JP2015209520A - 光学用紫外線硬化型接着剤組成物、該硬化層および光学部材 - Google Patents

光学用紫外線硬化型接着剤組成物、該硬化層および光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化収縮が小さく、特定範囲の弾性率を有し、さらに高温高湿下での耐白化性および高温下での耐黄変性に優れる接着硬化層を付与しうる、光学用紫外線硬化型接着剤組成物を提供する。
【解決手段】水素添加ポリブタジエンジオール(A)20〜40重量%、水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(B)20〜40重量%、アルキル基の炭素数が8〜10である単官能アルキル(メタ)アクリレート(C)5〜40重量%、アルキル基の炭素数が2〜4である単官能ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)1〜10重量%、光重合開始剤(E)0.5〜5重量%、およびガードナー色数が2以下、軟化点が80〜120℃、アニリン点が50〜100℃の範囲にある石油樹脂(F)10〜30重量%を含み、25℃における粘度が1,000〜50,000mPa・sであり、弾性率が1.0×10〜1.0×10Paである粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学用紫外線硬化型接着剤組成物、該硬化層および光学部材に関する。より詳しくは、種々の光学機器等における光学部材・部品の接着に好適な光学用紫外線硬化型接着剤組成物、該組成物からなる硬化層、および該硬化層を含んでなる光学部材に関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせたタッチパネルが広く利用されている。これらのタッチパネルは、表示装置と、透明電極が形成されたガラス板又は樹脂製フィルムと、透明保護板(ガラス又は樹脂製)とを貼り合わせた構造を有している。該タッチパネルでは、外的な衝撃が表示パネルに伝わらないように、表示パネルとそれを保護する透明保護板との間に一定の間隙が設けられている。
この間隙が空気層である場合は、上記の表示パネルや保護板の構成材料と空気層との屈折率差に起因して光の反射損失が大きくなり、良好な視認性が得られないため、この間隙に透明物質を介在させるようになっている。該透明物質としては、透明樹脂シート、粘着性透明ゲル、硬化性粘着性樹脂組成物などの使用態様が提案されている。
前記透明物質には、光学用途で求められる各種の性能(可視光透過性等)に加え、長期間使用しても表示不良等を発生させない、耐熱性、耐湿熱性などの高い耐久性が求められる。例えば、高温高湿度下での耐久性に優れた粘着性透明シート用組成物が提案されている(特許文献1)。
表示装置の組み立てに際しては、透明樹脂シートは、粘着性透明ゲルなどに比べて扱いやすく、また、ポリマーの主要構成単位として(メタ)アクリル系モノマーを用いた透明シートでは、シリコーンゲルと比べて接着性に優れ、またウレタンゲルと比較して耐久性に優れるという利点がある。
しかし、画面の大型化に伴って、用いられる透明シートも大判化しなければならないが、該大判シートの取り扱いは容易ではない。例えば、(1)該シートと表示パネルや保護板との界面で、皺や気泡が生じないように貼着させる必要があるため、大判の透明樹脂シートでは高度な貼着技術が求められる、(2)特に表示装置の薄型化に伴い、一層熟練した貼着技術が求められる、(3)表示パネルや保護板へのアンチグレア処理や、液晶画面を見やすくするための黒色印刷層の形成(保護板の裏面(シートと接触する側の面)の外周縁部に施される)に伴う凹凸(印刷部による段差)への追従性が求められる、(4)貼着時に生じた皺や気泡を修復するため、該シートに対する剥離・再貼着性(リペア性)が求められるなど、益々高度の取り扱い技術が要求されている。
一方、液状の硬化性樹脂組成物を前記間隙に充填する方法が知られている。具体的には、液晶表示パネルの表面に貼り付けられた偏光板の周囲にスペーサを配置し、このスペーサの上部に表面保護ガラスを載せるとともに、偏光板と表面保護ガラスの間に気泡が入らないように接着剤を充填し、液晶表示パネル上に前記表面保護ガラスを取り付ける方法等が提案されている(特許文献2)。該使用態様では、粘着シートの貼着作業に比べて取り扱いが一般的に容易であり、表示画面の仕様変更(大型化、間隙幅の変更、段差追従など)に伴う各種要求に対応しやすいという利点があるが、該接着剤として紫外線硬化型樹脂を使用しており、硬化収縮が大きいため、硬化後の歪や応力による表示不良が問題となることがある。
さらに、硬化物には外部からの衝撃やヒートサイクル等による熱衝撃を緩和して、画像表示パネルへの影響を抑えることが求められるが、硬化物の弾性率が高過ぎる場合は、耐衝撃性が低下するという問題があった。
