JP2015202429A - 基板エッジ保護層の形成方法 - Google Patents

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英一郎 漆原
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Abstract

【課題】搬送、搬入、搬出、移送などの際に、特にエッジ部の破損が起こり難い表示素子用基板の製造方法を提供すること。【解決手段】基板と、コーティング層を有するマスク材とを積層した状態で、前記基板の側面にエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する工程を経由することを特徴とし、ただし、前記コーティング層を有するマスク材のコーティング面におけるヘキサデカンの接触角が40?以上である、基板エッジ保護層の形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、基板エッジ保護層の形成方法に関する。詳しくは、特にガラス基板のエッジ部に衝撃が加えられた場合に該基板の破損を防止するための保護層を、簡易な手段で形成する方法に関する。
液晶表示素子、有機EL素子などの表示素子には、ガラス、合成樹脂などからなる基板が使用されている。
表示素子は、サイジングされた基板上に、電極、回路、画素、絶縁膜、保護膜などの各種のエレメントを実装する工程を経由して製造される。これらの実装工程の途中または後に、さらなるサイジング工程を行う場合もある。
ここで、基板は、基板メーカにおいて製造され、表示素子メーカに搬送されて使用されるのが一般である。製造と搬送との間および搬送と使用との間に、一滴間貯蔵するために倉庫への搬入および倉庫からの搬出が行わることも多い。また、実装工程においては、エレメントごとに異なる場所で装着されることが通常であるため、基板は、ライン上またはライン間の移送が行われる。
上記の搬送、搬入、搬出、移送などの際に、基板が振動し、あるいは基板同士の接触によって、基板が破損する場合がある。特に基板エッジ部における破損が多く見られる。そこで、基板のエッジ部に保護層を形成して基板の耐衝撃性を高くすることが考えられる。
この点、例えば特許文献1では、建材用途のガラスの端部に樹脂層を形成して得られる耐衝撃性ガラスが提案されている。この樹脂層は、UV効果樹脂の溶液をガラスの端部に塗布した後に、硬化する方法によって形成される。塗布方法の詳細は記載されていない。この技術は、厚さ5mm程度の建材用ガラスに関する技術であり、厚さが0.3〜2.0mm程度の表示素子用基板に本技術をそのまま適用することは困難である。
特許文献2には、機械的耐久性エッジを有する薄型基材が提案されている。しかしながらこの技術が想定する機械的応力はエッジに対する引張応力であり(実施例の評価項目)、移動中の接触などによる基板の破損を防止しようとする本発明とは関係がない。
要するに、搬送、搬入、搬出、移送などの際の破損に対する耐性の高い、表示素子用基板およびその製造方法は、いまだ提案されていないのである。
特開平10−95636号公報 特表2012−527399号公報
本発明は、上記の現状を打開しようとするものである。
本発明の目的は、搬送、搬入、搬出、移送などの際に、特にエッジ部の破損が起こり難い表示素子用基板の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的および利点は、
基板と、コーティング層を有するマスク材とを積層した状態で、前記基板の側面にエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する工程を経由することを特徴とし、ただし、
前記コーティング層を有するマスク材のコーティング面に対するヘキサデカンの接触角が40°以上である、基板エッジ保護層の形成方法によって達成される。
本発明の方法によって形成されたエッジ保護層を有する基板は、表示素子の製造工程中の基板の搬送、搬入、搬出、移送などに伴う振動、接触などによる破損が可及的に低減されたものである。
従って上記基板は、表示素子用基板として好適に適用することができ、該基板を用いると、非常に高い歩留りで表示素子を製造することが可能になる。
エッジ保護層形成の際のガラス基板とフィルムとの積層態様の一例を示す模式図。 エッジ保護層形成の際のガラス基板とフィルムとの積層態様の別の一例を示す模式図。 エッジ保護層形成の際のガラス基板とフィルムとの積層態様のさらに別の一例を示す模式図。 エッジ保護材の形状を示す模式図。
上記したとおり、本発明の方法は、基板と、コーティング層を有するマスク材とを積層した状態で、前記基板の側面にエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する工程を経由することを特徴とする。
<基板>
本発明の方法が適用される基板としては、表示素子用の基板として一般に使用されている材料からなる基板を制限なく使用することができる。例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチック
などからなる透明基板である。
基板の形状は、表面と、その裏面と、を有することが好ましく、これら両面を規定する側面をさらに有することがより好ましい。基板の厚さとしては、表示素子用基板としての一般的な厚さであってよく、例えば0.3〜2.0mmであり、好ましくは0.5〜1.0mmである。基板の形状は、板状であることが好ましい。表示素子用基板は、一般に正方形または長方形状の表面および裏面を有する板状であるが、これらに限られない。例えば曲線状のエッジを有する形状であってもよい。基板の大きさとしては、正方形または長方形板状の場合、長径が好ましくは100〜300mmであり、より好ましくは100〜200mmである。本発明の方法は、基板の大きさにかかわらず広く適用可能である。
<コーティング層を有するマスク材>
本発明におけるコーティング層を有するマスク材の形状としては、例えばフィルム状、板状などであることができる。
本発明におけるコーティング層を有するマスク材としては、適当な柔軟性を有する合成樹脂製の基材フィルム上に後述のコーティング層形成用組成物から形成されたコーティング層を有するものであることが好ましい。
上記の基材フィルムを構成する材料の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタアクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリメタアクリル酸メチル/スチレン共重合体、シンジオタクチックポリスチレン、環状オレフィン(共)重合体、環状オレフィン(共)重合体の水素添加物、ポリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテンなどを例示することができる。
基材フィルムの厚さとしては、好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは40〜100μmである。基材フィルムは、表面と、その裏面と、これら両面を規定する側面と、を有していることが好ましい。基材フィルムの大きさは、これを適用する基板の大きさに応じて適宜に選択されるべきである。
上記のような基材フィルムの片面もしくは両面または側面に、コーティング層が形成される。このコーティング層の厚さは、
フィルムの片面または両面に形成される場合には、好ましくは0.05〜5.0μmであり、より好ましくは0.1〜2.0μmであり;
