JP2015212713A - 磁気センサ - Google Patents

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曜 山縣
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Takeshi Tanaka
健 田中
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Norihiko Mikoshiba
憲彦 御子柴
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Abstract

【課題】少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる磁気センサを提供すること。
【解決手段】磁気センサの1実施態様は、直交する3軸の磁気を検出する磁気センサで、第1の軸方向の磁場成分を検知する感磁材を有する磁気検知部50a又は50bと、第1の軸方向に直交する第2の軸方向の磁場成分と、第1及び第2の軸方向のいずれにも直交する第3の軸方向の磁場成分とを第1の軸方向の磁場成分に変換する磁場方向変換部60a,60bとを備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、磁気センサに関し、より詳細には、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる磁気センサに関する。
一般的に、磁気の有無を検出する巨大磁気抵抗(Giant Magnet Resistance;GMR)素子は広く知られている。磁場をかけると電気抵抗率が増加する現象を磁気抵抗効果というが、一般の物質では、変化率は数%であるが、このGMR素子では数10%に達することから、ハードディスクのヘッドに広く用いられている。
図1は、従来のGMR素子の動作原理を説明するための斜視図で、図2は、図1の部分断面図である。図中符号1は反強磁性層、2はピンド層(固定層)、3はCu層(スペーサ層)、4はフリー層(自由回転層)を示している。磁性材料の磁化の向きで電子のスピン散乱が変わり抵抗が変化する。つまり、ΔR=(RAP−R)/R(RAP;上下の磁化の向きが反平行のとき、R;上下の磁化の向きが反平行のとき)で表される。
固定層2の磁気モーメントは、反強磁性層1との磁気結合により方向が固定されている。漏れ磁場により磁化自由回転層4の磁気モーメントの方向が変化すると、Cu層3を流れる電流が変化し、漏れ磁場の変化が読み取れる。
図3は、従来のGMR素子の積層構造を説明するための構成図で、図中符号11は絶縁膜、12はフリー層(自由回転層)、13は導電層、14はピンド層(固定層)、15は反強磁性層、16は絶縁膜を示している。フリー層(自由回転層)12は、自由に磁化の向きが回転する層で、NiFe又はCoFe/NiFeから構成され、導電層13は、電流を流し、スピン散乱が起きる層で、Cuから構成され、ピンド層(固定層)14は、磁化の向きが一定方向に固定された層で、CoFe又はCoFe/Ru/CoFeから構成され、反強磁性層15は、ピンド層14の磁化の向きを固定するための層で、PtMn又はIrMnから構成され、絶縁膜11,16は、TaやCr、NiFeCr、AlOから構成されている。また、ピンド層14は、反強磁性層を用いずにセルフバイアス構造を用いても良い。
図4は、従来のGMR素子のパターン形状を説明するための平面図である。GMR素子は、ピンド層14の磁化の向きの方向に、感度軸を有している。無磁場のとき、GMR素子のフリー層の磁化の向きは、GMR素子の長手方向を向いており、感度軸の方向から磁場が入力されると、それに応じて、フリー層の磁化の向きが変化して、GMR素子の抵抗が変化する。
近年、携帯電話などに広く用いられる電子コンパスは、地磁気を、直交する3軸成分の磁気信号に分解して出力する磁気センサを備えており、この磁気センサから得られる3つの出力信号を演算することで、地磁気の方向を正確に求めている。
ここで、地磁気を、直交する3軸成分の磁気信号に分解して出力する磁気センサは、例えば、特許文献1に記載のものが提案されている。これは、基板表面に平行で互いに直交するように設定した2軸(X,Y軸)方向で地磁気成分を検知する2軸磁気センサ部と、2軸磁気センサ部上に配置され前記2軸を含む面に対して垂直方向(Z軸)の磁界を集める磁気収束板とを備えており、磁気抵抗素子上にコイルを形成し、コイルに電流を流して発生する磁場で磁化の向きを制御し、磁気収束板で磁場方向変換させて、同一基板でX,Y,Zの磁場を検知するものである。
また、携帯電話などに広く用いられている開閉検出や回転検出は、例えば、特許文献2に記載のものが提案されており、磁気センサと磁石を用いて、ヒンジ機構を非磁性材料にすることで、磁気センサの誤検出を防ぐものである。
また、例えば、特許文献3に記載のものは、GMR素子を用いた磁気記録システムに関するもので、自由強磁性体層の静磁気結合が最小となるよう改良された固定強磁性体層を有するスピン・バルブ磁気抵抗(MR)センサで、自由強磁性体層と固定強磁性体層とを有する積層構造が記載されている。
また、3次元の磁場ベクトルを検知する地磁気センサとして、ホール素子を用いた磁気センサが提案されている。この種のホール素子は、素子面に垂直な方向の磁場を検出でき、素子を平面に配置した場合はZ方向の磁場を検出することができる。例えば、特許文献4では、円形の磁気収束板の下部に対称中心に対し、上下、左右に十字形状のホール素子が配置されており、水平方向の磁場が磁気収束板の端でZ軸方向に変換されることを利用して、ホール素子の感磁方向であるZ方向だけでなく、水平方向の磁場を検出することで同一基板上におけるX、Y、Z軸方向の磁場を検知できることが示されている。
また、例えば、特許文献5に記載のものは、単一の基板上に3次元方向に交差するように配置された磁気抵抗効果素子を有する磁気センサに関するもので、ピンド層とフリー層とを含んでなる磁気抵抗素子を用いた磁気センサである。そして、特許文献5には、磁気センサの表面に垂直な方向の磁場を測定する高感度の磁気センサが記載されており、水平方向の磁場を検出する磁気抵抗素子を用いて、斜め斜面上に形成することで、本来検知出来ない垂直方向に掛かるZ磁場をベクトル分解することで、同一基板でX、Y、Zの磁場を検知出来ることが提案されている。
また、例えば、特許文献6に記載のものは、GMRチップ上に対して一本の折れ線状をなすパターンにて形成されたGMR素子である。
特開2006−3116号公報 特開2006−10461号公報 特開平7−169026号公報 特開2002−71381号公報 特開2004−6752号公報 特開2003−282996号公報
しかしながら、これまでの常識に捉われず、発想を転換して考えてみると、直交する3軸の磁気信号を分離することなく、混在したまま出力する磁気センサは、磁場の方向を特定することに限らず、任意の方向の磁場に反応することができるので、磁気に応答する多くの用途において有用であるということに発明者らは気付いた。
ある特定方向に磁気を発生する用途、例えば、導体に流れる電流により発生する磁場を、1軸方向にのみ感度軸をもつ磁気センサで検出する場合、電流の発生する磁場の向きに磁気センサの感度軸が揃うように磁気センサを配置すると、高感度に、電流の大きさに比例した出力信号が得られる。しかし、導体と磁気センサの取り付け位置に制約があり、電流により発生する磁場の向きに磁気センサの感度軸が揃うように配置できない場合、任意の方向の磁場に反応する磁気センサであれば、磁気センサの取り付け方に感度が依存することが低減され、電流の大きさに比例した出力信号が得られる。よって、このような磁気センサは、機器の設計の自由度を広げることができる。
上述した特許文献2においては、磁気センサが1軸方向の磁場を検知するものであるため、磁石の発生する磁場の向きに磁気センサの感度軸が揃うように、磁気センサが配置されなければならない。つまり、従来の磁気センサは、各々の磁石のつくる磁場の向きに感磁方向が合うように、各々に配置されなければならないため、複数の磁気センサが必要となる。このような磁気センサは、近年にみる携帯電話等の著しい高密度化に対しては、機器の小型化や筐体内の省スペース化という観点で十分に満足するに至らなかった。
また、上述した特許文献1の磁気センサは、3軸成分に反応することができるが、コイルを用いており大型であるため、携帯機器等に実装することが困難であった。
要は、上述した特許文献1から6に記載の技術は、小型でありながら、直交する3軸の磁気に反応して3軸成分を分離することなく、混在したまま出力することができなかった。
一方、機器の小型化や筐体内の省スペース化という観点で、小型でありながら、基板に垂直な軸と平行な軸の2つの磁気、又は直交する3軸の磁気に反応して2軸成分、又は3軸成分を分離できる磁気センサも必要とされている。
図5は、従来の3チップ型の3軸磁気センサと本発明の1実施形態に係る1チップ型の3軸磁気センサの違いを示す図である。従来の3チップ型の3軸磁気センサは、基板21上にX軸センサ22XとY軸センサ22YとZ軸センサ22Zと信号処理回路が搭載されていた。この3チップ型磁気センサではセンサ面積が大きくなり、小型化を図るには問題があった。そこで、小型化を図り、3軸センサ信号を同時に取得する磁気センサの開発が望まれていた。本発明の1実施形態に係る1チップ型の3軸磁気センサは、3軸センサ信号を同時に取得できるため、センサ面積が大幅に小さくなり、小型化が実現できるというものである。
つまり、磁気センシング部には、GMRやトンネル磁気抵抗効果(TMR効果;Tunnel Magneto−Resistance Effect)素子などの磁気抵抗素子が用いられている。GMRセンサは、1軸方向だけに反応する磁気抵抗である。そのため、3軸検出には3軸分の3つのダイチップが必要であった。これに対して、本発明の1実施形態に係る磁気センサは、1つのダイチップで3軸同時の検出を可能にしたものである。これによれば、同じ分解能ならばセンサ面積が1/3以下にすることができ、回転角センサや方位角センサなどに有効である。
上述のように、発明者らは、近年、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる磁気センサの必要性があることを見出した。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる磁気センサを提供することにある。
本発明の第1の態様は、第1の軸方向の磁場成分を検知する感磁材を有する磁気検知部と、前記第1の軸方向に直交する第2の軸方向の磁場成分と、前記第1及び第2の軸方向のいずれにも直交する第3の軸方向の磁場成分とを前記第1の軸方向の磁場成分に変換する磁場方向変換部と、を備えている磁気センサである。
本発明によれば、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる磁気センサを実現することができる。
従来のGMR素子の動作原理を説明するための斜視図である。 図1の部分断面図である。 従来のGMR素子の積層構造を説明するための構成図である。 従来のGMR素子のパターン形状を説明するための平面図である。 従来の3チップ型の3軸磁気センサと本発明の1実施形態に係る1チップ型の3軸磁気センサの違いを示す図である。 磁気抵抗素子を用いた磁気検出の動作原理について説明するための図である。 図6に示した磁気抵抗素子に磁気収束板を設けた場合の磁気検出を説明するための図である。 (a),(b)は、実施形態1における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。 図8(a)に示した磁気センサの動作を説明するための図である。 図8(a)に示した磁気センサの出力信号を説明するための図である。 図10に示した磁気センサの信号検出のための具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、実施形態2における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。 実施形態3における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。 実施形態4における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。 (a),(b)は、実施形態5における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 図15に示した磁気センサの動作を説明するための図である。 図15に示した磁気センサの出力信号を説明するための図である。 図15に示した磁気センサの出力信号の演算部の回路構成図である。 図17に示した磁気センサの信号検出のための具体的な回路構成図である。 実施形態9における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態10における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態9及び10を組み合わせた磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態10の磁気センサの変形形態における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 (a),(b)は、実施形態11を説明するための図である。 (a),(b)は、実施形態12における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態14における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 図26に示した磁気センサの出力信号を取り出すための配線を示す図である。 図27に示した磁気センサの信号を検出するための具体的な回路構成図である。 図26に示した磁気センサの出力信号の演算部の回路構成図である。 実施形態15における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 図30に示した磁気センサの出力信号を取り出すための配線を示す図である。 実施形態16における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態17における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。 実施形態18における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。
本発明の各実施形態について説明する前に、まず、本発明の各実施形態の磁気センサの前提となる磁気抵抗素子を用いた磁気検出の原理について説明する。
図6は、磁気抵抗素子を用いた磁気検出の動作原理について説明するための図である。図中符号31はシリコン基板、32a〜32cは磁気抵抗素子の一種であるGMR素子、33a〜33dはメタル配線を示している。なお、複数のGMR素子32a〜32cとしては、例えば、図1に示したGMR素子が用いられる。また、図中のGMR素子上の矢印はピンド層の磁化の向きを示している。なお、各実施形態の磁気センサは、GMR素子に限らず、TMR素子、AMR素子等の磁気抵抗素子で構成されてもよい。
シリコン基板31上には、複数のGMR素子32a〜32cと複数のメタル配線33a〜33dが搭載され、各GMR素子32a〜32cは、各メタル配線33a〜33dによって接続されている。複数のGMR素子32a〜32cは、平板状に、Y方向に長手方向をもった矩形を成している。図示では、GMR素子の(Z方向からみた)平面視の形状が矩形であるが、これに限定されるものではない。メタル配線33aからメタル配線33b,33cを介して、メタル配線33dに電流iを流すと、X方向の磁場Bxを複数のGMR素子32a〜32cが感知する。複数のGMR素子32a〜32cは、1軸方向にだけ反応する磁気抵抗素子であるので、ピンド層の磁化の向きがX方向の時に、X方向の磁場を感知するが、Y,Z方向の磁場には不感である。このときのGMR素子の磁気抵抗RGMRは、以下のように表される。
GMR=R+ΔRx
Rは磁場に依らない抵抗値、ΔRxはX方向の磁場Bxの大きさに応じた抵抗変化量である。
図7は、図6に示した磁気抵抗素子に磁気収束板を設けた場合の磁気検出を説明するための図である。図中符号41a〜41fは磁気収束板を示している。なお、図6と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
複数の磁気収束板41a〜41fは、複数のGMR素子32a〜32cと複数のメタル配線33a〜33dの上に形成されている。また、複数の磁気収束板41a〜41fは、Z方向に厚みをもち、Y方向に長手方向をもった直方体を成しており、Y方向に対して平行な方向に、並列に配置されている。図7では、磁気収束板は直方体を成しているが、これに限定されるものではない。
複数の磁気収束板41a〜41fの内、一部の磁気収束板41b,41d,41fは、他の一部の磁気収束板41a,41c,41eよりも、Y方向の負側に突出して配置されている。また、一部の磁気収束板41b,41d,41fは、複数のGMR素子32a〜32cの各々に、X方向の負側に近接して配置されている。このような複数の磁気収束板41a〜41fを設けることで、磁気抵抗素子に3軸方向の磁場成分を反応させることができる。検出の原理は、以下のとおりである。
先ず、X方向の磁場Bxの磁路について、磁気収束板41bとGMR素子32aとで記す。X方向の磁場Bxが、磁気収束板41bで収束されて通り、GMR素子32aをX方向の正側に向かって横切る磁路が形成される。同様に、X方向の磁場Bxは、GMR素子32b,32cを横切るので、X方向の磁場Bxを複数のGMR素子32a〜32cが感知する。そして、メタル配線33aからメタル配線33b,33cを介して、メタル配線33dに電流iを流すと、複数のGMR素子32a〜32cが感知したX方向の磁場Bxが検知される。
次に、Y方向の磁場Byの磁路について、3つの磁気収束板41c,41d,41eとGMR素子32bとで記すと、Y方向の磁場Byが、Y方向の負側に突出した磁気収束板41dから、X方向の負側に向かって、磁気収束板41cを通る磁路と、磁気収束板41dから、GMR素子32bをX方向の正側に向かって横切り、磁気収束板41eを通る磁路と、が形成される。すなわち、Y方向の磁場Byは、X方向に変換されて、GMR素子32bを横切る。同様に、Y方向の磁場Byは、X方向に変換されて、GMR素子32a、32cを横切るので、Y方向の磁場Byを複数のGMR素子32a〜32cが感知する。そして、メタル配線33aからメタル配線33b,33cを介して、メタル配線33dに電流iを流すと、複数のGMR素子32a〜32cが感知したY方向の磁場Byが検知される。
さらに、Z方向の磁場Bzの磁路について、磁気収束板41bとGMR素子32aとで記すと、Z方向の磁場Bzが、GMR素子32aをX方向の負側に向かって横切り、磁気収束板41bに収束される磁路が形成される。すなわち、Z方向の磁場Bzは、X方向に変換されて、GMR素子32aを横切る。同様に、Z方向の磁場Bzは、X方向に変換されて、GMR素子32b、32cを横切るので、Z方向の磁場Bzを複数のGMR素子32a〜32cが感知する。そして、メタル配線33aからメタル配線33b,33cを介して、メタル配線33dに電流iを流すと、複数のGMR素子32a〜32cが感知したZ方向の磁場Bzが検知される。
つまり、これらの複数の磁気収束板41a〜41fで磁場の向きを変換することでX,Y,Z方向の磁場を感知することができる。このときのGMR素子の磁気抵抗RGMRは、図7のGMR素子32a〜32cでは以下のように表される。
GMR=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz
Rは磁場に依らない抵抗値(又は磁場の無いときの抵抗値)、ΔRxはX方向の磁場Bxの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRyはY方向の磁場Byの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRzはZ方向の磁場Bzの大きさに応じた抵抗変化量である。ΔRzだけ符号が異なるのは、Z方向の磁場Bzの場合、複数のGMR素子32a〜32cを横切るX方向に変換された磁場が、X方向の負側を向いているためである。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
以下の詳細な説明では、本発明の実施例の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施例が実施できることは明らかであろう。また、以下の実施例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施例で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
[実施形態1]
図8(a),(b)は、本発明の磁気センサの実施形態1における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図で、図8(a)は上面図(第3の軸方向でみた平面視)、図8(b)は、図8(a)のA−A線断面図である。図中符号50a及び50bは感磁材を有する磁気検知部、50cは感磁材を有する補助磁気検知部、60a及び60bは第1及び第2の磁気収束部(磁場方向変換部)、71は第1の仮想平面、72は第2の仮想平面、70は基板平面、161b及び162bは端点を示している。
実施形態1の磁気センサは、第1の軸方向(X軸)の磁場成分を検知する感磁材を有する磁気検知部50a又は50bと、第1の軸方向に直交する第2の軸方向(Y軸)の磁場成分と、第1及び第2の軸方向のいずれにも直交する第3の軸方向(Z軸)の磁場成分とを第1の軸方向の磁場成分に変換する磁場方向変換部60a,60bとを備え、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したまま出力する磁気センサである。
磁場方向変換部60a,60bは、基板上に互いに略平行となるように配置された第1及び第2の磁気収束部60a及び60bで構成される。そして、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bと磁気検知部50a又は50bが有する感磁材とで構成される配置パターンにおいて、磁気検知部50a又は50bが有する感磁材は、基板を平面視したときに、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bとの間に配置されている。
