JP2620681B2 - 仮設屋根 - Google Patents

仮設屋根

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JP2620681B2
JP2620681B2 JP22180594A JP22180594A JP2620681B2 JP 2620681 B2 JP2620681 B2 JP 2620681B2 JP 22180594 A JP22180594 A JP 22180594A JP 22180594 A JP22180594 A JP 22180594A JP 2620681 B2 JP2620681 B2 JP 2620681B2
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欣延 石野
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石野瓦工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新築家屋の屋根葺き工
事あるいは既存の屋根の葺き替え工事等の際に使用する
仮設屋根に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】屋根葺き
工事や葺き替え工事等の際には、雨天時等の雨、風に対
する防御の目的で、建物の屋根の上に、これらの屋根の
全体を覆う仮設屋根を設けることが行なわれている。
【0003】従来、この仮設屋根としては、工事用の足
場、例えば形鋼材等の鉄骨やパイプ材で建物の周囲に枠
組足場を組み立て、さらに屋根の棟等に立設した支持体
との間に屋根勾配方向のタルキ材を架渡して、その上に
シート等の屋根材を敷設していた。
【0004】しかし、前記の仮設屋根は、重い鉄骨やパ
イプ材を多数使用するために、その組立て作業に時間が
係り面倒で、不経済である等の問題があった。
【0005】そのため近年、建物の屋根の軒先と略平行
に足場等を利用して軒支線を張り、さらに屋根の棟に棟
金具を間隔を隔てて立設して該棟金具に棟支線を架け渡
して固定し、この棟支線から軒支線まで複数のロープを
張り渡して、その上にシートを張設するようにした仮設
屋根が提案されている(特開昭62−170664号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
仮設屋根による場合、シート張設用のロープは、建物の
前後において前記棟支線と足場材による軒支線との間に
張り渡するものであるため、該ロープの張り渡し作業が
高所で行なわれることもあって、その張り渡し作業が容
易でなく手数がかかる上、その作業上それほど強く緊張
した状態で張り渡すことができないものである。
【0007】そのため、ロープの緊張度合が不均一にな
ったり緩みが生じたりし易く、またこのロープの上に張
設されたシートにも弛みが生じて、不安定で不体裁にな
り易いもので、強風に対して十分な強度が得られない欠
点があり、あまり実用化されていない。
【0008】そこで、前記のような問題を解消するため
に、本出願人は、屋根用シートを張設するためのワイヤ
ーロープ等の索条を、棟部および軒先部に配した複数の
滑車を利用して、これらの滑車を通して建物前後の一方
側から他方側へ架け通し、その両端部を地盤等に緊張状
態で連結して張設し、この索条に屋根構成用シートを張
設して構成する仮設屋根を提案した(特願平5−571
37号)。
【0009】この仮設屋根によれば、組立て作業がきわ
めて容易で、ある程度の強風にも耐える強度を持つので
あるが、仮設屋根の棟部に開放部分を有さないために、
仮設屋根内部の通気、通風性が悪くて、内部空気が汚れ
たり、内部温度が上昇したり(特に夏期の場合)して、
作業環境が悪化するという問題がある。また仮設屋根の
内部に風が侵入した場合に、その風に煽られて屋根用シ
ートがパタ付いたりし易く、また屋根用シートを支持す
