JP2015207663A - R−t−b系永久磁石、r−t−b系永久磁石用原料合金 - Google Patents

R−t−b系永久磁石、r−t−b系永久磁石用原料合金 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のR−T−B系永久磁石と比較して、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できること。
【解決手段】R−T−B系永久磁石における希土類元素Rのうちの所定量をY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素を選択し、さらに適量のCaを含むR−T−B系永久磁石用原料合金を用いることによって、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、R−T−B系永久磁石及びR−T−B系永久磁石用原料合金に関する。
正方晶R14B化合物を主相とするR−T−B系永久磁石(Rは希土類元素、TはFeまたはその一部がCoによって置換されたFe)は優れた磁気特性を有することが知られており、1982年の発明(特許文献1:特開昭59−46008号公報)以来、代表的な高性能永久磁石である。
特に、希土類元素RがNd、Pr、Dy、Ho、TbからなるR−T−B系永久磁石は異方性磁界Haが大きく永久磁石材料として広く用いられてきた。中でも希土類元素RをNdとしたNd−Fe−B系永久磁石は、飽和磁化Is、キュリー温度Tc、異方性磁界Haのバランスが良く、資源量、耐食性において他の希土類元素Rを用いたR−T−B系永久磁石よりも優れているために民生、産業、輸送機器などに広く用いられている。しかしながらNd−Fe−B系永久磁石は特に残留磁束密度の温度係数の絶対値が大きく、特に100℃を超える高温下では、室温での仕様に比べ、小さな磁束しか得られないという問題がある。
特開昭59−46008号公報 特開2011−187624号公報
残留磁束密度および保磁力の温度係数の絶対値が、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbに比して小さい希土類元素としては、Yなどが知られている。特許文献2にはR−T−B系永久磁石の希土類元素RをYとしたY−T−B系永久磁石が開示されており、異方性磁界Haの小さいYFe14B相を主相としながらも、YおよびBの量をYFe14Bの化学量論組成より大きくすることにより、実用的な保磁力を有する永久磁石が得られるとしている。さらに、R−T−B系永久磁石の希土類元素RをYとすることにより、Nd−Fe−B系永久磁石よりも残留磁束密度および保磁力の温度係数の絶対値が小さな永久磁石が得られる。しかしながら、特許文献2に開示されているY−T−B系永久磁石の残留磁束密度は0.5T〜0.6T程度、保磁力は250kA/m〜350kA/m程度であり、Nd−T−B系永久磁石の磁気特性よりも著しく低く、特許文献2に記載のY−T−B系永久磁石では、従来のNd−T−B系永久磁石の代替とすることは困難である。さらにYは酸化されやすい原料であるが、磁気特性のばらつきに関する記載もない。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、民生、産業、輸送機器などに広く用いられているR−T−B系永久磁石と比較して、特に100℃を超える高温下であっても、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のR−T−B系永久磁石用原料合金は、生成物の主相粒子の組成が(R11−xR214B(R1はY、La、Ceを含まない希土類元素の少なくとも1種であり、R2はY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素、0.1≦x≦0.5)であり、さらにCaの含有量が重量比で25ppm〜300ppmであることを特徴とする。係る構成をとることによって、従来のR−T−B系永久磁石と比較して、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石が安定して作製できる。
主相粒子組成としてY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素を選択することで、異方性磁界の温度係数の絶対値が、Nd等に比して小さくなり、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石を得ることができる。
一方で、Y、La、Ceは、Nd等に比して反応性が高いことが知られている。そのため、保管や粉砕工程において不純物との反応が発生し、安定して高い保磁力が得にくい。そこで、適量のCaを含むR−T−B系永久磁石用原料合金を用いることによって、原料合金の活性が低下し、保管や粉砕工程における不純物との反応を低減することができる。
さらに、Y、La、Ceは、各々Ndと融点が異なる。融点が異なる希土類元素が複数混在することによって焼結時に異常粒成長が発生しやすい。そこで、適量のCaを含むR−T−B系永久磁石用原料合金を用いることによって、焼結時に副相が存在し、異常粒成長を抑制することができる。
本発明に係るR−T−B系永久磁石用原料合金は、Oの含有量が重量比で500ppm〜5000ppmであることが好ましい。係る範囲とすることで、温度特性に優れた永久磁石がさらに安定して作製できる。
Oは一般的に磁気特性を劣化させると考えられているが、Oを適切な量含有することによって異常粒成長を抑制する効果を効果的に高めることができる。
[0007]に記載のR−T−B系永久磁石用原料合金を用いて焼結することによって、Caの含有量が重量比で15ppm〜250ppmであることを特徴とするR−T−B系永久磁石が得られる。
[0011]に記載のR−T−B系永久磁石用原料合金を用いて焼結することによって、Caの含有量が重量比で15ppm〜250ppmおよびOの含有量が重量比で600ppm〜6000ppmであることを特徴とするR−T−B系永久磁石が得られる。
