JP2002226979A - クロメート処理方法及び処理されたアルミニウム又はその合金基材 - Google Patents

クロメート処理方法及び処理されたアルミニウム又はその合金基材

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JP2002226979A JP2001027353A JP2001027353A JP2002226979A JP 2002226979 A JP2002226979 A JP 2002226979A JP 2001027353 A JP2001027353 A JP 2001027353A JP 2001027353 A JP2001027353 A JP 2001027353A JP 2002226979 A JP2002226979 A JP 2002226979A
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Keiji Maetsuji
啓志 前辻
Teruo Tsuji
照雄 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム基材又はその合金基材をクロメ
ート処理する場合において、優れた防食性を有するクロ
メート皮膜を形成することができ、かつ、簡便にクロメ
ート処理液を管理することができるクロメート処理方法
を提供する。 【解決手段】 アルミニウム基材又はその合金基材をク
ロメート処理液で処理することからなるクロメート処理
方法であって、前記クロメート処理液は、6価クロムイ
オン濃度が0.2〜0.4g/Lであり、pHがpH調
整剤を添加することによって2.4〜2.9に調整され
たものであり、前記pH調整剤は、フッ素原子を含む化
合物であって、かつ、水中で水素イオンを解離すること
ができる化合物、又は、その水溶液であることを特徴と
するクロメート処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム基材
又はその合金基材のクロメート処理方法に関し、更に詳
しくは、アルミニウム基材又はその合金基材に優れた防
食性を有するクロメート皮膜を形成することができるク
ロメート処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム基材やアルミニウム合金基
材は、素材自体に光輝性があり、軽量であるため、これ
らの特性を活かして、さまざまな分野で利用が拡大して
いる。例えば、自動車のホイールは、鉄製のものが主流
であったが、自動車の高級化、軽量化が要求されるよう
になってから、アルミニウム合金基材からなるアルミホ
イールの需要が高まっている。
【0003】一般に、アルミニウム基材は、上述した特
性を有する一方、防食性が不充分であるため、表面に傷
等が存在すると糸錆が発生したり、表面に酸化膜ができ
やすい欠点がある。また、アルミニウム合金基材は、強
度を高めるために添加した他の成分が不純物として表面
に浮き上がってくる問題もあり、そのまま塗装すると塗
膜との密着性が不充分となる場合がある。このため、こ
れらの基材には、防食性や密着性等の性能を向上させる
ために表面処理が施されている。
【0004】アルミホイールの表面処理法としては、脱
脂を行った後、アルマイト法等の陽極酸化、着色処理、
クロメート処理、MBV法、ベーマイト法等の化学皮膜
処理等が行われている。なかでも、素材の光輝性を生か
すことができ、更に、塗膜の密着性や防食性をより向上
させることができる点から、クロメート処理が好適に用
いられている。
【0005】しかしながら、クロメート処理では、優れ
た防食性を付与することができるものの、クロメート皮
膜がカーキ色に着色しているので、アルミニウム基材や
アルミニウム合金基材の表面の光沢が皮膜で隠されてし
まう。このため、アルミホイールのように素材の光輝性
が要求される用途では、クロムの付着量が通常5〜20
mg/m2 程度に制限され、充分な防食性を付与するこ
とができない場合がある。特に、クロメート処理を行っ
た後に粉体塗装を行う場合には、塗膜密着性も悪いため
に、得られる塗膜の防食性が更に劣るという問題点があ
った。
【0006】特開平5−179486号公報には、アル
ミホイールの表面を、6価クロムイオン2g/l以上、
硫酸イオン20〜2000ppm、フッ素10〜400
ppm及びジルコニウムイオン20ppm以上含有する
