JP2015200639A - 温度分布データ生成システム - Google Patents

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Yume Inokuchi
優芽 井ノ口
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哲 橋本
樋江井 武彦
Takehiko Hiei
武彦 樋江井
淳 西野
Atsushi Nishino
淳 西野
雅富 鈴木
Masatomi Suzuki
雅富 鈴木
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Abstract

【課題】データサイズが小さく、空間の定常温度分布を正しく把握することが可能な温度分布データを生成できる、温度分布データ生成システムを提供する。【解決手段】本発明に係る温度分布データ生成システム100は、センサ部21と、ユニット処理部25と、を備える。センサ部は、対象空間の温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを複数の時点において取得する。ユニット処理部は、熱画像データから、対象空間に存在する人間の影響を取り除いて、対象空間の定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。【選択図】図3

Description

本発明は、空間の温度分布データ、より具体的には空間の定常温度分布を正しく把握することが可能な温度分布データを生成する、温度分布データ生成システムに関する。
多種多様なデータの活用が要求されるビッグデータの分野では、一つのセンサから出力されたデータを、単一の目的で使用するのではなく、複数の目的で使用することが近年重要になってきている。しかし、長時間に亘ってセンサのデータを加工せずに記録し続けると、蓄積されるデータサイズが巨大となり、データ記憶装置の必要容量、データ通信時間及びデータ処理時間が増大し、その結果、データの取り扱いに必要なエネルギー消費量も増大する。そのため、例えば、大容量のデータを、取り扱いが容易な独立した複数の成分に分解して単純化する技術や、必要な成分のみを処理して利用する技術や、処理された成分を合成して別の目的に再利用する技術等が求められている。
さて、従来、特許文献1(特開平6−160507号公報)に開示されるように、赤外線センサを用いて室内の温度分布を検出するシステムが知られている。特許文献1(特開平6−160507号公報)においては、赤外線センサにより検出された温度分布のデータを用いて、人間等の熱物体の移動が検知され、その結果に基づいて室内に設置された空気調和装置が制御されている。なお、このシステムでは、ある瞬間における室内の熱画像を取得及び記録して、必要に応じて、室内における熱物体の状態を熱画像から抽出して利用する。すなわち、このシステムは、ある瞬間における赤外線センサの出力値のデータである熱画像を、そのまま記録して利用している。
これに対し、本願発明者は、特許文献1(特開平6−160507号公報)に開示されているような熱画像を用いれば、空間の詳細な温度分布を、定量的に把握することが可能になることを見出した。
しかし、特許文献1(特開平6−160507号公報)では、熱画像に、人間の温度情報が含まれているため、例えば、人間が室内を移動するような場合に、対象空間の定常温度分布を誤って認識する可能性がある。この場合、認識した温度分布に基づいて、温度分布の状態を改善するための提案がなされたとしても、その提案が必ずしも適切ではない可能性がある。
また、特許文献1(特開平6−160507号公報)のように、室内の熱画像を長時間に亘って記録し続ける場合、大量の熱画像が蓄積及び処理されるので、データ記憶装置の必要容量や、データ通信時間及びデータ処理時間が増大しやすい。また、特許文献1(特開平6−160507号公報)のシステムは、熱画像自体を加工せずに利用しているため、室内における熱物体の状態を抽出する目的以外の目的で熱画像を利用することが困難で、熱画像を空間の温度分布の把握に利用することが難しい。
本発明の課題は、データサイズが小さく、空間の定常温度分布を正しく把握することが可能な温度分布データを生成できる、温度分布データ生成システムを提供することにある。
本発明の第1観点に係る温度分布データ生成システムは、取得部と、抽出部と、を備える。取得部は、対象空間の温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを複数の時点において取得する。抽出部は、熱画像データから、対象空間に存在する人間の影響を取り除いて、対象空間の定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。
ここでは、生成される温度分布データが、人間の影響が除去されたものであるため、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
また、ここでは、生成される温度分布データからは人間の影響が除去されているため、温度分布データでは、元となる熱画像データに比べ、局所的に温度が大きく変化する部分を少なくすることが可能で、効率的にデータを圧縮することができる。そのため、温度分布データを記憶する記憶装置に必要とされる記憶容量を抑制することができる。また、温度分布データの送受信のためのデータ通信時間や、温度分布データのデータ処理時間を短縮することができる。
本発明の第2観点に係る温度分布データ生成システムは、第1観点に係る温度分布データ生成システムであって、抽出部は、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。
ここでは、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素の値を排除することで、熱画像データから人間の影響を取り除いた温度分布データが抽出されるため、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
本発明の第3観点に係る温度分布データ生成システムは、第2観点に係る温度分布データ生成システムであって、抽出部は、所定期間に複数の時点において取得された熱画像データの、各画素の値の時系列的な最小値を、各画素の所定期間における温度を表す値とする時間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。
ここでは、人間の移動の影響により熱画像データに現れる、各画素の時間的な温度ピーク(一時的な温度上昇)の値が排除され、所定期間における温度分布データが抽出されるため、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
また、ここでは、所定期間の複数の時点の熱画像データから時間ピーク排除熱画像データを生成することで、所定期間における温度分布データが抽出されるため、熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶するデータの量を抑制できる。
本発明の第4観点に係る温度分布データ生成システムは、第2観点に係る温度分布データ生成システムであって、抽出部は、熱画像データの近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。
ここでは、人間の存在の影響により熱画像データに現れる空間的な温度ピーク(局所的な温度上昇)を示す画素の値が排除され、温度分布データが抽出されるため、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
また、ここでは、熱画像データから、局所的な温度ピークを示す画素の値が排除されることで温度分布データが抽出されるため、温度分布データには局所的に温度が高い部分が出現しにくい。また、ここでは、1つの区画に含まれる複数の画素の温度の値は、全て同一とみなされる。そのため、温度分布データは、熱画像データより効率的に圧縮可能で、熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶されるデータ量を抑制できる。
本発明の第5観点に係る温度分布データ生成システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、抽出部によって抽出された温度分布データを記憶する記憶部を更に備える。記憶部は、取得部が熱画像データを取得する頻度よりも少ない頻度で、温度分布データを記憶する。
ここでは、記憶部による温度分布データの記憶頻度が、取得部による熱画像データの取得頻度よりも少ないため、取得した熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶部へのデータの書き込み速度や、ネットワークの通信速度が遅くてもよい。そのため、温度分布データ生成システムのコストを低減することができる。
本発明の第6観点に係る温度分布データ生成システムは、第5観点に係る温度分布データ生成システムであって、取得部及び抽出部は、対象空間に設置される。記憶部は、抽出部と通信可能に接続されている。
ここでは、記憶部を対象空間以外の場所に設置することができる。
本発明の第7観点に係る温度分布データ生成システムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、抽出部は、熱画像データから、対象空間に存在する人間の分布を示す人間分布データを更に抽出する。
ここでは、熱画像データから温度分布データに加えて人間分布データも抽出されるため、熱画像データから温度分布データだけを抽出する場合に比べ、様々な用途に熱画像データを活用できる。
本発明の第8観点に係る温度分布データ生成システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、対象空間の温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部を更に備える。領域検出部は、温度分布データに基づき、対象空間において定常温度がピークを示す第1領域を、要改善領域として検出する。
ここでは、エネルギーの無駄が可視化され、温度分布データ生成システムのユーザ等が、温度分布状況に関し問題がある定常温度がピークを示す領域が存在することを容易に認識可能である。
本発明の第9観点に係る温度分布データ生成システムは、第7観点に係る温度分布データ生成システムであって、対象空間の温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部を更に備える。領域検出部は、温度分布データ及び人間分布データに基づき、対象空間において、人間が不在で、かつ、空調が過剰な第2領域を、要改善領域として検出する。
ここでは、エネルギーの無駄が可視化され、温度分布データ生成システムのユーザ等が、人間が不在であるにも関わらず空調が過剰な領域が存在することを容易に認識可能である。
本発明の第10観点に係る温度分布データ生成システムは、第8観点又は第9観点に係る温度分布データ生成システムであって、要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する改善提案生成部を更に備える。
ここでは、要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案が生成されるため、温度分布データ生成システムのユーザ等は、対象空間の温度分布状況を容易に改善することができる。
本発明の第11観点に係る温度分布データ生成システムは、第7観点に係る温度分布データ生成システムであって、動画生成部を更に備える。動画生成部は、特定期間における人間分布データ及び温度分布データに基づいて、特定期間における、対象空間内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を、同時に認識可能な動画を生成する。
ここでは、人間分布データ及び温度分布データに基づいて、人間の位置及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画が生成される。これにより、対象空間で温熱環境に関する苦情が発生した場合に、温熱環境に関する苦情の原因解明のための環境計測やヒアリング等が不要で、調査に必要な費用を抑制できる。また、生成された動画を見ることで、温熱環境に関する苦情の原因を認識し、対策を検討することが容易である。また、動画を対象空間の使用者等への原因説明のための資料として利用すれば、説明資料の作成を簡易化できる。
本発明の第12観点に係る温度分布データ生成システムは、第7観点に係る温度分布データ生成システムであって、取得部は、多数の対象空間について熱画像データを取得する。温度分布データ生成システムは、受付部と、類似空間抽出部と、省エネ関連情報生成部と、を更に備える。受付部は、多数の対象空間に含まれる第1空間用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。類似空間抽出部は、第1空間の所定期間の人間分布データに基づき、多数の対象空間から、第1空間と類似する利用状況のパターンを有する類似空間を抽出する。省エネ関連情報生成部は、省エネ関連情報として、類似空間の温度分布データに基づいた類似空間の温度分布に関する情報を生成する。
ここでは、人間分布データに基づいて評価対象の第1空間と利用状況のパターンが類似する類似空間が抽出され、第1空間用の省エネ関連情報として、類似空間の温度分布に関する情報が生成される。そのため、生成された省エネ関連情報に基づいて第1空間の相対評価を適切に行うことが可能である。
本発明の第13観点に係る温度分布データ生成システムでは、第1観点から第12観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、コンピュータと、データ補間部と、をさらに備える。コンピュータは、温度分布データを、所定のタイミングで通信ネットワークを介して受信する。コンピュータは、受信した温度分布データを、所定の記憶領域に個別に蓄積する。データ補間部は、温度分布データの通信異常が生じた時に、過去の温度分布データを用いて、補間温度分布データを生成する。ここでの「通信異常」には、ネットワーク上でデータが衝突する等して受信されるはずのデータが受信されないいわゆるデータ欠落や、伝送経路上でデータにノイズが混入する等して受信したデータと実際に生成された温度分布データとの間に誤差が生じるいわゆる異常変動が含まれる。
ここでは、温度分布データの通信異常が生じた時に、過去の温度分布データを用いて補間温度分布データを生成するデータ補間部をさらに備える。すなわち、通信異常により、受信すべき温度分布データが受信されない場合や、受信した温度分布データが実際に生成された温度分布データとは相違する場合でも、データ補間部が、過去の受信データに基づいて補間温度分布データを生成する。そのため、温度分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、温度分布データに係る通信異常の影響が抑制される。よって、システムの信頼性が向上する。
本発明の第14観点に係る温度分布データ生成システムでは、第7観点、第9観点、第11観点及び第12観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、コンピュータと、データ補間部と、をさらに備える。コンピュータは、温度分布データ及び人間分布データを、所定のタイミングで通信ネットワークを介して受信する。コンピュータは、受信した温度分布データ及び人間分布データを、所定の記憶領域に個別に蓄積する。データ補間部は、温度分布データの通信異常が生じた時には、過去の温度分布データを用いて、補間温度分布データを生成する。データ補間部は、人間分布データの通信異常が生じた時には、過去の人間分布データを用いて、補間人間分布データを生成する。データ補間部は、温度分布データ補間アルゴリズムに基づいて、補間温度分布データを生成する。データ補間部は、温度分布データ補間アルゴリズムとは異なる人間分布データ補間アルゴリズムに基づいて、補間人間分布データを生成する。
ここでは、温度分布データ又は人間分布データの通信異常が生じた時に、過去の温度分布データ又は人間分布データを用いて補間温度分布データ又は補間人間分布データを生成するデータ補間部をさらに備える。すなわち、通信異常により、受信すべき温度分布データ又は人間分布データが受信されない場合や、受信した温度分布データ又は人間分布データが実際に生成されたデータとは相違する場合でも、データ補間部が、過去の受信データに基づいて補間温度分布データ又は補間人間分布データを生成する。そのため、温度分布データ又は人間分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、温度分布データ又は人間分布データに係る通信異常の影響が抑制される。
また、ここでは、補間温度分布データとは異なるアルゴリズムに基づいて補間人間分布データが生成される。そのため、データの特性に応じたデータの補間を行うことが可能となる。
よって、システムの信頼性が高精度に向上する。
本発明の第15観点に係る温度分布データ生成システムでは、第7観点、第9観点、第11観点及び第12観点のいずれかに係る温度分布データ生成システムであって、コンピュータをさらに備える。コンピュータは、複数の抽出部によって抽出された温度分布データ又は人間分布データを、所定のタイミングで、通信ネットワークを介して受信する。コンピュータは、受信した温度分布データ又は人間分布データを、所定の記憶領域に個別に蓄積する。コンピュータは、マスク処理部を含む。マスク処理部は、受信した温度分布データ又は人間分布データのうち、蓄積が不要な部分を抽出する。マスク処理部は、受信した温度分布データ又は人間分布データから抽出した蓄積が不要な部分を、蓄積対象から除外する。マスク処理部は、第1温度分布データの対象範囲の一部が、第2温度分布データの対象範囲と重複している場合には、第1温度分布データのうち第2温度分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして抽出して、蓄積対象から除外する。又は、マスク処理部は、第1人間分布データの対象範囲の一部が、第2人間分布データの対象範囲と重複している場合には、第1人間分布データのうち第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして抽出して、蓄積対象から除外する。第1温度分布データは、いずれかの抽出部により抽出される温度分布データである。第2温度分布データは、他の抽出部によって抽出される温度分布データである。第1人間分布データは、いずれかの抽出部により抽出される人間分布データである。第2人間分布データは、他の抽出部によって抽出される人間分布データである。
ここでは、マスク処理部が、第1温度分布データの対象範囲の一部が、第2温度分布データの対象範囲と重複している場合には、第1温度分布データのうち第2温度分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして抽出して蓄積対象から除外する。又は、マスク処理部が、第1人間分布データの対象範囲の一部が、第2人間分布データの対象範囲と重複している場合には、第1人間分布データのうち第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして抽出して蓄積対象から除外する。そのため、取得部の設置環境等に応じて、異なる抽出部によって生成される温度分布データ又は人間分布データの対象範囲が重複している場合であっても、対象空間における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能となる。よって、システムの信頼性が向上する。
本発明の第16観点に係る温度分布データ生成システムでは、第15観点に係る温度分布データ生成システムであって、コンピュータは、データ補間部をさらに備える。データ補間部は、第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた時には、除外データを用いて、通信異常が生じた第2温度分布データ又は第2人間分布データを補間する。
ここでは、データ補間部が、第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた時には、除外データを用いて、通信異常が生じた第2温度分布データ又は第2人間分布データを補間する。そのため、温度分布データ又は人間分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、第2温度分布データ又は第2人間分布データに係る通信異常の影響が抑制される。よって、システムの信頼性がさらに向上する。
本発明の第17観点に係る温度分布データ生成システムでは、第15観点又は第16観点に係る温度分布データ生成システムであって、マスク処理部は、第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた時には、第1温度分布データ又は第1人間分布データのうち第2温度分布データ又は第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとしては抽出せず、第2温度分布データ又は第2人間分布データのうち第1温度分布データ又は第1人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データして蓄積対象から除外する。
ここでは、マスク処理部は、第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた時には、第1温度分布データ又は第1人間分布データのうち第2温度分布データ又は第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとしては抽出せず、第2温度分布データ又は第2人間分布データのうち第1温度分布データ又は第1人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データして蓄積対象から除外する。すなわち、ネットワークにおいて第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた場合、除外データを含む第1温度分布データ又は第1人間分布データは、その全てが蓄積される。一方で、通信異常が生じやすいと推定される第2温度分布データ又は第2人間分布データに関しては、第1温度分布データ又は第1人間分布データと重複する部分が、除外データとして蓄積対象から除外される。その結果、通信環境等の状況に応じて、対象空間における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能となる。よって、システムの信頼性がさらに向上する。
本発明の第1観点に係る温度分布データ生成システムでは、生成される温度分布データが、人間の影響が除去されたものであるため、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
本発明の第2観点から第4観点に係る温度分布データ生成システムでは、対象空間の定常温度分布を正しく把握することができる。
本発明の第5観点に係る温度分布データ生成システムでは、温度分布データ生成システムのコストを低減することが容易である。
本発明の第6観点に係る温度分布データ生成システムでは、温度分布データを記憶する記憶部を、対象空間以外の場所に設置することができる。
本発明の第7観点に係る温度分布データ生成システムでは、熱画像データから温度分布データに加えて人間分布データも抽出されるため、熱画像データから温度分布データだけを抽出する場合に比べ、様々な用途に熱画像データを活用できる。
本発明の第8観点及び第9観点に係る温度分布データ生成システムでは、エネルギーの無駄が可視化され、温度分布データ生成システムのユーザ等が、温度分布状況に関し改善が必要な領域が存在することを容易に認識可能である。
本発明の第10観点に係る温度分布データ生成システムでは、対象空間の温度分布状況を容易に改善することができる。
本発明の第11観点に係る温度分布データ生成システムでは、人間分布データ及び温度分布データに基づいて、人間の位置及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画が生成されるため、対象空間で温熱環境に関する苦情が発生した場合に、その原因解明のための環境計測やヒアリング等が不要で、調査に必要な費用を抑制できる。
本発明の第12観点に係る温度分布データ生成システムでは、人間分布データを用いて、評価の対象となる第1空間と利用状況のパターンが類似する類似空間の温度分布に関する情報が、第1空間用の省エネ関連情報として生成される。そのため、生成された省エネ関連情報に基づいて第1空間の相対評価を適切に行うことができる。
本発明の第13観点に係る温度分布データ生成システムでは、温度分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、温度分布データに係る通信異常の影響が抑制される。よって、システムの信頼性が向上する。
本発明の第14観点に係る温度分布データ生成システムでは、温度分布データ又は人間分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、温度分布データ又は人間分布データに係る通信異常の影響が抑制される。また、補間温度分布データとは異なるアルゴリズムに基づいて補間人間分布データが生成される。そのため、データの特性に応じたデータの補間を行うことが可能となる。よって、システムの信頼性が高精度に向上する。
本発明の第15観点に係る温度分布データ生成システムでは、取得部の設置環境等に応じて、異なる抽出部によって生成される温度分布データ又は人間分布データの対象範囲が重複している場合であっても、対象空間における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能となる。よって、システムの信頼性が向上する。
本発明の第16観点に係る温度分布データ生成システムでは、温度分布データ又は人間分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間される。その結果、第2温度分布データ又は第2人間分布データに係る通信異常の影響が抑制される。よって、システムの信頼性がさらに向上する。
本発明の第17観点に係る温度分布データ生成システムでは、状況に応じて、対象空間における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能となる。よって、システムの信頼性がさらに向上する。
本発明の第1実施形態に係る温度分布データ生成システムの概要図である。 図1の温度分布データ生成システムの赤外線センサユニットが配置される対象空間の一例である。図2は、対象空間を上方から見た概略図である。図2では、対象空間内の人間の位置を丸印で描画している。また、図2では、対象空間の天井に取り付けられる赤外線センサユニット及び空調室内機を、二点鎖線で描画している。 図1の温度分布データ生成システムのブロック図である。 図1の温度分布データ生成システムの赤外線センサユニットの動作のフローチャートである。 図1の温度分布データ生成システムの赤外線センサユニットのセンサ部により取得される熱画像データの一例である。 図4のフローチャートにおける時間ピーク排除熱画像データ生成処理について説明するための図である。 図4のフローチャートにおける空間ピーク排除熱画像データ生成処理において、16列×16列(256個)の画素から構成される時間ピーク排除熱画像データを、4列×4列(16個)の画素毎に区分けした区画を示している。 図4のフローチャートにおける空間ピーク排除熱画像データ生成処理について説明するための図である。 図1の温度分布データ生成システムにより熱画像データから抽出される温度分布データ(空間ピーク排除熱画像データ)の一例である。 図1の温度分布データ生成システムにより熱画像データから抽出される人間分布データの一例である。 図1の温度分布データ生成システムのコンピュータの処理部の領域検出部が生成する人数分布図の一例である。 本発明の第2実施形態に係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 図12の温度分布データ生成システムの動画生成処理のフローチャートである。 図12の温度分布データ生成システムにより生成される動画を構成する画像の一例である。 変形例2Dに係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 変形例2Eに係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 変形例2Eに係る温熱環境再現システムの要注意エリア決定部の、要注意エリアの決定処理について説明するための図である。 変形例2Fに係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る温度分布データ生成システムの概要図である。 図19に係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 図19に係る温度分布データ生成システムによる省エネ関連情報生成処理(類似空間の抽出処理も含む)のフローチャートである。 図21のフローチャート中の、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合の算出処理のフローチャートである。 変形例3Cに係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る温度分布データ生成システムの概要図である。 第4実施形態に係る温度分布データ生成システムの赤外線センサユニットが配置される活動空間を、上方から見た場合について模式的に示した図である。 活動空間における重複エリアの例を模式的に示した図である。 活動空間における重複エリアの他の例を模式的に示した図である。 第4実施形態に係る温度分布データ生成システムのブロック図である。 人間分布データの一例を模式的に示した図である。 人間分布データの他の一例を模式的に示した図である。 人間分布データの他の一例を模式的に示した図である。 マスク処理部によるマスク処理の流れの一例を示したフローチャートである。 マスク処理される人間分布データの一例を模式的に示した図である。 マスク処理される温度分布データの一例を模式的に示した図である。 マスク処理される人間分布データの他の一例を模式的に示した図である。 マスク処理される温度分布データの他の一例を模式的に示した図である。 マスク処理後の人間分布データの一例を模式的に示した図である。 マスク処理後の温度分布データの一例を模式的に示した図である。 マスク処理後の人間分布データの他の一例を模式的に示した図である。 マスク処理後の温度分布データの他の一例を模式的に示した図である。 データ補間部によるデータ補間処理の流れの一例を示したフローチャートである。 各サイクルにおいてメインコンピュータが受信するデータの時系列と、データ欠落の一例を模式的に示した図である。 温度分布データの過去データ(3サイクル分)の一例を模式的に示した図である。 温度分布データに異常変動が生じた場合の一例を模式的に示した図である。 人間分布データに異常変動が生じた場合の一例を模式的に示した図である。 人間分布データに異常変動が生じた場合の他の一例を模式的に示した図である。 欠落補間処理によって生成された補間温度分布データの一例を模式的に示した図である。 異常変動補間処理によって生成された補間温度分布データの一例を模式的に示した図である。 人間分布データに異常変動補間処理がなされた場合の一例を模式的に示した図である。
