JP2007138224A - アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面加工方法及び該方法により加工された表面を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材 - Google Patents

アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面加工方法及び該方法により加工された表面を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性が要求される電子機器用途に使用されるアルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面を樹脂との接着性、耐熱性が安定して得られる形状に粗化する方法を提供する。
【解決手段】遷移金属イオンを最適範囲の濃度で含有する溶液にアルミニウム材又はアルミニウム合金材を浸漬して表面に遷移金属被膜を置換析出させ、次いでこの遷移金属被膜の溶解反応時にアルミニウム材又はアルミニウム合金材表面にエッチング処理を施すことにより、表面から蛇行経路を持った(蟻の巣状の)マイクロポアにより形成された粗化面を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材を得る。
【選択図】図3

Description

本件発明は、アルミニウム材又はアルミニウム合金材(本件発明では以降これらの材料を総称する際の呼称を「アルミニウム(合金)材」とする)の表面粗化用の表面加工溶液を用いたアルミニウム(合金)材の粗化面の形成方法並びに該方法により加工された表面を有するアルミニウム(合金)材に関する。より具体的には接着対象とできる樹脂類の範囲が広く、且つ接着後の耐熱性にも優れた形状にアルミニウム(合金)材を表面粗化する目的に適した溶液を用いたアルミニウム(合金)材の粗化面の形成方法並びに該粗化面の形成方法から得れた粗化面を有するアルミニウム(合金)材に関する。
最近の電子機器には多機能が要求されてきており、故にその動作環境には以前に比べ高速処理の必要性が強くなっているが、同時にコストダウンに対する要求も強い。コストダウン要求に対しては使用する部品や材料に安価なものを採用して対応してきているが、その一つとしてフレキシブルプリント配線板に銅箔ではなくアルミニウム(合金)箔を張合わせたものを使用している例もある。
そして、高速化の要求に対応するためにCPUのクロック周波数は年々上昇を続けており発熱量の増加が問題視されてきた。この問題解決のために動作電圧の低下を図って消費電力を低下させようという試みもなされておりその成果が得られてはきているものの、機能部品に対する放熱対策が重要であるとの認識がより以上に強くなっている。そして、近年は基板全体で放熱を管理するとの発想からアルミニウム(合金)プレートを全面に配備した金属基板や、回路の一部分に厚い銅層を設けてヒートパイプとして使用する方法が一部採用されている。そして最近は騒音問題にも配慮して水冷方式も採用されてはきているが、このような電子機器の熱対策として一般的に採用されているのは、相変わらずコストが低く取り扱いが容易なアルミニウム(合金)を放熱板(ヒートシンク)として用いる手法である。
この場合、発熱量の多い機能部品とヒートシンクであるアルミニウム(合金)を接着剤を介して接着するのであるが、接着性に乏しいアルミニウム(合金)を実装部品と強固に接着するために、その表面には粗化処理などが施されている。従来行われていた接着力強化処理の手法としては、機械的な手法であるブラシ又はバフによる研磨、物理的な手法であるサンドブラスト処理、そして化学的な手法である化成処理やエッチング処理が一般的に採用されていた。
そこでアルミニウム又はアルミニウム合金の用途の歴史を振り返ってみれば、建材用途として市場が広がり、その後電子産業用途、特には電解コンデンサ用途で重要な素材として技術開発が進められてきたと言うことが下記に参照した特許文献からも明らかである。建材用途に関連する技術では、特許文献1に耐候性や耐熱性そして塗装下地としての密着性に着目したマイクロポアの形成が開示され、特許文献3には外観の色調に着目した技術が開示されている。これらからもわかるように、現在に至るまで建材用途で用いられている陽極酸化やジンケート処理などの化成処理技術、及び電解コンデンサ用途の技術であるアルミニウム箔の交流電解によるマイクロエッチング技術から派生して応用している例が多く見受けられている。
そして、これら特許文献のうち樹脂との接着力に着目しているものは特許文献2、特許文献4及び特許文献5である。特許文献2は薬品包装用途における気密バリアー性の確保を目的としたプラスチックフィルムとの張り合わせに関する技術を開示しているものである。この文献では密着性に焦点を当てているものの、この用途では熱可塑性接着剤を用いるのが一般的であり、また使用環境が常温であることも手伝って耐熱性は要求されていない。したがって、回路基板等において放熱目的で特許文献2に開示されている技術を応用しようとしても耐熱樹脂が適用されるため、十分な接着力が得られないか又は使用中のヒートサイクルに起因して剥離が起こってしまうと考えられる。
そして、特許文献5にもモールド成形時の樹脂との接着性に着目したアルミニウム(合金)の表面処理技術が開示されている。この技術も前述の特許文献2と同様に接着対象は熱可塑性樹脂であり、成形後の温度衝撃サイクル試験は例えば−40℃と+85℃間を数百サイクル繰り返す試験であって、本件発明の属する分野、特に耐熱樹脂を使用する用途における要求水準からはほど遠いものである。
そして、特許文献4にはアルミニウム(合金)材を薬液を用いたコンベア式ラインで連続粗化処理する技術が開示されている。得られた製品の接着対象としているのは前述の特許文献2件とは異なり熱硬化性樹脂である。ここに示された技術思想は混合薬品の溶液によってアルミニウム(合金)材を溶解して深く粗化するというものであり、溶液中に添加されている金属イオンはアルミニウム(合金)材の表面清浄及び酸化という機能を分担し、無機酸が酸化されたアルミニウム及び合金成分を溶解していくという機能を果たしている。