pH0.6〜1.7の酸性溶液を用い、陰極電解処理す
ることにより、透明なクロメート皮膜を形成するアルミ
ホイールの無色クロメート皮膜形成方法が開示されてい
る。この方法は、クロム付着量50〜250mg/m2
のクロメート皮膜を形成させることを意図するものであ
るが、皮膜が透明であるので、基材の表面まで光線が透
過し、素材の光輝性を阻害することがない。
【0007】特開平11−6078号公報には、6価ク
ロムイオンを0.1〜0.5g/l、フルオロジルコニ
ウムイオンをZrイオンとして0.01〜0.5g/
l、水溶性又はコロイド珪素化合物をSiとして0.0
1〜0.1g/l、及び、フッ素を0.1〜0.5g/
l含有するpH1.5〜3.0のアルミニウム基材又は
その合金基材用化成処理液が開示されている。これは、
処理を行った後に水切り乾燥を行っても、粉体塗装等の
高い膜厚の塗膜の密着性が良好に保たれ、塗膜に優れた
密着性と防食性を付与することを目的とするものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ミニウム基材又はその合金基材をクロメート処理する場
合において、優れた防食性を有するクロメート皮膜を形
成することができ、かつ、簡便にクロメート処理液を管
理することができるクロメート処理方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
基材又はその合金基材をクロメート処理液で処理するこ
とからなるクロメート処理方法であって、前記クロメー
ト処理液は、6価クロムイオン濃度が0.2〜0.4g
/Lであり、pHがpH調整剤を添加することによって
2.4〜2.9に調整されたものであり、前記pH調整
剤は、フッ素原子を含む化合物であって、かつ、水中で
水素イオンを解離することができる化合物、又は、その
水溶液であることを特徴とするクロメート処理方法であ
る。
【0010】上記pH調整剤は、ジルコニウムフッ化水
素酸(H2 ZrF6 )又はその水溶液であることが好ま
しい。上記クロメート処理方法は、ホイールに対して好
適に使用することができる。本発明はまた、上記クロメ
ート処理方法によって処理されてなるアルミニウム基材
又はその合金基材でもある。以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明者らは、アルミニウム基材又はその
合金基材をクロメート処理する場合において形成される
クロメート皮膜の防食性については、アルミニウムに対
するエッチング剤である遊離のフッ素イオン濃度を管理
することが重要であることを見いだした。そして、フッ
素原子を含み、かつ、水中で水素イオンを解離すること
ができる化合物又はその水溶液をpH調整剤として用い
て、pHを制御しておくことによって、フッ素イオン濃
度をも適当な範囲に管理することができ、この結果、高
い防食性を有するクロメート皮膜を得ることができるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0012】本発明のクロメート処理方法は、アルミニ
ウム基材又はその合金基材をクロメート処理液で処理す
ることからなる。上記クロメート処理液は、6価クロム
イオン濃度が0.2〜0.4g/Lに調整されたもので
ある。0.2g/L未満であると、形成されるクロメー
ト皮膜中のクロム付着量が減少し、防食性に劣る。0.
4g/Lを超えると、形成されるクロメート皮膜中のク
ロム付着量が多すぎて、皮膜の着色が目視で判別できる
ほどになる。上記クロメート処理液中の6価クロムイオ
ン濃度は、酸化還元滴定又は電気伝導度の測定によって
定量することができる。上記6価クロムイオンの供給源
としては、例えば、無水クロム酸、クロム酸、重クロム
酸及び重クロム酸のアルカリ金属塩等を挙げることがで
きる。
【0013】上記クロメート処理液は、pHが2.4〜
2.9に調整されるものである。pH2.4未満であっ
たり、pH2.9を超えると、解離定数の関係上フッ素
イオンが有効に機能しない。即ち、pH2.4未満であ
ると、クロメート皮膜中のクロム付着量が多くなりすぎ
て、目視で判別できるほど着色し、pH2.9を超える
と、クロム付着量が少なくなりすぎて、防食性に劣る。
【0014】本発明において、上記pHの調整は、pH
調整剤を添加することによって行われるものである。p
H調整剤は、フッ素原子を含む化合物であって、かつ、
