JP2016210703A - 時計遺伝子発現促進用組成物 - Google Patents

時計遺伝子発現促進用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、従来技術に比して、安全性に問題がなく、かつ、工業的規模で製造及び利用が可能である体内時計系を調節し得る組成物を提供することにある。
【解決手段】
上記した本発明の目的は、黒生姜(Kaempferia parviflora)を含有し、かつ、Per2、Cry1、Bmal1及びClockといった時計遺伝子の発現促進作用、概日リズム調整作用及び/又は睡眠改善作用を有する組成物により解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の有効成分を含有する、時計遺伝子発現促進用組成物、概日リズム調整用組成物及び睡眠改善用組成物に関する。
概日リズムは生物体が持つ約24時間周期のリズムであり、生物体自身が持つ体内時計(circadian clock)によって制御されている。体内時計は、生物学的な日周変動を引き起こし、睡眠及び覚醒をはじめ、摂食行動、体温、ホルモン分泌、血圧、代謝、心身活動などの様々な生体機能を制御している。また、不規則な生活による体内時計の乱れによって、睡眠異常;皮膚疾患;うつ病などの精神神経疾患;肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病;癌;老化などの様々な肉体的及び精神的な異常リスクが上昇することが明らかになっている。
体内時計は、時計遺伝子(clock gene)と呼ばれる遺伝子群を含む体内時計系(circadian clock system)により制御されている。時計遺伝子としては、Per、Cry、Bmal、Clock、Dec、Rev−Erb、ROR、DBP、E4BP4などが知られている。哺乳類では、これらのうち、Per、Cry、Bmal及びClockによってコードされるタンパク質が体内時計系において重要な役割を担い、これらの遺伝子の転写の促進及び抑制により形成されるフィードバックループが体内時計の分子機構の中核をなす。
すなわち、正の転写因子であるClockタンパク質及びBmalタンパク質は複合体を形成し、これがPer及びCryの上流にあるE−Box配列に結合して、Per及びCryの転写が促進される。一方で、Perタンパク質及びCryタンパク質は負の転写因子であり、これらが複合体を形成して核に移行することにより、Clock/Bmal複合体の形成が抑制されてPer及びCryの転写が減少する。
このように、Per、Cry、Bmal、Clockといった時計遺伝子がうまく発現しないことにより、体内時計に乱れが生じ、結果として上記したような生体異常が引き起こされる。
また、体内時計には、脳の視床下部視交叉上核にある中枢時計と、肝臓、肺、腎臓、心臓、筋肉などの種々の組織に存在する末梢時計とがあり、中枢時計は光によって調整されるのに対し、末梢時計は主に食事によって調整されることが知られている。これらの両方に体内時計系、すなわち、時計遺伝子の発現がみられる。例えば、皮膚でも時計遺伝子は発現しており、他の臓器と同様に、脳内の中枢時計と同調して時計遺伝子がリズムを刻むことにより、生体恒常性が維持されている。
体内時計を正常に維持するためには、体内時計系に関与する時計遺伝子の発現を促進するものが有効である。このようなものとして、例えば、特許文献1には、ラベンダーオイル又はユーカリオイルとアルキレンオキシド誘導体とを含有する時計遺伝子発現促進剤が知られている。また、特許文献2には、特定の乳酸菌の菌体処理物を有効成分として含有する概日リズム改善剤が知られている。
特再公表2013−46272号公報 特開2013−181005号公報
特許文献1に記載の時計遺伝子発現促進剤は合成化合物を含有するものであり、安全性の観点から日常的に摂取できるものではない。また、特許文献2に記載の概日リズム改善剤は、特定の乳酸菌の菌体処理物を有効成分とするところ、このような乳酸菌を入手する手段が限られており、さらに乳酸菌を大量培養し、かつ、培養物を処理しなければならないことから、工業的規模で製造及び利用することが困難なものである。
そこで、本発明は、上記従来技術に比して、安全性に問題がなく、かつ、工業的規模で製造及び利用が可能である体内時計系を調節し得る組成物を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、驚くべきことに、黒生姜が体内時計系におけるフィードバックループを構成する時計遺伝子であるPer2、Cry1、Bmal1及びClockの発現を促進し得ることを見出した。そして、時計遺伝子発現促進用組成物、概日リズム調整用組成物及び睡眠改善用組成物として、黒生姜を含有する組成物の創作に成功した。本発明は、かかる知見や成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、黒生姜(Kaempferia parviflora)を含有する、時計遺伝子発現促進用組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜を含有する、概日リズム調整用組成物が提供される。
