JP2015224192A - 脂肪蓄積抑制物質の製造方法および脂肪蓄積抑制剤 - Google Patents

脂肪蓄積抑制物質の製造方法および脂肪蓄積抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造する方法、および前記脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする脂肪蓄積抑制剤を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を用いてステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造する方法であって、ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記二酸化炭素に溶解する成分を前記二酸化炭素に移行させる工程Aと、前記成分を二酸化炭素側に移行させたステビア発酵物を親水性極性溶媒と接触させる工程Bとを含み、前記工程Bの後に、前記親水性極性溶媒に含まれる脂肪蓄積抑制物質を分取することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ステビア発酵物から超臨界二酸化炭素を用いてなる脂肪蓄積抑制物質の製造方法、および前記脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする脂肪蓄積抑制剤に関する。
ステビア植物には、ステビオシドやレバウディオサイドAなどのテルペノイド配糖体を含み、甘味があるため甘味料として用いられている。また、ステビオール配糖体を抗アレルギー剤として用いることや(特許文献1)、ステビア植物組織の酵母発酵物から抽出してなる抗ヒスタミン物質も知られている(特許文献2)。
一方、天然農産物から有効成分を抽出する方法として、水と超臨界状態または亜臨界状態の二酸化炭素とを用いる方法がある(特許文献3)。二酸化炭素は31.0℃、圧力7.4MPaで臨界となり、超臨界二酸化炭素は無極性有機溶媒と性質が類似する。また、水は極性物質であるから、超臨界二酸化炭素と水とを用いることで、親水性物質と疎水性物質とを別々にかつ、高純度に抽出することができるという。実施例では、コーヒー豆に水を加えて抽出槽に収納し、抽出槽の下方部から超臨界二酸化炭素を供給すると共に、抽出槽の上方部から超臨界に酸化炭素層の画分を排出し、下方から水層を得ている。
なお、超臨界二酸化炭素抽出は公知である(非特許文献1)。非特許文献1には、常温で気体の二酸化炭素は、超臨界状態で高密度流体状態となり、液体と似た性質を持つために物質を溶解しうることや、超臨界二酸化炭素を対象物と接触させることで、超臨界二酸化炭素に溶解しうる成分を抽出しうること、抽出容器から排出させた二酸化炭素を減圧すると溶解した成分を分離して回収しうることが開示されている。
特許第3935917号公報 特許第4375758号公報 特許第4113230号公報
増田薫、"超高圧領域における超臨界二酸化炭素利用技術"、[online]、こぺるにくす、P11〜14、No.32、Oct.2007、[平成26年5月14日検索]、インターネット〈URL:http://www.kobelcokaken.co.jp/tech_library/pdf/no32/d.pdf〉
近年、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧および脂質異常症のうち2つ以上を合併したメタボリックシンドロームという概念を導入し、生活習慣病を予防しまたは改善する指導が国を揚げてなされている。内臓脂肪を低減するための食事療法として低カロリー食の摂取や運動その他があるが、無理がなく安全に摂取カロリーを低減できる方法が望まれている。
従来からステビア植物に由来するステビア配糖体が、甘味料として使用されている。ステビア配糖体は、蔗糖と比較してカロリーが低いため、肥満防止に有効と考えられる。一方、ステビア植物をステビオール配糖体が検出されないまでに発酵させた発酵物には甘味がなく、甘味料として使用することはできない。しかしながら抽出物は、植物由来成分であって安全性が高い。ステビア植物の発酵物に、脂肪蓄積を抑制する成分が存在すれば、安全な脂肪蓄積抑制物質として使用できる。
しかも、メタボリックシンドロームを呈する成人数の増加に伴い、脂肪蓄積抑制物質の製造は簡便であることが好ましく、脂肪蓄積抑制剤やその製造方法の開発が希求されている。