水中で水素イオンを解離することができる化合物、又
は、その水溶液である。上記のようなpH調整剤を添加
するだけで、クロメート処理液のpHのみならず、アル
ミニウムに対するエッチング剤であるフッ素イオンの濃
度をも管理することができるため、本発明のクロメート
処理方法は、簡便性及び経済性の点から優れている。
【0015】上記pH調整剤は、フッ素原子を含む化合
物であって、かつ、水中で水素イオンを解離することが
できる化合物又はその水溶液であれば特に限定されない
が、ジルコニウムフッ化水素酸(H2 ZrF6 )、ヘキ
サフルオロ珪酸(H2 SiF6)、テトラフルオロホウ
酸(HBF4 )等の錯フッ化物並びにこれらの水溶液等
が好ましい。なお、フッ化水素酸(HF)は、水中で、
全て水素イオンとフッ素イオンとに解離するため、クロ
メート皮膜中にクロム付着量が多すぎて皮膜が着色する
場合を引き起しやすく、管理が困難である。一方、ジル
コニウムフッ化水素酸、ヘキサフルオロ珪酸及びテトラ
フルオロホウ酸等の錯フッ化物は、水中で一度にフッ素
イオンを遊離せずに、平衡状態を保ちながら徐々にフッ
素イオンを遊離していくため、形成するクロメート皮膜
中のクロム付着量の調整がしやすい点で好ましい。より
好ましくは、ジルコニウムフッ化水素酸又はその水溶液
である。
【0016】本発明においては、上記pH調整剤の全フ
ッ化物中に、錯フッ化物の割合が90重量%以上である
ことが好ましい。上記pH調整剤は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0017】本明細書において、水中で水素イオンを解
離することができる化合物とは、pH2.4〜4.0の
水溶液において、化合物が水素イオンを解離して、水溶
液のpHを下げることに寄与するものを意味するもので
あり、化合物の解離定数の値等は限定しない趣旨であ
る。
【0018】上記クロメート処理液は、更に、皮膜形成
促進剤として、ジルコニウムイオンを0.01〜0.5
g/L含むことが好ましい。0.01g/L未満である
と、クロメート皮膜の形成が促進されず、0.5g/L
を超えても、効果は変わらず、経済的に不利である。
【0019】上記ジルコニウムイオンの供給源として
は、例えば、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウム
フッ化カリウム、ジルコニウムフッ化ナトリウム、ジル
コニウムフッ化アンモニウム、硫酸ジルコニウム等を挙
げることができる。
【0020】本発明において、上記クロメート処理液に
よって、アルミニウム基材又はその合金基材が処理され
る。上記処理の方法としては、例えば、室温〜70℃に
おいて10秒〜5分程度の浸漬処理を挙げることができ
る。好ましくは、30〜50℃にて30秒〜3分程度で
ある。また、スプレー処理を併用することも可能であ
る。
【0021】上記アルミニウム基材又はその合金基材を
クロメート処理液で処理する過程においては、徐々にア
ルミニウムイオンが溶出して行き、クロメート処理液中
のアルミニウムイオン濃度が上昇する。上記クロメート
処理液中のアルミニウムイオン濃度は、500g/l以
下であることが好ましい。500g/lを超えると、得
られるクロメート皮膜の外観や防食性が低下する場合が
ある。なお、実際の処理ラインにおいては、クロメート
処理液の持ち出しとともにアルミニウムイオンも持ち出
されるため、300g/lを超える場合にはなりにく
い。
【0022】上記クロメート処理液で処理する工程によ
って、クロム量5〜20mg/m2 のクロメート皮膜を
形成することができる。5mg/m2 未満では、防食性
に劣り、20mg/m2 を超えると、皮膜が着色する。
好ましくは、5〜15mg/m 2 である。
【0023】本発明のクロメート処理方法は、アルミニ
ウム基材又はその合金基材に対して適用するものであ
る。好ましくは、自動車用部品、特にホイールである。
上記アルミニウム合金としては、Al−Si合金、Al
−Si−Mg合金等を挙げることができる。
【0024】上記アルミニウム基材又はその合金基材
は、成形、プレス溶接された後、表面に付着している油
分や汚れを除去するための脱脂処理、及び、脱脂後水洗
処理が予め行われたものであることが好ましい。上記脱
脂処理としては、シリケート系脱脂剤が好適に用いられ
るが、アルカリ脱脂剤を用いることも可能である。通常
