JP2015217907A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる1本以上の周方向主溝とトレッド端とにより区画された複数の陸部を有し、前記複数の陸部のうち最もトレッド幅方向の幅が広い最広幅陸部に、第1窪み部、第2窪み部、及び前記第1窪み部と前記第2窪み部とを連通する連通部を有する複合溝部を備え、前記最広幅陸部に、前記第1窪み部と前記連通部とにより挟まれる第1角部、及び、前記第2窪み部と前記連通部とにより挟まれる第2角部が形成されてなることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる1本以上の周方向主溝とトレッド端とにより区画された複数の陸部を有し、
前記複数の陸部のうち最もトレッド幅方向の幅が広い最広幅陸部に、第1窪み部、第2窪み部、及び前記第1窪み部と前記第2窪み部とを連通する連通部を有する複合溝部を備え、
前記最広幅陸部に、前記第1窪み部と前記連通部とにより挟まれる第1角部、及び、前記第2窪み部と前記連通部とにより挟まれる第2角部が形成されてなることを特徴とするものである。
この構成によれば、操縦安定性を向上させることができる。
さらに、「トレッド端」とは、上記トレッド踏面のトレッド幅方向最外側位置をいうものとする。
この構成によれば、旋回性能に最も有効な領域に上記の複合溝部が形成されることになり、より効果的に操縦安定性を向上させることができる。
この構成によれば、接地性を向上させて、より一層操縦安定性を向上させることができる。
この構成によれば、複合溝部の変形を助長して、さらに操縦安定性を向上させることができる。
ここで、「溝深さ」とは、連通部や第1窪み部及び第2窪み部の最大深さをいうものとする。
この構成によれば、接地面積を確保して、さらに操縦安定性を向上させることができる。
なお、「細溝」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態において、その溝幅(トレッド踏面に開口する溝幅)が、上記「周方向主溝」の溝幅(トレッド踏面に開口する溝幅)より小さいものをいうものとする。なお、本明細書においては、「溝幅」や後述の「溝深さ」は、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態での値をいうものとする。
この構成によれば、より効果的に操縦安定性を向上させることができる。
ここで、「最広幅陸部のトレッド幅方向中心位置より、トレッド幅方向内側に配置されている」とは、上記複合溝部の溝面積の80%以上が最広幅陸部のトレッド幅方向中心位置より、トレッド幅方向内側に配置されていることをいうものとする。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態にかかるタイヤは、トレッド踏面1に、トレッド周方向に連続して延びる1本以上の(図示例では2本の)周方向主溝2(2a、2b)を有している。これらの周方向主溝2により、タイヤの排水性を確保することができる。
図1に示す例では、2本の周方向主溝2は、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部に1本ずつ設けられており、一方の周方向主溝2aの方が他方の周方向主溝2bよりタイヤ赤道面CLに近い位置に設けられている。
図示例では、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向一方側の半部に位置するトレッド幅方向最外側陸部3aのトレッド幅方向の幅が最も広く、次いで、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向他方側の半部に位置するトレッド幅方向最外側陸部3cのトレッド幅方向の幅が広く、2つの周方向主溝2a、2bに挟まれる陸部3bは、最もトレッド幅方向の幅が小さい。
また、図1に示すように、これらの陸部3a、3b、3cは、いずれもリブ状陸部である。
図示例では、第1窪み部4aは、トレッド周方向の一方側の端部から他方側の端部に向かって溝幅が狭くなりながらトレッド周方向に延び、平面視で略三角形状の形状をなしている。一方で、図示例で、第2窪み部4bは、トレッド周方向の一方側の端部から他方側の端部に向かって溝幅が広くなりながらトレッド周方向に延び、平面視で略三角形状の形状をなしている。