本発明に係る温度分布データ生成システムの実施形態について説明する。なお、下記の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。下記の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る温度分布データ生成システム100について説明する。
(1)全体構成
温度分布データ生成システム100は、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを生成する。また、温度分布データ生成システム100は、生成した温度分布データに基づいて、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する。さらに、温度分布データ生成システム100は、検出した要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する。
対象空間Rは、ここではオフィスとして使用される空間である。ただし、これに限定されるものではなく、対象空間Rは、商業施設、学校、ホテル、住居等として使用される空間であってもよい。
温度分布データ生成システム100は、図1のように、赤外線センサユニット20と、コンピュータ30と、外気温センサ40と、を有する。
赤外線センサユニット20は、対象空間Rに設置されている。コンピュータ30は、対象空間Rとは別の場所、例えば、対象空間Rの存在する建物内の中央管理室に設置されている。赤外線センサユニット20と、コンピュータ30及び外気温センサ40とは、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク10により通信可能に接続されている(図1参照)。通信ネットワーク10は、有線であっても、無線であってもよい。
なお、コンピュータ30は、対象空間Rの存在する建物以外の場所、例えば遠隔地にある管理センターに配置されてもよい。また、コンピュータ30は、対象空間R内に配置されてもよい。また、通信ネットワーク10は、LANである必要はなく、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)でもよい。
赤外線センサユニット20は、対象空間Rの温度分布を測定して、複数の画素から構成される熱画像データを取得する。また、赤外線センサユニット20は、取得した熱画像データから対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。また、赤外線センサユニット20は、取得した熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを抽出する。赤外線センサユニット20は、抽出した温度分布データ及び人間分布データを、通信ネットワーク10を介してコンピュータ30に送信する。
外気温センサ40は、対象空間Rの存在する建物周辺の外気温を検出する温度センサである。外気温センサ40が検出した外気温は、通信ネットワーク10を介してコンピュータ30に送信される。
コンピュータ30は、赤外線センサユニット20が生成した温度分布データ及び人間分布データを受信し、後述する記憶部34に記憶する。また、コンピュータ30は、外気温センサ40が検出する外気温を受け付け、記憶部34に記憶する。コンピュータ30の後述する処理部35は、赤外線センサユニット20から受け付けた温度分布データ及び人間分布データと、外気温センサ40から受け付けた外気温と、に基づいて、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する。また、コンピュータ30の処理部35は、検出した要改善領域に対し、温度分布状況の改善提案を生成する。検出された要改善領域の位置に関する情報、及び、要改善領域に対する温度分布状況の改善提案は、コンピュータ30の後述する出力部33に提示される。
図2は、対象空間Rの一例である。図2は、対象空間Rを上方から見た概略図である。対象空間Rは、平面視において、5m×5mの正方形の部屋である。図2では、対象空間Rの天井に取り付けられる赤外線センサユニット20及び空調室内機90を、二点鎖線で描画している。
赤外線センサユニット20は、対象空間Rの天井の中央付近に取り付けられている(図2参照)。また、対象空間Rの天井の中央付近には、天井カセット型の空調室内機90が設置されている(図2参照)。空調室内機90は、図示しない空調室外機と冷媒配管により接続され、空調室外機と共に空調装置として機能する。空調室内機90は、四方に吹出口(図示せず)を有し、空気調和された空気を四方に吹き出し可能である。空調室内機90の各吹出口には風向を調整するためのフラップ(図示せず)が設けられている。各フラップは、他のフラップと独立して制御可能に構成されている。また、対象空間Rには、図示しない換気ダクトが設けられている。換気ダクトには図示しない換気ファンが設けられている。対象空間Rは、換気ファンが動作させられることで、換気ダクトにより換気可能に構成されている。オフィスとして用いられる対象空間Rでは、通常、複数の人間が働く。図2では、人間を丸印で描画している。対象空間Rには、図2における下方側に窓Wが配置されている。また、対象空間Rには、図2における右方側上方に扉Dが配置されている。
なお、図2は対象空間Rの平面図の一例であり、対象空間Rの広さや形状、対象空間Rに設置される機器の種類、台数や配置等は例示であり、これに限定されるものではない。赤外線センサユニット20の配置や台数も例示であり、これに限定されるものではない。赤外線センサユニット20は、対象空間R全体について温度分布データ及び人間分布データが得られるように、必要な台数が、適切な位置に配置されればよい。
(2)詳細構成
以下に、赤外線センサユニット20と、コンピュータ30と、について説明する。
(2−1)赤外線センサユニット
赤外線センサユニット20は、対象空間Rの温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを取得する。また、赤外線センサユニット20は、取得した熱画像データから対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データと、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データと、を抽出する。赤外線センサユニット20は、対象空間Rの天井の中央部に設置されている(図2参照)。
赤外線センサユニット20は、センサ部21と、ユニット処理装置22とを主に有する(図3参照)。
(2−1−1)センサ部
センサ部21は、取得部の一例である。センサ部21は、対象空間Rの温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを複数の時点において取得する。具体的には、センサ部21は、対象空間Rの温度分布を測定して、256画素から構成される熱画像データを、3秒毎に取得する。
センサ部21は、サーモパイル型の赤外線センサアレイを有する。具体的には、センサ部21は、16列×16列(256個)の赤外線の検出素子21a(サーモパイル)を有する(図3参照)。各検出素子21aは、センサ部21の図示しないレンズにより集光された赤外線を検出し、検出した赤外線の量に応じた電圧を出力する。赤外線センサユニット20は、センサ部21の図示しないレンズが下方を向くような姿勢で、天井に取り付けられている。センサ部21は、16列×16列の検出素子21aを用いて、平面視において5m×5mの対象空間Rを縦横にそれぞれ16分割した各領域について、検出した赤外線の量に応じた電圧を取得する。
センサ部21は、検出素子21aの出力するアナログの電圧データを、デジタルの温度データに変換する変換部21bを有する(図3参照)。変換部21bは、主に、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリと、を有する。変換部21bでは、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することで、各検出素子21aから出力される電圧を温度に変換する処理を行う。変換には、メモリに記憶されている変換情報、例えば、電圧を温度に変換するための変換式や、電圧と温度とを関係付けた変換テーブル等が用いられる。変換部21bが256個の検出素子21aから出力される電圧の値を温度に変換することで、センサ部21は、16列×16列の画素から構成される(256画素から構成される)熱画像データを取得する。熱画像データの各画素は、温度の値を情報として有する。
(2−1−2)ユニット処理装置
ユニット処理装置22は、センサ部21の取得した熱画像データから、温度分布データ及び人間分布データを抽出する装置である。言い換えれば、ユニット処理装置22は、センサ部21の取得した熱画像データから、温度分布データ及び人間分布データを生成する装置である。熱画像データから抽出された温度分布データ及び人間分布データは、コンピュータ30に送信される。
ユニット処理装置22は、主に、CPUと、ROMやRAM等のメモリと、を有する。ユニット処理装置22では、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することで、各種処理を実行する。ユニット処理装置22は、センサ部21と同一の筐体(図示せず)内に収容されている。
ユニット処理装置22は、機能部として、ユニット通信部23と、ユニット記憶部24と、ユニット処理部25と、を主に有する(図3参照)。
(2−1−2−1)ユニット通信部
ユニット通信部23は、ユニット処理装置22と通信ネットワーク10との接続を可能にする。ユニット処理装置22は、ユニット通信部23を介して、コンピュータ30と通信を行う。
(2−1−2−2)ユニット記憶部
ユニット記憶部24には、ユニット処理部25が実行するためのプログラムが記憶されている。また、ユニット記憶部24には、後述するユニット処理部25が温度分布データや人間分布データを生成するために用いる、センサ部21により取得された熱画像データが記憶される。
(2−1−2−3)ユニット処理部
ユニット処理部25は、ユニット記憶部24に記憶されているプログラムを実行することで、赤外線センサユニット20の各部を制御する。
また、ユニット処理部25は、抽出部の一例であり、ユニット記憶部24に記憶されているプログラムを実行することで、センサ部21により取得された熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。言い換えれば、ユニット処理部25は、センサ部21により取得された熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いた、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを生成する。
また、ユニット処理部25は、ユニット記憶部24に記憶されているプログラムを実行することで、センサ部21により取得された熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを抽出する。言い換えれば、ユニット処理部25は、センサ部21により取得された熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを生成する。
ユニット処理部25は、温度分布データ及び人間分布データの抽出に関連するサブ機能部として、温度分布データ抽出部25aと、人間分布データ抽出部25bと、を主に有する(図3参照)。
(2−1−2−3−1)温度分布データ抽出部
温度分布データ抽出部25aは、ユニット記憶部24に記憶されている熱画像データから、温度分布データを抽出する処理を主に実行する。温度分布データ抽出部25aは、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。
なお、ここでは、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素には、時間的な温度ピークを示す画素と、空間的な温度ピークを示す画素と、の両方を含む。
時間的な温度ピークを示す画素とは、複数の時点において取得された複数の熱画像データについて、対象空間Rの同じ位置(領域)を表す画素の温度の値を経時的に観察した場合に、一時的に温度が上昇している画素を意味する。
空間的な温度ピークを示す画素とは、1の熱画像データにおいて、温度の値が周辺の画素に比べ局所的に上昇している画素を意味する。
温度分布データ抽出部25aが実行する、熱画像データからの温度分布データの抽出処理については後述する。
(2−1−2−3−2)人間分布データ抽出部
人間分布データ抽出部25bは、ユニット記憶部24に記憶されている熱画像データからの、人間分布データの抽出処理を主に実行する。
人間分布データ抽出部25bは、人間の温度が、対象空間R内の空気の温度よりも相対的に高く現れる事を利用して、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを抽出する。例えば、具体的には、特許文献1(特開平6−160507号公報)に記載の方法を利用することで、熱画像データから人間の位置を把握し、人間分布データを抽出する(人間分布データを生成する)ことができる。ただし、熱画像データから人間分布データを抽出する方法は、特許文献1(特開平6−160507号公報)に記載の方法に限定されるものではなく、他の方法が用いられてもよい。
(2−2)コンピュータ
コンピュータ30は、赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データを受信し、後述する記憶部34に記憶する。また、コンピュータ30の後述する処理部35は、記憶部34に記憶された温度分布データ及び人間分布データを用いて、対象空間Rの温度分布状況に関し改善提案を提示する。
コンピュータ30は、主に、CPU、ROMやRAM等のメモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の補助記憶装置、及び入出力デバイスを有する。
コンピュータ30は、機能部として、通信部31、入力部32、出力部33、記憶部34、及び処理部35を主に有する(図3参照)。
(2−2−1)通信部
通信部31は、コンピュータ30と通信ネットワーク10との接続を可能にする。コンピュータ30は、通信部31を介して、赤外線センサユニット20及び外気温センサ40と通信を行う。
(2−2−2)入力部
入力部32は、主としてキーボード、マウス等を有する。入力部32は、温度分布データ生成システム100のユーザから、各種指令や各種情報を受け付ける。
(2−2−3)出力部
出力部33は、主としてディスプレイを有する。出力部33には、例えば、記憶部34に記憶されている温度分布データや人間分布データが表示される。また、例えば、出力部33には、後述する処理部35により検出された、温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域の位置情報や、処理部35により生成された、要改善領域に対する、温度分布状況に関しての改善提案等が表示される。
(2−2−4)記憶部
記憶部34は、ROM及びRAM等のメモリや、HDD等の補助記憶装置から構成されている。コンピュータ30は、前述のように通信ネットワーク10を介して赤外線センサユニット20と接続されている。言い換えれば、コンピュータ30の記憶部34は、抽出部の一例である赤外線センサユニット20のユニット処理部25と、通信可能に接続されている。
記憶部34には、処理部35が実行するためのプログラムが記憶されている。
また、記憶部34には、各種情報が記憶されている。記憶部34は、情報を記憶する領域として、温度分布データ記憶領域34aと、人間分布データ記憶領域34bと、外気温記憶領域34cと、空間情報記憶領域34dと、改善策記憶領域34eと、を有する。
(2−2−4−1)温度分布データ記憶領域
温度分布データ記憶領域34aには、赤外線センサユニット20から定期的に(ここでは1分毎に)送信されてくる温度分布データが、時系列の情報として記憶される。
(2−2−4−2)人間分布データ記憶領域
人間分布データ記憶領域34bには、赤外線センサユニット20から定期的に(ここでは1分毎に)送信されてくる人間分布データが、時系列の情報として記憶される。
(2−2−4−3)外気温記憶領域
外気温記憶領域34cには、外気温センサ40から定期的に(ここでは1分毎に)送信されてくる外気温が、時系列の情報として記憶される。
(2−2−4−4)空間情報記憶領域
空間情報記憶領域34dには、対象空間Rに関する各種情報が記憶されている。
空間情報記憶領域34dには、例えば温度分布データ生成システム100の導入時に、入力部32を介して入力された対象空間Rに関する各種情報が記憶される。
空間情報記憶領域34dに記憶される対象空間Rに関する各種情報には、例えば、対象空間Rの仕様に関する情報が含まれる。対象空間Rの仕様に関する情報には、対象空間Rが存在する建物の所在地、建設年、建物構造等に関する情報や、対象空間Rの面積や用途等の情報を含む。また、対象空間Rの仕様に関する情報には、対象空間Rの平面図も含まれる。また、対象空間Rに関する各種情報には、対象空間R内の、窓Wや扉Dの位置や、仕様に関する情報が含まれる。
また、空間情報記憶領域34dに記憶される対象空間Rに関する各種情報には、例えば、対象空間Rで使用される機器の仕様に関する情報が含まれる。なお、ここでは、対象空間Rで使用される機器は、対象空間Rのために用いられる機器を意味し、必ずしも対象空間R内に設置されている機器である必要はない。対象空間Rで使用される機器には、例えば、対象空間Rの暖房及び冷房を行う空調装置や、対象空間Rの換気を行う換気装置を含む。対象空間Rで使用される機器の仕様には、例えば、空調装置や換気装置の容量(能力)、型式等の情報を含む。
また、空間情報記憶領域34dに記憶される対象空間Rに関する各種情報には、例えば、対象空間Rの定員(対象空間Rにいることが想定される人数)に関する情報が含まれる。
なお、ここで示した対象空間Rに関する情報は例示であって、これに限定されるものではない。例えば、空間情報記憶領域34dには、上記以外の情報が記憶されていてもよく、上記の情報の一部が記憶されていなくてもよい。
(2−2−4−5)改善策記憶領域
改善策記憶領域34eには、後述する改善提案生成部35bが、対象空間Rの温度分布状況に関し改善提案を生成するための情報が記憶されている。例えば、改善策記憶領域34eには、対象空間R内のエリア別に、改善提案を生成するための情報が記憶されている。例えば、改善策記憶領域34eには、対象空間Rの窓Wに隣接するエリアに対して改善提案を生成するための情報や、対象空間Rに設置された空調室内機90の近傍のエリアに対して改善提案を生成するための情報等が記憶されている。
改善策記憶領域34eには、改善提案を生成するための情報が予め記憶されている。ただし、これに限定されるものではなく、改善策記憶領域34eに記憶される情報は、例えば入力部32を介して、更新可能に構成されていてもよい。
(2−2−5)処理部
処理部35は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理を実行する。
例えば、処理部35は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することで、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域(改善が必要な可能性のある領域を含む)を検出する。また、処理部35は、検出した要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する。
具体的には、処理部35は、温度分布データ記憶領域34aに記憶されている温度分布データと、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている人間分布データと、外気温記憶領域34cに記憶されている外気温とを適宜用いて、対象空間Rにおいて、温度分布状況に関して改善が必要な要改善領域(改善が必要な可能性がある領域を含む)を検出する。また、処理部35は、対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な要改善領域(対象空間Rの一部又は全部)に対して、温度分布状況に関する改善提案を生成する。
なお、処理部35により検出された要改善領域の位置に関する情報や、要改善領域に対する温度分布状況に関しての改善提案は、出力部33を介して提示される。
処理部35は、サブ機能部として、領域検出部35aと、改善提案生成部35bと、を有する。
(2−2−5−1)領域検出部
領域検出部35aは、対象空間Rにおいて、温度分布状況に関して改善が必要な要改善領域(温度分布状況に関して改善が必要な可能性がある領域を含む)を検出する。
例えば、領域検出部35aは、温度分布データ記憶領域34aに記憶されている温度分布データに基づき、要改善領域として、第1領域の一例としてのピーク領域を検出する。ピーク領域とは、対象空間Rにおいて定常温度がピークを示す領域である。より具体的には、ピーク領域は、対象空間Rにおいて、定常温度が、局所的に、隣接する領域に対して大きく変化する領域である。
また、例えば、領域検出部35aは、温度分布データ記憶領域34aに記憶されている温度分布データと、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている人間分布データと、に基づき、要改善領域として、第2領域の一例としての過剰空調領域を検出する。過剰空調領域とは、対象空間Rにおいて、人間が不在で、かつ、空調が過剰な領域である。
また、例えば、領域検出部35aは、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている人間分布データに基づいて、要改善領域として、過剰換気注意領域を検出する。過剰換気注意領域は、対象空間Rにおいて、換気が過剰となる可能性が高い領域である。
また、例えば、領域検出部35aは、外気温記憶領域34cに記憶されている外気温に基づいて、要改善領域として、空調停止可能領域を検出する。空調停止可能領域は、対象空間Rにおいて、窓Wを開けて自然換気を行うことで、空調装置を停止可能な領域である。なお、空調停止可能領域には、空調装置の運転を完全に停止可能な領域だけではなく、空調室内機90からの調和空気の供給を停止可能な領域(空調室内機90の一部の吹出口を閉じることで、調和空気の供給を停止可能な領域)も含む。
また、例えば、領域検出部35aは、温度分布データ記憶領域34aに記憶されている温度分布データと、外気温記憶領域34cに記憶されている外気温と、に基づいて、要改善領域として、断熱性能不良領域を検出する。断熱性能不良領域は、対象空間Rにおいて、壁や窓W等の断熱性能が不十分と判断される領域である。
領域検出部35aによる各領域の検出処理については後述する。
(2−2−5−2)改善提案生成部
改善提案生成部35bは、領域検出部35aにより検出された対象空間R内の要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する。改善提案生成部35bにより生成された改善提案は、出力部33を介して提示される。改善提案生成部35bによる改善提案の生成処理については後述する。
(3)赤外線センサユニットの動作
赤外線センサユニット20の動作について説明する。
赤外線センサユニット20のセンサ部21は、複数の時点において(ここでは3秒毎に)熱画像データを取得する。赤外線センサユニット20のユニット処理装置22のユニット処理部25は、所定時間毎に(ここでは1分毎に)、複数の熱画像データから、温度分布データを抽出する(温度分布データを生成する)。また、ユニット処理部25は、所定時間毎に(ここでは1分毎に)、熱画像データから、人間分布データを抽出する(人間分布データを生成する)。赤外線センサユニット20は、所定時間毎に(ここでは1分毎に)、ユニット通信部23を介して、コンピュータ30に温度分布データ及び人間分布データを送信する。
なお、コンピュータ30は、コンピュータ30が1分毎に温度分布データを受信すると、記憶部34の温度分布データ記憶領域34a及び人間分布データ記憶領域34bに、これらを記憶する。つまり、記憶部34は、センサ部21が熱画像データを取得する頻度(3秒毎)よりも少ない頻度(1分毎)で、温度分布データを記憶する。
なお、ここで示したセンサ部21の熱画像データの取得頻度や、ユニット処理部25の温度分布データ及び人間分布データの生成頻度や、赤外線センサユニット20の温度分布データ及び人間分布データの送信頻度は、例示であり、これに限定されるものではない。
赤外線センサユニット20の具体的な動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
赤外線センサユニット20の動作の制御では、後述するように、2つの時間カウンタT1、T2が所定時間をカウントしたか否かにより、所定の動作を実行するか否かが判断される。赤外線センサユニット20に電源が投入されると、ステップS0では、0にリセットされている時間カウンタT1、T2のカウントが開始される。
ステップS1では、センサ部21が熱画像データを取得する。センサ部21により取得された熱画像データは、その熱画像データの取得時刻と共に、ユニット処理装置22のユニット記憶部24に記憶される。
図5は、センサ部21により取得される熱画像データの一例である。図5は、図2に示した対象空間R(人間が図2に丸印で描画されている位置にいる対象空間R)の温度分布を測定して取得された熱画像データである。図5は、暖房時に対象空間Rの温度分布を測定することで得られる熱画像データの一例である。
図5は、対象空間Rに対して得られる熱画像データに、温度の異なる画素が存在することを示すための図であり、ここではハッチングの種類により、相対的な温度の分布を描画している。実際には、熱画像データの各画素は、温度の値を情報として有している。図5では、温度が相対的に高い画素を、ドットを付して描画している。ここでは、ドットの密度が高い画素ほど、その画素の温度が比較的高いことを意味している。また、図5では、温度が相対的に低い画素を、斜線を付して描画している。ここでは、斜線の間隔が狭い画素ほど、その画素の温度が比較的低いことを意味している。ドットも斜線も付されていない画素は、相対的に中間的な温度であることを意味している。図5では、人間がいる位置に対応する画素、及び、その画素に隣接する画素に、温度が相対的に高いことを示すドットが付されている。また、対象空間Rに設けられた窓Wの周辺に対応する画素に、温度が相対的に低いことを示す斜線が付されている。
ステップS2では、時間カウンタT2の値が1分であるか否かが判定される。つまり、ステップS2では、0にリセットされた時間カウンタT2がカウントを開始してから、1分が経過したか否かが判定される。ステップS2で、時間カウンタT2の値が1分であると判定されるとステップS5及びステップS6に進む。一方、ステップS2で、時間カウンタT2の値が1分ではない(1分に達していない)と判定されると、ステップS3に進む。
ステップS3では、時間カウンタT1の値が3秒であるか否かが判定される。つまり、ステップS3では、0にリセットされた時間カウンタT1がカウントを開始してから、3秒が経過したか否かが判定される。ステップS3は、時間カウンタT1の値が3秒であると判定されるまで繰り返し実行される。ステップS3で、時間カウンタT1の値が3秒であると判定されると、ステップS4に進む。
ステップS4では、時間カウンタT1の値が0にリセットされ、再度カウントを開始する。その後、ステップS1へと戻る。
ステップS5では、時間カウンタT1及びT2の値が0にリセットされ、再度カウントを開始する。その後、ステップS1へと戻る。
ステップS6では、温度分布データ及び人間分布データの生成処理のため、ユニット記憶部24に記憶されている熱画像データが読み出される。具体的には、ユニット記憶部24に記憶されている熱画像データのうち最も古い情報から順に、1分間分の熱画像データが読み出される。上記のように、センサ部21は3秒毎に熱画像データを取得しているため、ステップS6では、20個の(複数の時点における)熱画像データがユニット記憶部24から読み出される。
なお、ステップS6の処理と、後述するステップS7〜ステップS11の処理とは、ステップS1〜ステップS4の処理と独立して実行される。つまり、ステップS6〜ステップS11の処理が行われている間にも、センサ部21により熱画像データが取得される。
ステップS6の終了後、ステップS7及びステップS9へと進む。ステップS7及びステップS8と、ステップS9と、は並行して実行される。
ステップS7及びステップS8では、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する処理が行われる。
まず、ステップS7では、温度分布データ抽出部25aは、ステップS6でユニット記憶部24から読み出された熱画像データに含まれる時間的な温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。具体的には、ステップS7では、温度分布データ抽出部25aは、時間ピーク排除熱画像データ生成処理を実行する。
温度分布データ抽出部25aが実行する時間ピーク排除熱画像データ生成処理について、具体的に説明する。
温度分布データ抽出部25aは、ユニット記憶部24から読み出された、所定期間に(1分間に)、複数の時点において(3秒毎に)取得された熱画像データの、各画素の値(各画素の温度の値)の時系列的な最小値を、各画素の所定期間における温度を表す値とする時間ピーク排除熱画像データを生成する。
図6を用いて、時間ピーク排除熱画像データの生成処理について具体的に説明する。なお、各熱画像データは、上記のように256画素の画像データであるが、図6では、その内の1つの画素のみに着目している。
温度分布データ抽出部25aは、ステップS6でユニット記憶部24から読み出された、全ての(20個の)熱画像データの、対象空間Rの同じ位置(領域)を示す画素について、温度の値を把握する。例えば、温度分布データ抽出部25aは、図6の上段のように、対象空間Rの同じ位置を示す画素の、20個の温度の値(25.1,25.1,28.1,25.0,・・・25.0)を把握する。そして、温度分布データ抽出部25aは、20個の温度の値の比較を行い、図6の下段のように、最小値(ここでは25.0)を把握する。温度分布データ抽出部25aは、このような処理を256画素全てについて行うことで、各画素の最小値を把握し、その最小値を各画素の温度の値とする1の熱画像データを生成する。このようにして生成される熱画像データを、時間ピーク排除熱画像データと呼ぶ。