40〜55℃において数分間程度の浸漬処理がなされ
る。所望により、脱脂処理の前に、スプレーによる予備
脱脂処理を行うことも可能である。その後、上記脱脂剤
を水洗するために、大量の水洗水によって1段階又はそ
れ以上でスプレー処理により脱脂後水洗処理が行われ
る。
【0025】上記脱脂後水洗処理が行われた後、本発明
のクロメート処理が行われ、水洗が不充分であるとその
後の塗装において塗膜外観等に悪影響を及ぼすことか
ら、2段又はそれ以上による水洗処理が行われる。この
場合、最終の水洗は、純水で行うことが適当である。こ
の水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のど
ちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗するこ
ともできる。
【0026】上記アルミニウム基材又はその合金基材
は、上記水洗処理の後は、公知の方法に従って、必要に
応じて乾燥され、その後、塗装を行うことができる。上
記塗装としては、粉体塗料、溶剤型塗料、水性型塗料等
による塗装を挙げることができる。このなかで、粉体塗
料は、有機溶剤を使用しないことから環境に悪影響を及
ぼさないばかりか、膜厚を厚くすることができるので高
外観の塗膜を得ることができる点から近年注目を浴びて
いるが、粉体塗料から形成される塗膜は、収縮率が高い
ため、内部応力が高くなり、密着性、特に耐水2次密着
性に劣るものであった。また、その結果、防食性にも劣
るという欠点があった。しかし、本発明においては、ク
ロメート処理された後、粉体塗料を塗装する場合であっ
ても、密着性及び防食性に優れた塗膜を得ることができ
る。
【0027】上記アルミニウム基材又はその合金基材を
クロメート処理液で処理する工程においては、通常、使
用とともに、クロメート処理液中のアルミニウムの濃度
が上昇し、これに伴い、フッ素イオンとアルミニウムイ
オンとがフッ化アルミニウムイオンを形成するため、ク
ロメート処理液中の遊離のフッ素イオン濃度が減少して
いく。フッ素イオン濃度が減少すれば、クロメート皮膜
中のクロム量も減少し、皮膜の防食性に劣ることとな
る。本発明においては、フッ素原子を含む化合物であっ
て、かつ、水中で水素イオンを解離することができる化
合物、又は、その水溶液であるpH調整剤を添加するこ
とで、pHを2.4〜2.9に調整し、これによって、
アルミニウムに対するエッチング剤であるフッ素イオン
濃度を管理することができる。従って、pHの管理のみ
によって、クロム量5〜20mg/m 2 の防食性に優れ
たクロメート皮膜を形成することができるので、簡便性
及び経済性に優れる。
【0028】本発明のクロメート処理方法によって処理
されてなるアルミニウム基材又はその合金基材は、密着
性及び防食性に優れるとともに、着色が目視により判別
できるほど生じないため、素材自体の光輝感を生かすこ
とができ、自動車のホイールに好適である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 市販のアルミニウム基材(日本テストパネル社製「AC
−4C」;7cm×15cm×0.5cm)を下記の工
程により処理を行った。 脱脂:3重量%「サーフクリーナー53」(日本ペイン
ト社製脱脂剤;主成分を表1に示した;界面活性剤とし
て「エマルゲンPI20T」(花王社製)を使用)50
℃、3分間浸漬処理 脱脂後水洗:室温、スプレー水洗、30秒 クロメート処理:0.1重量%「アルサーフ1000」
(日本ペイント社製クロメート処理剤)を用いて、表1
に示した温度及び時間において浸漬処理 クロメート処理後第1水洗:室温、スプレー水洗、30
秒 クロメート処理後純水第2水洗:純水による流水洗、室
温、30秒スプレー 乾燥:温風循環式乾燥機(タバイ社製)、80℃、5分
間 粉体塗装:「パウダックスA400」(日本ペイント社
製クリヤー粉体塗料)、乾燥膜厚80μm、160℃、
20分焼付け硬化
【0030】上記クロメート処理の条件 条件1:0.1重量%「アルサーフ1000」 条件2:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を135.7g/lになるように溶解し
た。 条件3:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を135.7g/lになるように溶解し、
