JP2015201524A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の信頼性を向上させる。また、半導体装置の小型化を図る。【解決手段】半導体基板上の配線構造にシールリングが形成されており、シールリングは、配線構造が有する複数の配線層のそれぞれに形成されたシールリング用配線が積層された構造を有している。複数の配線層のうちの最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの内周側の側面の位置は、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの内周側の側面の位置よりも、外側にあり、シールリング用の配線M5aの幅W1は、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さい。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置に関し、例えば、シールリングを有する半導体装置に好適に利用できるものである。
半導体基板にトランジスタなどの半導体素子が形成され、半導体素子を覆うように、半導体基板上に複数の配線層を含む配線構造が形成されて、半導体装置が製造される。この配線構造にシールリングを形成する技術がある。
特開2009−76782号公報(特許文献1)や特開2012−160547号公報(特許文献2)には、シールリングを有する半導体装置に関する技術が記載されている。
特開2009−76782号公報 特開2012−160547号公報
シールリングを有する半導体装置においても、できるだけ信頼性を向上させることが望まれる。または、できるだけ小型化を図ることが望まれる。若しくは、信頼性を向上させ、かつ、小型化を図ることが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体装置は、シールリングを有しており、前記シールリングは、半導体基板上の配線構造が有する複数の配線層のそれぞれに形成されたシールリング用配線が積層された構造を有している。前記複数の配線層のうちの最上層の配線層に形成された前記シールリング用配線である第1シールリング用配線の内周側の側面の位置は、前記複数の配線層のうちの前記最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成された前記シールリング用配線である第2シールリング用配線の内周側の側面の位置よりも、外側にある。そして、前記第1シールリング用配線の幅は、前記第2シールリング用配線の幅よりも小さい。
一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
または、半導体装置の小型化を図ることができる。
若しくは、半導体装置の信頼性を向上させ、かつ、半導体装置の小型化を図ることができる。
一実施の形態の半導体装置の全体平面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部平面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部平面図である。 一実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図10に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図13に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図17に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 第1検討例の半導体装置の要部断面図である。 第2検討例の半導体装置の要部断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
<半導体装置の構造について>
本実施の形態の半導体装置を図面を参照して説明する。本実施の形態の半導体装置は、シールリングを有する半導体装置である。
図1は、本実施の形態の半導体装置(CP)の全体平面図であり、シールリングSRが形成されている位置を透視して示してある。図2は、本実施の形態の半導体装置(CP)の断面構造を示す要部断面図である。図1のA−A線の断面図が、図2にほぼ対応している。図2において、半導体装置の左端は、半導体装置CPの側面SMであり、半導体ウエハをスクライブ領域に沿って切断したときの切断面に対応している。また、図2において、半導体装置の右端は、半導体装置CPの側面ではなく、半導体装置CPの内部のある位置に対応している。図3は、本実施の形態の半導体装置(CP)の要部断面図であるが、図2の一部を抜き出して示したものに対応しており、層間絶縁膜IL4よりも上層の構造を示す断面図が示されている。図4は、本実施の形態の半導体装置(CP)の要部平面図である。図4のB−B線の断面図が、図3にほぼ対応している。図4において、方向X1(すなわち左方向)が、シールリングSRを基準にして、半導体装置CPの側面SM(外側)に向かう方向に対応し、方向X2(すなわち右方向)が、シールリングSRを基準にして、半導体装置CPの内部(内側)に向かう方向に対応している。従って、図3において、左方向が、半導体装置CPの側面SM(外側)に向かう方向に対応し、右方向が、半導体装置CPの内部(内側)に向かう方向に対応している。
なお、図3は、断面図であるが、図面を見やすくするために、層間絶縁膜IL5と絶縁膜PAと絶縁膜RSとについては、ハッチングを省略してある。また、図4は、平面図であるが、各部材の平面形状が分かりやすいように、シールリング用の配線M4aに斜線のハッチングを付し、シールリング用の配線M5aとパッドPDとにドットのハッチングを付してある。また、図4では、シールリング用のビア部V5aは、破線で示してある。
本実施の形態の半導体装置CPは、単結晶シリコンなどからなる半導体基板SBを利用して形成された半導体装置(半導体チップ)であり、回路形成領域とシールリング形成領域とを有している。
図1に示されるように、半導体装置(半導体チップ)CPの外周部には、シールリングSRが形成されている。シールリングは、ガードリングと称する場合もある。シールリングSRは、平面視において、半導体装置CPの外周部に、半導体装置CPの外周に沿って周回するように、形成されている。このため、平面視において、シールリングSRは、半導体装置CPの外周に沿って環状(リング状)に形成されているが、半導体装置CPの外形が略矩形であることに対応して、シールリングSRの外形は、略矩形か、あるいは、その矩形の角に丸みを持たせた形状または矩形の角を落とした形状とすることができる。半導体装置CPにおいて、平面視で、シールリングSRで囲まれた領域内に、種々の回路や半導体素子が形成されている。このため、半導体装置CPにおいて、平面視で、シールリングSRは、回路形成領域を囲むように設けられている。後述のMISFET2、ビア部V1,V2,V3,V4,V5、配線M1,M2,M3,M4,M5およびパッドPDは、半導体装置CPにおいて、平面視で、シールリングSRで囲まれた領域(回路形成領域)内に形成されている。
後述するように、半導体装置(CP)は、半導体基板SB上に多層配線構造が形成された構造を有している。このため、シールリングSRは、その多層配線構造において、半導体基板SBの周囲(外周)に沿って形成されている。ここで、多層配線構造は、複数の配線層を含む配線構造に対応している。
なお、「平面視」または「平面的に見て」と言うときは、半導体基板SBの主面に平行な平面で見た場合を言うものとする。
次に、図2を参照しながら、本実施の形態の半導体装置CPの具体的な構成について説明する。
図2に示されるように、本実施の形態の半導体装置CPを構成する単結晶シリコンなどからなる半導体基板SBに、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)2などの半導体素子が形成されている。この半導体素子は、平面視で、シールリングSRで囲まれた領域内に形成されている。
例えば、半導体基板SBに、LOCOS(Local oxidation of silicon)法またはSTI(Shallow Trench Isolation)法などにより、素子分離領域STが形成され、素子分離領域STで規定された半導体基板SBの活性領域に、ウエル領域WLが形成されている。pチャネル型MISFETを形成する領域では、このウエル領域WLは、n型の半導体領域(n型ウエル領域)であり、nチャネル型MISFETを形成する領域では、このウエル領域WLは、p型の半導体領域(p型ウエル領域)である。そして、半導体基板SBのウエル領域WL上にゲート絶縁膜GFを介してゲート電極GE形成され、半導体基板SBのウエル領域WL内に、MISFETのソース・ドレイン領域SDが形成されている。pチャネル型MISFETを形成する領域では、このソース・ドレイン領域SDは、p型の半導体領域であり、nチャネル型MISFETを形成する領域では、このソース・ドレイン領域SDは、n型の半導体領域である。ゲート電極GE、そのゲート電極GE下のゲート絶縁膜GFと、ゲート電極GE両側のソース・ドレイン領域SDとにより、MISFET2が形成される。ソース・ドレイン領域SDは、LDD(Lightly doped Drain)構造とすることもでき、この場合、ゲート電極GEの壁上には、サイドウォールスペーサとも称される側壁絶縁膜が形成される。
MISFET2として、nチャネル型のMISFETまたはpチャネル型のMISFET、あるいはnチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETとの両方を形成することができる。
また、ここでは、半導体素子として、MISFETを例に挙げて説明しているが、この他、容量素子、抵抗素子、メモリ素子または他の構成のトランジスタなどを形成することもできる。
半導体基板SB上には、複数の層間絶縁膜と複数の配線層とにより配線構造(多層配線構造)が形成されている。
すなわち、半導体基板SB上に、複数の層間絶縁膜IL1,IL2,IL3,IL4,IL5が形成され、この複数の層間絶縁膜IL1,IL2,IL3,IL4,IL5に、ビア部(接続部、導電性プラグ)V1,V2,V3,V4,V5および配線M1,M2,M3,M4,M5が形成されている。
具体的には、半導体基板SB上に、MISFET2を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1上に、配線M1が形成されている。配線M1は、最下層の配線層である第1配線層の配線である。層間絶縁膜IL1上には、配線M1を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2上に、配線M2が形成されている。配線M2は、第1配線層よりも1つ上層の配線層である第2配線層の配線である。層間絶縁膜IL2上には、配線M2を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL3が形成されており、この層間絶縁膜IL3上に、配線M3が形成されている。配線M3は、第2配線層よりも1つ上層の配線層である第3配線層の配線である。層間絶縁膜IL3上には、配線M3を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL4が形成されており、この層間絶縁膜IL4上に、配線M4が形成されている。配線M4は、第3配線層よりも1つ上層の配線層である第4配線層の配線である。層間絶縁膜IL4上には、配線M4を覆うように、絶縁膜として層間絶縁膜IL5が形成されており、この層間絶縁膜IL5上に、配線M5が形成されている。配線M5は、第4配線層よりも1つ上層の配線層である第5配線層の配線である。層間絶縁膜IL5上には、配線M5を覆うように、絶縁膜PAが形成されており、この絶縁膜PA上に、最上層の膜として樹脂膜からなる絶縁膜(樹脂膜)RSが形成されている。
層間絶縁膜IL1にはビア部V1が形成されている。ビア部V1は、導電体からなり、配線M1の下層に形成され、すなわち層間絶縁膜IL1中に層間絶縁膜IL1を貫通するように形成され、ビア部V1の上面が配線M1の下面に接することで、配線M1に電気的に接続されている。また、ビア部V1の底部は、半導体基板SB内に形成された種々の半導体領域(例えばソース・ドレイン領域SDなど)や、半導体基板SB上に形成された種々の導電性部材(例えばゲート電極GEなど)に接続されている。これにより、配線M1を、ビア部V1を介して、半導体基板SBに形成された種々の半導体領域や半導体基板SB上に形成された種々の導電性部材に電気的に接続することができる。
層間絶縁膜IL2にはビア部V2が形成されている。ビア部V2は、導電体からなり、配線M2と配線M1との間に形成されて、すなわち層間絶縁膜IL2中に形成されて、配線M2と配線M1とを接続している。これにより、配線M2と配線M1とを、ビア部V2を介して電気的に接続することができる。ビア部V2は、配線M2と一体的に形成することもできる。
層間絶縁膜IL3にはビア部(接続部、導電性プラグ)V3が形成されている。ビア部V3は、導電体からなり、配線M3と配線M2との間に形成されて、すなわち層間絶縁膜IL3中に形成されて、配線M3と配線M2とを接続している。これにより、配線M3と配線M2とを、ビア部V3を介して電気的に接続することができる。ビア部V3は、配線M3と一体的に形成することもできる。
層間絶縁膜IL4にはビア部V4が形成されている。ビア部V4は、導電体からなり、配線M4と配線M3との間に形成されて、すなわち層間絶縁膜IL4中に形成されて、配線M4と配線M3とを接続している。これにより、配線M4と配線M3とを、ビア部V4を介して電気的に接続することができる。ビア部V4は、配線M4と一体的に形成することもできる。
層間絶縁膜IL5にはビア部V5が形成されている。ビア部V5は、導電体からなり、配線M5と配線M4との間に形成されて、すなわち層間絶縁膜IL5中に形成されて、配線M5と配線M4とを接続している。これにより、配線M5と配線M4とを、ビア部V5を介して電気的に接続することができる。ビア部V5は、配線M5と一体的に形成することもできる。
