JP2002226980A - クロメート処理方法及び処理されたアルミニウム又はその合金基材 - Google Patents

クロメート処理方法及び処理されたアルミニウム又はその合金基材

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啓志 前辻
Teruo Tsuji
照雄 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム基材又はその合金基材をクロメ
ート処理する場合において、優れた防食性を有するクロ
メート皮膜を形成することができるクロメート処理方法
を提供する。 【解決手段】 アルミニウム基材又はその合金基材をク
ロメート処理液で処理する工程、及び、上記クロメート
処理液をイオン交換樹脂により処理する工程からなるク
ロメート処理方法であって、上記クロメート処理液で処
理する工程におけるクロメート処理液は、6価クロムイ
オン濃度が0.2〜0.4g/L、フッ素イオン濃度が
10〜30mg/L、pHが2.4〜2.9に調整され
たものであることを特徴とするクロメート処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム基材
又はその合金基材のクロメート処理方法に関し、更に詳
しくは、アルミニウム基材又はその合金基材に優れた防
食性を有するクロメート皮膜を形成することができるク
ロメート処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム基材やアルミニウム合金基
材は、素材自体に光輝性があり、軽量であるため、これ
らの特性を活かして、さまざまな分野で利用が拡大して
いる。例えば、自動車のホイールは、鉄製のものが主流
であったが、自動車の高級化、軽量化が要求されるよう
になってから、アルミニウム合金基材からなるアルミホ
イールの需要が高まっている。
【0003】一般に、アルミニウム基材は、上述した特
性を有する一方、防食性が不充分であるため、表面に傷
等が存在すると糸錆が発生したり、表面に酸化膜ができ
やすい欠点がある。また、アルミニウム合金基材は、強
度を高めるために添加した他の成分が不純物として表面
に浮き上がってくる問題もあり、そのまま塗装すると塗
膜との密着性が不充分となる場合がある。このため、こ
れらの基材には、防食性や密着性等の性能を向上させる
ために表面処理が施されている。
【0004】アルミホイールの表面処理法としては、脱
脂を行った後、アルマイト法等の陽極酸化、着色処理、
クロメート処理、MBV法、ベーマイト法等の化学皮膜
処理等が行われている。なかでも、素材の光輝性を生か
すことができ、更に、塗膜の密着性や防食性をより向上
させることができる点から、クロメート処理が好適に用
いられている。
【0005】しかしながら、クロメート処理では、優れ
た防食性を付与することができるものの、クロメート皮
膜がカーキ色に着色しているので、アルミニウム基材や
アルミニウム合金基材の表面の光沢が皮膜で隠されてし
まう。このため、アルミホイールのように素材の光輝性
が要求される用途では、クロムの付着量が通常5〜20
mg/m2 程度に制限され、充分な防食性を付与するこ
とができない場合がある。特に、クロメート処理を行っ
た後に粉体塗装を行う場合には、塗膜密着性も悪いため
に、得られる塗膜の防食性が更に劣るという問題点があ
った。
【0006】特開平5−179486号公報には、アル
ミホイールの表面を、6価クロムイオン2g/l以上、
硫酸イオン20〜2000ppm、フッ素10〜400
ppm及びジルコニウムイオン20ppm以上含有する
pH0.6〜1.7の酸性溶液を用い、陰極電解処理す
ることにより、透明なクロメート皮膜を形成するアルミ
ホイールの無色クロメート皮膜形成方法が開示されてい
る。この方法は、クロム付着量50〜250mg/m2
のクロメート皮膜を形成させることを意図するものであ
るが、皮膜が透明であるので、基材の表面まで光線が透
過し、素材の光輝性を阻害することがない。
【0007】特開平11−6078号公報には、6価ク
ロムイオンを0.1〜0.5g/l、フルオロジルコニ
ウムイオンをZrイオンとして0.01〜0.5g/
l、水溶性又はコロイド珪素化合物をSiとして0.0
1〜0.1g/l、及び、フッ素を0.1〜0.5g/
l含有するpH1.5〜3.0のアルミニウム基材又は
その合金基材用化成処理液が開示されている。これは、
処理を行った後に水切り乾燥を行っても、粉体塗装等の
高い膜厚の塗膜の密着性が良好に保たれ、塗膜に優れた
密着性と防食性を付与することを目的とするものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ミニウム基材又はその合金基材をクロメート処理する場
合において、優れた防食性を有するクロメート皮膜を形
成することができるクロメート処理方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