対象空間R内を人間が移動した場合、センサ部21により3秒毎に取得される複数の熱画像データの、人間が通った進路上の位置に対応する画素には、温度の値が一時的に高温になる(時間的に温度ピークを示す)画素が含まれる場合がある。ここでは、温度分布データ抽出部25aが、時間ピーク排除熱画像データの生成処理を行うことで、一時的な温度ピークを(例えば、図6であれば、上段の左から3番目に描画された時点で見られる28.1℃という温度の一時的な上昇)を排除できる。そのため、温度分布データ抽出部25aが、時間ピーク排除熱画像データの生成処理を行うことで、人間の影響を取り除いた、より具体的には、特に対象空間R内を移動する人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出することが可能となる。
ステップS7で時間ピーク排除熱画像データが生成された後、ステップS8へと進む。
ステップS8では、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データに含まれる空間的な温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。具体的には、ステップS8では、温度分布データ抽出部25aは、ステップS7で生成された時間ピーク排除熱画像データに含まれる空間的な温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。より具体的には、ステップS8では、温度分布データ抽出部25aは、空間ピーク排除熱画像データ生成処理を実行する。
温度分布データ抽出部25aが実行する空間ピーク排除熱画像データ生成処理について、具体的に説明する。
まず、温度分布データ抽出部25aは、ステップS7で熱画像データを基に生成された時間ピーク排除熱画像データを構成する16列×16列(256個)の画素を、近接する複数の画素からなる区画に区分けする処理を行う。例えば、温度分布データ抽出部25aは、ステップS7で取得された時間ピーク排除熱画像データの16列×16列の画素を、4列×4列の16個の画素を1つの区画として、16個の区画に区分けする。(図7参照)。
次に、温度分布データ抽出部25aは、各区画に含まれる画素の値(温度の値)の最小値を、各区画に含まれる画素の温度を表す値とする、空間ピーク排除熱画像データを生成する。
図8を用いて、空間ピーク排除熱画像データの生成処理について具体的に説明する。なお、時間ピーク排除熱画像データは、温度分布データ抽出部25aにより図7のように16個の区画に区分けされるが、図8では、その内の1つの区画のみに着目している。
温度分布データ抽出部25aは、時間ピーク排除熱画像データの1つの区画に含まれる16個の画素について、温度の値を把握する。例えば、温度分布データ抽出部25aは、図8の上段のように、区画内の16個の画素の温度の値(25.0,25.2,25.0,25.0,25.1,28.1,26.2,・・・)を把握する。そして、温度分布データ抽出部25aは、16個の温度の値の比較を行い、図8の下段のように、最小値(ここでは25.0)をこの区画の温度の値(この区画に含まれる画素の温度の値)として把握する。温度分布データ抽出部25aは、このような処理を全ての区画(16区画)について行う。そして、温度分布データ抽出部25aは、全ての区画の温度を把握することで、4列×4列の区画で構成される、1の空間ピーク排除熱画像データを生成する。この空間ピーク排除熱画像データが、熱画像データから抽出される温度分布データである。
所定時間(ここでは1分間)、対象空間R内のある位置(熱画像データのある画素に対応する位置)に人間が留まっている場合、例えば人間が椅子に座って作業をしている場合を考える。この場合、時間ピーク排除熱画像データには、人間の位置に対応する画素に(場合によっては、更にその画素に近接する画素に)、周辺の画素に比べ局所的に温度の値が大きな(空間的な温度ピークを示す)画素が現れる。ここでは、温度分布データ抽出部25aが、空間ピーク排除熱画像データの生成処理を行うことで、空間的な温度ピーク(例えば、図8の上段の例であれば、中央部左上側の28.1℃という周辺の温度に対して局所的に大きな値)を排除できる。そのため、温度分布データ抽出部25aが、空間ピーク排除熱画像データの生成処理を行うことで、人間の影響を取り除いた、より具体的には、特に対象空間R内の同じ位置で所定時間(ここでは1分間)静止している人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出できる。
図9は、温度分布データ抽出部25aにより生成される空間ピーク排除熱画像データ(温度分布データ抽出部25aにより抽出された温度分布データ)の一例である。なお、温度分布データでは、各区画が温度の値を情報として有している。図9では、対象空間Rの窓Wに隣接する位置に、相対的に温度が低い区画が存在する。温度分布データからは、人間の影響が取り除かれているため、温度分布データには、人間の存在を表す相対的に温度が高い区画は存在しない(図9参照)。
ステップS9では、人間分布データ抽出部25bが、ステップS6でユニット記憶部24から読み出された20個の熱画像データのそれぞれについて、人間分布データの抽出処理を実行する。具体的には、人間分布データ抽出部25bは、人間の温度が、対象空間Rの空気の温度よりも相対的に高く現れる事を利用して、各熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の位置を特定し、人間の分布を示す人間分布データを抽出する。その結果、人間分布データ抽出部25bは、20個の(3秒毎の)人間分布データを生成する。
図10は、人間分布データ抽出部25bにより生成される人間分布データの一例である。図10は、図2に示した対象空間Rの(人間が図2に丸印で描画されている位置にいる場合の)、人間分布データを表している。斜線を示した画素が人間の存在を示す画素である。なお、人間分布データには、温度の情報は含まれていない。
ステップS10では、ユニット処理部25は、ユニット通信部23を介して、ステップS8で抽出された空間ピーク排除熱画像データを、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データとしてコンピュータ30に送信する。なお、コンピュータ30に対して送信される温度分布データは、その温度分布データの取得時刻と関連付けられた情報である。言い換えれば、コンピュータ30に対して送信される温度分布データは、その温度分布データの取得時刻の情報を含むデータである。なお、温度分布データの取得時刻は、例えば、その温度分布データを抽出するために用いられた複数の熱画像データの中で、最先に取得された熱画像データの取得時刻と定められる。コンピュータ30は、コンピュータ30が受信した温度分布データを、時系列の温度分布データとして、記憶部34の温度分布データ記憶領域34aに記憶する。
また、ステップS10では、ユニット処理部25は、ユニット通信部23を介して、ステップS9で抽出された複数の(20個の)人間分布データを、コンピュータ30に送信する。なお、コンピュータ30に対して送信される各人間分布データは、その人間分布データの取得時刻と関連付けられた情報である。言い換えれば、コンピュータ30に対して送信される人間分布データは、その人間分布データの取得時刻に関する情報を含むデータである。なお、人間分布データの取得時刻は、例えば、各人間分布データを抽出するために用いられた熱画像データの取得時刻と定められる。コンピュータ30は、コンピュータ30が受信した複数の人間分布データを、時系列の人間分布データとして、記憶部34の人間分布データ記憶領域34bに記憶する。
なお、ユニット処理装置22から送信され、記憶部34に記憶される温度分布データ及び人間分布データは、データ圧縮されている。データ圧縮されることで、ユニット処理装置22からコンピュータ30へのデータの送信時間が短縮される。また、データが記憶される記憶部34の記憶容量も抑制することができる。
その後、ステップS11では、温度分布データ及び人間分布データの抽出処理が終了した熱画像データが、ユニット記憶部24から消去される。
ステップS6〜ステップS11の処理は、再び時間カウンタT2が1分になったとステップS2で判定された時に実行される。
なお、ここで説明した赤外線センサユニット20の動作は、赤外線センサユニット20の動作の一例であって、これに限定されるものではない。
例えば、ここでは、ステップS7及びステップS8と、ステップS9と、は並行して実行されるが、これに限定されるものではなく、ステップS7及びステップS8の実行後にステップS9が実行されてもよい。
また、例えば、ステップS9は、1分経過後に実行される必要はなく、センサ部21が熱画像データを取得するたびに人間分布データが生成されてもよい。さらに、この場合には、人間分布データは、ステップS10でまとめてコンピュータ30に送信される代わりに、人間分布データが生成されるたびにコンピュータ30に送信されるように構成されてもよい。
また、例えば、ユニット記憶部24の熱画像データは、ステップS11で消去されなくてもよく、ユニット記憶部24に記憶される熱画像データの量が、ユニット記憶部24の記憶容量を超過する場合に、最先の熱画像データから順に消去されるように構成されてもよい。
(4)コンピュータによる処理
コンピュータ30が実行する、対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な要改善領域の検出処理、及び、検出された要改善領域に対しての、温度分布状況に関する改善提案の生成処理について説明する。
(4−1)要改善領域の検出処理
コンピュータ30の領域検出部35aによる、対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な要改善領域の検出処理について説明する。なお、要改善領域には、温度分布状況に関して改善が必要な可能性がある領域を含む。
領域検出部35aは、ピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、空調停止可能領域、及び断熱性能不良領域を、要改善領域として検出する処理を行う。
領域検出部35aは、例えば、比較的高い頻度で(例えば、1分毎に)、ピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、及び空調停止可能領域の検出処理を繰り返し実行する。また、領域検出部35aは、例えば、比較的低い頻度で(例えば、1日1回)、断熱性能不良領域の検出処理を繰り返し実行する。ただし、検出処理の実行される頻度は例示であり、これに限定されるものではない。また、領域検出部35aは、定期的に、要改善領域の検出処理を自動で実行するが、これに限定されるものではない。例えば、定期的に検出処理を実行することに代えて、あるいは、定期的に検出処理を実行することに加えて、温度分布データ生成システム100のユーザから入力部32に対して検出処理の実行要求があった時に、検出処理が実行されるように構成されてもよい。
(a)ピーク領域の検出処理
領域検出部35aは、最新の温度分布データ(最後に温度分布データ記憶領域34aに書き込まれた温度分布データ)に基づき、対象空間Rにおいて定常温度がピークを示すピーク領域を検出する。ピーク領域は、第1領域の一例である。
ピーク領域は、定常温度の分布を示す温度分布データ(温度分布データ抽出部25aにより生成される空間ピーク排除熱画像データ)において、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が大きく変化する区画に対応する、対象空間R内の領域を意味する。具体的には、例えば、ピーク領域は、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上異なる区画に対応する、対象空間R内の領域を意味する。
より具体的には、例えば、冷房運転時であれば、ピーク領域は、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上高い区画に対応する、対象空間R内の領域を意味する。また、例えば、暖房運転時であれば、ピーク領域は、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上低い区画に対応する、対象空間R内の領域を意味する。例えば、暖房運転中における温度分布データが、図9のような温度分布データであったとすれば、領域検出部35aは、図9の最下段の左から1番目及び2番目の区画に対応する対象空間R内の領域を、ピーク領域として検出する。
例えば、このようにして検出されたピーク領域では、冷房時であればそこから冷気が逃げている、暖房時であればそこから暖気が逃げている可能性が考えられる。そのため、ピーク領域が把握されることで(ピーク領域の見える化が図られることで)、対象空間R内の温度分布状況に対して悪影響を及ぼす要因を特定することが容易となる。
また、例えば、冷房運転時であれば、ピーク領域は、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上低い区画に対応する、対象空間R内の領域を意味してもよい。また、例えば、暖房運転時であれば、ピーク領域は、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上高い区画に対応する、対象空間R内の領域を意味してもよい。
例えば、このようにして検出されたピーク領域では、冷房時であればそこに冷気が滞留している、暖房時であればそこに暖気が滞留している可能性が考えられる。そのため、ピーク領域が把握されることで(ピーク領域の見える化が図られることで)、対象空間R内の温度分布状況に対して悪影響を及ぼす要因を特定することが容易となる。
なお、領域検出部35aは、冷房運転時に、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上高い区画に対応する領域及び温度が0.5℃以上低い区画に対応する領域の両方を、ピーク領域としてもよい。例えば、領域検出部35aは、冷房運転時に、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し温度が0.5℃以上高く、かつ、温度が空調室内機90の設定温度より高い領域と、隣接するいずれかの区画の温度に対し温度が0.5℃以上低く、かつ、温度が空調室内機90の設定温度より低い領域と、を検出してもよい。
また、領域検出部35aは、暖房運転時に、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し、温度が0.5℃以上低い区画に対応する領域及び温度が0.5℃以上高い区画に対応する領域の両方を、ピーク領域としてもよい。例えば、領域検出部35aは、暖房運転時に、温度分布データにおいて、隣接するいずれかの区画の温度に対し温度が0.5℃以上低く、かつ、温度が空調室内機90の設定温度より低い領域と、隣接するいずれかの区画の温度に対し温度が0.5℃以上高く、かつ、温度が空調室内機90の設定温度より高い領域と、を検出してもよい。
領域検出部35aによりピーク領域が検出されると、検出されたたピーク領域の位置情報が出力部33に表示される。出力部33には、例えば、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rの平面図と、ピーク領域とを重ねて描画した画像が表示される。なお、ピーク領域を描画する方法としては、平面図のピーク領域に対応する部分を枠線で囲む、平面図のピーク領域に対応する部分を着色する、等の種々の方法を適用できる。ただし、出力部33へのピーク領域の位置情報の表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、「対象空間Rの北東側」等、文字によりピーク領域の位置情報を表示してもよい。
なお、出力部33には、ピーク領域の位置情報に加え、後述する改善提案生成部35bにより生成される、ピーク領域に対する改善提案が同時に表示される。ピーク領域に対する改善提案の内容については後述する。
(b)過剰空調領域の検出処理
領域検出部35aは、最新の温度分布データ(最後に温度分布データ記憶領域34aに書き込まれた温度分布データ)と、直近1分間分の人間分布データ(最後に人間分布データ記憶領域34bに書き込まれた温度分布データ)と、に基づき、過剰空調領域を検出する。過剰空調領域は、第2領域の一例である。過剰空調領域は、人間が不在であり、かつ、空調が過剰な領域である。
領域検出部35aによる過剰空調領域の検出処理について具体的に説明する。
まず、領域検出部35aは、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている直近1分間の複数の(ここでは20個の)人間分布データに基づいて、以下のようにして人数分布図を生成する。人数分布図は、直近1分間に、対象空間R内の、どの位置に、どの程度の頻度で人間がいたかを把握可能な図である。
人数分布図を生成するため、領域検出部35aは、初めに、図10のように16列×16列の画素(256画素)から構成される人間分布データを、近接する複数の画素からなる区画に区分けする処理を行う。例えば、領域検出部35aは、人間分布データを、4列×4列の画素を1つの区画として、16個の区画に区分けする。
次に、領域検出部35aは、16個の区画にグループ分けされた人間分布データに対し、各区画内に存在する人間の人数を把握する処理を行う。例えば、区画内に人間が検出されている画素が1つあれば、その区画内に存在する人間の人数を1人と把握し、区画内に人間が検出されている画素が2つあれば、その区画内に存在する人間の人数を2人と把握し、区画内に人間が検出されている画素がなければ、その区画内に存在する人間の人数を0人と把握する。領域検出部35aは、直近1分間の全ての人間分布データ(20個の人間分布データ)に対して区画への区分けと、各区画内の人数の把握を行う。
次に、領域検出部35aは、直近1分間の全ての人間分布データに対して行われた、各区画内の人数の算出結果を、区画毎に積算する。つまり、領域検出部35aは、直近1分間の複数の人間分布データを用いて、区画毎に、その区画に存在した延べ人数を算出する。
そして、領域検出部35aは、この積算人数(延べ人数)を基に人数分布図を生成する。図11は、人数分布図の一例である。図11の人数分布図では、数字ではなく、ハッチングにより各区画に人間が存在した頻度を表現している。図11において、斜線でハッチングされた区画は、過去1分間に人間がいた区画を表す。そして、区画に付されたハッチングの斜線の密度が高いほど、過去1分間にその区画にいた積算人数(延べ人数)が多いこと、つまり、その区画に人間が存在した頻度が高いことを表す。図11において、ハッチングが付されていない区画は、過去1分間に人間がいなかったことを表す。
人数分布図の生成後、領域検出部35aは、生成した4列×4列の区画からなる人数分布図と、4列×4列の区画からなる最新の温度分布データと、を重ね合わせる処理を行う。そして、領域検出部35aは、人数分布図において、過去1分間の積算人数(延べ人数)が0人の区画(つまり、過去1分間に人間が不在の区画)で、かつ、温度分布データの温度の値が所定の温度範囲内である区画、に対応する対象空間R内の領域を、過剰空調領域として検出する。なお、温度分布データの温度の値が所定の温度範囲内である区画とは、例えば、冷房時であれば27℃以下の温度の区画を、暖房時であれば21℃以上の温度の区画を意味する。
領域検出部35aにより空調過剰領域が検出されると、検出された空調過剰領域の位置情報が出力部33に表示される。出力部33には、例えば、空調過剰領域の位置情報として、人数分布図と温度分布データとを重ね合わせた画像が表示される。また、例えば、出力部33には、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rの平面図と、空調過剰領域とを重ねて描画した画像が、空調過剰領域の位置情報として表示されてもよい。この場合、空調過剰領域を明示するため、空調過剰領域に対応する部分を枠線で囲む、空調過剰領域に対応する部分を着色する、等の種々の処理が適用されてもよい。
ただし、出力部33への空調過剰領域の位置情報の表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、「対象空間Rの北東側」等、文字により空調過剰領域の位置情報を表示してもよい。
なお、出力部33には、空調過剰領域の位置情報に加え、後述する改善提案生成部35bにより生成される、空調過剰領域に対する改善提案が同時に表示される。空調過剰領域に対する改善提案の内容については後述する。
(c)過剰換気注意領域の検出処理
領域検出部35aは、直近1分間分の人間分布データ(最後に人間分布データ記憶領域34bに書き込まれた人間分布データ)に基づき、過剰換気注意領域を検出する。
過剰換気注意領域は、対象空間Rにおいて、換気が過剰となる可能性の高い領域である。具体的には、過剰換気注意領域は、その領域にいることが期待される人間の数(例えば、その領域の定員)に対して、実際にその領域にいる人間の人数が所定割合より低い領域を意味する。過剰換気注意領域では、その領域にいることが期待される人間の数に合わせた換気量で換気を行った場合、不必要に換気が行われることとなる。
領域検出部35aによる過剰換気注意領域の具体的な検出処理について説明する。
領域検出部35aは、まず、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている直近1分間の複数の(ここでは20個の)人間分布データに基づいて、人数分布図を生成する。人数分布図の生成処理については、(b)空調過剰領域の検出処理の中で示したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
次に、領域検出部35aは、所定値に対する、人数分布図の各区画の積算人数(延べ人数)の割合を算出する。所定値は、例えば、その区画にいることが想定されている人数(例えば、空間情報記憶領域34dに記憶されている対象空間Rの定員を、人数分布図の区画数で除した値)に、1分間に取得される人間分布データの数(ここでは20)を乗じた数である。
領域検出部35aは、例えば、ある区画に対して算出される、所定値に対する積算人数の割合が、50%を下回る場合に、この区画に対応する対象空間Rの領域を、換気過剰注意領域として検出する。
領域検出部35aにより過剰換気注意領域が検出されると、検出された過剰換気注意領域の位置情報が出力部33に表示される。出力部33には、例えば、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rの平面図と、過剰換気注意領域とを重ねて描画した画像が、過剰換気注意領域の位置情報として表示される。例えば、出力部33には、対象空間Rの平面図上に、過剰換気注意領域に対応する部分が枠線で囲まれて、あるいは、過剰換気注意領域に対応する部分が着色されて、表示される。ただし、出力部33への過剰換気注意領域の位置情報の表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、「対象空間Rの北東側」等、文字により過剰換気注意領域の位置情報を表示してもよい。
なお、出力部33には、過剰換気注意領域の位置情報に加え、後述する改善提案生成部35bにより生成される、過剰換気注意領域に対する改善提案が同時に表示される。過剰換気注意領域に対する改善提案の内容については後述する。
なお、ここでは、領域検出部35aは、人数分布図の区画毎に過剰換気注意領域であるか否かの判定を行っているが、これに限定されるものではない。領域検出部35aは、対象空間R全体を対象として、対象空間Rが過剰換気注意領域であるか否かの判定を行ってもよい。
(d)空調停止可能領域の検出処理
領域検出部35aは、最新の外気温(最後に外気温記憶領域34cに書き込まれた外気温)に基づいて、空調停止可能領域を検出する。
空調停止可能領域は、対象空間Rにおいて、窓Wを開けて自然換気を行うことで、空調装置を停止可能な領域である。なお、空調停止可能領域には、空調装置の運転を完全に停止可能な領域だけではなく、空調室内機90からの調和空気の供給を停止可能な領域(空調室内機90の一部の吹出口を閉じることで、調和空気の供給を停止可能な領域)も含む。
領域検出部35aによる、空調停止可能領域の検出処理について、具体的に説明する。
領域検出部35aは、まず、最新の外気温が、窓を開けることで省エネが実現できる温度範囲であるか否かを判定する。具体的には、領域検出部35aは、最新の外気温が、15℃〜28℃の範囲内であるかを判定する。領域検出部35aは、最新の外気温が15℃〜28℃の範囲から外れる場合には、窓開けにより省エネが実現できないと判断し、空調停止可能領域の検出処理を終了する。一方、領域検出部35aは、直近の外気温が15℃〜28℃の範囲内である場合には、以下の処理を実行する。
次に、領域検出部35aは、最新の外気温が、所定の設定値以上であるか否かを判定する。例えば、所定の設定値は24℃である。
領域検出部35aは、最新の外気温が所定の設定値未満であると判定する場合、つまり外気温が15℃〜24℃の範囲である場合には、対象空間R全体を空調停止可能領域として検出する。
一方、領域検出部35aは、最新の外気温が所定の設定値以上と判定する場合、つまり外気温が24℃以上28℃未満の範囲である場合には、対象空間Rの窓際だけを空調停止可能領域として検出する。より具体的には、領域検出部35aは、空間情報記憶領域34dに記憶されている対象空間Rの窓Wの位置に関する情報を用いて、空調停止可能領域を検出する。
領域検出部35aにより空調停止可能領域が検出されると、検出された空調停止可能領域の位置情報が出力部33に表示される。出力部33には、例えば、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rの平面図と、空調停止可能領域とを重ねて描画した画像が、空調停止可能領域の位置情報として表示される。例えば、出力部33には、対象空間Rの平面図上に、空調停止可能領域に対応する部分が枠線で囲まれて、あるいは、空調停止可能領域に対応する部分が着色されて、表示される。ただし、出力部33への過剰換気注意領域の位置情報の表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、「対象空間R全体」等、文字により空調停止可能領域の位置情報を表示してもよい。
なお、出力部33には、空調停止可能領域の位置情報に加え、後述する改善提案生成部35bにより生成される、空調停止可能領域に対する改善提案が同時に表示される。空調停止可能領域に対する改善提案の内容については後述する。
(e)断熱性能不良領域の検出処理
領域検出部35aは、温度分布データ記憶領域34aに記憶された温度分布データと、外気温記憶領域34cに記憶されている外気温と、に基づいて、断熱性能不良領域を検出する。断熱性能不良領域は、対象空間Rにおいて、断熱性能が不十分と判断される領域である。
領域検出部35aによる断熱性能不良領域の検出処理について、具体的に説明する。
まず、断熱性能不良領域の検出処理に用いられる、温度分布データにおける、ある区画(ここでは仮に区画Lと呼ぶ)に対応する、対象空間Rの領域の熱貫流率の算出方法について説明する。領域検出部35aは、ある時刻J1の時点の、温度分布データにおける、ある区画Lの熱貫流率を、時刻J1の温度分布データの区画Lの温度の値と、時刻J1の1時間前の時刻J2の温度分布データの区画Lの温度の値と、時刻J2の外気温と、を用いて、温度分布データの各区画に対応する対象空間Rの領域の熱貫流率を算出する。具体的には、領域検出部35aは、時刻J1の、区画Lに対応する対象空間Rの領域の熱貫流率を、以下の数式1により算出する。なお、数式1中の空気密度は、予め記憶部34に記憶された設定値である。
<<数式1>>時刻J1の温度分布データの区画Lに対応する対象空間Rの領域の熱貫流率=(時刻J1の温度分布データの区画Lの温度の値−時刻J2の温度分布データの区画Lの温度の値)×空気密度/(時刻J2の外気温−時刻J2の温度分布データの区画Lの温度の値)
領域検出部35aは、温度分布データの各区画に対応する対象空間Rの領域に対し、数式1のJ1の値を変化させながら、直近の24時間について熱貫流率を算出する。ただし、領域検出部35aは、計算誤差を低減するため、(時刻J2の外気温−時刻J2の温度分布データの区画Lの温度の値)の計算結果が5℃以下である場合には、熱貫流率を算出しない。領域検出部35aは、算出された最大24時間分の熱貫流率の値を用いて、区画別に、熱貫流率の平均値を算出する。
領域検出部35aは、算出された熱貫流率の平均値の値が所定値(例えば、8.3)以上の温度分布データの区画に対応する対象空間Rの領域を、断熱性能不良領域として検出する。
領域検出部35aにより断熱性能不良領域が検出された場合には、検出された断熱性能不良領域の位置情報が出力部33に表示される。出力部33には、例えば、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rの平面図と、断熱性能不良領域とを重ねて描画した画像が、断熱性能不良領域の位置情報として表示される。例えば、出力部33には、対象空間Rの平面図上に、断熱性能不良領域に対応する部分が枠線で囲まれて、あるいは、断熱性能不良領域に対応する部分が着色されて、表示される。ただし、出力部33への断熱性能不良領域の位置情報の表示方法は、これに限定されるものではない。例えば、「対象空間Rの北東側」等、文字により断熱性能不良領域の位置情報を表示してもよい。
なお、出力部33には、断熱性能不良領域の位置情報に加え、後述する改善提案生成部35bにより生成される、断熱性能不良領域に対する改善提案が同時に表示される。断熱性能不良領域に対する改善提案の内容については後述する。
(4−2)改善提案の生成処理
コンピュータ30の改善提案生成部35bによる、要改善領域に対する温度分布状況に関する改善提案の生成処理について説明する。なお、要改善領域は、上記のように、領域検出部35aにより対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な(必要な可能性がある)領域として検出された領域である。
改善提案生成部35bは、ピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、空調停止可能領域、及び断熱性能不良領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する。改善提案生成部35bは、領域検出部35aによりピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、空調停止可能領域、及び断熱性能不良領域が検出された場合に、各領域に対する改善提案を生成する。
改善提案生成部35bは、領域検出部35aによりピーク領域が検出された場合には、ピーク領域が検出された場所を特定する。そして、改善提案生成部35bは、ピーク領域が検出された場所に応じた内容を、記憶部34の改善策記憶領域34eから読み出すことで、ピーク領域に対する改善提案を生成する。ピーク領域に対して生成される改善提案は、例えば、ピーク領域が対象空間Rの窓Wに隣接する領域である場合には、「窓を閉めて下さい。」、「ブラインドを閉めて下さい。」というような内容である。