本発明の別の側面によれば、黒生姜を含有する、睡眠改善用組成物が提供される。
好ましくは、本発明の組成物において、前記時計遺伝子が、Per2、Cry1、Bmal1及びClockからなる群から選ばれる少なくとも1種の時計遺伝子である。
好ましくは、本発明の組成物において、前記黒生姜が黒生姜抽出物である。
好ましくは、本発明の組成物において、前記黒生姜抽出物が3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン及び3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリメトキシフラボンを含有する黒生姜抽出物である。
本発明の組成物は、黒生姜を含有することにより、時計遺伝子発現促進作用、概日リズム調整作用及び/又は睡眠改善作用を有し、さらにこれらの作用に関連して、皮膚疾患改善作用、精神疾患改善作用、生活習慣病改善作用、抗癌作用、抗老化作用などを示すことが期待できる。
本発明の組成物で用いられる黒生姜は、化粧品などでの使用実績のあるものであることから、本発明の組成物は安全性が高いものである。また、黒生姜は市販されているものであることから、本発明の組成物は容易に工業的規模で製造及び利用ができるものである。したがって、本発明の組成物は、上記作用を期待して、非経口的又は経口的な形態で利用することができるものである。
図1は、実施例に記載されているとおり、被験試料群1を添加した場合の時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として表わした結果を示す図である。 図2は、実施例に記載されているとおり、黒生姜を被験試料として用いた場合の経時的な相対的mRNA量を測定した結果を示した図である。 図3は、実施例に記載されているとおり、種々の濃度の黒生姜を添加した場合の時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として調べた結果を示した図である。 図4は、実施例に記載されているとおり、黒生姜95%エタノール抽出物について、HPLC条件1により分画を実施した結果を示した図である。 図5は、実施例に記載されているとおり、Fr−1〜Fr−5を添加した場合の時計遺伝子の発現を、コントロールに対する相対量として調べた結果を示した図である。 図6は、実施例に記載されているとおり、Fr−2について、HPLC条件2により分画を実施し、かつ、得られた分画の時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として調べた結果を示した図である。 図7は、実施例に記載されているとおり、Fr−4について、HPLC条件3により分画を実施し、かつ、得られた分画の時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として調べた結果を示した図である。 図8は、実施例に記載されているとおり、画分Fr−2−(1)〜(6)並びにFr−4−(1)及び(2)が含有する成分の同定をFT−MS及びH−NMRを用いて行った結果を示した図である。 図9は、実施例に記載されているとおり、3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン及び5,7−ジメトキシフラボンを添加した場合の、Per2遺伝子についてリアルタイム・レポーター遺伝子アッセイを実施した結果を示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物は、時計遺伝子発現促進作用を奏する有効成分として黒生姜(Kaempferia parviflora)を少なくとも含有する。
本発明の組成物は、時計遺伝子発現促進作用の他に、概日リズム調整作用及び睡眠改善作用を示し得る。また、これらの作用に関連して、本発明の組成物は、皮膚疾患改善作用、精神疾患改善作用、生活習慣病改善作用、抗癌作用、抗老化作用などを示し得る。
本発明の組成物は、上記した作用を有することにより、少なくとも、時計遺伝子発現促進用組成物、概日リズム調整用組成物及び睡眠改善用組成物という態様をとり得る。
黒生姜(Kaempferia parviflora)は、東南アジアなどに自生することで知られているショウガ科バンウコン属の植物である。黒生姜は、精力増進、滋養強壮、血糖値の低下、体力回復、消化器系の改善、膣帯下、痔核、痔疾、むかつき、口内炎、関節痛、胃痛の改善などの作用があることが知られている。黒生姜は、長期にわたりヒトに摂取されてきた実績のある天然植物であって安全性が高いことから、本発明の組成物は、実用性が高く、そのままで、又は加工することにより、非経口的又は経口的な形態で種々の用途に適用可能である。