しかしながら、アルミニウムの溶解反応が発熱反応であり、また水素の発生を招くものであって且つ溶解速度が温度の影響を大きく受けるものであることは当業者にとっては公知であり、表面の粗化反応の進行速度は薬液処理時の液温変動の影響を大きく受けることになってしまうのである。したがって、実施例では溶解厚さを7ミクロンとしているが、連続処理をしたとしても工程の開始段階と終了段階までの間に薬液の温度変化と濃度変化が同時に起こっていることを考えると、溶解反応速度のコントロールは容易ではなく、粗化形状の作り込みと均一な粗化状態を得ることは難しいと言わざるを得ない。
したがって、加工により得られた製品の用途が特許文献4に開示されてる放熱基板(金属基板)であれば、全面の貼り付けであることと、一般的にエポキシ系樹脂が使用されているために、形成された粗化面がスプーンカット状の形状を示していたとしても接着力及び耐熱性に不満は見られないのである。しかし、ポリイミド樹脂など高温耐熱性を有する樹脂や熱伝導性を高めたフィラー入り樹脂等に対しては接着性のばらつきが大きくなり耐熱性に対してはより以上のばらつきとして現われてしまうために、特許文献4に開示されている技術はどのような樹脂に対しても安定して適用できる技術であるとは言い難い。
さらに、この技術では薬液中に常にアルミニウムよりも貴な金属イオンが存在しているために、最終製品の表面から鉄や銅の置換析出皮膜を完全に除去することはそのプロセス構成から困難であることも明らかである。また、アルミニウム層の溶解量7μm相当の溶解反応で発生した水素の雰囲気中の濃度を爆発限界以下に維持するためには、その溶解速度の変動に起因して変動してしまう発生量の管理が困難である故に安全対策上は定常状態に比較して過剰な設備仕様が要求されることになってしまい、経済的にも好ましくないのである。
特開平6−088292号公報 特開平6−297639号公報 特開2001−059199号公報 特開2001−348684号公報 特開2005−119005号公報
上述のように、アルミニウム(合金)材の電子機器用途であり耐熱性を要求される用途、主にヒートシンクなどの用途に関しては従来技術で加工したものを使いこなしていたというのが実状であったのである。即ち、耐熱性を有する樹脂は一般的に化学的な接着力が弱く、表面形状の影響を強く受けると考察されている故に表面形状の設計が重要になっているにもかかわらず、これまでは最適な表面形状に作り込む技術が存在していなかったのである。
また、アルミニウム(合金)材を張合わせた積層板を用いて回路を形成した場合には、配線板に搭載された部品とアルミニウム回路(パッド)間で直接ワイアボンディングすることが可能であることもよく知られており、安価なアルミニウムワイアを接続用ワイアとして使用することも容易となる。この場合には導体金属箔種の変更による効果以上に回路板の製造コストは大幅に削減可能となるのである。しかしこのとき、該アルミニウム(合金)箔をフレキシブルプリント配線板の導体層として使用し、チップ オン フレキシブル(COF)回路などファインピッチを要求される回路を作成しようとした場合など、張合わせるフィルムがポリイミドなどの耐熱樹脂フィルムになるため要求される接着強度や耐熱性が得にくいのである。そして、粗化した面に遷移金属が残留しているとアルミニウムと遷移金属との間での局部電池の形成やマイグレーションが発生しやすい事などが製品の信頼性を低下させうる問題として提起されうるのである。
本件発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、遷移金属イオンを最適範囲の濃度で含有する溶液を用いてアルミニウム(合金)材の表面を処理することにより、当該遷移金属の置換析出時及び同遷移金属被膜の溶解除去時の反応進行に随伴するアルミニウム又はアルミニウム合金の電気化学的溶解反応によって蛇行侵蝕形状にアルミニウム(合金)材表面を粗化し、同時にマイグレーション等の原因となりうる遷移金属を除去出来る手段を見出すに至ったのである。
上記課題を解決するための手段について以下述べる。
<アルミニウム(合金)材の粗化面の形成方法>
本件発明はアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法であって、以下の工程を含むことをを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法を提供する。
a.遷移金属を含む表面加工溶液と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材を接触させることにより遷移金属成分と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の構成成分との置換反応を起こさせて前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に遷移金属被膜を形成する工程。
b.析出した遷移金属成分を溶解すると同時にアルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面を浸食処理し粗化面を形成する工程。
そして、前記工程aで用いる表面加工溶液に含まれる遷移金属は、鉄、ニッケル及び銅のいずれかから選択された1種又は2種以上であることが好ましい。
また、前記表面加工溶液のpHはアルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能な酸性領域にあることが好ましい。
そして、前記表面加工溶液のフリー塩酸濃度は0.1mol/l〜5.0mol/l、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることがより好ましい。
さらに、前記表面加工溶液の遷移金属は塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を添加してなることが更に好ましい。
