JP2011121307A - アルミニウム塗装材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体とクロムフリーの塗膜との間の界面の密着性及び気密性が極めて高く、過酷な環境下でも優れた耐食性を保持し、また、優れた耐久性を発揮し得るアルミニウム塗装材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表面に形成された凹凸部に起因する複数の凹状部を有するアルミニウム合金製のアルミ形状体と、この凹状部内に塗料が進入して固化した嵌入部を有する塗膜とで形成されており、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と塗膜とが互いに係止されているアルミニウム塗装材であり、また、その製造方法である。
【選択図】図1

Description

この発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装により一体的に設けられた塗膜とを含むアルミニウム塗装材及びその製造方法に係り、特に限定するものではないが、幅広い分野において好適に使用し得る密着強度及び耐食性に優れたクロムフリーのアルミニウム塗装材及びその製造方法に関する。
アルミニウム塗装材の製造に際し、アルミニウム材の耐食性処理として、クロム系表面処理剤を用いるクロメート処理やリン酸クロメート処理等の方法がよく知られており、これらの方法は現在でも広く行われている(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、近年、環境負荷物質の使用を規制しようとする気運が世界的に高まってきており、例えばEUでは、廃自動車指令等により6価のクロムに関する法規制が始まっている。
そこで、本発明者らは、先に、分子内に3つ以上の一級アルコール性水酸基を有する3価以上の多価アルコールを併用することにより、従来の6価のクロムに代えて3価のクロム(硝酸クロム)を使用するアルミニウム塗装材を開発して提案し(特許文献4参照)、更に、この3価のクロムについては、今のところ法規制はされていないが、加熱すると一部が6価のクロムに変化するという報告もあることから、アルミニウム材の表面にシリコン含有塗膜(シリコン元素を含む塗膜)を有し、6価及び3価のクロムを実質的に全く含まない、いわゆる「クロムフリー」であって環境に優しく、しかも、耐食性に優れたアルミニウム塗装材を開発して提案した(特許文献5参照)。
また、本発明者らは、単に塗膜硬度が高いというだけでなく優れた塗膜密着性及び耐衝撃性をも有する塗膜層を形成することができ、これによって耐食性、耐候性、加工性、塗膜硬度、塗膜密着性及び耐衝撃性において優れた性能を発揮する表面処理アルミニウム材を製造することができる表面処理アルミニウム材の製造方法を提案した(特許文献6〜9参照)。
特開平1-299,877号公報 特公平02-42,389号公報 特公平03-77,440号公報 特開2000-256,868号公報 特開2004-283,824号公報 特開2002-069,694号公報 特開2002-069,695号公報 特開2002-069,696号公報 特開2002-069,669号公報
これら本発明者らに係るアルミニウム塗装材は、いずれもその目的を達成できるものではあるが、例えば温度や湿度、粉塵、腐食性物質等において過酷な環境下に曝された際には、従来のクロメート処理が施されたアルミニウム塗装材に比べて、アルミ−塗膜の界面での密着強度及び耐食性が必ずしも充分ではなく、クロムフリーであってより優れた密着強度、耐食性、及び気密性を持つアルミニウム塗装材の開発が要請されていた。
そこで、本発明者らは、アルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体とその表面に塗装により一体的に設けられた塗膜との間の界面の密着強度及び気密性が極めて高く、優れた耐久性を発揮し得るアルミニウム塗装材を製造し提供することについて鋭意検討を進めた結果、エッチング処理によってアルミ形状体の表面に凹状部を有するある特定の表面形状を形成することにより、アルミ形状体とクロムフリーの塗膜との間の密着性及び耐食性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、塗装により一体的に接合されたアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と塗膜との間の界面の密着性が極めて高く、過酷な環境下で優れた耐食性を保持し、優れた耐久性を発揮し得るクロムフリーのアルミニウム塗装材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、このようにアルミ形状体と塗膜との間の界面の密着性及び気密性が極めて高く、過酷な環境下でも優れた耐食性を保持し、優れた耐久性を発揮し得るクロムフリーのアルミニウム塗装材を製造することができるアルミニウム塗装材の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装して突合せ状態に結合された塗膜とを含むアルミニウム塗装材であり、前記アルミ形状体の表面には前記凹凸部に起因した複数の凹状部が形成されていると共に、これらの凹状部内には塗料が進入して固化した塗膜の嵌入部が形成されており、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と塗膜とが互いに係止されていることを特徴とするアルミニウム塗装材である。
また、本発明は、表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装により一体的に設けられた塗膜とを含む射出一体成形品であり、前記アルミ形状体の表面には前記凹凸部に起因して形成され、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅が0.1μm以上30μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである複数の凹状部が形成されていると共に、これらの凹状部内には塗料が進入して固化した塗膜の嵌入部が形成されており、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と塗膜とが互いに係止されていることを特徴とするアルミニウム塗装材である。
そして、本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装により設けられた塗膜とを含むアルミニウム塗装材の製造方法であり、アルミニウム又はアルミニウム合金材をエッチング処理して表面の一部又は全面に凹凸部に起因する複数の凹状部を有するアルミ形状体を形成し、塗膜形成時にはアルミ形状体の各凹状部内に塗料が進入して固化した塗膜の嵌入部を成形し、アルミ形状体の凹状部と塗膜の嵌入部とが互いに係止してアルミ形状体と塗膜とが一体的に結合したアルミニウム塗装材を製造することを特徴とするアルミニウム塗装材の製造方法である。
