JP2015202069A - 柑橘類果実の加工食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柑橘類の外果皮,種子の全てを含んだ果実の有効成分全てを活用し、且つ酸味の強さを抑え食べ易くし、しかも外果皮,種子を含んだ果実だけを用い、添加物一切なしの状態で加工され、健康食品や保健機能食品等として利用し易くした柑橘類果実の加工食品を提供する。
【解決手段】柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実だけを容器内に充填し、続いて、その果実を充填した容器をムロ内に置き、その後、55℃〜85℃の温度範囲内にして70日以上で90日以内の期間で温めて熟成して、該果実を黒色化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は健康食品や保健機能食品等として使用される柑橘類果実の加工食品及びその製造方法に関する。
生鮮柑橘類は世界的に生活習慣病等の予防改善の健康食品として高く評価され活用されてきている。柑橘類果実は、皮を剥いてそのまま食する他、ジュースとして用いたり、健康食品材料として用いたりされてきた。そして、その改良発明も提案されている(例えば特許文献1)。
特開2005−304345 特開2001−346537
特許文献1は、その請求項に記載のごとく「柑橘類の搾汁機構で搾汁液と搾りかすとに分離し、次いで搾汁液と一緒に排出されるどろどろ部分を濾過手段で純粋搾汁液と分離することを特徴とする柑橘類の搾汁方法。」である。また、特許文献2は、その請求項に記載のごとく「果実外皮およびトレハロースを必須成分として含有する機能性食品。」である。
しかるに、柑橘類の外果皮には多くの有効成分が含まれているが、特許文献1は搾りかすが分離されてしまい、その有効成分が利用されない虞がある。柑橘類の外果皮はマーマレード等に加工されているが、生鮮柑橘類を食する場合、廃棄されるのが一般的である。
特許文献2は果実外皮を用いるがトレハロースを必須成分として含有する。健康食品や保険機能食品等に使用するに際し、トレハロースを必要としない場合もあり、トレハロースを望まない食品に対し適用できない問題がある。さらに果実外皮を用いるが、それだけを調達するにも苦労を要する。
一方、皮を剥いて柑橘類を生まま食する場合、たとえ健康に役立つ有効成分を多く含んでいても、酸味が強く食べにくいものが存在する。
本発明は上記問題点を解決するもので、柑橘類の外果皮,種子の全てを含んだ果実の有効成分全てを活用し、且つ酸味の強さを抑えて食べ易くし、しかも外果皮,種子を含んだ果実だけを用い、添加物一切なしの状態で加工され、健康食品や保健機能食品等として利用し易くした柑橘類果実の加工食品を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実だけを充填した容器をムロ内で温め、該果実を熟成して黒色化させてなることを特徴とする柑橘類果実の加工食品にある。請求項2の発明たる柑橘類果実の加工食品は、請求項1で、果実だけを充填した容器をムロ内で、55℃〜85℃の温度範囲内にして温めることを特徴とする。請求項3の発明たる柑橘類果実の加工食品は、請求項1又は2で、果実がジャバラの果実であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の要旨は、柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実だけを容器内に充填し、続いて、その果実を充填した容器をムロ内に置き、その後、55℃〜85℃の温度範囲内にして70日以上で90日以内の期間で温めて熟成して、該果実を黒色化させることを特徴とする柑橘類果実の加工食品の製造方法にある。請求項5の発明たる柑橘類果実の加工食品の製造方法は、請求項4で、果実を黒色化させた後、これを乾燥させ、次いで、その果実を種子ごと粉末化させることを特徴とする。請求項6の発明たる柑橘類果実の加工食品の製造方法は、請求項4又は5で、果実を黒色化させた後、これを磨り潰してペースト状にすることを特徴とする。請求項7の発明たる柑橘類果実の加工食品の製造方法は、請求項4〜6で、果実がジャバラの果実であることを特徴とする。
本発明の柑橘類果実の加工食品及びその製造方法は、無添加で、柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実100%で造られているので、様々な食品への栄養補給材として容易にブレンド供給でき、しかも酸味の強さが弱まりまろやかになっており、それでいて爽やかな香りが温存されているので、そのままでも食べやすく、健康食品,保健機能食品等としても極めて有効であるなど多大な効を奏する。