上記現状に鑑み、本発明は、ステビア発酵物由来の脂肪蓄積抑制物質の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、このようにして製造された脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする脂肪蓄積抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、ステビア発酵物を種々の抽出法で分画してそれぞれの薬効を評価したところ、超臨界二酸化炭素抽出によって疎水性画分を除去した後の親水性極性溶媒抽出物に、極めて優れた脂肪蓄積抑制物質が含まれていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、二酸化炭素を用いてステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造する方法であって、
ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記二酸化炭素に溶解する成分を前記二酸化炭素に移行させる工程Aと、
前記成分を二酸化炭素側に移行させたステビア発酵物を親水性極性溶媒と接触させる工程Bとを含み、
前記工程Bの後に、前記親水性極性溶媒に含まれる脂肪蓄積抑制物質を分取することを特徴とする、
脂肪蓄積抑制物質の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記ステビア発酵物と前記二酸化炭素との接触が、温度10〜130℃、圧力7〜80MPaであることを特徴とする、前記脂肪蓄積抑制物質の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記ステビア発酵物が、好気条件で発酵させたステビア発酵物であることを特徴とする、前記脂肪蓄積抑制物質の製造方法を提供するものである。
また、前記ステビア発酵物と共にステビア発酵物100質量部に対して30〜2000質量部の親水性極性溶媒を超臨界状態または亜臨界状態の二酸化炭素と接触させ、
前記工程Aと工程Bとを同時に実施することを特徴とする、前記脂肪蓄積抑制物質の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記いずれかの製造方法で得た脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする、脂肪蓄積抑制剤を提供するものである。
本発明によれば、簡便に製造できる脂肪蓄積抑制物質の製造方法、および前記脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする脂肪蓄積抑制剤が提供される。
本発明で使用しうる超臨界二酸化炭素抽出装置の概略図である。 実施例1で培養したマウス脂肪前駆細胞3T3−L1の、倒立型位相差顕微鏡にて観察した結果を示す図である。 実施例1の、脂肪蓄積抑制作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 比較例1の、脂肪蓄積抑制作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 比較例2の、脂肪蓄積抑制作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 500μg/mlの試料における実施例1、比較例1、比較例2の脂肪蓄積抑制効果の統計学的有意差を評価した結果を示す図である。
本発明の第一は、二酸化炭素を用いてステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造する方法であって、
ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記二酸化炭素に溶解する成分を前記二酸化炭素に移行させる工程Aと、
前記成分を二酸化炭素側に移行させたステビア発酵物を親水性極性溶媒と接触させる工程Bとを含み、
前記工程Bの後に、前記親水性極性溶媒に含まれる脂肪蓄積抑制物質を分取することを特徴とする、
脂肪蓄積抑制物質の製造方法である。また、本発明の第二は、前記製造方法で得た脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする、脂肪蓄積抑制剤である。
(1)ステビア発酵物
本発明で使用するステビア植物(学名:Stevia rebaudiana)は、南アメリカを原産とするキク科ステビア属の多年草である。ステビア植物から抽出されるステビオシドやレバウディオサイドAなどのテルペノイド配糖体は甘味料として用いられ、現在、日本、中国、韓国などのアジアでも栽培されている。本発明では、特に、ステビア・レバウディアナ・ベルトニー(Stevia Rebaudiana Bertoni)及びその類縁植物を好適に使用することができる。ステビア植物として、ステビア植物の茎、葉、蕾を持つ前の全草、成熟した植物の根や花も使用することができる。