[アルミニウム塗装材について]
本発明において、アルミ形状体を形成するためのアルミニウム又はアルミニウム合金材としては、圧延材、押出形材、ダイカスト材、鋳物材等が挙げられる。具体的には、純Al系の1000系、Al-Cu系の2000系、Al-Mn系の3000系、Al-Si系の4000系、Al-Mg系の5000系、ADC5、及びADC6、Al-Mg-Si系の6000系、Al-Zn-Mg系の7000系、Al-Fe系の8000系、Al-Si-Mg系のADC3、Al-Si-Cu系のADC10、ADC10Z、ADC12、及びADC12Z、Al-Si-Cu-Mg系のADC14等の材質からなる材料を所望の形状に適宜加工して得られる加工材、更にはこれらの加工材を適宜組み合わせて得られる組合せ材等が挙げられる。
また、本発明において、アルミ形状体の表面の凹凸部に起因してこのアルミ形状体の表面に形成される複数の凹状部は、その開口縁部が無端の周縁部であるような穴状又は孔状のもの(無端開口縁部を有する凹状部)であってもよく、また、開口縁部が両端部を有するようなスリット状又は溝状のもの(有端開口縁部を有する凹状部)であってもよく、更には、これら無端開口縁部を有する穴状又は孔状のものと有端開口縁部を有するスリット状又は溝状のものとが混在していてもよい。
そして、アルミ形状体の複数の凹状部については、好ましくはその一部又は全部において、凹状部の開口縁部の一部分又は全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部が形成されているのがよく、これによって、凹状部はその開口幅がその内部の幅寸法より狭くなり、このような凹状部内に進入して固化した塗膜の嵌入部は凹状部との間で互いに脱離不能な係止構造を形成し、アルミ形状体の凹状部か塗膜の嵌入部のいずれか一方又は双方が破壊されない限り脱離することがなく、アルミ形状体と塗膜との間の密着性や耐食性がより向上する。
本発明において、アルミ形状体の断面を模式的に示す図1を参照して説明すると、このアルミ形状体1の表面の凹凸部に起因して形成される複数の凹状部3は、アルミ形状体1の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップライン(TL)と最深部を通過するボトムライン(BL)との間のハーフライン(HL)において、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅(d)が0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下の大きさであるのがよい。この凹状部の開口幅(d)が0.1μmより狭いと、塗装時に塗料が進入し難くなってアルミ形状体1と塗膜との界面に微小な空隙が発生して優れた密着性や耐食性が得られ難くなり、反対に、30μmより広くしようとすると、アルミ形状体1の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じ、材料強度不足の製品が発生して生産性低下の原因になる。また、深さについても、0.1μmより浅いと、十分な塗膜の嵌入部が得られ難くなり、反対に、30μmより深くしようとすると、アルミ形状体1の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が過剰に進行し、材料表面の欠落あるいは材料の板厚減少量の増大という問題が生じる。
本発明において、アルミ形状体の表面の凹凸部に起因して形成される複数の凹状部の密度については、0.1mm四方当り開口幅0.5〜20μm及び深さ0.5〜20μmの範囲内の1種又は2種以上の大きさのものが5〜200個程度の範囲で存在するのがよい。
また、本発明のアルミ形状体において、その凹状部に形成される雪庇状の突出部は、好ましくは、アルミニウム塗装材の厚さ方向断面において、その塗膜側からアルミ形状体側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ラインを互いに0.1μmの間隔で引いた際に、1観察ライン上に塗膜−アルミ−塗膜からなる少なくとも1つ以上の積層部を形成し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であるのがよく、更に、アルミニウム塗装材にはこのような雪庇状の突出部が1000本の観察ラインの範囲内に1つ以上存在するのがよい。
また、アルミ形状体の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部凹状部が形成された二重凹状部構造を有していてもよく、また、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部突起部が形成された内部凹凸構造を有していてもよく、更に、これら二重凹状部構造や内部凹凸構造が並存していてもよい。アルミ形状体の複数の凹状部の一部又は全部において、このような二重凹状部構造や内部凹凸構造が存在することにより、アルミ形状体の凹状部と塗膜の嵌入部とは互いにより強固に結合し、アルミ形状体と塗膜との間のより優れた密着性や耐食性が発揮される。
[アルミニウム塗装材の製造方法について]
本発明において、このようなアルミニウム塗装材を製造する際には、先ず、表面に上述した複数の所望の凹状部を有するアルミ形状体を形成するが、その方法としては、例えば、アルミニウム合金材にエッチング処理を施して表面の一部又は全面に凹凸部を形成し、この凹凸部に起因して複数の凹状部を有するアルミ形状体を形成する方法が挙げられる。
そして、このアルミニウム合金材のエッチング処理に用いるエッチング液としては、例えば、塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、アスコルビン酸、安息香酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、乳酸、イソブチル酸、リンゴ酸、プロビオン酸、酒石酸等の酸水溶液からなるエッチング液を挙げることができるが、開口幅及び深さが所望の大きさを有する複数の凹状部を形成したり、あるいは、凹状部の一部又は全部の開口縁部に開口幅方向中心に向けて突出する雪庇状の突出部を形成する等、表面に形成される凹状部を所望の形状及び大きさに制御するためには、酸水溶液として比較的酸化力の弱い酸水溶液を用い、また、このような比較的酸化力の弱い酸水溶液中に、アルミニウム合金材の表面に形成されている酸化皮膜を溶解するために、ハロゲンイオンを所定の濃度で含むエッチング液を用いることが必要である。
