以下に、必要により添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
一戸建てや高層住宅(マンションなど)などの建造物や構造物の外壁又は外面を補修又はリフォームするため、建造物や構造物の壁面から所定距離離れて骨組みが構築されている。図1に示す例では、複数の区画(骨組み)が縦横方向に形成されており、横方向に所定間隔を置いて立設された複数のレール部材(この例では、中空多角形状のレール部材、長尺棒状体又はポール)1と、これらのレール部材(又はポール)間を縦方向に間隔をおいて横方向に連結された複数の長尺な架設部材(この例では、中空多角形状の棒状体)61とで区画を形成しており、この区画内には上下方向に開閉可能な開閉シート91が配設されている。また、前記レール部材(又はポール)1は、長尺な立設支持体(この例では、円筒状支柱)41と連結されて支持されており、この立設支持体41には、クランプ機構などにより、横方向に十字状に横断する足場部材を連結してもよい。
より具体的には、図2及び図3に示されるように、レール部材(長尺棒状体又はポール)1は、断面中空多面体状(断面六角形状)の骨格を有し、横断壁1aを介して接続され、互いに平行に延びる一対の基準壁2(2a,2b)と、一対の基準壁の双方の側部に隣接して形成されたガイド壁3とを備えており、前記横断壁1aを中心線として対称構造(例えば、アルミニウムのダイカストにより対称構造)のレール本体4を形成している。また、ガイド壁3には、長手方向に沿って、スライド溝5が形成されている。すなわち、この例では、前記ガイド壁3は、一対の基準壁2の一方の側部から基準壁2に対して斜め外方向に傾斜して延びる第1の傾斜壁3aと、一対の基準壁の他方の側部から斜め外方向に前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる延出壁(第2の傾斜壁)3bとを備えており、この延出壁(第2の傾斜壁)には、長手方向に沿って延びるスリットによりスライド溝(案内路)5が形成されている。さらに、レール本体4は、前記ガイド壁3(延出壁3b)のうちスライド溝(スリット)5の両側部内面に形成され、かつ走行部材21の車輪部(回動部材又はローラ)23が走行可能な走行路(底部走行路又は底部平坦部)6と、この走行路に対して平行に形成された対向路(上部走行路又は上部平坦部)9とを備えている。
さらに、レール本体4は、走行部材21が走行に伴って揺動するのを規制するための規制部を備えており、この例では、スライド溝(スリット)5の両側内縁部(前記走行路6の内側)に傾斜して形成され、かつ走行部材21の車輪部23が走行路6から内方向(スライド溝5側)に外れるのを規制するための傾斜規制部7と、走行路6の外側に形成され、前記車輪部23が走行路6から外方向(傾斜壁3a側及び基準壁2b側)に外れるのを規制するための規制壁部8とが形成されている。内側の傾斜規制部7は前記車輪部23の傾斜内側壁と接触可能であり、外側の規制壁部8は車輪部23の外周端と接触可能である。なお、スライド溝(スリット)5の両側のガイド壁3(延出壁3b)は肉厚に形成されている。
前記レール部材(長尺棒状体又はポール)1のスライド溝(案内路)5には、開閉シート91の両側部と接続又は連結した状態で、縦方向に間隔をおいて複数の走行部材21が走行可能に配設されている。前記走行部材21は、図3及び図4に示されるように、前記レール部材1のスライド溝5の両側部内面の走行面を走行可能な走行ユニット22と、屈曲又は湾曲した介在部26を介して、この走行ユニットに形成された取り付け部27とを備えており、走行ユニット22は、一対の車輪部(ローラ)23と、この一対の車輪部(ローラ)を回転可能に軸支する軸部24と、一対の車輪部(ローラ)23の間で前記軸部24を回転可能に支持する支持部25とを備えている。この例では、摺接音の発生を抑制するため、車輪部(ローラ)23、軸部24及び支持部25(及び後述する頭部29aを有する軸部29)を含め、全体がプラスチック(エンジニアリングプラスチック)で形成されている。また、支持部25は、耐久性を高めるため、厚板状又はブロック状に形成され、一対の車輪部(ローラ)23の両側部にまで延びている。前記支持部25と取り付け部27との間に介在する介在部26は、L字状又はV字状の形態で屈曲又は湾曲しており、取り付け部27には、開閉シート91を取り付けるための取り付け部位(取り付け面)が形成され、この取り付け部位には頭部29aを有する軸部29が延出して形成され、この軸部29には、開閉シート91の両側部の孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)92が挿入可能であるとともに、キャップ部材30の装着孔部32が装着可能である。すなわち、前記キャップ部材30は、円形平板状の本体部31と、この本体部の中央部に形成された装着孔部32と、本体部の中心部を跨いで、本体部からアーチ状に湾曲した摘み部33とを備えており、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質樹脂で形成されている。装着孔部32の内径は、前記軸部29よりも大きく、かつ前記頭部29aよりも若干小さく形成されており、前記頭部29aからのキャップ部材30の抜けが規制可能である。そのため、前記頭部29aから軸部29に、軟質樹脂の柔軟性及び伸縮性を利用して前記装着孔部32を嵌入又は差し込むだけで、キャップ部材30を装着でき、装着操作が容易である。また、キャップ部材30の装着により、開閉シート91を抜け止め可能に取り付けることができ、開閉シート91の脱落を有効に防止できる。さらに、蝶ネジなどの金属製取付部材と異なり、高所からキャップ部材30が落下したとしても安全である。一方、摘み部33と軟質樹脂の柔軟性とを利用して前記装着孔部32から軸部29の頭部29aを離脱させることもできる。頭部29aを有する軸部29とキャップ部材30とは、連結手段を形成している。また、前記介在部26には、開閉操作紐95a,95bが挿通可能な挿通孔28aを有する環状リング部28が突出した形態で形成されている。
このような形態では、走行部材21の取り付け部27は、一方の車輪部23の側に位置しており、車輪部23の軸線の長手方向の中央部(又は支持部25の中央部)から基準壁2bに延びる垂線(又は車輪部23の軸線の長手方向の中央部と前記取り付け部27の中央部(軸部29)とを結ぶ線)が、車輪部23の軸線に対して角度θ(この例では、25〜35°の角度)で交差した形態で、前記取り付け部27が一方の車輪部23の側に位置している。換言すれば、基準壁2bに対してガイド壁3は角度(90°+θ)で外方向に傾斜しており、レール部材1への走行部材21の装着状態において、前記取り付け部27は、レール部材1の基準壁2b側(レール部材1の基準壁2bとガイド壁3bとのコーナー部側において、基準壁2bと平行)に位置している。なお、走行部材21は、レール部材1の両側部の2つのスライド溝5のうち少なくとも一方のスライド溝に装着でき、双方のスライド溝に装着することもできる。この例では、一方のスライド溝5に走行部材21が装着された状態を図示している。
このようなレール部材1及び走行部材21を利用すると、走行部材21の取り付け部27が一方の車輪部23の側に位置しているため、開閉シート91を横方向(左右方向)に緊張又は張った状態で取り付けることができ、風雨によっても開閉シート91が弛むのを防止できる。また、開閉シート91の両側部のハトメ孔部92、頭部29aを有する軸部29とキャップ部材30とを利用して走行部材21に取り付けることができる。また、走行部材21の揺動が規制されている。すなわち、走行部材21の両側の車輪部23,23が走行路6と対向路9との間の通行路に収容され、かつ傾斜規制部7と規制壁部8とで車輪部23が内外方向に外れるのを規制している。そのため、開閉シート91を緊張させた状態で縦横方向及び斜め方向から荷重及び引っ張り力が作用しても強度的に耐えることができ、双輪の車輪部23の揺動を規制部(接触部)7,8との接触で防止でき、前記区画に配された開閉シート91を円滑に上下方向に開閉できる。しかも、走行部材21が両側に車輪部23,23を有する双輪構造であるため、斜め方向の力が作用しても強度を保つことができる。そのため、開閉シート91を横方向に緊張又は張った状態でも、走行部材21をレール部材1のスライド溝5に沿って円滑に走行できる。そのため、外壁などの補修工事の間であっても、窓を開けても景色を見ることができ、新鮮な空気を取り込むこともできる。また、走行部材21の接触部がプラスチックで形成されているため、風などにより遮蔽又は開閉シート91が揺れて走行部材21がスライド溝(案内路)5の側縁に衝突しても、消音され、騒音の発生を抑制できる。
立設状態で前記レール部材1の一方の基準壁2aには、長手方向に沿って、断面四角形状であり、かつ開口部が狭まった断面アリ溝状のガイド溝(装着凹部)10aが形成され、このガイド溝は立設支持体(支柱)41との連結に利用される。
