JP2015210208A - 抵抗計測方法及び抵抗計測装置 - Google Patents

抵抗計測方法及び抵抗計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015210208A
JP2015210208A JP2014092397A JP2014092397A JP2015210208A JP 2015210208 A JP2015210208 A JP 2015210208A JP 2014092397 A JP2014092397 A JP 2014092397A JP 2014092397 A JP2014092397 A JP 2014092397A JP 2015210208 A JP2015210208 A JP 2015210208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance
voltage
measuring
sample
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014092397A
Other languages
English (en)
Inventor
和哉 竹内
Kazuya Takeuchi
和哉 竹内
佐藤 靖之
Yasuyuki Sato
靖之 佐藤
俊明 草刈
Toshiaki Kusakari
俊明 草刈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP2014092397A priority Critical patent/JP2015210208A/ja
Publication of JP2015210208A publication Critical patent/JP2015210208A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】バルク抵抗と界面抵抗とを切り分けて計測する。
【解決手段】抵抗計測方法は、一対の電極(110,120)間に所定の電圧を印加する電圧印加工程(S101)と、電極面(111,121)と試料(120)との間の第1回路における電圧値を計測する第1電圧計測工程(S102)と、電位計測部(115,125)と試料との間の第2回路における電圧値を計測する第2電圧計測工程(S103)と、一対の電極間に流れる電流値を計測する電流計測工程(S104)と、第1回路及び第2回路の電圧差、並びに電流値に基づいて、電極面と試料との界面抵抗を算出する界面抵抗算出工程(S106)と、第2回路における電位計測部間の電圧差及び電流値に基づいて、試料のバルク抵抗を算出するバルク抵抗算出工程(S105)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極により電圧を印加して試料の抵抗を計測する抵抗計測方法及び抵抗計測装置の技術分野に関する。
試料の電気抵抗を計測する方法として4端子計測法が知られている。例えば特許文献1では、4本の探針を試料に接触させて試料の抵抗率を測定する抵抗率測定回路と、4本の探針のうち一対の探針間の電圧値及び電流値を測定する接触抵抗計測回路とを備え、両回路を切替えて測定を行うものが提案されている。このような装置によれば、試料の抵抗率(即ち、バルク抵抗)と、サンプル間の抵抗率(即ち、界面抵抗)とを切り分けて測定できるとされている。
特開平10−115642号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、例えば薄膜シート状の材料の厚さ方向の抵抗を計測する場合に、厚さ方向に4つの探針を設置することが困難なため、結果としてバルク抵抗と界面抵抗との切り分けができないという技術的問題点が生ずる。即ち、特許文献1に記載された技術を利用する場合には、前提として4つの探針を適切に設置できるという条件が要求され、どのような試料に対してもバルク抵抗と界面抵抗とを切り分けて計測できる訳ではない。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、試料のバルク抵抗と界面抵抗とを好適に切り分けて計測することが可能な抵抗計測方法及び抵抗計測装置を提供することを課題とする。
<1>
本発明の抵抗計測方法は、上記課題を解決するために、試料を挟持する電極面を有する電極本体部、及び前記電極面の一部に前記電極面と絶縁して形成された電位計測部を夫々有する一対の電極により、前記試料の抵抗を計測する抵抗計測方法であって、前記一対の電極間に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、前記電極面と前記試料との間の第1回路における電圧値を計測する第1電圧計測工程と、前記電位計測部と前記試料との間の第2回路における電圧値を計測する第2電圧計測工程と、前記一対の電極間に流れる電流値を計測する電流計測工程と、前記第1回路及び前記第2回路の電圧差、並びに前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記電極面と前記試料との界面抵抗を算出する界面抵抗算出工程と、前記第2回路における前記電位計測部間の電圧差、及び前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記試料のバルク抵抗を算出するバルク抵抗算出工程とを備える。
本発明の抵抗計測方法によって試料の抵抗を計測する場合には、先ず一対の電極の電極面間に抵抗を計測すべき試料が挟持される。一対の電極は夫々、電極面を有する電極本体部と、電極面の一部に電極面とは絶縁して形成された電位計測部とを有している。よって、一対の電極間に挟持された試料は、電極面及び電位計測部と夫々接することになる。
本発明の抵抗計測方法によれば、その計測時には、先ず電圧印加工程において一対の電極間に所定の電圧が印加される。なお、所定の電圧は、試料の抵抗を計測するために適切な値として予め設定されている。
所定の電圧が印加されると、第1電圧計測工程において、電極面と試料との間の第1回路における電圧値及び電流値が計測される。即ち、一方の電極の電極面と、一対の電極間に挟持された試料と、他方の電極の電極面との間に形成される第1回路において、所定の電圧を印加している際の電圧値が計測される。