また、実施形態1の磁気センサは、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と同じ構造の感磁材を有する補助磁気検知部50cを備え、この補助磁気検知部50cが有する感磁材が、第1から第3の軸方向の磁場成分に対して不感となるように配置されている。つまり、第2の磁気収束部60bが、平面視で、補助磁気検知部50cが有する感磁材を含む配置パターンとなっている。
つまり、複数の磁気収束部60a,60bは、基板に対して略平行でかつ互いに略平行であり、隣り合う2つの一方に対して他方が長手方向にずれて配置されている。また、複数の磁気検知部50a,50bは、複数の磁気収束部60a,60bに略平行であり、平面視で、複数の磁気収束部の隣り合う2つの磁気収束部60a,60bの間に配置されている。すなわち、複数の磁気収束部60a,60bは、平面視で、隣り合う2つの一方に対して他方が磁気検知部(磁気抵抗素子)50a,50bに平行な方向にずれて配置されている。
また、複数の磁気検知部は、平面視で、複数の磁気収束部60a,60bのうち隣り合う2つの磁気収束部60a,60bにそれぞれ寄って配置された第1及び第2の磁気検知部50a,50bを含んでいる。つまり、平面視で、複数の磁気収束部のうち少なくとも1つの隣り合う2つの磁気収束部の間において、2つの磁気検知部の一方と他方とがそれぞれ2つの磁気収束部の一方と他方とにそれぞれ寄って配置されている。隣り合う2つの磁気収束部の間において、1つの磁気検知部のみが存在する場合や磁気検知部が存在しない場合もあってよい。
また、第1の磁気検知部50aは、平面視で、複数の磁気収束部60a,60bのうち隣り合う2つの磁気収束部60a,60bの一方の磁気収束部60bよりも他方の磁気収束部60aに寄って配置され、第2の磁気検知部50bは、平面視で、他方の磁気収束部60aよりも一方の磁気収束部60bに寄って配置されていてもよい。
以下に、上述の構成で、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したまま出力することが可能なことについてより詳細に説明する。
図8のように、第1の軸方向と第2の軸方向とが、基板平面70に平行で、かつ第3の軸方向が、基板平面70に垂直である。
第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、基板平面70に略平行な第1の仮想平面71上に配置され、第3の軸方向に厚さを有し、第1の仮想平面71に重なる(交差或いは接する)磁気収束部の形状が第2の軸方向に長手方向をもった略矩形であり、各々が第2の軸方向に略平行な向きに、並列に配置されている。
また、図8では、矩形の磁気収束部の4つの角が直角になっているが、4つの角の少なくとも1つの角が丸まっていたり、面取されていたりしてもよい。また、第1の仮想平面71と重なる磁気収束部の形状は、矩形に限らず、第2の軸方向に略平行な向きに長手方向を有する四角形,平行四辺形,台形のいずれであってもよい。
さらには、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、各々が第2の軸方向に平行であり、かつ、第2の軸方向に平行な各々の長辺が同一の長さを有しているが、各々の長辺が異なる長さであってもよい。また、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、第1の軸方向に平行な各々の短辺が同一の長さを有しているが、各々の短辺が異なる長さであってもよい。
また、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、各々の底面が第1の仮想平面71に接するように配置されているが、各々の一部が第1の仮想平面71に交差するように配置されていてもよい。また、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bの第3の軸方向の厚みが揃っているが、各々の厚みが不揃いであってもよい。
また、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、第2の磁気収束部60bが、第1の磁気収束部60aに対して、第2の軸方向の一方の側に突出したように(第2の磁気収束部60aの長手方向においてずれて)配置されている。より詳細には、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束部60bの形状の第2の軸方向の正側と負側にある2つの端点161b,162bについて、一方の端点161bを含む第2の軸方向に直交する平面(XZ平面)が、第1の磁気収束部60aに交差せず、同時に、他方の端点162bを含む第2の軸方向に直交する平面(XZ平面)が、第1の磁気収束部60aに交差するように配置されている。但し、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束部60bの形状の第2の軸方向にある端の辺が、第1の軸方向に平行となる場合は、端点は端の辺上の任意の1点とする。
こうすることで、第2の磁気収束部60bの長手方向に磁場を入力したときに、第2の磁気収束部60bから第1の磁気収束部60aに、磁束成分の磁路が形成されるようになる。
磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、基板平面70に略平行な第2の仮想平面72上に配置され、磁気収束部等の無い状態で、第1の軸方向の磁場にのみ感知するように形成されている。別の言い方をすると、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、磁気収束部等の無い状態で、第1の軸方向に感度軸を有している。
また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、平板状であることが好ましい。第2の仮想平面72に重なる感磁材の形状は、図示のように、第3の軸方向からの平面視でみて、矩形が最も好ましい形状であるが、どのような形状であってもよく、例えば、四角形,正方形,平行四辺形,台形,三角形,多角形,円形,楕円形のいずれであってもよい。さらに、第2の軸方向に感磁材を小分けに分割区分してそれらをメタル配線とで交互に接続した一連の複数の感磁材は、一塊の感磁材として見做すことができる。言い換えると、例えば、磁気検知部50aが有する感磁材は、1つの感磁材に限らず、2つ以上の感磁材を、メタル配線を介して接続して形成されていてもよい。
また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、各々の底面が第2の仮想平面72に接するように配置されているが、各々の一部が第2の仮想平面72に交差するように配置されていてもよい。また、図示では、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の第3の軸方向の厚みが揃っているが、各々の厚みが不揃いであってもよい。
磁気検知部50aが有する感磁材は、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bとの間に配置され、第1の磁気収束部60aに近接するように配置されている。また、磁気検知部50bが有する感磁材は、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bとの間に配置され、第2の磁気収束部60bに近接するように配置されている。すなわち、第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束部60aの形状と、第2の磁気収束部60bの形状とが互いに最も近くなる辺の中間となる線を仮想中線VMとすると、第2の仮想平面72に重なる磁気検知部50aが有する感磁材が、仮想中線VMよりも、第1の磁気収束部60a寄りに在るように配置されている。
つまり、磁気検知部50aが有する感磁材は、第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束部60aの形状と、第2の仮想平面72に重なる磁気検知部50aが有する感磁材の形状とが互いに最も近くなる辺の距離M11が、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束部60bの形状と、第2の仮想平面72に重なる磁気検知部50aが有する感磁材の形状とが互いに最も近くなる辺の距離M12よりも短くなるように配置されている。同様に、磁気検知部50bが有する感磁材は、第2の仮想平面72に重なる磁気検知部50bが有する感磁材の形状が、仮想中線VMよりも、第2の磁気収束部60b寄りに在るように配置されている。
また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材は、第2の仮想平面72に重なる磁気検知部50a,50bが有する感磁材の形状と、第1の仮想平面71に重なる第1及び第2の磁気収束部60a及び60bの形状とが矩形の場合、第3の軸方向から(基板を)平面視したときに、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bと略平行となるように配置されるとよい。こうすることで、第2の軸方向または第3の軸方向の磁場を方向変換した第1の軸方向の磁場が、磁気検知部50a,50bが有する感磁材を一様に横切るため、第2の軸方向または第3の軸方向の磁場を高い精度で検出することができる。
磁気検知部50aが有する感磁材と第1の磁気収束部60aとの位置関係は、第3の軸方向からの平面視でみて、磁気検知部50aが有する感磁材が第1の磁気収束部60aの長手方向に沿った端辺に近接して配置されていることが重要である。より好ましくは、磁気検知部50aが有する感磁材の長辺方向に沿った一部分が、基板平面70を介して第1の磁気収束部60aに覆われていることがよい。つまり、磁気検知部50aが有する感磁材と、第1の磁気収束部60aと、が第3の軸方向からの平面視でみて、ある程度重なり合っていることがよい。これは、磁気検知部50bが有する感磁材と第2の磁気収束部60bと、の位置関係においても同様である。
こうすることで、実施形態1の磁気センサは、第1〜第3の軸方向の磁場に対する各々の感度が大きく取り出せることが出来るという利点がある。
磁気検知部50aが有する感磁材は、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bとの間において、第2の軸方向に直交する平面が、第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bと、いずれにも交差する第2の軸方向に沿った範囲R1内に、少なくとも一部が配置されて、第2の軸方向に沿った範囲R1にある感磁材で第1の軸方向の磁場を感知することが好ましい。より好ましくは、磁気検知部50aが有する感磁材の全てが、第2の軸方向に沿った範囲R1内に配置されるとよい。
同様に、磁気検知部50bが有する感磁材は、第1の磁気収束部60aと第2の磁気収束部60bとの間において、第2の軸方向に沿った範囲R1内に、少なくとも一部が配置されて、第2の軸方向に沿った範囲R1にある感磁材で第1の軸方向の磁場を感知することが好ましい。より好ましくは、磁気検知部50bが有する感磁材の全てが、第2の軸方向に沿った範囲R1内に配置されるとよい。
補助磁気検知部50cが有する感磁材は、第2の磁気収束部60bに覆われるように配置されている。第1の軸方向の磁場が第2の磁気収束部60bに収束される磁路が形成されるため、補助磁気検知部50cが有する感磁材に入力される第1の軸方向の磁場は非常に小さくなる。また、第2の軸方向の磁場と第3の軸方向の磁場は、補助磁気検知部50cが有する感磁材の位置で、第1の軸方向に変換されず感知されない。
したがって、第1の軸方向の磁場にのみ感知する感磁材を有する補助磁気検知部50cは、第1〜第3のいずれの方向の磁場に対して、不感の感磁材が得られる。また、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、第2の磁気収束部60bの短手方向の中央に配置されるのが望ましい。また、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bの内、少なくとも1つの磁気収束部に覆われて配置されていればよい。また、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、第2の磁気収束部60bに覆われるように配置されているが、第1の磁気収束部60aに覆われるように配置されてもよい。
また、図示にはないが、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bとは別に設けた磁気収束部に覆われるように配置されてもよい。また、磁気検知部50cが有する感磁材は、複数あってもよい。
磁気収束部は、NiFe,NiFeB,NiFeCo,CoFeなどの軟磁性材料から成ることが望ましい。感磁材は、1軸方向の磁場にのみ感知して抵抗値を変化させる磁気抵抗素子であればいずれであってもよいので、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)素子,トンネル磁気抵抗(TMR)素子,異方性磁気抵抗(AMR)素子,半導体磁気抵抗(SMR)素子のいずれであってもよい。
基板は、シリコン基板、化合物半導体基板、セラミック基板のいずれであってもよい。また、基板は、ICを搭載したシリコン基板であってもよい。
第1及び第2の仮想平面71及び72は、第3の軸方向に沿って、基板平面70よりも上に第2の仮想平面72があり、第2の仮想平面72よりも上に第1の仮想平面71がある順番で配置されている。このとき、基板平面70上に、第1の軸方向の磁場にのみ感知する感磁材を形成した後、次に、磁気収束部を形成する、という至ってシンプルな手法が適用出来て、製造と性能の観点から簡素でこの上なく好ましいが、これに限定されるものではない。
図9は、図8(a)に示した磁気センサの動作を説明するための図である。
まず、第2の軸方向の磁場Byが、第2の軸方向に突出した第2の磁気収束部60bから、磁気検知部50bが有する感磁材と磁気検知部50aが有する感磁材を第1の軸方向の負の方向に向かって横切り、第1の磁気収束部60aを通る磁路が形成される。このとき、磁気検知部50a,50bが有する感磁材は、第2の軸方向から入力される磁場の大きさに比例して方向変換された第1の軸方向の磁場を感知する。
次に、第3の軸方向の磁場Bzが、磁気検知部50aが有する感磁材を第1の軸方向の負の方向に向かって横切り、第1の磁気収束部60aに収束される磁路と、磁気検知部50bが有する感磁材を第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第2の磁気収束部60bに収束される磁路とが形成される。このとき、磁気検知部50a,50bは、第3の軸方向から入力される磁場の大きさに比例して方向変換された第1の軸方向の磁場を感知する。
さらに、第1の軸方向の磁場Bxが、第1の磁気収束部60aに収束されて通り、磁気検知部50aが有する感磁材と磁気検知部50bが有する感磁材を第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第2の磁気収束部60bに収束されて通る磁路が形成される。このとき、磁気検知部50a,50bは、第1の軸方向の磁場を感知する。
図10は、図8(a)に示した磁気センサの出力信号を説明するための図である。図中符号62はメタル配線、Sは磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の一方の端子が電気的に1点に結合された出力端子、A,B,Cは磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の他方の端子が各々に接続された出力端子を示している。そして、出力端子A−S間,B−S間,C−S間の磁気抵抗をR,R,Rとすると、それぞれの磁気抵抗は以下のようになる。
=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz ・・・(1)
=R+ΔRx−ΔRy+ΔRz ・・・(2)
=R ・・・(3)
Rは磁場に依らない抵抗値(又は磁場の無いときの抵抗値)、ΔRxは第1の軸方向の磁場Bxの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRyは第2の軸方向の磁場Byの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRzは第3の軸方向の磁場Bzの大きさに応じた抵抗変化量である。式(1)及び式(2)の磁気抵抗は、いずれも3軸成分の磁場の大きさに応じた抵抗変化量ΔRx,ΔRy,ΔRzが含まれている。
ΔRx,ΔRy,ΔRzの符号は、磁気検知部50a,50bを横切る第1の軸方向の磁場の向きに対応している。式(3)の磁気抵抗は、前述のように、第1〜第3のいずれの方向の磁場にも不感であるため、3軸成分のいずれの抵抗変化量を含まない。
さらに、式(1)から式(3)の磁気抵抗から、
(1)−(3)により、S=R−R=ΔRx−ΔRy−ΔRz・・・(4)
(2)−(3)により、S=R−R=ΔRx−ΔRy+ΔRz・・・(5)
となる。このようにして、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したままの出力信号が取り出せることが理解できる。つまり、実施形態1の磁気センサは、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる。さらに、式(4)と式(5)を加算すれば、混合した各磁場成分から基板に平行な磁場成分を分離でき、式(5)から式(4)を減算すれば、混合した各磁場成分から基板に垂直な磁場を分離できる。第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、感磁材は少なくとも1つ配置されていればよいので、磁気検知部50aが有する感磁材を設ければ、式(1)の出力信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(4)の出力信号が得られる。または、第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、磁気検知部50bが有する感磁材を設ければ、式(2)の出力信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(5)の出力信号が得られる。
図10では、感磁材の接続は、メタル配線であるが、感磁材と同一材料の配線であってもよいし、両者の配線が混在してもよい。また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の一方の端子を電気的に1点に結合して出力端子Sに接続することは、出力端子数を減らすことができるので、最も好ましい形態であるが、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の一方の端子を各々出力端子に接続しても、発明の本質は変わらない。
図11は、図10に示した磁気センサの信号検出のための具体的な回路構成図である。図中符号50a及び50bは感磁材を有する磁気検知部、50cは感磁材を有する補助磁気検知部、Sは磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の一方の端子が電気的に1点に結合された出力端子、A,B,Cは磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材の他方の端子が各々に接続された出力端子、90a〜90cは第1〜第3の定電流源、111は第1の電位、112は第2の電位を示している。
出力端子Sは、第1の電位111が与えられている。また、出力端子A,B,Cは、第1〜第3の定電流源90a〜90cの一方の端子に各々に接続されている。また、第1〜第3の定電流源90a〜90cの他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2の電位112が与えられている。
磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、各々に接続された出力端子A,B,Cを通して、第1〜第3の定電流源90a〜90cで生成される大きさIsの電流が各々に供給されている。
このような構成にすると、出力端子A−S間に生じる電圧VASは、VAS=IsR=Is(R+ΔRx−ΔRy−ΔRz)となり、式(1)にIsを掛けた信号が得られる。同様に、出力端子B−S間、C−S間の各々に生じる電圧VBS,VCSは、各々式(2)、式(3)にIsを掛けた信号が得られる。
次いで、電圧VASと電圧VCSとで得られる差分電圧Vは、V=VAS−VCS=IsS=Is(ΔRx−ΔRy−ΔRz)となり、式(4)にIsを掛けた信号が得られる。同様に、電圧VBSと電圧VCSとで得られる差分電圧Vは、式(5)にIsを掛けた信号が得られる。
このようにして、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したままの出力信号が取り出せる。第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、感磁材は少なくとも1つ配置されていればよいので、磁気検知部50aが有する感磁材を設ければ、式(1)にIsを掛けた信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(4)にIsを掛けた信号が得られる。または、第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、磁気検知部50bが有する感磁材を設ければ、式(2)にIsを掛けた信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(5)にIsを掛けた信号が得られる。
ここで、差分電圧V,Vは、言い換えると、各々、出力端子A−C間、B−C間に生じる電圧であるので、直接、出力端子A−C間、B−C間の電圧を測定することで、式(1)〜式(3)にIsを掛けた信号を取り出すことなく、式(4)及び式(5)にIsを掛けた信号を取り出すことができる。