黒生姜の使用部位は、所望の薬理作用に寄与する成分を含む部位であれば特に限定されず、例えば、根、茎、葉、花、枝などが挙げられるが、好ましくは3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン、3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンなどのポリメトキシフラボノイド(PMF)を多く含む根茎である。
黒生姜は、採取した状態の未加工のものに加えて、例えば、処理物(乾燥物、裁断物など)又は黒生姜や黒生姜処理物の粉末、搾汁、抽出物などの黒生姜の加工物を包含する。ここで、抽出物とは、黒生姜における成分が抽出された物であれば特に限定されないが、例えば、黒生姜やその処理物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末が挙げられる。本発明において用いられる黒生姜は、皮膚外用組成物などの非経口用組成物や、経口用組成物などへの適用容易性を考慮すれば、黒生姜の抽出物又は搾汁などのエキスや該エキスの乾燥物であることが好ましい。
黒生姜粉末は、例えば、洗浄後にスライスした黒生姜を天日又は乾燥機を用いて乾燥後、そのままで、又は適当な形状や大きさに裁断して得た処理物を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものが広く使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機、製品ホルダーなどから構成される粉砕機を用いることができる。
黒生姜抽出物は、黒生姜やその処理物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。水もまた抽出溶媒として挙げられ、熱水や温水などであってもよい。本発明の組成物は、ヒトが経口的に摂取する可能性があるものであることから、原料である黒生姜の抽出物は、水単独、エタノール単独又は水とエタノールとの混合溶媒(いわゆる含水エタノール)によって抽出されたものであることが好ましい。例えば、20〜95vol%の濃度の含水エタノールを溶媒として使用することがより好ましい。
溶媒として混合溶媒を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物などを用いることができる。エタノール/水の場合、例えば、黒生姜の乾燥根茎に対して、その質量の1〜40倍質量、好ましくは2〜20倍質量の溶媒を加え、室温又は加熱下で、連続的又は非連続的な撹拌により、数分間〜数日間、好ましくは5分間〜10日間程度抽出することが好ましい。
抽出方法は特に限定されないが、例えば、安全性、利便性及び工業化の観点から、可能な限り緩やかな条件で抽出操作を行うことが好ましい。例えば、黒生姜の部位やその乾燥物を、粉砕、破砕、細断などして、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で5分間〜10日間、静置、振盪、攪拌、還流などの任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、ろ過、遠心分離などの固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮などの操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出液は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
得られた抽出液は、そのままで、又は濃縮するなどして、例えば、液状物、濃縮物、さらにこれらを乾燥した乾燥物などの形態で用いることができる。乾燥方法は特に限定されず、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる方法により行い得る。さらに、以上の方法で得られた乾燥物を、当業者に知られる方法を用いて粉末化して使用することが可能である。また、後述する実施例に記載があるとおり、抽出液やその乾燥物などを得た後に、特定の成分を高濃度で含有する画分を得るために分画処理を実施してもよい。
本発明の組成物において用いられる黒生姜抽出物は特に限定されないが、例えば、3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン及び3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンなどのPMFを含有する黒生姜抽出物が挙げられ、好ましくは3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン及び3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンのいずれか1種以上を含有する黒生姜抽出物であり、より好ましくはこれらの2種以上を含有する黒生姜抽出物であり、さらに好ましくはこれらの全てを含有する黒生姜抽出物である。