第1電圧計測工程と並行して又は相前後して開始される第2電圧計測工程においては、電位計測部と試料との間の第2回路における電圧値及び電流値が計測される。即ち、一方の電極の電極面に配置された電位計測部と、一対の電極間に挟持された試料と、他方の電極の電極面に配置された電位計測部との間に形成される第2回路において、所定の電圧を印加している際の電圧値が計測される。
また、電流計測工程においては、一対の電極間に流れる電流値が計測される。即ち、所定の電圧を印加することにより、一対の電極間に試料を介して流れる電流が計測される。
電圧値及び電流値が計測されると、界面抵抗算出工程において、第1回路及び第2回路の電圧差、並びに一対の電極間に流れる電流値に基づき電極面と試料との界面抵抗が算出される。より具体的には、一対の電極の電極面の電圧として計測される第1回路の電圧と、試料の表面電位差として計測される第2回路の電圧との差分から、電極面と試料との界面抵抗が算出される。また、バルク抵抗算出工程においては、第2回路における電位計測部間の電圧差、並びに一対の電極間に流れる電流値に基づき試料のバルク抵抗が算出される。
以上説明したように、本発明の抵抗計測方法によれば、試料のバルク抵抗と、電極面との界面抵抗とを切り分けて別々に求めることが可能である。
<2>
本発明の抵抗計測方法の一態様では、複数の前記試料が積層された積層体の抵抗を計測する抵抗計測方法であって、複数の前記試料の各々に所定の圧力を印加する個別圧力印加工程と、前記個別圧力印加工程中に前記試料の面圧を測定する面圧測定工程と前記個別圧力印加工程中に前記電圧印加工程、前記第1電圧計測工程、前記第2電圧計測工程、前記電流計測工程、前記界面抵抗子算出工程、前記バルク抵抗算出工程を夫々実行して、前記界面抵抗及び前記バルク抵抗を算出する個別抵抗算出工程と、複数の前記試料の各々について、前記面圧と前記界面抵抗及び前記バルク抵抗との関係を示す面圧特性を算出する面圧特性算出工程と、前記積層体に前記所定の圧力を印加した場合において、複数の前記試料の各々にかかる面圧分布を算出する面圧分布算出工程と、複数の前記試料の各々における前記面圧分布及び前記面圧特性に基づいて、前記積層体の抵抗分布を算出する抵抗分布算出工程とを備える。
この態様によれば、複数の試料が積層された積層体の抵抗を計測するために、先ず積層体を構成する複数の試料の各々についての計測が順次実行される。具体的には、個別圧力印加工程において、一の試料に所定の圧力が印加される。ここでの所定圧力の印加は、試料に面圧分布が生じないように実行される。なお、平板形状でない溝形状等の試料については平板形状のサンプルを用いればよい。面圧が印加されると、面圧測定工程において試料に印加されている面圧の値が測定される。
続いて、個別抵抗算出工程において、圧力が印加された状態で電圧印加工程、第1電圧計測工程、第2電圧計測工程、電流計測工程、界面抵抗子算出工程、バルク抵抗算出工程が夫々実行され、電極面と試料との界面抵抗及び試料のバルク抵抗が算出される。なお、バルク抵抗については、面直バルク抵抗及び面沿いバルク抵抗の両方が算出されることが望ましい。
界面抵抗及びバルク抵抗が算出されると、面圧特性算出工程において、面圧と界面抵抗及びバルク抵抗との関係を示す面圧特性が算出される。具体的には、面圧の違いによって界面抵抗及びバルク抵抗が夫々どのように変化するのかを示す関数等が算出される。
上述した各工程(即ち、個別圧力印加工程、個別抵抗算出工程、及び面圧特性算出工程)は、積層体を構成する試料毎に実行され、その結果として、複数の試料の各々について面圧特性が算出されることになる。
複数の試料の各々についての計測が終了すると、続く面圧分布算出工程において、積層体に所定の圧力が印加された場合において、複数の試料の各々にかかる面圧分布が算出される。面圧分布は、例えば積層体を構成する複数の試料の物性値から、FEM(有限要素法)等を用いて算出できる。
積層体における面圧分布が算出されると、抵抗分布算出工程において、複数の試料の各々における面圧分布及び面圧特性に基づく積層体の抵抗分布の算出が実行される。具体的には、積層体におけるどの部分が、どの程度の抵抗値を有しているかを示すデータが算出される。
本態様に係る抵抗計測方法によれば、積層体を構成する複数の試料の各々の面圧特性(即ち、面圧と抵抗との関係)を用いることにより、例えば燃料電池のセパレータのような面圧分布が伴う試料について、抵抗分布を知ることが可能である。積層体における抵抗分布を知ることができれば、後述するように、積層体における電位分布及び電流分布、並びに積層体の合成抵抗等を算出することが可能である。
<3>
上述した積層体の抵抗分布を算出する態様では、前記抵抗分布に基づいて、前記積層体における電位分布及び電流分布を算出する電位電流分布算出工程を備えてもよい。
この場合、電位電流分布算出工程において、積層体における抵抗分布に基づき積層体における電位分布及び電流分布が算出される。電位分布は、例えば計算に用いるメッシュに流れ込む電流の和がゼロであるという方程式をメッシュ数だけ作成して連立させ、積層体に印加する電圧を与えて解くことで算出できる。また電流分布は、隣接メッシュ間の電位差とメッシュ間抵抗値より求めることができる。
積層体における電位分布及び電流分布を算出すれば、例えば積層体の合成抵抗を算出することが可能である。
<4>
上述した積層体における電位分布及び電流分布を算出する態様では、前記電位分布及び前記電流分布に基づいて、前記積層体の合成抵抗を算出する合成抵抗算出工程を備えてもよい。
この場合、合成抵抗算出工程において、積層体における電位分布及び電流分布に基づき積層体の合成抵抗が算出される。合成抵抗は、例えば積層体に印加される電圧を、メッシュの任意列の面直電流を合計した値で割ることで算出することができる。
<5>
本発明の抵抗計測装置は、上記課題を解決するために、抵抗を計測すべき試料を挟持する電極面を有する電極本体部、及び前記電極面の一部に前記電極面と絶縁して形成された電位計測部を夫々有する一対の電極と、前記一対の電極間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電極面と前記試料との間の第1回路における電圧値を計測する第1電圧計測手段と、前記電位計測部と前記試料との間の第2回路における電圧値を計測する第2電圧計測手段と、前記一対の電極間に流れる電流値を計測する電流計測手段と、前記第1回路及び前記第2回路の電圧差、並びに前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記電極面と前記試料との界面抵抗を算出する界面抵抗算出手段と、前記第2回路における前記電位計測部間の電圧差、及び前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記試料のバルク抵抗を算出するバルク抵抗算出手段とを備える。
