JP2015212770A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図2は、本実施形態における複写機500の概略構成図である。
本実施形態の複写機500は、プリンタ部100、給紙部200及びプリンタ部100上に取り付けるスキャナ部300から構成される。
感光体クリーニング装置5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した感光体2の表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。その詳細については後述する。
図3は、感光体クリーニング装置5のブレード部材5Aが感光体2に当接する部分を感光体2の回転軸方向から見たときの説明図である。
感光体クリーニング装置5は、複数の層から構成される弾性体をクリーニングブレードとして使用した積層構造のブレード部材5Aと、ブレード部材5Aの一端を保持するブレードホルダ5Bとを有する。ブレード部材5Aは、複数層として互いに永久伸びの値が異なる材質からなるエッジ層5c及びバックアップ層5dの二つの層によって構成されており、感光体2と当接する層がエッジ層5cであり、エッジ層5cの背面の層がバックアップ層5dである。そして、感光体クリーニング装置5は、ブレード部材5Aのブレードホルダ5Bによって保持される保持位置側とは反対側の端部のエッジ部5eを図3中の矢印C方向に表面移動する感光体2の表面に当接させて、感光体2の表面をクリーニングする構成である。エッジ部5eを備えるエッジ層5cはバックアップ層5dに比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されている。
本実施形態においては、上述した感光体クリーニング装置5を用いて長期的に高いフィルミング抑制性能を維持することでフィルミングの発生を抑制できているが、それでも完全にフィルミングを除去することはできず、経時においてはフィルミングが発生する。そして、フィルミングが発生すると、トナーに含まれる吸湿性を有する添加剤によるフィルミング部分が感光体周囲の空気中の水分を取り込むことで電気抵抗値を下げる。これにより、そのフィルミング部分の近傍に形成される静電潜像が適正な電位を保持できなくなる。詳しくは、感光体2の電荷発生層で発生した電荷は、本来、電荷輸送層を通じて所望の静電潜像箇所へ輸送され、帯電部材3により帯電された感光体表面の電荷を打ち消すことで、当該静電潜像箇所が所望の電位となる。しかしながら、水分を含んで電気抵抗値が下がったフィルミング部分が当該静電潜像箇所に存在すると、電荷輸送層を通じて輸送されてきた電荷が当該フィルミング部分内で拡散するなどして、所望の静電潜像箇所へ輸送されず、当該静電潜像箇所が所望の電位とならない。このように静電潜像箇所が所望の電位を保持できなくなると、その静電潜像箇所にトナーが付着せず、白抜け画像が形成されるなどの画質劣化を引き起こす。このようなフィルミングによる画質劣化は、特にハーフトーン画像を形成したときに顕在化する。
本実施形態で用いるフィルミングカウンタは、画像形成動作の動作時間に相関関係のあるパラメータ値として感光体2の走行距離を用い、これに基づく動作指標値を累積して得られる累積動作指標値をカウントするものである。感光体2の表面に付着するフィルミングの量は、おおよそ画像形成動作の動作時間に比例して増大するので、この累積動作指標値であるフィルミングカウンタのカウント値Fから感光体2の表面に付着しているフィルミング量を推定することが可能である。
図6は、画像面積率に応じた補正係数の一例を示す表である。
図7は、図5及び図6に示す表をまとめた補正係数の表である。
図8は、フィルミングカウンタのカウント値の変動の一例を示す表である。
図9は、図8に示す表をグラフ化したものである。
本実施形態においては、感光体2の走行距離1kmごとのタイミングを所定の計測タイミングとし、このタイミングに達した後に新たな画像形成動作の指示が無くなって画像形成ジョブを終了するときに、温度センサ601の検知結果に基づく環境区分及び画像データに基づく画像面積率区分に対応した補正係数Ai×Bjと感光体走行距離とからフィルミングカウンタをカウントする(S1)。各タイミングでの環境区分は、例えば、前回のタイミングから今回のタイミングまでの期間に定期又は不定期に測定した温度センサ601の検知結果をメモリに蓄積しておき、その平均温度から図5に示す表に従って環境区分を特定する。また、各タイミングでの画像面積率区分は、例えば、前回のタイミングから今回のタイミングまでの期間に形成した画像データから、その期間中に形成した画像の画像面積率の平均値を算出し、その平均値から図6に示す表に従って画像面積率区分を特定する。
本効果確認試験においては、リコー社製MPC3503を用い、画像面積率5%相当のチャートを、図8に示した例に従った温度環境変化及び画像面積率変化の中で画像形成し、感光体走行距離5kmごとにハーフトーン画像を出力して、フィルミングによる画質劣化(白抜け)を評価した。この評価では、ハーフトーン画像上での白抜けが確認できない場合を「◎」とし、ハーフトーン画像上での白抜けは確認されたが、その数が非常に少ない場合を「○」とし、ハーフトーン画像上での白抜けが目立つ場合を「×」とした。
実施例2は、閾値を0.9とし、フィルミングカウンタのカウント値Fがこの閾値を超えたときにクリーニング抑制処理を実行したものである。
比較例1は、閾値を1.0とし、フィルミングカウンタのカウント値Fがこの閾値を超えたときにクリーニング抑制処理を実行したものである。
次に、本実施形態におけるフィルミング抑制処理の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
上述した実施形態のフィルミング抑制処理では、主走査方向に長尺な帯状のトナーパターンを用いて、クリーニング箇所の主走査方向全域にわたってほぼ同量のトナーを供給する。しかしながら、クリーニング箇所に滞留するトナーの量は、通常、形成画像における主走査方向のトナー量分布に応じて異なるものとなる。すなわち、画像面積率が同じ画像であっても、その主走査方向におけるトナー量分布に応じて、クリーニング箇所における主走査方向各部に入力されるトナー量は変わってくる。そのため、画像全体の画像面積率からはフィルミング抑制処理(トナーパターンの形成)が必要ないと判断されるケースでも、滞留するトナー量が相対的に少ない主走査方向部分で局所的にフィルミング量が増大していてフィルミング抑制処理が必要な場合がある。
本変形例1においては、1枚の画像形成ごとのタイミングを所定の計測タイミングとし、その画像データを取得するとともに温度センサ601から温度データを取得する(S11)。そして、制御部600は、画像データからブロックごとの画像面積率を取得して、ブロックごとに画像面積率区分を特定するとともに、温度センサ601の検知結果から環境区分を特定し、これらの区分に対応した補正係数Ai×Bjと感光体走行距離とから、各ブロックのフィルミングカウンタのカウント値F1〜FNをカウントする(S12)。