るワイヤーロープ等の索条に強い力が作用するので、こ
れに耐える高強度の索条を使用する必要があって、コス
ト高になる等の問題があり、実施上充分満足できるもの
ではない。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなしたものであっ
て、屋根葺き工事等において利用する仮設屋根として、
屋根用シートを張設するためのワイヤーロープ等の索条
を複数の滑車を利用して張設することにより、その組立
て作業がきわめて容易に行なえ、しかも仮設屋根上部に
通気部を確保して通気、通風性がよく、また風に煽られ
にくくて、強風にも充分に耐える仮設屋根を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、建物の屋根の棟に棟部支持体を立設して滑車を
配するとともに、屋根前後の軒先やや外方に軒先部支持
体を設置して滑車を配し、シート支持用のワイヤーロー
プ等の索条を、棟部および両軒先部の滑車を通して建物
前後の一方側から他方側へ架け通すとともに、該索条の
両端部をそれぞれ建物前後の地盤等の不動部分に緊張状
態で連結して張架し、屋根用シートを前記索条に係止し
張設して主屋根部を構成してなる仮設屋根において、主
屋根部を構成する屋根用シートを、棟部に開放空間を保
有して前後の屋根面を覆うように張設するとともに、前
記の棟部支持体の上部に棟部屋根用の支持枠を設けて、
この上部支持枠の上に屋根用シートを張設して前記開放
空間の上方部を覆う棟部屋根を構成し、主屋根部と棟部
屋根との間に通気用の間隙を保有させてなることを特徴
とするものである。
【0012】前記において、棟部支持体は、建物の屋根
の棟に支持柱を所要間隔に立設し、、これらの支持柱の
上部に棟と平行な連結用横杆を架設するとともに、この
上に棟部屋根用の上部支持枠を載架して構成し、この棟
部支持体の前記連結用横杆に滑車を所要間隔に配設し、
また軒先部支持体は、屋根前後の軒先やや外方に設置さ
れた枠組足場等よりなり、軒先と略同高さ位置もしくは
軒先より高位置に横方向の支持杆を設け、該支持杆に滑
車を所要間隔に配設し、これらの棟部と軒先部の滑車を
利用して、シート支持用の索条が屋根横方向の所要間隔
に張架しておくことができる。前記の棟部支持体の支持
柱に前後に間隔を存して連結用横杆を架設し、この連結
用横杆に前後の屋根面を覆う屋根用シートの上端部を係
止させることもできる。
【0013】また棟部の滑車および軒先部の滑車が、そ
れぞれ連結用横杆または支持杆に対し位置調整可能に取
付けられてなるものが好ましい。
【0014】さらに前記の棟部支持体における支持柱
が、屋根の棟に取付け固定されたジャッキベースにより
高さ調整可能に立設されてなるものが実施上好適であ
る。
【0015】
【作用】上記した本発明の仮設屋根は、棟部に開放空間
を保有して前後の屋根面を覆う主屋根部と、前記棟部の
開放空間の上方部を覆う棟部屋根とよりなるもので、棟
部屋根は、屋根の棟に立設して組立てた棟部支持体の上
部支持枠に屋根用シートを張設することにより容易に構
成でき、かつ弛みのおそれのない張設状態に保持でき
る。
【0016】一方、主屋根部は、屋根用シートをワイヤ
ーロープ等の索条に係止し張設して構成するが、これを
支持するための索条は、棟部および両軒先部の滑車を介
して建物前後の一方側から他方側へ架け通して緊張した
状態で、その両端部をそれぞれ地盤等の不動部分に連結
して張架するので、建物前後の地上に近い所で、特にワ
イヤーロープ用等の緊張治具を用いて、容易にかつ安全
に緊張することができる。しかも、引張耐力の強い索条
であることもあって、従来よりも強い力で、かつ滑車を
通して全長に渡って均等に緊張することができる。また
索条の端部が地盤等に連結されて固定されるために、一
旦緊張して張設されると、その緊張状態が緩んだりする
おそれがなく、所定の緊張状態を良好に保持できる。
【0017】したがって、この索条に係止し張設した屋
