JP6492902B2 - 構造体および接着部材 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体および接着部材に関し、例えば誘電体層を有する構造体および接着部材に関する。
交流電界が印加される部材と、導電体を含む部材とを接着部材を用い接着することがある。誘電体層を接着剤で接着した圧電素子が知られている(例えば特許文献1)。圧電体板または圧電素子と金属板を接着剤で接着した構造が知られている(例えば特許文献2から4)。
特開2009−170631号公報 特開2005−191397号公報 特開2000−294843号公報 特開2011−96763号公報
圧電素子等の部材に高周波電界等の交流電界が印加されると、導電体に誘導電流が流れる。本構造体および接着部材は、交流電界に起因し導電体に生じる誘導電流を抑制することを目的とする。
交流電界が印加される第1部材と、導電体を含む第2部材と、前記第1部材に接着する第1接着層と、前記第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を備える接着部材と、を具備し、前記第1部材は、圧電体と、前記圧電体に設けられ前記交流電界が印加される電極と、を備えることを特徴とする構造体を用いる。
交流電界が印加される第1部材に接着する第1接着層と、導電体を含む第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を具備し、前記誘電体層の比誘電率は、600以上であることを特徴とする接着部材を用いる。
本構造体および接着部材によれば、交流電界に起因し導電体に生じる誘導電流を抑制することができる。
図1(a)および図1(b)は、磁気特性測定装置を示すブロック図である。 図2(a)は、部材近傍の平面図、図2(b)は、図2(a)のコイル44に沿った断面図である。 図3は、比較例1に係る構造体の断面図である。 図4(a)から図4(c)は、比較例1における接着剤の比誘電率に対する誘導電流密度を示す図である。 図5は、実施例1に係る構造体の断面図である。 図6は、シミュレーションに用いた実施例1に係る構造体の平面図である。 図7(a)は、シミュレーションに用いた部材20内の櫛歯電極の平面図、図7(b)は、拡大図である。 図8は、各比誘電率ε20における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。 図9は、各比誘電率ε16における誘電体層の膜厚T16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。 図10は、接着層12の膜厚T12に対する規格化誘導電流密度を示す図である。 図11は、各比誘電率ε12における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。 図12は、各印加電圧および周波数における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。 図13は、各膜厚T10における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。
以下、図面を参照し、実施例について説明する。
まず、実施例1に係る接合部材および構造体が用いられる磁気特性測定装置について説明する。図1(a)および図1(b)は、磁気特性測定装置を示すブロック図である。図1(a)に示すように、磁気特性測定装置100は、コイル50および52、交流電源54および56、位相調整器58およびコントローラ75を備えている。試料である部材30のX方向にコイル52、Y方向にコイル50が設けられている。コイル50は部材30にY方向の磁界を印加する。コイル52は部材30にX方向の磁界を印加する。交流電源54および56は、それぞれコイル50および52に交流電流を印加する。位相調整器58は、交流電源54および56の位相を調整する。位相調整器58のコイル50および52に印加する電流の位相の調整により、XY平面の磁界の方向を調整できる。コントローラ75は、位相調整器58を調整する。
図1(b)に示すように、磁気特性測定装置100は、部材20aおよび20b、交流電源70および72、位相調整器78、歪センサ60および62、磁界センサ64および66、集録器68およびコントローラ75を備えている。部材20aおよび20bは、圧電素子であり、部材30にそれぞれY方向およびX方向の圧力を印加する。交流電源70および72は、それぞれ部材20aおよび20bに交流電流を印加する。位相調整器78は、交流電源70および72の位相を調整する。歪センサ60および62は、部材30のそれぞれY方向およびX方向の歪を検出する。磁界センサ64および66は、部材30のそれぞれY方向およびX方向の磁界を検出する。集録器68は、歪センサ60および62、磁界センサ64および66、コイル42および44から歪データ、磁界データおよび磁束密度データを収集する。コントローラ75は、集録器68からデータを取得し、交流電源70および72を制御する。