上記ステビア植物は、適期に収穫したものを生のまま使用することができ、収穫後に乾燥したものを使用することもできる。乾燥物は保存性に優れ、好適である。乾燥ステビア植物を所定サイズに切断、粉砕、その他によって細切し、または粉砕したものに酵母菌を加えて撹拌すると発酵が開始される。ステビア植物を酵母によって発酵させると、ステビア植物には存在しない成分が産生される。酵母としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)類を用いることが好ましい。
ステビア植物は、ステビア植物に酵母を加えて撹拌および放置することで発酵させることができる。乾燥ステビア植物を使用する場合は、乾燥ステビア植物に水と酵母を加えて撹拌し、放置することにより行うことができる。加える水の量は、全体が湿る程度の量で十分であり、これにより好気条件下で固体発酵を行うことができる。
発酵前のステビア植物は、テルペノイド配糖体による甘味を有するが、発酵が進行すると甘味が消失する。本発明では、甘味の消失を発酵終期の目安とする。このような甘味の消失は、常温で1〜3週間である。なお、酵母菌は、発酵当初に添加するほか、発酵の途中で追加してもよい。
なお、ステビア植物に酵母菌を添加して発酵を行うほか、乾燥ステビア植物を粉砕して煮沸抽出して得られた煮沸抽出液や、温水に浸漬して得た浸漬液、ステビア植物から水、その他の溶剤で抽出した所定の画分をステビア植物抽出物として使用し、これに上記酵母菌を添加して発酵させてもよい。この場合も、発酵の終期は甘味の消失で確認することができる。
次いで、上記ステビア発酵物を乾燥する。ステビア発酵物には酵母菌が含まれているが、これを乾燥することで酵母菌の活性を停止することができる。乾燥は、風乾、自然乾燥その他により、温度5〜35℃の範囲で乾燥することが好ましい。ステビア発酵物に含まれる化合物の分解、変質その他を回避することができる。
(2)工程A
工程Aは、ステビア発酵物と、液体状態、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素(以下、超臨界二酸化炭素等とも称する。)とを接触させて前記二酸化炭素に溶解しうる成分を前記二酸化炭素に移行させる工程である。接触後の超臨界二酸化炭素等を系外に除去することで、ステビア発酵物から前記溶解成分を除去することができる。例えば、図1に示す超臨界二酸化炭素抽出装置を使用することができる。図1において、1は二酸化炭素ボンベ、2は昇圧機、3は予熱管、4は恒温槽、5は反応容器、6は背圧弁、7は受器、8は二酸化炭素排出管、9は抽出物取出管、10は親水性極性溶媒貯蔵部、11は弁、12は受器、13は抽出物である。反応容器5の内部は、符合a、bで示される金網が配設され、かつ上部金網aの上方および下部金網bの下方には、セラミックボールcを載置および充填することができる。反応容器5の下部には二酸化炭素導入口が形成され予熱管2と連設され、反応容器5の上部には排出口が設けられ、背圧弁6および受器7と連設されている。更に、下部側部に、反応容器5内の内容物を排出する排出口が形成され弁11および受器12と連設している。なお、予熱管3および反応容器5は、水を満たした恒温槽4に収納されている。
反応容器5にセラミックボールcを入れ、金網bを固定する。この金網bの上部にステビア発酵物を仕込み、その上部に金網aを固定し、その上部にセラミックボールcを載置する。ステビア発酵物を反応容器5の金網aと金網bの間に仕込むことで、浮き上がりや詰まりを防止することができる。ステビア発酵物と共に親水性極性溶媒を仕込む場合には、親水性極性溶媒貯蔵部10から反応容器5に導入してもよい。恒温槽4を温度10〜130℃に加温して予熱管3と反応容器5とを所定温度に加熱し、二酸化炭素ボンベ1から昇圧機2を介して二酸化炭素を予熱管3および反応容器5に導入する。昇圧機2で7〜80MPaに加圧すると、二酸化炭素は液体、亜臨界または超臨界状態となる。予熱管3で加熱された二酸化炭素は、反応容器5の下部に設けられた二酸化炭素導入口から5〜4000ml/minの流速で導入される。反応容器5に導入された二酸化炭素は、反応容器5の下部から上部に移行しつつステビア発酵物と接触する。背圧弁6を制御して、反応容器5の上部に設けた二酸化炭素排出口から所定成分を含む二酸化炭素を受器7側に排出させる。これにより、反応容器5内には、超臨界二酸化炭素等に溶解する物質が除去されたステビア発酵物が残存する。反応終了後に反応容器5を常圧にした後、反応容器5内に残存する液体成分を取り出すには、弁11を開放し、内容物を受器12に導入すればよい。なお、受器7に導入された二酸化炭素は、二酸化炭素排出管8を経て系外に排出され、受器7に貯留された抽出物は、抽出物取出管9から取り出すことができる。内容物を一部取り出して抽出内容物量を測定することで、二酸化炭素との接触時間を決定することができる。通常は、30分から20時間で十分である。
