JP2015211023A - 高分子電解質膜およびその利用 - Google Patents
高分子電解質膜およびその利用 Download PDFInfo
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Abstract
Description
で示される化合物、および、下記式(2)
で示される化合物のランダム共重合体
を含み、かつミクロ相分離構造を有する高分子電解質膜に関する。
で示される化合物を用いることで得られるものであることが好ましい。
がランダムに繰り返されてなるものであることが好ましい。
本発明の高分子電解質膜は、下記式(1)
で示される化合物、および、下記式(2)
で示される化合物のランダム共重合体を含み、かつミクロ相分離構造を有する。
上記ランダム共重合体は、さらに下記式(3)
で示される化合物を用いることで得られるものであることが好ましい。
がランダムに繰り返されてなるものが好ましい。
また、式(5)で示される構造の合計が全体の1重量%以上含まれることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。上限については、耐水性の点から、80重量%以下であることが好ましく、さらに60重量%以下であることがより好ましい。
また、式(6)で示される構造の合計が全体の30重量%以上含まれることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましい。上限については特に限定されない。
で示される化合物であることが好ましい。
で示される化合物であることが好ましい。
で示される化合物であることが好ましい。
ランダム共重合体からなる膜をミクロ相分離構造とするためには、少なくとも1つの相がある程度ドメインを形成することのできる温度と時間をかけて製膜する必要がある。
また、ランダム共重合体を構成する化合物としては、分子量2000未満の化合物のみを用いることが好ましい。分子量が2000以上であると、ミクロ相分離のサイズが細かい均一なランダム共重合体や膜が得られなくなる傾向がある。化合物の分子量は50以上2000未満が好ましく、スルホン酸基を有する化合物も、スルホン酸基を有さない化合物も、分子量は70以上2000未満が特に好ましい。
本発明の高分子電解質膜を構成するランダム共重合体の合成には、一般的な重合反応(「実験化学講座第4版 有機合成VII 有機金属試薬による合成」p.353−366(1991)丸善株式会社)などを適用することができる。
本発明の高分子電解質膜は、上記ランダム共重合体を任意の方法で膜状に成型したものである。このような製膜方法としては、公知の方法が適宜使用され得る。上記公知の方法としては、例えば、ホットプレス法、インフレーション法、Tダイ法などの溶融押出成形、キャスト法、エマルション法などの溶液からの製膜方法が例示され得る。例えば溶液からの製膜方法としては、キャスト法が例示される。これは粘度を調整した共重合体の溶液を、ガラス板などの平板上に、バーコーター、ブレードコーターなどを用いて塗布し、溶媒を気化させて膜を得る方法である。工業的には溶液を連続的にコートダイからベルト上に塗布し、溶媒を気化させて長尺物を得る方法も一般的である。
本発明にかかる膜/電極接合体(以下、「MEA」と表記する)は、本発明の高分子電解質膜を用いてなる。かかるMEAは、例えば、燃料電池、特に、固体高分子形燃料電池に用いることができる。
GPC法により分子量を測定した。条件は以下の通り。
GPC測定装置:東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム:昭和電工株式会社製 SuperAW4000、SuperAW2500の2本を直列に接続
カラム温度:40℃
移動相溶媒:NMP(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
溶媒流量:0.3ml/min
標準物質:TSK標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)
以下、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量をMnと表記し、標準ポリスチレンで換算した重量平均分子量をMwと表記する。
対象となる高分子電解質(約100mg:十分に乾燥)を25℃での塩化ナトリウム飽和水溶液20mlに浸漬し、ウォーターバス中で60℃、3時間イオン交換反応させた。25℃まで冷却し、次いで膜をイオン交換水で充分に洗浄し、塩化ナトリウム飽和水溶液および洗浄水をすべて回収した。この回収した溶液に、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定し、IEC(meq/g)を算出した。
プロトン伝導度測定は恒温恒湿器(ESPEC社製、SH−221)を用いて温度と湿度を一定に保ち(約3時間)、インピーダンスアナライザー(日置電気株式会社製、3532−50)を用いて、電解質の抵抗を測定した。具体的にはインピーダンスアナライザーにより50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定し、次式からプロトン伝導性を算出した。
プロトン伝導度(S/cm)=D/(W×T×R)
ここで、Dは電極間距離(cm)、Wは膜幅(cm)、Tは膜厚(cm)、Rは測定した抵抗値(Ω)である。本測定においては、D=1cm、W=1cmで行い、膜厚はそれぞれのサンプルについてマイクロメーターを用いて測定した値を用いた。温度は80℃、湿度は60%RH、40%RH、30%RH又は20%RHとした。