本実施の形態の半導体装置CPにおいては、第5配線層、すなわち配線M5が、最上層配線である。すなわち、第1配線層(配線M1)、第2配線層(配線M2)、第3配線層(配線M3)、第4配線層(配線M4)および第5配線層(配線M5)により、半導体基板SBに形成された種々の素子(例えば上記MISFET2など)の所望の結線がなされており、所望の動作をなし得る。
最上層配線である第5配線層によってパッド(パッド領域、パッド電極)PDが形成されている。すなわち、配線M5と同層にパッドPDが形成されている。つまり、配線M5とパッドPDとは、同層の導電層により同工程で形成されている。このため、パッドPDは、層間絶縁膜IL5上に形成されている。パッドPDは、配線M5の一部とみなすこともできるが、配線M5は絶縁膜PA,RSで覆われているのに対して、パッドPDは、少なくとも一部が絶縁膜PA,RSの開口部(OP1,OP2)から露出されている。すなわち、配線M5は、絶縁膜PAと絶縁膜PA上の絶縁膜RSとの積層膜(積層絶縁膜)により覆われているが、パッドPDの少なくとも一部は、絶縁膜PAと絶縁膜RSのいずれにも覆われずに露出されている。
具体的には、絶縁膜PAには、パッドPDの一部と平面視で重なる位置に開口部OP1が形成され、この絶縁膜PAの開口部OP1からパッドPDの一部が露出されている。パッドPDのうち、絶縁膜PAの開口部OP1と平面視で重ならない部分は、絶縁膜PAで覆われている。また、絶縁膜RSにも、パッドPDの一部と平面視で重なる位置に開口部OP2が形成されている。この絶縁膜RSの開口部OP2は、絶縁膜PAの開口部OP1を平面視で内包するように形成されている。このため、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から、パッドPDの一部が露出されている。
絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1とから露出されるパッドPDが、半導体装置CPの外部端子として機能することができる。例えば、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から露出されるパッドPDに、ボンディングワイヤなどの導電性の接続部材を接続することができる。あるいは、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から露出されるパッドPD上に、バンプ電極を形成または接続することもできる。
また、パッドPD上に下地金属膜(図示せず)を形成しておき、このパッドPD上の下地金属膜を、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から露出させることもできる。下地金属膜は、例えばニッケル(Ni)膜と該ニッケル(Ni)膜上の金(Au)膜との積層膜などからなる。これにより、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から露出される下地金属膜にボンディングワイヤなどの導電性の接続部材を接続することになるため、接続部材(ボンディングワイヤなど)を接続しやすくすることができる。
最上層配線である配線M5とパッドPDとは、好ましくは、アルミニウム(Al)を主成分(主体)とする導電材料(金属伝導を示す導電材料)からなる。この場合、パッドPDは、好ましくは、アルミニウムを主体とするアルミニウムパッドであり、配線M5は、好ましくは、アルミニウムを主体とするアルミニウム配線である。配線M5およびパッドPDの好適な材料例を挙げると、純アルミニウム(Al)、あるいは、Al(アルミニウム)とSi(シリコン)との化合物または合金、あるいは、Al(アルミニウム)とCu(銅)との化合物または合金、あるいは、AlとSiとCuとの化合物または合金などがあり、Alの組成比は50原子%より大きい(すなわちAlリッチである)ことが好適である。
また、最上層の膜である絶縁膜RSを、ポリイミド樹脂などのような樹脂膜(有機系絶縁膜)とすることで、比較的軟らかい樹脂膜(有機系絶縁膜)を最上層として半導体装置(半導体チップ)の取り扱いを容易にすることができる。
また、図1〜図4に示されるように、半導体装置CPの外周部には、シールリング(ガードリング)SRが形成されている。
シールリングSRは、シールリング用の配線(金属パターン)M1a,M2a,M3a,M4a,M5aと、シールリング用のビア部(金属パターン)V1a,V2a,V3a,V4a,V5aとにより形成されている。
シールリング用の配線M1aは、配線M1と同層に同工程で同材料により形成されている。また、シールリング用の配線M2aは、配線M2と同層に同工程で同材料により形成されている。また、シールリング用の配線M3aは、配線M3と同層に同工程で同材料により形成されている。また、シールリング用の配線M4aは、配線M4と同層に同工程で同材料により形成されている。また、シールリング用の配線M5aは、配線M5と同層に同工程で同材料により形成されている。
また、シールリング用のビア部V1aは、ビア部V1と同層に同工程で同材料により形成されている。また、シールリング用のビア部V2aは、ビア部V2と同層に同工程で同材料により形成され、シールリング用のビア部V3aは、ビア部V3と同層に同工程で同材料により形成され、シールリング用のビア部V4aは、ビア部V4と同層に同工程で同材料により形成され、シールリング用のビア部V5aは、ビア部V5と同層に同工程で同材料により形成されている。
このため、シールリング用の配線M1a,M2a,M3a,M4a,M5aおよびビア部V1a,V2a,V3a,V4a,V5aは、配線M1,M2,M3,M4,M5およびビア部V1,V2,V3,V4,V5と同様に、金属材料を主体として形成されている。シールリング用のビア部V1a、配線M1a、ビア部V2a、配線M2a、ビア部V3a、配線M3a、ビア部V4a、配線M4a、ビア部V5aおよび配線M5aは、それぞれ、シールリングSR用の金属パターンとみなすこともできる。
また、シールリング用の配線M1aの厚みは、配線M1の厚みとほぼ同じであり、シールリング用の配線M2aの厚みは、配線M2の厚みとほぼ同じであり、シールリング用の配線M3aの厚みは、配線M3の厚みとほぼ同じであり、シールリング用の配線M4aの厚みは、配線M4の厚みとほぼ同じである。また、シールリング用の配線M5aの厚みは、配線M5の厚みやパッドPDの厚みとほぼ同じである。ここで、複数の配線層を含む配線構造(多層配線構造)が半導体基板SB上に形成されているが、最上層の配線層に形成された配線(ここでは配線M5)およびパッド(ここではパッドPD)の各厚みは、最上層の配線層よりも下層の配線層に形成された配線(ここでは配線M1,M2,M3,M4)の各厚みよりも厚くなっている。このため、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの厚みは、最上層の配線層よりも下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4a,M3a,M2a,M1aの各厚みよりも厚くなっている。
シールリングSRは、これらシールリング用の配線M1a,M2a,M3a,M4a,M5aおよびシールリング用のビア部V1a,V2a,V3a,V4a,V5aにより、金属の壁状に形成されている。すなわち、シールリングSRは、シールリング用の配線M5aとビア部V5aと配線M4aとビア部V4aと配線M3aとビア部V3aと配線M2aとビア部V2aと配線M1aとビア部V1aとが上下方向に並ぶことにより、金属の壁状に形成されている。つまり、シールリング用のビア部V1aと配線M1aとビア部V2aと配線M2aとビア部V3aと配線M3aとビア部V4aと配線M4aとビア部V5aと配線M5aとは、形成されている層が相違し、この順で下から上に積み重ねられ、全体としてシールリングSRを形成している。
シールリングSRは、平面視において、半導体装置CPの外周部に、半導体装置CPの外周に沿って周回するように、形成されている。このため、シールリング用のビア部V1aと配線M1aとビア部V2aと配線M2aとビア部V3aと配線M3aとビア部V4aと配線M4aとビア部V5aと配線M5aとは、それぞれ、平面視において半導体装置CPの外周部に、半導体装置CPの外周に沿って周回するように、形成されている。
シールリング用のビア部V1aは、平面視においてシールリング用の配線M1aと重なる領域に配置されており、そのシールリング用の配線M1aと接続されている。シールリング用のビア部V2aは、平面視において、シールリング用の配線M1aとシールリング用の配線M2aとが重なる領域に配置されており、シールリング用の配線M1aとシールリング用の配線M2aとがシールリング用のビア部V2aを介して接続されている。また、シールリング用のビア部V3aは、平面視において、シールリング用の配線M2aとシールリング用の配線M3aとが重なる領域に配置されており、シールリング用の配線M2aとシールリング用の配線M3aとがシールリング用のビア部V3aを介して接続されている。また、シールリング用のビア部V4aは、平面視において、シールリング用の配線M3aとシールリング用の配線M4aとが重なる領域に配置されており、シールリング用の配線M3aとシールリング用の配線M4aとがシールリング用のビア部V4aを介して接続されている。また、シールリング用のビア部V5aは、平面視において、シールリング用の配線M4aとシールリング用の配線M5aとが重なる領域に配置されており、シールリング用の配線M4aとシールリング用の配線M5aとがシールリング用のビア部V5aを介して接続されている。
このため、シールリング用のビア部V1aとシールリング用の配線M1aとは平面視で重なっており、シールリング用の配線M1aとシールリング用のビア部V2aとは平面視で重なっている。また、シールリング用のビア部V2aとシールリング用の配線M2aとは平面視で重なっており、シールリング用の配線M2aとシールリング用のビア部V3aとは平面視で重なっている。また、シールリング用のビア部V3aとシールリング用の配線M3aとは平面視で重なっており、シールリング用の配線M3aとシールリング用のビア部V4aとは平面視で重なっている。また、シールリング用のビア部V4aとシールリング用の配線M4aとは平面視で重なっており、シールリング用の配線M4aとシールリング用のビア部V5aとは平面視で重なっており、シールリング用のビア部V5aとシールリング用の配線M5aとは平面視で重なっている。
すなわち、シールリング用の配線M2aとシールリング用の配線M1aとは、シールリング用の配線M2aとシールリング用の配線M1aとの間に配置されたシールリング用のビア部V2aにより接続されている。また、シールリング用の配線M3aとシールリング用の配線M2aとは、シールリング用の配線M3aとシールリング用の配線M2aとの間に配置されたシールリング用のビア部V3aにより接続されている。また、シールリング用の配線M4aとシールリング用の配線M3aとは、シールリング用の配線M4aとシールリング用の配線M3aとの間に配置されたシールリング用のビア部V4aにより接続されている。また、シールリング用の配線M5aとシールリング用の配線M4aとは、シールリング用の配線M5aとシールリング用の配線M4aとの間に配置されたシールリング用のビア部V5aにより接続されている。
シールリングSRを設けたことにより、半導体装置CPの製造時のダイシング工程(切断工程)において、ダイシングブレードによって切断面にクラックが生じた場合に、そのクラックの伸展を、シールリングSRによって停止させることができる。なお、ダイシング工程での切断面が、半導体装置CPの側面SMに対応している。また、半導体装置の切断面(側面SM)からの水分の侵入をシールリングSRによって停止させることができる。すなわち、シールリングSRは、ダイシングによる切断面からのクラックの伸展や、水分の侵入に対する障壁の機能を有している。従って、シールリングSRを設けることにより、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
このため、シールリング用の配線M1a,M2a,M3a,M4a,M5aおよびビア部V1a,V2a,V3a,V4a,V5aは、素子または回路の間を結線するために形成したものではなく、シールリングSRを形成するために形成したものである。配線M1,M2,M3,M4,M5は、シールリング用以外の配線であり、例えば、素子または回路の間を結線するために形成されている。
本実施の形態の半導体装置(CP)は、半導体基板SB上に形成されかつ複数の配線層を含む配線構造(多層配線構造)を備えており、この配線構造において、半導体基板SBの周囲(外周)に沿って形成されたシールリングSRを有している。このシールリングSRは、配線構造を構成する複数の配線層のそれぞれに形成されたシールリング用配線(M1a〜M5a)が積層された構造を有している。配線構造を構成する複数の配線層のうちの最上層の配線層に、シールリング用の配線M5aと、パッドPDと、配線M5とが形成されている。すなわち、シールリング用の配線M5aと、パッドPDと、配線M5とは、同じ層(具体的には最上層の配線層)に形成されている。このため、シールリング用の配線M5aに隣り合う位置に、パッドPDまたは配線M5が配置されることになる。図2〜図4では、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aに隣り合うのが、パッドPDである場合が示されているが、図5および図6に示されるように、シールリング用の配線M5aに隣り合うのが、パッドPDではなく配線M5の場合もあり得る。図5(要部断面図)および図6(要部平面図)は、それぞれ上記図3および図4に相当するものであり、図5および図6には、シールリング用の配線M5aに隣り合うのが、パッドPDではなく配線M5の場合が示されており、このような場合も、本実施の形態に含まれる。
なお、上記図3と同様に、図5は、層間絶縁膜IL4よりも上層の構造が示され、断面図であるが、図面を見やすくするために、層間絶縁膜IL5と絶縁膜PAと絶縁膜RSとについては、ハッチングを省略してある。また、上記図4と同様に、図6は、平面図であるが、各部材の平面形状が分かりやすいように、シールリング用の配線M4aに斜線のハッチングを付し、シールリング用の配線M5aと配線M5とにドットのハッチングを付し、また、シールリング用のビア部V5aは、破線で示してある。図6のC−C線の断面図が、図5にほぼ対応している。