フィルムの側面に形成される場合には、好ましくは0.05〜5.0μmであり、より好ましくは0.1〜2.0μmである。
本発明におけるコーティング層を有するフィルムは、そのコーティング面が、適度の撥油性を有することが好ましい。この撥油性は、該コーティング面におけるヘキサデカンの接触角で評価することができる。コーティング面におけるヘキサデカンの接触角は、40°以上であり、好ましくは50°以上である。この撥油性は、過度に大きい必要はないから、コーティング面におけるヘキサデカンの接触角は、80°以下であってよい。上記の接触角は、例えば液滴法、拡張・収縮法、滑落法、Wilhelmy法(垂直板法)などの適宜の方法によって測定することができるが、市販の接触角計を用いた液滴法によることが簡便である。
本発明におけるコーティング層を有するフィルムは、そのコーティング面におけるエッジ保護層形成用組成物の接触角が40°以上であることが好ましい。この接触角は、該フィルムを適用する場合に使用を予定する特定のエッジ保護層形成用組成物に対する接触角であり、後述するエッジ保護層形成用組成物のすべてについて、40°以上の接触角を示す必要はない。
[コーティング層形成用組成物]
基材フィルム上に上記のようなコーティング層を形成するには、基材フィルムに、コーティング層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜に光照射する方法によることが好ましい。
本発明におけるコーティング用組成物としては、基材フィルムの表面に、ヘキサデカンの接触角が40°以上であるコーティング層を形成することのできる斧である。
上記コーティング層形成用組成物は、例えば
(I)バインダー樹脂、
(II)多官能不飽和化合物、および
(III)光重合開始剤
を含有するものであり、上記(I)〜(III)成分のほかに、さらに(IV)界面活性剤、(V)溶媒などを含有していてもよい。
上記コーティング層形成用組成物は、上記(I)バインダー樹脂がフッ素原子を含む重合体およびシロキサン結合を含む重合体から選択される少なくとも1種であるか、あるいは、
上記(I)〜(III)成分のほかに、さらに(IV)界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤から選択されるものであることが好ましい。
−(I)バインダー樹脂−
上記(I)バインダー樹脂としては、
フッ素原子を含む重合体、シロキサン結合を含む重合体およびその他の重合体を挙げることができる。
上記フッ素原子を含む重合体は、例えばフッ素原子を有する不飽和化合物の重合体であるか、あるいはフッ素原子を有する不飽和化合物とその他の不飽和化合物との共給合体であることができる。
上記フッ素原子を有する不飽和化合物としては、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パ−フルオロ(プロピルビニルエ−テル)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのほか、
CF=CFOCFCF(CF)OCnF2n+1 (n:1〜5)
CF=CFO(CFOCnF2n+1 (n:1〜5)
CF=CFOCFCF(CF)O(CFO)mCnF2n+1 (n:1〜5、m:1〜3)
CF=CFO(CFOCnF2n+1 (n:1〜5)などを;
上記その他の不飽和化合物としては、例えばスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの不飽和カルボン酸エステル単量体;
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどの不飽和カルボン酸誘導体;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル;
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンなどの含窒素ビニル単量体などを、それぞれ挙げることができる。
フッ素原子を有する重合体において、フッ素原子を有する不飽和化合物の共重合割合は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは30〜60モル%である。
フッ素原子を有する重合体は、上記のような不飽和化合物またはその混合物を、好ましくは適当な重合開始剤(例えば過酸化ラウロイル)および乳化剤(例えばノニオン性乳化剤)の存在下、適当な溶媒中で、例えば20〜120℃、好ましくは40〜80℃において、例えば2〜48時間、好ましくは5〜24時間反応させることにより、得ることができる。
上記シロキサン結合を含む重合体としては、公知のポリオルガノシロキサンを使用することができる。
また、フッ素原子を含む重合体とシロキサン結合を含む重合体とのブロック共重合体を使用してもよい。
上記その他の重合体としては、例えばウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができ、その具体例として、例えばポリ(フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート/ヘキサメチレンジイソシアネート)、
ポリ(フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート/トルエンジイソシアネート)、
ポリ(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート/ヘキサメチレンジイソシアネート)、
ポリ(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート/トルエンジイソシアネート)、
ポリ(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート/イソホロンジイソシアネート)、
ポリ(ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート/ヘキサメチレンジイソシアネート)などを挙げることができる。
本発明における(I)バインダー樹脂につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。
−(II)多官能不飽和化合物−
上記多官能不飽和化合物としては、多官能(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、具体的には、例えばトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジカルビトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
コーティング層形成用組成物における(II)多官能不飽和化合物の使用割合は、上記(I)バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部であり、より好ましくは10〜50重量部である。
−(III)光重合開始剤−
上記光重合開始剤としては、例えばO−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物などを使用することが好ましい。具体的には、O−アシルオキシム化合物としては、例えばエタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)又はエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)などを;