図13においては、図中上側から順に1枚目から4枚目の画像(黒い塗り潰し部分が画像部分である。)が図示されており、各画像の図中右側には、主走査方向ブロックごとのフィルミングカウント値が示されている。なお、ここでは、説明を簡略化するため、主走査方向ブロックは、画像を主走査方向に3分割し、図中左側から順に、ブロック1、ブロック2、ブロック3とする。また、説明を簡略化するため、フィルミングカウント値を自然数で表し、閾値を「10」とする。
次に、本実施形態におけるフィルミング抑制処理の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2のフィルミング抑制処理の基本的な動作は、前記変形例1と同様であるが、フィルミング抑制処理の実行時にクリーニング箇所へ供給する目標のトナー供給量が変動値である点で、前記変形例1と相違する。
なお、画像の例やフィルミングカウント値等の条件は、図13に示したものと同様である。
次に、本実施形態におけるフィルミング抑制処理の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
本変形例3のフィルミング抑制処理の基本的な動作は、前記変形例1と同様であるが、フィルミング抑制処理により形成するトナーパターンを画像形成ジョブ中の画像間における非画像領域に形成するのではなく、画像形成ジョブ間における非画像領域、すなわち、先の画像形成ジョブの最後の画像と後の画像形成ジョブの最初の画像との間における非画像領域に形成する点で、前記変形例1と相違する。
本変形例3においては、1枚の画像形成ごとのタイミングを所定の計測タイミングとし、その画像データを取得するとともに温度センサ601から温度データを取得する(S21)。その後、制御部600は、各ブロックのフィルミングカウンタのカウント値F1〜FNをカウントするとともに(S22)、当該画像データに基づく画像形成を行う(S23)。このようにして、制御部600は、画像形成ジョブが終了するまでの間(S24)、フィルミングカウンタのカウント値F1〜FNをカウントする。
なお、第1の画像形成ジョブにおける画像内容は、前記変形例1の画像内容と同じである。
次に、本実施形態におけるフィルミング抑制処理の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
本変形例4のフィルミング抑制処理の基本的な動作は、前記変形例3と同様であるが、フィルミング抑制処理の実行時にクリーニング箇所へ供給する目標のトナー供給量が変動値である点で、前記変形例3と相違する。
なお、画像の例やフィルミングカウント値等の条件は、図16に示したものと同様である。
本実施形態のトナーは、トナー母体粒子と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記外添剤としては、少なくとも合着粒子を含有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記合着粒子は、一次粒子同士が合着されてなる非球形の二次粒子である。
なお、前記外添剤は、少なくとも前記合着粒子(二次粒子)を含めばよく、前記合着粒子(二次粒子)の他に、前記合着粒子の一次粒子の状態のものを含有させてもよい。
前記一次粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリカが、トナー母体粒子への外添剤の埋没及び離脱を防ぐことができる点で好ましい。
前記二次粒子とは、上述のとおり、即ち合着粒子を指す。
前記二次粒子としては、例えば、前記一次粒子を後述する処理剤により化学結合させ、二次凝集させた粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゾルゲルシリカが好ましい。
前記合着度(G)は、前記合着粒子(二次粒子)の体積平均粒子径と、前記合着粒子に含まれる一次粒子の体積平均粒子径との比(二次粒子の体積平均粒子径/一次粒子の体積平均粒子径)で表され、各体積平均粒子径は、上述の方法により測定されて算出される。
前記合着粒子の粒度分布指標として、下記式(1)を満たす粒子を用いることにより、特に、トナーにおけるフィルミング性の問題を解決することができる。前記合着粒子として、下記式(1)で表されるように、粒度分布がシャープな粒子を用いることにより、特に、フィルミング性に優れるトナーとすることができる。
前記合着粒子の形状としては、粒子同士が合着されてなる非球形の形状を有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図18〜図19に示すように、粒子同士が2個以上合着されてなる非球形の形状などが挙げられる。前記合着粒子を用いることにより、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されるなどトナーに負荷が与えられた場合においても外添剤の埋没や転動が抑制されることで経時での高転写率を維持することが可能となる。また、前記合着粒子は、一定の攪拌条件下においても、粒子同士の凝集力(合着力)が維持されるため、トナーの耐久性が高い。
前記合着粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゾルゲル法により製造する方法が好ましく、具体的には、前記一次粒子と、下記に説明する処理剤とを混合乃至焼成することにより化学結合させて二次凝集させ、前記二次粒子(合着粒子)とすることにより製造する方法が好ましい。なお、前記ゾルゲル法により合成する際には、前記処理剤を共存させて、一段反応にて合着粒子を調製してもよい。
前記処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系処理剤、エポキシ系処理剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記一次粒子として、シリカを用いた場合には、前記シラン系処理剤が形成するSi−O−Si結合の方が、前記エポキシ系処理剤が形成するSi−O−C結合よりも、熱に対して安定である点で、シラン系処理剤が好ましい。また、必要に応じて、処理助剤(水、1質量%酢酸水溶液等)を使用してもよい。
前記シラン系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシシラン類(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等);シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン等);ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、N,N'−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ヘキサメチルジシラザン、サイクリックシラザンの混合物などが挙げられる。
