JP6370608B2 - 抗炎症性物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステビア発酵物から超臨界二酸化炭素を用いてなる抗炎症性物質の製造方法に関する。
従来から、ステビアに含まれる成分を薬剤などとして使用する例は多く、例えばステビオール配糖体を1種又は2種以上含有することを特徴とする抗アレルギー剤(特許文献1)がある。ステビアの葉から抽出精製されたステビオール配糖体は白色から淡黄色の粉末で、従来から甘味料の原料として使用される化合物である。経口投与したところ、アラキドン酸の代謝活性抑制作用および接触皮膚炎抑制作用を有し、即時型から遅延型のアレルギーを抑制しうるという。当該特許公報には、ステビオール配糖体として、ステビオサイド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドD、レバウジオシドE、ズルコシドA、ズルコシドB、ステビオールビオシドが開示されている。
また、ステビア植物組織に酵母と水とを加えて直接発酵させ、得られた発酵ステビア植物をエタノール水溶液で抽出した画分からなる抗ヒスタミン物質もある(特許文献2)。乾燥ステビア粉末を直接発酵させることで抗ヒスタミン効果に優れる抽出物を得られるという。実施例では、乾燥ステビア粉末をサッカロマイセスで発酵させ発酵物から抽出物を得て、この抽出物の抗ヒスタミン活性をマグヌス法により評価している。
一方、超臨界二酸化炭素抽出も公知である(非特許文献1)。非特許文献1には、常温で気体の二酸化炭素は、超臨界状態で高密度流体状態となり、液体と似た性質を持つために物質を溶解しうることや、超臨界二酸化炭素を対象物と接触させることで、超臨界二酸化炭素に溶解しうる成分を抽出しうること、抽出容器から排出させた二酸化炭素を減圧すると溶解した成分を分離して回収しうることが開示されている。
特許第3935917号公報 特許第4375758号公報
増田薫、"超高圧領域における超臨界二酸化炭素利用技術"、[online]、こぺるにくす、P11〜14、No.32、Oct.2007、[平成26年5月14日検索]、インターネット〈URL:http://www.kobelcokaken.co.jp/tech_library/pdf/no32/d.pdf〉
特許文献1は、ステビオール配糖体を抗炎症剤として使用するものである。より抗ヒスタミン活性に優れる化合物の開発が望まれる。
また、特許文献2は、ステビア植物の酵母発酵物を抗ヒスタミン物質として使用するものである。30%程度のエタノール水溶液に発酵ステビア粉末を加え、撹拌しながら数時間〜数日、常温にて浸潤させ、固形物をろ別して得たろ液を60℃で減圧濃縮し、イオン交換樹脂を通すことで抗ヒスタミン作用の強い90%エタノール可溶画分を取り出すというものである。濃縮工程や溶媒除去工程などの操作を必要とする。
上記現状に鑑み、本発明は、簡便に製造しうる抗炎症性物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ステビア発酵物を種々の抽出法で分画してそれぞれの薬効を評価したところ、超臨界二酸化炭素抽出によって簡便に疎水性画分を取得できること、この疎水性画分に極めて優れた抗炎症性物質が含まれていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、二酸化炭素を用いて酵母菌を加えて発酵したステビア発酵物から抗炎症性物質を製造する方法であって、
前記ステビア発酵物は、甘味が消失したステビア発酵物であり、
前記ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記ステビア発酵物に含まれる成分を前記二酸化炭素側に移行させ、
次いで、前記ステビア発酵物に含まれる成分が移行した二酸化炭素を捕集し、
前記捕集した二酸化炭素から二酸化炭素を分離する工程を含むことを特徴とする、
抗炎症性物質の製造方法を提供するものである。

また、本発明は、前記ステビア発酵物と前記二酸化炭素との接触が、温度10〜130℃、圧力7〜80MPaであることを特徴とする、前記抗炎症性物質の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記ステビア発酵物が、固体発酵させたステビア発酵物であることを特徴とする、前記抗炎症性物質の製造方法を提供するものである。
また、前記ステビア発酵物100質量部に対して0〜10質量部の親水性極性溶媒をダウンフローで供給し、前記二酸化炭素をアップフローで供給し、前記二酸化炭素を主成分とする領域と前記親水性極性溶媒を主成分とする領域とを別個に回収し、回収した前記二酸化炭素を主成分とする領域から前記二酸化炭素を分離することを特徴とする、前記抗炎症性物質の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、簡便に製造できる抗炎症性物質の製造方法、および前記抗炎症性物質を有効成分とする抗炎症剤が提供される。
