JPWO2009048018A1 - 磁気検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に、従来に比べてX−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることが可能な磁気検出装置を提供することを目的としている。【解決手段】 基板11には磁気センサ12、第1の磁性体13及び第2の磁性体14が組み込まれている。前記磁気センサ12に内蔵される磁気抵抗効果素子は、少なくとも、高さ方向(Z方向)に固定磁性層、フリー磁性層、及び、前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層を積層した構造を備える。前記固定磁性層の磁化方向は、前記Z方向に直交するX方向の一方向に固定されており、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14は、前記磁気抵抗効果素子のX方向の両側に間隔を空けて配置されている。前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14のX方向に向く対向面13a1,14a1は、Y方向及びZ方向に互いにずれて配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、従来に比べてX−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることが可能な磁気検出装置に関する。
例えば磁石から生じる外部磁界を検知するための磁気検出装置には磁気抵抗効果素子(GMR素子)が設けられている。
前記磁気抵抗効果素子1は、固定磁性層、フリー磁性層及び前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層の積層構造を備えた巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)であり、例えば、前記固定磁性層の磁化方向は+X方向に固定されている。
図14は、前記磁気抵抗効果素子1の上方に磁石2が対向した状態を示す平面図である。前記磁石2の上下面が着磁面であり、図15〜図17に示すように、例えば、前記磁石2の上面2aがS極、下面2bがN極に着磁されている。
この磁気検出装置は、双極検知に対応可能となっている。例えば、今、図15に示すように、前記磁石2が磁気抵抗効果素子1に対して+X方向に位置すると、磁気抵抗効果素子1には、固定磁性層の磁化方向(PIN方向)と反対方向(−X方向)の水平磁場成分H1が進入する。
前記磁気抵抗効果素子1を構成するフリー磁性層は、水平磁場成分の方向を向き、固定磁性層の磁化方向(PIN方向)との関係で磁気抵抗効果素子1の電気抵抗値が変動する。このとき、固定磁性層の磁化方向(PIN方向)と略反対方向の水平磁場成分H1が進入すると磁気抵抗効果素子1の電気抵抗値は大きくなる。これにより前記磁気抵抗効果素子1が組み込まれたセンサ回路の電位が中点電位から大きく変動して、磁石2からの外部磁界が作用していることを示すオン信号が出力されるように制御されている。また、図示しないが磁石2が磁気抵抗効果素子1に対して−X方向に位置した場合、磁気抵抗効果素子1には、固定磁性層の磁化方向(PIN方向)と同一方向(+X方向)の水平磁場成分が進入する。これにより磁気抵抗効果素子1の電気抵抗値は小さくなり、前記磁気抵抗効果素子1が組み込まれたセンサ回路の電位が中点電位から大きく変動し、オン信号が出力されるように制御されている。
特開2000−252545号公報 特開2003−130933号公報
従来の双極対応型の磁気検出装置では、X−Y平面上に位置する磁石2の検知範囲は図14に示すAの領域に限られていた。
図16に示すように、磁石2が前記磁気抵抗効果素子1に対して+Y方向、あるいは−Y方向に位置したとき、前記磁石2の検知ができなかった。
図16に示すように、磁石2が磁気抵抗効果素子1に対して+Y方向に位置すると、磁気抵抗効果素子1には−Y方向の水平磁場成分H2が進入する。しかしながら固定磁性層の磁化方向(PIN方向)は+X方向であるため、固定磁性層の磁化方向とフリー磁性層の磁化方向とは略直交関係になり、磁気抵抗効果素子1の電気抵抗値は中間値となる。この結果、前記磁気抵抗効果素子1が組み込まれた電気回路の電位が中点電位から変動せず、あるいは電位が変動しても中点電位からの変動量が小さく、磁石2からの外部磁界が作用していないことを示すオフ信号が生成されてしまい、よって前記磁気抵抗効果素子1に対して+Y方向あるいは−Y方向に位置したときの磁石2の検知が不可能であった。
また前記磁石2が磁気抵抗効果素子1の真上に位置したときは、図17に示すように、前記磁石2からは前記磁気抵抗効果素子1に対して垂直磁場成分H3が作用するが、そもそも磁気抵抗効果素子1の電気抵抗値を変動させるための水平磁場成分が作用しないため、磁石2が磁気抵抗効果素子1の真上(及び真下)に位置したときも死角領域となってしまう。
特許文献1には「ホールセンサ」に関する発明が、特許文献2には、「磁気センサ素子」に関する発明が開示されているが、上記した従来技術の問題点については何ら記載されておらず、当然にその解決手段も開示されていない。
そこで本発明は上記従来の問題点を解決するためのものであり、特に、従来に比べてX−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることが可能な磁気検出装置を提供することを目的としている。
本発明における磁気検出装置は、下面及び上面が着磁面の磁石に対し異なる高さ位置に配置され、前記磁石からの外部磁界を受けて電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果素子を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、少なくとも、高さ方向(Z方向)に固定磁性層、フリー磁性層、及び、前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層を積層した構造を備え、