図2及び図5に示されるように、前記ガイド溝10aには、スライド部材(位置決め部材,中間連結部材)42がスライド可能に装着され、このスライド部材を介して、前記レール部材1と支持体(支柱)41とが連結されている。すなわち、前記ガイド溝(装着凹部)10aに、長手方向に間隔をおいて2つのネジ部材(ネジ棒)43が形成(又は溶接され)された板状のスライド部材(中間連結部材)42をスライド式に装着して高さ位置を調整し、このスライド部材のネジ部材(ネジ棒)43の軸部に、プレート45のU字状の各切り欠き部46をそれぞれ装着し、各ネジ部材(ネジ棒)43にナット44を螺合して締結することにより、前記プレート45を所定の高さ位置に固定できる。なお、ナット44の脱離を防止するため、プレート45の両端部(長手方向においてU字状の切り欠き部46の両端部)は外側方向(ナット44側)に湾曲又は屈曲され、この湾曲又は屈曲部位45aに座金としての機能を付与している。前記プレート45には、前方方向への延出部47を介して先端部が下降する係止部48が取り付けられ(又は溶接され)ている。一方、前記支持体(支柱)41には、前記係止部48が挿入して係止可能な断面コ字状の挿入部49が周方向等間隔に形成されている。そのため、この挿入部49に、前記プレート45の係止部48を挿入して係止させ、抜け止め部材50を延出部47に隣接させて支持体(支柱)41に取り付け又は締結することにより、前記レール部材1と支持体(支柱)41とを抜け止め状態で連結可能であり、立設したレール部材1を支持体(支柱)41で支持できる。なお、この例では、抜け止め部材50としてクランプ(開閉式クランプ)が利用されている。
なお、支持体(支柱)41と足場部材(図示せず)とをクランプ機構などの連結機構で連結することにより足場(横桟)を形成してもよい。
図6〜図9に示されるように、レール部材(長尺棒状体又はポール)1のガイド溝(アリ溝状装着凹部)10aを利用して架設部材61を連結し、開閉空間(区画)を形成できる。すなわち、前記と同様にガイド溝10aにスライド式に装着可能な板状のスライド部材(中間連結部材)54を介して、レール部材1に対して横方向に架設可能な架設部材61が取り付けられる。前記スライド部材54は、前記と同様に、長手方向に間隔をおいて形成(又は溶接され)された複数(この例では、2つ)のネジ部材(ネジ棒)55a,55bを備えており、このネジ部材には締結ナット(ガイド溝10aよりも直径が大きなナット又はガイド溝10aよりも直径が大きなワッシャを備えたナット)56a,56bが螺合可能である。
また、前記架設部材61は、断面四角枠状の架設部材本体62と、この架設部材本体の一方の側壁に長手方向に沿って形成された案内溝(浅溝)63と、この案内溝に沿って位置決めして取り付け可能な係止プレート64と、この係止プレートに形成され、かつ前記スライド部材54のネジ部材55aの軸部(係止部)57に係合可能な切り欠き部65とを備えている。この切り欠き部65は、係止プレート64の一方の端部の幅広部に形成され、開口部から幅方向に延び、かつ所定の深さ位置から横方向に延びており、軸部(係止部)57との係合状態において、係止プレート64は横方向に変位可能である。また、係止プレート64の上下端面の所定部には、前記案内溝63の端部(架設部材本体62の側部の端部)と係合して切り欠き部65を位置決めするための段部66a,66bが形成されている。そのため、係止プレート64の先端部を案内溝(浅溝)63に沿って移動させると、段部66a,66bと案内溝63の端部との係合により移動が規制され、係止プレート64を位置決め可能である。
架設部材本体62の他方の側壁には長手方向に沿って装着路(アリ溝状装着溝)71が形成され、この装着路には位置決めしつつスライド式に取り付けプレート72が装着可能である。すなわち、取り付けプレート72の一方の端部は幅広に形成され、この幅広部には、頭部73aを有する軸部(この例では、ネジ棒部)73が取り付けられ(又は溶接され)ている。また、取り付けプレート72の上下端面の所定部には、前記装着路71の端部(架設部材本体62の側部の端部)と係合可能な段部74a,74bが形成されており、この段部は、取り付けプレート72の先端部を装着路71に沿ってスライドさせると、装着路71の端部との係合により取り付けプレート72の移動を規制し、軸部73及び取り付けプレート72を位置決め可能である。
なお、係止プレート64及び取り付けプレート72には、それぞれ、長手方向に間隔をおいて小孔67が形成され、この小孔67を利用して、ビス68により、架設部材本体62の側壁に係止プレート64及び取り付けプレート72を取り付け固定している。
さらに、前記装着路71には、摺動部材(摺動子)75が摺動又はスライド式に装着され、この摺動部材には、前記と同様に、頭部73aを有する軸部(この例では、ネジ棒部)73が取り付けられ(又は溶接され)ている。
そして、前記取り付けプレート72の軸部73及び摺動部材(摺動子)75の軸部73には、開閉シート91の上部の孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)92を挿入し、前記と同様のキャップ部材30の装着孔部32を装着することにより、開閉シート91を架設部材61に取り付けている。なお、開閉シート91の両側部及び下部にも孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)92が形成されている。
図10〜図12に示されるように、開閉シート91の下端部には、開閉シート91を昇降するための昇降部材81が取り付けられている。この昇降部材81は、一対のレール部材1,1間よりも長さが短い断面四角枠状の昇降部材本体82と、この昇降部材本体の一方の側壁に長手方向に沿って形成された第1の装着溝部(アリ溝状溝部)83と、この装着溝に沿って位置決めして取り付け可能な第1の装着プレート84と、この装着プレートに形成された横長孔(装着プレート84の少なくとも長手方向に延びる長孔)85とを備えている。この横長孔85は、第1の装着プレート84の一方の端部の幅広部に形成されており、遊びをもって(特に、少なくとも横方向に遊びをもって)走行部材21の軸部29を挿入するため、走行部材21の軸部29よりも幅が大きく、横方向に長く形成されている。すなわち、前記下部(最下部)の走行部材21に対して、昇降部材81の両側部を横方向に移動又は摺動可能とするため、第1の装着プレート84は、昇降部材本体82の両側部と下部の走行部材21とを少なくとも横方向に摺動自在に連結している。また、第1の装着プレート84の上下端面の所定部には、前記第1の装着溝部83の端部(昇降部材本体82の側部の端部)と係合して横長孔85を位置決めするための段部86a,86bが形成されている。そのため、第1の装着プレート84の先端部を第1の装着溝部83に沿って移動させると、段部86a,86bと第1の装着溝部83の端部との係合により移動が規制され、第1の装着プレート84を位置決め可能である。
なお、第1の装着プレート84には、前記と同様に、それぞれ、長手方向に間隔をおいて小孔67が形成され、この小孔67を利用して、ビス68により、昇降部材本体82の側壁に第1の装着プレート84を取り付け固定している。
さらに、前記第1の装着溝部83には、前記と同様に、摺動部材(摺動子)75が摺動又はスライド式に装着され、この摺動部材には、前記と同様に、頭部73aを有する軸部(この例では、ネジ棒部)73が取り付けられ(又は溶接され)ている。
そして、前記第1の装着プレート84の横長孔85には、走行部材21の頭部29aを有する軸部29と、開閉シート91の下部の孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)92とを挿入するとともに、摺動部材(摺動子)75の頭部73aを有する軸部73には、開閉シート91の下部の孔部(周縁部が補強されたハトメ孔部)92を挿入し、開閉シート91から突出した各頭部29a,73aから軸部29,73に前記と同様のキャップ部材30の装着孔部32を装着することにより、開閉シート91を昇降部材81に取り付けている。
このように、共通の構造のキャップ部材30を利用して、レール部材1の走行部材21、架設部材61及び昇降部材81に対して、開閉シート91を取り付けることができる。そのため、区画を形成する作業効率を向上できる。
さらに、昇降部材本体82の下部壁には、長手方向に沿って第2の装着溝部(アリ溝状溝部)87が形成され、この装着溝部には第2の装着プレート88が所定の長さ(例えば、ほぼ全長又は50%以上の長さ)で装着されており、この第2の装着プレート88の下部には、縦方向の区画での開閉操作において、架設部材61に対する接触又は閉じ音を緩衝するためのクッション材89が取り付けられている。この例では、クッション材89は、下方に向かって膨出した断面形状を有しており、ゴムやエラストマーなどの軟質材料で形成されている。
なお、架設部材本体62の一方の側壁に係止プレート64を取り付け、他方の側壁に取り付けプレート72を取り付けているため、係止プレート64を屋外側に向けて区画を構築でき、屋内側の取り付けプレート72の軸部73及び摺動部材75の軸部73を利用して開閉シート91を取り付けることができる。