また、前記工程aで用いる表面加工溶液のpHは、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能なアルカリ性領域にあり、且つキレート剤を含む表面加工溶液を用いることも好ましい。
そして、前記表面加工溶液のキレート剤濃度は0.01mol/l〜1.0mol/lであり、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることが好ましい。
また、前記表面加工溶液のキレート剤は、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上であることがより好ましい。
さらに、前記表面加工溶液は塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を含み、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上を含む水溶液であり、pHが8.5以上であることがさらに好ましい。
また、本件発明は前記工程aで用いる表面加工溶液を液温30℃〜80℃として、この溶液と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面とを30秒間〜20分間接触させることを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法を提供する。
そして、前記工程bにおいて遷移金属被膜の溶解に用いる溶液が、アルミニウム又はアルミニウム合金の構成成分を侵蝕しにくく、遷移金属成分を優先的に溶解する選択エッチング液であることが好ましい。
また、前記選択エッチング液が、過硫酸塩系溶液であることがより好ましい。
本件発明は、前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化処理方法により得られる粗化面を備えたアルミニウム(合金)材であって、当該粗化面は遷移金属を含むことを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供する。
そして、前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に置換析出した遷移金属被膜の厚みが100Å〜20000Åであることが好ましい。
また本件発明は、前記アルミニウム(合金)材の粗化処理方法により得られる粗化面を備えたアルミニウム(合金)材であって、前記アルミニウム(合金)材表面の粗化面に含まれる遷移金属成分を溶解除去したことを特徴とする粗化面を備えるアルミニウム(合金)材を提供する。
そして、前記アルミニウム(合金)材の粗化面は、直径0.2μm〜5.0μm、深さが0.2μm〜5.0μmの複数のマイクロポアを備えている事がより好ましい。
また、前記マイクロポアは、前記アルミニウム(合金)材の表面から蛇行経路を持って深さ方向に分布している事がさらに好ましい。
<アルミニウム(合金)材張り積層板>
本件発明は、前記アルミニウム(合金)材の粗化面に、絶縁樹脂基材を張り合わせて得られる金属張積層板を提供する。
<本件発明に係る回路基板>
本件発明は前記アルミニウム(合金)材の粗化面を絶縁樹脂を介して機能部品に張り合わせた構造を有する回路基板を提供する。
本件発明により、アルミニウム(合金)材を接着する対象となる樹脂の組成及び目的に適応した粗化処理が可能となる。その結果、金属基板の前処理やヒートシンクの接着面の処理に適用した場合には熱伝導性が良好なフィラー入り樹脂の使用が容易になると同時にポア部の体積が安定している故に絶縁厚みの保証が容易になって絶縁層を薄くできるために放熱特性が良好になる。そして、アルミニウム(合金)材を張り合わせたフレキシブル金属張り積層板とした場合には低プロファイルが保証されているためにファインパターンの形成が可能であり、且つ信頼性も良好であるためにチップ オン フレキシブル(COF)基板とした場合等には搭載部品をそのままワイアボンディング出来ることなどによって回路基板製造コストの大幅な削減に寄与できるのである。
<アルミニウム(合金)材の表面加工方法>
本件発明はアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法であって、以下の工程を含むことをを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法を提供する。
a.遷移金属を含む表面加工溶液と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材を接触させることにより遷移金属成分と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の構成成分との置換反応を起こさせて前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に遷移金属被膜を形成する工程。
b.析出した遷移金属成分を溶解すると同時にアルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面を浸食処理し粗化面を形成する工程。
前記工程aでは遷移金属被膜が置換析出により形成されてゆくものであるために、遷移金属が既に析出している部分での置換反応は抑制されるのである。したがって、電気メッキと比べると全面に比較的均一な析出が行われるのであるが、得られる遷移金属被膜が極薄被膜であるため、どうしてもポーラスにならざるを得ないのである。そして、処理の対象としているアルミニウム(合金)材は入手時点では多かれ少なかれ酸化被膜を形成しているものであるため、ここに示す工程aの前処理として例えば0.25mol/l程度の苛性ソーダ溶液で酸化被膜を除去しておくことが、安定して均一な遷移金属の置換析出被膜を得るためには必要である。