図2(a)は、部材近傍の平面図、図2(b)は、図2(a)のコイル44に沿った断面図である。図2(a)に示すように、部材30は円形状であり、鋼板である。部材30にはコイル42および44が設けられている。図2(b)に示すように、部材30は、部材20aおよび20bに挟まれている。部材30と20a、および部材30と20bは、それぞれ接着部材10aおよび10bにより接着されている。コイル42および44は、部材30に形成された貫通孔を介し1ターンループしている。コイル42および44は、X方向およびY方向の磁束密度を検出する。
磁気特性測定装置100は、例えばベクトル磁気特性測定法を用い部材30の磁気特性を測定する。部材30は、例えば電磁コイルのコア(鉄芯)に用いられる大きな透磁率を有する磁性材料である。このような磁性材料としては、例えばケイ素鋼板などの電磁鋼板である。
コントローラ75は、交流電源54および56を制御することにより、部材30にXY平面内に回転する磁界を印加する。交流の周波数は例えば数Hzから数10kHzである。コントローラ75は、集録器68が取得した部材30の磁界データおよび磁束密度データから、ベクトル磁気特性を解析できる。部材30は、磁界が加わると磁化するが、磁化方向に磁歪とよばれる歪みが生じる。磁歪の大きさは、例えば数ppmから数100ppmである。部材30に応力が加わると、磁気特性が変化してしまう。このため、所望の部材30に所望の応力を印加した状態、または外部応力を印加しない状態での、部材30の磁気特性を精度よく測定することができない。そこで、コントローラ75は、歪データおよび/または磁界データに基づき、交流電源70および72を制御する。部材20aおよび20bは、部材30に磁歪を補償するように応力を加える。これにより、磁歪による応力の影響を除去した磁気特性の測定を行なうことができる。
しかしながら、部材20aおよび20bには、例えば数100Vから数kVの交流電圧が印加される。交流電圧に起因した交流電界が部材30に漏れると、部材30内に誘導電流が生じる。この誘導電流により、渦電流損および/または不要磁界が生じる。このため、磁気特性の測定精度が劣化する。
比較例1として、接着部材として接着剤のみを用いたときの比誘電率に対する部材30内の誘導電流の大きさをシミュレーションした。シュミュレーションの方法は、後述する実施例1のシミュレーションと同じである。
図3は、比較例1に係る構造体の断面図である。部材20と30とを接着剤11が接着している。部材20は圧電素子であり、部材30は導電体試料である。接着剤11の膜厚を0.5mm、部材20の比誘電率を1300とした。
図4(a)から図4(c)は、比較例1における接着剤の比誘電率に対する誘導電流密度を示す図である。縦軸は部材30内に生じる誘導電流密度であり、比誘電率が4.2の誘導電流密度で規格化した。図4(a)から図4(c)に示すように、比誘電率が小さくなると誘導電流密度は小さくなる。そこで、真空の比誘電率である1に近い接着剤を用いればよいが、接着性能がよくかつ比誘電率の小さい接着剤はない。部材20が部材30に応力を加えるため、接着剤11は硬いことが好ましい。このため、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を用いる。エポキシ樹脂系の接着剤の比誘電率は4.2程度である。比誘電率の大きな接着剤11を用いると誘導電流密度が大きくなる。
部材20の電界の部材30への漏洩を抑制するためには、例えば接着剤11内に導電体層を設けることが考えられる。しかしながら、交流電界により導電体層に誘導電流が流れると、磁界が生じ、部材30の磁気特性の測定に影響してしまう。このように、接着剤に導電体層を設けても根本的な解決にはならない。
図5は、実施例1に係る構造体の断面図である。部材20と30とを接着部材10が接着している。接着部材10は、接着層12および14と、接着層12および14に挟まれた誘電体層16と、を備える。接着層12は、部材20に接着し、接着層14は部材30に接着する。実施例1では、接着部材10が誘電体層16を有するため、部材20からの漏れ電界に起因した部材30の誘導電流を抑制する。
実施例1における部材30内の誘導電流密度をシミュレーションした。図6は、シミュレーションに用いた実施例1に係る構造体の平面図である。図6に示すように、部材30は、直径L5の円形状とした。部材20は、長辺の長さL1および短辺の幅W1を有する長方形状とした。また、図5に示すように、接着部材10、部材20および30の膜厚をそれぞれT10、T20およびT30とした。接着層12、14および誘電体層16の膜厚を、それぞれT12、T14およびT16とした。部材20内の圧電体、接着層12および14、並びに誘電体層16の比誘電率を、それぞれε20、ε12およびε16とした。