昇降部材本体82の上部壁の両側部には、開閉操作紐95の一方の端部を取り付けるためのリング部90a,90cが取り付けられ、中央部には、開閉操作紐95の他方の端部を取り付けるためリング部90bが取り付けられている。
開閉シート91を開閉するため、前記架設部材61の下部壁には、滑車93を回転可能に備えた断面コ字状の収容壁(滑車取付部材)94が取り付けられている。すなわち、断面コ字状の収容壁94には、滑車93の軸部が回転可能に取り付けられ、滑車93の回転方向を架設部材61の長手方向に向けて、収容壁94の上部壁が架設部材61の下部壁に取り付けられている。なお、この例では、架設部材61の両側部の滑車93と、長手方向の中央部の2つの滑車93とを備えている。
これらの滑車93には、開閉操作紐95a,95bが架け渡され、この開閉操作紐は、走行部材21の介在部(中間部)26に形成された環状リング部28の挿通孔28aを通じて、開閉シート91の下端部を昇降するための昇降部材81にも接続されている。この例では、2つの開閉操作紐95a,95bがそれぞれ区画の左右領域で滑車93に架け渡されている。すなわち、第1の開閉操作紐95aは、架設部材61の一方の側部の滑車93および中央部の滑車93に架け渡され、第1の開閉操作紐95aの一方の端部が昇降部材81の一方の側部のリング部90aに締結され、他方の端部が昇降部材81の中央部のリング部90bに締結されている。また、第2の開閉操作紐95bは、架設部材61の他方の側部の滑車93および中央部の滑車93に架け渡され、第2の開閉操作紐95bの一方の端部は昇降部材81の他方の側部のリング部90cに締結され、他方の端部は昇降部材81の中央部のリング部90bに締結されている。なお、この例では、下部の走行部材21に対して昇降部材81を揺動可能(横方向へ移動又は摺動可能)にするため、開閉操作紐95a,95bは、最下部の走行部材21のリング部28の挿通部28aには挿通することなく、下から2番目の走行部材21のリング部28の挿通部28aに挿通されている。
このような区画で開閉操作紐95a,95bを下方に牽引すると、昇降部材81の両側部が上方に持ち上げられて開閉シート91が上昇して区画を開放し、牽引操作を解除すると、昇降部材81が下降してクッション材89が下の区画の架設部材61と接触し、区画を閉じることができる。このような開閉操作において、2つの開閉操作紐95の牽引力が昇降部材81に均等に作用せず、昇降部材81が傾斜して、偏った昇降力が作用し、昇降部材81を上下動できない場合がある。本発明では、前記昇降部材本体82の両側部がレール部材1,1に接触せずに遊離して少なくとも横方向に揺動可能であり、前記昇降部材81の両側部に横長孔85を形成し、走行部材21の軸部29を、この横長孔85に遊びをもって挿入しているため、開閉操作に伴って開閉シート91の下端部が斜め方向に傾斜しても、偏った昇降力を、前記昇降部材本体82の両側部とレール部材1,1との遊離間隔(空間)及び横長孔85の遊びで吸収でき、開閉シート91を円滑に開閉できる。なお、開閉シート91の周縁部が走行部材21,架設部材61及び昇降部材81に取り付けられているため、風により遮蔽又は開閉シート91が舞い上がったり、なびくことがない。また、前記走行部材21の環状リング部28の挿通孔28aに挿通して操作紐95を架け渡すと、風などにより紐95が揺れ動いたり、舞い上がるのを防止できる。
なお、図1に示されるように、開閉構造において、複数の区画は縦横方向に形成されている。横方向に区画を隣接させた構造は、図13に示すように、前記係止プレート64の切り欠き部65が、前記スライド部材54のネジ部材55aの軸部(係止部)57に係合して架設部材61が一方の方向に架設された状態で、第2の係止プレート64の切り欠き部65を(前記係合プレートと重ね合わせた形態で)前記軸部(係止部)57に係合させて、架設部材6を他方の方向に架設させ、ナット56aを螺合することにより構築できる。
また、縦方向に区画を隣接させた構造は、図14に示すように、上下一対のレール部材(長尺棒状体又はポール)1の接続部(隣接部又は境界部)において、ガイド溝(アリ溝状装着凹部)10aに板状のスライド部材(中間連結部材)101をスライド式に装着し、断面円弧状の接続溝10bにピン状(細棒状)の連結部材105を挿入し、スライド部材101に長手方向に間隔をおいて形成(又は溶接)された複数のネジ部材(ネジ棒)102に挟圧プレート103の孔部を通し、前記各ネジ部材(ネジ棒)102に、必要によりワッシャを介してナット104を螺合して締結することにより構築できる。
このように、前記部材を利用して、開閉式遮蔽シート91を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できるとともに、レール部材1と架設部材61と昇降部材81との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易である。さらに、レール部材1が左右対称構造であるため、レール部材1の向きを間違って区画を形成することがなく、組立効率を向上できる。また、ガイド溝10aにスライド式に装着可能なスライド部材42(支柱及び必要により足場部材とで足場を形成するためのスライド部材)とスライド部材52(架設部材61との連結用スライド部材)とを共用することも可能である。
なお、スライド部材(中間連結部材)101、挟圧プレート103及びナット104だけでレール部材1を縦方向に連結しようとすると、接続されたレール部材1の傾斜や歪みなどにより、区画を縦方向に円滑に構築できない場合がある。このような場合、前記接続溝10bと細棒状の連結部材105とを利用すると、レール部材1の傾斜や歪みなどを矯正して位置決めでき、区画を縦方向に円滑に構築できる。
また、スライド部材101及び/又は連結部材105がガイド溝10a及び/又は接続溝10bを貫通して落下するのを防止するため、ガイド溝10a及び/又はスライド部材101には係止部又はストッパ部を形成してもよく、連結部材105の外周部及び/又は接続溝10bの内周部には凸部(ストッパ部)を形成してもよい。
なお、本発明の開閉構造(又は開閉装置)は、前記図示する態様の構造に限らず、以下のように、種々の構造が採用できる。
[レール部材]
レール部材は、直線状又は湾曲状であってもよく、直線部と湾曲部とを備えていてもよい。レール部材は、断面多角枠状(例えば、断面三角形〜八角形状の中空枠体状)であってもよく、通常、断面四角形〜八角形状の中空体状である場合が多い。
レール部材は、走行部材(ランナー)が走行可能なスライド溝を有していればよく、互いに立設して対向可能である。スライド溝の構造は、前記走行部材の構造に応じて選択でき、レール部材の立設状態でスライド溝は互いに対向又は対峙していてもよいが、開閉シートを緊張して取り付けるためには、レール部材は、所定間隔をおいて延びる一対の基準壁と、この一対の基準壁の少なくとも一方の側部に隣接して形成されたガイド壁(特に、前記基準壁に対して、斜め方向(側壁面側にいくにつれて区画の内方向)に傾斜して形成され、前記レール本体に、前記スライド溝に沿って走行可能な前記走行部材の走行に伴う揺動を規制するための規制部が形成されているガイド壁)とを備えたレール本体と;前記ガイド壁に形成され、かつ走行部材が走行可能なスライド溝(案内路)とを備えているのが好ましい。このようなレール部材は、前記のように、前記基準壁の側部(スライド溝が形成されたガイド壁側)を互いに隣接又は対向させて配設できる。
一対の基準壁は、所定間隔(少なくとも一方の端部が所定間隔)をおいて延びていればよく、通常、互いに対向して、互いに並行(平行)に延びている場合が多い。また、ガイド壁は、一対の基準壁の少なくとも一方の側部(レール部材の片側)に隣接して形成すればよく、開閉シートを隣接する区画でそれぞれ開閉する場合には、通常、前記のように、一対の基準壁の双方の側部に隣接して形成する場合が多い。
なお、ガイド壁は、前記基準壁(例えば、互いに平行な基準壁であれば、一対の基準壁を結ぶ基準線)に対して斜め方向(例えば、斜め外方向))に傾斜していればよく、ガイド壁は、通常、一対の基準壁のうち一方の基準壁の側部から基準壁に対して斜め外方向に傾斜して延びる第1の傾斜壁と、一対の基準壁のうち他方の基準壁の側部から前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる延出壁とを備えている。この延出壁は、前記第1の傾斜壁と交差する方向に基準壁に沿って延びる延出壁(平坦壁)で形成してもよく、基準壁に対して斜め方向に傾斜し、かつ前記第1の傾斜壁の端部(側部)に向かって延びる第2の傾斜壁(延出壁)で形成してもよい。
また、スライド溝(案内路,スリット)は、基準壁に対して傾斜した少なくとも一方のガイド壁(又は傾斜壁)に形成すればよく、延出壁にスライド溝を形成してもよい。スライド溝(案内路)が形成されていないガイド壁(非傾斜壁など)の断面形状は直線状、屈曲又は湾曲状であってもよい。
さらに、レール部材を、中心線を基準として断面対称形状(左右対称構造)とすると、レール部材の向きを間違って区画を形成することがなく、組立効率を向上できるが、レール部材の断面形状は非対称形状であってもよい。図15はレール部材の他の例を示す概略図である。なお、前記図に示す部材及び部位と同じ要素には同じ符号を付して説明する。