アセトフェノン化合物として、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン又は2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンなどを;
ビイミダゾール化合物として、例えば2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール又は2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどを、それぞれ挙げることができる。
コーティング層形成用組成物における(III)光重合開始剤の使用割合は、上記(I)バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部であり、より好ましくは1.0〜5.0重量部である。
−(IV)界面活性剤−
上記界面活性剤は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤から選択して使用することが好ましい。
上記フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフロロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、パーフロロ−n−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−デカン、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロ−n−ドデカンや、フロロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フロロアルキルリン酸ナトリウム、フロロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フロロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フロロアルキルアンモニウムヨージド、フロロアルキルベタイン、他のフロロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフロロアルキルポリオキシエタノール、パーフロロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フロロアルキルエステルなどを;
上記シリコーン系界面活性剤としては、市販品の商品名として、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190、同SH8400FLUID(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)などを、それぞれ挙げることができる。
コーティング層形成用組成物における(IV)界面活性剤の使用割合は、上記(I)バインダー樹脂がフッ素原子を含む重合体およびシロキサン結合を含む重合体から選ばれる少なくとも1種であるか、あるいはその他の重合体であるかにより異なり、上記(I)バインダー樹脂100重量部に対して、それぞれ、以下のとおりである。
(I)バインダー樹脂がフッ素原子を含む重合体およびシロキサン結合を含む重合体から選ばれる少なくとも1種である場合:好ましくは10.0重量部以下、より好ましくは0.1〜10.0重量部、さらに好ましくは0.5〜5.0重量部
(I)バインダー樹脂がその他の重合体である場合:好ましくは0.1〜10.0重量部、より好ましくは0.5〜5.0重量部
−溶媒−
上記コーティング層形成用組成物は、上記の(I)〜(IV)成分のほかに溶媒を含有していてもよい。
ここで使用される溶媒としては、例えばケトン類、アルコール類、エステル類、エーテル類、アミド類、芳香族炭化水素類などを挙げることができる。これらの具体例としては、ケトン類として、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンなどを;
アルコール類として、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノールなどを;
エステル類として、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを;
エーテル類として、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどを;
アミド類として、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを;
芳香族炭化水素類としてベンゼン、トルエン、キシレンなどを、それぞれ挙げることができる。
コーティング層形成用組成物における溶媒の使用割合は、組成物の固形分濃度(組成物の溶媒以外の成分の合計重量が組成物の全重量に占める割合)が、1.0〜50.0重量%となる量とすることが好ましい。
[コーティング層の形成方法]
基材フィルムの片面もしくは両面または側面にコーティング層を形成するには、例えば以下の方法によることができる。
基材フィルムの片面にコーティング層を形成するには、基材フィルムの片面に上記のコーティング層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜に光を照射する方法によることが好ましい。この操作を基材フィルムの両面に行うことにより、基材フィルムの両面にコーティング層を形成することができる。
基材フィルムの側面にコーティング層を形成するには、例えば複数枚の基材フィルムを、端辺をそろえて積層して端辺からなる面を形成し、該面に対して上記のコーティング層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜に光を照射する方法によることができる。
上記いずれの場合においても、コーティング層形成用組成物を塗布するには、例えばスプレーコート法、ロールコート法、ディスペンサー法、カーテンコート法、ディップコート法、バーコート法、エアナイフ法、グラビア法、グラビアリバース法、リップ法、ダイ法、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの適宜の方法によることができる。塗布後、好ましくは加熱を行い、塗膜が形成される。この加熱は、好ましくは60〜120℃において、好ましくは0.1〜10分間行われる。
上記のようにして形成された塗膜に、次いで光を照射する。
照射する光としては、350〜380nmの範囲の輝線を含む紫外線が好ましい。照射量は、0.1〜10J/mとすることが好ましく、0.1〜3.0J/mとすることがより好ましい。
<エッジ保護層形成用組成物>
本発明において使用されるエッジ保護層形成用組成物は、特に限定されるものではなく、基板のエッジに付着して該エッジ部に耐衝撃性を付与することのできる樹脂を形成し得る組成物であれば、制限なく使用することができる。
本発明におけるエッジ保護層形成用組成物としては、光照射および熱処理よりなる群から選択される少なくとも1種の処理によって硬化する性質を持つ樹脂組成物を好ましく使用することができる。ここでいう「樹脂」とは、組成物中に樹脂として含有される場合と、効果によって樹脂化する場合との双方を包含する概念である。
上記の意味における樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂などを挙げることができ、これらのうちの(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