第1の電位111と第2の電位112は、各々電源装置のグランド電位と電源電位が与えられているが、これに限定されるものではない。
また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、各々に第1〜第3の定電流源90a〜90cが接続されて、電流が供給されているが、例えば、出力端子A,B,Cの各々にスイッチを設けて、少なくとも1つの定電流源を用いて、スイッチを切替えながら各々の感磁材に電流を供給することでも実現できる。
また、実施形態1の磁気センサは、任意の方向の磁場に反応することが可能なことから、機器の設計の自由度を向上し、機器のさらなる小型化や省スペース化を実現することができる。さらには、小型,低消費電力,高感度及び高精度で、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したまま出力するようにした磁気センサを実現することができる。
[実施形態2]
図12(a),(b)は、本発明の磁気センサの実施形態2における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図で、上述した実施形態1の磁気センサの変形形態であり、図12(a)は上面図(第3の軸方向でみた平面視)、図12(b)は、図12(a)のA−A線断面図である。図中符号は、図8(a),(b)と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
図12(a)は、図8(a)に示した配置パターンを、第1の軸方向に直交する平面(YZ平面)で対称に配置したパターンである。第1及び第2の磁気収束部60a及び60bは、図8(a)においては、第1の軸方向の正方向に向かって、第1の磁気収束部60a、第2の磁気収束部60bの順に配置されているが、図12(a)においては、第1の軸方向の正方向に向かって、第2の磁気収束部60b、第1の磁気収束部60aの順に配置されている。
また、磁気検知部50a,50bが有する感磁材と、補助磁気検知部50cが有する感磁材は、図8(a)においては、第1の軸方向の正方向に向かって、磁気検知部50aが有する感磁材、磁気検知部50bが有する感磁材、補助磁気検知部50cが有する感磁材の順に配置されているが、図12(a)においては、第1の軸方向の正方向に向かって、補助磁気検知部50cが有する感磁材、磁気検知部50bが有する感磁材、磁気検知部50aが有する感磁材の順に配置されている。
このとき、第2の軸方向の磁場Byが、第2の軸方向の負側に突出した第2の磁気収束部60bから、磁気検知部50bが有する感磁材と磁気検知部50aが有する感磁材を第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第1の磁気収束部60aを通る磁路が形成される。
したがって、図10と同様に、出力端子A−S間に磁気検知部50aを接続し、出力端子B−S間に磁気検知部50bを接続し、出力端子C−S間に補助磁気検知部50cを接続すれば、出力端子A−S間,B−S間,C−S間の磁気抵抗R,R,Rは、以下のようになる。
=R+ΔRx+ΔRy+ΔRz ・・・(6)
=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz ・・・(7)
=R ・・・(8)
さらに、式(6)から式(8)の磁気抵抗から、
(6)−(8)により、S=R−R=ΔRx+ΔRy+ΔRz・・(9)
(7)−(8)により、S=R−R=ΔRx+ΔRy−ΔRz・・(10)
となる。このようにして、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したままの出力信号が取り出せることが理解できる。つまり、実施形態2の磁気センサは、少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる。さらに、式(9)と式(10)を加算すれば、混合した各磁場成分から基板に平行な磁場成分を分離でき、式(9)から式(10)を減算すれば、混合した各磁場成分から基板に垂直な磁場を分離できる。第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、感磁材は少なくとも1つ配置されていればよいので、磁気検知部50aが有する感磁材を設ければ、式(6)の出力信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(9)の出力信号が得られる。または、第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとの間に、磁気検知部50bが有する感磁材を設ければ、式(7)の出力信号が得られ、これに補助磁気検知部50cが有する感磁材をさらに設ければ、式(10)の出力信号が得られる。
[実施形態3]
図13は、本発明の磁気センサの実施形態3における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。図中符号60c及び60dは第3及び第4の磁気収束部、61a〜61dは第1〜第4の磁気収束部材を示している。なお、図8(a),(b)と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
実施形態3の磁気センサは、図8(a)に示した実施形態1の配置パターンに、さらに、第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dを備えている。
磁場方向変換部は、第3の磁気収束部60c及び/又は第4の磁気収束部60dを有する。この第3の磁気収束部60cは、第1の磁気収束部60aを、第3の磁気収束部60c及び第2の磁気収束部60bで挟む位置に配置される。第4の磁気収束部60dは、第2の磁気収束部60bを、第4の磁気収束部60d及び第1の磁気収束部60aで挟む位置に配置されている。
つまり、複数の磁気収束部は、3つ以上の磁気収束部(60a〜60d)で構成され、1つの磁気収束部60aが2つの磁気収束部60b,60cに対して長手方向にずれ、2つの磁気収束部60b,60cが1つの磁気収束部60aを平面視で挟み込んで対向するように配置されている。
また、複数の磁気収束部60a〜60dは、平面視で複数の磁気収束部60a〜60dの各重心がジグザグとなるように配置されている。また、複数の磁気収束部60a〜60dは、平面視で1つおきに対抗して配置されている。
第1〜第4の磁気収束部60a〜60dは、第2の磁気収束部60bと第3の磁気収束部60cとが第1の磁気収束部60aと第4の磁気収束部60dよりも、第2の軸方向の一方の側に突出したように配置されている。こうすることで、上述した実施形態1で説明した磁路に加えて、第2の軸方向の磁場Byが、第2の軸方向の負側に突出した第3の磁気収束部60cから無地の仮想平面72上を第1の軸方向の正の方向に向かって横切って第1の磁気収束部60aを通る磁路と、第2の軸方向の負側に突出した第2の磁気収束部60bから無地の仮想平面72上を第1の軸方向の正の方向に向かって横切って第4の磁気収束部60dを通る磁路とが形成される。
また、第1〜第4の磁気収束部60a〜60dは、各々が第2の軸方向に長手方向をもった矩形となって配置されている。第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束部60aの形状と、第3の磁気収束部60cの形状とが互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M1である。第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束部60bと、第4の磁気収束部60dとが互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M3である。第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束部60aと、第2の磁気収束部60bとが互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M2である。
また、第1〜第4の磁気収束部60a〜60dは、エッジ間距離M1と、エッジ間距離M2と、エッジ間距離M3とが略等しくなるように配置されている。より具体的には、3つのエッジ間距離M1〜M3は、いずれか1つの距離の0.7倍以上1.3倍以下であることが好ましい。こうすることで、特に後述する実施形態4の複数の配置パターンにしたときに、第1及び第2の磁気収束部60a及び60bを通る磁束がほぼ均等になり、第2の軸方向の磁場を方向変換した第1の軸方向の磁場が、磁気検知部50aが有する感磁材を一様に横切るようにできる。このため、実施形態3の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い精度で検出することができる。第3及び第4の磁気収束部60c及び60dは、図示では、各々ともに配置されているが、どちらか一方だけ配置されていてもよい。
また、第1〜第4の磁気収束部60a〜60dは、各々の端部に第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dを備え、第1〜第4の磁気収束部60a〜60d及び第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dは、第3の軸方向から(基板を)平面視したときに、T字型又はL字型の形状を成している。
第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dは、第1の磁気収束部材61aと第4の磁気収束材61dとの間と、第3の磁気収束部材61cと第2の磁気収束部材61bとの間とにそれぞれ空隙部Gad,Gbcが設けられるように配置されている。
こうすることで、第1の軸方向の磁場Bxが、第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dに集中的に収束されることを抑制して、磁気検知部50aが有する感磁材を一様に横切る磁路を形成することができる。このため、実施形態3の磁気センサは、第1の軸方向の磁場を高い精度で検出することができる。また、第2の軸方向の磁場Byは、第2の磁気収束部60bの端部に設けられた第2の磁気収束部材61bが広い範囲で磁気を収束して第2の磁気収束部60bの端部を通り、第2の磁気収束部60bから磁気検知部50aが有する感磁材を横切る。そして、第2の軸方向の磁場Byが、第1の磁気収束部60aを通って第1の磁気収束部材61aを通り抜ける磁路が形成される。したがって、実施形態3の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。
図13では、第1〜第4の磁気収束部60a〜60d及び第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dがT字型又はL字型の形状を成しているが、Y字型の形状を成すように第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dを設けても、実施形態3の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。また、第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dは、全て設けられているが、この内の一部だけが設けられていてもよい。
第1〜第4の磁気収束部60a〜60d及び第1〜第4の磁気収束部材61a〜61dは、NiFe,NiFeB,NiFeCo,CoFeなどの軟磁性材料から成ることが望ましい。
[実施形態4]
図14は、本発明の磁気センサの実施形態4における感磁材を有する磁気検知部と磁気収束部の配置パターンを示す図である。図中符号は、図8(a),(b)と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。実施形態4の磁気センサは、図13に示した磁気収束部60a及び60bと磁気検知部50aと補助磁気検知部50cとによる配置パターンを複数有する磁気センサである。
図14においては、上記配置パターンが4つ並べられており、磁気検知部50a及び補助磁気検知部50cは、各々4つの感磁材を有している。そして、各々4つの感磁材が電気的に直列に接続され、各々の一方の端子が電気的に1点に結合されて出力端子Sに接続され、各々の他方の端子が出力端子A,Cに接続されている。
こうすることで、実施形態4の磁気センサは、1つの配置パターンよりも、第1〜第3の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。図14では、磁気検知部50aが有する感磁材及び補助磁気検知部50cが有する感磁材の各々4つの感磁材が、電気的に直列に接続されているが、電気的に並列に接続されていてもよい。感磁材の接続の仕方は、これに限定されるものではない。
また、磁気検知部50aが有する感磁材及び補助磁気検知部50cが有する各々4つの感磁材は、全てが電気的に接続されているが、全てではなく、一部だけが電気的に接続されていてもよい。また、磁気検知部50aが有する感磁材及び補助磁気検知部50cが有する感磁材の各々4つの感磁材の接続は、メタル配線であってもよいし、感磁材と同一材料の配線であってよいし、両者の配線が混在してもよい。
また、図14では、複数の繰り返し配置パターンの中に、補助磁気検知部50cが設けられているが、補助磁気検知部50cが設けられずに、磁気検知部50aだけが設けられていても、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したまま出力することができる。
ここで、実施形態1〜4の磁気センサは、他の機能ブロックを制御する制御部(図示せず)を備え、この制御部には、磁気検知部の出力から得られる第1から第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号が入力され、制御部が、第1から第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号で他の機能ブロックを制御するように構成されていてよい。
また、実施形態1〜4の磁気センサは、磁気検知部の出力と補助磁気検知部の出力に基づき、第1から第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号を生成する信号生成部(図示せず)と、他の機能ブロックを制御する制御部と備え、制御部が、信号生成部から出力される第1から第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号で他の機能ブロックを制御するように構成されていてよい。
制御部は、磁気検知部の出力から得られる第1から第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号から、直交する2軸方向や3軸方向の磁場成分ではなく、磁場の大きさそのものを算出する。そして、制御部は、算出された磁場の大きさに基づいて他の機能ブロックを制御する。他の機能ブロックとしては、例えば、携帯モジュールの画面のON/OFFを切り替える機能ブロックなどが考えられる。
このようにして、実施形態1〜4の磁気センサは、任意の方向の磁場に反応することが可能なことから、機器の設計の自由度を向上し、機器のさらなる小型化や省スペース化を実現することができる。さらには、小型,低消費電力,高感度及び高精度で、直交する3軸の磁気信号を分離することなく混在したまま出力するようにした磁気センサを実現することができる。
本発明の実施形態1〜4の磁気センサは、磁場の有無を判定する用途や、直交する2軸方向や3軸方向の各磁場成分に反応し、磁場の大きさそのものを測定する用途に好適である。例えば、実施形態1〜4の磁気センサは、携帯モジュールの開閉を検出する磁気センサICや導体を流れる電流量を測定する電流センサ等に好適に用いることができる。
[実施形態5]
図15(a),(b)は、本発明の磁気センサの実施形態5における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、図15(a)は上面図(Z軸方向でみた平面視)、図15(b)は、図15(a)のA−A線断面図である。図中符号50a〜50eは第1〜第5の磁気抵抗素子(磁気検知部)、60a〜60cは第1〜第3の磁気収束板(磁気収束部)を示している。なお、図8と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
実施形態5の磁気センサは、複数の磁気抵抗素子のいずれもが、基板平面70に対して平行な第1の軸(X軸)方向に感磁軸を有し、基板平面70に対して平行かつ第1の軸に対して垂直な第2の軸(Y軸)と、基板平面70に対して垂直な第3の軸(Z軸)の2軸方向の磁気を検出するか、第1〜第3の軸(X、Y、Z軸)の3軸方向の磁気を検出する。複数の磁気抵抗素子は、図15において、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eで構成される。
また、第1の磁気検知部50aは、平面視で、複数の磁気収束部60a〜60cのうち隣り合う2つの磁気収束部60a,60bの一方の磁気収束部60bよりも他方の磁気収束部60aに寄って配置され、第2の磁気検知部50bは、平面視で、他方の磁気収束部60aよりも一方の磁気収束部60bに寄って配置されていてもよい。すなわち、複数の磁気収束部60a〜60cのうち隣り合う2つの磁気収束部60a,60bのうち一方の磁気収束部60bに対して他方の磁気収束部60aが、平面視で、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eに平行な方向にずれて配置されている。また、複数の磁気収束部60a〜60cのうち隣り合う2つの磁気収束部60b,60cのうち一方の磁気収束部60bに対して他方の磁気収束部60cが、平面視で、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eに平行な方向にずれて配置されている。平面視で、複数の磁気収束部のうち少なくとも1つの隣り合う2つの磁気収束部の間において、2つの磁気検知部の一方と他方とがそれぞれ2つの磁気収束部の一方と他方とにそれぞれ寄って配置されていてよい。隣り合う2つの磁気収束部の間において、1つの磁気検知部のみが存在する場合や磁気検知部が存在しない場合もあってよい。また、複数の磁気収束部は、3つ以上の磁気収束部(60a〜60c)で構成され、1つの磁気収束部60aが2つの磁気収束部60b,60cに対して長手方向にずれ、2つの磁気収束部60b,60cが1つの磁気収束部60aを平面視で挟み込んで対向するように配置されている。
また、複数の磁気収束部60a〜60cは、平面視で複数の磁気収束部60a〜60cの各重心がジグザグとなるように配置されている。また、複数の磁気収束部60a〜60cは、平面視で1つおきに対抗して配置されている。
以下に、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eと、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cと、で構成する配置パターンで、3軸方向の磁気を検出することが可能なことについて説明する。
基板は、シリコン基板、化合物半導体基板、セラミック基板のいずれであってもよい。また、基板は、ICを搭載したシリコン基板であってもよい。
第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、基板平面に略平行な第1の仮想平面71上に配置されている。そして、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第3の軸方向(Z軸方向)に厚さをもち、第1の仮想平面71に重なる(交差する、或いは、接する)磁気収束板の形状が第2の軸方向(Y軸方向)に長手方向をもった略矩形となっている。また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第2の磁気収束板60bが中央となるように、各々が第2の軸方向に略平行な向きに、並列に配置されている。つまり、複数の磁気収束板(磁気収束部)60a〜60cは、基板に対して略平行でかつ互いに略平行であり、隣り合う2つの一方に対して他方が長手方向にずれて配置されている。より詳しく言えば、複数の磁気収束板60a〜60cは、1つの磁気収束板60bが2つの磁気収束板60a、60cに対して長手方向にずれ、2つの磁気収束板60a、60cが1つの磁気収束板60bを平面視で挟み込んで対向するように配置されている。図示では、矩形の磁気収束板の4つの角が直角になっているが、4つの角の少なくとも1つの角が丸まっていたり、面取されていたりしてもよい。また、第1の仮想平面71と重なる磁気収束板の形状は、矩形に限らず、第2の軸方向に略平行な向きに長手方向をもつ四角形、平行四辺形、台形のいずれであってもよい。
さらには、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、各々が第2の軸方向に平行であり、かつ、第2の軸方向に平行な各々の長辺が同一の長さを有しているが、各々の長辺が異なる長さであってもよい。また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第1の軸方向(X軸方向)に平行な各々の短辺が同一の長さを有しているが、各々の短辺が異なる長さであってもよい。また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、各々の底面が第1の仮想平面71に接するように配置されているが、各々の一部が第1の仮想平面71に交差するように配置されていてもよい。また、図15では、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第3の軸方向の厚みが揃っているが、各々の厚みが不揃いであってもよい。