この例では、断面形状において、レール部材111は、横断壁1aを中心線として一方の側にのみスライド溝(案内路)5が形成されている。すなわち、レール部材111は、前記と同様に、互いに平行に延びる一対の基準壁2a,2bと、一対の基準壁の一方の側部に隣接して形成されたガイド壁3(第1の傾斜壁3a、延出壁(第2の傾斜壁)3b)とを備えており、ガイド壁3(第2の傾斜壁3b)には、長手方向に沿って、スライド溝(案内路,スリット)5が形成されている。さらに、スライド溝5の両側部内面には、走行路(底部走行路又は底部平坦部)6と、対向路(上部走行路又は上部平坦部)9と、規制部(傾斜規制部7及び規制壁部8)を備えている。一方、一対の基準壁2a,2bの他方の側部には、横断壁1aと並行に延び、かつ架設部材61の端面と面接触可能な側壁112が形成されている。
このようなレール部材111では、前記レール部材1の作用効果に加えて、架設部材61の端面をレール部材111の側壁112に面接触でき、安定かつ強固に連結できる。
なお、レール部材のスライド溝(案内路,スリット)に沿って走行部材が走行可能である限り、レール部材には必ずしも走行路を形成する必要はないが、通常、前記ガイド壁のうちスライド溝の両側部内面には、前記走行部材の車輪(回動部材又はローラ)が走行可能な走行路が形成されている。この走行路は、車輪を支持し、車輪の周面(円周面)と接触可能な底部走行部を形成し、通常、平坦部で形成する場合が多い。また、必ずしも対向路を形成する必要もないが、強い力で緊張させた状態でも開閉シートを円滑に開閉するためには、走行路に対して所定間隔をおいて対向する対向路、特に走行路に対して平行に延びる対向路を形成するのが有効である。対向路は車輪の周面(円周面)と接触可能であり、通常、平坦部で形成する場合が多い。前記走行路と対向路との間で(又は前記走行路と対向路との間に収容した形態で)車輪を走行させると、走行路を走行する走行部材の揺動を防止できる。なお、車輪は走行路及び対向路と接触していてもよい(挟み込んだ状態であってもよい)が、種々の方向からの負荷に耐えて円滑に走行させるため、車輪と走行路及び対向路との間には若干の隙間がある場合が多い。
さらに、車輪の形態に応じて、車輪の側面と接触可能な側部走行部とを備えていてもよい。例えば、前記傾斜規制部7のように、断面形状において、車輪が周面の少なくとも一方の側部に隣接して傾斜側部(直線状、段差状又は湾曲状などの形態で傾斜した側部)を有する場合、この傾斜側部に対応して傾斜した側部走行部を有していてもよい。
前記レール本体には、前記スライド溝(案内路)に沿って走行可能な前記走行部材の揺動を規制するための規制部を形成してもよい。この規制部は、前記走行路及び対向路の少なくとも一方の通行路に隣接して、前記通行路の一方の側部(内側又は外側)又は両側部に形成できる。また、規制部は、走行部材の車輪の周端(内周端及び/又は外周端)及び/又は周壁(内周壁及び/又は外周壁)と接触して走行部材の揺動を規制してもよい。規制部は、通常、車輪の外周端及び/又は外周壁と接触する。また、スライド溝に隣接して走行路の内側に前記傾斜規制部7のような傾斜した規制部を形成すると、この傾斜規制部が車輪を走行路に案内するため、大きな負荷が作用した状態でも円滑に走行部材を走行できる。
さらに、レール部材には、支持体などと連結するため、長手方向に沿って装着凹部(前記ガイド溝10a)などの締結部又は連結部、接続溝10bなどの連結部又は連結矯正部などを形成してもよい。この装着凹部は、通常、スライド溝に隣り合う辺に形成され、一対の基準壁の少なくとも一方の基準壁(特に、一方の基準壁)に形成する場合が多い。この装着凹部は、通常、開口部が狭まったアリ溝構造を有しており、装着凹部には、前記スライド部材やプレート45,54などの中間連結部材がスライド式に装着可能である。前記装着凹部は、長尺支持体(支柱41)及び/又は架設部材61に対する連結などに利用できる。
なお、レール部材は、前記構造の走行部材(前記介在部又は中間部を有する走行部材)に限らず、レール部材のスライド溝に沿って走行可能な種々の走行部材(摺動部材,摺動子又はランナー)と組み合わせて使用してもよい。また、前記の例では、走行部材の棒状部で開閉シートを取り付けているため、開閉操作において、走行部材が開閉シートから遊離して上下方向に移動することはないものの、必要であれば、前記レール部材は、上部の走行部材の下降を規制するためのストッパー部を備えていてもよい。
[走行部材]
走行部材は、レール部材のスライド溝に沿って走行又は移動可能であればよく、円滑に走行させるため、車輪を回転可能に支持する支持部を有しており、この支持部は、前記スライド溝(案内路)にスライド自在に挿入又は収容可能である。すなわち、前記車輪を回転可能に支持する支持部が挿入された形態で、前記走行部材はスライド自在に走行可能である。また、走行路と対向路との間に車輪を収容した形態で走行部材が走行可能である。車輪は単一輪であってもよいが、安定して走行させる上では双輪であるのが好ましい。前記支持体は、一対の車輪を軸支する軸支部(車輪を回転可能に又は回転不能な形態で軸支する軸支部)を回転可能に支持してもよく、両側部が車輪部を形成するローラの長手方向の中央部(両側部よりも細く形成されていてもよい中央部)を回転可能に支持してもよい。このように、本明細書において、「車輪」「車輪部」とは、支持部に対して回転可能に形成された部位を意味し、車輪又は細幅のローラに限らず、支持部で回転可能に支持されたローラや周面が円弧状の回転部材をも含む意味に用いる。走行部材は、通常、一対の車輪部と、この車輪部を軸支する軸部と、この軸部を回転可能に支持する支持部とを備えている。
図16は走行部材の他の例を示す概略図である。この例の走行部材121は、前記リング部38を備えていない点、内壁にソロバン玉状の傾斜側壁を有する車輪部23に代えて、タイヤ状の車輪部122を備えている点を除き、前記走行部材21と同様に構成されている。このような走行部材121でも、レール部材に走行路と対向路と規制部とを形成することにより、レール部材のスライド溝に沿って走行部材121を安定に走行できる。
なお、車輪部の形状は特に制限されず、ソロバン玉状、O−リング状、ベアリング状などであってもよい。前記支持部を前記スライド溝(案内路)に安定して挿入又は収容するため、支持部は肉厚に形成するのが有利であり、両側の車輪部間よりも細幅に形成してもよく車輪間に亘って(又は双輪の車輪部の側部にまで延びて)幅広に形成してもよい。支持部は、車輪部などを有効に保護するとともに強度を大きくするため、肉厚又はブロック状形態を有し、車輪の両側部の側方にまで延びて形成してもよい。なお、車輪部、軸支部と支持部は金属やセラミックスなどで形成してもよいが、走行音を低減するため、車輪部と支持部とはプラスチックで形成するのが好ましく、軸支部は金属であってもよいがプラスチックで形成してもよい。支持部と取り付け部との間に介在する介在部(又は中間部、接続部)は、屈曲又は湾曲した形態を有しており、取り付け部を所定の位置に位置させている。取り付け部を車輪の一方の側に位置させるため、介在部(又は中間部)は、支持部からL字状、V字状又はコ字状の形態で延びている場合が多い。なお、介在部にリング部又は挿通部(環状リング部)を形成する必要はなく、介在部に形成した挿通部(リング部)には、開閉操作紐を挿通させてもよく、必要により開閉シートを取り付けるための取り付け部として機能させてもよい。
前記取り付け部は、車輪の軸線の長手方向の中央部と前記取り付け部の中央部とを結ぶ線が、車輪の軸線に対して所定の角度θで交差した形態で位置しており、前記取り付け部が車輪の一方の側に位置している。前記交差角度θは、走行部材の用途に応じて、例えば、10〜70°、好ましくは15〜60°(例えば、15〜45°)、さらに好ましくは20〜40°程度であってもよい。取り付け部(又は取り付け面)は、レール部材への装着状態において、レール部材の基準壁側に位置しており、通常、開閉シートを容易に取り付けるため、レール部材の基準壁に対して平行に位置している。
さらに、走行部材には、レール部材の規制部と接触可能な接触部を有する必要はないが、縦横方向に荷重及び引っ張り力が作用しても、安定に走行させるためには、前記規制部と接触又は当接可能な接触部を有するのが好ましい。例えば、車輪部(前記一対の車輪部)の外側壁は、レール部材の規制部と接触可能であってもよく、車輪部(前記一対の車輪部)の内側壁は、レール部材の走行路に隣接して形成された傾斜壁と接触可能であってもよい。
なお、本発明の走行部材は、前記構造のレール部材(前記傾斜したガイド壁を有するレール部材)に限らず、スライド溝(案内路)に隣接して走行部材が走行可能な走行部を有する種々の案内部材又はレール部材、例えば、スライド溝64を有する前記架設部材61などのように、スライド溝を有する種々のレール部材と組み合わせて使用してもよい。
好ましい態様では、前記構造のレール部材と前記構造の走行部材とを組み合わせて使用され、開閉シートを緊張させて又は取り付け部に負荷を作用させても、スライド溝に沿って円滑に走行部材が走行可能である。