図1に示す例では、第1窪み部4aと第2窪み部4bとは、トレッド周方向及びトレッド幅方向に離間して配置されている。
そして、図1に示す例では、トレッド幅に延びる連通部4cにより、上記のように離間して配置された第1窪み部4aと第2窪み部4bとが連通しており、これらが複合して複合溝部4を形成している。図示例では、この複合溝部4は、平面視で略Z字状の形状をなしている。
図1に示すように、複合溝部4は、最広幅陸部3aにのみ設けられている。
以下、第1の実施形態のタイヤについて、最広幅陸部3aが車両装着時外側となるようにタイヤを車両に装着した際の作用効果について説明する。
これに対し、本発明の第1の実施形態のタイヤによれば、最広幅陸部3aに複合溝部4を備え、上記第1角部4d及び第2角部4eが連通溝4cを挟んで互いに斜め向かいに位置するように形成されているため、第1角部4d及び第2角部4e付近の剛性が低く、この部分が、旋回時の横力やトラクション及びブレーキ時の前後力等の路面からの入力に対して動きやすくなり、複合溝部4の溝面積が小さくても十分に最広幅陸部3aの接地圧を緩和して、接地圧をトレッド踏面1全体に分散させて、トレッド踏面1全体の接地性を向上させ、操縦安定性を向上させることができる。特に、高速走行時の旋回時の操縦安定性を向上させることができる。
さらに、第1窪み部4a及び第2窪み部4bの連通部4cとの連通部分における溝幅(トレッド踏面1に開口する幅)は、1.5mm〜20mmとすることが好ましい。1.5mm以上とすることにより、上記第1角部4d及び第2角部4e付近の剛性をより確実に低下させることができ、一方で、20mm以下とすることにより、接地面積をより一層確保することができるからである。
加えて、第1窪み部4a及び第2窪み部4bの溝深さ(最大深さ)は、2mm〜7mmとすることが好ましい。2mm以上とすることにより、上記第1角部4d及び第2角部4e付近の剛性をより確実に低下させることができ、一方で、7mm以下とすることにより、陸部の剛性が低下しすぎないようにすることができるからである。
さらに、連通部4cの溝幅(トレッド踏面1に開口する幅)は、2〜20mmとすることが好ましい。2mm以上とすることにより、上記第1角部4d及び第2角部4e付近の剛性をより確実に低下させることができ、一方で、20mm以下とすることにより、接地面積をより一層確保することができるからである。
加えて、連通部4cの溝深さ(最大深さ)は、2mm〜7mmとすることが好ましい。2mm以上とすることにより、上記第1角部4d及び第2角部4e付近の剛性をより確実に低下させることができ、一方で、7mm以下とすることにより、陸部の剛性が低下しすぎないようにすることができるからである。
また、図3(a)に周方向主溝2aの断面図を示し、図3(b)に周方向主溝2bの断面図を示しているように、本発明にあっては、周方向主溝2a、2bにテーパー部分2c、2dを設けることが好ましい。これにより、トレッド踏面1の剛性を確保して操縦安定性をより一層向上させることができる。
さらに、図3(a)(b)に示すように、周方向主溝の溝壁の傾斜角度は、車両装着時外側が車両装着時内側より大きいことが好ましい。車両装着時外側の陸部の剛性を確保して旋回時の操縦安定性を確保しつつも、外側のみ傾斜角度を大きくすることにより、排水性も確保することができるからである。
なお、図3(a)(b)には、例示的な各寸法が示されているが、本発明の周方向主溝の各寸法は、これらの数値に何ら限定されるものではない。
上記のような凹部5を設けることにより、最広幅陸部3aの剛性の低下を極力抑えつつも、排水性を向上させることができる。
また、このとき、複合溝部4のトレッド周方向位置は、図1に示すように、トレッド幅方向の位置をずらして配置された、トレッド幅方向外側の幅方向溝6とトレッド幅方向内側の幅方向溝6のうち、トレッド周方向に隣接するトレッド幅方向内側の幅方向溝6間に配置することにより、陸部全体の接地圧の均一化を図ることができる。
上記のような凹部7を設けることにより、陸部3bの剛性の低下を極力抑えつつも、排水性を向上させることができる。