前記固定磁性層の磁化方向は、前記Z方向に直交するX方向の一方向に固定されており、前記磁気抵抗効果素子のX方向の両側に間隔を空けて第1の磁性体と、第2の磁性体とが設けられており、
前記第1の磁性体及び第2の磁性体のX方向に向く対向面は、前記X方向及びZ方向に直交するY方向に互いにずれて配置されていることを特徴とするものである。
これにより、前記磁石が前記磁気抵抗効果素子に対してY方向に位置したとき、磁気抵抗効果素子に進入する水平磁場成分の方向が、従来のY方向からX方向に傾く方向に変更させられ、前記磁気抵抗効果素子に対してY方向に位置する磁石の検知が可能となる。
また、磁石2が磁気抵抗効果素子に対してX方向に位置したときは、水平磁場成分の磁束密度の増幅が可能であり、X方向への検知範囲を従来よりも広げることができる。以上により、従来に比べて、X−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることができる。
また本発明では、前記第1の磁性体及び第2の磁性体には、前記対向面からX方向と略平行な方向であって互いに磁気抵抗効果素子から離れる方向に延びるX方向延出部と、前記X方向延出部の前記対向面と反対面側からY方向へ略平行な方向であって互いに離れる方向に延びるY方向延出部とを備えることが好ましい。X方向延出部を設けることで、より適切に、磁気抵抗効果素子に、Y方向からX方向に傾く水平磁場成分を進入させることができ、また、Y方向延出部を設けることで、磁石から生じる外部磁界の集磁効果を高めることができ、効果的に、従来に比べて、X−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることができる。
また本発明では、前記第1の磁性体及び第2の磁性体の対向面は、Z方向にずれて配置されていることが好ましい。これにより、前記磁石が前記磁気抵抗効果素子の真上あるいは真下に位置しても磁気抵抗効果素子には、固定磁性層の磁化方向と同一方向あるいは反対方向に近づく水平磁場成分を進入させることができ、磁気抵抗効果素子の真上あるいは真下に位置する磁石の検知が可能となる。
あるいは本発明における磁気検出装置は、下面及び上面が着磁面の磁石に対し異なる高さ位置に配置され、前記磁石からの外部磁界を受けて電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果素子を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、少なくとも、高さ方向(Z方向)に固定磁性層、フリー磁性層、及び、前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層を積層した構造を備え、
前記固定磁性層の磁化方向は、前記X方向の一方向に固定されており、前記磁気抵抗効果素子のX方向の両側に間隔を空けて第1の磁性体と、第2の磁性体とが設けられており、
前記第1の磁性体及び第2の磁性体のX方向を向く対向面は、前記Z方向に互いにずれて配置されていることを特徴とするものである。
これにより、前記磁石が前記磁気抵抗効果素子の真上あるいは真下に位置しても磁気抵抗効果素子には、固定磁性層の磁化方向と同一方向あるいは反対方向、又はそれらに近づく水平磁場成分を進入させることができ、磁気抵抗効果素子の真上あるいは真下に位置する磁石の検知が可能となり、従来に比べて、X−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることができる。
また本発明では、前記第1の磁性体及び第2の磁性体には、X方向に略平行で磁気抵抗効果素子から互いに離れる方向に延出するとともにZ方向にずれて配置されたX方向延出部と、各X方向延出部からZ方向と略平行な方向であって磁気抵抗効果素子に近づく方向に延出するZ方向延出部とを有し、前記Z方向延出部のX方向を向く一方の面が前記対向面であることが好ましい。
これにより、前記磁石が前記磁気抵抗効果素子の真上あるいは真下に位置してもより効果的に、磁石の検知が可能となる。
本発明の磁気検出装置によれば、従来に比べてX−Y平面上に位置する磁石の検知範囲を広げることが可能である。
図1は本実施形態における磁気検出装置の斜視図、図2は磁気検出装置を図1の矢印方向から見た側面図、図3は、本実施形態における磁石の検知範囲を説明するための平面図、図4は、磁石が磁気抵抗効果素子に対して+X方向に位置したときの平面図、図5は、磁石が磁気抵抗効果素子に対して−X方向に位置したときの平面図、図6は、磁石が磁気抵抗効果素子に対して+Y方向に位置したときの平面図、図7は、磁石が磁気抵抗効果素子に対して−Y方向に位置したときの平面図、図8は、磁石が磁気抵抗効果素子の真上に位置したときの側面図、図9は本実施形態における磁気抵抗効果素子の積層構造を示す断面図、図10は本実施形態における磁気検出装置の回路構成図、である。
X方向、Y方向及びZ方向の各方向は残りの2方向に対して直交する関係にある。各図では、X方向を、互いに反平行な+X方向及び−X方向で、Y方向を互いに反平行な+Y方向及び−Y方向で表している。以下で「X方向」という場合は、+X方向、−X方向の双方を含む意味か、あるいは+X方向、−X方向の方向を特定しない意味で使用する。「Y方向」についても同様である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の磁気検出装置10は、基板11と、前記基板11に設置された磁気センサ12と、第1の磁性体13と、第2の磁性体14とを有して構成される。
前記磁気センサ12は、磁気抵抗効果素子、固定抵抗素子、及び集積回路等が組み込まれてパッケージ化された構造である。
前記第1の磁性体13は、前記磁気センサ12に対して+X方向に離れた位置に基板11上に土台15を介して設けられ、前記第2の磁性体14は、前記磁気センサ12に対して−X方向に離れた位置に基板11に形成された貫通孔11aに裏側から差し込まれて設けられている。