本発明の抵抗計測装置によれば、上述した本発明の抵抗計測方法と同様に、試料のバルク抵抗と、電極面との界面抵抗とを切り分けて別々に求めることが可能である。
なお、本発明の抵抗計測装置においても、上述した本発明の抵抗計測方法における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
<6>
本発明の抵抗計測装置の一態様では、前記電位計測部の幅は、前記試料の厚さの5分の1から10分の1の範囲内である。
電極面に絶縁された電位計測部を設けた場合、電位計測部近傍の試料内部では、電流が電極間を最短距離で均一に流れることができず、電位計測部の直下に迂回する電流経路がとられる。これにより、仮に何らの対策もとらなければ、電流経路の増加分に起因して試料の表面電位の計測に誤差が生ずるおそれがある。
これに対し、本願発明者の研究するところによれば、電位計測部の幅を試料の厚さの5分の1から10分の1の範囲内とすることで、上述した計測誤差を十分なまでに抑制できることが判明している。従って、本態様によれば、計測誤差を抑制し、より正確に抵抗を計測することが可能となる。
<7>
本発明の抵抗計測装置の他の態様では、前記電極面及び前記電位計測部の表面は、夫々Au(金)を含んでいる。
この態様によれば、例えば電極面及び電位計測部が金の薄膜等を含んで構成される。このように構成すれば、金の特性により、接触抵抗が低く且つ酸化されにくい電極面及び電位計測部を実現することができる。
<8>
本発明の抵抗計測装置の他の態様では、前記電位計測部は、前記電極面において少なくとも相異なる2方向に沿って延在するよう配置された電位計測線である。
この態様によれば、電位計測部を幅の狭い電位計測線とした場合であっても、接触点を増加させることができる。よって、例えば試料表面の凹凸が大きい場合であっても、安定した接触を得ることができ、結果として安定した抵抗計測が可能となる。
<9>
本発明の抵抗計測装置の他の態様では、前記電位計測部は、前記電極本体部をなす第1部材及び第2部材間に挟持された金属箔の断面である。
この態様によれば、機械強度の優れた電位計測部を実現できる。このため、抵抗計測時において、試料からのダメージが低減することができ、仮にダメージを受けて正常に機能しなくなった場合であっても、表面を研磨することで再度使用することが可能となる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係る抵抗計測装置の電極の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る抵抗計測装置の全体構成を示す概略構成図である。 電極に設けられた電位計測線の構成を示す拡大断面図である。 電極間に挟持された試料における電流の流れを示す概念図である。 試料厚さと適切な電位計測線幅との関係を示すグラフである。 電位計測線の配置に係る変形例を示す斜視図である。 電位計測線の形成方法の一例を示す工程図である。 変形例に係る電極の構成を示す斜視図である。 変形例に係る電極の構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る抵抗計測装置の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る抵抗計測方法による抵抗測定結果を示す表である。 比較例に係る抵抗計測方法を示す概念図である。 燃料電池の一部の構成を示す断面図である。 第2実施形態に係る抵抗計測装置の第1の電極の構成を示す斜視図である。 第2実施形態に係る抵抗計測装置の第2の電極の構成を示す斜視図である。 第2実施形態に係る抵抗計測装置による面直バルク抵抗及び界面抵抗の計測動作を示すフローチャートである。 面圧と面直バルク抵抗との関係を示すグラフである。 面圧と界面抵抗との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る抵抗計測装置による面沿いバルク抵抗の計測動作を示すフローチャートである。 面圧と面沿いバルク抵抗との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る抵抗計測装置による合成抵抗の算出処理を示すフローチャートである。 試料の抵抗分布の一例を示す模式図である。 試料の電位分布及び電流分布の算出方法を示す概念図である。
以下、本発明の抵抗計測方法及び抵抗計測装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1:第1実施形態)
第1実施形態に係る抵抗計測方法及び抵抗計測装置について、図1から図12を参照して説明する。
(1−1:電極の構成)
先ず、第1実施形態に係る抵抗計測装置における電極の構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る抵抗計測装置の電極の構成を示す斜視図である。また図2は、第1実施形態に係る抵抗計測装置の全体構成を示す概略構成図である。
図1において、第1実施形態に係る抵抗計測装置は、上部電極110及び下部電極120を備えている。上部電極110及び下部電極120は、電極面111及び121間に、抵抗を計測する試料200を挟持可能に構成されている。
上部電極110は、電流線取り付け部112、第1電圧取り出し部113及び第2電圧取り出し部114を有している。また、上部電極110の電極面111には、電位計測線115が設けられている。
下部電極120は、上部電極110と概ね同様の構成であり、電流線取り付け部122、第1電圧取り出し部123及び第2電圧取り出し部124を有している。また、下部電極120の電極面121にも、電位計測線125が設けられている。
図2において、上部電極110の電流線取り付け部112、及び下部電極120の電流線取り付け部122には夫々電流線が取付けられている。この電流線には、電流計300及び電源350が接続されている。上部電極110の第1電圧取り出し部113、及び下部電極120の第1電圧取り出し部123には、第1電圧計410が接続されている。また、上部電極110の第2電圧取り出し部114、及び下部電極120の第2電圧取り出し部124には、第2電圧計420が接続されている。