改善提案生成部35bは、領域検出部35aにより過剰空調領域が検出された場合には、記憶部34の改善策記憶領域34eから読み出した情報で、過剰空調領域に対する改善提案を生成する。過剰空調領域に対して生成される改善提案は、例えば、「過剰空調領域に対して調和空気が供給されないよう、空調室内機の風向を調整して下さい。」、あるいは、「設定温度を上げて(下げて)下さい。」というような内容である。
改善提案生成部35bは、領域検出部35aにより過剰換気注意領域が検出された場合には、記憶部34の改善策記憶領域34eから読み出した情報で、過剰換気注意領域に対する改善提案を生成する。過剰換気注意領域に対して生成される改善提案は、例えば、「換気装置の運転(換気量)が適切か確認して下さい。」というような内容である。
改善提案生成部35bは、領域検出部35aにより空調停止可能領域が検出された場合には、記憶部34の改善策記憶領域34eから読み出した情報で、空調停止可能領域に対する改善提案を生成する。空調停止可能領域に対して生成される改善提案は、例えば、「窓を開けて下さい。空調装置を停止可能です。」、「窓を開けて下さい。空調停止可能領域に対する調和空気の供給を停止可能です。空調室内機の風向を調整して下さい。」というような内容である。
さらに、改善提案生成部35bは、外気温記憶領域34cに記憶されている最新の外気温を、所定の設定値(例えば20℃)と比較して、窓の開度に関する改善提案を生成する。改善提案生成部35bは、外気温が設定値よりも低い場合には、「窓を半開にしてください。」という改善提案を生成する。改善提案生成部35bは、外気温が設定値以上である場合には、「窓を全開にしてください。」という改善提案を生成する。
改善提案生成部35bは、領域検出部35aにより断熱性能不良領域が検出された場合には、断熱性能不良領域の位置を特定する。そして、改善提案生成部35bは、断熱性能不良領域が検出された場所に応じた内容を、記憶部34の改善策記憶領域34eから読み出すことで、断熱性能不良領域に対する改善提案を生成する。断熱性能不良領域に対して生成される改善提案は、例えば、断熱性能不良領域が対象空間Rの窓に隣接する領域である場合には、「ブラインドを閉めて下さい。」というような内容である。また、例えば、断熱性能不良領域に対して生成される改善提案は、断熱性能不良領域が対象空間Rの壁に隣接する領域である場合には、例えば、「壁の断熱を見なおして下さい。」というような内容である。
そして、処理部35は、改善提案生成部35bが生成した改善提案を、出力部33を介して、温度分布データ生成システム100のユーザに対して提示する。
(5)特徴
(5−1)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100は、取得部の一例としてのセンサ部21と、抽出部の一例としてのユニット処理装置22のユニット処理部25と、を備える。センサ部21は、対象空間Rの温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを複数の時点において取得する。ユニット処理部25は、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。
ここでは、生成される温度分布データが、人間の影響が除去されたものであるため、対象空間Rの定常温度分布を正しく把握することができる。
また、ここでは、生成される温度分布データからは人間の影響が除去されているため、温度分布データでは、元となる熱画像データに比べ、局所的に温度が急激に変化する部分を少なくすることが可能で、効率的にデータを圧縮することができる。そのため、温度分布データを記憶する記憶装置としてのコンピュータ30の記憶部34に必要とされる記憶容量を抑制することができる。また、温度分布データの送受信のためのデータ通信時間や、温度分布データのデータ処理時間を短縮することができる。
(5−2)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100では、ユニット処理部25は、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除く。
ここでは、熱画像データに含まれる温度ピークを示す画素の値を排除することで、熱画像データから人間の影響を取り除いた温度分布データが抽出されるため、対象空間Rの定常温度分布を正しく把握することができる。
(5−3)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100では、ユニット処理部25の温度分布データ抽出部25aは、所定期間(ここでは1分間)に複数の時点において(ここでは3秒毎に)取得された熱画像データの、各画素の値の時系列的な最小値を、各画素の所定期間における温度を表す値とする時間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。
ここでは、人間の移動の影響により熱画像データに現れる、各画素の時間的な温度ピーク(一時的な温度上昇)の値が排除され、所定期間における温度分布データが抽出されるため、対象空間Rの定常温度分布を正しく把握することができる。
また、ここでは、所定期間の複数の時点の熱画像データから時間ピーク排除熱画像データを生成することで、所定期間における温度分布データが抽出されるため、熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶するデータの量を抑制可能である。
(5−4)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100では、ユニット処理部25の温度分布データ抽出部25aは、熱画像データの近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。特に、ここでは、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから抽出された時間ピーク排除熱画像データの、近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。
ここでは、人間の存在の影響により熱画像データ(特にここでは時間ピーク排除熱画像データ)に現れる空間的な温度ピーク(局所的な温度上昇)を示す画素の値が排除され、温度分布データが抽出されるため、対象空間Rの定常温度分布を正しく把握することができる。更に、ここでは、人間が存在する位置だけではなく、人間に近接する位置においても、人間の影響により熱画像データに現れる空間的な温度ピークを示す画素の値が排除されるため、対象空間Rの定常温度分布を正しく把握することが容易である。
また、ここでは、熱画像データから、局所的な温度ピークを示す画素の値が排除されることで温度分布データが抽出されるため、温度分布データには局所的に温度が高い画素が出現しにくい。また、ここでは、1の区画に含まれる画素の温度の値は、全て同一とみなされる。そのため、温度分布データは、熱画像データよりも効率的に圧縮可能で、熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶されるデータ量を抑制できる。
(5−5)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100は、ユニット処理部25によって抽出された温度分布データを記憶する、コンピュータ30の記憶部34を備える。記憶部34は、センサ部21が熱画像データを取得する頻度よりも少ない頻度で、温度分布データを記憶する。
ここでは、記憶部34による温度分布データの記憶頻度が、センサ部21による熱画像データの取得頻度よりも少ないため、取得した熱画像データをそのまま記憶する場合に比べ、記憶部34へのデータの書き込み速度や、通信ネットワーク10の通信速度が遅くてもよい。そのため、温度分布データ生成システム100のコストを低減することができる。
(5−6)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100では、センサ部21及びユニット処理部25は、対象空間Rに設置される。コンピュータ30の記憶部34は、通信ネットワーク10を介して、ユニット処理部25と通信可能に接続されている。
ここでは、記憶部34を対象空間R以外の場所に設置することができる。
(5−7)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100では、ユニット処理部25、より具体的にはユニット処理部25の人間分布データ抽出部25bは、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを抽出する。
ここでは、熱画像データから温度分布データに加えて人間分布データも抽出されるため、熱画像データから温度分布データだけを抽出する場合に比べ、様々な用途に熱画像データを活用できる。
(5−8)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100は、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部35aを備える。領域検出部35aは、温度分布データに基づき、対象空間Rにおいて定常温度がピークを示す第1領域の一例としてピーク領域を、要改善領域として検出する。
ここでは、エネルギーの無駄が可視化され、温度分布データ生成システム100のユーザ等が、温度分布状況に関し問題がある定常温度がピークを示すピーク領域が存在することを容易に認識可能である。
(5−9)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100は、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部35aを備える。領域検出部35aは、温度分布データ及び人間分布データに基づき、対象空間Rにおいて、人間が不在で、かつ、空調が過剰な第2領域の一例としての空調過剰領域を、要改善領域として検出する。
ここでは、エネルギーの無駄が可視化され、温度分布データ生成システム100のユーザ等が、人間が不在なのにも関わらず空調が過剰な空調過剰領域が存在することを容易に認識可能である。
(5−10)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム100は、要改善領域の温度分布状況に関する改善提案を生成する改善提案生成部35bを備える。
ここでは、要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案が生成されるため、温度分布データ生成システム100のユーザ等は、対象空間Rの温度分布状況を容易に改善することができる。
(6)変形例
第1実施形態に係る温度分布データ生成システム100には、矛盾のない範囲で、後述する第2、第3、第4実施形態に係る構成や、第2、第3、又は第4実施形態の変形例に係る構成が適用されてもよい。
以下に第1実施形態の変形例を示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で、他の変形例(第2、第3、又は第4実施形態の構成や、第2、第3、又は第4実施形態の変形例を含む)の一部又は全部と組合せて用いられてもよい。
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、対象空間Rに、赤外線センサユニット20が1台設置されているが、これに限定されるものではない。対象空間Rには、対象空間Rの広さ等に応じ、複数の赤外線センサユニット20が設置されてもよい。コンピュータ30は、複数の赤外線センサユニット20が生成する温度分布データや人間分布データを記憶し、複数の赤外線センサユニット20が生成した温度分布データや人間分布データに基づいて、上記のような処理を実行してもよい。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、赤外線センサユニット20のセンサ部21の変換部21bと、赤外線センサユニット20のユニット処理装置22とは、別々の機器により構成されるが、これに限定されるものではない。例えば、1の機器が、上記の変換部21b及びユニット処理装置22の機能を両方備えてもよい。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、センサ部21は、サーモパイル型の赤外線センサアレイを有し、この赤外線センサアレイは、16列×16列(256個)の赤外線の検出素子21a(サーモパイル)を有するが、これに限定されるものではない。例えば、センサ部21は、サーモパイル型ではなく、焦電型の赤外線アレイを有するものであってもよい。また、赤外線センサアレイの検出素子21aの配列は、16列×16列(256個)以外の配列であってもよい。また、センサ部21は、赤外線センサアレイにより対象空間R全体の熱画像データを一度に取得する代わりに、赤外線センサアレイを走査して、対象空間R全体の熱画像データを数回に分けて取得するように構成されてもよい。
(6−4)変形例1D
上記実施形態では、赤外線センサユニット20が有するユニット処理装置22のユニット処理部25が、温度分布データ及び人間分布データを抽出するが、これに限定されるものではない。例えば、コンピュータ30が、センサ部21が取得した熱画像データを受け付け、コンピュータ30の処理部35が、熱画像データから温度分布データ及び人間分布データを抽出する処理を行ってもよい。
ただし、赤外線センサユニット20からコンピュータ30に熱画像データそのものを送信する場合、温度分布データ及び人間分布データを送信する場合に比べ、通信ネットワーク10を介して送信されるデータ量が大きくなる。また、熱画像データは人間の影響を含んでいるため、データ圧縮の効率が悪い。そのため、赤外線センサユニット20からコンピュータ30に情報を送信するための通信時間が長くなりやすい。そのため、温度分布データ及び人間分布データの抽出は、対象空間Rに、センサ部21と共に配置されているユニット処理装置22が実行することが好ましい。
(6−5)変形例1E
上記実施形態では、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから時間ピーク排除熱画像データを生成した後に、時間ピーク排除熱画像データから空間ピーク排除熱画像データを生成し、空間ピーク排除熱画像を温度分布データとして用いるが、これに限定されるものではない。
例えば、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから時間ピーク排除熱画像データを生成し、これを温度分布データとして用いてもよい。この場合にも、熱画像データから、対象空間Rを移動する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出することができる。
また例えば、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから空間ピーク排除熱画像データを生成し、これを温度分布データとして用いてもよい。言い換えれば、温度分布データ抽出部25aは、時間ピーク排除熱画像データではなく、ユニット記憶部24に記憶されている熱画像データの近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成し、人間分布データの影響を取り除いた温度分布データを抽出してもよい。空間ピーク排除熱画像データの生成処理だけを行う場合にも、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出することができる。
また例えば、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから空間ピーク排除熱画像データを生成した後に、空間ピーク排除熱画像データから時間ピーク排除熱画像データを生成し、生成した時間ピーク排除熱画像データを温度分布データとして用いてもよい。
なお、より正確な対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出するためには、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データに対し、時間ピーク排除熱画像データの生成処理と、空間ピーク排除熱画像データの生成処理と、を両方実行することが好ましい。また、時間ピーク排除熱画像データの生成処理と、空間ピーク排除熱画像データの生成処理と、を両方実行することで、温度分布データの容量を削減し、かつ、データ圧縮を効率化することが容易である。
(6−6)変形例1F
上記実施形態では、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから、対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、対象空間Rに対して、各区画が温度の値を情報として持つ、4列×4列の区画から構成される温度分布データを抽出するが、これに限定されるものではない。例えば、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データから、対象空間Rに対し、温度の値を情報として持つ、8列×8列の区画から構成される温度分布データ、あるいは、2列×2列の区画から構成される温度分布データを抽出するものであってもよい。
ただし、1の区画に対応する対象空間Rの領域の面積を小さくし過ぎると熱画像データから人間の影響を取り除くことが難しくなる。また、1の区画に対応する対象空間Rの領域の面積を大きくし過ぎると、温度分布データから、対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な領域を特定することが難しくなる。そのため、温度分布データを構成する区画の数は、人間の影響を取り除くことが可能で、対象空間R内の温度分布状況に関して改善が必要な領域を特定することが容易な程度に、適切に決定されることが好ましい。
(6−7)変形例1G
上記実施形態では、温度分布データ抽出部25aは、所定期間に複数の時点において取得された熱画像データの全ての画素を対象に、各画素の値の時系列的な最小値を、各画素の所定期間における温度を表す値として時間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。また、温度分布データ抽出部25aは、時間ピーク排除熱画像データに含まれる全ての画素を対象として、時間ピーク排除熱画像データの近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。ただし、これに限定されるものではなく、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データ又は時間ピーク排除熱画像データの一部の画素については、上記のような処理を行わなくてもよい。
例えば、画素の値が、人間の温度を表す値(予め設定される所定値)よりも大きい場合には、この画素については、時間ピーク排除熱画像データの生成処理、及び/又は、空間ピーク排除熱画像データの生成処理の対象としなくてもよい。また、例えば、予め指定された所定の画素(例えば、熱源機器が配置されている場所に対応する画素として、ユニット記憶部24に記憶されている画素)については、時間ピーク排除熱画像データの生成処理、及び/又は、空間ピーク排除熱画像データの生成処理の対象としなくてもよい。これにより、コピー機等の熱源機器の影響は排除すること無く、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出することができる。
(6−8)変形例1H
上記実施形態では、温度分布データ抽出部25aは、所定期間に複数の時点において取得された熱画像データの、各画素の値の時系列的な最小値を、各画素の所定期間における温度を表す値として時間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。また、温度分布データ抽出部25aは、時間ピーク排除熱画像データの近接する複数の画素からなる区画に含まれる画素の値の最小値を、区画に含まれる画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する。
ただし、これに限定されるものではなく、温度分布データ抽出部25aは、他の方法により、熱画像データに含まれる時間的又は空間的な温度ピークを示す画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除して、人間の影響を取り除いてもよい。
例えば、温度分布データ抽出部25aは、複数の時点の熱画像データに対し、ある位置の画素についての時系列的な温度の値の変化を把握し、直前の時点から温度の値が所定値よりも大きく上昇した時点の画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除いてもよい。また、例えば、温度分布データ抽出部25aは、熱画像データの画素について、各画素の、隣接する画素と温度の値の差を把握する処理を行い、隣接するいずれかの画素に対して温度の値が所定値よりも上昇する画素を、人間の影響を示す画素と判断し、人間の影響を示す画素の値を排除することで、人間の影響を取り除いてもよい。
なお、人間の影響を取り除いた温度分布データを抽出する処理を、比較的容易な演算処理で実現できるという観点からは、上記実施形態に記載した方法を使用することがより好ましい。
(6−9)変形例1I
上記実施形態では、コンピュータ30の記憶部34が、情報の記憶領域として、温度分布データ記憶領域34a、人間分布データ記憶領域34b、外気温記憶領域34c、空間情報記憶領域34d、及び改善策記憶領域34eを有するが、これに限定されるものではない。例えば、コンピュータ30の配置される場所とは別の場所に設置された、コンピュータ30が通信ネットワーク10を介して通信可能なデータベースが、温度分布データ記憶領域、人間分布データ記憶領域、外気温記憶領域、空間情報記憶領域、及び改善策記憶領域の一部又は全部を有してもよい。
(6−10)変形例1J
上記実施形態では、出力部33としてのディスプレイに、要改善領域(対象空間R内の、温度分布状況に関して改善が必要な(可能性がある)領域)の位置情報や、要改善領域に対する温度分布状況に関する改善提案が表示されるが、これに限定されるものではない。例えば、コンピュータ30は、温度分布状況に関する改善提案等をスマートフォン等の携帯端末に送信することで、携帯端末を介して改善提案等を提示してもよい。
(6−11)変形例1K
上記実施形態では、処理部35の領域検出部35aは、ピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、空調停止可能領域、及び断熱性能不良領域を検出する。ただし、領域検出部35aは、全ての領域を検出する必要はなく、ピーク領域、過剰空調領域、過剰換気注意領域、空調停止可能領域、及び断熱性能不良領域の一部を検出してもよい。
(6−12)変形例1L
上記実施形態では、処理部35は、検出した要改善領域に対する改善提案を出力部33に提示するが、これに限定されるものではない。例えば、処理部35は、対象空間Rの空調室内機90や換気装置と通信可能に接続され、検出した要改善領域に対する改善提案に相当する内容を実現するための指令を、空調室内機90や換気装置に送信するように構成されてもよい。例えば、改善提案の内容が、空調装置の停止や設定温度の変更である場合には、処理部35は、空調室内機90に対し、運転の停止や、設定温度の変更の指令を送信するように構成されてもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る温度分布データ生成システム200について説明する。
なお、温度分布データ生成システム200は、温度分布データ生成システム100と同様の点も多いため、ここでは、温度分布データ生成システム200と温度分布データ生成システム100との相違点を主に説明する。
(1)全体構成
温度分布データ生成システム200は、対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データと、対象空間R内の人間の分布を示す人間分布データを生成する。また、温度分布データ生成システム200は、生成した温度分布データ及び人間分布データに基づいて、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。
対象空間Rは、第1実施形態で説明したものと同様であるため、ここでは対象空間Rに関する説明は省略する。
温度分布データ生成システム200は、図12のように、赤外線センサユニット20と、コンピュータ230と、を有する。赤外線センサユニット20と、コンピュータ230とは、通信ネットワーク10により通信可能に接続されている(図12参照)。
赤外線センサユニット20及び通信ネットワーク10については、第1実施形態における温度分布データ生成システム100と同様である。
コンピュータ230は、赤外線センサユニット20が生成した温度分布データ及び人間分布データを受信し、後述する記憶部234(図12参照)に記憶する。コンピュータ230の後述する動画生成部235cは、赤外線センサユニット20から受け付けた温度分布データ及び人間分布データに基づいて動画を生成する。
(2)詳細構成
以下に、コンピュータ230について詳細を説明する。
なお、赤外線センサユニット20は、第1実施形態と同様であるので、詳細構成の説明は省略する。また、赤外線センサユニット20の動作も第1実施形態と同様であるので、赤外線センサユニット20の動作の説明は省略する。
(2−1)コンピュータ
コンピュータ230は、赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データを受信し、後述する記憶部234(図12参照)に記憶する。また、コンピュータ230の後述する動画生成部235c(図12参照)は、記憶部234に記憶された温度分布データ及び人間分布データを用いて、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。また、コンピュータ230は、生成した動画を、後述する出力部33(図12参照)に提示する。
コンピュータ230は、主に、CPU、ROMやRAM等のメモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の補助記憶装置、及び入出力デバイスを有する。
コンピュータ230は、機能部として、通信部31、入力部32、出力部33、記憶部234、及び処理部235を主に有する(図12参照)。通信部31は、第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(2−1−1)入力部
入力部32は、主としてキーボード、マウス等を有する。入力部32は、温度分布データ生成システム200のユーザから、各種指令や各種情報を受け付ける。
入力部32は、後述する処理部235の動画生成部235cに対する動画生成要求を、動画の作成対象期間(以後、特定期間と呼ぶ)の指定と共に受け付ける。なお、特定期間は、動画生成要求の受付時より過去の期間であって、記憶部234の後述する温度分布データ記憶領域34a及び人間分布データ記憶領域34bに、それぞれ温度分布データ及び人間分布データが記憶されている範囲内の期間である。例えば、特定期間は、対象空間Rの使用者から、温熱環境に関する苦情の発生した時刻を含む期間である。例えば、特定期間は、温熱環境に関する苦情の発生した時刻の前後30分を含む期間である。
(2−1−2)出力部
出力部33は、主としてディスプレイを有する。出力部33には、例えば、後述する動画生成部235cにより生成された、特定期間における、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画が提示される。
(2−1−3)記憶部
記憶部234は、第1実施形態に係る記憶部34と機器構成は同様である。
記憶部234には、処理部235が実行するためのプログラムが記憶されている。
また、記憶部234には、各種情報が記憶されている。記憶部234は、情報を記憶する領域として、温度分布データ記憶領域34aと、人間分布データ記憶領域34bと、空間情報記憶領域34dと、動画生成用画像記憶領域234fと、を有する。温度分布データ記憶領域34a、人間分布データ記憶領域34b、及び空間情報記憶領域34dは、第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(2−1−3−1)動画生成用画像記憶領域
動画生成用画像記憶領域234fには、後述する動画生成部235cにより生成された、特定期間の動画(特定期間の動画を構成する、時系列の複数の画像)が記憶される。出力部33は、動画生成用画像記憶領域234fに記憶されている画像を、時間順に次々と表示することで、特定期間の動画を提示する。
(2−1−4)処理部
処理部235は、記憶部234に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理を実行する。
処理部235は、動画生成に関するサブ機能部として、動画生成部235cを有する。動画生成部235cは、入力部32が、特定期間の指定と共に、動画生成要求の入力を受け付けると、特定期間における、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。
具体的には、動画生成部235cは、温度分布データ記憶領域34a及び人間分布データ記憶領域34bにそれぞれ記憶されている、特定期間における温度分布データ及び人間分布データに基づいて、特定期間における、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。
(3)コンピュータによる動画生成処理
コンピュータ230の動画生成部235cによる動画生成処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。動画生成処理は、入力部32から、動画の作成対象期間である特定期間と共に、動画生成要求が入力された場合に実行される。
まず、ステップS21では、動画生成部235cは、記憶部234の温度分布データ記憶領域34a及び人間分布データ記憶領域34bから、特定期間の、時系列の温度分布データ及び時系列の人間分布データを読み出す。ここでは、温度分布データは1分毎のデータであり、人間分布データは3秒毎のデータである。
次にステップS22では、動画生成部235cは、ステップS21で読み出した温度分布データと人間分布データとを重ねあわせた画像を生成する処理を行う。つまり、動画生成部235cは、ステップS21で読み出した温度分布データの上に、人間分布データを重ねて表示した画像を生成する処理を行う。具体的には、動画生成部235cは、取得時刻が同一の、温度分布データと人間分布データとを重ねあわせた画像を生成する処理を繰り返し行う。なお、上記のように、温度分布データが1分毎に1個生成されるのに対し、人間分布データは1分毎に20個生成される。そのため、ここでは、取得時刻が分単位まで一致する温度分布データと人間分布データとを重ねあわせた画像を生成する処理が、繰り返し行われる。そのため、ここでは、温度分布は同一で、人間の位置だけが異なる画像が、20個ずつ生成される。