<半導体装置の製造工程について>
次に、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一例について説明する。以下の製造工程により、上記図7〜図19の半導体装置を製造することができる。図7〜図19は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
まず、図7に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを用意(準備)する。この段階の半導体基板SBは、略円盤状の半導体ウエハの状態である。
ここで、半導体ウエハ(半導体基板SBに対応)は、そこから半導体チップ(半導体装置CPに対応)が取得される予定の領域であるチップ領域(半導体チップ領域)と、各チップ領域の間のスクライブ領域とを有しており、各チップ領域は、平面視でスクライブ領域に囲まれている。すなわち、半導体ウエハにおいては、複数のチップ領域がアレイ状に配列しており、アレイ状に配列するチップ領域の間の領域が、スクライブ領域に対応している。従って、半導体ウエハにおいて、アレイ状に配列する複数のチップ領域は、スクライブ領域によって区画されている。ダイシング工程(切断工程)において、スクライブ領域に沿って半導体ウエハを切断(ダイシング)することにより、各チップ領域が個片化されて、半導体チップ(半導体装置CPに対応)となる。図7〜図18において、チップ領域を符号1Aで示し、スクライブ領域を符号1Bで示してある。チップ領域とスクライブ領域とは、同一の半導体ウエハ(半導体基板)の主面における互いに異なる平面領域に対応している。なお、以下の工程で形成されるシールリングSRは、各チップ領域内に形成されるが、各チップ領域における外周部に形成される。すなわち、シールリングSRは、各チップ領域において、そのチップ領域の外周に沿って周回するように形成される。一方、以下の工程で形成されるMISFET2、ビア部V1,V2,V3,V4,V5、配線M1,M2,M3,M4,M5およびパッドPDは、各チップ領域において、平面視でシールリングSRにより囲まれる領域内に、形成される。
次に、チップ領域1Aの半導体基板SB(の活性領域)に、MISFETなどの半導体素子を形成する。以下に、MISFETの形成工程について簡単に説明する。
まず、図7に示されるように、半導体基板SBに、LOCOS法またはSTI法などを用いて素子分離領域STを形成する。それから、図8に示されるように、素子分離領域STで規定された半導体基板SBの活性領域に、イオン注入法などを用いてウエル領域WLを形成し、ウエル領域WL上にゲート絶縁膜GFを介してゲート電極GEを形成する。それから、半導体基板SBのウエル領域WL内に、イオン注入法などを用いてソース・ドレイン領域SDを形成する。ゲート電極GEの側壁上にサイドウォールスペーサと称する側壁絶縁膜を形成し、その側壁絶縁膜の形成の前後にイオン注入を行うことでソース・ドレイン領域SDを形成することもでき、その場合は、ソース・ドレイン領域SDはLDD構造を有したものとなる。その後、イオン注入で導入した不純物の活性化のためのアニール処理(熱処理)を行う。このようにして、半導体基板SBにMISFET2が形成される。更に、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術を用いて、ソース・ドレイン領域SDやゲート電極GEの各上部(表層部)などに、低抵抗の金属シリサイド層(図示せず)を形成することもできる。
MISFET2として、nチャネル型のMISFETまたはpチャネル型のMISFET、あるいはnチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETとの両方を形成することができる。
また、ここでは、チップ領域1Aに形成する半導体素子として、MISFETを例に挙げて説明しているが、この他、容量素子、抵抗素子、メモリ素子または他の構成のトランジスタなどを形成することもできる。また、ここでは、チップ領域1Aに形成する半導体素子として、MISFETを例に挙げて説明しているが、この他、容量素子、抵抗素子、メモリ素子または他の構成のトランジスタなどをチップ領域1Aに形成してもよい。
次に、半導体基板SB上に、複数の層間絶縁膜(IL1〜IL5)と複数の配線層(M1〜M5)とからなる多層配線構造を形成する。以下、具体的に説明する。
まず、図9に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、層間絶縁膜IL1を形成する。層間絶縁膜IL1は、半導体基板SBに形成した素子(例えばMISFET2など)を覆うように形成される。層間絶縁膜IL1は、半導体基板SBの主面全面上に形成されるため、チップ領域1Aとスクライブ領域1Bとに形成される。層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜の単体膜や、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に形成されかつ該窒化シリコン膜よりも厚い酸化シリコン膜との積層膜などからなる。
層間絶縁膜IL1の成膜後、必要に応じて、層間絶縁膜IL1の表面(上面)をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL1の上面を平坦化する。下地段差に起因して層間絶縁膜IL1の表面に凹凸形状が形成されていても、層間絶縁膜IL1の表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された層間絶縁膜IL1を得ることができる。
次に、層間絶縁膜IL1上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL1をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL1に、ビア部V1を埋め込むためのコンタクトホール(貫通孔、孔)CT1と、シールリング用のビア部V1aを埋め込むための溝TR1とを形成する。コンタクトホールCT1および溝TR1は、層間絶縁膜IL1を貫通するように形成される。それから、コンタクトホールCT1および溝TR1内に導電膜を埋め込むことにより、コンタクトホールCT1内にビア部V1を形成し、溝TR1内にシールリング用のビア部V1aを形成する。
ビア部V1およびシールリング用のビア部V1aを形成するには、例えば、コンタクトホールCT1および溝TR1の内部(底部および側壁上)を含む層間絶縁膜IL1上に、スパッタリング法またはプラズマCVD法などによりバリア導体膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜)を形成する。それから、タングステン膜などからなる主導体膜を、CVD法などによってバリア導体膜上にコンタクトホールCT1および溝TR1を埋めるように形成する。その後、コンタクトホールCT1および溝TR1の外部(層間絶縁膜IL1上)の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、層間絶縁膜IL1の上面が露出し、層間絶縁膜IL1のコンタクトホールCT1内に埋め込まれて残存するバリア導体膜および主導体膜により、ビア部V1が形成され、層間絶縁膜IL1の溝TR1内に埋め込まれて残存するバリア導体膜および主導体膜により、シールリング用のビア部V1aが形成される。図9では、図面の簡略化のために、ビア部V1およびシールリング用のビア部V1aは、主導体膜とバリア導体膜を一体化して示してある。
次に、図10に示されるように、ビア部V1とシールリング用のビア部V1aとが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、最下層の配線層である第1配線層の配線M1を形成する。配線M1を形成する際には、シールリング用の配線M1aも一緒に形成される。配線M1,M1aを形成するには、まず、ビア部V1,V1aが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、第1配線層用の導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、下から順に、バリア導体膜とアルミニウム膜とバリア導体膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。第1配線層用の導電膜に用いるバリア導体膜としては、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜を例示できるが、これは、後で形成する第2〜第5配線層用の各導電膜におけるバリア導体膜についても適用できる。また、第1配線層用の導電膜に用いるアルミニウム膜は、純アルミニウム膜に限定されず、アルミニウムを主成分とする導電材料膜(但し金属伝導を示す導電材料膜)を用いることができるが、これは、後で形成する第2〜第5配線層用の各導電膜におけるアルミニウム膜についても適用できる。それから、この第1配線層用の導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M1およびシールリング用の配線M1aを形成することができる。ビア部V1は、その上面が配線M1に接することで、配線M1と電気的に接続される。シールリング用の配線M1aは、平面視でシールリング用のビア部V1aと重なる位置に形成されて、シールリング用のビア部V1aと接続される。
また、ここでは配線M1,M1aを、導電膜をパターニングする手法で形成した場合について説明した。他の形態として、配線M1およびシールリング用の配線M1aを、ダマシン法により形成することもできる。この場合、ビア部V1,V1aが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に絶縁膜を形成してから、その絶縁膜に溝(配線溝)を形成し、その溝に導電膜を埋め込むことで、配線M1およびシールリング用の配線M1aを形成することができる。この場合、配線M1は、埋込配線(例えば埋込銅配線)により構成されることになる。
また、配線M1およびシールリング用の配線M1aは、チップ領域1Aに形成されるが、これら配線M1,M1aを形成する際に、スクライブ領域1Bに配線M1,M1aと同層の金属パターンM1bを形成することもできる。例えば、第1配線層用の導電膜をパターニングすることにより、チップ領域1Aの配線M1,M1aだけでなく、スクライブ領域1Bの金属パターンM1bも形成することができる。スクライブ領域1Bの金属パターンM1bは、例えば、アライメントマークや、あるいはテストパターンなどとして用いることができる。
次に、図11に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち層間絶縁膜IL1上に、配線M1およびシールリング用の配線M1aを覆うように、層間絶縁膜IL2を形成する。層間絶縁膜IL2は、例えば酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL2の成膜後、必要に応じて、層間絶縁膜IL2の表面(上面)をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL2の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、層間絶縁膜IL2上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL2をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL2に、ビア部V2を埋め込むためのスルーホール(貫通孔、孔)SH2と、シールリング用のビア部V2aを埋め込むための溝TR2とを形成する。それから、スルーホールSH2および溝TR2内に導電膜を埋め込むことにより、スルーホールSH2内にビア部V2を形成し、溝TR2内にシールリング用のビア部V2aを形成する。ビア部V2は、導電性のプラグとみなすこともできる。シールリング用のビア部V2aは、平面視でシールリング用の配線M1aと重なる位置に形成される。
ビア部V2およびシールリング用のビア部V2aは、ビア部V1およびシールリング用のビア部V1aと同様の手法により形成することができる。また、ビア部V2およびシールリング用のビア部V2aは、ビア部V1およびシールリング用のビア部V1aと、導電膜の材料を同じにすることもできるが、異ならせることもできる。例えば、ビア部V1およびシールリング用のビア部V1aは、タングステン膜を主体とし、ビア部V2およびシールリング用のビア部V2aは、アルミニウム膜を主体とすることもできる。
次に、ビア部V2,V2aが埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、第2配線層の配線M2を形成する。配線M2を形成する際には、シールリング用の配線M2aも一緒に形成される。配線M2,M2aを形成するには、まず、ビア部V2,V2aが埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、第2配線層用の導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、下から順に、バリア導体膜とアルミニウム膜とバリア導体膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、この第2配線層用の導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M2およびシールリング用の配線M2aを形成することができる。ビア部V2は、その下面が配線M1に接することで配線M1と電気的に接続され、その上面が配線M2に接することで配線M2と電気的に接続される。すなわち、ビア部V2は、配線M1と配線M2とを電気的に接続している。シールリング用の配線M2aは、平面視でシールリング用のビア部V2aと重なる位置に形成される。