根用シートを弛みのおそれのない張設状態に保持でき、
安定性良好な主屋根部を構成できる。
【0018】その上、前記の主屋根部は棟部において開
放空間を存して構成され、この開放空間の上方部を覆う
棟部屋根と前記主屋根部との間に通気用の間隙を保有し
ているので、前記の開放空間および間隙により仮設屋根
内部の通気、通風性を良好に確保でき、内部に侵入した
風が上部の開放空間および間隙を通じて外部に流れ、屋
根用シートが過度に煽られることがなく、また内部の空
気が汚れたり、内部温度が上昇するのを防ぐことができ
る。前記開放空間からの雨等の侵入は棟部屋根により防
止される。
【0019】また、棟部の滑車および軒先部の滑車が、
それぞれ連結用横杆または支持杆に対し位置調整可能に
取付けられていると、張設される屋根用シートの幅や屋
根の規模等に応じて索条の間隔、ピッチを適宜設定でき
ることになる。
【0020】さらに、棟部支持体における支持柱を、屋
根の棟部に取付け固定されたジャッキベースにより高さ
調整可能に設けてあると、施工の際に、棟部支持体の高
さを任意に調整でき、反りのある棟部の場合において
も、所要間隔に立設される複数の支持柱の高さを合せる
ことができる。
【0021】
【実施例】次に本発明の1実施例を図面に基いて説明す
る。
【0022】図1および図2は、本発明に係る仮設屋根
の索条の張架状態を略示する正面図と側面図である。
【0023】図における(A)は建物の屋根、(A1 )
は屋根の棟、(A2 )は屋根の軒先である。(1)は棟
部支持体、(2)は枠組足場等による軒先部支持体、
(3)は屋根用シート、(4)は屋根用シート(3)を
張設状態に支持するためのワイヤーロープ等の索条を示
している。
【0024】棟部支持体(1)は次のように構成されて
いる。
【0025】(11)は屋根(A)の棟(A1 )に所要間
隔を存して立設した支持柱である。この支持柱(11)
は、図3および図4に拡大して示すように、その上部
は、下部管部(11a )に対し分離可能に連結された縦管
部(12a )の上端に屋根前後方向に延在する横管部(12
b )が連設されて略T字形をなしており、横管部(12b
)の前後両端にそれぞれ棟(A1 )の長手方向に平行
に延在する連結用横杆(13a)(13b )が架設されてい
る。さらに縦管部(12a )の上方延長上に支持部材
((12c )を介して連結用横杆(13c) が架設されてい
る。これにより各支持柱(11)が連結されている。前記
の連結用横杆(13a )(13b )(13c )は、各支持柱
(11)(11)間の中間部において分離可能に連接構成さ
れて、組立て分解可能に設けられる。
【0026】前記の支持柱(11)の上方部には、棟部屋
根用の上部支持枠(14)が連接、載架されて組立て構成
されており、この上部支持枠(14)は、図のように上方
にやや湾曲もしくは屈曲して前後方向に延在して棟の長
手方向所要間隔に配された支持部材(14a )と、該支持
部材(14a )の両端部と中央部とにおいて各支持部材
(14a )を連結する横材(14b )とにより枠状に組立構
成されており、前記の支持柱(11)の上部にやや間隔を
存して載架されている。
【0027】この連接手段として、図4に拡大して示す
ように、中央の横材(14b )に連結部材(16)を連接垂
下させ、その下端部にボルト付きクランプ(17)を取付
け、このクランプ(17)で中央の連結用横杆(13c )に
対し連結するとともに、支持部材(14a )の両端側下面
に斜め下向きに傾斜した連結部材(18)を付設し、該連
結部材(18)の下端部にボルト付きクランプ(19)を設
けて、該クランプ(19)により前後の連結用横杆(13a
)(13b )に対し連結している。前記のクランプ(1
7)(19)を利用することにより、組立ておよび分解時
の連結および分離操作が容易に行なえる。
【0028】棟部屋根用の上部支持枠(14)の前後方向
の幅は、前後の連結用横杆(13a )(13b )の間隔より