次に、ステップS23では、動画生成部235cは、ステップS23で得られた画像に、空間情報記憶領域34dに記憶された、対象空間Rの平面図と、対象空間R内の熱源の位置と、を更に重ねあわせる処理を行う。なお、ここでの熱源とは、対象空間Rの温度分布に影響を与える温熱源及び冷熱源である。具体的には、ここでの熱源は、温風や冷風を吹き出す空調室内機90と、対象空間Rと対象空間Rの外部の空間との間で熱の出入りが発生しやすい窓W及び扉Dである。
次に、ステップS24では、ステップS23で生成された画像(温度分布データと、人間分布データと、対象空間Rの平面図と、対象空間R内の熱源位置とが重ね合わされた画像)が、記憶部234の動画生成用画像記憶領域234fに、時系列のデータとして書き込まれる。動画生成用画像記憶領域234fに記憶される一連の画像が、動画生成部235cが生成する動画を構成する。
なお、ここで説明した動画生成処理のフローは、一例であり、動画生成処理のフローはこれに限定されるものではない。
例えば、動画生成部235cは、特定期間中の一部期間(例えば1分)のデータだけを読み出して、ステップS22及びステップS23の処理を行い、その一部期間について画像が生成された時点で、動画生成用画像記憶領域234fに画像を記憶してもよい。そして、動画生成部235cは、特定期間全体についての動画が生成されるように、データの読み出し、画像の生成、及び画像の書き込みを繰り返し実行してもよい。
図14は、動画生成部235cにより生成される、動画を構成する画像の一例である。動画生成部235cにより生成される画像では、対象空間R内の温度分布を容易に把握できるように、温度分布データの各区画が温度別に異なる色で着色されている。図14では、各区画を着色する代わりに、ハッチングの斜線の密度を変更して、温度分布を示している。また、図14では、丸印で人間の位置を表示されている。また、熱源(ここでは、空調室内機90、窓W及び扉D)の位置は、例えば、熱源の位置を熱源の種類別に異なる種類の枠線で囲んで表示している。ただし、図14は画像の一例であって、画像による温度分布、人間の位置、及び、熱源の位置の表示方法はこれに限定されるものではない。動画生成部235cにより生成される、動画を構成する画像には、温度分布、人間の位置、及び、熱源の位置が、温度分布データ生成システム200のユーザ等が認識容易に表示されればよい。
出力部33は、動画生成用画像記憶領域234fに記憶される時系列の画像を、時間順に、次々と切り替えて表示することで、特定期間における、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画と、対象空間R内の冷熱源及び温熱源の熱源位置に関する情報とを提示する。
(4)特徴
温度分布データ生成システム200は、第1実施形態に記載した、温度分布データ生成システム100の特徴(5−1)〜(5−7)と同様の特徴を有する。この他、温度分布データ生成システム200は以下の特徴を有する。
(4−1)
温度分布データ生成システム200は、動画生成部235cを備える。動画生成部235cは、特定期間における人間分布データ及び温度分布データに基づいて、特定期間における、対象空間R内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を、同時に認識可能な動画を生成する。
ここでは、人間分布データ及び温度分布データに基づいて、人間の位置及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画が生成される。これにより、対象空間Rで温熱環境に関する苦情が発生した場合に、温熱環境に関する苦情の原因解明のための環境計測やヒアリング等が不要で、調査に必要な費用を抑制できる。また、生成された動画を見ることで、温熱環境に関する苦情の原因を認識し、対策を検討することが容易である。また、動画を対象空間Rの使用者等への原因説明のための資料として利用すれば、説明資料の作成を簡易化できる。
特に、ここでは、温度分布データから対象空間Rに存在する人間の影響が取り除かれているため、人間の影響により誤って定常温度分布を認識し、温熱環境に関する苦情の原因を誤って認識する可能性が低減される。
(5)変形例
第2実施形態に係る温度分布データ生成システム200には、矛盾のない範囲で、前述の第1、第3、又は第4実施形態に係る構成や、第1、第3、又は第4実施形態の変形例に係る構成が適用されてもよい。
以下に第2実施形態の変形例を示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で、他の変形例(第1、第3、又は第4実施形態の構成や、第1、第3、又は第4実施形態の変形例を含む)の一部又は全部と組合せて用いられてもよい。
(5−1)変形例2A
上記実施形態では、出力部33に動画生成部235cにより生成された動画が提示されるが、これに限定されるものではなく、出力部33には動画は提示されなくてもよい。例えば、温度分布データ生成システム200は、通信部31を介してコンピュータ230と通信可能に構成される携帯情報端末等に、動画が提示されるように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、入力部32が、対象空間R用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けるが、これに限定されるものではない。温度分布データ生成システム200は、通信部31を介してコンピュータ230と通信可能に構成される携帯情報端末等から、動画生成要求を受け付けるように構成されてもよい。
(5−2)変形例2B
上記実施形態では、動画生成部235cにより生成される、動画を構成する画像には、温度分布、人間の位置、及び、熱源の位置の情報が含まれるが、これに限定されるものではない。動画生成部235cにより生成される動画を構成する画像には、熱源の位置の情報は含まれていなくてもよい。
そして、例えば、出力部33には、空間情報記憶領域34dに記憶された、対象空間Rの平面図と、対象空間R内の熱源の位置と、が背景画像として表示され、これに、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を重ねあわせて表示されてもよい。
また、出力部33には、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画だけが表示され、対象空間Rの平面図や、対象空間R内の熱源の位置は、表示されなくてもよい。ただし、温熱環境に関する苦情の原因究明等を目的とする場合には、出力部33に、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画と共に、対象空間R内の熱源の位置が表示されることが好ましい。
(5−3)変形例2C
上記実施形態に係る温度分布データ生成システム200では、熱源の例として、空調室内機90、窓W、及び扉Dを挙げたが、熱源の種類はこれらに限定されるものではない。例えば、熱源には、対象空間R内に設置されるコピー機や、サーバ等の機器を含んでもよい。例えば、空間情報記憶領域34dに、これらの機器の位置も予め情報として記憶しておけば、動画生成部235cは、空間情報記憶領域34dからこれらの機器の位置の情報を読み出すことで、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画と共に、これらの機器の位置を出力部33に提示できる。
(5−4)変形例2D
上記実施形態に係る温度分布データ生成システム200の処理部235は、図15のように、対策不要エリア決定部235dを更に備えていてもよい。対策不要エリア決定部235dは、人間分布データに基づいて、対象空間R内の、温熱環境改善の対策が不要な対策不要エリアを決定する。対策不要エリアの決定処理について、以下に説明する。
対策不要エリア決定部235dは、入力部32から、特定期間と共に動画生成要求が入力された場合に、人間分布データ記憶領域34bに記憶されている特定期間の人間分布データに基づいて、特定期間における人数分布図を生成する。人数分布図の生成処理は、人数分布図の生成の対象期間が異なることを除いて、第1実施形態に係る領域検出部35aによる人数分布図の生成処理と同様であるので、説明は省略する。
対策不要エリア決定部235dは、人数分布図に基づいて、特定期間に人間がいない、あるいは、特定期間に人間がいる頻度が所定頻度より低い、と判断される人間分布データの区画に対応する対象空間R内の領域を、対策不要エリアと決定する。
ここでは、対策不要エリア決定部235dが、人間がいる頻度が低い(人間がいない場合も含む)ため、温熱環境の改善のための対策が不要であると判断される対策不要エリアを決定するため、温度分布データ生成システム200のユーザ等が、不必要な対策に費用を費やすことを防止できる。
動画生成部235cは、上記実施形態のようにして生成される動画を構成する画像上に、対策不要エリア決定部235dにより決定された対策不要エリアを表す表示を更に重ねあわせて、動画(動画を構成する画像)を生成してもよい。例えば、動画生成部235cは、上記実施形態のようにして生成される画像に対し、対策不要エリアに該当する部分を黒く塗りつぶす処理を行う。このように構成されることで、動画生成部235cで生成される動画から、温熱環境の苦情の原因になる可能性が低いエリアを予め排除できる。この場合、出力部33に表示される動画を見る温度分布データ生成システム200のユーザ等は、温熱環境の苦情の原因になる可能性のあるエリアの動画だけを見ればよいことになるので、温熱環境に関する苦情の原因を把握することが容易になる。
なお、対策不要エリア決定部235dは、特定期間以外の期間について、人数分布図を生成してもよい。例えば、対策不要エリア決定部235dは、特定期間より長期間、例えば1日間の人数分布図を生成してもよい。対策不要エリア決定部235dは、その人数分布図に基づいて、人間がいなかった、あるいは、人間がいる頻度が所定頻度より低い、と判断される人間分布データの区画に対応する対象空間R内の領域を、対策不要エリアと決定してもよい。このように構成されることで、例えば、特定期間には人間がいなかったものの、普段は人間が存在する領域が、対策不要エリアとして初めから排除されることを防止できる。
(5−5)変形例2E
上記実施形態に係る温度分布データ生成システム200の処理部235は、図16のように、要注意エリア決定部235eを更に備えていてもよい。要注意エリア決定部235eは、特定期間における、人間分布データ及び温度分布データに基づいて、特定期間について、対象空間R内の温熱環境に対する苦情が発生する可能性のある要注意エリアを決定する。要注意エリアの決定処理について具体的に説明する。
要注意エリア決定部235eは、入力部32から、特定期間と共に動画生成要求が入力された場合に、温度分布データ記憶領域34aに記憶されている、特定期間における、各温度分布データについて、温度が、許容温度範囲(設定値)を外れる区画(許容温度範囲外区画)を検出する。
次に、要注意エリア決定部235eは、温度分布データにおける許容温度範囲外区画と、その温度分布データとデータの取得時刻が同一の人間分布データと、を重ねあわせ、許容温度範囲外区画内に人間が存在するかを、人間分布データ毎に判断する。なお、ここでは、取得時刻が分単位まで一致する温度分布データ及び人間分布データを、取得時刻が同一の温度分布データ及び人間分布データと呼ぶ。
そして、要注意エリア決定部235eは、許容温度範囲外区画内に人間を表す画素が存在する場合、許容温度範囲外区画内に存在する、人間分布データの人間を表す画素を囲む所定の大きさの正方形内に対応する対象空間R内の領域を、温熱環境に対する苦情が発生する可能性のある要注意エリアと決定する。図17を用いて具体的に説明する。
例えば、図17のように、ある時刻の人間分布データには丸印を付した画素に人間を表す画素H1,H2,H3,H4が存在したとする。また、その人間分布データとデータ取得時刻が同一の温度分布データでは、4列×4列の区画のうち、左下角の区画が、許容温度範囲外区画Pであるとする。この場合、許容温度範囲外区画P内に存在する、人間分布データの人間を表す画素H3を囲む所定の大きさの正方形Q内(ハッチング部参照)に対応する対象空間R内の領域が、温熱環境に対する苦情が発生する可能性のある要注意エリアと、要注意エリア決定部235eにより決定される。なお、図17に示された正方形Qの大きさは例示であり、正方形Qの大きさはこれに限定されるものではない。
動画生成部235cは、上記実施形態のようにして生成される動画を構成する画像上に、要注意エリア決定部235eにより決定された要注意エリアを表す表示を、更に重ねあわせて、動画を構成する画像を生成してもよい。例えば、動画生成部235cは、上記実施形態のようにして生成される画像に対し、要注意エリア決定部235eに該当する部分を枠線で囲むことで、動画を構成する画像を生成する。このように構成されることで、動画生成部235cが生成する動画には、温熱環境の苦情の原因になる可能性が高いエリアが強調して表示される。ここでは、出力部33に表示される動画を見る温度分布データ生成システム200のユーザ等は、温熱環境の苦情が発生しそうな場所を容易に認識できるため、温熱環境に関する苦情の発生した原因を究明することが容易である。
(5−6)変形例2F
また、変形例2Eに係る温度分布データ生成システム200の処理部235は、図18のように、要注意エリア決定部235eに加え、苦情リスクエリア判断部235fを更に備えていてもよい。また、記憶部234は、図18のように、要注意エリア情報記憶領域234gを備えてもよい。
ここでは、要注意エリア決定部235eは、定期的に、人間分布データ及び温度分布データに基づいて、対象空間R内の温熱環境に対する苦情が発生する可能性のある要注意エリアを決定する。例えば、要注意エリア決定部235eは、1分おきに、直近1分間の人間分布データと、最新の温度分布データと、に基づいて、対象空間R内の温熱環境に対する苦情が発生する可能性のある要注意エリアを決定する。要注意エリア決定部235eにより要注意エリアが決定されると、都度、その要注意エリアの位置情報が要注意エリア情報記憶領域234gに書き込まれ、蓄積される。
苦情リスクエリア判断部235fは、所定期間(例えば1時間)に要注意エリア情報記憶領域234gに書き込まれた要注意エリアの位置情報を用いて、対象空間R内で、所定回数以上(例えば100回以上)要注意エリアと決定された領域において、温熱環境に関する苦情が発生する可能性が高いと判断する。つまり、苦情リスクエリア判断部235fは、対象空間R内の、ある領域が、要注意エリアと決定される割合が所定割合以上の場合に、その領域において、温熱環境に関する苦情が発生する可能性が高いと判断する。
このように構成されることで、温度分布データ生成システム200を用いて、将来の温熱環境に関する苦情の発生を予想し、苦情の発生を予め防止することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る温度分布データ生成システム300について説明する。なお、温度分布データ生成システム300は、温度分布データ生成システム100と同様の点も多いため、ここでは、温度分布データ生成システム300と温度分布データ生成システム100との相違点を主に説明する。
(1)全体構成
温度分布データ生成システム300は、1つの対象空間ではなく、多数の(N台の)対象空間R1,R2,・・・RNの定常温度の分布を示す温度分布データ及び人間分布データを生成する。例えば、対象空間R1,R2,・・・RNの数は、100個以上である。温度分布データ生成システム300は、多数の対象空間R1,R2,・・・RNに含まれる1の対象空間Rm(m=1〜Nの整数)について、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、その対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。なお、対象空間Rm用の省エネ関連情報には、対象空間Rmの類似空間の温度分布データに基づいた、類似空間の温度分布に関する情報を含む。対象空間Rmの類似空間とは、対象空間R1,R2,・・・RNの中で、対象空間Rmと類似する利用状況のパターンを有する空間である。なお、対象空間R1,R2,・・・RNの中で、どの対象空間が対象空間Rmの類似空間であるかは、対象空間Rmの所定期間の人間分布データに基づいて判断される。
ここでの対象空間R1,R2,・・・RNは、例えば全てオフィスとして用いられる空間である。ただし、これに限定されるものではなく、対象空間R1,R2,・・・RNには、商業施設、学校、ホテル、住居等として用いられる空間が含まれてもよい。また、対象空間R1,R2,・・・RNには、オフィスとして用いられる空間が含まれなくてもよい。
なお、対象空間R1,R2,・・・RNの広さや形状、対象空間R1,R2,・・・RNに設置される機器の種類、台数や配置等は、全て同一である必要はなく、通常は対象空間R1,R2,・・・RN毎に異なっている。なお、各対象空間R1,R2,・・・RNについては、第1実施形態で説明したものと同様であるため、ここでは説明は省略する。
温度分布データ生成システム300は、図19のように、多数の対象空間R1,R2,・・・RNにそれぞれ配置された、多数の赤外線センサユニット20と、メインコンピュータ330と、多数の対象空間R1,R2,・・・RNにそれぞれ配置されたコンピュータ50と、を有する。取得部としての、多数の赤外線センサユニット20のセンサ部21は、多数の対象空間R1,R2,・・・RNについて、熱画像データを取得する。なお、ここでは、各対象空間R1,R2,・・・RNに1台の赤外線センサユニット20が配置されているが、これに限定されるものではなく、各空間R1,R2,・・・RNには異なる台数の赤外線センサユニット20が配置されていてもよい。また、ここでは、各対象空間R1,R2,・・・RNには1台のコンピュータ50が配置されているが、これに限定されるものではなく、各空間R1,R2,・・・RNには複数のコンピュータ50が配置されていてもよい。多数の赤外線センサユニット20と、メインコンピュータ330とは、通信ネットワーク10により通信可能に接続されている。また、多数のコンピュータ50と、メインコンピュータ330とは、通信ネットワーク10により通信可能に接続されている。各赤外線センサユニット20及び通信ネットワーク10については、第1実施形態における温度分布データ生成システム100と同様である。
メインコンピュータ330は、複数の赤外線センサユニット20が生成した温度分布データ及び人間分布データを受け付け、後述する記憶部334(図20参照)に記憶する。なお、メインコンピュータ330は、受け付けた温度分布データ及び人間分布データが、どの赤外線センサユニット20から(どの対象空間R1,R2,・・・RNの、どの位置に配置された赤外線センサユニット20から)送信されてきた情報かを認識可能に構成されている。
メインコンピュータ330の後述する入力部32(図20参照)は、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。また、メインコンピュータ330では、後述する通信部31(図20参照)が、対象空間R1,R2,・・・RNに配置されたコンピュータ50から送信される、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。メインコンピュータ330は、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。入力部32又は通信部31が、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、メインコンピュータ330の処理部335(図20参照)は、記憶部334に記憶された温度分布データ及び人間分布データに基づいて、対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。メインコンピュータ330により生成される対象空間Rm用の省エネ関連情報には、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報を含む。メインコンピュータ330は、対象空間Rm用の省エネ関連情報が生成されると、通信部31を介して、その省エネ関連情報の生成要求を送信したコンピュータ50に、対象空間Rm用の省エネ関連情報を送信する。また、メインコンピュータ330は、対象空間Rm用の省エネ関連情報が生成されると、後述する出力部33(図20参照)に、対象空間Rm用の省エネ関連情報を出力する。
各コンピュータ50は、メインコンピュータ330と、通信ネットワーク10を介して接続され、メインコンピュータ330と通信可能に構成されている。コンピュータ50は、例えばデスクトップ型のコンピュータであり、CPU、ROMやRAM等のメモリ、HDD等の補助記憶装置、及び入出力デバイスを主に有する。
コンピュータ50の図示しない入力部には、対象空間Rmの使用者等により、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求が入力される。コンピュータ50は、受け付けた対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を、通信ネットワーク10を介して、メインコンピュータ330に対して送信する。また、コンピュータ50は、メインコンピュータ330が送信してくる、対象空間Rm用の省エネ関連情報を受信する。コンピュータ50は、図示しないディスプレイ等からなる出力部に、受信した対象空間Rm用の省エネ関連情報を提示する。
なお、ここでは、コンピュータ50は、デスクトップ型のコンピュータであるが、これに限定されるものではなく、例えばラップトップ型やタブレット型のコンピュータであってもよい。また、コンピュータ50に代えて、スマートフォン等が代わりに用いられてもよい。また、コンピュータ50は、対象空間R1,R2,・・・RNに設置されている必要はない。コンピュータ50は、メインコンピュータ330に対し、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求をメインコンピュータ330に送送信可能に構成され、生成された対象空間Rm用の省エネ関連情報を受信できるように構成されていればよい。
(2)詳細構成
以下に、メインコンピュータ330について詳細を説明する。
なお、赤外線センサユニット20は、第1実施形態と同様であるので、詳細構成の説明は省略する。また、赤外線センサユニット20の動作も第1実施形態と同様であるので、赤外線センサユニット20の動作の説明は省略する。
(2−1)メインコンピュータ
メインコンピュータ330は、多数の赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データを、他の赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データと区別して受信し、記憶部334(図20参照)に記憶する。また、メインコンピュータ330は、ある対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、記憶部334に記憶された、多数の対象空間R1,R2,・・・RNの、温度分布データ及び人間分布データを用いて、対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。メインコンピュータ330では、後述する通信部(図20参照)が、コンピュータ50から対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。また、メインコンピュータ330では、後述する入力部32(図20参照)が、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。メインコンピュータ330は、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を通信部31に送信したコンピュータ50に対し、生成した対象空間Rm用の省エネ関連情報を送信する。コンピュータ50の図示しない出力部には、対象空間Rm用の省エネ関連情報が提示される。また、メインコンピュータ330は、生成した対象空間Rm用の省エネ関連情報を、後述する出力部33(図20参照)に提示する。
メインコンピュータ330は、主に、CPU、ROMやRAM等のメモリ、HDD等の補助記憶装置、及び入出力デバイスを有する。
メインコンピュータ330は、機能部として、通信部31、入力部32、出力部33、記憶部334、及び処理部335を主に有する(図20参照)。
(2−1−1)通信部
通信部31は、メインコンピュータ330と通信ネットワーク10との接続を可能にする。メインコンピュータ330は、通信部31を介して、多数の赤外線センサユニット20及び多数のコンピュータ50と、通信を行う。
通信部31は、受付部の一例である。通信部31は、通信ネットワーク10を介して、コンピュータ50が送信する対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。
(2−1−2)入力部
入力部32は、主としてキーボード、マウス等を有する。入力部32は、温度分布データ生成システム300のユーザから、各種指令や各種情報を受け付ける。
入力部32は、受付部の一例である。入力部32は、省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。入力部32は、省エネ関連情報の生成要求を、省エネ関連情報の生成の対象となる対象空間Rmの指定と共に受け付ける。
(2−1−3)出力部
出力部33は、主としてディスプレイを有する。出力部33には、例えば、メインコンピュータ330が生成した対象空間Rmの省エネ関連情報が提示される。
(2−1−4)記憶部
記憶部334は、第1実施形態に係る記憶部34と機器構成は同様である。
記憶部334には、処理部335が実行するためのプログラムが記憶されている。
また、記憶部334には、各種情報が記憶されている。記憶部334は、情報を記憶する領域として、温度分布データ記憶領域34aと、人間分布データ記憶領域34bと、空間情報記憶領域34dと、省エネ関連情報記憶領域334hと、を有する。温度分布データ記憶領域34a、人間分布データ記憶領域34b、及び空間情報記憶領域34dは、多数の対象空間R1,R2,・・・RNについての温度分布データ、人間分布データ、及び対象空間に関する各種情報がそれぞれ記憶されている以外は、第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(2−1−4−1)省エネ関連情報記憶領域
省エネ関連情報記憶領域334hは、後述する省エネ関連情報生成部335hにより生成された省エネ関連情報が記憶される。
(2−1−5)処理部
処理部335は、記憶部334に記憶されているプログラムを実行することで、各種情報の処理を行う。
特に、処理部335は、通信部31がコンピュータ50から送信されてくる対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、あるいは、入力部32が対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。
処理部335は、省エネ関連情報の生成に関するサブ機能部として、類似空間抽出部335g、及び、省エネ関連情報生成部335hを有する。
(2−1−5−1)類似空間抽出部
類似空間抽出部335gは、通信部31又は入力部32が、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、対象空間Rmの類似空間を抽出する処理を行う。類似空間抽出部335gは、対象空間Rmの人間分布データに基づき、多数の対象空間R1,R2,・・・RNから、対象空間Rmと類似する利用状況のパターンを有する空間を、対象空間Rmの類似空間として抽出する。
具体的には、類似空間抽出部335gは、対象空間Rmの所定期間(ここでは1日間)の人間分布データに基づき、多数の対象空間R1,R2,・・・RNから、対象空間Rmと類似する利用状況のパターンを有する空間を、対象空間Rmの類似空間として抽出する。
なお、利用状況のパターンとは、例えば、人間分布データから得られる、在籍状態の変動パターンである。在籍状態の変動パターンとは、例えば、1日の在籍率変動パターンである。在籍率とは、その対象空間Rmに実際に在籍する人間の数の、空間情報記憶領域34dに記憶されている対象空間Rmの定員(設定値)に対する割合を表す。在籍率変動パターンは、この在籍率が、1日でどのように変動するかのパターンである。
在籍率変動パターンは、例えば、一山型、二山型、24時間型に分類される。一山型、二山型、及び24時間型の、それぞれの特徴について概要を説明する。
一山型では、早朝及び深夜は人間が不在(在籍率が0)である。一山型では、朝に在籍率が上昇し始め、ある時間に在籍率が最大となり、夕方まではその在籍率が維持される。そして、夕方から在籍率が下降し始め、深夜には在籍率が0となる。
二山型でも、早朝及び深夜は人間が不在(在籍率が0)である。二山型では、朝に在籍率が上昇して最大となった後、昼間に在籍率が一旦大きく減少する。その後、夕方に再び在籍率が上昇した後、夜にかけて在籍率が減少し始め、深夜には在籍率が0となる。
24時間型では、24時間、在籍率がほとんど変動しない。
なお、在籍率変動パターンの種類は、これらに限定されるものではない。在籍率変動パターンは、その特徴に応じて、より多くの種類に分類されてもよい。
類似空間抽出部335gによる、対象空間Rmの類似空間の抽出処理については後述する。
(2−1−5−2)省エネ関連情報生成部
省エネ関連情報生成部335hは、通信部31又は入力部32が、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると、温度分布データ及び人間分布データを、温度分布データ記憶領域34a及び人間分布データ記憶領域34bから読み出し、読み出した温度分布データ及び人間分布データに基づいて、対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。
特に、省エネ関連情報生成部335hは、類似空間抽出部335gが抽出した対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の、温度分布データ及び人間分布データに関する情報を用いて、対象空間Rm用の省エネ関連情報を生成する。
省エネ関連情報生成部335hにより生成される対象空間Rm用の省エネ関連情報には、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報を含む。省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報を、対象空間Rmの類似空間の温度時系列データに基づいて生成する。
また、省エネ関連情報生成部335hにより生成される対象空間Rm用の省エネ関連情報には、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報と、この情報に対応する、対象空間Rmについての温度分布に関する情報との比較情報を含む。
