JP2015206122A - 電気Niめっき液 - Google Patents

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政男 高見沢
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宜幸 西村
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千紗 福田
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Abstract

【課題】均質な多孔質Niめっき層が形成できる電気Niめっき液の提供。【解決手段】Niイオンを0.01〜1mol/L、アンモニアを0.2〜30mol/L、並びにアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンから選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有し、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH3/Niイオン)が1以上であり、かつpHが6以上である電気Niめっき液。孔径を大きくしたい場合は水性ポリマーを、小さくしたい場合は界面活性剤を含有する電気めっき液。Niイオン、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンのカウンターアニオンとして、塩化物イオン、硫酸イオン、スルファミン酸イオン及び酢酸イオンから選択される少なくとも1種のイオンを含有する電気Niめっき液。【選択図】図1

Description

本発明は導電性金属からなる基材にめっき層を形成するための電気Niめっき液に関する。
電気Niめっきは導電性金属からなる基材の表面にNiめっき層を形成する表面処理法の一種であり、得られるNiめっき層は耐食性に優れている。そのため、電気Niめっきが施されためっき品は自動車や家電製品用の電子部品などに広く用いられている。近年、自動車や家電製品の高機能化に伴い、電気的、機械的、あるいは化学的な特性をより向上させためっき品が求められている。
基材の表面に、多孔質Niめっき層を形成させることで、めっき品の電気的、機械的、あるいは化学的な特性をより向上させることができることが知られている。そして、多孔質Niめっき層を有するめっき品は、低い接触電気抵抗及び優れた耐食性や摺動性を有しているのでコネクタなどの電気部品として用いることができるし、多数の孔を有し表面積が広いので水素発生用電極などの電極として用いることもできるし、良好な放熱性を有しているので放熱板として用いることもできるとされている。そのため、基材の表面に多孔質Niめっき層を形成する技術は、近年、特に重要な技術の一つであるとされている。
基材の表面に多孔質Niめっき層を形成する方法として、特許文献1に記載の方法を挙げることができる。特許文献1には、4級アンモニウム塩(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド)が添加されためっき液に基材を浸漬し、該基材に電気めっきを施すことにより基材の表面に多孔質Niめっき層を形成する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されている方法は、特殊な塩が添加されためっき液を使用しなければならず、必ずしも簡易な方法ではなかった。
特許文献2には、Niめっきの表面を粗化することにより他の膜との密着性を向上させることが開示されている。特許文献2には、粗いめっき層を形成するためのニッケルめっき浴に使用されるめっき液には、2.5〜3.5g/Lの硫酸ニッケルまたは塩化ニッケル、2.5〜3.0g/Lの硫酸アンモニウム、4.5〜5.0g/Lの硫酸ナトリウム、1.5〜2.0g/Lの塩化ナトリウム、及び2.0〜3.0g/Lのホウ酸が含まれ得ると記載されている。そして、10ASD(A/dm)以上の高電流密度で電流を印加することにより、表面粗さが大きいニッケルめっき層を形成することができると記載されている。しかしながら、多孔質Niめっき層を形成することはできず、表面を粗化しただけではめっき品の電気的、化学的な特性を向上させることはできなかった。
非特許文献1には基材の表面に多孔質Niめっき層を形成する方法が記載されている。具体的には、非特許文献1には、塩化Niを0.2M、塩化アンモニウムを2.0M含有し、pHが3.61のめっき液を用いて電気Niめっき処理することが記載されている。このとき、陰極電流密度を300mA/cm(30A/dm)超とすることで、表面全体に空洞や細孔が分布したNiめっき層が得られるとされている。しかしながら、非特許文献1に記載された方法では、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層を形成することができず、得られるめっき品の電気的、機械的、あるいは化学的な特性を十分に向上させることは期待できなかった。
国際公開第2013/094766号 特開2010−118662号公報
C.A. Marozzi, A.C. Chialvo, Electrochimica Acta 45 (2000) 2111-2120
