JP2011121309A - アルミニウム接着複合材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミ形状体と、その表面側に位置する金属製又は樹脂製の被接着体と、これらアルミ形状体と被接着体との間を結合する接着剤層とを含むアルミニウム接着複合材であり、アルミ形状体の表面には凹凸部に起因した複数の凹状部が形成されていると共に、これら凹状部内には接着剤が進入して固化した接着剤層の嵌入部が形成されており、凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と接着剤層とが互いに係止されているアルミニウム接着複合材である。
【選択図】図1
Description
[アルミ形状体の調製]
厚さ1.0mmのアルミニウム合金(JIS A1050-H24)板から大きさ50mm×50mmのアルミ片(アルミニウム合金材)を用意し、これらのアルミ片について、先ず30wt%硝酸水溶液に常温で5分間浸漬した後にイオン交換水で十分に水洗し、次いで5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で1分間浸漬した後に水洗し、更に、30wt%硝酸水溶液に常温で3分間浸漬した後に水洗する前処理を施した。
得られたアルミ形状体について、走査型電子顕微鏡(日立製FE-SEM、S-4500形)を用いてその厚さ方向断面のうちのある領域の断面を観察し、先ず、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップライン(TL)を決め、次に上記と概ね同様に、アルミ形状体の厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最深部を通過するボトムラインを決定し、更に、トップライン(TL)からボトムライン(BL)に対して垂直方向に線分を引き、この線分の中間部を通過し、かつ、トップライン(TL)〔あるいはボトムライン(BL)〕と平行に引かれたハーフライン(HL)上のアルミ形状体とアルミ形状体との間に存在する空隙間の距離を凹状部の開口幅(d)とし、アルミ形状体の表面の凹凸部に起因して形成された凹状部の形状と大きさ(開口幅及び深さ)を観察し、また、測定した。
得られたアルミ形状体について、デジタル変角光沢計(スガ試験機社製)を用いて表面の60度光沢度を測定した。なお、以下の実施例2〜17及び比較例1〜8において光沢度を同様に測定した。
得られたアルミ形状体について、SEMあるいは光学顕微鏡により倍率1000倍で断面観察を行い、得られた断面観察写真について画像処理ソフト(ImageJ)を用いアルミ形状体の表面の表面積を測定した。未処理のアルミニウム合金材に対し得られたアルミ形状体の表面積が増加した割合を表面積増加率と定義した。なお、以下の実施例2〜17及び比較例1〜8において観察された凹状部の表面積増加率についても同様の基準で測定した。
1.評価用試験体の調製
本発明のアルミニウム接着複合材を評価するための評価用試験体の調製は、アルミ形状体に以下のようにして接着剤を塗布した後、金属製又は樹脂製の評価用ドリーを接合して作製した。評価用試験体の接合強度の評価にはposiTEST試験を採用した。
アルミ形状体・接着剤層・金属製被接着体からなるアルミニウム接着複合材を形成するための金属製被接着体としては、A1100のアルミニウム及びC1020の無酸素銅を用いた。また、アルミ形状体・接着剤層・樹脂製被接着体からなるアルミニウム接着複合材を形成するための樹脂製被接着体としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂(東レ製)を用いた。
アルミ形状体と金属製又は樹脂製の被接着体との接合強度評価には、posiTEST試験を用いた。アルミ形状体・接着剤層・金属製被接着体からなるアルミニウム接着複合材を形成するための金属被接着体のA1100材は、posiTEST試験に付属のアルミニウム製(JIS A1100)専用ドリー(デフェルスコ社製;サイズ:20mmφ、A1100ドリー)を用いた。アルミ形状体・接着剤層・金属製被接着体からなるアルミニウム接着複合材を形成するための金属被接着体のC1020の無酸素銅は、上記のA1100ドリーの場合と同じ形状に加工した。アルミ形状体・接着剤層・樹脂製被接着体からなるアルミニウム接着複合材を形成するための樹脂のポリフェニレンスルフィド(PPS)についても、上記のA1100ドリーの場合と同じ形状に加工した。
上記A1100ドリーについては、上記のアルミ形状体の場合と同様に、前処理、エッチング処理を施した。C1020ドリーについては、#240のSiC研磨紙で接着剤が付着する面を研磨した後、アルコールで脱脂処理を行った。ポリフェニレンスルファイドドリー(PPSドリー)については、#240のSiC研磨紙で接着剤が付着する面を研磨した後、アルコールで脱脂処理を行った。このようにして作製したC1020ドリー、PPSドリーは、A1100ドリーと同様にposiTEST試験に用いた。
図3に示すように、上で得られたアルミ形状体1と表1、2に示す評価用ドリー4とを二液混合型のエポキシ系急速硬化接着剤(ハンツマン・アドバンテスト・マテリアルズ社製商品名:アラルダイトラピッド)2を介して接合した後、ホットプレス機(アズワン製AH-2003)を用いて押し圧力0.1MPaで常温加圧し、そのまま24時間保持して圧着させ、次いで、接着剤固化後に、カッターを用いて、アルミ形状体1とドリー4との間の接合面よりはみ出した余分な接着剤2を接合面より分離除去し、接合面が3.14cm2になるように調整し、アルミ形状体・接着剤層・A1100ドリーから成るアルミ試験片、アルミ形状体・接着剤層・C1020ドリーからなる銅試験片、アルミ形状体・接着剤層・PPSドリーからなる樹脂試験片を作製し、アルミニウム接着複合材の各試験片(評価用試験体)を作製した。
上記の評価用試験体についてposiTEST試験機(デフェルスコ社製)を用い、ASTM D4541 (ISO 4624)試験法に準拠して上記のアルミ試験片、銅試験片、及び樹脂試験片におけるアルミ/接着剤界面の引張強度(ドリーサイズ:20mmφ、分解能:±0.01MPa、精度:±1%、及び測定範囲:0〜20 MPa)を測定した。このposiTEST試験においては、図4に示すように、posiTEST試験機のアクチュエーター5に、ドリー固定用冶具6を介して、評価用試験体のドリー4部分を連結させた後、ポンプで圧力をかけてドリー4部分がアルミ形状体1から引き剥れるまでの荷重(剥離荷重)を測定し、また、引き剥れ後のアルミ形状体1の接合部の剥離状態を調べた。