そして、前記工程bでは置換析出した遷移金属被膜を溶解除去するのであるが、このとき、ポーラスな遷移金属被膜下に露出しているアルミニウム(合金)材と遷移金属との間で形成される局部電池の効果によりアルミニウム又は合金成分の侵蝕が局部的に促進され、粗化が蛇行経路で進行して形状が蟻の巣状になるのである。そして、遷移金属の溶解が完了した段階では局部電池の形成がなくなり、溶解反応が停止するのである。よって、遷移金属被膜の形成状況によってマイクロポアの形状制御が可能になるのである。
そして、上記の如く溶解反応がその部分に存在する遷移金属量に応じて進行することによってマイクロポアが形成されることは、アルミニウム(合金)材の減肉が置換析出させる遷移金属量に比例した量となることを意味しているのである。この結果、アルミニウム又は合金成分の溶解量は必要最小限となり、必然的に水素ガスの発生量も抑制された量に管理されることになるため、安全対策上も好ましいのである。
そして、前記工程aで用いる表面加工溶液に含まれる遷移金属は、鉄、ニッケル及び銅のいずれかから選択された1種又は2種以上であることが好ましいとしている。これらの金属種の塩類は工業的に大量に使用され又は発生しているものであり、従って入手も容易でコスト的にも有利なのである。
また、前記表面加工溶液のpHがアルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能な酸性領域にあることが好ましい。この範囲を外れた場合には置換反応速度が遅くなって工業規模での生産に適さないと同時に、置換析出反応時のアルミニウム(合金)材の溶解が適切に進行せず、例えば析出してしまった難水溶性のアルミニウム化合物が表面反応を阻害するなどの不都合が生じるからである。
そして、前記表面加工溶液のフリー塩酸濃度が0.1mol/l〜5.0mol/l、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることがより好ましい。フリー塩酸濃度が0.1mol/lを下回るとアルミニウム又は合金成分の溶解力が小さくなってしまって難水溶性のアルミニウム化合物が生成するなどの支障が生じ、5.0mol/lを超えると置換反応と同時にアルミニウム又は合金成分の溶解が進行して液温の上昇を招き、アルミニウム(合金)材自身の溶解反応により表面に遷移金属被膜を置換析出させるという目的を達成し得ないのである。
また、遷移金属濃度が0.01mol/lを下回ると遷移金属の析出がアルミニウム(合金)材表面に必要とされる被覆量を満たさず、1.0mol/lを超えると遷移金属の置換析出反応速度が速すぎてアルミニウム又はアルミニウム合金表面に析出した遷移金属被膜に所期の形状を作るために必要とされる以上の厚みとなり、そして厚みムラも生じてしまうのである。
さらに、前記表面加工溶液の遷移金属が塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を添加してなることが更に好ましいとしている。ここで遷移金属を塩化物で添加するとしたのは塩酸酸性浴である故であり、硫酸塩を使用しても問題はない。また、銅又は鉄ソースとして第一銅塩又は第一鉄塩も用うるのではあるが、この場合には遷移金属の置換析出反応状況が異なることが予想されるので事前に反応性を確認するか、溶液調製後酸化処理により第二銅、第二鉄としておくことが推奨される。
さらに、これらの金属を含む塩酸酸性の液としては主にプリント配線板の製造に用いられているエッチング液(塩化第二鉄系及び塩化第二銅系等)があるが、これらの使用中の液もしくは液組成の自動調整の結果発生する廃液を上記濃度範囲に調整して活用することも廃棄物削減の観点から更に好ましいのである。そして、工程aにおける表面加工溶液の使用目的が遷移金属の置換析出であることを考えると、酸性領域で用いうる薬品としては酸のみではアルミニウム(合金)材の溶解に適していないとされている硝酸や硫酸を用いても置換析出は可能であるものと推察される。
また、前記工程aで用いる表面加工溶液のpHが、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能なアルカリ性領域にあり、キレート剤を含む表面加工溶液を用いることも好ましい。キレート剤を含まない場合にはpH域にも依るが亜鉛のような両性金属は例外として遷移金属が水酸化物として析出してしまい、アルミニウムもしくは合金成分との置換反応に寄与しなくなるためである。そして好ましいアルカリ領域については、この範囲を低い側に外れた場合にはキレート剤の選定にもよるが、アルミニウム化合物が析出してしまう等により所期の効果が得られなくなってしまうのである。
そして、前記表面加工溶液のキレート剤濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであり、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることが好ましく、また、キレート剤が、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上であることがより好ましいとしている。上記遷移金属濃度は、前述の酸性域におけると同様遷移金属の作用効果を十分に引き出すために最適な濃度範囲なのである。そして、キレート剤濃度は溶液中に含まれる遷移金属イオン濃度に依存するものであり、下限値を切った場合には遷移金属が水酸化物として析出してしまい、また上限値を超えて添加してもその効果を発揮し得ないのである。
さらに、前記表面加工溶液が塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を含み、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上を含む水溶液であり、pHが8.5以上であることがさらに好ましいとしている。ここで遷移金属を塩化物で使用しているのはアルカリ側故にできるだけ溶解しているイオン径を小さくしたいためであり、塩酸浴同様硫酸塩を使用することも可能である。そして、pHを8.5以上としているのは水酸化アルミニウムの沈殿が生じにくい範囲としているのである。しかしながら、アルカリ濃度をあまりのも高くした場合にはアルミニウム自身の溶解反応が進行し、溶解熱による液温上昇により更に溶解反応が進んでしまうという悪循環に陥り、遷移金属がアルミニウム(合金)表面に適度に置換析出することができなくなると同時に水素ガスの大量発生に繋がって安全上の問題も発生するので注意が必要である。