省エネ関連情報生成部335hによる、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成処理については後述する。
(3)省エネ関連情報の生成処理
メインコンピュータ330の処理部335による、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成処理(対象空間Rmの類似空間の抽出処理を含む)について、図21のフローチャートを用いて説明する。
省エネ関連情報の生成処理は、通信部31又は入力部32が、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付けると実行される。
まず、ステップS31では、類似空間抽出部335gが、直近の1日分の、対象空間Rmの人間分布データを、人間分布データ記憶領域34bから読み出す。
次に、ステップS32では、類似空間抽出部335gが、ステップS31で読み出された人間分布データに基づいて、時間別に対象空間Rmに在籍している人数を算出する。そして、類似空間抽出部335gは、算出された時間別の対象空間Rmに在籍している人間の数を、空間情報記憶領域34dに記憶されている対象空間Rmの定員で除することで、時間別に対象空間Rmの在籍率を算出する。そして、類似空間抽出部335gは、時間別の対象空間Rmの在籍率が、予め準備された在籍率の変動パターンの種類(例えば、一山型、二山型、24時間型)のいずれの種類のものに近いかを判断する。
例えば、類似空間抽出部335gは、24時間の中で、在籍率が0になる時間が所定時間より短い場合には、対象空間Rmの在籍率の変動パターンを24時間型と判断する。また、例えば、類似空間抽出部335gは、算出した時間別の対象空間Rmの在籍率を近似する多項式を例えば最小二乗法等により導出し、その多項式で表される曲線が、24時間の中でいくつ極大値を有するかで、対象空間Rmの在籍率の変動パターンが、一山型か、二山型か、を判断する。ただし、類似空間抽出部335gの、対象空間Rmの在籍率の変動パターンの判断方法は例示であり、これに限定されるものではない。
次に、ステップS33では、類似空間抽出部335gが、その他の対象空間(対象空間Rm以外の対象空間R1,R2,・・・RN)の、直近の1日分の人間分布データを人間分布データ記憶領域34bから読み出す。
次に、ステップS34では、類似空間抽出部335gが、対象空間Rm以外の対象空間R1,R2,・・・RNについて、在籍率の変動パターンの種類を判断する。類似空間抽出部335gによる、対象空間Rm以外の対象空間R1,R2,・・・RNの在籍率の変動パターンの種類の判断方法は、ステップS32で説明した対象空間Rmの在籍率の変動パターンの種類の判断方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、ステップS35では、類似空間抽出部335gは、対象空間R1,R2,・・・RNの中で、在籍率の変動パターンが、対象空間Rmの在籍率の変動パターンの種類と同一である空間を、対象空間Rmの類似空間として抽出する。
次に、ステップS36では、省エネ関連情報生成部335hが、対象空間Rmについて、直近の1日分の温度分布データを温度分布データ記憶領域34aから読み出す。また、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmについて、直近の1日分の人間分布データを人間分布データ記憶領域34bから読み出す。
次に、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS100、ステップS120、及びステップS140に進み、ステップS36で読み出した情報を用いて、それぞれ以下の(a)〜(c)のように、対象空間Rmに関して3つの値を算出する。
(a)快適温度エリアに占める在籍エリアの割合
ステップS100では、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmについて、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合を算出する。省エネ関連情報生成部335hは、具体的には、対象空間Rmに人間が在籍している時間帯について、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合を算出する。なお、快適温度エリアとは、温度分布データから、人間が快適と感じる温度範囲(設定値)にあると判断される区画を意味する。また、在籍エリアとは、温度分布データの各区画の中で、人間がいる区画を意味する。快適温度エリアに占める在籍エリアの割合とは、快適温度エリアかつ在籍エリアである区画の数の、快適温度エリアの総区画数に占める割合を意味する。対象空間Rmの、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合は、対象空間Rmの温度分布に関する情報の一例である。
省エネ関連情報生成部335hは、具体的には、例えば図22のフローチャートの様に、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合を算出する。
まず、ステップS101では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS36で読み出した人間分布データに基づいて、対象空間Rmに人間が在籍している時間を決定する。
次に、ステップS102では、省エネ関連情報生成部335hは、次回、ステップS104で算出処理に用いる、1の温度分布データを決定する。
具体的には、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS101で対象空間Rmに人間が在籍していると決定された時間の温度分布データであって、後述するステップS104の処理でまだ用いられていない温度分布データの中で、最先の時間の温度分布データを、算出処理に用いる温度分布データと決定する。なお、ステップS101実施後、初めてステップS102の処理が行われる際には、ステップS101で対象空間Rmに人間が在籍していると決定された時間の温度分布データの中で、最先の時刻の温度分布データが、算出処理に用いられる温度分布データと決定される。
次に、ステップS103では、省エネ関連情報生成部335hは、次回、ステップS104で算出処理に用いる人間分布データを決定する。
具体的には、ステップS103では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS36で読み出した人間分布データの中から、ステップS102で決定した1の温度分布データと取得時刻が同じ人間分布データを決定する。なお、ここでは、上記のように、赤外線センサユニット20により、温度分布データが1分間あたり1個生成されるのに対し、人間分布データは1分間あたり20個生成される。そのため、ここでは、人間分布データの取得時刻の秒単位の値は無視して、ステップS102で決定された温度分布データと、取得時刻が分単位まで一致する20個の人間分布データが、ステップS104で算出処理に用いる人間分布データと決定される。
次に、ステップS104では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS102で決定した温度分布データと、ステップS103で決定した人間分布データと、を用いて、快適温度エリアかつ在籍エリアの温度時系列データの区画の数の、快適温度エリアの総区画数に占める割合を算出する。
具体的には、省エネ関連情報生成部335hは、まず、ステップS103で決定した20個の人時系列データのそれぞれ(例えば図10のような人時系列データ)を、ステップS102で決定した温度分布データ(例えば図9のような温度時系列データ)と重ねあわせ、人間分布データ毎に、快適温度エリアかつ在籍エリアである温度時系列データの区画の数を取得する。ここでは、快適温度エリアかつ在籍エリアである温度分布データの区画の数は、ステップS103で決定された人間分布データの個数だけ(すなわち20個)得られる。
また、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS102で決定した温度時系列データを用いて、快適温度エリアの総区画数を取得する。
そして、省エネ関連情報生成部335hは、快適温度エリアかつ在籍エリアの温度分布列データの区画の数の、快適温度エリアの総区画数に占める割合を算出する。具体的には、省エネ関連情報生成部335hは、取得した、20個の快適温度エリアかつ在籍エリアの温度分布データの区画の数を用いて、快適温度エリアかつ在籍エリアの温度分布データの区画の数の、快適温度エリアの総区画数に占める割合の平均値を算出する。
次に、ステップS105では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS101で対象空間Rmに人が在籍している時間と決定された時間の温度分布データが、全て、ステップS104の処理で用いられたか否かが判定される。
ステップS101で対象空間Rmに人が在籍していると決定された時間の温度分布データの一部が、ステップS104の処理に用いられていないと判断されれば、ステップS102に戻る。ステップS102〜ステップS104の処理は、ステップS105で、ステップS101で対象空間Rmに人間が在籍していると決定された時間の温度分布データが、全てステップS104の処理に用いられたと判断されるまで繰り返される。
ステップS105において、ステップS101で対象空間Rmに人間が在籍していると決定された時間の温度分布データが、全てステップS104の処理に用いられたと判定されると、ステップS106に進む。
ステップS106では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS104で繰り返し算出された、快適温度エリアかつ在籍エリアの区画の数の、快適温度エリアの総区画数に占める割合について、平均を算出する処理を行う。このようにしてステップS106で算出される値が、対象空間Rmの、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合である。
(b)無人時の空間平均温度
ステップS120では、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmについて、無人時の空間平均温度を算出する。なお、無人時とは、人間分布データから判断して、対象空間Rmに人間が存在しないと判断される時間である。空間平均温度は、対象空間Rm全体の平均温度である。
ステップS120では、具体的には、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS36で読み出した人間分布データに基づいて、対象空間Rmに人が在籍していない時間を決定する。次に、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS36で読み出した温度分布データの中で、対象空間Rmに人が在籍していないと決定した時間(無人時)の温度分布データを決定する。そして、省エネ関連情報生成部335hは、決定した各温度分布データについて、各区画の温度情報を用いて、各温度分布データの取得時刻における、対象空間Rmの平均温度を算出する。さらに、省エネ関連情報生成部335hは、各温度分布データの取得された時間における対象空間Rmの平均温度を用いて、無人時全体における、対象空間Rmの平均温度を算出する。
(c)低在籍率時間
ステップS140では、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmについて、在籍率が、所定の低在籍率範囲(例えば、0%より大きく10%より小さい)内の値となる時間を、低在籍率時間として算出する。在籍率については、類似空間抽出部335gに関する説明の中で示したとおりである。
ステップS140では、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS36で読み出された人間分布データに基づいて、対象空間Rmに在籍する人間の数を人間分布データ別に把握する。そして、省エネ関連情報生成部335hは、人間分布データ別に把握した人間の数を、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間Rmの定員の数で割ることで、人間分布データ別の在籍率を算出する。省エネ関連情報生成部335hは、算出した在籍率が低在籍率範囲に該当する人間分布データの数を把握し、これに人間分布データの取得間隔(ここでは3秒)を乗じることで、対象空間Rmの低在籍率時間を算出する。
ステップS100、ステップS120、及びステップS140の算出結果は、記憶部334の省エネ関連情報記憶領域334hに記憶される。
ステップS100、ステップS120、及びステップS140が終了すると、ステップS37へ進む。
ステップS37では、省エネ関連情報生成部335hが、対象空間Rmの類似空間について、直近の1日分の温度分布データを温度分布データ記憶領域34aから読み出す。また、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmの類似空間について、直近の1日分の人間分布データを人間分布データ記憶領域34bから読み出す。
次に、ステップS200、ステップS220、及びステップS240に進み、省エネ関連情報生成部335hは、ステップS37で読み出した情報を用いて、空間別に、それぞれ快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間を算出する。
ステップS200、ステップS220、及びステップS240の処理は、
1)算出の対象となる空間が対象空間Rmではなく、対象空間Rmの類似空間である点
2)通常、1つの空間ではなく、複数の類似空間について、それぞれ快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間が算出される点
で、ステップS100、ステップS120、及びステップS140の処理と相違するが、その他の点については、ステップS100、ステップS120、及びステップS140の処理と同様であるため、説明は省略する。
ステップS200、ステップS220、及びステップS240の算出結果は、記憶部334の省エネ関連情報記憶領域334hに記憶される。
なお、ステップS100,ステップS120,ステップS140、ステップS200、ステップS220、及びステップS240で算出された、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間は、対象空間Rmの省エネ関連情報の一例である。
特に、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合は、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報の一例である。また、対象空間Rmの快適温度エリアに占める在籍エリアの割合は、対象空間Rmの類似空間の快適温度エリアに占める在籍エリアの割合に対応する情報である。
ステップS200、ステップS220、及びステップS240が終了すると、ステップS38へ進む。
ステップS38では、省エネ関連情報生成部335hが、ステップS100,S120,S140で得られた対象空間Rmについての情報(算出値)と、ステップS200,S220,S240で得られた対象空間Rmの類似空間についての情報(算出値)と、の比較情報を生成する。
具体的には、省エネ関連情報生成部335hは、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間のそれぞれについて、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間のランキングを生成する。
例えば、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合であれば、値が小さいほど、人間のいない空間で、過剰な空調がされていることを意味している。そこで、省エネ関連情報生成部335hは、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合が大きいほどランキングが上位になるように、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間について、ランキングを生成する。
また、例えば、無人時の空間平均温度であれば、暖房時であれば温度が低いほど、冷房時であれば温度が高いほど、無駄なエネルギーの投入が少ないことを意味している。そこで、省エネ関連情報生成部335hは、無駄なエネルギーの投入が少ないほどランキングが上位になるように、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間について、ランキングを生成する。
また、例えば、低在籍率時間であれば、その時間が短いほど、1人あたりのエネルギーの使用量が少ないことを意味する。そこで、省エネ関連情報生成部335hは、低在籍率時間が短いほどランキングが上位になるように、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間について、ランキングを生成する。
(4)省エネ関連情報の提示処理
省エネ関連情報生成部335hにより生成され、省エネ関連情報記憶領域334hに記憶された対象空間Rm用の省エネ関連情報は、対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を送信したコンピュータ50の図示しない出力部と、メインコンピュータ330の出力部33と、に提示される。一方、入力部32に対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求が入力された場合には、省エネ関連情報生成部335hにより生成され、省エネ関連情報記憶領域334hに記憶された対象空間Rm用の省エネ関連情報は、出力部33に提示される。
コンピュータ50の図示しない出力部や、メインコンピュータ330の出力部33には、具体的には、以下の様な形式で省エネ関連情報が提示される。
例えば、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間は、度数分布を表すヒストグラムとして提示される。この時、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、対象空間Rmがヒストグラムのどの階級に位置するかが判別可能に提示される。例えば、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、対象空間Rmが含まれるヒストグラムだけが異なる色で提示されることで、対象空間Rmがその階級に属することが判別可能に提示される。また、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の、省エネ関連情報の快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間に関するランキング(比較情報)が表示される。
また、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、コンピュータ50の図示しない入力部や入力部32から更に指示が与えられることで、空間情報記憶領域34dに記憶されている、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の、空間の仕様に関する情報、例えば、対象空間Rmや対象空間Rmの類似空間が存在する建物の建設年や、対象空間Rmや対象空間Rmの類似空間の用途等が表示される。また、例えば、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、対象空間Rm及び対象空間Rmに設置されている機器の仕様に関する情報、例えば、空調装置の能力(容量)や、型式等が表示される。
(5)特徴
温度分布データ生成システム300は、第1実施形態に記載した、温度分布データ生成システム100の特徴(5−1)〜(5−7)と同様の特徴を有する。その他の、第3実施形態に係る温度分布データ生成システム300の特徴について以下に説明する。
(5−1)
温度分布データ生成システム300では、取得部としての多数のセンサ部21は、多数の対象空間R1,R2,・・・RNについて熱画像データを取得する。温度分布データ生成システム300は、受付部の例としての通信部31及び入力部32と、類似空間抽出部335gと、省エネ関連情報生成部335hと、を備える。通信部31及び入力部32は、多数の対象空間R1,R2,・・・RNに含まれる第1空間の一例としての対象空間Rm用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける。類似空間抽出部335gは、対象空間Rmの所定期間の人間分布データに基づき、多数の対象空間R1,R2,・・・RNから、対象空間Rmと類似する利用状況のパターンを有する類似空間を抽出する。省エネ関連情報生成部335hは、省エネ関連情報として、対象空間Rmの類似空間の温度分布データに基づいた、対象空間Rmの類似空間の温度分布に関する情報(快適温度エリアに占める在籍エリアの割合)を生成する。
ここでは、人間分布データに基づいて、評価対象の対象空間Rmと利用状況のパターンが類似する類似空間が抽出され、対象空間Rm用の省エネ関連情報として、類似空間の温度分布に関する情報が生成される。そのため、生成された省エネ関連情報に基づいて対象空間Rmの相対評価を適切に行うことが可能である。
特に、ここでは、省エネ関連情報としての温度分布に関する情報を生成する際に用いられる温度分布データが、人間の影響が取り除かれた温度分布データであるため、対象空間Rmの相対評価を適切に行うことが容易である。
(6)変形例
第3実施形態に係る温度分布データ生成システム300には、矛盾のない範囲で、前述の第1、第2、又は第4実施形態に係る構成や、第1、第2、又は第4実施形態の変形例に係る構成が適用されてもよい。
以下に第3実施形態の変形例を示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で、他の変形例(第1、第2又は第4実施形態の構成や、第1、第2、又は第4実施形態の変形例を含む)の一部又は全部と組合せて用いられてもよい。
(6−1)変形例3A
上記実施形態では、類似空間抽出部335gは、1日の在籍率変動パターンの種類が対象空間Rmと同一の対象空間R1,R2,・・・RNを、対象空間Rmの類似空間として抽出するが、これに限定されるものではない。
例えば、類似空間抽出部335gは、1週間の在籍率変動パターンの種類が対象空間Rmと同一の対象空間R1,R2,・・・RNを、対象空間Rmの類似空間として抽出してもよい。例えば、1週間の在籍率変動パターンの種類は、週休1日型、週休2日型、土日営業型等である。
また、類似空間抽出部335gは、1日の在籍率変動パターンの種類が対象空間Rmと同一で、かつ、1週間の在籍率変動パターンの種類も対象空間Rmと同一の対象空間R1,R2,・・・RNを、対象空間Rmの類似空間として抽出してもよい。
また、類似空間抽出部335gは、在籍率の変動パターン以外の情報、例えば、空間情報記憶領域34dに記憶された対象空間R1,R2,・・・RNの面積や、対象空間R1,R2,・・・RNの用途の情報等も併せて用いることで、対象空間Rmの類似空間を抽出してもよい。
(6−2)変形例3B
上記実施形態では、省エネ関連情報生成部335hは、省エネ関連情報として、快適温度エリアに占める在籍エリアの割合、無人時の空間平均温度、及び低在籍率時間を生成するが、省エネ関連情報生成部335hが生成する省エネ関連情報はこれに限定されるものではない。例えば、省エネ関連情報生成部335hは、人間が対象空間Rmに在籍している時間について、在籍エリアに占める快適温度エリアの割合を算出してもよい。在籍エリアに占める快適温度エリアの割合とは、在籍エリアかつ快適温度エリアである温度分布データの区画の数の、在籍エリアの総区画数に占める割合を意味する。ここでは、在籍エリアに占める快適温度エリアの割合を算出することで、温熱環境に関する不満者の割合を予測することができる。そして、予測される不満者の割合に基づいて、対象空間Rmと、対象空間Rmの類似空間と、を相対比較することができる。
(6−3)変形例3C
上記実施形態では、メインコンピュータ330の記憶部334だけが記憶部として機能するが、これに限定されるものではない。例えば、温度分布データ生成システム300は、記憶部として、メインコンピュータ330の記憶部334に加え、外部データベース334’を有していてもよい(図23参照)。外部データベース334’は、通信ネットワーク10によりメインコンピュータ330と通信可能に構成されている。
そして、外部データベース334’には、例えば、対象空間R1,R2,・・・RNの空調のために使用される空調装置の電力消費量に関する情報が記憶されていてもよい。そして、省エネ関連情報生成部335hは、類似空間抽出部335gが対象空間Rmの類似空間を抽出すると、外部データベース334’から、対象空間Rmと対象空間Rmの類似空間との空調装置の電力消費量に関する情報を取得してもよい。そして、省エネ関連情報生成部335hは、対象空間Rmの空調のために使用される空調装置の電力消費量に関する情報と、対象空間Rmの類似空間で使用される空調装置の電力消費量に関する情報と、の比較情報を、省エネ関連情報として生成してもよい。
例えば、外部データベース334’には、対象空間R1,R2,・・・RNの空調装置の電力消費量を、対象空間R1,R2,・・・RNの面積でそれぞれ除した、空調装置の単位床面積あたりのエネルギー消費原単位が、対象空間R1,R2,・・・RN別に記憶されてもよい。省エネ関連情報生成部335hは、この情報に基づいて、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間のランキングを生成してもよい。省エネ関連情報生成部335hは、例えば、空調装置の単位床面積あたりのエネルギー消費原単位について、エネルギー消費原単位の値が小さいほどランキングが上位になるように、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間のランキングを生成してもよい。
以上のように構成されることで、省エネ関連情報を用いて対象空間Rmのエネルギー使用状況を相対的に評価することが容易である。
(6−4)変形例3D
変形例3Cの外部データベース334’には、例えば、対象空間R1,R2,・・・,RNの空調装置の電力使用量に関する情報に加えて、あるいは、対象空間R1,R2,・・・,RNの空調装置の電力使用量に関する情報に代えて、対象空間R1,R2,・・・,RNの契約電力に関する情報が記憶されていてもよい。そして、コンピュータ50の図示しない入力部や入力部32から指示を与えることで、コンピュータ50の図示しない出力部や、出力部33には、外部データベース334’に記憶されている、対象空間Rm及び対象空間Rmの類似空間の契約電力が表示されるように構成されてもよい。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る温度分布データ生成システム400について説明する。なお、温度分布データ生成システム400は、温度分布データ生成システム100、200、又は300と重複する点も多いため、ここでは、温度分布データ生成システム400と温度分布データ生成システム100、200、又は300との相違点を主に説明する。
(1)全体構成
図24は、本発明の第4実施形態に係る温度分布データ生成システム400の概要図である。温度分布データ生成システム400は、複数の赤外線センサユニット20を有しており、1つの対象空間Rのみではなく、多数の対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データ及び人間分布データを生成する。本実施形態では、温度分布データ生成システム400が、活動空間SP1に含まれる複数(ここでは3つ)の対象空間Rに関し温度分布データ及び人間分布データを生成する場合を例に挙げて説明する。
図25は、温度分布データ生成システム400の赤外線センサユニット20が配置される活動空間SP1を、上方から見た場合を模式的に示した図である。図25では、第1空間内の人間の位置が丸印によって表わされ、第1空間の天井に取り付けられる赤外線センサユニット20が二点鎖線によって表わされている。また、第1空間内における各対象空間Rが、一点鎖線若しくは破線で表わされている。
活動空間SP1は、例えばオフィスとして用いられる空間である。ただし、これに限定されるものではなく、活動空間SP1は、商業施設、学校、ホテル、住居等として用いられる空間であってもよい。活動空間SP1では、通常時において、複数の人間が滞在している。図25においては、活動空間SP1に9人の人間(P1、P2、・・・P9)が滞在している。
活動空間SP1には、複数(ここでは3つ)の赤外線センサユニット20(20a、20b、20c)が配設されている。各赤外線センサユニット20は、太陽電池等の電源ユニットを有しており、照明器具等が生成した光エネルギーを受光し、電力に変換して電源を得ている。なお、活動空間SP1に配設される赤外線センサユニット20の数は、必ずしも3つに限定されず、3つ未満であってもよいし、4つ以上であってもよい。
活動空間SP1には、赤外線センサユニット20の数と同数の対象空間Rが含まれている。本実施形態における各対象空間Rは、赤外線センサユニット20が熱画像データを取得する所定領域に相当する。具体的に、活動空間SP1には、3つの赤外線センサユニット20が配設されていることに応じて、3つの対象空間R10、R20、及びR30が含まれている。なお、活動空間SP1に含まれる対象空間Rの数は、必ずしも3つに限定されず、活動空間SP1に配設される赤外線センサユニット20の数に応じて、3つ未満であってもよいし、4つ以上であってもよい。
具体的に、対象空間R10(図25において左側の一点鎖線で囲われた中央より左側の領域)は、赤外線センサユニット20aが熱画像データを取得する所定領域に相当する。対象空間R20(図25において破線で囲われた中央の領域)は、赤外線センサユニット20bが熱画像データを取得する所定領域に相当する。対象空間R30(図25において右側の一点鎖線で囲われた中央より右側の領域)は、赤外線センサユニット20cが熱画像データを取得する所定領域に相当する。
図25では、対象空間R10には、4人の人間(P1、P2、P3、P4)が滞在している。また、対象空間R20には、6人の人間(P3、P4、P5、P6、P7、P8)が滞在している。また、対象空間R30には、3人の人間(P7、P8、P9)が滞在している。
各対象空間R10,R20,R30には、各赤外線センサユニット20の配設位置に関連して、他のいずれかの対象空間Rと重複する領域が含まれる。以下、各対象空間Rのうち他の対象空間Rと重複している領域を、「重複エリア80」と称する。