基材又はその合金基材をクロメート処理液で処理する工
程、及び、上記クロメート処理液をイオン交換樹脂によ
り処理する工程からなるクロメート処理方法であって、
上記クロメート処理液で処理する工程におけるクロメー
ト処理液は、6価クロムイオン濃度が0.2〜0.4g
/L、フッ素イオン濃度が10〜30mg/L、pHが
2.4〜2.8に調整されたものであることを特徴とす
るクロメート処理方法である。
【0010】上記フッ素イオン濃度は、フッ素イオンメ
ーターで測定され、フッ化物溶液、より好ましくはKF
溶液及び/又はKHF2 溶液を添加することによって調
整されることが好ましい。上記クロメート処理方法は、
ホイールに対して好適に使用することができる。本発明
はまた、上記クロメート処理方法によって処理されてな
るアルミニウム基材又はその合金基材でもある。以下、
本発明を詳述する。
【0011】本発明者らは、アルミニウム基材又はその
合金基材をクロメート処理液で処理する場合において形
成されるクロメート皮膜の防食性については、アルミニ
ウムに対するエッチング剤である遊離のフッ素イオン濃
度をコントロールすることが特に重要であることを見い
だした。更に、基材を処理していくと、通常、クロメー
ト処理液中のアルミニウムの濃度が上昇するが、これを
イオン交換樹脂で処理することによって、Alイオンを
除去するとともに、pHも2.4〜2.8に維持するこ
とができ、この範囲のpH値によって、上記フッ素イオ
ンの機能を充分に発揮することができるので、優れた防
食性を有するクロメート皮膜を得ることができることも
見いだし、本発明を完成した。
【0012】本発明のクロメート処理方法は、アルミニ
ウム基材又はその合金基材をクロメート処理液で処理す
る工程を含むものである。上記クロメート処理液は、6
価クロムイオン濃度が0.2〜0.4g/Lに調整され
たものである。0.2g/L未満であると、形成される
クロメート皮膜中のクロム付着量が減少し、防食性に劣
る。0.4g/Lを超えると、形成されるクロメート皮
膜中のクロム付着量が多すぎて、皮膜の着色が目視で判
別できるほどになる。上記クロメート処理液中の6価ク
ロムイオン濃度は、酸化還元滴定又は電気伝導度の測定
によって定量することができる。上記6価クロムイオン
の供給源としては、例えば、無水クロム酸、クロム酸、
重クロム酸及び重クロム酸のアルカリ金属塩等を挙げる
ことができる。
【0013】上記クロメート処理液は、フッ素イオン濃
度が10〜30mg/Lに調整されたものである。10
mg/L未満であると、得られるクロメート皮膜中のク
ロム付着量が減少し、防食性に劣る。30mg/Lを超
えると、クロム付着量が多すぎて、皮膜の着色が目視で
判別できるほどになる。
【0014】上記クロメート処理液中のフッ素イオン濃
度は、市販のフッ素イオンメーターを用いて測定するこ
とができる。即ち、フッ素イオン濃度既知の標準液につ
いてフッ素イオンメーターを用いて電位値を測定し、こ
れを基に検量線を作成した後、測定対象となるクロメー
ト処理液の電位値を測定し、上記標準液の検量線からク
ロメート処理液中のフッ素イオン濃度を読み取ることが
できる。
【0015】上記アルミニウム基材又はその合金基材を
クロメート処理液で処理する過程においては、アルミニ
ウムイオンが溶出し、このアルミニウムイオンがクロメ
ート処理液中のフッ素イオンと結合してAlF2+、Al
2 + 等のイオンとなり、これが後述するイオン交換樹
脂により除去されて、クロメート処理液中の遊離のフッ
素イオン濃度が徐々に減少していく。本発明において
は、クロメート処理液中のフッ素イオン濃度をフッ素イ
オンメーターを用いて測定しながら、常時10〜30m
g/Lになるように管理する必要がある。
【0016】上記フッ素イオン濃度は、フッ化物又はフ
ッ化物溶液を添加することにより調整することができ
る。上記フッ化物又はフッ化物溶液としては特に限定さ
れず、例えば、KF、HF、NH4 F、KHF2 、NH
4 HF2 、NaF、NaHF2 及びこれらの溶液等を挙
げることができる。フッ化物溶液が好ましく、溶解のし
やすさの点からKF又はKHF2 の溶液がより好まし
い。上記フッ化物及びフッ化物溶液は、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0017】上記フッ化物又はフッ化物溶液として、ジ
ルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化カリウ
ム、ジルコニウムフッ化ナトリウム、ジルコニウムフッ
化アンモニウム、ヘキサフロオロ珪酸、テトラフルオロ
ホウ酸等の錯フッ化物を使用する場合は、解離定数の関
係上、遊離のフッ素イオンを放出しにくい。従って、錯
フッ化物を使用する場合には、フッ化物重量の10重量
%以下とすることが好ましい。
【0018】上記クロメート処理液は、更に、皮膜形成
促進剤として、ジルコニウムイオンを0.01〜0.5