(3)工程B
工程Bは、工程Aによって超臨界二酸化炭素等に溶解する成分を除去したステビア発酵物を親水性極性溶媒と接触させる工程である。工程Bは、工程Aに次いで行うこともでき、工程Aと同時に行うこともできる。
工程Aに次いで工程Bを行う場合は、背圧弁6を制御して反応容器5の上部に設けた二酸化炭素排出口から二酸化炭素を受器7側に排出させ、受器7の貯留された抽出物を経時的に分析して超臨界二酸化炭素等による抽出の終了を確認する。次いで、反応容器5に親水性極性溶媒を添加し、温度10〜130℃、圧力7〜80MPa、30分〜10時間で抽出する。このような親水性極性溶媒としては、水、エタノール、ブタノールなどのアルコールなどがある。親水性極性溶媒による抽出後に反応容器5の内容物を取り出して固液分離すれば、前記親水性極性溶媒をろ液として分離することができる。この親水性極性溶媒には、ステビア発酵物に含まれる親水性極性物質が含まれている。
工程Aと工程Bとを同時に行うこともできる。この場合にも、バッチ法と連続法とがある。
バッチ法とは、反応容器に全量の親水性極性溶媒を仕込み、超臨界二酸化炭素等による抽出を行う方法である。反応容器にステビア発酵物と共にステビア発酵物100質量部(乾燥重量)に対して30〜2000質量部、より好ましくは50〜1000質量部の親水性極性溶媒を仕込み、超臨界二酸化炭素等を反応容器5に導入し、背圧弁6を制御して反応容器5の上部に設けた二酸化炭素排出口から二酸化炭素を受器7側に排出させる。受器7の貯留された抽出物を経時的に分析して超臨界二酸化炭素等による抽出の終了を確認する。その後、反応容器5の内容物を取り出して固液分離すれば、反応容器5に仕込んだ親水性極性溶媒をろ液として分取することができる。この親水性極性溶媒には、ステビア発酵物に含まれる親水性極性物質が含まれている。
また、連続法とは、反応容器5に超臨界二酸化炭素等と共に親水性極性溶媒を連続的に供給しつつ、超臨界二酸化炭素等による抽出を行う方法である。反応容器5に、超臨界二酸化炭素等を反応容器の下方から導入し、親水性極性溶媒とを超臨界二酸化炭素と対向して導入すると、反応容器5の上部に二酸化炭素を主成分とする領域が形成され、下部に親水性極性溶媒を主成分とする領域が形成される。二酸化炭素の双極子モーメントは0であり、超臨界または亜臨界状態では無極性有機溶媒と性質が類似するため、極性の低い有機物質を抽出することができる。一方、水、メタノール、エタノール等は極性溶媒である。ステビア発酵物に臨界状態の二酸化炭素を接触させると、二酸化炭素を主成分とする領域に疎水性物質が、親水性極性溶媒を主成分とする領域に親水性極性極性物質が抽出される。反応容器5の上部から二酸化炭素を系外に排出させ、反応容器5の下部側方から親水性極性溶媒を取り出すことができる。なお、親水性極性溶媒の一部は、エントレーナーとして機能し、二酸化炭素による抽出効率を向上させることができる。親水性極性溶媒としては、水を好適に使用することができる。水に加えて、メタノールやエタノールが含まれるものであってもよい。
(4)脂肪蓄積抑制物質
前記工程Bで得た親水性極性溶媒には、ステビア発酵物に含まれる親水性極性物質が含まれている。親水性極性溶媒を、図1の受器12に導入すれば、脂肪蓄積抑制物質13を分取することができる。得られた脂肪蓄積抑制物質は、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーや逆相カラムその他により、精製してもよい。
上記方法によれば、後記する実施例に示すように、ステビア発酵物に含まれる脂肪蓄積抑制物質を親水性極性溶媒に簡便かつ効率的に溶解しおよび分離することができる。ステビア乾燥葉には、精製したものでステビオール配糖体などのステビオールを骨格とする配糖体が80%以上含まれることは公知であるが、甘味成分以外の成分として「脂肪蓄積物質」が存在することが明らかになった。
(5)脂肪蓄積抑制剤
本発明の脂肪蓄積抑制剤は、前記した脂肪蓄積抑制物質を有効成分とするものである。脂肪蓄積抑制剤の剤型としては、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、スプレーなどがある。