本発明で使用しうる超臨界二酸化炭素抽出装置の概略図である。 本発明で使用しうる超臨界二酸化炭素抽出装置のダウンフローの態様の概略図である。 実施例1の、抗ヒスタミン作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 実施例2の、抗ヒスタミン作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 比較例1の、抗ヒスタミン作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。 比較例2の、抗ヒスタミン作用に対する用量反応曲線の結果を示す図である。
本発明の第一は、二酸化炭素を用いてステビア発酵物から抗炎症性物質を製造する方法であって、
ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記ステビア発酵物に含まれる成分を前記二酸化炭素側に移行させ、
次いで、前記ステビア発酵物に含まれる成分が移行した二酸化炭素を捕集し、
前記捕集した二酸化炭素から二酸化炭素を分離する工程を含むことを特徴とする、
抗炎症性物質の製造方法である。
(1)ステビア発酵物
本発明で使用するステビア植物(学名:Stevia rebaudiana)は、南アメリカを原産とするキク科ステビア属の多年草である。ステビア植物から抽出されるステビオシドやレバウディオサイドAなどのテルペノイド配糖体は甘味料として用いられ、現在、日本、中国、韓国などのアジアでも栽培されている。本発明では、特に、ステビア・レバウディアナ・ベルトニー(Stevia Rebaudiana Bertoni)及びその類縁植物を好適に使用することができる。ステビア植物として、ステビア植物の茎、葉、蕾を持つ前の全草、成熟した植物の根や花も使用することができる。
上記ステビア植物は、適期に収穫したものを生のまま使用することができ、収穫後に乾燥したものを使用することもできる。乾燥物は保存性に優れ、好適である。乾燥ステビア植物を所定サイズに切断、粉砕、その他によって細切し、または粉砕したものに酵母菌を加えて撹拌すると発酵が開始される。ステビア植物を酵母によって発酵させると、ステビア植物には存在しない成分が産生される。酵母としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)類を用いることが好ましい。
ステビア植物は、ステビア植物に酵母を加えて撹拌および放置することで発酵させることができる。乾燥ステビア植物を使用する場合は、乾燥ステビア植物に水と酵母を加えて撹拌し、放置することにより行うことができる。加える水の量は、全体が湿る程度の量で十分であり、これにより固体発酵を行うことができる。
発酵前のステビア植物は、テルペノイド配糖体による甘味を有するが、発酵が進行すると甘味が消失する。本発明では、甘味の消失を発酵終期の目安とする。このような甘味の消失は、常温で1〜3週間である。なお、酵母菌は、発酵当初に添加するほか、発酵の途中で追加してもよい。
なお、ステビア植物に酵母菌を添加して発酵を行うほか、乾燥ステビア植物を粉砕して煮沸抽出して得られた煮沸抽出液や、温水に浸漬して得た浸漬液、ステビア植物から水、その他の溶剤で抽出した所定の画分をステビア植物抽出物として使用し、これに上記酵母菌を添加して発酵させてもよい。この場合も、発酵の終期は甘味の消失で確認することができる。
次いで、上記ステビア発酵物を乾燥する。ステビア発酵物には酵母菌が含まれているが、これを乾燥することで酵母菌の活性を停止することができる。乾燥は、風乾、自然乾燥その他により、温度5〜35℃の範囲で乾燥することが好ましい。ステビア発酵物に含まれる化合物の分解、変質その他を回避することができる。
(2)二酸化炭素抽出
本発明では、液体状態、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素(以下、超臨界二酸化炭素等とも称する。)を用いてステビア発酵物から抗炎症性物質を抽出する。例えば、図1に示す超臨界二酸化炭素抽出装置を使用することができる。図1において、1は二酸化炭素ボンベ、2は昇圧機、3は予熱管、4は恒温槽、5は圧力容器、6は背圧弁、7は受器、8は二酸化炭素排出管、9は抽出物取出管、10は親水性極性溶媒貯蔵部、11は弁、12は受器、13は抽出物である。反応容器5の内部は、符合a、bで示される金網が配設され、かつ上部金網aの上方および下部金網bの下方には、セラミックボールcを載置および充填することができる。反応容器5の下部には二酸化炭素導入口が形成され予熱管2と連設され、反応容器5の上部には排出口が設けられ、背圧弁6および受器7と連設されている。更に、下部側部に、反応容器5内の内容物を排出する排出口が形成され弁10および受器11と連設している。なお、予熱管3および反応容器5は、水を満たした恒温槽4に収納されている。