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、基材の表面に均質な多孔質Niめっき層が形成されためっき品を簡易に製造することができる電気Niめっき液を提供することを目的とするものである。
上記課題は、導電性金属からなる基材にめっき層を形成するための電気Niめっき液であって;Niイオンを0.01〜1mol/L、アンモニアを0.2〜30mol/L、並びにアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有し、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1以上であり、かつpHが6以上であることを特徴とする電気Niめっき液を提供することによって解決される。
このとき、前記電気Niめっき液が、Niイオン、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンのカウンターアニオンとして、塩化物イオン、硫酸イオン、スルファミン酸イオン及び酢酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを含有することが好ましい。
前記電気Niめっき液が、水溶性ポリマーを0.01〜5g/L含有することが好ましい。また、前記電気Niめっき液が、界面活性剤を0.1〜100mg/L含有することも好ましい。
本発明によれば、基材の表面に均質な多孔質Niめっき層が形成されためっき品を簡易に製造することができる電気Niめっき液を提供することができる。
実施例1のめっき品の表面を撮影した二次電子像である。 比較例1のめっき品の表面を撮影した二次電子像である。 比較例2のめっき品の表面を撮影した二次電子像である。 実施例12のめっき品の表面を撮影した顕微鏡写真である。
本発明は、導電性金属からなる基材にめっき層を形成するための電気Niめっき液に関する。本発明の電気Niめっき液は、Niイオンを0.01〜1mol/L、アンモニアを0.2〜30mol/L、並びにアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有し、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1以上であり、かつpHが6以上であるめっき液である。本発明の電気Niめっき液は、多孔質Niめっき層を形成するときに好適に用いられるめっき液である。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、導電性金属からなる基材を、Niイオンを0.01〜1mol/L(M)含有するpHが6以上の液に浸漬し、10A/dm以上の陰極電流密度で電気めっきを施すことで、基材の表面に均質な多孔質Niめっき層を形成することができることを見出した。pHの高いめっき液を用いて、高い陰極電流密度で基材に電気Niめっきを施すと、当該基材の表面に均質な多孔質Niめっき層が形成される。このような簡易な方法で均質な多孔質Niめっき層が得られることは本発明者らが検討することによって今回初めて明らかになったことであり、驚きである。本発明において「多孔質Niめっき層」とは、基材に向かって窪んだ複数の孔部を有するNiめっき層のことである。
本発明で用いられるめっき液は、Niイオンを0.01〜1mol/L含有する。Niイオンの含有量が0.01mol/L未満であると、多孔質Niめっき層の強度が低下する。Niイオンの含有量は0.05mol/L以上であることが好ましく、0.1mol/L以上であることがより好ましい。一方、Niイオンの含有量が1mol/Lを超えると、基材表面に多孔質Niめっき層を形成することができない。Niイオンの含有量は0.8mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以下であることがより好ましい。このとき、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、めっき液にNiイオン以外の金属イオンが含まれていてもかまわないが、めっき液がNiイオンを0.01〜1mol/L含有し、実質的にNiイオン以外の金属イオンを含有しないことが好ましい。めっき液にNiイオン以外の金属イオンが含まれていると、得られるNiめっき層の耐食性が低下するおそれがあるからである。
上記めっき液のpHは6以上である。めっき液のpHが6未満であると均質な多孔質Niめっき層を形成することができない。めっき液のpHは7以上であることが好ましく、7.5以上であることがより好ましく、8以上であることがさらに好ましい。一方、pHの上限は特に限定されず、pHは通常14以下であり、好ましくは12以下であり、より好ましくは9.5以下である。
めっき液のpHを上記の範囲に調整する方法は特に限定されず、アンモニア;水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩などをめっき液に添加する方法を挙げることができる。上述したように、めっき液にNiイオン以外の金属イオンが含まれていることは好ましくない。pHの調整にアンモニアを用いることによって、めっき液にNiイオン以外の金属イオンが含まれることを防ぐことができる。この観点から、めっき液が、アンモニアを用いてpHが6以上に調整された液であることが好ましい。ここでいうアンモニアは、解離してアンモニウムイオンになっているものを含まない。アンモニアを用いてpHを調整する場合、その方法は特に限定されず、めっき液にアンモニアの水溶液を添加する方法や、めっき液にアンモニアガスを吹き込む方法が例示される。