すなわち、エッチング液としては、比較的酸化力の弱い酸水溶液中に、塩素イオン(Cl-)、フッ素イオン(F-)、及びヨウ素イオン(I-)から選ばれたいずれか1種又は2種以上のハロゲンイオンを所定の濃度範囲で含むエッチング液を用いるのがよい。そして、このようなハロゲンイオン含む比較的酸化力の弱い酸水溶液を用い、このエッチング液中にアルミニウム合金材を浸漬すると、先ずエッチング液中のハロゲンイオンがアルミニウム合金材の表面の酸化皮膜を溶解し、その後に内部のアルミニウム合金を溶解して更にアルミニウム合金材内部に浸食していくが、その際に、表面の酸化皮膜よりも内部のアルミニウム合金の方がより浸食され易い(溶解し易い)ので、エッチング液の組成やエッチング処理の条件等を設定することにより、表面に形成される凹凸部に起因する凹状部について、その開口幅や深さ等を所望の大きさに制御したり、その一部又は全部の開口縁部に開口幅方向中心に向けて突出する雪庇状の突出部を形成することができる。
この目的で用いられるエッチング液としては、具体的には、酸水溶液として、酸濃度0.1重量%以上80重量%以下、好ましくは0.5重量%以上50重量%以下の塩酸水溶液、リン酸水溶液、希硫酸水溶液、酢酸水溶液等や、酸濃度5重量%以上30重量%以下、好ましくは10重量%以上20重量%以下のシュウ酸水溶液等を挙げることができ、また、これらの酸水溶液中にハロゲンイオン導入のために添加されるハロゲン化物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の塩化物や、フッ化カルシウム等のフッ化物や、臭化カリウム等の臭化物等を挙げることができ、好ましくは安全性等を考慮して塩化物である。そして、このエッチング液中におけるハロゲンイオン濃度については、通常0.5グラム/リットル(g/L)以上300g/L以下、好ましくは1g/L以上200g/L以下であるのがよく、0.5g/L未満だとハロゲンイオンの効果が小さいため、開口縁部に雪庇状の突出部を有する凹状部が形成されないという問題が生じ、また、300g/Lを超えるような場合はアルミ形状体の表面処理(エッチング処理)時に溶解反応が急激に進行するため、凹状部の制御が困難になるという問題が生じる。
なお、本発明において、アルミ形状体の表面に所望の凹状部を形成するためのエッチング液としては、硝酸や80重量%を超える濃度の濃硫酸等の比較的酸化力の強い酸の水溶液や水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリの水溶液は適当でない。比較的酸化力の強い酸水溶液は、アルミニウム合金に対して皮膜生成能力を有し、かえってアルミ形状体の表面に強固な酸化皮膜を形成し、ハロゲンイオンによる酸化皮膜の溶解が困難になる。また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液のアルミニウム合金に対する溶解機構は、全面溶解型であって、ハロゲンイオンを添加した場合においてもその傾向は変わらず、所望の形状や大きさを有する凹状部を形成することが困難になる。
本発明において、上記のエッチング液を用いてアルミニウム合金材の表面をエッチング処理する際の処理条件については、使用するエッチング液の種類、酸濃度、ハロゲンイオン濃度等や、アルミ形状体に要求される複数の凹状部の数や大きさ等によっても異なるが、通常、塩酸水溶液の場合には浴温20〜80℃で浸漬時間1〜30分間、リン酸水溶液の場合は浴温30〜80℃で浸漬時間1〜5分間、硫酸水溶液の場合には浴温40〜80℃で浸漬時間2〜8分間、シュウ酸水溶液の場合には浴温50〜80℃で浸漬時間1〜3分間、酢酸水溶液の場合には浴温50〜80℃で浸漬時間1〜3分間の範囲であるのがよい。使用するエッチング液の酸濃度や浴温が高いほどエッチング処理の効果が顕著になり、短時間処理が可能になるが、浴温については、20℃未満では溶解速度が遅くて十分な大きさ(開口幅及び深さ)を有する凹状部の生成に長時間を要し、また、80℃を超える浴温では溶解反応が急激に進行して凹状部の開口幅及び深さの制御が困難になり、浸漬時間については、1分未満では凹状部の開口幅及び深さの制御が難しく、逆に30分を超える浸漬時間では生産性低下の原因となる。
本発明において、上記の如くアルミニウム合金材にエッチング処理を施して凹状部を有するアルミ形状体を形成する際に、必要により、このエッチング処理前のアルミニウム合金材の表面に、脱脂や表面調整、表面付着物・汚染物等の除去を目的として、酸水溶液による酸処理、及び/又は、アルカリ溶液によるアルカリ処理からなる前処理を施してもよい。
ここで、この前処理に用いる酸水溶液としては、例えば、市販の酸性脱脂剤で調製したもの、硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸等の鉱酸や酢酸、クエン酸等の有機酸や、これらの酸を混合して得られた混合酸等の酸試薬を用いて調製したもの等を用いることができ、また、アルカリ水溶液としては、例えば、市販のアルカリ性脱脂剤により調製したもの、苛性ソーダ等のアルカリ試薬により調製したもの、又はこれらのものを混合して調製したもの等を用いることができる。
上記の酸水溶液及び/又はアルカリ水溶液を用いて行なう前処理の操作方法及び処理条件については、従来、この種の酸水溶液又はアルカリ水溶液を用いて行なわれている前処理の操作方法及び処理条件と同様でよく、例えば、浸漬法、スプレー法等の方法により行うことができる。
そして、アルミニウム合金材の表面に上記の前処理を施した後や、凹状部を形成するためのエッチング処理を施した後に、必要により水洗処理をしてもよく、この水洗処理には工業用水、地下水、水道水、イオン交換水等を用いることができ、製造されるアルミ形状体に応じて適宜選択される。更に、前処理やエッチング処理が施されたアルミニウム合金材については、必要により乾燥処理が行われるが、この乾燥処理についても、室温で放置する自然乾燥でよいほか、エアーブロー、ドライヤー、オーブン等を用いて行う強制乾燥でもよい。
上記のエッチング処理により、又は前処理及びエッチング処理により得られたアルミ形状体の表面には、エッチング処理により凹凸部が形成され、その表面の60度表面光沢度(スガ試験機社製ハンディ光沢計での測定)は好ましくは60以下である。この表面光沢度が60を超えている場合は、塗装の際に塗料がアルミ形状体の凹状部内に十分に入り込まず、アルミ形状体と塗膜との間の十分な密着性が得られない。
また、上記のエッチング処理により、又は前処理及びエッチング処理により得られたアルミ形状体の表面をSEMあるいは光学顕微鏡により倍率1000倍で断面観察を行い、得られた断面観察写真について、好ましくはアルミ形状体の表面積が、エッチング処理により凹凸部を形成する前のアルミニウム合金材の表面積の1.2倍以上10倍以下であるのがよい。この表面積増加率が1.2倍未満、又は10倍を超えている場合は、塗装又は塗装の際に塗料がアルミ形状体の凹状部内に十分に入り込まず、アルミ形状体と塗膜との間の十分な密着性が得られない。
