JP2000282251A - アルミニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法並びに塗装物 - Google Patents
アルミニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法並びに塗装物Info
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Abstract
処理と同等以上の耐食性を付与することができ、塗膜と
の密着性を向上させ、かつ、アルミニウムの光輝性を充
分に発揮させることができるアルミニウム基材及びアル
ミニウム合金基材の塗装方法、並びに、該塗装方法によ
り塗装された表面に金属光沢のある塗装物を提供する。 【解決手段】 アルミニウム基材又はアルミニウム合金
基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g/L及び硫酸を
含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶液で処理した
後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01
〜0.125g/L、りん酸イオン0.01〜1.0g
/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含
んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化成処理剤で化
成処理し、その後、塗装するアルミニウム基材及びアル
ミニウム合金基材の塗装方法。
Description
及びアルミニウム合金基材の塗装方法並びに塗装物に関
する。
材は、素材自体に光輝性があり、軽量であるため、これ
らの特性を活かして、さまざまな分野で利用が拡大して
いる。例えば、自動車のホイールは、鉄製のものが主流
であったが、自動車の高級化、軽量化が要求されるよう
になってから、アルミニウム合金基材からなるアルミホ
イールの需要が高まっている。
性を有する一方、耐食性が不充分であるため、表面に傷
等が存在すると糸錆が発生したり、表面に酸化膜ができ
やすい欠点がある。また、アルミニウム合金基材は、強
度を高めるために添加した他の成分が不純物として表面
に浮き上がってくる問題もあり、そのまま塗装すると塗
膜との密着性が不充分となる場合がある。このため、こ
れらの基材には、耐食性や密着性等の性能を向上させる
ために表面処理が施されている。
脂を行った後、アルマイト法等の陽極酸化、着色処理、
クロメート処理、MBV法、ベーマイト法等の化学被膜
処理等が行われている。なかでも、塗膜の密着性や耐食
性をより向上させることができるので、クロメート処理
が好適に用いられている。
た耐食性を付与することができるものの、クロメート被
膜がカーキ色に着色しているので、アルミニウム基材や
アルミニウム合金基材の表面の光沢が被膜で隠されてし
まう。このため、アルミホイールのように素材の光輝性
が要求される用途では、クロムの付着量が制限され、充
分な耐食性を付与することができない場合がある。
ミホイールの表面をクロムイオンを含む酸性溶液を用
い、陰極電解処理することにより、透明なクロメート被
膜を形成する光輝性アルミホイールの無色クロメート被
膜形成方法が開示されている。この方法では、クロメー
ト被膜が透明であるので、基材の表面まで光線が透過
し、素材の光輝性を阻害することがない。しかしなが
ら、近年、クロムの有害性が指摘されるようになってお
り、クロムを含まない処理液を用いて処理することが望
まれている。
用いたノンクロメート処理も行われているが、この処理
方法では、環境への安全性には問題はないが、クロメー
ト処理と比較して耐食性が不充分であるため、充分な耐
食性を付与するためには膜厚を大きくする必要があり、
結果として、素材の光輝性が損なわれる。
高級感が重要視されているため、耐食性や密着性だけで
はなく、素材の光輝性を活かす必要があり、上述した処
理方法では充分に対応することができなかった。
ム合金基材は、飲料用アルミ缶や食用アルミ缶としても
用いられているが、これらの表面処理方法としては、酸
洗、脱脂を行った後、化成処理、必要に応じて、後処理
が行われている。
イオン、硫酸及び/又は硝酸からなる表面洗浄剤が開示
されている。このものは、ドローイング・アンド・アイ
アニング(DI)加工されて製造される飲料用アルミ缶
に適用するものであり、加工時にアルミニウム表面に付
着する潤滑油とアルミニウム粉末とからなるスマットの
除去のために用いられるものである。
コニウムイオン又はチタニウムイオン、りん酸イオン、
フッ素イオンを含んでなるコーティング剤が開示されて
いる。このものは、アルミ缶の腐食抵抗性、塗膜の密着
性を向上させるために用いられるものである。
応性官能基を有するオルガノアルコキシシラン化合物を
含んでなる水性後処理剤が開示されている。このもの
は、りん酸亜鉛による化成処理が施されたアルミニウム
基材の表面に、耐食性や塗膜の密着性を向上させるため
に用いられるものである。
剤を提供しており、環境衛生上好ましいものであるが、
適用するアルミニウム基材やアルミニウム合金基材が、
飲料用アルミ缶、食用アルミ缶等の光輝性を要求される
用途に用いられるものではなく、耐食性や塗膜の密着
性、更に、素材の光輝性が要求されるアルミホイールの
塗装前処理方法としては充分な方法であるか否か不明で
あった。
み、クロムを含まない処理液を用いてクロメート処理と
同等以上の耐食性を付与することができ、塗膜との密着
性を向上させ、かつ、アルミニウムの光輝性を充分に発
揮させることができるアルミニウム基材及びアルミニウ
ム合金基材の塗装方法、並びに、該塗装方法により塗装
された表面に金属光沢のある塗装物を提供することを目
的とするものである。
基材又はアルミニウム合金基材を、第2鉄イオン0.2
〜0.4g/L及び硫酸を含んでなるpH0.6〜2.