このとき、めっき液がアンモニアを0.2〜30mol/L含有する。ここでいうアンモニアの含有量とは、めっき液に添加したアンモニアのモル数からめっき液1Lあたりのアンモニア濃度を算出して得られた値である。アンモニアの含有量が0.2mol/L未満であると、めっき液のpHが6以上にならないおそれがある。アンモニアの含有量は0.3mol/L以上であることが好ましく、0.5mol/L以上であることがより好ましい。一方、アンモニアの含有量が30mol/Lを超えると、製造コストが上昇するとともに、臭気により作業環境が悪化して工業的な実施が困難になるおそれがある。アンモニアの含有量は20mol/L以下であることが好ましく、10mol/L以下であることがより好ましい。
また、めっき液に水酸化ナトリウム等の金属水酸化物を加えてpHを調整した場合にはNiイオンが水酸化Niとなって沈殿することがあるが、めっき液にアンモニアを加えても沈殿は生じない。これは、めっき液中のNiイオンにアンモニアが配位してアンミン(アンモニア)錯体を形成するからであると考えられる。ここで、めっき液において、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1以上である。Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1未満であると、Niイオンに配位するアンモニアの量が少なくなり、アンミン錯体の形成が困難になるおそれがある。Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。一方、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)の上限は特に限定されないが、当該モル比が大きすぎると、Niイオンに配位していないアンモニアが過剰に存在することになり、コスト面で不利になるとともに、作業環境が悪化するおそれがある。Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)は、通常30以下である。
めっき液が、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有する。上記イオンの含有量が0.2mol/L未満であると、めっき液の液抵抗が大きくなり、高電流密度で電気Niめっきを行った際に短時間でめっき液の温度が上昇し、めっき品の連続生産が困難になるおそれがある。上記イオンの含有量は0.5mol/L以上であることが好ましい。一方、上記イオンの含有量が10mol/Lを超えるめっき液を得ようとすると、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンのイオン源としてのアンモニウム塩やアルカリ金属塩を大量に溶解させなければならず、製造コストが上昇するおそれがある。上記イオンの含有量は5mol/L以下であることが好ましい。
Niイオン、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンのカウンターアニオンの種類は特に限定されない。カウンターアニオンとしては、塩化物イオンなどのハロゲン化物イオン;硫酸イオン;スルファミン酸イオン;酢酸イオン;硝酸イオン;クエン酸イオンなどを挙げることができる。中でも入手容易で安価な観点から、めっき液が、前記カウンターアニオンとして、塩化物イオン、硫酸イオン、スルファミン酸イオン及び酢酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを含有することが好ましく、塩化物イオン及び/又は硫酸イオンを含有することがより好ましい。
本発明で用いられる基材は導電性金属からなるものであればよく、その材料は特に限定されない。中でも、導電性能などの観点から、銅又は銅を主成分とする合金が好適に使用される。ここで、「主成分とする」とは50重量%以上含有するという意味である。
本発明で用いられる基材は多層構造体であってもかまわない。この場合、Niめっき層が形成される面、すなわち表層が導電性金属からなる層であればよく、他の層は導電性金属からなる層であってもかまわないし、セラミックス、樹脂などのような非金属材料からなる層であってもかまわないし、シリコンなどのような導電性の低い半金属材料からなる層であってもかまわない。ここでいう半金属材料とは、一定の導電性を示すが、通常の電気めっきを施すことができるほどの導電性を有していないものをいう。
非金属材料や半金属材料に対しても、その表面に導電性金属層を形成することにより本発明の多孔質Niめっき層を形成することができる。表面に導電性金属層を形成する方法としては、無電解めっき法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、コールドスプレー法、エアゾルデポジション法などが挙げられる。また、表面に導電性ペーストや導電性ポリマーを塗布する方法も挙げられる。導電性金属としては、Ni、Cu、Al、Zn、Au、Ag、Cr、Ti、Sn、Pd、Ru、Rhなどが挙げられ、それらの合金も用いることができる。例えば、表面に多孔質Niめっき層が形成されたシリコンウェハーは半導体チップからの放熱性に優れているので好適である。