も大きく、特に後述する主屋根部(50)を構成する屋根
用シート(3)の張設状態において、主屋根部(50)の
棟部における開放空間(51)を棟部屋根(60)にて覆え
るように、該開放空間(51)の間隔より広幅に形成され
る。
【0029】この上部支持枠(14)についても、棟の長
さ方向所要間隔毎に分離可能に連接しておくのが、分解
時の運搬等の取扱い易さの点で好ましい。
【0030】そして前記のように構成される棟部支持体
(1)の前後の連結用横杆(13a )(13b )に、それぞ
れ屋根横方向の所要間隔に索条(4)を係止する滑車
(5)(5)が嵌挿されて取付けられている。この滑車
(5)は、連結用横杆(13a )(13b )に対しその長手
方向に位置変更可能に取付けられており、張架される索
条(4)の張設間隔やピッチを適宜設定できるようにし
ておくのがよい。
【0031】なお、上記の支持柱(11)は、下部管部
(11a )を屋根の棟(A1 )に取付け固定したジャッキ
ベース(15)により高さ調整可能に設けておくのが、屋
根の規模や形態に応じて屋根面からの高さを適宜設定で
き好ましい。このジャッキベース(15)は、屋根の棟
(A1 )にネジ止め等の手段により固定される取付け板
(15a )にネジ軸(15b )が立設され、このネジ軸(15
b )に対し、前記下部管部(11a )が螺合され、ハンド
ル操作により上下動するように設けられている。
【0032】また棟部の滑車(5)としては、センター
の連結用横杆(13c )に一つの滑車を設けて実施するこ
とも可能であるが、索条(4)の張架状態の安定性の点
からは、上記のように前後の連結用横杆(13a )(13b
)にそれぞれ滑車(5)を設けておくのがよい。
【0033】一方、軒先部支持体(2)は、図示するよ
うに、パイプ材、形鋼材等により組立て構成されて軒先
(A2 )のやや外方に設置される作業用の枠組足場等よ
りなる。
【0034】この軒先部支持体(2)には、図5に拡大
して示すように、軒先(A2 )と略平行な横方向の支持
杆(21)が、軒先(A2 )と略同高さ、もしくはこれよ
り高位置に架設されており、この支持杆(21)に索条
(4)を係止する滑車(6)が、フックやワイヤーロー
プ等による結合あるいは係合手段(22)により取付けら
れている。前記の支持杆(21)として、枠組足場が本来
備えている横材を利用することもできる。
【0035】また軒先部支持体(2)としては、図示す
るように、パイプ材等による略四角形の枠組体を連結し
て組立て構成した枠組足場によるほか、前記のパイプ材
等を側面略直角三角形の枠状に組立て構成した枠材を使
用する等、横方向の支持杆(21)を軒先やや外方の位置
に上記のように架設することができる種々の形態の支持
体を用いることができる。いずれにしても、足場を兼ね
て設置しておくのが実施上望ましい。
【0036】また前記の索条(4)の緊張による軒先部
支持体(2)の傾倒や浮き上りを防止するために、例え
ば、地盤に連結された引張用のワイヤーロープ等で下向
きに引張する等、なんらかの傾倒防止手段を施しておく
のがよい。
【0037】上記のように、建物の屋根(A)の棟(A
1 )に設けた棟部支持体(1)の前後の連結用横杆(13
a )(13b )に滑車(5)を配するとともに、屋根前後
の軒先(A2 )やや外方に設置した枠組足場等による軒
先部支持体(2)の支持杆(21)により滑車(6)を配
し、これらの滑車(5)(6)を利用して、シート支持
用のワイヤーロープ等の索条(4)を、図1、図2およ
び図3〜図6に示すように張架する。
【0038】すなわち、索条(4)を、前記滑車(5)
(6)を通して、建物前後の一方側から他方側へ架け通
し、さらに軒先部の滑車(6)を通って下方に延びる該
索条(4)の両端部(41)(41)を、それぞれ建物前後
の地盤等の不動部分に緊張状態で連結することにより張
架する。
【0039】図示する実施例の場合は、索条(4)を緊
張した状態でその両端部を地盤等に連結する手段とし