黒生姜抽出物におけるPMFの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対するPMF量の割合(PMF含量)が0.1wt%以上であり、好ましくは1〜99wt%であり、より好ましくは5〜90wt%である。
黒生姜抽出物における3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボンの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン量の割合(3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン含量)は、例えば、0.01wt%以上であり、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは1wt%以上であり、より好ましくは10〜70wt%である。
黒生姜抽出物における5,7,4’−トリメトキシフラボンの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する5,7,4’−トリメトキシフラボン量の割合(5,7,4’−トリメトキシフラボン含量)は、例えば、0.01wt%以上であり、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは1wt%以上であり、より好ましくは10〜70wt%である。
黒生姜抽出物における5,7−ジメトキシフラボンの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する5,7−ジメトキシフラボン量の割合(5,7−ジメトキシフラボン含量)は、例えば、0.01wt%以上であり、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは1wt%以上であり、より好ましくは10〜70wt%である。
黒生姜抽出物における3,5,7−トリメトキシフラボンの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する3,5,7−トリメトキシフラボン量の割合(3,5,7−トリメトキシフラボン含量)は、例えば、0.01wt%以上であり、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは1wt%以上であり、より好ましくは10〜70wt%である。
黒生姜抽出物における3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンの含有量は特に限定されないが、例えば、抽出物全量に対する5,7−ジメトキシフラボン量の割合(5,7−ジメトキシフラボン含量)は、例えば、0.01wt%以上であり、好ましくは0.1wt%以上であり、より好ましくは1wt%以上であり、より好ましくは10〜70wt%である。
黒生姜抽出物を含む黒生姜の処理物及び加工物の製造方法は特に限定されない。黒生姜の処理物及び加工物は、例えば、上記した記載や後述する実施例の記載を参照して製造したものでもよいし、その他の当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものでもよい。
後述する実施例に記載されているとおり、黒生姜は、黒豆、マッシュルーム、シログワイ、ブロッコリー、サツマイモ、ゴボウ、トマトといった他の天然物素材と比べて、より強い時計遺伝子発現促進作用を示す。
時計遺伝子にはPer、Cry、Bmal、Clock、Dec、Rev−Erb、ROR、DBP、E4BP4などが知られているところ、本発明の組成物によって発現が促進される時計遺伝子は特に限定されないが、後述する実施例に記載があるとおり、本発明の組成物は、Per2、Cry1、Bmal1又はClockに対して発現促進作用を示し得る。例えば、本発明の組成物が、3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン及び3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンの中の少なくとも1種を含有する黒生姜、黒生姜処理物又は黒生姜抽出物を含有する組成物である場合、Per2発現促進作用を示し;5,7,4’−トリメトキシフラボン及び5,7−ジメトキシフラボンの中の少なくとも1種を含有する黒生姜、黒生姜処理物又は黒生姜抽出物を含有する組成物である場合、Bmal1発現促進作用を示し得る。
本明細書における「時計遺伝子発現促進作用」とは、例えば、被験体における時計遺伝子の発現量を促進すること、時計遺伝子がコードするタンパク質の翻訳量を増大すること及び該タンパク質を活性化することのうち少なくともいずれか1つの作用をいう。また、概日リズム調整作用とは、生物体が本来有する約24時間周期の概日リズムを異常のあるリズムから正常なリズムへ回復すること及び正常なリズムを維持することのうち少なくともいずれか1つの作用をいう。睡眠改善作用とは、被験体における現在又は将来の睡眠異常若しくは睡眠異常であるとされる状態になることを抑制若しくは遅滞又はその状態を改善することをいう。本発明の組成物は、上記した作用を有するものとして、時計遺伝子発現促進剤、概日リズム調整剤及び睡眠改善剤という態様をとり得る。