還流管とDeanStark管を取り付けた100mlナスフラスコに4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン10g、4−クロロフェノール12g、炭酸カリウム7g、DMAc30mlおよびトルエン10mlを窒素雰囲気下混合し、170℃に加熱した。トルエンを還流させて生成した水を除き、6時間後室温まで冷却後反応溶液を水に加え、析出した固体をろ過し、さらに残渣をメタノールで洗浄した。得られた固体を60℃で12時間減圧乾燥し、白色固体(以下M1と呼ぶ)を得た。得られたM1の分子式はC24H16Cl2O4Sであり、分子量は471.35である。
4,4’−ジクロロベンゾフェノン27gと30%発煙硫酸134gを窒素雰囲気下混合し、攪拌しながら130℃に加熱した。20時間後室温まで冷却した後反応溶液を氷冷した水に加えた。NaOH水溶液を加えて中和した後、析出した白色固体をろ過により回収した。残渣を100℃で減圧乾燥し、白色固体(以下S1と呼ぶ)を得た。得られたS1の分子式はC13H6Cl2Na2O7S2であり、分子量は455.20である。
2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸120gをNaOH水溶液と混合して中和した。減圧下で加熱することで水を除去し、得られた固体をメタノールに加えて撹拌した後、ろ過を行い、残渣を60℃で12時間減圧乾燥し、白色固体(以下S2と呼ぶ)を得た。得られたS2の分子式はC6H3Cl2NaO3Sであり、分子量は249.05である。
還流管とDeanStark管を取り付けた100mlナスフラスコにM1(1.4g)とS1(2.1g)と2,2’−ビピリジン(3.0g)をDMSO40mlと混合し、80℃に加熱して完全に溶解させ、その後トルエン15mlを加えて170℃に加熱して、トルエンを還流させてフラスコ内の水分を除き、引き続きトルエンを除いてから80℃まで冷却した。窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(5.0g)を加え、メカニカルスターラーで攪拌した。4時間反応後に室温まで冷却し、反応溶液を6N塩酸水溶液にゆっくりと加え、析出した固体をろ過により回収した。その後回収した固体を6N塩酸水溶液に加え洗浄、ろ過する操作を2度繰り返した。その後水洗浄、ろ過を行い、100℃で減圧乾燥し、高分子電解質を得た。分子量はMn98000、Mw/Mnは1.94であった。
還流管とDeanStark管を取り付けた100mlナスフラスコにM1(1.6g)とS1(1.6g)とS2(0.8g)と2,2’−ビピリジン(3.0g)をDMSO60mlと混合し、80℃に加熱して完全に溶解させ、その後トルエン10mlを加えて170℃に加熱して、トルエンを還流させてフラスコ内の水分を除き、引き続きトルエンを除いてから80℃まで冷却した。窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(5.0g)を加え、メカニカルスターラーで攪拌した。4時間反応後に室温まで冷却し、反応溶液を6N塩酸水溶液にゆっくりと加え、析出した固体をろ過により回収した。その後回収した固体を6N塩酸水溶液に加え洗浄、ろ過する操作を2度繰り返した。その後水洗浄、ろ過を行い、100℃で減圧乾燥し、高分子電解質を得た。分子量はMn96000、Mw/Mnは1.98であった。
実施例1においてS1の代わりにS2(1.5g)を用いたほかは同様の方法で合成を行った。分子量はMn34000、Mw/Mnは5.33であった。
得られた高分子電解質0.7gをDMAc20mlに溶解した後、溶液をガラス基板上に流延塗布し、80℃にて15時間真空乾燥した後、更に100℃にて18時間真空乾燥し、自己支持性のある高分子電解質膜(膜厚30μm)を得た。
2 触媒層
3 拡散層
4 セパレーター
5 流路
10 固体高分子形燃料電池
Claims (9)
- 下記式(1)
で示される化合物、および、下記式(2)
で示される化合物のランダム共重合体
を含み、かつミクロ相分離構造を有する高分子電解質膜。 - 前記ランダム共重合体は、さらに下記式(3)
で示される化合物を用いることで得られるものである請求項1に記載の高分子電解質膜。 - 前式(1)〜(3)で示される化合物の脱離基がすべて同一である請求項2に記載の高分子電解質膜。
- 式(1)および(2)で示される化合物の芳香族基の数が異なる請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質膜。
- 前記式(2)で示される化合物が分子量2000未満である請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜。
- 前記ランダム共重合体は、下記式(4)で示される構造と下記式(5)で示される構造と下記式(6)で示される構造
がランダムに繰り返されてなるものである請求項2〜5のいずれかに記載の高分子電解質膜。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質膜を含む、膜/電極接合体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質膜を含む、固体高分子形燃料電池。
- 請求項7に記載の膜/電極接合体を含む、固体高分子形燃料電池。
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