上記の収縮率および弾性率を改善するためにロジン系化合物や石油樹脂系の可塑剤が検討されている(特許文献3参照)。これらの可塑剤は、収縮率や弾性率を改善する以外に接着性を向上させる効果も発現しうる。
しかし、上記可塑剤のみで収縮率や弾性率の改善を行うと、各種特性の低下、特に高温高湿度下での耐白化性および高温下での耐黄変性が低下するため、収縮率および弾性率の改善と耐白化性および耐黄変性の両立が課題となっている。
また近年、タッチパネル製品の多様化により、高い耐久性(耐熱性、耐湿熱性)が光学用接着剤組成物、該組成物からなる硬化層、および該硬化層を含んでなる光学部材に求められており、該粘着組成物から得られる接着層は、前記の要求諸特性を必ずしも満足し得ないものであり、改良の余地がある。
国際公開第2013/115250号 特開2005−55641号公報 特開2013−14718号公報
本発明は、硬化収縮が小さく、特定範囲の弾性率を有し、さらに高温高湿下での耐白化性および高温下での耐黄変性に優れる接着硬化層を付与しうる、光学用紫外線硬化型接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題に鑑み、該接着剤の組成・配合につき鋭意検討した結果、意外にも、特定の粘着付与剤などを含有する特定の紫外線硬化型接着剤組成物により該課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、水素添加ポリブタジエンジオール(A)20〜40重量%、水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(B)20〜40重量%、アルキル基の炭素数が8〜10である単官能アルキル(メタ)アクリレート(C)5〜40重量%、アルキル基の炭素数が2〜4である単官能ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)1〜10重量%、光重合開始剤(E)0.5〜5重量%、およびガードナー色数が2以下、軟化点が80〜120℃、アニリン点が50〜100℃の範囲にある石油樹脂(F)10〜30重量%(各成分の合計量を100重量%とする)を含み、25℃における粘度が1,000〜50,000mPa・sであり、かつ該硬化物の弾性率が1.0×10〜1.0×10Paとなることを特徴とする光学用粘着剤組成物に関する。
また本発明は、前記の光学用紫外線硬化型接着剤組成物を紫外線硬化させて得られることを特徴とする光学用紫外線硬化接着層に関する。
更に本発明は、前記の光学用紫外線硬化接着層を含んでなることを特徴とする光学部材に関する。
本発明の光学用紫外線硬化型接着剤組成物は、硬化収縮が小さいため、硬化後の歪が少ない。また該硬化物は透明性に優れるとともに、特定範囲の弾性率を持つことから、本発明の光学用紫外線硬化型接着剤組成物を使用した表示パネルは、熱衝撃および外部衝撃に対する緩衝性に優れる。さらに、高温高湿下での耐白化性および高温下での耐黄変性に優れるため、光学用部品等として有用である。
本発明の光学用紫外線硬化型接着剤組成物(以下、本組成物という)は、前記のように、水素添加ポリブタジエンジオール(A)20〜40重量%、水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(B)20〜40重量%、アルキル基の炭素数が8〜10である単官能アルキル(メタ)アクリレート(C)5〜40重量%、アルキル基の炭素数が2〜4である単官能ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)1〜10重量%、光重合開始剤(E)0.5〜5重量%、およびガードナー色数が2以下、軟化点が80〜120℃、アニリン点が50〜100℃の範囲にある石油樹脂(F)10〜30重量%(各成分の合計量を100重量%とする)を含み、25℃における粘度が1,000〜50,000mPa・sであり、かつ該硬化物の弾性率が1.0×10〜1.0×10Paとなることを特徴とする組成物である。
なお、本明細書において、簡略便宜上、本組成物から得られる紫外線硬化層を本硬化層といい、また本硬化層を含んでなる光学部材を本部材と称する。
本組成物における(A)成分は、ポリブタジエンジオールを水素添加して得られるものである。(A)成分を用いることにより、接着力・耐久性に優れた本組成物および本硬化層が得られる。(A)成分の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)は、特に限定されないが、接着力の点より1,000〜5,000であるのが好ましい。(A)成分のヨウ素価は、特に限定されないが、通常50以下であり、耐久性の点より25以下であるのが好ましく、また水酸基価は、通常10〜200の範囲であり、接着性の点より20〜100であるのが好ましい。なお、(A)成分に該当する市販品としては、例えば、日本曹達(株)製「NISSO−PB GI−1000」、「NISSO−PB GI−2000」、「NISSO−PB GI−3000」、CRAY VALLEY社製「Krasol HLBH−P2000」、「Krasol HLBH−P3000」などが挙げられる。