反応容器5にセラミックボールcを入れ、金網bを固定する。この金網bの上部にステビア発酵物を仕込み、その上部に金網aを固定し、その上部にセラミックボールcを載置する。ステビア発酵物を反応容器5の金網aと金網bの間に仕込むことで、浮き上がりや詰まりを防止することができる。ステビア発酵物と共に親水性極性溶媒を仕込む場合には、親水性極性溶媒貯蔵部10から反応容器5に導入してもよい。恒温槽4を温度10〜130℃に加温して予熱管3と反応容器5とを所定温度に加熱し、二酸化炭素ボンベ1から昇圧機2を介して二酸化炭素を予熱管3および反応容器5に導入する。昇圧機2で7〜80MPa加圧すると、二酸化炭素は液体、亜臨界または超臨界状態となる。予熱管3で加熱された二酸化炭素は、反応容器5の下部に設けられた二酸化炭素導入口から5〜4000ml/minの流速で導入される。反応容器5に導入された二酸化炭素は、反応容器5の下部から上部に移行しつつステビア発酵物と接触する。背圧弁6を制御して、反応容器5の上部に設けた二酸化炭素排出口から所定成分を含む二酸化炭素を受器7側に排出させる。なお、受器7に導入された二酸化炭素は、二酸化炭素排出管8を経て系外に排出され、受器7に貯留された抽出物は、抽出物取出管9から取り出すことができる。反応終了後に反応容器5を常圧にした後、反応容器5内に残存する液体成分を取り出すには、弁11を開放し、内容物を受器12に導入すればよい。
図1は、二酸化炭素を反応容器5の下部から導入し、反応後の二酸化炭素を反応容器5の上部の排出口から背圧弁6を経て受器7に導出するアップフローであった。本発明で使用する超臨界二酸化炭素抽出装置としては、例えば図2に示すように、二酸化炭素を反応容器5の上部から導入し、反応後の二酸化炭素を反応容器5の下部や下部側部から背圧弁6を介して受器7に導出するダウンフローであってもよい。なお、図2では、背圧弁6についで受器7と受器7’とを配置した態様を示す。
本発明では、前記ステビア発酵物を、ステビア発酵物100質量部に対して0〜10質量部の親水性極性溶媒と共に前記二酸化炭素と接触させてもよい。このような親水性極性溶媒としては、水、エタノール、ブタノールなどのアルコールなどがある。
ステビア発酵物に対して0〜10質量倍の親水性極性溶媒を供給すると、反応容器5内の上部に二酸化炭素を主成分とする領域が形成され、下部に親水性極性溶媒を主成分とする領域が形成される。二酸化炭素の双極子モーメントは0であり、超臨界または亜臨界状態では無極性有機溶媒と性質が類似し、極性の低い有機物質を抽出することができる。一方、水、メタノール、エタノール等は親水性極性溶媒である。親水性極性溶媒を含むステビア発酵物に臨界状態の二酸化炭素を接触させると、二酸化炭素を主成分とする領域に疎水性物質が、親水性極性溶媒を主成分とする領域に親水性極性物質が抽出される。なお、親水性極性溶媒は、エントレーナーとして機能し、二酸化炭素による抽出効率を向上させることができる。
反応容器5から排出される二酸化炭素画分の一部を取り出し、抗ヒスタミン活性などを評価し、所定の抗ヒスタミン活性を有する二酸化炭素画分を分取することができる。通常は、1〜20時間、より好ましくは1〜12時間で十分である。
受器7に貯留する抗炎症性物質は、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーや逆相カラムその他により、精製してもよい。
上記方法によれば、後記する実施例に示すように、ステビア発酵物に含まれる抗炎症性物質を効率的に超臨界二酸化炭素抽出物として分離することができる。なお、ステビア発酵物に抗ヒスタミン物質が含まれることは特許文献2から公知であるが、90%エタノール水溶液に可溶な成分に限定されていた。超臨界二酸化炭素によれば疎水性物質を主成分とする画分が抽出されるが、このような疎水性画分が抗炎症性物質を含むことは全く知られていなかった。
(3)抗炎症性物質
本発明の超臨界二酸化炭素によって抽出された抗炎症性物質は、後記する実施例に示すように、抗ヒスタミン作用が高い。この抗炎症性物質を有効成分とする医薬品や化粧品その他に利用することができる。医薬品としては、口腔内投与や舌下投与などを含む経口投与でもよく、点眼、塗布などの経皮投与などの外用投与によっても抗炎症効果を発揮する。なお、抗炎症剤の外用の剤型としては、軟膏、液剤、スプレー、硬膏、粉末剤などがある。