次に、本発明のアルミニウム塗装材を得るには、以上のようにして得られたアルミ形状体に、塗料を塗装して塗膜が形成される。塗料を塗装する前に、下地処理を行なってもよい。下地処理については、珪素化合物を含有する酸溶液及び/又はアルカリ溶液や市販のクロムフリー処理剤を用いてもよい。これらの下地処理を行なうことで、アルミ形状体の表面とその上に形成される塗膜との間の密着性がより強固になるという作用効果が期待される。このような珪素化合物を含有する酸溶液及び/又はアルカリ溶液としては、例えば、コロイダルシリカを含有する酸溶液やメタ珪酸ソーダ等の珪酸塩を含有するアルカリ溶液等を例示することができる。市販のクロムフリー処理剤としては、一例として、日本ペイント製のアルサーフやサーフコート、日本パーカライジング製のパルコート等を挙げることができる。
この塗料の塗装方法については、例えばロールコート法、スプレーコート法、浸漬法、カーテンフローコーター法、バーコート法、静電塗装法、粉体塗装法、スピンコート法、はけ塗り、ローラー塗り等によるプレコート法であってもポストコート法であってもよい。そして、塗装後の塗膜形成処理についても、塗料に応じた乾燥方法を採用すればよく、例えば、エアーブロー、ドライヤー、オーブン等を用いて常温乾燥又は焼付乾燥を行い、室温から300℃の範囲で5秒から24時間行う方法を例示することができる。上記のアルミ形状体に塗膜を形成することにより、目的のアルミニウム塗装材を製造する。本発明において、特に好ましいアルミニウム塗装材は、アルミ形状体の一部の表面に塗装により突合せ状態に結合された塗膜とを含むアルミニウム塗装材である。
本発明において、アルミ形状材の表面に形成される塗膜については、特に限定されるものではなく、この塗膜を形成するための塗料としては、例えば、アクリル系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、アクリルウレタン系、アクリルポリエステル系,エポキシ系塗料、フッ素系塗料、アルキド系塗料、アミノアルキド系塗料、ビニル系塗料、塩化ゴム系塗料、シリコン系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタンシリコン系塗料、アクリルウレタンシリコン系塗料、アルカリシリケート系塗料、コロイダルシリカ等を使用したシリカゾル系塗料、酸化チタン系塗料、セラミックス系塗料等を挙げることができ、有機系、無機系、有機・無機ハイブリッド系等のいずれの塗料であってもよい。また、これらの塗料に用いられる樹脂については、常温硬化樹脂又は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれでもよく、各種の常温硬化樹脂又は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を単独又は混合して用いることができる。また、上記塗料は、そのままで、あるいは必要に応じ、着色顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤等の添加剤を配合することができる。
本発明において、アルミ形状体の表面に形成される塗膜の膜厚については、アルミニウム塗装材の使用目的等に応じて適宜選択されるものであるが、膜厚については、通常15μm以上5mm以下、好ましくは20μm以上1000μm以下であるのがよく、15μmより薄いと十分な密着性、耐食性能が発揮されず、反対に、5mmより厚くなると耐久性が変わらなくなる。
この塗膜の厚さについては、前記アルミ形状体の凹状部と塗膜の嵌入部とが互いにより強固に係止して結合することにより、アルミ形状体と塗膜との間の密着性がより向上し、これによって塗膜の厚さをより厚膜化することができる。そして、塗膜厚さを厚くすることにより、アルミ形状体と塗膜との界面への外部からの不純物等による侵入をより確実に防ぎ、耐食性をより向上させることができる。更に、アルミ形状体の熱伝導性を下げて断熱性を持たせることができるため、建築材料等での結露防止効果や、テーブル、椅子等の日常品において極度の冷熱感を抑制することもできる。
アルミ形状体の表面に形成される塗膜は、それ自体が上記のようにアルミニウム塗装材の最外層表面を形成する上塗り塗膜であってもよいが、更にその上に上塗り塗膜を積層するためにプライマー層として機能するプライマー塗膜であってもよい。プライマー層として機能するプライマー塗膜の膜厚については、通常.1μm以上200μm以下、好ましくは5μm以上150μm以下であるのがよく、1μmより薄いと十分な密着性、耐食性能が発揮されず、反対に、200μmより厚くなると上塗り塗膜との密着性が変わらなくなる。
そして、アルミ形状体の表面に形成される塗膜がプライマー層として用いられる場合、その塗膜の上に更に上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜が形成されるが、ここで用いられる上塗り塗料についても特に制限はなく、例えば、アクリル系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料、アクリルウレタン系、アクリルポリエステル系,エポキシ系塗料、フッ素系塗料、アルキド系塗料、アミノアルキド系塗料、ビニル系塗料、塩化ゴム系塗料、シリコン系塗料、アクリルシリコン系塗料、ウレタンシリコン系塗料、アクリルウレタンシリコン系塗料、アルカリシリケート系塗料、コロイダルシリカ等を使用したシリカゾル系塗料、酸化チタン系塗料、セラミックス系塗料等を挙げることができ、有機系、無機系、有機・無機ハイブリッド系等のいずれの塗料であってもよい。また、この上塗り塗膜については、単一層塗膜に限らず、二層以上の多層塗膜でもよく、更に、その膜厚については特に制限されないが通常は5μm以上5mm以下が好ましい。
本発明のアルミニウム塗装材は、アルミ形状体と塗膜との間の界面(アルミ/塗膜界面)の密着性及び気密性が極めて高く、かつ過酷な環境に曝されてもその優れた密着性及び気密性を維持して優れた耐食性を保持することができ、クロムフリーであって優れた耐久性を有し、長期に亘って高い信頼性を維持し得るものである。
従って、本発明のアルミニウム塗装材は、例えば、建物の内外装、ビル外壁や内装等の各種建築部材、道路資材、各種キャビネット、冷凍車コンテナ内外装、冷凍ショーケース、自動車用部品、電気・電子部品、家電製品、各種日用品等、幅広い分野におけるアルミニウム塗装製品、アルミ接着製品に好適に使用することができる。
図1は、実施例1に係るアルミ形状体の厚さ方向断面を模写し、凹状部を説明するための断面模写図である。
図2は、図1から観念される凹状部の形状の典型例を示す断面説明図である。
図3は、アルミニウム塗装材における塗膜・アルミ・塗膜の積層部の観察評価の方法を説明するための断面説明図である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。尚、本発明は以下に記載の例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
[アルミ形状体の調製]
厚さ0.7mmのアルミニウム合金(JISA 1050-H24)板から大きさ70mm×150mmのアルミ片(アルミニウム合金材)を切り出し、得られたアルミ片について、先ず30wt%硝酸水溶液に常温で5分間浸漬した後にイオン交換水で十分に水洗し、次いで5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で1分間浸漬した後に水洗し、更に、30wt%硝酸水溶液に常温で3分間浸漬した後に水洗する前処理を施した。