基材に電気めっきを施す際の陰極電流密度は特に限定されないが、10A/dm以上であることが好ましい。ここで陰極電流密度とは、電気Niめっきを施す際に基材(カソード)に流した電流値を当該基材1dmあたりの電流値に換算した値のことである。陰極電流密度が10A/dm未満であると、均質な多孔質Niめっき層を形成することができない。陰極電流密度は12A/dm以上であることがより好ましい。一方、陰極電流密度の上限は特に限定されず、陰極電流密度は通常1000A/dm以下であり、好ましくは500A/dm以下であり、より好ましくは300A/dm以下である。
めっき時間は特に限定されず、多孔質Niめっき層が所望の厚みになるように適宜設定することができる。めっき液の温度も特に限定されないが、温度が高すぎると溶媒の蒸発によるめっき液の組成の変化が懸念されるので、温度は通常50℃以下である。
このように、基材を上記めっき液に浸漬し、上記条件で基材に電気めっきを施すことにより、表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されためっき品を得ることができる。
こうして得られた、多孔質Niめっき層に形成された孔の平均径が、面積荷重平均値で1〜300μmであることが好ましい。平均径が1μm未満であると、めっき品の耐食性を改善させる目的で基材に多孔質Niめっき層を形成させたとしても腐食電流を分散させることができず耐食性が改善されないおそれがある。孔の平均径は5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。孔の平均径が300μmを超えると、多孔質Niめっき層の強度が低下するおそれがあり、200μm以下であることが好ましい。めっき品を電気的接点として用いた場合に接触電気抵抗値が増大し電気伝導性が低下するおそれがある。かかる観点から、孔の平均径は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。ここで、孔の平均径は、めっき品の表面の走査型電子顕微鏡写真(二次電子像)又は顕微鏡写真の中から複数の孔を選び、それら孔の直径を計測し面積荷重平均することによって得られる。孔が円形でない場合には、円相当径を直径とする。
こうして得られためっき品は、良好な放熱性を有しているので放熱板として用いることもできるし、低い接触電気抵抗及び優れた耐食性や摺動性を有しているのでコネクタなどの電気部品として用いることもできる。放熱性を重視する場合には、多孔質Niめっき層に形成された孔の平均径は大きい方が好ましい。一方、接触電気抵抗、耐食性、摺動性を重視する場合には、多孔質Niめっき層に形成された孔の平均径は小さい方が好ましい。本発明の電気Niめっき液に水溶性ポリマー又は界面活性剤を添加することにより多孔質Niめっき層の孔径をコントロールすることが可能になる。
多孔質Niめっき層に形成される孔の平均径を大きくしたい場合には、めっき液が水溶性ポリマーを含有することが好ましい。後述する実施例からも分かるように、めっき液が水溶性ポリマーを含有する場合、水溶性ポリマーを含有しない場合と比べて多孔質Niめっき層に形成された孔の平均径は大きくなった。水溶性ポリマーの含有量は0.01〜5g/Lであることが好ましい。水溶性ポリマーの含有量が0.01g/L未満の場合、水溶性ポリマーを添加する効果が不十分となるおそれがある。水溶性ポリマーの含有量は0.05g/L以上であることがより好ましい。一方、水溶性ポリマーの含有量が5g/Lを超えると、均質な多孔質Niめっき層を形成することができないおそれがある。水溶性ポリマーの含有量は2g/L以下であることがより好ましく、1g/L以下であることがさらに好ましい。
めっき液に水溶性ポリマーを添加することでこのような現象が生じた理由は現時点では必ずしも明らかではない。水溶性ポリマーが増粘剤として働くことによって、めっき液が増粘し、めっき形成反応に影響を与えている可能性が考えられる。このときのめっき液の粘度は、水溶性ポリマーを添加する前の粘度(mPa・s)に比べて、1.1倍以上の粘度を有することが好ましく、1.2倍以上の粘度を有することがより好ましい。
水溶性ポリマーの種類は特に限定されず、水酸基やカルボキシル基などを有する水溶性のポリマーを挙げることができる。均質な多孔質Niめっき層が得られる点から、カルボキシル基を有するもの、例えば、ポリアクリル酸が好適である。
一方、多孔質Niめっき層に形成される孔の平均径を小さくしたい場合には、めっき液が界面活性剤を含有することが好ましい。中でも、界面活性剤がアニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤であることがより好ましい。後述する実施例からも分かるように、めっき液が界面活性剤を含有する場合、これらの界面活性剤を含有しない場合と比べて多孔質Niめっき層に形成された孔の平均径は小さくなった。界面活性剤の含有量は0.1〜100mg/Lであることが好ましい。界面活性剤の含有量が0.1mg/L未満の場合、界面活性剤を添加する効果が不十分となるおそれがある。界面活性剤の含有量は0.2mg/L以上であることがより好ましい。一方、界面活性剤の含有量が100mg/Lを超えると、均質な多孔質Niめっき層を形成することができないおそれがある。界面活性剤の含有量は50mg/L以下であることがより好ましい。