本発明に係る柑橘類果実のみからなる加工食品の製造方法の一形態で、その製造工程を示したブロック図である。 図1の加温熟成工程における容器内の変化を表す概略説明図で、(イ)は加温熟成直後の説明図、(ロ)は加温熟成から30日以上経過した時点での説明図、(ハ)は加温熟成から約70日以上経過した時点での説明図である。
以下、本発明に係る柑橘類果実の加工食品及びその製造方法について詳述する。
(1)柑橘類果実の加工食品の製造方法
本発明に係る柑橘類果実の加工食品の製造は、例えば図1,図2のごとくの工程にしたがって造られる。まず、柑橘類の果実3を水洗い洗浄する(前処理工程1)。柑橘類の果実3に係る柑橘類は、「ミカン類の常緑樹、特に果樹・果実の総称。」(広辞苑)であり、具体的には、バレンシアオレンジ,ネーブル等のオレンジ類、グレープフルーツ,オランジェロ等のグレープフルーツ類、柚,ジャバラ,ダイダイ等の香酸柑橘類、ナツミカン等の雑柑類、イヨカン等のタンゴール類、温州みかん等のミカン類等がある。
柑橘類の果実や野菜の摂取で、生活習慣病の予防が人々の常識になりつつあり、世界的な健康食品ともいえる柑橘類果実の健康有効性とその成分は、記述文献等をまとめると表1のようになる。
ジャバラは柚子と同じ香酸果実であるが、花粉症等のアレルギー抑制効果があるフラボノイド成分の一種であるナリルチンの含有量が特に多い。しかし、柚子に比べても酸味が強く、生でおいしく食べるというわけにはいかない。また、外果皮,種子を含んだ果実をそのまま食することも困難である。
斯かる果実の酸味を和らげ、まろやかにして口当たりを良くし、おいしく食することのできる本発明の加温熟成製法を、このジャバラを用いた場合について述べる。
Figure 2015202069
本実施形態は柑橘類の果実3にジャバラの果実を使用する。先ず、水洗い洗浄で、ジャバラ果実3(以下、単に「果実」ともいう。)に付着した汚れを取り除く。
続いて、水洗浄後の果実3を笊等で受け、そのまま放置して水切りを行う。水切りにより、水洗い洗浄でジャバラ果実3に残った水を除去する(前処理工程2)。
次いで、例えば10リットルのガラス容器1内へ水切りを終えた前記ジャバラ果実3だけを入れていき、容器1内にジャバラ果実3のみを充填する(充填工程)。容器1内には図2(イ)のごとく、7分目から8分目ほどまでジャバラ果実3が投入,充填されて蓋2がされる。
その後、そのジャバラ果実3を充填した前記容器1をムロ(室)内に設置する(熟成準備工程)。ムロは、外気と遮断して、ジャバラ果実3の充填容器1を複数置いて暖めることのできる建造物になっている。ムロ内にジャバラ果実3の充填容器1が多数並べられた後、ムロ内は暗室にされる。ムロ内を暖める加温手段はヒータを使用する。
しかる後、ジャバラ果実3の充填容器1が置かれたムロ内の環境条件を、55℃〜85℃の温度範囲内にして70日以上温めてジャバラ果実3を熟成する(加温熟成工程)。
ここで、ムロ内の環境条件を55℃〜85℃の温度範囲内に設定するのは、55℃未満になると、ジャバラ果実3だけを用いており、抗酸化剤,防腐剤等を含まず、無添加であるため腐敗進行し易くなるからである。一方、85℃(より好ましくは80℃、さらに好ましくは75℃)を越えると、果実加工食品6に含む有効成分量が減ってくるからである。さらに、高温になれば高エネルギ負担によるランニングコスト増に加え、品質面で炭化,変質する虞もあるからである。本柑橘類果実の加工食品6を製造するためのムロ内のより好ましい熟成温度は55℃〜80℃(さらに好ましくは55〜75℃)である。
また、ジャバラ果実3の充填容器1をムロ内に置き、上記温度範囲内にして70日以上温めてジャバラ果実3を熟成するが、その熟成日数は70日以上で90日以下の範囲にある。70日未満であると、ジャバラ果実3の黒色化が不十分になり、食したときににがみが残る。一方、90日を越えると、熟成に要するエネルギロスが増え、且つ生産性も低下する。熟成日数としてより好ましい範囲は、熟成温度が55℃〜80℃(さらに好ましくは55〜75℃)で、70日〜90日の範囲にある。
ここで、ムロ内にジャバラ果実3を瓶詰めした容器1を置いてジャバラ果実3を加温熟成するが、ムロ内ではジャバラ果実3が次のような性状変化を経由して柑橘類果実の加工食品6になる。