本発明におけるエッジ保護層形成用組成物としては、例えば
(A)低粘度(メタ)アクリレート化合物と、
(B)バインダー樹脂および(C)多官能(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の成分と
を含有する組成物を挙げることができる。上記組成物は、これら以外に(D)光重合開始剤を含有していてもよく、さらに(E)その他の成分を含有していてもよい。本発明におけるエッジ保護層形成用組成物は、溶媒を含有していてもしていなくてもよいが、溶媒を含有しないものであることが好ましい。
−(A)低粘度(メタ)アクリレート化合物−
上記(A)低粘度(メタ)アクリレート化合物は、好ましくは粘度が100mPa・s以下の単官能(メタ)アクリレート化合物である。該化合物の粘度は、より好ましくは1〜50mPa・sであり、さらに好ましくは1〜30mPa・sである。
このような(A)低粘度(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えばオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどを挙げることができる。
−(B)バインダー樹脂−
上記(B)バインダー樹脂は、基板エッジ部に耐衝撃性を付与する機能を有する樹脂からなる。このような樹脂としては、例えば(メタ)アクリレート基を1つ以上有する(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリレート基を1つ以上有するウレタン樹脂などを挙げることができる。これらのうち、(メタ)アクリレート基を1つ以上有するウレタン樹脂が好ましい。
上記の(メタ)アクリレート基を1つ以上有するウレタン樹脂としては、例えば
ポリエーテルポリオールと、
ポリイソシアネートと、
水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と
の反応生成物を挙げることができ、好ましく使用することができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、イオン重合性環状化合物の2種以上を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールを使用することが好ましく、具体的には例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。これらのうち、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、脂環族ジイソシアネートを使用することが好ましく、具体的には例えばテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネートなどを挙げることができる。これらのうち、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートおよびシクロヘキシルジイソシアネートよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
上記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどをあげることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することが好ましい。
これらの化合物は、
ポリエーテルポリオールが有する水酸基の1当量に対して、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が1.1〜2.0当量であり、且つ水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の水酸基が0.1〜0.5当量となる割合で使用することが好ましく、
ポリエーテルポリオールが有する水酸基の1当量に対して、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が1.3〜2.0当量であり、且つ水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の水酸基が0.3〜0.5当量となる割合で使用することがより好ましい。
これらの化合物の反応は、公知の方法によることができる。
(B)バインダー樹脂についてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000〜50,000であることが好ましく、2,000〜30,000であることがより好ましい。
エッジ保護層形成用組成物における(B)バインダー樹脂の使用割合は、上記(A)低粘度(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、好ましくは500重量部以下であり、より好ましくは10〜500重量部であり、さらに好ましくは10〜300重量部である。
−(C)多官能(メタ)アクリレート化合物−
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、コーティング用組成物における(II)多官能不飽和化合物の好ましい例として上記した多官能(メタ)アクリレート化合物と同じものを使用することができる。
エッジ保護層形成用組成物における(D)多官能(メタ)アクリレート化合物の使用割合は、全樹脂成分((A)低粘度(メタ)アクリレート化合物、(B)バインダー樹脂および(C)多官能(メタ)アクリレート化合物の合計をいう。以下同じ。)中、80重量%以下とすることが好ましく、1〜60重量%とすることがより好ましく、10〜50重量%とすることがさらに好ましい。
−(D)光重合開始剤−
上記(D)光重合開始剤としては、コーティング用組成物における(III)光重合開始剤として上記に例示したのと同じものを使用することができる。
エッジ保護層形成用組成物における(D)光重合開始剤の使用割合は、全樹脂成分100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは1〜10重量部である。
−(E)その他の成分−
上記(E)その他の成分としては、例えば2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、エトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。
エッジ保護層形成用組成物中の(E)その他の成分の使用割合は、組成物の全重量に対する(E)その他の成分の重量が占める割合として、30重量%以下とすることが好ましく、20重量%以下とすることがより好ましい。
[エッジ保護層形成用組成物の粘度]
本発明におけるエッジ保護層形成用組成物は、所望の形状のエッジ保護層を効率よく形成するために、適当な粘度を有するものであることが好ましい。
本発明におけるエッジ保護層形成用組成物の粘度は、好ましくは50〜20,000mPa・sであり、より好ましくは100〜10,000mPa・sである。
<基板エッジ保護層の形成方法>
本発明の基板エッジ保護層の形成方法は、上記のような基板とフィルムとを積層した状態で、前記基板の側面に、上記のようなエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する工程を経由する。
[基板とフィルムとの積層]
基板とフィルムとを積層する場合、例えば以下のような態様であることができる。