本発明の組成物は、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、香油などの通常の加工に使用される添加物をさらに含有することができる。添加物の使用量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されず、適宜調整される。
本発明の組成物は、通常用いられる形態であれば特に制限されず、例えば、液状、ローション状、ムース状、ゲル状、乳液状、懸濁液状、クリーム状、軟膏状、シート状、エアゾール状、スプレー状、スティック状、粉状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、ペースト状、カプセル状、カプレット状などの各形態をとり得る。
本発明の組成物は、非経口用組成物として、例えば、化粧品に適した形態として使用することができる。すなわち、本発明の組成物の一態様は、化粧用組成物である。例えば、本発明の組成物は、そのままで、又は通常化粧品の加工に使用される添加物と混合して、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤などの種々の形態に加工され得る。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、洗顔剤、ファンデーション、育毛剤、水性軟膏、スプレーなどとして利用できる。
本発明の組成物に含有される黒生姜の含有量は、時計遺伝子発現促進作用が認められる量であれば特に限定されないが、組成物全体に対して、乾燥質量で、例えば、非経口用組成物としては0.00001wt%以上、好ましくは0.0001wt%以上であり;経口用組成物としては0.0001wt%以上、好ましくは0.001wt%以上である。
本発明の組成物の1日の使用量、1回の使用量、使用期間、使用間隔などの用法及び用量は特に限定されず、使用態様や使用者の体内時計系の状態などに応じて適宜設定され得る。ただし、使用期間や使用間隔については、後述する実施例に記載があるとおり、本発明の組成物を摂取した後、時計遺伝子であるPer2及びCry1については摂取後4〜12時間をピークとして比較的早期に発現が促進され、Bmal1及びClockについては摂取後16〜24時間をピークとして比較的緩やかに発現が促進されることから、本発明の組成物は、例えば、朝、昼及び夜のいずれか1回以上の頻度で、2日間以上にわたって使用することが好ましい。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、室温又は加温下で、黒生姜及び添加物を混合することにより、固形状組成物とすることができる。または、この固形状組成物を、水などの溶媒に溶解させて液状組成物とすることができる。さらに、黒生姜を含有する液状物に、添加物を含む他の固形状成分を加えて混合することにより液状組成物とすることができる。なお、得られた液状組成物は、乾燥処理を経て、粉末化してもよい。この場合の乾燥処理の方法としては、上記の黒生姜を乾燥する際に用いる方法が適宜利用でき、特に限定されない。
本発明の組成物は、用途に応じて、そのままで、又は他の成分、組成物若しくは製品と混合して使用することができる。このように、本発明の組成物は、黒生姜を含有するものであれば、本発明の目的を達成し得る限り、種々のものと混合又は併用し得る。
本発明の組成物の具体的な態様として、例えば、0.1〜50wt%の3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、0.1〜50wt%の5,7,4’−トリメトキシフラボン、0.1〜50wt%の5,7−ジメトキシフラボン、0.1〜50wt%の3,5,7−トリメトキシフラボン及び0.1〜50wt%の3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンを含有する黒生姜抽出物を含有する組成物が挙げられる。
本発明の組成物の別の具体的な態様として、例えば、1〜25wt%の3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、1〜25wt%の5,7,4’−トリメトキシフラボン、1〜25wt%の5,7−ジメトキシフラボン、1〜25wt%の3,5,7−トリメトキシフラボン及び1〜25wt%の3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンを含有する黒生姜抽出物を含有する組成物が挙げられる。
上記した本発明の組成物の具体的な態様における各PMFの量は、黒生姜抽出物量に対する割合を示すものである。すなわち、上記の各PMFの割合は、添加物を除いた、黒生姜抽出物量に対する、各PMFのそれぞれの割合を示すものである。