(A)成分の使用量は、本組成物100重量部中、20〜40重量%である必要があり、25〜35重量%であるのが好ましい。(A)成分の割合を20重量%以上にすることで、本組成物・本硬化層の熱衝撃および外部衝撃に対する緩衝性を向上でき、また(A)成分の割合を40重量%以下にすることで、本組成物の耐熱性が向上する。
本組成物における(B)成分は、水素添加ポリブタジエンポリオール(以下、(b1)成分という)、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する脂肪族または/および脂環式ポリイソシアネート(以下、(b2)成分という)を反応させて得られるイソシアネート基含有ポリウレタン樹脂(以下、(b3)成分という)、または水酸基含有ポリウレタン樹脂(以下、(b4)成分という)を、水酸基含有(メタ)アクリレート(以下、(b5)成分という)またはイソシアネート基含有(メタ)アクリレート(以下、(b6)成分という)と反応させて得られる生成物である。なお、(b1)成分は、前記(A)成分に相当するものである。
(B)成分は、以下の2つの方法で合成可能である。第一の方法としては、(b1)成分と(b2)成分をイソシアネート基量が水酸基量より多くなる割合で反応させて、鎖延長させた(b3)成分を合成する。この時、(b1)成分の水酸基量と(b2)成分のイソシアネート基量の調整により、(b3)成分の分子量を調整できる。イソシアネート基に対する水酸基量が大きくなるほど、得られる(b3)成分の分子量は大きくなり、イソシアネート基に対する水酸基量が小さくなるほど、該分子量は小さくなる。得られた(b3)成分に(b5)成分(1個の水酸基を残して、各種ポリオールを(メタ)アクリレート化したもの)を反応させて、残存するイソシアネート基を(メタ)アクリロイル基に転換することにより(B)成分が得られる。
第二の方法としては、(b1)成分と(b2)成分を水酸基量がイソシアネート基量より多くなる割合で反応させて、鎖延長させた(b4)成分を合成する。この時、(b1)成分の水酸基量と(b2)成分のイソシアネート基量の調整により、(b4)成分の分子量を調整できる。イソシアネート基に対する水酸基量が大きくなるほど、得られる(b4)成分の分子量は大きくなり、イソシアネート基に対する水酸基量が小さくなるほど、該分子量は小さくなる。得られた(b4)成分に(b6)成分を反応させることにより(B)成分が得られる。
上記2つの反応は、いずれも、水酸基とイソシアネート基との反応であり、イソシアネート基に不活性な有機溶媒の存在下、ジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ジエチルヘキソエートのような一般的なウレタン化触媒を用いて、撹拌下に通常30〜100℃で、1〜5時間程度の条件で行われる。ウレタン化触媒の使用量は反応に供される原料の合計重量基準で、通常50〜500ppmである。
(b2)成分としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式ポリイソシアネート類、これらの2〜6量体などが挙げられ、これらは単独、組み合わせのいずれでも使用できる。(b2)成分を用いることにより、接着力・耐久性に優れた本硬化層を提供できる。
(b5)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独、組み合わせのいずれでも使用できる。
(b6)成分としては、例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、1,1−ビス(アクロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等などが挙げられる。中でも、水酸基との反応性、及び光硬化性の点から、2−イソシアネートエチルアクリレートが好ましい。
(B)成分は、前記のように、(b1)成分と(b2)成分とを反応させて(b3)成分または(b4)成分を得た後、該(b3)成分と(b5)成分とを反応させ、または該(b4)成分と(b6)成分とを反応させることにより製造できる。(B)成分の製造では、(b1)成分、(b2)成分および(b5)成分を一括反応、または(b1)成分、(b2)成分および(b6)成分を一括反応させる方法も採用できるが、(B)成分の重量平均分子量を制御しやすい点から前記方法を採用するのが好ましい。
(B)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)は、格別限定されないが、得られる本組成物・本硬化層の接着性および耐久性の点から、5,000〜50,000であるのが好ましい。
なお、(B)成分の平均官能基数は、格別限定されないが、得られる本硬化層の耐久性の点から、1.5〜3.0であるのが好ましく、より好ましくは1.8〜2.2である。なお、該平均官能基数とは、(B)成分の1分子中に存在する(メタ)アクリロイル基の平均個数を意味する。