次に、上記前処理後のアルミ片について、2.5wt%塩酸水溶液中に54g/Lの塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:48g/L)中に66℃で4分間浸漬した後に水洗するエッチング処理を施し、更に、30wt%硝酸水溶液に常温で3分間浸漬した後に水洗し、120℃の熱風で5分間乾燥させ、沸騰水試験、塩水噴霧試験の評価サンプルを作成するためのアルミ形状体を作成した。
[アルミ形状体の表面の凹状部観察]
得られたアルミ形状体について、その厚さ方向断面のうちのある領域の断面を走査型電子顕微鏡(日立製FE-SEM、S-4500形)により観察し、先ず、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップライン(TL)を決め、次に上記と概ね同様に、アルミ形状体の厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最深部を通過するボトムライン(BL)を決定し、更に、トップライン(TL)からボトムライン(BL)に対して垂直方向に線分を引き、この線分の中間部を通過し、かつ、トップライン(TL)〔あるいはボトムライン(BL)〕と平行に引かれたハーフライン(HL)上のアルミ形状体とアルミ形状体との間に存在する空隙間の距離を凹状部の開口幅(d)とし、アルミ形状体の表面の凹凸部に起因して形成された凹状部の形状と大きさ(開口幅及び深さ)を観察し、また、測定した。
アルミ形状体のある領域の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果は、例えば図1の断面模写図に示す通り(1:アルミ形状体、TL:トップライン、BL:ボトムライン、HL:ハーフライン、及びd:開口幅)であり、また、この図1から観念される凹状部3の形状の典型例は、図2に示すように、開口縁部の一部分から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部を有する凹状部(形状a:図2(a)参照)、開口縁部の全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部を有する凹状部(形状b:図2(b)参照)、内部に更に凹状部が形成された二重凹状部構造を有する凹状部(形状c:図2(c)参照)、及び内部の壁面に内部突起部が形成された内部凹凸構造を有する凹状部(形状d:図2(d)参照)であり、この実施例1においては全ての形状a〜dの凹状部が観察された。また、このような凹状部3の形状については、観察場所を変えても同様であった。
ここで、観察された凹状部の形状の評価については、上記形状a〜dのいずれか1つ又は2つ以上を有する場合を良好(○)とし、また、形状a〜dのいずれも存在しない場合を不良(×)とした。結果を表1に示す。
また、測定されたアルミ形状体のある領域の断面において観察された凹状部の大きさ(開口幅及び深さ)並びにその割合は、0.1mm四方当たり開口幅0.1μm〜1μmの凹状部が10個〜100個、開口幅が1μm〜10μmの凹状部が1〜10個、開口幅が11μm〜30μmの凹状部が1〜3個であり、深さは0.1μm〜30μmの範囲内であった。また、二重凹状部構造を形成する内部の凹状部の大きさ(開口幅及び深さ)並びにその割合についても、上記と概ね同様に、0.1mm四方当たり開口幅0.1μm〜1μmの凹状部が10個〜50個、開口幅が1μm〜10μmの凹状部が1〜50個、開口幅が11μm〜30μmの凹状部が1〜2個であり、深さは0.1μm〜20μmの範囲内であった。この凹状部の大きさについても、観察場所を変えてもほとんど変わりがなかった。
ここで、観察された凹状部の大きさの評価については、開口幅0.1〜30μm及び深さ0.1〜30μmの範囲内である場合を良好(○)とし、そうでない場合を不良(×)とした。結果を表1に示す。
[アルミ形状体の表面光沢度の評価]
得られたアルミ形状体について、ハンディ光沢計(スガ試験機社製)を用いて表面の60度光沢度を測定した。60度光沢度を表1に示す。
[アルミ形状体の表面積増加率による評価]
得られたアルミ形状体について、SEMあるいは光学顕微鏡により倍率1000倍で断面観察を行い、得られた断面観察写真について画像処理ソフト(ImageJ)を用いアルミ形状体の表面の表面積を測定した。未処理のアルミニウム合金材に対し得られたアルミ形状体表面の表面積が増加した割合を表面積増加率と定義した。表面積増加率を表1に示す。
〔実施例2〕
アルミ片を切り出すアルミニウム合金板としてJIS A1100-H14を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例3〕
アルミ片を切り出すアルミニウム合金板としてJIS A5052-H34を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例4〕
エッチング処理に50wt%リン酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例5〕
エッチング処理に10wt%硫酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例6〕
エッチング処理に30wt%シュウ酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例7〜10及び17〕
上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例11〕
エッチング液として、2.5wt%塩酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウム(NaCl)を添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:54g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例12〕
エッチング液として、2.5wt%塩酸水溶液(塩素イオン濃度:24g/L)を用い、76℃で10分間浸漬した後に水洗するエッチング処理をした以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例13〜16〕
6wt%塩酸溶液中に268g/Lの塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:173g/L)を用い、30℃で10分間浸漬した後に水洗するエッチング処理を施した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製した。
得られたアルミ形状体について、上記実施例1の場合と同様にして、凹状部の観察を行ってその形状及び大きさを評価すると共に、表面光沢度及び表面積増加率を測定した。これらの結果を表1に示す。