前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14はNiFe等の軟磁性材料で形成されることが好適である。
図1及び図2に示すように、第1の磁性体13及び第2の磁性体14には夫々、Z方向と略平行な方向に延出するZ方向延出部13a,14aが設けられ、前記Z方向延出部13a,14aの磁気センサ12を介して内側に向くX方向の一面が夫々、対向面13a1,14a1である。ここで「Z方向と略平行」とはZ方向に対して10°までの傾き範囲を含む意味である。
図1,図2に示すように各Z方向延出部13a,14aの前記対向面13a1,14a1とは反対側からX方向に略平行で磁気センサ12から離れる方向にX方向延出部13b,14bが設けられている。ここで「X方向と略平行」とはX方向に対して25°までの傾き範囲を含む意味である。
図2に示すように、第1の磁性体13のX方向延出部13bは、第2の磁性体14のX方向延出部14bよりも高さ方向(Z方向)において高い位置にあり、前記第1の磁性体13の前記Z方向延出部13aは前記X方向延出部13bから下方向に折れ曲がって形成されている。一方、第2の磁性体14の前記Z方向延出部14aは前記X方向延出部14bから上方向に折れ曲がって形成されている。
図1に示すように、第1の磁性体13及び第2の磁性体14には、前記X方向延出部13b、14bの前記対向面13a1,14a1側と反対面側からY方向に略平行な方向であって、互いに離れる方向に延びるY方向延出部13c,14cが設けられている。ここで「Y方向と略平行」とはY方向に対して10°までの傾き範囲を含む意味である。
図9に示すように、前記磁気センサ12内に組み込まれる磁気抵抗効果素子20は、下から下地層60、反強磁性層61、固定磁性層62、非磁性材料層63、フリー磁性層64及び保護層65の順に積層されて成る。前記下地層60は例えばTa、反強磁性層61は例えばIrMn、固定磁性層62は例えばCoFe、非磁性材料層63はCu又は酸化マグネシウムや酸化アルミニウム等、フリー磁性層64は例えばNiFe、保護層65は例えばTaで形成される。例えば積層順を逆にしたり、固定磁性層62を積層フェリ構造で形成する等、図9の積層構造から変更が可能であるが、少なくとも固定磁性層62、非磁性材料層63、及びフリー磁性層64の3層構造を有していなければならない。
前記反強磁性層61と前記固定磁性層62の間には交換結合磁界(Hex)が生じて前記固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は一方向に固定される。この実施形態では前記固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は+X方向である。
一方、前記フリー磁性層64の磁化方向は固定されず、作用する水平磁場成分の方向に向けられる。
本実施形態の磁気検出装置10の特徴的部分は、磁気抵抗効果素子20のX方向の両側に所定の間隔T1,T2(例えば、0.1〜0.3)を空けて第1の磁性体13と第2の磁性体14が設けられ、前記第1の磁性体13及び前記第2の磁性体14のX方向に向く対向面13a1,14a1は、互いに、Y方向及びZ方向にずれて配置されている点にある(図2や図4を参照)。
これによりX−Y平面上に位置する磁石30の検知範囲を図3に示す領域Bにまで広げることができる。
前記磁石30は例えば上面30aがS極に下面30bがN極に着磁されている(図8参照)。前記磁石の幅寸法T4、長さ寸法T5は、10〜30mmで、厚さ寸法T6は10〜20mmである(図3、図8参照)。
前記磁石30は磁気抵抗効果素子20よりも上方に位置し、図8のように、磁気抵抗効果素子20の真上に前記磁石30が位置したとき、前記磁気抵抗効果素子20と前記磁石30間の高さ寸法はT3である。図8に示す磁石30と磁気抵抗効果素子20間の高さ寸法T3は、30〜50mmの範囲内である。
図3に示す磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向及び真上に位置したときについて考察する。
図4は、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+X方向に位置したときの状態を示す。前記磁石30から生じた外部磁界の一部は、第1の磁性体13に集磁し、前記第1の磁性体13の対向面13a1から第2の磁性体14の対向面14a1に向けて磁束が導かれる。このとき前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14の間に位置する磁気抵抗効果素子20には、−X方向に近い方向の水平磁場成分H4が進入する。前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は、+X方向であるため、水平磁場成分H4が流入することで、前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)とフリー磁性層64の磁化方向の関係は略反平行になり、前記磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値は大きくなる。
図5は、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して−X方向に位置したときの状態を示す。前記磁石30から生じた外部磁界の一部は、第2の磁性体14に集磁し、前記第2の磁性体14の対向面14a1から第1の磁性体13の対向面13a1に向けて磁束が導かれる。このとき前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14の間に位置する磁気抵抗効果素子20には、+X方向に近い方向の水平磁場成分H5が進入する。前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は、+X方向であるため、水平磁場成分H5が流入することで、前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)とフリー磁性層64の磁化方向の関係は略平行になり、前記磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値は小さくなる。