前記シラン系処理剤として、前記アルコキシシラン類、前記シラン系カップリング剤等を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、下記式(A)に示すように、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とシラン系処理剤に結合するアルコキシ基が反応し、脱アルコールにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、前記クロロシラン類のクロル基と、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とが脱塩化水素反応により、新たなSi−O−Si結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。また、前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、系に水が共存する際には、まずクロロシラン類が水に加水分解してシラノール基を生成し、該シラノール基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、シラザン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、アミノ基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱アンモニアすることにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記エポキシ系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と前記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂及び前記変性のポリエステル樹脂は、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上する点で、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。このため、変性ポリエステル樹脂及び未変性ポリエステル樹脂は、類似の組成であることが好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂等の未変性のポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記未変性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化することにより合成する方法などが挙げられる。
ただし、前記一般式(2)中、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、nは、2〜4の整数を表す。
前記一般式(1)で表されるポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「活性水素基含有化合物」及び「前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」を、伸長反応乃至架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。
前記「活性水素基含有化合物」は、水相中で、前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」が伸長反応乃至架橋反応する際の伸長剤、架橋剤等として作用する化合物であって、活性水素基を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」が後述するイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合、高分子量化が可能となる点で、アミン類が好ましい。
前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」としては、前記「活性水素基含有化合物」と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶融時の高流動性及び透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節し易く、低温定着性及び離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称する)がより好ましい。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物、前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等のジオール;多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール;ジオールと3価以上のポリオールとの混合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリオールは、前記ジオール単独、前記ジオールと少量の前記3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。前記ジオールとしては、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物等)が好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等);3価以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸等)、ジカルボン酸と3価以上のポリカルボン酸との混合物などが挙げられ、これらのポリカルボン酸から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いてもよい。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。前記ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類(トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等);これらのフェノール誘導体;オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記変性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を含むトナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物と共に、水系媒体(水相)中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよく、(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよく、(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよい。なお、(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。前記伸長反応乃至架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。本発明のトナーは、前記架橋反応乃至伸長反応したポリエステル樹脂が共存しているので、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な耐熱保存性を示す。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。前記含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)におけるウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料、顔料等、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントレッド、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、層状無機鉱物、磁性材料、クリーニング性向上剤、流動性向上剤、帯電制御剤などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。これらの中でも、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる点で、融点が50℃〜120℃のワックスが好ましい。