そして、キレート剤の選択を複数種としたのは添加する遷移金属の種類により最適なキレート剤の選択が必要になるからである。そして、上記キレート剤として用いうる化合物としてはグリシンと同様の中性アミノ酸系であるアラニン、ロイシン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン等があり、EDTAと同様のジアミン系としてはNHEDTA(N−hydroxy ethylene diamine tetra acetic acid)、DMPD(N,N−dimethylphenylen diamine)等、そしてクエン酸と同様の有機酸系では酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、プロピオン酸等(それぞれの塩類を含む)を対象と考えることが出来る。さらに、上記以外にも選択された遷移金属と錯塩を形成しうる化合物群からもキレート剤の選択が可能であることは容易に推測しうるのである。
そして、添加の対象とする金属種によってはキレート剤の構成を同種類のうちから複数の化合物を選択したものとしてもかまわない。さらに、例えば遷移金属として亜鉛を選択した場合であればピロリン酸系水溶液もアルカリ側で用いうることになるが、実施に当たっては上記化合物類も含めた予察試験を実施して、目的とする粗化形状に対して最適な組み合わせとすることが好ましい。同様にシアン浴も用いうる対象ではあるが、水素発生反応に伴ってシアン化水素の発生が懸念されるので好ましくないと一般的には考えられている。
また、本件発明は前記工程aで用いる表面加工溶液を液温30℃〜80℃として、この溶液と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面とを30秒間〜20分間接触させることを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化処理方法を提供する。40℃を下回ると反応速度が遅くなって工業規模での生産に適さないのである。
また逆に80℃を超えると遷移金属の置換析出反応の有無にかかわらずにアルミニウム又はアルミニウム合金の溶解反応が進んでしまい、遷移金属の置換析出とのバランスがとれないばかりか、溶解熱により更に温度上昇が進行するために好ましくないのである。従って、更に好ましい温度範囲は40℃〜60℃である。
そして、接触時間である30秒間〜20分間は適切な遷移金属の析出状態を得るために好ましい範囲なのである。前述のように遷移金属被膜がアルミニウム(合金)材表面に形成される反応は置換析出反応であり、ある程度析出したところで停止するものであると考えられている。しかしながら、長時間表面加工液中に浸漬した場合には局部的な電位差に起因する異常なめっき厚の部位発生が懸念されるため、所期の目的に適した量が析出する処理時間として好ましい範囲で浴組成や液温を加味して適宜選定することが推奨される。
そして、前記工程bにおいて遷移金属被膜の溶解に用いる溶液が、アルミニウム又はアルミニウム合金の構成成分を侵蝕しにくく、遷移金属成分を優先的に溶解する選択エッチング液であることが好ましく、また、前記選択エッチング液が、過硫酸塩系溶液であることがより好ましいのである。遷移金属被膜の溶解に一般的なプリント配線板の形成に用いられているエッチング液である塩化第二鉄系、塩化第二銅系及び(硫酸+過酸化水素)系を使用した場合には酸化力が強くなっているためにアルミニウム(合金)材をも容易に溶解してしまうのである。従って、マイクロポアを形成しつつ遷移金属を溶解することが困難であるばかりでなく、浸液処理を中止して水洗することにより希釈されてゆく処理液中に含まれる遷移金属が途中段階で置換析出してしまうことになって、所期の目的である遷移金属の除去をも完璧には達成し得ず、局部電池形成の原因をも排除し得ないのである。
<粗化面を備えるアルミニウム(合金)材>
本件発明は、前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化処理方法により得られた粗化面を備えるアルミニウム(合金)材であって、当該粗化面は遷移金属被膜を含むことを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供する。前記工程aで得られたアルミニウム(合金)材表面上には遷移金属がポーラスに置換析出しており、例えばエポキシ樹脂であれば十分な接着強度が得られる粗化状態を有しているのである。
そして、前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に置換析出した遷移金属被膜の厚みが100Å〜20000Åであることが好ましいのである。ここで言っている厚みとはアルミニウム(合金)材としての単位面積当たりに析出した金属重量から算出して得られた平均厚みであり、両面に置換析出処理を施した場合には片面当たりの厚みとしている。そして、ここに示している好ましい遷移金属被膜厚みの範囲であるが、100Åを下回ると遷移金属被膜溶解工程においても局部電池形成によるアルミニウム又は合金成分の溶解反応が十分に進行しないうちに遷移金属被膜が消滅してしまって所期の粗化状態を得る事が困難になるのである。反面、20000Åを超えると遷移金属被膜の厚みムラが大きくなってポーラスな被膜であるとは言っても開口部は狭くなってしまい、遷移金属被膜の溶解進行に伴って現われてくるアルミニウム(合金)材表面の露出分布にもばらつきが生じ、局部的な侵蝕が起こってしまうなど所期の粗化状態が得にくくなると同時に、遷移金属被膜の全溶解に要する時間も長くなってしまうのである。