以下、本発明の組成物の具体的態様に係る配合例を示すが、本発明はこれら配合例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
(配合例1:化粧水)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.01質量部、生姜抽出物 0.01質量部、ケツメイシ 0.01質量部、グリセリン 10質量部、ジグリセリン 3質量部、1,3−ブチレングリコール 12質量部、ペンチレングリコール 3質量部、ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量部、クエン酸 0.01質量部、クエン酸ナトリウム 0.02質量部、キサンタンガム 0.1質量部、メチルパラベン 0.15質量部、カルボマー 0.2質量部、水酸化ナトリウム 0.03質量部及び水 残部を混合して、化粧水の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例2:シャンプー)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.01質量部、ホップ抽出物 0.02質量部、カフェイン 0.01質量部、ラウレス硫酸ナトリウム 7.5質量部、コカミドプロピルベタイン 4.2質量部、コカミドDEA 3質量部、1,3−ブチレングリコール 0.1質量部、ポリクオタニウム−10 0.225質量部、クエン酸 0.15質量部、クエン酸ナトリウム 0.05質量部、フェノキシエタノール 0.9質量部及び水 残部を混合して、シャンプーの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例3:石鹸)
全体を100質量部として、黒生姜粉砕物 0.5質量部、メリロート抽出物 0.2質量部、エラスチン 0.1質量部、グリセリン 2質量部、オリーブ油 1質量部、EDTA−4ナトリウム 0.1質量部、エチドロン酸4ナトリウム 0.2質量部及び石ケン素地 残部を混合及び固化することにより、石鹸の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例4:乳液)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、アラニン 0.1質量部、アルギニン 0.1質量部、ショ糖脂肪酸エステル 3質量部、グリセリン 12質量部、スクワラン 6質量部、ジメチルシリコーンオイル 24質量部、ポリプロピレングリコール 1質量部、増粘剤 0.06質量部、フェノキシエタノール 0.2質量部、エタノール 5質量部、水酸化ナトリウム 0.01質量部及び精製水 残部を混合して、乳液の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例5:化粧クリーム)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、イソマルトオリゴ糖 0.1質量部、フラクトオリゴ糖 0.1質量部、スクワラン 15.0質量部、ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0質量部、水素添加大豆リン脂質 0.2質量部、ブチルアルコール 2.4質量部、硬化油 1.5質量部、ステアリン酸 1.5質量部、親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5質量部、モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5質量部、ベヘニルアルコール 0.8質量部、モノミリスチン酸ポリグリセリル 0.7質量部、サラシミツロウ 0.3質量部、d−δ−トコフェロール 0.1質量部、メチルパラベン 0.3質量部、C10〜30アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量部、カルボキシビニルポリマー 0.1質量部、1,3−ブタンジオール 18.0質量部、水酸化ナトリウム 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、化粧クリームの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例6:パック剤)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.1質量部、没食子酸 0.01質量部、ポリビニルアルコール 20.0質量部、グリセリン 5.0質量部、エタノール 20.0質量部、カオリン 6.0質量部、防腐剤 0.2質量部、香料 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、パック剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例7:錠剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 