前記変性層状無機鉱物としては、数nmの厚みの層が積層された無機鉱物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーを造粒する際に異形化でき、電荷調節機能を果たすと共に、低温定着に優れる点で、変性層状無機鉱物が好ましく、モンモリロナイト系の基本結晶構造を持つ層状無機鉱物を有機カチオンで変性させた変性層状無機鉱物がより好ましく、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができる点で、有機変性モンモリロナイト、ベントナイトが特に好ましい。
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記クリーニング性向上剤としては、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を抑制するためにトナーに添加される剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、0.01μm〜1μmがより好ましい。
流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。なお、前記流動性向上剤を、シリカ、酸化チタン等により表面処理してもよく、この場合、疎水性シリカ、疎水性酸化チタン等として使用することが好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系化合物などが挙げられる。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法により製造する方法、重合法により製造する方法などが挙げられる。これらの中でも、トナーを小粒径化することができる点で、重合法により製造する方法が好ましい。
前記粉砕法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料を溶融乃至混練し、粉砕乃至分級することによりトナー母体粒子を製造する方法などが挙げられる。なお、前記トナーの平均円形度を0.97〜1.0にする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、該機械的衝撃力を与える方法としては、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いる方法などが挙げられる。また、このようにして製造されたトナー母体粒子に対し、外添剤で処理することにより、本発明のトナーが得られる。
前記重合法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁重合法、溶解懸濁重合法、乳化重合凝集法などが挙げられる。これらの中でも、乳化重合凝集法が好ましく、溶解懸濁法がより好ましい。
前記乳化重合凝集法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、凝集工程、融合工程、洗浄乃至乾燥工程、及び外添処理工程を含むことが好ましく、具体的には、トナー組成物又はトナー組成物前駆体を含む油相を、水相(水系媒体)に分散乃至乳化して造粒することによりトナー母体粒子を製造する方法などが挙げられる。また、このようにして製造されたトナー母体粒子に対し、外添剤で処理することにより、本発明のトナーが得られる。
前記凝集工程は、乳化重合させて調製した樹脂粒子分散液、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物、及び着色剤分散液、必要に応じて離型剤分散液を混合し、凝集粒子分散液を調製する工程である。前記凝集粒子分散液中の凝集粒子は、ヘテロ凝集により凝集されている。前記凝集粒子の安定化、及び粒径/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物を添加することができる。
前記融合工程は、前記凝集粒子分散液を加熱融合して前記トナー母体粒子を形成する工程である。前記融合工程の前段で、凝集粒子分散液にその他の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子の表面に微粒子を均一に付着して付着粒子を形成する付着工程を設けることができる。また、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の付着を強固なものにするために、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を付着させ、その他の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子の表面に微粒子を均一に付着して付着粒子を形成する付着工程を設けることができる。これらの付着粒子はヘテロ凝集等により形成される。この付着粒子分散液も前記と同様に樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合し、融合粒子を形成する。前記融合粒子は、水系媒体中に着色融合粒子分散液として存在しており、これを洗浄工程において水系媒体から融合粒子を取り出すのと同時に、前記各工程において混入した不純物等を抑制乃至乾燥し、粉体としてのトナーを得る。
前記洗浄工程は、前記融合粒子に対して、酸性又は塩基性の水を数倍量加えて攪拌した後、ろ過して得られた固形分に対して、酸性又は塩基性の水を数倍量加えて攪拌した後、ろ過を行う。これを数回繰り返し、ろ液のpHが約7になるまで繰り返し、着色されたトナーを得る。
前記乾燥工程は、前記洗浄工程で得たトナーをガラス転移点未満の温度で乾燥する。この時、必要に応じて乾燥空気を循環させてもよいし、真空条件下で加熱してもよい。
前記溶解懸濁法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系造粒により製造する方法が好ましく、油相調製工程、水相調製工程、乳化乃至分散工程、溶剤抑制工程、洗浄乃至乾燥工程、及び外添剤処理工程を含むことにより製造する方法がより好ましい。