図7(a)は、シミュレーションに用いた部材20内の櫛歯電極の平面図、図7(b)は、拡大図である。図7(a)に示すように、部材20は、圧電体22と、櫛歯電極24および26を備える。櫛歯電極24および26は、圧電体22の厚さ方向の中心に埋め込まれている。櫛歯電極24と26との間に電圧を印加することにより、圧電体22は、櫛歯電極24と26の長手方向に伸縮する。櫛歯電極24および26の長手方向の長さL2、短手方向の幅W2とする。櫛歯電極24および26それぞれの長手方向の長さL3、短手方向の幅W3とする。図7(b)に示すように、櫛歯電極24および26の歯の幅をW4、歯の間隔をL4とする。
シミュレーションに用いた条件は以下である。
圧電体22
材料:PZT:(Pb1−y,Zr)TiO
比誘電率:組成yを変化させ、比誘電率ε20を変化させた。
寸法:L1=50mm、W1=20mm、T20=1mm
櫛歯電極24および26
材料:銀または銅
寸法:L2=47mm、W2=18mm、L3=45mm、W3=16mm、L4=W4=1mm、膜厚:0.7mm
櫛歯電極に印加される電圧:500V、周波数が1kHzを標準値とした。
接着層12および14
材料:エポキシ樹脂接着剤
寸法:50mm×20mm、T12およびT14を変化させた。
比誘電率:ε12=4.2を標準値とした。
誘電体層16
材料:(Ba1−xSr)TiO
比誘電率:組成xを変化させ、比誘電率ε16を変化させた。
寸法:50mm×20mm、T16を変化させた。
部材30
材料:電磁鋼材
電気抵抗率:50μΩcm
寸法:L5=54mm、T30=0.5mm
櫛歯電極24および26に印加される電圧、および接着層12および14の比誘電率ε12は、記載のない場合は標準値とした。
部材30の平面の中心、厚さ方向の中心の誘導電流を計算した。以下、接着部材10が全て接着層である場合の誘導電流密度で規格化した。
図8は、各比誘電率ε20における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着層12および14の膜厚T12および膜厚T14を0.2mm、誘電体層16の膜厚T16を0.1mmとした。圧電体22の比誘電率ε20を500、1300および2000と変化させ、誘電体層16の比誘電率ε16を4.2から10000まで変化させた。図8に示すように、誘電体層16の比誘電率ε16が4.2から大きくなると、誘導電流が大きくなる。このように、誘電体層16の比誘電率ε16をある値以上とすることにより、誘導電流を抑制できる。比誘電率ε16が約2000より大きくなると、規格化誘導電流密度は1より小さくなる。誘導電流は、圧電体22の比誘電率ε20にはほとんど依存しない。
図9は、各比誘電率ε16における誘電体層の膜厚T16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着部材の膜厚T10を0.5mm、接着層12および14の膜厚T12およびT14を同じとし、圧電体22の比誘電率を1300とした。誘電体層16の比誘電率ε16を2000、5000および10000と変化させた。図9に示すように、誘電体層16の膜厚T16が大きくなると(つまり、接着層12および14の膜厚T12およびT14が小さくなると)、誘導電流は小さくなる。膜厚T16がある程度以上となると、規格化誘導電流密度は1より大きくなる。誘電体層16の比誘電率ε16が大きいほど、誘電体層16の膜厚T16が大きくても(つまり接着層12および14の膜厚T12およびT14が小さくても)、誘導電流は小さくなる。一方、図4(a)から図4(c)のように、接着剤11の比誘電率を大きくすると、誘導電流は大きくなる。これらより、比誘電率が小さい接着層12および14に比誘電率の大きい誘電体層16が挟まれていると、誘導電流を小さくできることがわかる。
図10は、接着層12の膜厚T12に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着層12および14の膜厚の和T12+T14を0.4mm、誘電体層16の膜厚T16を0.1mm、誘電体層16の比誘電率ε16を5000、圧電体22の比誘電率ε20を1300とした。膜厚T12は、接着部材10内の誘電体層16の位置を示し、膜厚T12が0.2mmのとき、誘電体層16が接着部材10の中央にあることを示している。図10に示すように、誘電体層16の位置によらず、規格化誘導電流密度は1より小さい。膜厚T12が0.2mmのとき(つまり、誘電体層16が接着部材10の中央にあるとき)、誘導電流は極小となる。
図11は、各比誘電率ε12における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着層12および14の膜厚T12およびT14を0.2mm、誘電体層16の膜厚T16を0.1mm、圧電体22の比誘電率ε20を1300とした。接着層12および14の比誘電率ε12を1、3および7とした。ε12=1は真空(空気)の比誘電率である。図11に示すように、接着層12および14の比誘電率ε12が大きいほど、規格化誘導電流密度を1より小さくするための誘電体層16の比誘電率ε16が大きくなる。接着層12および14の比誘電率ε12が1のとき、規格化誘導電流密度が1より小さくなる閾値となるε16を閾値εthとすると、閾値εthは約600である。すなわち、比誘電率ε16が閾値εthの600以上で規格化誘導電流密度は1より小さくなる。