10質量部、ショウガ抽出物 8質量部、カフェイン5質量部、メリロート 5質量部、結晶性セルロース 20質量部、乳糖 50質量部、ステアリン酸マグネシウム 4質量部及びコーンスターチ 残部を混合及び打錠することにより、錠剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例8:錠剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 10質量部、ケツメイシ末 8質量部、メリロート 5質量部、イソマルトオリゴ糖 0.5質量部、フラクトオリゴ糖 0.5質量部、結晶性セルロース 20質量部、乳糖 50質量部、ステアリン酸マグネシウム 4質量部及びコーンスターチ 残部を混合及び打錠することにより、錠剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例9:顆粒剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 10質量部、ホップ末 15質量部、ケツメイシ抽出物 5質量部、乳糖 10質量部、ステアリン酸カルシウム 1質量部及び結晶性セルロース 残部を混合及び顆粒化することにより、顆粒剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例10:カプセル剤)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 10質量部、生姜抽出物 20質量部、エラスチン5質量部、レシチン 8質量部及びオリーブ油 残部を混合して調製したものを内容液として、これをカプセル殻に内包することにより、カプセル剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例11:液剤)
全体を100質量部として、黒生姜エキス粉末 0.84質量部、アルギニン 1質量部、アラニン 1質量部、果糖ブドウ糖液糖 10質量部、クエン酸 1質量部、安息香酸ナトリウム 0.02質量部、香料製剤 2質量部、スクラロース 0.05質量部、アセスルファムカリウム 0.03質量部、及び精製水 残部を混合して、液剤の態様で本発明の組成物を調製した。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
1.方法
(1)被験試料群1の調製
黒生姜の乾燥根茎 0.5gを50%エタノール 10mLに加えたものを、30秒のヴォルテックス撹拌処理及び10秒の超音波処理に供し、次いで10分間の振盪処理に供し、次いで遠心分離処理に供した。遠心分離処理により得られた上清を黒生姜50%エタノール抽出物とした。同様に、黒生姜の代わりに黒豆、マッシュルーム、シログワイ、ブロッコリー、サツマイモ、ゴボウ又はトマトを用いた50%エタノール抽出物を調製した。これらの50%エタノール抽出物を被験試料群1とし、後述する遺伝子発現解析に用いた。
(2)被験試料群2の調製
黒生姜の乾燥根茎 100gを95%エタノール 1,000mLに加えたものを、6日間の非連続撹拌処理に供し、次いでろ過処理に供した。得られたろ液を蒸発乾燥することにより、黒生姜95%エタノール抽出物(6.8g)を得た。黒生姜95%エタノール抽出物は、後述する分画に用いた。
(3)遺伝子発現解析
マウス繊維芽細胞であるNIH−3T3細胞を3日培養したものに、100nM デキサメタゾンを用いて、2時間同調化させた後、被験試料群1を0.5mg/mLとなるようにNIH−3T3細胞に添加した。添加後、所定の時間でNIH−3T3細胞から全RNAを抽出した。時計遺伝子(Per2、Cry1、Bmal1、及びClock)の発現を定量的RT−PCRにより調べた。なお、被験試料群1の代わりに0.5%となるようにエタノールを加えたものをコントロールとした。
(4)分画及び同定
黒生姜における時計遺伝子調節機能を有する成分を同定するために、黒生姜95%エタノール抽出物を用いて分取HPLCにより分画を行った。HPLC条件は以下のとおりとした。また、分画した画分のうち、時計遺伝子調節機能を有する成分を含有する画分の同定は、FT−MS及びH−NMRを用いて行った。
[HPLC条件1]
Column:YMC−DispoPack AT ODS−25
Eluent:ACN/HO(55/45)
Flow Rate:15mL/min
[HPLC条件2]
Column:Wakosil−II5C18 RS−Prep,5μm,20x250mm
Eluent:ACN/MeOH/HO(20/30/35)
Flow Rate:13mL/min
[HPLC条件3]
Column:Wakosil−II 5C18 RS−Prep,5μm,20x250mm
Eluent:ACN/MeOH/HO(20/30/30)
Flow Rate:13mL/min
2.結果
(1)遺伝子発現解析