2 ZrF6 を0.3g/lになるように溶解した。 条件4:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を185.0g/lになるように溶解し
た。 条件5:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を185.0g/lになるように溶解し、
2 ZrF6 を0.3g/lになるように溶解した。 条件6:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を247.7g/lになるように溶解し
た。 条件7:0.1重量%「アルサーフ1000」に金属ア
ルミニウム箔を247.7g/lになるように溶解し、
2 ZrF6 を0.3g/lになるように溶解した。
【0031】クロメート処理液のpHの測定、並びに、
その時のアルミニウム基材に形成されたクロメート皮膜
のクロム付着量の測定、及び、クロメート皮膜の性能を
評価した。 (1)クロメート皮膜のクロム付着量の測定 クロメート処理、水洗及び乾燥後の塗板について、蛍光
X線装置(理学社製)によって、クロメート皮膜のクロ
ム付着量を測定した。結果を表1に示した。
【0032】(2)評価 クロメート処理、水洗及び乾燥後、粉体塗料による塗装
を行った塗板について、表面にクロスカットを入れ、T
SH1555G,A法によって20サイクル及び60サ
イクル行い、カット部からの片側の最大錆幅(mm)を
測定することにより、サイクル腐食性試験(CCT)の
評価を行った。なお、条件2、条件4及び条件6につい
ては、クロメート皮膜のクロム付着量が少なかったの
で、サイクル腐食性試験(CCT)は行わなかった。結
果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、クロメート処理液中のアルミニ
ウムイオンの濃度が増加すれば、pHも大きくなるが、
pH調整を行わない条件2、条件4及び条件6について
は、クロメート皮膜中のクロム量が少なかった。一方、
フッ素原子を含む化合物であって、かつ、水中で水素イ
オンを解離することができる化合物を用いてpHを2.
4〜2.9に調整した条件3、条件5及び条件7につい
ては、形成されたクロメート皮膜中のクロム量が適当
で、CCTの評価結果も良好であり、防食性に優れたも
のであった。
【0035】
【発明の効果】本発明のクロメート処理方法は、クロメ
ート処理液中の6価クロムイオン濃度が0.2〜0.4
g/Lであり、pH調整剤としてフッ素原子を含む化合
物であって、かつ、水中で水素イオンを解離することが
できる化合物、又は、その水溶液を用いて、pHが2.
4〜2.9に調整されるものであるので、管理が簡便
で、クロム量5〜20mg/m2 の防食性に優れたクロ
メート皮膜を得ることができる。本発明のクロメート処
理方法によって処理されてなるアルミニウム基材又はそ
の合金基材は、密着性及び防食性に優れるとともに、素
材自体の光輝感を生かすことができるため、自動車のホ
イールに好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基材又はその合金基材をク
    ロメート処理液で処理することからなるクロメート処理
    方法であって、前記クロメート処理液は、6価クロムイ
    オン濃度が0.2〜0.4g/Lであり、pHがpH調
    整剤を添加することによって2.4〜2.9に調整され
    たものであり、前記pH調整剤は、フッ素原子を含む化
    合物であって、かつ、水中で水素イオンを解離すること
    ができる化合物、又は、その水溶液であることを特徴と
    するクロメート処理方法。
  2. 【請求項2】 pH調整剤は、ジルコニウムフッ化水素
    酸(H2 ZrF6 )又はその水溶液である請求項1記載
    のクロメート処理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム基材又はその合金基材は、
    ホイールである請求項1又は2記載のクロメート処理方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のクロメート処
    理方法によって処理されてなるアルミニウム基材又はそ
    の合金基材。
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