0の酸性溶液で処理した後、ジルコニウムイオン又はチ
タニウムイオン0.01〜0.125g/L、りん酸イ
オン0.01〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.
01〜0.5g/Lを含んでなるpH1.5〜4.0の
酸性被膜化成処理剤で化成処理し、その後、塗装するア
ルミニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法で
ある。
ルミニウム合金基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g
/L及び硫酸を含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶
液で処理した後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイ
オン0.01〜0.125g/L、りん酸イオン0.0
1〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.
5g/Lを含んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化
成処理剤で化成処理し、次いで、オルガノアルコキシシ
ラン0.1〜10g/Lを含んでなるpH10〜12の
水溶液で処理し、その後、塗装するアルミニウム基材及
びアルミニウム合金基材の塗装方法である。
ム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法により塗装
された塗装物である。以下に本発明を詳述する。
ウム合金基材を、酸性溶液で処理した後、酸性被膜化成
処理剤で化成処理し、その後、塗装をすることにより、
アルミニウム基材及びアルミニウム合金基材を塗装する
方法である。
金基材(例えば、AC4C若しくはAC4CH)として
は、アルミホイールが好適である。本発明の塗装方法
は、良好な耐食性、密着性を有する塗膜が得られるのみ
ならず、表面の光輝性を保持することができるので、外
観に光沢が要求されるアルミホイールに好適に適用する
ことができる。
はアルミニウム合金基材には、必要に応じて、脱脂処理
が施される。上記脱脂処理としては特に限定されず、ア
ルカリ脱脂洗浄等の通常のアルミニウム基材の処理に用
いられている方法で行うことができる。上記脱脂処理の
方法としては特に限定されないが、脱脂を効果的に行う
ために、浸漬法で行うことが好ましい。
金基材は、まず、第2鉄イオン0.2〜0.4g/L及
び硫酸を含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶液で処
理される。この工程は、酸洗の工程であり、アルミニウ
ム基材及びアルミニウム合金基材の表面の汚れや酸化膜
を除去するためのものである。
いて、硫酸によるアルミニウムのエッチングを促進する
役割を果たすものである。
液中、0.2〜0.4g/Lである。0.20g/L未
満であると、エッチング速度の促進効果が小さく、エッ
チング不足を生じるおそれがあり、0.4g/Lを超え
ると、アルミニウムの表面を不当にエッチングすること
になるので、上記範囲に限定される。
定されず、例えば、Fe2 (SO4 ) 3 、Fe(NO
3 )3 、Fe(ClO4 )3 等の水溶性第2鉄塩;Fe
SO4 、Fe(NO3 )2 等の水溶性第1鉄塩等を挙げ
ることができる。なかでも、硫酸イオンを提供すること
ができるFe2 (SO4 )3 、FeSO4 を用いること
が好ましい。
溶性第1鉄塩を使用する場合には、上記水溶性第1鉄塩
を配合した酸性水溶液に当量の酸化剤を添加し、必要量
の第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化してから用いるこ
とが好ましい。
酸イオンとして10.6〜12.4g/Lが好まし
い。、10.6g/L未満であると、アルミニウムの表
面のエッチングが不充分となり、12.4g/Lを超え
ると、アルミニウムの表面を不当にエッチングすること
となる。
されず、例えば、H2 SO4 、Fe2(SO4 )3 、F
eSO4 等を挙げることができる。
る。pH0.6未満であると、アルミニウムの表面を不
当にエッチングすることとなり、2.0を超えると、ア
ルミニウムのエッチング速度が極端に低下するので、上
記範囲に限定される。上記pHの調整は、上記硫酸イオ
ンの供給源であるH2 SO4 で行うことが好ましい。
イオン、界面活性剤等を添加してもよい。
℃、好ましくは、35〜45℃、処理時間1〜5分、好
ましくは、3分程度で行うことが好ましい。上記酸洗の
方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレ
ー法等を挙げることができる。
ルミニウム合金基材の表面の酸化被膜を効果的に除去す
るとともに、表面に浮き上がっているアルミニウム合金
に含まれるアルミニウム以外の成分である不純物、例え
ば、Mg、Si、Cu等が偏析したもの等を除去するこ
とができる。このため、以下に詳述する化成処理を良好
に行うことができる。
材又はアルミニウム合金基材は、通常、上記酸性溶液を
後の工程へ持ち込まないために水洗される。上記水洗の
方法としては特に限定されず、一般に金属の表面処理に
用いられている方法で行うことができる。
ウム基材又はアルミニウム合金基材は、上記酸洗の工程