前記コーティング層がフィルムの少なくとも片面上にあり、
前記基板とフィルムとを積層した状態が、
前記フィルムの2枚を前記コーティング層が基板側となるように前記基板の両面に積層した状態である態様(第1の積層態様);
前記コーティング層がフィルムの両面上にあり、
前記基板とフィルムとを積層した状態が、
前記フィルムと前記基板とを交互に積層した状態である態様(第2の積層態様);および
前記コーティング層がフィルムの側面上にあり、
前記基板とフィルムとを積層した状態が、
前記フィルムの2枚を前記基板の両面に積層した状態である態様(第3の積層態様);および
前記コーティング層がフィルムの側面上にあり、
前記基板とフィルムとを積層した状態が、
前記フィルムと前記基板とを交互に積層した状態である態様(第4の積層態様)。
上記第1の積層態様において使用されるフィルムは、片面にコーティング層を有するフィルムであっても、両面にコーティング層を有するフィルムであってもよい。この場合、使用するフィルムが側面にコーティング層を有することは禁止されない。この第1の態様の場合、フィルムの端部は基板の端部から少し突出するように積層することが好ましい。この突出量は、例えば2〜50mmとすることができ、好ましくは3〜20mmである。
第2の積層態様においては、両面にコーティング層を有するフィルムが使用される。ただし、積層の最上層および最下層に位置するフィルムは、両面にコーティング層を有するフィルムであっても、片面にコーティング層を有するフィルムであってもよい。後者の場合、コーティング層が基板側となるように積層される。使用するフィルムが側面にコーティング層を有することは禁止されない。この態様において一度に積層に供される基板の数は、好ましくは2枚以上であり、より好ましくは10〜500枚であり、さらに50〜500枚であることが好ましい。この態様で使用されるフィルムの枚数は、基板の数よりも1枚多い枚数となる。この第2の態様においても、フィルムの端部は基板の端部から少し突出するように積層することが好ましい。突出量は、上記第1の積層態様の場合と同じである。
第3の積層態様においては、側面にコーティング層を有するフィルムが使用される。この場合、フィルムの片面または両面にコーティング層を有することは禁止されない。この第3の態様の場合、フィルムの端辺(側面)と基板の端辺(側面)とをそろえて面状になるように積層することが好ましい。ここで「面状」とは、該面においてフィルムまたは基板のうちのいずれかが実質的に突出または凹没していなければよく、最突出部と最凹没部との距離が、例えば2mm未満であればよく、好ましくは1mm以内であればよい。
第4の積層態様は、上記第3の積層態様において、複数の基板と複数のフィルムとを交互に積層した場合である。この態様において一度に積層に供される基板の数は、好ましくは2枚以上であり、より好ましくは10〜500枚であり、さらに50〜500枚であることが好ましい。この態様で使用されるフィルムの枚数は、基板の数よりも1枚多い枚数となる。この第4の態様においても、フィルムの端辺(側面)と基板の端辺(側面)とをそろえて面状になるように積層することが好ましい。「面状」の意味も、上記第3の積層態様の場合と同じである。
上記いずれの場合も、基板とフィルムとの間は隙間を明けずに密着した状態であることが好ましく、貼付された状態にあることがよい好ましい。
[エッジ保護層の材形方法]
本発明の方法においては、基板とフィルムとを上記のように積層した状態で、エッジ保護層形成用組成物を基板側面方向から塗布することにより、ことにより、基板の側面にエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する。
上記における塗布方法としては、例えばスプレーコート法、ロールコート法、ディスペンサー法、カーテンコート法、ディップコート法、バーコート法、エアナイフ法、グラビア法、グラビアリバース法、リップ法、ダイ法、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの適宜の方法によることができる。
次いで、上記のようにして形成された塗膜に光を照射する。照射する光としては、350〜380nmの範囲の輝線を含む紫外線が好ましい。照射量は、0.1〜10J/mとすることが好ましく、0.1〜3.0J/mとすることがより好ましい。
[エッジ保護層]
上記のような手法によって基板の側面に、エッジ保護層を形成することができる。
このエッジ保護層は、基板の表面に近い部分の膜厚よりも基板の中央部の膜厚の方が厚い丸型形状(ラウンド形状)を有する。エッジ保護層の膜厚は、最厚部の膜厚として、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは10〜300μmである。
<エッジ保護層が形成された基板>
側面に上記のようなエッジ保護層を有する基板は、特にエッジ部に加えられる衝撃耐性に優れ、基板の破損、欠けなどを生ずることがない。
従って本発明の方法によって形成されたエッジ保護層を有する基板は、搬送、搬入、搬出、移送などの際にエッジ部の破損が懸念される製造工程を経由する用途、例えば表示素子用基板などに、好適に適用することができる。
<コ−ティング層形成用組成物の調製>
[バインダ−樹脂の合成]
合成例A−1
内容積2.0リットルの電磁攪拌機を備えたステンレス製オ−トクレ−ブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パ−フルオロ(プロピルビニルエ−テル)53.2g、エチルビニルエ−テル36.1g、ヒドロキシエチルビニルエ−テル44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、VPS1001(商品名、下記式(V)で表される化合物、数平均分子量:約60,000、ポリシロキサン部分の分子量:約10,000、和光純薬工業(株)製)6.0gおよびNE−30(商品名、下記式(N)で表されるノニオン性反応性乳化剤、(株)ADEKA製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノ−ルで−50℃に冷却した後、再度窒素ガスをパ−ジして系内の酸素を除去した。
(式(V)中、yは1〜200の数であり、zは1〜20の数である。)
次いでヘキサフルオロプロピレン120.0gを仕込んで昇温を開始した。オ−トクレ−ブ内の温度が60℃に達した時点における内圧は5.3×10Paであった。その後、70℃において20時間攪拌下に反応を行い、圧力が1.7×10Paに低下した時点でオ−トクレ−ブを水冷して反応を停止した。
系内温度が室温に達した後、未反応モノマ−を放出してオ−トクレ−ブを開放し、濃度26.4重量%のポリマ−溶液を回収した。得られたポリマ−溶液をメタノ−ルに投入してポリマ−を析出させ、回収した析出物をメタノ−ルにて洗浄した後、50℃において24時間真空乾燥を行うことにより、水酸基含有含フッ素重合体を220g得た。
この水酸基含有含フッ素重合体につき、ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−によって測定した数平均分子量は34,000であった。H−NMR、13C−NMRおよび元素分析の結果から算出した各モノマ−成分の共重合割合は、それぞれ、以下のとおりであった。
ヘキサフルオロプロピレン:41.1モル%
パ−フルオロ(プロピルビニルエ−テル):10.0モル%
エチルビニルエ−テル:20.9モル%
ヒドロキシエチルビニルエ−テル:24.8モル%
NE−30:0.8モル%
ポリジメチルシロキサン骨格:2.4モル%