レール部材には少なくとも1つの走行部材を配設すればよく、通常、複数の走行部材が配設される。複数の走行部材のうち、少なくとも下部(特に最下部)の走行部材は、少なくとも前記昇降部材に取り付けられ、前記開閉シートに取り付けてもよい。通常、少なくとも途中部の走行部材は、開閉シートに取り付けられる。なお、上部(最上部)の走行部材は開閉シートに取り付けてもよく、レール部材に対して下降が規制された状態で配設してもよい。下部の走行部材(通常、開閉シートが取り付け可能な最下部の走行部材)は、必ずしも環状リング部を備えている必要はない。
[架設部材(又は仮設部材)]
架設部材(又は仮設部材)は、前記レール部材間に架設(又は仮設)可能であればよく、レール部材と架設部材とで少なくとも1つの区画を形成してもよく、縦方向及び/又は横方向に隣接する複数の区画を形成してもよい。例えば、立設する3つのレール部材と2つの架設部材とで4つの区画を形成してもよい。また、架設部材は棒状体又は筒体、例えば、断面H字状などの形態を有し、上下両側壁及び/又は左右両側壁が平面状の中空多面体状(断面八角形状)などの中空又は中実の断面円形状又は多角形状棒状体又は筒体であってもよい。さらに、レール部材(案内部材)と架設部材(又は仮設部材)との連結構造は特に制限されず、種々の連結手段、例えば、連結機構(クランプ機構、ボルト・ナットなどの螺合又は締結機構など)で構成でき、嵌合機構、係合機構などを介して、この連結機構で連結してもよい。
レール部材(案内部材)と架設部材(又は仮設部材)との連結部材(又は連結機構)は、通常、前記ガイド溝にスライド式に装着可能な板状のスライド部材(中間連結部材)と、このスライド部材の長手方向に間隔をおいて形成された複数の被係合凸部(ネジ部材など)と、各被係合凸部に対して締結可能な締結部材(締結ナットなど)とを備えていてもよい。特に、架設部材は、レール部材(案内部材)に対して軸方向又は縦方向に位置決め可能なスライド部材を介して、前記レール部材(案内部材)に取り付ける場合が多い。また、係合機構を備えた連結構造において、前記架設部材は、架設部材本体と、この架設部材本体の少なくとも一方の側部又は端部に装着して連結可能な連結部材(前記係止プレート64、架設部材本体の端部に装着可能な断面コ字状などの形態の連結部材など)と、この連結部材又は連結部材から延出する延出壁に形成され、かつ前記被係合凸部(ネジ部材の軸部)に対して上方向から装着可能な切り欠き部(切り欠き部65など)又は被係合凸部(ネジ部材の軸部)に対して左右方向から装着可能なスリット状切り欠き部(端部から長手方向に切り欠き部が延びた二股状切り欠き部)を備えていてもよい。また、架設部材本体の側部には、前記開閉シートを取り付けるための連結部材(取り付けプレート72など)を装着して連結してもよい。上部の被係合凸部(ネジ部材)に架設部材の切り欠き部が装着又は係合された状態で、締結ナットの螺合により前記レール部材と架設部材とが締結可能である。前記スライド部材の複数の被係合凸部(ネジ部材)のうち下部の被係合凸部(ネジ部材)への締結ナットの螺合により前記レール部材とスライド部材とが締結可能であってもよい。
前記連結部材を架設部材の案内溝や装着路に沿って装着する場合、連結部材(前記係止プレート64、取り付けプレート72など)には、位置決め部を形成してもよい。この位置決め部は、前記段部66a,66b,74a,74bに限らず、凸部(例えば、連結部材の上下端面及び/又は側面に形成した凸部など)で形成してもよい。
さらに、レール部材と架設部材との連結形態に対応した形態の取付プレート(L字状に屈曲した取付プレート、T字状の取付プレートなど)を、レール部材と架設部材との連結部に配し、ネジ部材、ボルト・ナットなどの螺合又は締結機構を備えた連結構造で連結してもよい。
必要であれば、開閉シートを横方向に開閉するため、架設部材には、ランナーを走行可能に配設してもよい。例えば、架設部材本体62の少なくとも下部壁には、長手方向に沿って断面アリ溝状のスライド溝を形成し、このスライド溝に、両側内面の走行路を走行可能な一対の車輪を有するランナーを配設し、このランナーのフック部に開閉シートの孔部に対してワンタッチ式に取り付けてもよい。
なお、レール部材の縦方向への連結、架設部材の横方向への連結には、前記連結構造に限らず、レール部材及び架設部材の構造に応じて、種々の連結部材が利用できる。好ましい態様では、少なくともスライド部材101を用いた連結構造が利用でき、ピン状(細棒状)の連結部材105による連結構造は必ずしも必要ではない。
[昇降部材]
昇降部材の種類は特に制限されず、棒状体又は筒体(中空又は中実の断面円形状又は多角形状棒状体又は筒体)などであってもよい。対向する一対のレール部材間で、昇降部材は、前記下部の走行部材に対して、少なくとも横方向に移動又は摺動(若しくは揺動)可能に取り付けられている。このような取付構造(移動、摺動又は揺動構造)において、走行部材と昇降部材との連結構造は特に制限されず、例えば、前記第1の装着プレートを用いることなく、対向する一対のレール部材間に対応する長さの(又は架け渡し可能な)板状などの昇降部材と、この昇降部材の両側部にそれぞれ形成され、かつ前記走行部材の取り付け部(棒状部など)が移動又は摺動可能に装着又は配設可能な長孔(横長孔)と、前記走行部材の取り付け部(棒状部など)に装着可能な連結部材(キャップ部材など)とで構成してもよい。
連結部材(又は連結機構)は、通常、板状の装着プレート(中間連結部材)で構成でき、連結部材(第1の装着プレートなど)を介して、昇降部材は下部の走行部材と移動又は摺動可能に連結又は接続してもよい(例えば、前記昇降部材の装着溝部にスライド式に装着可能であってもよい)。例えば、装着プレートを昇降部材の側壁(装着溝部など)に対して摺動自在に配設し、前記装着プレートに走行部材の取り付け部を取り付けてもよい。より具体的には、前記のように、一対のレール部材と昇降部材との間に隙間(遊離空間)を形成して、偏った昇降力を吸収して昇降部材を円滑に昇降させるため、昇降部材は、一対のレール部材間よりも長さが短い昇降部材本体と、この昇降部材本体の両側部と下部の走行部材とを横方向に移動又は摺動自在に連結するための装着プレートとを備えていてもよい。
なお、前記連結部材を昇降部材の装着溝部に沿って装着する場合、連結部材(前記装着プレートなど)には、位置決め部を形成してもよい。この位置決め部は、前記段部86a,86bに限らず、凸部(例えば、連結部材の上下端面及び/又は側面に形成した凸部など)で形成してもよい。
昇降部材と走行部材と開閉シートとは、第1の連結手段(又は取付手段)で連結できる。この第1の連結手段(又は取付手段)は、昇降部材の両側部の横長孔及び開閉シートの下部の両側部の孔部に挿入した形態で前記部材を連結する場合が多い。例えば、第1の連結手段は、(1)昇降部材の長手方向の所定部に形成され、かつ開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部(例えば、螺着、溶着などにより、予め昇降部材に固定され、突出して形成された棒状部);(2)昇降部材の長手方向に摺動可能であり、かつ開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部を備えた摺動子(又は摺動部材);及び(3)昇降部材の長手方向の所定部を抜け止め状態で貫通可能であり、かつ貫通状態で開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部を形成可能な貫通子(例えば、螺合して昇降部材を貫通するネジ部材又はビス部材、昇降部材の貫通孔からの抜けが規制された頭部を有する棒状部材又はピン部材など)から選択された接続部材と、前記開閉シートの孔部に棒状部が挿入された状態で、前記棒状部に螺合又は装着可能であり、走行部材と昇降部材と開閉シートとを連結するための連結部材を備えていてもよい。なお、接続部材としての貫通子(3)において、棒状部は昇降部材の貫通孔に遊嵌又は挿通していてもよく、昇降部材の長手方向に延びる横長孔(横長貫通孔)で棒状部はスライド可能であってもよい。
例えば、少なくとも下部の走行部材に形成され、かつ開閉シートの孔部(取付孔、前記ハトメ部)に挿入又は挿通可能な頭部を有する棒状部(例えば、頭部を有する軸部)と、昇降部材の両側部に形成され、かつ前記棒状部(又は軸部)が遊びをもって挿通可能な横長孔と、この横長孔及び前記開閉シートの孔部に挿通又は遊嵌された状態で前記棒状部に装着可能な連結部材とを備えていてもよい。なお、棒状部(又は軸部)は、前記走行部材とは遊離して又は独立して形成でき、このような連結手段は、接続部材と、この接続部材から延出して形成された棒状部(又は軸部)と、この棒状部に装着可能な連結部材とを備えていてもよい。
連結部材は、棒状部に対して抜けが規制可能であればよく、通常、棒状部に対して抜けが規制された抜け止め構造を形成する場合が多い。連結部材は、例えば、棒状部の頭部よりも内径が小さな入口部(挿入部)を有する凹部(又は空洞部)、若しくは頭部よりも内径が小さな入口部(挿入部)を有し、軸部又は棒状部に挿入又は装着可能であり、かつ前記頭部からの抜けが規制可能な装着孔部(貫通孔など)を備え、装着に伴って変形可能なホック部材又はキャップ部材(例えば、金属製ホック、軟質樹脂で形成されたリング部材やキャップ部材)などであってもよい。