加温熟成下の容器1内では次のような変化が起きる。ジャバラ果実3の充填容器1をムロ内に置き、55℃以上の温度に設定し熟成開始する。数日経過したあたりからジャバラ果実3から汁4が外に流出し、容器1内に汁4が溜まり始める。この時点の汁4の色はオレンジ色ないし薄茶色である。容器1内に溜まる汁4は徐々に増えはじめ、その後、約1ヶ月を越えたあたりで最高になる。この段階になると、汁4の色は薄茶色から茶色,こげ茶色と濃くなっていく。また、この段階になると、当初のジャバラ果実3の外観がこげ茶色した中間物5に変化している。図2(ロ)のごとく、容器1内に当初充填された中間物5(当初のジャバラ果実3の相当品)の容積とほぼ同等の量の汁4が溜まる。汁4が中間物5を浸し、汁の液面41が容器1に充填された中間物5よりも上方位置にある。
しかるに、その後の経過状況は一変する。ジャバラ果実3から吐き出された汁4が、今度は時間経過と共に上記中間物5へ吸収されていく。本実施形態は、熟成開始から25日目で蓋2を少し開けている。汁4内の水分を蒸散させるためである。その後も、乾燥具合をみながら、蓋2を開けたり閉めたりを繰り返している。尚、熟成開始した後の数日間は、容器1に蓋2を締め付けておいても、時間が経つと蓋2が緩むので、その蓋2を再度締め付け実施している。
70日以上で90日以下の範囲内で温めて熟成すると、図2(ロ)で中間物5を浸していた汁4が図2(ハ)のごとく減り、容器1の底に僅かに汁4の液面42が残る程度になる。中間物5に吐き出された前記汁4を吸わせ、且つ中間物5中の水分を少なくする。
こうして、栄養分を多く含む上記汁4が中間物5に吸収され、該中間物5中の水分をなくす後半最終工程が進行,終了する。中間物5から移行変化し、ジャバラ果実3を黒色化させた柑橘類果実の加工食品6が出来上がる。
また、加温熟成中のジャバラ果実3に注目して詳しくその変化を観察すると、次のごとくである。ジャバラ果実3の充填容器1をムロ内に置き、熟成開始する。約1週間経過で、ジャバラ果実3は当初の黄緑から緑がかった色から外観が薄茶色へと変化する。そして、ジャバラ果実3は2週間目あたりから20日前後で、茶色い外観の中間物5(当初のジャバラ果実3の相当品)へと色変化が進んでいく。熟成開始当初から30日位でこげ茶色になる。その後は、該中間物5が黒色へと色濃く変化し、70日以上で90日以下の範囲内で熟成することで黒色化した柑橘類果実の加工食品6となる。
こうして、ムロ内の温度を55℃〜85℃の温度範囲内に設定して、70日以上温めてジャバラ果実3を熟成することで、ジャバラ果実3を当初の色から黒色化させて塊状の所望の食べ易い柑橘類果実の加工食品6が得られる。図2(イ)で充填された時の形状がそのまま維持されるが、外果皮も含めて全体が軟らかくなる。そして、生で食した場合に強い酸味のあるジャバラであっても、若干酸味が残る程度となり、且つ味がおだやかで口に入れた時の感覚も良く、食べやすくなっている。
塊状の前記柑橘類果実の加工食品6は、乾燥させた後、種子ごと粉末化させてパウダー状の柑橘類果実の加工食品6を造ることができる。外果皮,じょうのう(小袋)は勿論、柑橘類果実の加工食品6の種子は当初のジャバラ果実3の種子よりも軟らかくて且つ黒色になっている。塊状の前記柑橘類果実の加工食品6を公知の乾燥機にかけた後、公知の粉砕機(ミル)を用いて粉末化させた柑橘類果実の加工食品6を製造する。粉砕機は圧縮,剪断,衝撃,摩擦の四種の力が用いられるが、その種類は問わない。粗砕,中砕,微粉砕,超微粉砕など粉砕の程度も柑橘類果実の加工食品6の用途に応じて適宜選定される。
また、塊状の前記柑橘類果実の加工食品6は、そのまま外果皮,じょうのう,種子ごと磨り潰してペースト状の柑橘類果実の加工食品6を造ることができる。柑橘類果実の加工食品6を種子ごと磨り潰してペースト状にすることで、材料ロスが少なく経済的で、また塊状柑橘類果実の加工食品6から種子を取除く作業もなくなるので、作業性向上につながる。勿論、一方で、柑橘類果実の加工食品6から種子を取出した後、ペースト化させることもできる。種子は食べられるほどに軟らかくなっているが、果肉部分(子房及びその付随部分が発育,成熟した比較的軟らかな部分)に比べると、少し異質であるので、種子を取り除くことによってペースト状柑橘類果実のより品質の高い加工食品6の製造をなし得る。
(2)柑橘類果実の加工食品