具体的には、図26に示すように、対象空間R10と対象空間R20とは、それぞれの一部が互いに重複しており、共通の重複エリア80aを含んでいる(図26のハッチング部分参照)。重複エリア80aには2人の人間(P3、P4)が滞在している。
また、対象空間R20と対象空間R30とは、図27に示すように、それぞれの一部が互いに重複しており、共通の重複エリア80bを含んでいる(図27のハッチング部分参照)。重複エリア80bには2人の人間(P6、P7)が滞在している。
温度分布データ生成システム400では、各対象空間R(R10、R20、R30)の定常温度の分布を示す温度分布データと、各対象空間R内の人間の分布を示す人間分布データと、が個別に生成され、生成された各温度分布データ及び/又は人間分布データを用いて各種処理が実行される。
例えば、温度分布データ生成システム400は、生成した温度分布データに基づき、第1実施形態において説明したのと同様の態様で、各対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出し、これに基づいて活動空間SP1に関する改善提案を生成する。また、例えば、温度分布データ生成システム400は、生成した温度分布データ及び人間分布データに基づき、第2実施形態において説明したのと同様の態様で、活動空間SP1内の温度分布状況及び人間分布状況に関して、人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。また、例えば、温度分布データ生成システム400は、生成した温度分布データ及び人間分布データに基づき、第3実施形態において説明したのと同様の態様で、活動空間SP1に関して省エネ関連情報を生成する。
温度分布データ生成システム400は、複数の赤外線センサユニット20に加えて、コンセントレータ60と、メインコンピュータ430と、を有している。
赤外線センサユニット20は、所定時間t1毎に対象空間Rの温度分布を測定して、複数の画素から構成される熱画像データを取得する。また、赤外線センサユニット20は、対応する対象空間Rに係る熱画像データを取得すると、他の実施形態において説明したのと同様の態様により、取得した熱画像データから当該対象空間Rに存在する人間の影響を取り除いて、当該対象空間Rの定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する。また、赤外線センサユニット20は、熱画像データを取得すると、他の実施形態において説明したのと同様の態様により、取得した熱画像データから、当該対象空間Rに存在する人間の分布を示す人間分布データを抽出する。赤外線センサユニット20は、抽出した温度分布データ及び人間分布データを、コンセントレータ60に送信する。すなわち、赤外線センサユニット20は、定期的に温度分布データ及び人間分布データを、コンセントレータ60に送信する。なお、本実施形態において、所定時間t1は30secに設定されている。
コンセントレータ60は、各赤外線センサユニット20と、所定のプロトコルに基づいて無線通信又は有線通信を行えるように構成されている。コンセントレータ60は、所定のタイミングで各赤外線センサユニット20から温度分布データ及び/又は人間分布データを受信する。本実施形態では、コンセントレータ60は、各赤外線センサユニット20から送信された温度分布データ及び人間分布データを、所定時間t1毎に受信する。コンセントレータ60は、受信した各データを集めて、所定のタイミングでメインコンピュータ430へ送信する。すなわち、コンセントレータ60は、所定時間t1に1回、各温度分布データ及び人間分布データを受信し、まとめてメインコンピュータ430へ送信する。本実施形態では、係る一連の処理を、通信ネットワーク10において定期的に行われるデータ送受信の1サイクルとする。
メインコンピュータ430は、活動空間SP1とは別の場所、例えば、活動空間SP1が存在する建物内の中央管理室に設置されている。コンセントレータ60とメインコンピュータ430とは、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク10により無線通信又は有線通信を行えるように接続されている。メインコンピュータ430は、通信ネットワーク10を介して、コンセントレータ60が送信し(各赤外線センサユニット20が生成し)た温度分布データ及び/又は人間分布データを受信する。
なお、メインコンピュータ430は、活動空間SP1の存在する建物以外の場所、例えば遠隔地にある管理センターに配置されてもよい。また、メインコンピュータ430は、活動空間SP1内に配置されてもよい。また、通信ネットワーク10は、LANである必要はなく、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)でもよい。
メインコンピュータ430は、赤外線センサユニット20が生成しコンセントレータ60によって送信された温度分布データ及び人間分布データを受信し、後述する記憶部434に記憶する。また、メインコンピュータ430は、外気温センサ40が検出する外気温を受け付け、記憶部434に記憶する。
(2)メインコンピュータの詳細
以下、メインコンピュータ430の詳細について説明する。
図28は、本発明の第4実施形態に係る温度分布データ生成システム400のブロック図である。
メインコンピュータ430は、多数の赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データを、他の赤外線センサユニット20により生成された温度分布データ及び人間分布データと区別して受信し、記憶部434に記憶する。メインコンピュータ430は、記憶部434に記憶されたデータに基づき所定の情報を生成する。例えばメインコンピュータ430は、温度分布データ及び/又は人間分布データに基づき、第1実施形態で説明した改善提案や、第2実施形態で説明した動画、又は第3実施形態で説明した省エネ関連情報を生成する。
メインコンピュータ430は、主に、CPU、ROMやRAM等のメモリ、HDD等の補助記憶装置、及び入出力デバイスを有する。
メインコンピュータ430は、機能部として、通信部431、入力部432、出力部433、記憶部434、処理部435、マスク処理部436、及びデータ補間部437を主に有している。
(2−1)通信部
メインコンピュータ430は、通信部431を介して、コンセントレータ60や他のコンピュータ(図示省略)等と、所定のプロトコルに基づいて通信を行う。通信部431は、通信ネットワーク10を介して受信した温度分布データを及び人間分布データを記憶部434の所定の記憶領域に格納する。より詳細には、通信部431は、除外データ記憶領域434g(後述)において格納されている除外データ情報(後述)を参照し、受信した温度分布データ及び人間分布データに除外データ(後述)が含まれていれば、温度分布データ及び人間分布データのうち除外データを除いたデータを記憶部434に格納する。
(2−2)入力部
入力部432は、主としてキーボード、マウス等を有する。入力部432は、温度分布データ生成システム400のユーザから、各種指令や各種情報を受け付ける。
(2−3)出力部
出力部433は、主としてディスプレイを有する。出力部433には、例えば、メインコンピュータ430が生成した、改善提案、動画、省エネ関連情報等が表示される。
(2−4)記憶部
記憶部434は、他の実施形態に係る記憶部34と機器構成は同様である。記憶部434には、メインコンピュータ430に含まれる各部が処理を実行するためのプログラム、が記憶されている。また、記憶部434には、各種情報が記憶されている。記憶部434は、情報を記憶する領域として、温度分布データ記憶領域434aと、人間分布データ記憶領域434bと、外気温記憶領域434cと、空間情報記憶領域434dと、所定情報記憶領域434eと、センサ情報記憶領域434fと、除外データ記憶領域434gと、通信異常判別情報記憶領域434hと、を有する。
温度分布データ記憶領域434aには、コンセントレータ60から定期的に(ここでは所定時間t1毎に)送信されてくる各温度分布データが、時系列の情報として記憶される。より詳細には、温度分布データ記憶領域434aにおいては、温度分布データは、当該温度分布データを生成した赤外線センサユニット20の情報と関連づけて格納されている。温度分布データ記憶領域434aは、作成したユニット(赤外線センサユニット20)毎に、所定個数の温度分布データを格納可能な記憶容量を有している。具体的に、温度分布データ記憶領域434aは、作成したユニット(赤外線センサユニット20)毎に、30個の温度分布データを格納可能である。温度分布データ記憶領域434aにおいて、いずれかの赤外線センサユニット20が作成した温度分布データが30個を超えて格納される場合には、最も古い温度分布データが削除される。
人間分布データ記憶領域434bには、コンセントレータ60から定期的に(ここでは1分毎に)送信されてくる人間分布データが、時系列の情報として記憶される。人間分布データ記憶領域434bにおいては、人間分布データは、当該人間分布データを生成した赤外線センサユニット20の情報と関連づけて格納されている。人間分布データ記憶領域434bは、作成したユニット(赤外線センサユニット20)毎に、所定個数の人間分布データを格納可能な記憶容量を有している。具体的に、人間分布データ記憶領域434bは、作成したユニット(赤外線センサユニット20)毎に、30個の人間分布データを格納可能である。人間分布データ記憶領域434bにおいて、いずれかの赤外線センサユニット20が作成した人間分布データが30個を超えて格納される場合には、最も古い人間分布データが削除される。
外気温記憶領域434cには、外気温センサ40から定期的に(ここでは1分毎に)送信されてくる外気温が、時系列の情報として記憶される。
空間情報記憶領域434dには、活動空間SP1及び各対象空間Rに関する各種情報が記憶されている。空間情報記憶領域434dには、例えば温度分布データ生成システム400の導入時に、入力部432を介して入力された各種情報が記憶される。空間情報記憶領域434dに記憶される各種情報(以下、単に「空間情報」と称する)には、例えば、活動空間SP1が存在する建物の所在地、建設年、建物構造等に関する情報や、活動空間SP1の面積や用途、及び活動空間SP1の平面図に関する情報が含まれる。また、空間情報には、例えば、活動空間SP1で使用される機器(空調装置や換気装置)の仕様、能力、及び形式に関する情報が含まれる。また、空間情報には、例えば、活動空間SP1の定員(活動空間SP1にいることが想定される人数)に関する情報が含まれる。なお、空間情報には、上記以外の情報が含まれていてもよく、上記情報の一部が含まれていなくてもよい。
所定情報記憶領域434eには、処理部435が所定の情報(改善提案、動画、省エネ関連情報等を生成するための各種情報)が記憶されている。
センサ情報記憶領域434fには、活動空間SP1内に配設された各赤外線センサユニット20(20a、20b、20c)の情報が記憶されている。具体的には、センサ情報記憶領域434fには、各赤外線センサユニット20を識別するセンサ識別情報と、活動空間SP1内における各赤外線センサユニット20の配設位置を示すセンサ位置情報と、各赤外線センサユニット20が熱画像を得る範囲(すなわち、温度分布データおよび人間分布データを生成する範囲)を示すセンシング範囲情報と、が記憶されている。センサ識別情報、センサ位置情報及びセンシング範囲情報は、初期設定時にユーザによって入力される。以下の説明においては、センサ識別情報と、センサ位置情報と、センシング範囲情報と、を併せて「センサ情報」と称する。
除外データ記憶領域434gには、マスク処理部436のマスク処理(後述)によって指定された除外データに関する情報(除外データ情報)が格納されている。除外データ情報は、通信部431によって参照される。除外データ情報は、通信部431が受信した温度分布データのうち温度分布データ記憶領域434aに格納する必要がない部分(画素)を特定する情報である。また、除外データ情報は、通信部431が受信した人間分布データのうち人間分布データ記憶領域434bに格納する必要がない部分(画素)を特定する情報である。
通信異常判別情報記憶領域434hは、所定のビット数を有する複数の通信異常判別フラグFRが含まれている。具体的に、通信異常判別情報記憶領域434hには、コンセントレータ60から1サイクルで送信されるデータ数に対応する通信異常判別フラグFRが含まれている。本実施形態では、1サイクルでコンセントレータ60から送信されるデータは、対象空間R10、R20、又はR30に関するそれぞれの温度分布データ及び人間分布データであるので、6つの通信異常判別フラグFR(F1a、F1b、F2a、F2b、F3a、F3b)が含まれている。
通信異常判別フラグF1aは、対象空間R10に関する温度分布データに対応している。通信異常判別フラグF1bは、対象空間R10に関する人間分布データに対応している。通信異常判別フラグF2aは、対象空間R20に関する温度分布データに対応している。通信異常判別フラグF2bは、対象空間R20に関する人間分布データに対応している。通信異常判別フラグF3aは、対象空間R30に関する温度分布データに対応している。通信異常判別フラグF3bは、対象空間R30に関する人間分布データに対応している。
各通信異常判別フラグFRは、データ補間部437によって、対応するデータの通信異常が生じたと判定される際に立てられる。各通信異常判別フラグFRが立てられることで、メインコンピュータ430の各部は、通信異常が生じたデータを認識できるようになっている。
(2−5)処理部
処理部435は、記憶部434に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理を実行する。
例えば、処理部435は、第1実施形態の処理部35(図3)に相当する。係る場合、処理部435は、記憶部434に記憶されているプログラムを実行することで、対象空間Rの温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域(改善が必要な可能性のある領域を含む)を検出し、これに基づき活動空間SP1に対して温度分布状況に関する改善提案を生成する。
また、例えば、処理部435は、第2実施形態の処理部235(図12等)に相当する。係る場合、処理部435は、所定のタイミングで、特定期間における活動空間SP1内の人間の位置の変化及び温度分布の変化を同時に認識可能な動画を生成する。
また、例えば、処理部435は、第3実施形態の処理部335(図20等)に相当する。係る場合、処理部435は、他のユニットからの要求に応じて、活動空間SP1用の省エネ関連情報を生成する。
(2−6)マスク処理部
マスク処理部436は、空間情報記憶領域434dに記憶されている空間情報と、センサ情報記憶領域434fに格納されているセンサ情報(センサ識別情報、センサ位置情報及びセンシング範囲情報)と、を用いてマスク処理を実行する。マスク処理部436は、受信した温度分布データ又は人間分布データのうち、蓄積が不要な部分を抽出して蓄積対象から除外する処理である。
本実施形態においては、上述のように、活動空間SP1に複数の赤外線センサユニット20が配設され、いずれかの対象空間Rは他の対象空間Rと共通の重複エリア80を含んでいる。このため、メインコンピュータ430が受信する温度分布データ及び人間分布データのうち、いずれかの赤外線センサユニット20によって生成された温度分布データ(以下、「第1温度分布データ」と称する)及び人間分布データ(以下、「第1人間分布データ」と称する)は、他の赤外線センサユニット20によって生成された温度分布データ(以下、「第2温度分布データ」と称する)及び人間分布データ(以下、「第2人間分布データ」と称する)と、重複部分(以下、当該重複部分を「重複データ」と称する)を有する。マスク処理は、第1温度分布データ又は第1人間分布データに含まれる重複データを、記憶部434への蓄積対象から除外するデータ(以下、「除外データ」と称する)として指定する処理である。
ここで、マスク処理が実行されることなく、記憶部434に、第1温度分布データ及び第2温度分布データ、又は、第1人間分布データ又は第2人間分布データをそのまま記憶したのでは、処理部435において実行される各処理の実行結果において、活動空間SP1の温度状況及び人間分布状況が正確に反映されないケースが生じうる。
例えば、上述のように、対象空間R10には4人の人間が滞在しており、対象空間R20には6人の人間が滞在しており、対象空間R30には3人の人間が滞在している。このため、赤外線センサユニット20aによって対象空間R10に関して生成された人間分布データには、図29のように4人の人間が示されることとなる。また、赤外線センサユニット20bによって対象空間R20に関して生成された人間分布データには、図30のように6人の人間が示されることとなる。また、赤外線センサユニット20cによって対象空間R30に関して生成された人間分布データには、図31のように3人の人間が示されることとなる。
よって、各人間分布データに示される人間の合計人数は、13人となり、実際に活動空間SP1に滞在している人間の数(9人)とは相違する。
したがって、マスク処理が実行されずに、記憶部434に、第1温度分布データ及び第2温度分布データ、又は、第1人間分布データ又は第2人間分布データをそのまま記憶したのでは、処理部435において実行される各処理の実行結果において、活動空間SP1の温度状況及び人間分布状況が正確に反映されないケースが生じうる。
また、マスク処理が実行されずに、記憶部434に、第1温度分布データ及び第2温度分布データ、又は、第1人間分布データ又は第2人間分布データをそのまま記憶したのでは、記憶部434において、内容が同一の2つの重複データを記憶することとなり、記憶容量を無駄に使用することになる。
このような課題を解決すべく、内容が同一の2つの重複データが記憶部434に記憶されることを抑制すべく、マスク処理部436が、マスク処理を行っている。
マスク処理部436は、空間情報記憶領域434dに記憶されている空間情報と、センサ情報記憶領域434fに格納されているセンサ情報と、を用いてマスク処理を実行する。具体的には、マスク処理部436は、空間情報と、センサ情報と、に基づいて、活動空間SP1に含まれる各対象空間Rを抽出する。ここで、赤外線センサユニット20が熱画像データを取得する範囲(すなわち対象空間R)はセンシング情報を得ることで認識可能であり、空間情報、センサ識別情報、及びセンサ位置情報によって各赤外線センサユニット20の活動空間SP1内における座標情報を得ることで、マスク処理部436は、各対象空間Rが抽出可能となる。
マスク処理部436は、例えば、図32に示すような流れでマスク処理を実行する。なお、図32に示すマスク処理の流れは、一例であり、適宜変更が可能である。以下、図32に沿って、説明する。
ステップS201において、マスク処理部436は、空間情報記憶領域434dを参照し、空間情報が格納されているか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、空間情報記憶領域434dに空間情報が格納されていない場合)には、当該判定を繰り返す。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、空間情報記憶領域434dに空間情報が格納されている場合)には、ステップS202へ進む。
ステップS202において、マスク処理部436は、空間情報記憶領域434dに格納されている空間情報を取得する。その後、ステップS203へ進む。
ステップS203において、マスク処理部436は、センサ情報記憶領域434fを参照し、センサ情報(センサ識別情報、センサ位置情報及びセンシング範囲情報)が格納されているか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、センサ情報記憶領域434fにセンサ情報が格納されていない場合)には、ステップS201に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、センサ情報記憶領域434fにセンサ情報が格納されている場合)には、ステップS204へ進む。
ステップS204において、マスク処理部436は、センサ情報記憶領域434fに格納されているセンサ情報を取得する。その後、ステップS205へ進む。
ステップS205において、マスク処理部436は、取得した空間情報とセンサ情報とに基づき演算を行い、各赤外線センサユニット20に対応する対象空間Rを個別に抽出する。例えば、図25のような態様で各赤外線センサユニット20が配設される場合、マスク処理部436は、赤外線センサユニット20aに関するセンサ情報及び空間情報に基づいて対象空間R10を抽出し、赤外線センサユニット20bに関するセンサ情報及び空間情報に基づいて対象空間R20を抽出し、赤外線センサユニット20cに関するセンサ情報及び空間情報に基づいて対象空間R30を抽出する。その後、ステップS206へ進む。
ステップS206において、マスク処理部436は、各対象空間Rの座標情報を比較し、いずれかの対象空間Rと他の対象空間Rとの間に重複エリア80が存在するか否か(すなわち、互いの座標が一部において重複する対象空間Rがあるか否か)を判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、重複エリア80が存在しない場合)には、ステップS201に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、重複エリア80が存在する場合)には、ステップS207へ進む。例えば、図25のような態様で各赤外線センサユニット20が配設される場合、マスク処理部436は、対象空間R10と対象空間R20とが一部において重複しているため、重複エリア80a(図26参照)が存在すると判定する。また、対象空間R20と対象空間R30とが一部において重複しているため、重複エリア80b(図27参照)が存在すると判定する。
ステップS207において、マスク処理部436は、重複エリア80を含む対象空間Rに対応する温度分布データ及び人間分布データに関して、除外データを指定する。具体的には、重複エリア80を共有する複数の対象空間Rのうち、1つの対象空間Rを除いた各対象空間Rに対応する各温度分布データ及び各人間分布データの、重複エリア80に対応する部分(画素)のデータを、除外データとして指定する。
例えば、赤外線センサユニット20aによって図29に示すような人間分布データが生成される場合において、係るデータのうち重複エリア80aに対応する部分を除外データとして指定する時には、図33に示すように、重複エリア80aに対応する画素(16×7)を指定することで除外データを指定する(図33のハッチング部分を参照)。また、例えば、赤外線センサユニット20aによって図34に示すような温度分布データが生成される場合において、係るデータのうち重複エリア80aに対応する部分を除外データとして指定する時には、重複エリア80aに対応する画素(4×2)を指定することで除外データを指定する(図34のハッチング部分を参照)。
また、例えば、赤外線センサユニット20bによって図30に示すような人間分布データが生成される場合において、係るデータのうち重複エリア80bに対応する部分を除外データとして指定する時には、図35に示すように、重複エリア80bに対応する画素(16×7)を指定することで除外データを指定する(図35のハッチング部分を参照)。また、例えば、赤外線センサユニット20bによって図36に示すような温度分布データが生成される場合において、係るデータのうち重複エリア80bに対応する部分を除外データとして指定する時には、重複エリア80bに対応する画素(4×2)を指定することで除外データを指定する(図36のハッチング部分を参照)。
なお、マスク処理部436は、マスク処理を定義したプログラムに展開されている所定のアルゴリズムに沿って、除外データを指定する。
例えば、マスク処理部436は、予めユーザによって指定された優先順位に応じて、除外データを指定する。一例を挙げると、重複エリア80aを共有する対象空間R10及び対象空間R20のうち、対象空間R20の優先順位のほうが対象空間R10よりも高く設定されている場合には、優先順位が低い対象空間R10に対応するデータに含まれる重複データを除外データとして指定する。
また、例えば、マスク処理部436は、人間分布データ記憶領域434bに格納されている過去の人間分布データに基づき、人口密度の高さに基づいて優先順位を設定し、当該優先順位に応じて除外データを指定する。一例を挙げると、マスク処理部436は、重複エリア80aを共有する対象空間R10及び対象空間R20のうち、各人口分布データから対象空間R10及びR20の人口密度の平均値を算出し、係る平均値に基づき人口密度が高いと判断される対象空間R20の優先順位を、対象空間R10よりも高く設定する。
また、例えば、マスク処理部436は、各重複データのなかからランダムに除外データを指定する。
マスク処理部436は、除外データを指定した後、ステップS208へ進む。
ステップS208において、マスク処理部436は、指定した除外データを示す除外データ情報を除外データ記憶領域434gに格納する(除外データ記憶領域434gにおいてすでに同一の除外データ情報が格納されている場合には、何もしない)。その後、ステップS209へ進む。
ステップS209において、マスク処理部436は、各通信異常判別フラグFRの状態を参照し、除外データして指定されていない重複データを含む各データ(人間分布データ又は温度分布データ)に通信異常が生じたか否かを判定する。当該判定がNOの場合(すなわち、通信異常が生じていない場合)には、ステップ201に戻る。一方、当該判定がYESの場合(すなわち、通信異常が生じた場合)には、ステップS210へ進む。
ステップS210において、マスク処理部436は、通信異常の影響を受けた重複データを除外データとして新たに指定し、当該除外データ(画素)を特定する除外データ情報を除外データ記憶領域434gに格納する。また、これとともに、マスク処理部436は、新たに除外データとして指定した重複データと同一の重複データであって、除外データとして指定されていたもののなかから、1つの重複データに関し、除外データとしての指定を解除して、除外データ記憶領域434gから対応する除外データ情報を削除する。
例えば、対象空間R10に関するデータ(温度分布データ又は人間分布データ)と、対象空間R20に関するデータと、の重複データに関し、対象空間R10に関するデータに含まれる重複データ(以下、「第1データ」と称する)が除外データとして指定されている場合において、対象空間R20に関するデータに含まれる重複データ(以下、「第2データ」と称する)に通信異常が生じた時(すなわち、通信異常判別フラグF2a又はF2bが立てられた時)には、マスク処理部436は、除外データ記憶領域434gに記憶される除外データ情報において、第2データを新たに除外データとして指定し、第1データについては除外データとしての指定を解除する。
このような除外データの更新処理が実行されることにより、通信異常が生じたデータに含まれる重複データについては、次回のサイクルから、人間分布データ記憶領域434bに記憶されず、通信異常が生じていない重複データが記憶されるようになる。
マスク処理部436は、このような除外データの更新処理の実行後、ステップ201に戻る。
マスク処理部436は、以上のような流れのマスク処理を繰り返し実行する。このようなマスク処理が実行されることで、記憶部434に格納される温度分布データ及び人間分布データは、除外データを除いた状態で記憶されるようになっている。
例えば、上述の例において、対象空間R10に関して図29に示すように生成された人間分布データは、図37に示すように除外データ(図37の破線部分)を除いたデータ(図37の実線部分)が人間分布データ記憶領域434bに記憶される。また、対象空間R10に関して図34に示すように生成された温度分布データは、図38に示すように除外データ(図38の破線部分)を除いたデータ(図38の実線部分)が温度分布データ記憶領域434aに記憶される。
また、対象空間R20に関して図30に示すように生成された人間分布データは、図39に示すように除外データ(図39の破線部分)を除いたデータ(図39の実線部分)が人間分布データ記憶領域434bに記憶される。また、赤外線センサユニット20aによって図36に示すように生成された温度分布データは、図40に示すように除外データ(図40の破線部分)を除いたデータ(図40の実線部分)が温度分布データ記憶領域434aに記憶される。
上述のような態様でマスク処理部436がマスク処理を実行することにより、温度分布データ生成システム400では、各赤外線センサユニット20の配置態様に関わりなく、温度分布データ又は人間分布データを用いる処理部435の処理結果において、活動空間SP1における状況が適正に反映され、実際の状況との間に齟齬が生じることが抑制されている。
(2−7)データ補間部
データ補間部437は、通信異常が生じた際に、通信異常の影響を受けたデータの異常部分(画素)を補間するデータ補間処理を実行する。「通信異常」には、伝送経路上でデータ(温度分布データ又は人間分布データ)が衝突する等して受信されるはずのデータが受信されないいわゆるデータ欠落や、伝送経路上でデータにノイズが混入して受信したデータと実際に生成されたデータとの間に誤差が生じるいわゆる異常変動等が含まれる。データ補間部437が実行するデータ補間処理には、データ欠落が生じたデータに関して欠落部分を補間する欠落補間処理と、異常変動が生じたデータに関して異常変動部分を補間する異常変動補間処理と、が含まれる。
データ補間部437は、1サイクル毎に温度分布データ記憶領域434a又は人間分布データ記憶領域434bから最新のデータ(温度分布データ又は人間分布データ)を取得し、各データに通信異常が生じたか否かを判定する。
データ補間部437は、通信ネットワーク10を介して受信する温度分布データ及び人間分布データのいずれかに通信異常が生じたと判断した時には、対応する通信異常判別フラグFRを立てる。データ補間部437は、通信異常判別フラグFRを立てたデータ(すなわち通信異常が生じたデータ)に関し、次回以降のサイクルにおいて正常なデータを受信した時には、通信異常判別フラグFRを解除する。
具体的に、データ補間部437は、温度分布データの通信異常が生じた時には、温度分布データ記憶領域434aに記憶されている過去の温度分布データを用いて、補間温度分布データを生成する。データ補間部437は、人間分布データの通信異常が生じた時には、人間分布データ記憶領域434bに記憶されている過去の人間分布データを用いて、補間人間分布データを生成する。
データ補間部437は、図41に示すような流れでデータ補間処理を実行する。以下、図41を参照しながら、データ補間処理の流れについて説明する。なお、図41に示す流れは、一例であって、適宜変更が可能である。
ステップS301において、データ補間部437は、前回のサイクルから所定時間t1が経過したか(1サイクルが経過したか)否かを判定する。データ補間部437は、時間カウンタ(図示省略)を有しており、時間を計測可能である。当該判定がNOの場合(すなわち所定時間t1が経過していない場合)、当該判定を繰り返す。一方、当該判定がYESの場合(すなわち所定時間t1が経過したと判定した場合)、ステップS302へ進む。