図12は、各印加電圧および周波数における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着層12および14の膜厚T12およびT14を0.2mm、誘電体層16の膜厚T16を0.1mm、接着層12および14の比誘電率ε12を1、圧電体22の比誘電率ε20を1300とした。櫛歯電極24および26に印加する電圧を、500V(周波数を1kHz)、500V(周波数を2KHz)および1000V(周波数を1kHz)とした。図12に示すように、規格化誘導電流密度は、櫛歯電極24および26の印加される電圧値および周波数によらず、誘電体層16の比誘電率ε16の閾値εthは600である。このように、誘導電流の振る舞いは、櫛歯電極24および26の印加される電圧値および周波数に依存しない。
図13は、各膜厚T10における誘電体層の比誘電率ε16に対する規格化誘導電流密度を示す図である。接着層12の膜厚T12と接着層14の膜厚T14とを同じとし、誘電体層16の膜厚T16=T12×0.5、接着層12および14の比誘電率ε12を1、圧電体22の比誘電率ε20を1300とした。接着部材10の膜厚T10を0.3mm、0.5mmおよび0.8mm変化させた。図13に示すように、接着部材10の膜厚T10が大きくなると、閾値εthが小さくなる。しかし、接着部材10の膜厚T10が大きくなると、部材20が発生させた応力が部材30に作用しにくくなる。このため、接着部材10の膜厚T10は、0.5mm以下が好ましい。
実施例1によれば、接着部材10は、接着層12(第1接着層)、接着層14(第2接着層)および、接着層12と14との挟まれた誘電体層16を備えている。接着層12は部材(第1部材)に接着し、接着層14は部材30に接着する。誘電体層16の比誘電率ε16は、接着層12および接着層14の比誘電率ε12より大きい。これにより、交流電界の印加された部材20からの電界により導電体を含む部材30に生じる誘導電流を削減できる。誘電体層16を接着層12および14で挟むことにより誘導電流を抑制できる理由は明確ではない。例えば、誘電体層16に電界が集まることで、部材30に到達する電気力線を削減できるためではないかと考えられる。
部材20として圧電体22を含む例を説明したが、部材20は交流電界が印加されていればよい。部材20が、圧電体22と、交流電界が印加される電極と、を備える場合、部材20には高い電圧が印加される。よって、部材30に誘導電流が発生し易くなる。このため、接着部材10に誘電体層16を設けることにより、誘導電流を抑制できる。
部材30として導電体からなる試料を例に説明したが、部材30が導電体を含めば導電体に誘導電流が発生する。よって、部材30は、導電体を含めばよい。部材30が磁気特性を測定する試料であり、圧電体22が部材30に応力を印加する場合、漏れ電界が大きくかつ部材30全体に誘導電流が生成される。このため、この場合、接着部材10に誘電体層16を設けることにより、誘導電流を抑制できる。
図11のように、接着層12および14の比誘電率ε12が最も小さい1のときでも、誘電体層16の比誘電率ε16は閾値εth=600以上ないと、規格化誘導電流を1より小さくできない。さらに、図12のように、比誘電率ε16の閾値εthは櫛歯電極24および26に印加される電圧に依存しない。また、図13のように、接着部材10の膜厚T10を大きくすれば、閾値εthは600より小さくなるが、実用的なT10では、閾値εthは600以上である。また、図10より、誘電体層16が接着部材10内の中央に位置するときに誘導電流が最も小さい。これにより、閾値εthは誘電体層16が接着部材10内の中央に位置するとき最も小さいと考えられる。以上より、誘電体層16の比誘電率ε16は600以上とすることが好ましい。
図11より、接着層12および14の比誘電率ε12が3のとき、誘電体層16の比誘電率ε16は1200以上とすることが好ましい。接着層12および14の比誘電率ε12が7のとき、誘電体層16の比誘電率ε16は3000以上とすることが好ましい。また、接着層12および14の比誘電率ε12は、10以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。誘電体層16の比誘電率ε16は接着層12および14の比誘電率ε12の約500倍以上が好ましく、750倍以上がより好ましく、1000倍以上がさらに好ましい。
図10より、接着層12および14の膜厚T12とT14との比は、1/3から3が好ましく、1/2から2が好ましい。接着層12および14の膜厚T12およびT14は同じであることがより好ましい。