上記抗炎症性物質を配合した化粧品や医薬品を構成する他の成分は、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品などの抗炎症剤に配合される成分を剤型その他に応じて配合することができる。このような成分としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、チモールなどの保存料、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、ベンゾトリアゾールなどの抗酸化剤、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリソルベート60、ポリソルベート80などの界面活性剤、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、乳酸、ジイソプロパノールアミン、酢酸、酢酸ナトリウム水和物などのpH調製剤、保湿剤、増粘剤、無機充填剤、着色料、香料、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、各種皮膚栄養成分などがある。その他基材などを適宜添加し、外用液剤、外用固形剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、その他のいずれにも調製することができる。
上記抗炎症性物質を配合した化粧料の形状としては、軟膏、液剤、スプレー、硬膏、油脂、粉末剤などがある。このような化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、パックなどの基礎化粧品、化粧下地、日焼け止め、ファンデーション、おしろいなどのメーキャップ化粧品、シャンプー、洗顔料などの洗浄剤などがある。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(製造例1)
ステビア発酵物の調製
日本国北海道産のステビア植物(学名:Stevia rebaudiana)の茎と葉とを乾燥させた乾燥ステビア植物を約1cm以下に粉砕した。粉砕ステビア植物2,000gに酵母菌(Saccharomyces)45g、水4,500gを加えて温度25〜35℃の条件下に撹拌すると、発酵が開始した。これを温度25〜35℃にて14日間静置、発酵させた。発酵物から甘味が消失しており、これを発酵終期とした。上記の発酵物を温度25〜35℃にて10日間乾燥させ、酵母発酵を停止した。これをステビア発酵物とする。
(実施例1)
図2に示す超臨界二酸化炭素抽出装置を使用した。上下に焼結フィルターを付けた内径30mm、長さ200mm、内容積約140mlの筒型反応容器を用いた。製造例1で得たステビア発酵物55.83gを反応容器に仕込み、予熱管と反応容器とを恒温槽で30℃に加温した。二酸化炭素を20MPaまで圧入し、安定化のため30分間静置した。次いで所定圧で二酸化炭素を10ml/minの流速に調整し、流速が安定になってから3日に亘り約20時間送液した。この際、背圧弁から放出される成分を受器に捕集した。20時間後、二酸化炭素の送液を停止し、圧力を徐々に下げて反応容器の圧力を常圧に戻した。得られた抽出物量は、3.45gであった。表1に、抽出時間毎の二酸化炭素捕集量および抽出物量を示す。なお、受器はトラップ1とトラップ2との2段に配設した。
実施例1で得た抽出物について、下記方法により、抗ヒスタミン作用を評価した。
検体にジメチルスルホキシド水溶液を加え、超音波処理により懸濁し、100mg/ml(10−1g/ml)の試験原液を調製した。試験原液をジメチルスルホキシドで希釈し、検体濃度10−2、10−3、10−4g/mlの試験液を調製した。
モルモット摘出回腸の作動薬としてヒスタミン塩酸塩を使用した。ヒスタミンは、1.5×10−2M水溶液を調製した。これをKrebs液で希釈して1.5×10−4M溶液を調製し、15mlオルガンバスに0.1mlを添加した。なお、Krebs液の組成は、NaCl 110.0mM,KCl 4.6mM,CaCl 2.5mM,NaHCO 24.8mM,KHPO 1.2mM,MgSO 1.2mM,glucose 5.6mMである。