て、二つの滑車(42a )(42b )を並設した連結用滑車
部材(43)を利用しており、この滑車部材(43)の一方
の滑車(42a )に補助のワイヤーロープ(44)を架け回
して、その両端をそれぞれ左右に間隔を隔てて地盤に打
ち込み固定された杭等のアンカー(45)に適当な結合手
段あるいは係止手段により連結しておく。
【0040】そして、軒先部の滑車(6)から下方に延
びた索条(4)の両端部を、それぞれ前記滑車部材(4
3)の他方の滑車(42b )に架け回して折返し、該折返
し端部(41a )をロープ主体部にワイヤーロープ用のク
リップ手段等を用いて結合し固定するが、この際、索条
(4)の一方側の端部において、該索条(4)を緊張治
具等により、例えば1トン程度の強い引張力により緊張
した状態にして、前記の折返し端部(41a )を主体部に
結合し固定する。緊張される索条(4)は滑車(5)
(6)を通して自由移動できるため、その全長に渡って
略均等な強い力で緊張される。
【0041】これにより、索条(4)は、滑車部材(4
3)および補助のワイヤーロープ(44)を介して、二股
状に分離して地盤に固定されたアンカー(45) に連結さ
れて、張架状態に保持される。
【0042】特に、前記の索条(4)の緊張力が大きく
ても、補助のワイヤーロープ(44)の部分では前記緊張
力が二股状の両端部分に略2分されて作用し、地盤に固
定されたアンカー(45)に対する力も前記緊張力の略1
/2になる。しかもアンカー(45)は左右に間隔を隔て
て固定されているため、その力は該アンカー(45)の抜
け出し方向に対して交叉方向になる。そのためアンカー
(45)が緩んだり、抜け出したりするおそれがなく、索
条(4)を緊張状態に良好に保持できる。
【0043】前記において、滑車部材(43)を介して連
結される索条(4)と補助ワイヤーロープ(44)の両端
側部分とがなす角度が略同格度となるように、補助ワイ
ヤーロープ(44)の長さ、両アンカー(44)(44)の間
隔を設定しておくのが好ましい。
【0044】なお、実際の施工においては、屋根(A)
の棟(A1 )の長さ方向両端よりやや外方位置には、枠
組足場等による支持枠(8)を利用し、あるいは該支持
枠(8)上に棟部支持体(1)の支持柱(11)を設け
て、連結用横杆(13a )(13b)をこの支持枠(8)の
部分にまで延設しておいて、棟部の滑車(5)を配し、
該滑車(5)と軒先部支持体(1)に設けられた滑車
(6)とを利用して、上記同様に索条(4)を張架す
る。
【0045】このように、索条(4)を緊張状態に張架
した後、まず図6に示すように、棟部支持体(1)の棟
部屋根用の上部支持枠(14)に屋根用シート(3)を張
設して棟部屋根(60)を構成する。この棟部屋根(60)
に使用される屋根用シート(3)は、その周辺部に、開
口部をパネ作用により開閉する閉止片を有するC形リン
グ等の係止部材や紐体等の結合手段(32)が設けられて
おり、この結合手段(32)により、上部支持枠(14)の
支持部材(14a)および横材(14b )に結合されて張設状
態に安定性よく保持される。
【0046】次に、前記のように張架した索条(4)に
対し、屋根用シート(3)を、棟部において前記棟部屋
根(60)の下方部に間隔をおいて所要の開放空間(51)
を保有するように係止し張設して、該屋根用シート
(3)により前後の屋根面を覆う主屋根部(50)を構成
する。この主屋根部(50)の上端部と前記の棟部屋根
(60)との間には通気用の間隙を保有するように設けら
れる。
【0047】この主屋根部(50)に使用する屋根用シー
ト(3)は、図7に示すように、両側辺部における長手
方向所要間隔毎に、バネ作用によって開閉する閉止片を
有するC形リング等の係止部材(33)が紐体により取着
されており、この両側の係止部材(33)を上記のように
張架された索条(4)に係止することにより張設できる
ようになっている。ある程度の緊張状態に張設すれば、