の後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.0
1〜0.125g/L、りん酸イオン0.01〜1.0
g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを
含んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化成処理剤で
化成処理される。
オンは、上記酸性被膜化成処理剤において、被膜形成成
分である。上記ジルコニウムイオン又はチタニウムイオ
ンの含有量は、上記酸性被膜化成処理剤中、0.01〜
0.125g/Lである。0.01g/L未満である
と、形成される被膜の重量が不足し、耐食性等の性能が
不充分となり、0.125g/Lを超えると、形成され
る被膜の重量が多くなるために、被膜が厚膜となり、ア
ルミニウム基材やアルミニウム合金基材の光輝性が損な
われるので、上記範囲に限定される。
特に限定されず、例えば、フルオロジルコネート、フル
オロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート;
(NH 4 )2 ZrF6 ;アルカリ金属フルオロジルコネ
ート;フッ化ジルコニウム等を挙げることができる。
に限定されず、例えば、フルオロチタネート、フルオロ
チタネート酸等の可溶性フルオロチタネート;(NH
4 )2 TiF6 ;アルカリ金属フルオロチタネート;フ
ッ化チタン等を挙げることができる。
ん酸イオンは、被膜形成成分のひとつであり、形成され
る被膜の耐食性及び粘着性に寄与するものである。
膜化成処理剤中、0.01〜1.0g/Lである。0.
01g/L未満であると、形成される被膜の重量が不足
し、耐食性等の性能が不充分となり、1.0g/Lを超
えると、被膜が厚膜となりすぎるので、上記範囲に限定
される。
定されず、例えば、りん酸、りん酸アンモニウム、りん
酸アルカリ金属塩等の酸溶液に可溶なりん酸化合物等を
挙げることができる。なお、上記りん酸イオンの供給源
としては、オルトりん酸を用いるのが望ましいが、メタ
りん酸、ピロりん酸、トリポリりん酸、次りん酸、これ
らの塩を使用してもよい。
理剤において、アルミニウムのエッチング剤としての役
割をはたするものである。
膜化成処理剤中、0.01〜0.5g/Lである。0.
01g/L未満であると、アルミニウム基材やアルミニ
ウム合金基材の表面のエッチングが不充分となって、形
成される被膜の重量が不足し、0.5g/Lを超える
と、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面を
不当にエッチングすることになり、該基材の表面が霜に
覆われたようなにぶい状態のものとなるので、上記範囲
に限定される。
酸性被膜化成処理剤に可溶であり、アルミニウムと錯体
を形成することができ、かつ、上記化成処理に対して反
作用の効果を呈しないものであれば特に限定されず、例
えば、フッ化水素酸、フッ化水素酸塩、フッ化硼素酸等
を挙げることができる。なお、上記フッ素イオンの供給
源として、上述したジルコニウム又はチタンの錯体を用
いる場合には、生成するフッ素イオンの量が不充分であ
るので、上記フッ素化合物を併用することが望ましい。
〜4.0である。pHが1.5未満であると、アルミニ
ウム基材やアルミニウム合金基材の表面を不当にエッチ
ングすることになり、4.0を超えると、アルミニウム
基材やアルミニウム合金基材の表面のエッチングが不充
分となるので、上記範囲に限定される。好ましくは、p
H2.6〜3.1である。
硝酸、水酸化アンモニウム;過塩素酸、硫酸等の上記化
成処理に対して悪影響を与えない酸又は塩基を用いて行
うのが好ましい。なお、硫酸を用いた場合、上記酸性被
膜化成処理剤のpHは、2以上が好ましい。
量は、5〜50mg/m2 が好ましい。5mg/m2 未
満であると、耐食性等の性能が不充分であり、50mg
/m2を超えると、厚膜になりすぎてアルミニウムの光
輝性が損なわれるおそれがあるだけでなく、かえって耐
食性に劣る場合がある。
上記範囲となるように行えばよい。一般的には、処理温
度35〜45℃、処理時間40〜50秒で行うのが好ま
しい。より好ましくは、40℃、45秒程度で処理す
る。上記化成処理の方法としては特に限定されず、例え
ば、浸漬法、スプレー法等を挙げることができる。
はアルミニウム合金基材は、上記化成処理の後、水洗、
乾燥され、塗装される。
させるために、粉体塗装が好ましい。更に、本発明にお
いては、塗装の前処理として酸洗を行っているので、粉
体塗装を施しても塗膜の密着性に問題が生じない。
定されないが、アルミニウム基材表面及びアルミニウム
合金基材表面の光輝性を保持するために、アクリル系の
クリヤー塗料を使用することが好ましい。
ルミニウム合金基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g
/L及び硫酸を含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶
液で処理した後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイ
オン0.01〜0.125g/L、りん酸イオン0.0
1〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.