前記油相調製工程は、少なくとも前記結着樹脂、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、有機溶剤に溶解乃至分散させて油相(トナー材料の溶解乃至分散液)を調製する工程である。また、前記トナー材料における前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体以外の成分は、後述する水相の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解乃至分散液と共に水系媒体に添加してもよい。前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶剤抑制が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶剤が好ましい。前記沸点が150℃未満の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルが好ましい。前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対し40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が特に好ましい。
前記水相調製工程は、水相(水系媒体)を調製する工程である。前記水相としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。前記混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ(登録商標)等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記乳化乃至分散工程は、前記油相を、前記水相中に分散させて乳化乃至分散物を得る工程である。前記トナー材料は、必ずしも、前記水相中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよく、例えば、前記着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。前記トナー材料100質量部に対する水相の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、経済的でないことがある。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記溶剤抑制工程は、前記乳化乃至分散物(乳化スラリー等の分散液)から有機溶剤を抑制する工程である。前記有機溶剤を抑制する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて油滴中の有機溶剤を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気(空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体)中に噴霧(スプレードライヤー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等)して油滴中の有機溶剤を抑制する方法などが挙げられる。この方法により短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。前記有機溶剤が抑制されると、トナー母体粒子が形成される。
前記洗浄乃至乾燥工程は、前記トナー母体粒子を洗浄乃至乾燥する工程である。前記トナー母体粒子は、更に分級等を行ってもよい。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。なお、得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び微粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子又は粗粒子は、ウェット状態でも構わない。
前記外添剤処理工程は、乾燥後の前記トナー母体粒子と、本発明において規定する特定のパラメータを満たす前記合着粒子を含有する前記外添剤とを混合して処理する工程である。前記トナー母体粒子と、前記外添剤とを混合することにより、本発明のトナーが得られる。前記混合に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)が好ましい。なお、前記トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離することを抑制するために、機械的衝撃力を印加してもよい。前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
前記トナーにおける質量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。前記比(Dw/Dn)が1.00未満であると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下やクリーニング性の悪化につながり易く、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。前記比(Dw/Dn)が1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記現像剤は、少なくとも本発明のトナー、及び前記キャリアを含む。なお、前記現像剤が、2成分系現像剤である場合には、本発明のトナーとキャリアとを混合して用いればよく、1成分系現像剤である場合には、本発明のトナーを1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとして用いればよい。
前記キャリアは、磁性を有する芯粒子、及び該芯粒子を被覆する被覆樹脂を含み、更に必要に応じて導電性微粉末、シランカップリング剤等を含む。前記キャリア及び前記キャリアの骨格となる芯粒子の粒子径の選定が重要である。
前記芯粒子としては、前記キャリアに1,000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときに、磁化量が40emu/g以上となる芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、MnZn系フェライト、CuZn系フェライト、NiZn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。前記芯粒子は、磁性材料の破砕物粒子を、フェライト、マグネタイト等の芯粒子を用いる場合には、焼成前の一次造粒品を分級し、焼成した粒子を、分級処理により異なる粒度分布をもつ粒子粉体に分級した後、複数の粒子粉体を混合することで得ることができる。
前記被覆樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記芯粒子の表面に被覆層を形成することにより製造する方法などが挙げられる。前記芯粒子の表面に被覆層を形成するための方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライ法、浸漬法、パウダーコーティング法などが挙げられるが、均一な被覆層の形成に有効な点で、流動層型コーティング装置を用いる方法が好ましい。