図10の回路構成に示すように前記磁気抵抗効果素子20を含めたブリッジ回路が構成されている。図10に示すように磁気抵抗効果素子20は2個設けられているが1個でもよい。複数の磁気抵抗効果素子20を設ける場合、例えば前記磁気抵抗効果素子20をX方向に並設するが、前記磁気抵抗効果素子20の配置は限定されない。また前記磁気抵抗効果素子20と直列接続される固定抵抗素子25は外部磁界に対して電気抵抗値が変動しない素子である。また他の例としては、前記固定抵抗素子25に代えて、固定磁性層の磁化方向が、磁気抵抗効果素子20と反対方向である−X方向を向いた磁気抵抗効果素子を使用してもよい。これにより出力(差動電位)を大きくできる。図10に示す符号26は入力端子、符号27はグランド端子である。
図10に示すようにブリッジ回路に設けられた2つの出力取出し部22,23が差動増幅器28に接続され、さらに差動増幅器28が比較回路29を介して外部出力端子24に接続されている。
図4、図5で説明したように、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+X方向あるいは−X方向に位置すると、磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値の変動が大きくなり、その結果、出力取出し部22,23の電位が中点電位から大きく変動する。このため差動増幅器28から出力される差動電位も大きく変動し、そして前記差動電位が比較回路29にて定められた基準電位(閾値)を上回り、あるいは下回ることでオン信号が生成される。磁石30からの外部磁界が検知されたことを示す前記オン信号は、外部出力端子24から出力される。
また本実施形態では、前記磁気抵抗効果素子20のX方向の両側に第1の磁性体13及び第2の磁性体14を設けることで、前記磁石30が前記磁気抵抗効果素子20に対してX方向に位置したときは水平磁場成分の磁束密度を増幅でき、従来に比べて、前記磁石30の+X方向及び−X方向への検知範囲を広げることができる。磁束密度を数mT程度上げることができる。
続いて、図6は、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+Y方向に位置したときの状態を示す。前記磁石30から生じた外部磁界の一部は、第2の磁性体14に集磁し、前記第2の磁性体14の対向面14a1から第1の磁性体13の対向面13a1に向けて磁束が導かれる。このとき前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14の間に位置する磁気抵抗効果素子20には、−Y方向から+X方向に傾く水平磁場成分H6が進入する。すなわち第1の磁性体13及び第2の磁性体14が無かった従来のように−Y方向から作用していた水平磁場成分の方向を本実施形態のように第1の磁性体13及び第2の磁性体14を設けることで−Y方向から+X方向に傾く方向に変更することが可能である。前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は、+X方向であるため、水平磁場成分H6が流入することで、前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)とフリー磁性層64の磁化方向間の角度は、90°よりも小さくなり、よって前記磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値は中間値よりも小さくなる。
図7は、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して−Y方向に位置したときの状態を示す。前記磁石30から生じた外部磁界の一部は、第1の磁性体13に集磁し、前記第1の磁性体13の対向面13a1から第2の磁性体14の対向面14a1に向けて磁束が導かれる。このとき前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14の間に位置する磁気抵抗効果素子20には、+Y方向から−X方向に傾いた水平磁場成分H7が進入する。前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)は、+X方向であるため、水平磁場成分H7が流入することで、前記磁気抵抗効果素子20の固定磁性層62の磁化方向(PIN方向)とフリー磁性層64の磁化方向間の角度は90°よりも大きくなり、前記磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値は中間値よりも大きくなる。
したがって、図6や図7に示すように磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+Y方向及び−Y方向に位置したときでも、図10に示す出力取出し部22,23における中点電位からの電位変動量を従来に比べて大きくでき、比較回路29にてオン信号を生成することができる。
図6や図7に示すように磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+Y方向及び−Y方向に位置した場合、磁石30から磁気抵抗効果素子20に向けて+Y方向あるいは−Y方向の水平磁場成分の影響もあるため、水平磁場成分H6,H7は、図4や図5に示す水平磁場成分H4,H5に比べて+Y方向や−Y方向に近づきやすくなる。このため差動増幅器28より得られる差動電位(絶対値)は、図4や図5のように磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+X方向及び−X方向に位置するときよりも小さくなりやすく、図3のように、領域BにおけるY方向への検知範囲はX方向の検知範囲よりも短くなりやすいものの、本実施形態では、従来、不可能であった磁気抵抗効果素子20から見たY方向への検知範囲を確実に確保でき、従来に比べて磁気抵抗効果素子20の周囲領域の全域を検知範囲に定めることが可能となっている。