本発明によれば、R−T−B系永久磁石における希土類元素Rのうちの所定量をY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素を選択し、さらに適量のCaを含むR−T−B系永久磁石用原料合金を用いることによって、磁気特性を著しく低下させることなく、温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できる。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石用原料合金は、生成物の主相粒子の組成が(R11−xR214B(R1はY、La、Ceを含まない希土類元素の少なくとも1種であり、R2はY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素、0.1≦x≦0.5)であり、さらにCaの含有量が重量比で25ppm〜300ppmであることを特徴とする。
R−T−B系永久磁石における希土類元素Rのうちの所定量をY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素を選択し、さらに適量のCaを含むR−T−B系永久磁石用原料合金を用いることによって、磁石作製工程における不純物との反応低減により不純物含有量が制御され、かつ異常粒成長抑制により主相粒子径の分布が改善される。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石用原料合金において、Caの含有量が重量比で25ppm〜300ppmである。25ppm未満であると、磁石作製工程における不純物との反応低減効果および異常粒成長抑制効果が十分に得られない。一方、300ppmを超えると副相の割合が高くなり、磁気特性が大幅に低下する。
ここで好ましくは、本実施形態に係るR−T−B系永久磁石用原料合金は、Oの含有量が重量比で500ppm〜5000ppmとする。係る範囲とすることで、CaとOを含む副相により異常粒成長を抑制する効果が高まり、主相粒子径の分布が改善される。500ppm未満であると、磁石作製工程における異常粒成長抑制効果が十分に得られない。一方、5000ppmを超えると副相の割合が高くなり、高い磁気特性が得られない。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石は、希土類元素を11at%〜18at%含有する。Rの量が11at%未満であると、R−T−B系永久磁石に含まれるR14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが18at%を超えるとR14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石において、希土類元素は原料に由来する不純物を含んでもよい。なお、R1は高い異方性磁界を得ることを考慮すると、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbであることが好ましく、また、原料価格と耐食性の観点から、Ndが更に好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石において、主相粒子の組成に占めるR2の量xは0.1≦x≦0.5である。xが0.1未満であると温度特性に優れた永久磁石が得られない。これは、Y、La、Ceの希土類元素に対する比率が小さいためと考えられる。xが0.5より大きいと、残留磁束密度Brが著しく低下する。これはR14B永久磁石中で、Y、La、CeがNd等と比して大きな磁化を示さないことに起因する。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石において、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素である。Co量はT量に対して0at%以上10at%以下が望ましい。Co量の増加によってキュリー温度を向上させることができ、温度上昇に対する保磁力の低下を小さく抑えることが可能となる。また、Co量の増加によって希土類永久磁石の耐食性を向上させることができる。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石は、Bを5at%〜8at%含有する。Bが5at%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが8at%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を8at%とする。また、Bはその一部をCで置換してもよい。Cの置換量はBに対して10at%以下とすることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石は、AlおよびCuの1種又は2種を0.01at%〜1.2at%の範囲で含有することができる。この範囲でAlおよびCuの1種又は2種を含有させることにより、得られる永久磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。
本実施形態に係るR−T−B系永久磁石用原料合金は、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。CaはCaあるいはCa合金等を使用することができる。Oは各酸化物を使用することができる。ただし、CaとOは原料金属の一部に含有される場合があるため、原料金属の純度レベルを選定し、全体のCaとOの含有量が所定の値になるように調整しなければならない。
以下、本件発明の製造方法の好適な例について説明する。
本実施形態のR−T−B系永久磁石の製造においては、まず、所望の組成を有するR−T−B系磁石が得られるような原料合金を準備する。原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1μm〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