(態様A)
表面移動する感光体2等の潜像担持体の表面を帯電部材3等の帯電手段により一様に帯電させた後に露光装置6等の静電潜像形成手段により画像情報に応じた静電潜像を形成し、現像装置4等の現像手段を用いてトナーにより該静電潜像を現像してトナー像とした後、一次転写ローラ8等の転写手段を用いて該トナー像を中間転写体を介して又は直接に記録材上に転写して画像形成を行うとともに、前記潜像担持体の表面を摺擦するブレード部材5A等のクリーニング部材を有する感光体クリーニング装置5等のクリーニング手段により該潜像担持体の表面上の転写残トナー等の不要物を抑制する画像形成装置において、前記潜像担持体の表面上のフィルミング量を示すフィルミングカウント値F等のフィルミング指標値を計測する制御部600等のフィルミング指標値計測手段と、前記潜像担持体の表面上にトナーを付着させる帯電部材3、露光装置6、現像装置4等のトナー付着手段と、前記フィルミング指標値計測手段が計測したフィルミング指標値が所定の閾値を超えたら、前記トナー付着手段を制御して、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にトナーを付着させ、前記潜像担持体の表面と前記クリーニング部材との摺擦箇所(クリーニング箇所)へ所定量のトナーを供給する制御部600等の制御手段とを有することを特徴とする。
潜像担持体表面上のフィルミング抑制には、クリーニング部材と潜像担持体表面との摺擦箇所(クリーニング箇所)に滞留するトナーによって潜像担持体表面上のフィルミングあるいはフィルミングの原因物質(トナーの添加剤等)を掻き取ることが効果的である。本態様によれば、潜像担持体の表面上のフィルミング量を示すフィルミング指標値が所定の閾値を超えたら、トナー付着手段を制御して潜像担持体の表面上にトナーを付着させ、当該摺擦箇所へ所定量のトナーを供給する。フィルミング量とそのフィルミングに起因した画質劣化が発生する時期との間にはある程度の相関関係がある。よって、前記所定の閾値を適切に設定することで、トナー付着手段によりトナー供給を行わないままではフィルミングに起因した画質劣化が発生してしまう時点よりも前の適切なタイミングで、当該トナー付着手段によりトナーを潜像担持体の表面に付着させることができる。これにより、クリーニング箇所へ所定量のトナーを供給して、クリーニング箇所に滞留するトナーによる掻き取り効果が発揮され、フィルミングを減少させあるいはフィルミングの成長を抑制できる。その結果、潜像担持体の寿命を延ばすことができる。しかも、本態様において、トナー付着手段によりトナーが付着する潜像担持体表面部分は、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域に対応する。この非画像領域は、連続画像形成動作中に既存のものあることから、本態様におけるフィルミング抑制の処理動作、すなわち、この非画像領域にトナーを付着させてクリーニング部材と潜像担持体表面との摺擦箇所にトナーを供給するという処理動作であれば、その処理動作のためのダウンタイムの発生を抑制し、あるいは、ダウンタイムを発生させずに済む。
前記態様Aにおいて、前記制御手段は、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分だけでなく、該連続画像形成動作中における最終画像の直後に隣接する非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にもトナーを付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする。
これによれば、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域という限られた領域内だけではクリーニング箇所に目標量のトナーを供給できないような場合でも、目標量のトナーを供給できるようになる。
前記態様A又はBにおいて、前記制御手段は、単一画像形成動作中における当該単一画像の直後に隣接する非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にトナーを付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする。
これによれば、単一画像形成動作の際にもクリーニング箇所にトナーを供給してフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記転写手段は、前記潜像担持体の表面と前記中間転写体又は前記記録材との間の一次転写領域等の転写領域に転写バイアスを印加して、該潜像担持体の表面上のトナー像を該中間転写体又は記録材へ転写するものであり、前記トナー付着手段は、前記現像手段からトナーを前記潜像担持体の表面上に付着させるものであり、前記制御手段は、前記潜像担持体の前記表面部分に付着させたトナーが前記転写領域を通過する期間の少なくとも一部の期間に、前記潜像担持体の表面上のトナー像を転写するときの転写バイアスよりも小さい転写バイアスを印加するか、転写バイアスを印加しないように、前記転写手段を制御することを特徴とする。
これによれば、トナー付着手段により付着させたトナーが転写領域を通過する際に転写バイアスの作用で潜像担持体表面上から除外されてしまう量を少なくできる。よって、トナー付着手段により付着させたトナーを効率よくクリーニング箇所に供給することができる。
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記画像情報に基づき、潜像担持体表面移動方向に対して直交する幅方向(主走査方向)に予め設定された複数の処理単位領域(ブロック)ごとのトナー付着量を示す画像面積率等のトナー付着量指標値を取得する制御部600等のトナー付着量指標値取得手段を有し、前記フィルミング指標値計測手段は、前記トナー付着量指標値取得手段が取得する前記処理単位領域ごとのトナー付着量指標値から該処理単位領域ごとに前記フィルミング指標値を計測し、前記制御手段は、前記フィルミング指標値計測手段が計測したフィルミング指標値が所定の閾値を超えた処理単位領域に対応する幅方向位置の潜像担持体表面上にトナーを選択的に付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする。
これによれば、クリーニング箇所に滞留するトナー量について主走査方向にムラがある場合、クリーニング箇所に滞留するトナー量が相対的に少ない部分でフィルミングが局所的に生じやすい。このような場合でも、クリーニング箇所に滞留するトナー量が相対的に少ない部分に適切にトナーを供給できるので、局所的なフィルミングを適切に抑制できる。
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記制御手段は、前記トナー付着手段による単位面積当たりのトナー付着量、トナーを付着させる面積、トナーを付着させる動作時間、トナーを付着させる動作頻度のうちの少なくとも1つを制御して、前記潜像担持体の前記表面部分に目標量のトナーを付着させることを特徴とする。
これによれば、適切な量のトナーをクリーニング箇所へ供給することができる。