また、ここでは、ビア部V2と配線M2とを別工程で形成する場合について説明した。他の形態として、ビア部V2と配線M2とを同工程で形成することもでき、この場合、ビア部V2は配線M2と一体的に形成され、また、シールリング用のビア部V2aはシールリング用の配線M2aと一体的に形成される。この場合、層間絶縁膜IL2にビア部V2用のスルーホールSH2とビア部V2a用の溝TR2とを形成した後、このスルーホールSH2および溝TR2を埋めるように層間絶縁膜IL2上に第2配線層用の導電膜を形成してから、この導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M2およびシールリング用の配線M2aを形成する。これにより、配線M2およびシールリング用の配線M2aが形成されるとともに、配線M2と一体的に形成されたビア部V2と、シールリング用の配線M2aと一体的に形成されたシールリング用のビア部V2aも、形成されることになる。
また、ここでは配線M2およびシールリング用の配線M2aを、導電膜をパターニングする手法で形成した場合について説明した。他の形態として、配線M2およびシールリング用の配線M2aを、ダマシン法(シングルダマシン法またはデュアルダマシン法)により形成することもできる。
また、配線M2およびシールリング用の配線M2aは、チップ領域1Aに形成されるが、これら配線M2,M2aを形成する際に、スクライブ領域1Bに配線M2,M2aと同層の金属パターンM2bを形成することもできる。例えば、第2配線層用の導電膜をパターニングすることにより、チップ領域1Aの配線M2,M2aだけでなく、スクライブ領域1Bの金属パターンM2bも形成することができる。スクライブ領域1Bの金属パターンM2bは、例えば、アライメントマークや、あるいはテストパターンなどとして用いることができる。
次に、図12に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち層間絶縁膜IL2上に、配線M2およびシールリング用の配線M2aを覆うように、層間絶縁膜IL3を形成する。層間絶縁膜IL3は、例えば酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL3の成膜後、必要に応じて、層間絶縁膜IL2の表面(上面)をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL3の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、層間絶縁膜IL3上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL3をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL3に、ビア部V3を埋め込むためのスルーホール(貫通孔、孔)SH3と、シールリング用のビア部V3aを埋め込むための溝TR3とを形成する。それから、スルーホールSH3および溝TR3内に導電膜を埋め込むことにより、スルーホールSH3内にビア部V3を形成し、溝TR3内にシールリング用のビア部V3aを形成する。ビア部V3およびシールリング用のビア部V3aは、ビア部V2およびシールリング用のビア部V2aと同様の導電材料により同様の手法で形成することができる。ビア部V3は、導電性のプラグとみなすこともできる。シールリング用のビア部V3aは、平面視でシールリング用の配線M2aと重なる位置に形成される。
次に、ビア部V3,V3aが埋め込まれた層間絶縁膜IL3上に、第3配線層の配線M3を形成する。配線M3を形成する際には、シールリング用の配線M3aも一緒に形成される。配線M3,M3aを形成するには、まず、ビア部V3,V3aが埋め込まれた層間絶縁膜IL3上に、第3配線層用の導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、下から順に、バリア導体膜とアルミニウム膜とバリア導体膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、この第3配線層用の導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M3およびシールリング用の配線M3aを形成することができる。ビア部V3は、その下面が配線M2に接することで配線M2と電気的に接続され、その上面が配線M3に接することで配線M3と電気的に接続される。すなわち、ビア部V3は、配線M2と配線M3とを電気的に接続している。シールリング用の配線M3aは、平面視でシールリング用のビア部V3aと重なる位置に形成される。
また、ここでは、ビア部V3と配線M3とを別工程で形成する場合について説明した。他の形態として、ビア部V3と配線M3とを同工程で形成することもでき、この場合、ビア部V3は配線M3と一体的に形成され、また、シールリング用のビア部V3aはシールリング用の配線M3aと一体的に形成される。
また、ここでは配線M3およびシールリング用の配線M3aを、導電膜をパターニングする手法で形成した場合について説明した。他の形態として、配線M3およびシールリング用の配線M3aを、ダマシン法(シングルダマシン法またはデュアルダマシン法)により形成することもできる。
また、配線M3およびシールリング用の配線M3aは、チップ領域1Aに形成されるが、これら配線M3,M3aを形成する際に、スクライブ領域1Bに配線M3,M3aと同層の金属パターンM3bを形成することもできる。例えば、第3配線層用の導電膜をパターニングすることにより、チップ領域1Aの配線M3,M3aだけでなく、スクライブ領域1Bの金属パターンM3bも形成することができる。スクライブ領域1Bの金属パターンM3bは、例えば、アライメントマークや、あるいはテストパターンなどとして用いることができる。
次に、図13に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち層間絶縁膜IL3上に、配線M3およびシールリング用の配線M3aを覆うように、層間絶縁膜IL4を形成する。層間絶縁膜IL4は、例えば酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL4の成膜後、必要に応じて、層間絶縁膜IL4の表面(上面)をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL4の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、層間絶縁膜IL4上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL4をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL4に、ビア部V4を埋め込むためのスルーホール(貫通孔、孔)SH4と、シールリング用のビア部V4aを埋め込むための溝TR4とを形成する。それから、スルーホールSH4および溝TR4内に導電膜を埋め込むことにより、スルーホールSH4内にビア部V4を形成し、溝TR4内にシールリング用のビア部V4aを形成する。ビア部V4およびシールリング用のビア部V4aは、ビア部V3およびシールリング用のビア部V3aと同様の導電材料により同様の手法で形成することができる。ビア部V4は、導電性のプラグとみなすこともできる。シールリング用のビア部V4aは、平面視でシールリング用の配線M3aと重なる位置に形成される。
次に、ビア部V4,V4aが埋め込まれた層間絶縁膜IL4上に、第4配線層の配線M4を形成する。配線M4を形成する際には、シールリング用の配線M4aも一緒に形成される。配線M4,M4aを形成するには、まず、ビア部V4,V4aが埋め込まれた層間絶縁膜IL4上に、第4配線層用の導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、下から順に、バリア導体膜とアルミニウム膜とバリア導体膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、この第4配線層用の導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M4およびシールリング用の配線M4aを形成することができる。ビア部V4は、その下面が配線M3に接することで配線M3と電気的に接続され、その上面が配線M4に接することで配線M4と電気的に接続される。すなわち、ビア部V4は、配線M3と配線M4とを電気的に接続している。シールリング用の配線M4aは、平面視でシールリング用のビア部V4aと重なる位置に形成される。
また、ここでは、ビア部V4と配線M4とを別工程で形成する場合について説明した。他の形態として、ビア部V4と配線M4とを同工程で形成することもでき、この場合、ビア部V4は配線M4と一体的に形成され、また、シールリング用のビア部V4aはシールリング用の配線M4aと一体的に形成される。
また、ここでは配線M4およびシールリング用の配線M4aを、導電膜をパターニングする手法で形成した場合について説明した。他の形態として、配線M4およびシールリング用の配線M4aを、ダマシン法(シングルダマシン法またはデュアルダマシン法)により形成することもできる。
また、配線M4およびシールリング用の配線M4aは、チップ領域1Aに形成されるが、これら配線M4,M4aを形成する際に、スクライブ領域1Bに配線M4,M4aと同層の金属パターンM4bを形成することもできる。例えば、第4配線層用の導電膜をパターニングすることにより、チップ領域1Aの配線M4,M4aだけでなく、スクライブ領域1Bの金属パターンM4bも形成することができる。スクライブ領域1Bの金属パターンM4bは、例えば、アライメントマークや、あるいはテストパターンなどとして用いることができる。
次に、図14に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち層間絶縁膜IL4上に、配線M4およびシールリング用の配線M4aを覆うように、層間絶縁膜IL5を形成する。層間絶縁膜IL5は、例えば酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。層間絶縁膜IL5の成膜後、必要に応じて、層間絶縁膜IL5の表面(上面)をCMP法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL5の上面の平坦性を高めることもできる。
次に、層間絶縁膜IL5上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL5をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL5に、ビア部V5を埋め込むためのスルーホール(貫通孔、孔)SH5と、シールリング用のビア部V5aを埋め込むための溝TR5とを形成する。それから、スルーホールSH5および溝TR5内に導電膜を埋め込むことにより、スルーホールSH5内にビア部V5を形成し、溝TR5内にシールリング用のビア部V5aを形成する。ビア部V5およびシールリング用のビア部V5aは、ビア部V4およびシールリング用のビア部V4aと同様の導電材料により同様の手法で形成することができる。ビア部V5は、導電性のプラグとみなすこともできる。シールリング用のビア部V5aは、平面視でシールリング用の配線M4aと重なる位置に形成される。
次に、図15に示されるように、ビア部V4,V4aが埋め込まれた層間絶縁膜IL4上に、第5配線層の配線M5とパッドPDを形成する。配線M5とパッドPDを形成する際には、シールリング用の配線M5aも一緒に形成される。配線M5,M5aおよびパッドPDを形成するには、まず、ビア部V5,V5aが埋め込まれた層間絶縁膜IL5上に、第5配線層用の導電膜を形成する。この導電膜は、例えば、下から順に、バリア導体膜とアルミニウム膜とバリア導体膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、この第5配線層用の導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M5とパッドPDとシールリング用の配線M5aとを形成することができる。ビア部V5は、その下面が配線M4に接することで配線M4と電気的に接続され、その上面が配線M5またはパッドPDに接することで配線M5またはパッドPDと電気的に接続される。すなわち、ビア部V5は、配線M4と配線M5とを電気的に接続するか、あるいは配線M4とパッドPDとを電気的に接続している。シールリング用の配線M5aは、平面視でシールリング用のビア部V5aと重なる位置に形成される。パッドPDの平面形状は、例えば、配線M5の配線幅よりも大きな辺を有する略矩形状の平面形状とすることができる。チップ領域1Aの外周部において、シールリング用の配線M5a,M4a,M3a,M2a,M1aと、シールリング用のビア部V5a,V4a,V3a,V2a,V1aとにより、シールリングSRが形成される。
また、ここでは、ビア部V5と配線M5とを別工程で形成する場合について説明した。他の形態として、ビア部V5と配線M5とを同工程で形成することもでき、この場合、ビア部V5は配線M5またはパッドPDと一体的に形成され、また、シールリング用のビア部V5aはシールリング用の配線M5aと一体的に形成される。この場合、層間絶縁膜IL5にスルーホールSH5および溝TR5を形成した後、スルーホールSH5および溝TR5を埋めるように層間絶縁膜IL5上に第5配線層用の導電膜を形成してから、この導電膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより、配線M5とパッドPDとシールリング用の配線M5aとを形成する。これにより、配線M5とパッドPDとシールリング用の配線M5aとが形成されるとともに、配線M5またはパッドPDと一体的に形成されたビア部V5と、シールリング用の配線M5aと一体的に形成されたシールリング用のビア部V5aも、形成されることになる。
また、配線M5およびシールリング用の配線M5aは、チップ領域1Aに形成されるが、これら配線M5,M5aを形成する際に、スクライブ領域1Bに配線M5,M5aと同層の金属パターンM5bを形成することもできる。例えば、第5配線層用の導電膜をパターニングすることにより、チップ領域1Aの配線M5,M5aだけでなく、スクライブ領域1Bの金属パターンM5bも形成することができる。スクライブ領域1Bの金属パターンM5bは、例えば、アライメントマークや、あるいはテストパターンなどとして用いることができる。