g/L含むことが好ましい。0.01g/L未満である
と、クロメート皮膜の形成が促進されず、0.5g/L
を超えても、効果は変わらず、経済的に不利である。
【0019】上記ジルコニウムイオンの供給源として
は、例えば、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウム
フッ化カリウム、ジルコニウムフッ化ナトリウム、ジル
コニウムフッ化アンモニウム、硫酸ジルコニウム等を挙
げることができる。
【0020】本発明において、上記クロメート処理液
は、pHが2.4〜2.8に調整されるものである。p
H2.4未満であったり、pH2.8を超えると、解離
定数の関係上フッ素イオンが有効に機能せず、良好なク
ロメート皮膜が形成されない。更に、pH2.8を超え
る場合は、クロメート処理液中のアルミニウムの濃度が
高い場合であり好ましくない。
【0021】本発明において、上記クロメート処理液に
よって、アルミニウム基材又はその合金基材が処理され
る。上記処理の方法としては、例えば、室温〜70℃に
おいて10秒〜5分程度の浸漬処理を挙げることができ
る。好ましくは、30〜50℃にて30秒〜3分程度で
ある。また、スプレー処理を併用することも可能であ
る。
【0022】上記クロメート処理液で処理する工程によ
って、クロム量5〜20mg/m2 のクロメート皮膜を
形成することができる。5mg/m2 未満では、防食性
に劣り、20mg/m2 を超えると、皮膜が着色する。
好ましくは、5〜15mg/m 2 である。
【0023】本発明においては、上記クロメート処理液
をイオン交換樹脂により処理する工程を含むものであ
る。上記イオン交換樹脂としては、カチオン交換樹脂が
使用される。上記イオン交換樹脂によって、クロメート
処理液中のアルミニウムイオン等のカチオンが除去され
るため、クロメート処理液のpHを2.4〜2.8に調
整することができる。また、クロメート処理液中のアル
ミニウムイオン濃度が極度に上昇することがないため、
クロメート処理液にスラッジが生成しにくく、長期にわ
たりクロメート処理液を使用することができる。
【0024】上記イオン交換樹脂による処理は、アルミ
ニウム基材又はその合金基材を処理した後のクロメート
処理液について常時行ってもよいし、間欠的に行うこと
もできる。上記イオン交換樹脂により処理されたクロメ
ート処理液は、回収されて、上述したアルミニウム基材
又はその合金基材をクロメート処理液で処理する工程に
おいて再度使用される。
【0025】本発明のクロメート処理方法は、アルミニ
ウム基材又はその合金基材に対して適用するものであ
る。好ましくは、自動車用部品、特にホイールである。
上記アルミニウム合金としては、Al−Si合金、Al
−Si−Mg合金等を挙げることができる。
【0026】上記アルミニウム基材又はその合金基材
は、成形、プレス溶接された後、表面に付着している油
分や汚れを除去するための脱脂処理、及び、脱脂後水洗
処理が予め行われたものであることが好ましい。上記脱
脂処理としては、シリケート系脱脂剤が好適に用いられ
るが、アルカリ脱脂剤を用いることも可能である。通常
40〜55℃において数分間程度の浸漬処理がなされ
る。所望により、脱脂処理の前に、スプレーによる予備
脱脂処理を行うことも可能である。その後、上記脱脂剤
を水洗するために、大量の水洗水によって1段階又はそ
れ以上でスプレー処理により脱脂後水洗処理が行われ
る。
【0027】上記脱脂後水洗処理が行われた後、本発明
のクロメート処理が行われ、水洗が不充分であるとその
後の塗装において塗膜外観等に悪影響を及ぼすことか
ら、2段又はそれ以上による水洗処理が行われる。この
場合、最終の水洗は、純水で行うことが適当である。こ
の水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のど
ちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗するこ
ともできる。
【0028】上記アルミニウム基材又はその合金基材
は、上記水洗処理の後は、公知の方法に従って、必要に
応じて乾燥され、その後、塗装を行うことができる。上
記塗装としては、粉体塗料、溶剤型塗料、水性型塗料等
による塗装を挙げることができる。このなかで、粉体塗
料は、有機溶剤を使用しないことから環境に悪影響を及
ぼさないばかりか、膜厚を厚くすることができるので高
外観の塗膜を得ることができる点から近年注目を浴びて
いるが、粉体塗料から形成される塗膜は、収縮率が高い
ため、内部応力が高くなり、密着性、特に耐水2次密着
性に劣るものであった。また、その結果、防食性にも劣
るという欠点があった。しかし、本発明においては、ク
ロメート処理された後、粉体塗料を塗装する場合であっ
ても、密着性及び防食性に優れた塗膜を得ることができ
る。
【0029】本発明のクロメート処理方法においては、
6価クロムイオン濃度が0.2〜0.4g/L、フッ素
イオン濃度が10〜30mg/L、pHが2.4〜2.