本発明においてR−T−B系永久磁石を得る場合、原料合金として、1種類の合金から磁石を作成するいわゆるシングル合金法の適用を基本とするが、主相粒子であるR14B結晶を主体とする主相合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含み、粒界の形成に有効に寄与する合金(高R合金)とを用いる所謂混合法を適用することもできる。
原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金および高R合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素吸蔵のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5μm〜6μm、望ましくは3μm〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
微粉砕には湿式粉砕を用いても良い。湿式粉砕にはボールミルや湿式アトライタなどが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径1.5μm〜5μm、望ましくは2μm〜4.5μmとする。
成形時の潤滑および配向性の向上を目的とした脂肪酸又は脂肪酸の誘導体や炭化水素、例えばステアリン酸系やオレイン酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、炭化水素であるパラフィン、ナフタレン等を微粉砕時に0.01wt%〜0.3wt%程度添加することができる。
微粉砕粉は磁場中成形に供される。磁場中成形における成形圧力は0.3ton/cm〜3ton/cm(30MPa〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、40%〜60%である。
印加する磁場は、960kA/m〜1600kA/m程度とすればよい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
成形体は焼結工程に供される。焼結は真空又は不活性ガス雰囲気中にて行われる。焼結保持温度および焼結保持時間は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、凡そ1000℃〜1200℃、2時間〜20時間であればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。時効処理工程は保磁力を調整するに有効な工程であるが、時効処理工程のみにて保磁力のばらつきを低減することは困難である。
以下、本発明の内容を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
主相粒子の組成が(R11−xR214Bとなり、さらに所定のCaとOが添加されるように、希土類元素のメタル、電解鉄、フェロボロン、添加元素を所定量秤量し、ストリップキャスト法にて薄板状のR−T−B合金を作製した。この合金を水素気流中にて攪拌しながら熱処理することにより粗粉末にした後に、潤滑剤としてオレイン酸アミドを添加し、ジェットミルを用いて非酸化雰囲気中にて微粉末(平均粒径3μm)にした。得られた微粉末を金型(開口寸法:20mm×18mm)に充填し、加圧方向と直角方向に磁場(2T)を印加しながら2.0ton/cmの圧力にて1軸加圧成形した。得られた成形体を1090℃まで昇温し、4時間保持した後に、室温まで冷却させ、次いで、850℃−1時間、530℃−1時間の時効処理を行い、焼結体を得た。
ここで、TはFeを選択した。R1、R2の種類と量およびCaとOの量は表1に記載した種々の組合せで作製した。R2が複数含まれる場合、R2の各元素の数値はR2内での比率を表す。また、作製した焼結体におけるCaとOの量の分析結果も合わせて示す。
Figure 2015207663
表1より、請求項3および請求項4に記載の範囲のR−T−B系永久磁石用原料合金を用いて作製した場合は、CaとOの含有量が請求項1および請求項2に記載の範囲のR−T−B系永久磁石となっていることが分かる。
作製した焼結体の100℃における磁気特性を、BHトレーサーにて測定した。すべての組合せで100個ずつ作製し、残留磁束密度と保磁力は100個の平均値とした。また、保磁力の分布を(最大値−最小値)/(最大値+最小値)×100と定義して算出した。結果を表2に示す。
Figure 2015207663
実施例および比較例から明らかなように、請求項1の組成範囲にある場合に、温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できていることが分かった。さらに、請求項1および請求項2の組成範囲にある場合に、特に温度特性に優れた永久磁石を安定して作製できていることが分かった。

Claims (4)

  1. 主相粒子の組成が(R11−xR214B(R1はY、La、Ceを含まない希土類元素の少なくとも1種であり、R2はY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素、0.1≦x≦0.5)であり、さらにCaの含有量が重量比で15ppm〜250ppmであることを特徴とするR−T−B系永久磁石。
  2. Oの含有量が重量比で600ppm〜6000ppmであることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系永久磁石。
  3. 生成物の主相粒子の組成が(R11−xR214B(R1はY、La、Ceを含まない希土類元素の少なくとも1種であり、R2はY、La、Ceの1種以上からなる希土類元素であり、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素、0.1≦x≦0.5)であり、さらにCaの含有量が重量比で25ppm〜300ppmであることを特徴とするR−T−B系永久磁石用原料合金。
  4. Oの含有量が重量比で500ppm〜5000ppmであることを特徴とする請求項3に記載のR−T−B系永久磁石用原料合金。
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