脂肪蓄積抑制物質を配合して、脂肪蓄積抑制剤のほか、経腸栄養剤、健康食品などとすることもできる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(製造例1)
ステビア発酵物の調製
日本国北海道産のステビア植物(学名:Stevia rebaudiana)の茎と葉とを乾燥させた乾燥ステビア植物を約1cm以下に粉砕した。粉砕ステビア植物2,000gに酵母菌(Saccharomyces)45g、水4,500gを加えて温度25〜35℃で好気条件下に撹拌すると、発酵が開始した。これを温度25〜35℃にて14日間静置、好気的に発酵させた。発酵物から甘味が消失しており、これを発酵終期とした。上記の発酵物を温度25〜35℃にて10日間乾燥させ、酵母発酵を停止した。これをステビア固体発酵物とする。
(実施例1)
図1に示す超臨界二酸化炭素抽出装置を使用した。内径30mm、長さ200mm、内容積約140mlの筒型反応容器の底部に直径6mmのセラミックボールを20粒と金属金網とを固設した。製造例1で得たステビア固体発酵物5gと水50mlとを反応容器に仕込み、その上部に金網を装着し、その上部に直径6mmのセラミックボールを載置した。予熱管と反応容器とを恒温槽で60℃に加温した。二酸化炭素をボンベ圧で80℃まで昇温した後、30MPaまで圧入して、30分間静置した。次いで所定圧で二酸化炭素を7ml/minの流速で4時間送液した。この際、背圧弁から放出される成分を1時間毎に受器に捕集した。4時間後、二酸化炭素の送液を停止し、圧力を徐々に下げて反応容器の圧力を常圧に戻した。
反応容器の内容物を取り出し、固液分離し、ろ液を凍結乾燥した。この凍結乾燥物を検体として、脂肪蓄積抑制作用を評価した。
脂肪蓄積抑制効果は、以下の方法で評価した。
検体に5vol%DMSO水溶液を加えて超音波処理により懸濁し、50mg/mLの試験液原液を調製した。試験液原液を培地で希釈し、検体濃度2,000、1,000及び500μg/mLの試験液を調製した。
マウス脂肪前駆細胞3T3−L1細胞(以下、単に3T3−L1細胞と表記する。ヒューマンサイエンス振興財団から入手)を24ウェルプレートに播種後3日間、ペニシリン−ストレプトマイシンを1容量%、牛胎児血清を10容量%含有するDMEM培地で培養した。培養後に、アディポゲネーシスアッセイキット(ケイマンケミカルカンパニー社製)の脂肪細胞分化剤を投与して脂肪細胞へ分化させた。なお、脂肪細胞分化剤の投与により、試験液の終濃度は、それぞれ1,000、500及び250μg/mLとなった。3日間培養後、培養液を新たに用意した試験液添加培地と交換した。更に4日間培養後、培養上清を除去し、アディポゲネーシスアッセイキットの仕様に従って細胞を固定した後、オイルレッドO溶液で染色した。倒立型位相差顕微鏡にて観察した結果を図2に示す。なお、アディポゲネーシスアッセイキットによる分化誘導を行わないものを前駆細胞(未分化)とし、培地のみを加えたものを未処置対照とし、塩化ベルベリン(和光純薬工業株式会社製)を終濃度1μg/mLとなるように加えたものを陽性対照として、同様に試験を行った結果も併せて図2に示す。
撮影後に色素抽出液を添加し、脂肪滴に取り込まれたオイルレッドOを抽出した。マイクロプレートリーダー(スペクトラMax M2e、モレキュラーデバイスコーポレーション社製)を用いて、抽出したオイルレッドOの吸光度を520nmにて測定した。前駆細胞(未分化)の吸光度の平均値(n=3)をBLとし、未処置対照の吸光度をCNとし、各試験液の吸光度をSaとし、脂肪蓄積率(%)={(Sa−BL)/(CN−BL)}×100として、算出した。実験概要を表1に、脂肪蓄積率を表2および図3に示す。
(比較例1)
実施例1で使用した粉砕ステビア植物80gに水800mlを加えてレトルトパックに詰め、空気を押し出してヒートシールした。これを、温度85〜90℃、常圧で30分間保持し、殺菌した。次いで、温度35℃、圧力50MPaで21時間反応させた。この反応物は、甘味を示すBrix値が3.1であった。反応後にエキスを固液分離し、ろ液をフリーズドライした。これを未発酵ステビアとする。
未発酵ステビアに5vol%DMSO水溶液を加えて超音波処理により懸濁し、50mg/mLの試験液原液を調製した。この試験液原液を使用して実施例1と同様に脂肪蓄積抑制効果を評価した。実験概要を表1に、脂肪蓄積率を表3および図4に示す。
(比較例2)