5g/Lを含んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化
成処理剤で化成処理し、次いで、オルガノアルコキシシ
ラン0.1〜10g/Lを含んでなるpH10〜12の
水溶液で処理し、その後、塗装するアルミニウム基材及
びアルミニウム合金基材の塗装方法である。
て、脱脂を行った後、第1の本発明の塗装方法と同様に
して、酸洗及び化成処理を行い、次いで、オルガノアル
コキシシラン0.1〜10g/Lを含んでなるpH10
〜12の水溶液で後処理を行う。上記後処理を行うこと
により、化成被膜の表面に塗膜との密着性により優れた
薄膜を形成することができ、より良好な塗装を行うこと
ができる。
上記水溶液中において、塗膜との密着性を高める作用を
有する。上記オルガノアルコキシシラン化合物の含有量
は、上記水溶液中、0.1〜50g/Lである。0.1
g/L未満であると、塗膜の密着性が不充分となり、5
0g/Lを超えると、塗膜の密着性が不充分となり、塗
膜が偏って付着し、かさぶた状になって剥がれるおそれ
があるので、上記範囲に限定される。
ては、炭素−炭素二重結合、エポキシ基、メルカプト基
及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種
の反応性官能基を有するオルガノアルコキシシラン化合
物が好ましい。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を
挙げることができる。
pHが10未満であっても、12を超えても、浴液の安
定性が悪く、効率的な後処理を行うことができないの
で、上記範囲に限定される。
理時間30〜60秒で行うのが好ましい。
基材又はアルミニウム合金基材は、上記後処理後、水
洗、乾燥され、塗装される。上記塗装としては、塗膜の
密着性を高めるための後処理を行っているので、溶剤型
塗装であっても、粉体塗装であっても、密着性の良好な
塗膜を得ることができる。本発明においては、環境への
安全性の点から粉体塗装が好ましい。
ム合金基材の塗装方法は、塗装の前処理として、酸洗−
化成処理、又は、酸洗−化成処理−後処理を行った後、
塗装を行うものである。これらの各工程は、本発明の塗
装方法において、アルミニウムの光輝性を保持しつつ、
耐食性及び塗膜の密着性に優れた塗装物を得るために重
要な役割を果たすものである。
去するための工程であり、化成処理は、耐食性及び塗膜
の密着性に優れた透明度の高い被膜を形成するための工
程である。また、後処理を行う場合、後処理は、更に塗
膜との密着性を高める薄膜を形成させるための工程であ
る。
り、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面洗
浄と、耐食性等の性能の付与とが順次行われ、最終的に
アルミニウムの光輝性を保持し、かつ、耐食性等の性能
も優れた塗装物が得られる。このようにして得られる塗
装物もまた、本発明のひとつである。
ミニウム合金基材の塗装方法は、化成処理において有害
物質であるクロムを含んでいない処理液を用いている
が、従来のノンクロメート処理とは異なり、クロメート
処理と同等以上の性能を有する被膜を形成させることが
できる。従って、化成処理液を含む排水の処理負荷を軽
減することができ、環境衛生上好ましい塗装方法であ
る。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
合金(AC4C)を用いてアルミホイールを成型し、型
枠から取り出した後、ショットブラスト法及び切削によ
って表面処理した。このものを基材として用い、脱脂を
行った後、水洗を行い、以下に示した条件で酸洗処理、
水洗、化成処理、水洗、後処理を行い、乾燥した後、塗
装を行った。水洗は、水道水シャワーで行い、各工程
は、すべてディップ方式で処理を行った。乾燥は、電気
乾燥機で120℃、10分以上行った。各処理液の成分
については、表1に示した。
プ)(日本ペイント社製)2%(w/v) 処理温度:50℃ 処理時間:3分 (B)酸洗処理 処理温度:40℃ 処理時間:3分 (C)化成処理 比較処理液:アルサーフ1000(日本ペイント社製)
(市販のクロミウムクロメート処理剤) 処理温度:40℃ 処理時間:表1に示したとおり
日本ペイント社製)で下塗り後、スーパーラックAS7
0 11SV−14(アクリル系溶剤型塗料、日本ペイ
ント社製)及びスーパーラック5000 AW−10
(アクリル系溶剤型塗料、日本ペイント社製)で上塗り
塗装 溶剤系:スーパーラックAS70 11SV−14(ア
クリル系溶剤型塗料、日本ペイント社製)及びスーパー
ラック5000 AW−10(アクリル系溶剤型塗料、
日本ペイント社製)で塗装
測定し、切削面及びショット面の耐水性試験、ソルトス
プレー性試験、複合腐食試験、耐糸錆性試験を行った。
結果を表1に示した。被膜量の測定 ジルコニウム又はクロムの付着量として、蛍光X線にて
分析した。耐水性試験 塗膜に2mm角で碁盤目状にカットを入れ、60℃で7
2時間水に浸漬した後、カット部にニチバンテープを貼