8であるクロメート処理液でアルミニウム基材又はその
合金基材を処理する工程を含むので、クロム量5〜20
mg/m2 の防食性に優れたクロメート皮膜を形成する
ことができる。
【0030】即ち、アルミニウム基材又はその合金基材
をクロメート処理液で処理する工程においては、通常、
使用とともに、クロメート処理液中のアルミニウムの濃
度が上昇し、これに伴い、フッ素イオンとアルミニウム
イオンとがフッ化アルミニウムイオンを形成するため、
クロメート処理液中の遊離のフッ素イオン濃度が減少し
ていくが、本発明においては、フッ化カリウム溶液等を
添加することによって、フッ素イオン濃度を10〜30
mg/Lに保つことができる。また、使用とともに、ク
ロメート処理液のpHも減少して行くが、イオン交換樹
脂による処理工程によって、Alイオンが除去され、p
Hも2.4〜2.8に維持することができるため、上記
フッ素イオンの機能を充分に発揮することができる。従
って、得られるクロメート皮膜を防食性に優れたものと
することができる。
【0031】本発明のクロメート処理方法によって処理
されてなるアルミニウム基材又はその合金基材は、密着
性及び防食性に優れるとともに、着色が目視により判別
できるほど生じないため、素材自体の光輝感を生かすこ
とができ、自動車のホイールに好適である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 市販のアルミニウム基材(日本テストパネル社製「AC
−4C」;7cm×15cm×0.5cm)を下記の工
程により処理を行った。 脱脂:3重量%「サーフクリーナー53」(日本ペイン
ト社製脱脂剤;主成分を表1に示した;界面活性剤とし
て「エマルゲンPI20T」(花王社製)を使用)50
℃、3分間浸漬処理 脱脂後水洗:室温、スプレー水洗、30秒 クロメート処理:0.1重量%「アルサーフ1000」
(日本ペイント社製クロメート処理剤)を用いて、表1
に示した温度及び時間において浸漬処理 クロメート処理後第1水洗:室温、スプレー水洗、30
秒 クロメート処理後純水第2水洗:純水による流水洗、室
温、30秒スプレー 乾燥:温風循環式乾燥機(タバイ社製)、80℃、5分
間 粉体塗装:「パウダックスA400」(日本ペイント社
製クリヤー粉体塗料)、乾燥膜厚80μm、160℃、
20分焼付け硬化
【0033】上記クロメート処理を行った後のクロメー
ト処理剤は、イオン交換樹脂「ミニクロパックG塔」
(カチオン交換樹脂、日本電工社製)を用いて、処理条
件:クロメート浴中アルミニウムイオン40ppm以
下、pH2.4〜2.8になるように通液した。イオン
交換樹脂による処理が終了したクロメート処理剤は、次
のアルミニウム基材をクロメート処理するために使用し
た。上記のようにして、クロメート処理及びイオン交換
樹脂による処理を繰り返し、下記使用後のクロメート処
理液のイオン濃度の測定、並びに、その時のアルミニウ
ム基材に形成されたクロメート皮膜のクロム付着量の測
定、及び、クロメート皮膜の性能を評価した。 初期:0.1重量%「アルサーフ1000」によってア
ルミニウム基材を処理 処理1:アルミニウム基材100枚処理 処理2:上記処理1の後、「トーナー600」(日本ペ
イント社製;主成分KF、KHF2 )を添加 処理3:上記処理2の後、更にアルミニウム基材100
枚処理 処理4:上記処理3の後、「トーナー600」(日本ペ
イント社製)を添加
【0034】上記クロメート処理においては、表1に示
した6価クロム濃度とZrイオン濃度に合わせるため
に、「アルサーフ1000」を適宜添加した。なお、6
価クロム濃度は、酸化還元メトリーにより測定し、Zr
イオン濃度は、原子吸光光度計により測定した。また、
フッ素イオン濃度は、フッ素イオンメーター(堀場製作
所社製)を用いて測定し、Alイオン濃度は、原子吸光
光度計を用いて測定した。
【0035】(1)クロメート皮膜のクロム付着量の測
定 クロメート処理、水洗及び乾燥後の塗板について、蛍光