前記態様Fにおいて、前記目標量は、前記摺擦箇所へトナー供給すべき前記所定量に基づいて算出されることを特徴とする。
これによれば、転写領域を通過する際の転写率などを考慮して適切な量のトナーをクリーニング箇所へ供給することができる。
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記フィルミング指標値計測手段は、前記フィルミング指標値を計測するタイミングよりも前の直近期間等の所定期間内における画像形成動作の動作時間若しくは前記潜像担持体の表面移動距離又はこれらに相関関係のある相関値を累積した値に応じて、前記フィルミング指標値を計測することを特徴とする。
これによれば、フィルミングに影響のある直近の期間内についてのフィルミング指標値に基づいてトナー付着手段を制御することができるので、より適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様Hにおいて、画像形成装置内部の温度又は湿度の少なくとも一方の環境情報を検出する温度センサ601や湿度センサ等の環境情報検出手段を有し、前記フィルミング指標値計測手段は、前記環境情報検出手段が検出した環境情報に応じて、前記所定期間を変更することを特徴とする。
これによれば、より適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Iのいずれかの態様において、画像形成装置内部の温度又は湿度の少なくとも一方の環境情報を検出する温度センサ601や湿度センサ等の環境情報検出手段を有し、前記フィルミング指標値計測手段は、前記環境情報検出手段が検出した環境情報に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
これによれば、より適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Jのいずれかの態様において、前記フィルミング指標値計測手段は、画像形成動作により前記摺擦箇所へ入力されるトナーの量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
これによれば、より適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Kのいずれかの態様において、前記フィルミング指標値計測手段は、画像形成動作の単位時間あたり又は潜像担持体表面移動距離の単位距離あたりに前記摺擦箇所へ入力されるトナー量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
これによれば、クリーニング箇所へのトナー入力速度を考慮して、適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Lのいずれかの態様において、前記潜像担持体は、前記中間転写体又は前記記録材の搬送方向に沿って複数並べられており、前記フィルミング指標値計測手段は、前記搬送方向の下流側に位置する下流側潜像担持体については、該下流側潜像担持体よりも該搬送方向の上流側に位置する上流側潜像担持体から前記中間転写体又は前記記録材に転写されて該下流側潜像担持体へ逆転写されるトナーの量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
これによれば、クリーニング箇所へ入力される逆転写トナーの量を考慮して、適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Mのいずれかの態様において、前記潜像担持体は、前記中間転写体又は前記記録材の搬送方向に沿って複数並べられており、前記フィルミング指標値計測手段は、潜像担持体ごとに異なる条件で、各潜像担持体についての前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
潜像担持体ごとに異なるフィルミングの特性を考慮して、それぞれの潜像担持体に対して適切にフィルミングを抑制することができる。
前記態様A〜Nのいずれかの態様において、前記クリーニング部材は、互いに永久伸びの値が異なる材質からなる複数の層によって構成される積層構造のブレード部材と、該ブレード部材の一端を保持する保持部材とから構成されており、前記クリーニング手段は、前記ブレード部材の他端の先端稜線部であるエッジ部を前記潜像担持体の表面に当接させて該潜像担持体の表面上の不要物を抑制するものであり、前記ブレード部材を前記潜像担持体に当接させた状態で所定の方法で測定する線圧低下率が90[%]以上であることを特徴とする。
これによれば、長期にわたって安定してブレード部材によるフィルミング抑制性能を維持することができる。
前記態様Oにおいて、前記ブレード部材の複数の層のうち前記エッジ部を備えるエッジ層は、他の層に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されることを特徴とする。
これによれば、より高いフィルミング抑制性能を得ることができる。
前記態様O又はPにおいて、前記ブレード部材の複数の層のうち前記エッジ部を備えるエッジ層を形成する材料の、23[℃]における100%モジュラスの値が6[MPa]以上12[MPa]以下であることを特徴とする。
これによれば、潜像担持体の表面に対するブレード部材の当接圧を上げることができ、より高いフィルミング抑制性能を得ることができる。
前記態様A〜Qのいずれかの態様において、前記トナーに含まれる外添剤は、少なくとも合着粒子を含有し、該合着粒子が一次粒子同士で合着されてなる非球形の二次粒子であることを特徴とする。
これによれば、外添剤がトナー母体粒子から離脱しにくく、長期間使用しても感光体の表面にフィルミングしにくい。よって、フィルミングによる画質劣化が起きにくい。
前記態様A〜Rのいずれかの態様において、前記トナーは、少なくとも結晶性ポリエステルを含有することを特徴とする。
これによれば、フィルミングしにくいので、フィルミングによる画質劣化が起きにくい。
2 感光体
3 帯電部材
4 現像装置
5 感光体クリーニング装置
5A ブレード部材
5B ブレードホルダ
5c エッジ層
5d バックアップ層
5e エッジ部
6 露光装置
7 中間転写ベルト
12 定着装置
100 プリンタ部
200 給紙部
300 スキャナ部
400 トナーボトル
500 複写機
600 制御部
601 温度センサ
Claims (19)
- 表面移動する潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させた後に静電潜像形成手段により画像情報に応じた静電潜像を形成し、現像手段を用いてトナーにより該静電潜像を現像してトナー像とした後、転写手段を用いて該トナー像を中間転写体を介して又は直接に記録材上に転写して画像形成を行うとともに、前記潜像担持体の表面を摺擦するクリーニング部材を有するクリーニング手段により該潜像担持体の表面上の不要物を抑制する画像形成装置において、
前記潜像担持体の表面上のフィルミング量を示すフィルミング指標値を計測するフィルミング指標値計測手段と、
前記潜像担持体の表面上にトナーを付着させるトナー付着手段と、