また、本実施形態では、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14の各対向面13a1,14a1を互いに図示Y方向にずらして配置している。例えば、各対向面13a1,14a1が互いに図示Y方向にずれておらずX方向に一致していると、磁石30から生じた外部磁界が第1の磁性体13及び第2の磁性体14のどちらにも優先的に進入しやすくなり、前記対向面13a1,14a1間で導かれる水平磁場成分が非常に小さくなってしまうと考えられる。本実施形態のように、第1の磁性体13及び第2の磁性体14の対向面13a1,14a1をY方向にずらすことで、図6のように、磁石30の中心が磁気抵抗効果素子20よりも+Y方向に位置する場合には、第2の磁性体14に優先的に外部磁界が導かれ、図7のように、磁石30の中心が磁気抵抗効果素子20よりも−Y方向に位置する場合には、第1の磁性体13に優先的に外部磁界が導かれる結果、前記対向面13a1,14a1間に水平磁場成分H6,H7が適切に生じる。
あるいは、図6に示すように、前記磁石30が磁気抵抗効果素子20の近傍に位置するとき、第1の磁性体13及び第2の磁性体14の対向面13a1,14a1付近のY方向に向く側面は、前記磁石30からの−Y方向への水平磁場成分の影響を受けて、S極及びN極に着磁されやすいと考えられる。このとき、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14の各対向面13a1,14a1を互いに図示Y方向にずらして配置することで、図6に示す第2の磁性体14のN極面と、第1の磁性体13のS極面とがX方向にて近づき、第2の磁性体14から第1の磁性体13に向けて磁束が効率的に導かれやすくなるものと考えられる。よって磁気抵抗効果素子20に進入する水平磁場成分H6,H7の磁束密度を上げることができ、磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+Y方向及び−Y方向に位置したときでも効果的に磁気抵抗効果素子30の検知を行うことができる。
また、本実施形態では、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14には、磁気抵抗効果素子20の方向へ向けて延びるX方向延出部13b,14bと、互いに離れる方向に延びるY方向延出部13c,14cとが設けられているため、磁気抵抗効果素子20の方向に飛び出したX方向延出部13b、14bより、水平磁場成分H6,H7を適切に磁気抵抗効果素子20に進入させることができ、また磁石30が磁気抵抗効果素子20から離れても、どちらかのY方向延出部13c,14cが磁気抵抗効果素子20よりも磁石30に近い位置にあるため、前記Y方向延出部13c,14cにて適切に集磁効果を上げることができ、Y方向への検知範囲をより効果的に大きくできる。
続いて図8は、磁石30が磁気抵抗効果素子20の真上に位置したときの状態を示す。図8に示すように、前記第1の磁性体13及び前記第2の磁性体14のZ方向延出部13a,14aの上面13a2,14a2はS極に、下面13a3,14a3はN極に着磁される。本実施形態では、前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14の対向面13a1,14a1が図示Z方向にずれて配置されている。このため、前記第1の磁性体13の下面13a3のN極面と、前記第2の磁性体14の上面14a2のS極面とをX方向にて近づけることができ、第1の磁性体13のN極面から第2の磁性体14のS極面に向けて−X方向に近い方向の水平磁場成分H8を導くことができ、前記水平磁場成分H8を、前記第1の磁性体13と第2の磁性体14の間に位置する磁気抵抗効果素子20に進入させることができる。
この結果、磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値は大きくなり、したがって、磁石30が磁気抵抗効果素子20の真上に位置したときでも、図10に示す出力取出し部22,23の電位を中点電位から大きく変動させることができ、比較回路29にてオン信号を生成することができる。
また本実施形態では、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14は、X方向に略平行で磁気抵抗効果素子20から互いに離れる方向に延出するとともにZ方向にずれて配置されたX方向延出部13b,14bと、各X方向延出部13b,14bからZ方向と略平行な方向であって磁気抵抗効果素子20に近づく方向に延出するZ方向延出部13a,14aとを有し、前記Z方向延出部13a,14aの磁気抵抗効果素子20を介して内側を向く面が前記対向面13a1,14a1である。これにより、より適切に、集磁効果を高めることができ、また磁気抵抗効果素子20に、効率的に水平磁場成分H8を進入させることができ、前記磁石30が前記磁気抵抗効果素子20の真上(あるいは真下)に位置してもより効果的に、磁石30の検知が可能となる。
なおX方向とY方向との間の領域に磁石30がある場合も当然に、磁気抵抗効果素子20には+X方向あるいは−X方向に近づく水平磁場成分が進入するため磁気抵抗効果素子20の電気抵抗値が中間値よりも適切に大きくあるいは小さくなり、オン信号を生成でき、磁石30があることを検知することができる。
以上により従来、死角領域となっていた磁気抵抗効果素子20の真上あるいは真下領域、及び磁気抵抗効果素子20から見て+Y方向領域及び−Y方向領域を全て検知可能な領域にできる。したがって、従来に比べてX−Y平面上に位置する磁石30の検知範囲を広げることが可能である。