なお、上述した電流計300、電源350、第1電圧計410及び第2電圧計420は、夫々図示せぬコントローラに接続されている。コントローラは、抵抗計測装置の動作全体を制御するものとして構成されており、例えば電源350により印加される電圧を制御することが可能とされている。また、コントローラは演算回路を有しており、電流計300で計測された電流値、並びに第1電圧計410及び第2電圧計420で計測された電圧値を取得して、それらを利用した各種演算処理を実行可能とされている。
(1−2:電位計測線の構成)
次に、上述した電極110及び120の電極面111及び121に設けられた電位計測線115及び125の構成について、図3から図6を参照して詳細に説明する。ここに図3は、電極に設けられた電位計測線の構成を示す拡大断面図であり、図4は、電極間に挟持された試料における電流の流れを示す概念図である。また図5は、試料厚さと適切な電位計測線幅との関係を示すグラフであり、図6は、電位計測線の配置に係る変形例を示す斜視図である。
図3において、下部電極120のA面での断面図を見ても分かるように、電位計測線125は、絶縁層126により、電極120の電極面121と絶縁されている。なお、ここでは下部電極120における電位計測線125の構成のみを図示しているが、上部電極110の電位計測線115も同様に構成されている。電位計測線115及び125が電極面111及び121から夫々絶縁されていることにより、電位計測線115及び125からは試料200の表面電位が得られる。よって、電位計測線115及び125に接続された第2電圧計においては、試料200の表面電圧が計測される。
図4において、電位計測線115及び125が電極面111及び121から夫々絶縁されていることにより、試料200を電極間に挟持して電圧を印加した場合には、図中の矢印で示される方向に電流が流れる。即ち、電位計測線115及び125の近傍の試料200内部では、電流が電極間を最短距離で流れることができず、電位計測線115及び125の直下又は直上に迂回する電流経路をとる。この結果、電流経路の増加分に応じて試料200の表面電圧の計測に誤差が生じるおそれがある。
図5において、試料200の表面電圧の計測誤差を抑制するためには、不必要な電流経路の増加を抑制するため電位計測線115及び125の幅を十分に小さくすることが求められる。ここで、本願発明者の研究するところによれば、計測誤差を5%以下にするためには、電位計測線115及び125の幅を、試料200の厚さの5分の1から10分の1の範囲内とすればよいことが判明している。より具体的には、例えばグラフに示すカーボン系の試料200での試算結果によれば、厚さ60μmの試料のバルク抵抗を誤差5%以内で計測するためには、電位計測線115及び125の幅を10μmにすればよい。
図6において、上述した計測誤差抑制のため、電位計測線115及び125は比較的小さい幅であることが要求される。この結果、例えば試料200表面の凹凸が大きい場合、電位計測線115及び125と試料200との間で安定した接触が得られないおそれがある。これに対し、図に示すように、電位計測線115及び125を、電極面111及び121上に二次元的に配置すれば、試料200との接触点を増加させることができ、安定した抵抗計測が可能となる。なお、ここでの電位計測線125の配置レイアウトは一例に過ぎず、試料200との接触点200をより効率的に増加させるために、他のレイアウトを採用してもよい。
(1−3:電位計測線の形成方法)
次に、上述した電位計測線115及び125の形成方法について、図7を参照して具体的に説明する。ここに図7は、電位計測線の形成方法の一例を示す工程図である。
図7において、電位計測線115及び125は、例えば薄膜工程を用いて形成できる。薄膜工程では、先ず金属ブロック510上に、第1Au膜520が形成される(図7(a)参照)。続いて、第1Au膜520上にレジスト530が形成され、フォトマスク540を用いた露光が行われる(図7(b)参照)。ここで、レジスト530は所謂ポジ型のレジストであり、露光された部分が除かれる。よって、続くエッジング処理では、第1Au膜520におけるフォトマスク540の露光部分に対応する箇所が取り除かれる(図7(c)参照)。
エッジング工程後、第1Au膜520上には絶縁膜550が形成される(図7(d)参照)。更に、絶縁層550上には、第2Au膜560が形成される(図7(e)参照)。最後に、再びエッジング処理が行われ、第1Au膜520より上側に位置する絶縁膜550及び第2Au膜560が取り除かれる。この結果、絶縁膜550が絶縁層116及び126として、第2Au膜560が電位計測線115及び125として形成される。
(1−4:電極構成の変形例)
次に、電極構成の変形例について、図8及び図9を参照して説明する。ここに図8は、変形例に係る電極の構成を示す斜視図である。また図9は、変形例に係る電極の構成を示す断面図である。
図8及び図9において、上部電極110及び下部電極120は、金属箔を挟持する一対の電極ブロックから構成されてもよい。具体的には、変形例に係る下部電極120bは、第1電極ブロック610及び第2電極ブロック620間に、電位計測線125として機能する厚さ数μmの金属箔と、金属箔と電極部分とを絶縁する絶縁層126とを挟持するものとして構成される。なお、第1電極ブロック610及び第2電極ブロック620は、締結ボルト710及び720により締結されている。
なお、変形例に係る下部電極120bでは、第1電極ブロック610及び第2電極ブロック620の締結後、表面を研磨して電極面121が形成される。このようにして形成される電極によれば、上述した薄膜工程で形成される電極と比べて、電位計測線115及び125のレイアウトの自由度は多少低下するものの、高い機械強度を実現できる。このため、抵抗計測時に試料200から受けるダメージが小さく、仮に電極としての機能を十分に発揮できなくなるようなダメージを受けた場合でも、表面を再度研磨することで再利用が図れる。
(1−5:動作説明)
次に、第1実施形態に係る抵抗計測装置の動作(即ち、抵抗計測方法)について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第1実施形態に係る抵抗計測装置の動作を示すフローチャートである。
図10において、第1実施形態に係る抵抗計測装置の動作時には、先ず電源350からの電位の供給により、上部電極110及び下部電極120間に所定の電圧が印加される(ステップS101)。電圧が印加された結果、上部電極110及び下部電極120間には、挟持された試料200を介して電流が流れる。