また本件発明は、前記アルミニウム(合金)材の粗化処理方法により得られる粗化面を備えたアルミニウム(合金)材であって、前記工程aで得られたアルミニウム(合金)材表面に含まれる遷移金属成分を溶解除去したことを特徴とする粗化面を備えるアルミニウム(合金)材を提供する。ここで得られたアルミニウム(合金)材は表面に遷移金属を有しない故に例えばチップ オン フレキシブル(COF)基板とした場合などにはマイグレーションなどが起きにくく、信頼性が向上した安価な回路基板を得ることが出来るのである。
そして、前記アルミニウム(合金)材の粗化面は、直径0.2μm〜5.0μm、深さが0.2μm〜5.0μmの複数のマイクロポアを備えている事がより好ましいとしている。この形状レベルは低プロファイルを保証しつつ耐熱性を有する樹脂、例えばポリイミド樹脂に対しても接着力、耐熱性を維持できる故に好ましいのである。
また、前記マイクロポアは、前記アルミニウム(合金)材の表面から蛇行経路を持って深さ方向に分布している事(蟻の巣状)がさらに好ましいのである。形成されたマイクロポアが電解コンデンサー用途に加工されたと同様の垂直なトレンチ状であった場合には、樹脂と接着する際に化学的接着力の寄与率が大きくなってしまい、耐熱樹脂に対する適応能力が低下してしまうため、蟻の巣状として機械的なアンカー効果を得ることがより好ましいのである。
<アルミニウム(合金)材張り積層板>
そして本件発明は、本件発明に係る表面加工溶液を用いて加工されたアルミニウム(合金)材を絶縁樹脂基材と張り合わせて得られるアルミニウム(合金)材張り積層板を提供する。この積層板はアルミニウム(合金)材の接着面の表面状態やプロファイルが適用対象とする樹脂系、例えばポリイミドなどの耐熱樹脂等との接着力に合わせて設計されているものとなっているため、作成された配線板の信頼性及び歩留まりの向上に寄与できるのである。また、従来用途である金属基板に用いても熱伝導性の改善されたフィラー含有樹脂の適用や絶縁層厚みの低減が容易になるなどの効果が得られるのである。
<本件発明に係る回路基板>
さらに本件発明は、本件発明に係る表面加工溶液を用いて加工されたアルミニウム(合金)材を樹脂を介して機能部品と接着した構造を有する回路基板を提供する。例えばヒートシンクの接着面のみを処理することにより熱伝導性の改善されたフィラー入り接着剤を用いたり又は接着面の絶縁層厚さを低下させることが出来るために、従来品と外観は変わらず放熱機能及び絶縁信頼性の向上した回路基板を製造することが出来るのである。
本件実施例では、粗化処理対象とするアルミニウム(合金)材としてA1100、A1080,A5052の3種類を選択した。そして、本件発明に係る表面加工溶液3種類を用いて粗化処理を実施後置換した遷移金属被膜を溶解除去し、2種類の樹脂に対する接着性(剥離強度及び耐熱性)を評価した。
<アルミニウム(合金)材の表面加工用の溶液>
実施例−1:イオン交換水で1.2mol/lとした塩酸に硫酸銅5水塩を0.04mol/l溶解したものを用いた。
実施例−2:一般的なプリント配線板製造工程に使用中の塩化第二鉄エッチング液をイオン交換水で100倍に希釈したものを用いた。
実施例−3:イオン交換水に硫酸銅として0.01mol/l及び硫酸ニッケルとして0.04mol/lになるよう溶解した水溶液にグリシンを0.15mol/l添加し、苛性ソーダにてpHを9.0に調整したものを用いた。
<アルミニウム(合金)材の粗化>
対象としたアルミニウム(合金)材としてA1100、A1080,A5052の各t1.0mmを試料サイズ80mm×200mmにした試験片を準備し、表面の圧延油や取扱中に付着した皮脂類及び酸化被膜を除去するために苛性ソーダ濃度0.25mol/l水溶液にて50℃×1分間のアルカリ処理を実施した。その後、実施例−1及び実施例−2では50℃×1分間の粗化処理を実施し、実施例−3では70℃×10分間の粗化処理を実施後それぞれを30℃のイオン交換水で温水洗浄し、風乾した。
そして、遷移金属被膜が表面に形成されていることを、実施例−2で鉄イオン及び銅イオンを含有する液を用いて得られたA5052材試験片表面のXRF分析にて確認した。測定条件を表1に、試料像及び分析で得られたスペクトルを合わせて図1に、そして分析結果を表2に示す。ここで、表1コメント欄に記載の測定条件Aと測定条件Bの違いである「処理」とは、試料表面に対するアルゴンガスによる60秒間のドライエッチング処理のことである。
図1及び表2において検出されている鉄に関してであるが、評価に用いたA5052材が不純物として鉄を含んでいる素材であるため鉄が検出されることは当然と考えることも出来るが、不純物レベルは0.4%未満と低レベルであり、素材そのものでの表面分析ではノイズレベルに隠れて明らかなピークが得られることはまれである。そして、上記評価においては表面に金属酸化物が存在していると考えられる試験片そのまま(A)でも試験片表面のドライエッチング処理後(B)のいずれの表面分析においても強弱及び処理前後での変化の程度に違いはあるにしても銅及び鉄が明確なピークをもって検出され、そのレベルは下地であるアルミニウムの約1/2となっている。したがって、これらのピークはA5052材表面に置換析出した銅及び鉄によるものであることが確信でき、更に外観の色調が黄色みを帯びている事からも表面加工溶液中に含有されている銅イオン及び鉄イオンはアルミニウムと置換析出していると言うことができる。
<遷移金属被膜の溶解除去>
前記により得られた遷移金属被膜が表面に置換析出している試験片を、選択エッチング液として過硫酸ナトリウム濃度0.2mol/lの水溶液を用い、溶解時間40℃×1分間として処理し、その後30℃のイオン交換水で温水洗浄し、風乾した。このようにして得られた試験片の評価結果はアルミニウム(合金)材の品番によらず同等の結果が得られたので、外観観察結果についてはヒートシンク向けとして採用の多いA5052材に対して実施した表面形状のSEM観察結果のみを実施例−1〜実施例−3について図2〜図4に示した。
<表面加工されたアルミニウム(合金)材の接着性評価>
表面加工された前記試験片の接着性評価用の樹脂として2種類を用いた。第一の樹脂は一般的な銅張り積層板用のエポキシ系プリプレグであるGEA67N(日立化成(株)製t0.06mm)であり、第二の樹脂は高熱伝導率接着シートGF3701(日立化成(株)製t0.08t)である。