なお、昇降部材の両側部が走行部材に対して遊びをもって取付可能である限り、棒状部にネジ部を形成し又は棒状部をネジ棒で形成し、連結部材として、ナット類又はナット部材を利用してもよい。
このような第1の連結手段において、昇降部材(重り)は、両側部が少なくとも下部(特に最下部)の前記走行部材に取り付け可能であればよく、走行部材との取り付け部に長孔部を形成してもよい。この長孔は、昇降部材に直接的に形成してもよく、前記のように、間接的に前記連結部材(前記第1の装着プレート)の両端部に形成してもよい。前記長孔は、昇降部材の長手方向に延びて形成され、この長孔内で、走行部材の取り付け部(棒状部(例えば、前記軸部))が少なくとも長手方向に遊びをもって配置可能であればよい。通常、棒状部の直径よりも幅(高さ)が大きく、しかも長手方向に延びて形成されており、棒状部が縦方向及び横方向に摺動可能な形態で長孔内に位置する。なお、長孔は昇降部材の少なくとも長手方向に延びていればよく、横方向(長手方向)に直線的に延びていてもよく、揺動を許容するため、湾曲していてもよく(少なくとも長孔の上端壁部が凹状に湾曲して形成してもよく)、さらには楕円形などの形態で昇降部材の幅方向に拡がっていてもよい。
昇降部材は、走行部材の走行に伴って開閉シートを伴って上下方向に移動可能であればよく、開閉シートの下部(又は下端部)に取り付け可能であればよい。なお、開閉シートが高さ方向の途中部などで走行部材と接続されているため、昇降部材は、開閉シートの両端部と接続することなく(遊離して)横方向に移動又は摺動してもよいが、通常、開閉シートとともに少なくとも横方向に移動又は摺動する場合が多い。
なお、開閉シートは最下部の走行部材ではなく、下から二番目などの走行部材に取り付けてもよいが、好ましい態様では、前記昇降部材の両側部の長孔部には、少なくとも下部(特に最下部)の走行部材の棒状部が挿通し、この棒状部に、開閉シートの両側部の孔部を挿入し、棒状部に連結部材を取り付け又は装着することにより、昇降部材の両側部と開閉シートの両側部とを接続してもよい。
昇降部材の下部壁には、クッション部材を取り付ける必要はないものの、開閉操作による衝突又は閉じ音の発生を防止又は軽減するためには、クッション部材を取り付けるのが好ましい。特に、昇降部材に直接的に取り付けることが困難である場合には、前記のように、下部壁に形成された第2の装着溝部に、下面にクッション部を形成した第2の装着プレートを装着するのが好ましい。
なお、架設部材本体及び昇降部材本体の断面形状をそれぞれ同じ左右対称構造として、案内溝63,装着路71及び装着溝部83を形成することにより、架設部材本体及び昇降部材本体を互いに共用可能にしてもよい。このような架設部材本体及び昇降部材本体を用いると、係止プレート64,取り付けプレート72,装着プレート84,88を調製するだけで、区画を形成でき、組立効率を向上できる。
[開閉シートとその連結手段]
開閉シートは、前記レール部材(案内部材)と架設部材と昇降部材とで形成される区画を開閉(又は遮蔽)可能である限りその種類は特に制限されず、布帛(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などで形成でき、硬質な板状、メッシュ状又は網目状などであってもよい。シートは透明、半透明又は不透明であってもよく、着色していてもよい。開閉シートとしては、前記構造に適合した種々のシートが使用でき、既製のシート、例えば、JIS A 8952:1995に規定の建築工事用シートも使用できる。
開閉シートは、レール部材の軸方向(例えば、縦方向)に折り畳み可能であってもよい。例えば、重量の大きな開閉シート(軟質塩化ビニル樹脂などの軟質の合成樹脂で形成された開閉シート(例えば、厚手の開閉シートなど)など)、硬質のシート又は板材では、開閉シートは、レール部材の軸方向(例えば、縦方向)に襞状に又は屈曲形態で折り畳み可能であってもよい。
さらに、開閉シートの両側部には、レール部材と開閉シートの両端部との隙間を隠すためには、カバー部材を長手方向に取り付けてもよい。
なお、開閉シートは、走行部材、架設部材及び昇降部材と接続又は連結してもよい。架設部材に対して開閉シートは、開閉シートの上部を袋縫い状にし、この袋縫い部に架設部材を挿入して架設部材を接続又は連結してもよい。
各部材と開閉シートとを連結又は接続するため、前記第1の連結手段(又は取付手段)に加えて、第2の連結手段(又は取付手段)が使用でき、第2の連結手段(又は取付手段)により、各部材と開閉シートとは種々の形態で連結又は接続可能であり、各部材に対して開閉シートを着脱自在に又は脱着不能に取り付けてもよい。このような第2の連結手段は、各部材に固定して又は移動(又は摺動)可能に取り付けられた連結手段、例えば、係合又は掛合手段(フック部材、面ファスナ、開閉シートに取り付けた軸部が挿入可能であり、かつ頭部が係止可能な幅狭路など)、開閉シートに形成した被嵌合物に対して嵌合可能な嵌合手段(凹凸嵌合部など)、螺着手段や挟着手段(前記部材に取り付けられ、開閉シートの孔部に挿入したネジやボルトに対する螺合部材など)、少なくとも一対の部材が閉じ方向に付勢され、挟着可能な挟着機構(例えば、洗濯ばさみ、ダブルクリップなどと称される挟圧又は挟着部材など)などで構成してもよい。前記フック部材は、開閉シートの取付孔に挿入して開閉シート(開閉シート)と係合可能な鈎状のフック部材(S字状の係合部材、シートの孔部に係合可能な鈎状の係合部材など)で構成してもよい。なお、連結手段と開閉シートとの間には、種々の連結部材又は取付部材が介在してもよい。
また、昇降部材の途中部(両側部を除く中間部)は必ずしも開閉シートと接続する必要はないが、通常、開閉シートの途中部と接続する場合が多い。
好ましい態様では、第2の連結手段(又は取付手段)は、開閉シートに形成された孔部(取付孔などの前記ハトメ部など)を利用して(又は孔部に挿入可能であり)、各部材と開閉シートとを連結又は接続可能である。なお、開閉シートには、通常、架設部材、走行部材及び昇降部材と連結するため、複数の孔部(前記ハトメ部など)が形成されている。すなわち、前記第1の連結手段による連結のため、少なくとも下部(又は下端部)の両側部には孔部(又は取付孔)が形成されており、通常、少なくとも両側部及び下部、例えば、上部を含む周縁部には、複数の孔部(又は取付孔)が形成されている。
前記開閉シートとこれらの部材(走行部材、架設部材及び昇降部材)とを接続又は連結するための前記第2の連結手段は、開閉シートの孔部に挿入可能な以下の接続部材(4)〜(6)と、連結部材とを備えていてもよい。
(4)走行部材及び/又は長尺部材(昇降部材、架設部材)の長手方向の所定部に形成され、かつ開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部(例えば、螺着、溶着などにより、予め走行部材及び/又は前記長尺部材に固定され、突出して形成された棒状部);
(5)走行部材及び/又は長尺部材(昇降部材、架設部材)の長手方向に摺動可能であり、かつ開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部を備えた摺動子;
(6)走行部材及び/又は長尺部材(昇降部材、架設部材)の長手方向の所定部を抜け止め状態で貫通可能であり、かつ貫通状態で開閉シートの孔部に挿入可能な棒状部を形成可能な貫通子(例えば、螺合して走行部材及び/又は長尺部材を貫通するネジ部材又はビス部材、走行部材及び/又は長尺部材の貫通孔からの抜けが規制された頭部を有する棒状部材又はピン部材など)
なお、走行部材では、前記接続部材(4)〜(6)(特に、接続部材(4)又は(6))は、走行部材の取り付け部に取り付ける場合が多い。また、前記貫通子(3)と同様に、接続部材としての貫通子(6)において、棒状部は走行部材及び/又は長尺部材の貫通孔に遊嵌又は挿通していてもよく、走行部材及び/又は長尺部材の長手方向に延びる横長孔(横長貫通孔)で棒状部はスライド可能であってもよい。さらに、第2の連結手段の接続部材(4)〜(6)及び連結部材は、前記第1の連結手段の前記接続部材(1)〜(3)及び連結部材と共通部材であってもよい。
前記接続部材の棒状部は、ネジ部又はネジ棒部を形成してもよく、頭部を有していてもよい。前記開閉シートの孔部に棒状部が挿入された状態で、前記棒状部に連結部材を螺合又は装着することにより、開閉シートと前記部材(4)〜(6)とを連結可能である。例えば、前記部材(5)の態様での接続は、前記昇降部材の長手方向に沿って摺動部材を摺動又は移動可能に配設し、この摺動部材の棒状部を開閉シートの下部の孔部に通し、棒状部に連結部材を装着又は取り付けることにより行うことができる。なお、第2の連結手段では、連結部材は、棒状部に対して抜けが規制可能である限り、棒状部の形態に応じて選択でき、接続部材の棒状部のネジ部又はネジ棒に螺合可能なナット部材(蝶ネジなど)で連結部材を形成し、ネジ止めによる取り付け又は締結構造を形成してもよい。また、連結部材は、前記第1の連結手段と同様に、前記ホック部材又はキャップ部材の他、フック部材などで形成し、抜け止め構造を形成してもよい。