ステップS302において、データ補間部437は、記憶部434(温度分布データ記憶領域434a及び人間分布データ記憶領域434b)から1サイクル分の各データ(温度分布データ及び人間分布データ)を取得する。その後、ステップS303へ進む。
ステップS303において、データ補間部437は、取得した各データを解読し、欠落データがあるか否かを判定する。当該判定は、センサ情報記憶領域434fに含まれているセンサ情報に基づき、所定の記憶領域(434a又は434b)に最新の各データが記憶されているか否かを判定することにより、行われる。
例えば、図42に示すように、サイクル(所定時間t1)毎に受信するはずのデータ(いずれかの対象空間Rに関する温度分布データ又は人間分布データ)が記憶部434(434a又は434b)に格納されていない場合には、データ補間部437は、当該データに関してデータ欠落が生じたと判定する。図42では、サイクルC1からC4において定期的に受信されたデータが、C5においては受信されず、サイクルC6からサイクルC9において定期的に受信される様子が示されている。係る場合、サイクルC5において、記憶部434に所定のデータが記憶されない。これを受けて、データ補間部437は、サイクルC5においてデータ欠落が生じたと判定する。
ステップS303の判定がNOの場合(すなわち欠落部分がないと判定した場合)、データ補間部437は、ステップS304へ進む。一方、当該判定がYESの場合(すなわち欠落部分があると判定した場合)、ステップS306へ進む。
ステップS304において、データ補間部437は、取得した各データを解読し、異常変動があるか否かを判定する。より詳細には、データ補間部437は、取得したデータと、これに対応する前回のサイクルのデータと、を画素毎に比較し、所定の閾値ΔThを超えて変動している部分(画素)があるか否かを判定する。
データ補間部437は、温度分布データの異常変動を判定する際には、取得したデータにおいて、前回のサイクルのデータから第1閾値ΔTh1を超えて変動する部分(画素)、又はNULL値(情報が存在しない)の画素が存在するか否かを判定する。本実施形態において、第1閾値ΔTh1は、5(℃)に設定されている。
例えば、前回の温度分布データが図43に示すような状態である場合において、受信した最新の温度分布データが図44に示すような状態であれば、二点鎖線で示される画素が示す値(温度)が、前回の値よりも第1閾値ΔTh1(5℃)を超える割合で大きく変化している。具体的には、前回のサイクルにおいては25.3(℃)であった画素(図43のH10を参照)が、次のサイクルでは45.5(℃)に変化している(図44の二点鎖線参照)。また、最新の温度分布データにはNULL値の画素(H20)が含まれている(図44の一点鎖線参照)。このような場合、データ補間部437は、係る温度分布データの異常変動が生じたと判定する。
また、データ補間部437は、人間分布データの異常変動を判定する際には、取得したデータに示される人数(すなわち対象空間R内の人数)が、前回のサイクルのデータから第2閾値ΔTh2を超えて変動しているか否かを判定する。本実施形態において、第2閾値ΔTh2は、10(人)に設定されている。
例えば、図45及び図46に示すように、サイクル(所定時間t1)毎に受信する各人間分布データが示す人数が第2閾値ΔTh2を超えて上下する場合(図45のサイクルC15、及び図46のサイクルC25を参照)、データ補間部437は、人間分布データに異常変動が生じたと判定する。
ステップS304の判定がNOの場合(すなわち、取得したデータが所定の閾値ΔThを超えて変動していない場合、NULL値の画素が存在しない場合)、ステップS305へ進む。一方、判定がYESの場合(すなわち、取得したデータが所定の閾値ΔThを超えて変動した場合、NULL値の画素が存在した場合)、データ補間部437は、当該データに異常変動が生じたと判定し、ステップS309へ進む。
ステップS305において、データ補間部437は、通信異常判別情報記憶領域434hにおいて、立てられている通信異常判別フラグFRを全て解除(off)する(全ての通信異常判別フラグFRが解除された状態にある場合には何もしない)。その後、ステップS301に戻る。
ステップS306において、データ補間部437は、通信異常判別情報記憶領域434hにおいて、欠落が生じたデータに対応する通信異常判別フラグFRを立てる(onする)。その後、ステップS307へ進む。
ステップS307において、データ補間部437は、欠落が生じたデータに関し、データ補間処理(欠落補間処理)を実行する。
具体的には、データ補間部437は、温度分布データの欠落補間処理において、記憶部434から、欠落が生じたデータに対応する過去の温度分布データ(以下、「過去データ」と称する)を、新しいものから所定個数n個分取得する。本実施形態では、所定個数nは、3個に設定されている。すなわち、データ補間部437は、直近の3サイクル分の過去データを取得する。その後、過去データの平均値を画素毎に算出し、算出した値に基づき補間温度分布データを生成する。
例えば、補間温度分布データは、過去データ(3サイクル分)が図43に示すような状態であれば、3サイクル分の過去データの各画素の平均値を算出し、当該平均値を用いて図47に示すような補間温度分布データを生成する。図47には、過去データの各画素の平均値を集めて生成された補間温度分布データが模式的に示されている。
データ補間部437は、補間温度分布データの生成後、生成した補間温度分布データを温度分布データ記憶領域434aに格納する。
データ補間部437は、人間分布データの欠落補間処理において、記憶部434から、欠落が生じたデータに対応する前回の人間分布データ(以下、「直近データ」と称する)を取得する。その後、直近データに基づき補間人間分布データを生成する。本実施形態では、直近データのコピーデータが補間人間分布データして生成される。
データ補間部437は、人間温度分布データの生成後、生成した補間人間分布データを人間分布データ記憶領域434bに格納する。
データ補間部437は、上述のようなデータ補間処理を実行した後、ステップS308へ進む。
ステップS308において、データ補間部437は、ステップS304と同様の判定を行う。当該判定がNOの場合(すなわち、最新のデータが前回のデータから所定の閾値ΔThを超えて変動していない場合)、ステップS301に戻る。一方、判定がYESの場合(すなわち、最新のデータが前回のデータから所定の閾値ΔThを超えて変動した場合)、データ補間部437は、当該データに異常変動が生じたと判定し、ステップS309へ進む。
ステップS309において、データ補間部437は、通信異常判別情報記憶領域434hにおいて、異常変動が生じたデータに対応する通信異常判別フラグFRを立てる。その後、ステップS310へ進む。
ステップS310において、データ補間部437は、異常変動が生じたデータに関し、データ補間処理(異常変動補間処理)を実行する。
具体的には、データ補間部437は、温度分布データに関する異常変動補間処理において、記憶部434から、直近の3サイクル分の過去データを取得する。その後、異常変動が生じた画素に関して、過去データの平均値を算出し、算出した平均値に基づいて補間温度分布データを生成する。
例えば、過去データが図43に示すような状態である場合において、最新の温度分布データに関して図44の一点鎖線(H10)および二点鎖線(H20)に示すような異常変動が生じた場合には、図48のような補間温度分布データが生成される。図48では、図44において異常変動が生じていた画素(H10、H20)において、当該画素に関する過去データの平均値(25.3℃)が示されている(図48の一点鎖線及び二点鎖線を参照)。
データ補間部437は、補間温度分布データの生成後、温度分布データ記憶領域434aから通信異常(異常変動)が生じた温度分布データを削除するとともに、異常変動補間処理によって生成した補間温度分布データを温度分布データ記憶領域434aに格納する。
また、データ補間部437は、データ補間部437は、人間分布データに関する異常変動補間処理において、記憶部434から直近データを取得し、直近データに基づき補間人間分布データを生成する。本実施形態では、直近データのコピーデータが補間人間分布データして生成される。
例えば、図45及び図46に示すような異常変動が生じた場合には、補間人間分布データ生成されて、人間分布データ記憶領域434bに格納されている人間分布データは、図49のような状態となる。図49では、サイクルC15(又はC25)において、補間人間分布データが人間分布データ記憶領域434bに格納されている様子が示されている(図49のハッチング部分を参照)。
データ補間部437は、補間人間分布データの生成後、人間分布データ記憶領域434bから通信異常(異常変動)が生じた人間分布データを削除するとともに、異常変動補間処理によって生成した補間人間分布データを人間分布データ記憶領域434bに格納する。
データ補間部437は、ステップS310において、異常変動補間処理の実行後、ステップS301に戻る。
すなわち、データ補間部437が上述のようなデータ補間処理を実行することにより、通信異常によって受信すべき温度分布データ又は人間分布データが受信されない場合や、受信した温度分布データ又は人間分布データが実際に生成されたデータとは相違する場合でも、通信異常に係るデータが適正に補間されるようになっている。
(2−7−1)データ補間処理のアルゴリズム
データ補間部437は、データ補間処理として、欠落補間処理と異常変動補間処理を実行する。データ補間部437が実行するデータ補間処理においては、温度分布データの補間アルゴリズム(すなわち、補間温度分布データの生成方法)と、人間分布データの補間アルゴリズム(すなわち、補間人間分布データの生成方法)とが、欠落補間処理と異常変動補間処理のいずれにおいても、相違していた。
具体的には、データ補間部437は、補間温度分布データについては、過去データの平均値を算出し、算出した平均値に基づいて生成していた。一方で、データ補間部437は、補間人間分布データについては、直近データのコピーを用いて生成していた。
すなわち、データ補間処理では、補間温度分布データと補間人間分布データとは互いに異なるアルゴリズムに基づいて生成される。これにより、データ補間処理が、データの特性に応じて適正に行われるようになっている。
(3)特徴
(3−1)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム400では、データ補間部437が、温度分布データ又は人間分布データの通信異常が生じた時に、過去の温度分布データ又は人間分布データを用いて、補間温度分布データを生成している。すなわち、通信異常により、受信すべき温度分布データ又は人間分布データが受信されない場合や、受信した温度分布データ又は人間分布データが実際に生成されたデータとは相違する場合でも、データ補間部437が、過去の受信データ(過去データ又は直近データ)に基づいて補間温度分布データ又は補間人間分布データを生成するようになっている。そのため、温度分布データ又は人間分布データに関して通信異常が生じても、通信異常に係るデータが適正に補間されるようになっている。その結果、温度分布データ又は人間分布データに関する通信異常の影響が抑制されている。
また、本実施形態では、補間温度分布データと補間人間分布データとは互いに異なるアルゴリズムに基づいて生成されている。そのため、データの特性に応じたデータの補間が行われるようになっている。
(3−2)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム400では、マスク処理部436が、いずれかの赤外線センサユニット20により抽出される温度分布データ(第1温度分布データ)の対象範囲の一部が、他の赤外線センサユニット20によって抽出される温度分布データ(第2温度分布データ)の対象範囲と重複している場合には、第1温度分布データのうち第2温度分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして指定して蓄積対象から除外している。また、温度分布データ生成システム400では、マスク処理部436が、いずれかの赤外線センサユニット20により抽出される人間分布データ(第1人間分布データ)の対象範囲の一部が、他の抽出部によって抽出される人間分布データ(第2人間分布データ)の対象範囲と重複している場合には、第1人間分布データのうち第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を、除外データとして指定して蓄積対象から除外している。
そのため、赤外線センサユニット20の設置環境等に応じて、異なる赤外線センサユニット20によって生成される温度分布データ又は人間分布データの対象範囲が重複している場合であっても、活動空間SP1における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能となっている。
(3−3)
本実施形態に係る温度分布データ生成システム400では、マスク処理部436が、第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた時には、第1温度分布データ又は第1人間分布データのうち第2温度分布データ又は第2人間分布データと対象範囲が重複している重複データに関し、除外データとしての指定を解除し、第2温度分布データ又は第2人間分布データのうち第1温度分布データ又は第1人間分布データと対象範囲が重複している重複データを、新たに除外データに指定して蓄積対象から除外している。
すなわち、通信ネットワーク10において除外データに指定されていない第2温度分布データ又は第2人間分布データの通信異常が生じた場合、除外データとして指定されていた第1温度分布データ又は第1人間分布データの重複データは、除外データとしての指定を解除され、記憶部434に蓄積されるようになっている。一方で、通信異常が生じた第2温度分布データ又は第2人間分布データに含まれる重複データに関しては、新たに除外データとして指定され、蓄積対象から除外されるようになっている。
つまり、温度分布データ生成システム400では、通信環境等の状況に応じて、除外データが適宜更新されるようになっている。その結果、温度分布データ生成システム400では、通信異常の影響を受けにくく、対象空間Rにおける温度分布状況又は人間分布状況を高精度に把握することが可能となっている。
(4)変形例
第4実施形態に係る温度分布データ生成システム400には、矛盾のない範囲で、他の実施形態に係る構成や、他の実施形態の変形例に係る構成が適用されてもよい。
以下に第4実施形態の変形例を示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で、他の変形例(第1、第2、又は第3実施形態の構成や、第1、第2、又は第3実施形態の変形例を含む)の一部又は全部と組合せて用いられてもよい。
(4−1)変形例4A
上記実施形態では、活動空間SP1において、重複エリア80が2つの対象空間Rに重複して形成されていた。しかし、重複エリア80は、3以上の対象空間Rにまたがって形成されてもよい。係る場合であっても、マスク処理が実行されることにより、活動空間SP1における温度分布状況又は人間分布状況を正確に把握することが可能である。
(4−2)変形例4B
上記実施形態では、メインコンピュータ430は、通信ネットワーク10を介してコンセントレータ60と接続され、コンセントレータ60が各赤外線センサユニット20からデータを受信していた。しかし、温度分布データ生成システム400において、コンセントレータ60については必ずしも必要ではなく、メインコンピュータ430が各赤外線センサユニット20から各データを送信されるように構成されてもよい。
(4−3)変形例4C
上記実施形態では、データの異常変動の有無を判定する際に用いられる閾値ΔThに関し、第1閾値ΔTh1が5℃に設定され、第2閾値ΔTh2が10人に設定されていた。しかし、これらの閾値は、必ずしもこれらの値に限定されず、適宜変更が可能である。すなわち、第1閾値ΔTh1は、6℃以上又は5℃未満に設定されてもよく、例えば10℃に設定されてもよいし、3℃に設定されてもよい。また、第2閾値ΔTh2は、11人以上又は10人未満に設定されてもよく、例えば20人に設定されてもよいし、5人に設定されてもよい。
(4−4)変形例4D
上記実施形態では、温度分布データのデータ補間処理においては、過去データ(3サイクル分)の平均値に基づいて補間温度分布データが生成されていた。しかし、補間温度分布データを生成するアルゴリズムについてはこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、平均値を算出する過去データの個数(サイクル数)については、4個以上であってもよいし、3個未満であってもよい。また、例えば、温度分布データ記憶領域434aに記憶されている温度分布データの統計値を算出し、算出した統計値を用いて補間温度分布データを生成してもよい。また、例えば、前回のサイクルの温度分布データのコピーデータを補間温度分布データとして生成してもよい。
(4−5)変形例4E
上記実施形態では、人間分布データのデータ補間処理においては、過去データ(前回のサイクルの人間分布データ)のコピーデータが補間人間分布データとして生成されていた。しかし、人間分布データを生成するアルゴリズムについてはこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、人間分布データ記憶領域434bに記憶されている人間分布データの平均値や統計値を用いて補間人間分布データを生成してもよい。
(4−6)変形例4F
上記実施形態では、データ補間処理においては、通信異常が生じた過去のデータを用いて補間温度分布データ又は補間人間分布データが生成されていた。しかし、データ補間処理においては、通信異常が生じたサイクルにおいて正常に受信された他のデータを用いて、補間温度分布データ又は補間人間分布データが生成されてもよい。
例えば、通信異常の影響を受けたデータの重複データに関し、正常に受信された同一の重複データが記憶部434において記憶されている場合には、当該重複データを用いて補間温度分布データ又は補間人間分布データが生成されてもよい。
また、例えば、いずれかの対象空間Rに関するデータが通信異常の影響を受けた場合には、隣接する対象空間Rのデータを用いて補間温度分布データ又は人間分布データが生成されてもよい。
なお、これらの場合、各補間データは、他のデータのコピーデータとして生成される。或いは、当該他のデータを用いて所定の平均値や統計値に基づいて生成される。
上述のような方法によっても、通信異常に係るデータが適正に補間されうる。その結果、温度分布データ又は人間分布データに関する通信異常の影響が抑制される。
(4−7)変形例4G
上記実施形態では、温度分布データ又は人間分布データの通信異常が生じた際、データ補間処理を実行して補間温度分布データ又は補間人間分布データを生成していた。しかし、補間人間分布データについては、必ずしも生成される必要はなく、システム上不要である場合には適宜省略してもよい。
(4−8)変形例4H
上記実施形態では、マスク処理部436は、温度分布データ又は人間分布データに重複データが生じる場合には、マスク処理を実行して除外データを指定していた。しかし、マスク処理部436は、必ずしも温度分布データ又は人間分布データの双方についてマスク処理を実行する必要はなく、温度分布データ及び人間分布データのうちマスク処理が必要なもののみについてマスク処理を実行すればよい。すなわち、システムを適用するうえで、マスク処理が不要なデータに関してはマスク処理を省略してもよい。
(4−9)変形例4I
上記実施形態では、マスク処理部436がマスク処理を実行し、データ補間部437がデータ補間処理を実行していた。しかし、温度分布データ生成システム400においては、マスク処理部436およびデータ補間部437のいずれかを省略して構成してもよい。
すなわち、赤外線センサユニット20の配設態様に関連して、各対象空間Rに重複エリア80が存在しない場合には、重複データが生じないためマスク処理を行う必要がない。よって、マスク処理部436については省略可能となる。
また、データ補間部437を省略した場合、通信異常が生じた際にデータ補間処理が実行されないことから、通信異常の影響が大きくなるが、マスク処理については実行されるため、重複データに関しては適正に対応することが可能である。
(4−10)変形例4J
上記実施形態では、マスク処理部436が除外データ情報を除外データ記憶領域434gに格納し、通信部431が、係る除外データ情報に基づいて、受信したデータから除外データを除外して蓄積していた。しかし、これに限定されず、通信部431が、受信したデータの全てを所定の記憶領域に一旦格納し、マスク処理部436(又は他のユニット)が、指定された除外データを、記憶領域から削除するような構成としてもよい。
(4−11)変形例4K
上記実施形態では、メインコンピュータ430は、活動空間SP1とは別の場所、例えば、活動空間SP1が存在する建物内の中央管理室に設置されていた。しかし、メインコンピュータ430の配置態様については、必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。
例えば、メインコンピュータ430は、活動空間SP1の存在する建物以外の場所、例えば遠隔地にある管理センターに配置されてもよい。なお、係る場合、通信ネットワーク10は、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)を含む。
また、メインコンピュータ430は、各構成部(431〜437)が必ずしも同一の場所に配置される必要はなく、その一部が異なる場所に分散配置されてもよい。係る場合、各構成部(431〜437)が、LANやWAN等のネットワークで通信可能に構成されればよい。
また、メインコンピュータ430は、その一部又は全部が活動空間SP1内に配置されてもよい。
本発明に係る温度分布データ生成システムは、データサイズが小さく、空間の定常温度分布を正しく把握することが可能な温度分布データを生成できるシステムとして有用である。
21 センサ部(取得部)
25 ユニット処理部(抽出部)
31,431 通信部(受付部)
32,432 入力部(受付部)
34,234,334,434 記憶部
35a 領域検出部
35b 改善提案生成部
235c 動画生成部
335g 類似空間抽出部
335h 省エネ関連情報生成部
436 :マスク処理部
437 :データ補間部
100,200,300,400 温度分布データ生成システム
R,R1,R2,・・・RN 対象空間
Rm 第1空間
SP1 活動空間
特開平6−160507号公報

Claims (17)

  1. 対象空間(R,R1,R2,・・・RN,)の温度分布を測定して複数の画素から構成される熱画像データを複数の時点において取得する取得部(21)と、
    前記熱画像データから、前記対象空間に存在する人間の影響を取り除いて、前記対象空間の定常温度の分布を示す温度分布データを抽出する抽出部(25)と、
    を備える、温度分布データ生成システム(100,200,300,400)。
  2. 前記抽出部は、前記熱画像データに含まれる温度ピークを示す前記画素を、前記人間の影響を示す前記画素と判断し、前記人間の影響を示す前記画素の値を排除することで、前記人間の影響を取り除く、
    請求項1に記載の温度分布データ生成システム。
  3. 前記抽出部は、所定期間に前記複数の時点において取得された前記熱画像データの、各前記画素の値の時系列的な最小値を、各前記画素の前記所定期間における温度を表す値とする時間ピーク排除熱画像データを生成することで、前記人間の影響を取り除いた前記温度分布データを抽出する、
    請求項2に記載の温度分布データ生成システム。
  4. 前記抽出部は、前記熱画像データの近接する複数の前記画素からなる区画に含まれる前記画素の値の最小値を、前記区画に含まれる前記画素の温度を表す値とする空間ピーク排除熱画像データを生成することで、前記人間の影響を取り除いた前記温度分布データを抽出する、
    請求項2に記載の温度分布データ生成システム。
  5. 前記抽出部によって抽出された前記温度分布データを記憶する記憶部(34,234,334)を更に備え、
    前記記憶部は、前記取得部が前記熱画像データを取得する頻度よりも少ない頻度で、前記温度分布データを記憶する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム。
  6. 前記取得部及び前記抽出部は、前記対象空間に設置され、
    前記記憶部は、前記抽出部と通信可能に接続されている、
    請求項5に記載の温度分布データ生成システム。
  7. 前記抽出部は、前記熱画像データから、前記対象空間に存在する人間の分布を示す人間分布データを更に抽出する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム。
  8. 前記対象空間の温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部(35a)
    を更に備え、
    前記領域検出部は、前記温度分布データに基づき、前記対象空間(R)において前記定常温度がピークを示す第1領域を、前記要改善領域として検出する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム(100)。
  9. 前記対象空間の温度分布状況に関し改善が必要な要改善領域を検出する領域検出部(35a)、
    を更に備え、
    前記領域検出部は、前記温度分布データ及び前記人間分布データに基づき、前記対象空間(R)において、人間が不在で、かつ、空調が過剰な第2領域を、前記要改善領域として検出する、
    請求項7に記載の温度分布データ生成システム(100)。
  10. 前記要改善領域に対し、温度分布状況に関する改善提案を生成する改善提案生成部(35b)、
    を更に備えた、
    請求項8又は9に記載の温度分布データ生成システム(100)。
  11. 特定期間における前記人間分布データ及び前記温度分布データに基づいて、前記特定期間における、前記対象空間(R)内の、人間の位置の変化及び温度分布の変化を、同時に認識可能な動画を生成する動画生成部(235c)、
    を更に備えた、
    請求項7に記載の温度分布データ生成システム(200)。
  12. 前記取得部は、多数の前記対象空間(R1,R2,・・・RN)について前記熱画像データを取得し、
    当該温度分布データ生成システムは、
    多数の前記対象空間に含まれる第1空間(Rm)用の省エネ関連情報の生成要求を受け付ける受付部(31,32)と、
    前記第1空間の所定期間の前記人間分布データに基づき、多数の前記対象空間から、前記第1空間と類似する利用状況のパターンを有する類似空間を抽出する類似空間抽出部(335g)と、
    前記省エネ関連情報として、前記類似空間の前記温度分布データに基づいた前記類似空間の温度分布に関する情報を生成する省エネ関連情報生成部(335h)と、
    を更に備える、
    請求項7に記載の温度分布データ生成システム(300)。
  13. 前記温度分布データを、所定のタイミングで通信ネットワーク(10)を介して受信し、所定の記憶領域(434a)に個別に蓄積するコンピュータ(430)と、
    前記温度分布データの通信異常が生じた時に、過去の前記温度分布データを用いて補間温度分布データを生成するデータ補間部(437)と、
    をさらに備える、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム(400)。
  14. 前記温度分布データ及び前記人間分布データを、所定のタイミングで通信ネットワーク(10)を介して受信し、所定の記憶領域(434a,434b)に個別に蓄積するコンピュータ(430)と、
    前記温度分布データの通信異常が生じた時には過去の前記温度分布データを用いて補間温度分布データを生成し、前記人間分布データの通信異常が生じた時には過去の前記人間分布データを用いて補間人間分布データを生成するデータ補間部(437)と、
    をさらに備え、
    前記データ補間部は、温度分布データ補間アルゴリズムに基づいて補間温度分布データを生成し、前記温度分布データ補間アルゴリズムとは異なる人間分布データ補間アルゴリズムに基づいて補間人間分布データを生成する、
    請求項7、9、11及び12のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム(400)。
  15. 複数の前記抽出部によって抽出された前記温度分布データ又は前記人間分布データを、所定のタイミングで通信ネットワーク(10)を介して受信し、所定の記憶領域(434a,434b)に個別に蓄積するコンピュータ(430)をさらに備え、
    前記コンピュータは、受信した前記温度分布データ又は前記人間分布データのうち蓄積が不要な部分を抽出して蓄積対象から除外する、マスク処理部(436)を含み、
    前記マスク処理部は、
    いずれかの前記抽出部により抽出される前記温度分布データである第1温度分布データの対象範囲(R10,R20)の一部が、他の前記抽出部によって抽出される前記温度分布データである第2温度分布データの対象範囲(R20,R30)と重複している場合には、前記第1温度分布データのうち前記第2温度分布データと対象範囲が重複している部分を除外データとして抽出して蓄積対象から除外する、又は、
    いずれかの前記抽出部により抽出される前記人間分布データである第1人間分布データの対象範囲(R10,R20)の一部が、他の前記抽出部によって抽出される前記人間分布データである第2人間分布データの対象範囲(R20,R30)と重複している場合には、前記第1人間分布データのうち前記第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を除外データとして抽出して蓄積対象から除外する、
    請求項7、9、11及び12のいずれか1項に記載の温度分布データ生成システム(400)。
  16. 前記コンピュータは、前記第2温度分布データ又は前記第2人間分布データの通信異常が生じた時には、前記除外データを用いて、通信異常が生じた前記第2温度分布データ又は前記第2人間分布データを補間するデータ補間部(437)をさらに備える
    請求項15に記載の温度分布データ生成システム(400)。
  17. 前記マスク処理部は、前記第2温度分布データ又は前記第2人間分布データの通信異常が生じた時には、前記第1温度分布データ又は前記第1人間分布データのうち前記第2温度分布データ又は前記第2人間分布データと対象範囲が重複している部分を前記除外データとしては抽出せず、前記第2温度分布データ又は前記第2人間分布データのうち前記第1温度分布データ又は前記第1人間分布データと対象範囲が重複している部分を前記除外データして蓄積対象から除外する、
    請求項15又は16に記載の温度分布データ生成システム(400)。
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