部材20として長方形状の例を説明した形状および寸法は任意である。圧電体22の材料はPZT以外を用いることもできる。交流電圧が印加される櫛歯電極24および26に印加する例を説明したが、電極の形状は任意である。櫛歯電極24および26が圧電体22に埋め込まれている例を説明したが、電極は、圧電体22に埋め込まれていてもよいし、表面上に形成されていてもよい。
接着部材10の形状を部材20と同じとしたが、部材20より大きくてもよい。接着部材10は、シート状であり、シートを部材20または部材30上に貼り付けて、その後、部材30または20を貼り付けてもよい。また、部材20上に接着層12、誘電体層16および接着層14を、塗布等により順次形成することにより接着部材10を形成してもよい。部材30上に接着層14、誘電体層16および接着層12を順次形成することにより接着部材10を形成してもよい。接着部材10に誘導電流が流れると、誘導電流により磁界等が生成されてしまう。よって、接着層12および14、誘電体層16は絶縁体であることが好ましい。
接着層12および14としてエポキシ樹脂を例に説明したが、接着層12および14は、他の樹脂等の絶縁材料でもよい。誘電体層16として、(Ba1−xSr)TiOを用いる例を説明した。誘電体層16は、エポキシ樹脂等の低誘電率物質に、PZT等の高誘電率物質の粒子を混練した材料でもよい。この場合、比誘電率は、高誘電率物質の含有量で制御できる。また、誘電体層16は、エポキシ樹脂等の低誘電率物質層とPZT等の高誘電体物質層とを交互に積層したものでもよい。この場合、比誘電率は各層の層数および/または膜厚で制御できる。誘電体層16は、これらを組み合わせた材料でもよい。部材30として円形状の例を説明した形状および寸法は任意である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)交流電界が印加される第1部材と、導電体を含む第2部材と、前記第1部材に接着する第1接着層と、前記第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を備える接着部材と、を具備することを特徴とする構造体。
(付記2)前記第1部材は、圧電体と、前記圧電体に設けられ前記交流電界が印加される電極と、を備えることを特徴とする付記1記載の構造体。
(付記3)前記第2部材は、磁気特性を測定する試料であり、前記圧電体は、前記試料に応力を加えることを特徴とする付記2記載の構造体。
(付記4)前記誘電体層の比誘電率は、600以上であることを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の構造体。
(付記5)前記第1接着層と前記第2接着層との膜厚は同じであることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の構造体。
(付記6)前記第1接着層および前記第2接着層の比誘電率は7以下であることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の構造体。
(付記7)交流電界が印加される第1部材に接着する第1接着層と、導電体を含む第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を具備することを特徴とする接着部材。
10、10a、10b 接着部材
12、14 接着層
16 誘電体層
20、20a、20b 部材
22 圧電体
24、26 櫛歯電極
30 部材

Claims (4)

  1. 交流電界が印加される第1部材と、
    導電体を含む第2部材と、
    前記第1部材に接着する第1接着層と、前記第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を備える接着部材と、
    を具備し、
    前記第1部材は、圧電体と、前記圧電体に設けられ前記交流電界が印加される電極と、を備えることを特徴とする構造体。
  2. 前記第2部材は、磁気特性を測定する試料であり、
    前記圧電体は、前記試料に応力を加えることを特徴とする請求項記載の構造体。
  3. 交流電界が印加される第1部材と、
    導電体を含む第2部材と、
    前記第1部材に接着する第1接着層と、前記第2部材に接着する第2接着層と、前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、を備える接着部材と、
    を具備し、
    前記誘電体層の比誘電率は、600以上であることを特徴とする構造体
  4. 交流電界が印加される第1部材に接着する第1接着層と、
    導電体を含む第2部材に接着する第2接着層と、
    前記第1接着層と前記第2接着層に挟まれ、前記第1接着層および前記第2接着層より比誘電率の大きな誘電体層と、
    を具備し、
    前記誘電体層の比誘電率は、600以上であることを特徴とする接着部材。
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