そして、上記により遷移金属被膜が除去された3種類のアルミニウム(合金)材の試験片を、前記2種類の樹脂を介して黒化処理を施してあるFR−4銅張り積層板(日立化成(株)製MCL−E67t0.8mm)に推奨条件にて加熱圧着し、各実施例について6種類のアルミニウム(合金)材張り積層板を得た。得られた積層板を剥離強度評価用は15mm×150mmサイズに、そして耐熱性評価用には50mm×50mmサイズに切り出し、剥離強度はJIS C 6481に記載の方法を参考にして評価し、そして耐熱性は260℃に加熱した半田浴及び288℃に加熱した半田浴にフロートさせ、経時的なふくれ発生の有無を観察し評価した。
その結果、剥離試験ではいずれの試験片も積層板から引き剥がすことが出来ず(樹脂とFR−4銅張り積層板との界面にて剥離)、耐熱性評価では260℃と288℃のいずれにおいてもソルダーフロート後60秒を経過してもふくれの発生は見られなかった。詳しくは比較例と合わせて表3に示す。なお、表3における実施例では結果にアルミニウム(合金)材の品種による違いが見られていないために品種ごとに区別した記載とはしていない。
<比較例>
比較例では処理対象にアルミニウム合金材であるA5052材を選択し、薬品処理の手法に限定して実施した。採用した液系は次の通りである。
比較例−1:苛性ソーダ濃度0.25mol/lの水溶液
比較例−2:1.2mol/l塩酸
比較例−3:ヒドラジン濃度1.25mol/lの水溶液(特許文献5のトレース)
そして処理条件は各例共通で50℃×1分間処理とした。
上記各液にて処理された試験片は実施例と同様にして水洗し、風乾した。このようにして得られた試験片は実施例と同様の構成とした積層板を作成し、同様の評価を実施した。また、各試験片の表面SEM観察を実施した。観察結果を比較例−1〜比較例−3について図5〜図7に示す。
その結果、積層板に対する剥離試験では比較例−1〜比較例−3の間に若干の強弱の違いはあるもののすべての試験片アルミ材は積層板から引き剥がすことが可能であった(試験片と樹脂間での剥離)。そして、耐熱性評価では260℃のソルダーフロートにおいても6秒〜27秒でふくれの発生が見られた。詳しくは実施例と合わせて表−3に示す。
<実施例と比較例の対比>
従来技術である比較例で得られた表面状態は図5〜図7に見られるように粗化されていることは確認できても最大でも1μmを超えない粒子が表面に存在している状態に過ぎない。しかし図2〜図4に見られる実施例の表面状態は使用した表面加工液により形状の違いはあるにせよ明らかに深く掘り込まれていることが見て取れ、この形状の違いが表3に示す樹脂との接着性の違いとなって現われている事が明白である。
即ち、本件発明に係る遷移金属イオンを最適範囲の濃度で含有することを特徴とする溶液を用いてアルミニウム(合金)材の表面を処理し、置換析出した遷移金属被膜を溶解する方法により、従来技術では得ることの出来なかった、アルミニウム(合金)材の表面から蛇行経路を持った(蟻の巣状の)粗化面を得ることが出来るのである。
尚、上記実施例は所期の形状に粗化する事が可能な処理方法の一部をその結果とともに記載したものに過ぎず、当業者にとっては浴組成の管理等が重要であることは自明であり、例えば塩酸系を使用した場合には塩酸の追加補充が、そしてアルカリ系とした場合にはpH調整が必要になるのである。従って本件発明は上記実施例に記載の条件に縛られるものではなく、好ましく得られる表面粗化形状の選択対象や連続操業などに対応するためには適宜条件の調整が必要とされるものである。
本件発明に係るアルミニウム(合金)材の表面加工方法を金属基板の前処理やヒートシンクの接着面の処理に適用した場合にはマイクロポア部の体積が安定している故に絶縁厚みの保証が容易になって薄くできるために、発熱部品を実装した回路基板の放熱特性が良好になり、信頼性を向上できる。そして、該表面加工方法を用いて粗化されたアルミニウム(合金)材を用いたフレキシブル積層板とした場合には低プロファイルであり且つ接着強度及び耐熱性が良好であるためにファインパターンの形成が可能となり、且つ絶縁信頼性も良好であるためにチップ オン フレキシブル(COF)基板とした場合等には搭載部品をそのままワイアボンディング出来ることなどによって大幅なコストダウンに寄与できる。
実施例−2における遷移金属被膜置換析出後の試験片表面の状態像及びXRFによる分析スペクトル 実施例−1の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度) 実施例−2の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度) 実施例−3の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度) 比較例−1の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度) 比較例−2の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度) 比較例−3の表面SEM写真(A5052材:試料傾斜60度)

Claims (19)

  1. アルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法であって、以下の工程を含むことをを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
    a.遷移金属を含む表面加工溶液とアルミニウム材又はアルミニウム合金材を接触させることにより遷移金属成分と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の構成成分との置換反応を起こさせて前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面に遷移金属被膜を形成する工程。