また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第2の磁気収束板60bが、第1の磁気収束板60aと第3の磁気収束板60cよりも、第2の軸方向の一方の側に突出するように配置されている。より詳細には、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bの形状の第2の軸方向の正側と負側にある2つの端点161b,162bについて、一方の端点161bを含む第2の軸方向に直交する平面(XZ平面)が、第1の磁気収束板60aと、第3の磁気収束板60cと、いずれにも交差せず、同時に、他方の端点162bを含む第2の軸方向に直交する平面(XZ平面)が、第1の磁気収束板60aと、第3の磁気収束板60cと、いずれにも交差するように配置されている。但し、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bの第2の軸方向にある端の辺が、第1の軸方向に平行となる場合は、端点は端の辺上の任意の1点とする。
こうすることで、第2の磁気収束板60bの長手方向に磁気を入力したときに、第2の磁気収束板60bから第1の磁気収束板60a、及び、第2の磁気収束板60bから第3の磁気収束板60cにそれぞれ磁束成分が形成されるようになる。
また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、各々が第2の軸方向に長手方向をもった矩形となって配置されている。第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束板60aと、第2の磁気収束板60bと、が互いに最も近くなる辺の距離が第1のエッジ間距離Labである。そして、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bと、第3の磁気収束板60cと、が互いに最も近くなる辺の距離が第2のエッジ間距離Lbcである。
ここで、第1及び第2のエッジ間距離Lab,Lbcは、より詳細には以下のとおりに規定される。第2の軸方向に直交する平面が、第1の磁気収束板60aと、第2の磁気収束板60bと、いずれにも交差する第2の軸方向の第1の範囲R1で、第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束板60aと、第2の磁気収束板60bと、が第1の軸方向に沿って最も短くなる距離が第1のエッジ間距離Labである。そして、第2の軸方向に直交する平面が、第2の磁気収束板60bと、第3の磁気収束板60cと、いずれにも交差する第2の軸方向の第2の範囲R2で、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bと、第3の磁気収束板60cと、が第1の軸方向に沿って最も短くなる距離が第2のエッジ間距離Lbcである。
第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、第1のエッジ間距離Labと、第2のエッジ間距離Lbcと、が略等しくなるように配置されている。より具体的には、第1及び第2のエッジ間距離Lab,Lbcは、いずれか1つの距離の0.7倍以上1.3倍以下の範囲にあることが好ましい。こうすることで、製造上のばらつき等で、第1及び第2のエッジ間距離Lab,Lbcがこの範囲に収まれば、実施形態5の磁気センサは、第1〜第3の軸方向の磁場に対する各々の感度のばらつきが小さく抑えられる。
第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、基板平面70に略平行な第2の仮想平面72上に配置され、磁気収束板等の無い状態で、第1の軸方向の磁場にのみ感知するように形成されている。別の言い方をすると、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、磁気収束板等の無い状態で、第1の軸方向に感度軸を有している。
また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、平板状であることが好ましい。第2の仮想平面72に重なる磁気抵抗素子の形状は、図15のような(第3の軸方向でみて、即ち、平面視でみて)矩形に限らず、どのような形状であってもよく、例えば、四角形、正方形、平行四辺形、台形、三角形、多角形、円形、楕円形のいずれであってもよい。GMR素子の場合、第2の仮想平面72に重なる磁気抵抗素子の形状は、図15のような(第3の軸方向でみて、即ち、平面視でみて)略矩形が好ましい。第2の軸方向に磁気抵抗素子を小分けに分割区分してそれらをメタル配線とで交互に接続した一連の複数の磁気抵抗素子は、1かたまりの磁気抵抗素子として見做すことができる。言い換えると、例えば、第1の磁気抵抗素子50aは、1つの磁気抵抗素子に限らず、2つ以上の磁気抵抗素子をメタル配線で接続して形成されてもよい。
また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々の底面が第2の仮想平面72に接するように配置されているが、各々の一部が第2の仮想平面72に交差するように配置されていてもよい。また、図15では、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの第3の軸方向の厚みが揃っているが、各々の厚みが不揃いであってもよい。
また、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、第1の磁気収束板60aと第2の磁気収束板60bとの間に配置される2つの磁気抵抗素子50a,50b(一方の磁気検知部群)と、第2の磁気収束板60bと第3の磁気収束板60cとの間に配置される他の2つの磁気抵抗素子50c,50d(他方の磁気検知部群)と、を備えている。第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、2つの磁気抵抗素子50a,50bの内、第1の磁気抵抗素子50aが第1の磁気収束板60aに近接し、第2の磁気抵抗素子50bが第2の磁気収束板60bに近接して配置されている。さらに、他の2つの磁気抵抗素子50c,50dの内、第3の磁気抵抗素子50cが第2の磁気収束板60bに近接し、第4の磁気抵抗素子50dが第3の磁気収束板60cに近接して配置されている。つまり、複数の磁気抵抗素子(磁気検知部)50a〜50dは、複数の磁気収束板60a〜60cに略平行である。磁気抵抗素子50a、50bは、平面視で、複数の磁気収束板60a〜60cの隣り合う2つの磁気収束板60a,60bの間にそれぞれ寄って配置されている。また、磁気抵抗素子50c,50dは、平面視で、複数の磁気収束板60a〜60cの隣り合う2つの磁気収束板60b,60cの間にそれぞれ寄って配置されている。
第1の磁気抵抗素子50aと、第1の磁気収束板60aと、の位置関係は、第3の軸方向からの平面視でみて、第1の磁気抵抗素子50aが第1の磁気収束板60aの長手方向に沿った端辺に近接して配置されていることが重要である。つまり、第1の磁気抵抗素子50aは、隣り合う2つの磁気収束板60a、60bのうち一方の磁気収束板60bよりも他方の磁気収束板60aに寄って配置されていることが重要である。また、第2の磁気抵抗素子50bは、隣り合う2つの磁気収束板60a、60bのうち他方の磁気収束板60aよりも一方の磁気収束板60bに寄って配置されていることが重要である。より好ましくは、第1の磁気抵抗素子50aの長辺方向に沿った一部分が、平面視で、第1の磁気収束板60aに覆われていることがよい。つまり、第1の磁気抵抗素子50aと、第1の磁気収束板60aと、が第3の軸方向からの平面視でみて、ある程度重なり合っていることがよい。これは、第2の磁気抵抗素子50bと第2の磁気収束板60bとの位置関係と、第3の磁気抵抗素子50cと第2の磁気収束板60bとの位置関係と、第4の磁気抵抗素子50dと第3の磁気収束板60cとの位置関係と、においても同様である。
こうすることで、実施形態5の磁気センサは、第1〜第3の軸方向の磁場に対する各々の感度が大きく取り出せることが出来るという利点がある。また、製造上のばらつき等で、磁気抵抗素子の位置が、磁気収束板に対して、第1の軸方向に沿ってずれて形成されたり、磁気抵抗素子の幅がばらついて形成されたりしても、第1〜第3の軸方向の磁場に対する各々の感度のばらつきが抑制される利点がある。
2つの磁気抵抗素子50a,50bは、第1の磁気収束板60aと第2の磁気収束板60bとの間において、第2の軸方向に沿ってみた第1の範囲R1内に少なくとも一部が配置されて、各々が第1の範囲R1で第1の軸方向の磁場を感知することが好ましい。より好ましくは、2つの磁気抵抗素子50a,50bの全てが、第1の範囲R1内に配置されるとよい。同様に、他の2つの磁気抵抗素子50c,50dは、第2の磁気収束板60bと第3の磁気収束板60cとの間において、第2の軸方向に沿ってみた第2の範囲R2内に少なくとも一部が配置されて、各々が第2の範囲R2で第1の軸方向の磁場を感知することが好ましい。より好ましくは、他の2つの磁気抵抗素子50c,50dの全てが、第2の範囲R2内に配置されるとよい。
また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cは、各々が第2の軸方向に長手方向をもった矩形となって配置されており、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dも、各々が第2の軸方向に長手方向をもった矩形となって配置されている。
第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束板60aと、第2の磁気収束板60bと、が互いに最も近くなる辺の中間となる線が第1の仮想中線VM1である。第1の仮想中線VM1と、第2の仮想平面72に重なる第1の磁気抵抗素子50aの第1の軸方向に垂直に横切る2つの端の辺の中間となる線との距離が第1の中線間距離L1である。また、第1の仮想中線VM1と、第2の仮想平面72に重なる第2の磁気抵抗素子50bの第1の軸方向に垂直に横切る2つの端の辺の中間となる線との距離が第2の中線間距離L2である。
同様に、第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bと、第3の磁気収束板60cと、が互いに最も近くなる辺の中間となる線が第2の仮想中線VM2である。第2の仮想中線VM2と、第2の仮想平面72に重なる第3の磁気抵抗素子50cの第1の軸方向に垂直に横切る2つの端の辺の中間となる線との距離が第3の中線間距離L3である。また、第2の仮想中線VM2と、第2の仮想平面72に重なる第4の磁気抵抗素子50dの第1の軸方向に垂直に横切る2つの端の辺の中間となる線との距離が第4の中線間距離L4であることを示している。
ここで、第1〜第4の中線間距離L1〜L4は、より詳細には以下のとおりに規定される。第1のエッジ間距離Labの線分の中点から第3の軸方向に沿って第2の仮想平面72に交わる点を第1の仮想交点VP1とし、第1の仮想交点VP1を含む第2の軸方向に平行な直線を第1の仮想中線VM1とする。
また、第1の範囲R1内にある第1の磁気抵抗素子50aの第2の軸方向の端点間の中点を含む第1の軸方向に平行な直線を第1の仮想線I1とする。また、第1の範囲R1内にある第2の磁気抵抗素子50bの第2の軸方向の端点間の中点を含む第1の軸方向に平行な直線を第2の仮想線I2とする。
同様に、第2のエッジ間距離Lbcの線分の中点から第3の軸方向に沿って第2の仮想平面72に交わる点を第2の仮想交点VP2とし、第2の仮想交点VP2を含む第2の軸方向に平行な直線を第2の仮想中線VM2とする。
また、第2の範囲R2内にある第3の磁気抵抗素子50cの第2の軸方向の端点間の中点を含む第1の軸方向に平行な直線を第3の仮想線I3とする。また、第2の範囲R2内にある第4の磁気抵抗素子50dの第2の軸方向の端点間の中点を含む第1の軸方向に平行な直線を第4の仮想線I4とする。
そのとき、第1の仮想線I1と第1の仮想中線VM1の交点と、第1の仮想線I1と交わる第1の磁気抵抗素子50aの2つの端点の中点と、で結ぶ線分の長さが第1の中線間距離L1である。また、第2の仮想線I2と第1の仮想中線VM1の交点と、第2の仮想線I2と交わる第2の磁気抵抗素子50bの2つの端点の中点と、で結ぶ線分の長さが第2の中線間距離L2である。
同様に、第3の仮想線I3と第2の仮想中線VM2の交点と、第3の仮想線I3と交わる第3の磁気抵抗素子50cの2つの端点の中点と、で結ぶ線分の長さが第3の中線間距離L3である。また、第4の仮想線I4と第2の仮想中線VM2の交点と、第4の仮想線I4と交わる第4の磁気抵抗素子50dの2つの端点の中点と、で結ぶ線分の長さが第4の中線間距離L4である。
第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dと、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cとは、第1の中線間距離L1と、第2の中線間距離L2と、第3の中線間距離L3と、第4の中線間距離L4と、が略等しくなるように配置されている。より具体的には、第1〜第4の中線間距離L1〜L4は、いずれか1つの距離の0.7倍以上1.3倍以下の範囲にあることが好ましい。
こうすることで、製造上のばらつき等で、第1〜第4の中線間距離L1〜L4がこの範囲に収まれば、実施形態5の磁気センサは、第1〜第3の軸方向の磁場に対する各々の感度のばらつきが小さく抑えられる利点がある。例えば、第3の軸方向の磁場を与えた場合、第3の軸方向の磁場に対する感度が5%程度のばらつきに収まることが、積分要素法による磁場数値解析の結果から確認できた。
第5の磁気抵抗素子50e(補助磁気検知部)は、第2の磁気収束板60bに覆われるように配置されている。第1の軸方向の磁場が、第2の磁気収束板60bに収束される磁路が形成されるため、第5の磁気抵抗素子50eに入力される第1の軸方向の磁場は、非常に小さくなる。また、第2の軸方向の磁場と、第3の軸方向の磁場は、第5の磁気抵抗素子50eの位置で、第1の軸方向に変換されず感知されない。よって、第5の磁気抵抗素子50eは、第1〜第3のいずれの方向の磁場に対して、不感の磁気抵抗素子が得られる。第5の磁気抵抗素子50eは、図示のように、第2の磁気収束板60bの短手方向の中央に配置されるのが望ましい。第5の磁気抵抗素子50eは、第1〜第3の磁気収束板の内、少なくとも1つの磁気収束板に覆われて配置されていればよい。図15では、第5の磁気抵抗素子50eは、平面視で、第2の磁気収束板60bに覆われるように配置されているが、第1の磁気収束板60a、或いは、第3の磁気収束板60cに覆われるように配置されてもよい。
また、図示にはないが、第5の磁気抵抗素子50eは、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cとは別に設けた磁気収束板に覆われるように配置されてもよい。また、第5の磁気抵抗素子50eは、複数あってもよい。
磁気収束板は、NiFe、NiFeB、NiFeCo、CoFe等の軟磁性材料から成ることが望ましい。磁気抵抗素子は、図1に示すようなGMR素子に限定されず、1軸方向の磁場にのみ感知して抵抗値を変化させる素子であればいずれであってもよいので、例えば、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、異方性磁気抵抗(AMR)素子、半導体磁気抵抗(SMR)素子のいずれであってもよい。
第1及び第2の仮想平面71,72は、第3の軸方向に沿って、基板平面70よりも上に第2の仮想平面72があり、第2の仮想平面72よりも上に第1の仮想平面71がある順番で配置されている。このとき、基板平面70上に、第1の軸方向の磁場にのみ感知する磁気抵抗素子を形成した後、次に、磁気収束板を形成する、という至ってシンプルな手法が適用出来て、製造と性能の観点から簡素でこの上なく好ましいが、これに限定されるものではない。
ここで、実施形態5における好適な数値の例を記載する。第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの第1の軸方向の長さ(幅)は、望まれる磁気検出特性に応じて設計者が適切に選択する必要がある。センサのサイズを求めない場合においては、磁気抵抗素子の幅は、0.5〜20μmの範囲が好適である。第2の磁気収束板60bの第1の軸方向の長さ(幅)は、第5の磁気抵抗素子50eの全てを覆い、尚且つ、第5の磁気抵抗素子50eに対して十分な磁気シールド効果をもたらす範囲であればよい。第2の磁気収束板60bの幅は、好ましくは第5の磁気抵抗素子50eの幅の1.5倍以上、より好ましくは3倍以上あればよい。第1及び第3の磁気収束板60a,60cの幅は、第2の磁気収束板60bの幅と同等であれば製造上簡易である。しかし、これらには補助磁気検知部の第5の磁気検知素子50eがないため、第1及び第3の磁気収束板60a,60cの幅は、第2の磁気収束板60bの幅より小さく選択することが可能である。第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの各々の第2の軸方向の位置関係は重要である。第2の磁気収束板60bが第1及び第3の磁気収束板60a,60cに対して突出している長さは、長ければ長いほど収束効果が高まり、磁気収束板の幅程度、若しくは、その数倍が好適である。
図16は、図15に示した磁気センサの動作を説明するための図である。
先ず、第2の軸方向の磁場Byが、第2の軸の負側の方向に突出した第2の磁気収束板60bから、第2の磁気抵抗素子50bと第1の磁気抵抗素子50aを第1の軸方向の負の方向に向かって横切り、第1の磁気収束板60aを通る磁路と、第2の磁気収束板60bから、第3の磁気抵抗素子50cと第4の磁気抵抗素子50dを第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第3の磁気収束板60cを通る磁路と、が形成される。このとき、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、第2の軸方向から入力する磁場の大きさに比例して方向変換された第1の軸方向の磁場を感知する。
次に、第3の軸方向の磁場Bzが、第1の磁気抵抗素子50aを第1の軸の負の方向に向かって横切り、第1の磁気収束板60aに収束される磁路と、第2の磁気抵抗素子50bを第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第2の磁気収束板60bに収束される磁路と、が形成される。また、第3の軸方向の磁場Bzが、第3の磁気抵抗素子50cを第1の軸方向の負の方向に向かって横切り、第2の磁気収束板60bに収束される磁路と、第4の磁気抵抗素子50dを第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第3の磁気収束板60cに収束される磁路と、が形成される。このとき、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、第3の軸方向から入力する磁場の大きさに比例して方向変換された第1の軸方向の磁場を感知する。
さらに、第1の軸方向の磁場Bxが、第1の磁気収束板60aに収束されて通り、第1の磁気抵抗素子50aと第2の磁気抵抗素子50bを第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第2の磁気収束板60bに収束されて通り、第3の磁気抵抗素子50cと第4の磁気抵抗素子50dを第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第3の磁気収束板60cに収束されながら通る磁路が形成される。このとき、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、第1の軸方向の磁場を感知する。
図17は、図15に示した磁気センサの出力信号を説明するための図である。図中符号62はメタル配線、Sは第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの一方の端子が電気的に1点に結合された出力端子、A,B,C,D,Eは第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの他方の端子が各々に接続された出力端子を示している。そして、出力端子A−S間,B−S間,C−S間,D−S間,E−S間の磁気抵抗をR,R,R,R,Rとすると、それぞれの磁気抵抗は以下のようになる。
=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz ・・・(11)
=R+ΔRx−ΔRy+ΔRz ・・・(12)
=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz ・・・(13)
=R+ΔRx+ΔRy+ΔRz ・・・(14)
=R ・・・(15)
Rは磁場に依らない抵抗値(又は磁場の無いときの抵抗値)、ΔRxは第1の軸方向の磁場Bxの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRyは第2の軸方向の磁場Byの大きさに応じた抵抗変化量、ΔRzは第3の軸方向の磁場Bzの大きさに応じた抵抗変化量である。式(11)〜式(14)の磁気抵抗は、いずれも3軸成分の磁場の大きさに応じた抵抗変化量ΔRx,ΔRy,ΔRzが含まれている。
ΔRx,ΔRy,ΔRzの符号は、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dを横切る第1の軸方向の磁場の向きに対応している。式(15)の磁気抵抗は、前述のように、第1〜第3のいずれの方向の磁場にも不感であるため、3軸成分のいずれの抵抗変化量を含まない。式(11)から式(15)の磁気抵抗から、各軸の磁場の大きさに応じた抵抗変化量に相当する出力信号を取り出すと、
(11)−(15)により、S=R−R=ΔRx−ΔRy−ΔRz・・・(16)
(12)−(15)により、S=R−R=ΔRx−ΔRy+ΔRz・・・(17)
(13)−(15)により、S=R−R=ΔRx+ΔRy−ΔRz・・・(18)
(14)−(15)により、S=R−R=ΔRx+ΔRy+ΔRz・・・(19)
さらに、
(16)+(17)+(18)+(19)により、
4ΔRx=S+S+S+S
−(16)−(17)+(18)+(19)により、
4ΔRy=−S−S+S+S
−(16)+(17)−(18)+(19)により、
4ΔRz=−S+S−S+S
となる。このようにして、各軸の出力信号を取り出せることが理解できる。つまり、各抵抗値に関する連立方程式を解くことで、各軸の磁場成分が求まる。
図17では、磁気抵抗素子の接続は、メタル配線であるが、磁気抵抗素子と同一材料の配線であってもよいし、両者の配線が混在してもよい。また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの一方の端子を電気的に1点に結合して出力端子Sに接続することは、出力端子数を減らすことができるので、最も好ましい形態であるが、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの一方の端子を各々出力端子に接続しても、発明の本質は変わらない。