次に、図16に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち層間絶縁膜IL5上に、配線M5とパッドPDとシールリング用の配線M5aとを覆うように、絶縁膜PAを形成する。絶縁膜PAは、例えば酸化シリコン膜などからなり、CVD法などを用いて形成することができる。この段階では、絶縁膜PAは、チップ領域1A全体とスクライブ領域1B全体に形成される。
次に、図17に示されるように、絶縁膜PAに開口部OP1を形成する。開口部OP1は、パッドPD上の絶縁膜PAを選択的に除去することにより形成され、開口部OP1は平面視でパッドPDに内包されるように形成される。絶縁膜PAの開口部OP1からは、パッドPDの表面が露出される。
開口部OP1は、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、絶縁膜PAを成膜した後、絶縁膜PA上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト層(図示せず)を形成してから、そのフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜PAをエッチング(ドライエッチング)することにより、絶縁膜PAに開口部OP1を形成する。この際、スクライブ領域1Bの絶縁膜PAは、フォトレジスト層で覆わずに露出させておき、開口部OP1を形成するためのエッチング工程において、スクライブ領域1Bの絶縁膜PAもエッチングして除去することが好ましい。その後、フォトレジスト層は除去する。
次に、図18に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、すなわち絶縁膜PA上に、絶縁膜RSを形成する。絶縁膜RSは、例えばポリイミド膜などの樹脂膜からなる。この段階では、絶縁膜RSは、チップ領域1A全体とスクライブ領域1B全体に形成される。スクライブ領域1Bにおいては、絶縁膜PAを除去していたため、絶縁膜RSは、層間絶縁膜IL5上に形成される。
次に、絶縁膜RSに開口部OP2を形成する。開口部OP2は、パッドPD上の絶縁膜RSを選択的に除去することにより形成され、絶縁膜RSの開口部OP2は平面視で絶縁膜PAの開口部OP1を内包するように形成される。
開口部OP2は、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、絶縁膜RSを感光性樹脂膜として形成しておき、感光性樹脂からなる絶縁膜RS上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト層(図示せず)を形成する。それから、このフォトレジスト層をマスクとして用いて、感光性樹脂からなる絶縁膜RSを露光する。これにより、フォトレジスト層で覆われずに露出した部分の絶縁膜RSが露光される。その後、フォトレジスト層を除去してから、感光性樹脂からなる絶縁膜RSを現像処理することにより、絶縁膜RSにおける露光部を除去する。この露光、現像処理により、開口部OP2となる部分の絶縁膜RSを選択的に除去することで、絶縁膜RSに開口部OP2を形成することができる。この際、スクライブ領域1Bの絶縁膜RSも、露光、現像処理により除去することが好ましい。すなわち、開口部OP2が形成される予定領域の絶縁膜RSだけでなく、スクライブ領域1Bの絶縁膜RSも、フォトレジスト層で覆わずに露出させておき、露光工程では、開口部OP2が形成される予定領域の絶縁膜RSだけでなく、スクライブ領域1Bの絶縁膜RSも露光するようにし、その後に現像処理を行うようにする。これにより、絶縁膜RSに開口部OP2が形成されるとともに、スクライブ領域1Bの絶縁膜RSも除去される。その後、熱処理を施して、絶縁膜RSを硬化させる。開口部OP2は、絶縁膜RSを貫通するように形成され、開口部OP2からパッドPDの少なくとも一部が露出される。すなわち、絶縁膜RSの開口部OP2は、絶縁膜PAの開口部OP1を平面視で内包するように形成され、絶縁膜RSの開口部OP2と絶縁膜PAの開口部OP1から、パッドPDの少なくとも一部が露出される。
また、他の形態として、絶縁膜RS上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成したフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜RSをドライエッチングすることにより、絶縁膜RSに開口部OP2を形成しかつスクライブ領域1Bの絶縁膜RSを除去することもできる。その場合は、絶縁膜RSは感光性の樹脂膜でなくともよい。
スクライブ領域1Bの絶縁膜RSを除去することが好ましい理由は、次の2つがある。
1つ目は、スクライブ領域1Bに絶縁膜RSが存在していると、後述のダイシング工程において、ダイシングブレードがスクライブ領域1Bの絶縁膜RSを切断したことで生じたクラックが、絶縁膜RSを伝ってチップ領域内にまで伸展してしまう懸念があるからである。このため、スクライブ領域1Bでは、絶縁膜RSを除去しておくことが好ましく、これにより、後述のダイシング工程において、ダイシングブレードが絶縁膜RSを切断することが無くなるので、ダイシングブレードがスクライブ領域1Bの絶縁膜RSを切断したことで生じたクラックが絶縁膜RSを伝ってチップ領域内にまで伸展してしまう懸念を解消することができる。これと同様の理由により、上述のようにスクライブ領域1Bの絶縁膜PAも除去しておくことが好ましい。すなわち、スクライブ領域1Bでは、絶縁膜PAを除去しておくことが好ましく、これにより、後述のダイシング工程において、ダイシングブレードが絶縁膜PAを切断することが無くなるので、ダイシングブレードがスクライブ領域1Bの絶縁膜PAを切断したことで生じたクラックが絶縁膜PAを伝ってチップ領域内にまで伸展してしまう懸念を解消することができる。
2つ目は、スクライブ領域1Bに絶縁膜RSが形成されている状態でダイシング工程を行うと、樹脂膜はダイシングブレードで切断しにくいため、ダイシング工程を行いにくくなるが、スクライブ領域1Bから絶縁膜RSを除去しておけば、絶縁膜RSをダイシングブレードで切断しなくてもよいため、ダイシング工程を行いやすくなるからである。
その後、ダイシング工程を行うことにより、半導体基板SBを切断(ダイシング)して複数の半導体チップに分割(個片化)する。すなわち、スクライブ領域1Bに沿って半導体基板SBを切断する。これにより、半導体基板SB(半導体ウエハ)の各チップ領域から半導体チップ(半導体装置CP)が取得される。スクライブ領域1Bで半導体基板SBおよび半導体基板SB上の積層構造が切断されるため、スクライブ領域1Bは切断されて除去される。スクライブ領域1Bに金属パターンM1b,M2b,M3b,M4b,M5bを形成していた場合は、それらの金属パターンM1b,M2b,M3b,M4b,M5bも、ダイシング工程で、スクライブ領域1Bの半導体基板SBとともに除去される。図19は、図18の構造から、ダイシングによりスクライブ領域1Bが切断されて除去された構造に対応しており、この図19が、上記図2に対応している。ダイシングによる切断面が、半導体装置(半導体チップ)の側面SMになる。なお、ダイシングの前に、半導体基板SBの裏面研削を行い、半導体基板SBの厚みを薄くしてもよい。
<検討例について>
図20は、本発明者が検討した第1検討例の半導体装置の要部断面図であり、図21は、本発明者が検討した第2検討例の半導体装置の要部断面図であり、それぞれ上記図3に相当する断面図である。上記図3と同様に、図20および図21においても、層間絶縁膜IL4よりも下の構造は図示を省略し、また、図面を見やすくするために、層間絶縁膜IL5と絶縁膜PAと絶縁膜RSとについては、ハッチングを省略してある。
図20に示される第1検討例の半導体装置と、図21に示される第2検討例の半導体装置は、シールリングの構成が上記図1〜図4に示される本実施の半導体装置と相違しており、特に、シールリングを構成する配線のうち、最上層の配線と、それよりも1つ下層の配線とのレイアウトが、相違している。
図20に示される第1検討例の半導体装置におけるシールリング用の配線M14a、シールリング用のビア部V15aおよびシールリング用の配線M15aは、それぞれ、本実施の形態におけるシールリング用の配線M4a、シールリング用のビア部V5aおよびシールリング用の配線M5aに相当するものである。すなわち、シールリング用の配線M14aとビア部V15aと配線M15aは、シールリングの構成要素であるが、シールリング用の配線M15aは、最上層の配線層に形成され、シールリング用の配線M14aは、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成され、シールリング用のビア部V15aは、シールリング用の配線M15aとシールリング用の配線M14aとの間に形成されている。
図20に示される第1検討例の半導体装置においては、シールリング用の配線M15aの幅W11と、シールリング用の配線M14aの幅W12とが同じである(すなわちW11=W12)。そして、平面視において、シールリング用の配線M15aの内周側の側面(端部)TB11の位置と、シールリング用の配線M14aの内周側の側面(端部)TB12の位置とは、一致している。ここで、シールリング用の配線M15aの内周側の側面TB11は、環状の配線M15aにおける内周側(内側)の側面に対応し、シールリング用の配線M14aの内周側の側面TB12は、環状の配線M14aにおける内周側(内側)の側面に対応している。
本発明者の検討によれば、図20に示される第1検討例の半導体装置の場合は、次のような課題が生じることが分かった。
図20に示される第1検討例の半導体装置の場合、シールリング用の配線M15aが、パッドPDに近接しており、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離(間隔)L11が、小さくなっている。シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離L11が小さいと、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなる。すなわち、シールリング用の配線M15aおよびパッドPDは、絶縁膜PAや絶縁膜RSとは熱膨張率が異なっているため、半導体装置に熱負荷が加わると、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAには、シールリング用の配線M15aとパッドPDとによる応力が作用し、この応力によって絶縁膜PAにクラックが発生する虞がある。このクラックの発生しやすさは、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離L11に依存し、この距離L11が小さいほど、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなる。なお、シールリング用の配線M15aに隣接するのが、パッドPDではなく、パッドPDと同層の配線M5である場合も、同様の課題が発生し、シールリング用の配線M15aと配線M5との間の距離(間隔)が小さいと、シールリング用の配線M15aと配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなる。絶縁膜PAにクラックが発生すると、そのクラックが水分の侵入経路になるなどして、半導体装置の信頼性を低下させてしまうため、絶縁膜PAにおけるクラックの発生は、できるだけ防止することが望まれる。
また、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離(間隔)L11が小さいと、シールリング用の配線M15aが絶縁膜PAを介してパッドPDに与える応力が大きくなるため、パッドPDの信頼性を低下させる虞もある。なお、シールリング用の配線M15aに隣接するのが、パッドPDではなく、パッドPDと同層の配線M5である場合も、同様の課題が発生し、シールリング用の配線M15aと配線M5との間の距離(間隔)が小さいと、シールリング用の配線M15aが絶縁膜PAを介して配線M5に与える応力が大きくなるため、配線M5の信頼性を低下させる虞もある。
一方、図21に示される第2検討例の半導体装置の場合は、シールリング用の配線M14aの位置および寸法とシールリング用の配線M15aの寸法については、図20に示される第1検討例と同じにしているが、シールリング用の配線M15aの位置を、図20に示される第1検討例の場合に比べて、外側に移動させている。すなわち、図20に示される第1検討例の半導体装置において、シールリング用の配線M15aの寸法を維持しながら、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらしたものが、図21に示される第2検討例に対応している。
このため、図20に示される第1検討例と図21に示される第2検討例とで、シールリング用の配線M15aの幅W11と、シールリング用の配線M14aの幅W12とは同じ(すなわちW11=W12)であることは共通である。しかしながら、次の点は、図20に示される第1検討例と図21に示される第2検討例とで相違している。すなわち、図20に示される第1検討例では、平面視において、シールリング用の配線M15aの内周側の側面TB11の位置と、シールリング用の配線M14aの内周側の側面TB12の位置とは、一致している。それに対して、図21に示される第2検討例では、平面視において、シールリング用の配線M15aの内周側の側面TB11の位置は、シールリング用の配線M14aの内周側の側面TB12の位置よりも、外側(半導体装置の側面SMに近い側)にある。