(B)成分の使用量は、本組成物100重量部中、20〜40重量%である必要があり、25〜35重量%の範囲が好ましい。(B)成分の割合を20重量%以上にすることで、本組成物の高温下、高温高湿下における耐久性を向上でき、また(B)成分の割合を40重量%以下にすることで、本組成物の熱衝撃および外部衝撃に対する緩衝性を向上させることができる。
(C)成分は、本組成物の粘度を低下させて取り扱い性を向上させる観点から、必須成分として用いられる。(C)成分の具体例としては、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を適宜に組み合わせて使用できる。
(C)成分の使用量は、本組成物100重量部中、5〜40重量%である必要があり、10〜30重量%の範囲が好ましい。(C)成分の割合を5重量%以上にすることで、本組成物の取り扱い性を向上でき、また(C)成分の割合を40重量%以下にすることで、本組成物の硬化性を向上させることができる。
(D)成分は、本組成物の耐湿熱性の点から必須成分として用いられる。(D)成分の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を適宜に組み合わせて使用できる。
(D)成分の使用量は、本組成物100重量部中、1〜10重量%である必要があり、3〜6重量%の範囲が好ましい。(D)成分の割合を1重量%以上にすることで、本組成物の耐白化性を向上でき、また(D)成分の割合を10重量%以下にすることで、本組成物の硬化性を向上させることができる。
(E)成分は、紫外線照射により分解しラジカルを発生する光重合開始剤であれば、各種公知のものを格別限定なく使用できる。具体的には、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、オキシムエステル化合物等の光重合開始剤、アミンやキノン等の光増感剤等が挙げられ、具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)等が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが、本組成物の硬化性を一層向上しうるため好適である。
(E)成分の使用量は、本組成物100重量部中、0.5〜5重量%である必要があり、1〜3重量%であるのが好ましい。(E)成分の割合を0.5重量%以上にすることで、紫外線照射による硬化重合のばらつきを防止でき、また5重量%以下にすることで、(E)成分の分解物に起因する臭気発生を低減でき、かつ硬化層の着色を防止できる。
(F)成分は、粘着付与樹脂として用いられるが、得られる本組成物の色調、透明性、紫外線硬化性、粘着性、耐久性などの要求性能を考慮して、各種公知の粘着付与樹脂のうちから選定されたものである。すなわち、(F)成分は、ガードナー色数が2以下、軟化点が80〜120℃、アニリン点(JIS K 2256準拠)が50〜100℃の範囲にある石油樹脂である。(F)成分の好ましい性状としては、ガードナー色数が1以下、軟化点が85〜110℃、アニリン点が60〜100℃である。(F)成分に相当する市販品としては、荒川化学工業(株)製のアルコンM−90、M−100、M−115、出光興産(株)製のアイマーブS−100、エクソンモービル社製のエスコレッツ5690、イーストマンケミカル社製のリガライト5100などが挙げられる。
(F)成分の使用量は、本組成物100重量部中、10〜30重量%である必要があり、15〜25重量%の範囲が好ましい。(F)成分の割合を10重量%以上にすることで、本組成物の粘着性を向上でき、また(F)成分の割合を30重量%以下にすることで、本組成物の耐熱性を向上させることができる。
本組成物の製造は、前記(A)〜(F)成分を前記特定の割合で混合することによって行われる。各成分の混合方法および添加順序については、特段の限定はされない。
また、本組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、多官能モノマー、表面調整剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機フィラー、シランカップリング剤、コロイダルシリカ、消泡剤、湿潤剤、防錆剤、安定化剤等の添加剤を含有させることができる。
上記多官能モノマーの具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等脂肪族構造を有するジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の脂環式構造を有するジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の芳香族構造を有するジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