図18は、図15に示した磁気センサの出力信号の演算部の回路構成図である。図中符号80は演算部、81a〜81eは信号取得部、82a〜82dは減算部、83は加減算部を示している。
演算部80は、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dと第5の磁気抵抗素子50eの各出力に基づいて、各軸方向の磁場を演算して求める。つまり、演算部80は、磁気抵抗素子50a〜50eの抵抗値に基づいて、各軸方向の磁場を演算して求める。具体的には、演算部80は、磁気抵抗素子50a〜50eの各抵抗値に関する連立方程式を解くことで、各軸方向の磁場を求める。
本例において、演算部80は、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eから磁気抵抗に基づく信号を入力して、式(11)〜式(15)に相当する信号を各々に出力する信号取得部81a〜81eと、式(11)〜式(14)の各々から式(15)を減算して、式(16)〜式(19)に相当する信号を各々に出力する減算部82a〜82dと、式(16)〜式(19)を用いて演算して、第1〜第3の軸方向の磁気成分を出力する加減算部83と、を備えている。
図19は、図17に示した磁気センサの信号検出のための具体的な回路構成図である。図中符号50a〜50eは第1〜第5の磁気抵抗素子、Sは第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの一方の端子が電気的に1点に結合された出力端子、A,B,C,D,Eは第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの他方の端子が各々に接続された出力端子、90a〜90eは第1〜第5の定電流源、111は第1の電位、112は第2の電位を示している。
出力端子Sは、第1の電位111が与えられている。また、出力端子A,B,C,D,Eは、第1〜第5の定電流源90a〜90eの一方の端子に各々に接続されている。また、第1〜第5の定電流源90a〜90eの他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2の電位112が与えられている。
第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々に接続された出力端子A,B,C,D,Eを通して、第1〜第5の定電流源90a〜90eで生成される大きさIsの電流が各々に供給されている。
このような構成にすると、出力端子A−S間に生じる電圧VASは、VAS=IsR=Is(ΔR+Rx−ΔRy−ΔRz)となり、式(11)にIsを掛けた信号が得られる。同様に、出力端子B−S間、C−S間、D−S間、E−S間の各々に生じる電圧VBS,VCS,VDS,VESは、各々式(12)、式(13)、式(14)、式(15)にIsを掛けた信号が得られる。
次いで、電圧VASと電圧VESとで得られる差分電圧Vは、V=VAS−VES=IsS=Is(ΔRx−ΔRy−ΔRz)となり、式(16)にIsを掛けた信号が得られる。同様に、電圧VBSと電圧VESとで得られる差分電圧Vと、電圧VCSと電圧VESとで得られる差分電圧Vと、電圧VDSと電圧VESとで得られる差分電圧Vと、は各々式(17),式(18),式(19)にIsを掛けた信号が得られる。
こうして、第1の軸方向の出力信号ΔRxは、4ΔRx=(V+V+V+V)/Isとして、第2の軸方向の出力信号ΔRyは、4ΔRy=(−V−V+V+V)/Isとして、第3の軸方向の出力信号ΔRzは、4ΔRz=(−V+V−V+V)/Isとして、得ることができる。
ここで、差分電圧V,V,V,Vは、言い換えると、各々、出力端子A−E間、B−E間、C−E間、D−E間に生じる電圧である。つまり、出力端子A−E間、B−E間、C−E間、D−E間に生じる電圧を直接測定することで、式(16)〜式(19)にIsを掛けた信号を取り出して、各軸の出力信号を得ることができる。
上記求め方は一例であり、ΔRx、ΔRy、ΔRzが求まれば、磁気抵抗素子50a〜50eの抵抗値に関する連立方程式の立て方や解き方は何でも良い。
また、第1の電位111と第2の電位112は、各々電源装置のグランド電位と電源電位が与えられているが、これに限定されるものではない。
また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々に第1〜第5の定電流源90a〜90eが接続されて、電流が供給されているが、例えば、出力端子A,B,C,D,Eの各々にスイッチを設けて、少なくとも1つの定電流源を用いて、スイッチを切替えながら各々の磁気抵抗素子に電流を供給することでも実現できる。
また、実施形態5の磁気センサは、消費電流の増大を抑えながら、同一基板上で2軸又は3軸方向の磁場を検知できる。また、一方向に感磁軸を有する磁気抵抗素子を用いた小型で高分解能な磁気センサを実現することができる。
[実施形態6]
実施形態6の磁気センサは、複数の磁気抵抗素子のいずれもが、基板平面70に対して平行な第1の軸(X軸)方向に感磁軸を有し、基板平面70に対して平行かつ第1の軸に対して垂直な第2の軸(Y軸)と、基板平面70に対して垂直な第3の軸(Z軸)の2軸方向の磁気を検出するか、第1〜第3の軸(X、Y、Z軸)の3軸方向の磁気を検出する。複数の磁気抵抗素子は、図15に示した実施形態5の配置パターンにおいて、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの内のいずれか1つを除いた3つの磁気抵抗素子と、第5の磁気抵抗素子50eとで構成される。
以下に、例えば、図15において、第4の磁気抵抗素子50dが無く、第1〜第3の磁気抵抗素子50a〜50cと、第5の磁気抵抗素子50eと、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cとで構成する配置パターンで、3軸方向の磁気を検出することが可能なことについて説明する。
図17において、第4の磁気抵抗素子50dが無く、出力端子Dが無いため、得られる磁気抵抗は、出力端子A−S間,B−S間,C−S間,E−S間のそれぞれR,R,R,Rとなる。ここで、式(11)〜式(13)と、式(15)と、の磁気抵抗から各軸の磁場の大きさに応じた抵抗変化量に相当する出力信号を取り出すと、式(16)〜式(18)が得られて、さらに、
−(16)+(18)により、2ΔRy=−S+S
−(16)+(17)により、2ΔRz=−S+S
(17)+(18)により、2ΔRx=S+S
となる。このようにして、各軸の出力信号を取り出せることが理解できる。ここでは、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの内、第4の磁気抵抗素子50dを除いた例で、3軸方向の磁気を検出できることを示したが、第1の磁気抵抗素子50a、或いは、第2の磁気抵抗素子50b、或いは、第3の磁気抵抗素子50cのいずれかを除いた場合でも、同様な3軸方向の磁気を検出することができる。要は、ΔRx、ΔRy、ΔRzが取り出せるように、連立方程式を立てて解ければ、どのような構成でもよい。
[実施形態7]
実施形態7の磁気センサは、複数の磁気抵抗素子のいずれもが、基板平面70に対して平行な第1の軸(X軸)方向に感磁軸を有し、基板平面70に対して平行かつ第1の軸に対して垂直な第2の軸(Y軸)と、基板平面70に対して垂直な第3の軸(Z軸)の2軸方向の磁気を検出するか、第1〜第3の軸(X、Y、Z軸)の3軸方向の磁気を検出する。複数の磁気抵抗素子は、図15に示した実施形態5の配置パターンにおいて、第5の磁気抵抗素子50eを備えず、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの4つの磁気抵抗素子とで構成される。
以下に、図15において、第5の磁気抵抗素子50eが無く、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dと、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cと、で構成する配置パターンで、2軸方向の磁気を検出することが可能なことについて説明する。
図17において、第5の磁気抵抗素子50eが無く、出力端子Eが無いため、得られる磁気抵抗は、出力端子A−S間,B−S間,C−S間,D−S間のそれぞれR,R,R,Rとなる。ここで、式(11)〜式(14)の磁気抵抗から各軸の磁場の大きさに応じた抵抗変化量に相当する出力信号を取り出すと、
−(11)+(13)により、2ΔRy=−R+R ・・・(20)
−(12)+(14)により、2ΔRy=−R+R ・・・(21)
−(11)+(12)により、2ΔRz=−R+R ・・・(22)
−(13)+(14)により、2ΔRz=−R+R ・・・(23)
また、
(20)+(21)より、4ΔRy
(22)+(23)より、4ΔRz
となる。このようにして、各軸の出力信号を取り出せることが理解できる。要は、ΔRx、ΔRy、ΔRzが取り出せるように、連立方程式を立てて解ければ、どのような構成でもよい。
[実施形態8]
実施形態8の磁気センサは、複数の磁気抵抗素子のいずれもが、基板平面70に対して平行な第1の軸(X軸)方向に感磁軸を有し、基板平面70に対して平行かつ第1の軸に対して垂直な第2の軸(Y軸)と、基板平面70に対して垂直な第3の軸(Z軸)の2軸方向の磁気を検出するか、第1〜第3の軸(X、Y、Z軸)の3軸方向の磁気を検出する。複数の磁気抵抗素子は、図15に示した実施形態5の配置パターンにおいて、第5の磁気抵抗素子50eを備えず、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの内のいずれか1つを除いた3つの磁気抵抗素子と、で構成される。
以下に、例えば、図15において、第4及び第5の磁気抵抗素子50d,50eが無く、第1〜第3の磁気抵抗素子50a〜50cと、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cと、で構成する配置パターンで、2軸方向の磁気を検出することが可能なことについて説明する。
図17において、第4〜第5の磁気抵抗素子50d,50eが無く、出力端子D,Eが無いため、得られる磁気抵抗は、出力端子A−S間,B−S間,C−S間のそれぞれR,R,Rとなる。ここで、式(11)〜式(13)の磁気抵抗から各軸の磁場の大きさに応じた抵抗変化量に相当する出力信号を取り出すと、式(20)と式(22)とが得られて、
(20)により、2ΔRy=−R+R
(22)により、2ΔRz=−R+R
となる。このようにして、各軸の出力信号を取り出せることが理解できる。ここでは、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの内、第4の磁気抵抗素子50dを除いた例で、2軸方向(基板に垂直な軸方向と基板に平行な軸方向)の磁気を検出できることを示したが、第1の磁気抵抗素子50a、或いは、第2の磁気抵抗素子50b、或いは、第3の磁気抵抗素子50cのいずれかを除いた場合でも、同様な2軸方向の磁気を検出することができる。
[実施形態9]
図20は、本発明の磁気センサの実施形態9における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。図中符号60d,60eは第4及び第5の磁気収束板、61a〜61eは第1〜第5の磁気収束板材(磁気収束部材)を示している。なお、図15と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
実施形態9の磁気センサは、図15に示した実施形態5の配置パターンに、さらに第4及び第5の磁気収束板60d,60eを備えている。
第4の磁気収束板60dは、第1の磁気収束板60aを、第4の磁気収束板60dと、第2の磁気収束板60bと、で挟む位置に配置されている。また、第5の磁気収束板60eは、第3の磁気収束板60cを、第5の磁気収束板60eと、第2の磁気収束板60bと、で挟む位置に配置されている。また、図においては、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eは、第2の磁気収束板60bと、第4及び第5の磁気収束板60d,60eと、が第1の磁気収束板60aと第3の磁気収束板60cよりも、第2の軸方向の一方の側に突出したように配置されている。こうすることで、実施形態5で説明した磁路に加えて、第2の軸方向の磁場Byが、第2の軸方向に突出した第4の磁気収束板60dから、無地の基板平面70上を第1の軸方向の正の方向に向かって横切り、第1の磁気収束板60aを通る磁路と、第2の軸方向に突出した第5の磁気収束板60eから、無地の基板平面70上を第1の軸方向の負の方向に向かって横切り、第3の磁気収束板60cを通る磁路と、が形成される。
また、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eは、各々が第2の軸方向に長手方向をもった矩形となって配置されている。第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束板60aと、第4の磁気収束板60dと、が互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M1である。第1の仮想平面71に重なる第3の磁気収束板60cと、第5の磁気収束板60eのと、が互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M4である。第1の仮想平面71に重なる第1の磁気収束板60aと、第2の磁気収束板60bと、が互いに最も近くなる辺の距離がエッジ間距離M2(すなわち、第1のエッジ間距離Lab)である。第1の仮想平面71に重なる第2の磁気収束板60bと、第3の磁気収束板60cと、が最も近くなる距離がエッジ間距離M3(すなわち、第2のエッジ間距離Lbc)である。
第1〜第5の磁気収束板60a〜60eは、エッジ間距離M1と、エッジ間距離M2と、エッジ間距離M3と、エッジ間距離M4と、が略等しくなるように配置されている。より具体的には、4つのエッジ間距離M1〜M4は、いずれか1つの距離の0.7倍以上1.3倍以下であることが好ましい。こうすることで、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cを通る磁束がほぼ均等になり、第2の軸方向の磁場の方向変換した第1の軸方向の磁場が第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dを一様に横切るため、実施形態5の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い精度で検出することができる。第4及び第5の磁気収束板60d,60eは、図20では、各々ともに配置されているが、どちらか一方だけ配置されていてもよい。
さらに、実施形態9の磁気センサは、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eの各々の端部に、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eが設けられ、第3の軸方向からの平面視でみて、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eがT字型又はL字型の形状を成している。
また、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eは、第2の磁気収束板材61bと第4の磁気収束板材61dとの間と、第2の磁気収束板材61bと第5の磁気収束板材61eとの間と、第1の磁気収束板材61aと第3の磁気収束板材61cとの間と、にそれぞれ空隙部Gdb,Gbe,Gacが設けられるように配置されている。
こうすることで、第1の軸方向の磁場Bxは、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eに集中的に収束されることを抑制して、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dを一様に横切る磁路を形成するので、実施形態9の磁気センサは、第1の軸方向の磁場を高い精度で検出することができる。また、第2の軸方向の磁場Byが、第2の磁気収束板60bの端部に設けられた第2の磁気収束板材61bが広い範囲で磁気を収束して、第2の磁気収束板60bの端部を通り、第2の磁気収束板60bから、第1及び第2の磁気抵抗素子50a,50bを横切り、第1の磁気収束板60aを通って、第1の磁気収束板材61aを通り抜ける磁路と、第2の磁気収束板60bから、第3及び第4の磁気抵抗素子50c,50dを横切り、第3の磁気収束板60cを通って、第3の磁気収束板材61cを通り抜ける磁路と、が形成される。よって、実施形態9の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。また、実施形態9の磁気センサは、第2の軸の負側から正側に向けて入力される磁場成分と、第2の軸の正側から負側に向けて入力される磁場成分とが、それぞれほぼ同程度の磁気増幅率で収束させることができる。
第2の磁気収束板60bが第1及び第3の磁気収束板60a,60cから突出している長さ、第1の磁気収束板60aと第2の磁気収束板材61bとの距離、及び第3の磁気収束板60cと第2の磁気収束板材61bとの距離は、長ければ長いほど磁気収束効果が高まる。これら長さ及び距離は、磁気収束板の第1の軸方向の長さ(幅)と同程度若しくはその数倍が好適である。その他の数値例は、実施形態9と同等である。
図20では、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eがT字型又はL字型の形状を成しているが、Y字型の形状を成すように第1〜第5の磁気収束板材を設けても、実施形態9の磁気センサは、第2の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。また、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eは、全て設けられているが、この内の一部だけが設けられていてもよい。
図20では、実施形態5に基づいた構成になっているが、実施形態6〜実施形態8の構成でも適用され得る。
[実施形態10]
図21は、本発明の磁気センサの実施形態10における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。図中符号は、図15及び図17と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
実施形態10の磁気センサは、図15に示した配置パターンを複数有する磁気センサである。
複数の配置パターンは、各々の配置パターン中の第3の磁気収束板60cが、隣接する後段の配置パターン中の第1の磁気収束板60aを兼ねている。また、各々の配置パターン中の第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、隣接する後段の配置パターン中の第1〜第5の磁気抵抗素子の各々と電気的に接続されている。
図21においては、4つの配置パターンが並べられており、3箇所で隣接し合う配置パターンの第3の磁気収束板60cが、第1の磁気収束板60aを兼ねている。また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々4つの磁気抵抗素子を有しており、各々4つの磁気抵抗素子が電気的に直列に接続され、各々の一方の端子が電気的に1点に結合されて出力端子Sに接続され、各々の他方の端子が出力端子A,B,C,D,Eに接続されている。
こうすることで、実施形態10の磁気センサは、1つの配置パターンよりも、第1〜第3の軸方向の磁場を高い感度で検出することができる。第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの各々4つの磁気抵抗素子が、電気的に直列に接続されているが、電気的に並列に接続されていてもよい。磁気抵抗素子の接続の仕方は、これに限定されるものではない。
また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの各々4つの磁気抵抗素子は、全てが電気的に接続されているが、全てではなく、一部だけが電気的に接続されていてもよい。また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eの各々4つの磁気抵抗素子の接続は、メタル配線であってもよいし、磁気抵抗素子と同一材料の配線であってよいし、両者の配線が混在してもよい。
図21では、実施形態5に基づいた構成になっているが、実施形態6〜実施形態9の構成でも適用され得る。
図22は、実施形態10と、上述した実施形態9と、を組み合わせた磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。図22においては、4つの配置パターンが並べられており、3箇所で隣接し合う配置パターンの第3の磁気収束板60cが、第1の磁気収束板60aを兼ねている。第1の軸方向の左端においては、第4の磁気収束板60dが、第1の磁気収束板60aを、第4の磁気収束板60dと、第2の磁気収束板60bと、で挟む位置に配置されている。また、第1の軸方向の右端においては、第5の磁気収束板60eが、第3の磁気収束板60cを、第5の磁気収束板60eと、第2の磁気収束板60bと、で挟む位置に配置されている。
また、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eの各々の端部に、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eが設けられ、第3の軸方向からの平面視でみて、第1〜第5の磁気収束板60a〜60eがT字型又はL字型の形状を成している。また、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々4つの磁気抵抗素子を有しており、各々4つの磁気抵抗素子が電気的に直列に接続され、各々の一方の端子が電気的に1点に結合されて出力端子Sに接続され、各々の他方の端子が出力端子A,B,C,D,Eに接続されている。こうすることで、高感度で、高精度の2軸又は3軸の磁場を検出することができる。