しかも本実施形態では磁石30からの外部磁界を捉えるためのセンサ部には、基本的に1個の磁気抵抗効果素子20を用いれば足り、また複数の磁気抵抗効果素子を用いる場合でも図10のように一つのブリッジ回路を組むだけで済む。図10の回路構成は、従来と同様の双極対応型の磁気センサの回路構成であるため、複雑化することなく簡単な回路構成を用いて、検知範囲を広げることが可能である。
上記した実施形態では、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14の対向面13a1,14a1が互いにY方向及びZ方向にずれて配置されていたが、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14の対向面13a1,14a1が互いにY方向にのみずれた形態、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14の対向面13a1,14a1が互いにZ方向にのみずれた形態であってもよい。
また例えば図6に示すように平面視にて、第1の磁性体13の対向面13a1と第2の磁性体14の対向面14a1は、X方向に重ならないようにY方向にずらして配置されても、X方向に一部重なるようにY方向にずらして配置されてもどちらでもよい。X方向に重ならないように、前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14とをY方向にずらしすぎると(例えば、第1の磁性体13の+Y方向に向く側面13dを、第2の磁性体14の−Y方向に向く側面14dよりも−Y方向にずらしすぎると)、特に、図6,図7に示す水平磁場成分H6,H7がよりY方向に近づき、磁石30が磁気抵抗効果素子20のY方向に位置したときの検知を適切に行えなくなるため、あまりずらしすぎるのは好ましくない。図6では、前記第1の磁性体13の+Y方向に向く側面13dと、第2の磁性体14の−Y方向に向く側面14dとが図示X方向に一致しているが、この側面13d,14d間のずらし量は、−1.0〜0.0mm(正値は対向面13a1,14a1どうしがY方向にて一部重なるずらし方向を示し、負値は対向面13a1,14a1どうしがY方向にて重ならず離れていくずらし方向を示す)であることが好ましい。
この実施形態では、前記磁気抵抗効果素子20の中心20aを回転中心として、前記第1の磁性体13及び第2の磁性体14とが点対称に配置されている。これにより前記磁石30が磁気抵抗効果素子20に対して+Y方向に位置したときの+Y方向への検知範囲長さと、−Y方向に位置したときの−Y方向への検知範囲長さを同じ大きさにすることができる。
次に、例えば図2に示すように側面図にて、第1の磁性体13の対向面13a1と第2の磁性体14の対向面14a1は、X方向に重ならないようにZ方向にずらして配置されても、X方向に一部重なるようにZ方向にずらして配置されてもどちらでもよい。X方向に重ならないように、前記第1の磁性体13と前記第2の磁性体14とをZ方向にずらしすぎると(例えば、前記第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a3を、前記第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2よりも上方へずらしすぎると)、あるいは、各対向面13a1,14a1のX方向への重なり領域を大きくしすぎると、前記磁気抵抗効果素子20に進入する水平磁場成分H8が小さくなってしまい好ましくない。図2では、前記第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a3と、前記第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2とがX方向にて一致しているが、この上下面13a2,14a2間のずらし量は、−0.5〜0.5mm(正値は対向面13a1,14a1どうしがX方向にて一部重なるずらし方向を示し、負値は対向面13a1,14a1どうしがX方向にて重ならず離れていくずらし方向を示す)であることが好ましい。
図8に示すように、磁気抵抗効果素子20は、第1の磁性体13にはX方向にて重ならず、一方、第2の磁性体14にはX方向にて重なる位置に設けられているが、前記磁気抵抗効果素子20をもう少し上方向に配置してもよい。ただし図8の形態では、第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a3及び、第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2が夫々磁極面となり、第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a4から、第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2に向けて水平磁場成分H8が導かれやすいので、磁気抵抗効果素子20を第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a3及び、第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2の近傍に配置することが好ましい。また、図8のように、磁気抵抗効果素子20を第1の磁性体13のZ方向延出部13aの下面13a3以下の位置、あるいは、磁気抵抗効果素子20第2の磁性体14のZ方向延出部14aの上面14a2以上の位置に配置することで、適切に水平磁場成分H8を磁気抵抗効果素子20に進入させやすくできる。
また第1の磁性体13及び第2の磁性体14は、例えば、平板形状であってもよいが、図1に示すようにZ方向延出部13a,14a、X方向延出部13b,14b及びY方向延出部13c,14cを備える形態であることが、集磁効果の向上や、磁気検出素子20に効率的に水平磁場成分を進入させることができ、X−Y平面上に位置する磁石30の検知範囲を適切に広げることができる点で好適である。
図11は、他の実施形態における磁気検出装置の回路構成図である。図11に示す磁気検出装置100は、センサ部101と集積回路(IC)102とを有して構成される。