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図2に示すように、本発明の第2の実施形態にかかるタイヤは、図1に示す第1の実施形態のタイヤと同様に、トレッド踏面1に、トレッド周方向に連続して延びる1本以上の(図示例では2本の)周方向主溝2(2a、2b)を有している。これらの周方向主溝2により、タイヤの排水性を確保することができる。
図2に示す例では、図1に示す例とは異なり、周方向主溝2aは、タイヤ赤道面CL上を延びており、タイヤ赤道面CLを境界とする一方のトレッド幅方向半部と他方のトレッド幅方向半部とに跨っている。一方で、周方向主溝2bは、上記トレッド幅方向の片側の半部(図2においては他方側と示している)に配置されている。
図示例では、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向一方側の半部に位置するトレッド幅方向最外側陸部3aのトレッド幅方向の幅が最も広く、次いで、タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向他方側の半部に位置するトレッド幅方向最外側陸部3cのトレッド幅方向の幅が広く、2つの周方向主溝2a、2bに挟まれる陸部3bは、最もトレッド幅方向の幅が小さい。
また、図2に示すように、これらの陸部3a、3b、3cは、いずれもリブ状陸部である。
図示例では、第1窪み部4aは、トレッド周方向の一方側の端部から他方側の端部に向かって溝幅が狭くなりながらトレッド周方向に延び、平面視で略三角形状の形状をなしている。一方で、図示例で、第2窪み部4bは、トレッド周方向の一方側の端部から他方側の端部に向かって溝幅が広くなりながらトレッド周方向に延び、平面視で略三角形状の形状をなしている。
図2に示す例では、第1窪み部4aと第2窪み部4bとは、トレッド幅方向に離間して配置されており、トレッド幅方向に投影した際に第1窪み部4aと第2窪み部4bとが互いに重なるように、これらをトレッド周方向に一部オーバーラップさせて配置している。
そして、図2に示す例では、連通部4cは、トレッド周方向に連続して延びる細溝であり、この連通部4cにより、上記のようにトレッド幅方向に離間して配置された第1窪み部4aと第2窪み部4bとが連通しており、これらが複合して複合溝部4を形成している。なお、図2に示す例では、複合溝部4は、連通部4cが第1窪み部4a又は第2窪み部4bと接続しているトレッド周方向領域をいうものとし、複数の(図示の範囲で5つの)複合溝部4が連通溝4cを介してさらに連通している。
また、図2に示す例では、最広幅陸部3aには、第1窪み部4aと連通部4cとにより挟まれる鈍角の第3角部4f、及び、第2窪み部4bと連通部4cとにより挟まれる鈍角の第4角部4gも形成されている。
図2に示すように、複合溝部4は、最広幅陸部3aにのみ設けられている。
従って、第2の実施形態のタイヤについても、最広幅陸部3aが車両装着時外側となるようにタイヤを車両に装着した際には、上述した第1の実施形態のタイヤと同様の作用効果を奏することができ、複合溝部4の溝面積が小さくても、十分に最広幅陸部3aの接地圧を緩和して、トレッド踏面1全体の接地性を向上させて、操縦安定性を向上させることができる。特に、図2に示す第2の実施形態では、連通部4cがトレッド周方向に連続して延び、鈍角の第3角部4f及び第4角部4eも形成されているため、この部分の接地圧をより一層緩和することができる。
また、上述したのと同様に理由により、図2に示す第2の実施形態に関しても、複合溝部4は、最広幅陸部3aのトレッド幅方向中心位置より、トレッド幅方向内側に配置されていることが好ましく、この観点から、図2に示すように、複合溝部4の全体が最広幅陸部3aのトレッド幅方向中心位置より、トレッド幅方向内側に配置されていることが特に好ましい。
また、図3(c)に周方向主溝2aの断面図を示し、図3(d)に周方向主溝2bの断面図を示しているように、第2の実施形態においても、周方向主溝2a、2bにテーパー部分2c、2dを設けることが好ましい。これにより、トレッド踏面1の剛性を確保して操縦安定性をより一層向上させることができる。
さらに、図3(c)(d)に示すように、周方向主溝の溝壁の傾斜角度は、車両装着時外側が車両装着時内側より大きいことが好ましい。
なお、図3(c)(d)には、例示的な各寸法が示されているが、本発明の周方向主溝の各寸法は、これらの数値に何ら限定されるものではない。