電圧印加中には、電流計300により、上部電極110及び下部電極120間に流れる電流値が計測される(ステップS102)。また、第1電圧計410により、上部電極110及び下部電極120間の電圧値が計測される(ステップS103)。更に、第2電圧計420により、試料200の表面電位差が計測される(ステップS104)。
ここで、電流計300により計測された電流値、及び第2電圧計420により計測された表面電位差から、試料200のバルク抵抗が算出される(ステップS105)。また、第1電圧計410により計測された電極間電圧と、第2電圧計420により計測された表面電位差との電圧差から、試料200の界面電圧(具体的には、第1電極110と試料200との界面電圧、及び第2電極120と試料200との界面電圧の和)が算出される(ステップS106)。このように、本実施形態に係る抵抗計測方法によれば、試料200のバルク抵抗と、電極と試料200との界面抵抗を切り分けて計測できる。
(1−6:測定結果の検証)
次に、第1実施形態に係る抵抗計測方法による測定結果について、図11及び図12を参照して検証する。ここに図11は、第1実施形態に係る抵抗計測方法による抵抗測定結果を示す表である。また図12は、比較例に係る抵抗計測方法を示す概念図である。
図11において、本願発明者が上述した第1実施形態に係る抵抗計測方法を用いて、厚さの異なる3つのカーボンペーパー(CP1、CP2及びCP3)の抵抗値を測定したところ、表に示すような結果が得られた。なお、電気抵抗=バルク抵抗+界面抵抗×2である。
具体的には、サンプルCP1(測定時厚さ0.10mm)の測定結果として、電気抵抗が5.5mΩcm、バルク抵抗が1.2mΩcm、界面抵抗が2.2mΩcmという値が得られた。サンプルCP2(測定時厚さ0.17mm)の測定結果として、電気抵抗が6.0mΩcm、バルク抵抗が1.9mΩcm、界面抵抗が2.1mΩcmという値が得られた。サンプルCP3(測定時厚さ0.26mm)の測定結果として、電気抵抗が6.2mΩcm、バルク抵抗が2.5mΩcm、界面抵抗が2.0mΩcmという値が得られた。
図12において、本願発明者は更にサンプルCP1、CP2及びCP3を用いて、第1実施形態に係る抵抗計測方法とは異なる方法で抵抗値を測定した。具体的には、各サンプルの厚さと電気抵抗との関係を示すプロットデータに漸近線を引き、その切片が界面抵抗×2になるとして界面抵抗を求めた。即ち、サンプルの厚さがゼロであればバルク抵抗がゼロになることを利用して界面抵抗を算出した。この結果、得られた界面抵抗は2.5mΩcmとなり、第1実施形態に係る抵抗計測方法によって計測された抵抗値とほぼ同じ値になることが確認された。
以上説明したように、第1実施形態に係る抵抗計測方法及び抵抗計測装置によれば、試料200のバルク抵抗と界面抵抗とを切り分けて測定することが可能である。
(2:第2実施形態)
第2実施形態に係る抵抗計測方法及び抵抗計測装置について、図13から図23を参照して説明する。なお、第2実施形態は、既に説明した第1実施形態と同様の部分が多く存在するため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(2−1:積層体の構成)
先ず、第2実施形態に係る抵抗計測装置の計測対象である積層体の構成について、図13を参照して説明する。ここに図13は、燃料電池の一部の構成を示す断面図である。
図13において、燃料電池は、溝形状セパレータ810、拡散層基材820、及びMPL、触媒層830を積層することで構成されている。ここで、燃料電池に面圧を加わると、溝形状セパレータ810の形状に起因して各層に面圧分布が生じる。面圧分布が生じると、それに伴い抵抗分布も生じる。よって、ここで示した燃料電池のような面圧分布が生じる積層体については、第1実施形態の抵抗計測方法をそのまま適用しただけでは、バルク抵抗及び界面抵抗を切り分けて計測することは難しい。
以下に説明する第2実施形態に係る抵抗計測装置は、上述したような面圧分布を有する積層体の抵抗を好適に計測し得るものである。
(2−2:電極の構成)
次に、第2実施形態に係る抵抗計測装置の電極の構成について、図14及び図15を参照して説明する。ここに図14は、第2実施形態に係る抵抗計測装置の第1の電極の構成を示す斜視図である。また図15は、第2実施形態に係る抵抗計測装置の第2の電極の構成を示す斜視図である。
図14において、第2実施形態に係る抵抗計測装置の上部電極110及び下部電極120には、面圧を印加するための面圧印加部910及び920が取付けられている。面圧印加部910及び920によれば、上部電極110及び下部電極120間に挟持される試料200に所望の面圧を印加することができる。
なお、以下では、上述した上部電極110及び下部電極120と、後述する他の電極と区別するため、上部電極110及び下部電極120を「第1の電極」と称することがある。
図15において、第2実施形態に係る抵抗計測装置は、第1の電極に加えて第2の電極を備えている。第2の電極は、第2上部電極130及び第2下部電極140から構成される。第2上部電極130及び第2下部電極140は、挟持面131及び141間に、抵抗を計測する試料200を挟持可能に構成されている。
第2上部電極130は、電圧取り出し部132、及び電流線取り付け部133を有している。電圧取り出し部132は、電位計測線134と接続されている。また電流線取り付け部133は、電極面135と接続されている。
第2下部電極140は、電圧取り出し部142、及び電流線取り付け部143を有している。電圧取り出し部142は、電位計測線144と接続されている。また電流線取り付け部143は、電極面145と接続されている。
なお、ここでの図示は省略しているが、電圧取り出し部132及び142、並びに電流線取り付け部133及び143の各々は、第1の電極と同様に(図2参照)、電圧計、電流計及び電源と接続されている。
図の構成を見ても分かるように、第2の電極では、試料200の面沿い方向に流れる電流、及び面沿い方向に印加される電圧を計測できる。即ち、第1の電極が面直方向での電流及び電圧を計測できるのに対し、第2の電極は面沿い方向での電流及び電圧を計測できる。
(2−3:面直方向での面圧特性の算出)