X線装置(理学社製)によって、クロメート皮膜のクロ
ム付着量を測定した。結果を表1に示した。
【0036】(2)評価 クロメート処理、水洗及び乾燥後、粉体塗料による塗装
を行った塗板について、下記項目により評価を行った。
なお、処理1及び処理3については、耐水2次密着性の
評価結果が悪いものであったので、サイクル腐食性試験
(CCT)は行わなかった。結果を表1に示した。 (2−1)耐水2次密着性試験 60℃の温水に72時間浸漬した。24時間後に、2m
mの碁盤目を100個入れ、セロハンテープ(ニチバン
社製)を貼り付けて剥がし、残った碁盤目の数により評
価した。 ○:100/100 ×:99/100以下 (2−2)サイクル腐食性試験(CCT) 表面にクロスカットを入れ、TSH1555G,A法に
よって20サイクル及び60サイクル行い、カット部か
らの片側の最大錆幅(mm)を測定した。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、使用とともに、クロメート処理
液中のフッ素イオン濃度が減少し、処理1及び処理3に
おいては、フッ素イオン濃度がそれぞれ0mg/l及び
5mg/lとなった。これらの場合、形成されたクロメ
ート皮膜中のクロム量が少なく、耐水2次密着性に劣る
ものであった。一方、フッ素イオン濃度をコントロール
した処理2及び処理4においては、耐水2次密着性及び
CCTの評価結果が良好で、防食性に優れたものであっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明のクロメート処理方法は、6価ク
ロムイオン濃度が0.2〜0.4g/L、フッ素イオン
濃度が10〜30mg/L、pHが2.4〜2.8であ
るクロメート処理液でアルミニウム基材又はその合金基
材を処理する工程を含むので、クロム量5〜20mg/
2 の防食性に優れたクロメート皮膜を形成することが
できる。また、処理された後のクロメート処理液をイオ
ン交換樹脂により処理する工程を含むので、アルミニウ
ムイオンが除去され、クロメート処理液中のpHが2.
4〜2.8に保持される。本発明のクロメート処理方法
によって処理されてなるアルミニウム基材又はその合金
基材は、密着性及び防食性に優れるとともに、素材自体
の光輝感を生かすことができるため、自動車のホイール
に好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基材又はその合金基材をク
    ロメート処理液で処理する工程、及び、前記クロメート
    処理液をイオン交換樹脂により処理する工程からなるク
    ロメート処理方法であって、前記クロメート処理液で処
    理する工程におけるクロメート処理液は、6価クロムイ
    オン濃度が0.2〜0.4g/L、フッ素イオン濃度が
    10〜30mg/L、pHが2.4〜2.8に調整され
    たものであることを特徴とするクロメート処理方法。
  2. 【請求項2】 フッ素イオン濃度は、フッ素イオンメー
    ターで測定されるものである請求項1記載のクロメート
    処理方法。
  3. 【請求項3】 フッ素イオン濃度は、フッ化物溶液を添
    加することによって調整されるものである請求項1又は
    2記載のクロメート処理方法。
  4. 【請求項4】 フッ化物溶液は、KF溶液及び/又はK
    HF2 溶液である請求項3記載のクロメート処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム基材又はその合金基材は、
    ホイールである請求項1、2、3又は4記載のクロメー
    ト処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載のクロ
    メート処理方法によって処理されてなるアルミニウム基
    材又はその合金基材。
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