本組成物の粘度については、前記のような光学部材間隙への充填性の点から、25℃における粘度が1,000〜50,000mPa・sであることが必要であり、2,000〜20,000mPa・sであるのが好ましい。粘度を1,000mPa・s以上にすることで、貼り合わせ工程における液のはみ出しを低減でき、50,000mPa・s以下にすることで、貼り合わせ工程における気泡の混入を防止することができる。
本組成物の硬化体積収縮率は、格別の限定はされないが、3.0%以下とすることが好ましい。該収縮率を3.0%以下にすることで、硬化後の歪や応力を緩和させることができる。
本硬化物における弾性率は、1.0×10〜1.0×10Paの範囲とする必要があり、2.0×10〜7.0×10Paの範囲であるのが好ましい。弾性率を1.0×10Pa以上にすることで、本硬化物の機械的強度を向上させることができ、1.0×10Pa以下にすることで、熱衝撃および外部衝撃に対しての緩衝性を向上させることができる。
本組成物は、表示パネルと化粧板やアイコンシートとの貼合や、タッチパネルにおける透明電極を形成した透明基板と透明板との貼合、また表示体と光学機能材料との貼合など、各種の光学機器や光学部材のための接着材用途で好適に用いられる。前記部材の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂などが挙げられる。表示体としては、ガラスに偏光板を貼り付けてある液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、EL照明、電子ペーパーやプラズマディスプレイ等の表示素子が挙げられる。光学機能材料としては、視認性向上や外部衝撃から表示素子の割れ防止を目的とするアクリル板(片面または両面ハードコート処理や反射防止コート処理してあってもよい)、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリエチレンナフタレート板等の透明プラスチック板、強化ガラス(飛散防止フィルムが付いていてもよい)およびタッチパネル入力センサー等が挙げられる。
本組成物の硬化に使用する紫外線の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が挙げられる。また、光量、光源、搬送速度等の条件は適宜調整すればよく、光量が通常80〜160W/cm程度、搬送速度が通常5〜50m/分程度である。なお、積算光量としては、100〜5000mJ/cmであることが好ましく、500〜3000mJ/cmであることがより好ましい。上記範囲内であれば、適切な硬化反応を担保でき、目的とする諸性能を有する本硬化層を得ることができる。
本組成物の硬化に際しては、貼り合わせ工程における液のはみ出しを一層低減する観点から、塗工後に予備的に硬化させた後に貼り合わせを行い、貼り合わせ後に完全硬化させるのが好ましい。本組成物をスリットコーター等で透明電極が形成されたガラス板もしくは樹脂製フィルム、または透明保護板(ガラス又は樹脂製)等に塗工後、積算光量で100〜1000mJ/cmの紫外線を照射して予備的に硬化させる。その後、表示装置等と真空注で貼り合わせを行い、積算光量で500〜3000mJ/cmの紫外線を照射し、本組成物を完全硬化させることで、貼り合わせを行うことができる。塗工後に予備的に硬化させることで、本組成物の流動性が失われるため、貼り合わせ工程における液のはみ出しを一層低減することができる。
前記のようにして得られた本硬化層の厚みは特に限定されないが、通常平均10〜1000μm程度、好ましくは25〜500μmである。厚膜をこの範囲とすることで、光学部材・モジュールの耐衝撃性を向上させることができる。
以下に本発明を合成例、実施例などにより更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1〔(B)成分の合成〕
冷却菅と撹拌機を備えた反応装置に、重量平均分子量3,000の水素添加ポリブタジエンジオール(日本曹達(株)製、商品名「NISSO−PB GI−3000」、水酸基価25mgKOH/g)を9モル、イソホロンジイソシアネート10モル、およびオクチル酸スズ0.02重量%(各成分合計量を100重量%とする)を加え、撹拌下に80℃まで昇温して2時間保温した後、NCO測定にて反応完結を確認し、中間体であるイソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルを加え、撹拌下80℃で2時間保温し、NCO測定にて反応完結を確認することにより、重量平均分子量46,000、平均官能基数2.0の水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(以下、(B1)成分という)を得た。なお、当該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値であり、該測定条件は以下のとおりである〔測定装置本体(製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製)、カラム(製品名「TSKGel G1000H」、「TSKGel G2000H」、東ソー(株)製)、展開溶媒(テトラヒドロフラン)〕。(以下同様)