実施例1で使用した粉砕ステビア植物80gに水800mlを加えてレトルトパックに詰め、空気を押し出してヒートシールした。これを、温度85〜90℃、常圧で30分殺菌した。冷却後、レトルトパックを開封して酵母菌(Saccharomyces)14.4gおよびナリネ菌(Lactobacillus acidophilus)1.6gを添加し、空気を押し出してヒートシールした。温度35℃、圧力50MPaで21時間反応させた。この反応物は、甘味を示すBrix値が3.4であった。
次いで、実施例1と同様に、図1に示す超臨界二酸化炭素抽出装置の反応容器にレトルトパックの内容物を仕込み、80℃、30MPa、流量3.5L/minの条件で二酸化炭素抽出を4時間行った。4時間後、二酸化炭素の送液を停止し、圧力を徐々に下げて反応容器の圧力を常圧に戻した。
次いで、反応容器の内容物を取り出し、固液分離し、ろ液をスプレードライにより乾燥した。この乾燥物を検体として、5vol%DMSO水溶液を加えて超音波処理により懸濁し、50mg/mLの試験液原液を調製した。この試験液原液を使用して実施例1と同様に脂肪蓄積抑制効果を評価した。実験概要を表1に、脂肪蓄積率を表4および図5に示す。
(結果)
(1) 図3〜図5を比較して明らかなように、実施例1、比較例1、比較例2の何れも、1000μg/mlの濃度では、未処理対照よりも脂肪蓄積率が低く、脂肪蓄積抑制率を有することが判明した。これにより、ステビア植物には、脂肪蓄積抑制効果を有する成分が含まれていることが示唆された。
(2) 実施例1では、図3に示すように、オイルレッドO量を指標として、用量依存的な脂肪蓄積抑制率が観察された。図2の培養細胞の顕微鏡像に示すように、1000μg/ml投与、500μg/ml投与および250μg/ml投与との間に培養細胞数の相違がない。脂肪蓄積抑制物質の細胞毒性は低く、オイルレッドO量の低減は、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制効果または脂肪産生抑制効果に由来するものと推定された。
(3) 500μg/mlの試料における実施例1、比較例1、比較例2の脂肪蓄積抑制効果の統計学的有意差を評価した結果を図6に示す。実施例1で使用した検体は、比較例1および比較例2に対して、それぞれ一元配置分散分析及びTurkey法による多重比較を行い、有意差が検出された。実施例1、比較例1、比較例2で得た検体は、高圧・高温処理条件を経る点で共通する。相違は、実施例1は好気条件で発酵させているが、比較例1および比較例2は、嫌気・加圧条件を経ている点である。従って、脂肪蓄積抑制効果の相違は、発酵過程の酸素の有無に由来する可能性があると推定された。

本発明によれば、簡便にステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造することができ、有用である。
1 二酸化炭素ボンベ、
2 昇圧機、
3 予熱管、
4 恒温槽、
5 反応容器、
6 背圧弁、
7 受器、
8 二酸化炭素排出管、
9 抽出物取出管、
10 親水性極性溶媒貯蔵部、
11 弁、
12 受器、
13 抽出物

Claims (5)

  1. 二酸化炭素を用いてステビア発酵物から脂肪蓄積抑制物質を製造する方法であって、
    ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記二酸化炭素に溶解する成分を前記二酸化炭素に移行させる工程Aと、
    前記成分を二酸化炭素側に移行させたステビア発酵物を親水性極性溶媒と接触させる工程Bとを含み、
    前記工程Bの後に、前記親水性極性溶媒に含まれる脂肪蓄積抑制物質を分取することを特徴とする、
    脂肪蓄積抑制物質の製造方法。
  2. 前記ステビア発酵物と前記二酸化炭素との接触が、温度10〜130℃、圧力7〜80MPaであることを特徴とする、請求項1記載の脂肪蓄積抑制物質の製造方法。
  3. 前記ステビア発酵物が、好気条件で発酵させたステビア発酵物であることを特徴とする、請求項1または2記載の脂肪蓄積抑制物質の製造方法。
  4. 前記ステビア発酵物と共にステビア発酵物100質量部に対して30〜2000質量部の親水性極性溶媒を超臨界状態または亜臨界状態の二酸化炭素と接触させ、
    前記工程Aと工程Bとを同時に実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制物質の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの製造方法で得た脂肪蓄積抑制物質を有効成分とする、脂肪蓄積抑制剤。
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