また、実施形態10においては、複数の配置パターンの重なり合わない部分、すなわち図22でいう第4及び第5の磁気収束板60d,60eの近傍には、磁気抵抗素子が設けられていない。複数の配置パターンの第1の軸方向の左端に配置した第4の磁気収束板60dと、第1の軸方向の右端に配置した第5の磁気収束板60eの近傍の磁界分布は、複数の配置パターンの内部側の磁場分布と異なる。例えば、第1の軸方向の磁場や第2の軸方向の磁場は、内部側よりも大きくなる。したがって、複数の配置パターンの第1の軸方向の両端に配置した磁気収束板の近傍には磁気抵抗素子を設けないことで、略均一な磁場を各磁気抵抗素子に印加する構成を構築できる。
(実施形態10の変形例)
図23は、実施形態10の磁気センサの変形例であり、磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。図中符号は、図15及び図17と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
実施形態10の変形形態の磁気センサは、図21に似たように、図15に示した配置パターンを複数有する磁気センサである。
図23においては、第1の軸方向の右端から、3つ以上の磁気抵抗素子を有する4つの配置パターンが並べられており、3箇所で隣接し合う配置パターンの第3の磁気収束板60cが、第1の磁気収束板60aを兼ねている。磁気センサは、4つの配置パターンにさらに、第1の軸方向の左端に、第4の磁気抵抗素子50dと、第2の磁気収束板60bと、が加えられて構成されている。
また、別の見方をすると、第1及び第3の磁気収束板60a,60cが、第2の磁気収束板60bよりも第2の軸方向に突出している、とみることもできる。よって、磁気センサは、第1の軸方向の左端から、3以上の磁気抵抗素子を有する4つの配置パターンが並べられていて、さらに、第1の軸方向の右端に、第3の磁気抵抗素子50cと、第3の磁気収束板60cと、が加えられて構成されている、とみることもできる。いずれの見方においても、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eは、各々4つの磁気抵抗素子を有しており、各々4つの磁気抵抗素子が電気的に直列に接続されている。
図21と、図23との大きな違いは、第2の磁気収束板60bの個数と、第1の磁気収束板60aまたは第3の磁気収束板60cの個数と、が同数であるか、同数でないか、の違いである。図21は同数でなく、図23は同数である。このような変形形態であっても、発明の本質には変わらず、2軸又は3軸の磁場を検出することができる。
[実施形態11]
図24(a),(b)は、本発明に係る磁気センサの実施形態11を説明するための図で、図22に示した実施形態10の複数の配置パターンを有する磁気センサにおける空隙部の機能を説明するための図である。
図24(a)に用いている磁気センサの構成は、7つの配置パターンが繰り返されており、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eの隣接するもの同士が分離されておらず空隙部のない場合である。具体的には、第1の磁気収束板材61aと第3の磁気収束板材61cとが接続され(Gac=0)、かつ、第4の磁気収束板材61dと第2の磁気収束板材61bとが接続され(Gdb=0)、第2の磁気収束板材61bと第5の磁気収束板材61eとが接続されている(Gbe=0)。
第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第3の軸方向のそれぞれの厚みは5μmとした。第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第1の軸方向のそれぞれの幅は4μmとした。第1及び第2のエッジ間距離Lab,Lbcは6μmとした。第1の仮想平面71と第2の仮想平面72の距離は、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eのそれぞれの厚みを無視して、0.5μmとした。
図24(b)に用いている磁気センサの構成は、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eの隣接するもの同士が分離されて空隙部(Gac,Gdb,Gbe=2μm)を有する場合である。第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第3の軸方向のそれぞれの厚み、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第3の軸方向のそれぞれの幅、第1及び第2のそれぞれのエッジ間距離Lab,Lbc、第1の仮想平面71と第2の仮想平面72の距離は、図24(a)に用いている磁気センサの構成と同じとした。
図24(a),(b)は、磁気センサに第1の軸方向(感磁軸方向)の磁場を入力し、積分要素法による磁場数値解析にて、第2の仮想平面72で、尚且つ、第3の軸方向で見たときの磁気センサの中央点を通る第1の軸方向に沿った各位置での第1の軸方向の成分の磁場を入力磁場で除算した磁気増幅度をプロットした図である。
図24(a)では、第1の軸方向に沿った磁気増幅度の空間分布の一様性は図24(b)に比べて低い。図24(b)では、第1の軸方向に沿った磁気増幅度の空間分布の一様性は良い。
図24(a)では、空隙部のない第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eに、集中して磁束が通るため、センサ構造の内側に配置されている第1〜第3の磁気収束板60a〜60cにまで、磁束が充分に入り込めていなかった。その結果、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dに位置する第1の軸方向に沿った磁気増幅度の値は低くなった
図24(b)では、空隙部のある第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eでは、それぞれの空隙部での磁気抵抗が上がり、磁気センサに流れ込む磁束の流れを集中しないで分散させる効果をもたらす。また、この分散化の効果により、第2の軸方向に沿った磁気増幅度の空間分布の一様性も向上する。
こうして、第1〜第5の磁気収束板材61a〜61eに空隙部を設けて磁気抵抗を十分高くさせ、センサ内の空間の磁場分布をより一様に形成させる事により、第2の仮想平面72で、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eに位置する第1及び第2の軸方向に沿ったそれぞれの磁気増幅度の空間分布の一様性が向上できる。
空隙部の長さ(Gac,Gdb,Gbe)は、磁場数値解析では、0.5μmでも、2μmの時と同様に、磁気増幅度の空間分布の一様性の向上が認められた。これより、空隙部の長さは、磁気収束板の加工限界まで短くすることができる。しかし、実際には、第2の磁気収束板60bの第1の軸方向の長さ(幅)と同程度かそれ以下とするのが好適である。
[実施形態12]
図25(a),(b)は、本発明の磁気センサの実施形態12における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図である。図8と同じ構成単位を示している。図15と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。図25(a)は第3の軸方向からみた上面図、図25(b)は、図25(a)のA−A線断面図である。図中符号71は第1の仮想平面71、第2の仮想平面72を示している。
実施形態12の磁気センサは、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cが、基板平面70に対して平行な第1の仮想平面71上に配置されており、第1〜第5の磁気抵抗素子50a〜50eが、基板平面70に対して平行な第2の仮想平面72上に配置されている。
図15では、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの各々における短辺方向(第1の軸方向)の一部が、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの各々における短辺方向(第1の軸方向)の一部とで、重ねられず隙間のある配置で構成されている。
一方で、図25では、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの各々における短辺方向(第1の軸方向)の一部が、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの各々における短辺方向(第1の軸方向)の一部とで、重ねあわされた配置で構成されている。
すなわち、第1の磁気抵抗素子50aの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第1の磁気抵抗素子50aの短辺方向(第1の軸方向)の第1の磁気収束板60a側の一部が第1の磁気収束板60aに覆われている。また、第2の磁気抵抗素子50bの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第2の磁気抵抗素子50bの短辺方向(第1の軸方向)の第2の磁気収束板60b側の一部が第2の磁気収束板60bに覆われている。第3の磁気抵抗素子50cの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第3の磁気抵抗素子50cの短辺方向(第1の軸方向)の第2の磁気収束板60b側の一部が第2の磁気収束板60bに覆われている。第4の磁気抵抗素子50dの長辺方向(第2の軸方向)に沿って、第4の磁気抵抗素子50dの短辺方向(第1の軸方向)の第3の磁気収束板60c側の一部が第3の磁気収束板60cに覆われている。
第3の軸方向の平面視でみたときの、磁気抵抗素子とそれに隣接する磁気収束板との重ね合わせられた第1の軸方向の長さを、磁気抵抗素子の第1の軸方向の長さ(幅)で規格化した値OLと定義すると、図25におけるOLは正の値で表される。第1の磁気抵抗素子50aと第1の磁気収束板60aとが、第1の軸方向で重なりもせず、尚且つ、隙間もないケースは、OL=0である。
図25のようなOL>0のケースでは、OL=0のケースに比べて、第1の軸方向に感磁軸をもつ磁気抵抗素子の感磁面において、第1の軸方向の成分の磁場が大きくなるので、3軸成分の磁場の大きさに応じた抵抗変化量ΔRx,ΔRy,ΔRzは少しでも高い値で検出できる。また、磁気抵抗素子の第1の軸方向の長さが変動した場合、磁気抵抗素子の感磁面において、第1の軸方向の磁場成分の変動が抑制される効果を持つので、3軸成分の磁場の大きさに応じた抵抗変化量ΔRx,ΔRy,ΔRzの変動が抑制される効果がある。
好ましいOLの値について言及する。構成として、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第1の軸方向に沿った短辺方向の長さ(矩形の幅)が6〜12μmで、磁気収束板の間隔にあたる第1のエッジ間距離Lab及び第2のエッジ間距離Lbcが、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第1の軸方向に沿った短辺方向の長さ(矩形の幅)の1〜2倍、磁気収束板の厚みが5〜15μm、磁気抵抗素子の第1の軸方向に沿った形状の長さ(平板状の幅)が1〜4μm、厚みのある磁気収束板の底面にあたる第1の仮想平面71と平板状の磁気抵抗素子が位置する第2の仮想平面72との第3の軸方向の距離が、0.25〜0.5μmであるケースを考える。
以上のケースにおいて、OLは約1/5〜1/2となることが望ましい形態の一例である。第3の軸方向の磁場に対する感度は、OLがこの範囲にあるとき、OL=0のときに比べて、磁気抵抗素子の幅が1μmでは約5%向上し、磁気抵抗素子の幅が4μmでは約15%向上することが、積分要素法による磁場数値解析で確認された。
[実施形態13]
実施形態5〜実施形態11において、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第1の軸方向に沿った形状の長さ(矩形の幅)は、約6〜18μmが望ましい形態の一例である。また、磁気収束板の間隔にあたる第1及び第2のエッジ間距離Lab,Lbcは、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第1の軸方向の長さの約1〜4倍が望ましい形態の一例である。また、第1〜第3の磁気収束板60a〜60cの第3の軸方向の厚みは、約5〜15μmが望ましい形態の一例である。
第1の仮想平面71と第2の仮想平面72の距離は約0.1〜1μmが望ましい形態の一例である。これらの組み合わせにおいては、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dのそれぞれの感磁面において、第1の軸方向の磁場(BIX)が磁気収束板により第1の軸方向に変換される磁場(BOX)と磁場(BIX)との割合である第1の軸方向の磁気変換率(BOX/BIX)を約0.1〜3倍程度の値で実現する事が、積分要素法による磁場数値解析で確認された。また、第2の軸方向の磁場(BIY)が磁場収束板により第1の軸方向に変換される磁場(BOY)と磁場(BIY)との割合である第2の軸方向の磁場変換率(BOY/BIY)を約0.1〜3倍程度の値で実現する事が、積分要素法による磁場数値解析で確認された。また、第3の軸方向の磁場(BIZ)が磁気収束板により第1の軸方向に変換される磁場(BOZ)と磁場(BIZ)との割合である第3の軸方向の磁場変換率(BOZ/BIZ)を約0.1〜3倍程度の値で実現する事が、積分要素法による磁場数値解析で確認された。
上述したように、実施形態5〜13は、消費電流の増大を抑えながら、同一基板上で2軸又は3軸方向の磁場を検知できる。つまり、消費電流の増大を抑えながら、一方向に感磁軸を有する磁気抵抗素子を用いた小型の磁気センサを実現することができる。
(磁気検出方法)
次に、実施形態5〜13の磁気センサを用いた磁気検出方法の例について説明する。
実施形態5〜13の磁気センサを用いた磁気検出方法は、第1及び第2の磁気収束板に挟まれた第1及び第2の磁気抵抗素子と、第2及び第3の磁気収束板に挟まれた第3の磁気抵抗素子からの出力(R〜R)に基づいて、2軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法である。
第1〜第3の磁気抵抗素子は同一方向に感磁軸を有し、第1の磁気抵抗素子からの出力(R=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz)に基づく値と第3の磁気抵抗素子の出力(R=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz)に基づく値に基づいて、第2の軸方向(Y軸)の磁気成分(2ΔRy)を演算し、第1の磁気抵抗素子からの出力(R=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz)に基づく値と第2の磁気抵抗素子の出力(R=R+ΔRx−ΔRy+ΔRz)に基づく値に基づいて、第3の軸方向(Z軸)の磁気成分(2ΔRz)を演算する。
また、実施形態5〜13の磁気センサを用いた他の磁気検出方法は、上述の第1〜第3の磁気抵抗からの出力と、磁気収束板に覆われた第5の磁気抵抗素子からの出力と、に基づいて3軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法である。
第1〜第3の磁気抵抗素子及び第5の磁気抵抗素子は同一方向に感磁軸を有し、上述の第2及び第3の軸方向の磁気成分の演算に加え、第2の磁気抵抗素子からの出力(R=R+ΔRx−ΔRy+ΔRz)と、第3の磁気抵抗素子の出力(R=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz)と、第5の磁気抵抗素子からの出力(R=R)に基づいて、第1の軸方向(X軸)の磁気成分(2ΔRx)を演算する。
また、実施形態5〜13の磁気センサを用いた他の磁気検出方法は、第1及び第2の磁気収束板に挟まれた第1及び第2の磁気抵抗素子と、第2及び第3の磁気収束板に挟まれた第3及び第4の磁気抵抗素子からの出力(R〜R)に基づいて、2軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法である。
第3及び第4の磁気抵抗素子からの出力(R,R)に基づく値の和(R+R)から第1及び第2の磁気抵抗素子からの出力(R,R)に基づく値の和(R+R)を減算した値(R+R−(R+R))に基づいて第2の軸方向(Y軸)の磁気成分(4ΔRy)を演算し、第2及び第4の磁気抵抗素子からの出力(R,R)に基づく値の和(R+R)から第1及び第3の磁気抵抗素子からの出力(R,R)に基づく値の和(R+R)を減算した値(R+R−(R+R))に基づいて第3の軸方向(Z軸)の磁気成分(4ΔRz)を演算するか、第1の磁気抵抗素子からの出力(R=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz)と第3の磁気抵抗素子の出力(R=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz)に基づいて、第2の軸方向(Y軸)の磁気成分(2ΔRy)を演算し、第1の磁気抵抗素子からの出力(R=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz)と第2の磁気抵抗素子の出力(R=R+ΔRx−ΔRy+ΔRz)に基づいて、第3の軸方向(Z軸)の磁気成分(2ΔRz)を演算する。
また、実施形態5〜13の磁気センサを用いた他の磁気検出方法は、上述の第1〜第4の磁気抵抗素子からの出力と、磁気収束板に覆われた第5の磁気抵抗素子からの出力と、に基づいて3軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法である。
第1〜第5の磁気抵抗素子は同一方向に感磁軸を有し、上述の第2および第3の軸方向の磁気成分の演算に加え、第1〜第4の磁気抵抗素子からの出力に基づく値から第5の磁気抵抗素子からの出力(R)に基づく値を減算した第1〜第4の磁気抵抗素子からの出力(R,R,R,R)に基づく信号の総和(R+R+R+R)に基づいて第1の軸方向(X軸)の磁気成分(4ΔRx)を演算する。要は、上記磁気検出方法は、各抵抗値に関する連立方程式を解くことで、各軸方向の磁場成分を求める。
また、第2の軸方向(Y軸)は、第1〜第5の磁気抵抗素子の感磁軸に対して垂直かつ基板平面に対して平行な方向であり、第3の軸方向(Z軸)は、基板平面に対して垂直な方向であり、第1の軸方向(X軸)は、第1〜第5の磁気抵抗素子の感磁軸の方向である。
このように、実施形態5〜13の磁気センサを用いた磁気検出方法は、消費電流の増大を抑えながら、分解能が高く同一基板上で2軸又は3軸方向の磁場を検知できる。また、一方向に感磁軸を有する磁気抵抗素子を用いた小型の磁気センサによる磁気検出方法を実現することができる。
[実施形態14]
図26は、本発明の磁気センサの実施形態14における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、実施形態14の磁気センサの平面視での構造を示す図である。
実施形態14の磁気センサは、図15の磁気センサにおいて、第5の磁気抵抗素子50eを削除し、第1の磁気収束板60aにおける第1の軸方向の左側に第5の磁気抵抗素子50eと、第3の磁気収束板60cにおける第1の軸方向の右側に第6の磁気抵抗素子50fとを設け、第1及び第3の磁気収束板60a,60cの端部を磁気収束板材61aで接続した構成となっている。
ここで、実施形態14の磁気センサに第1の軸方向の磁場Bxが入力されると、第5の磁気抵抗素子50eには第1の軸方向の磁場Bxが入力されるため、ΔRxだけ抵抗値が変化する。そして、第1の軸方向の磁場Bxは、第1の磁気収束板60aに入力され、第3の磁気収束板60cと接続された磁気収束板材61aにより第2の軸方向に曲げられる。この曲げられた磁場は、磁気収束板材61aを通り、第3の磁気収束板60cから第1の軸方向に出力される。第3の磁気収束板60cから出力された磁場は、第6の磁気抵抗素子50fに入力される。第6の磁気抵抗素子50fは、ΔRxだけ抵抗値が変化する。このように、第1及び第3の磁気収束板60a,60cを接続する磁気収束板材61aにより、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dが第1の軸方向の磁場Bxに対してシールドされ、第1の軸方向の磁場Bxが第5及び第6の磁気抵抗素子50e,50fのみに入力される。
第2の軸方向の磁場Byが入力されたとき、これまで説明してきた実施形態と同様の原理で第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dに第2の軸方向の磁場Byが入力され、第1及び第2の磁気抵抗素子50a,50bは−ΔRyだけ抵抗値が変化し、第3及び第4の磁気抵抗素子50c,50dはΔRyだけ抵抗値が変化する。
第2の軸方向の磁場Byは、第1の磁気収束板60aにより曲げられるため、第5の磁気抵抗素子50eには、第3及び第4の磁気抵抗素子50c,50dと同じ方向に磁場が入力される。このため、第5の磁気抵抗素子50eは、ΔRyだけ抵抗値が変化する。一方、第6の磁気抵抗素子50fには、第3の磁気収束板60cにより、第1及び第2の磁気抵抗素子50a,50bと同じ方向に第2の軸方向の磁場Byが入力される。このため、第6の磁気抵抗素子50fは、−ΔRyだけ抵抗値が変化する。
第3の軸方向の磁場Bzが入力されたときも、これまで説明してきた実施形態と同様の原理で第1及び第3の磁気抵抗素子50a,50cの抵抗値は−ΔRzだけ変化し、第2及び第4の磁気抵抗素子50b,50dの抵抗値はΔRzだけ変化する。第5の磁気抵抗素子50eには、第1の磁気収束板60aにより、第3の軸方向の磁場が第2及び第4の磁気抵抗素子50b,50dと同じ方向に入力される。そして、第5の磁気抵抗素子50eは、抵抗値がΔRzだけ変化する。第6の磁気抵抗素子50fには、第3の磁気収束板60cにより、第3の軸方向の磁場が第1及び第3の磁気抵抗素子50a,50cと同じ方向に入力される。そして、第6の磁気抵抗素子50fは、抵抗値が−ΔRzだけ変化する。