図20に示される第1検討例に比べて、図21に示される第2検討例の場合は、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらした分、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離(間隔)L11を大きくすることができる。すなわち、図21に示される第2検討例における距離L11は、図20に示される第1検討例における距離L11よりも大きくなる。このため、図20に示される第1検討例に比べて、図21に示される第2検討例では、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離L11が大きいことで、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生するのを抑制することができる。これは、上述のように、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離L11が小さいほど、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなるためである。また、図20に示される第1検討例に比べて、図21に示される第2検討例では、シールリング用の配線M15aとパッドPDとの間の距離(間隔)L11が大きいことで、シールリング用の配線M15aが絶縁膜PAを介してパッドPDに与える応力の影響を小さくすることができるため、パッドPDの信頼性を向上させることができる。
しかしながら、図20に示される第1検討例に比べて、図21に示される第2検討例の場合は、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらした分、半導体装置の平面寸法が大きくなってしまう。このため、半導体装置の小型化(小面積化)には不利となる。
また、図21に示される第2検討例において、シールリング用の配線M15aの位置に合わせて、シールリング用の配線M14aの位置を外側にずらしても、半導体装置の平面寸法が大きくなることには違いはなく、半導体装置の小型化には不利のままである。
つまり、シールリング用の配線M15aの寸法を維持しながら、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらすことは、半導体装置の平面寸法の増大につながってしまう。
<主要な特徴と効果について>
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板SBと、半導体基板SB上に形成されかつ複数の配線層を含む配線構造(多層配線構造)と、該配線構造において、半導体基板SBの周囲に沿って形成されたシールリング(SR)とを有している。シールリング(SR)は、配線構造の複数の配線層のそれぞれに形成されたシールリング用配線(M1a〜M5a)が積層された構造を有している。最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5a(第1シールリング用配線)の内周側の側面(TB1)の位置は、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4a(第2シールリング用配線)の内周側の側面(TB2)の位置よりも、外側にある。そして、シールリング用の配線M5aの幅(W1)は、シールリング用の配線M4aの幅(W2)よりも小さい。
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つは、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの内周側の側面(端部)TB1の位置が、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの内周側の側面(端部)TB2の位置よりも、外側にあることである。言い換えると、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置は、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置よりも、内側にある。ここで、外側とは、平面視において、半導体装置CPの外周(側面SM)に近い側に対応し、内側とは、平面視において、半導体装置CPの外周(側面SM)から遠い側に対応している。また、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1は、環状の配線M5aにおける内周側(内側)の側面に対応し、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2は、環状の配線M4aにおける内周側(内側)の側面に対応している。また、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3は、環状の配線M5aにおける外周側(外側)の側面に対応し、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4は、環状の配線M4aにおける外周側(外側)の側面に対応している。シールリング用の配線M5aにおいて、内周側の側面TB1と外周側の側面TB3とは、互いに反対側の側面であり、また、シールリング用の配線M4aにおいて、内周側の側面TB2と外周側の側面TB4とは、互いに反対側の側面である。
ここで、最上層の配線層において、シールリング用の配線M5aと、そのシールリング用の配線M5aに最も近接するパッドPDまたは配線M5との間の距離(間隔)を、距離(間隔)L1と称することとする。上記図3および図4の場合は、シールリング用の配線M5aに最も近接するのは、パッドPDであり、そのパッドPDとシールリング用の配線M5aとの間の距離(間隔)が、距離(間隔)L1に対応している。また、上記図5および図6の場合は、シールリング用の配線M5aに最も近接するのは、配線M5であり、その配線M5とシールリング用の配線M5aとの間の距離(間隔)が、距離(間隔)L1に対応している。
上記第1の検討例で説明したように、上記距離L11や距離L1が小さいと、シールリング用の配線M5a(M15a)とそれに近接するパッドPDまたは配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなり、半導体装置の信頼性を低下させる虞がある。このクラックは、上記距離L11や距離L1が小さくなるほど生じやすくなる。また、上記距離L11や距離L1が小さいと、シールリング用の配線M5a(M15a)が絶縁膜PAを介してシールリング用の配線M5a(M15a)に近接するパッドPDまたは配線M5に与える応力が大きくなるため、パッドPDまたは配線M5の信頼性を低下させる虞もある。
しかしながら、上記図20の第1検討例のように、平面視において、シールリング用の配線M15aの内周側の側面TB11の位置と、シールリング用の配線M14aの内周側の側面TB12の位置とが一致している場合には、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M15aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L11が小さくなってしまう。
それに対して、本実施の形態では、平面視において、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも、外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらした分、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができる。
すなわち、図20に示される第1検討例の場合よりも、図3〜図6に示される本実施の形態の場合の方が、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも、外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらした分、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができる。つまり、本実施の形態における距離L1は、図20に示される第1検討例における距離L11よりも大きくなる。
このため、図20に示される第1検討例に比べて、図3〜図6に示される本実施の形態では、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生するのを抑制することができる。これは、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が小さいほど、シールリング用の配線M5aとパッドPDとの間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生しやすくなるためである。また、図20に示される第1検討例に比べて、図3〜図6に示される本実施の形態では、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aが絶縁膜PAを介してパッドPDまたは配線M5に与える応力の影響を小さくすることができるため、パッドPDや配線M5の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態の主要な特徴のうちの他の一つは、シールリング用の配線M5aの幅(W1)が、シールリング用の配線M4aの幅(W2)よりも小さいことである。
すなわち、本実施の形態では、上記図3〜図6からも分かるように、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの幅W1は、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さい(すなわちW1<W2)。言い換えると、シールリング用の配線M4aの幅W2は、シールリング用の配線M5aの幅W1よりも大きい。ここで、シールリング用の配線M5aの幅W1は、平面視における幅であって、且つ、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aにおいて、そのシールリング用の配線M5aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。また、シールリング用の配線M4aの幅W2は、平面視における幅であって、且つ、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aにおいて、そのシールリング用の配線M4aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。
上記図21の第2検討例のように、シールリング用の配線M15aの幅W11をシールリング用の配線M14aの幅W12と同じにしたまま、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらした場合には、半導体装置の平面寸法の増大を招いてしまう。
それに対して、本実施の形態では、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも、外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらすだけではなく、シールリング用の配線M5aの幅W1を、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくしている(すなわちW1<W2)。これにより、半導体装置の平面寸法(面積)が増加するのを抑制または防止することができ、半導体装置の小型化(小面積化)を図ることができる。
すなわち、上記図21に示される第2検討例のように、シールリング用の配線M15aの幅W11をシールリング用の配線M14aの幅W12と同じにしたまま、シールリング用の配線M15aの位置を外側にずらした場合には、シールリング用の配線M15aの外周側の側面TB13の位置が外側に移動した分、半導体装置の側面SMの位置もずらして、半導体装置の平面寸法を大きくする。これは、半導体装置の製造のしやすさや信頼性向上のためには、シールリング用の配線M15aの外周側の側面TB13と半導体装置の側面SMとの間の距離は、ある程度確保する必要があるからである。
それに対して、図3〜図6に示される本実施の形態では、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を外側にずらしても、シールリング用の配線M5aの幅W1をシールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくしていることで、シールリング用の配線M5aの外周側の側面(端部)TB3の位置が外側に移動するのを抑制または防止することができる。つまり、図21に示される第2検討例と図3〜図6に示される本実施の形態とを比べると、上記距離L11と距離L1とが同じ場合には、本実施の形態におけるシールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置を、第2検討例におけるシールリング用の配線M15aの外周側の側面TB13の位置よりも、内側にすることができる。このため、シールリング用の配線M15a,M5aの外周側の側面TB13,TB3と半導体装置の側面SMとの間の距離を上記第2検討例と本実施の形態とで同じにした場合には、上記第2検討例よりも本実施の形態の方が、半導体装置の平面寸法(面積)を小さくすることができる。従って、上記第2検討例よりも本実施の形態の方が、半導体装置の小型化(小面積化)に有利である。
また、シールリングSRは、半導体装置の製造時の検査にも利用することができる。このため、シールリングSRの視認性(視認しやすさ)を確保することが望ましい。例えば、半導体ウエハ(半導体基板SB)をスクライブ領域に沿って切断するダイシング工程の前に、半導体ウエハを外観検査するが、その外観検査の際に、シールリングSRを視認できるようにしておくことが望ましい。これは、例えば、シールリングSRを視認できれば、その視認したシールリングSRを基準にして、最上層の保護膜(ここでは絶縁膜RS)の外周の位置に問題が無いかを確認することができるからである。なお、最上層の保護膜(ここでは絶縁膜RS)は、チップ領域に形成するが、スクライブ領域には形成しないため、最上層の保護膜(ここでは絶縁膜RS)の外周の位置を、シールリングSRの位置を基準にして確認できれば、最上層の保護膜(ここでは絶縁膜RS)の外周の位置に問題が無いか確認しやすい。