また、図5に示すように、上で調製した3種の評価用試験体(アルミ試験片、銅試験片、及び樹脂試験片)について、それぞれそのアルミ形状体1からその上に積層された接着剤層2に向けて厚さ方向に切断し、この厚さ方向断面をSEMあるいは光学顕微鏡により倍率1000倍で観察し、得られた断面観察写真について、接着剤層2側からアルミ形状体1側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ライン(OL)を互いに0.1μmの間隔で引いた際に、1観察ライン(OL)上に接着剤層−アルミ形状体−接着剤層からなる少なくとも1つ以上の積層部が存在し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、1000本の観察ライン(OL)の範囲内に1つ以上の割合で存在する場合を良好(○)とし、このような積層部が1000本の観察ライン(OL)の範囲内に1つも存在しないものを不良(×)として評価したところ、結果はいずれの場合も良好(○)であった。なお、以下の実施例2〜17及び比較例1〜3についても同様の基準で評価した。
アルミ片を切り出すアルミニウム合金板としてJIS A1100-H14を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
アルミ片を切り出すアルミニウム合金板としてJIS A5052-H34を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
エッチング処理に50wt%リン酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
エッチング処理に10wt%硫酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
エッチング処理に30wt%シュウ酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウムを添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:30g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例1と同じエッチング液(塩素イオン濃度:48g/L)を用い、50℃で10分間浸漬した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例1と同じエッチング液(塩素イオン濃度:48g/L)を用い、40℃で15分間浸漬した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
エッチング液として、2.5wt%塩酸水溶液中に50g/Lの塩化ナトリウム(NaCl)を添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:54g/L)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
エッチング液として、2.5wt%塩酸水溶液(塩素イオン濃度:24g/L)を用い、76℃で10分間浸漬した後に水洗するエッチング処理をした以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
6wt%塩酸溶液中に268g/Lの塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を添加して調製したエッチング液(塩素イオン濃度:173g/L)を用い、30℃で10分間浸漬した後に水洗するエッチング処理を施した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
実施例1と同じエッチング液(塩素イオン濃度:48g/L)を用い、40℃で20分間浸漬した以外は、上記実施例1と同様にして、アルミ形状体を作製し、表1に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、実施例1の結果と共に、表1に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、実施例1の前処理をしたのみでエッチング処理を行うことなくアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A5052-H34を用い、実施例1の前処理をした後に、2.5wt%塩酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、また、5wt%水酸化ナトリウム溶液に50℃で5分間浸漬して水洗し、更に、30wt%硝酸に常温で3分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1100-H14を用い、実施例1の前処理をした後に、50wt%リン酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、実施例1の前処理をした後に、10wt%硫酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、実施例1の前処理をした後に、30wt%シュウ酸水溶液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、先ず過酸化水素26g/L及び硫酸90g/Lを含むエッチング液(水溶液)に20℃で1分間浸漬して防錆皮膜除去を行い、次いで過酸化水素80g/L、硫酸90g/L、ベンゾトリアゾール5g/L、及び塩化ナトリウム0.2g/Lを含むエッチング液(水溶液;塩素イオン濃度:0.1g/L)に25℃で5分間浸漬してイオン交換水で水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、実施例1の前処理をした後に、30wt%硝酸水溶液からなるエッチング液に66℃で4分間浸漬して水洗し、その後に120℃の熱風で5分間乾燥してアルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
アルミニウム合金板としてJIS A1050-H24を用い、平均粒径300μmのアルミナを用いてエアーブラストを行った。その後実施例1の前処理のみを行い、アルミ形状体を調製し、表2に示す材質で評価用ドリーを調製した以外は、上記実施例1と同様にして評価用試験体を調製し、また、上記実施例1の場合と同様に、posiTEST試験、及び評価用試験体の積層部の観察評価を実施した。
結果を、表2に示す。
Claims (15)