[実施例6〜9のアルミ形状体についての下地処理]
上で得られた実施例6〜9のアルミ形状体については、塗装してアルミニウム塗装材を調製する前に、予め以下の方法で下地処理を行った。
すなわち、実施例6及び8では、珪素化合物を含有するアルカリ溶液として、メタ珪酸ナトリウムを含有する脱脂剤(脱脂剤A:日本ペイント社製商品名:サーフクリーナー155)の2重量%水溶液を用い、60℃で30秒間浸漬した後、水洗して、50℃で5分間乾燥させた。また、実施例7及び9では、2重量%のコロイダルシリカ(日産化学工業製商品名:スノーテックス-O)を含有する0.2wt%-リン酸水溶液をバーコーター#3で塗装し、100℃で1分乾燥させた。
[アルミニウム塗装材の調製]
〔実施例1、5及び13〕
実施例1、5及び13では、下記の表3に示す塗料Aをスプレー塗装し、PMT170℃で20分間焼き付けて乾繰させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例1、5及び13のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例2、3及び4〕
実施例2、3及び4では、プライマーとして下記の表3に示す塗料Bをバーコート塗装し、最高到達温度(PMT: Peak metal temperature)210℃で40秒間の焼付け処理をして乾燥させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成した。次いで、下記の表3に示す塗料Cをバーコート塗装し、PMT225℃で60秒間の焼付け処理をして乾燥させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例2、3及び4のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例6〕
実施例6では、下記の表3に示す塗料Dをバーコート塗装し、最高到達温度(PMT)220℃で60秒間の焼付け処理をして乾燥させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例6のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例7〕
実施例7では、下記の表3に示す塗料Dをバーコート塗装し、180℃で20分間の焼付け処理をして乾燥させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例7のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例8及び9〕
実施例8及び9では、プライマーとして下記の表3に示す塗料Eをスプレー塗装し、150℃で10分間焼き付けて乾繰させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、次いで、下記の表3に示す塗料Fをスプレー塗装し、200℃で30分間の焼付け処理をして乾燥させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例8及び9のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例10〕
実施例10では、下記の表3に示す塗料Gを静電粉体塗装し、170℃で20分間焼き付けし、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例10のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例11、12及び14〕
実施例11、12及び14では、プライマーとして下記の表3に示す塗料Hをスプレー塗装し、120℃で10分間焼き付けて乾繰させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、次いで、下記の表3に示す塗料Iを静電粉体塗装し、180℃で20分間焼き付けし、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例11、12及び14のアルミニウム塗装材を調製した。
〔実施例15、16及び17〕
実施例15、16及び17では、プライマーとして下記の表3に示す塗料Jを静電粉体塗装し、170℃で20分間焼き付けて乾繰させ、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、次いで、下記の表3に示す塗料Fをスプレー塗装し、180℃で20分間焼き付けし、表1に示す膜厚の塗膜を形成し、実施例15、16及び17のアルミニウム塗装材を調製した。
[塗膜断面の積層部観察]
以上のようにして得られた各実施例1〜17のアルミニウム塗装材について、図3に示すように、厚さ方向に切断し、この厚さ方向断面をSEMあるいは光学顕微鏡により倍率1000倍で観察し、得られた断面観察写真について、塗膜2側からアルミ形状体1側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ライン(OL)を互いに0.1μmの間隔で引いた際に、1観察ライン(OL)上に塗膜−アルミ−塗膜からなる少なくとも1つ以上の積層部が存在し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、1000本の観察ライン(OL)の範囲内に1つ以上の割合で存在する場合を良好(○)とし、このような積層部が1000本の観察ライン(OL)の範囲内に1つも存在しないものを不良(×)として評価したところ、結果はいずれの場合も良好(○)であった。
[沸騰水浸漬試験]
実施例1〜17のアルミニウム塗装材について、沸騰水浸漬試験を行った。沸騰水浸漬試験は、アルミニウム塗装材を沸騰水に5時間浸漬し、試験終了後に外観を観察し、膨れ、剥がれ等の異常を観察した後,二次物性として、塗膜の密着性を評価した。試験終了後の外観に異常のないものを○、膨れ、剥がれ等の異常を生じたものを×として評価した。二次物性は、JIS K5600の付着性(クロスカット法)の方法で、剥離が生じているクロスカット部の面積が5%以下(分類1以下)のものを◎、5%を超え15%以下のものを○、15%を超え35%以下のものを△、35%を超えるものを×として評価した。結果を表1に示す。
[塩水噴霧試験]
実施例1〜17のアルミニウム塗装材について、塩水噴霧試験を行なった。塩水噴霧試験は、JIS K5600の方法でクロスカットを入れ1000hr実施した。1000hr後の塗膜で、カット部に腐食、フクレ等の発生が全く無く、カット部の密着性が良好なものを◎、カット部の腐食が1mm以内で、フクレが無く、密着性が良好なものを○、カット部の腐食が1mm以上、又は、フクレの発生、又は密着性が不良等の異常が発生したものを×として評価した。結果を表1に示す。
Figure 2011121307