前記フィルミング指標値計測手段が計測したフィルミング指標値が所定の閾値を超えたら、前記トナー付着手段を制御して、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にトナーを付着させ、前記潜像担持体の表面と前記クリーニング部材との摺擦箇所へ所定量のトナーを供給する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、連続画像形成動作中における画像間の非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分だけでなく、該連続画像形成動作中における最終画像の直後に隣接する非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にもトナーを付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、単一画像形成動作中における当該単一画像の直後に隣接する非画像領域に対応する潜像担持体の表面部分にトナーを付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記転写手段は、前記潜像担持体の表面と前記中間転写体又は前記記録材との間の転写領域に転写バイアスを印加して、該潜像担持体の表面上のトナー像を該中間転写体又は記録材へ転写するものであり、
前記トナー付着手段は、前記現像手段からトナーを前記潜像担持体の表面上に付着させるものであり、
前記制御手段は、前記潜像担持体の前記表面部分に付着させたトナーが前記転写領域を通過する期間の少なくとも一部の期間に、前記潜像担持体の表面上のトナー像を転写するときの転写バイアスよりも小さい転写バイアスを印加するか、転写バイアスを印加しないように、前記転写手段を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像情報に基づき、潜像担持体表面移動方向に対して直交する幅方向に予め設定された複数の処理単位領域ごとのトナー付着量を示すトナー付着量指標値を取得するトナー付着量指標値取得手段を有し、
前記フィルミング指標値計測手段は、前記トナー付着量指標値取得手段が取得する前記処理単位領域ごとのトナー付着量指標値から該処理単位領域ごとに前記フィルミング指標値を計測し、
前記制御手段は、前記フィルミング指標値計測手段が計測したフィルミング指標値が所定の閾値を超えた処理単位領域に対応する幅方向位置の潜像担持体表面上にトナーを選択的に付着させるように、前記トナー付着手段を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記トナー付着手段による単位面積当たりのトナー付着量、トナーを付着させる面積、トナーを付着させる動作時間、トナーを付着させる動作頻度のうちの少なくとも1つを制御して、前記潜像担持体の前記表面部分に目標量のトナーを付着させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、
前記目標量は、前記摺擦箇所へトナー供給すべき前記所定量に基づいて算出されることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記フィルミング指標値計測手段は、前記フィルミング指標値を計測するタイミングよりも前の所定期間内における画像形成動作の動作時間若しくは前記潜像担持体の表面移動距離又はこれらに相関関係のある相関値を累積した値に応じて、前記フィルミング指標値を計測することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
画像形成装置内部の温度又は湿度の少なくとも一方の環境情報を検出する環境情報検出手段を有し、
前記フィルミング指標値計測手段は、前記環境情報検出手段が検出した環境情報に応じて、前記所定期間を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
画像形成装置内部の温度又は湿度の少なくとも一方の環境情報を検出する環境情報検出手段を有し、
前記フィルミング指標値計測手段は、前記環境情報検出手段が検出した環境情報に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記フィルミング指標値計測手段は、画像形成動作により前記摺擦箇所へ入力されるトナーの量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記フィルミング指標値計測手段は、画像形成動作の単位時間あたり又は潜像担持体表面移動距離の単位距離あたりに前記摺擦箇所へ入力されるトナー量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記潜像担持体は、前記中間転写体又は前記記録材の搬送方向に沿って複数並べられており、
前記フィルミング指標値計測手段は、前記搬送方向の下流側に位置する下流側潜像担持体については、該下流側潜像担持体よりも該搬送方向の上流側に位置する上流側潜像担持体から前記中間転写体又は前記記録材に転写されて該下流側潜像担持体へ逆転写されるトナーの量に応じて、前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記潜像担持体は、前記中間転写体又は前記記録材の搬送方向に沿って複数並べられており、
前記フィルミング指標値計測手段は、潜像担持体ごとに異なる条件で、各潜像担持体についての前記フィルミング指標値を計測するか又は前記所定の閾値を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング部材は、互いに永久伸びの値が異なる材質からなる複数の層によって構成される積層構造のブレード部材と、該ブレード部材の一端を保持する保持部材とから構成されており、
前記クリーニング手段は、前記ブレード部材の他端の先端稜線部であるエッジ部を前記潜像担持体の表面に当接させて該潜像担持体の表面上の不要物を抑制するものであり、
前記ブレード部材を前記潜像担持体に当接させた状態で所定の方法で測定する線圧低下率が90[%]以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15に記載の画像形成装置において、
前記ブレード部材の複数の層のうち前記エッジ部を備えるエッジ層は、他の層に比べて永久伸びの値が大きい材質によって形成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15又は16に記載の画像形成装置において、
前記ブレード部材の複数の層のうち前記エッジ部を備えるエッジ層を形成する材料の、23[℃]における100%モジュラスの値が6[MPa]以上12[MPa]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナーに含まれる外添剤は、少なくとも合着粒子を含有し、該合着粒子が一次粒子同士で合着されてなる非球形の二次粒子であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナーは、少なくとも結晶性ポリエステルを含有することを特徴とする画像形成装置。
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