    b.析出した遷移金属被膜を溶解すると同時にアルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面を浸食処理し粗化面を形成する工程。
  2. 前記工程aで用いる表面加工溶液に含まれる遷移金属は、鉄、ニッケル及び銅のいずれかから選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  3. 前記工程aで用いる表面加工溶液のpHはアルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能な酸性領域にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  4. 前記工程aで用いる表面加工溶液のフリー塩酸濃度は0.1mol/l〜5.0mol/l、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  5. 請求項4に係る表面加工溶液の遷移金属は塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を添加してなることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  6. 前記工程aで用いる表面加工溶液のpHは、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶解が可能なアルカリ性領域にあり、且つキレート剤を含む表面加工溶液を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  7. 前記工程aで用いる表面加工溶液はキレート剤濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであり、遷移金属濃度が0.01mol/l〜1.0mol/lであることを特徴とする請求項6に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  8. 前記工程aで用いる表面加工溶液のキレート剤は、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  9. 前記工程aで用いる表面加工溶液は塩化第二銅、塩化第二鉄又は塩化ニッケルから選択された1種又は2種以上を合計濃度0.01mol/l〜1.0mol/lで含み、グリシン、EDTA又はクエン酸から選択された1種又は2種以上を合計濃度0.01mol/l〜1.0mol/lで含む水溶液であり、pHが8.5以上であることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  10. 前記工程aで用いる表面加工溶液を液温30℃〜80℃として、この溶液と前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面とを30秒間〜20分間接触させることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  11. 前記工程bにおいて遷移金属被膜の溶解に用いる溶液が、アルミニウム又はアルミニウム合金の構成成分を侵蝕しにくく、遷移金属成分を優先的に溶解する選択エッチング液であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  12. 前記選択エッチング液が、過硫酸塩系溶液であることを特徴とする請求項11に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面の形成方法。
  13. 請求項1〜請求項10のいずれかに係るアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化処理方法により得られる粗化面を備えたアルミニウム材又はアルミニウム合金材であって、
    当該粗化面は遷移金属を含むことを特徴とするアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  14. 遷移金属被膜の厚みが100Å〜20000Åであることを特徴とする請求項13に記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  15. 請求項1〜請求項12のいずれかに係るアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化処理方法により得られる粗化面を備えたアルミニウム材又はアルミニウム合金材であって、
    前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材表面の粗化面に含まれる遷移金属成分を溶解除去したことを特徴とする粗化面を備えるアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  16. 前記粗化面は、直径0.2μm〜5.0μm、深さが0.2μm〜5.0μmの複数のマイクロポアを備えるものであることを特徴とする請求項13〜請求項15に記載の粗化面を備えたアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  17. 前記マイクロポアは、前記アルミニウム材又はアルミニウム合金材の表面から蛇行経路を持って深さ方向に分布していることを特徴とする請求項13〜請求項16に記載の粗化面を備えたアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  18. 請求項13〜請求項17のいずれかに記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面に、絶縁樹脂基材を張り合わせて得られる金属張積層板。
  19. 請求項13〜請求項17のいずれかに記載のアルミニウム材又はアルミニウム合金材の粗化面を絶縁樹脂を介して機能部品に張り合わせた構造を有する回路基板。
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