〔比較例1〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をしたのみでエッチング処理を行うことなく比較例1のアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Aをスプレー塗装し、PMT170℃で20分間焼き付けて乾繰させ、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例1のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例2〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、2.5wt%塩酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、また、5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で5分間浸漬して水洗し、更に、30wt%硝酸に常温で3分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、プライマーとして下記の表3に示す塗料Bをバーコート塗装し、最高到達温度(PMT: Peak metal temperature)210℃で40秒間の焼付け処理をして乾燥させ、表2に示す膜厚の塗膜を形成した。次いで、下記の表3に示す塗料Cをバーコート塗装し、PMT225℃で60秒間の焼付け処理をして乾燥させ、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例2のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例3〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、50wt%リン酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Dをバーコート塗装し、180℃で20分間の焼付け処理をして乾燥させ、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例3のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例4〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、10wt%硫酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Dをバーコート塗装し、180℃で20分間の焼付け処理をして乾燥させ、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例3のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例5〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、30wt%シュウ酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Gを静電粉体塗装し、170℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例5のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例6〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、先ず過酸化水素26g/L及び硫酸90g/Lを含むエッチング液(水溶液)に20℃で1分間浸漬して防錆皮膜除去を行い、次いで過酸化水素80g/L、硫酸90g/L、ベンゾトリアゾール5g/L、及び塩化ナトリウム0.2g/Lを含むエッチング液(水溶液;塩素イオン濃度:0.1g/L)に25℃で5分間浸漬してイオン交換水で水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Gを静電粉体塗装し、170℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例6のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例7〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、30wt%硝酸水溶液からなるエッチング液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Fをスプレー塗装し、180℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例7のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例8〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、平均粒径100μmの#150アルミナを用いてエアーブラストを行った後に実施例1の前処理を行い、エッチング処理を行うことなくアルミ形状体を調製した。
次いで、下記の表3に示す塗料Fをスプレー塗装し、180℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例8のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例9〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、硫酸法により陽極酸化処理を施し、各試験片の表面全面に陽極酸化皮膜層を設けた。この陽極酸化処理は、硫酸160g/Lで23℃の電解液を用い、電流密度1.5A/m2の条件で電解することにより行い、厚さ7μmの陽極酸化皮膜を形成してアルミ形状体を調製した。
次いで、82℃の純水で4分間洗浄した後、乾燥させ、封孔処理は行わずに、直ちに下記の表3に示す塗料Aをスプレー塗装し、170℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例9のアルミニウム塗装材を調製した。
〔比較例10〕
実施例1のアルミ片(アルミニウム合金材)を用い、前処理をした後に、粒径150μmのアルミナ粒子を用いてショットブラスト処理を行い、表面粗さRz(Rz:JIS B 0601-1994に準拠する十点平均粗さ)が40μmとなる粗面化表面を形成した。次いで、硫酸160g/Lで23℃の電解液を用い、電流密度1.5A/m2の条件で電解することにより行い、厚さ20μmの陽極酸化皮膜を形成してアルミ形状体を調製した。
そして、82℃の純水で4分間洗浄した後、乾燥させ、封孔処理は行わずに、直ちに下記の表3に示す塗料Cをスプレー塗装し、170℃で20分間焼き付けし、表2に示す膜厚の塗膜を形成し、比較例10のアルミニウム塗装材を調製した。