多孔質Niめっき層の厚みが1〜300μmであることが好ましい。厚みが1μm未満であると、多孔質Niめっき層が脆くなり基材から剥がれやすくなるおそれがある。また、厚みが1μm未満であると、放熱性が良好なめっき品を得る目的で基材に多孔質Niめっき層を形成させたとしても放熱性が十分に改善されないおそれがある。多孔質Niめっき層の厚みは5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。一方、多孔質Niめっき層の厚みが300μmを超えると製造コストが上昇するおそれがある。ここで、多孔質Niめっき層の厚みとは、基材表面から多孔質めっき層の凸部までの厚さのことをいう。
このように、高い電流密度で電気Niめっきを施すことにより、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層を形成することができる。このようなめっき条件で電気めっきを施して基材に多孔質Niめっき層を形成する場合、Niイオンを0.01〜1mol/L、アンモニアを0.2〜30mol/L、並びにアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有し、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1以上であり、かつpHが6以上であることを特徴とするめっき液が用いられる。このとき、当該めっき液に水溶性ポリマー又は界面活性剤が含まれていてもかまわない。めっき液におけるこれらの種類や含有量及びこれらを含有させることによる効果については上述した通りである。
本発明の電気Niめっき液を用いれば、基材の表面に均質な多孔質Niめっき層が形成されためっき品を容易に得ることができる。そして、得られためっき品は電気的、機械的、化学的特性に優れているので用途は多岐にわたる。具体的には、このようにして得られためっき品は、低い接触電気抵抗及び優れた耐食性や摺動性を有しているのでコネクタなどの電気部品として用いることができるし、多数の孔を有し表面積が広いので水素発生用電極などの電極として用いることもできるし、良好な放熱性を有しているので放熱板として用いることもできる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(Niめっき液の調製)
イオン交換水に下記の化合物を溶解させた。濃度は以下の通りである。
・塩化ニッケル[NiCl2・6H2O]:0.1M(mol/L)
・塩化アンモニウム[NH4Cl]:2.0M(mol/L)
こうして得られた水溶液に28質量%アンモニア水を加え、pHが8.5のNiめっき液を調製した。このとき、めっき液に添加したアンモニアのmol数からめっき液1Lあたりのアンモニア濃度を算出すると、その値は0.98Mであった。
(電解脱脂処理)
まず、基材として20mm×20mm×0.3mmの銅板を用意し、ユケン工業株式会社製の電解脱脂剤「パクナTHE−210」を50g/Lの濃度で溶解した50℃の水溶液に浸漬した。当該銅板をカソードとして、陰極電流密度5A/dmで60秒間、通電して脱脂処理を行った。脱脂処理された基材をイオン交換水で3回水洗した後、10vol%の硫酸水溶液に室温にて60秒間浸漬し酸洗浄した。引き続き、再度、3回水洗した。
(Niめっき層の形成)
電解脱脂処理された基材を、30℃に保温した上記Niめっき液に浸漬した。そして、空気撹拌を行いながら、陰極電流密度30A/dmで300秒間、電気Niめっき処理をした。次いで、基材をイオン交換水で3回洗浄した後、50℃の水酸化ナトリウム水溶液(50g/L)に60秒間浸漬した。次いで、基材をイオン交換水で3回洗浄した後、50℃のイオン交換水中に浸漬して、60秒間超音波洗浄してめっき品を得た。Niめっき層の厚みは約50μmであった。
(Niめっき層の評価)
(1)表面観察
株式会社日立ハイテクノロジーズ社製の電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)「S−4800」を用い、めっき品の表面を撮影し二次電子像を得た。得られた二次電子像を図1に示す。
そして、得られためっき品の二次電子像を肉眼にて観察し、以下の基準にて評価した。結果を表1に示す。
A:基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた。
B:基材の一部にのみ多孔質Niめっき層が形成されていた。
C:多孔質Niめっき層は形成されなかった。
(2)孔径
得られためっき品の二次電子像から複数の孔を選び、それら孔の直径を計測し面積荷重平均した。孔が円形でない場合には、円相当径を直径とした。結果を表1に示す。
実施例2
Niめっき液のpHを表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成した。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表1に示す。
実施例3〜7
陰極電流密度を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
表1に示すようにNiめっき液のpHを変更した以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表1に示す。また、比較例1のめっき品の表面を撮影した二次電子像を図2に示す。
比較例2