前記センサ部101には、第1磁気抵抗効果素子103と固定抵抗素子104とが第1出力取り出し部(接続部)105を介して直列接続された第1直列回路106、及び、第2磁気抵抗効果素子107と固定抵抗素子108とが第2出力取り出し部(接続部)109を介して直列接続された第2直列回路110が設けられる。
前記集積回路102には、固定抵抗素子111と固定抵抗素子112が第3出力取り出し部113を介して直列接続された第3直列回路114が設けられる。
前記第3直列回路114は、共通回路として前記第1直列回路106及び前記第2直列回路110と夫々ブリッジ回路を構成している。
図11に示すように前記集積回路102には入力端子(電源)119、グランド端子120及び2つの外部出力端子121,122が設けられている。
図11に示すように集積回路102内には、1つの差動増幅器(差動出力部)125が設けられ、前記差動増幅器125の+入力部、−入力部のどちらかに、前記第3直列回路114の第3出力取り出し部113が接続されている。
前記第1直列回路106の第1出力取り出し部105及び第2直列回路110の第2出力取り出し部109は夫々第1スイッチ回路126の入力部に接続され、前記第1スイッチ回路126の出力部は前記差動増幅器35の−入力部、+入力部のどちらか(前記第3出力取り出し部113が接続されていない側の入力部)に接続されている。
図11に示すように、前記差動増幅器125の出力部はシュミットトリガー型のコンパレータ128に接続され、さらに前記コンパレータ128の出力部は第2スイッチ回路(第2接続切換部)129の入力部に接続され、さらに前記第2スイッチ回路129の出力部側は2つのラッチ回路及びFET回路を経て第1外部出力端子121及び第2外部出力端子122に夫々接続される。
さらに図11に示すように、前記集積回路102内には第3スイッチ回路130が設けられている。前記第3スイッチ回路130の出力部は、前記グランド端子120に接続され、前記第3スイッチ回路130の入力部には、第1直列回路106及び第2直列回路110の一端部が接続されている。
さらに図11に示すように、前記集積回路102内には、インターバルスイッチ回路131及びクロック回路133が設けられている。前記インターバルスイッチ回路131のスイッチがオフされると集積回路102内への通電が停止するようになっている。前記インターバルスイッチ回路131のスイッチのオン・オフは、前記クロック回路133からのクロック信号に連動しており、前記インターバルスイッチ回路131は通電状態を間欠的に行う節電機能を有している。
前記クロック回路133からのクロック信号は、第1スイッチ回路126、第2スイッチ回路129、及び第3スイッチ回路130にも出力される。
前記第1磁気抵抗効果素子103は例えば+X方向の外部磁界の強度変化に基づいて磁気抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果素子であり、一方、前記第2磁気抵抗効果素子107は、−X方向の外部磁界の磁界強度変化に基づいて磁気抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果素子である。
図12,図13で説明するように、+X方向への外部磁界が作用すると、第1磁気抵抗効果素子103の抵抗値は変動するが、第2磁気抵抗効果素子107の抵抗値は変動しない(すなわち固定抵抗として作用する)。
一方、図12,図13で説明するように、−X方向への外部磁界が作用すると、第2磁気抵抗効果素子107の抵抗値は変動するが、第1磁気抵抗効果素子103の抵抗値は変動しない(すなわち固定抵抗として作用する)。
例えば、第1磁気抵抗効果素子103及び第2磁気抵抗効果素子107の固定磁性層の磁化方向(PIN方向)は共に−X方向である。
一方、フリー磁性層の磁化方向は、無磁場状態(外部磁界が作用していない状態)において第1磁気抵抗効果素子103と第2磁気抵抗効果素子107とで異なっている。前記第1磁気抵抗効果素子103のフリー磁性層の磁化方向は無磁場状態で、−X方向であり、第2磁気抵抗効果素子107のフリー磁性層の磁化方向は無磁場状態で+X方向である。
図12は第1磁気抵抗効果素子103のヒステリシス特性を示すR−H曲線である。図12のように、第1磁気抵抗効果素子103には+X方向の外部磁界の磁界強度変化に対して、曲線HR1と曲線HR2で囲まれたヒステリシスループHRが形成される。前記第1磁気抵抗効果素子103の最大抵抗値と最低抵抗値の中間値であって、前記ヒステリシスループHRの広がり幅の中心値がヒステリシスループHRの「中点」である。そして前記ヒステリシスループHRの中点から外部磁界H=0(Oe)のラインまでの磁界の強さで第1の層間結合磁界Hin1の大きさが決定される。図3に示すように第1磁気抵抗効果素子103では、前記第1の層間結合磁界Hin1が+X方向の磁界方向へシフトしている。
図13は第2磁気抵抗効果素子107のヒステリシス特性を示すR−H曲線である。図13に示すように、第2磁気抵抗効果素子107には−X方向の外部磁界の磁界強度変化に対して、曲線HR3と曲線HR4で囲まれたヒステリシスループHRが形成される。前記第2磁気抵抗効果素子107の最大抵抗値と最低抵抗値の中間値であって、前記ヒステリシスループHRの広がり幅の中心値がヒステリシスループHRの「中点」である。そして前記ヒステリシスループHRの中点から外部磁界H=0(Oe)のラインまでの磁界の強さで第2の層間結合磁界Hin2の大きさが決定される。図13に示すように第2磁気抵抗効果素子107では、前記第2の層間結合磁界Hin2が−X方向の磁界方向へシフトしている。
