較例としてスニソ油およびエステル油
について次に示すシールドチューブ試験を行った。
【0050】すなわち、内容量300mlのステンレス
製オートクレーブに冷凍機油70g、例1の3種混合冷
媒70gを入れ、さらに鉄、銅、アルミニウムの金属片
を各1枚ずつ加え、密封した後175℃で14日間加熱
を行った。
【0051】テスト終了後、各試料を減圧脱気して混合
冷媒、ガス成分及び水分の除去を行った後、試料の外
観、酸価を測定した。その結果を表3に示す。外観はJ
IS−K2580に準じて測定した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明における含フッ素ポリオキシアル
キレングリコール類は、フッ素を含有しているためヒド
ロフルオロカーボン系冷媒との相溶性に優れ、分子内に
エステル結合のような加水分解する結合を有さない化合
物のため加水分解に対する安定性が高く、かつ高い体積
抵抗率を有する化合物であり、代替フロン冷媒用の冷凍
機油として優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)R1 −[(OR2m −OR
    3n (式中のR1 は芳香核を有するn価の基、R2
    炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は炭素数1〜10の
    フッ素含有のアルキル基を示す。また、nは1〜6の整
    数、mはm×nの平均値が4〜80となる数である。)
    で表される含フッ素ポリオキシアルキレングリコール類
    からなる冷凍機用潤滑油。
  2. 【請求項2】R1 がアルキル鎖部分を有するフェニル基
    である請求項1の冷凍機用潤滑油。
  3. 【請求項3】請求項1または2の冷凍機用潤滑油とヒド
    ロフルオロカーボン系冷媒とを含む冷凍機用組成物。
JP7206130A 1995-08-11 1995-08-11 冷凍機用潤滑油 Pending JPH0953086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7206130A JPH0953086A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 冷凍機用潤滑油

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7206130A JPH0953086A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 冷凍機用潤滑油

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0953086A true JPH0953086A (ja) 1997-02-25

Family

ID=16518287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7206130A Pending JPH0953086A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 冷凍機用潤滑油

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0953086A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046422A (ja) * 1998-07-30 2000-02-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機と空気調和機
JP2014159570A (ja) * 2004-04-29 2014-09-04 Honeywell Internatl Inc テトラフルオロプロペン及び二酸化炭素を含んでなる組成物
CN115052957A (zh) * 2020-02-19 2022-09-13 出光兴产株式会社 冷冻机油组合物和冷冻机用混合组合物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046422A (ja) * 1998-07-30 2000-02-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型電動圧縮機と空気調和機
JP2014159570A (ja) * 2004-04-29 2014-09-04 Honeywell Internatl Inc テトラフルオロプロペン及び二酸化炭素を含んでなる組成物
CN115052957A (zh) * 2020-02-19 2022-09-13 出光兴产株式会社 冷冻机油组合物和冷冻机用混合组合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2161323B1 (en) Lubricant composition for refrigerator and compressor using the same
KR102105904B1 (ko) 열 전달 조성물
US20010023934A1 (en) Lubricants
JPH10231490A (ja) 冷凍機用潤滑油
JP3139517B2 (ja) 冷凍機油組成物
JP2761021B2 (ja) 圧縮型冷凍機用潤滑油及びその製造方法
WO1992017560A1 (en) Stabilized chlorine-containing refrigeration compositions
JP3183366B2 (ja) 冷凍機油組成物
JP2843119B2 (ja) 冷凍機油
JP2673587B2 (ja) 1.1.1.2―テトラフルオルエタン冷媒を使用する冷凍機用潤滑油
JP3003015B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物
JPH0971793A (ja) 冷凍機用潤滑油
JPH0953086A (ja) 冷凍機用潤滑油
JPH11228984A (ja) ポリエーテルおよび酸化防止剤を含有しリン酸エステルを含むかまたは含まない低粘度良燃費ポリオールエステルベース冷却剤
JP2624544B2 (ja) 冷凍機油
JP2000017282A (ja) 冷凍機油組成物
JP3249858B2 (ja) 冷凍機油添加剤及び冷凍機油組成物
JP2979363B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物
JP2000169867A (ja) 冷凍機油組成物および該組成物を用いた潤滑方法
JP2000212584A (ja) 冷凍機油組成物
JP2905273B2 (ja) 冷凍機油
JP2000008060A (ja) 冷凍機用潤滑油
JP2913128B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物
JPH08337785A (ja) 非塩素系フロン冷媒用潤滑油基油
JP2915173B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物