勾配方向の滑りを防止できるが、他の滑り止め手段等を
設けておくこともできる。
【0048】また最上部の屋根用シート(3)の上端部
には、前後の連結用横杆(13a )(13b )に係止あるい
は結合される結合部材(34)を設けておき、該連結用横
杆(13a )(13b )に係止することにより、両連結用横
杆(13a )(13b )間に開放空間(51)を形成して、下
方にずれないように保持するのが好ましい。
【0049】前記の係止部材(33)は、本体部(31)に
直接係着しておくこともできるが、図のように、ゴム紐
等の伸縮性紐あるいは非伸縮性紐その他の紐体(35)に
より連結しておくほうが、索条(4)への係止操作が容
易になり、また屋根用シート(3)を張設状態に保持し
易くなる。
【0050】前記のようにワイヤーロープ等の索条
(4)に係止部材(33)で係止して屋根用シート(3)
を張設することとした場合、図8に示すように索条
(3)を中心として、両側の屋根用シート(3)(3)
間に間隔が生じる。
【0051】そのため、前記の屋根用シート(3)の本
体部(31)の一方側辺部の裏面に、本体部(31)より側
方に延びた樋用補助片(36)を連接して、その端縁部に
上記同様のC形リング等よりなる係止部材(37)を設け
るとともに、他方側辺部の裏面やや内方位置に前記係止
部材(37)を係止できる係止孔を有する連結片(38)を
連設しておいて、図8のように、係止部材(37)により
樋用補助片(36)を隣接するシート(3)の連結片(3
8)に係止し連結することにより、両シート(3)
(3)間の下方に、湾曲した樋用補助片(36)により排
水用樋を構成するようにしている。これにより両シート
(3)(3)間の間隔部分からの雨漏りを防止できる。
【0052】このようにして、棟部支持体(1)の上部
支持枠(14)に屋根用シート(3)を張設して棟部屋根
(60)を構成するとともに、滑車(5)(6)を利用し
て建物前後の一方側から他方側へ強く張架したワイヤー
ロープ等の索条(4)に対し屋根用シート(3)を張設
して主屋根部(50)を構成しているので、風速30m程
度の強風に対しても充分に耐え得る強固な仮設屋根を組
立て構成できる。
【0053】特に、建物前後の屋根面を覆う主屋根部
(50)は、その棟部において所要の開放空間(51)を有
するように張設構成され、しかもその上方部を覆うよう
に開放空間(51)より広い幅の棟部屋根(60)が構成さ
れて、主屋根部(50)と棟部屋根(60)との間に通気用
の間隙(61) を保有させているために、仮設屋根内部の
通気、通風性が良好に確保され、また下方から風が侵入
しても、上部の開放空間(51)および通気用の間隙(6
1)を通じて外部に流出するために、内部空気が滞留せ
ず、またシートが風によって過度に煽られることもな
く、これを支持する索条や係止部分に強い力が作用する
ことがない。
【0054】なお、上記の実施例では、張設した索条
(4)に対し、屋根用シート(3)を係止部材により係
止して張設する場合を示したが、このほか、索条(4)
の上で、シート同士を直接連結するようにして張設する
ことも可能である。
【0055】さらに、上記で索条に使用した各ワイヤー
ロープに替えて、引張強度の高い合成樹脂製ロープ、ワ
イヤーで補強したロープ等の索条を用いることができ
る。
【0056】
【発明の効果】上記したようにように本発明の架設屋根
は、棟部に開放空間を保有して前後の屋根面を覆う主屋
根部と、前記棟部の開放空間の上方部を覆う棟部屋根と
よりなるもので、棟部屋根は支持枠に張設されて強固に
張設保持され、またワイヤーロープ等の索条を、軒先部
と棟部に配した滑車を利用して、建物前後の一方側から
他方側へ架け通して、強く緊張した状態で張架でき、こ
れに屋根用シートを係止し張設して主屋根部を構成して
いるので、容易に弛みやグラつきが生じるおそれがな
く、強風に対しても充分な強度を持った、きわめて安全
かつ強固な仮設屋根を提供できる。また、ワイヤーロー