上記のような凹部5を設けることにより、最広幅陸部3aの剛性の低下を極力抑えつつも、排水性を向上させることができる。
また、このとき、複合溝部4のトレッド周方向位置は、図2に示すように、トレッド幅方向の位置をずらして配置された、トレッド幅方向外側の幅方向溝6とトレッド幅方向内側の幅方向溝6のうち、トレッド周方向に隣接するトレッド幅方向内側の幅方向溝6間に配置することにより、陸部全体の接地圧の均一化を図ることができる。
各タイヤの諸元は、以下の表1に示している。なお、発明例2〜6にかかるタイヤは、以下の表1に示す諸元に関し発明例1にかかるタイヤと異なるものである。
タイヤサイズ205/55R16の上記各タイヤを適用リムに組み付け、内圧を240kPaとして、複合溝部を有する側のトレッド幅方向半部(比較例に関しては、それと対応する側のトレッド幅方向半部)が車両装着時外側となるように車両に装着した。そして、120km/hの速度でテストコースを旋回した際の操縦安定性についてドライバーによる官能評価を行った。比較例の評価結果を100とした指数で相対的に評価し、以下の表1においては、数値が大きい方が操縦安定性に優れていることを示す。評価結果を以下の表1に示している。
さらに、発明例1と発明例4との比較により、第1角部及び第2角部が鋭角である発明例1は、発明例4より操縦安定性に優れていることがわかる。
加えて、発明例1と発明例5との比較により、連通部の溝深さが、第1窪み部及び第2窪み部の溝深さより大きい発明例1は、発明例5より操縦安定性に優れていることがわかる。
さらにまた、発明例1と発明例2との比較により、連通部がトレッド幅方向に延びる細溝である、発明例1は、発明例2より操縦安定性に優れていることがわかる。
そして、発明例1と発明例6との比較により、複合溝部が最広幅陸部のトレッド幅方向中心位置よりトレッド幅方向内側に配置されている、発明例1は、発明例6より操縦安定性に優れていることがわかる。
2、2a、2b 周方向主溝
2c、2d テーパー部分
3、3a、3b、3c 陸部
4 複合溝部
4a 第1窪み部
4b 第2窪み部
4c 連通部
4d 第1角部
4e 第2角部
4f 第3角部
4g 第4角部
4h、4i テーパー部分
5 凹部
6 幅方向溝
7 凹部
8 窪み
9 幅方向溝
CL タイヤ赤道面
TE トレッド端
Claims (7)
- トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる1本以上の周方向主溝とトレッド端とにより区画された複数の陸部を有し、
前記複数の陸部のうち最もトレッド幅方向の幅が広い最広幅陸部に、第1窪み部、第2窪み部、及び前記第1窪み部と前記第2窪み部とを連通する連通部を有する複合溝部を備え、
前記最広幅陸部に、前記第1窪み部と前記連通部とにより挟まれる第1角部、及び、前記第2窪み部と前記連通部とにより挟まれる第2角部が形成されてなることを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記最広幅陸部は、トレッド幅方向最外側の陸部である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第1角部及び前記第2角部は、鋭角である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記連通部の溝深さは、前記第1窪み部及び前記第2窪み部の溝深さより大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記連通部は、トレッド幅方向に延びる細溝である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記複合溝部は、前記最広幅陸部のトレッド幅方向中心位置より、トレッド幅方向内側に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記最広幅陸部は、リブ状陸部である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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