合成例2〔(B)成分の合成〕
合成例1と同様の反応装置に、合成例1で用いたと同一の水素添加ポリブタジエンジオール1モル、イソホロンジイソシアネート2モル、およびオクチル酸スズ0.02重量%を加え、撹拌下に80℃まで昇温して2時間保温した後、NCO測定にて反応完結を確認し、中間体であるイソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルを加え、撹拌下80℃で2時間保温し、NCO測定にて反応完結を確認することにより、重量平均分子量7,000、平均官能基数2.0の水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(以下、(B2)成分という)を得た。
<接着剤組成物の調製>
実施例1
(A)成分として水素添加ポリブタジエンジオール(日本曹達(株)製、商品名「NISSO−PB GI−2000」)25部、(B)成分として合成例1で得られた(B1)成分25部、(C)成分としてn−オクチルアクリレート(BASF社製)22部、(D)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート(BASF社製)5部、(E)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)3部、および(F)成分として石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンM−90」;ガードナー色数1以下、軟化点90℃、アニリン点82.9℃)20部を、いずれも純分換算で配合し、接着剤組成物を調製した(表1参照)。また、該組成物のガードナー色数、粘度、溶剤含有率および相溶性を評価し、結果を表2に示した(以下同様)。
実施例2〜9
表1に示すように、各成分の種類および使用量のいずれかを変更して、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例1
表1に示すように、(A)成分および(F)成分を使用しなかった他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例2
表1に示すように、(A)成分を使用しなかった他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例3
表1に示すように、(A)成分の種類を変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例4
表1に示すように、(F)成分を使用しなかった他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例5
表1に示すように、(C)成分の種類を変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例6
表1に示すように、(D)成分の種類を変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例7
表1に示すように、(D)成分を使用しなかった他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例8〜11
表1に示すように、(F)成分の種類を変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例12
表1に示すように、(C)成分の使用量を5重量%以下に変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例13
表1に示すように、(F)成分の使用量を30重量%以上に変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例14
表1に示すように、(A)成分の使用量を40重量%以上に変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
比較例15
表1に示すように、(B)成分の使用量を40重量%以上に変更した他は、実施例1と同様の方法に従い、接着剤組成物を調製した。
表1中の各記号は以下を示す。
A : 水素添加ポリブタジエンジオール(日本曹達(株)製 、商品名「NISSO−PB GI−2000」)
A’ : 水素添加ポリブタジエン(日本曹達(株)製、商品名「NISSO−PB BI−2000」
C : n−オクチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
C’ :ステアリルアクリレート(BASF社製、商品名「ステアリルアクリレート」)
D : 2−ヒドロキシエチルアクリレート(BASF社製、商品名「ヒドロキシエチルアクリレート」)