柑橘類果実の加工食品6は例えば前述した製法によって得られる固形物(粉末やペースト物を含む)で、柑橘類の外果皮,じょうのう,種子を含んだ果実3だけを充填した容器1をムロ内で温め、該柑橘類果実3を熟成して黒色化させた食品である。柑橘類果実の加工食品6は、無塩,無添加で、容器1に外果皮,じょうのう,種子を含む柑橘類果実3まるごと入れて熟成して得られる。柑橘類果実3だけを充填した容器1をムロ内で、55℃〜85℃(より好ましくは55℃〜80℃、さらに好ましくは55〜75℃)で、70日〜90日の範囲内の期間をかけて熟成される柑橘類果実の加工食品6である。
(3)実施例
次に、本発明の柑橘類果実の加工食品及びその製造方法の具体的実施例について述べる。本発明は勿論これらによって限定されるものではない。
(3−1)実施例1
外果皮,じょうのう,種子を含むジャバラ果実3(柑橘類果実)だけを容器1内に充填し、続いて、そのジャバラ果実3を充填した容器1をムロ内に置き、その後、55℃にして70日間温めて熟成して、該ジャバラ果実3を黒色化させた柑橘類果実の加工食品6を得た。
一部は、加温熟成を続行し、55℃にして90日間温めて熟成して、該ジャバラ果実3を黒色化させた柑橘類果実の加工食品6を得た。両方とも、ジャバラ果実3だけを充填した容器1をムロ内で温め、該柑橘類果実3を熟成して黒色化させてなる柑橘類果実の加工食品6が出来た。70日間の柑橘類果実の加工食品6と90日間の柑橘類果実の加工食品6とは外観がほぼ同じで、両者は食しても味が変わらなかった。
(3−2)実施例2
外果皮,じょうのう,種子を含むジャバラ果実3だけを容器1内に充填し、続いて、そのジャバラ果実3を充填した容器1をムロ内に置き、その後、85℃にして70日間温めて熟成して、該ジャバラ果実3を黒色化させた柑橘類果実の加工食品6を得た。上記ジャバラ果実3の一部は、加温熟成を続行し、85℃にして90日間温めて熟成して、該ジャバラ果実3を黒色化させた柑橘類果実の加工食品6を得た。70日間の柑橘類果実の加工食品6と90日間の柑橘類果実の加工食品6とは外観がほぼ同じで、両者は食しても味が変わらなかった。
(3−3)実施例3
実施例1で得られた塊状の柑橘類果実の加工食品6を熱風乾燥させて水分を除去した後、種子ごと家庭用のミルで粉砕して、粉末状の柑橘類果実の加工食品を得た。
(3−4)実施例4
実施例1で得られた塊状の柑橘類果実の加工食品6を種子ごとニーダーミキサーで磨り潰して、ペースト状の柑橘類果実の加工食品を得た。こうして出来たジャバラ果実の加工食品6中のβクリプトキサンチン,ナリルチンの量を高速液体クロマトグラフ法によって調べたところ、58μg/100g、0.14g/100gであった(一般財団法人日本食品分析センターの分析試験結果)。
ジャバラに代えて甘夏を用い、前記実施例1〜4と同じようにして、柑橘類果実の加工食品を得た。
(4)評価試験
次に、本発明品たる柑橘類果実の加工食品で、前記実施例4で得られたペースト状のジャバラ果実加工食品と、ペースト状の甘夏加工食品を試食し、また一定期間(3ヶ月と6ヶ月)続けて食することによる評価試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2015202069
表2で、試食評価者はA〜Eの五名で、性別,年齢(才)は表に記載のごとくである。一回の試食量は、いずれも大さじ山盛り一杯(約30g)とした。試食期間は評価者B,Cが3ヶ月で、他の者は6ヶ月である。試食した果実の加工食品は、評価者A,Eが甘夏加工食品で、他の評価者はジャバラ果実加工食品とした。
酸味が強い甘夏やさらに酸味の強いジャバラ果実であっても、本発明の果実加工食品6にすると、どの評価者からも酸味が和らぎ、まろやかで非常に食べやすいという評価を得た。ペースト状にすることによって、各評価者から必要な量だけを簡単且つ楽に食することができたとの評価を得た。また、三ヶ月,六ヶ月に亘って、本果実加工品6の味の変化もなく、おいしく食することができたとの感想を得た。
3ヶ月又は6ヶ月の期間中、どの評価者も風邪を引かなかった。そして、試食期間を終えた各評価者の感想を、表2の右端欄にまとめた。風邪をひかない、便通が良い、花粉症の症状が弱まったなど、いずれの評価者からも良好な結果が得られた。
(5)効果
このように構成した柑橘類果実の加工食品及びその製造方法によれば、生の場合と同様、柑橘類果実の加工食品6中の有効成分が依然多く含有し、柑橘類果実がもつ整腸作用,疲労回復,アレルギー抑制効果等の面で優れた効果を発揮する。特に、柑橘類果実にジャバラ果実を用いると、ナリルチンを多く含み、抗アレルギー作用,抗酸化作用,消炎作用等に極めて有効となる。さらにいえば、ジャバラ果実の外果皮には果汁の6〜10倍ものナリルチンが含まれており、本発明がその外果皮までまるごと利用することから、果実全てが使われる単なる有効活用の面だけでなく、抗アレルギー作用等の効能面に対し多大な効を奏する。