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、上記で得られた水酸基含有含フッ素重合体を50.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノ−ル0.01gおよびメチルイソブチルケトン(MIBK)370gを仕込み、20℃において溶液が透明、均一になるまで攪拌を行い、水酸基含有含フッ素重合体をMIBKに溶解した。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ−トを15.1g添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチル錫ジラウレ−ト0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持しつつ5時間攪拌下に反応を継続することにより、エチレン性不飽和基を有する含フッ素重合体AのMIBK溶液(ポリマ−濃度15.2重量%)を得た。
[コ−ティング層形成用組成物の調製]
調製例C−1
攪拌機を備えたガラス製セパラブルフラスコに、
上記合成例A−1で得られたエチレン性不飽和基を有する含フッ素重合体AのMIBK溶液553重量部(固形分換算量として84重量部)、
ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト(商品名「PET−30」、日本化薬(株)製)14重量部、
光重合開始剤としてIrgacure 184(BASF社製)2重量部および
MIBK431重量部
を仕込み、室温において1時間撹拌することにより、均一なコ−ティング層形成用組成物(C−1)を得た。
調製例C−2〜C−4
エチレン性不飽和基を有する含フッ素重合体AのMIBK溶液、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、Irgacure 184およびMIBKの仕込量を第1表に記載した量に変更し、さらに第1表に示した種類および量の界面活性剤を加えたほかは上記調製例C−1と同様にして、均一なコ−ティング層形成用組成物(C−2)〜(C−4)をそれぞれ得た。
なお、第1表における含フッ素重合体Aの仕込み量は固形分換算量である。
調製例C−5〜C−7
攪拌機を装着したガラス製セパラブルフラスコに、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、ウレタンアクリレート(U6LPA)、Irgacure 184および第1表に示した種類および量の界面活性剤を仕込み、室温において1時間撹拌することにより、均一なコ−ティング層形成用組成物(C−5)〜(C−7)を、それぞれ、得た。
比較調製例rc−1
攪拌機を装着したガラス製セパラブルフラスコに、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、ウレタンアクリレート(U6LPA)およびIrgacure 184を仕込み、室温において1時間撹拌することにより、均一なコ−ティング層形成用組成物(rc−1)を得た。
[エッジ保護用樹脂の合成]
合成例B−1
攪拌機を備えた反応容器に、イソボルニルアクリレ−ト20重量部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナ−ト9.5重量部、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコ−ル70.4重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.07重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル0.03重量部を仕込み65〜75℃において3時間撹反応を行った。残留イソシアネ−トの量が全樹脂の重量に対して0.05重量%以下になった時点を反応終了とすることにより、ウレタンアクリレ−ト(B−1)を得た。
調製例B−2
攪拌機を備えた反応容器に、イソボルニルアクリレ−ト30重量部、イソホロンジイソシアネ−ト9.7重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.07重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル0.03重量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。これを撹拌しながら温度を20℃以下に保ちつつ、2−ヒドロキシブチルアクリレ−ト4.0重量部を滴下した。滴下終了後、20℃において40分間反応を行った。
次いで、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコ−ル56.9重量部を加え、65〜75℃において3時間反応を継続した。残留イソシアネ−トの量が全樹脂の重量に対して0.05重量%以下になった時点を反応終了とすることにより、ウレタンアクリレ−ト(B−2)を得た。
調製例B−3
攪拌機を備えた反応容器に、イソボルニルアクリレート30重量部、イソホロンジイソシアネート11.0重量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.07重量部および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.03重量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。これを撹拌しながら温度を20℃以下に保ちつつ、2−ヒドロキシブチルアクリレート7.0重量部を滴下した。滴下終了後、20℃において40分間反応を行った。
次いで、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコールを51.9重量部加え、65〜75℃において3時間反応を継続した。残留イソシアネートの量が全樹脂の重量に対して0.05重量%以下になった時点を反応終了とすることにより、ウレタンアクリレート(B−3)を得た。
[エッジ保護層形成用組成物の調製]
調製例E−1
攪拌機を備えたガラス製セパラブルフラスコ中に、
(A)バインダー樹脂として上記合成例B−1で得られたウレタンアクリレ−ト(B−1)20重量部、
(B)低粘度(メタ)アクリレート化合物としてイソボルニルアクリレート50重量部
(C)光重合開始剤としてIrgacure184(BASF社製)5重量部、ならびに
(D)多官能(メタ)アクリレート化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名「PET−30」、日本化薬(株)製)20重量部および2−ヒドロキシブチルアクリレート10重量部
を仕込み、室温において1時間撹拌することにより、均一なエッジ保護層形成用組成物(E−1)を得た。
調製例E−2〜E−5
各成分の種類および量を、それぞれ、下記の第2表に記載のとおりとしたほかは上記調製例E−1と同様に実施することにより、均一なエッジ保護層形成用組成物(E−2)〜(E−5)をそれぞれ得た。
<エッジ保護層の形成および評価>
実施例1
[コーティング層の形成]
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、上記調製例C−1で得たコ−ティング層形成用組成物(C−1)をワイヤーバーコーターを用いて塗布し、オーブン中、80℃において1分間加熱して、膜厚0.5μmの塗膜を形成した。この塗膜について、高圧水銀ランプを用いて空気中、0.9J/cmの露光量にて紫外線照射することにより、片面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。