D’ : 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「エポキシエステルM−600A」)
E : 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)
M90: 水添C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンM−90」;ガードナー色数100以下、軟化点90℃、アニリン点82.9℃)
M100:水添C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンM−100」;ガードナー色数100以下、軟化点100℃、アニリン点81.8℃)
F’1: ロジンエステル(荒川化学工業(株)製、商品名「KE−311」;ガードナー色数1以下、軟化点90〜100℃、アニリン点50℃未満(50℃まで下げても曇らない))
F’2: ロジン含有ジオール(荒川化学工業(株)製、商品名「パインクリスタルD−6011」;ガードナー色数8以下、軟化点84−99℃)、アニリン点50℃未満(50℃まで下げても曇らない))
F’3: 水添C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンP−90」;ガードナー色数1以下、軟化点90℃、アニリン点116.5℃)
F’4: 水添C9系石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンP−100」;ガードナー色数1以下、軟化点100℃、アニリン点119.0℃)
実施例1〜9および比較例1〜15で得られた接着剤組成物の特性(粘度、相溶性)を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<粘度>
BH型粘度計(東機産業(株)製)により25℃、3分の条件で測定した。
<相溶性>
得られた接着剤組成物を目視で観察し、以下の基準で判断した。
○:均一完全透明
×:白濁、沈降物、不溶解物もしくは液層分離のいずれかを確認
(試験片の作製)
実施例1に係る組成物を、スリットコーターで0.5mm厚のガラス板に塗工し、0.5mm厚のガラス板と0.5mm厚のガラス板の間に、100μmの膜厚になるよう貼り合わせた。その後、メタルハライドランプを用いて、照度150mJ/cmで積算光量が3,000mJ/cmとなるように紫外線を照射して、試験片を作成した。実施例2〜9、及び比較例1〜15に係る組成物についても同様にして、試験片を作製した。
(接着層の各種評価)
評価例1〜9、比較評価例1〜15
前記試験片を用いて、以下の試験を実施した。
<可視光透過率>
前記試験片の透過率を、分光光度計(商品名:U−4100、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。結果を表3に示す。なお、各透過率は基材であるガラスの値を含めた数値である。
<貼り合わせ工程での液のはみ出し>
前記試験片の貼り合わせ工程における液のはみ出しを以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:試験片側面より液のはみ出しがない場合
×:試験片側面より液のはみ出しがある場合
<気泡の混入>
前記試験片の貼り合わせ工程における気泡の混入を以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:気泡の巻き込みによる混入がない場合
×:気泡の巻き込みによる混入がある場合
<硬化物の硬度>
実施例1に係る組成物を内径55.0mm、高さ10mmのガラス製の容器に15g流し込み、照度150mJ/cmで積算光量が3,000mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させた。得られた硬化物は25℃で24時間保管後、ゴム硬度計(商品名:アスカーゴム硬度計C2型 高分子計器(株)製)を用いて硬度を測定した。実施例2〜9、及び比較例1〜15に係る組成物についても同様にして、試験片を作製し、硬度を測定した。結果を表3に示す。
<硬化物の弾性率>
実施例1に係る組成物を厚さ2mmとなるようガラス製の容器に流し込み、メタルハライドランプを用いて、照度150mJ/cmで積算光量が3,000mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させた。得られた硬化物について、JIS K 7312で定める成型物の物理試験方法に準拠して評価した。試験片は2号形ダンベル試験片として、精密万能試験機((株)島津製作所製 オートグラフ AGS−X)を用いて引張速度500mm/分で弾性率を測定した。実施例2〜9、及び比較例1〜15に係る組成物についても同様にして、試験片を作製し、弾性率を測定した。結果を表3に示す。
<体積収縮率(成型収縮率法)>