前記第2の連結手段は、例えば、架設部材の長手方向に沿って形成された装着路(アリ溝状のスライド溝など)に摺動又はスライド可能な形態で装着可能な摺動部材(例えば、スライド溝に走行可能に装着された複数の摺動子又はランナー)と、この摺動部材(摺動子など)に取付孔を有する開閉シートを取り付けるための連結手段とを備えていてもよく、この連結手段は、下記(a)又は(b)に記載の部材を備えていてもよい。
(a)摺動部材(摺動子,ランナー)に対して揺動可能又は揺動自在に取り付けられ、かつ開閉シートの取付孔に挿入して開閉シートと係合可能な鈎状のフック部材
(b)摺動部材(摺動子)に前記装着路から突出可能な形態で形成され、かつ開閉シートの取付孔が挿入可能な頭部を有する軸部と、この軸部に挿入可能であり、かつ前記頭部からの抜けが規制可能な装着孔部を有し、軟質樹脂で形成されたキャップ部材。
走行部材、架設部材及び昇降部材と、開閉シートとは、前記第2の連結手段として例示の(1)各部材に形成された棒状部、(2)棒状部を備えた摺動子、又は(3)棒状部を形成可能な貫通子などと、連結部材(キャップ部材など)とで連結してもよい。例えば、開閉シートの取付孔(前記ハトメ部など)が挿入可能な棒状部と、この棒状部に取り付け可能な連結部材とを備えていてもよい。
また、架設部材及び昇降部材においては、架設部材の装着路内及び昇降部材第1の装着溝部内には、摺動又はスライド式に装着可能な1又は複数の摺動部材(又は摺動子,ランナー)を配設し、この摺動部材に形成された棒状部に開閉シートの孔部を挿入し、前記棒状部(開閉シートから突出する棒状部)に連結部材を取り付けてもよい。なお、前記第1の連結手段に記載のように、昇降部材の少なくとも両側部に形成された長孔(横長孔)には、少なくとも前記下部の走行部材に形成された棒状部が遊嵌して挿入するとともに、この棒状部を前記開閉シートの孔部に挿入し、長孔及び前記開閉シートの孔部から突出した前記棒状部に連結部材を取り付け又は装着できる。
摺動部材(転動子、摺動子)の形態は、円形状や四角形状に限らず、装着路(装着溝)を摺動又はスライド可能な楕円形状、多角形状などであってもよい。摺動部材(転動子、摺動子)は、装着路(装着溝)で走行又は転動可能な車輪を備えたランナーなどで形成してもよい。摺動部材(転動子、摺動子)、摺動部材に形成された軸部及び頭部は、金属(頭部を有するネジや棒状体)、セラミックス、樹脂成形体などで形成してもよい。
なお、架設部材の棒状体(特に、少なくとも両側部の棒状体)及び昇降部材の棒状体は、機械的強度を高めるため、金属製である場合が多いものの、セラミックスや樹脂製であってもよい。
キャップ部材の本体部は、円形平板状に限らず、種々の形態、例えば、多角形状などであってもよく、頭部側に位置する底壁は窪んだ形態で湾曲していてもよい。前記頭部からの抜けが規制可能な装着孔部は、軟質樹脂の伸縮度に応じて、頭部を通過して軸部に挿入可能な内径を有していればよく、通常、頭部よりも内径が小さく、軸部よりも内径が大きく形成されている。また、装着孔部は、本体部の適所に形成でき、通常、本体部の中央部に形成される。さらに、摘み部は必ずしも必要ではないが、摘み部は、単に本体部から線状(又は紐状)の形態で延出していてもよく、本体部からアーチ状に湾曲(又はコ字状に屈曲)した摘み部(特に、本体部の中心部を跨いで形成された摘み部)を形成すると、摘み部により作業者が頭部に接触するのを防止でき、作業者を有効に保護できる。そのため、摘み部は保護部ということもできる。また、摘み部には、本体部の中心部を跨いで、十字状などの形態で交差する摘み部を形成してもよい。さらに、摘み部では、頭部との接触部(例えば、前記交差部)の面積を大きくしてもよい。キャップ部材は、軟質樹脂、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、ゴムやエラストマーなどで形成できる。
本発明では前記種々の態様を組み合わせて開閉構造又は開閉装置を構築でき、図に示す具体例に限定されない。
図17は、第2の連結手段の他の例を示す概略分解斜視図である。この例では、架設部材61及び/又は昇降部材81の装着路内には、前記と同様に複数の摺動部材75が配設され、この摺動部材にはネジ棒部133が突出して形成されている。このネジ棒部133が開閉シートの孔部(図示せず)に挿入された状態で、前記ネジ棒部133にワッシャ134が挿入され、六角ナット、蝶ネジなどのナット部材135が螺合されている。このような態様では、ワッシャ134を開閉シートに対するシート押さえとして機能させることができ、開閉シートを安定に取り付け、かつ開閉シートを安定に開閉できる。
[開閉操作手段(滑車及び操作紐)]
前記開閉シートを開閉操作するための開閉操作手段は、手動式であってもよく、自動式であってもよい。開閉操作手段は、開閉区画又は開閉構造の上部に取り付けられた滑車(例えば、前記架設部材に取り付け可能な滑車)と;この滑車に掛け渡され、前記開閉シートで開閉するための操作紐とを備えていてもよい。
所定の区画を開閉するための滑車及び操作紐は、種々の態様で使用でき、例えば、滑車は、架設部材及び/又はレール部材の適所(例えば、前記架設部材の少なくとも両側部)に取り付けてもよい。滑車は、通常、レール部材と架設部材とで形成される区画の少なくとも両側のコーナー部に位置していてもよく、各滑車には、開閉シートと関連づけて前記区画を開閉可能な形態で開閉操作紐が掛け渡し可能である。滑車に対する操作紐の架け渡し形態は特に制限されず、例えば、少なくとも昇降部材の両側部に接続され、架設部材の少なくとも両側部の滑車に架け渡してもよく、一方のレール部材側(区画の一方の側部)で操作紐が収束可能であってもよく、牽引可能であってもよい。開閉操作紐の種類は特に制限されず、天然又は合成繊維の紐を用いる場合が多いものの、強靱なワイヤなどの金属製紐などであってもよい。
開閉操作のための操作紐は前記昇降部材に対して種々の態様で取り付けることができ、例えば、前記のように、少なくとも昇降部材の両側部に操作紐を取り付けてもよく、環状リング部28の挿通孔28aに挿通することなく、開閉シートの側部(両側部)に挿通してもよい。また、開閉シートには、必ずしも必要はないが、横方向に延びる折り目(例えば、縦方向に間隔をおいて横方向に延びる襞折り部)を形成することにより、円滑に開閉シートを開閉できる。開閉シートには、前記襞折り部に開閉操作紐が通じるハトメ部を形成してもよく、襞折り部又は開閉シートに取り付けたリング部材(環状部材など)や開閉シートに形成した孔部(挿通部)に開閉操作紐を通してもよい。シートのハトメ部又は孔部の周辺部は、金属などで構成されたリング体で補強してもよい。
なお、襞折り部が形成された開閉シートを左右方向に緊張させて取り付けると、開閉操作紐による上下方向への開閉操作に伴って開閉シートが自然に襞折り状に折り畳まれ、所定の区画を開閉シートで円滑に開閉できる。
さらに、昇降部材の長手方向の中央部を中心とした両側部に、昇降部材の左右バランス(水平バランス)を保つための吊るし部(昇降部材と関連して三角形状の形態の吊るし部)を形成し、この吊るし部に操作紐(吊るし紐)を取り付けてもよい。このような態様では、吊るし部の頂部に対応する区画又は開閉構造の上部(例えば、架設部材の長手方向に中央部)に滑車を取り付け、この滑車に吊るし紐を架け渡してもよい。また、吊るし紐は、区画又は開閉構造の上部の側部に取り付けた滑車に架け渡し、この滑車からの吊るし紐を開閉操作紐として利用してもよい。このような吊るし部を形成すると、昇降部材の左右バランス(水平バランス)を保ちつつ、円滑に開閉可能である。
図18は本発明の開閉構造の開閉操作手段の他の例を示す概略斜視図である。
この例では、重量の大きな開閉シート(例えば、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質の合成樹脂で形成された開閉シート)151には、レール部材1の軸方向に間隔をおいて、軸方向に対して直交する方向(横方向)に襞状に折り曲げ部151aが延びており、開閉シート151は、レール部材1の軸方向(例えば、縦方向)に折り畳み可能である。
一方、昇降部材81の長手方向の中央部を中心として、両側部の左右バランス(水平バランス)位置(2点支持部)には、リング部150c,150dが取り付けられ、これらのリング部には、チェインなどの連結紐部材の端部が締結又は係止され、昇降部材81とともに三角形状(二等辺正三角形状)の形態を形成する吊るし部155cが形成可能であり、この吊るし部の頂部には2本の操作紐(吊るし紐)155d,155eが取り付けられている。この操作紐(吊るし紐)155dは架設部材61の長手方向の中央部に取り付けられた第1の滑車(ダブル滑車)153cに架け渡されているとともに、一方の側部の第2の滑車(ダブル滑車)153aにも架け渡されている。この第2の滑車からの2本の操作紐(吊るし紐)155d,155eは、開閉シート151の表側及び裏側の双方で開閉可能とするため、一方の操作紐155dは、開閉シート151の上部の取付孔(ハトメ孔)を挿通して、開閉シート151の表側に延び、かつ端部には把持部(又は錘部)が取り付けられ、他方の操作紐,155eは、開閉シート151の裏側に延び、かつ端部には把持部(又は錘部)が取り付けられている。この例では、円滑に開閉シート151を開閉するため、表側に位置する一方の操作紐155dは、開閉シート151の取付孔(ハトメ孔)のうち、上から2番目であって、孔径の大きな取付孔(ハトメ孔)に挿通されている。