図27は、図26に示した磁気センサの出力信号を取り出すための配線を示す図である。第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fは、一端がそれぞれ端子Sに電気的に接続され、他端がそれぞれ端子A〜Fに電気的に接続されている。ここで、端子Sをグラウンドに接続し、端子A〜Fに電流源を接続して所定の電流を第1〜第6磁気抵抗素子50a〜50fに流すことで、3軸の磁場成分がそれぞれ混ざった信号を端子A〜Fよりそれぞれ取り出すことができる。
次に、各磁気抵抗素子から各軸の磁場成分の信号を取り出す方法について説明する。実施形態14の磁気センサに第1の軸方向の磁場Bx、第2の軸方向の磁場By、及び第3の軸方向の磁場Bzが印加されたときの第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fの抵抗値R〜Rは、次式となる。
=R−ΔRy−ΔRz ・・・(24)
=R−ΔRy+ΔRz ・・・(25)
=R+ΔRy−ΔRz ・・・(26)
=R+ΔRy+ΔRz ・・・(27)
=R+ΔRx+ΔRy+ΔRz ・・・(28)
=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz ・・・(29)
これまでの実施形態の説明と同様に、式(24)〜(29)に関する連立方程式を解くことで、各軸の磁場成分の出力を演算して求めることができる。
以下、ΔRx、ΔRy、及びΔRzの求め方の1例を示す。
−(24)+(26)より、−R+R=2ΔRy ・・・(30)
−(25)+(27)より、−R+R=2ΔRy ・・・(31)
−(24)+(25)より、−R+R=2ΔRz ・・・(32)
−(26)+(27)より、−R+R=2ΔRz ・・・(33)
(28)+(29)より、R+R=2R+2ΔRx ・・・(34)
がそれぞれ得られる。
次に、
(30)+(31)より、4ΔRy ・・・(35)
(32)+(33)より、4ΔRz ・・・(36)
(24)+(25)+(26)+(27)より、4R ・・・(37)
がそれぞれ得られる。
次に、
2×(34)−(37)より、4ΔRx ・・・(38)
が得られる。
このようにして、式(35)、(36)、(38)に示すような各軸の磁場成分が求まる。
図28は、図27に示した磁気センサの信号を検出するための具体的な回路構成図である。図19と同様に、端子Sは、グラウンドに接続され、端子A〜Fは、電流値が同じ複数の電流源の一端にそれぞれ接続され、各電流源の他端は、それぞれ電源電圧端子に接続されている。この構成により、第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fに所定の電流を供給することができ、第1の軸方向の磁場Bx、第2の軸方向の磁場By、及び第3の軸方向の磁場Bzが印加された状態での抵抗変化に基づいた電圧が端子A〜Fからそれぞれ出力される。
図29は、図26に示した磁気センサの出力信号の演算部の回路構成図である。
演算部80は、信号取得部81a〜81f(R〜R)、減算部82a〜82d(A〜D)、加算部82e(E)及び82f(F)を備えている。信号取得部81a〜81fは、端子A〜Fにおける第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fの抵抗値に応じた電圧をそれぞれ取得する。つまり、各信号取得部81a〜81fは、式(24)〜(29)に示した信号を取得する。そして、減算部82a〜82d及び加算部82eは、それぞれ式(30)〜(34)を計算し、加算部82fは、式(37)を計算する。最後に、後段の加減算部83が、式(35)、式(36)、式(38)をそれぞれ計算して、第1の軸方向の出力、第2の軸方向の出力、及び第3の軸方向の出力が得られる。
なお、実施形態14では、上述した手順でΔRx、ΔRy、及びΔRzに応じた出力を得ているが、上述した手順に限らない。つまり、演算部80が、ΔRx、ΔRy、及びΔRzを得るように連立方程式を解く構成であればよい。
以上説明した実施形態14の磁気センサは、図15の磁気センサが有する第1〜第3のいずれの方向の磁場に対して不感となるリファレンス用の第5の磁気抵抗素子50eが不要である。実施形態14の磁気センサは、実施形態5〜13の効果に加え、磁気抵抗素子をリファレンスとして用いずに、磁気抵抗素子EまたはFとして用いることで感度がさらに高くなる。
[実施形態15]
図30は、本発明の磁気センサの実施形態15における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、実施形態15の磁気センサの平面視での構成を示す図である。
実施形態15の磁気センサは、上述した実施形態14の磁気センサにおいて、平面視で、複数の磁気収束板60a〜60eのうち、第1の軸方向の左端に配置された磁気収束板60aにおける第1の軸方向の左側に配置された第4の磁気収束板60fと、第1の軸方向の右端に配置された磁気収束板60eの右側に配置された第5の磁気収束板60gをさらに備えている。また、実施形態15の磁気センサは、平面視で、第4及び第5の磁気収束板60f,60gと各々に接続する磁気収束板材61f,61gとがL字型をなしている。なお、これまで説明した実施形態と同様に、第4及び第5の磁気収束板60f,60gと各々に接続する磁気収束板材61f,61gとは、T字型又はY字型で構成してもよい。そして、複数の磁気収束板60a〜60eのうち隣り合う長手方向にずれた磁気収束板を挟んで対向する磁気収束板同士が磁気収束板材61a,61bで接続されている。つまり、複数の磁気収束板60a〜60eは、1つおきに端部において磁気収束板材61a,61bとそれぞれ接続されている。
図31は、図30に示した磁気センサの出力信号を取り出すための配線を示す図である。図30に示した第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fは、同じ符号同士のものがそれぞれ直列接続され、各磁気抵抗素子の一端は、端子Sに接続され、各磁気抵抗素子の他端は、それぞれ端子A〜Fに接続される。上述した実施形態14と同様に、端子Sは、グラウンドに接続され、端子A〜Fには所定の電流を供給する電流源に接続される。各磁気抵抗素子に電流を供給し、各磁気抵抗素子の抵抗値に応じた信号を取り出す具体的な回路構成は、図28と同様である。
第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dの抵抗値に応じた信号は、上述した実施形態14と同様の原理により、信号増幅率を正規化すると、式(24)〜(27)と同じになる。第5及び第6の磁気抵抗素子50e,50fは、それぞれ左右の磁気抵抗素子の第2の軸方向の成分が逆符号になるため、第1の軸方向の成分と第3の軸方向の成分だけが抵抗値変化として表れる。つまり、第5及び第6の磁気抵抗素子50e,50fの抵抗値に応じた信号は、信号増幅率を正規化すると、次式で表される。
=R+ΔRx+ΔRy+ΔRz ・・・(39)
=R+ΔRx−ΔRy−ΔRz ・・・(40)
あとは、上述した実施形態14と同様に、演算部80を備えて、式(24)〜(27)、式(39)、及び式(40)に関する連立方程式を解くことで、各軸の磁場成分の出力が得られる。
連立方程式を解く手順は、上述した実施形態14と同じ手順でよい。つまり、上記手順で演算する場合、演算部80の回路構成は、図29と同様となる。
[実施形態16]
図32は、本発明の磁気センサの実施形態16における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、実施形態16の磁気センサの平面視での構成と信号を検出するための配線を示す図である。
実施形態16の磁気センサは、上述した実施形態15の磁気センサにおいて、各磁気収束板60a〜60gの端部が1つおきに磁気収束板材61a,61bで接続されたものである。つまり、実施形態16の磁気センサは、複数の磁気収束板60a,60c,60eのうち長手方向にずれた磁気収束板のずれた方向の端部がそれぞれ磁気収束板材61aで接続され、残りの磁気収束板60f,60b,60d,60gの上記ずれた方向とは逆方向の端部がそれぞれ磁気収束板材61bで接続されている。
各磁気抵抗素子の抵抗値に応じた信号を取り出す方法、連立方程式を解いて各軸の磁場成分を出力する方法は、上述した実施形態14及び15と同様であるため、説明を省略する。
[実施形態17]
図33は、本発明の磁気センサの実施形態17における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、実施形態17の磁気センサの平面視での構成と信号を検出するための配線を示す図である。
実施形態17の磁気センサは、上述した実施形態15の磁気センサにおいて、第1の軸方向の左端と右端にあるL字型を構成する第4及び第5の磁気収束板60f,60gと磁気収束板材61f,61gと、磁気抵抗素子のうち第1の軸方向の左端にある第6の磁気抵抗素子50fと、磁気抵抗素子のうち第1の軸方向の右端にある第5の磁気抵抗素子50eと、を削除したものである。そして、第1〜第4の磁気抵抗素子50a〜50dは、同じ符号同士のものがそれぞれ直列接続され、第1〜第6の磁気抵抗素子50a〜50fの一端が端子Sに接続され、他端がそれぞれ端子A〜Fに接続されている。所定の電流を端子A〜Fに流して各磁気抵抗素子の抵抗値に応じた信号を取り出す方法、連立方程式を解いて各軸の磁場成分を出力する方法は、上述した実施形態14及び15と同様であるため、説明を省略する。
[実施形態18]
図34は、本発明の磁気センサの実施形態18における磁気抵抗素子と磁気収束板の配置パターンを示す図で、実施形態18の磁気センサの平面視での構成と信号を検出するための配線を示す図である。
実施形態18の磁気センサは、複数の磁気収束板60a〜60f及び磁気収束板材61a,61b,61e,61fの構成が、上述した実施形態17の複数の磁気収束板60a〜60eのうち第1の軸方向の右端に配置された磁気収束板60eの端部と中央に配置された磁気収束板60cの端部とが磁気収束板材61aで接続されず、上述した実施形態17の複数の磁気収束板60a〜60eのうち第1の軸方向の左端に配置された磁気収束部60aと空間を隔てて逆T字型を構成する磁気収束板60fと磁気収束板材61fとがさらに配置されたものである。そして、実施形態18の磁気センサは、上述した実施形態17の磁気センサの第1の軸方向の右側にある2つの磁気収束板60d,60eの間に配置した第3及び第4の磁気抵抗素子50c,50dが、それぞれ実施形態15の右側の第6及び第5の磁気抵抗素子50f,50eで置き換わり、さらに、上述した実施形態17の第1の軸方向の右端にある第6の磁気抵抗素子50fが、磁気収束板材61fとで逆T字型を構成する第4の磁気収束板60fと、磁気収束板60aとの間で逆T字型の磁気収束板60fに寄って配置されたものである。
第1及び第2の磁気抵抗素子50a,50bと第5及び第6の磁気抵抗素子50e,50fは、同じ符号同士のものがそれぞれ直列接続され、各一端が端子Sに接続され、各他端が端子A〜Fに接続されている。
所定の電流を端子A〜Fに流して各磁気抵抗素子の抵抗値に応じた信号を取り出す方法は、上述した実施形態14及び15と同様である。また、上述した実施形態14及び15と同様に、端子A〜Fから取得される磁気抵抗素子50a〜50fの抵抗値に応じた信号について、連立方程式を解くことで各軸の磁場成分の出力を求めることができる。
実施形態18では、磁場を受けていないときの第3及び第4の磁気抵抗素子50c,50dの抵抗値が磁場を受けていないときの第1及び第2の磁気抵抗素子50a,50bと第5及び第6の磁気抵抗素子50e,50fの抵抗値とそれぞれ等しいとすると、端子A〜Eにおける各磁気抵抗素子の出力は、上述した実施形態14と同様となる。しかし、実施形態18では、端子Fから取得される信号Rは、次式のように、ΔRyの符号が実施形態14と逆になる。
=R+ΔRx+ΔRy−ΔRz ・・・(41)
また、R+Rは、次式で表される。
+R=2R+2ΔRx+2ΔRy ・・・(42)
つまり、実施形態18では、上述した実施形態14の演算部80における加減算部83が、2×(42)−(37)を計算した値から式(35)の4ΔRyを減算するように構成することで、4ΔRxを求めることができる。なお、上述の説明から明らかなように、ΔRx、ΔRy、ΔRzが求まれば、その解き方や手順は何でもよい。つまり、演算部80がΔRx、ΔRy、ΔRzを出力できるように連立方程式を解く構成となっていればよい。
以上のように、実施形態14〜18の磁気センサは、第1の軸方向の両端に位置する磁気収束板とそれに隣接する磁気収束板とで形成する空隙において、第1の軸方向の磁場が配置パターン内部のそれと異なる性質を利用していることが特徴である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上説明した磁気センサ及びその磁気検出方法について、実施態様を以下に記す。
[実施態様1]
基板に対して略平行でかつ互いに略平行であり、隣り合う2つの一方に対して他方が長手方向にずれて配置された複数の磁気収束部と、
前記複数の磁気収束部に略平行であり、平面視で、前記複数の磁気収束部の隣り合う2つの磁気収束部の間に配置された複数の磁気検知部と、を備え、
前記複数の磁気検知部は、
平面視で、前記複数の磁気収束部のうち隣り合う2つの磁気収束部にそれぞれ寄って配置された第1及び第2の磁気検知部を含んでいる磁気センサ。
[実施態様2]
前記第1の磁気検知部は、平面視で、前記複数の磁気収束部のうち隣り合う2つの磁気収束部の一方の磁気収束部よりも他方の磁気収束部に寄って配置され、
前記第2の磁気検知部は、平面視で、前記他方の磁気収束部よりも前記一方の磁気収束部に寄って配置されている実施態様1に記載の磁気センサ。
[実施態様3]
前記複数の磁気収束部は、3つ以上の磁気収束部で構成され、
1つの磁気収束部が2つの磁気収束部に対して長手方向にずれ、前記2つの磁気収束部が前記1つの磁気収束部を平面視で挟み込んで対向するように配置されている実施態様1又は2に記載の磁気センサ。
[実施態様4]
前記複数の磁気収束部の各々のエッジ間距離が、それぞれ略等しい実施態様3に記載の磁気センサ。
[実施態様5]
前記複数の磁気収束部は、平面視で前記複数の磁気収束部の各重心がジグザグとなるように配置されている実施態様3又は4に記載の磁気センサ。
[実施態様6]
前記複数の磁気収束部は、平面視で1つおきに対抗して配置されている実施態様3〜5のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様7]
前記複数の磁気収束部の端部に磁気収束部材が設けられている実施態様3〜6のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様8]
前記複数の磁気収束部は、前記磁気収束部材とともに、T字型,Y字型又はL字型の磁気収束部を構成している実施態様7に記載の磁気センサ。
[実施態様9]
平面視で、前記複数の磁気収束部の1つに覆われるように配置された第3の磁気検知部をさらに備えている実施態様1〜8のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様10]
前記複数の磁気収束部は、1つおきに前記磁気収束部材で接続されている実施態様7に記載の磁気センサ。
[実施態様11]
平面視で、前記複数の磁気収束部のうち端に配置された磁気収束部の外側に配置された第4及び第5の磁気検知部をさらに備えている実施態様10に記載の磁気センサ。
[実施態様12]
平面視で、前記複数の磁気収束部のうち端に配置された磁気収束部が前記磁気収束部材とともに、T字型,Y字型又はL字型の磁気収束部を構成し、前記複数の磁気収束部のうち前記端に配置された磁気収束部以外の磁気収束部は、1つおきに前記磁気収束部材で接続されている実施態様7に記載の磁気センサ。
[実施態様13]
前記複数の磁気検知部の感磁軸は、同一の第1の軸方向である実施態様3〜8及び12のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様14]
前記複数の磁気検知部の各出力に基づいて、第2の軸方向の磁場と第3の軸方向の磁場とを演算して求める演算部を備えている実施態様13に記載の磁気センサ。
[実施態様15]
前記演算部は、前記複数の磁気検知部の各抵抗値に基づいて、前記第2及び第3の軸方向の磁場を求める実施態様14に記載の磁気センサ。
[実施態様16]
前記複数の磁気検知部と前記第3の磁気検知部の感磁軸は、同一の第1の軸方向である実施態様9に記載の磁気センサ。
[実施態様17]
前記複数の磁気検知部と前記第3の磁気検知部の各出力に基づいて、第2の軸方向の磁場と第3の軸方向の磁場とを演算して求める演算部を備えている実施態様16に記載の磁気センサ。
[実施態様18]
前記演算部は、前記複数の磁気検知部と前記第3の磁気検知部の各抵抗値に基づいて、前記第2及び第3の軸方向の磁場を求める実施態様17に記載の磁気センサ。
[実施態様19]
前記複数の磁気検知部と前記第4及び第5の磁気検知部の感磁軸は、同一の第1の軸方向である実施態様11に記載の磁気センサ。
[実施態様20]
前記複数の磁気検知部と前記第4及び第5の磁気検知部の各出力に基づいて、第2の軸方向の磁場と第3の軸方向の磁場とを演算して求める演算部を備えている実施態様19に記載の磁気センサ。
[実施態様21]
前記演算部は、前記複数の磁気検知部と前記第4及び第5の磁気検知部の各抵抗値に基づいて、前記第2及び第3の軸方向の磁場を求める実施態様20に記載の磁気センサ。
[実施態様22]
前記演算部は、前記各抵抗値に関する連立方程式を解くことで、前記第2及び第3の軸方向の磁場を求める実施態様15,18又は21に記載の磁気センサ。
[実施態様23]
前記第1の軸は、前記基板に平行であり、
前記第2の軸は、前記基板に平行で前記第1の軸に直交し、
前記第3の軸は、前記基板に直交する実施態様13〜22のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様24]
第1の方向の磁場成分を検知する感磁材を有する磁気検知部と、
前記第1の方向に直交する第2の方向の磁場成分と、前記第1及び第2の方向のいずれにも直交する第3の方向の磁場成分とを前記第1の方向の磁場成分に変換する磁場方向変換部と、
を備えている磁気センサ。
[実施態様25]
前記磁場方向変換部は、基板上に互いに略平行となるように配置された第1及び第2の磁気収束部を備え、該第1及び第2の磁気収束部と前記磁気検知部が有する前記感磁材とで構成される配置パターンにおいて、
前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記基板を平面視したときに、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部との間に配置されている実施態様24に記載の磁気センサ。
[実施態様26]
前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記基板を平面視したときに、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部と略平行となるように配置されている実施態様25に記載の磁気センサ。
[実施態様27]
前記磁気検知部が有する前記感磁材と前記第1の磁気収束部との距離が、前記磁気検知部が有する前記感磁材と前記第2の磁気収束部との距離よりも短い実施態様26に記載の磁気センサ。
[実施態様28]
前記第1及び第2の磁気収束部が、該第2の磁気収束部の長手方向に磁場が入力されたときに、該第2の磁気収束部から前記第1の磁気収束部に磁束成分の磁路が形成されるように配置されている実施態様25〜27のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様29]
前記第1の方向と前記第2の方向とが、前記基板平面に平行で、かつ前記第3の方向が、前記基板平面に垂直である実施態様25〜28のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様30]
前記第2の磁気収束部が、前記第1の磁気収束部に対して、前記第2の磁気収束部の長手方向においてずれて配置されている実施態様25〜29のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様31]
前記磁場方向変換部が、
第3の磁気収束部及び/又は第4の磁気収束部を有し、該第3の磁気収束部が、前記第1の磁気収束部を、該第3の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部で挟む位置に配置され、前記第4の磁気収束部が、前記第2の磁気収束部を、前記第4の磁気収束部及び前記第1の磁気収束部で挟む位置に配置されている実施態様25〜30のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様32]
前記第1〜第4の磁気収束部が、各々の端部に第1〜第4の磁気収束部材を備え、前記第1〜第4の磁気収束部及び前記第1〜第4の磁気収束部材が、前記基板を平面視したときに、T字型,Y字型又はL字型である実施態様25〜31のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様33]
前記T字型,Y字型又はL字型の前記第1〜第4の磁気収束部及び前記第1〜第4の磁気収束部材が、互いに空隙部を有している実施態様32に記載の磁気センサ。
[実施態様34]
前記磁気検知部が有する前記感磁材の長辺方向に沿った一部が、前記基板平面を介して前記第1及び第2の磁気収束部のいずれかに覆われている実施態様25〜33のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様35]
前記磁気検知部が有する前記感磁材と同じ構造の感磁材を有する補助磁気検知部(50c)を備え、該補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1〜第3の方向の磁場成分に対して不感となるように配置されており、前記配置パターンが、前記補助磁気検知部が有する感磁材を含む実施態様25〜34のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様36]
前記補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1及び第2の磁気収束部のいずれかに覆われている実施態様35に記載の磁気センサ。
[実施態様37]