Niめっき液中の塩化ニッケル濃度を0.2Mに変更して、アンモニア水でpHを調整しなかった以外は実施例1と同様にしてNiめっき液を調製した。このときのNiめっき液のpHは3.5であった。そして、陰極電流密度を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させてNiめっき層を評価した。結果を表1に示す。また、比較例2のめっき品の表面を撮影した二次電子像を図3に示す。
Figure 2015206122
表1に示すように、本発明の製造方法で得られためっき品は、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた(実施例1〜7)。一方、本発明で規定した条件を満たさない製造方法で得られためっき品は、基材の一部にのみ多孔質Niめっき層が形成され、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層は形成されなかった(比較例1及び2)。
実施例8
実施例1で用いためっき液の代わりに、下記のめっき液を調製して用いた以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
(Niめっき液の調製)
イオン交換水に下記の化合物を溶解させた。濃度は以下の通りである。めっき液の粘度は1.8mPa・sであった。
・硫酸ニッケル[NiSO4・6H2O]:0.15M
・塩化ニッケル[NiCl2・6H2O]:0.05M
・硫酸アンモニウム[(NH4)2SO4]:1.0M
こうして得られた水溶液に28質量%アンモニア水を加え、pHが8.5のNiめっき液を調製した。このとき、めっき液に添加したアンモニアのmol数からめっき液1Lあたりのアンモニア濃度を算出すると、その値は0.98Mであった。
実施例9
実施例8のめっき液に水溶性ポリマーであるカルボキシビニルポリマー(和光純薬工業社の商品名「ハイビスワコー105」:架橋型ポリアクリル酸)を0.1g/L添加した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。めっき液の粘度は2mPa・sであった。得られたNiめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例10
実施例8のめっき液に水溶性ポリマー(和光純薬工業社の商品名「ハイビスワコー105」)を0.3g/L添加した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。めっき液の粘度は2.4mPa・sであった。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例11
めっき時間を600秒に変更した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約100μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例12
実施例8のめっき液に水溶性ポリマー(和光純薬工業社の商品名「ハイビスワコー105」)を0.1g/L添加し、めっき時間を600秒に変更した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約100μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。また、顕微鏡を用いてめっき品の表面を観察した。得られた顕微鏡写真を図4に示す。
実施例13
実施例8のめっき液に水溶性ポリマー(和光純薬工業社の商品名「ハイビスワコー105」)を0.3g/L添加し、めっき時間を600秒に変更した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約100μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例14
実施例8のめっき液にアニオン性界面活性剤(AGCセイミケミカル株式会社製の商品名「サーフロンS−211」)を1mg/L添加した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例15
アニオン性界面活性剤の添加量を5mg/Lに変更した以外は実施例14と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例16
アニオン性界面活性剤の添加量を10mg/Lに変更した以外は実施例14と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例17
実施例8のめっき液に両性界面活性剤(AGCセイミケミカル株式会社製の商品名「サーフロンS−231」)を1mg/L添加した以外は実施例8と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例18
両性界面活性剤の添加量を5mg/Lに変更した以外は実施例17と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
実施例19
両性界面活性剤の添加量を10mg/Lに変更した以外は実施例17と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表2に示す。
比較例3
実施例8の液に28質量%アンモニア水を加えて、pHが5.0のNiめっき液を調製した。しかしながら、調製したNiめっき液に沈殿が発生したため、めっき処理を行うことができなかった。
Figure 2015206122