Hartley系モルモット(雄、体重約450g)から回腸を摘出し、約1.5cmの長さの切片とした。回腸は、30℃、通気したKrebs液15mlを満たしたオルガンバス中に、0.5gの負荷で懸垂した。標本の収縮反応はマグヌス装置を用いて、等張性張力変化をキモグラフに記録した。標本は、60分間インキュベートし、10−6Mヒスタミンによる収縮が一定になった後、検体液を3分間作用させた後に10−6Mヒスタミンを添加して検体のヒスタミン誘発収縮に対する作用を検討した。収縮が最大に達した後に標本を洗浄し、20分間休止時間とした(その間10分目に標本を洗浄した)。この操作を各検体液の10−3g/mlの濃度まで繰り返した。検体添加前のヒスタミン誘発収縮を100%として、各濃度の検体処置によるヒスタミンの収縮率を求めた。縦軸を収縮率、横軸を検体のバス濃度の対数で表した用量反応曲線を作成した。結果を図3に示す。用量反応曲線より検体のIC50値を算出したところ、2.45×10−4g/mlであった。なお、Dunnett検定法により濃度1×10−3g/ml、および1×10−4g/mlにおいて対照群との統計学的有意差が検出された。
(実施例2)
図1に示す超臨界二酸化炭素抽出装置を使用した。内容積約24Lの筒型反応容器に製造例1で得たステビア発酵物6.0kgを仕込み、その上部および下部に金網を装着した。予熱管と反応容器とを予め30℃に加温し、30℃に到達してから二酸化炭素を20MPaまで圧入し、安定化のため30分間静置した。次いで所定圧で二酸化炭素を3,500ml/minの流速に調整し、流速が安定になってから18時間送液した。18時間後、二酸化炭素の送液を停止し、圧力を徐々に下げて反応容器の圧力を常圧に戻した。得られた抽出物量は、120gであった。この抽出物について、実施例1と同様にして抗ヒスタミン作用を評価した。結果を図4に示す。用量反応曲線より検体のIC50値を算出したところ、2.45×10−4g/mlであった。Dunnett検定法により濃度1×10−3g/ml、および1×10−4g/mlにおいて対照群との統計学的有意差が検出された。
(比較例1)
実施例2で二酸化炭素抽出終了後のステビア発酵物1kgを反応容器に入れ、水1000mlを添加した後、反応容器に80℃、30MPa、3,500ml/minの流量で二酸化炭素を送液した。送液後にこの際、背圧弁から放出される成分を受器に捕集した。4時間後、二酸化炭素の送液を停止し、圧力を徐々に下げて反応容器の圧力を常圧に戻した。反応容器の内容物を取り出し、固液分離し、ろ液を噴霧乾燥した。このろ液について、実施例1と同様にして抗ヒスタミン作用を評価した。用量反応曲線の結果を図5に示す。
(比較例2)
製造例1で得たステビア発酵物50gをダイアイオンHP−20カラムに仕込み、エタノールを流してエタノール溶出物18gを得た。このエタノール溶出物をDMSOに溶解して試料溶液を調製し、実施例1と同様にて抗ヒスタミン作用を評価した。用量反応曲線の結果を図6に示す。用量反応曲線より検体のIC50値を算出したところ、2.40×10−3g/mlであった。なお、Dunnett検定法により濃度1×10−3g/ml、および1×10−4g/mlにおいて対照群との統計学的有意差が検出された。
本発明によれば、ステビア発酵物から、抗炎症作用に優れる抗炎症性物質を簡便に製造することができ、有用である。
1 二酸化炭素ボンベ、
2 昇圧機、
3 予熱管、
4 恒温槽、
5 反応容器、
6 背圧弁、
7 受器、
8 二酸化炭素排出管、
9 抽出物取出管、
10 親水性極性溶媒貯蔵部、
11 弁、
12 受器、
13 抽出物

Claims (4)

  1. 二酸化炭素を用いて酵母菌を加えて発酵したステビア発酵物から抗炎症性物質を製造する方法であって、
    前記ステビア発酵物は、甘味が消失したステビア発酵物であり、
    前記ステビア発酵物と、超臨界状態、亜臨界状態または液体状態の二酸化炭素とを接触させて前記ステビア発酵物に含まれる成分を前記二酸化炭素側に移行させ、
    次いで、前記ステビア発酵物に含まれる成分が移行した二酸化炭素を捕集し、
    前記捕集した二酸化炭素から二酸化炭素を分離する工程を含むことを特徴とする、
    抗炎症性物質の製造方法。
  2. 前記ステビア発酵物と前記二酸化炭素との接触が、温度10〜130℃、圧力7〜80MPaであることを特徴とする、請求項1記載の抗炎症性物質の製造方法。
  3. 前記ステビア発酵物が、固体発酵させたステビア発酵物であることを特徴とする、請求項1または2記載の抗炎症性物質の製造方法。
  4. 前記ステビア発酵物100質量部に対して0〜10質量部の親水性極性溶媒をダウンフローで供給し、前記二酸化炭素をアップフローで供給し、前記二酸化炭素を主成分とする領域と前記親水性極性溶媒を主成分とする領域とを別個に回収し、回収した前記二酸化炭素を主成分とする領域から前記二酸化炭素を分離することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の抗炎症性物質の製造方法。
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