次に、第2実施形態に係る抵抗計測装置による面直方向での面圧特性の算出について、図16から図18を参照して説明する。ここに図16は、第2実施形態に係る抵抗計測装置による面直バルク抵抗及び界面抵抗の計測動作を示すフローチャートである。また図17は、面圧と面直バルク抵抗との関係を示すグラフであり、図18は、面圧と界面抵抗との関係を示すグラフである。
なお、第2実施形態に係る抵抗計測装置では、抵抗計測対象である積層体を構成する各層について順次面圧特性が算出される。即ち、積層体を構成する層毎に面圧特性が算出される。
図18において、第2実施形態に係る抵抗計測装置の動作時には、先ず面圧印加部910及び920により、上部電極110及び下部電極120間に挟持された試料200に対して所定の圧力が印加される(ステップS201)。所定の圧力の印加は、試料に面圧分布が生じないように実行される。なお、溝形状セパレータ810(図13参照)のように平板形状でないものについては、平板形状のサンプルを用いて計測を行えばよい。面圧が印加されると、試料200に印加されている面圧の値が測定される(ステップS202)。
続いて、面圧が印加されたままの状態で、電源350からの電位の供給により、上部電極110及び下部電極120間に所定の電圧が印加される(ステップS203)。電圧が印加された結果、上部電極110及び下部電極120間には、挟持された試料200を介して電流が流れる。
電圧印加中には、電流計300により、上部電極110及び下部電極120間に流れる電流値が計測される(ステップS204)。また、第1電圧計410により、上部電極110及び下部電極120間の電圧値が計測される(ステップS205)。更に、第2電圧計420により、試料200の表面電位差が計測される(ステップS206)。
ここで、電流計300により計測された電流値、及び第2電圧計420により計測された表面電位差から、試料200の面直バルク抵抗が算出される(ステップS207)。そして更に、面圧と面直バルク抵抗との関係を示す面圧特性が算出される(ステップS208)。なお、面圧特性は、面圧を変化させて、面圧に対応する抵抗値を繰り返し算出した上で算出される。
図17に示すように、ここで算出される面圧特性は、例えば面圧と面直バルク抵抗との対応関係を示すマップによって示される。なお、図を見ても分かるように、面圧と面直バルク抵抗とはおおよそ反比例する。即ち、面圧が高くなるほど、面直バルク抵抗は小さくなる。
図16に戻り、電圧印加中には更に、第1電圧計410により計測された電極間電圧と、第2電圧計420により計測された表面電位差との電圧差から、試料200の界面電圧(具体的には、第1電極110と試料200との界面電圧、及び第2電極120と試料200との界面電圧の和)が算出される(ステップS209)。そして更に、面圧と界面抵抗との関係を示す面圧特性が算出される(ステップS210)。
図18に示すように、ここで算出される面圧特性は、例えば面圧と界面抵抗との対応関係を示すマップによって示される。なお、図を見ても分かるように、面圧と界面抵抗とはおおよそ反比例する。即ち、面圧が高くなるほど、界面抵抗は小さくなる。
以上のように、第2実施形態に係る抵抗計測装置では、第1の電極を用いて面直バルク抵抗の面圧特性、及び界面抵抗の面圧特性が算出される。上述した各処理は、積層体を構成する各層について繰り返し実行され、全ての層について面直バルク抵抗の面圧特性及び界面抵抗の面圧特性が算出される。
(2−4:面沿い方向での面圧特性の算出)
次に、第2実施形態に係る抵抗計測装置による面沿い方向での面圧特性の算出について、図19及び図20を参照して説明する。ここに図19は、第2実施形態に係る抵抗計測装置による面沿いバルク抵抗の計測動作を示すフローチャートである。また図20は、面圧と面沿いバルク抵抗との関係を示すグラフである。
図19において、第2実施形態に係る抵抗計測装置の動作時には、上述した第1の電極を利用した面圧特性の算出に加えて、第2の電極を利用した面圧特性の算出(即ち、面沿い方向での抵抗に関する面圧特性の算出)も実行される。
面沿い方向での面圧特性算出時には、先ず面圧印加部930及び940により、第2上部電極130及び下部電極140間に挟持された試料200に対して所定の面圧が印加される(ステップS301)。面圧が印加されると、試料200に印加されている面圧の値が測定される(ステップS302)。
続いて、面圧が印加されたままの状態で、電源350からの電位の供給により、第2上部電極130及び第2下部電極140間に所定の電圧が印加される(ステップS303)。電圧が印加された結果、第2上部電極130及び第2下部電極140間には、挟持された試料200を介して電流が流れる。
電圧印加中には、第2上部電極130の電極面135から第2下部電極140の電極面145に流れる電流(即ち、面沿い方向の電流値)が計測される(ステップS304)。また、電位計測線134及び144により、試料200の面沿い方向での表面電位差が計測される(ステップS305)。
ここで、面沿い方向の電流値、及び面沿い方向の表面電位差から、試料200の面沿いバルク抵抗が算出される(ステップS306)。そして更に、面圧と面沿いバルク抵抗との関係を示す面圧特性が算出される(ステップS307)。
図19に示すように、ここで算出される面圧特性は、例えば面圧と面沿いバルク抵抗との対応関係を示すマップによって示される。なお、図を見ても分かるように、面圧と面直バルク抵抗とはおおよそ反比例する。即ち、面圧が高くなるほど、面直バルク抵抗は小さくなる。
上述した各処理は、積層体を構成する各層について繰り返し実行され、全ての層について面沿いバルク抵抗の面圧特性が算出される。
(2−5:合成抵抗の算出)
次に、第2実施形態に係る抵抗計測装置による合成抵抗の算出について、図21から図23を参照して説明する。ここに図21は、第2実施形態に係る抵抗計測装置による合成抵抗の算出処理を示すフローチャートである。また図22は、試料の抵抗分布の一例を示す模式図であり、図23は、試料の電位分布及び電流分布の算出方法を示す概念図である。
図21において、積層体の合成抵抗を算出する場合には、先ず積層体の曲げ強度、圧縮強度等の機械的強度が測定される(ステップS401)。そして、測定された機械的強度等を用いて、積層体の使用時における面圧分布が算出される(ステップS402)。例えば、図13で示した燃料電池では、溝形状セパレータ810で締結した際の各層の面圧分布が計算される。面圧分布は、例えば積層体を構成する各層の物性値からFEM等を用いて算出できる。