このような態様では、開閉シート151の重量が大きくても、折り曲げ部151aを有するため、円滑に折り畳みながら開閉できる。さらに、吊るし部155cを利用して昇降部材81の左右バランス(水平バランス)を保つことができる。そのため、昇降部材81の両側部が走行部材21に対して遊びをもって連結されていることと相まって、開閉シート151で所定の区画をさらに円滑に開閉できる。
なお、吊るし部155cからの操作紐(吊るし紐)は、一本であってもよい。また、吊るし部155cを有する開閉構造では、開閉シートは必ずしも折り畳み可能である必要はなく、通常の開閉シートであっても、円滑に開閉できる。なお、開閉シートの最上部の取付孔(ハトメ孔)が架設部材と開閉シートとの連結に利用する場合が多いため、開閉シート151の取付孔(ハトメ孔)のうち、上から2〜5番目程度の取付孔(ハトメ孔)に挿通してもよい。なお、必要であれば、昇降部材81は長手方向の複数箇所(支持部)で左右バランス(水平バランス)を保ってもよい。さらには、昇降部材81の2箇所の左右バランス(水平バランス)位置(2点支持部)に代えて、昇降部材81の長手方向の中央部の左右バランス(水平バランス)位置(1点支持部)に操作紐(例えば、1又は2つの操作紐)を取り付けてもよい。
なお、複数の走行部材のうち、上部(特に最上位)の走行部材は、架設部材の側部に位置する滑車に形成されたストッパー部により、下降するのを規制してもよい。また、最下部の走行部材(開閉シートが取り付け可能な)の環状リング部には開閉操作紐を挿通させる必要はない。
図19は、レール部材と架設部材との他の連結構造(裏側)を示す概略斜視図であり、図20は図19の中間レール部材の連結構造を示す概略断面図である。この例では、係合機構ではなく、螺合又は締結機構でレール部材及び中間レール部材と架設部材とが連結されている。
すなわち、レール部材1(中間のレール部材1を含む)のガイド溝には、それぞれ、複数(この例では、2つ)のネジ部材(ネジ棒)55a,55bを備えた板状のスライド部材(中間連結部材、プレート部材)54がスライド式に装着可能である。なお、前記と同様に、ネジ部材(ネジ棒)55a,55bには締結ナット(ワッシャを備えたナット)56a,56bが螺合可能である。
また、架設部材61の架設部材本体62の一方の側壁に長手方向に沿って形成された案内溝(浅溝)63には、中間のレール部材1を取り付けるためのT字状の取付プレート164と、端部のレール部材1を取り付けるためのL字状の取付プレート168とが配設されている。前記T字状の取付プレート164は、前記ネジ部材(ネジ棒)55a,55bに係合可能な切り欠き部166を有する脚支持部165と、この脚支持部の上部で両側方向に延び、かつ前記案内溝(浅溝)63に沿って移動可能な上部案内部167とを備えており、脚支持部165の切り欠き部166にネジ部材(ネジ棒)55a,55bを係止させた状態で、ネジ部材(ネジ棒)55a,55bには締結ナット(ワッシャを備えたナット)56a,56bを螺合することにより、中間のレール部材1と架設部材61とを締結可能である。なお、上部案内部167は、ネジ部材を用い、架設部材本体62の一方の側壁と締結可能である。
L字状の取付プレート168は、前記ネジ部材(ネジ棒)55a,55bに係合可能な切り欠き部170を有する脚支持部169と、この脚支持部の上部で一方の側部方向に延び、かつ前記案内溝(浅溝)63に沿って移動可能な上部案内部171とを備えており、前記と同様に、脚支持部169の切り欠き部170にネジ部材(ネジ棒)55a,55bを係止させて、ネジ部材(ネジ棒)55a,55bに締結ナット(ワッシャを備えたナット)56a,56bを螺合することにより、レール部材1と架設部材61とが締結可能であり、上部案内部171は、ネジ部材を用い、架設部材本体62の一方の側壁と締結可能である。
さらに、中間のレール部材1の双方のスライド溝5にそれぞれ走行部材21を配して、中間レール部材1を中心にして両側部の開閉シートをそれぞれ開閉する場合、中間レール部材1の上部/下部では走行部材21ががたつく場合がある。そのような走行部材21のがたつきを抑制するため、架設部材本体62の他方の側壁に長手方向に沿って形成された装着路(装着溝)74には、長手方向に所定の間隔をおいて固定又は取り付けられた棒状部(この例ではネジ棒部)182,183を有する位置決めプレート181が装着可能である。すなわち、この位置決めプレート181は、装着路(装着溝)74に沿ってスライドさせ、中間レール部材1に対応する箇所に装着してネジ部材で架設部材本体62に固定可能である。そして、図20に示すように、位置決めプレート181の棒状部(ネジ棒部)182,183を、隣接する開閉シート91a,91bの側端部の取付孔(ハトメ孔)に挿入し、連結部材(この例では、キャップ部材)30を棒状部(ネジ棒部)182,183に装着することにより、中間レール部材1の上部又は下部では走行部材21ががたつくのを防止している。
なお、案内溝(浅溝)63に沿って取付プレートの上部案内部を案内可能とするため、脚支持部と上部案内部との境界域に段差部又は屈曲部を設け、上部案内部の側壁を脚支持部の側壁よりも案内溝(浅溝)側に突出させてもよい。また、取付プレートの形態は、特に制限されない。
[支持体(支柱)及び足場部材]
立設支持体(支柱)は、レール部材を立設して支持可能であればよく、種々の連結部材又は締結部材で直接的に連結してもよく、施工空間を確保するため、立設支持体(支柱)とレール部材との間にアングル部材(例えば、L字状アングル部材)を介在させてもよい。連結部材又は締結部材としては、クランプ機構(自在クランプなど)を利用する場合が多い。
また、足場部材は、立設支持体に対して十字状に横断して立設支持体に連結可能であればよい。立設支持体と足場部材とは、クランプ機構(自在クランプ、直交クランプなど)、嵌合装着機構(例えば、クサビによる緊結又は連結機構)、締結金属線などの連結部材又は締結部材で連結又は締結してもよい。嵌合装着機構は、例えば、図5において、立設部材(支持体)41の周面(例えば、周方向に角度が90°ずれた4箇所の位置など)から突出して形成(又は溶接)されたソケット部(又は受け部、ポケット)と、足場部材に取り付けられた係止金具と、この係止金具の切り欠き部(縦方向に延びる切り欠き部など)を通じて前記ソケット部(又は受け部)に嵌合又は装着可能(挿入して打ち込み可能)なクサビ部材とで構成してもよい。クサビ部材は足場部材に一体に形成してもよい。クサビ部材のうち立設部材(支持体)41側の端面は、立設部材(支持体)41の周面に沿った湾曲端面(又は面接触可能な端面)を有していてもよい。また、この嵌合装着機構(クサビ機構)は、ソケット部(又は受け部)に対するクサビ部材の緩みを防止するため、クサビ部材の装着(上部からの打ち込み)及び脱着(下部から上部への打ち込み)に伴って、ソケット部(又は受け部)に形成された被係合部(被係合凹部又は係合孔)に対して係合及び離脱可能な係合部(抜け止めピンなど)を備えたロック機構を有していてもよい。前記係合部(ロックピンなど)は、バネ部材により側部方向に付勢してもよい。なお、抜け止めピンを備えたロック機構を有するクサビによる緊結又は連結機構については、クサビ部材を案内し、ピン収納孔を有するクサビ案内部材と、前記ピン収納孔を通じて、ソケット部に形成されたピン受け入れ孔に進退動可能な抜け止めピン(板バネにより付勢されたピン)とを備えた公知の機構、例えば、特開2008−280741号公報、特開2008−280742号公報、特開2008−280743号公報などを参照できる。
足場部材と立設支持体とはクランプ機構又は嵌合装着機構(クサビ機構)で連結する場合が多い。さらに、前記の例では、レール部材に支持体(支柱)を連結しているが、レール部材に足場部材を連結してもよい。
立設支持体及び足場部材は必ずしも必要ではない。例えば、レール部材を支持体(支柱)として利用し、架設部材を足場部材として利用してもよい。
なお、本発明の方法は、レール部材のスライド溝に1又は複数の走行部材を走行可能に配設する工程と、互いに対向したレール部材に対して架設部材を架設する工程と、この架設部材と走行部材とに開閉シートを取り付ける工程と、開閉シートの下端部に昇降部材を取り付ける工程と、昇降部材の両側部を、開閉シートの下端部の両側部及び少なくとも下部の前記走行部材に取り付ける工程と、前記レール部材と架設部材とで形成される区画を開閉シートで開閉するための開閉操作手段を取り付ける工程(例えば、滑車を、前記架設部材に取り付け、開閉シートと関連づけて前記滑車に紐を掛け渡す工程)とを含んでおり、各工程の順序は特に制限されない。
このような方法により、開閉操作手段(例えば、前記操作紐の牽引及び解放)によりレール部材に沿って前記区画を開閉シートで開閉可能な開閉構造を形成できる。