被験試料群1を添加した6時間後に、時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として調べた結果を図1に示す。黒生姜を被験試料として用いた場合の4時間毎に経時的に相対的mRNA量を比較した結果を図2に示す。黒生姜の最終濃度を0.005、0.01、0.03及び0.05mg/mLに変化させて、黒生姜を添加した6時間後(Per2及びCry1)又は20時間後(Bmal1)に、時計遺伝子の発現をコントロールに対する相対量として調べた結果を図3に示す。
図1が示すとおり、黒生姜を用いた被験試料は他の天然物素材を用いた被験試料に比べてPer2及びBmal1の発現量を促進させた。図2が示すとおり、Per2及びCry1の発現には黒生姜添加後4〜6時間でピークとなるリズムが確認された。一方、Bmal1及びClockの発現は添加後20〜24時間で促進されたことが確認された。図3が示すとおり、Per2、Cry1及びBmal1の発現量は、黒生姜の濃度に依存して促進されることが確認された。
(2)分画及び同定
黒生姜95%エタノール抽出物について、HPLC条件1により分画を実施した。結果を図4に示す。図4に示すとおり、Fr−1〜Fr−5までの5つの画分が得られ、これらを乾燥させることにより、それぞれ0.154g、0.537g、0.012g、0.041g及び0.066gの乾燥物を得た。これらの合計回収率は81%であった。
Fr−1〜Fr−5を25μg/mLになるように添加した6時間後(Per2及びCry1)又は20時間後(Bmal1)の時計遺伝子の発現を、コントロールに対する相対量として調べた結果を図5に示す。図5が示すとおり、Fr−2ではPer2、Cry1及びBmal1の発現量が促進され、Fr−4ではPer2及びCry1の発現量が促進された。
Fr−2について、HPLC条件2により分画を実施した。また、得られた6つの分画を乾燥させたものを25μg/mLになるように添加した6時間後(Per2)又は20時間後(Bmal1)の時計遺伝子の発現を、コントロールに対する相対量として調べた。これらの結果を図6に示す。図6が示すとおり、Fr−2−(3)及び(4)ではPer2及びBmal1の発現量が促進され、Fr−2−(2)、(5)及び(6)ではPer2の発現量が促進された。
Fr−4について、HPLC条件3により分画を実施した。また、得られた2つの分画を乾燥させたものを12.5μg/mLになるように添加した6時間後(Per2)の時計遺伝子の発現を、コントロールに対する相対量として調べた。これらの結果を図7に示す。図7が示すとおり、Fr−4−(1)ではPer2の発現量が促進された。
分画した画分のうち、Fr−2−(1)〜(6)並びにFr−4−(1)及び(2)が含有する成分の同定を、FT−MS及びH−NMRを用いて行った。同定された化合物及び黒生姜抽出物の含有量の測定結果を、図8に示す。以上の結果から、黒生姜の成分のうち、Per2遺伝子の発現調節に関与する成分は、3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン、5,7−ジメトキシフラボン、3,5,7−トリメトキシフラボン及び3,5,7,4’−テトラメトキシフラボンであることが確認された。Bmal1遺伝子の発現調節には、5,7−ジメトキシフラボン及び5,7,4’−トリメトキシフラボンが関与していることが確認された。これらのことから、黒生姜のポリメトキシフラボンには、体内時計を調節し、乱れた概日リズムを改善する可能性があることが示唆された。
なお、NIH−3T3細胞にレポータープラスミドとしてpSLG(PEST)−Per2(−376/+48)を導入し、ルミノメーターとしてKronos AB−2500(ATTO)を用いてリアルタイム・レポーター遺伝子アッセイを実施した結果を図9に示す。その結果、3,5,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン、5,7,4’−トリメトキシフラボン及び5,7−ジメトキシフラボンによって、Per2遺伝子の発現が、投与後12時間をピークに促進されることが確認された。
本発明の組成物は、非経口的及び経口的のいずれの態様においても適用可能な黒生姜を含有するものであり、睡眠異常や時差ボケなどの体内時計系の異常に伴う症状に苦しむ被験体にとって有用なものであり、このような被験体の健康及び福祉に資するものである。

Claims (5)

  1. 黒生姜(Kaempferia parviflora)を含有する、時計遺伝子発現促進用組成物。
  2. 前記時計遺伝子が、Per2、Cry1、Bmal1及びClockからなる群から選ばれる少なくとも1種の時計遺伝子である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記黒生姜が黒生姜抽出物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 黒生姜を含有する、概日リズム調整用組成物。
  5. 黒生姜を含有する、睡眠改善用組成物。

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