得られた各比較例1〜10のアルミニウム塗装材について、上記各実施例1〜17の場合と同様に、塗装断面の積層部観察を行って評価すると共に、沸騰水浸漬試験及び塩水噴霧試験を実施して評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2011121307
Figure 2011121307
1…アルミ形状体、TL…トップライン、BL…ボトムライン、HL…ハーフライン、d…開口幅、OL…観察ライン、2…塗膜、3…凹状部。

Claims (15)

  1. 表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装により形成された塗膜とを含むアルミニウム塗装材であり、前記アルミ形状体の表面には前記凹凸部に起因して形成され、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅が0.1μm以上30μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである複数の凹状部が形成されていると共に、これらの凹状部内には前記塗装時に塗料が進入して固化した塗膜の嵌入部が形成されており、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と塗膜が互いに係止されていることを特徴とするアルミニウム塗装材。
  2. アルミ形状体には、その複数の凹状部のうちの一部又は全部において、凹状部の開口縁部の一部分又は全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部が形成されており、この突出部によりアルミ成形体の凹状部と塗膜の嵌入部とが互いに脱離不能な係止構造を形成している請求項1に記載のアルミニウム塗装材。
  3. アルミニウム塗装材の厚さ方向断面において、その塗膜側からアルミ形状体側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ラインを互いに0.1μmの間隔で引いた際に、雪庇状の突出部は、1観察ライン上に塗膜−アルミ−塗膜からなる少なくとも1つ以上の積層部を形成し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、この雪庇状の突出部が1000本の観察ラインの範囲内に1つ以上存在することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム塗装材。
  4. アルミ形状体の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部凹状部が形成された二重凹状部構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム塗装材。
  5. アルミ形状体の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部突起部が形成された内部凹凸構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム塗装材。
  6. アルミ形状体の60度鏡面光沢度が60以下である請求項1〜5いずれかに記載のアルミニウム塗装材。
  7. アルミ形状体の表面積が、凹凸部を形成する前のアルミニウム合金材の表面積の1.2倍以上10倍以下である請求項1〜6いずれかに記載のアルミニウム塗装材。
  8. アルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面に塗装により設けられた塗膜とを含むアルミニウム塗装材の製造方法であり、アルミニウム合金材をエッチング処理して表面の一部又は全面に凹凸部に起因する複数の凹状部を有するアルミ形状体を形成し、塗装時には塗料がアルミ形状体の各凹状部内に進入して固化した塗膜の嵌入部を成形し、アルミ形状体の凹状部と塗膜の嵌入部とが互いに係止してアルミ形状体と塗膜とが一体的に結合したアルミニウム塗装材を製造することを特徴とするアルミニウム塗装材の製造方法。
  9. アルミニウム合金材のエッチング処理は、エッチング液として、ハロゲンイオン濃度を0.5g/L以上300g/L以下の範囲内で含む酸濃度0.1重量%以上80重量%以下の酸水溶液を用いて行われる請求項8に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  10. エッチング液は、酸水溶液中に水溶性無機ハロゲン化合物を添加して調製される請求項9に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  11. アルミ形状体には、その複数の凹状部のうちの一部又は全部において、凹状部の開口縁部の一部分又は全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部が形成されており、この突出部によりアルミ成形体の凹状部と塗膜の嵌入部とが互いに脱離不能な係止構造を形成している請求項8〜10のいずれかに記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  12. アルミニウム塗装材の厚さ方向断面において、その塗膜側からアルミ形状体側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ラインを互いに0.1μmの間隔で引いた際に、雪庇状の突出部は、1観察ライン上に塗膜−アルミ−塗膜からなる少なくとも1つ以上の積層部を形成し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、この雪庇状の突出部が1000本の観察ラインの範囲内に1つ以上存在することを特徴とする請求項11に記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  13. アルミ形状体の表面に凹凸部に起因して形成される複数の凹状部は、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅が0.1μm以上30μm以下で深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである請求項8〜12のいずれかに記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  14. アルミ形状体の60度鏡面光沢度が60以下である請求項8〜13のいずれかに記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
  15. アルミ形状体の表面積が、凹凸部を形成する前のアルミニウム合金材の表面積の1.2倍以上10倍以下である請求項8〜14のいずれかに記載のアルミニウム塗装材の製造方法。
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