シールリングSRは、金属材料により形成されており、シールリングSRを覆う絶縁膜を透過して、シールリングSRの位置を視認することができるが、シールリングSRを構成するシールリング用の配線M5a〜M1aにおいて、下層になるほど視認性(視認しやすさ)は低下してしまう。すなわち、シールリング用の配線M5a,M4a,M3a,M2a,M1aのうち、最上層のシールリング用の配線M5aが最も視認しやすく、次いでシールリング用の配線M4aが視認しやすく、シールリング用の配線M3a,M2a,M1aの順に視認しにくくなってしまう。また、シールリング用の配線の視認性は、そのシールリング配線の幅が大きい方が、高くなる。
本実施の形態では、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置が、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも、外側にあるとともに、シールリング用の配線M5aの幅W1を、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくしている。つまり、シールリング用の配線M4aの幅W2は、シールリング用の配線M5aの幅W1よりも大きくなっている(すなわちW2>W1)。このため、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの幅W1が小さくても、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの幅W2は、シールリング用の配線M5aの幅W1よりも大きいため、シールリング用の配線M4aの視認性を高めることができ、それによって、シールリングSRの視認性を確保することができる。
すなわち、上記図20の第1検討例において、シールリング用の配線M15aの幅W11とシールリング用の配線M14aの幅W12との両方を小さくすることで、平面視において、シールリング用の配線M15aの内周側の側面TB11の位置とシールリング用の配線M14aの内周側の側面TB12の位置とを一致させたままで、上記距離L11を大きくした場合を仮定する。この場合、シールリング用の配線M15aの幅W11とシールリング用の配線M14aの幅W12との両方が小さくなることで、シールリングの視認性が低下してしまうため、シールリングを利用した外観検査を行いにくくなってしまう。
それに対して、本実施の形態では、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの幅W2が、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの幅W1よりも大きいため、幅W1が小さいことによるシールリング用の配線M5aの視認性の低下を、幅W2が大きいシールリング用の配線M4aの視認性によって補うことができる。
すなわち、本実施の形態では、シールリング用の配線M5aに次いで視認性を確保しやすいシールリング用の配線M4aの幅W2を維持しながら、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置をシールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも外側にずらすとともに、シールリング用の配線M5aの幅W1をシールリング用の配線M4aの幅W2より小さくする。これにより、シールリングSRの視認性を確保しながら、最上層の配線層において、シールリング用の配線M5aと、そのシールリング用の配線M5aに最も近接するパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができる。シールリングSRの視認性を確保することで、半導体装置の製造時に、シールリングSRを利用した検査を行いやすくなる。例えば、半導体ウエハ(半導体基板SB)をスクライブ領域に沿って切断するダイシング工程の前に、半導体ウエハを外観検査するが、その外観検査の際に、シールリングSRを的確に視認することができるようになる。これにより、視認したシールリングSRを基準にして、最上層の保護膜(ここでは絶縁膜RS)の外周の位置に問題が無いかを的確に確認することができるようになる。シールリングSRの視認性を確保することで、半導体装置を製造しやすくなる。
このように、本実施の形態では、平面視において、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置が、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも、外側にあるとともに、シールリング用の配線M5aの幅W1を、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくしている。これにより、シールリングSRの視認性を確保しながら、最上層の配線層において、シールリング用の配線M5aと、そのシールリング用の配線M5aに最も近接するパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができるとともに、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置が外側に移動するのを抑制または防止することができる。このため、本実施の形態では、シールリングSRの視認性を確保しながら、また、半導体装置の平面寸法の増大を抑制または防止しながら、シールリング用の配線M5aと、そのシールリング用の配線M5aに最も近接するパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができる。距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生するのを抑制することができ、また、シールリング用の配線M5aが絶縁膜PAを介してパッドPDまたは配線M5に与える応力の影響を小さくすることができる。このため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。従って、半導体装置の信頼性向上と半導体装置の小型化(小面積化)とを両立することができる。また、シールリングSRの視認性を確保することで、半導体装置を製造しやすくなる。
次に、本実施の形態の更に他の特徴について以下に説明する。
シールリング用の配線M5aの幅W1はシールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さいが、上記距離L1をできるだけ大きくして半導体装置の信頼性をできるだけ向上させる観点と、半導体装置の平面寸法をできるだけ抑制する観点では、シールリング用の配線M5aの幅W1はできるだけ小さくすることが望ましい。このため、本実施の形態では、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの幅W1は、その最上層の配線層における最小幅配線の幅と同じであることが、より好ましい。すなわち、最上層の配線層に形成された配線M5のうち、最も幅が小さな配線M5の幅と、シールリング用の配線M5aの幅W1とが同じであることが、より好ましい。ここで、最上層の配線層における最小幅配線とは、最上層の配線層に形成された配線M5のうち、最も幅が小さな配線に対応している。また、配線の幅は、その配線の延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。
最上層の配線層における最小幅配線は、最小加工寸法に合わせて形成されるため、シールリング用の配線M5aの幅W1を最小加工寸法に合わせると、シールリング用の配線M5aの幅W1が最上層の配線層における最小幅配線の幅と同じになる。これにより、シールリング用の配線M5aの幅W1をできるだけ小さくすることができるため、上記距離L1を大きくして半導体装置の信頼性を向上させる効果を高めることができ、また、半導体装置の平面寸法を抑制する効果を高めることができる。
シールリング用の配線M5aの幅W1を最上層の配線層における最小幅配線と同じ幅にした場合、シールリング用の配線M5aの厚みにもよるが、シールリング用の配線M5aの幅W1は、例えば0.8〜1μm程度とすることができる。
また、本実施の形態では、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの厚みは、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの厚みよりも厚いことが好ましい。その理由は、以下のようなものである。
すなわち、半導体基板SB上に、複数の配線層を含む配線構造が形成されているが、最上層の配線層に形成された配線(ここでは配線M5)およびパッド(ここではパッドPD)の各厚みは、それよりも下層の配線層に形成された配線(ここでは配線M1,M2,M3,M4)の各厚みよりも、厚くなっていることが好ましい。これは、半導体装置の外部端子であるパッド(ここではパッドPD)は、最上層の配線層に形成するが、パッド(PD)の外部端子としての機能を考慮すると、パッド(PD)の厚みは厚くすることが望ましいからである。例えば、パッド(PD)の厚みを厚くすることで、パッド(PD)を用いたプローブテストを的確に行えるようになり、また、パッド(PD)に対して外部接続用の接続部材(例えばボンディングワイヤなど)を的確に接続しやすくなる。また、各配線層において、シールリング用の配線は、同層の配線と同工程で同材料により形成されるため、同層の配線とほぼ同じ厚みを有している。このため、シールリング用の配線M5aは、配線M5およびパッドPDとほぼ同じ厚みを有し、シールリング用の配線M4aは、配線M4とほぼ同じ厚みを有し、シールリング用の配線M3aは、配線M3とほぼ同じ厚みを有し、シールリング用の配線M2aは、配線M2とほぼ同じ厚みを有し、シールリング用の配線M1aは、配線M1とほぼ同じ厚みを有している。従って、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aの厚みは、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aの厚みよりも厚くなる。
厚みの一例を上げれば、シールリング用の配線M5aの厚みは、例えば1.5〜2μm程度とすることができ、シールリング用の配線M4aの厚みは、例えば0.3〜0.6μm程度とすることができる。
ここで、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線(M5a,M15a)の厚みが厚いことは、上記図20に示される第1検討例で述べた課題が生じやすいことにつながる。すなわち、上記図20に示される第1検討例において、シールリング用の配線M15aとパッドPDと配線M5の厚みが厚いと、それらによって生じる応力の影響も大きくなる。この場合、シールリング用の配線M15aとそれに近接するパッドPDまたは配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックがより発生しやすくなり、また、シールリング用の配線M15aが絶縁膜PAを介してシールリング用の配線M15aに近接するパッドPDまたは配線M5に与える応力がより大きくなる。
それに対して、本実施の形態では、上述したように、平面視において、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらしたことにより、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくすることができる。このため、本実施の形態では、たとえシールリング用の配線M5aとパッドPDと配線M5の厚みが厚くとも、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に挟まれた部分の絶縁膜PAにクラックが発生するのを抑制することができる。また、たとえシールリング用の配線M5aとパッドPDと配線M5の厚みが厚くとも、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aが絶縁膜PAを介してパッドPDまたは配線M5に与える応力の影響を小さくすることができる。従って、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、上述のように、平面視において、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置は、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも外側(半導体装置の側面SMに近い側)にある。言い換えると、平面視において、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置は、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置よりも内側(半導体装置の側面SMから遠い側)にある。このことは、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくするように作用するが、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成されたシールリング用の配線M4aと配線M4との間の距離(間隔)L2を大きくするようには作用しない。しかしながら、シールリング用の配線M4aと配線M4の厚みは、最上層の配線層に形成されたシールリング用の配線M5aとパッドPDと配線M5の厚みよりも薄い。このため、たとえシールリング用の配線M4aと配線M4との間の距離L2が小さくても、シールリング用の配線M4aと配線M4との間に挟まれた部分の絶縁膜(IL5)にクラックは生じにくい。また、シールリング用の配線M4aが絶縁膜(IL5)を介してシールリング用の配線M4aに近接する配線M4に与える応力は大きくならず、配線M4の信頼性の低下にはほとんど結びつかずに済む。これは、シールリング用の配線による応力の影響は、そのシールリング用の配線の厚みが厚いほど、大きくなるためである。すなわち、シールリング用の配線の厚みが薄くなれば、そのシールリング用の配線による応力の影響は相対的に小さくなる。ここで、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層において、シールリング用の配線M4aと、そのシールリング用の配線M4aに最も近接する配線M4との間の距離(間隔)を、距離(間隔)L2と称することとする。