プ等の索条の緊張作業、連結作業等を地上に近い所で行
なうことができ、その組立て作業を容易に行なうことが
できる。
【0057】その上、建物前後の屋根面を覆う主屋根部
の棟部の開放空間と、その上方部を覆う棟部屋根と主屋
根部との間の通気用の間隙を通じて、通気、通風および
換気性を良好に確保でき、架設屋根内部の作業環境を良
好に保つことができる。しかも内部に侵入する風にシー
トが過度に煽られて、索条との係止部分や結合部分に無
理な力がかかるといったことがなく、安全かつ強固な仮
設屋根を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す索条張架状態の略示正
面図である。
【図2】同上の略示側面図である。
【図3】棟部支持体の拡大側面図である。
【図4】同上の一部の拡大図である。
【図5】軒先部支持体部分の拡大側面図である。
【図6】棟部のシート張設状態を示す一部の拡大断面斜
視図である。
【図7】屋根用シートの表面図(a)と正面図(b)で
ある。
【図8】主屋根部のシート張設状態を示す一部の拡大断
面斜視図である。
【符号の説明】
(1) 棟部支持体 (11) 支持柱 (13a )(13b )(13c ) 連結用横杆 (14) 棟部屋根用の上部支持枠 (15) ジャッキベース (2) 軒先部支持体 (21) 支持杆 (3) 屋根用シート (4) 索条 (5) 棟部の滑車 (6) 軒先部の滑車 (50) 主屋根部 (51) 開放空間 (60) 棟部屋根 (61) 通気用の間隙 (A) 屋根 (A1 ) 棟 (A2 ) 軒先

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物の屋根の棟に棟部支持体を立設して滑
    車を配するとともに、屋根前後の軒先やや外方に軒先部
    支持体を設置して滑車を配し、シート支持用のワイヤー
    ロープ等の索条を、棟部および両軒先部の滑車を通して
    建物前後の一方側から他方側へ架け通すとともに、該索
    条の両端部をそれぞれ建物前後の地盤等の不動部分に緊
    張状態で連結して張架し、屋根用シートを前記索条に係
    止し張設して主屋根部を構成してなる仮設屋根におい
    て、 主屋根部を構成する屋根用シートを、棟部に開放空間を
    保有して前後の屋根面を覆うように張設するとともに、
    前記の棟部支持体の上部に棟部屋根用の支持枠を設け
    て、この上部支持枠の上に屋根用シートを張設して前記
    開放空間の上方部を覆う棟部屋根を構成し、主屋根部と
    棟部屋根との間に通気用の間隙を保有させてなることを
    特徴とする仮設屋根。
  2. 【請求項2】棟部支持体は、建物の屋根の棟に支持柱が
    所要間隔に立設され、これらの支持柱の上部に棟と平行
    な連結用横杆が架設されるとともに、この上に棟部屋根
    用の上部支持枠が載架されて構成され、この棟部支持体
    の前記連結用横杆に滑車が所要間隔に配設され、また軒
    先部支持体は、屋根前後の軒先やや外方に設置された枠
    組足場等よりなり、軒先と略同高さ位置もしくは軒先よ
    り高位置に横方向の支持杆が設けられて、該支持杆に滑
    車が所要間隔に配設されており、これらの棟部と軒先部
    の滑車を利用して、シート支持用の索条が屋根横方向の
    所要間隔に張架されてなる請求項1に記載の仮設屋根。
  3. 【請求項3】棟部の滑車および軒先部の滑車が、それぞ
    れ連結用横杆または支持杆に対し位置調整可能に取付け
    られてなる請求項2に記載の仮設屋根。
  4. 【請求項4】棟部支持体における支持柱が、屋根の棟に
    取付け固定されたジャッキベースにより高さ調整可能に
    立設されてなる請求項2または3に記載の仮設屋根。
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