実施例1に係る組成物を内径66.0mm、高さ8mmのガラス製の容器に10g流し込み、照度150mJ/cmで積算光量が3,000mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させた。硬化物は25℃で24時間保管後にアルキメデス法により体積の測定を行った。実施例2〜9、及び比較例1〜15に係る組成物についても同様にして、試験片を作製し、体積収縮率を測定した。結果を表3に示す。なお、該収縮率は以下の式1を用いて算出した。
(式1){(硬化物の体積−硬化前の液状物の体積)/硬化前の液状物の体積}×100
(積層体の信頼性評価)
<耐熱試験>
前記試験片を温度95℃の恒温恒湿槽中に500時間静置した後、透過率を前記と同様の方法で測定し、併せて耐久性および耐黄変性について以下の基準で評価した。これらの結果を表4に示す。なお、各透過率は基材であるガラスの値を含めた数値である。
・耐久性の評価基準
○:剥がれなし、接着層浸み出しなし、気泡および破損なし
×:剥がれあり、接着層浸み出しあり、気泡および破損あり
・耐黄変性の評価基準
○:黄変なし ×:黄変あり
<耐湿熱試験>
前記試験片を温度85℃、湿度85%の恒温恒湿槽中に500時間静置した後、透過率を前記と同様の方法で測定し、併せて耐久性および耐白化性について以下の基準で評価した。これらの結果を表4に示す。
・耐久性の評価基準
○:剥がれなし、粘着層浸み出しなし、気泡および破損なし
×:剥がれあり、粘着層浸み出しあり、気泡および破損あり
・耐白化性の評価基準
○:白化なし ×:白化あり
<ヒートサイクル試験>
前記試験片を−40℃と85℃(各30分)で500サイクル繰返した後、透過率を前記と同様の方法で測定し、併せて耐久性について以下の基準で評価した。これらの結果を表4に示す。
・耐久性の評価基準
○:剥がれなし、接着層浸み出しなし、気泡および破損なし
×:剥がれあり、接着層浸み出しあり、気泡および破損あり
表3および表4の評価結果より、本発明に係る各実施例は、各比較例と対比して有意に優れることが分かる。すなわち、各実施例においては、(A)成分、(D)成分、および(F)成分を組み合わせることにより耐白化性が向上すること、また(A)成分と(F)成分は、熱衝撃および外部衝撃に対する緩衝性を向上させること、更に(B)、(C)、(E)成分と組み合わせることで高温下、高温高湿下の耐久性、耐黄変性、耐白化性、緩衝性に優れる光学用紫外線硬化型接着剤組成物が得られることを、それぞれ確認した。

Claims (7)

  1. 水素添加ポリブタジエンジオール(A)20〜40重量%、水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート(B)20〜40重量%、アルキル基の炭素数が8〜10である単官能アルキル(メタ)アクリレート(C)5〜40重量%、アルキル基の炭素数が2〜4である単官能ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D)1〜10重量%、光重合開始剤(E)0.5〜5重量%、およびガードナー色数が2以下、軟化点が80〜120℃、アニリン点が50〜100℃の範囲にある石油樹脂(F)10〜30重量%(各成分の合計量を100重量%とする)を含み、25℃における粘度が1,000〜50,000mPa・sであり、かつ該硬化物の弾性率が1.0×10〜1.0×10Paとなることを特徴とする光学用粘着剤組成物。
  2. 成分(A)の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)が10,00〜5,000であり、かつ成分(B)の重量平均分子量が5,000〜50,000である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  3. 成分(B)が、水素添加ポリブタジエンポリオール(b1)と1分子中にイソシアネート基を2個以上有する脂肪族または/および脂環式ポリイソシアネート(b2)を反応させてなるイソシアネート基含有ポリウレタン樹脂(b3)または水酸基含有ポリウレタン樹脂(b4)、ならびに水酸基含有(メタ)アクリレート(b5)またはイソシアネート基含有(メタ)アクリレート(b6)を反応させて得られる生成物であり、且つその平均官能基数が1.5〜3.0である、請求項1または2記載の光学用紫外線硬化型接着剤組成物。
  4. 硬化前後の体積の差から求められる体積収縮率が3.0%以下となる請求項1〜3に記載の光学用紫外線硬化型接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学用紫外線硬化型接着剤組成物を紫外線硬化させて得られることを特徴とする光学用紫外線硬化接着層。
  6. 紫外線硬化を2回行う請求項5に記載の光学用紫外線硬化接着層。
  7. 請求項5または6の光学用紫外線硬化接着層を含んでなることを特徴とする光学部材。
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