面圧分布が算出されると、面圧分布に応じた抵抗分布が算出される(ステップS403)。抵抗分布は、面圧分布に対して面圧特性(即ち、面直バルク抵抗の面圧特性、界面抵抗の面圧特性、面沿いバルク抵抗の面圧特性)を適用することで算出できる。
図22に示すように、例えば図13で示した燃料電池の抵抗分布は、溝形状セパレータ810の溝部の中心付近に近づくほど抵抗が高くなる傾向を有する。これは、溝部の存在により中心付近の面圧が低くなるからであると考えられる。
図21に戻り、積層体の抵抗分布が算出されると、続いて積層体の電位分布及び電流分布が算出される(ステップS404)。電位分布及び電流分布は、既に算出した抵抗分布を用いて算出できる。
図23において、電位分布は、例えば計算に用いるメッシュに流れ込む電流の和がゼロであるという方程式(下記の数式(1))をメッシュ数だけ作成して連立させ、積層体に印加する電圧を与えて解くことで算出できる。
(V−V)/R+(V−V)/R+(V−V)/R+(V−V)/R ・・・(1)
なお、Vは電圧、Rは抵抗である。
また電流分布は、隣接メッシュ間の電位差とメッシュ間抵抗値より求めることができる。即ち、電流分布は、電位分布と抵抗分布を用いて算出できる。
再び図21に戻り、電位分布及び電流分布が算出されると、続いて積層体の合成抵抗が算出される。(ステップS405)。合成抵抗は、積層体に印加される電圧を、メッシュの任意列の面直電流を合計した値で割ることで算出することができる。
以上説明したように、第2実施形態に係る抵抗計測方法及び抵抗計測装置によれば、面圧分布を有する積層体の合成抵抗を算出することが可能である。
なお、合成抵抗の算出過程で得られる抵抗分布、電位分布及び電流分布についても、例えば研究用のデータとして有効に活用できる。具体的には、積層体の合成抵抗値を所望の値にする場合に、どの部分に手を加えればよいかの指針が得られる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う抵抗計測方法及び抵抗計測装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
110 上部電極
120 下部電極
111,121 電極面
112,122 電流線取り付け部
113,123 第1電圧取り出し部
114,124 第2電圧取り出し部
115,125 電位計測線
116,126 絶縁層
130 第2上部電極
140 第2下部電極
131,141 挟持面
132,142 電圧取り出し部
133,143 電流線取付け部
134,144 電位計測線
135,145 電極面
200 試料
300 電流計
350 電源
410 第1電圧計
420 第2電圧計
510 金属ブロック
520 第1Au膜
530 レジスト
540 フォトマスク
550 絶縁膜
560 第2Au膜
610 第1電極ブロック
620 第2電極ブロック
720,720 締結ボルト
810 溝形状セパレータ
820 拡散層基材
830 MPL、触媒層
910,920 上部面圧印加部
920,930 下部面圧印加部

Claims (9)

  1. 試料を挟持する電極面を有する電極本体部、及び前記電極面の一部に前記電極面と絶縁して形成された電位計測部を夫々有する一対の電極により、前記試料の抵抗を計測する抵抗計測方法であって、
    前記一対の電極間に所定の電圧を印加する電圧印加工程と、
    前記電極面と前記試料との間の第1回路における電圧値を計測する第1電圧計測工程と、
    前記電位計測部と前記試料との間の第2回路における電圧値を計測する第2電圧計測工程と、
    前記一対の電極間に流れる電流値を計測する電流計測工程と、
    前記第1回路及び前記第2回路の電圧差、並びに前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記電極面と前記試料との界面抵抗を算出する界面抵抗算出工程と、
    前記第2回路における前記電位計測部間の電圧差、及び前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記試料のバルク抵抗を算出するバルク抵抗算出工程と
    を備えることを特徴とする抵抗計測方法。
  2. 複数の前記試料が積層された積層体の抵抗を計測する抵抗計測方法であって、
    複数の前記試料の各々に所定の圧力を印加する個別圧力印加工程と、
    前記個別圧力印加工程中に前記試料の面圧を測定する面圧測定工程と
    前記個別圧力印加工程中に前記電圧印加工程、前記第1電圧計測工程、前記第電圧2計測工程、前記電流計測工程、前記界面抵抗子算出工程、前記バルク抵抗算出工程を夫々実行して、前記界面抵抗及び前記バルク抵抗を算出する個別抵抗算出工程と、
    複数の前記試料の各々について、前記面圧と前記界面抵抗及び前記バルク抵抗との関係を示す面圧特性を算出する面圧特性算出工程と、
    前記積層体に前記所定の圧力を印加した場合において、複数の前記試料の各々にかかる面圧分布を算出する面圧分布算出工程と、
    複数の前記試料の各々における前記面圧分布及び前記面圧特性に基づいて、前記積層体の抵抗分布を算出する抵抗分布算出工程と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の抵抗計測方法。
  3. 前記抵抗分布に基づいて、前記積層体における電位分布及び電流分布を算出する電位電流分布算出工程を備えることを特徴とする請求項2に記載の抵抗計測方法。
  4. 前記電位分布及び前記電流分布に基づいて、前記積層体の合成抵抗を算出する合成抵抗算出工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の抵抗計測方法。
  5. 抵抗を計測すべき試料を挟持する電極面を有する電極本体部、及び前記電極面の一部に前記電極面と絶縁して形成された電位計測部を夫々有する一対の電極と、
    前記一対の電極間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電極面と前記試料との間の第1回路における電圧値を計測する第1電圧計測手段と、
    前記電位計測部と前記試料との間の第2回路における電圧値を計測する第2電圧計測手段と、
    前記一対の電極間に流れる電流値を計測する電流計測手段と、
    前記第1回路及び前記第2回路の電圧差、並びに前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記電極面と前記試料との界面抵抗を算出する界面抵抗算出手段と、