[接触角の測定]
上記で得たPETフィルムのコーティング層形成面について、ヘキサデカンに対する接触角を測定したところ、接触角は52°であった。接触角の測定は、協和界面化学(株)製の接触角計「DropMaster500」を用い、JIS6768に準拠して測定した。
[エッジ保護層の形成]
図1に示すように、上記で得た片面にコーティング層を有するPETフィルムの2枚を前記コーティング層が基板側となるようにガラス基板(100mm×150mm×700μmの長方形板状)の両面に貼付した。ここで、フィルムの端部はガラス基板の端部から5mm突出するように貼付した。
上記のフィルム/ガラス基板/フィルム積層物に対し、上記調製例E−1で得たエッジ保護層形成用組成物(E−1)を、スプレーコーティング法にてガラス基板の側面方向から塗布し、膜厚(最厚部の膜厚)100μmの塗膜を形成した。この塗膜に対し、高圧水銀ランプを用いて露光量1.0J/cmにて紫外線を照射した。
その後、ガラス基板からPETフィルムを剥がすことにより、エッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を得た。
[エッジ保護層の評価]
(1)保護層形状の観察
上記で得られたガラス基板の端部を、KEYENCE社製の電子顕微鏡(型式名「DIGITAL MICROSCOPE VHX-900」)を用いて観察し、形成された保護層の形状を調べた。この形状が、図3(a)に示すような丸形状であれば形状が「良好」であるとし、図3(b)に示すような形状であれば形状が「不良」であし、両形状が混在していれば形状が「可」(歩留りに問題はあるものの使用は可能)であるとして評価したところ、本実施例におけるエッジ保護層の形状は良好であった。
(2)耐衝撃性の評価
直径52mm、重さ500gの鉄球に長さ30cmの紐を取り付け、鉄球振り子を準備し、該鉄球振り子が鉛直位置となる場所に、上記で得られたガラス基板の端部(エッジ保護層形成部)が来るように設置した。
上記鉄球を、ガラス基板端部から5cmの距離まで振り上げた後に鉄球を離し、ガラス基板端部に鉄球を衝突させた。衝突させた後の端部をKEYENCE社製の電子顕微鏡(型式名「DIGITAL MICROSCOPE VHX-900」)を用いて観察し、衝撃後のエッジ保護層およびガラス基板の状態を調べた。ここで、エッジ保護層およびガラス基板の双方に破損が見られなければ耐衝撃性「良好」、これらのうちのいずれかに明らかな破損が見られた場合は耐衝撃性「不良」、破損の程度がわずかであった場合は耐衝撃性「可」として評価したところ、本実施例におけるガラス基板の耐衝撃性は良好であった。
実施例2〜7および比較例1
上記実施例1の[コーティング層の形成]において、コ−ティング層形成用組成物(C−1)の代わりに上記調製例C−2〜C−7および比較調製例rc−1で得たコ−ティング層形成用組成物(C−2)〜(C−7)および(rc−1)をそれぞれ用いたほかは実施例1と同様にして片面にコーティング層を有するPETフィルムを得、該フィルムを使用してエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。
評価結果は、第3表に示した。比較例1におけるエッジ保護層は、基板の表面に近い部分が最も厚い膜厚を示したため、第3表には当該部分の膜厚を記載した。
実施例8
実施例1の[コーティング層の形成]において、PETフィルムの代わりに厚さ100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いたほかは実施例1と同様にして片面にコーティング層を有するTACフィルムを得、該フィルムを使用してエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例9
実施例1の[コーティング層の形成]において、PETフィルムの代わりに厚さ100μmのARTON(商品名(登録商標)、JSR(株)製)フィルムを用いたほかは実施例1と同様にして片面にコーティング層を有するARTONフィルムを得、該フィルムを使用してエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例10
[コーティング層の形成]
厚さ100μm、長方形のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの約100枚を、4つの端辺(側面)のすべてが面状になるようにそろえて積層した。この端辺が積層して形成された4つの面のすべてに、上記調製例C−1で得たコ−ティング層形成用組成物(C−1)をスプレーコーティング法にて塗布し、オーブン中、80℃において1分間加熱して、膜厚0.5μmの塗膜を形成した。この塗膜が形成された端辺の面に、高圧水銀ランプを用いて空気中、0.9J/cmの露光量にて紫外線照射することにより、側面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。
本実施例におけるコーティング面の接触角は、実施例1と同様にしてフィルム片面にコーティング層を形成した評価用フィルムを製造し、該コーティング層形成面における接触角の評価で代替した(フィルム側面にコーティング層を形成した実施例について、以下同じ。)。
[エッジ保護層の形成]
図2に示すように、上記で得た側面にコーティング層を有するPETフィルムの2枚を、それらの端辺がガラスの端辺とそろうようにガラス基板の両面に貼付した。
上記のフィルム/ガラス基板/フィルム積層物に対し、上記調製例E−1で得たエッジ保護層形成用組成物(E−1)を、スプレーコーティング法にてガラス基板の側面方向から塗布し、膜厚100μmの塗膜を形成した。この塗膜に対し、高圧水銀ランプを用いて露光量1.0J/cmにて紫外線を照射した。
その後、ガラス基板からPETフィルムを剥がすことにより、エッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を得た。
[エッジ保護層の評価]
上記で得たエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板について、実施例1と同様にして各種の評価を行った。評価結果は第3表に示した。
実施例11
上記実施例1の[エッジ保護層の形成]において、スプレーコーティング法の代わりにディスペンサー法を採用した以外は実施例1と同様にしてエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例12
上記実施例10の[エッジ保護層の形成]において、スプレーコーティング法の代わりにディスペンサー法を採用した以外は実施例10と同様にしてエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例13
上記実施例10の[エッジ保護層の形成]において、スプレーコーティング法の代わりにロールコート法を採用した以外は実施例10と同様にしてエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例14
上記実施例1の[エッジ保護層の形成]において、エッジ保護層形成用組成物(E−1)の代わりに上記調製例E−2で調製したエッジ保護層形成用組成物(E−2)を使用した以外は実施例1と同様にしてエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。評価結果は、第3表に示した。