図4、図7、図8の場合では、主に第2磁気抵抗効果素子107の電気抵抗値が大きく変動し、少なくとも、第1スイッチ回路126、第2スイッチ回路129及び第3スイッチ回路130が図1の状態から切り換えられる(スイッチングされる)と、第2外部出力端子122からオン信号が出力される。一方、図5、図6の場合では、主に第1磁気抵抗効果素子103の電気抵抗値が大きく変動し、少なくとも、第1スイッチ回路126、第2スイッチ回路129及び第3スイッチ回路130が図1の状態のとき、第1外部出力端子121からオン信号が出力される。本実施形態では、第1外部出力端子121及び、第2外部出力端子122のどちらからと特に区別することなくオン信号を得ることで、磁石30が図3の領域B内に存在することを検知できる。
本実施形態の磁気検出装置10は、例えば、人が磁石30を図3に示す領域B内に置いたか否かを測定するために使用されるものである。また、磁石30は磁気検出装置10内に組み込まれる構成要素であってもよく、磁石30が移動側でなく固定側で、図1に示す磁気センサ12、第1の磁性体13、及び第2の磁性体14を備えた基板11が移動側であってもよい。
本実施形態における磁気検出装置の斜視図、 磁気検出装置を図1の矢印方向から見た側面図、 本実施形態における磁石の検知範囲を説明するための平面図、 磁石が磁気抵抗効果素子に対して+X方向に位置したときの平面図、 磁石が磁気抵抗効果素子に対して−X方向に位置したときの平面図、 磁石が磁気抵抗効果素子に対して+Y方向に位置したときの平面図、 磁石が磁気抵抗効果素子に対して−Y方向に位置したときの平面図、 磁石が磁気抵抗効果素子の真上に位置したときの側面図、 本実施形態における磁気抵抗効果素子の積層構造を示す断面図、 本実施形態における磁気検出装置の回路構成図、 他の実施形態における磁気検出装置の回路構成図、 第1磁気抵抗効果素子のR−H曲線、 第2磁気抵抗効果素子のR−H曲線、 従来における磁石の検知範囲を示す平面図、 磁石が従来における磁気検出装置を構成する磁気抵抗効果素子に対して+X方向に位置したときの側面図、 磁石が従来における磁気検出装置を構成する磁気抵抗効果素子に対して+Y方向に位置したときの正面図、 磁石が従来における磁気検出装置を構成する磁気抵抗効果素子の真上に位置したときの側面図、
符号の説明
10、100 磁気検出装置
11 基板
12 磁気センサ
13 第1の磁性体
13a、14a Z方向延出部
13a1、14a1 対向面
13b、14b X方向延出部
13c、14c Y方向延出部
14 第2の磁性体
20 磁気抵抗効果素子
22、23、105、109、113 出力取出し部
24、121、122 外部出力端子
25、104、108、111、112 固定抵抗素子
26、119 入力端子
27、120 グランド端子
28、125 差動増幅器
29 比較回路
30 磁石
30a (磁石の)上面
30b (磁石の)下面
61 反強磁性層
62 固定磁性層
63 非磁性層
64 フリー磁性層
65 保護層
101 センサ部
102 集積回路
103 第1磁気抵抗効果素子
107 第2磁気抵抗効果素子
126 第1スイッチ回路
129 第2スイッチ回路
130 第3スイッチ回路
133 クロック回路
H4〜H8 水平磁場成分
Hin1、Hin2 層間結合磁界
PIN 固定磁性層の磁化方向

Claims (5)

  1. 下面及び上面が着磁面の磁石に対し異なる高さ位置に配置され、前記磁石からの外部磁界を受けて電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果素子を備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、少なくとも、高さ方向(Z方向)に固定磁性層、フリー磁性層、及び、前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層を積層した構造を備え、
    前記固定磁性層の磁化方向は、前記Z方向に直交するX方向の一方向に固定されており、前記磁気抵抗効果素子のX方向の両側に間隔を空けて第1の磁性体と、第2の磁性体とが設けられており、
    前記第1の磁性体及び第2の磁性体のX方向に向く対向面は、前記X方向及びZ方向に直交するY方向に互いにずれて配置されていることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記第1の磁性体及び第2の磁性体には、X方向と略平行な方向であって互いに磁気抵抗効果素子から離れる方向に延びるX方向延出部と、前記X方向延出部の対向面側と反対側からY方向へ略平行な方向であって互いに離れる方向に延びるY方向延出部とを備える請求項1記載の磁気検出装置。
  3. 前記第1の磁性体及び第2の磁性体の対向面は、Z方向にずれて配置されている請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
  4. 下面及び上面が着磁面の磁石に対し異なる高さ位置に配置され、前記磁石からの外部磁界を受けて電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果素子を備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、少なくとも、高さ方向(Z方向)に固定磁性層、フリー磁性層、及び、前記固定磁性層とフリー磁性層との間に介在する非磁性層を積層した構造を備え、
    前記固定磁性層の磁化方向は、前記X方向の一方向に固定されており、前記磁気抵抗効果素子のX方向の両側に間隔を空けて第1の磁性体と、第2の磁性体とが設けられており、
    前記第1の磁性体及び第2の磁性体のX方向を向く対向面は、前記Z方向に互いにずれて配置されていることを特徴とする磁気検出装置。
  5. 前記第1の磁性体及び第2の磁性体には、X方向に略平行で磁気抵抗効果素子から互いに離れる方向に延出するとともにZ方向にずれて配置されたX方向延出部と、各X方向延出部からZ方向と略平行な方向であって磁気抵抗効果素子に近づく方向に延出するZ方向延出部とを有し、前記Z方向延出部のX方向を向く一方の面が前記対向面である請求項3又は4に記載の磁気検出装置。
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