り、剥がした後のテープへの付着数を測定した。 ○:0/100 ×:1/100以上
た後、クロスカット部の片側の錆幅を測定した。複合腐食試験 塗膜にクロスカットを入れ、塩水噴霧17時間→強制乾
燥3時間→塩水浸漬2時間→自然乾燥(室温)2時間の
サイクル〔CCT(cycle corrosion
test)サイクル〕を60サイクル行い、クロスカッ
ト部の片側の錆幅を測定した。耐糸錆性試験 塗膜にクロスカットを入れ、塩水噴霧24時間→湿潤
(湿度85%、40℃)120時間→自然乾燥(室温)
24時間のサイクルを12サイクル行い、クロスカット
部の片側の錆幅を測定した。
は、(C2 H5 O)3 SiC3 H6 NH 2 (γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン)である。
行ったものは、耐食性及び塗膜の密着性が良好であり、
従来のクロメート処理と同等以上の性能を有することが
判った。また、ノンクロメートの場合には、酸洗処理が
必要であることが判った。
ウム合金基材の塗装方法は、上述のとおりであるので、
有害なクロムを含んだ処理剤を用いることなく、耐食
性、塗膜の密着性等の性能に優れ、アルミニウムの光輝
性を保持することができる塗膜を形成することができ
る。
ニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法により
塗装されているので、耐食性、塗膜の密着性に優れ、か
つ、アルミニウムの光輝性が保持されており、高級感が
要求される用途に好適に用いることができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 アルミニウム基材又はアルミニウム合金
基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g/L及び硫酸を
含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶液で処理した
後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01
〜0.125g/L、りん酸イオン0.01〜1.0g
/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含
んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化成処理剤で化
成処理し、その後、塗装することを特徴とするアルミニ
ウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法。 - 【請求項2】 アルミニウム基材又はアルミニウム合金
基材は、ホイールである請求項1記載のアルミニウム基
材及びアルミニウム合金基材の塗装方法。 - 【請求項3】 化成処理により形成される被膜の重量
は、5〜50mg/m2 である請求項1又は2記載のア
ルミニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法。 - 【請求項4】 塗装は、粉体塗装である請求項1、2又
は3記載のアルミニウム基材及びアルミニウム合金基材
の塗装方法。 - 【請求項5】 アルミニウム基材又はアルミニウム合金
基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g/L及び硫酸を
含んでなるpH0.6〜2.0の酸性溶液で処理した
後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01
〜0.125g/L、りん酸イオン0.01〜1.0g
/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含
んでなるpH1.5〜4.0の酸性被膜化成処理剤で化
成処理し、次いで、オルガノアルコキシシラン0.1〜
10g/Lを含んでなるpH10〜12の水溶液で処理
し、その後、塗装することを特徴とするアルミニウム基
材及びアルミニウム合金基材の塗装方法。 - 【請求項6】 アルミニウム基材又はアルミニウム合金
基材は、ホイールである請求項5記載のアルミニウム基
材及びアルミニウム合金基材の塗装方法。 - 【請求項7】 化成処理により形成される被膜の重量
は、5〜50mg/m2 である請求項5又は6記載のア
ルミニウム又はアルミニウム合金の塗装方法。 - 【請求項8】 塗装は、溶剤塗装である請求項5、6又
は7記載のアルミニウム基材及びアルミニウム合金基材
の塗装方法。 - 【請求項9】 塗装は、粉体塗装である請求項5、6又
は7記載のアルミニウム基材及びアルミニウム合金基材
の塗装方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のアル
ミニウム基材及びアルミニウム合金基材の塗装方法によ
り塗装されたことを特徴とする塗装物。
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