表2に示すように、本発明の製造方法で得られためっき品は、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた(実施例8)。また、めっき液に水溶性ポリマーを添加してNiめっきを施すと孔の平均径は大きくなり(実施例9、10、12及び13)、めっき液にアニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を添加してNiめっきを施すと孔の平均径は小さくなった(実施例14〜19)。
実施例20
実施例1で用いためっき液の代わりに、下記のめっき液を調製して用いた以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表3に示す。
(Niめっき液の調製)
イオン交換水に下記の化合物を溶解させた。濃度は以下の通りである。
・スルファミン酸ニッケル[Ni(NH2SO3)2・4H2O]:0.2M
・スルファミン酸アンモニウム[NH4OSO2NH2・H2O]:2.0M
こうして得られた水溶液に28質量%アンモニア水を加え、pHが8.5のNiめっき液を調製した。このとき、めっき液に添加したアンモニアのmol数からめっき液1Lあたりのアンモニア濃度を算出すると、その値は1.8Mであった。
比較例4
表3に示すようにNiめっき液のpHを変更した以外は実施例20と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2015206122
表3に示すように、本発明の製造方法で得られためっき品は、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた(実施例20)。一方、本発明で規定した条件を満たさない製造方法で得られためっき品は、基材の一部にのみ多孔質Niめっき層が形成され、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層は形成されなかった(比較例4)。
実施例21
実施例1で用いためっき液の代わりに、下記のめっき液を調製して用いた以外は実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させた。Niめっき層の厚みは約50μmであった。そして、実施例1と同様にしてNiめっき層を評価した。結果を表4に示す。
(Niめっき液の調製)
イオン交換水に下記の化合物を溶解させた。濃度は以下の通りである。
・酢酸ニッケル[Ni(CH3COOH)2・4H2O]:0.2M
・酢酸アンモニウム[CH3COONH4]:1.0M
こうして得られた水溶液に28質量%アンモニア水を加え、pHが8.5のNiめっき液を調製した。このとき、めっき液に添加したアンモニアのmol数からめっき液1Lあたりのアンモニア濃度を算出すると、その値は1.97Mであった。
比較例5
アンモニア水でpHを調整しなかった以外は実施例21と同様にしてNiめっき液を調製した。このときのNiめっき液のpHは5.0であった。そして、実施例1と同様にして、基材にNiめっき層を形成させてNiめっき層を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2015206122
表4に示すように、本発明の製造方法で得られためっき品は、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた(実施例21)。一方、本発明で規定した条件を満たさない製造方法で得られためっき品は、基材の一部にのみ多孔質Niめっき層が形成され、基材の表面全体に均質な多孔質Niめっき層は形成されなかった(比較例5)。
実施例22
シリコンウェハーの表面に厚さ5μmの無電解Niめっき層を形成した。そして、実施例1と同様の電気Niめっき施して、無電解Niめっき層の表面に多孔質Niめっき層を形成した。多孔質Niめっき層の厚さは100μmであった。シリコンウェハーの表面を観察したところ、表面全体に均質な多孔質Niめっき層が形成されていた。孔の平均径は22μmであった。

Claims (4)

  1. 導電性金属からなる基材にめっき層を形成するための電気Niめっき液であって;
    Niイオンを0.01〜1mol/L、アンモニアを0.2〜30mol/L、並びにアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを0.2〜10mol/L含有し、Niイオンに対するアンモニアのモル比(NH/Niイオン)が1以上であり、かつpHが6以上であることを特徴とする電気Niめっき液。
  2. 前記電気Niめっき液が、Niイオン、アンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンのカウンターアニオンとして、塩化物イオン、硫酸イオン、スルファミン酸イオン及び酢酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを含有する請求項1に記載の電気Niめっき液。
  3. 前記電気Niめっき液が、水溶性ポリマーを0.01〜5g/L含有する請求項1又は2に記載の電気Niめっき液。
  4. 前記電気Niめっき液が、界面活性剤を0.1〜100mg/L含有する請求項1又は2に記載の電気Niめっき液。
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