また本柑橘類果実の加工食品は、ジャバラや甘夏等であっても、酸っぱさが大きく軽減されてまろやかになり、生で食するよりも格段に食べやすくなっている。生で食べれば極めて酸っぱく敬遠されやすいジャバラ果実3等であっても、それを加工した本加工食品6にすれば味がおだやかになり、日常生活のなかでたやすく気軽に食することができる。
また、柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実まるごと利用するので、無駄がなく柑橘類果実の全てを有効活用できる。まるごと利用するので、分別したりする手間もいらず、作業性向上,生産性向上に貢献する。
さらに、本柑橘類果実の加工食品6は、無添加で柑橘類果実3だけから造られるので、それ単体で健康食品として有用であるばかりか、種々の商品への栄養供給材に有効活用できる。従来、柑橘類果実3に添加物を加えて有用な目的物が造られているが、その後、当該添加物が不用だからといって、当該添加物を取り除くのは至難になる。柑橘類果実100%成分を熟成させただけの本柑橘類果実の加工食品6は、混ざり物が一切ないので、添加物等に注意を払うことなく、様々な加工食品や料理に柑橘類果実の加工食品6が含有する栄養をブレンド補給でき、極めて有益である。
しかも、生の柑橘類果実3と違って長期保存がきく。既述のごとく、半年間に亘って評価試験を行ってきたが、本柑橘類果実の加工食品6は、抗酸化剤,防腐剤等が入ってなくても腐敗することがなく、各評価者が評価試験を続けることができた。その半年間、味の変化もなく、各評価者は加工食品6をおいしく食することができた。単に熟成して黒色化させた柑橘類果実の加工食品6に終わらず、熟成発酵させた加工食品になっているとも考えられる。
さらにいえば、本柑橘類果実の加工食品は食すると、柑橘類特有の爽やかな香りが残っている。他の添加物を全く含まないので、安全性に富み、様々な加工食品や料理に本発明に係る柑橘類果実の加工食品6を味付けとして、また隠し味,栄養補給要素として添えることも可能である。加えて、果実だけの成分からなる自然食品材料として、食品分野に限らず多岐にわたる技術分野に適用範囲を広げることも期待できるなど極めて有益である。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。容器1,柑橘類果実3,ムロ等の形状,大きさ,個数等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 容器
2 蓋
3 柑橘類果実(ジャバラ果実)
4 汁
5 中間物
6 柑橘類果実の加工食品(ジャバラ果実の加工品)

Claims (7)

  1. 柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実だけを充填した容器をムロ内で温め、該果実を熟成して黒色化させてなることを特徴とする柑橘類果実の加工食品。
  2. 前記果実だけを充填した容器をムロ内で、55℃〜85℃の温度範囲内にして温める請求項1記載の柑橘類果実の加工食品。
  3. 前記果実がジャバラの果実である請求項1又は2に記載の柑橘類果実の加工食品。
  4. 柑橘類の外果皮,種子を含んだ果実だけを容器内に充填し、続いて、その果実を充填した容器をムロ内に置き、その後、55℃〜85℃の温度範囲内にして70日以上で90日以内の期間で温めて熟成して、該果実を黒色化させることを特徴とする柑橘類果実の加工食品の製造方法。
  5. 前記果実を黒色化させた後、これを乾燥させ、次いで、その果実を種子ごと粉末化させる請求項4に記載の柑橘類果実の加工食品の製造方法。
  6. 前記果実を黒色化させた後、これを磨り潰してペースト状にする請求項4に記載の柑橘類果実の加工食品の製造方法。
  7. 前記果実がジャバラの果実である請求項4乃至6のいずれか1項に記載の柑橘類果実の加工食品の製造方法。
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JP2021065116A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 株式会社籠谷 食品素材
CN114287567A (zh) * 2021-12-31 2022-04-08 秭归县屈姑食品有限公司 一种柑橘副产物在高压预处理豆类罐头中的应用
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