実施例15〜17
上記実施例11の[エッジ保護層の形成]において、エッジ保護層形成用組成物(E−1)の代わりに上記調製例E−3〜E−5で調製したエッジ保護層形成用組成物(E−3)〜(E−5)をそれぞれ用いた以外は実施例11と同様にしてエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を製造し、各種の評価を行った。
評価結果は、第3表に示した。実施例17におけるエッジ保護層の膜厚は、膜形状が良好な部分についての測定値を記載した。
実施例18
[コーティング層の形成]
実施例1の[コーティング層の形成]と同様の操作を行って、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。このフィルムの裏面に対し、再度同様の操作を行って、両面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。
[エッジ保護層の形成]
図3に示すように、ガラス基板と、上記で得た両面にコーティング層を有するPETフィルムを交互に積層して貼付した。ここでは10枚のガラス基板と11枚のフィルムを使用し、フィルムの端部がガラス基板の端部から5mm突出するように貼付した。
上記のガラス基板とフィルムとの積層物に対し、上記調製例E−2で得たエッジ保護層形成用組成物(E−2)を、スプレーコーティング法にてガラス基板の側面方向から塗布し、膜厚100μmの塗膜を形成した。この塗膜に対し、高圧水銀ランプを用いて露光量1.0J/cmにて紫外線を照射した。
その後、PETフィルムおよびガラス基板を1枚ずつ取り外すことにより、エッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を得た。
[エッジ保護層の評価]
上記で得たエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板について、実施例1と同様にして各種の評価を行った。評価結果は第3表に示した。
参考例1
[コーティング層の形成]
上記実施例1の[コーティング層の形成]と同様にして、片面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。
[エッジ保護層の形成]
上記で得た片面にコーティング層を有するPETフィルムの2枚を前記コーティング層が基板側となるようにガラス基板の両面に貼付した。ここで、フィルムの端辺がガラスの端辺とそろうようにガラス基板の両面に貼付した。
上記のフィルム/ガラス基板/フィルム積層物に対し、上記調製例E−1で得たエッジ保護層形成用組成物(E−1)を、スプレーコーティング法にてガラス基板の側面方向から塗布し、膜厚100μmの塗膜を形成した。この塗膜に対し、高圧水銀ランプを用いて露光量1.0J/cmにて紫外線を照射した。
その後、ガラス基板からPETフィルムを剥がすことにより、エッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を得た。
[エッジ保護層の評価]
上記で得たエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板について、実施例1と同様にして各種の評価を行った。評価結果は第3表に示した。
なお、本参考例の「保護層形状」欄の「破損」とは、ガラス基板からPETフィルムを剥がす際に、エッジ保護層樹脂が破損したことを意味する。従って本参考例においては、保護層の膜厚を測定することはできなかった。
参考例2
[コーティング層の形成]
上記実施例10の[コーティング層の形成]と同様にして、側面にコーティング層を有するPETフィルムを得た。
[エッジ保護層の形成]
上記で得た側面にコーティング層を有するPETフィルムの2枚をガラス基板の両面に貼付した。ここで、フィルムの端部はガラス基板の端部から5mm突出するように貼付した。
上記のフィルム/ガラス基板/フィルム積層物に対し、上記調製例E−1で得たエッジ保護層形成用組成物(E−1)を、スプレーコーティング法にてガラス基板の側面方向から塗布し、膜厚100μmの塗膜を形成した。この塗膜に対し、高圧水銀ランプを用いて露光量1.0J/cmにて紫外線を照射した。
その後、ガラス基板からPETフィルムを剥がすことにより、エッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板を得た。
[エッジ保護層の評価]
上記で得たエッジ部にエッジ保護層が形成されたガラス基板について、実施例1と同様にして各種の評価を行った。
評価結果は、第3表に示した。本参考例におけるエッジ保護層は、基板の表面に近い部分が最も厚い膜厚を示したため、第3表には当該部分の膜厚を記載した。

Claims (9)

  1. 基板と、コーティング層を有するマスク材とを積層した状態で、前記基板の側面にエッジ保護層形成用組成物の塗膜を形成する工程を経由することを特徴とし、ただし、
    前記コーティング層を有するマスク材のコーティング面におけるヘキサデカンの接触角が40°以上である基板エッジ保護層の形成方法。
  2. 前記コーティング層がマスク材の少なくとも片面上にあり、
    前記基板とマスク材とを積層した状態が、
    前記マスク材の2枚を前記コーティング層が基板側となるように前記基板の両面に貼付した状態である、請求項1に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  3. 前記コーティング層がマスク材の両面上にあり、
    前記基板とマスク材とを積層した状態が、
    前記マスク材と前記基板とを交互に積層して貼付した状態である、請求項1に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  4. 前記コーティング層がマスク材の側面上にあり、
    前記基板とマスク材とを積層した状態が、
    前記マスク材の2枚を前記基板の両面に貼付した状態である、
    請求項1に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  5. 前記コーティング層がマスク材の側面上にあり、
    前記基板とマスク材とを積層した状態が、
    前記マスク材と前記基板とを交互に積層して貼付した状態である、請求項1に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  6. 前記エッジ保護層形成用組成物が、
    (A)バインダー樹脂、および
    (B)低粘度(メタ)アクリレート化合物
    を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  7. 前記エッジ保護層形成用組成物が、(C)光重合開始剤さらに含有する、請求項6に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  8. 前記エッジ保護層形成用組成物が、(D)多官能(メタ)アクリレート化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の基板エッジ保護層の形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板エッジ保護層の形成方法によって形成されたエッジ保護層を有する基板。
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