- 表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面側に位置する金属製又は樹脂製の被接着体と、これらアルミ形状体と被接着体との間に位置してこれらアルミ形状体と被接着体との間を一体的に結合する接着剤層とを含むアルミニウム接着複合材であり、
前記アルミ形状体の表面には前記凹凸部に起因して形成され、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅が0.1μm以上30μm以下の大きさであって、深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである複数の凹状部が形成されていると共に、これらの凹状部内には前記接着時に接着剤が進入して固化した接着剤の嵌入部が形成されており、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と接着剤が互いに係止されていることを特徴とするアルミニウム接着複合材。 - アルミ形状体には、その複数の凹状部のうちの一部又は全部において、凹状部の開口縁部の一部分又は全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部が形成されており、この突出部によりアルミ成形体の凹状部と接着剤の嵌入部とが互いに脱離不能な係止構造を形成している請求項1に記載のアルミニウム接着複合材。
- アルミニウム接着複合材の厚さ方向断面において、その接着剤層側からアルミ形状体側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ラインを互いに0.1μmの間隔で引いた際に、雪庇状の突出部は、1観察ライン上に接着剤−アルミ−接着剤からなる少なくとも1つ以上の積層部を形成し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、この雪庇状の突出部が1000本の観察ラインの範囲内に1つ以上存在することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム接着複合材。
- アルミ形状体の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部凹状部が形成された二重凹状部構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材。
- アルミ形状体の複数の凹状部は、その一部又は全部において、内部の壁面に少なくとも1つ以上の内部突起部が形成された内部凹凸構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材。
- アルミ形状体の60度鏡面光沢度が60以下である請求項1〜5いずれかに記載のアルミニウム接着複合材。
- アルミ形状体の表面積が、凹凸部を形成する前のアルミニウム合金材の表面積の1.2倍以上10倍以下である請求項1〜6いずれかに記載のアルミニウム接着複合材。
- 表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金製のアルミ形状体と、このアルミ形状体の表面側に位置する金属製又は樹脂製の被接着体と、これらアルミ形状体と被接着体との間に位置してこれらアルミ形状体と被接着体との間を一体的に結合する接着剤層とを含むアルミニウム接着複合材の製造方法であり、
アルミニウム合金材をエッチング処理して表面の一部又は全面に凹凸部に起因する複数の凹状部を有するアルミ形状体を形成し、このアルミ形状体の表面に接着剤を介して被接着体を接着する接着時には前記接着剤がアルミ形状体の各凹状部内に進入して固化した接着剤層の嵌入部を成形し、アルミ形状体の凹状部と接着剤層の嵌入部とが互いに係止してアルミ形状体と接着剤層とが一体的に結合したアルミニウム接着複合材を製造することを特徴とするアルミニウム接着複合材の製造方法。 - アルミニウム合金材のエッチング処理は、エッチング液として、ハロゲンイオン濃度を0.5g/L以上300g/L以下の範囲内で含む酸濃度0.1重量%以上80重量%以下の酸水溶液を用いて行われる請求項8に記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- エッチング液は、酸水溶液中に水溶性無機ハロゲン化合物を添加して調製される請求項9に記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- アルミ形状体には、その複数の凹状部のうちの一部又は全部において、凹状部の開口縁部の一部分又は全体から開口幅方向中心に向けて雪庇状に突き出した突出部が形成されており、この突出部によりアルミ成形体の凹状部と接着剤層の嵌入部とが互いに脱離不能な係止構造を形成している請求項8〜10のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- アルミニウム接着複合材の厚さ方向断面において、その接着剤側からアルミ形状体側に向けて厚さ方向に延びる多数の観察ラインを互いに0.1μmの間隔で引いた際に、雪庇状の突出部は、1観察ライン上に接着剤層−アルミ−接着剤層からなる少なくとも1つ以上の積層部を形成し、かつ、この積層部のアルミ形状体部分の厚さが0.1μm以上30μm以下の範囲であって、この雪庇状の突出部が1000本の観察ラインの範囲内に1つ以上存在することを特徴とする請求項11に記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- アルミ形状体の表面に凹凸部に起因して形成される複数の凹状部は、アルミ形状体の厚さ方向断面においてこの厚さ方向に直交し、かつ、凹凸部の最高部を通過するトップラインと最深部を通過するボトムラインとの間のハーフラインにおいて、走査型電子顕微鏡観察により測定される開口幅が0.1μm以上30μm以下で深さが0.1μm以上30μm以下の大きさである請求項8〜13のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- アルミ形状体の60度鏡面光沢度が60以下である請求項8〜14のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
- アルミ形状体の表面積が、凹凸部を形成する前のアルミニウム合金材の表面積の1.2倍以上10倍以下である請求項8〜14のいずれかに記載のアルミニウム接着複合材の製造方法。
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