    前記第2回路における前記電位計測部間の電圧差、及び前記一対の電極間に流れる電流値に基づいて、前記試料のバルク抵抗を算出するバルク抵抗算出手段と
    を備えることを特徴とする抵抗計測装置。
  6. 前記電位計測部の幅は、前記試料の厚さの5分の1から10分の1の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の抵抗計測装置。
  7. 前記電極面及び前記電位計測部の表面は、夫々Au(金)を含んでいることを特徴とする請求項5又は6に記載の抵抗計測装置。
  8. 前記電位計測部は、前記電極面において少なくとも相異なる2方向に沿って延在するよう配置された電位計測線であることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の抵抗計測装置。
  9. 前記電位計測部は、前記電極本体部をなす第1部材及び第2部材間に挟持された金属箔の断面であることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の抵抗計測装置。
JP2014092397A 2014-04-28 2014-04-28 抵抗計測方法及び抵抗計測装置 Pending JP2015210208A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014092397A JP2015210208A (ja) 2014-04-28 2014-04-28 抵抗計測方法及び抵抗計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014092397A JP2015210208A (ja) 2014-04-28 2014-04-28 抵抗計測方法及び抵抗計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015210208A true JP2015210208A (ja) 2015-11-24

Family

ID=54612484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014092397A Pending JP2015210208A (ja) 2014-04-28 2014-04-28 抵抗計測方法及び抵抗計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015210208A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109870612A (zh) * 2019-01-23 2019-06-11 杭州川源科技有限公司 一种电阻测试设备
CN110275065A (zh) * 2018-03-14 2019-09-24 日本电产理德股份有限公司 电阻测定方法、电阻测定装置以及基板检查装置
JP2020187050A (ja) * 2019-05-16 2020-11-19 トヨタ自動車株式会社 電池システム及び車両、並びに電池システムの制御方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110275065A (zh) * 2018-03-14 2019-09-24 日本电产理德股份有限公司 电阻测定方法、电阻测定装置以及基板检查装置
CN110275065B (zh) * 2018-03-14 2024-04-19 日本电产理德股份有限公司 电阻测定方法、电阻测定装置以及基板检查装置
CN109870612A (zh) * 2019-01-23 2019-06-11 杭州川源科技有限公司 一种电阻测试设备
JP2020187050A (ja) * 2019-05-16 2020-11-19 トヨタ自動車株式会社 電池システム及び車両、並びに電池システムの制御方法
JP7275842B2 (ja) 2019-05-16 2023-05-18 トヨタ自動車株式会社 電池システム及び車両、並びに電池システムの制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6384211B2 (ja) シャント抵抗器
JP5588466B2 (ja) タッチパネルの配線構造
JP2010271796A5 (ja)
JP6344163B2 (ja) シャント抵抗器
JP2016152301A (ja) チップ抵抗器およびその製造方法
JP2015210208A (ja) 抵抗計測方法及び抵抗計測装置
JP2012033861A (ja) 積層半導体基板および積層チップパッケージ並びにこれらの製造方法
JP5771404B2 (ja) 積層半導体基板および積層チップパッケージ並びにこれらの製造方法
WO2016063737A1 (ja) 粒子状物質検出センサ
JP6659253B2 (ja) フレキシブルプリント配線板及びフレキシブルプリント配線板の製造方法
US20200183537A1 (en) Printed wiring
JP2017168817A (ja) チップ抵抗器およびその製造方法
CN107449349A (zh) 印刷电路板
CN105182081A (zh) 一种薄层材料方块电阻测试方法
KR102101340B1 (ko) 층상 구조를 가지는 2차원 물질의 저항 측정 방법 및 장치
JP6034910B2 (ja) 複合材及びその製造方法
JP5057245B2 (ja) 電流センサ
JP2009271044A (ja) 電流センサ
KR101969355B1 (ko) 그래핀을 이용한 터치 스크린 장치
CN104619114A (zh) 一种具有埋阻的pcb板以及埋阻的测试方法
JP6492902B2 (ja) 構造体および接着部材
JP5458319B2 (ja) 電流センサ
Gaiser et al. Lifetime model for the fatigue fracture in Cu/Al2O3/Cu composites: experimental validation of a substantial lifetime enhancement by cu step etching
JP2017117525A (ja) ヒータ
JP2017120827A (ja) 磁気センサ