前記補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第2の磁気収束部に覆われている実施態様36に記載の磁気センサ。
[実施態様38]
前記配置パターンを複数有する実施態様24〜37のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様39]
前記複数の繰り返し配置パターンが、各々の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材及び/又は前記補助磁気検知部が有する感磁材が、隣接する後段の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材及び/又は前記補助磁気検知部が有する感磁材の各々と電気的に接続されている実施態様38に記載の磁気センサ。
[実施態様40]
前記複数の繰り返し配置パターンにおいて、各々の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材と隣接する後段の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材とが電気的に接続されている実施態様39に記載の磁気センサ。
[実施態様41]
前記複数の繰り返し配置パターンにおいて、各々の配置パターン中の前記補助磁気検知部が有する感磁材と隣接する後段の配置パターン中の前記補助磁気検知部が有する感磁材とが電気的に接続されている実施態様39に記載の磁気センサ。
[実施態様42]
前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1の方向の磁場成分のみを検知する実施態様24〜41のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様43]
前記第1〜第4の磁気収束部及び前記第1〜第4の磁気収束部材が、軟磁性体である実施態様24〜42のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様44]
他の機能ブロックを制御する制御部を備え、
該制御部には、前記磁気検知部の出力から得られる前記第1〜第3の方向の磁場成分が加算された状態の信号が入力され、
前記制御部が、該第1〜第3の方向の磁場成分が加算された状態の信号で前記他の機能ブロックを制御する実施態様24〜43のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様45]
前記磁気検知部の出力と前記補助磁気検知部の出力に基づき、前記第1〜第3の方向の磁場成分が加算された状態の信号を生成する信号生成部と、
他の機能ブロックを制御する制御部と備え、
前記制御部が、前記信号生成部から出力される前記第1〜第3の方向の磁場成分が加算された状態の信号で前記他の機能ブロックを制御する実施態様24〜43のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様46]
2軸又は3軸方向の磁気を検出する磁気センサにおいて、
基板平面に対して各々平行に配置された3つ以上の磁気検知部と、前記基板平面に対して各々平行に配置された第1〜第3の磁気収束部とからなる配置パターンを備え、
前記第1〜第3の磁気収束部が、前記第2の磁気収束部の長手方向に磁気が入力されたときに、前記第2の磁気収束部から前記第1の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部から前記第3の磁気収束部にそれぞれ磁束成分の磁路が形成されるように配置され、
前記3つ以上の磁気検知部が、前記第2の磁気収束部と前記第1の磁気収束部との間に配置されている一方の磁気検知部群と、前記第2の磁気収束部と前記第3の磁気収束部との間に配置されている他方の磁気検知部群とを備えている磁気センサ。
[実施態様47]
前記3つ以上の磁気検知部のいずれもが、前記基板平面に対して平行な第1の軸方向に感磁軸を有し、前記2軸は、前記基板平面に対して平行かつ前記第1の軸に対して垂直な第2の軸と、前記基板平面に対して垂直な第3の軸であり、前記3軸は、前記第1〜第3の軸である実施態様46に記載の磁気センサ。
[実施態様48]
前記3つ以上の磁気検知部の各々が、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部間の第1仮想中線から、前記一方の磁気検知部群の磁気検出部各々の長手方向の中線までの中線間距離及び前記第2の磁気収束部と前記第3の磁気収束部間の第2仮想中線から、前記他方の磁気検知部群の磁気検出部各々の長手方向の中線までの中線間距離が互いに略等しい実施態様46又は47に記載の磁気センサ。
[実施態様49]
前記中線間距離の各々が、互いに0.7倍以上1.3倍以下である実施態様48に記載の磁気センサ。
[実施態様50]
前記第2の磁気収束部が、前記第1及び第3の磁気収束部に対して、前記第2の磁気収束部の長手方向にずれて配置される実施態様46〜49のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様51]
平面視で、前記第2の磁気収束部の重心が、前記第1及び第3の磁気収束部の重心を結んだ仮想線上に乗らない実施態様46〜50のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様52]
前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部とのエッジ間距離が、前記第2の磁気収束部と前記第3の磁気収束部とのエッジ間距離と略等しい実施態様46〜51のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様53]
前記エッジ間距離の各々が、互いに0.7倍以上1.3倍以下である実施態様52に記載の磁気センサ。
[実施態様54]
第4の磁気収束部及び/又は第5の磁気収束部を備え、該第4の磁気収束部が、前記第1の磁気収束部を、該第4の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部で挟む位置に配置され、該第5の磁気収束部が、前記第3の磁気収束部を、該第5の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部で挟む位置に配置される実施態様46〜53のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様55]
前記磁気収束部の端部に磁気収束部材を設け、該磁気収束部が、T字型,Y字型又はL字型の磁気収束部を構成している実施態様46〜54のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様56]
前記T字型,Y字型又はL字型の磁気収束部の磁気収束部材が、互いに空隙部を有している実施態様55に記載の磁気センサ。
[実施態様57]
前記3つ以上の磁気検知部の長辺方向に沿った一部が、前記基板平面を介して前記第1〜第3の磁気収束部のいずれかに覆われている実施態様46〜56のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様58]
前記配置パターンが、前記3つ以上の磁気検知部に加えて、さらに補助磁気検知部を備え、該補助磁気検知部が、磁気収束部に覆われている実施態様46〜57のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様59]
前記3つ以上の磁気検知部が、4つの磁気検知部である実施態様58に記載の磁気センサ。
[実施態様60]
前記補助磁気検知部が、前記第1〜第3の磁気収束部のいずれかに覆われている実施態様58又は59に記載の磁気センサ。
[実施態様61]
前記配置パターンを複数有する実施態様46〜60のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様62]
前記複数の配置パターンにおいて、各々の配置パターン中の前記第3の磁気収束部が、隣接する後段の配置パターン中の前記第1の磁気収束部を兼ねる実施態様61に記載の磁気センサ。
[実施態様63]
前記複数の繰り返し配置パターンが、各々の配置パターン中の前記3つ以上の磁気検知部及び/又は前記補助磁気検知部が、隣接する後段の配置パターン中の前記3つ以上の磁気検知部及び/又は前記補助磁気検知部の各々と電気的に接続されている実施態様61又は62に記載の磁気センサ。
[実施態様64]
前記3つ以上の磁気検知部からの出力に基づく信号が入力され、前記3つ以上の磁気検知部の感磁軸に対して垂直かつ前記基板平面に対して平行な方向のY軸の磁気成分と、前記基板平面に対して垂直な方向のZ軸の磁気成分とを演算する演算部を備えている実施態様46〜63のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様65]
前記3つ以上の磁気検知部及び前記補助磁気検知部からの出力に基づく信号が入力され、前記3つ以上の磁気検知部の感磁軸の磁気成分と、前記3つ以上の磁気検知部の感磁軸に対して垂直かつ前記基板平面に対して平行な方向のY軸の磁気成分と、前記基板平面に対して垂直な方向のZ軸の磁気成分とを演算する演算部を備えている実施態様58〜60のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[実施態様66]
前記演算部が、前記補助磁気検知部からの出力に基づく信号分が減算された前記3つ以上の磁気検知部からの出力に基づく信号を加算することにより、前記3つ以上の磁気検知部の感磁軸の磁気成分を演算する実施態様65に記載の磁気センサ。
[実施態様67]
実施態様46〜66のいずれか1項に記載の磁気センサを用いた磁気検出方法。
[実施態様68]
第1及び第2の磁気収束部に挟まれた第1及び第2の磁気検知部と、前記第2の磁気収束部及び第3の磁気収束部に挟まれた第3の磁気検知部からの出力に基づいて、2軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法であって、
前記第1〜第3の磁気検知部は同一の第1の軸方向に感磁軸を有し、
前記第1の磁気検知部からの出力に基づく値と前記第3の磁気検知部の出力に基づく値とに基づいて、第2の軸方向の磁気成分を演算し、
前記第1の磁気検出部からの出力に基づく値と前記第2の磁気検知部の出力に基づく値とに基づいて、第3の軸方向の磁気成分を演算する磁気検出方法。
[実施態様69]
第1及び第2の磁気収束部に挟まれた第1及び第2の磁気検知部と、前記第2の磁気収束部と第3の磁気収束部に挟まれた第3及び第4磁気検知部からの出力に基づいて、2軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法であって、
前記第1〜第4の磁気検知部は同一の第1の軸方向に感磁軸を有し、
前記第3及び第4の磁気検知部からの出力に基づく値の和から前記第1及び第2の磁気検知部からの出力に基づく値の和を減算した値に基づいて第2の軸方向の磁気成分を演算し、
前記第2及び第4の磁気検知部からの出力に基づく値の和から前記第1及び第3の磁気検知部からの出力に基づく値の和を減算した値に基づいて第3の軸方向の磁気成分を演算するか、または、
前記第1の磁気検知部からの出力と前記第3の磁気検知部からの出力に基づいて、第2の軸方向の磁気成分を演算し、
前記第1の磁気検出部からの出力と前記第2の磁気検知部からの出力に基づいて、第3の軸方向の磁気成分を演算する磁気検出方法。
[実施態様70]
前記第1〜第3の磁気検知部からの出力と、磁気収束部に覆われた補助磁気検知部からの出力と、に基づいて3軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法であって、
前記第1〜第3の磁気検知部及び補助磁気検知部は、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、
前記第2及び第3の軸方向の磁気成分の演算に加え、
前記第2の磁気検出部からの出力と、前記第3の磁気検知部からの出力と、前記補助磁気検知部からの出力に基づいて、前記第1の軸方向の磁気成分を演算する実施態様68に記載の磁気検出方法。
[実施態様71]
前記第1〜第4の磁気検知部からの出力と、磁気収束部に覆われた補助磁気検知部からの出力と、に基づいて3軸方向の磁気成分を検出する磁気検出方法であって、
前記第1〜第4の磁気検知部及び補助磁気検知部は、前記第1の軸方向に感磁軸を有し、
前記第2及び第3の軸方向の磁気成分の演算に加え、
前記第1〜第4の磁気検知部からの出力に基づく値から前記補助磁気検知部からの出力に基づく値を減算した前記第1〜第4の磁気検知部からの出力に基づく信号の総和に基づいて前記第1の軸方向の磁気成分を演算する実施態様69に記載の磁気検出方法。
[実施態様72]
前記第2の軸方向が、前記磁気検知部の感磁軸に対して垂直かつ前記基板平面に対して平行な方向であり、前記第3の軸方向が、前記基板平面に対して垂直な方向である実施態様68〜71のいずれか1項に記載の磁気検出方法。
[実施態様73]
前記第1の軸方向が、前記磁気検知部の感磁軸の方向であることを特徴とする実施態様69〜72のいずれか1項に記載の磁気検出方法。
本発明の磁気センサ及びその磁気検出方法は、小型化や省スペース化、低消費電力化の要求の強い携帯機器等の分野で好適に利用できる。
1 反強磁性層
2 ピンド層(固定層)
3 Cu層(スペーサ層)
4 フリー層(自由回転層)
11 絶縁膜
12 フリー層(自由回転層)
13 導電層
14 ピンド層(固定層)
15 反強磁性層
16 絶縁膜
31 シリコン基板
32a〜32c GMR素子
33a〜33d メタル配線
41a〜41f 磁気収束板
50a〜50f 第1〜第6の磁気抵抗素子(磁気検知部)
60a〜60g 第1〜第7の磁気収束板(磁気収束部)
61a〜61g 第1〜第7の磁気収束板材(磁気収束部材)
70 基板平面
71 第1の仮想平面
72 第2の仮想平面
80 演算部
81a〜81f 信号取得部
82a〜82d 減算部
82e,82f 加算部
83 加減算部
90a〜90f 定電流源
101 第1の電位
102 第2の電位
161b,162b 第2の磁気収束部の端点

Claims (25)

  1. 第1の軸方向の磁場成分を検知する感磁材を有する磁気検知部と、
    前記第1の軸方向に直交する第2の軸方向の磁場成分と、前記第1及び第2の軸方向のいずれにも直交する第3の軸方向の磁場成分とを前記第1の軸方向の磁場成分に変換する磁場方向変換部と、
    を備えている磁気センサ。
  2. 少なくとも基板に垂直な磁場と平行な磁場とを混合して各磁場成分を分離可能な状態で検知できる請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記磁場方向変換部は、基板上に互いに略平行となるように配置された第1及び第2の磁気収束部を備え、該第1及び第2の磁気収束部と前記磁気検知部が有する前記感磁材とで構成される配置パターンにおいて、
    前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記基板を平面視したときに、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部との間に配置されている請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記基板を平面視したときに、前記第1の磁気収束部と前記第2の磁気収束部と略平行となるように配置されている請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気検知部が有する前記感磁材と前記第1の磁気収束部との距離が、前記磁気検知部が有する前記感磁材と前記第2の磁気収束部との距離よりも短い請求項4に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1及び第2の磁気収束部が、該第2の磁気収束部の長手方向に磁場が入力されたときに、該第2の磁気収束部から前記第1の磁気収束部に磁束成分の磁路が形成されるように配置されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  7. 前記第1の軸方向と前記第2の軸方向とが、前記基板平面に平行で、かつ前記第3の軸方向が、前記基板平面に垂直である請求項3〜6のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  8. 前記第2の磁気収束部が、前記第1の磁気収束部に対して、前記第2の磁気収束部の長手方向においてずれて配置されている請求項3〜7のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  9. 前記磁場方向変換部が、
    第3の磁気収束部及び/又は第4の磁気収束部を有し、該第3の磁気収束部が、前記第1の磁気収束部を、該第3の磁気収束部及び前記第2の磁気収束部で挟む位置に配置され、前記第4の磁気収束部が、前記第2の磁気収束部を、前記第4の磁気収束部及び前記第1の磁気収束部で挟む位置に配置されている請求項3〜8のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  10. 前記第1〜第2の磁気収束部が、各々の端部に第1〜第2の磁気収束部材を備え、前記第1〜第2の磁気収束部及び前記第1〜第2の磁気収束部材が、前記基板を平面視したときに、T字型,Y字型又はL字型である請求項3〜9のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  11. 前記T字型,Y字型又はL字型の前記第1〜第2の磁気収束部及び前記第1〜第2の磁気収束部材が、互いに空隙部を有している請求項10に記載の磁気センサ。
  12. 前記磁気検知部が有する前記感磁材の長辺方向に沿った一部が、前記基板平面を介して前記第1及び第2の磁気収束部のいずれかに覆われている請求項3〜11のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  13. 前記磁気検知部が有する前記感磁材と同じ構造の感磁材を有する補助磁気検知部を備え、該補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1〜第3の軸方向の磁場成分に対して不感となるように配置されており、前記配置パターンが、前記補助磁気検知部が有する感磁材を含む請求項3〜12のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  14. 前記補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1及び第2の磁気収束部のいずれかに覆われている請求項13に記載の磁気センサ。
  15. 前記補助磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第2の磁気収束部に覆われている請求項14に記載の磁気センサ。
  16. 前記配置パターンを複数有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  17. 前記配置パターンを複数有する請求項14〜16のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  18. 前記複数の繰り返し配置パターンが、各々の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材が、隣接する後段の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材が有する感磁材の各々と電気的に接続されている請求項16に記載の磁気センサ。
  19. 前記複数の繰り返し配置パターンが、各々の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材及び/又は前記補助磁気検知部が有する感磁材が、隣接する後段の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材及び/又は前記補助磁気検知部が有する感磁材の各々と電気的に接続されている請求項17に記載の磁気センサ。
  20. 前記複数の繰り返し配置パターンにおいて、各々の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材と隣接する後段の配置パターン中の前記磁気検知部が有する感磁材とが電気的に接続されている請求項18に記載の磁気センサ。
  21. 前記複数の繰り返し配置パターンにおいて、各々の配置パターン中の前記補助磁気検知部が有する感磁材と隣接する後段の配置パターン中の前記補助磁気検知部が有する感磁材とが電気的に接続されている請求項19に記載の磁気センサ。
  22. 前記磁気検知部が有する前記感磁材が、前記第1の軸方向の磁場成分のみを検知する請求項1〜21のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  23. 前記第1〜第4の磁気収束部及び前記第1〜第4の磁気収束部材が、軟磁性体である請求項9、16〜22のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  24. 他の機能ブロックを制御する制御部を備え、
    該制御部には、前記磁気検知部の出力から得られる前記第1〜第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号が入力され、
    前記制御部が、該第1〜第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号で前記他の機能ブロックを制御する請求項1〜23のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  25. 前記磁気検知部の出力と前記補助磁気検知部の出力に基づき、前記第1〜第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号を生成する信号生成部と、
    他の機能ブロックを制御する制御部と備え、
    前記制御部が、前記信号生成部から出力される前記第1〜第3の軸方向の磁場成分が加算された状態の信号で前記他の機能ブロックを制御する請求項1〜23のいずれか1項に記載の磁気センサ。
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