つまり、本実施の形態では、最上層の配線層では、配線厚みが厚いことから、シールリング用の配線M5aによる応力の影響を抑えるため、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1を大きくし、それによって半導体装置の信頼性を向上させている。一方、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層では、最上層の配線層に比べて配線厚みが薄いことから、シールリング用の配線M4aと配線M4との間の距離L2を気にせずに、シールリング用の配線M4aの幅W2を大きくし、それによって、シールリングSRの視認性を高めている。このため、本実施の形態では、平面視において、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらし、かつ、シールリング用の配線M5aの幅W1を、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくした構成を採用している。
また、本実施の形態では、平面視において、シールリング用の配線M5aの内周側の側面TB1の位置を、シールリング用の配線M4aの内周側の側面TB2の位置よりも外側(半導体装置の側面SMに近い側)にずらしている。このため、最上層の配線層におけるシールリング用の配線M5aと他の配線M5またはパッドPDとの間の距離(間隔)L1は、最上層の配線層よりも1つ下層の配線層におけるシールリング用の配線M4aと他の配線M4との間の距離(間隔)L2よりも大きくなり得る(すなわちL1>L2)。これにより、シールリング用の配線M4aに比べて応力の影響が懸念されるシールリング用の配線M5aについては、パッドPDや配線M5から離すことで、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、上述のように、上記距離L1を大きくすることで半導体装置の信頼性を向上させることができるが、この観点では、上記距離L1はできるだけ大きくすることが望ましい。このため、本実施の形態では、シールリング用の配線M4aにおけるシールリング用の配線M5aと平面視で重なる部分の幅W3は、シールリング用の配線M4aの幅W2の半分以下(すなわちW3≦W2/2)であることが、より好ましい。言い換えると、シールリング用の配線M4aにおけるシールリング用の配線M5aと平面視で重ならない部分の幅(W2−W3)は、シールリング用の配線M4aの幅W2の半分以上(すなわちW2−W3≧W2/2)であることが、より好ましい。このように、シールリング用の配線M4aにおけるシールリング用の配線M5aと平面視で重なる部分の幅W3を、シールリング用の配線M4aの幅W2の半分以下(すなわちW3≦W2/2)とすることにより、上記距離L1を的確に大きくすることができるため、半導体装置の信頼性を向上させる効果を、より的確に得ることができる。ここで、幅W2と同様に、幅W3も、シールリング用の配線M4aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。
また、シールリング用の配線M4aの幅W2は、必要に応じて変更可能であるが、2μm以上(W2≧2μm)であればより好ましい。これにより、シールリング用の配線M4aに視認性を的確に高めることができ、シールリングを利用した外観検査を的確に行いやすくなる。また、シールリング用の配線M4aの幅W2が大きすぎると、半導体装置の平面寸法の増大を招く虞があるため、シールリング用の配線M4aの幅W2は、10μm以下(W2≦10μm)であればより好ましい。このため、シールリング用の配線M4aの幅W2は、2μm以上で10μm以下(2μm≦W2≦10μm)が特に好ましく、これにより、半導体装置の平面寸法の増大を防ぎながら、シールリング用の配線M4aの視認性を高めて、シールリングを利用した外観検査を的確に行いやすくすることができる。
また、平面視において、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置は、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置よりも内側にある場合と、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置と同じ位置にある場合と、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置よりも外側にある場合とがあり得る。これらは本実施の形態に含まれ得るが、このうち、平面視において、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置が、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置よりも外側(半導体装置の側面SMに近い側)にある場合が、代表して図3〜図6に示されている。ここで、上述のように、外側とは、平面視において、半導体装置CPの外周(側面SM)に近い側に対応し、内側とは、平面視において、半導体装置CPの外周(側面SM)から遠い側に対応している。
但し、平面視において、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置が、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置と同じか、あるいは外側にあれば、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置がシールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置よりも内側にある場合に比べて、上記距離L1を大きくしやすくなる。このため、半導体装置の信頼性を向上させやすくなる。
また、平面視において、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置が、シールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置と同じか、あるいは内側にあれば、シールリング用の配線M5aの外周側の側面TB3の位置がシールリング用の配線M4aの外周側の側面TB4の位置よりも外側にある場合に比べて、半導体装置の小型化(小面積化)に有利となる。
また、シールリング用の配線M4aよりも下層に形成されたシールリング用の配線M3a,M2a,M1aのそれぞれの幅は、シールリング用の配線M4aの幅W2と同じにすることも可能であるが、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さければ、より好ましい。その理由は、次のようなものである。
すなわち、シールリング用の配線は、より下層に形成されているほど視認しにくくなるため、シールリング用の配線M4aに比べて、シールリング用の配線M4aよりも下層に形成されたシールリング用の配線M3a,M2a,M1aは、視認性を確保しづらい。このため、シールリング用の配線M4aの幅W2を大きくしてシールリングSRの視認性を確保するとともに、シールリング用の配線M4aよりも下層に形成されたシールリング用の配線M3a,M2a,M1aのそれぞれの幅を、シールリング用の配線M4aの幅W2よりも小さくすることが好ましい。これにより、配線M3,M2,M1の配置可能領域を広くすることができるため、配線M3,M2,M1のレイアウト設計における制限を緩和することができる。また、シールリング用の配線M3a,M2a,M1aのそれぞれの幅を小さくすることにより、上記スクライブ領域1Bに上記金属パターンM3b,M2b,M1bを形成する際のレイアウト(金属パターンM3b,M2b,M1bのレイアウト)の制限も緩和することができる。ここで、シールリング用の配線M3aの幅は、そのシールリング用の配線M3aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。また、シールリング用の配線M2aの幅は、そのシールリング用の配線M2aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。また、シールリング用の配線M1aの幅は、そのシールリング用の配線M1aの延在方向に垂直な方向の幅(寸法)に対応している。
また、本実施の形態では、複数の配線層を含む配線構造が半導体基板SB上に形成されているが、配線構造上に形成された絶縁膜(ここでは絶縁膜PAおよび絶縁膜RS)を更に有している。最上層の配線層に形成されたパッドPDの少なくとも一部は、この絶縁膜(ここでは絶縁膜PAおよび絶縁膜RS)の開口部(ここでは開口部OP1,OP2)から露出されている。配線構造上に形成された絶縁膜(ここでは絶縁膜PAおよび絶縁膜RS)の一部は、最上層の配線層において、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に介在することになる。上述したように、上記距離L1が小さいと、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に介在する絶縁膜にクラックが生じるなどして、半導体装置の信頼性が低下する虞がある。本実施の形態では、上述のように、最上層の配線層において、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間の距離L1が大きいことで、シールリング用の配線M5aとパッドPDまたは配線M5との間に介在する絶縁膜にクラックが生じるのを抑制または防止することができ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施の形態では5層の配線層で例示しているが、これに限られず、6層以上やあるいは4層以下の配線層であっても同様の効果を有する。
1A チップ領域
1B スクライブ領域
2 MISFET
CP 半導体装置
CT1 コンタクトホール
GE ゲート電極
GF ゲート絶縁膜
IL1,IL2,IL3,IL4,IL5 層間絶縁膜
L1,L2,L11 距離(間隔)
M1,M2,M3,M4,M5 配線
M1a,M2a,M3a,M4a,M5a,M14a,M15a シールリング用の配線
M1b,M2b,M3b,M4b,M5b 金属パターン
OP1,OP2 開口部
PA 絶縁膜
PD パッド
RS 絶縁膜
SB 半導体基板
SD ソース・ドレイン領域
SH2,SH3,SH4,SH5 スルーホール
SR シールリング
ST 素子分離領域
TB1,TB2,TB11,TB12,TB13 側面
TR1,TR2,TR3,TR4,TR5 溝
V1,V2,V3,V4,V5 ビア部
V1a,V2a,V3a,V4a,V5a,V15a シールリング用のビア部
W1,W2,W3,W11,W12 幅
WL ウエル領域
X1,X2 方向

Claims (10)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成されかつ複数の配線層を含む配線構造と、
    前記配線構造において、前記半導体基板の周囲に沿って形成されたシールリングと、
    を有し、
    前記シールリングは、前記複数の配線層のそれぞれに形成されたシールリング用配線が積層された構造を有しており、
    前記複数の配線層のうちの最上層の配線層に形成された前記シールリング用配線である第1シールリング用配線の内周側の側面の位置は、前記複数の配線層のうちの前記最上層の配線層よりも1つ下層の配線層に形成された前記シールリング用配線である第2シールリング用配線の内周側の側面の位置よりも、外側にあり、
    前記第1シールリング用配線の幅は、前記第2シールリング用配線の幅よりも小さい、半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記最上層の配線層における前記第1シールリング用配線と他の配線またはパッドとの間の距離は、前記最上層の配線層よりも1つ下層の配線層における前記第2シールリング用配線と他の配線との間の距離よりも大きい、半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1シールリング用配線の厚さは、前記第2シールリング用配線の厚さよりも厚い、半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1シールリング用配線の幅は、前記最上層の配線層における最小幅配線の幅と同じである、半導体装置。
  5. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2シールリング用配線における前記第1シールリング用配線と平面視で重なる部分の幅は、前記第2シールリング用配線の幅の半分以下である、半導体装置。
  6. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1シールリング用配線の外周側の側面の位置は、前記第2シールリング用配線の外周側の側面の位置と同じか、あるいは外側にある、半導体装置。
  7. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1シールリング用配線と前記第2シールリング用配線とは、前記第1シールリング用配線と前記第2シールリング用配線との間に配置されたシールリング用ビア部により接続されている、半導体装置。
  8. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2シールリング用配線よりも下層に形成された前記シールリング用配線の幅は、前記第2シールリング用配線の幅よりも小さい、半導体装置。
  9. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記配線構造上に形成された絶縁膜を更に有する、半導体装置。
  10. 請求項9記載の半導体装置において、
    前記最上層の配線層に形成されたパッドを有し、
    前記パッドの少なくとも一部は、前記絶縁膜の開口部から露出されている、半導体装置。
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